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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-24
(54)【発明の名称】新化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 409/14 20060101AFI20221116BHJP
   C07D 409/10 20060101ALI20221116BHJP
   A61K 31/4178 20060101ALI20221116BHJP
   A61K 31/4436 20060101ALI20221116BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20221116BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20221116BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20221116BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20221116BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20221116BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20221116BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
C07D409/14
C07D409/10 CSP
A61K31/4178
A61K31/4436
A61K31/506
A61P9/04
A61P9/12
A61P11/00
A61P13/12
A61P29/00 101
A61P37/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022516299
(86)(22)【出願日】2020-09-18
(85)【翻訳文提出日】2022-03-11
(86)【国際出願番号】 GB2020052261
(87)【国際公開番号】W WO2021053344
(87)【国際公開日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】1913603.5
(32)【優先日】2019-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522097843
【氏名又は名称】ヴィコール ファルマ アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】フェックス,トマス
(72)【発明者】
【氏名】オルソン,ベンクト
【テーマコード(参考)】
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063AA03
4C063BB01
4C063BB06
4C063CC92
4C063DD12
4C063DD25
4C063DD29
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086BC17
4C086BC38
4C086BC42
4C086GA01
4C086GA03
4C086GA07
4C086GA08
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA36
4C086ZA42
4C086ZA59
4C086ZA81
4C086ZB08
4C086ZB15
(57)【要約】
本明細書では、式Iの化合物が提供され、式中、R、R、R、Y、Y、Y、Y、R、RおよびRは、本明細書で定義され、これらの化合物は、特発性肺線維症およびサルコイドーシスなどの間質性肺疾患を含む、自己免疫および/または線維性疾患の治療において有用である。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物であって、
【化1】

式中、
は、1つ以上のハロゲン原子で任意に置換されたC1-6アルキルを表し、
およびRは、独立して、H、または1つ以上のハロゲン原子によって任意に置換されたC1-6アルキルを表し、
、Y、Y、およびYは、独立して、-CH-、-CF-、または-N-を表し、
は、C1-7アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシ-C1-6アルキルを表し、これらの各々が1つ以上のハロゲン原子で任意に置換されているか、または
は、アリール、C1-6アルキルアリール、C1-3アルケニルアリール、ヘテロアリール、C1-6アルキルヘテロアリール、もしくはC1-3アルケニルヘテロアリールを表し、これらの各々がハロゲン、CF、CFO、C1-6アルキル、およびC1-6アルコキシから選択される1つ以上の置換基によって任意に置換され、
は、H、または1つ以上のハロゲン原子で任意に置換されたC1-6アルキルを表し、
は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシ-C1-6アルキルを表し、これらの各々が1つの以上のハロゲン原子で任意に置換された、化合物、
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
が、最大3つのフッ素原子で任意に置換されたC1-3アルキル基を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
およびRが、独立して、H、メチルまたはエチルを表す、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
が、最大3つのフッ素原子で任意に置換もしくは終端されたC1-4アルキル基;または最大3つのフッ素原子で任意に置換もしくは終端されたC1-2アルコキシ-C1-3アルキル基;フェニル;C1-3アルキルアリール;またはC1-3アルキルヘテロアリールを表す、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
が、HまたはC1-4アルキル基を表す、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
が、最大3つのフッ素原子で任意に置換またはより好ましくは終端されたC1-4アルキル基を表す、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
が、-CH-、-CF-または-N-を表し、Yが、-CH-もしくは-CF-を表し、Yが、-CH-を表し、かつ/またはYが、-CH-もしくは-N-を表す、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
が、-CH-もしくは-CFを表し、かつ/またはY、YおよびYがすべて、-CH-を表す、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
1-ベンジル-3-(5-イソブチル-3-{p-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-2チエニルスルホニル)尿素、
p-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-2-チエニルスルホニル)-1-[(2-ピリジル)メチル]尿素、
p-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-2-チエニルスルホニル)-1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素、
1-ブチル-3-(5-イソブチル-3-{p-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-2-チエニルスルホニル)尿素、
p-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-2-チエニルスルホニル)-1-(4,4,4-トリフルオロブチル)尿素、
1-ベンジル-3-(3-{p-[(2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)尿素、
p-[(2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-(2-メトキシエチル)尿素、または
p-[(2,4-ジメチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素、
3-(3-{p-[(2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-[(2-ピリジル)メチル]尿素、
1-ベンジル-3-(3-{p-[(2,4-ジメチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)尿素、
3-(3-{p-[(2,4-ジメチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-[(2-ピリジル)メチル]尿素、
1-ベンジル-3-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)尿素、
3-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-[(2-ピリジル)メチル]尿素、
3-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素、
1-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-3-[(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル]尿素、
1-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]尿素、
3-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-メチル-1-[(2-ピリジル)メチル]尿素、
3-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-(4,4,4-トリフルオロブチル)尿素、
3-(5-イソブチル-3-{5-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-2-ピリジル}-2-チエニルスルホニル)-1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素、
3-(5-イソブチル-3-{2-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-5-ピリミジニル}-2-チエニルスルホニル)-1-(2-メトキシエチル)尿素、
3-(5-イソブチル-3-{2-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-5-ピリミジニル}-2-チエニルスルホニル)-1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素、
3-(5-イソブチル-3-{2-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-5-ピリミジニル}-2-チエニルスルホニル)-1-[(2-ピリジル)メチル]尿素、
1-[(3,5-ジフルオロフェニル)メチル]-3-(5-イソブチル-3-{5-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-2-ピリジル}-2-チエニルスルホニル)尿素、
3-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-(2-メトキシエチル)尿素、
3-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-[1-(2-ピリジル)エチル]尿素、
3-(3-{2-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素、
3-(3-{2-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)尿素、
1-(3-フルオロプロピル)-3-(5-イソブチル-3-{p-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-2-チエニルスルホニル)尿素、
1-(3,3-ジフルオロプロピル)-3-(5-イソブチル-3-{p-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-2-チエニルスルホニル)尿素、
1-[(3-{4-[(2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-3-フルオロフェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]-3-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素、
1-[(3-{4-[(2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-3-フルオロフェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]-3-(2-メトキシエチル)尿素、
3-[(3-{4-[(2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-3-フルオロフェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]-1-[(4-フルオロフェニル)メチル]尿素、
1-[(3-{4-[(2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-3-フルオロフェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]-3-プロピル尿素、
1-[(3,4-ジフルオロフェニル)メチル]-3-[(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]尿素、
1-[(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]-3-[(チオフェン-2-イル)メチル]尿素、
1-[(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]-3-プロピル尿素、
1-[(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]-3-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素、
1-[(4-クロロピリジン-2-イル)メチル]-3-[(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]尿素、
1-[(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]-3-(2-メチルプロピル)尿素、
1-[(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)メチル]-3-[(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]尿素、
1-{[3-(3-フルオロ-4-{[2-(プロパン-2-イル)-1H-イミダゾール-1-イル]メチル}フェニル)-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル]スルホニル}-3-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素、
1-{[3-(3-フルオロ-4-{[2-(プロパン-2-イル)-1H-イミダゾール-1-イル]メチル}フェニル)-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル]スルホニル}-3-(4,4,4-トリフルオロブチル)尿素、
1-{[3-(3-フルオロ-4-{[2-(プロパン-2-イル)-1H-イミダゾール-1-イル]メチル}フェニル)-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル]スルホニル}-3-プロピル尿素、
1-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-3-プロポキシ尿素、
3-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2-チエニルスルホニル)-1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素、および
3-(3-{3,5-フィフルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素、である先行請求項のいずれか一項に記載の化合物、
または上記化合物のうちのいずれかの薬学的に許容される塩。
【請求項10】
医薬品としての使用のための、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物を、薬学的または美容的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と混合して含む、医薬製剤。
【請求項12】
自己免疫疾患、線維性疾患、慢性腎臓病、肺高血圧症、心不全および/または心筋梗塞の治療における使用のための、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
自己免疫疾患、線維性疾患、慢性腎臓病、肺高血圧症、心不全および/または心筋梗塞の治療のための薬剤の製造のための、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項14】
自己免疫疾患、線維性疾患、慢性腎臓病、肺高血圧症、心不全および/または心筋梗塞の治療方法であって、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物をそのような治療を必要とする患者に投与することを含む、治療方法。
【請求項15】
前記疾患が、間質性肺疾患である、請求項12に記載の使用のための化合物、請求項13に記載の使用、または請求項14に記載の治療方法。
【請求項16】
前記間質性肺疾患が、特発性肺線維症またはサルコイドーシスである、請求項15に記載の使用のための化合物、使用、または治療方法。
【請求項17】
前記自己免疫疾患が、関節リウマチまたは全身性硬化症である、請求項12に記載の使用のための化合物、請求項13に記載の使用、または請求項14に記載の治療方法。
【請求項18】
前記慢性腎臓病が、糖尿病性腎症である、請求項12に記載の使用のための化合物、請求項13に記載の使用、または請求項14に記載の治療方法。
【請求項19】
前記肺高血圧症が、肺動脈性肺高血圧症である、請求項12に記載の使用のための化合物、請求項13に記載の使用、または請求項14に記載の治療方法。
【請求項20】
前記心不全が、駆出率が維持された状態である、請求項12に記載の使用のための化合物、請求項13に記載の使用、または請求項14に記載の治療方法。
【請求項21】
請求項1~9のいずれか一項に記載の式Iの化合物の調製のためのプロセスであって、
(i)式IIの化合物
【化2】

(式中、R、R、R、R、Y、Y、YおよびYは、必要に応じて請求項1~9のいずれか一項に記載され、Lは、C1-6アルキルを表す)と、式IIIの化合物
NHR III
(式中、RおよびRは、請求項1~9のいずれか一項に記載される)との反応、または
(ii)RがHを表す式Iの化合物の場合、式IVの化合物
【化3】

(式中、R、R、R、R、Y、Y、YおよびYは、必要に応じて請求項1~9のいずれか一項に記載される)と、式Vの化合物
-N=C=O V
(式中、Rは、請求項1~9のいずれか一項に記載される)との反応、を含む、プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の薬学的に有用な化合物、特にアンジオテンシンII(AngII)アゴニスト、より具体的にはAngIIタイプ2(AT2)受容体のアゴニスト、特にその受容体に選択的に結合するアゴニストに関する。本発明はまた、薬剤としてのそのような化合物の使用、それらを含有する薬学的組成物、およびそれらの製造のための合成経路に関する。
【背景技術】
【0002】
プロテアーゼであるレニンは、その唯一の既知の基質(アンジオテンシノーゲン)を切断してアンジオテンシンI(AngI)を形成し、これが次にアンジオテンシン変換酵素(ACE)の基質として機能してアンジオテンシンII(AngII)を形成する。内因性ホルモンAngIIは、線状オクタペプチド(Asp-Arg-Val-Tyr-lle-His-Pro-Phe)であり、レニンアンギオテンシン系(RAS)の有効成分である。アンジオテンシンIIタイプ1(AT1)受容体は、ほとんどの臓器で発現しており、AngIIの病理学的影響の大部分の原因であると考えられている。
【0003】
成人を対象としたいくつかの研究は、AngII受容体刺激後の反応の調節において、AT2受容体の活性化がAT1受容体によって媒介されるものと反対の効果を有することを示しているようである。AT2受容体は、アポトーシスおよび細胞増殖の阻害にも関与していることが示されている((de Gasparo M et al.,Pharmacol.Rev.(2000);52,415-472)。より最近では、AT2受容体アゴニストは、消化不良や過敏性腸症候群などの消化管の疾患、および多臓器不全の治療および/または予防に潜在的に有用であることが示されている(国際特許出願第99/43339号を参照)。AT2受容体のアゴニズムの予想される薬理学的効果は、一般に、de Gasparo M et al.(上記参照)に記載されている。
【0004】
血管緊張、細胞増殖、炎症、細胞外マトリックス合成に対するAngIIの刺激効果は、主にすべての器官のAT1受容体に関連しているが、AT2受容体の機能は、損傷した組織でより一般的であり、修復特性とAT1受容体に対抗する特性を発揮する。例えば、AT2受容体は、筋肥大と線維症の減少に関連して重要であることが示されている。
【0005】
間質性肺疾患(ILD)は、間質に影響を与える肺疾患のグループであり、肺胞周辺の組織が瘢痕化および/または肥厚化し、呼吸プロセスを阻害することを特徴としている。
【0006】
ILDは、閉塞性気道疾患(例えば、慢性閉塞性気道疾患(COPD)および喘息)とは異なり、これらは通常、気管支および/または細気管支の狭窄(閉塞)を特徴とする。ILDは、異常な治癒反応を引き起こす肺の損傷によって引き起こされる可能性があるが、場合によっては、これらの疾患の原因がわかっていない。ILDは、化学物質(珪肺症、石綿肺、特定の薬物)、感染症(例えば、肺炎)、またはその他の疾患(例えば、関節リウマチ、全身性硬化症、筋炎、または全身性エリテマトーデス)によって引き起こされる可能性がある。
【0007】
最も一般的なILDは、特発性肺線維症(IPF)およびサルコイドーシスであり、どちらも慢性炎症および肺機能の低下を特徴としている。
【0008】
サルコイドーシスは原因不明の疾患であり、しこり(肉芽腫)を形成する炎症細胞の集まりを特徴とし、多くの場合、肺(ならびに皮膚および/またはリンパ節、いかなる臓器も影響を受ける可能性がある)で開始する。サルコイドーシスが肺に影響を与える場合、症状には咳、喘鳴、息切れ、および/または胸痛が含まれる。
【0009】
サルコイドーシスの治療は患者によって異なる。ほとんどの場合、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)による対症療法が可能であるが、肺症状を示す患者には、糖質コルチコイド(例えば、プレドニゾンまたはプレドニゾロン)、代謝拮抗剤、および/またはモノクローナル抗腫瘍壊死因子抗体がよく使用される。
【0010】
IPFは原因不明の肺疾患であり、世界中で約500万人が罹患している。まれなケースであるが、肺移植を除いて治療法の選択肢はない。その結果、慢性的で不可逆的な進行性の肺機能の低下が起こり、ほとんどの場合、2~5年以内に死亡する(生存期間中央値2.5~3.5年)。IPFの全体的な予後は不良であるが、個々の患者の進行速度を予測することは困難である。IPFの危険因子には、年齢、男性の性別、遺伝的素因、および喫煙歴が含まれる。年間発生率は10万人当たり5~16人で、10万人当たり13~20例の有病率であり、年齢とともに劇的に増加する(King Jr TE et al.,Lancet(2011);378,1949-1961;Noble PW et al.,J.Clin.Invest.(2012);122,2756-2762)。IPFは肺に限定されており、全身性疾患に関連する肺線維症と区別する免疫系を標的とする治療に不応性である。
【0011】
IPFの患者は通常、慢性および進行性の労作性呼吸困難と咳のために医療援助を求める。肺の画像は、古典的に牽引性気管支拡張症、肥厚した腎葉間中隔および胸膜下蜂巣肺を明らかにする。3つの所見がすべて存在し、全身性結合組織病または環境曝露の証拠がない場合、IPFと診断される可能性が非常に高くなる。明確な診断は通常、肺生検によって行われ、間質性肺疾患の経験がある呼吸器科医、放射線科医、病理学者を含む専門知識の学際的なチームが必要である。
【0012】
IPFは、軽度、中等度、重度として定義される、様々な予後を伴う様々な表現型を示す。軽度の症例は安定した、またはゆっくりとした進行経路をたどり、患者は医学的アドバイスを求めるのに数年かかることがある。加速されたIPFは、生存期間が短くなり、はるかに急速に進行し、患者のサブグループ、通常は男性の喫煙者に影響を及ぼす。IPFの急性増悪は、疾患の急速な悪化として定義され、この亜集団の患者は、短期的には高い死亡率で非常に悪い結果を示す。IPFの原因は不明であるが、環境および遺伝的要因の相互作用から正常な修復ではなく、線維芽細胞による容赦ない組織リモデリングを引き起こす可能性が高い疾患のようであり、炎症性ではなく、主に線維症による病態形成である。この疾患が肺胞上皮細胞の微小損傷とアポトーシスによって開始され、隣接する上皮細胞を活性化し、腫瘍のような方法で線維芽細胞と筋線維芽細胞の集団の拡大に関与する因子を産生する幹細胞または前駆細胞を引き付けることによって、この疾患が開始される、という証拠が増えていることを示唆している。線維芽細胞の病巣は、過剰な量の細胞外マトリックスを分泌し、それが肺実質を破壊し、最終的には肺機能の喪失につながる。
【0013】
肺機能(肺活量)の平均年間低下率は、0.13~0.21リットルの範囲内である。症状は診断に1~2年先行し、X線写真の徴候は症状に先行する場合がある((Ley B et al.,Am.J.Respir.Crit.Care Med.(2011);183,431-440)。
【0014】
多くの治療アプローチが、抗炎症薬、免疫調節薬、細胞毒性薬、一般的な抗線維症薬、抗酸化薬、抗凝固薬、抗ケモカイン薬、抗血管新生薬物ならびにRAS遮断薬、エンドセリンアンタゴニスト、およびシルデナフィルなど、前臨床モデルや臨床試験で試験されており、基本的には利点が限られているか、まったくないことが示されている((Rafii R et al.,J.Thorac.Dis.(2013);5,48-73)。
【0015】
IPFの現在の治療には、酸素補給が含まれる。使用される薬にはピルフェニドンまたはニンテダニブが含まれるが、疾患の進行を遅らせることに限られた成功しか収めていない。さらに、これらの薬物は両方とも一般的に(主に胃腸の)副作用を引き起こす。
【0016】
前述のILD(およびIPF)薬物治療のすべてに関連する欠点があり、より安全でかつ/またはより効果的な治療が実際に臨床的に必要とされている。
【0017】
肺胞上皮を回復させることは、IPFの治療効果として非常に望ましいため、幹細胞治療も試験されている。いくつかの前臨床研究は、肺の上皮細胞と内皮細胞に分化し、それによって肺の損傷と線維症を修復することができる多能性幹細胞の使用に有望であることを示している。
【0018】
現在、肺移植は、IPF患者の生存率を大幅に改善する唯一の介入である。ただし、感染症や移植片拒絶反応などの合併症は珍しいことではない。
【0019】
したがって、IPFの新しい治療戦略の開発は重要である。したがって、将来の根本的な課題は、疾患の進行を逆転または停止させる適切な治療アプローチを開発することである。
【0020】
米国特許出願第2004/0167176号は、AngII受容体アゴニストとして有用な三環式複素環の調製を記載している。
【0021】
CYP450阻害が低減された選択的AT2受容体アゴニストは、Mahalingam et al.,Bioorg.Med.Chem.(2010);18,4570-4590に記載されている。
【0022】
ヒト肝ミクロソームにおいて安定性が改善されたAT2受容体リガンドの合成のためのエステル交換法は、Wannberg et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.(2018);28,519-522に記載されている。
【0023】
特に、国際特許出願第2002/096883号は、AngII受容体アゴニストとしてのイミダゾリル、トリアゾリル、およびテトラゾリルチオフェンスルホンアミドおよび誘導体の調製を記載している。その文書に記載されている化合物(実施例1として)のうち、化合物C21(N-ブチルオキシカルボニル-3-(4-イミダゾール-1-イルメチルフェニル)-5-イソブチルチオフェン-2-スルホン-アミド)である。C21は、選択的AT2受容体アゴニストとして約20の関連類似体のグループから臨床開発のために選択された。現在、IPFを含むAT2受容体関連疾患の治療のために臨床開発中である(例えば、国際特許出願第2016/139475号を参照)。
【0024】
C21は、とりわけ、脳卒中、脊髄損傷、鎌状赤血球症、筋ジストロフィー、がん治療に関連する心毒性、末梢神経障害、および全身性硬化症の治療における潜在的使用のためであることも示されている(例えば、国際特許出願第2004/046141号、第2016/092329号、第2016/107879号、第2016/139475号、第2017/221012号、第2019/008393号、および米国特許出願第2012/035232号を参照)。
【0025】
開発中に、C21には、いくつかのチトクロームP450酵素(CYP)、特にCYP 2C9およびCYP 3A4の強力な阻害剤であり、他の薬物の代謝に影響を与える可能性があり、急速に加水分解されて不活性スルホンアミド代謝物になるという欠点があることがわかっている。したがって、代謝的に安定している、および/またはCYP酵素の阻害が少ない強力で選択的なAT2アゴニストを開発することは基本的な課題である。
【0026】
驚くべきことに、以下に記載の特定の化学的修飾化合物は、選択的AT2受容体アゴニストであるだけでなく、C21と比較して、より強力で、代謝加水分解に対する安定性が大幅に向上し、および/またはCYP酵素の阻害が少ないことを発見した。
【0027】
本発明の説明
本発明の第1の態様において、式Iの化合物であって、
【化1】

式中、
は、1つ以上のハロゲン原子で任意に置換されたC1-6アルキルを表し、
およびRは、独立して、H、または1つ以上のハロゲン原子によって任意に置換されたC1-6アルキルを表し、
、Y、Y、およびYは、独立して、-CH-、-CF-、または-N-を表し、
は、C1-7アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシ-C1-6アルキルを表し、これらの各々が1つ以上のハロゲン原子で任意に置換されているか、または
は、アリール、C1-6アルキルアリール、C1-3アルケニルアリール、ヘテロアリール、C1-6アルキルヘテロアリール、もしくは
1-3アルケニルヘテロアリールを表し、これらの各々がハロゲン、CF、CFO、C1-6アルキル、およびC1-6アルコキシから選択される1つ以上の置換基によって任意に置換され、
は、H、または1つ以上のハロゲン原子で任意に置換されたC1-6アルキルを表し、
は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシ-C1-6アルキルを表し、これらの各々が1つの以上のハロゲン原子で任意に置換された、化合物、
またはその薬学的に許容される塩が提供され、
これらの化合物および塩を、以下、まとめて「本発明の化合物」と呼ぶ。
【0028】
言及され得る本発明の化合物には、RがC1-7アルキル基を表す場合、アルキルがC1-6アルキル基であるものが含まれる。
【0029】
この明細書を解釈する目的で、以下の定義が適用され、適切な場合は常に、単数形で使用される用語には複数形も含まれ、その逆も同様である。
【0030】
化合物は、プログラムChemdoodle8.1.0によって生成されたIUPAC命名法に従って命名される。
【0031】
疑義を避けるために、当業者は、明細書中での本発明の特定の態様の化合物(例えば、上記で定義したような式Iの化合物を指す本発明の任意の態様)への言及は、そのすべての実施形態および特定の特徴への言及を含み、その実施形態および特定の特徴を組み合わせて、さらなる実施形態が形成されてもよいことを理解するだろう。
【0032】
他に示さない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって理解される一般的な意味を有する。
【0033】
薬学的に許容される塩には、酸付加塩および塩基付加塩が含まれる。このような塩は、慣用的手段により、例えば、本発明の化合物の遊離酸または遊離塩基形態と、1当量以上の適切な酸または塩基とを、任意の溶媒中で、または塩が不溶である媒体中で反応させ、次いで、標準的技法を用いて(例えば、真空中、凍結乾燥または濾過によって)、当該溶媒または当該媒体を除去することにより、形成されてもよい。塩はまた、例えば好適なイオン交換樹脂を使用して、塩の形態の本発明の化合物の対イオンを別の対イオンと交換することによってなどの、当業者に知られている技術を使用して、調製されてもよい。
【0034】
言及され得る特定の酸付加塩には、ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、安息香酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩などのカルボン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩などのスルホン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩などのハロゲン化物塩、硫酸塩またはリン酸塩などの硫酸塩およびリン酸塩などが含まれる。
【0035】
言及され得る特定の塩基付加塩には、アルカリ金属(Li、NaおよびK塩など)、アルカリ土類金属(MgおよびCa塩など)、または他の金属(AlおよびZn塩など)、アミン塩基(アンモニア、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミンなどとともに形成される塩が含まれる。より具体的には、言及され得る塩基付加塩には、Mg塩、Ca塩が含まれ、最も具体的には、K塩およびNa塩が含まれる。
【0036】
本発明の化合物は、固体として存在してもよく、したがって、本発明の範囲は、そのすべての非晶質、結晶、および部分結晶形態を含み、油として存在してもよい。本発明の化合物が結晶および部分結晶形態で存在する場合、そのような形態は、本発明の範囲に含まれる溶媒和物を含んでもよい。
【0037】
本発明の化合物は、溶液中(すなわち、好適な溶媒中の溶液中)にも存在し得る。例えば、本発明の化合物は水溶液中に存在してもよく、その場合、本発明の化合物はその水和物の形態で存在してもよい。
【0038】
本発明の化合物は、二重結合を含んでもよく、したがって、別段の指定がない限り、各個々の二重結合についてE(entgegen)およびZ(zusammen)幾何異性体として存在してもよい。別段の指定がない限り、すべてのそのような異性体およびそれらの混合物は、本発明の範囲内に含まれる。
【0039】
本発明の化合物はまた、互変異性を呈してもよい。すべての互変異性体形態およびそれらの混合物は、本発明の範囲内に含まれる(特にその単離を可能にするために十分な安定性を有するもの)。
【0040】
本発明の化合物はまた、1個以上の不斉炭素原子を含有していてもよく、したがって、光学異性および/またはジアステレオ異性を示してもよい(すなわち、エナンチオマーまたはジアステレオマー形態で存在する)。ジアステレオマーは、慣用的な技法、例えば、クロマトグラフィーまたは分別結晶化を用いて分離されてもよい。種々の立体異性体(すなわち、エナンチオマー)は、慣用的な、例えば分別結晶化またはHPLCの技法を用いて、化合物のラセミ混合物または他の混合物を分離することによって単離されてもよい。代替的には、所望のエナンチオマーまたはジアステレオマーは、適切な光学活性をもつ出発物質から、ラセミ化またはエピマー化を引き起こさない条件下で(すなわち、「キラルプール」法)、適切な出発物質とその後適切な段階で除去され得る「キラル補助剤」との反応により、誘導体化(すなわち、動的分解を含む分解、例えば、ホモキラル酸で処理した後、ジアステレオマー誘導体をクロマトグラフィーなどの慣用的手段によって分離する)により、または適切なキラル試薬またはキラル触媒と反応させることにより、得られてもよく、これらの方法およびプロセスのすべては当業者に知られたすべての条件下で行われることができる。別に特定されない限り、すべての立体異性体およびそれらの混合物は、本発明の範囲内に含まれる。
【0041】
本明細書で使用される場合、「ハロゲン」という用語は、本明細書で使用される場合、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を含む。
【0042】
特に明記しない限り、本明細書で定義されたC1-7アルキル基、(例えば、C1-6アルキル基またはC1-3アルキル基)、およびC1-6アルコキシ、C1-6アルコキシ-C1-6アルキル、C1-6アルキルアリール、C1-6アルキルヘテロアリール基(すべての場合において、6は範囲の上限である)のアルキル部分は、直鎖であってもよく、または十分な数(すなわち、適切な場合、最低2つまたは3つ)の炭素原子が存在する場合、分岐鎖状および/または環状であってもよい(したがって、C3-7シクロアルキル基を形成する)。十分な数(すなわち、最小4つ)の炭素原子が存在するとき、そのような基はまた、部分環状であってもよい(したがって、C4-7部分シクロアルキル基を形成する)。例えば、言及され得るシクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが含まれる。同様に、言及され得る部分環状アルキル基(「部分シクロアルキル」基とも呼ばれ得る)には、シクロプロピルメチルが含まれる。十分な数の炭素原子が存在する場合、このような基は、多環式(例えば、二環式もしくは三環式)またはスピロ環式であってもよい。
【0043】
3-6アルキル基およびC3-6アルコキシ基は不飽和であり得るため、二重結合または三重結合を組み込むことができる。
【0044】
言及され得る特定のアルキル基には、直鎖(すなわち、分岐および/または環状ではない)アルキル基が含まれる。例えば、C1-6アルキル基、およびC1-6アルコキシ基のアルキル部分には、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル;n-プロピル、2-メチルプロピルまたはイソプロピルなどのプロピル;エチル;およびメチルが含まれるが、これらに限定されない。
【0045】
いかなる疑義も避けるために、C1-6アルキル基とC1-6アルコキシ-C1-6アルキル、C1-6アルキルアリール、C1-6アルキルヘテロアリール基のアルキル部分との結合点は、そのような基のアルキル部分を介してである。
【0046】
疑義を避けるために、アルコキシ基はその基の酸素原子を介して分子の残りの部分に結合し、アルコキシアルキル基はその基のアルキル部分を介して分子の残りの部分に結合する。
【0047】
特に明記しない限り、アルコキシは、「アルキル」という用語が上記の意味を有するO-アルキル基を指す。
【0048】
本明細書中で使用される場合、ヘテロ原子への言及は、当業者に理解されるようにそれらの通常の意味をとり得る。言及され得る特定のヘテロ原子には、リン、セレン、テルル、シリコン、ホウ素、酸素、窒素および硫黄(例えば、酸素および窒素などの酸素、窒素および硫黄)が含まれる。
【0049】
本明細書で使用する場合、「ヘテロアリール」(ヘテロ芳香族とも呼ばれることもある)への言及は、1つ以上のヘテロ原子(酸素、窒素および/または硫黄から選択される1つ以上のヘテロ原子など)を含有するヘテロ芳香族基を指してもよい。そのようなヘテロアリール基は、1つ、2つ、または3つの環を含むことができ、そのうちの少なくとも1つは芳香族である(その芳香環は、1つ以上のヘテロ原子を含んでも含まなくてもよい)。ヘテロアリール/ヘテロ芳香族基上の置換基は、適切な場合、ヘテロ原子を含む環系における任意の好適な原子上に(例えば、好適なN原子上に)位置してもよい。
【0050】
ヘテロアリール/ヘテロ芳香族基の結合点は、(適切な場合)ヘテロ原子を含む環系中の任意の原子を介していてもよい。二環式ヘテロアリール/ヘテロ芳香族基は、1つ以上のさらなる芳香族または非芳香族複素環に融合されたベンゼン環を含んでもよく、この場合、多環式ヘテロアリール/ヘテロ芳香族基の結合点は、ベンゼン環またはヘテロアリール/ヘテロ芳香族環もしくは複素環を含む任意の環を介していてもよい。
【0051】
疑義を避けるために、当業者は、本発明の化合物の一部を形成し得るヘテロアリール基が、当業者に知られているように、化学的に得られるものであることを理解するであろう。様々なヘテロアリール基、例えば、ピリジニル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリルチアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、イミダゾピリミジニル、イミダゾチアゾリル、チエノチオフェニル、ピリミジニル、フロピリジニル、インドリル、アザインドリル、ピラジニル、ピラゾロピリミジニル、インダゾリル、ピリミジニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、およびプリニルなどが、当業者に周知であろう。
【0052】
疑義を避けるために、ヘテロアリール/ヘテロ芳香族基の酸化物(例えば、N-オキシド)も本発明の範囲内に含まれる。
【0053】
上記のように、ヘテロアリールは、一方の環が芳香族である(他方は芳香族であってもなくてもよい)多環式(例えば、二環式)基を含む。したがって、言及され得る他のヘテロアリール基には、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ベンゾ[1,4]ジオキシニル、ジヒドロベンゾ[d]イソチアゾール、3,4-ジヒドロベンゾ[1,4]オキサジニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、インドリニル、5H,6H,7H-ピロロ[1,2-b]ピリミジニル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル、チオクロマニルなどの基が含まれる。
【0054】
芳香族基は、芳香族性を可能にする適切な数の二重結合をその中に含む環状基として表すことができる。
【0055】
本明細書で使用され得るように、アリールという用語は、C6-14(例えば、C6-10)芳香族基を指し得る。そのような基は、単環式または二環式であってもよく、二環式であるとき、全体的にまたは部分的に芳香族であり得る。言及され得るC6-10アリール基には、フェニル、ナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、インダニルなど(例えば、フェニル、ナフチルなど)が含まれる。
【0056】
当業者は、本発明の化合物の一部を形成し得るアリール基が、当業者に知られているように、化学的に得られるものであることを理解するであろう。
【0057】
疑義を避けるために、アリール基上の置換基の結合点は、環系の任意の好適な炭素原子を介し得る。
【0058】
本発明はまた、1つ以上の原子が、通常自然界に見られる原子量または質量数(または自然界に見られる最も豊富なもの)とは異なる原子量または質量数を有する原子で置き換えられているという事実はあるが、本明細書に列挙されるものと同一である、本発明の同位体的に標識された化合物も包含する。本明細書で特定される任意の特定の原子または元素のすべての同位体は、本発明の化合物の範囲内であると考えられる。したがって、本発明の化合物は、重水素化化合物、すなわち、1つ以上の水素原子が水素同位体重水素によって置き換えられている本発明の化合物も含む。
【0059】
本発明の化合物中の2つ以上の置換基の同一性が同じであり得る場合、それぞれの置換基の実際の同一性は、決して相互依存していない。例えば、2つ以上のハロ基が存在する状況では、それらの基は同じであっても異なっていてもよい(例えば、2つのクロロ基、またはフルオロ基とクロロ基)。同様に、2つ以上のアルキル基が存在する場合、問題の基は、それらの炭素原子の数に関して、および/またはそれらが線状、分岐、不飽和、もしくはその他であるかどうかに関して同じまたは異なってもよい。
【0060】
さらに、置換基自体が1つ以上の置換基で任意に置換されると指定されている場合(例えば、ハロから独立して選択される1つ以上の基で任意に置換されているフェニル)、これらの置換基は、可能な場合は同じまたは異なる原子上に位置することができる。そのような任意の置換基は、その任意の適切な数で存在してもよい(例えば、関連する基は、1つ以上のそのような置換基で、例えば、1つのそのような置換基で置換されてもよい)。
【0061】
基が任意に置換されていると本明細書で言及される場合、そのような任意に置換された基は存在しなくてもよい(すなわち、そのような任意に置換された基への言及が除去されてもよい)ことが特に意図され、その場合、任意に置換された基は、非置換として言及され得る。
【0062】
特に明記しない限り、置換基(任意であろうとなかろうと)は、それらが結合し得る基上の任意の点に位置し得る。この点で、1つ以上の置換基によって置換され得るアルキルおよびアルコキシ基(例えば)はまた、そのような置換基(すなわち、例えば、アルキルまたはアルコキシ鎖の末端に位置することを意味する)によって終端され得る。
【0063】
疑義を避けるために、式Iの化合物中の2つ以上の置換基の同一性が同じであり得る場合、それぞれの置換基の実際の同一性は、決して相互依存しない。例えば、RおよびRが両方ともC1-6アルキルである状況では、問題のC1-6アルキル基は同じであっても異なっていてもよい。
【0064】
当業者であれば、本発明の主題である本発明の化合物には、入手可能なもの、すなわち、安定な形態で調製され得るものが含まれることを理解するであろう。すなわち、本発明の化合物には、単離、例えば、反応混合物からの有用な純度までの単離を生き残るのに十分に頑強である化合物が含まれる。
【0065】
本発明の好ましい化合物には、以下のものが含まれる。
は、最大3つのハロゲン原子(例えば、CHCHClCHCHFまたはCHCF)で任意に置換されたC1-4アルキル基(メチル、エチル、プロピル(例えば、n-プロピル)またはブチル(例えば、n-ブチル))を表し、
およびRは、独立して、H、または最大3つのハロゲン原子(例えば、CHCHClCHCHFまたはCHCF)で任意に置換されたC1-4アルキル基(メチル、エチル、プロピル(例えば、n-プロピル)またはブチル(例えば、n-ブチル))を表し、
は、最大3つのハロゲン原子で任意に置換されたC1-4アルキル基(メチル、エチル、プロピル(例えば、n-プロピル)もしくはブチル(例えば、n-ブチル));最大3つのハロゲン原子で任意に置換もしくはより好ましくは終端されたC1-3アルコキシ-C1-3アルキル基;1つ以上のハロゲン原子で任意に置換されたアリール(例えば、フェニル、フルオロフェニルまたはトリフルオロフェニル);C1-3アルキルアリール;またはC1-3アルキルヘテロアリールを表し、
は、HまたはC1-4アルキル基(メチル、エチル、プロピル(例えば、n-プロピル)またはブチル(例えば、n-ブチル)など)を表し、
は、C1-4アルキル基を表し、最大3つのフッ素原子で任意に置換またはより好ましくは終端され、
は、-CH-、-CF-、または-N-を表し、
は、-N-、またはより好ましくは-CH-、-CF-を表し、
は、-CH-を表し、
は、-CH-または-N-を表す。
【0066】
本発明のより好ましい化合物には、以下のものが含まれる。
は、最大3つのフッ素原子(例えば、CHCFまたは-CHCHCHF)で任意に置換されたC1-3アルキル基(メチル、エチル、プロピル(例えば、n-プロピル)を表し、
およびRは、独立して、メチルまたはエチル、またはより好ましくはHを表し、
は、任意に置換もしくはより好ましくは最大3個のフッ素原子で終端されたC1-4アルキル基(メチル、エチル、プロピル(例えば、n-プロピル)またはブチル(例えば、n-ブチル));または、任意に置換もしくはより好ましくは最大3個のフッ素原子で終端されたC1-2アルコキシ-C1-3アルキル基;フェニル;C1-2アルキルアリール(例えば、C1-2アルキルフェニル);またはC1-2アルキルヘテロアリール(例えば、C1-2アルキルチオフェニル)を表し、
は、ブチル、より好ましくはイソブチル、任意に置換またはより好ましくは最大3つのフッ素原子で終端されていることを表す。
【0067】
本発明の特に好ましい化合物には、以下のものが含まれる。
は、エチル、またはより好ましくはメチルを表し、
は、メチル、またはより好ましくはHを表し、
は、Hを表し、
は、最大3つのフッ素原子によって任意に置換もしくはより好ましくは末端されたエチル、プロピル(例えば、n-プロピル)もしくはブチル(例えば、n-ブチル)基;最大3個のフッ素原子によって任意に置換もしくはより好ましくは終端されたメトキシエチル基などのC1-2アルコキシ-C1-2アルキル基;フェニル;ベンジル;チオフェン-2-イルメチル;またはピリジン-2-イルメチルを表し、
は、Hを表し、
は、ブチル、より好ましくはイソブチルを表し、
は、-CF-、またはより好ましくは、-CH-を表し、
、Y、およびYはすべて、-CH-を表す。
【0068】
したがって、言及され得る本発明の特に好ましい化合物は、
1-ベンジル-3-(5-イソブチル-3-{p-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-2チエニルスルホニル)尿素、
p-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-2-チエニルスルホニル)-1-[(2-ピリジル)メチル]尿素、
p-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-2-チエニルスルホニル)-1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素、
1-ブチル-3-(5-イソブチル-3-{p-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-2-チエニルスルホニル)尿素、
p-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-2-チエニルスルホニル)-1-(4,4,4-トリフルオロブチル)尿素、
1-ベンジル-3-(3-{p-[(2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)尿素、
p-[(2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-(2-メトキシエチル)尿素、
p-[(2,4-ジメチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素、
およびその薬学的に許容される塩からなる群より選択される。
【0069】
さらに、言及され得る本発明の特に好ましい化合物は、
3-(3-{p-[(2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-[(2-ピリジル)メチル]尿素、
1-ベンジル-3-(3-{p-[(2,4-ジメチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)尿素、
3-(3-{p-[(2,4-シメチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-[(2-ピリジル)メチル]尿素、
1-ベンジル-3-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)尿素、
3-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-[(2-ピリジル)メチル]尿素、
3-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素、
1-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-3-[(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル]尿素、
1-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]尿素、
3-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-メチル-1-[(2-ピリジル)メチル]尿素、
3-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-(4,4,4-トリフルオロブチル)尿素、
3-(5-イソブチル-3-{5-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-2-ピリジル}-2-チエニルスルホニル)-1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素、
3-(5-イソブチル-3-{2-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-5-ピリミジニル}-2-チエニルスルホニル)-1-(2-メトキシエチル)尿素、
3-(5-イソブチル-3-{2-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-5-ピリミジニル}-2-チエニルスルホニル)-1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素、
3-(5-イソブチル-3-{2-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-5-ピリミジニル}-2-チエニルスルホニル)-1-[(2-ピリジル)メチル]尿素、
1-[(3,5-ジフルオロフェニル)メチル]-3-(5-イソブチル-3-{5-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-2-ピリジル}-2-チエニルスルホニル)尿素、
3-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-(2-メトキシエチル)尿素、
3-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-[1-(2-ピリジル)エチル]尿素、
3-(3-{2-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素、
3-(3-{2-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)尿素、
1-(3-フルオロプロピル)-3-(5-イソブチル-3-{p-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-2-チエニルスルホニル)尿素、
1-(3,3-ジフルオロプロピル)-3-(5-イソブチル-3-{p-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-2-チエニルスルホニル)尿素、
1-[(3-{4-[(2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-3-フルオロフェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]-3-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素、
1-[(3-{4-[(2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-3-フルオロフェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]-3-(2-メトキシエチル)尿素、
3-[(3-{4-[(2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-3-フルオロフェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]-1-[(4-フルオロフェニル)メチル]尿素、
1-[(3-{4-[(2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-3-フルオロフェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]-3-プロピル尿素、
1-[(3,4-ジフルオロフェニル)メチル]-3-[(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]尿素、
1-[(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]-3-[(チオフェン-2-イル)メチル]尿素、
1-[(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]-3-プロピル尿素、
1-[(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]-3-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素、
1-[(4-クロロピリジン-2-イル)メチル]-3-[(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]尿素、
1-[(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]-3-(2-メチルプロピル)尿素、
1-[(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)メチル]-3-[(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]尿素、
1-{[3-(3-フルオロ-4-{[2-(プロパン-2-イル)-1H-イミダゾール-1-イル]メチル}フェニル)-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル]スルホニル}-3-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素、
1-{[3-(3-フルオロ-4-{[2-(プロパン-2-イル)-1H-イミダゾール-1-イル]メチル}フェニル)-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル]スルホニル}-3-(4,4,4-トリフルオロブチル)尿素、
1-{[3-(3-フルオロ-4-{[2-(プロパン-2-イル)-1H-イミダゾール-1-イル]メチル}フェニル)-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル]スルホニル}-3-プロピル尿素、
1-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-3-プロポキシ尿素、
3-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2-チエニルスルホニル)-1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素、および
3-(3-{3,5-フィフルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素、
およびその薬学的に許容される塩からなる群より選択される。
【0070】
IUPAC名は、プログラムChemdoodle8.1.0から生成された。
【0071】
本発明のより好ましい化合物には、以下に記載される実施例の化合物が含まれる。
【0072】
式Iの化合物は、例えば以下に記載されるように、当業者に周知の技術に従って製造され得る。
【0073】
本発明のさらなる態様によれば、式Iの化合物の調製のためのプロセスが提供され、このプロセスは、
(i)式IIの化合物
【化2】

(式中、R、R、R、R、Y、Y、Y、およびYは、本明細書の上文に定義され、Lは、
1-6アルキルを表す)と、式IIIの化合物またはその塩
NHR III
(式中、RおよびRは、本明細書の上文に定義される)との反応であって、例えば、トルエン、アセトニトリルまたはジオキサンなどの適切な溶媒および/またはトリエチルアミンまたは4-ジメチルアミノピリジンなどの適切な塩基の存在下で、ほぼ室温以上(例えば、最大90~110℃)における、反応
(ii)RがHを表す式Iの化合物の場合、式IVの化合物
【化3】

(式中、R、R、R、R、Y、Y、YおよびYは、本明細書の上文に定義される)と、式Vの化合物
-N=C=O V
(式中、Rは、本明細書の上文に定義される)との反応であって、例えば、ほぼ室温またはそれ以上(例えば、最大60~70℃)で、任意選択で、適切な塩基(例えば、ピロリジノピリジン、ピリジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリメチルアミン、ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、またはそれらの混合物)および適切な溶媒(例えば、ピリジン、ジクロロメタン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド)の存在下における、反応、を含む。
【0074】
式IIの化合物は、本明細書の上文に定義される式IVの化合物と式VIの化合物との反応よって調製することができる。
【化4】

式中、Xは、ハロ(例えば、クロロまたはブロモ)などの適切な脱離基を表し、Mは、例えば、室温より下、周囲、または上で(例えば、0℃、または最大60~70℃)適切な塩基(例えば、炭酸水素ナトリウム、ピロリジノピリジン、ピリジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリメチルアミン、ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、またはそれらの混合物)および適切な溶媒(例えば、ピリジン、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、またはトルエン)の存在下で、-O-C1-6アルキルを表す。
【0075】
式IVの化合物は、式VIIの化合物の反応によって調製することができる。
【化5】

式中、Rは、本明細書の上文に定義されるか、またはそのN保護誘導体であり、Xは、式VIIIの化合物を有する適切なクロスカップリング基を表し、
【化6】

は、適切なクロスカップリング基を表す。上記のカップリング反応はSuzuki反応であることが好ましく、したがって、標準的なSuzuki条件下で実施することができ、これは、XおよびXのうちの1つが適切なSuzukiクロスカップリング基(または「パートナー」)のいずれか、すなわちボロン酸(-B(OH))およびヨードまたはブロモなどのハロ基、および他は他の基を表す。R、R、R、Y、Y、YおよびYは、本明細書の上文に定義される。標準的なSuzuki条件をこの反応に適用することができ、これには、例えば、適切なカップリング触媒システム(例えば、パラジウム触媒、[1,1’ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]-ジクロロパラジウム(II)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]-ジクロロメタンとのジクロロパラジウム(II)錯体、Pd(PPhまたはPd(OAc)/リガンド(配位子は、例えば、PPh、P(o-Tol)、または1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンであり得る))および適切な塩基(例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミンまたはジ-イソ-プロピルアミン)、ならびに適切な溶媒システム(例えば、トルエン、エタノール、n-ブタノール、ジメトキシメタン、ジメチルホルムアミド、エチレングリコールジメチルエーテル、水、ジオキサンまたはそれらの混合物)の存在が含まれる。この反応は、室温以上で実施することができる(例えば、使用される溶媒系の還流温度で)実施することができる。式VIIの化合物の保護されたバージョンが使用される場合、この反応の後に、例えば以下に記載されるように、標準的な条件下でSONH-基の脱保護が続く可能性がある。式VIIの化合物と式VIIの化合物との反応の後に、そのように形成された中間体を適切な酸で反応させて、酸付加塩、またはより好ましくはそのN保護バージョンを形成することもできる。適切な酸付加塩には、フマル酸塩、トリフルオロ酢酸塩およびシュウ酸塩が含まれる。
【0076】
あるいは、式IVの化合物は、式IXの化合物の反応によって調製することができる。
【化7】

式中、R、R、およびRは、式Xの化合物とともに本明細書の上文に定義され、
【化8】

、X、Y、Y、YおよびYは、例えば、室温付近またはそれ以下であり、適切な塩基(例えば、ピリジン)と適切な有機溶媒(例えば、トルエン)の存在下で、本明細書の上文に定義されるか(Xは、特に、ブロモを表し得る)、またはそのN保護誘導体である。式Xの化合物の保護されたバージョンが使用される場合、この反応の後に、例えば以下に記載されるように、標準的な条件下でSONH-基の脱保護が続く可能性がある。さらに、式IVの化合物は、このようにして、例えば、とりわけ英国特許出願第2281298号に記載されているプロセスに従って、または類似して調製することができる。
【0077】
式VIIIの化合物は、標準的な技術によって、例えば、本明細書の上文に定義される式IXの化合物と式XIの化合物との反応によって調製することができる。
【化9】

式中、X、X、Y、Y、YおよびYは、例えば、式IVの化合物の調製に関して本明細書の上文に記載したものと同様の条件下で、本明細書の上文に定義される。
【0078】
式Xの化合物は当技術分野で知られている。例えば、それらは、とりわけ米国特許第5,312,820号、英国特許出願第2281298号、および/または国際特許出願第02/096883号に記載されているプロセスに従って、または類似して調製することができる。
【0079】
式VIIの化合物は当技術分野で知られている。例えば、それらは、とりわけ国際特許出願第02/096883号に記載されているプロセスに従って、または類似して調製することができる。
【0080】
式III、V、VI、VIII、IXおよびXIの化合物は、市販され、文献において既知であるか、もしくは本明細書に記載のプロセスによって類推するか、または従来の合成手順によるかのいずれかで、標準的な技法に従って、適切な試薬および反応条件を用いて入手可能な出発物質から得ることができる。
【0081】
上記および下記に記載されているプロセスにおいて、中間体化合物の官能基を保護基によって保護する必要があり得ることは当業者によって理解されるであろう。
【0082】
保護することが望ましい官能基には、スルホンアミド、アミド、アミノおよびアルデヒドが含まれる。スルホンアミド、アミドおよびアミノの適切な保護基には、tert-ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、2-トリメチルシリルエトキシカルボニル(Teoc)またはtert-ブチルが含まれる。アルデヒドの適切な保護基には、メタノールまたはエタノールなどのアルコール、および1,3-プロパンジオールまたは好ましくは1,2-エタンジオールなどのジオール(したがって環状アセタールを形成する)が含まれる。官能基の保護および脱保護は、上述したスキームにおける反応の前または後に行われ得る。
【0083】
保護基は、当業者に周知であって以下に記載されるような技術に従って適用および除去することができる。例えば、本明細書に記載の保護された化合物/中間体は、標準的な脱保護技法を使用して、保護されていない化合物に化学的に変換され得る。関与する化学の種類は、保護基の必要性および種類、ならびに合成を達成するための順序を決定付けるであろう。保護基の使用は、“Protective Groups in Organic Synthesis”,3rd edition,T.W.Greene & P.G.M.Wutz,Wiley-Interscience(1999)に十分に記載されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0084】
医療および医薬品用途
本明細書に記載されるように、本発明の化合物、したがってそれを含む組成物およびキットは、それらが薬理学的活性を有し、および/または経口または親投与後に体内で代謝されて薬理学的活性を有する化合物を形成するので有用である。
【0085】
したがって、本発明のさらなる態様によれば、医薬品として使用するための(または医学で使用するための)、本明細書の上文に定義される、本発明の化合物が提供される。
【0086】
特に、本発明の化合物は、AngII受容体のアゴニストである。したがって、本発明の化合物は、AngIIの内因性産生が不十分である、および/またはAngIIの効果の増加が所望もしくは要求される条件において有用であると期待される。
【0087】
より具体的には、本発明の化合物は、AT2受容体のアゴニストであり、特に、例えば、以下に記載される試験で実証され得るように、そのサブ受容体の選択的(対AT1受容体)アゴニストである。
【0088】
AT2受容体アゴニストには、AT2受容体を完全に活性化するものと部分的に活性化するものが含まれる。したがって、本発明の化合物は、AT2受容体に選択的に結合し、AT2受容体においてアゴニスト活性を示し得る。AT2受容体に「選択的に結合」する化合物とは、所定の濃度での関連化合物の親和性比(AT2:AT1)が少なくとも100:1、好ましくは少なくとも1000:1であることを含むものである。
【0089】
本発明の化合物は、AT2受容体が発現され、それらの刺激が所望または要求される条件においてさらに有用であることが期待される。
【0090】
この点に関して、本発明の化合物は、血管収縮、線維症、細胞増殖および/または分化の増加、心臓収縮性の増加、心臓血管肥大の増加、および/または体液および電解質の保持の増加、ならびに皮膚疾患および筋骨格疾患を特徴とする症状の治療に示される。
【0091】
本発明の化合物はまた、トロンボキサン受容体活性を示し得る。この点に関して、本発明の化合物は、血小板活性化および/または凝集に対する阻害効果(したがって、例えば、抗血栓効果)を有してよく、および/または治療的方法で血管収縮および/または気管支収縮を低減し得る。
【0092】
本発明の化合物は、ストレス関連疾患の治療、および/または微小循環および/または粘膜保護メカニズムの改善においてさらに示される。
【0093】
したがって、本発明の化合物は、上記のように特徴付けられ得る疾患の治療において有用であることが期待され、これらは、例えば、胃腸管、心臓血管系、気道、腎臓、眼、女性の生殖(排卵)システムおよび中枢神経系(CNS)である。
【0094】
言及され得る胃腸管の障害には、食道炎、バレット食道、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、消化不良(非潰瘍性消化不良を含む)、胃食道逆流、刺激性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、肝障害(肝炎など)、胆嚢疾患、多臓器不全(MOF)および敗血症が含まれる。言及され得る他の胃腸疾患には、口内乾燥症、胃炎、胃不全麻痺、過酸性、胆道の疾患、コエリシア、クローン病、潰瘍性大腸炎、下痢、便秘、大腸炎、食欲不振、嘔吐、悪心、消化不良およびショーグレン症候群が含まれる。
【0095】
言及され得る気道の障害には、喘息などの炎症性疾患、閉塞性肺疾患(慢性閉塞性肺疾患など)、非感染性肺炎、肺高血圧症、および成人呼吸困難症候群が含まれる。
【0096】
言及され得る腎臓の疾患には、腎不全、腎炎、および腎高血圧症が含まれる。
【0097】
言及され得る眼の疾患には、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、および網膜微小血管新生が含まれる。
【0098】
言及され得る女性の生殖器系の疾患には、排卵機能障害が含まれる。
【0099】
言及され得る心臓血管系疾患には、高血圧、心臓肥大、心不全(駆出率が維持された状態の心不全を含む)、アテローム性動脈硬化症、動脈血栓症、静脈血栓症、内皮機能障害、内皮病変、バルーン拡張後狭窄、血管新生、糖尿病性合併症、微小血管が含まれる機能不全、アンギナ、心不整脈、間欠性クラウディケート、子癇前症、心筋梗塞、再梗塞、虚血性病変、勃起不全および新生内膜増殖が含まれる。
【0100】
言及され得るCNSの疾患には、認知機能障害、食物摂取の機能障害(空腹/満腹)および喉の渇き、脳卒中、脳出血、脳塞栓および脳梗塞、多発性硬化症(MS)、アルツハイマー病およびパーキンソン病が含まれる。
【0101】
本発明の化合物はまた、成長代謝および増殖の調節、例えば、加齢、肥大性疾患、前立腺肥大症、自己免疫疾患(例えば、関節リウマチなどの関節炎、または全身性エリテマトーデス)、乾癬、肥満、神経細胞の再生、潰瘍の治癒、脂肪組織の過形成の抑制、幹細胞の分化と増殖、線維性疾患、がん(例えば、胃腸管(食道または胃を含む)のまたはその中における)、前立腺、乳房、肝臓、腎臓、ならびにリンパ腫、肺がん、卵巣がん、膵臓がん、血液悪性腫瘍など)、アポトーシスの阻害、腫瘍(一般的に)および肥大、糖尿病、神経病変および臓器拒絶反応の治療において、有用であり得る。
【0102】
本発明の化合物はまた、脳卒中、脊髄損傷、鎌状赤血球症、筋ジストロフィー、がん治療関連の心臓毒性、末梢神経障害、および特に全身性硬化症の治療においても有用である。
【0103】
本発明の化合物は、サルコイドーシスまたは線維症、より具体的には肺線維症、特にIPFなどのILD、ならびに全身性硬化症、関節リウマチ、筋炎もしくは全身性エリテマトーデスなどのILDを誘発し得る状態、または肺高血圧症および/もしくは肺動脈性肺高血圧症などのILDと関連する状態の治療および/または予防に特に適応となるものである。
【0104】
本発明の化合物は、肺線維症、特にIPFの治療に特に有用である。
【0105】
本発明のさらなる態様によれば、肺線維症、特にIPFの治療方法が提供され、この方法は、そのような症状に苦しむ人への治療有効量の本発明の化合物の投与を含む。
【0106】
IPFを含む肺線維症の治療において、本発明の化合物は、線維症の減少および細胞外マトリックスのさらなる沈着の防止を伴う、抗線維化効果を有し得る。本発明の化合物は、肺の瘢痕化/創傷治癒を低減し、また抗アポトーシス効果を有し、それにより、肺線維症の発症の開始因子である肺胞内皮細胞のアポトーシスを防止し得る。本発明の化合物はまた、抗増殖効果を有してよく、したがって、肺線維症における線維芽細胞および筋線維芽細胞のがん様増殖を低減し得る。本発明の化合物はまた、肺線維症における血管リモデリングを改善し、それにより二次性肺高血圧症を軽減し得る。最後に、本発明の化合物は、抗炎症および抗サイトカイン効果を示し得る。
【0107】
さらに、本発明の化合物はまた、線維性結合組織の過剰な蓄積を特徴とする1つ以上の内臓の線維性症状の治療または予防、および/または線維形成およびそれに関連する可能性のある罹患率および死亡率の治療または予防において有用であり得る。このような線維症は、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、重症急性呼吸器症候群(SARS)、多臓器炎症などの急性炎症症状、および内的もしくは外的外傷(例えば、損傷)もしくは感染によって引き起こされ得る傷害ならびに/または不全に関連している可能性がある。
【0108】
したがって、そのような症状は、ウイルス、細菌、または真菌感染によって引き起こされる敗血症または敗血症性ショックに起因する可能性がある。さらに、急性肺損傷、ARDS、および特にSARSは、新型SARSコロナウイルス2(SARS-CoV-2)が含まれるコロナウイルスなどのウイルスによって引き起こされる可能性があり、内部組織の損傷および/または呼吸器上皮などの関連する内部(例えば、粘膜)の組織の機能障害を引き起こす可能性がある。そのような組織の損傷は、次に、重度の線維症を引き起こす可能性がある。例えば、新型コロナウイルスSARS-CoV-2(コロナウイルス疾患2019またはCOVID-19)によって引き起こされるSARS疾患は、多くの場合、線維症を引き起こすことが知られている。
【0109】
本発明の化合物は、AT2受容体の活性化が所望または要求されるが、1つ以上のCYP酵素の阻害が望まれない疾患または症状の治療において特に有用である。
【0110】
本発明の代替実施形態において、AT2受容体の活性化が所望または要求されるが、CYP酵素の阻害が所望されない疾患または症状の治療における使用のための薬剤の製造における、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の使用が提供される。
【0111】
「AT2受容体の活性化が所望または要求されるが、CYPの阻害が所望されない疾患または症状」によって、以下に述べるような、AT2受容体の活性化によって治療可能であることが知られている疾患または症状を含むが、そのような症状の既存の治療は、CYPによって代謝される他の治療剤の投与を含み得る。したがって、そのような疾患または症状は、少なくとも1つのCYP酵素の阻害が要求されない、有利なおよび/もしくは所望の症状、またはそのような阻害が患者に有害であるかもしくは有害である症状を含み得る。
【0112】
AT2受容体の活性化が所望または要求されるが、CYP酵素の阻害が望まれない特定の疾患または症状は、間質性肺疾患(例えば、肺線維症、IPF、全身性硬化症およびサルコイドーシス)、自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、乾癬および炎症性腸疾患)、慢性腎臓病(例えば、糖尿病性腎症)、肺高血圧症、肺動脈性肺高血圧症および/または梗塞(例えば、心筋梗塞および脳卒中)である。したがって、本発明の化合物は、IPFなどの間質性肺疾患;関節リウマチなどの自己免疫疾患;糖尿病性腎症などの慢性腎臓病;肺動脈性肺高血圧症を含む肺高血圧症;および/または心筋梗塞などの梗塞の治療に特に有用である。
【0113】
本発明のさらなる態様によれば、AT2受容体の活性化が所望または要求されるが、CYP酵素の阻害が望まれない(肺線維症など、特にIPF)疾患または症状の治療方法が提供され、この方法は、関連する症状に苦しむ人への治療有効量の本発明の化合物の投与を含む。
【0114】
本発明の化合物は、上記症状のうちのいずれかの治療的、対症療法的、および/または診断的治療、ならびに予防的治療(これにより、症状の低下および/または悪化の予防および/または抑止を含む)の両方で示される。
【0115】
本発明の化合物は、通常、経口、静脈内、皮下、頬側、直腸、皮膚、鼻腔内、気管内、気管支内に、他の非経口経路によって、または吸入もしくは肺経路もしくはそれらの任意の組み合わせを介して、薬学的に許容される剤形で、溶液中、懸濁液中、エマルジョン(ナノ懸濁液を含む)、またはリポソーム製剤中で投与される。追加の投与の方法には、動脈内、筋肉内、腹腔内、門脈内、皮内、硬膜外、髄腔内投与、またはそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0116】
いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、異なる投与経路を使用して、単独で(例えば、別々に)、および/または連続して、および/または同時に並行して(例えば、同時発生的に)投与され得るが、好ましくは、既知の医薬製剤(経口投与用の錠剤、カプセルまたはエリキシル、直腸投与用の坐剤、非経口もしくは筋肉内投与用のもしくは吸入による滅菌溶液、懸濁液または乳濁液などを含む)によって投与される。吸入による投与は、好ましくはネブライザーを使用して行われ、例えば、本発明の化合物を、好ましくは治療対象に刺激または咳を引き起こさずに、肺胞および細気管支を含む小さな肺組織に送達する。
【0117】
好ましくは、治療有効量の本発明の化合物の投与は、投与経路の組み合わせによって、別々に(例えば、互いに約2時間以上離れて)、連続して(例えば、互いに約2時間以内に)、または同時に(例えば、同時発生的に)のいずれかに、吸入を介しておよび経口的に、効果的な投薬量を達成することを含み、行われる。
【0118】
いくつかの実施形態において、肺線維症、特にIPFを含む、AT2受容体の活性化が所望もしくは要求される疾患または症状(およびCYP酵素の阻害が望まれないそのような疾患または症状)を治療する方法が提供される。この方法は、治療有効量または投薬量を達成するために、投与経路の組み合わせを介して、別々に、連続して、または同時に並行してのいずれかで、好ましくは吸入を介しておよび経口的に、そのような治療を必要としている患者に、治療有効量の本発明の化合物を投与することを含む。
【0119】
投与経路のそのような組み合わせは、好ましくは吸入を介しておよび経口的に、各投与経路に最適化された本発明の化合物の別個の製剤として提示することができる。
【0120】
そのような製剤は、標準および/または許容された薬務に従って調製され得る。
【0121】
したがって、本発明のさらなる態様によれば、薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤、および/または担体と混合して、上記に定義される本発明の化合物を含む医薬製剤が提供される。
【0122】
本発明の化合物は、C21などの当技術分野で知られている他のAT2アゴニストと組み合わせて、ならびに当技術分野で知られているAT1受容体アンタゴニストと組み合わせて、および/またはアンジオテンシン変換酵素(ACE)の阻害剤と組み合わせて、投与することができる。実施形態に従って使用できるAT1受容体アンタゴニストの非限定的であるが例示的な例には、アジルサルタン、カンデサルタン、エプロサルタン、フィマサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、ミルファサルタン、オルメサルタン、ポミサルタン、プラトサルタン、リピアサルタン、サプリサルタン、タソサルタン、テルミサルタン、バルサルタンおよび/またはそれらの組み合わせが含まれる。実施形態に従って使用することができるACE阻害剤の非限定的であるが例示的な例には、カプトプリル、ゾフェノプリル、エナラプリル、ラミプリル、キナプリル、ペリンドプリル、リシノプリル、ベナゼプリル、イミダプリル、トランドラプリル、フォシノプリル、モエキシプリル、シラザプリル、スピラプリル、テモカプリル、セロナプリル、デレプリル、ムーベルチプリル、および/またはそれらの組み合わせが含まれる。
【0123】
本発明の化合物と組み合わせて投与することができる他の有効成分には、クロモグリク酸二ナトリウム;ボセンタン、アンブリセンタン、シタキセンタン、マシテンタンなどのエンドセリン受容体アンタゴニスト;シルデナフィルおよびタダラフィルなどのPDE5阻害剤;イロプロストおよびトレプロスチニルなどのプロスタサイクリン(エポプロステノール)およびその類似体;インターフェロンガンマ-1b、エタネルセプト、インフリキシマブおよびアダリムマブを含む他の生物学的製剤;およびメトトレキサートが含まれる。本発明の化合物と同時投与され得る開発中のさらなる有効成分には、パムレブルマブ(抗CTGF、Fibrogen)、GLPG1690(オートタキシン阻害剤、Galapagos)、TD139(ガレクチン-3阻害剤、Galecto)、PRM-151(組換えペントラキシン-2、Promedior)、BBT-877(オートタキシン阻害剤、Boehringer/Bridge)、CC-90001(JNK阻害剤、Celgene)、PBI-4050(デュアルGPR40アゴニスト/GPR84アンタゴニスト、Prometic)、BMS-986020(リゾホスファチジン酸受容体アンタゴニスト、BMS)、RVT-1601(マスト細胞安定剤、Respivant)、SMO4646(wnt-シグナル阻害剤、United Therapeutics)、KD25(Rho関連キナーゼ阻害剤、Kadmon Holdings)、BG00011(インテグリン拮抗薬、Biogen)、PLN-74809(インテグリン拮抗薬、Pilant Therapeutics)、サラカチニブ(srcキナーゼ阻害剤、AstraZeneca)、PAT-1251(リシルオキシダーゼ阻害剤2、PharmAkea)、ABM-125(IL-25MAB、Abeome)およびTA5-115(マルチキナーゼ阻害剤、Otsuka)が含まれる。
【0124】
本発明のさらなる態様において、本発明の化合物は、前述のものを含む様々な症状を治療するための併用療法において他の治療剤と組み合わされた場合に特定の有用性を見出す。本発明の化合物は最小限のCYP酵素阻害を示すので、そのような組み合わせは、関連する症状での使用のために用いられる他の治療剤自体がCYP酵素によって代謝される場合に特に有利である。
【0125】
したがって、治療される状態が、IPF、全身性硬化症、または当技術分野で知られている線維性疾患などの間質性肺疾患である場合、本発明の化合物は、好ましくは、ガレクチン-3阻害剤、リゾホスファチジン酸受容体1(LPA1)アンタゴニスト、オートタキシン(ATX)阻害剤、組換えヒトペントラキシン-2タンパク質、またはピルフェニドンおよび/もしくはニンテダニブを含むがこれらに限定されないそのような治療のための確立された治療法と組み合わせて投与される。好ましくは、本発明の化合物の組み合わせは、ピルフェニドン、またはその薬学的に許容される塩との組み合わせであり、この化合物は、CYP1AなどのCYP酵素によって代謝されることが知られている。
【0126】
さらに、治療される症状が慢性腎臓関連疾患である場合、本発明の化合物は、好ましくは、CYP2C9などのCYP酵素によって代謝されるイルベサルタンおよび/またはトルセミドなど、そのような治療にも使用される1つ以上の他の薬物と組み合わせて投与される。
【0127】
治療される症状が肺高血圧症である場合、本発明の化合物は、好ましくは、CYP3A4などのCYP酵素によって代謝されることが知られている化合物であるセレキシパグおよび/またはシルデナフィルなど、そのような治療にも使用される1つ以上の薬物と組み合わせて投与される。
【0128】
治療または予防される症状が心筋梗塞および/または脳卒中関連疾患である場合、本発明の化合物は、好ましくは、CYP1A、CYP2CPおよび/またはCYP3A4などのCYP酵素によって代謝されることが知られている化合物であるプロプラノロール、ワルファリン、クロピドグレル、アトルバスタチン、シロスタゾール、リドカインおよび/もしくはシンバスタチン、またはそれらの薬学的に許容される塩など、そのような治療にも使用される1つ以上の他の薬物と組み合わせて投与される。
【0129】
治療される状態が関節リウマチ、多発性硬化症または乾癬などの自己免疫疾患である場合、本発明の化合物は、好ましくは、CYP1A、CYP2CP、CYP2C19および/もしくはCYP3A4などのCYP酵素によって代謝されることが知られている化合物であるロキセン、セレコキシブ、メロキシカムもしくはその類似体(例えば、ピロキシカム)またはインドメタシンなどのステロイド性抗炎症薬(NSAID);または、チザニジン、シクロホスファミド、シクロスポリン、デフラザコートおよび/もしくはヒドロコルチゾン、リルゾール、またはそれらの薬学的に許容される塩などの薬物を含むがこれらに限定されない、そのような治療にも使用される1つ以上の他の薬物と組み合わせて投与される。
【0130】
したがって、本発明の化合物は、AT2受容体の活性化が所望または要求されるが、CYP酵素の阻害が望ましくなく、したがって、CYP酵素経路を介して代謝される、有用であるか、または有用でありうる、ピルフェニドン、ナプロキセン、プロプラノロール、リルゾール、チザニジン、ワルファリン、セレコキシブ、クロピドグレル、イルベサルタン、メロキシカム、ピルフェニドン、トルセミド、シクロホスファミド、インドメタシン、アトルバスタチン、シロスタゾール、シクロスポリン、デフラザコート、ヒドロコルチゾン、リドカイン、セレキシパグ、シルデナフィルおよび/またはシンバスタチンを含む、本明細書の上文において言及された1つ以上の他の治療剤と組み合わせて、本明細書の上文において言及されたものを含む疾患を治療するために投与され得る疾患または症状の治療において特に有用である。最も好ましくは、本発明の化合物は、IPFなどの間質性肺疾患を治療するためにピルフェニドンと組み合わせて投与される。
【0131】
本発明の化合物が、明細書の上文に言及されるように他の治療剤と「組み合わせる」場合、有効成分は同じ製剤で一緒に投与されるか、または異なる製剤で別々に(同時にまたは連続して)投与され得る。
【0132】
そのような組み合わせ生成物は、他の治療剤と組み合わせた本発明の化合物の投与を提供し、したがって別個の製剤(それらの製剤のうちの少なくとも1つが本発明の化合物を含み、少なくとも1つが他の治療剤を含む)として提示されても、組み合わせ調剤として提示(すなわち、製剤化)(すなわち、本発明の化合物および他の治療剤を含む単一製剤として提示)されてもよい。
【0133】
したがって、
(1)本発明の化合物;上記のものから選択された治療剤(例えば、CYP酵素によって代謝されることが知られているもの);および薬学的に許容される賦形剤(例えば、アジュバント、希釈剤または担体)を含む医薬製剤であって、以下、「組み合わせ調剤」と呼ばれる、製剤と、
(2)構成要素:
(A)本発明の化合物を、薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤、または担体と混合して含む医薬製剤、および
(B)上記のものから選択された治療剤(例えば、CYP酵素によって代謝されることが知られているもの)を、薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と混合して含む医薬製剤、を含むパーツキットと、がさらに提供され、
構成要素(A)および(B)は、他方と組み合わせた投与に適した形態でそれぞれ提供される。
【0134】
本発明のさらなる態様では、本明細書の上文に定義される組み合わせ調剤の調製のためのプロセスであって、本発明の化合物、他の抗炎症剤、治療剤を、少なくとも1つの(例えば、薬学的に許容される)賦形剤と関連付けることを含む、プロセスが提供される。
【0135】
本発明のさらなる態様では、本明細書の上文に定義されるパーツキットを調製するためのプロセスであって、構成要素(A)および(B)を関連付けることを含む、プロセスが提供される。本明細書で使用される場合、関連付けることへの言及は、2つの構成要素を互いに併せて投与するのに好適なものにすることを意味する。
【0136】
よって、本明細書において上文に定義されるパーツキットの調製のためのプロセスに関して、2つの構成要素を互いに「関連付ける」ことによって、我々は、パーツキットの2つの構成要素が、
(i)別個の製剤として(すなわち、互いに独立して)提供されてもよく、その後、併用療法において互いに併せて使用するために組み合わされるか、または
(ii)組み合わせ療法において互いに併せて使用するための「組み合わせパック」の別個の構成要素として一緒に包装および提示され得ることを含む。
【0137】
したがって、
(I)本明細書に定義される構成要素(A)および(B)のうちの1つを、
(II)2つの構成要素のうちの他方と組み合わせてその構成要素を使用するための指示書と一緒に含む、パーツキットがさらに提供される。
【0138】
治療される患者および投与経路に応じて、本発明の化合物は様々な用量で投与され得る。用量は患者ごとに異なるが、適切な1日量は、患者1人当たり約0.1~約1000mgの範囲(例えば、0.1、0.5、1、2、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000mgなど、またはその中の任意の範囲もしくは値)であり、単回または複数回投与されるだろう。より好ましい1日量は、患者1人当たり約0.1~約250mgの範囲(例えば、0.2、0.3、0.4、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、44.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250mgなど、またはその中の任意の範囲もしくは値)である。特に好ましい1日量は、患者1人当たり約0.3~約100mgの範囲である。
【0139】
本発明の化合物の個々の用量は、約0.1~約100mgの範囲(例えば、0.3、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100mgなど、またはその中の任意の範囲もしくは値)であり得る。
【0140】
いずれの場合でも、医師または当業者は、個々の患者に最も適した実際の投薬量を決定することができ、これは投与経路、治療される状態の種類および重篤度、ならびに治療される特定の患者の種、年齢、体重、性別、腎機能、肝機能、および応答によって変化する可能性が高い。上記の投薬量は、平均的な場合の例示であり、当然、より高いまたはより低い投薬量範囲がふさわしい個々の事例が存在し得、そのようなものは本発明の範囲内である。
【0141】
本発明の化合物を、好ましくは投与経路の組み合わせを介して、別々に、および/または連続して、および/または同時に並行して使用することの利点は、副作用を予防および/または低減する可能性のある治療を、必要とする患者のために調整された治療を生み出し、また、治療有効量の本発明の化合物の正しい投薬量レベルを調整することである。
【0142】
本明細書に記載のパーツキットは、反復投与を提供するために、適切な量/用量の本発明の化合物を含む2つ以上の製剤、および/または適切な量/用量の別の治療剤を含む2つ以上の製剤を含み得る。2つ以上の製剤(活性化合物のいずれかを含む)が存在する場合、そのような製剤は、いずれかの化合物の投与量、化学的組成、および/または物理的形態に関して、同じであっても、異なっていてもよい。
【0143】
本明細書に記載のパーツキットに関して、「~と組み合わせた投与」によって、我々は、本発明の化合物および他の治療剤を含むそれぞれの製剤が、関連する症状の治療過程にわたって、順次、別個、および/または同時に投与されることを含む。
【0144】
したがって、本発明による組み合わせ生成物に関して、「~と組み合わせた投与」という用語は、関連する症状の治療過程にわたって、組み合わせ生成物製品の2つの構成要素(本発明の化合物および他の治療剤)が、同じ治療過程にわたって、本発明の化合物を含む製剤、または他の薬剤を含む製剤のいずれかが単独で他方の構成要素を含まずに(任意で反復)投与される場合よりも、患者に対するより大きな有益な効果を可能にするように、一緒に、または時間的に十分に近接して(任意で反復)のいずれかで投与されることを含む。組み合わせが、特定の病態の治療に関して、かつその治療過程にわたって、より大きな有益な効果を提供するかの決定は、治療または予防される病態によって決まることになるが、当業者によって慣習的に達成され得る。
【0145】
さらに、本発明によるパーツキットの文脈では、「~と組み合わせた」という用語は、2つの製剤のうちの一方または他方が、他方の構成要素の投与の前、その後、および/またはそれと同時に(任意で反復)投与され得ることを含む。この文脈で使用される場合、「同時投与される」および「~と同時に投与される」という用語は、関連する本発明の化合物および他の抗炎症剤の個々の用量が、互いの48時間(例えば、24時間)以内に投与されることを含む。
【0146】
本明細書に記載の医薬組成物/製剤、組み合わせ製品、およびキットは、標準的および/または容認されている薬務に従って調製され得る。
【0147】
よって、本発明のさらなる態様において、本明細書の上文に定義される薬学的組成物/製剤の調製のためのプロセスであって、本明細書の上文に定義される本発明の化合物を、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤(例えば、アジュバント、希釈剤、および/または担体)と組み合わせることを含む、プロセスが提供される。
【0148】
本発明のさらなる態様において、本明細書の上文に定義される組み合わせ製品またはキットオブパーツの調製のためのプロセスであって、本明細書の上文に定義される本発明の化合物を、関連する疾患または障害の治療において有用な他の治療剤、および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と組み合わせることを含む、プロセスが提供される。
【0149】
本発明の製剤で治療するのに適した対象には、哺乳動物対象、特にヒト対象が含まれるが、これらに限定されない。
【0150】
特定の値(量など)に関して本明細書で使用する場合、「約」との用語(または「およそ」などの同様の用語)は、そのような値が定義された値の最大10%(特に、最大5%、例えば、最大1%)変動し得ることを示すと理解される。各場合において、そのような用語は、表記「±10%」などと(または関連する値に基づいて計算された特定量の変動を示すことによって)置き換えてもよいことが企図される。各場合において、そのような用語は削除してもよいこともまた企図される。
【0151】
本発明の化合物は、それらが代謝加水分解よりも強力であり、および/または代謝加水分解に対して安定であり、および/または本明細書の上文に記載されたCYP酵素を阻害しないという利点を有する。
【0152】
本明細書に記載の化合物は、IPFの治療における使用のためであるかに関わらず、先行技術において知られている化合物よりも、より有効であり、より毒性が低く、より長く作用し、より強力であり、より副作用が少なく、より容易に吸収され、かつ/またはより優れた薬物動態プロファイル(例えば、より高い経口バイオアベイラビリティおよび/もしくはより低いクリアランス)を有し、ならびに/または他の有用な薬理学的、物理的もしくは化学的特性を有し得るという利点を有してもよい。そのような効果は、医療専門家、治療対象、または観察者によって、臨床的、客観的、および/または主観的に評価され得る。
【実施例
【0153】
本発明は、本発明の範囲を限定することを意図しない以下の実施例を参照することによってさらに説明される。
【0154】
命名法と図で描写されている任意の化合物との間に不一致がある場合、(与えられ得る任意の実験上の詳細と相反しない限り、または文脈から明らかでない限り)後者が優先される。
【0155】
実験手順
本明細書に記載の化合物の合成に使用される出発物質および中間体は、市販されているか、または本明細書に記載の方法もしくは当該技術分野で既知の方法によって調製することができる。
【0156】
実験は一般的に、特に酸素または水分に敏感な試薬または中間体が使用された場合、不活性雰囲気(窒素またはアルゴン)の下で行われた。
【0157】
質量分析データは、エレクトロスプレーイオン化を使用した液体クロマトグラフィー-質量分析(LC-MS)から報告される。NMRデータの化学シフトは、使用した重水素化溶媒からの残留ピークを参照して、百万分率(ppm、δ)で表される。
【0158】
一般的な手順を参照する合成では、反応条件(反応の長さまたは温度など)が異なる場合がある。一般に、反応の後に薄層クロマトグラフィーまたはLC-MSを行い、必要に応じて後処理を行った。精製は実験間で異なる場合がある。一般的に、溶離液/勾配に使用される溶媒および溶媒比は、適切なRおよび/または保持時間を提供するために選択された。一部の生成物は、超臨界流体クロマトグラフィーを使用して、例えば、移動相A:COおよび移動相B:MeOH/HO/NHと溶媒の組み合わせを使用する逆相カラムで精製した。
【0159】
発明の化合物
化合物は、1-ベンジル-3-[[5-イソブチル-3-[4-[(2-メチルイミダゾール-1-イル)メチル]フェニル]-2-チエニル]スルホニル]尿素(実施例1)の合成を示す以下の合成スキームに従って調製した。
【化10】
【0160】
実施例1
ベンジル-3-[[5-イソブチル-3-[4-[(2-メチルイミダゾール-1-イル)メチル]フェニル]-2-チエニル]スルホニル]尿素
(a)N-tert-ブチル-5-イソブチル-3-[4-[(2-メチルイミダゾール-1-イル)メチル]フェニル]チオフェン-2-スルホンアミド
1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-メチル-イミダゾール(1.25g;5mmol、1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-メチル-イミダゾールに関する文献(国際特許出願第2002/096883号を参照)と同様の手順を使用して調製)、5-イソブチル-2-(tert-ブチルアミノスルホニル)-3-チオフェンボロン酸(1.59g;5mmol;国際特許出願第2002/096883号に記載されているように調製)、KCO(2.06g;15mmol)およびPd(PPh(144mg;120μmol)をジオキサン(100mL)および水(10mL)に加えた。混合物を窒素雰囲気下で一晩95℃に加熱した。ほとんどの溶媒を蒸発させた。水(50mL)を加え、生成物をジエチルエーテル(2×50mL)で抽出した。乾燥および蒸発後、単離された副題化合物を次のステップで直接使用した。
【0161】
(b)5-イソブチル-3-[4-[(2-メチルイミダゾール-1-イル)メチル]フェニル]チオフェン-2-スルホンアミド
上記(a)の副題化合物(1.36g)をDCM(30mL)に溶解した。三塩化ホウ素(15mL、DCM中1M)を加え、溶液を室温で2時間撹拌した。NaCO(飽和、20mL)を加え、生成物をEtOAc(40mL)で抽出した。乾燥および蒸発後、単離された副題化合物を次のステップで直接使用した。
【0162】
(c)ブチルN-[[5-イソブチル-3-[4-[(2-メチルイミダゾール-1-イル)メチル]フェニル]-2-チエニル]スルホニル]-カルバメート
上記(b)の副題化合物(1.2g)およびN-エチルジイソプロピルアミン(2.57g;20mmol)をDCMに溶解した。クロロギ酸ブチル(2.04g;15mmol)を室温でゆっくりと加えた。1時間後、水を加え、生成物をジエチルエーテルで抽出した。DCM-MeOH(90:10)からのクロマトグラフィー。単離された副題化合物の量は1.05gであった(3つの反応ステップで43%の収率)。
H-NMR(CDCl):0.85(t,3H),0.99(d,6H),1.24(m,2H),1.48(m,2H),1.94(m,1H),2.54(s,3H),2.69(d,2H),3.99(t,2H),5.11(s,2H),6.72(s,1H),6.81(m,2H),7.07(d,2H),7.60(d,2H)
MS(M+H):実験490.1824 計算490.1834。
【0163】
(d)1-ベンジル-3-[[5-イソブチル-3-[4-[(2-メチルイミダゾール-1-イル)メチル]フェニル]-2-チエニル]スルホニル]-尿素
上記のステップ(c)の副題化合物(116mg、237μmol)およびベンジルアミン(76mg;711μmol)をトルエンに溶解した。反応物を加熱し、窒素雰囲気下で3時間にわたり100℃に保った。溶媒を蒸発させた。表題生成物を、超臨界流体クロマトグラフィーを使用して、51mg(41%)の収率で精製した。
H-NMR(CDCl):0.95(d,6H),1.87(m,1H),2.31(s,3H),2.63(d,2H),4.20(s,2H),5.04(s,2H),6.67(s,1H),6.83(NH,1H),6.87-6.95(m,4H),7.12-7.23(m,5H),7.42(d,2H).
MS(M+H):実験523.1818 計算523.1838。
【0164】
実施例2
p-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-2-チエニルスルホニル)-1-[(2-ピリジル)メチル]尿素
最後のステップで2-アミノメチルピリジンを使用して、実施例1に記載のように表題化合物を調製した。
H-NMR(CDCl):0.96(d,6H),1.91(m,1H),2.66(d,2H),2.74(s,3H),4.70(s,2H),5.37(s,2H),6.73(s,1H),7.21(s,1H),7.28(d,2H),7.41(s,1H),7.53(d,2H),7.76(m,1H),7.89(m,1H),8.30(m,1H),8.70(m,1H).
MS(M+H):実験524.1774 計算524.1790。
【0165】
実施例3
p-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-2-チエニルスルホニル)-1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)-尿素
最後のステップで3,3,3-トリフルオロプロピルアミンを使用して、実施例1に記載のように表題化合物を調製した。
MS(M+H):実験529.1552 計算529.1555。
【0166】
実施例4
1-ブチル-3-(5-イソブチル-3-{p-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-2-チエニルスルホニル)-尿素
最後のステップで1-アミノブタンを使用して、実施例1に記載のように表題化合物を調製した。
MS(M+H):実験489.1999 計算489.2078。
【0167】
実施例5
p-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-2-チエニルスルホニル)-1-(4,4,4-トリフルオロブチル)-尿素
最後のステップで4,4,4-トリフルオロブチル-アミンを使用して、実施例1に記載のように表題化合物を調製した。
H-NMR(CDCl):0.95(d,6H),1.61(m,2H),1.86-2.02(m,3H),2.56(s,3H),2.65(d,2H),3.11(m,2H),6.70(s,2H),7.05(b,1H),7.11-7.13(b,3H),7.50(d,2H).
MS(M+H):実験543.1727 計算543.1711。
【0168】
実施例6
1-ベンジル-3-(3-{p-[(2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-尿素
表題化合物は、1-[(4-ブロモ-フェニル)メチル]-2-エチル-イミダゾールを最初のステップ(1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-メチル-イミダゾールに関する文献(例えば、国際特許出願第2002/096883号を参照)と同様の手順を使用して調製)で使用したことを除いて、実施例1に記載したように調製した。
MS(M+H):実験537.1996 計算537.1994。
【0169】
実施例7
p-[(2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-(2-メトキシ-エチル)尿素
最初のステップで1-[(4-ブロモフェニル)-メチル]-2-エチル-イミダゾール、および最後のステップで2-メトキシエチルアミンを使用して、実施例1に記載のように表題化合物を調製した。
H-NMR(CDCl):0.96(d,6H),1.38(t,3H),1.91(m,1H),1.67(d,2H),3.06(q,2H),3.25-3.30(b,2H),3.28(s,3H),3.36(t,2H),5.25(s,2H),6.71(s,1H),7.15-7.30(b,4H),7.54(d,2H).
MS(M+H):実験505.1973 計算505.1943。
【0170】
実施例8
p-[(2,4-ジメチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素
表題化合物は、最初のステップ(1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-メチル-イミダゾールに関する文献(例えば、国際特許出願第2002/096883号を参照)と同様の手順を使用して調製)で1-[(4-ブロモフェニル)-メチル]-2,4-ジメチル-イミダゾール、および最後のステップで2-メトキシエチルアミンを使用して、実施例1に記載のように調製した。
H-NMR(CDCl):0.93(d,6H),1.86(m,1H),2.09-2.21(b,2H),2.15(s,3H),2.42(s,3H),2.61(d,2H),3.20(m,2H),5.08(s,2H),6.65(s,1H),6.79(s,1H),7.03(d,2H),7.48(d,2H).
MS(M+H):実験543.1707 計算543.1711。
【0171】
実施例9
3-(3-{p-[(2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-[(2-ピリジル)メチル]尿素
最初のステップで1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-エチル-イミダゾール、および最後のステップで2-アミノメチルピリジンを使用して、実施例1に記載のように表題化合物を調製した。単離された表題化合物の量は、45mg(21%)であった。
H-NMR(CDCl):0.93(q,6H).1.18(t,3H),1.87(m,1H),2.62(d,2H),2,69(q,2H),4.35(d,2H),5,07(s,2H),6.67(s,1H),6.95(m,4H),7.10(m,1H),7.16(d,1H),7.49(d,2H),7.55(td,1H),8.40(d,1H).
MS(M+H):実験538.2
【0172】
実施例10
1-ベンジル-3-(3-{p-[(2,4-ジメチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)尿素
最初のステップで1-[(4-ブロモフェニル)-メチル]-2,4-ジメチル-イミダゾールを使用して、実施例1に記載のように表題化合物を調製した。単離された表題化合物の量は、34mg(26%)であった。
H-NMR(CDCl):0.95(d,6H),1.87(m,1H),2.09(s,3H),2.29(s,3H),2.62(d,2H),4.21(d,2H),4.95(s,2H),6.62(s,1H),6.67(s,1H),6.94(d,2H),7.10-7.25(m,5H),7.45(d,2H).)。
MS(M+H):実験537.3
【0173】
実施例11
3-(3-{p-[(2,4-ジメチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-[(2-ピリジル)メチル]尿素
最初のステップで1-[(4-ブロモフェニル)-メチル]-2,4-ジメチル-イミダゾール、および最後のステップで2-アミノメチルピリジンを使用して、実施例1に記載のように表題化合物を調製した。単離された表題化合物の量は、12mg(7%)であった。
H-NMR(CDCl):0.94(d,6H),1.87(m,1H),2.10(s,3H),2.31(s,3H),2.61(d,2H),4.36(d,2H),4.97(s,2H),6.63(s,1H),6.68(s,1H),6.99(d,2H),7.11(m,2H),7.53(m,3H),8.42(d,1H).
MS(M+H):実験538.2
【0174】
実施例12
1-ベンジル-3-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)尿素
表題化合物は、最初のステップ(1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-メチル-イミダゾールに関する文献(例えば、国際特許出願第2002/096883号を参照)と同様の手順を使用して調製)で1-[(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)メチル]-2-メチル-イミダゾールを使用して、実施例1に記載のように調製した。単離された表題化合物の量は、20mg(24%)であった。
H-NMR(CDCl):0.98(d,6H),1.90(m,1H),2.66(d,2H),4.30(d,2H),5.05(s,2H),6.71(s,1H),6.77(s,1H),6.86(s,1H),6.91(t,1H),7,13(m,2H),7.22-7.28(m,4H),7.32(d,1H).
MS(M+H):実験541.2
【0175】
実施例13
3-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-[(2-ピリジル)メチル]尿素
最初のステップで1-[(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)メチル]-2-メチル-イミダゾール、および最後のステップで2-アミノメチルピリジンを使用して、実施例1に記載のように表題化合物を調製した。単離された表題化合物の量は、24mg(31%)であった。
H-NMR(CDCl):0.94(d,6H),1.88(m,1H),2.43(s,3H),2.63(d,2H),4.41(d,2H),5.05(s,2H),6.67(s,1H),6.87-6.95(m,3H),7.10(m,1H),7.16(d,1H),7.28-7.38(m,2H),7.56(t,1H),8.42(d,1H).
MS(M+H):実験542.2
【0176】
実施例14
3-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素
最初のステップで1-[(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)メチル]-2-メチル-イミダゾール、および最後のステップで3,3,3-トリフルオロプロピルアミンを使用して、実施例1に記載のように表題化合物を調製した。単離された表題化合物の量は、15mg(21%)であった。
H-NMR(CDCl):0.98(d,6H),1.92(m,1H),2.49(m,2H),2.67(d,2H),3.34(m,2H),5.10(s,2H),6.71(s,1H),6.85(s,1H),6.93(s,1H),7.01(m,1H),7.30(m,1H),7.38(d,1H).
MS(M+H):実験547.2
【0177】
実施例15
1-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-3-[(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル]尿素
最初のステップで1-[(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)メチル]-2-メチル-イミダゾール、および最後のステップで(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチルアミンを使用して、実施例1に記載のように表題化合物を調製した。単離された表題化合物の量は、69mg(50%)であった。
MS(M+H):実験545.2
【0178】
実施例16
1-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]尿素
最初のステップで1-[(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)メチル]-2-メチル-イミダゾール、および最後のステップでヒスタミンを使用して、実施例1に記載のように表題化合物を調製した。単離された表題化合物の量は、52mg(47%)であった。
MS(M+H):実験545.2
【0179】
実施例17
3-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-メチル-1-[(2-ピリジル)メチル]尿素
最初のステップで1-[(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)メチル]-2-メチル-イミダゾール、および最後のステップでN-メチル-N-(2-ピリジルメチル)アミンを使用して、実施例1に記載のように表題化合物を調製した。単離された表題化合物の量は、17mg(16%)であった。
H-NMR(CDCl):0.96(d,6H),1.89(m,1H),2.45(s,3H),2.64(d,2H),2.91(s,3H),4.38(s,2H),5.10(s,2H),6.65(s,1H),6.65-6.75(b,2H),7.00-7.25(b,3H),7.43(m,2H),7.60(m,1H),8.41(m,1H).
MS(M+H):実験556.2
【0180】
実施例18
3-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-(4,4,4-トリフルオロブチル)尿素
最初のステップで1-[(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)メチル]-2-メチル-イミダゾール、および最後のステップで4,4,4-トリフルオロブチルアミンを使用して、実施例1に記載のように表題化合物を調製した。単離された表題化合物の量は、8mg(12%)であった。
H-NMR(CDCl):0.96(d,6H),1.64(m,2H),1.82-2.02(m,3H),2.51(s,3H),2.65(d,2H),3.15(m,2H),5.10(s,2H),6.70(s,1H),6.88(s,1H),6.96(s,1H),7.01(t,1H),7.28(d,1H),7.38(d,1H).
MS(M+H):実験561.2
【0181】
実施例19
3-(5-イソブチル-3-{5-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-2-ピリジル}-2-チエニルスルホニル)-1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素
表題化合物は、最初のステップ(1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-メチル-イミダゾールに関する文献(例えば、国際特許出願第2002/096883号を参照)と同様の手順を使用して調製)で2-ブロモ-5-[(2-メチルイミダゾール-1-イル)メチル]ピリジン、および最後のステップで3,3,3-トリフルオロプロピルアミンを使用して、実施例1に記載のように調製した。単離された表題化合物の量は、11mg(15%)であった。
MS(M+H):実験530.2
【0182】
実施例20
3-(5-イソブチル-3-{2-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-5-ピリミジニル}-2-チエニルスルホニル)-1-(2-メトキシエチル)尿素
表題化合物は、最初のステップ(1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-メチル-イミダゾールに関する文献(例えば、国際特許出願第2002/096883号を参照)と同様の手順を使用して調製)で5-ブロモ-2-[(2-メチルイミダゾール-1-イル)メチル]ピリミジン、および最後のステップで2-メトキシメチルアミン使用して、実施例1に記載のように調製した。単離された表題化合物の量は、15mg(17%)であった。
H-NMR(CDCl):0.97(d,6H),1.90(m,1H),2.51(s,3H),2.67(d,2H),3.29(m,5H),3.37(t,2H),5.37(s,2H),6.69(s,1H),7.06(s,1H),7.13(s,1H),8.90(s,2H).
MS(M+H):実験493.2
【0183】
実施例21
3-(5-イソブチル-3-{2-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-5-ピリミジニル}-2-チエニルスルホニル)-1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素
最初のステップで5-ブロモ-2-[(2-メチルイミダゾール-1-イル)メチル]ピリミジン、および最後のステップで3,3,3-トリフルオロプロピルアミンを使用して、実施例1に記載のように表題化合物を調製した。単離された表題化合物の量は43mg(46%)であった。
MS(M+H):実験531.2
【0184】
実施例22
3-(5-イソブチル-3-{2-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-5-ピリミジニル}-2-チエニルスルホニル)-1-[(2-ピリジル)メチル]尿素
表題化合物は、最初のステップで5-ブロモ-2-[(2-メチルイミダゾール-1-イル)メチル]ピリミジン、および最後のステップで2-アミノメチルピリミジンを使用して、実施例1に記載のように調製した。単離された表題化合物の量は、61mg(32%)であった。
H-NMR(CDOD):0.98(d,6H),1.91(m,1H),2.39(s,3H),2.69(d,2H),4.30(s,2H),5.37(s,2H),6.84(m,2H),7.08(s,1H),7.23(m,2H),7.71(m,1H),8.39(m,1H),9.02(s,2H).
MS(M+H):実験526.2
【0185】
実施例23
1-[(3,5-ジフルオロフェニル)メチル]-3-(5-イソブチル-3-{5-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-2-ピリジル}-2-チエニルスルホニル)尿素
最初のステップで5-ブロモ-2-[(2-メチルイミダゾール-1-イル)メチル]ピリミジン、および最後のステップで3,5-ジフルオロベンジルアミンを使用して、実施例1に記載のように表題化合物を調製した。単離された表題化合物の量は、26mg(42%)であった。
H-NMR(CDCl):1.02(d,6H),1.97(m,1H),2.39(s,3H),2.74(d,2H),4.46(s,2H),5.16(s,2H),6.70(t,1H),6.79(d,2H),6.89(s,1H),7.03(s,1H),7.10(s,1H),7.40(m,1H),7.61(m,1H),8.61(m,1H).
MS(M+H):実験560.2
【0186】
実施例24
3-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-(2-メトキシエチル)尿素
最初のステップで1-[(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)メチル]-2-メチル-イミダゾール、および最後のステップで2-メトキシエチルアミンを使用して、実施例1に記載のように表題化合物を調製した。単離された表題化合物の量は、2mg(3%)であった。
H-NMR(CDCl):1.00(d,6H),1.94(m,1H),2.48(s,3H),2.69(d,2H),3.31(m,5H),3.38(t,2H),5.12(s,2H),6.72(s,1H),6.88(s,1H),6.93(s,1H),6.98(t,1H),7.33(d,1H),7.37(d,1H).
MS(M+H):実験509.2
【0187】
実施例25
3-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-[1-(2-ピリジル)エチル]尿素
最初のステップで1-[(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)メチル]-2-メチル-イミダゾール、および最後のステップで1-ピリジン-2-イル-エチルアミンを使用して、実施例1に記載のように表題化合物を調製した。単離された表題化合物の量は、6mg(9%)であった。
H-NMR(CDCl):0.97(d,6H),1.40(d,3H),1.90(m,1H),2.43(s,3H),2.66(d,2H),4.94(m,1H),5.06(s,2H),6.71(s,1H),6.81(s,1H),6.87(s,1H),6.92(t,1H),7.13-7.19(m,2H),7.31(d,1H),7.36(d,1H),7.60(t,1H),8.50(d,1H).
MS(M+H):実験556.2
【0188】
実施例26
3-(3-{2-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素
表題化合物は、最初のステップ(1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-メチル-イミダゾールに関する文献(例えば、国際特許出願第2002/096883号を参照)と同様の手順を使用して調製)で1-[(4-ブロモ-3-フルオロフェニル)メチル]-2-メチル-イミダゾール、および最後のステップで3,3,3-トリフルオロプロピルアミン使用して、実施例1に記載のように調製した。単離された表題化合物の量は、7mg(6%)であった。
H-NMR(CDCl):1.01(d,6H),1.96(m,1H),2.31(m,2H),2.63(s,3H),2.73(d,2H),3.41(q,2H),5.25(s,2H),6.75(s,1H),6.95(m,2H),7.13(d,1H),7.26(d,1H),7.49(t,1H).
MS(M+H):実験547
【0189】
実施例27
3-(3-{2-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)尿素
最初のステップで1-[(4-ブロモ-3-フルオロフェニル)メチル]-2-メチル-イミダゾール、および最後のステップで2,2,2-トリフルオロエチルアミンを使用して、実施例1に記載のように表題化合物を調製した。単離された表題化合物の量は、7mg(5%)であった。
H-NMR(CDCl):1.01(d,6H),1.96(m,1H),2.62(s,3H),2.73(d,2H),3.80(m,2H),5.25(s,2H),6.75(s,1H),6.92-6.97(m,2H),7.14(d,1H),7.26(d,1H),7.48(t,1H).
MS(M+H):実験533
【0190】
実施例28
1-(3-フルオロプロピル)-3-(5-イソブチル-3-{p-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-2-チエニルスルホニル)尿素
最後のステップで3-フルオロプロピルアミン塩酸塩を使用して、実施例1に記載のように表題化合物を調製した。単離された表題化合物の量は、55mg(26%)であった。
H-NMR(CDCl):1.01(d,6H),1.84(dp,2H),1.96(m,1H),2.67(s,3H),2.72(d,2H),3.25(q,2H),4.41(dt,2H),5.25(s,2H),6.77(s,1H),7.11(d,1H),7.21(d,2H),7.26(d,1H),7.57(d,2H).
MS(M+H):実験493
【0191】
実施例29
1-(3,3-ジフルオロプロピル)-3-(5-イソブチル-3-{p-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-2-チエニルスルホニル)尿素
最後のステップで3,3-ジフルオロプロピルアミン塩酸塩を使用して、実施例1に記載のように表題化合物を調製した。
H-NMR(CDCl):1.01(d,6H),1.91-2.03(m,3H),2.56(s,3H),2.72(d,2H),3.28(q,2H),5.20(s,2H),5.77(tt,2H),6.77(s,1H),7.06(s,1H),7.08(s,1H),7.17(d,2H),7.55(d,2H).
【0192】
実施例30
1-[(3-{4-[(2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-3-フルオロフェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]-3-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素トリフルオロ酢酸
(a)N-tert-ブチル-3-{4-[(2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-3-フルオロフェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-スルホンアミド
5-イソブチル-2-(tert-ブチルアミノスルホニル)-3-チオフェンボロン酸(803mg;2.5mmol)、1-[(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)メチル]-2-エチル-イミダゾール(712mg;2.5mmol;1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-メチル-イミダゾールに関する文献(例えば、国際特許出願第2002/096883号を参照)と同様の手順を使用して調製)、KCO(1.04g;7.5mmol)および[1,1’ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(184mg;0.25mmol)を、ジオキサン(10ml)と水(3ml)に加える。混合物を完全に脱気し(撹拌した懸濁液にアルゴンをバブリングすることにより)、激しく撹拌し、80℃で2時間加熱した。室温まで冷却した後、水を加え、粗生成物をEtOAcで抽出した。乾燥および蒸発後、粗生成物をシリカゲル(Autoflash、Biotage Sfar Silica、60μm、25g)で精製した。移動相はDCMおよびDCM/MeOH/NH(28%)=100/10/1である。後者の移動相のグラジエントは5~60%である。単離された副題化合物の量は、760mg(63%)であった。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.45(m,2H),7.36(d,J=7.9Hz,1H),7.09(s,1H),7.03(t,J=8.1Hz,1H),6.97(s,1H),6.80(s,1H),5.23(s,2H),2.68(d,J=7.0Hz,2H),2.60(q,J=7.5Hz,2H),1.87(dt,J=13.0,6.6Hz,1H),1.16(t,J=7.1Hz,3H),0.96(s,9H),0.92(d,J=6.6Hz,6H).
【0193】
(b)3-{4-[(2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-3-フルオロフェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-スルホンアミド
上記(a)の副化合物(760mg;1.6mmol)、トリエチルシラン(1.5ml)およびTFA(10ml)をDCM(10ml)に加え、43℃で一晩撹拌した。混合物を蒸発させて、褐色の油を得た。NaHCO(飽和、25ml)を加え、粗生成物をEtOAc(250ml)で抽出した。乾燥および蒸発後、粗生成物をシリカゲル(Autoflash、Biotage Sfar Silica、60μm、25g)で精製した。移動相はDCMおよびDCM/MeOH/NH(28%)=100/10/1である。後者の移動相のグラジエントは5~50%である。単離された副題化合物の量は、420mg(62%)であった。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.66(s,2H),7.49(d,J=11.4Hz,1H),7.38(d,J=8.0Hz,1H),7.10(s,1H),7.00(t,J=8.0Hz,1H),6.96(s,1H),6.81(s,1H),5.23(s,2H),2.68(d,J=7.0Hz,2H),2.62(q,J=7.5Hz,2H),1.87(dt,J=13.6,6.7Hz,1H),1.19-1.15(m,3H),0.93(d,J=6.6Hz,6H).
【0194】
(c)エチルN-[(3-{4-[(2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-3-フルオロフェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]カルバメート
上記(b)の副題化合物(0.46g;1.1mmol)、クロロギ酸エチル(0.12g;1.1mmol)およびトリエチルアミン(0.22g;2.2mmol)を0℃で40mlのDCMに混合し、1時間撹拌した。水を加えて、溶媒を減圧下で除去した。単離された副題化合物の量は、0.69g(100%)であった。HPLC純度(220nm):95%。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.80(d,J=12.1Hz,1H),7.48(d,J=8.0Hz,1H),7.27(s,1H),7.08-7.02(m,2H),6.84(s,1H),5.29(s,2H),3.71(q,J=7.1Hz,2H),2.75(q,J=7.5Hz,2H),2.61(d,J=7.0Hz,2H),1.84(dp,J=13.5,6.7Hz,1H),1.19(t,J=7.3Hz,3H,トリエチルアミンと重複),0.99(t,J=7.1Hz,3H),0.93(d,J=6.6Hz,6H).約2当量のトリエチルアミンを含む。
MS(M+H):実験494 計算494。
【0195】
(d)1-[(3-{4-[(2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-3-フルオロフェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]-3-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素トリフルオロ酢酸
上記のステップ(c)の副題化合物(47mg;75μmol)、トリエチルアミン(15mg;150μmol)および3,3,3-トリフルオロプロピルアミン塩酸塩(12mg;82μmol)をジオキサン(1ml)に添加し、90℃で一晩撹拌した。混合物を水とアセトニトリルで希釈し、TFAで酸性化し、逆相クロマトグラフィー(Gemini NX-C18、21*150mm、水(0.1%TFA)/アセトニトリル、12分かけて勾配、25ml/分)で精製した。単離された表題化合物の量は、41mg(81%)であった。HPLC純度(220nm):>95%。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.69-7.63(m,2H),7.47(d,J=11.3Hz,1H),7.40-7.36(m,2H),6.95(s,1H),6.56(t,J=5.7Hz,1H),5.52(s,2H),3.19(q,J=6.6Hz,2H),3.01(q,J=7.5Hz,2H),2.72(d,J=7.0Hz,2H),2.32(tq,J=11.5,6.8,5.7Hz,2H),1.88(dp,J=13.5,6.7Hz,1H),1.24(t,J=7.5Hz,3H),0.93(d,J=6.6Hz,6H).
MS(M+H):実験561 計算561。
【0196】
実施例31
1-[(3-{4-[(2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-3-フルオロフェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]-3-(2-メトキシエチル)尿素トリフルオロ酢酸
最後のステップで2-メトキシエチルアミンを使用して、実施例30に記載のように表題化合物を調製した。単離された表題化合物の量は、34mg(71%)であった。HPLC純度(220nm):>95%。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.68-7.64(m,2H),7.48(d,J=11.2Hz,1H),7.41-7.37(m,2H),6.95(s,1H),6.34(t,J=5.1Hz,1H),5.52(s,2H),3.25(t,J=5.5Hz,2H),3.21(s,3H),3.09(q,J=5.4Hz,2H),3.01(q,J=7.5Hz,2H),2.72(d,J=7.0Hz,2H),1.89(dp,J=13.5,6.6Hz,1H),1.24(t,J=7.5Hz,3H),0.93(d,J=6.6Hz,6H).
MS(M+H):実験523 計算523。
【0197】
実施例32
3-[(3-{4-[(2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-3-フルオロフェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]-1-[(4-フルオロフェニル)メチル]尿素トリフルオロ酢酸
最後のステップで4-フルオロベンジルアミンを使用して、実施例30に記載のように表題化合物を調製した。単離された表題化合物の量は、36mg(70%)であった。HPLC純度(220nm):>95%。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.66-7.60(m,2H),7.48(d,J=11.2Hz,1H),7.42-7.36(m,2H),7.17-7.07(m,4H),6.96(s,1H),6.85(t,J=5.8Hz,1H),5.51(s,2H),4.12(d,J=5.9Hz,2H),2.98(q,J=7.5Hz,2H),2.71(d,J=7.0Hz,2H),1.87(dp,J=13.3,6.5Hz,1H),1.21(t,J=7.5Hz,3H),0.93(d,J=6.6Hz,6H).
MS(M+H):実験573 計算573。
【0198】
実施例33
1-[(3-{4-[(2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-3-フルオロフェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]-3-プロピル尿素トリフルオロ酢酸
最後のステップでプロピルアミンを使用して、実施例30に記載のように表題化合物を調製した。単離された表題化合物の量は、33mg(71%)であった。HPLC純度(220nm):>95%。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.66-7.63(m,2H),7.47(d,J=11.3Hz,1H),7.41-7.36(m,2H),6.95(s,1H),6.31(t,J=5.5Hz,1H),5.51(s,2H),3.00(q,J=7.5Hz,2H),2.88(q,J=6.6Hz,2H),2.72(d,J=7.0Hz,2H),1.88(dp,J=13.4,6.7Hz,1H),1.33-1.21(m,5H),0.93(d,J=6.6Hz,6H),0.73(t,J=7.4Hz,3H).
MS(M+H):実験507 計算507。
【0199】
実施例34
1-[(3,4-ジフルオロフェニル)メチル]-3-[(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]尿素トリフルオロ酢酸
最初のステップで1-[(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)メチル]-2-メチル-イミダゾール、および最後のステップで3,4-ジフルオロベンジルアミンを使用して、実施例30に記載のように表題化合物を調製した。単離された表題化合物の量は、27mg(39%)であった。HPLC純度(220nm):>95%。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.62-7.60(m,2H),7.46(d,J=11.1Hz,1H),7.43-7.30(m,3H),7.17-7.09(m,1H),7.00(t,J=6.0Hz,1H),6.98-6.93(m,2H),5.48(s,2H),4.12(d,J=5.9Hz,2H),2.71(d,J=7.0Hz,2H),2.60(s,3H),1.87(dp,J=13.4,6.7Hz,1H),0.92(d,J=6.6Hz,6H).
MS(M+H):実験577 計算577。
【0200】
実施例35
1-[(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]-3-[(チオフェン-2-イル)メチル]尿素トリフルオロ酢酸
最初のステップで1-[(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)メチル]-2-メチル-イミダゾール、および最後のステップで2-アミノメチルチオフェンを使用して、実施例30に記載のように表題化合物を調製した。単離された表題化合物の量は、40mg(60%)であった。HPLC純度(220nm):>95%。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 10.98(s,1H),7.63-7.60(m,2H),7.45(d,J=11.1Hz,1H),7.40-7.33(m,3H),6.95(s,1H),6.94-6.84(m,3H),5.48(s,2H),4.30(d,J=5.8Hz,2H),2.72(d,J=7.0Hz,2H),2.60(s,3H),1.88(dp,J=13.4,6.5Hz,1H),0.94(d,J=6.6Hz,6H).
MS(M+H):実験547 計算547。
【0201】
実施例36
1-[(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]-3-プロピル尿素トリフルオロ酢酸
最初のステップで1-[(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)メチル]-2-メチル-イミダゾール、および最後のステップでプロピルアミンを使用して、実施例30に記載のように表題化合物を調製した。単離された表題化合物の量は、33mg(54%)であった。HPLC純度(220nm):>95%。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 10.72(s,1H),7.65-7.61(m,2H),7.49-7.35(m,3H),6.95(s,1H),6.31(t,J=5.4Hz,1H),5.49(s,2H),2.87(q,J=6.6Hz,2H),2.72(d,J=7.0Hz,2H),2.63(s,3H),1.88(dp,J=13.4,6.7Hz,1H),1.28(h,J=7.2Hz,2H),0.93(d,J=6.6Hz,6H),0.72(t,J=7.4Hz,3H).
MS(M+H):実験493 計算493。
【0202】
実施例37
1-[(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]-3-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素トリフルオロ酢酸
最初のステップで1-[(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)メチル]-2-メチル-イミダゾール、および最後のステップで3,3,3-トリフルオロプロピルアミン塩酸塩を使用して、実施例30に記載のように表題化合物を調製した。単離された表題化合物の量は、22mg(67%)であった。HPLC純度(220nm):>95%。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.65-7.60(m,2H),7.49-7.36(m,3H),6.95(s,1H),6.44(t,J=6.0Hz,1H),5.49(s,2H),3.20(q,J=6.5Hz,2H),2.72(d,J=7.0Hz,2H),2.62(s,3H),2.32(tq,J=11.9,7.1,5.9Hz,2H),1.88(dt,J=13.4,6.9Hz,1H),0.93(d,J=6.6Hz,6H).
MS(M+H):実験547 計算547。
【0203】
実施例38
1-[(4-クロロピリジン-2-イル)メチル]-3-[(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]尿素トリフルオロ酢酸
最初のステップで1-[(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)メチル]-2-メチル-イミダゾール、および最後のステップで4-クロロ-2-ピリジンメタンアミンを使用して、実施例30に記載のように表題化合物を調製した。単離された表題化合物の量は、34mg(66%)であった。HPLC純度(220nm):>95%。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.47(d,J=5.4Hz,1H),7.64-7.60(m,2H),7.49(d,J=11.1Hz,1H),7.45-7.36(m,3H),7.26-7.25(m,1H),7.03(t,J=5.5Hz,1H),6.96(s,1H),5.48(s,2H),4.28(d,J=5.6Hz,2H),2.71(d,J=7.0Hz,2H),2.61(s,3H),1.87(dp,J=13.5,6.8Hz,1H),0.92(d,J=6.6Hz,6H).
MS(M+H):実験576 計算576。
【0204】
実施例39
1-[(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]-3-(2-メチルプロピル)尿素トリフルオロ酢酸
最初のステップで1-[(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)メチル]-2-メチル-イミダゾール、および最後のステップでイソブチルアミンを使用して、実施例30に記載のように表題化合物を調製した。単離された表題化合物の量は、30mg(64%)であった。HPLC純度(220nm):>95%。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.66-7.61(m,2H),7.49-7.36(m,3H),6.96(s,1H),6.29(t,J=5.5Hz,1H),5.49(s,2H),2.77-2.70(m,4H),2.63(s,3H),1.88(dp,J=13.4,6.7Hz,1H),1.53(dp,J=13.5,6.8Hz,1H),0.93(d,J=6.6Hz,6H),0.71(d,J=6.7Hz,6H).
MS(M+H):実験507 計算507。
【0205】
実施例40
1-[(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)メチル]-3-[(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル)スルホニル]尿素トリフルオロ酢酸
最初のステップで1-[(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)メチル]-2-メチル-イミダゾール、および最後のステップで(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)メタンアミンを使用して、実施例30に記載のように表題化合物を調製した。単離された表題化合物の量は、44mg(84%)であった。HPLC純度(220nm):>95%。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.63(d,J=1.6Hz,2H),7.47(d,J=11.1Hz,1H),7.45-7.36(m,2H),6.96(s,1H),6.46(t,J=5.5Hz,1H),5.48(s,2H),2.85(t,J=6.3Hz,2H),2.72(d,J=7.0Hz,2H),2.63(s,3H),1.99-1.37(m,8H),1.03(q,J=10.4Hz,2H),0.93(d,J=6.6Hz,6H).
MS(M+H):実験583 計算583。
【0206】
実施例41
1-{[3-(3-フルオロ-4-{[2-(プロパン-2-イル)-1H-イミダゾール-1-イル]メチル}フェニル)-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル]スルホニル}-3-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素トリフルオロ酢酸
表題化合物は、最初のステップ(1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-メチル-イミダゾールに関する文献(例えば、国際特許出願第2002/096883号を参照)と同様の手順を使用して調製)で1-[(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)メチル]-2-(プロパン-2-イル)-イミダゾール、および最後のステップで3,3,3-トリフルオロプロピルアミン塩酸塩を使用して、実施例30に記載のように調製した。単離された表題化合物の量は、28mg(54%)であった。HPLC純度(220nm):>95%。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.71(d,J=1.9Hz,1H),7.64(d,J=1.8Hz,1H),7.48(d,J=11.6Hz,1H),7.42-7.34(m,2H),6.96(s,1H),6.54(t,J=5.8Hz,1H),5.57(s,2H),3.55(dt,J=13.8,6.9Hz,1H),3.20(q,J=6.6Hz,2H),2.72(d,J=7.0Hz,2H),2.34(ddt,J=17.9,11.4,5.7Hz,2H),1.88(dp,J=13.4,6.6Hz,1H),1.26(d,J=6.9Hz,6H),0.93(d,J=6.6Hz,6H).
MS(M+H):実験575 計算575。
【0207】
実施例42
1-{[3-(3-フルオロ-4-{[2-(プロパン-2-イル)-1H-イミダゾール-1-イル]メチル}フェニル)-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル]スルホニル}-3-(4,4,4-トリフルオロブチル)尿素トリフルオロ酢酸
最初のステップで1-[(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)メチル]-2-(プロパン-2-イル)-イミダゾールおよび最後のステップで3,3,3-トリフルオロブチルアミン塩酸塩を使用して、実施例30に記載のように表題化合物を調製した。単離された表題化合物の量は、32mg(61%)であった。HPLC純度(220nm):>95%。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.71(d,J=1.9Hz,1H),7.64(d,J=1.8Hz,1H),7.48(d,J=11.6Hz,1H),7.41-7.34(m,2H),6.96(s,1H),6.52(t,J=5.6Hz,1H),5.57(s,2H),3.55(dt,J=13.9,6.9Hz,1H),3.01(q,J=6.5Hz,2H),2.71(d,J=7.0Hz,2H),2.19-2.04(m,2H),1.88(dp,J=13.6,6.7Hz,1H),1.51(p,J=7.2Hz,2H),1.26(d,J=6.9Hz,6H),0.93(d,J=6.6Hz,6H).
MS(M+H):実験589 計算589。
【0208】
実施例43
1-{[3-(3-フルオロ-4-{[2-(プロパン-2-イル)-1H-イミダゾール-1-イル]メチル}フェニル)-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-イル]スルホニル}-3-プロピル尿素トリフルオロ酢酸
最初のステップで1-[(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)メチル]-2-(プロパン-2-イル)-イミダゾール、および最後のステップでプロピルアミンを使用して、実施例30に記載のように表題化合物を調製した。単離された表題化合物の量は、17mg(36%)であった。HPLC純度(220nm):>95%。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.70(d,J=1.5Hz,1H),7.63(d,J=1.6Hz,1H),7.48(d,J=11.6Hz,1H),7.38(d,J=6.1Hz,2H),6.95(s,1H),6.28(t,J=5.1Hz,1H),5.57(s,2H),3.54(p,J=7.0Hz,1H),2.88(q,J=6.7Hz,2H),2.72(d,J=7.0Hz,2H),1.88(dp,J=13.4,6.7Hz,1H),1.28(dd,J=13.6,7.0Hz,8H),0.93(d,J=6.6Hz,6H),0.74(t,J=7.4Hz,3H).
MS(M+H):実験521 計算521。
【0209】
実施例44
さらなる化合物
以下の化合物は、上記の1つ以上の実施例に開示されているものと同様の方法を使用して調製される。
1-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-3-プロポキシ尿素、
3-(3-{3-フルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2-チエニルスルホニル)-1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素、および
3-(3-{3,5-フィフルオロ-4-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]フェニル}-5-イソブチル-2-チエニルスルホニル)-1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)尿素。
【0210】
生物学的アッセイ
上記の本明細書に記載の例示的な化合物の生物学的活性は、以下の生物学的アッセイを使用して評価された。
【0211】
代謝安定性
0.5mg/mlの濃度のPBSにプールされたヒト肝ミクロソームを、1mM NADPHの有無で、37℃で70分間インキュベートした。試験化合物を10分後に最終濃度が1uMになるように加えた。サンプルを0、5、15、および60分に取り出し、アセトニトリルを含む試験管に加えて反応を停止し、内部標準としてテルフェナジンを使用した。10000xgで5分間遠心分離した後、上清を1%ギ酸で1:1に希釈した。サンプルを逆相カラムで分離し、トリプル四重極MSMS(Agilantモデル6540)で検出した。異なる時点での親化合物の濃度を、内部標準としてテルフェナジンを使用する外部標準曲線で測定し、NADPHの存在下または非存在下での初期代謝率を計算した。
【表1】
【0212】
AT1およびAT2受容体への結合
放射分析シンチレーションアッセイを使用して、EurofinsプロトコルITEM26およびITEM24に従って、ヒト組換えAT2およびAT1受容体への結合について化合物を評価した。
【0213】
簡潔には、組換えタンパク質を、AT2受容体の場合は1、10、100および1000nM、AT1受容体の場合は1および10uMの濃度の試験化合物とともに37℃で2~4時間インキュベートした。125I(sar1、IIe8)-AT-IIをAT1受容体のリガンドとして使用し、125ICGP 42112AをAT2受容体のリガンドとして使用した。対照特異的結合の阻害率は、100-(測定された特異的結合/対照特異的結合)×100に従って計算された。
【表2】
【0214】
CYP阻害
化合物は、主要なシトクロムP450アイソフォーム(CYP1A、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4およびCYP3A4&5)の阻害について、ヒト肝ミクロソーム(EurofinsプロトコルITEMG232)とインキュベートしたアイソフォーム特異的基質を使用して、10μMで評価した。以下の基質:CYP1Aフェナセチン、CYP2B6ブプロピオン、CYP2C8パクリタキセルおよびアモジアキン、CYP2C9ジクロフェナク、CYP2C19オメプラゾール、CYP2D6デキストロメトルファン、CYP3Aミダゾラムおよびテストステロン、を使用した。
【0215】
インキュベーションの最後に、代謝物の形成をピーク面積応答としてHPLC-MS/MSでモニターした。
【表3】

【表4】
【0216】
略語
以下の省略形は、本明細書で使用されてもよい。
DMSO:ジメチルスルホキシド
DCM:ジクロロメタン
EtOAc:酢酸エチル
MeOH:メタノール
NMR:核磁気共鳴
TFA:トリフルオロ酢酸
【国際調査報告】