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特表2022-549111複数のアクセスポイントを使用する同時アップリンクおよびダウンリンク送信
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-24
(54)【発明の名称】複数のアクセスポイントを使用する同時アップリンクおよびダウンリンク送信
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/14 20090101AFI20221116BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20221116BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20221116BHJP
   H04W 16/32 20090101ALI20221116BHJP
   H04W 92/20 20090101ALI20221116BHJP
   H04W 72/12 20090101ALI20221116BHJP
【FI】
H04W16/14
H04W16/28
H04W72/04 111
H04W16/32
H04W92/20
H04W72/12 150
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022517160
(86)(22)【出願日】2019-09-18
(85)【翻訳文提出日】2022-05-11
(86)【国際出願番号】 EP2019075061
(87)【国際公開番号】W WO2021052581
(87)【国際公開日】2021-03-25
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【弁理士】
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【弁理士】
【氏名又は名称】小梶 晴美
(72)【発明者】
【氏名】ウィルヘルムソン, レイフ
(72)【発明者】
【氏名】グントゥパリ, ラクシュミカンテ
(72)【発明者】
【氏名】ロペス, ミゲル
(72)【発明者】
【氏名】スンドマン, デニス
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA11
5K067DD34
5K067KK02
5K067KK03
(57)【要約】
無線通信システムのための無線通信アクセスを提供するように構成されている第1のアクセスポイントの方法およびアクセスポイントが開示される。この方法は、第1のステーションがアンライセンススペクトルにおける第1の周波数帯域でのアップリンク送信においてアップリンクデータを送信することになると決定することと、アップリンク送信を受信するための第2のアクセスポイントを割り当てることであって、第2のアクセスポイントが、第1のアクセスポイントのカバレッジエリアとの間での少なくとも重なるエリアをカバーしている、第2のアクセスポイントを割り当てることと、ダウンリンク送信の対象とされる第2のステーションを決定することであって、ダウンリンク送信が、第1の周波数帯域と少なくとも部分的に重なる、第1のステーションからのアップリンク送信との間での少なくとも部分的に同時の送信のためにスケジュールされ、ダウンリンク送信の対象とされる第2のステーションの選択が、第1のステーションと第2のステーションとの間における空間的な関係に基づく、第2のステーションを決定することと、第2のステーションへ向けたダウンリンク送信のビームフォーミング送信、および第2のアクセスポイントへ向けたヌルを提供するために、第1のアクセスポイントのアレイアンテナのためのアンテナ重みを割り当てることと、アンテナ重みを使用してダウンリンク送信を送信することとを含む。アクセスポイントは、この方法を実行するように構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムのための無線通信アクセスを提供するように構成されている第1のアクセスポイントの方法であって、
第1のステーションがアンライセンススペクトルにおける第1の周波数帯域でのアップリンク送信においてアップリンクデータを送信することになると決定することと、
前記アップリンク送信を受信するための第2のアクセスポイントであって、前記第1のアクセスポイントのカバレッジエリアとの間での少なくとも重なるエリアをカバーしている、第2のアクセスポイントを割り当てることと、
ダウンリンク送信の対象とされる第2のステーションを決定することであって、前記ダウンリンク送信が、前記第1のステーションからの前記アップリンク送信と少なくとも部分的に同時の送信となり、前記第1の周波数帯域と少なくとも部分的に重なるように、スケジュールされ、ダウンリンク送信の対象とされる前記第2のステーションの選択が、前記第1のステーションと前記第2のステーションとの間における空間的な関係に基づく、第2のステーションを決定することと、
前記第2のステーションへ向けた前記ダウンリンク送信のビームフォーミング送信、および前記第2のアクセスポイントへ向けたヌルを提供するために、前記第1のアクセスポイントのアレイアンテナのためのアンテナ重みを割り当てることと、
前記アンテナ重みを使用して前記ダウンリンク送信を送信することとを含む方法。
【請求項2】
前記アップリンク送信を受信するための前記第2のアクセスポイントの前記割り当てが、前記第1のアクセスポイントと前記第2のアクセスポイントとの間におけるシグナリングを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のアクセスポイントと前記第2のアクセスポイントとの間における前記シグナリングが、前記第1のアクセスポイントと前記第2のアクセスポイントとの間における有線インターフェースを介して提供される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のステーションがアップリンクデータを送信することになると前記決定することが、
前記アップリンク送信のために前記第1のステーションをスケジュールすることと、
前記アップリンク送信を実行することに関して前記第1のステーションにシグナリングすることとを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のステーションがアップリンクデータを送信することになると前記決定することが、
前記第1のステーションが近隣アクセスポイントによってアップリンク送信のためにスケジュールされている旨の前記近隣アクセスポイントからのシグナリングを受信することを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のステーションと前記第2のステーションとの間における空間的な関係に基づくことになる、ダウンリンク送信の対象とされる前記第2のステーションの前記決定が、前記第1のステーションと前記第2のステーションとの間における方向差を推定することと、前記第1のステーションに対するさらに大きい方向差を有する候補ステーションを、前記第1のステーションに対するさらに小さい方向差を有する候補ステーションよりも高く優先順位付けして、前記第2のステーションを選択することとを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のアクセスポイントの前記割り当てが、しきい値を上回る信号電力で前記第2のアクセスポイントに関する候補アクセスポイントが前記第1のステーションから前記信号を受信することになるということに基づく、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
候補アクセスポイントのうち最も高い電力で前記第1のステーションから前記信号を受信することになる候補アクセスポイントを、前記第2のアクセスポイントであるとして選択することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記アップリンクおよびダウンリンク送信の送信電力を制御することを含み、前記第2のステーションでの受信されたダウンリンク送信電力と、前記アップリンク送信からの受信された干渉電力に前記第2のステーションでの前記第1の周波数帯域内のノイズを加えた値との間における比率が第1のしきい値を上回るように、前記アップリンク送信電力および前記ダウンリンク送信電力の割り当てのバランスが取られる、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のしきい値が20dBの信号対干渉比に対応する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
バランスの取れた電力の前記割り当てが、前記アップリンク送信からの前記受信信号電力と、前記第2のアクセスポイントでの前記第1の周波数帯域内のノイズとの間における比率が第2のしきい値を上回るようなものである、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2のしきい値が20dBの信号対雑音比に対応する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記バランスの取れた電力が、前記第1および第2のしきい値が等しくなるように適合される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
第3のステーションが第2のアップリンク送信においてアップリンクデータを送信することになると決定することであって、前記ダウンリンク送信が、前記第3のステーションからの前記第2のアップリンク送信と少なくとも部分的に同時の送信となり、前記第1の周波数帯域と少なくとも部分的に重なるように、スケジュールされる、ことと、
前記第2のアップリンク送信を受信するための第3のアクセスポイントを割り当てることであって、前記第3のアクセスポイントが、前記第1のアクセスポイントのカバレッジエリアとの間での少なくとも重なるエリアをカバーしている、第3のアクセスポイントを割り当てることとを含み、
前記第1のアクセスポイントの前記アレイアンテナのためのアンテナ重みの前記割り当てが、前記第3のアクセスポイントへ向けたヌルを提供することを含む、
請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第2のアップリンク送信を受信するための前記第3のアクセスポイントの前記割り当てが、前記第1のアクセスポイントと前記第3のアクセスポイントとの間におけるシグナリングを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のアクセスポイントと前記第3のアクセスポイントとの間における前記シグナリングが、前記第1のアクセスポイントと前記第3のアクセスポイントとの間における有線インターフェースを介して提供される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第3のステーションがアップリンクデータを送信することになると前記決定することが、
前記第2のアップリンク送信のために前記第3のステーションをスケジュールすることと、
前記第2のアップリンク送信を実行するように前記第3のステーションにシグナリングすることとを含む、請求項14から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記第3のステーションがアップリンクデータを送信することになると前記決定することが、
前記第3のステーションが近隣アクセスポイントによって前記第2のアップリンク送信のためにスケジュールされている旨の前記近隣アクセスポイントからのシグナリングを受信することを含む、請求項14から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
ダウンリンク送信の対象とされる前記第2のステーションの前記選択がさらに、前記第3のステーションと前記第2のステーションとの間における空間的な関係に基づき、ダウンリンク送信の対象とされる前記第2のステーションの前記決定がさらに、前記第3のステーションと前記第2のステーションとの間における空間的な関係に基づくことになる、請求項14から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記第3のステーションと前記第2のステーションとの間における方向差を推定することと、前記第3のステーションに対するさらに高い方向差を有する候補ステーションを、前記第3のステーションに対するさらに小さい方向差を有する候補ステーションよりも優先して、前記第2のステーションを選択することとを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第3のアクセスポイントの前記割り当てが、しきい値を上回る信号電力で前記第3のアクセスポイントに関する候補アクセスポイントが前記第3のステーションから前記信号を受信することになるということに基づく、請求項14から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
候補アクセスポイントのうち最も高い電力で前記第3のステーションから前記信号を受信することになる候補アクセスポイントを、前記第3のアクセスポイントであるとして選択することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第2のアップリンク送信の送信電力を制御することを含み、前記第2のステーションでの受信されたダウンリンク送信電力と、前記第1および第2のアップリンク送信からの受信された干渉電力に前記第2のステーションでの前記第1の周波数帯域内のノイズを加えた値との間における比率がしきい値を上回るように、前記第3のステーションによるアップリンク送信電力と、前記ダウンリンク送信電力との割り当てのバランスが取られる、請求項14から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
アクセスポイントのプロセッサ上で実行されたときに、請求項1から23のいずれか一項に記載の方法を前記アクセスポイントに実行させる命令を含むコンピュータプログラム。
【請求項25】
アンライセンススペクトルにおいて動作する無線通信システムのための無線通信アクセスを提供するように構成されているアクセスポイントであって、
トランシーバと、
前記トランシーバに接続されているアンテナアレイと、
前記アクセスポイントのカバレッジエリアとの間での少なくとも重なるエリアをカバーしている近隣アクセスポイントへのインターフェースと、
前記トランシーバによって実行される送信、ビームフォーミングのための前記アンテナアレイのアンテナ重み、および前記インターフェースを制御するように構成されているコントローラとを含み、
請求項1から23のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されているアクセスポイント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的に、無線システムのためのアクセスポイントによって実行される方法、およびそのようなアクセスポイントに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムにおいて非常に高いスペクトル効率を達成するためには、利用可能なリソースをできるだけ再利用することが望ましい。やや簡略化した場合、1つの特定のエリアまたはセルに割り当てられた帯域幅が効率的に使用されることと、それに加えて、その同じ帯域幅が別のエリアまたはセルによって再利用されることが可能であることとを確実にすることによって、2つのエリアまたはセルの間における距離が非常に大きくなければならないことを必要とせずに、高いスペクトル効率を達成することを試みることが可能である。本開示においては、主な関心は、前者、すなわち、エリアまたはセル内のスペクトル効率をどのようにして高めるかにある。
【0003】
送信機および受信機の両方での複数のアンテナの使用は、高いスペクトル効率を確実にするための効率的な手段である。受信機でのさらに高い信号対雑音比(SNR)をもたらすビームフォーミングを達成するために、および2つ以上のストリームを空間的に多重化して潜在的に合計データレートを著しく高めるために、の両方で複数のアンテナが使用されることが可能である。ビームフォーミングはまた、その他のデバイスに対して引き起こされる干渉を低減、または排除さえする際に効果的である。
【0004】
US 9917682 B2は、空間分割アップリンクおよびダウンリンク二重化(SDD)を採用するセルラーネットワークにおける干渉管理のためのアプローチを開示している。基地局が、送信オペレーション、すなわちダウンリンク送信のための複数の無線ユニットと、受信オペレーションのための、すなわちアップリンク受信のための複数の無線ユニットとを割り当てる。共通の周波数帯域上での無線ユニットどうしの同時オペレーションによる相互干渉を抑制するために、それらの無線ユニットによって空間ビームフォーミングが採用される。
【0005】
スペクトル効率をさらに改善するために論じられてきた別の技術が、同時送信および受信(STR)であり、これは一般に全二重(FD)とも呼ばれる。STRに伴う考え方は、デバイスが同じチャネルを使用して同時に送信および受信を行うことが可能であるということである。そうすることによって、スペクトル効率において2倍が潜在的に得られるであろう。MACレイヤ上での改善を考慮に入れることによっても、よりいっそう多くの利得を得ることが可能である場合があるが、双方向で同時にスケジュールするために利用可能なトラフィックがない場合が多いということを考慮に入れると、利得は、おそらくはるかに少ない場合もある。どんな利得が得られるかにかかわらず、STRに伴う難題として、受信機用に意図されている所望の信号は、送信信号よりも100dB超弱い場合があり、それゆえに、デバイスにおいて相当な自己干渉(SI)キャンセルを必要とする場合がある。加えて、SIキャンセルによって引き起こされる複雑さは、MIMOではあまりスケールしない。なぜなら、あらゆる送信信号があらゆる受信信号に対してキャンセルされなければならないからである。たとえば、不合理ではない8×8MIMOシステムのケースにおいては、SIキャンセルの64のインスタンスがあるであろう。
【0006】
システムにおけるスペクトル効率を高めるためのさらに別の技術は、2つ以上の送信ポイント、たとえば2つ以上のアクセスポイント(AP)を利用することである。複数のAPを使用することは、基本的に2つの利点を有する。1つめは、APからステーション(STA)までの利用可能な距離が、典型的には、より小さくなるであろうということである。2つめの利点は、空間ダイバーシティ利得が得られることが可能であるということであり、その場合、ダイバーシティ利得は、高速の小規模フェージング、および低速のシャドウイング、の両方のために適用可能である。
【0007】
STRからの、およびマルチAP送信からの潜在的な利得は、実際に実現するには、かなり複雑である。既に言及されているように、STRは、SIキャンセルに非常に厳しい要件を課す。その一方で、マルチAP送信は、関与するAPどうしの同期化に非常に厳しい要件を課す。厳格な同期化とは、同期化を達成して保持するためのオーバーヘッドを意味し、これは、コストが増える場合もある。なぜなら、妥当なオーバーヘッドを伴って同期化が達成されることを可能にするためには、開始する際の周波数安定性が適度に良好でなければならない場合があるからである。
【0008】
このセクションにおいて開示されている上記の情報は、本発明の背景の理解を高めるためのものにすぎず、そのため、その情報は、当技術分野における普通のスキルを有する者に既に知られている従来技術を形成しない情報を含み得る。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、マルチアンテナ技術と組み合わせたマルチAP展開の効率的な使用によって、改善されたスペクトル効率が達成されることが可能であるという本発明者の認識に基づいている。
【0010】
第1の態様によれば、無線通信システムのための無線通信アクセスを提供するように構成されている第1のアクセスポイントの方法が提供されている。この方法は、第1のステーションがアンライセンススペクトルにおける第1の周波数帯域でのアップリンク送信においてアップリンクデータを送信することになると決定することと、アップリンク送信を受信するための第2のアクセスポイントを割り当てることであって、第2のアクセスポイントが、第1のアクセスポイントのカバレッジエリアとの間での少なくとも重なるエリアをカバーしている、第2のアクセスポイントを割り当てることと、ダウンリンク送信の対象とされる第2のステーションを決定することであって、ダウンリンク送信が、第1のステーションからのアップリンク送信と少なくとも部分的に同時の送信となり、第1の周波数帯域と少なくとも部分的に重なるように、スケジュールされ、ダウンリンク送信の対象とされる第2のステーションの選択が、第1のステーションと第2のステーションとの間における空間的な関係に基づく、第2のステーションを決定することと、第2のステーションへ向けたダウンリンク送信のビームフォーミング送信、および第2のアクセスポイントへ向けたヌルを提供するために、第1のアクセスポイントのアレイアンテナのためのアンテナ重みを割り当てることと、アンテナ重みを使用してダウンリンク送信を送信することとを含む。
【0011】
アップリンク送信を受信するための第2のアクセスポイントの割り当ては、第1のアクセスポイントと第2のアクセスポイントとの間におけるシグナリングを含むことが可能である。第1のアクセスポイントと第2のアクセスポイントとの間におけるシグナリングは、第1のアクセスポイントと第2のアクセスポイントとの間における有線インターフェースを介して提供されることが可能である。
【0012】
第1のステーションがアップリンクデータを送信することになると決定することは、アップリンク送信のために第1のステーションをスケジュールすることと、アップリンク送信を実行することに関して第1のステーションにシグナリングすることとを含むことが可能である。第1のステーションがアップリンクデータを送信することになると決定することは、代替として、第1のステーションが近隣アクセスポイントによってアップリンク送信のためにスケジュールされている旨の近隣アクセスポイントからのシグナリングを受信することを含むことが可能である。
【0013】
第1のステーションと第2のステーションとの間における空間的な関係に基づくことになる、ダウンリンク送信の対象とされる第2のステーションの決定は、第1のステーションと第2のステーションとの間における方向差を推定することと、第1のステーションに対するさらに大きい方向差を有する候補ステーションを、第1のステーションに対するさらに小さい方向差を有する候補ステーションよりも高く優先順位付けして、第2のステーションを選択することとを含むことが可能である。
【0014】
第2のアクセスポイントの割り当ては、しきい値を上回る信号電力で第2のアクセスポイントに関する候補アクセスポイントが第1のステーションから信号を受信することになるということに基づくことが可能である。この方法は、候補アクセスポイントのうち最も高い電力で第1のステーションから信号を受信することになる候補アクセスポイントを、第2のアクセスポイントであるとして選択することを含むことが可能である。
【0015】
この方法は、アップリンクおよびダウンリンク送信の送信電力を制御することであって、第2のステーションでの受信されたダウンリンク送信電力と、アップリンク送信からの受信された干渉電力に第2のステーションでの第1の周波数帯域内のノイズを加えた値との間における比率が第1のしきい値を上回るように、アップリンク送信電力およびダウンリンク送信電力の割り当てがバランスを取られる、送信電力を制御することを含むことが可能である。第1のしきい値は、20dBの信号対干渉比に対応することが可能である。バランスの取れた電力の割り当ては、アップリンク送信からの受信信号電力と、第2のアクセスポイントでの第1の周波数帯域内のノイズとの間における比率が第2のしきい値を上回るようなものであることが可能である。第2のしきい値は、20dBの信号対雑音比に対応することが可能である。バランスの取れた電力は、第1および第2のしきい値が等しくなるように適合されることが可能である。
【0016】
この方法は、第3のステーションが第2のアップリンク送信においてアップリンクデータを送信することになると決定することであって、ダウンリンク送信が、第3のステーションからの第2のアップリンク送信と少なくとも部分的に同時の送信となり、第1の周波数帯域と少なくとも部分的に重なるように、にスケジュールされる、アップリンクデータを送信することになると決定することと、第2のアップリンク送信を受信するための第3のアクセスポイントを割り当てることであって、第3のアクセスポイントが、第1のアクセスポイントのカバレッジエリアとの間での少なくとも重なるエリアをカバーしている、第3のアクセスポイントを割り当てることとを含むことが可能であり、第1のアクセスポイントのアレイアンテナのためのアンテナ重みの割り当ては、第3のアクセスポイントへ向けたヌルを提供することを含む。第2のアップリンク送信を受信するための第3のアクセスポイントの割り当ては、第1のアクセスポイントと第3のアクセスポイントとの間におけるシグナリングを含むことが可能である。第1のアクセスポイントと第3のアクセスポイントとの間におけるシグナリングは、第1のアクセスポイントと第3のアクセスポイントとの間における有線インターフェースを介して提供されることが可能である。第3のステーションがアップリンクデータを送信することになると決定することは、第2のアップリンク送信のために第3のステーションをスケジュールすることと、第2のアップリンク送信を実行するように第3のステーションにシグナリングすることとを含むことが可能である。第3のステーションがアップリンクデータを送信することになると決定することは、代替として、第3のステーションが近隣アクセスポイントによって第2のアップリンク送信のためにスケジュールされている旨の近隣アクセスポイントからのシグナリングを受信することを含むことが可能である。ダウンリンク送信の対象とされる第2のステーションの選択はさらに、第3のステーションと第2のステーションとの間における空間的な関係に基づくことが可能であり、ダウンリンク送信の対象とされる第2のステーションの決定はさらに、第3のステーションと第2のステーションとの間における空間的な関係に基づくことが可能である。決定はさらに、第3のステーションと第2のステーションとの間における方向差を推定することと、第3のステーションに対するさらに高い方向差を有する候補ステーションを、第3のステーションに対するさらに小さい方向差を有する候補ステーションよりも優先して、第2のステーションを選択することとを含むことが可能である。第3のアクセスポイントの割り当ては、しきい値を上回る信号電力で第3のアクセスポイントに関する候補アクセスポイントが第3のステーションから信号を受信することになるということに基づくことが可能である。この方法は、候補アクセスポイントのうち最も高い電力で第3のステーションから信号を受信することになる候補アクセスポイントを、第3のアクセスポイントであるとして選択することを含むことが可能である。この方法は、第2のアップリンク送信の送信電力を制御することであって、第2のステーションでの受信されたダウンリンク送信電力と、第1および第2のアップリンク送信からの受信された干渉電力に第2のステーションでの第1の周波数帯域内のノイズを加えた値との間における比率がしきい値を上回るように、第3のステーションによるアップリンク送信電力と、ダウンリンク送信電力との割り当てがバランスを取られる、送信電力を制御することを含むことが可能である。
【0017】
第2の態様によれば、アクセスポイントのプロセッサ上で実行されたときに、第1の態様による方法をアクセスポイントに実行させる命令を含むコンピュータプログラムが提供されている。
【0018】
第3の態様によれば、アンライセンススペクトルにおいて動作する無線通信システムのための無線通信アクセスを提供するように構成されているアクセスポイントが提供されている。このアクセスポイントは、トランシーバと、トランシーバに接続されているアンテナアレイと、アクセスポイントのカバレッジエリアとの間での少なくとも重なるエリアをカバーしている近隣アクセスポイントへのインターフェースと、トランシーバによって実行される送信、ビームフォーミングのためのアンテナアレイのアンテナ重み、およびインターフェースを制御するように構成されているコントローラとを含む。このアクセスポイントは、第1の態様による方法を実行するように構成されている。
【0019】
本発明の上記の、ならびにさらなる目的、特徴、および利点は、添付の図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態についての以降の例示的かつ非限定的な詳細な説明を通じて、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】複数のアクセスポイントによって運用されていて複数のステーションにサーブしているエリアにおける展開を概略的に示す図である。
図2】同時アップリンクおよびダウンリンク送信、ならびに干渉の問題を概略的に示す図である。
図3図2によって示されているシナリオの干渉をビームフォーミングによって制限することを概略的に示す図である。
図4図2および図3によって示されているシナリオの干渉をさらなるビームフォーミングによって制限することを概略的に示す図である。
図5図2から図4によって示されているシナリオの干渉をさらなるビームフォーミングによって制限することを概略的に示す図である。
図6】例示的なセットアップに関するロケーションマップを示す図である。
図7】アンテナ図である。
図8】例に関する振幅関数を示す図である。
図9】ある実施形態による方法を示すフローチャートである。
図10】ある実施形態によるAPを概略的に示すブロック図である。
図11】コンピュータ可読メディアおよび処理デバイスを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示は、エリアまたはセル内で2つ以上のAPを使用することおよびSTRを使用することによってスペクトル効率を高めるためのアプローチを提示する。しかしながら、以前の作業とは異なり、セルにおけるSTRは、2つの並列送信から構成され、その場合、関与するデバイス(APおよびSTA)のうちのそれぞれのデバイスは、送信しているかまたは受信しているかのいずれかであり、ただし両方を行ってはいない。本開示は、複数のAPが利用可能であり、それらのうちの1つまたは複数をダウンリンク(DL)送信のために、そして別のAPをアップリンク(UL)送信のために使用することというアプローチを探求している。そのため、単一のAPがDLおよびULの両方のために使用される場合のSTRに伴う問題が回避されて、STRからスペクトル効率利得が依然として得られる。その上、それぞれDLおよびUL送信のためにどのAPが使用されることになるかは、それぞれDLおよびULのためにどのSTAがサーブすることになるかに基づいて選択されることが可能である。
【0022】
STRにおける自己干渉キャンセルという固有の問題は、この方法においては、それぞれ、関与するAPと、関与するSTAとの間において十分な分離が達成されることを確実にすることへ変換される。この分離は、十分に離れているSTAどうしの適正なスケジューリングと、送信を行うAPでのビームフォーミングとの組合せを通じて得られる。その他のデバイスもビームフォーミングを送信および受信のために使用することが可能であるならば、パフォーマンスがさらに改善されることが可能であるが、それらの方向のうちの一方のために使用されるAP、たとえばDL送信を行うAPのみがそれをサポートすれば十分である。本発明の本質的な特徴を依然として捉えつつも、記述を簡潔にするために、本発明は、DL送信に関与するAPの数が1である場合、および送信が1つのSTAのみに対する場合、ならびにUL送信に関与するAPの数が1である場合、および1つのSTAのみがULで送信している場合について記述されることになる。スキルを有する読者は、さらなる同時DL送信を含む場合にも同様の原理が当てはまるということを容易に理解するであろう。
【0023】
関与するAPのうちの1つ、好ましくは、ビームフォーミング能力を有するAPが、ここでは第1のAPと呼ばれ、マスタAPとしての役割を果たすとみなされることが可能であり、すべてのトラフィック、すなわち、自身が直接関与しないトラフィックもスケジュールすることが可能である。あるいは、第1のAPは、時機に応じて行動し、スケジュールされたUL送信に基づいてDL送信をスケジュールする。
【0024】
これは、マルチアンテナ技術と組み合わせてマルチAP展開を効率的に利用する方法で、改善されたスペクトル効率を可能にする。そうすることによって、STRは、たとえば、自己干渉キャンセルまたは厳格な同期化に厳しい要件を課さない方法でエリアまたはセル内でサポートされることが可能である。
【0025】
記述のさらに容易な理解のために、本開示は、はじめに特定の展開を考察し、IEEE 802.11において使用される用語を採用する。具体的には、ネットワークノードはアクセスポイント(AP)と呼ばれ、クライアントはステーション(STA)と呼ばれることになる。さらに、このアプローチは、複数のAPが使用されることに依存し、関与するAPのうちの1つは、第1のAPまたはマスタAPと呼ばれることになり、その一方で、通信に関与する残りのAPは、第1の/マスタAPとの機能的なまたは空間的な関係に応じて、第2のAP、第3のAP、近隣AP、および/またはスレーブAPと呼ばれる。
【0026】
このアプローチが適用可能である例示的な展開が、図1において示されている。この図を参照すると、ネットワークは、AP1と示されている第1のAPまたはマスタAPと、それぞれAP2、AP3、およびAP4と示されている3つの近隣またはスレーブAPとから構成されている。この特定の展開においては、セルのカバレッジエリアは、AP1を中心とするものとして示されている。これは、そうでなければならないというわけではないが、好ましいとみなされている。これが好ましいとみなされている1つの理由は、後ほどさらに詳しく論じられるように、すべてのスレーブAPは、好ましくはマスタAPの範囲にあるべきであり、その一方でスレーブAPどうしは、潜在的に互いの範囲内にない場合があるということである。図1においては、それぞれSTA1、STA2、およびSTA3と示されている3つのSTAもある。
【0027】
合計で20MHzの帯域幅が図1におけるセルにとって利用可能であると想定されたい。従来のアプローチによれば、典型的には、これらの20MHzは時分割複信(TDD)方式で使用され、その場合、20MHz全体がUL送信とDL送信との間において交互方式で使用される。あるいは、別の従来のアプローチによれば、帯域幅は周波数分割複信(FDD)方式で使用されることになり、その場合、20MHzは、下半分の10MHzがUL送信のために使用されることになり、上半分の10MHzがDL送信のために使用されることになるように分割されることになる。
【0028】
本発明においては、20MHzの帯域幅全体をULおよびDLの両方のために使用して同時ULおよびDL送信を可能にする方法が開示されることになる。
【0029】
このコンセプトは、同時アップリンクおよびダウンリンク(SUD)送信と示される場合があり、これは、2016年3月にIEEE Communication Magazineの110~117ページで公開されたBoccardiらの「Why to decouple the uplink and downlink in cellular networks and how to do it」において論じられている分離アップリンクおよびダウンリンク(DUD)送信の修正とみなされることが可能である。
【0030】
図2は、このコンセプトに関与するAPおよびSTAを示している。APどうしは互いの間において有線接続を有すると想定されたい。このコンセプトは、マスタAPとスレーブAPとの間における接続が無線である場合にも機能するが、若干多くのスケジューリングを必要とすることになり、好ましい解決策ではない。
【0031】
さらに、STA1のためのDLデータおよびSTA2のためのULデータがあると想定されたい。そしてAPのうちの1つ、ここでは第1のAP、AP1(この状況に関しては、マスタAPとみなされることが可能である)が、STA2から第2のAP、AP2(この状況に関しては、スレーブAPとみなされることが可能である)へULデータが送信されるのと同時に、DLデータをSTA1へ送信する。
【0032】
図2を参照すると、S1は、マスタAP1から送信されてSTA1用に意図されている信号であり、S2は、STA2から送信されてスレーブAP2用に意図されている信号である。それらの意図されている信号に加えて、2つの送信によって引き起こされる干渉も、破線の矢印によって明示されている。I1は、STA2からスレーブAP2へのUL送信から生じるSTA1にとっての干渉信号であり、その一方でI2は、マスタAP1からSTA1へのDL送信から生じるスレーブAP2にとっての干渉信号である。
【0033】
SUD送信が有用であるためには、もちろん、信号対干渉雑音比(SINR)がUL送信およびDL送信の両方に関して十分に高いことを確実にすることが必要である。これを確実にするために、2つの主要な構成要素、すなわちスケジューリングおよびビームフォーミングが使用されることが可能である。加えて、これらの2つの構成要素は、好ましくは一緒に考慮されるべきである。スケジューリングに関しては、考え方は、互いから比較的遠く離れているSTAどうしをスケジュールすることである。図2を参照すると、この理由は理解しやすい。UL送信は、DL送信に対する干渉、すなわち、図2におけるI1を単に引き起こすことになり、2つのSTAが遠く離れるほど、この干渉は典型的にはより小さくなる。
【0034】
第2の構成要素、そして典型的には最も重要な構成要素は、ビームフォーミングの使用である。再び、図2を参照すると、考え方は、スレーブAP2へのUL送信に対してマスタAPによって引き起こされる干渉、すなわち図2におけるI2が、ビームフォーミングを使用することと、図3において示されているスレーブAP2の方向にヌルを配置することとによって大幅に低減されることが可能であるということであり、図3は、図2と同じセットアップを示しているが、スレーブAP2での干渉を低減するためのマスタAP1による送信ビームフォーミングのアクションを強調している。両方のAPは典型的に、固定された位置にあることになり、ひいては、それらの2つのAPの間におけるチャネルの良好な知識を得ることが容易であるので、AP2へ向けてヌルを配置することは比較的容易であると考えられる。
【0035】
最後に、スレーブAPへの干渉を抑制する機能も、DL送信のためにどのSTAがスケジュールされているかにある程度依存することになるということに留意することが可能である。具体的には、スレーブAPがUL送信のために使用されるようにスケジュールされているときに、そのスレーブAPの近くにSTAが配置されている場合には、このSTAをDL送信のためにスケジュールすることは望ましくない。その理由は単に、メインローブの方向とヌルの方向とが非常に近くなり、それによってビームパターンが小さな誤差に対してさらにいっそう敏感になるということである。たとえば、メインビームの方向とヌル方向とが、たとえば5度異なるだけとなる場合には、5度の誤差は、所望の信号がヌル方向に送られているということ、またはメインビームが所望のヌル方向へ向けられているということを意味することが可能である。それゆえに、スケジューリングおよびビームフォーミングは、一緒に考慮されるべきである。
【0036】
上で論じられている例においては、マスタAPがビームフォーミングすることが可能であると想定されただけであり、この場合、ビームフォーミングは信号の送信のために適用された。スレーブAPも、ビームフォーミングすること、すなわち受信用のアレイアンテナのアンテナどうしを重み付けすることが可能であろうケースにおいては(これは合理的である。なぜなら、今日のほとんどのAPは複数のアンテナを装備しているからである)、スレーブAPは、図4において示されているように(図4は、図2および図3と同様のセットアップを示しているが、AP2によって実行される受信ビームフォーミングも示している)、マスタAPの方向にヌルを配置することが可能であり、この方法においては、図2において示されている干渉信号I2をさらにいっそう減衰させることが可能である。それゆえに、APどうしの間におけるヌル設定は、図4において「ヌル」と示されている線の二重矢印によって示されているように、相互のものとなる。同様に、STAのうちのいずれか、すなわち、送信側STAもしくは受信側STAのどちらか、または両方がビームフォーミングすることが可能であろう場合には、パフォーマンスがさらに高められることが可能であり、これは、図5において概略的に示されており、図5は、図2図4と同様のセットアップを示しているが、STAによって実行される送信/受信ビームフォーミングも示している。
【0037】
しかしながら、さしあたり、マスタAPのみがビームフォーミングを実行することが可能であるか、またはビームフォーミングを実行することが、何らかの理由のためにAP1のみに適している場合、すなわち、図3における例示に似ている状況を想定されたい。システムが干渉制限されている、すなわち、システムのパフォーマンスを考慮する際にノイズが無視されることが可能であるケースにおいては、スレーブAP2の方向にヌルを完全に配置することが可能であるならば、ULに関するSINRが非常に大きくされることが可能であるということが容易にわかる。その一方で、DLに関するパフォーマンスは、より不確かである場合がある。適正にスケジューリングされていて、STA2およびSTA1が、かなり遠く離れていて、STA1へ向けたマスタAPの所望の方向でのビームフォーミングと、場合によってはまた、APの送信電力がSTAの送信電力よりも高くなる可能性があることとの助けを少し借りれば、S1>I1となる可能性が高く、それによってSINR>0dBとなる。しかしながら、SINR>20dBを有したい場合もある。
【0038】
そのため、別の重要な側面は、SUD送信に関しては、ULに関するSINRとDLに関するSINRとの間にトレードオフがあるという観察である。具体的には、ノイズを無視すると、STA2の送信電力が1dB低減された場合には、この結果、ULに関するSINRは、S2が1dB減少されてI2が同じに保たれるので、1dB減少することになり、DLに関するSINRは、I1が1dB減少されてS1が同じに保たれるので、1dB増加することになるということが容易にわかる。その結果として、マスタAPおよびSTA2の相対的な送信電力を調整することによって、ULのパフォーマンスをDLのパフォーマンスと引き換えにすることが可能である。その上、そのトレードオフはdB対dBであるので、SUDに関するパフォーマンスを決定するための非常に関連性の高いパラメータは、ULおよびDLに関するSINRの合計であるということになり、ULおよびDLの両方に関して同様のSINRを有することが望ましいと想定して、バランスの取れたSINRを下記のように規定する。
【0039】
SINRbalは、ノイズが無視された場合にULおよびDLに対してどんな送信電力が割り当てられるかに依存することなく、代わりに、STAのロケーション(すなわち、スケジューリングがどのようにして行われるかに関連した)、およびビームフォーミングから得られる利得(図3から図5の例によって示されているように、通信に携わっているデバイスのうちのどのデバイスがビームフォーミングをサポートするかに関連した)、およびそれぞれのデバイスでいくつのアンテナが利用可能であるかにのみ依存することになる。
【0040】
コンセプトをさらにいっそう例示するために、1つのマスタAPおよび5つのスレーブAPを用いてシンプルなシミュレーションが実行された。そこでは、15メートルの半径を有する円において5つのAPが等距離に配置された。次いで、図6において示されているように、5つのSTAがランダムに配置された。図における矢印は、1つの特定のSUD送信を示している。シミュレーションのセットアップでは、マスタAPのみが複数のアンテナを使用していた。このケースにおいては、アンテナの数は、アンテナ要素どうしの間における波長の半分の距離を伴って線形アレイに配置された4つであった。その線形アレイは、y軸に沿って方向付けられた。
【0041】
SUDのそれぞれの可能な組合せ、すなわち、合計で20の可能な組合せ(5×4)が考慮された。この場合、DL送信は、マスタAPからのものであった。ULに関しては、網羅的な検索によって最良のスレーブAPが決定された。
【0042】
図6において示されているSUD送信の例に関しては、アンテナパターンは、ヌルが-72度(-2/5π)でスレーブAPへ向けて配置されるように設計されている。対応するアンテナ図が、図7において示されており、ビームフォーミングの影響をより容易に理解するために、ビームパターンの振幅関数が、図8において示されている。図8において、垂直の破線は、所望の受信機(右の破線800)およびスレーブAP(左の破線802)の角度に対応している。
【0043】
上で論じられているように、性能指数は、バランスの取れたSINRであり、これは、20の異なるSUDの組合せに関してテーブル1において示されている。テーブル1において、行rおよび列cにおける項目は、同時に行われるSTArへのDL送信およびSTAcからのUL送信に関して得られるバランスの取れたSINRに対応している。
【0044】
テーブル1は、ULおよびDLに関するSTAの特定のペアに関してどのようなバランスの取れたSINRが達成されることが可能であるかを決定することに加えて、SUD送信に関する適切なペアを見つけ出す上でも有用である。テーブル1を参照すると、たとえば、STA5がULで送ることになるケース(最後の列)においては、STA3またはSTA4にとって利用可能なDLデータがある場合には、可能ならば、DLのためにSTA1またはSTA2をスケジュールすることを回避すべきであるということが理解されることが可能である。
【0045】
このアプローチの一般的な考え方について記述してきたが、この一般的な考え方と整合したいくつかの異なる実施形態が、以降で簡潔に明らかにされている。これらの明らかにされている実施形態から、スキルを有する読者は、さらなる実施形態を形成する修正、たとえば特徴どうしの組合せに容易に気づくであろう。
【0046】
一実施形態によれば、2つ以上のSTAへの/からの同時送信および受信のために2つ以上のAPが使用されるシステムが開示される。その2つ以上のAPのうち、1つが第1のAPまたはマスタAPと示され、すべてのDL送信のために使用される。その他のAPは、UL送信の受信のためにのみ使用され、UL送信を受信するためにそれらのAPのうちのどのAPが使用されるかは、STAのうちのどのSTAがUL送信を実行しているかに依存する。
【0047】
この実施形態はさらに、マスタAPが送信のために複数のアンテナを採用し、それらの複数のアンテナを使用して、たとえばビームフォーミングによって、UL送信を受信することを意図されているAPの方向における干渉を意図的に低減することを含む。代替方法は、DLにおいてMU-MIMO送信を使用することである。すなわち、ULにおいて少なくとも1つのSTAがサーブされるのと同時に、DLにおいて複数のSTAがサーブされる。これは、同じ原理に従うが、このケースにおいては、DLにおいてサーブされるすべてのSTAがUL送信からの干渉を被ることになるので、どのSTAをDLにおいてサーブするかの選択は、ULにおいてサーブされるSTAに対するそれらのSTAの相対的なロケーションを考慮に入れる。
【0048】
この実施形態はさらに、送信電力制御(TPC)が使用されることを含むことが可能であり、その場合、TPCは、上述されているようにULおよびDLに関するSINRのバランスを取るために使用される。
【0049】
別の実施形態は、上で説明されている実施形態に類似しているが、ここでは、すべてのAPがUL送信およびDL送信の両方のために使用されることが可能である。すなわち、マスタAPがUL送信のために使用されることが可能であり、DL送信がスレーブAPによって行われることが可能である。
【0050】
さらに別の実施形態は、上で説明されている実施形態のいずれかに類似しているが、ここでは、UL送信を受信するために複数のAPが使用される。具体的には、1つのSTAからの送信されたUL信号は、組み合わされた2つ以上のAPによって受信される。
【0051】
さらに別の実施形態は、上で説明されている実施形態のいずれかに類似しているが、ここでは、複数のAPがDLにおいて送信を行っており、またここでは、別々のAPからの送信は、別々のSTA用に意図されており、すなわち、分散MIMOは使用されていない。さらに別の実施形態は、上で説明されている実施形態のいずれかに類似しているが、ここでは、2つ以上のSTAがUL送信のためにスケジュールされており、またここでは、それらの2つ以上のUL送信は、別々のAPによって受信されるようにスケジュールされている。
【0052】
より多くのSTAがULおよびDLのために使用される場合には、考え方は、DLで送信を行うすべてのAPが、どのAPがUL受信のために使用されることになるかを考慮に入れることになり、これらの方向においてヌルを配置することによって、これらへの干渉を低減することを試みることになるという意味で一般化される。同様に、今やDL送信への干渉は複数のUL送信から生じることになるので、どのSTAをスケジュールするかの選択は、それに従って拡張されることになる。
【0053】
図9は、本開示のいくつかの実施形態による方法を示すフローチャートである。この方法は、上で言及されている第1のAP、またはマスタAPによって実行される。この方法は、第1のステーションがアンライセンススペクトルにおける第1の周波数帯域でのアップリンク送信においてアップリンクデータを送信することになると決定すること900を含む。第1のステーションがアップリンクデータを送信することになると決定すること900は、アップリンク送信のために第1のステーションをスケジュールすることと、アップリンク送信を実行することに関して第1のステーションにシグナリングすることとを含むことが可能である。スケジュールすることは、代替として、別のエンティティ、たとえば近隣APによって行われることが可能であり、第1のステーションがアップリンクデータを送信することになると決定することは、第1のステーションが近隣APによってアップリンク送信のためにスケジュールされている旨の近隣APからのシグナリングを受信することを含むことが可能である。
【0054】
この方法はさらに、アップリンク送信を受信するための、上で言及されている第2のAP、またはスレーブAPを割り当てること902を含む。第2のAPは、第1のAPのカバレッジエリアとの間での少なくとも重なるエリアをカバーしている。アップリンク送信を受信するための第2のAPの割り当て902は、第1のAPと第2のAPとの間におけるシグナリングを含むことが可能である。第1のステーションのスケジューリングが別のエンティティによって実行されるケースに関しては、割り当て902は、既にその別のスケジューリングエンティティに固有であるので、割り当て902は、任意選択であることが可能である。「割り当て」902は、そのケースにおいては、単にどれが第2のAPであるかという形式的な言明であることが可能であり、その知識は、以降で示されるように使用されることになる。第1のAPと第2のAPとの間におけるシグナリングは、第1のAPと第2のAPとの間における有線インターフェースを介して提供されることが可能である。第2のAPの割り当て902は、しきい値を上回る信号電力で第2のアクセスポイントに関する候補APが第1のステーションから信号を受信することになるということに基づくことが可能である。第2のAPとしての候補APの選択は、候補APのうち最も高い電力で第1のステーションから信号を受信することになる候補APを選択することを含むことが可能である。候補APのうちでの選択は、上で論じられているような電力バランシングに関連した考慮事項を含むことが可能である。
【0055】
この方法は、ダウンリンク送信の対象とされる第2のステーションを決定すること904を含む。ダウンリンク送信は、第1のステーションからのアップリンク送信と少なくとも部分的に同時の送信となり、第1の周波数帯域と少なくとも部分的に重なるように、スケジュールされる。決定すること904は、ダウンリンク送信の対象とされる第2のステーションの選択を含む。その選択は、上で論じられているように、第1のステーションと第2のステーションとの間における空間的な関係に基づく。第1のステーションと第2のステーションとの間における空間的な関係に基づくことになる、ダウンリンク送信の対象とされる第2のステーションの決定は、第1のステーションと第2のステーションとの間における方向差を推定することと、第1のステーションに対するさらに大きい方向差を有する候補ステーションを、第1のステーションに対するさらに小さい方向差を有する候補ステーションよりも高く優先順位付けして、第2のステーションを選択することとを含むことが可能である。これは、第1のステーションによる送信が第2のステーションでの受信に干渉しすぎることを回避するためである。
【0056】
この方法は、第2のステーションへ向けたダウンリンク送信のビームフォーミング送信、および第2のAPへ向けたヌルを提供するために、第1のAPのアレイアンテナのためのアンテナ重みを割り当てること906を含む。ここで、第2のAPへ向けたヌルを割り当てることが意味しているのは、ビームフォーミングパターンが、ビームフォーミングパターンのメインローブおよびあらゆるサイドローブと比較して、限られた電力を第2のAPへ向けて提供するということである。絶対的な「ヌル」は、もちろん実際の操作セットアップにおいてはほぼ不可能である。
【0057】
この方法は、アンテナ重みを使用してダウンリンク送信を送信すること908を含む。
【0058】
電力バランシングに関する論考へ戻ると、この方法は、アップリンクおよびダウンリンク送信の送信電力を制御すること907であって、第2のステーションでの受信されたダウンリンク送信電力と、アップリンク送信からの受信された干渉電力に第2のステーションでの第1の周波数帯域内のノイズを加えた値との間における比率が第1のしきい値を上回るように、アップリンク送信電力およびダウンリンク送信電力の割り当てがバランスを取られる、送信電力を制御すること907を含むことが可能である。たとえば、第1のしきい値は、20dBの信号対干渉比に対応することが可能である。バランスの取れた電力の割り当ては、アップリンク送信からの受信信号電力と、第2のアクセスポイントでの第1の周波数帯域内のノイズとの間における比率が第2のしきい値を上回るように行われることが可能である。第2のしきい値は、20dBの信号対雑音比に対応する。バランスの取れた電力は、第1および第2のしきい値が等しくなるように、たとえば、両方とも18dBであるようにバランスが取られるように(それが状況の許すものであるならば)適合されることが可能である。あるアプローチとしては、どんなデータレートがDLおよびULに適しているか、ならびに、それらの適しているデータレートは、たとえば、それぞれDLおよびULにおいて送信されることになるデータの量に基づいて、どこにあるか、における相対的な違いに基づいてDLおよびULに関する相対的なSINRが選択されるように、送信電力が選択される。これは、利用可能なリソースの効率的な使用を提供する。
【0059】
この方法は、エリアにおけるさらなるUL送信を含むことも可能である。この方法は、たとえば、第3のステーションが第2のアップリンク送信においてアップリンクデータを送信することになると決定することであって、ダウンリンク送信が、第3のステーションからの第2のアップリンク送信と少なくとも部分的に同時の送信となり、第1の周波数帯域と少なくとも部分的に重なるように、スケジュールされる、アップリンクデータを送信することになると決定することを含むことが可能である。第3のステーションがアップリンクデータを送信することになると決定することは、第2のアップリンク送信のために第3のステーションをスケジュールすることと、第2のアップリンク送信を実行するように第3のステーションにシグナリングすることとを含むことが可能である。あるいは、別のエンティティが、スケジュールすることを担当することが可能であり、第3のステーションがアップリンクデータを送信することになると決定することは、第3のステーションが近隣アクセスポイントによって第2のアップリンク送信のためにスケジュールされている旨の近隣アクセスポイントからのシグナリングを受信することを含むことが可能である。
【0060】
第1のAPは、第2のアップリンク送信を受信するための近隣における第3のAPを割り当て、第3のAPは、第1のアクセスポイントのカバレッジエリアとの間での少なくとも重なるエリアをカバーしている。第1のAPは次いで、第3のアクセスポイントへ向けたヌルを提供するために、アレイアンテナのためのアンテナ重みを割り当てる。ここで、第3のAPの割り当ておよびアンテナ重みの割り当ては、適切なアンテナ重みが割り当て可能であるように候補APのうち第3のAPが選択されるような共有の考慮事項を含むことが可能である。上で示されている解決策と同様に、第2のアップリンク送信を受信するための第3のアクセスポイントの割り当ては、第1のアクセスポイントと第3のアクセスポイントとの間におけるシグナリングを含むことが可能である。第1のアクセスポイントと第3のアクセスポイントとの間におけるシグナリングは、第1のアクセスポイントと第3のアクセスポイントとの間における有線インターフェースを介して提供されることが可能である。
【0061】
エリアにおけるさらなるUL送信の導入は、DL送信に関するさらなる考慮事項をもたらす場合がある。たとえば、ダウンリンク送信の対象とされる第2のステーションの選択はさらに、第3のステーションと第2のステーションとの間における空間的な関係に基づくことが可能であり、ダウンリンク送信の対象とされる第2のステーションの決定はさらに、第3のステーションと第2のステーションとの間における空間的な関係に基づくことになる。決定はさらに、第3のステーションと第2のステーションとの間における方向差を推定することと、第3のステーションに対するさらに高い方向差を有する候補ステーションを、第3のステーションに対するさらに小さい方向差を有する候補ステーションよりも優先して、第2のステーションを選択することとを含むことが可能である。さらに、上で論じられてきたものと同様の電力バランシングが、マルチULシナリオのために採用されることが可能である。たとえば、第3のAPの割り当ては、しきい値を上回る信号電力で第3のAPに関する候補APが第3のステーションから信号を受信することになるということに基づくことが可能である。第3のAPであるとしての候補APの選択は、たとえば、候補APのうち最も高い電力で第3のステーションから信号を受信することになるAPに当てはまることが可能である。第2のUL送信の送信電力の制御は、たとえば、第2のステーションでの受信されたダウンリンク送信電力と、第1および第2のアップリンク送信からの受信された干渉電力に第2のステーションでの第1の周波数帯域内のノイズを加えた値との間における比率がしきい値を上回るように、第3のステーションによるUL送信電力と、ダウンリンク送信電力との割り当てがバランスを取られることを含むことが可能である。バランシングは、すべての受信機、すなわち、第2のステーションならびに第2および第3のAPが等しいSINRを経験するように行われることが可能である。
【0062】
図10は、ある実施形態によるAP1000を概略的に示すブロック図である。AP1000は、アンテナ構成1002と、アンテナ構成1002に接続されている受信機1004と、アンテナ構成1002(好ましくはアンテナアレイである)に接続されている送信機1006と、1つまたは複数の回路を含むことが可能である処理要素1008と、1つまたは複数の入力インターフェース1010と、1つまたは複数の出力インターフェース1012とを含む。インターフェース1010、1012は、たとえば電気的なまたは光学的なユーザインターフェースおよび/または信号インターフェースであることが可能である。AP1000は、無線通信ネットワークにおいて動作するように構成されている。詳細には、図1から図9を参照しながら示されている実施形態を実行するように構成されている処理要素1008によって、AP1000は、第1のAP、またはマスタAPとしての役割を果たすことが可能である。処理要素1008は、受信および送信を可能にするための信号処理(処理要素1008は、受信機1004および送信機1006に接続されているので)から、アプリケーションを実行すること、インターフェース1010、1012を制御することなどにわたる多くのタスクを遂行することも可能である。
【0063】
本発明による方法は、コンピュータおよび/またはプロセッサなどの処理手段の助けを借りた実施に適しており、特に、上で示されている処理要素1008が、上で示されている決定、割り当て、スケジューリングなどを取り扱うプロセッサを含むケースに適している。そのため、図1から9を参照しながら記述されている実施形態のうちのいずれかによる方法のうちのいずれかのステップを、処理手段、プロセッサ、またはコンピュータに実行させるように構成されている命令を含むコンピュータプログラムが提供されている。コンピュータプログラムは、好ましくはプログラムコードを含み、そのプログラムコードは、図11において示されているコンピュータ可読メディア1100上に記憶されており、処理手段、プロセッサ、またはコンピュータ1102によってロードおよび実行されて、それぞれ、本発明の実施形態による、好ましくは、図1から図9を参照しながら記述されている実施形態のうちのいずれかとしての方法を、処理手段、プロセッサ、またはコンピュータ1102に実行させることが可能である。コンピュータ1102およびコンピュータプログラム製品1100は、プログラムコードを順次実行するように構成されることが可能であり、その場合、方法のうちのいずれかのアクションが段階的に実行されるか、またはリアルタイムベースで実行される。処理手段、プロセッサ、またはコンピュータ1102は、好ましくは、通常は組み込みシステムと呼ばれるものである。それゆえに、図11における示されているコンピュータ可読メディア1100およびコンピュータ1102は、もっぱら原理の理解を提供するための例示を目的としたものであると解釈されるべきであり、要素のいかなる直接の図示としても解釈されるべきではない。
【0064】
本発明のコンセプトの特定の態様が主に、いくつかの実施形態を参照しながら上述されてきた。しかしながら、当業者によって容易に理解されるように、上で開示されているもの以外の実施形態も、同様に可能であり、本発明のコンセプトの範囲内にある。同様に、いくつかの異なる組合せが論じられてきたが、すべての可能な組合せが開示されてきたわけではない。その他の組合せが存在し、本発明のコンセプトの範囲内にあるということを当業者なら理解するであろう。その上、当業者によって理解されるように、本明細書において開示されている実施形態は、したがってその他の標準および通信システムにも適用可能であり、その他の特徴に関連して開示されている特定の図からのいかなる特徴も、任意のその他の図に適用可能であり得、およびまたは異なる特徴と組み合わされることが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】