IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コーニング インコーポレイテッドの特許一覧

特表2022-549117ガラスリボンを成形するための方法および装置
<>
  • 特表-ガラスリボンを成形するための方法および装置 図1
  • 特表-ガラスリボンを成形するための方法および装置 図2
  • 特表-ガラスリボンを成形するための方法および装置 図3
  • 特表-ガラスリボンを成形するための方法および装置 図4
  • 特表-ガラスリボンを成形するための方法および装置 図5
  • 特表-ガラスリボンを成形するための方法および装置 図6
  • 特表-ガラスリボンを成形するための方法および装置 図7
  • 特表-ガラスリボンを成形するための方法および装置 図8
  • 特表-ガラスリボンを成形するための方法および装置 図9
  • 特表-ガラスリボンを成形するための方法および装置 図10
  • 特表-ガラスリボンを成形するための方法および装置 図11
  • 特表-ガラスリボンを成形するための方法および装置 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-24
(54)【発明の名称】ガラスリボンを成形するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   C03B 33/02 20060101AFI20221116BHJP
   C03B 17/06 20060101ALI20221116BHJP
   B25J 13/08 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
C03B33/02
C03B17/06
B25J13/08 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022517195
(86)(22)【出願日】2020-09-16
(85)【翻訳文提出日】2022-05-13
(86)【国際出願番号】 US2020050968
(87)【国際公開番号】W WO2021055404
(87)【国際公開日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】62/903,356
(32)【優先日】2019-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】コマンドゥル,カウシク アランブリユール
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ルゥン-ピン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ナンフゥ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,イン ハオ
(72)【発明者】
【氏名】ドレイク,ラッセル グリフィン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ルイ
【テーマコード(参考)】
3C707
4G015
【Fターム(参考)】
3C707BS09
3C707KS33
3C707KX06
3C707LU01
4G015FA04
4G015FC04
4G015FC14
(57)【要約】
ガラスリボンを成形するための方法は、ガラスリボンを進行経路に沿って進行方向に所定のリボン速度で移動させることを含んでいてよい。方法は、ガラスリボンに、ロボットアームに取り付けられたエンドエフェクタを係合させることを含んでいてよい。方法は、エンドエフェクタを進行方向に第1のロボット速度で移動させることを含んでいてよい。方法は、エンドエフェクタにガラスリボンにより加えられた力を検出することを含んでいてよい。方法は、力の大きさが所定の値を上回ったときに、第1のロボット速度から第2のロボット速度にエンドエフェクタの速さを変化させることを含んでいてよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスリボンを成形するための方法であって、
前記ガラスリボンを進行経路に沿って進行方向に所定のリボン速度で移動させるステップと、
前記ガラスリボンに、ロボットアームに取り付けられたエンドエフェクタを係合させるステップと、
前記エンドエフェクタを前記進行方向に第1のロボット速度で移動させるステップと、
前記エンドエフェクタに前記ガラスリボンにより加えられた力を検出するステップと、
前記力の大きさが所定の値を上回ったときに、前記第1のロボット速度から第2のロボット速度に前記エンドエフェクタの速さを変化させるステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記速さを変化させるステップの前に、前記ガラスリボンの第1のリボン部分を前記ガラスリボンの第2のリボン部分から分離するステップをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記速さを変化させるステップの前に、前記ガラスリボンの前記第2のリボン部分に係合させるステップをさらに含む、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記第1のリボン部分に前記エンドエフェクタを係合させるステップから、前記第1のリボン部分を前記第2のリボン部分から分離するステップまでの期間中、前記エンドエフェクタの前記速さを前記第1のロボット速度に維持するステップをさらに含む、請求項2または3記載の方法。
【請求項5】
ガラスリボンを成形するための方法であって、
前記ガラスリボンを進行経路に沿って進行方向に移動させるステップと、
前記ガラスリボンの第1のリボン部分に、ロボットアームに取り付けられたエンドエフェクタを係合させるステップと、
前記第1のリボン部分に前記エンドエフェクタを係合させるステップから、前記第1のリボン部分を前記ガラスリボンの第2のリボン部分から分離するまでの期間中の第1の動作サイクル中、前記エンドエフェクタを前記進行方向に第1のロボット速度で移動させるステップと、
前記第1の動作サイクル中、前記エンドエフェクタに前記第1のリボン部分により加えられた第1の力を検出するステップと、
前記第1の動作サイクル後、前記エンドエフェクタを前記第2のリボン部分に係合させるステップと、
第2の動作サイクル中、前記第1の力に基づき、前記第1のロボット速度から第2のロボット速度に前記エンドエフェクタの速さを変化させるステップおよび前記エンドエフェクタを前記第2のロボット速度で前記進行方向に移動させるステップと
を含む、方法。
【請求項6】
前記第2のリボン部分に係合させるステップの前に、前記第1のリボン部分を前記第2のリボン部分から分離するステップをさらに含む、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記第2の動作サイクル中、前記エンドエフェクタに前記第2のリボン部分により加えられた第2の力を検出するステップと、
前記第2の動作サイクル後、前記エンドエフェクタを前記ガラスリボンの第3のリボン部分に係合させるステップと、
第3の動作サイクル中、前記第1の力または前記第2の力のうちの1つ以上に基づき、前記第2のロボット速度から第3のロボット速度に前記エンドエフェクタの前記速さを変化させるステップおよび前記エンドエフェクタを前記第3のロボット速度で前記進行方向に移動させるステップと
をさらに含む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記第1のリボン部分に前記エンドエフェクタを係合させるステップから、前記第1のリボン部分を前記第2のリボン部分から分離するステップまでの期間中の前記第1の動作サイクルを通じて、前記エンドエフェクタの前記速さを前記第1のロボット速度に維持するステップをさらに含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記第3のリボン部分に係合させるステップの前に、前記第2のリボン部分を前記第3のリボン部分から分離するステップをさらに含む、請求項7または8記載の方法。
【請求項10】
前記第2のリボン部分に前記エンドエフェクタを係合させるステップから、前記第2のリボン部分を前記第3のリボン部分から分離するステップまでの期間中の前記第2の動作サイクルを通じて、前記エンドエフェクタの前記速さを前記第2のロボット速度に維持するステップをさらに含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記第1の力の大きさが所定の値を上回ったときに、前記速さを変化させるステップを行う、請求項5から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
前記第2の動作サイクルの開始前に、前記エンドエフェクタの前記速さを前記第2のロボット速度に変化させる、請求項5から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
ガラスリボンを成形するための方法であって、
前記ガラスリボンを進行経路に沿って進行方向に所定のリボン速度で移動させるステップと、
前記ガラスリボンの第1のリボン部分に、ロボットアームに取り付けられたエンドエフェクタを係合させるステップと、
前記エンドエフェクタを前記進行方向に所定のロボット速度で移動させるステップと、
前記エンドエフェクタに前記第1のリボン部分により加えられた力を検出するステップと、
前記力の大きさが所定の値の範囲内にあるときに、前記リボン速度を前記ロボット速度に相関させることによって、前記リボン速度を定量化するステップと、
前記リボン速度に基づき、前記ガラスリボンのパラメータを調整するステップと
を含む、方法。
【請求項14】
前記リボン速度を定量化するステップは、前記第1のリボン部分に前記エンドエフェクタを係合させるステップから、前記第1のリボン部分を前記ガラスリボンの第2のリボン部分から分離するまでの期間中の平均リボン速度を決定するステップを含む、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記パラメータを調整するステップは、前記第1のリボン部分と前記第2のリボン部分との一定の長さを維持するステップを含む、請求項14記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
この出願は、米国特許法第119条のもと、2019年9月20日に出願された米国仮特許出願第62/903,356号の優先権の利益を主張し、その内容は、その全体を参照により本明細書に援用するものとする。
【技術分野】
【0002】
本開示は、概して、ガラスリボンを成形するための方法に関し、より詳細には、制御アセンブリを備えたガラス製造装置によってガラスリボンを成形するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ガラス製造装置によって溶融材料からガラスリボンを製造することが知られている。時折、ガラスリボンとの接触があると、ガラスリボンに損傷を与えてしまう可能性がある。損傷を制限するために、エンドエフェクタがガラスリボンに係合してよい。しかしながら、エンドエフェクタの速さおよび進行経路をガラスリボンに合致させることは難しいことがある。
【発明の概要】
【0004】
以下に、詳細な説明に記載した幾つかの実施形態の基本的な理解を提供するために、本開示の簡単な概要を提示する。
【0005】
幾つかの実施形態では、ガラス製造装置は、ガラスリボンとエンドエフェクタとの間の相対運動を減少させることを容易にする1つ以上のデバイスを備えている。例えば、エンドエフェクタは、ガラスリボンに係合して、このガラスリボンとともに進行方向に移動してよい。エンドエフェクタは、このエンドエフェクタにガラスリボンにより加えられたあらゆる力を検出することができるセンサに接続されていてよい。このセンサと、エンドエフェクタの動作を制御するロボットアームとに制御アセンブリが電気的に接続されていてよい。この制御アセンブリは、センサから力データを受け取り、エンドエフェクタの速さおよび/または経路を調整して、ガラスリボンの速さおよび/または経路により正確に合致させることができる。したがって、ガラスリボンとエンドエフェクタとの間の相対運動を減少させることができ、これによって、ガラスリボンに加えられるあらゆる力を減少させることができる。
【0006】
幾つかの実施形態によれば、ガラスリボンを成形するための方法は、ガラスリボンを進行経路に沿って進行方向に所定のリボン速度で移動させるステップを含む。方法は、ガラスリボンに、ロボットアームに取り付けられたエンドエフェクタを係合させるステップを含む。方法は、エンドエフェクタを進行方向に第1のロボット速度で移動させるステップを含む。方法は、エンドエフェクタにガラスリボンにより加えられた力を検出するステップを含む。方法は、力の大きさが所定の値を上回ったときに、第1のロボット速度から第2のロボット速度にエンドエフェクタの速さを変化させるステップを含む。
【0007】
幾つかの実施形態では、方法は、速さを変化させるステップの前に、ガラスリボンの第1のリボン部分をガラスリボンの第2のリボン部分から分離するステップを含む。
【0008】
幾つかの実施形態では、方法は、速さを変化させるステップの前に、ガラスリボンの第2のリボン部分に係合させるステップを含む。
【0009】
幾つかの実施形態では、方法は、第1のリボン部分にエンドエフェクタを係合させるステップから、第1のリボン部分を第2のリボン部分から分離するステップまでの期間中、エンドエフェクタの速さを第1のロボット速度に維持するステップを含む。
【0010】
幾つかの実施形態では、力を複数の位置で検出する。
【0011】
幾つかの実施形態によれば、ガラスリボンを成形するための方法は、ガラスリボンを進行経路に沿って進行方向に移動させるステップを含む。方法は、ガラスリボンの第1のリボン部分に、ロボットアームに取り付けられたエンドエフェクタを係合させるステップを含む。方法は、第1のリボン部分にエンドエフェクタを係合させるステップから、第1のリボン部分をガラスリボンの第2のリボン部分から分離するまでの期間中の第1の動作サイクル中、エンドエフェクタを進行方向に第1のロボット速度で移動させるステップを含む。方法は、第1の動作サイクル中、エンドエフェクタに第1のリボン部分により加えられた第1の力を検出するステップを含む。方法は、第1の動作サイクル後、エンドエフェクタを第2のリボン部分に係合させるステップを含む。方法は、第2の動作サイクル中、第1の力に基づき、第1のロボット速度から第2のロボット速度にエンドエフェクタの速さを変化させるステップおよびエンドエフェクタを第2のロボット速度で進行方向に移動させるステップを含む。
【0012】
幾つかの実施形態では、方法は、第2のリボン部分に係合させるステップの前に、第1のリボン部分を第2のリボン部分から分離するステップを含む。
【0013】
幾つかの実施形態では、方法は、第2の動作サイクル中、エンドエフェクタに第2のリボン部分により加えられた第2の力を検出するステップを含む。方法は、第2の動作サイクル後、エンドエフェクタをガラスリボンの第3のリボン部分に係合させるステップを含む。方法は、第3の動作サイクル中、第1の力または第2の力のうちの1つ以上に基づき、第2のロボット速度から第3のロボット速度にエンドエフェクタの速さを変化させるステップおよびエンドエフェクタを第3のロボット速度で進行方向に移動させるステップを含む。
【0014】
幾つかの実施形態では、方法は、第1のリボン部分にエンドエフェクタを係合させるステップから、第1のリボン部分を第2のリボン部分から分離するステップまでの期間中の第1の動作サイクルを通じて、エンドエフェクタの速さを第1のロボット速度に維持するステップを含む。
【0015】
幾つかの実施形態では、方法は、第3のリボン部分に係合させるステップの前に、第2のリボン部分を第3のリボン部分から分離するステップを含む。
【0016】
幾つかの実施形態では、方法は、第2のリボン部分にエンドエフェクタを係合させるステップから、第2のリボン部分を第3のリボン部分から分離するステップまでの期間中の第2の動作サイクルを通じて、エンドエフェクタの速さを第2のロボット速度に維持するステップを含む。
【0017】
幾つかの実施形態では、第1の力を複数の位置で検出する。
【0018】
幾つかの実施形態では、第1の力の大きさが所定の値を上回ったときに、速さを変化させるステップを行う。
【0019】
幾つかの実施形態では、第2の動作サイクルの開始前に、エンドエフェクタの速さを第2のロボット速度に変化させる。
【0020】
幾つかの実施形態によれば、ガラスリボンを成形するための方法は、ガラスリボンを進行経路に沿って進行方向に所定のリボン速度で移動させるステップを含む。方法は、ガラスリボンの第1のリボン部分に、ロボットアームに取り付けられたエンドエフェクタを係合させるステップを含む。方法は、エンドエフェクタを進行方向に所定のロボット速度で移動させるステップを含む。方法は、エンドエフェクタに第1のリボン部分により加えられた力を検出するステップを含む。方法は、力の大きさが所定の値の範囲内にあるときに、リボン速度をロボット速度に相関させることによって、リボン速度を定量化するステップを含む。方法は、リボン速度に基づき、ガラスリボンのパラメータを調整するステップを含む。
【0021】
幾つかの実施形態では、リボン速度を定量化するステップは、第1のリボン部分にエンドエフェクタを係合させるステップから、第1のリボン部分をガラスリボンの第2のリボン部分から分離するまでの期間中の平均リボン速度を決定するステップを含む。
【0022】
幾つかの実施形態では、パラメータを調整するステップは、第1のリボン部分と第2のリボン部分との一定の長さを維持するステップを含む。
【0023】
幾つかの実施形態では、リボン速度を定量化するステップは、約2ミリ秒未満であるサンプリング期間中の瞬時リボン速度を決定するステップを含む。
【0024】
本明細書に開示した実施形態の付加的な特徴および利点は、以下の詳細な説明に示してあり、部分的にその説明から当業者に明らかであるかまたは以下の詳細な説明、特許請求の範囲および添付の図面を含め、本明細書に記載した実施形態を実施することによって認識される。当然ながら、前述の概説および以下の詳細な説明は両方とも、本明細書に開示した実施形態の本質および特徴を理解するための概要または枠組みを提供することを意図した実施形態を提示している。添付の図面は、更なる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれ、その一部を構成している。図面は、本開示の様々な実施形態を示しており、説明とともに、その原理および動作を説明している。
【図面の簡単な説明】
【0025】
これらの特徴、実施形態および利点ならびに別の特徴、実施形態および利点は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことで、いっそう理解しやすくなる。
図1】本開示の実施形態によるガラス製造装置の例示的な実施形態の概略図である。
図2図1の2-2線に沿った、本開示の実施形態によるガラス製造装置の斜視断面図である。
図3図1の範囲3における、本開示の実施形態によるガラス製造装置の部分拡大図である。
図4図3の4-4線に沿った、エンドエフェクタを含めた本開示の実施形態によるガラス製造装置の側面図である。
図5】エンドエフェクタがガラスリボンに係合した、図4と同様の本開示の実施形態によるガラス製造装置の側面図である。
図6】第1のリボン部分が分離された、図5と同様の本開示の実施形態によるガラス製造装置の側面図である。
図7】第1のリボン部分が第2のリボン部分から分離された、図6と同様の本開示の実施形態によるガラス製造装置の側面図である。
図8】エンドエフェクタが第2のリボン部分に係合した、図7と同様の本開示の実施形態によるガラス製造装置の側面図である。
図9】エンドエフェクタが第2のリボン部分を第3のリボン部分から分離した、図8と同様の本開示の実施形態によるガラス製造装置の側面図である。
図10】第2の動作サイクル後にエンドエフェクタがガラスリボンの第3のリボン部分に係合した、図9と同様のガラス製造装置の側面図である。
図11】本開示の実施形態によるガラス製造装置の制御図である。
図12】本開示の実施形態による、時間と、ガラスリボンによりエンドエフェクタに加えられた力とのプロットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
複数の例示的な実施形態を示した添付の図面を参照しながら、これらの実施形態を以下により詳細に説明する。同一または類似の部材を指すために、図面を通じて可能な限り同一の参照符号を使用する。ただし、本開示は、多数の異なる形態で実施されてよく、本明細書に記載した実施形態に限定すると解釈すべきではない。
【0027】
本開示は、ガラス製造装置およびガラスリボンを成形するための方法に関する。この出願の目的では、「ガラスリボン」を、粘性状態にあるガラスリボン、(例えば室温で)弾性状態にあるガラスリボンおよび/または粘性状態と弾性状態との間の粘弾性状態にあるガラスリボンのうちの1つ以上と考える。以下に、ガラスリボンを成形するための方法および装置を、ガラスリボンを生産するための例示的な実施形態によって説明する。図1に概略的に示したように、幾つかの実施形態では、例示的なガラス製造装置100は、ガラス溶融・給送装置102と、一定の量の溶融材料121からガラスリボン、例えばガラスリボン103を生産するように設計された成形容器140を備えた成形装置101とを備えていてよい。幾つかの実施形態では、ガラスリボン103は、このガラスリボン103の第1の外縁153と第2の外縁155とに沿って形成された互いに反対側の縁部分(例えば縁ビード)の間に位置決めされた中央部分152を備えていてよい。この場合、縁部分の厚さは、中央部分の厚さよりも大きくてよい。付加的に、幾つかの実施形態では、ガラスリボン103から、分離されたガラスリボン104が、分離経路151に沿ってガラスセパレータ149(例えば、スクライブ、筋入れホイール、ダイヤモンドチップ、レーザ等)によって分離されてよい。
【0028】
幾つかの実施形態では、ガラス溶融・給送装置102は、貯留ビン109からのバッチ材料107を受け入れるように位置決めされた溶融容器105を備えていてよい。バッチ材料107は、モータ113により作動させられるバッチ給送装置111によって導入されてよい。幾つかの実施形態では、矢印117によって示したように、モータ113を作動させて、所望の量のバッチ材料107を溶融容器105内に導入するために、任意選択的なコントローラ115が作動させられてよい。溶融容器105は、溶融材料121を提供するために、バッチ材料107を加熱してよい。幾つかの実施形態では、メルトプローブ119が使用されてよく、これによって、スタンドパイプ123の内部の溶融材料121のレベルを測定して、測定された情報を通信線路125を介してコントローラ115と通信することができる。
【0029】
付加的に、幾つかの実施形態では、ガラス溶融・給送装置102は第1の状態調整ステーションを備えていてよく、この第1の状態調整ステーションは、溶融容器105の下流側に位置しかつ第1の接続導管129を介して溶融容器105に接続された清澄容器127を備えている。幾つかの実施形態では、溶融材料121は、溶融容器105から第1の接続導管129を介して清澄容器127に重力供給されてよい。例えば、幾つかの実施形態では、重力によって、溶融容器105から溶融材料121を第1の接続導管129の内部通路を通して清澄容器127に移動させることができる。付加的に、幾つかの実施形態では、清澄容器127の内部の溶融材料121から様々な技術によって気泡が除去されてよい。
【0030】
幾つかの実施形態では、ガラス溶融・給送装置102は第2の状態調整ステーションをさらに備えていてよく、この第2の状態調整ステーションは、清澄容器127の下流側に位置していてよい混合チャンバ131を備えている。この混合チャンバ131は、溶融材料121の均質な組成を提供するために使用されてよく、これによって、不均質性を低減させることができるかまたは排除することができる。さもないと、この不均質性が、清澄容器127から進出した溶融材料121の内部に存在していることがある。図示のように、清澄容器127は、第2の接続導管135を介して混合チャンバ131に接続されていてよい。幾つかの実施形態では、溶融材料121は、清澄容器127から第2の接続導管135を介して混合チャンバ131に重力供給されてよい。例えば、幾つかの実施形態では、重力によって、清澄容器127から溶融材料121を第2の接続導管135の内部通路を通して混合チャンバ131に移動させることができる。
【0031】
付加的に、幾つかの実施形態では、ガラス溶融・給送装置102は第3の状態調整ステーションを備えていてよく、この第3の状態調整ステーションは、混合チャンバ131の下流側に位置していてよい給送チャンバ133を備えている。幾つかの実施形態では、この給送チャンバ133は、溶融材料121を入口導管141内への供給のために状態調節してよい。例えば、給送チャンバ133は、蓄え器および/または入口導管141への溶融材料121の不変の流れを調整しかつ提供するためのフローコントローラとして機能してよい。図示のように、混合チャンバ131は、第3の接続導管137を介して給送チャンバ133に接続されていてよい。幾つかの実施形態では、溶融材料121は、混合チャンバ131から第3の接続導管137を介して給送チャンバ133に重力供給されてよい。例えば、幾つかの実施形態では、重力によって、混合チャンバ131から溶融材料121を第3の接続導管137の内部通路を通して給送チャンバ133に移動させることができる。さらに図示したように、幾つかの実施形態では、溶融材料121を成形装置101、例えば成形容器140の入口導管141に給送するために、給送パイプ139が位置決めされていてよい。
【0032】
成形装置101は、本開示の特徴による様々な実施形態の成形容器、例えば、ガラスリボンをフュージョンドローするためのウェッジを有する成形容器、ガラスリボンをスロットドローするためのスロットを有する成形容器または成形容器からのガラスリボンを圧延するためのプレスロールを有する成形容器を備えていてよい。幾つかの実施形態では、成形装置101は、例えば、リドロープロセスの一部として、成形装置101によるシートリドローを含んでいてよい。例えば、所定の厚さを有していてよいガラスリボン104が加熱かつリドローされ、これによって、より小さな厚さを有するより肉薄のガラスリボン104を得ることができる。一例として、以下に示しかつ開示する成形容器140は、ガラスリボン103を生産するために、成形ウェッジ209のルート145として規定された下縁から溶融材料121をフュージョンドローするために設けられていてよい。例えば、幾つかの実施形態では、溶融材料121は、入口導管141から成形容器140に給送されてよい。次いで、溶融材料121は、部分的に成形容器140の構造に基づき、ガラスリボン103へと成形されてよい。例えば、図示のように、溶融材料121は、ガラス製造装置100からの進行方向154に延びる引出し経路に沿って成形容器140の下縁(例えばルート145)から引き離されてよい。幾つかの実施形態では、縁案内器163,164が、溶融材料121を成形容器140から離れる方向に案内して、部分的にガラスリボン103の幅「W」を規定してよい。幾つかの実施形態では、このガラスリボン103の幅「W」は、ガラスリボン103の第1の外縁153とガラスリボン103の第2の外縁155との間に延びている。幾つかの実施形態では、引張りロールアセンブリ158が、ガラスリボン103を進行方向154に沿って下向きにルート145から引き離すことを支援してよい。引張りロールアセンブリ158は、例えばモータにより駆動されてよい1つ以上の引張りロールを備えていてよい。
【0033】
幾つかの実施形態では、ガラスリボン103の第1の外縁153とガラスリボン103の第2の外縁155との間に延びるガラスリボン103の幅「W」は、約20mm(ミリメートル)以上、例えば約50mm以上、例えば約100mm以上、例えば約500mm以上、例えば約1000mm以上、例えば約2000mm、例えば約3000mm以上、例えば約4000mm以上であってよいが、別の実施形態では、上述した幅よりも小さいかまたは大きい別の幅が提供されてよい。例えば、幾つかの実施形態では、ガラスリボン103の幅「W」は、約20mm~約4000mmの範囲内、例えば、約50mm~約4000mmの範囲内、例えば、約100mm~約4000mmの範囲内、例えば、約500mm~約4000mmの範囲内、例えば、約1000mm~約4000mmの範囲内、例えば、約2000mm~約4000mmの範囲内、例えば、約3000mm~約4000mmの範囲内、例えば、約20mm~約3000mmの範囲内、例えば、約50mm~約3000mmの範囲内、例えば、約100mm~約3000mmの範囲内、例えば、約500mm~約3000mmの範囲内、例えば、約1000mm~約3000mmの範囲内、例えば、約2000mm~約3000mmの範囲内、例えば、約2000mm~約2500mmの範囲内およびその間の全ての範囲および部分範囲であってよい。
【0034】
図2には、図1の2-2線に沿った成形装置101(例えば成形容器140)の横断斜視図が示してある。幾つかの実施形態では、成形容器140は、入口導管141からの溶融材料121を受け入れるように位置決めされたトラフ201を備えていてよい。例示的な目的で、分かりやすくするために、溶融材料121の網目状の陰影は図2から取り除いてある。成形容器140は、成形ウェッジ209をさらに備えていてよく、この成形ウェッジ209は、成形ウェッジ209の互いに反対側の端部210,211(図1参照)の間に延在する、一対の下向きに傾けられて先細る表面部分207,208を備えている。成形ウェッジ209の、一対の下向きに傾けられて先細る表面部分207,208は、進行方向154に沿って先細り、成形容器140のルート145に沿って交わってよい。ガラス製造装置100の引出し平面213は、ルート145を通って進行方向154に沿って延びていてよい。幾つかの実施形態では、ガラスリボン103は、引出し平面213に沿って進行方向154に引き出されてよい。図示のように、引出し平面213は、ルート145を通って成形ウェッジ209を二等分していてよいが、幾つかの実施形態では、引出し平面213は、ルート145に関して別の向きで延びていてよい。幾つかの実施形態では、ガラスリボン103は、進行方向154で引出し平面213と共平面であってよい進行経路221に沿って移動してよい。
【0035】
付加的に、幾つかの実施形態では、溶融材料121は、方向156で成形容器140のトラフ201内にかつトラフ201に沿って流れてよい。次いで、溶融材料121は、トラフ201からオーバフローして、対応する堰203,204を越え、この対応する堰203,204の外面205,206にわたって下向きに同時に流れてよい。次いで、溶融材料121の各々の流れは、成形ウェッジ209の、下向きに傾けられて先細る表面部分207,208に沿って流れ、流れが合流してガラスリボン103へと融合する成形容器140のルート145から引き出されてよい。次いで、ガラスリボン103は、引出し平面213で進行方向154に沿ってルート145から引き出されてよい。幾つかの実施形態では、ガラスリボン103は、このガラスリボン103の鉛直方向の位置に基づき、1つ以上の材料状態を有していてよい。例えば、1つの位置では、ガラスリボン103は、粘性の溶融材料121を有していてよく、別の位置では、ガラスリボン103は、ガラス状態の非晶質の固体(例えばガラスリボン)を有していてよい。
【0036】
ガラスリボン103は、互いに反対側の方向を向きかつガラスリボン103の厚さ「T」(例えば平均厚さ)を規定する第1の主面215と第2の主面216とを備えている。幾つかの実施形態では、ガラスリボン103の厚さ「T」は、約2mm(ミリメートル)以下、約1mm以下、約0。5mm以下、例えば約300μm(マイクロメートル)以下、約200μm以下または約100μm以下であってよいが、別の実施形態では、別の厚さが提供されてよい。例えば、幾つかの実施形態では、ガラスリボン103の厚さ「T」は、約20μm~約200μmの範囲内、約50μm~約750μmの範囲内、約100μm~約700μmの範囲内、約200μm~約600μmの範囲内、約300μm~約500μmの範囲内、約50μm~約500μmの範囲内、約50μm~約700μmの範囲内、約50μm~約600μmの範囲内、約50μm~約500μmの範囲内、約50μm~約400μmの範囲内、約50μm~約300μmの範囲内、約50μm~約200μmの範囲内、約50μm~約100μmの範囲内、約25μm~約125μmの範囲内にあってよく、その間の全ての厚さの範囲および部分範囲を含んでいてよい。さらに、ガラスリボン103は、様々な組成物、例えば、ホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、アルカリ含有ガラスまたはアルカリ不含ガラス、アルカリアルミノケイ酸ガラス、アルカリ土類アルミノケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス等を含んでいてよい。
【0037】
幾つかの実施形態では、その後、ガラスセパレータ149(図1参照)が、ガラスリボン103から分離経路151に沿ってガラスリボン104を分離して、複数の分離されたガラスリボン104(つまり、複数のガラスシート)が提供されてよい。別の実施形態によれば、ガラスリボン104のより長い部分が、貯留ロール上に巻き取られてよい。次いで、分離されたガラスリボンは、所望の用途、例えばディスプレイ用途へと加工されてよい。例えば、分離されたガラスリボンは、液晶ディスプレイ(LCD)、電気泳動ディスプレイ(EPD)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、タッチセンサ、光起電体および別の電子ディスプレイを含む広範囲のディスプレイ用途に使用されてよい。
【0038】
図3を参照すると、図1の範囲3におけるガラス製造装置100の一例が示してある。幾つかの実施形態では、ガラスリボン103を成形するための方法は、ガラスリボン103を進行経路221に沿って進行方向154に所定のリボン速度で移動させることを含んでいてよい。幾つかの実施形態では、進行方向154は、y軸に対して実質的に平行であってよい。幾つかの実施形態では、進行経路221およびガラスリボン103は、x軸およびy軸に対して実質的に平行であってよく、進行経路221およびガラスリボン103は、z軸に対して実質的に垂直であってよい。幾つかの実施形態では、ガラス製造装置100はロボットアセンブリ301を備えていてよい。このロボットアセンブリ301は、ロボットアーム303と、1つ以上のエンドエフェクタ305とを備えていてよい。幾つかの実施形態では、この1つ以上のエンドエフェクタ305は、ロボットアーム303に取り付けられていてよい。ロボットアセンブリ301は、1つ以上のエンドエフェクタ305をガラスリボン103に係合させてよい。幾つかの実施形態では、ロボットアセンブリ301は、1つ以上のエンドエフェクタ305を、進行経路221に対して実質的に平行である経路に沿って進行方向154に移動させてよい。ロボットアセンブリ301は、第1の主面215および/または第2の主面216に対して垂直な方向でガラスリボン103に曲げ力を加えて、x軸を中心とした曲げモーメントを発生させることができる。例えば、ロボットアセンブリ301により発生させられたx軸を中心とした曲げモーメントは、(例えば図1に示した)ガラスセパレータ149により、x軸に沿って延びる分離経路151にわたって形成された筋入れ線にわたって引張り応力を発生させることができる。この引張り応力によって、ガラスリボン103の厚さを通じて亀裂が伝播させられ、これによって、ガラスリボン103の一部をガラスリボンの上流側の部分から分離することができる。
【0039】
幾つかの実施形態では、1つ以上のエンドエフェクタ305は、ガラスリボン103の第1の主面215および/または第2の主面216に係合してよい。例えば、1つ以上のエンドエフェクタ305は、複数のエンドエフェクタ(例えば4つのエンドエフェクタ)を備えていてよい。幾つかの実施形態では、1つ以上のエンドエフェクタ305は、軟質の真空吸盤を備えていてよい。真空管路が、吸盤に接続されていてよく、この吸盤に負圧または真空を発生させることができる真空源に取り付けられていてよい。吸盤は、ガラスリボン103に係合してよく、幾つかの実施形態では、ガラスリボン103と1つ以上のエンドエフェクタ305との間の相対運動が制限されるように、ガラスリボン103との真空吸引アタッチメントを形成してよい。幾つかの実施形態では、4つのエンドエフェクタは、ガラスリボン103の第1の主面215に4つの位置、例えば、第1の係合位置307、第2の係合位置309、第3の係合位置311および第4の係合位置313で係合してよい。第1の係合位置307と第2の係合位置309とは、ガラスリボン103の第1の外縁153に隣り合って位置していてよい。第1の係合位置307と第2の係合位置309とは、進行方向154に沿って位置決めされていてよい。第3の係合位置311と第4の係合位置313とは、ガラスリボン103の第2の外縁155に隣り合って位置していてよい。第3の係合位置311と第4の係合位置313とは、進行方向154に沿って位置決めされていてよい。幾つかの実施形態では、ガラスリボン103は、1つ以上のエンドエフェクタ305がガラスリボン103に係合したときに、1つ以上のエンドエフェクタ305に力を加えてよい。例えば、1つ以上のエンドエフェクタ305に加えられる力は、x軸、y軸またはz軸のうちの1つ以上の方向における力を含んでいてよい。付加的または代替的に、ガラスリボン103は、例えば、x軸(例えばM)、y軸(例えばM)および/またはz軸(例えばM)を中心として1つ以上のエンドエフェクタ305にトルクを加えてよい。
【0040】
図4を参照すると、図3の4-4線に沿って、ガラス製造装置100の側面図が示してある。図4では、ガラスリボン103は、進行経路221に沿って進行方向154に移動している。幾つかの実施形態では、ロボットアセンブリ301の1つ以上のエンドエフェクタ305は、第1のエンドエフェクタ401と第2のエンドエフェクタ403とを備えていてよい。第1のエンドエフェクタ401が、ガラスリボン103に(例えば図3に示した)第1の係合位置307で係合してよいのに対して、第2のエンドエフェクタ403は、ガラスリボン103に(例えば図3に示した)第2の係合位置309で係合してよい。幾つかの実施形態では、1つ以上のエンドエフェクタ305は、第3のエンドエフェクタと第4のエンドエフェクタとを備えていてよく、第3のエンドエフェクタは、第1のエンドエフェクタ401によって視界から隠されており、第4のエンドエフェクタは、第2のエンドエフェクタ403によって視界から隠されている。第1のエンドエフェクタ401と、第2のエンドエフェクタ403と、別のエンドエフェクタとは、構造および機能の点、例えば吸盤を備えている点で実質的に同一であってよい。
【0041】
幾つかの実施形態では、ロボットアセンブリ301は、1つ以上のエンドエフェクタ305における1つ以上の力(例えば、線形の力、トルク等)ひいては1つ以上のエンドエフェクタ305がガラスリボン103に係合したときに、1つ以上のエンドエフェクタ305によってガラスリボン103に加えられている1つ以上の力を示す情報を検出しかつ/または信号化することができるセンサ405を備えていてよい。幾つかの実施形態では、このセンサ405は、多軸または多自由度力センサ、例えば、6方向における力を検出することができる6軸力および/またはトルクセンサ(または6自由度力センサ)を含んでいてよい。幾つかの実施形態では、センサ405は、6方向よりも多くの方向または6方向よりも少ない方向における力を検出するように構成されていてよい。幾つかの実施形態では、センサ405により検出することができる力は、x軸の方向における力F、y軸の方向における力F、z軸の方向における力F、x軸Mを中心としたトルク(または力のモーメント)、y軸Mを中心としたトルク(または力のモーメント)および/またはz軸Mを中心としたトルク(または力モーメント)を含んでいてよい。本明細書で使用する場合、「力」という用語は、(例えば、x軸、y軸、z軸等に沿った)線形の力および/またはトルクの力成分を含んでいてよい。幾つかの実施形態では、センサ405の検出コンポーネントは、6方向における力を検出することができるトランスデューサを備えていてよい。センサ405は、検出された情報を伝送する電気信号を生成して送信することができるプログラミングおよび/または回路をさらに備えていてよい。幾つかの実施形態では、センサ405は、50Hz(ヘルツ)以上のサンプリングレートまたは例えば100Hz以上のサンプリングレートを有していてよい。センサ405の幾つかの非限定的な例は、例えば、FS-10iA(商標)、FS-30(商標)およびFS-60(商標)という商品名でFANUC America Corp.社から入手可能な6自由度力センサ、例えば、Omega160(商標)という商品名でATI Industrial Automation, Inc.社から入手可能な力/トルクセンサ等を含んでいてよい。
【0042】
幾つかの実施形態では、ガラス製造装置100は、センサ405からデータを受け取ってロボットアーム303を動作させることができる制御アセンブリ409を備えていてよい。この制御アセンブリ409は、ロボットアーム303を動作させるように構成(例えば、プログラミング、符号化、設計かつ/または製造)された制御デバイス(例えば、コンピュータ、コンピュータに類似のデバイス、プログラマブルロジックコントローラ等)を備えていてよい。例えば、制御アセンブリ409は、センサ405とロボットアーム303とに電気的に(例えば有線または無線)接続されていてよい。幾つかの実施形態では、制御アセンブリ409は、センサ405から力データ411を受け取ってよい。制御アセンブリ409は、ロボットアーム303に動作命令413を送信してよい。幾つかの実施形態では、制御アセンブリ409は、1つ以上のコントローラ、例えば、第1のコントローラ415と第2のコントローラ417とを備えていてよい。幾つかの実施形態では、第1のコントローラ415が、ロボットアーム303の動作を制御してよいのに対して、第2のコントローラ417は、センサ405からの力データ411(例えば力関連のフィードバック情報)を処理しかつ/または分析して、ロボットアーム303に対する応答調整を生じさせてよい。例えば、動作命令413は、第1のコントローラ415からロボットアーム303に送信されてよく、かつ/またはロボットアーム303に設けられ、このロボットアーム303のセグメントの運動を制御する別個のコントローラに送信されてよい。ロボットアーム303は、動作命令413に応答して運動することができる。例えば、動作命令413は、ロボットアーム303が進行することができる経路、ロボットアーム303の速度、ロボットアーム303により進行させられる距離等のうちの1つ以上を特定してよい。したがって、ロボットアーム303は、動作命令413に従って運動することができる。
【0043】
第1のコントローラ415は、センサ405から力データ411を受け取ってよく、その後、第1のコントローラ415は、力データ411を第2のコントローラ417に送信してよい。幾つかの実施形態では、センサ405からの力データ411は、第1のコントローラ415を迂回することによって第2のコントローラ417に直接送信されてよい。ガラスリボン103は、1つ以上のエンドエフェクタ305に力を加えてよく、この力は、センサ405により検出されて、力データ411の一部として制御アセンブリ409に伝達されるように形成される。例えば、力データ411は、x軸、y軸、z軸、x軸を中心としたトルク、y軸を中心としたトルクまたはz軸を中心としたトルクのうちの1つ以上に沿って検出することができる力を含んでいてよい。第2のコントローラ417は、ロボットアーム303の動作に対する可能な調整、例えば、1つ以上のエンドエフェクタ305の位置、経路または速度のうちの1つ以上における変化または調整を決定してよい。第2のコントローラ417により決定される調整は、第2のコントローラ417により受け取られる力データ411に部分的に基づいていてよい。幾つかの実施形態では、第2のコントローラ417は、こういった調整を調整データ419として第1のコントローラ415に送信してよい。この第1のコントローラ415は、第2のコントローラ417から調整データ419を受け取って、この調整データ419をロボットアーム303に対する動作命令413に取り入れてよい。幾つかの実施形態では、ユーザが、第1のコントローラ415にユーザ入力データ421を入力してよい。例えば、幾つかの実施形態では、ユーザ入力データ421は、ロボットアーム303の第1の動作サイクル中のロボットアーム303に対する動作命令413を表していてよい。この場合、ユーザ入力データ421は、1つ以上のエンドエフェクタ305の初期位置、初期経路または初期速度のうちの1つ以上を含んでいてよい。幾つかの実施形態では、動作命令413は、その後、力データ411に基づき変更されてよく、これによって、ユーザ入力データ421がもはや実施されることはない。
【0044】
幾つかの実施形態では、ガラスリボン103を成形するための方法は、ガラスリボン103を、ロボットアーム303に取り付けられたエンドエフェクタ(例えば1つ以上のエンドエフェクタ305)に係合させることを含んでいてよい。例えば、ロボットアーム303は、1つ以上のエンドエフェクタ305を係合解除位置427と係合位置429との間で運動させてよい。係合解除位置427では、1つ以上のエンドエフェクタ305は、ガラスリボン103に接触または係合せず、ガラスリボン103の主面(例えば第1の主面215)から所定の距離だけ離間させられていてよい。ガラスリボン103に係合するために、ロボットアーム303は、1つ以上のエンドエフェクタ305をガラスリボン103に向かって係合方向425に運動させてよい。1つ以上のエンドエフェクタ305が係合方向425に運動させられ、少なくとも、その後、1つ以上のエンドエフェクタ305が第1の主面215に係合し、これによって、第1の主面215との吸引アタッチメントを形成することができる。1つ以上のエンドエフェクタ305がガラスリボン103に係合すると、ガラスリボン103と1つ以上のエンドエフェクタ305とが互いに一緒に運動することができるように、ガラスリボン103と1つ以上のエンドエフェクタ305との間の相対運動を実質的に制限することができる。
【0045】
図5には、ガラスリボン103の第1の主面215に(例えば係合位置429で)係合した1つ以上のエンドエフェクタ305が示してある。例えば、この1つ以上のエンドエフェクタ305は、ガラスリボン103の第1のリボン部分501に係合してよい。この第1のリボン部分501は、進行方向154に関してガラスリボン103の第2のリボン部分503の下流側に位置していてよい。例えば、ガラスリボン103が進行方向154に沿って移動するときには、第1のリボン部分501が所定の位置を通過し、その後、第2のリボン部分503が同一の位置を通過することができる。幾つかの実施形態では、第1の動作サイクルは、第1のリボン部分501への1つ以上のエンドエフェクタ305の(例えば図4に示した)係合から、第2のリボン部分503からの第1のリボン部分501の(例えば図7に示した)分離まで続いてよい。
【0046】
幾つかの実施形態では、ガラスリボン103を成形するための方法は、1つ以上のエンドエフェクタ305を所定のロボット速度、例えば第1のロボット速度505で進行方向154に運動させることを含んでいてよい。例えば、ガラスリボン103は、所定のリボン速度507で進行経路221に沿って進行方向154に移動してよい。幾つかの実施形態では、ガラスリボン103を成形するための方法は、第1の動作サイクル中にガラスリボン103の第1のリボン部分501によって1つ以上のエンドエフェクタ305に加えられる力、例えば第1の力を検出することを含んでいてよい。例えば、幾つかの実施形態では、第1のリボン部分501のリボン速度およびリボン経路は、1つ以上のエンドエフェクタ305の予めプログラミングされたロボット速度およびロボット経路に合致していてもよいし、合致していなくてもよい。
【0047】
幾つかの実施形態では、第1のロボット速度505とリボン速度507とは、例えば、(例えば進行方向154に沿って)互いに同じ大きさと同じ方向とを有していることによって、互いに実質的に同じであってよい。第1のロボット速度505とリボン速度507とが、互いに実質的に同じであり、かつ第1のリボン部分501と1つ以上のエンドエフェクタ305とが進行する経路が、互いに実質的に平行である場合、第1のリボン部分501と1つ以上のエンドエフェクタ305とは、互いに平行な経路に沿って互いに同じ速度で進行していてよい。こうして、検出することができる第1の力が、ゼロまたはゼロに近い値となり得る。例えば、第1のロボット速度505とリボン速度507とが、互いに実質的に同じであるため、y軸に沿った第1のリボン部分501と1つ以上のエンドエフェクタ305との間の相対運動は無視できる程度のものとなり、これによって、第1の力が、ゼロまたはゼロに近い値となり得る。幾つかの実施形態では、第1の力は、(例えば複数の軸に沿った、例えば、x軸、y軸、z軸、x軸を中心としたトルク、y軸を中心としたトルクおよび/またはz軸を中心としたトルクに沿った)複数の位置で検出されてよい。
【0048】
本明細書で使用する場合、「速度」という用語(例えば、第1のロボット速度505、リボン速度507、本明細書中の別の速度等により用いる)は、単一の速度(例えば、単一の方向への速さの単一の大きさ)に限定されるものではない。むしろ、幾つかの実施形態では、本明細書で使用する場合、「速度」は、変化する一連の速度を有していてよい。例えば、動作サイクル中、幾つかの実施形態では、速度、例えば、第1のロボット速度505、リボン速度507等のうちの1つ以上は、一定の速度(例えば、単一の方向への一定の速さ)を有していてよい。しかしながら、幾つかの実施形態では、「速度」は、一定の速度に限定されるものではなく、それどころか、動作サイクル中に変化する一連の速度である。例えば、幾つかの実施形態では、速度(例えば、第1のロボット速度505、リボン速度507等)は、動作サイクル中、例えば約10msおき~約50msおきに変化してよい。変化する速度は、例えば、速さの変化する大きさおよび/または変化する方向を含んでいてよい。こうして、動作サイクル中の「速度」は、速さおよび/または方向に関して変化してよい複数の速度を有していてよい。
【0049】
幾つかの実施形態では、ガラスリボン103を成形するための方法は、力の大きさが所定の値を上回ったときに、1つ以上のエンドエフェクタ305の速さを第1のロボット速度505から第2のロボット速度509に変化させることを含んでいてよい。力の大きさは力の絶対値を含んでいてよい。例えば、センサ405は、第1のリボン部分501によって1つ以上のエンドエフェクタ305に加えられた力を検出することができる。センサ405は、この力を第1のコントローラ415に力データ411として送信することができ、次いで、この力データ411が第2のコントローラ417に伝送されてよい。幾つかの実施形態では、第2のコントローラ417は、力データ411の大きさを、ユーザにより設定されてよい所定の値と比較してよい。幾つかの実施形態では、力データ411は、例えば、第1のロボット速度505とリボン速度507とが互いに実質的に同じであり、かつ第1のリボン部分501と1つ以上のエンドエフェクタ305との間の相対運動がゼロである場合には、所定の値の範囲内にあり得る力の大きさを含み得る。したがって、力データ411は、ゼロまたはゼロに近い値である、所定の値の範囲内にあり得る力を示し得る。幾つかの実施形態では、センサ405により検出された力の大きさが所定の値の範囲内にある場合には、1つ以上のエンドエフェクタ305の速さを変化させてはならず、それどころか、1つ以上のエンドエフェクタ305の速さは一定に維持され得る。こうして、第1のコントローラ415が、ロボットアーム303に送信される動作命令413を変化させることはない。
【0050】
幾つかの実施形態では、例えば、第1のロボット速度505とリボン速度507とが互いに同じでなく、かつ第1のリボン部分501と1つ以上のエンドエフェクタ305との間に相対運動が存在すると、力データ411の大きさが所定の値を上回ってしまう。したがって、力データ411が、ゼロに近くないどころか、ゼロよりも大きいかまたはゼロよりも小さく、したがって、所定の値を上回ってしまっている力を示し得る。幾つかの実施形態では、センサ405により検出された力の大きさが所定の値を上回ると、1つ以上のエンドエフェクタ305の速さが変化させられてよい。例えば、第1のコントローラ415が、ロボットアーム303に送信される動作命令413を変化させて、ロボットアーム303の速さを第1のロボット速度505から第2のロボット速度509に変化させる動作命令413が提供されてよい。明らかであるように、図5では、第1のロボット速度505および第2のロボット速度509を表す線の長さが互いに異なっており、これによって、第1のロボット速度505から第2のロボット速度509への1つ以上のエンドエフェクタ305の速さにおける変化を表すことできる。幾つかの実施形態では、第2のロボット速度509が、第1のロボット速度505よりもリボン速度507に近くてよく、例えば、第2のロボット速度509とリボン速度507との間の第1の差が、第1のロボット速度505とリボン速度507との間の第2の差よりも小さい。幾つかの実施形態では、第2のロボット速度509がリボン速度507と実質的に同じであり、これによって、センサ405により検出された力がゼロまたはゼロに近い値であり得る場合には、センサ405により検出された力は所定の値を上回り得ない。しかしながら、幾つかの実施形態では、第2のロボット速度509がリボン速度507と異なっており、これによって、センサ405により検出された力がゼロまたはゼロに近い値であり得る場合には、センサ405により検出された力の大きさが所定の値を上回り得ない。こうして、速さを変化させることは、第1の力の大きさが所定の値を上回る場合に行うことができるが、第1の力の大きさが所定の値の範囲内にある場合には、速さを変化させてはならない。
【0051】
幾つかの実施形態では、第1のリボン部分501は、進行方向154と同じ方向であってよい第1の力方向511に沿って1つ以上のエンドエフェクタ305に力を加えてよい。第1のリボン部分501が第1の力方向511に沿って力を加えるとき、リボン速度507は第1のロボット速度505よりも大きくてよく、これによって、第1のリボン部分501は、1つ以上のエンドエフェクタ305よりも高速に進行していてよい。リボン速度507と第1のロボット速度505との間のこの差異を補償するためには、第2のロボット速度509が第2のロボット速度509よりも大きくて(例えば高速であって)よく、これによって、第2のロボット速度509をリボン速度507により正確に合致させることができる。幾つかの実施形態では、第1のリボン部分501は、第1の力方向511および進行方向154と逆向きであり得る第2の力方向513に沿って1つ以上のエンドエフェクタ305に力を加えてよい。第1のリボン部分501が第2の力方向513に沿って力を加えるとき、リボン速度507は第1のロボット速度505よりも小さくてよく、これによって、第1のリボン部分501は、1つ以上のエンドエフェクタ305よりも低速に移動していてよい。リボン速度507と第1のロボット速度505との間のこの差異を補償するために、第2のロボット速度509は第2のロボット速度509よりも小さくて(例えば緩速であって)よく、これによって、第2のロボット速度509をリボン速度507により正確に合致させることができる。
【0052】
幾つかの実施形態では、ガラスリボン103を成形するための方法は、力の大きさが所定の値の範囲内にあるときに、リボン速度507をロボット速度(例えば、第1のロボット速度505または第2のロボット速度509)に相関させることによってリボン速度507を定量化することを含んでいてよい。例えば、幾つかの実施形態では、1つ以上のエンドエフェクタ305のロボット速度(例えば、第1のロボット速度505または第2のロボット速度509)が、第1のリボン部分501のリボン速度507に実質的に合致している場合には、第1のリボン部分501と1つ以上のエンドエフェクタ305との間の相対運動が無視できる程度のものとなり、これによって、第1の力がゼロまたはゼロに近い値になり得る。幾つかの実施形態では、第1の力がゼロまたはゼロに近い値である場合、第1の力の大きさは所定の値の範囲内にあり得る。こうして、所定の値の範囲内の第1の力の大きさによって、ロボット速度(例えば、第1のロボット速度505または第2のロボット速度509)がリボン速度507に実質的に合致していると見なすことができる。第1のコントローラ415が動作命令413をロボットアーム303に送信するため、ロボット速度、例えば、ロボット速度の大きさは既知の量であってよい。したがって、リボン速度507をロボット速度(例えば、第1のロボット速度505または第2のロボット速度509)に相関させる、例えば、既知のロボット速度をリボン速度507に割り当てることによって、リボン速度507を定量化することができる。
【0053】
幾つかの実施形態では、第1の力の大きさが所定の値を上回ると、第1のリボン部分501と1つ以上のエンドエフェクタ305との間に相対運動が存在し、これによって、第1の力を無視できなくなってしまうことがある。幾つかの実施形態では、相対運動によって、第1の力の大きさが所定の値を上回ってしまうことがある。第1の力の大きさが所定の値を上回っていると、ロボット速度がリボン速度507と異なっていると見なすことができる。こうして、ロボット速度がリボン速度507に実質的に合致するように変化させられ、これによって、第1の力の大きさが所定の値の範囲内に存在するようになるまで、リボン速度507を定量化することができなくなってしまうことがある。
【0054】
幾つかの実施形態では、リボン速度507を定量化することは、平均リボン速度または瞬時リボン速度のうちの1つ以上を決定することを含んでいてよい。例えば、幾つかの実施形態では、リボン速度507を定量化することは、第1のリボン部分501への1つ以上のエンドエフェクタ305の(例えば図4に示した)係合から、ガラスリボン501の第2のリボン部分503からの第1のリボン部分501の(例えば図7に示した)分離までの期間中の平均リボン速度を決定することを含んでいてよい。例えば、この平均リボン速度は、式(1):
【0055】
【数1】
【0056】
によって表すことができる。
【0057】
式(1)中、P(tstart)は、1つ以上のエンドエフェクタ305が第1のリボン部分501に最初に係合するときの第1のリボン部分501の位置を表すことができる。P(tend)は、第1のリボン部分501が第2のリボン部分503から分離されるとき(例えば図7に示した)の第1のリボン部分501の位置を表すことができる。これによって、式(1)の分子(例えばP(tend)-P(tstart))は、1つ以上のエンドエフェクタ305が第1のリボン部分501に最初に係合する時点から、第1のリボン部分501が第2のリボン部分503から分離される時点までに第1のリボン部分501が進行した距離を表すことができる。幾つかの実施形態では、tstartが、1つ以上のエンドエフェクタ305が第1のリボン部分501に最初に係合する時点を表すことができるのに対して、tendは、第1のリボン部分501が第2のリボン部分503から分離される時点を表すことができる。これによって、式(1)の分母(例えばtend-tstart)は、1つ以上のエンドエフェクタ305が第1のリボン部分501に最初に係合するときから、第1のリボン部分501が第2のリボン部分503から分離されるまでの間に経過した時間を表すことができる。こうして、第1のリボン部分501の平均リボン速度を、例えば、1つ以上のエンドエフェクタ305が第1のリボン部分501に最初に係合するときから、第1のリボン部分501が第2のリボン部分503から分離されるまでの第1の動作サイクル中に決定することができる。
【0058】
付加的または代替的に、幾つかの実施形態では、リボン速度を定量化することは、約2ミリ秒(ms)未満、約1ミリ秒未満等であってよいサンプリング期間中の瞬時リボン速度を決定することを含んでいてよい。例えば、この瞬時リボン速度は、サンプリング期間の範囲内のガラスリボン103の実時間リボン速度を含んでいてよい。幾つかの実施形態では、瞬時リボン速度は、式(2):
【0059】
【数2】
【0060】
によって表すことができる。
【0061】
式(2)中、Δtは、約2ミリ秒未満であってよいサンプリング期間を表すことができる。P(t)が、時点tでの第1のリボン部分501の位置を表すことができるのに対して、P(t+Δt)は、時点t+Δtでの、言い換えると、サンプリング期間が経過した後の第1のリボン部分501の位置を表すことができる。例えば、式(2)の分子(例えばP(t+Δt)-P(t))は、第1のリボン部分501が、約2ミリ秒未満、約1ミリ秒未満等であってよいサンプリング期間Δt中に進行した距離を表すことができる。幾つかの実施形態では、サンプリング期間は、約1ミリ秒~約2ミリ秒の範囲内にあってよい。式(2)の分母Δtは、例えばサンプリング期間を経過した時間を表すことができる。こうして、第1のリボン部分501の瞬時リボン速度をサンプリング期間中に決定することができる。
【0062】
幾つかの実施形態では、ガラスリボン103を成形するための方法は、リボン速度507に基づきガラスリボン103のパラメータを調整することを含んでいてよい。例えば、幾つかの実施形態では、リボン速度507が既知になる(例えば、平均リボン速度および/または瞬時リボン速度)と、リボン速度507を補償するために、ガラスリボン103のパラメータが調整されてよい。例えば、リボン速度507が目標リボン速度未満である場合には、パラメータを調整するステップが、ガラスリボン103の第1のリボン部分501と第2のリボン部分503との一定の長さを維持することを含んでいてよい。リボン速度507が目標リボン速度未満であるため、より遅いリボン速度507を補償するために、第2のリボン部分503からの第1のリボン部分501の分離が遅延させられ、これによって、第1のリボン部分501の長さを分離前により長くすることが可能となる。リボン速度507が目標リボン速度よりも速い場合には、第2のリボン部分503からの第1のリボン部分501の分離がより早期に行われ、これによって、第1のリボン部分501の長さを分離前により短くすることが可能となる。幾つかの実施形態では、調整されてよい付加的なパラメータは、例えば、ガラスリボン103の局所的な加熱、ガラスリボン103の化学的性質の変化等を含んでいてよい。幾つかの実施形態では、第2のリボン部分503は、この第2のリボン部分503の長さが第1のリボン部分501の長さに合致するように、ガラスリボン103の上流側の部分から分離されてよい。したがって、幾つかの実施形態では、第1のリボン部分501と第2のリボン部分503との一定の長さを維持することができる。幾つかの実施形態では、第1のリボン部分501および/または第2のリボン部分503の長さは、第1のリボン部分501および/または第2のリボン部分503の幅にわたって調整されてよい。例えば、幾つかの実施形態では、第1のリボン部分501および/または第2のリボン部分503(例えば、およびガラスリボン103の別のリボン部分)の長さは、第1の外縁153に沿って、第2の外縁155に沿ってかつ/または第1の外縁153と第2の外縁155との間の位置において調整されてよい。幾つかの実施形態では、リボン部分(例えば、第1のリボン部分501、第2のリボン部分503等)の長さを変化させることおよび/または維持することは、プロセスパラメータの変更、例えば、引張りロールアセンブリ158の直径、ガラスセパレータ149の速度等の変更に基づき行われてよい。
【0063】
図6を参照すると、幾つかの実施形態では、分離プロセスの一部として、ガラスリボン103に筋入れ線601が形成されてよい。例えば、第1のリボン部分501を第2のリボン部分503から分離するために、ガラスセパレータ149が、第2の主面216に筋入れ線601を形成してよいが、付加的または代替的に、この筋入れ線601は、第1の主面215に形成されてよい。幾つかの実施形態では、筋入れ線601は、第1のリボン部分501と第2のリボン部分503との間の境界を規定していてよい。例えば、第1のリボン部分501が、筋入れ線601の一方の側に位置していてよいのに対して、第2のリボン部分503は、筋入れ線601の反対の側に位置していてよい。
【0064】
図6図7を参照すると、幾つかの実施形態では、ガラスリボン103を成形するための方法は、速さを変化させる前に、ガラスリボン103の第1のリボン部分501をガラスリボン103の第2のリボン部分503から分離することを含んでいてよい。例えば、図7に示したように、第1の動作サイクルは、ロボットアーム303を操作して、1つ以上のエンドエフェクタ305を移動させ、第1のリボン部分501をガラスリボン103の残り部分、例えば第2のリボン部分503に対して相対的に曲げることを含んでいてよい。幾つかの実施形態では、1つ以上のエンドエフェクタ305は、第1のリボン部分501を筋入れ線601の所でx軸を中心として、例えば、x軸を中心として反時計回りに旋回させてよい。第1のリボン部分501を筋入れ線601の所で第2のリボン部分503に対して相対的に旋回させることによって、第1のリボン部分501を第2のリボン部分503から分離させることができる。幾つかの実施形態では、第1のリボン部分501は、第2のリボン部分503から離れるとともに第2のリボン部分503が進行する進行経路221から離れる分離方向701に移動させられてよい。幾つかの実施形態では、ロボットアーム303は、第1のリボン部分501を別の領域に移動させて、第1のリボン部分501を1つ以上のエンドエフェクタ305から解放し、これによって、1つ以上のエンドエフェクタ305を第1のリボン部分501から係合解除することができる。
【0065】
幾つかの実施形態では、ロボットアーム303は、第1の動作サイクルの期間、例えば、第1のリボン部分501への1つ以上のエンドエフェクタ305の係合で始まり、第2のリボン部分503からの第1のリボン部分501の分離で終わる期間にわたって、第1のロボット速度505で移動してよい。第1の動作サイクルの期間にわたって第1のロボット速度505で移動することによって、ガラスリボン103を成形するための方法は、例えば、第1のリボン部分501への1つ以上のエンドエフェクタ305の係合から、第2のリボン部分503からの第1のリボン部分501の分離までの期間中の第1の動作サイクルを通じて、1つ以上のエンドエフェクタ305の速さを第1のロボット速度505に維持することを含んでいてよい。1つ以上のエンドエフェクタ305の速さを維持して、速さを変化させる前に第1のリボン部分501を分離することによって、第1の動作サイクル中、(例えば図5に示した)第2のロボット速度509に変化することなく、1つ以上のエンドエフェクタ305を第1のロボット速度505に保つことができる。
【0066】
幾つかの実施形態では、センサ405により検出された力の大きさが所定の値の範囲内にあるため、1つ以上のエンドエフェクタ305の速さは、第1のロボット速度505に維持されてよい。例えば、第1のロボット速度505がリボン速度507と実質的に同じである場合には、センサ405により検出された力は、ゼロまたはゼロに近い値であってよく、ひいては、力の大きさは、所定の値の範囲内にあってよい。しかしながら、幾つかの実施形態では、1つ以上のエンドエフェクタ305の速さは、センサ405により検出された力に左右されることなく、第1の動作サイクル中、第1のロボット速度505に維持されてよい。例えば、センサ405により検出された力の大きさが所定の値を上回ったとしても、第1の動作サイクル中、1つ以上のエンドエフェクタ305を第1のロボット速度505に維持することが有益となり得る。このことは、一部、データ取得および計算能力に対する要求の低下に因るものであってよい。例えば、第1の動作サイクル中に第1のロボット速度505を第2のロボット速度509に変化させないことによって、第1のコントローラ415からロボットアーム303への(例えば、更新された動作命令413の形態での)データ伝送を低減させることができる。さらに、動作命令413を発生させるための要求の低下に因り、計算能力も同じく低下させることができる。したがって、幾つかの実施形態では、制御アセンブリ409は、センサ405により検出された力の大きさが所定の値を上回ることに応答して、ロボット速度を第1の動作サイクル中に実時間で(例えば図5に関して記載したように)第1のロボット速度505から第2のロボット速度509に変化させてよい。しかしながら、別の実施形態では、制御アセンブリ409は、センサ405により検出された力の大きさが所定の値を上回ったとしても、第1の動作サイクル中にロボット速度を第1のロボット速度505に維持してよい。幾つかの実施形態では、制御アセンブリ409が第1の動作サイクル中にロボット速度を変化させるかどうかに左右されることなく、制御アセンブリ409は、第1の動作サイクルを通じて力データ411を受け取り、この力データ411を、例えばメモリに格納してよい。格納されてよい力データ411は、例えば、センサ405により検出された力、1つ以上のエンドエフェクタ305の速度(例えば、第1のロボット速度505、第2のロボット速度509等)、ロボット速度でセンサ405により検出された力に基づき推定されるリボン速度507、瞬時リボン速度、平均リボン速度等のうちの1つ以上を含んでいてよい。
【0067】
図8を参照すると、幾つかの実施形態では、ガラスリボン103を成形するための方法は、第2のリボン部分503への係合前に第1のリボン部分501を分離する(例えば図7に示した)ことを含んでいてよい。例えば、第1のリボン部分501が第2のリボン部分503から分離されると、1つ以上のエンドエフェクタ305は、第1のリボン部分501から係合解除されてよい。幾つかの実施形態では、ガラスリボン103を成形するための方法は、1つ以上のエンドエフェクタ305の速さを変化させる前に、ガラスリボン103の第2のリボン部分503に係合させることを含んでいてよい。例えば、幾つかの実施形態では、制御アセンブリ409は、センサ405により検出された力の大きさが所定の値を上回ったとしても、第1の動作サイクル中、ロボット速度を第1のロボット速度505に維持してよい。第1のリボン部分501が第2のリボン部分503から分離されてよい第1の動作サイクルの終了後、1つ以上のエンドエフェクタ305は、第2のリボン部分503に係合してよい。例えば、1つ以上のエンドエフェクタ305は、(例えば、図4に示したように、ロボットアーム303が1つ以上のエンドエフェクタ305を係合方向425に移動させる)第1のリボン部分501に係合する1つ以上のエンドエフェクタ305と実質的に同様に、第2のリボン部分503に係合してよい。幾つかの実施形態では、ガラスリボン103を成形するための方法は、第1の動作サイクル後、1つ以上のエンドエフェクタ305を第2のリボン部分503に係合させることを含んでいてよい。第2のリボン部分503への1つ以上のエンドエフェクタ305の係合は、第2のリボン部分503が第3のリボン部分801から分離されるまで続いてよい第2の動作サイクルの開始を表すことができる。
【0068】
幾つかの実施形態では、1つ以上のエンドエフェクタ305の速さは、第2の動作サイクルの開始前に(例えば第1のロボット速度505から)第2のロボット速度509に変化させられてよい。例えば、第1の動作サイクル中、第1のコントローラ415は、センサ405から力データ411を受け取ってよい。この力データ411は、(例えば図4図7に示した)第1のリボン部分501によって1つ以上のエンドエフェクタ305に加えられた第1の力を示している。この第1の力の大きさが、第1の動作サイクルの期間にわたって所定の値の範囲内にある場合には、(例えば図5図7に示した)第1のロボット速度505は、リボン速度507と実質的に同じであってよい。しかしながら、第1の力の大きさが、第1の動作サイクル中に所定の値を上回った場合には、(例えば図5図7に示した)第1のロボット速度505は、リボン速度507と異なっている。幾つかの実施形態では、第1の力は、速度のこの差を示すことがあり、これによって、第2のコントローラ417が、第1の力を処理しかつ/または分析して、第1のロボット速度505に対する補正を決定することができる。例えば、第2のコントローラ417は、第1の力に基づき、第1のロボット速度505に対する補正を含んでいてよい第2のロボット速度509を発生させて、この第2のロボット速度509を調整データ419として第1のコントローラ415に送信してよい。これに応答して、この第1のコントローラ415は、第2のロボット速度509を含んでいてよい動作命令413をロボットアーム303に送信してよい。幾つかの実施形態では、ロボットアーム303は、次いで、第2の動作サイクルの期間にわたって1つ以上のエンドエフェクタ305を第2のロボット速度509で移動させてよい。こうして、幾つかの実施形態では、ガラスリボン103を成形するための方法は、第1の力に基づき、1つ以上のエンドエフェクタ305の速さを(例えば図5図7に示した)第1のロボット速度505から第2のロボット速度509に変化させることと、第2の動作サイクル中、1つ以上のエンドエフェクタ305を第2のロボット速度509で進行方向154に移動させることとを含んでいてよい。幾つかの実施形態では、第2のロボット速度509とリボン速度507との間の差は、第1のロボット速度505とリボン速度507との間の差よりも小さくてよい。
【0069】
幾つかの実施形態では、ガラスリボン103を成形するための方法は、第2の動作サイクル中に第2のリボン部分503によって1つ以上のエンドエフェクタ305に加えられた第2の力を検出することを含んでいてよい。例えば、第2の力を検出することは、(例えば図5に関して示しかつ記載した)第1の力を検出することと実質的に同じであってよい。幾つかの実施形態では、第2のロボット速度509とリボン速度507とは、例えば、(例えば進行方向154に沿って)互いに同じ大きさと同じ方向とを有していることによって、実質的に同じであってよい。第2のロボット速度509とリボン速度507とが、互いに実質的に同じである場合、第2のリボン部分503と1つ以上のエンドエフェクタ305とは、互いに同じ経路に沿って同じ速度で進行していてよい。こうして、検出されてよい第2の力は、ゼロまたはゼロに近い値であってよい。幾つかの実施形態では、第2の力の大きさが所定の値を上回った場合には、1つ以上のエンドエフェクタ305の第2のロボット速度509は、第1のロボット速度505から第2のロボット速度509への変化と同様に(例えば第3の速度に)変化させられてよい。
【0070】
図9を参照すると、幾つかの実施形態では、ガラスリボン103を成形するための方法は、第3のリボン部分801への係合前に、第2のリボン部分503を第3のリボン部分801から分離することを含んでいてよい。例えば、第2のリボン部分503は、第2のリボン部分503からの第1のリボン部分501の取除き方(例えば図7に示した)と実質的に同様に取り除かれてよい。例えば、ガラスセパレータ149が、ガラスリボン103、例えば、第2の主面216および/または第1の主面215に筋入れ線901を形成してよい。幾つかの実施形態では、この筋入れ線901は、第2のリボン部分503と第3のリボン部分801との間の境界を規定していてよい。例えば、第2のリボン部分503が、筋入れ線901の一方の側に位置していてよいのに対して、第3のリボン部分801は、筋入れ線901の反対の側に位置していてよい。幾つかの実施形態では、第2の動作サイクル中、ロボットアーム303が操作されて、1つ以上のエンドエフェクタ305を移動させ、第2のリボン部分503をガラスリボン103の残り部分、例えば第3のリボン部分801に対して相対的に曲げてよい。幾つかの実施形態では、1つ以上のエンドエフェクタ305は、第2のリボン部分503を筋入れ線901の所でx軸を中心として、例えばx軸を中心として反時計回りに旋回させてよい。第2のリボン部分503を筋入れ線901の所で第3のリボン部分801に対して相対的に旋回させることによって、第2のリボン部分503を第3のリボン部分801から分離させることができる。
【0071】
幾つかの実施形態では、ガラスリボン103を成形するための方法は、第2のリボン部分503への1つ以上のエンドエフェクタ305の係合から、第3のリボン部分801からの第2のリボン部分503の分離までの期間中の第2の動作サイクルを通じて、1つ以上のエンドエフェクタ305の速さを第2のロボット速度509に維持することを含んでいてよい。例えば、1つ以上のエンドエフェクタ305の速さを第2の動作サイクルを通じて第2のロボット速度509に維持することは、第1の動作サイクル中に1つ以上のエンドエフェクタ305の速さを(例えば図5図7に示した)第1のロボット速度505に維持することと実質的に同じであってよい。幾つかの実施形態では、センサ405により検出された第2の力の大きさが所定の値の範囲内にあるため、1つ以上のエンドエフェクタ305の速さは、第2のロボット速度509に維持されてよい。第2の力が所定の値の範囲内にある場合には、第2のロボット速度509の大きさは、リボン速度507と実質的に同じであってよい。しかしながら、幾つかの実施形態では、1つ以上のエンドエフェクタ305の速さは、センサ405により検出された力に左右されることなく、第2の動作サイクル中、第2のロボット速度509に維持されてよい。例えば、データ取得および計算能力に対する要求を低下させるために、制御アセンブリ409は、センサ405により検出された第2の力の大きさが所定の値を上回ったとしても、ロボット速度を第2の動作サイクル中に実時間で第2のロボット速度509から第3のロボット速度に変化させてはならない。幾つかの実施形態では、第2のロボット速度509が第2の動作サイクルを通じて維持されるとしても、制御アセンブリ409は、第2の動作サイクルを通じて力データ411を受け取り、この力データ411を、例えばメモリに格納してよい。
【0072】
図10を参照すると、幾つかの実施形態では、ガラスリボン103を成形するための方法は、第2の動作サイクル後、ガラスリボン103の第3のリボン部分に1つ以上のエンドエフェクタ305を係合させることを含んでいてよい。例えば、幾つかの実施形態では、第2のリボン部分503が第3のリボン部分801から分離されてよい第2の動作サイクルの終了後、1つ以上のエンドエフェクタ305は、第2のリボン部分503から係合解除されて、第3のリボン部分801に係合してよい。1つ以上のエンドエフェクタ305は、第1のリボン部分501および/または第2のリボン部分503に係合する1つ以上のエンドエフェクタ305と実質的に同様に、第3のリボン部分801に係合してよい。この第3のリボン部分801への1つ以上のエンドエフェクタ305の係合は、第3のリボン部分801がガラスリボン103の別の部分(例えば第4のリボン部分)から分離されるまで続いてよい第3の動作サイクルの開始を表すことができる。
【0073】
幾つかの実施形態では、ガラスリボン103を成形するための方法は、(例えば、図4図7に示した第1の動作サイクル中に1つ以上のエンドエフェクタ305に加えられた)第1の力または(例えば、図7図9に示した第2の動作サイクル中に1つ以上のエンドエフェクタ305に加えられた)第2の力のうちの1つ以上に基づき、1つ以上のエンドエフェクタ305の速さを(例えば図5図9に示した)第2のロボット速度509から第3の速度1001に変化させることと、第3の動作サイクル中に1つ以上のエンドエフェクタ305を第3のロボット速度1001で進行方向154に移動させることとを含んでいてよい。例えば、幾つかの実施形態では、第2のロボット速度509から第3のロボット速度1001への1つ以上のエンドエフェクタ305の速さは、直近の動作サイクル、例えば、第2の動作サイクルからの力データ411に基づき変化させられてよい。幾つかの実施形態では、第2の動作サイクル中に検出された第2の力の大きさが所定の値を上回った場合、第2のロボット速度509は、リボン速度507と異なっている。第2の力は、速度のこの差を示すことがあり、これによって、第2のコントローラ417が、第2の力を処理しかつ/または分析して、第2のロボット速度509に対する補正を決定することができる。例えば、第2のコントローラ417は、第2のロボット速度509に対する補正を含んでいてよい第3のロボット速度1001を発生させてよい。この第3のロボット速度1001は、調整データ419として第1のコントローラ415に送信されてよく、これに応答して、この第1のコントローラ415は、動作命令413をロボットアーム303に送信してよい。ロボットアーム303は、次いで、第3の動作サイクルの期間にわたって1つ以上のエンドエフェクタ305を第3のロボット速度1001で移動させてよい。
【0074】
幾つかの実施形態では、1つ以上のエンドエフェクタ305の速さを第2のロボット速度509から第3のロボット速度1001に変化させることは、直近の動作サイクルからの力データ411に基づくことに限定されるものではない。むしろ、幾つかの実施形態では、速さは、第1の動作サイクル中に検出された第1の力と、第2の動作サイクル中に検出された第2の力との組合せに基づき変化させられてよい。例えば、幾つかの実施形態では、第2のコントローラ417は、第2のロボット速度509に対する補正を決定するために、例えば、第1の力と第2の力とを平均することによって第1の力と第2の力とを組み合わせてよい。第2のコントローラ417は、次いで、第1のコントローラ415によって動作命令413を介してロボットアーム303に伝送されてよい第3のロボット速度1001を発生させてよい。
【0075】
図11には、制御アセンブリ409によって実行されてよい制御を表す例示的な制御図1101または制御アーキテクチャが示してある。幾つかの実施形態では、ユーザは、まず、ユーザ入力データ421を制御アルゴリズム1103に入力してよい。この制御アルゴリズム1103は、センサ405からの力データをユーザ入力データ421と比較してよい。センサ405により検出された力の大きさと、ユーザ入力データ421との間の差に基づき、制御アルゴリズム1103は、ロボットアーム303の動作を制御してよいロボットコントローラ1105に対する動作命令1104を生成してよい。センサ405は、ガラスリボン103によって1つ以上のエンドエフェクタ305に加えられた力を検出し、力データ411をフィルタ1107に送信してよく、その後、力データ411の信号フィルタリングが実施されてよい。幾つかの実施形態では、力データ411は、次いで、格納用のメモリ1109に伝送されてよい。例えば、このメモリ1109は、動作サイクルの一部または全て、例えば、第1の動作サイクル、第2の動作サイクル等に対する力データを格納してよい。幾つかの実施形態では、動作サイクルからの格納された力データは、制御アルゴリズム1103に送信されてよく、その後、制御アルゴリズム1103は、力データを所定の値と比較し、したがって、動作命令1104を更新してよい。
【0076】
幾つかの実施形態では、制御アルゴリズム1103は、式(3):
【0077】
【数3】
【0078】
によって表すことができる。
【0079】
式(3)中、tは、1つの動作サイクル内のサンプリングされた時系列を表すことができ、Δyk-1(t)は、(例えば動作サイクル中の)所望の力分布と、センサ405により検出された実際の力分布yk-1との間の差を表すことができる。Φは、因果的であってもよいし、非因果的であってもよい更新則を表すことができる。例えば、この更新則はΦ=-αであってよく、このΦ=-αは、アルゴリズムの有効性を評価することができる。この反復学習制御アルゴリズムを使用することによって、初期のユーザ入力データ421は、正確であってもよいし、正確でなくてもよい。むしろ、幾つかの実施形態では、制御アルゴリズム1103は、1つ以上のエンドエフェクタ305に対する力を検出して、1つ以上のエンドエフェクタ305を調整することによって、ユーザ入力データ421における不正確さを補償することができる。したがって、時間が経つにつれ、制御アルゴリズム1103が、所望の力分布と実際の力分布との間の誤差を減少させることになる。
【0080】
図12には、所定の動作サイクルにわたる時間とセンサ405により検出された力との間の関係が示してある。x軸(例えば横軸)が、時間を(例えば秒で)表しているのに対して、y軸(例えば縦軸)は、センサ405により検出された力を(例えばニュートン「N」で)表している。第1の線1201は、第1の動作サイクルにわたる時間と検出された力とを表している。第2の線1203は、第1の動作サイクルに続く第2の動作サイクルにわたる時間と検出された力とを表している。第3の線1205は、第2の動作サイクルに続く第3の動作サイクルにわたる時間と検出された力とを表している。第4の線1207は、第3の動作サイクルに続く第4の動作サイクルにわたる時間と検出された力とを表している。幾つかの実施形態では、第1の動作サイクルは、サイクル中に行われる調整または補正なしで行われる。第1の動作サイクル後、第1の動作サイクル中に検出された力に基づき、1つ以上のエンドエフェクタ305の速さおよび経路に対する調整が行われる。第2の線1203により表した第2の動作サイクルは、第1の動作サイクルからの調整に基づく経路に追従する。第2の動作サイクル後、第2の動作サイクル中に検出された力に基づき、1つ以上のエンドエフェクタ305の速さおよび経路に対する別の調整が行われる。第3の線1205により表した第3の動作サイクルは、第2の動作サイクルからの調整に基づく経路に追従する。第3の動作サイクル後、第3の動作サイクル中に検出された力に基づき、1つ以上のエンドエフェクタ305の速さおよび経路に対する別の調整が行われる。第4の線1207により表した第4の動作サイクルは、第3の動作サイクルからの調整に基づく経路に追従する。
【0081】
幾つかの実施形態では、第1の線1201により表した第1の動作サイクルは、最大の力差を被り、この力差は、時間が経つにつれ、0秒での約-15Nから401秒での約-60Nまで増大する。第2の線1203により表した第2の動作サイクルは、第2の最大の力差を被り、この力差は、時間が経つにつれ、0秒での約-15Nから401秒での約-35Nまで増大する。第3の線1205により表した第3の動作サイクルは、第3の最大の力差を被り、この力差は、時間が経つにつれ、0秒での約-15Nから401秒での約-20Nまで増大する。第4の線1207により表した第4の動作サイクルは、最小の力差を被り、この力差は、時間が経つにつれ、0秒での約-15Nから401秒での約-5Nまで増大する。したがって、各々の動作サイクル後、1つ以上のエンドエフェクタ305の速さおよび経路に対する補正を、直近に終了した動作サイクル中に検出された力に基づき行うことができる。各々の後続の動作サイクルは、より小さな力差を達成することができ、これによって、図11の制御アルゴリズム1103が、1つ以上のエンドエフェクタ305の速さおよび/または経路を改善して、ガラスリボン103の速さおよび/または経路により正確に合致させることができることを示すことができる。
【0082】
ガラス製造装置100は、数多くの利点を提供することができる。例えば、1つ以上のエンドエフェクタ305の速さおよび/または経路を、実時間においてではなく、所定の動作サイクル後に調整することによって、データ取得および計算能力に対する要求を低下させることができるのに対して、1つ以上のエンドエフェクタ305とガラスリボン103との間の力の減少における改善をいっそう改善することができる。さらに、センサ405により検出された力の大きさが所定の値の範囲内にあるときに、リボン速度507をロボット速度(例えば、第1のロボット速度505、第2のロボット速度509等)に相関させることによって、リボン速度507を定量化することができる。リボン速度507の大きさが既知になると、このリボン速度507を補償するように、ガラスリボン103のパラメータ、例えば、ガラスリボン103の長さを調整することができ、これによって、ガラスリボン103のリボン部分が、それぞれ同じ長さを有することができる。幾つかの実施形態では、リボン速度507は、時間が経つにつれ、例えば、引張りロールアセンブリ158の摩耗および引張りロールアセンブリ158の直径の徐々の減少により変化してしまうことがある。リボン速度507のこういった変化は、制御アセンブリ409によって補償することができ、これによって、1つ以上のエンドエフェクタ305とガラスリボン103との合致した速さおよび/または進行経路を提供することができる。さらに、幾つかの実施形態では、センサ405により検出された力を、所定の値を上回る値から所定の値の範囲内にある値まで減少させるための時間を、例えば数秒以内へと速めることができる。例えば、数秒もかけずに、センサ405は、力の大きさが所定の値を上回っていることを検出することができ、これによって、1つ以上のエンドエフェクタ305の速さまたは経路に対する調整を生じさせることができ、これによって、力をほぼゼロ(例えば所定の値の範囲内)に戻すことを提供することができる。
【0083】
本明細書に記載した実施形態および機能的な動作は、本明細書に開示した構造およびその構造的な等価物を含むデジタル電子回路、またはコンピュータソフトウェア、ファームウェアもしくはハードウェア、またはこれらのうちの1つ以上の組合せにおいて実施されてよい。本明細書に記載した実施形態は、1つ以上のコンピュータプログラム製品、つまり、データ処理装置による実行のためのまたはデータ処理装置の動作を制御するための有形のプログラム担体に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールとして実施されてよい。有形のプログラム担体はコンピュータ可読媒体であってよい。このコンピュータ可読媒体は、機械可読ストレージデバイス、機械可読ストレージ基板、メモリデバイスまたはこれらのうちの1つ以上の組合せであってよい。
【0084】
「プロセッサ」または「コントローラ」という用語は、例として、プログラマブルプロセッサ、コンピュータまたはマルチプロセッサもしくはマルチコンピュータを含む、データを処理するための全ての装置、デバイスおよび機械を含んでいてよい。プロセッサは、ハードウェアに加えて、当該のコンピュータプログラム用の実行環境を作成するためのコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステムまたはこれらのうちの1つ以上の組合せを構成するコードを含んでいてよい。
【0085】
(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプトまたはコードとしても知られている)コンピュータプログラムは、コンパイラ型言語もしくはインタプリタ型言語または宣言型言語もしくは手続き型言語を含む任意の形態のプログラミング言語で記述されてよく、スタンドアロンプログラムまたはモジュール、コンポーネント、サブルーチンもしくは計算環境での使用に適した別のユニットを含む任意の形態でデプロイされてよい。コンピュータプログラムは、ファイルシステム内のファイルに必ずしも対応しない。プログラムは、別のプログラムもしくはデータを保持するファイル(例えば、マークアップ言語文書に格納された1つ以上のスクリプト)の一部、当該のプログラム専用の単一のファイル、または複数の協調ファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラムまたはコード部分を格納したファイル)に格納されてよい。コンピュータプログラムは、1つのサイトに位置するかまたは複数のサイトにわたって分散されて、通信ネットワークにより相互接続された1つのコンピュータまたは複数のコンピュータで実行されるようにデプロイ可能である。
【0086】
本明細書に記載したプロセスは、入力データにつき演算を行い、出力を生成することによって機能を実行するための1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラマブルプロセッサによって実行されてよい。プロセスおよび論理のフローが、専用論理回路、幾つかの例を挙げると、例えばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)によって実行されてもよいし、装置がこういった専用論理回路として実装されてもよい。
【0087】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例として、汎用マイクロプロセッサおよび専用マイクロプロセッサの両方と、任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサとを含んでいる。概して、プロセッサは、リードオンリーメモリもしくはランダムアクセスメモリまたはその両方から命令およびデータを受け取る。コンピュータの本質的な要素は、命令を実行するためのプロセッサならびに命令およびデータを格納するための1つ以上のデータメモリデバイスである。概して、コンピュータは、データを格納するための1つ以上の大容量ストレージデバイス、例えば磁気ディスク、光磁気ディスクもしくは光ディスクを含んでいてもよいし、大容量ストレージデバイスからデータを受け取るかまたは大容量ストレージデバイスにデータを転送するかもしくはその両方のために動作接続されていてもよい。しかしながら、コンピュータは、このようなデバイスを有している必要はない。さらに、コンピュータは、別のデバイス、例えば、ほんの幾つかの例を挙げると、携帯電話機、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)に組み込まれていてよい。
【0088】
コンピュータプログラム命令およびデータを格納するために適したコンピュータ可読媒体は、例として、半導体メモリデバイス、例えば、EPROM、EEPROMおよびフラッシュメモリデバイス、磁気ディスク、例えば内部ハードディスクまたはリムーバブルディスク、光磁気ディスクおよびCD ROMおよびDVD-ROMディスクを含む不揮発性メモリ、媒体およびメモリデバイスを含む全ての形態のデータメモリを含んでいる。プロセッサおよびメモリは、専用論理回路によって補完されてもよいし、専用論理回路に組み込まれてもよい。
【0089】
ユーザとのインタラクションを提供するために、本明細書に記載した実施形態は、ユーザに対して情報を表示するためのディスプレイデバイス、例えば、CRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタおよびこれに類するものと、ユーザがコンピュータに入力を提供することができるキーボードおよびポインティングデバイス、例えばマウスもしくはトラックボールまたはタッチスクリーンとを備えたコンピュータで実施されてよい。また、ユーザとのインタラクションを提供するために、別の種類のデバイスが使用されてもよく、例えば、ユーザからの入力は、音響入力、音声入力または触覚入力を含む任意の形態で受け取られてよい。
【0090】
本明細書に記載した実施形態は、例えばデータサーバとしてのバックエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム、または例えばアプリケーションサーバとしてのミドルウェアコンポーネントを含むコンピューティングシステム、または例えばユーザが、本明細書に記載した主題の構成とインタラクションすることができるグラフィカルユーザインタフェースもしくはウェブブラウザを備えたクライアントコンピュータとしてのフロントエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム、または1つ以上のこのようなバックエンド、ミドルウェアまたはフロントエンドコンポーネントの任意の組合せで実施されてよい。システムのコンポーネントは、任意の形態または媒体のデジタルデータ通信、例えば通信ネットワークによって相互接続可能である。通信ネットワークの実施形態は、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)およびワイドエリアネットワーク(「WAN」)、例えばインターネットを含んでいる。
【0091】
コンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバを含んでいてよい。クライアントおよびサーバは、一般的には、互いに遠隔であり、典型的には、通信ネットワークを介してインタラクションする。クライアントとサーバとの関係は、各々のコンピュータで実行される、クライアントとサーバとの相互関係を含んだコンピュータプログラムのため発生する。
【0092】
様々な実施形態をその例示的かつ具体的な特定の例に関して詳細に説明してきたが、当然ながら、本開示は、以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、開示した特徴の多数の変更および組合せが可能であるため、このような例に限定されると考えるべきではない。
【0093】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0094】
実施形態1
ガラスリボンを成形するための方法であって、
前記ガラスリボンを進行経路に沿って進行方向に所定のリボン速度で移動させるステップと、
前記ガラスリボンに、ロボットアームに取り付けられたエンドエフェクタを係合させるステップと、
前記エンドエフェクタを前記進行方向に第1のロボット速度で移動させるステップと、
前記エンドエフェクタに前記ガラスリボンにより加えられた力を検出するステップと、
前記力の大きさが所定の値を上回ったときに、前記第1のロボット速度から第2のロボット速度に前記エンドエフェクタの速さを変化させるステップと
を含む、方法。
【0095】
実施形態2
前記速さを変化させるステップの前に、前記ガラスリボンの第1のリボン部分を前記ガラスリボンの第2のリボン部分から分離するステップをさらに含む、実施形態1記載の方法。
【0096】
実施形態3
前記速さを変化させるステップの前に、前記ガラスリボンの前記第2のリボン部分に係合させるステップをさらに含む、実施形態2記載の方法。
【0097】
実施形態4
前記第1のリボン部分に前記エンドエフェクタを係合させるステップから、前記第1のリボン部分を前記第2のリボン部分から分離するステップまでの期間中、前記エンドエフェクタの前記速さを前記第1のロボット速度に維持するステップをさらに含む、実施形態2から3までのいずれか1つ記載の方法。
【0098】
実施形態5
前記力を複数の位置で検出する、実施形態1から4までのいずれか1つ記載の方法。
【0099】
実施形態6
ガラスリボンを成形するための方法であって、
前記ガラスリボンを進行経路に沿って進行方向に移動させるステップと、
前記ガラスリボンの第1のリボン部分に、ロボットアームに取り付けられたエンドエフェクタを係合させるステップと、
前記第1のリボン部分に前記エンドエフェクタを係合させるステップから、前記第1のリボン部分を前記ガラスリボンの第2のリボン部分から分離するまでの期間中の第1の動作サイクル中、前記エンドエフェクタを前記進行方向に第1のロボット速度で移動させるステップと、
前記第1の動作サイクル中、前記エンドエフェクタに前記第1のリボン部分により加えられた第1の力を検出するステップと、
前記第1の動作サイクル後、前記エンドエフェクタを前記第2のリボン部分に係合させるステップと、
第2の動作サイクル中、前記第1の力に基づき、前記第1のロボット速度から第2のロボット速度に前記エンドエフェクタの速さを変化させるステップおよび前記エンドエフェクタを前記第2のロボット速度で前記進行方向に移動させるステップと
を含む、方法。
【0100】
実施形態7
前記第2のリボン部分に係合させるステップの前に、前記第1のリボン部分を前記第2のリボン部分から分離するステップをさらに含む、実施形態6記載の方法。
【0101】
実施形態8
前記第2の動作サイクル中、前記エンドエフェクタに前記第2のリボン部分により加えられた第2の力を検出するステップと、
前記第2の動作サイクル後、前記エンドエフェクタを前記ガラスリボンの第3のリボン部分に係合させるステップと、
第3の動作サイクル中、前記第1の力または前記第2の力のうちの1つ以上に基づき、前記第2のロボット速度から第3のロボット速度に前記エンドエフェクタの前記速さを変化させるステップおよび前記エンドエフェクタを前記第3のロボット速度で前記進行方向に移動させるステップと
をさらに含む、実施形態7記載の方法。
【0102】
実施形態9
前記第1のリボン部分に前記エンドエフェクタを係合させるステップから、前記第1のリボン部分を前記第2のリボン部分から分離するステップまでの期間中の前記第1の動作サイクルを通じて、前記エンドエフェクタの前記速さを前記第1のロボット速度に維持するステップをさらに含む、実施形態8記載の方法。
【0103】
実施形態10
前記第3のリボン部分に係合させるステップの前に、前記第2のリボン部分を前記第3のリボン部分から分離するステップをさらに含む、実施形態8から9までのいずれか1つ記載の方法。
【0104】
実施形態11
前記第2のリボン部分に前記エンドエフェクタを係合させるステップから、前記第2のリボン部分を前記第3のリボン部分から分離するステップまでの期間中の前記第2の動作サイクルを通じて、前記エンドエフェクタの前記速さを前記第2のロボット速度に維持するステップをさらに含む、実施形態10記載の方法。
【0105】
実施形態12
前記第1の力を複数の位置で検出する、実施形態6から11までのいずれか1つ記載の方法。
【0106】
実施形態13
前記第1の力の大きさが所定の値を上回ったときに、前記速さを変化させるステップを行う、実施形態6記載の方法。
【0107】
実施形態14
前記第2の動作サイクルの開始前に、前記エンドエフェクタの前記速さを前記第2のロボット速度に変化させる、実施形態6記載の方法。
【0108】
実施形態15
ガラスリボンを成形するための方法であって、
前記ガラスリボンを進行経路に沿って進行方向に所定のリボン速度で移動させるステップと、
前記ガラスリボンの第1のリボン部分に、ロボットアームに取り付けられたエンドエフェクタを係合させるステップと、
前記エンドエフェクタを前記進行方向に所定のロボット速度で移動させるステップと、
前記エンドエフェクタに前記第1のリボン部分により加えられた力を検出するステップと、
前記力の大きさが所定の値の範囲内にあるときに、前記リボン速度を前記ロボット速度に相関させることによって、前記リボン速度を定量化するステップと、
前記リボン速度に基づき、前記ガラスリボンのパラメータを調整するステップと
を含む、方法。
【0109】
実施形態16
前記リボン速度を定量化するステップは、前記第1のリボン部分に前記エンドエフェクタを係合させるステップから、前記第1のリボン部分を前記ガラスリボンの第2のリボン部分から分離するまでの期間中の平均リボン速度を決定するステップを含む、実施形態15記載の方法。
【0110】
実施形態17
前記パラメータを調整するステップは、前記第1のリボン部分と前記第2のリボン部分との一定の長さを維持するステップを含む、実施形態16記載の方法。
【0111】
実施形態18
前記リボン速度を定量化するステップは、約2ミリ秒未満であるサンプリング期間中の瞬時リボン速度を決定するステップを含む、実施形態15記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】