(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-24
(54)【発明の名称】イブジラスト経口製剤およびその使用方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/437 20060101AFI20221116BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20221116BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20221116BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20221116BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20221116BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20221116BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20221116BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20221116BHJP
A61K 9/28 20060101ALI20221116BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20221116BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20221116BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20221116BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
A61K31/437
A61K9/20
A61K9/48
A61K47/32
A61K47/38
A61K47/26
A61K47/12
A61K47/04
A61K9/28
A61P11/06
A61P9/10
A61P25/00
A61P29/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022517335
(86)(22)【出願日】2020-09-21
(85)【翻訳文提出日】2022-05-16
(86)【国際出願番号】 US2020051753
(87)【国際公開番号】W WO2021061554
(87)【国際公開日】2021-04-01
(32)【優先日】2019-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516020271
【氏名又は名称】メディシノバ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MediciNova, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100149076
【氏名又は名称】梅田 慎介
(74)【代理人】
【識別番号】100119183
【氏名又は名称】松任谷 優子
(74)【代理人】
【識別番号】100173185
【氏名又は名称】森田 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100162503
【氏名又は名称】今野 智介
(74)【代理人】
【識別番号】100144794
【氏名又は名称】大木 信人
(74)【代理人】
【識別番号】100204582
【氏名又は名称】大栗 由美
(72)【発明者】
【氏名】松田 和子
(72)【発明者】
【氏名】ガエータ,フェデリコ カルロス アレホラ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076AA44
4C076AA53
4C076BB01
4C076CC11
4C076CC15
4C076CC26
4C076DD29
4C076DD41
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4C076DD67
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4C076EE11
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4C076EE32
4C076FF31
4C076FF33
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB05
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA52
4C086NA05
4C086NA11
4C086ZA01
4C086ZA36
4C086ZA59
4C086ZB11
(57)【要約】
本開示は、イブジラストのより高い投薬量の経口製剤、例えば錠剤製剤またはカプセル剤製剤、および対応する処置方法に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イブジラストおよび少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物であって、錠剤またはカプセル剤の形態であり、前記錠剤または前記カプセル剤は、37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmでUSP Apparatus Type II内で試験されるとき約2時間において少なくとも約12%の前記イブジラストが前記錠剤または前記カプセル剤から放出された溶解プロファイルを有する、医薬組成物。
【請求項2】
前記錠剤が、ポリビニルアルコール、可塑剤、および顔料を含むコーティングを有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤が、微結晶セルロース、ラクトース、もしくはヒプロメロース、またはこれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む、請求項1または請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記錠剤または前記カプセル剤が、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに2時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約4時間において少なくとも約25%の前記イブジラストが前記錠剤または前記カプセル剤から放出された溶解プロファイルを有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記錠剤または前記カプセル剤が、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに10時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約12時間において少なくとも約60%の前記イブジラストが前記錠剤または前記カプセル剤から放出された溶解プロファイルを有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記錠剤または前記カプセル剤が、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに22時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約24時間において少なくとも約90%の前記イブジラストが前記錠剤または前記カプセル剤から放出された溶解プロファイルを有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記錠剤または前記カプセル剤が、約10mg~約100mgの前記イブジラストを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
イブジラストおよび少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物であって、錠剤またはカプセル剤の形態であり、前記錠剤または前記カプセル剤は、37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmでUSP Apparatus Type II内で試験されるとき約2時間においてイブジラストが前記錠剤または前記カプセル剤から放出されなかった溶解プロファイルを有する、医薬組成物。
【請求項9】
前記錠剤が、メタクリル酸およびエチルアクリレートのコポリマー分散剤;クエン酸トリエチル;ならびにタルクを含むコーティングを有する、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤が、微結晶セルロース、ラクトース、もしくはヒプロメロース、またはこれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む、請求項8または請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記錠剤または前記カプセル剤が、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに2時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約4時間において約10%~約20%の前記イブジラストが前記錠剤または前記カプセル剤から放出された溶解プロファイルを有する、請求項8~10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記錠剤または前記カプセル剤が、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに10時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約12時間において約55%~約65%の前記イブジラストが前記錠剤または前記カプセル剤から放出された溶解プロファイルを有する、請求項8~11のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記錠剤または前記カプセル剤が、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに22時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約24時間において約85%~約95%の前記イブジラストが前記錠剤または前記カプセル剤から放出された溶解プロファイルを有する、請求項8~12のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記錠剤または前記カプセル剤が、約10mg~約100mgの前記イブジラストを含む、請求項8~13のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記錠剤または前記カプセル剤が、3日投与用量設定相、続いて11日複数回投与相からなる投与プロトコルに従ってヒト対象に投与されるとき、中間放出性製剤と比較して改善されたC
maxを示し、前記錠剤または前記カプセル剤は、前記3日投与用量設定相の間に50mg用量として1日1回投与され、前記錠剤または前記カプセル剤は、前記11日複数回投与相の間に100mg用量として1日1回投与される、請求項8~14のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
約3% w/w~約15% w/wのイブジラスト、約30% w/w~約40% w/wのラクトース、約30% w/w~約40% w/wの微結晶セルロース、約15% w/w~約25% w/wのヒプロメロース、約0.2% w/w~約0.8% w/wのステアリン酸マグネシウム、および約0.5% w/w~約5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む医薬組成物。
【請求項17】
前記ラクトースが、ラクトース一水和物である、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項18】
約10% w/wのイブジラスト、約35% w/wのラクトース一水和物、約33.5% w/wの微結晶セルロース、約20% w/wのヒプロメロース、約0.5% w/wのステアリン酸マグネシウム、および約1% w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む、請求項15または請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項19】
錠剤の形態である、請求項15~17のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記錠剤が、コーティングを有する、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記コーティングが、ポリビニルアルコール、可塑剤、および顔料を含む、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記コーティングが、メタクリル酸およびエチルアクリレートのコポリマー分散剤;クエン酸トリエチル;ならびにタルクを含む、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項23】
カプセル剤の形態である、請求項15~17のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項24】
ヒドロキシプロピルメチルセルロース-フタレートを含まない、請求項1~22のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項25】
水素化ヒマシ油を含まない、請求項1~23のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年9月23日に出願された米国特許仮出願第62/904,519号の利益を主張し、その全容が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
小分子イブジラスト(3-イソブチリル-2-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリジン)は、マクロファージ阻止因子(MIF)の阻害剤であり(Choら、PNAS-USA、2010年6月 107:11313~8ページ)、環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDE)3A、4、10A1および11A1の選択的阻害剤であり(Gibsonら、Eur.J.Pharmacol.、538:39~42ページ、2006年)、且つトール様受容体4(TLR4)アンタゴニスト活性を有する(Yangら、Cell Death and Disease(2016年)7、e2234;doi:10.1038/cddis.2016.140)。イブジラストは、CNSに良好に分布し(Sanftnerら、Xenobiotica 2009年 39:964~977ページ)、臨床的に意味のある血漿またはCNS濃度において、イブジラストは、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)を選択的に、且つPDE3、4、10および11を二次的に阻害する。イブジラストはまた、ロイコトリエンD4アンタゴニスト、抗炎症性のPAFアンタゴニスト、および血管拡張剤としても作用する(Thompson Current Drug Reports)。イブジラストは、おそらく膠細胞の活性化の抑制を介して、哺乳類の中枢神経系において神経保護の役割を発揮すると考えられる(Mizunoら、Neuropharmacology 46:404~411ページ、2004年)。
【0003】
イブジラストは、虚血性脳卒中または気管支喘息に関連する症状を和らげるために、日本で広く使われてきた。最近の臨床試験では、中枢神経系の炎症性疾患である、多発性硬化症(MS)の処置におけるその使用が探求されている(News.Medical.Net;Pharmaceutical News、8月2日、2005年)。この刊行物に開示されるように、この臨床試験では、「再発寛解型MS」を処置することが期待されたが、進行性多発性硬化症の記述はない。米国特許第6,395,747号では、イブジラストは、多発性硬化症の処置として開示されており、これは、一般に、進行性多発性硬化症ではなく、再発性および弛張性の多発性硬化症を意味すると理解される。米国特許出願公開第20060160843号は、断続痛および短期疼痛の処置のためのイブジラストを開示しているが、これは進行性神経変性疾患に関連する疼痛ではない。しかしながら、米国特許第9,314,452号は、進行性神経変性疾患である、筋萎縮性側索硬化症の処置としてのイブジラストを開示している。同様に、米国特許第8,138,201号は、一次性進行性多発性硬化症および/または二次性進行性多発性硬化症のための処置としてのイブジラストを開示している。
【発明の概要】
【0004】
一態様で本明細書に提供されるのは、イブジラストおよび少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物であって、錠剤またはカプセル剤の形態であり、前記錠剤または前記カプセル剤は、37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmでUSP Apparatus Type II内で試験されるとき約2時間において少なくとも約12%の前記イブジラストが前記錠剤または前記カプセル剤から放出された溶解プロファイルを有する、医薬組成物である。いくつかの実施形態では、錠剤は、ポリビニルアルコール、可塑剤、および顔料を含むコーティングを有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤は、微結晶セルロース、ラクトース、もしくはヒプロメロース、またはこれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、前記錠剤または前記カプセル剤は、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに2時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約4時間において少なくとも約25%の前記イブジラストが前記錠剤または前記カプセル剤から放出された溶解プロファイルを有する。いくつかの実施形態では、前記錠剤または前記カプセル剤は、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに10時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約12時間において少なくとも約60%の前記イブジラストが前記錠剤または前記カプセル剤から放出された溶解プロファイルを有する。いくつかの実施形態では、前記錠剤または前記カプセル剤は、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに22時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約24時間において少なくとも約90%の前記イブジラストが前記錠剤または前記カプセル剤から放出された溶解プロファイルを有する。いくつかの実施形態では、前記錠剤または前記カプセル剤は、約10mg~約100mgの前記イブジラストを含む。
【0005】
別の態様で本明細書に提供されるのは、イブジラストおよび少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物であって、錠剤またはカプセル剤の形態であり、前記錠剤または前記カプセル剤は、37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmでUSP Apparatus Type II内で試験されるとき約2時間においてイブジラストが前記錠剤または前記カプセル剤から放出されなかった溶解プロファイルを有する、医薬組成物である。いくつかの実施形態では、錠剤は、メタクリル酸およびエチルアクリレートのコポリマー分散剤;クエン酸トリエチル;ならびにタルクを含むコーティングを有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤は、微結晶セルロース、ラクトース、もしくはヒプロメロース、またはこれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、前記錠剤または前記カプセル剤は、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに2時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約4時間において約10%~約20%の前記イブジラストが前記錠剤または前記カプセル剤から放出された溶解プロファイルを有する。いくつかの実施形態では、前記錠剤または前記カプセル剤は、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに10時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約12時間において約55%~約65%の前記イブジラストが前記錠剤または前記カプセル剤から放出された溶解プロファイルを有する。いくつかの実施形態では、前記錠剤または前記カプセル剤は、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに22時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約24時間において約85%~約95%の前記イブジラストが前記錠剤または前記カプセル剤から放出された溶解プロファイルを有する。いくつかの実施形態では、前記錠剤または前記カプセル剤は、約10mg~約100mgの前記イブジラストを含む。
【0006】
別の態様で本明細書に提供されるのは、約3% w/w~約15% w/wのイブジラスト、約30% w/w~約40% w/wのラクトース、約30% w/w~約40% w/wの微結晶セルロース、約15% w/w~約25% w/wのヒプロメロース、約0.2% w/w~約0.8% w/wのステアリン酸マグネシウム、および約0.5% w/w~約5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む医薬組成物である。いくつかの実施形態では、ラクトースは、ラクトース一水和物である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約10% w/wのイブジラスト、約35% w/wのラクトース一水和物、約33.5% w/wの微結晶セルロース、約20% w/wのヒプロメロース、約0.5% w/wのステアリン酸マグネシウム、および約1% w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、錠剤の形態である。いくつかの実施形態では、錠剤は、コーティングを有する。いくつかの実施形態では、コーティングは、ポリビニルアルコール、可塑剤、および顔料を含む。いくつかの実施形態では、コーティングは、メタクリル酸およびエチルアクリレートのコポリマー分散剤;クエン酸トリエチル;ならびにタルクを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、カプセル剤の形態である。いくつかの実施形態では、組成物は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース-フタレートを含まない。いくつかの実施形態では、組成物は、水素化ヒマシ油を含まない。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示の実践では、特に明記されない限り、当技術分野における化学、生化学、および薬理学の従来的方法を利用する。そのような技術は、文献に十分に説明されている。例えば;A.L.Lehninger、Biochemistry(Worth Publishers、Inc.、current addition);MorrisonおよびBoyd、Organic Chemistry(Allyn and Bacon、Inc.、current addition);J.March、Advanced Organic Chemistry(McGraw Hill、current addition);Remington:The Science and Practice of Pharmacy、A.Gennaro、Ed.、第20版;FDA’s Orange Book、Goodman & Gilman The Pharmacological Basis of Therapeutics、J.Griffith Hardman、L.L.Limbird、A.Gilman、第11版、2005年、The Merck Manual、第18版、2007年、ならびにThe Merck Manual of Medical Information 2003を参照されたい。
【0008】
本明細書に引用される全ての刊行物は、インターネット論文、FDA Orange Book(FDAのウェブサイトで入手可能)、書籍、ハンドブック、雑誌論文、特許および特許出願を含め、上記であろうと下記であろうと、その全容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0009】
定義
本開示を詳細に記述する前に、本開示は、添付の記載および図から明らかなように、特定の投与方式、患者集団などに限定されることはなく、したがって多様であり得ることを理解されたい。
【0010】
本明細書および意図される特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈によってそうでない旨が明確に示されない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「薬物(a drug)」への言及は、単数の薬物と同様に2つ以上の同一または異なる薬物を含み、「任意選択の賦形剤(an optional excipient)」への言及は、単一の任意選択の賦形剤と同様に2つ以上の同一または異なる任意選択の賦形剤などを表す。
【0011】
本開示を記述し且つ特許請求する際に、以下の用語は、以下に記載の定義に基づいて使用される。
【0012】
本明細書で使用されるとき、用語「含んでいる(comprising)」または「含む(comprises)」は、組成物および方法が記載された要素を含むが、他のものを除外しないことを意味することを意図する。「から本質的になる(Consisting essentially of)」は、組成物および方法を定義するために使用されるとき、明示された目的のための組み合わせに対して、本質的に重要な他のあらゆる要素を除外することを意味する。したがって、本明細書に定義された要素から本質的になる組成物は、特許請求された発明の基本的且つ新規な特徴(複数可)に実質的に影響を及ぼさない他の材料またはステップを除外することはない。「からなる(Consisting of)」は、他の原料の微量を超える元素および実質的な方法ステップを除外することを意味する。これらの移行用語のそれぞれにより定義される実施形態は、本発明の範囲内である。ある実施形態が、これらの用語(例えば、「含んでいる(comprising)」)のうちの1つにより定義されるとき、本開示はまた、「から本質的になる(consisting essentially of)」および「からなる(consisting of)」など、前記実施形態の代替的実施形態を含むことを理解されたい。
【0013】
「任意選択の」または「任意選択で」は、それに続いて記載された状況が起こるかもしれず、または起こらないかもしれず、その結果、該記述は、その状況が起きる場合および起きない場合を含むことを意味する。
【0014】
「薬学的に許容される賦形剤または担体」は、本開示の組成物に任意選択で含まれてもよく、且つ患者に対して著しく有害な毒性的作用を起こさない賦形剤を表す。
【0015】
「薬学的に許容される塩」は、アミノ酸塩、例えば塩化物、硫酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、臭化物、および硝酸塩などの無機酸を用いて調製された塩、または例えば塩酸塩などの先行するいずれかの対応する無機酸形態から調製された塩、またはリンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、エチルコハク酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、パラ-トルエンスルホン酸塩、パルモ酸塩、サリチル酸塩およびステアリン酸塩などの有機酸を用いて調製された塩、同様にエストレート、グルセプト酸塩およびラクトビオン酸塩を含むが、これらに限定されない。同様に、薬学的に許容されるカチオンを含有する塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウム、およびアンモニウム(置換アンモニウムを含む)を含むが、これらに限定されない。
【0016】
本明細書に記載される「活性分子」または「活性剤」は、in-vivoまたはin vitroで実証され得る薬理学的な、しばしば有益な効果をもたらす物質または混合物の任意の薬剤、薬物、化合物、組成物を含む。これには、食物、栄養補充物質、栄養分、栄養補助食品、薬物、ワクチン、抗体、ビタミン、および他の有益な薬剤が含まれる。本明細書で使用されるとき、該用語は、患者に局在的または全身的な効果をもたらす、任意の生理学的または薬理学な活性物質をさらに含む。特定の実施形態では、活性分子または活性剤は、イブジラストまたは薬学的に許容されるその塩を含み得る。
【0017】
「実質的に」または「本質的に」は、ほぼ全てまたは完全に、例えば、ある所与の量の90%または95%以上を意味する。
【0018】
用語「対象」、「個体」または「患者」は本明細書で互換的に使用され、脊椎動物、好ましくは哺乳類を表す。哺乳類は、マウス、げっ歯類、ラット、サル、ヒト、家畜、イヌ、ネコ、競技用動物およびペットを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、対象、個体、または患者は、ヒトに関する。
【0019】
本明細書で用いられるとき、組成物または薬剤の「薬理学的有効量」または「治療有効量」という用語は、無毒性であるが、本明細書に記載される任意の疾患または障害の低減または逆行などの所望の応答をもたらすのに十分な組成物または薬剤の量を表す。必要とされる的確な量は、対象の人種、年齢、および全身状態、処置される状態の重症度、利用される特定の薬物または複数の薬物、投与様式などに応じて対象により変動する。任意の個々の場合における適切な「有効」量は、本明細書に提供される情報に基づいて、通例の試験を使用して当業者により決定され得る。
【0020】
用語「約」は、当業者により理解され、且つそれが使用される文脈に応じてある程度変化する。当業者にとって明確ではない用語の使用がある場合、それが使用される文脈を所与として、「約」は、特定の用語のプラスまたはマイナス10%までを意味する。例えば、いくつかの実施形態では、それは、特定の用語のプラスまたはマイナス5%を意味する。特定の範囲は、用語「約」が先行する数値で本明細書に提示されている。用語「約」は、それが先行する厳密な数字、同様に該用語が先行する数字に近いかまたは近似する数字を文字通り支持するために本明細書において使用される。ある数字が、詳細に記載された数字に近いかまたは近似するかどうかを決定する際に、記載されていない近いかまたは近似する数字は、それが提示されている文脈において、詳細に記載された数字の実質的な均等物を規定する数字であってもよい。
【0021】
本明細書で使用されるとき、用語「処置」または「処置すること」は、患者における疾患もしくは状態または関連する障害の任意の処置を意味し、疾患または状態を阻止すること、すなわち、臨床症状の発達を停止または抑制することを含む。「処置」または「処置すること」はまた、疾患の発達を停止させるかまたは症状もしくは複数の症状を逆行させることを含む。本開示の様々な態様および実施形態において、有益なまたは所望の臨床結果は、本明細書に記載される任意の疾患または障害の1つもしくは複数の徴候または負の影響の低減、軽減、または寛解、1つまたは複数の臨床転帰における改善、本明細書に記載される任意の疾患または障害の程度の減少、本明細書に記載される任意の疾患または障害の進行の遅延または緩慢化、本明細書に記載される任意の疾患または障害の状態の寛解、緩和、または安定化、および本明細書に記載される他の有益な結果を含むが、これらに限定されない。
【0022】
いくつかの態様では、「処置すること」という用語は、臨床転帰における改善を表す。用語「臨床転帰」は、治療に対する患者の反応に関する任意の臨床所見または測定値を表す。
【0023】
本開示の他の目的、特色および利点は、以下の詳細な説明から明白となるであろう。しかしながら、詳細な説明および特定の実施例は、本開示の特定の実施形態を示している一方、この詳細な説明から、本開示の趣旨および範囲内における様々な変更および修正の形態が当業者にとって明白であるため、例示のみとして示されていることを理解されたい。
【0024】
本明細書に記載されるのは、高投薬量形態のイブジラストであり、これは、錠剤形態およびカプセル剤形態を含む。高投薬量形態は、投与の容易さを促進し、且つ患者コンプライアンスを向上させる。いくつかの実施形態では、高投薬量形態は、本明細書に記載される特定の溶解プロファイルを有する錠剤形態またはカプセル剤形態である。いくつかの実施形態では、高投薬量形態は、本明細書に記載される特定の成分プロファイルを有する錠剤形態またはカプセル剤形態である。
【0025】
イブジラスト
本開示の方法は、イブジラスト分子の投与に基づく。イブジラストは、以下に示す構造を有する小分子薬(分子量230.3)である。
【化1】
【0026】
イブジラストはまた、ChemBank ID 3227、CAS # 50847-11-5、およびBeilstein Handbook Reference No.5-24-03-00396にも見出される。その分子式は、C14H18N2Oに相当する。イブジラストはまた、2-メチル-1-(2-(1-メチルエチル)ピラゾロ(1,5-a)ピリジン-3-イル)1-プロパノン;3-イソブチリル-2-イソプロピルピラゾロ(1,5-a)ピリジン;および1-(2-イソプロピル-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル)-2-メチル-プロパン-1-オンを含む様々な化学名によっても公知である。イブジラストに対する他の同義語として、イブジラスツム(Latin)、BRN 0656579、KC-404、およびMN-166が含まれる。その商品名はKetas(登録商標)である。イブジラストは、本明細書で言及されるとき、投与用のその意図される製剤における使用に適切なように、任意のおよび全ての薬学的に許容されるその塩形態、プロドラッグ形態(例えば、対応するケタール)、溶媒和物などを含むことが意図される。
【0027】
イブジラストは、マクロファージ阻止因子(MIF)の阻害剤である。イブジラストはまた、環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDE)3A、4、10A1および11A1の選択的阻害剤でもあり(Gibsonら、Eur J Pharmacol 538:39~42ページ、2006年)、ロイコトリエンD4およびPAFアンタゴニスト活性を有することも報告されている。そのプロファイルは、他のPDE阻害剤および抗炎症剤と比較して、効果的に抗炎症性であり独特と思われる。PDEは、3’炭素上のリン酸エステル結合の加水分解を触媒して、対応する5’-ヌクレオチド一リン酸を生じる。したがって、PDEは、環状ヌクレオチドの細胞濃度を調節する。多くのホルモンおよび神経伝達物質に対する細胞外受容体は、環状ヌクレオチドを二次メッセンジャーとして利用するため、PDEはまた、これらの細胞外シグナルに対する細胞応答も調節する。少なくとも8種類のPDEがある:Ca2+/カルモデュリン依存性PDE(PDE1);cGMP刺激性PDE(PDE2);cGMP阻害性PDE(PDE3);cAMP特異的PDE(PDE4);cGMP結合性PDE(PDE5);光受容体PDE(PDE6);高親和性、cAMP特異的PDE(PDE7);および高親和性cGMP特異的PDE(PDE9)。イブジラストは、炎症細胞(例えば、膠細胞)に対する作用を介して炎症を抑制するように作用し、炎症促進性媒介物および向神経活性媒介物の放出の両方の抑制をもたらす。イブジラストはまた、炎症促進性サイトカイン(IL-1β、TNF-α)の産生も抑制し得、且つ抗炎症性サイトカイン(IL-4、IL-10)の産生を増強し得る。前述のものに関する参照文献は、以下の:Obernolte、R.ら、(1993年)「The cDNA of a human lymphocyte cyclic-AMP phosphodiesterase(PDE IV) reveals a multigene family」Gene 129: 239~247ページ;Rile、G.ら、(2001年)「Potentiation of ibudilast inhibition of platelet aggregation in the presence of endothelial cells」Thromb.Res.102:239~246ページ;Souness、J.E.ら、(1994年)「Possible role of cyclic AMP phosphodiesterases in the actions of ibudilast on eosinophil thromboxane generation and airways smooth muscle tone」Br.J.Pharmacol.111:1081~1088ページ;Suzumura、A.ら、(1999年)「Ibudilast suppresses TNF.alpha.production by glial cells functioning mainly as type III phosphodiesterase inhibitor in CNS」Brain Res.837:203~212ページ;Takuma、K.ら、(2001年)「Ibudilast attenuates astrocyte apoptosis via cyclic GMP signaling pathway in an in vitro reperfusion model」Br.J.Pharmacol.133:841~848ページを含む。イブジラストは良好なCNS浸透を呈する;Sanftnerら、Xenobiotica、(2009年)39:964~977ページ。
【0028】
前述のように、任意の1つまたは複数の本明細書に記載の薬物、詳細にはイブジラストへの言及は、適用可能な場合、任意のおよび全てのエナンチオマー、ラセミ混合物を含むエナンチオマーの混合物、プロドラッグ、薬学的に許容される塩形態、水和物(例えば、一水和物、二水和物など)、溶媒和物、異なる物理的形態(例えば、結晶化固体、非晶質固体)、代謝物などを包含することが意図される。
【0029】
成分プロファイル
一態様では、約3% w/w~約15% w/wのイブジラスト、約30% w/w~約40% w/wのラクトース、約30% w/w~約40% w/wの微結晶セルロース、約15% w/w~約25% w/wのヒプロメロース、約0.2% w/w~約0.8% w/wのステアリン酸マグネシウム、および約0.5% w/w~約5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む、から本質的になる、またはからなる医薬組成物である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約5% w/w~約15% w/wのイブジラスト、約30% w/w~約40% w/wのラクトース、約30% w/w~約35% w/wの微結晶セルロース、約15% w/w~約25% w/wのヒプロメロース、約0.2% w/w~約0.8% w/wのステアリン酸マグネシウム、および約0.5% w/w~約5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む、から本質的になる、またはからなる。
【0030】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約10% w/wのイブジラスト、約35% w/wのラクトース一水和物、約33.5% w/wの微結晶セルロース、約20% w/wのヒプロメロース、約0.5% w/wのステアリン酸マグネシウム、および約1% w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む、から本質的になる、またはからなる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約5% w/wのイブジラスト、約37% w/wのラクトース、約38.5% w/wの微結晶セルロース、約18% w/wのヒプロメロース、約0.5% w/wのステアリン酸マグネシウム、および約1% w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む、から本質的になる、またはからなる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約10% w/wのイブジラスト、約35% w/wのラクトース、約33.5% w/wの微結晶セルロース、約20% w/wのヒプロメロース、約0.5% w/wのステアリン酸マグネシウム、および約1% w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む、から本質的になる、またはからなる。いくつかの実施形態では、ラクトースは、ラクトース一水和物である。
【0031】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約1% w/w~約20% w/wのイブジラスト、約1% w/w~約25% w/wのイブジラスト、約1% w/w~約30% w/wのイブジラスト、約1% w/w~約35% w/wのイブジラスト、約1% w/w~約40% w/wのイブジラスト、約1% w/w~約45% w/wのイブジラスト、約1% w/w~約50% w/wのイブジラスト、約3% w/w~約20% w/wのイブジラスト、約3% w/w~約25% w/wのイブジラスト、約3% w/w~約30% w/wのイブジラスト、約3% w/w~約35% w/wのイブジラスト、約3% w/w~約40% w/wのイブジラスト、約3% w/w~約45% w/wのイブジラスト、約3% w/w~約50% w/wのイブジラスト、約5% w/w~約10% w/wのイブジラスト、約5% w/w~約15% w/wのイブジラスト、約5% w/w~約20% w/wのイブジラスト、約5% w/w~約25% w/wのイブジラスト、約5% w/w~約30% w/wのイブジラスト、約5% w/w~約35% w/wのイブジラスト、約5% w/w~約40% w/wのイブジラスト、約5% w/w~約45% w/wのイブジラスト、約5% w/w~約50% w/wのイブジラスト、約10% w/w~約15% w/wのイブジラスト、約10% w/w~約20% w/wのイブジラスト、約10% w/w~約25% w/wのイブジラスト、約10% w/w~約30% w/wのイブジラスト、約10% w/w~約35% w/wのイブジラスト、約10% w/w~約40% w/wのイブジラスト、約10% w/w~約45% w/wのイブジラスト、または約10% w/w~約50% w/wのイブジラストを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約5% w/w~約15% w/wのイブジラストを含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約1% w/w、約2% w/w、約3% w/w、約4% w/w、約5% w/w、約6% w/w、約7% w/w、約8% w/w、約9% w/w、約10% w/w、約11% w/w、約12% w/w、約13% w/w、約14% w/w、約15% w/w、約16% w/w、約17% w/w、約18% w/w、約19% w/w、約20% w/w、 約21% w/w、約22% w/w、約23% w/w、約24% w/w、約25% w/w、約26% w/w、約27% w/w、約28% w/w、約29% w/w、約30% w/w、約31% w/w、約32% w/w、約33% w/w、約34% w/w、約35% w/w、約36% w/w、約37% w/w、約38% w/w、約39% w/w、約40% w/w、約41% w/w、約42% w/w、約43% w/w、約44% w/w、約45% w/w、約46% w/w、約47% w/w、約48% w/w、約49% w/w、または約50% w/wのイブジラストを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約10% w/wのイブジラストを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約5% w/wのイブジラストを含む。
【0033】
一態様では、約15% w/w~約20% w/wのラクトース、約15% w/w~約25% w/wのラクトース、約15% w/w~約30% w/wのラクトース、約15% w/w~約35% w/wのラクトース、約15% w/w~約40% w/wのラクトース、約15% w/w~約45% w/wのラクトース、約15% w/w~約50% w/wのラクトース、約15% w/w~約55% w/wのラクトース、約15% w/w~約60% w/wのラクトース、約20% w/w~約25% w/wのラクトース、約20% w/w~約30% w/wのラクトース、約20% w/w~約35% w/wのラクトース、約20% w/w~約40% w/wのラクトース、約20% w/w~約45% w/wのラクトース、約20% w/w~約50% w/wのラクトース、約20% w/w~約55% w/wのラクトース、約20% w/w~約60% w/wのラクトース、約25% w/w~約30% w/wのラクトース、約25% w/w~約35% w/wのラクトース、約25% w/w~約40% w/wのラクトース、約25% w/w~約45% w/wのラクトース、約25% w/w~約50% w/wのラクトース、約25% w/w~約55% w/wのラクトース、約25% w/w~約60% w/wのラクトース、約30% w/w~約35% w/wのラクトース、約30% w/w~約40% w/wのラクトース、約30% w/w~約45% w/wのラクトース、約30% w/w~約50% w/wのラクトース、約30% w/w~約55% w/wのラクトース、約30% w/w~約60% w/wのラクトース、約35% w/w~約40% w/wのラクトース、約35% w/w~約45% w/wのラクトース、約35% w/w~約50% w/wのラクトース、約35% w/w~約55% w/wのラクトース、または約35% w/w~約60% w/wのラクトースを含む医薬組成物である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約30% w/w~約40% w/wのラクトースを含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約15% w/w、約16% w/w、約17% w/w、約18% w/w、約19% w/w、約20% w/w、約21% w/w、約22% w/w、約23% w/w、約24% w/w、約25% w/w、約26% w/w、約27% w/w、約28% w/w、約29% w/w、約30% w/w、約31% w/w、約32% w/w、約33% w/w、約34% w/w、約35% w/w、約36% w/w、約37% w/w、約38% w/w、約39% w/w、約40% w/w、約41% w/w、約42% w/w、約43% w/w、約44% w/w、約45% w/w、約46% w/w、約47% w/w、約48% w/w、約49% w/w、約50% w/w、約51% w/w、約52% w/w、約53% w/w、約54% w/w、約55% w/w、約56% w/w、約57% w/w、約58% w/w、約59% w/w、または約60% w/wのラクトースを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約35% w/wのラクトースを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約37% w/wのラクトースを含む。
【0035】
一態様では、約15% w/w~約20% w/wのラクトース一水和物、約15% w/w~約25% w/wのラクトース一水和物、約15% w/w~約30% w/wのラクトース一水和物、約15% w/w~約35% w/wのラクトース一水和物、約15% w/w~約40% w/wのラクトース一水和物、約15% w/w~約45% w/wのラクトース一水和物、約15% w/w~約50% w/wのラクトース一水和物、約15% w/w~約55% w/wのラクトース一水和物、約15% w/w~約60% w/wのラクトース一水和物、約20% w/w~約25% w/wのラクトース一水和物、約20% w/w~約30% w/wのラクトース一水和物、約20% w/w~約35% w/wのラクトース一水和物、約20% w/w~約40% w/wのラクトース一水和物、約20% w/w~約45% w/wのラクトース一水和物、約20% w/w~約50% w/wのラクトース一水和物、約20% w/w~約55% w/wのラクトース一水和物、約20% w/w~約60% w/wのラクトース一水和物、約25% w/w~約30% w/wのラクトース一水和物、約25% w/w~約35% w/wのラクトース一水和物、約25% w/w~約40% w/wのラクトース一水和物、約25% w/w~約45% w/wのラクトース一水和物、約25% w/w~約50% w/wのラクトース一水和物、約25% w/w~約55% w/wのラクトース一水和物、約25% w/w~約60% w/wのラクトース一水和物、約30% w/w~約35% w/wのラクトース一水和物、約30% w/w~約40% w/wのラクトース一水和物、約30% w/w~約45% w/wのラクトース一水和物、約30% w/w~約50% w/wのラクトース一水和物、約30% w/w~約55% w/wのラクトース一水和物、約30% w/w~約60% w/wのラクトース一水和物、約35% w/w~約40% w/wのラクトース一水和物、約35% w/w~約45% w/wのラクトース一水和物、約35% w/w~約50% w/wのラクトース一水和物、約35% w/w~約55% w/wのラクトース一水和物、または約35% w/w~約60% w/wのラクトース一水和物を含む医薬組成物である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約30% w/w~約40% w/wのラクトース一水和物を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約15% w/w、約16% w/w、約17% w/w、約18% w/w、約19% w/w、約20% w/w、 約21% w/w、約22% w/w、約23% w/w、約24% w/w、約25% w/w、約26% w/w、約27% w/w、約28% w/w、約29% w/w、約30% w/w、約31% w/w、約32% w/w、約33% w/w、約34% w/w、約35% w/w、約36% w/w、約37% w/w、約38% w/w、約39% w/w、約40% w/w、約41% w/w、約42% w/w、約43% w/w、約44% w/w、約45% w/w、約46% w/w、約47% w/w、約48% w/w、約49% w/w、約50% w/w、約51% w/w、約52% w/w、約53% w/w、約54% w/w、約55% w/w、約56% w/w、約57% w/w、約58% w/w、約59% w/w、または約60% w/wのラクトース一水和物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約35% w/wのラクトース一水和物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約37% w/wのラクトース一水和物を含む。
【0037】
一態様では、約15% w/w~約20% w/wの微結晶セルロース、約15% w/w~約25% w/wの微結晶セルロース、約15% w/w~約30% w/wの微結晶セルロース、約15% w/w~約35% w/wの微結晶セルロース、約15% w/w~約40% w/wの微結晶セルロース、約15% w/w~約45% w/wの微結晶セルロース、約15% w/w~約50% w/wの微結晶セルロース、約15% w/w~約55% w/wの微結晶セルロース、約15% w/w~約60% w/wの微結晶セルロース、約20% w/w~約25% w/wの微結晶セルロース、約20% w/w~約30% w/wの微結晶セルロース、約20% w/w~約35% w/wの微結晶セルロース、約20% w/w~約40% w/wの微結晶セルロース、約20% w/w~約45% w/wの微結晶セルロース、約20% w/w~約50% w/wの微結晶セルロース、約20% w/w~約55% w/wの微結晶セルロース、約20% w/w~約60% w/wの微結晶セルロース、約25% w/w~約30% w/wの微結晶セルロース、約25% w/w~約35% w/wの微結晶セルロース、約25% w/w~約40% w/wの微結晶セルロース、約25% w/w~約45% w/wの微結晶セルロース、約25% w/w~約50% w/wの微結晶セルロース、約25% w/w~約55% w/wの微結晶セルロース、約25% w/w~約60% w/wの微結晶セルロース、約30% w/w~約35% w/wの微結晶セルロース、約30% w/w~約40% w/wの微結晶セルロース、約30% w/w~約45% w/wの微結晶セルロース、約30% w/w~約50% w/wの微結晶セルロース、約30% w/w~約55% w/wの微結晶セルロース、約30% w/w~約60% w/wの微結晶セルロース、約35% w/w~約40% w/wの微結晶セルロース、約35% w/w~約45% w/wの微結晶セルロース、約35% w/w~約50% w/wの微結晶セルロース、約35% w/w~約55% w/wの微結晶セルロース、または約35% w/w~約60% w/wの微結晶セルロースを含む医薬組成物である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約30% w/w~約35% w/wの微結晶セルロースを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約30% w/w~約38.5% w/wの微結晶セルロースを含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約15% w/w、約16% w/w、約17% w/w、約18% w/w、約19% w/w、約20% w/w、 約21% w/w、約22% w/w、約23% w/w、約24% w/w、約25% w/w、約26% w/w、約27% w/w、約28% w/w、約29% w/w、約30% w/w、約30.5% w/w、約31% w/w、約31.5% w/w、約32% w/w、約32.5% w/w、約33% w/w、約33.5% w/w、約34% w/w、約34.5% w/w、約35% w/w、約35.5% w/w、約36% w/w、約36.5% w/w、約37% w/w、約37.5% w/w、約38% w/w、約38.5% w/w、約39% w/w、約39.5% w/w、約40% w/w、約41% w/w、約42% w/w、約43% w/w、約44% w/w、約45% w/w、約46% w/w、約47% w/w、約48% w/w、約49% w/w、約50% w/w、約51% w/w、約52% w/w、約53% w/w、約54% w/w、約55% w/w、約56% w/w、約57% w/w、約58% w/w、約59% w/w、または約60% w/wの微結晶セルロースを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約33.5% w/wの微結晶セルロースを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約38.5% w/wの微結晶セルロースを含む。
【0039】
一態様では、約15% w/w~約20% w/wのヒプロメロース、約15% w/w~約25% w/wのヒプロメロース、約15% w/w~約30% w/wのヒプロメロース、約15% w/w~約35% w/wのヒプロメロース、約15% w/w~約40% w/wのヒプロメロース、約15% w/w~約45% w/wのヒプロメロース、約15% w/w~約50% w/wのヒプロメロース、約15% w/w~約55% w/wのヒプロメロース、約15% w/w~約60% w/wのヒプロメロース、約20% w/w~約25% w/wのヒプロメロース、約20% w/w~約30% w/wのヒプロメロース、約20% w/w~約35% w/wのヒプロメロース、約20% w/w~約40% w/wのヒプロメロース、約20% w/w~約45% w/wのヒプロメロース、約20% w/w~約50% w/wのヒプロメロース、約20% w/w~約55% w/wのヒプロメロース、約20% w/w~約60% w/wのヒプロメロース 約25% w/w~約30% w/wのヒプロメロース、約25% w/w~約35% w/wのヒプロメロース、約25% w/w~約40% w/wのヒプロメロース、約25% w/w~約45% w/wのヒプロメロース、約25% w/w~約50% w/wのヒプロメロース、約25% w/w~約55% w/wのヒプロメロース、約25% w/w~約60% w/wのヒプロメロース、約30% w/w~約35% w/wのヒプロメロース、約30% w/w~約40% w/wのヒプロメロース、約30% w/w~約45% w/wのヒプロメロース、約30% w/w~約50% w/wのヒプロメロース、約30% w/w~約55% w/wのヒプロメロース、約30% w/w~約60% w/wのヒプロメロース、約35% w/w~約40% w/wのヒプロメロース、約35% w/w~約45% w/wのヒプロメロース、約35% w/w~約50% w/wのヒプロメロース、約35% w/w~約55% w/wのヒプロメロース、または約35% w/w~約60% w/wのヒプロメロースを含む医薬組成物である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約15% w/w~約25% w/wのヒプロメロースを含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約15% w/w、約16% w/w、約17% w/w、約18% w/w、約19% w/w、約20% w/w、 約21% w/w、約22% w/w、約23% w/w、約24% w/w、約25% w/w、約26% w/w、約27% w/w、約28% w/w、約29% w/w、約30% w/w、約30.5% w/w、約31% w/w、約31.5% w/w、約32% w/w、約32.5% w/w、約33% w/w、約34% w/w、約35% w/w、約36% w/w、約37% w/w、約38% w/w、約39% w/w、w/w、約40% w/w、約41% w/w、約42% w/w、約43% w/w、約44% w/w、約45% w/w、約46% w/w、約47% w/w、約48% w/w、約49% w/w、約50% w/w、約51% w/w、約52% w/w、約53% w/w、約54% w/w、約55% w/w、約56% w/w、約57% w/w、約58% w/w、約59% w/w、または約60% w/wのヒプロメロースを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約20% w/wのヒプロメロースを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約18% w/wのヒプロメロースを含む。
【0041】
一態様では、約0.1% w/w~約0.3% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.1% w/w~約0.4% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.1% w/w~約0.5% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.1% w/w~約0.6% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.1% w/w~約0.7% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.1% w/w~約0.8% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.1% w/w~約0.9% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.1% w/w~約1.0% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.1% w/w~約1.5% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.1% w/w~約2.0% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.1% w/w~約2.5% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.1% w/w~約3.0% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.1% w/w~約3.5% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.1% w/w~約4.0% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.1% w/w~約4.5% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.1% w/w~約5.0% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.2% w/w~約0.3% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.2% w/w~約0.4% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.2% w/w~約0.5% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.2% w/w~約0.6% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.2% w/w~約0.7% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.2% w/w~約0.8% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.2% w/w~約0.9% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.2% w/w~約1.0% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.2% w/w~約1.5% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.2% w/w~約2.0% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.2% w/w~約2.5% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.2% w/w~約3.0% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.2% w/w~約3.5% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.2% w/w~約4.0% w/wのステアリン酸マグネシウム、約0.2% w/w~約4.5% w/wのステアリン酸マグネシウム、または約0.2% w/w~約5.0% w/wのステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約0.2% w/w~約0.8% w/wのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約0.1% w/w、約0.2% w/w、約0.3% w/w、約0.4% w/w、約0.5% w/w、約0.6% w/w、約0.7% w/w、約0.8% w/w、約0.9% w/w、約1.0% w/w、約1.1% w/w、約1.2% w/w、約1.3% w/w、約1.4% w/w、約1.5% w/w、約1.6% w/w、約1.7% w/w、約1.8% w/w、約1.9% w/w、約2.0% w/w、約2.1% w/w、約2.2% w/w、約2.3% w/w、約2.4% w/w、約2.5% w/w、約2.6% w/w、約2.7% w/w、約2.8% w/w、約2.9% w/w、約3.0% w/w、約3.1% w/w、約3.2% w/w、約3.3% w/w、約3.4% w/w、約3.5% w/w、約3.6% w/w、約3.7% w/w、約3.8% w/w、約3.9% w/w、約4.0% w/w、約4.1% w/w、約4.2% w/w、約4.3% w/w、約4.4% w/w、約4.5% w/w、約4.6% w/w、約4.7% w/w、約4.8% w/w、約4.9% w/w、または約5.0%のステアリン酸マグネシウムを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約0.5% w/wのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0043】
別の態様では、約0.1% w/w~約0.3% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.1% w/w~約0.2% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.1% w/w~約0.4% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.1% w/w~約0.5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.1% w/w~約0.6% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.1% w/w~約0.7% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.1% w/w~約0.8% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.1% w/w~約0.9% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.1% w/w~約1.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.1% w/w~約1.5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.1% w/w~約2.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.1% w/w~約2.5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.1% w/w~約3.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.1% w/w~約3.5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.1% w/w~約4.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.1% w/w~約4.5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.1% w/w~約5.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.1% w/w~約10.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.1% w/w~約15.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.1% w/w~約20.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.2% w/w~約0.3% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.2% w/w~約0.4% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.2% w/w~約0.5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.2% w/w~約0.6% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.2% w/w~約0.7% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.2% w/w~約0.8% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.2% w/w~約0.9% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.2% w/w~約1.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.2% w/w~約1.5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.2% w/w~約2.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.2% w/w~約2.5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.2% w/w~約3.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.2% w/w~約3.5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.2% w/w~約4.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.2% w/w~約4.5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、または約0.2% w/w~約5.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.2% w/w~約10.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.2% w/w~約15.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.2% w/w~約20.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.3% w/w~約0.4% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.3% w/w~約0.5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.3% w/w~約0.6% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.3% w/w~約0.7% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.3% w/w~約0.8% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.3% w/w~約0.9% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.3% w/w~約1.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.3% w/w~約1.5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.3% w/w~約2.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.3% w/w~約2.5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.3% w/w~約3.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.3% w/w~約3.5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.3% w/w~約4.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.3% w/w~約4.5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、または約0.3% w/w~約5.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.3% w/w~約10.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.3% w/w~約15.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.3% w/w~約20.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.4% w/w~約0.5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.4% w/w~約0.6% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.4% w/w~約0.7% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.4% w/w~約0.3% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.4% w/w~約0.9% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.4% w/w~約1.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.4% w/w~約1.5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.4% w/w~約2.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.4% w/w~約2.5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.4% w/w~約3.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.4% w/w~約3.5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.4% w/w~約4.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.4% w/w~約4.5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.4% w/w~約5.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.4% w/w~約10.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.4% w/w~約15.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.4% w/w~約20.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.5% w/w~約0.6% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.5% w/w~約0.7% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.5% w/w~約0.3% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.5% w/w~約0.9% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.5% w/w~約1.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.5% w/w~約1.5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.5% w/w~約2.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.5% w/w~約2.5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.5% w/w~約3.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.5% w/w~約3.5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.5% w/w~約4.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.5% w/w~約4.5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.5% w/w~約5.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.5% w/w~約10.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約0.5% w/w~約15.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、または約0.5% w/w~約20.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む医薬組成物である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約0.5% w/w~約5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約0.1% w/w、約0.2% w/w、約0.3% w/w、約0.4% w/w、約0.5% w/w、約0.6% w/w、約0.7% w/w、約0.8% w/w、約0.9% w/w、約1.0% w/w、約1.1% w/w、約1.2% w/w、約1.3% w/w、約1.4% w/w、約1.5% w/w、約1.6% w/w、約1.7% w/w、約1.8% w/w、約1.9% w/w、w/w、約2.0% w/w、約2.1% w/w、約2.2% w/w、約2.3% w/w、約2.4% w/w、約2.5% w/w、約2.6% w/w、約2.7% w/w、約2.8% w/w、約2.9% w/w、約3.0% w/w、約3.1% w/w、約3.2% w/w、約3.3% w/w、約3.4% w/w、約3.5% w/w、約3.6% w/w、約3.7% w/w、約3.8% w/w、約3.9% w/w、約4.0% w/w、約4.1% w/w、約4.2% w/w、約4.3% w/w、約4.4% w/w、約4.5% w/w、約4.6% w/w、約4.7% w/w、約4.8% w/w、約4.9% w/w、約5.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約10% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約15% w/wのコロイド状二酸化ケイ素、約20% w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約1.0% w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、組成物は、カプセル剤の形態である。いくつかの実施形態では、組成物は、錠剤の形態である。いくつかの実施形態では、錠剤は、コーティングを有する。いくつかの実施形態では、コーティングは、ポリビニルアルコール、可塑剤、顔料、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、コーティングは、ポリビニルアルコール、可塑剤、および顔料を含む。いくつかの実施形態では、コーティングは、ポリビニルアルコールを含む。いくつかの実施形態では、コーティングは、可塑剤を含む。いくつかの実施形態では、コーティングは、顔料を含む。いくつかの実施形態では、コーティングは、メタクリル酸およびエチルアクリレートのコポリマー分散剤;クエン酸トリエチル;タルク;またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、コーティングは、メタクリル酸およびエチルアクリレートのコポリマー分散剤;クエン酸トリエチル;ならびにタルクを含む。いくつかの実施形態では、コーティングは、メタクリル酸およびエチルアクリレートのコポリマー分散剤を含む。いくつかの実施形態では、コーティングは、クエン酸トリエチルを含む。いくつかの実施形態では、コーティングは、タルクを含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、組成物は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース-フタレートおよび水素化ヒマシ油を含まない。いくつかの実施形態では、組成物は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース-フタレートを含まない。いくつかの実施形態では、組成物は、水素化ヒマシ油を含まない。
【0047】
溶解プロファイル
一態様では、イブジラストおよび少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む、から本質的になる、またはからなる医薬組成物であって、37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmでUSP Apparatus Type II内で試験されるとき約2時間において少なくとも約12%の前記イブジラストが前記組成物から放出された溶解プロファイルを有する、医薬組成物である。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるのは、イブジラストおよび少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む、から本質的になる、またはからなる医薬組成物であって、錠剤またはカプセル剤の形態であり、前記錠剤または前記カプセル剤は、37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmでUSP Apparatus Type II内で試験されるとき約2時間において少なくとも約12%の前記イブジラストが前記錠剤または前記カプセル剤から放出された溶解プロファイルを有する、医薬組成物である。いくつかの実施形態では、模擬胃液媒体は、塩化ナトリウム20gおよび塩酸(37% w/w)70mLを水10Lに加え、必要に応じて付加的な塩酸を使用してpH1.2に調節することにより調製される。
【0048】
いくつかの実施形態では、37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmでUSP Apparatus Type II内で試験されるとき約2時間において少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約11%、少なくとも約12%、少なくとも約13%、少なくとも約14%、少なくとも約15%、少なくとも約16%、少なくとも約17%、少なくとも約18%、または少なくとも約19%、ただし20%以下のイブジラストが、組成物からまたは錠剤もしくはカプセル剤から放出された。
【0049】
いくつかの実施形態では、37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmでUSP Apparatus Type II内で試験されるとき約2時間において約8%~約10%、約8%~約12%、約8%~約15%、約8%~約18%、約8%~約20%、約10%~約13%、約10%~約15%、または約10%~約20%のイブジラストが、組成物からまたは錠剤もしくはカプセル剤から放出された。
【0050】
いくつかの実施形態では、37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmでUSP Apparatus Type II内で試験されるとき約2時間において約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、または約20%のイブジラストが、組成物からまたは錠剤もしくはカプセル剤から放出された。
【0051】
いくつかの実施形態では、錠剤は、ポリビニルアルコール、可塑剤、顔料、またはこれらの任意の組み合わせを含む、から本質的になる、またはからなるコーティングを有する。いくつかの実施形態では、錠剤は、ポリビニルアルコール、可塑剤、および顔料を含む、から本質的になる、またはからなるコーティングを有する。いくつかの実施形態では、錠剤は、ポリビニルアルコールを含むコーティングを有する。いくつかの実施形態では、錠剤は、可塑剤を含むコーティングを有する。いくつかの実施形態では、錠剤は、顔料を含むコーティングを有する。
【0052】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤は、ラクトース一水和物、微結晶セルロース、もしくはヒプロメロース、またはこれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む、から本質的になる、またはからなる。
【0053】
いくつかの実施形態では、組成物または錠剤もしくはカプセル剤は、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに2時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約4時間において少なくとも約25%の前記イブジラストが組成物からまたは錠剤もしくはカプセル剤から放出された溶解プロファイルを有する。
【0054】
いくつかの実施形態では、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに2時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約4時間において少なくとも約25%、少なくとも約26%、少なくとも約27%、少なくとも約28%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約31%、少なくとも約32%、少なくとも約33%、少なくとも約34%、少なくとも約35%、少なくとも約36%、少なくとも約37%、少なくとも約38%、または少なくとも約39%、ただし40%以下のイブジラストが、組成物からまたは錠剤もしくはカプセル剤から放出された。
【0055】
いくつかの実施形態では、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに2時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約4時間において約25%~約30%、約25%~35%、約25%~約40%、約28%~約30%、約28%~約35%、約28%~約40%、約30%~約35%、または約30%~約40%のイブジラストが、組成物からまたは錠剤もしくはカプセル剤から放出された。
【0056】
いくつかの実施形態では、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに2時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約4時間において約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、または約40%のイブジラストが、組成物からまたは錠剤もしくはカプセル剤から放出された。
【0057】
いくつかの実施形態では、組成物または錠剤もしくはカプセル剤は、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに10時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約12時間において少なくとも約60%の前記イブジラストが組成物からまたは錠剤もしくはカプセル剤から放出された溶解プロファイルを有する。
【0058】
いくつかの実施形態では、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに10時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約12時間において少なくとも約60%、少なくとも約61%、少なくとも約62%、少なくとも約63%、少なくとも約64%、少なくとも約65%、少なくとも約66%、少なくとも約67%、少なくとも約68%、少なくとも約69%、少なくとも約70%、少なくとも約71%、少なくとも約72%、少なくとも約73%、少なくとも約74%、少なくとも約75%、少なくとも約76%、少なくとも約77%、少なくとも約78%、または少なくとも約79%、ただし80%以下のイブジラストが、組成物からまたは錠剤もしくはカプセル剤から放出された。
【0059】
いくつかの実施形態では、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに10時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約12時間において約60%~約65%、約60%~約70%、約60%~約75%、約60%~約80%、約65%~約70%、約65%~約80%、約70%~約75%、または約70%~約80%のイブジラストが、組成物からまたは錠剤もしくはカプセル剤から放出された。
【0060】
いくつかの実施形態では、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに10時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約12時間において約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、または約88%のイブジラストが、組成物からまたは錠剤もしくはカプセル剤から放出された。
【0061】
いくつかの実施形態では、組成物または錠剤もしくはカプセル剤は、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに22時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約24時間において少なくとも約90%の前記イブジラストが組成物からまたは錠剤もしくはカプセル剤から放出された溶解プロファイルを有する。
【0062】
いくつかの実施形態では、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに22時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約24時間において少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%のイブジラストが、組成物からまたは錠剤もしくはカプセル剤から放出された。
【0063】
いくつかの実施形態では、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに22時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約24時間において約90%~約95%、または約90%~約99%のイブジラストが、組成物からまたは錠剤もしくはカプセル剤から放出された。
【0064】
いくつかの実施形態では、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに22時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約24時間において約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、または約99%のイブジラストが、組成物からまたは錠剤もしくはカプセル剤から放出された。
【0065】
別の態様では、イブジラストおよび少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む、から本質的になる、またはからなる医薬組成物であって、37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmでUSP Apparatus Type II内で試験されるとき約2時間においてイブジラストが前記組成物から放出されなかった溶解プロファイルを有する、医薬組成物である。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるのは、イブジラストおよび少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む、から本質的になる、またはからなる医薬組成物であって、錠剤またはカプセル剤の形態であり、前記錠剤または前記カプセル剤は、37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmでUSP Apparatus Type II内で試験されるとき約2時間においてイブジラストが前記錠剤または前記カプセル剤から放出されなかった溶解プロファイルを有する、医薬組成物である。
【0066】
いくつかの実施形態では、組成物または錠剤もしくはカプセル剤は、3日投与用量設定相、続いて11日複数回投与相からなる投与プロトコルに従ってヒト対象に投与されるとき、中間放出性製剤と比較して改善されたCmaxを示し、前記錠剤または前記カプセル剤は、3日投与用量設定相の間に50mg用量として1日1回投与され、前記錠剤または前記カプセル剤は、11日複数回投与相の間に100mg用量として1日1回投与される。いくつかの実施形態では、組成物または錠剤もしくはカプセル剤は、3日投与用量設定相、続いて11日複数回投与相からなる投与プロトコルに従ってヒト対象に投与されるとき、中間放出性製剤と比較して改善されたCmaxおよび同様のAUCを示し、前記錠剤または前記カプセル剤は、3日投与用量設定相の間に50mg用量として1日1回投与され、前記錠剤または前記カプセル剤は、11日複数回投与相の間に100mg用量として1日1回投与される。
【0067】
いくつかの実施形態では、錠剤は、メタクリル酸およびエチルアクリレートのコポリマー分散剤;クエン酸トリエチル;タルク;またはこれらの任意の組み合わせを含む、から本質的になる、またはからなるコーティングを有する。いくつかの実施形態では、コーティングは、メタクリル酸およびエチルアクリレートのコポリマー分散剤;クエン酸トリエチル;ならびにタルクを含む、から本質的になる、またはからなる。いくつかの実施形態では、コーティングは、メタクリル酸およびエチルアクリレートのコポリマー分散剤を含む。いくつかの実施形態では、コーティングは、クエン酸トリエチルを含む。いくつかの実施形態では、コーティングは、タルクを含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤は、ラクトース一水和物、微結晶セルロース、もしくはヒプロメロース、またはこれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む、から本質的になる、またはからなる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤は、ラクトース一水和物、微結晶セルロース、ヒプロメロース、ステアリン酸マグネシウム、およびコロイド状二酸化ケイ素、またはこれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む、から本質的になる、またはからなる。
【0069】
いくつかの実施形態では、組成物または錠剤もしくはカプセル剤は、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに2時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約4時間において約10%~約20%の前記イブジラストが前記錠剤から放出された溶解プロファイルを有する。いくつかの実施形態では、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに2時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約4時間において約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、または約20%のイブジラストが、組成物からまたは錠剤もしくはカプセル剤から放出された。
【0070】
いくつかの実施形態では、組成物または錠剤もしくはカプセル剤は、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに10時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約12時間において約55%~約65%の前記イブジラストが組成物からまたは錠剤もしくはカプセル剤から放出された溶解プロファイルを有する。いくつかの実施形態では、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに10時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約12時間において約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、または約65%のイブジラストが、組成物からまたは錠剤もしくはカプセル剤から放出された。
【0071】
いくつかの実施形態では、組成物または錠剤もしくはカプセル剤は、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに22時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約24時間において約85%~約95%の前記イブジラストが組成物からまたは錠剤もしくはカプセル剤から放出された溶解プロファイルを有する。いくつかの実施形態では、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに22時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約24時間において約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、または約95%のイブジラストが、組成物からまたは錠剤もしくはカプセル剤から放出された。
【0072】
別の態様において、本明細書に提供されるのは、対象における24時間にわたるイブジラストの延長放出のための方法である。いくつかの実施形態では、該方法は、対象に、約3% w/w~約15% w/wのイブジラスト、約30% w/w~約40% w/wのラクトース、約30% w/w~約40% w/wの微結晶セルロース、約15% w/w~約25% w/wのヒプロメロース、約0.2% w/w~約0.8% w/wのステアリン酸マグネシウム、および約0.5% w/w~約5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む、から本質的になる、またはからなる医薬組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、該方法は、対象に、約10% w/wのイブジラスト、約35% w/wのラクトース一水和物、約33.5% w/wの微結晶セルロース、約20% w/wのヒプロメロース、約0.5% w/wのステアリン酸マグネシウム、および約1% w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む、から本質的になる、またはからなる医薬組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、該方法は、対象に、約5% w/wのイブジラスト、約37% w/wのラクトース、約38.5% w/wの微結晶セルロース、約18% w/wのヒプロメロース、約0.5% w/wのステアリン酸マグネシウム、および約1% w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む、から本質的になる、またはからなる医薬組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、該方法は、対象に、10% w/wのイブジラスト、約35% w/wのラクトース、約33.5% w/wの微結晶セルロース、約20% w/wのヒプロメロース、約0.5% w/wのステアリン酸マグネシウム、および約1% w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む、から本質的になる、またはからなる医薬組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、ラクトースは、ラクトース一水和物である。
【0073】
処置方法
別の態様において、本明細書に記載される組成物のいずれか1つは、任意の1つもしくは複数の本明細書に記載される疾患または障害を処置するために使用される。したがって、治療有効量の本明細書に記載される組成物を使用して1つもしくは複数の本明細書に記載される疾患または障害を処置するための方法は、本開示の別の態様である。
【0074】
いくつかの実施形態では、疾患または障害は、神経変性疾患、遺伝性生化学的障害、進行性神経変性疾患、またはこれらの症状である。例示的な神経変性疾患/障害は、アルツハイマー病、アルツハイマー型老人性認知症、またはピック病(葉性萎縮)、多発性硬化症、進行性認知症と他の顕著な神経学的異常とを合併した症候群を含む神経変性疾患、主に成人に罹患し、且つハンチントン病の進行性神経変性形態を含む進行性神経変性疾患、認知症と運動失調症および/もしくはパーキンソン病の徴候とを合併した多系統萎縮症、進行性核上性麻痺(スティール・リチャードソン・オルゼウスキー)、びまん性レビー小体病、または皮質歯状核黒質変性症(corticodentatinigral degeneration)を含むが、これらに限定されない。付加的な対象は、主に若年成人および小児に罹患し、且つハラーホルデン・スパッツ病および進行性家族性ミオクローヌスてんかんを含む進行性神経変性疾患、姿勢および運動の異常を徐々に発現する症候群を含む進行性神経変性疾患、あるいは振戦麻痺(パーキンソン病)、線条体黒質変性症、進行性核上性麻痺、捻転ジストニア(捻転痙攣;変形性筋ジストニア)、痙性斜頸および他の限局性ジスキネジア、家族性振戦、またはジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群、進行性運動失調症、小脳変性症もしくは脊髄小脳変性症の症候群、小脳皮質変性症またはオリーブ橋小脳萎縮症(OPCA)、脊髄小脳変性症(フリードライヒ運動失調症および関連障害)を含む脊髄小脳変性症を含む疾患に罹患していてもよい。神経変性疾患/障害は、中枢自律神経系不全(シャイ・ドレーガー症候群)、感覚の変化を伴わない筋脱力および消耗性症候群(運動ニューロン疾患)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脊髄性筋萎縮症、乳児脊髄性筋萎縮症(ウェルドニッヒ・ホフマン)、若年性脊髄性筋萎縮症(ヴォールファルト・クーゲルベルク・ヴェランダー)、または他の形態の家族性脊髄性筋萎縮症、原発性側索硬化症または遺伝性痙性対麻痺、筋脱力および消耗性と感覚の変化とを合併した症候群(進行性神経性筋萎縮症;慢性家族性ポリニューロパチー)、腓骨筋萎縮症(シャルコー・マリー・トゥース)、肥厚性間質性ポリニューロパチー(デフェリン・ソッタス)、または種々の形態の慢性進行性神経障害、進行性視力低下の症候群を含む進行性神経変性疾患を含むが、これらに限定されない。神経変性疾患/障害は、網膜の色素変性(網膜色素変性症)、または遺伝性視神経萎縮症(レーベル病)、運動ニューロン疾患および進行性運動失調症;緑内障;網膜剥離;孤発性進行性神経変性疾患、伝導ブロックを伴う多巣性運動ニューロパチー、パラプロエイネミア(paraproeinemia)を伴う運動ニューロパチー、運動優位の末梢神経障害、オリーブ橋小脳萎縮症、アゾレア(マシャド・ジョセフ)病、家族性筋萎縮性側索硬化症などの家族性進行性神経変性疾患、脊髄性筋萎縮症、家族性痙性対麻痺、遺伝性生化学的障害、先天性多発性関節拘縮症、または進行性若年性球麻痺(ファチオ・ロンデ)を含むが、これらに限定されない。遺伝性生化学的障害の例は、スーパーオキシドジスムターゼ欠損症、ヘキソサミニダーゼAおよびB欠損症、またはアンドロゲン受容体突然変異(ケネディ症候群)である。進行性神経変性疾患は、HTLV-1関連脊髄症、進行性多巣性白質脳症、クロイツフェルト・ヤコブ病、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、クールー、致死性家族性不眠症、またはアルパース病など、ウイルス性疾患およびプリオン病を含み得る。
【0075】
「進行性神経変性疾患」は、進行性の状態にある(すなわち、ベースラインレベルと比較して悪化しつつある)またはそのような進行性の特徴を有する任意の神経変性疾患を意味する。したがって、進行性の状態は、経時的な症状の悪化であり、且つ急または漸進的であり得る。進行性神経変性疾患の例は、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、および再発/寛解型多発性硬化症を除く進行性の形態の多発性硬化症を含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、疾患または障害は、神経変性疾患/障害または神経眼科的障害に関連する眼科疾患/障害または損傷である。いくつかの実施形態では、眼科疾患/障害または損傷は、網膜損傷である。いくつかの実施形態では、眼科疾患/障害または損傷は、黄斑損傷である。いくつかの実施形態では、眼科疾患/障害または損傷は、黄斑菲薄である。いくつかの実施形態では、神経変性疾患/障害は、進行性多発性硬化症である。例示的な神経眼科的障害は、乳頭浮腫および特発性頭蓋内圧亢進症(IIH);前部虚血性視神経症(AION);視神経炎;眼球運動脳神経障害;ならびにホルネル症候群を含むが、これらに限定されない。
【0077】
いくつかの実施形態では、疾患または障害は、アルコール依存症およびうつ病および/または不快気分である。例は、うつ病または不快気分を伴い得るアルコール使用障害(AUD)を含む。いくつかの実施形態では、うつ病は、軽症うつ病、中等症うつ病、または重症うつ病である。いくつかの実施形態では、不快気分は、高不快気分、中不快気分、または低不快気分である。
【0078】
いくつかの実施形態では、疾患または障害は、膠芽腫、再発性膠芽腫またはその関連する症状である。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、膠芽腫である。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、再発性膠芽腫である。
【0079】
膠芽腫または再発性膠芽腫を処置することに関して、いくつかの実施形態では、患者は、ヒト患者である。いくつかの実施形態では、患者は、上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子の余分なコピーを有するかまたは異常に高いレベルのEGFRを発現する。いくつかの実施形態では、異常に高いレベルのEGRFは、がんのない個体におけるより低いレベルのEGFRと比較して、がん患者におけるより高いレベルのEGRFを表す。いくつかの実施形態では、患者は、第10染色体のヘテロ接合性を欠失している。いくつかの実施形態では、患者は、第7染色体の増幅を示す。いくつかの実施形態では、患者は、TP53、PDGFRA、IDH1、PTENおよびNF1からなる群から選択される突然変異遺伝子を有する。いくつかの実施形態では、患者は、NEFL、GABRA1、SYT1またはSLC12A5を発現する。
【0080】
いくつかの実施形態では、疾患または障害は、多発性硬化症または進行性多発性硬化症である。認識されている4種類の多発性硬化症がある:(1)再発/寛解型多発性硬化症(RR多発性硬化症)、(2)二次性進行性多発性硬化症(SP多発性硬化症)、(3)進行性再発性多発性硬化症(PR多発性硬化症)、および(4)一次性進行性多発性硬化症(PP多発性硬化症)。RR多発性硬化症は、特許請求の範囲内に入ると考えられないが、他の形態の多発性硬化症、すなわち、SP多発性硬化症、PR多発性硬化症およびPP多発性硬化症は、本発明の一態様と考えられる。全ての種類の進行性MSにおいて、再発に関わらず経時的な機能喪失がある。
【0081】
「再発/寛解型多発性硬化症(RR多発性硬化症)」は、その時間中に新しい症状が出現し、且つ古い症状が再び現れるかまたは悪化する可能性がある再発(悪化としても知られる)によって特徴付けられる。再発の後に寛解期間が続き、その期間中、ヒトは、再発中に得られた欠損から完全にまたは部分的に回復する。再発は、数日間、数週間または数か月持続し得、回復は、遅く且つ漸進的であるかまたはほぼ即時的であり得る。多発性硬化症を呈する大多数の人々は、まず再発/寛解型と診断される。これは、典型的にはその人々が20代または30代のときであるが、はるかに前または後の診断が知られる。男性のおよそ2倍の女性が、この変種を呈する。
【0082】
「二次性進行性多発性硬化症(SP多発性硬化症)」では、当初再発寛解型多発性硬化症を有していたヒトが、再発を伴うかまたは伴わず、神経機能の漸進的悪化を生じ始める。数年後、再発/寛解型多発性硬化症を有してきた多くの人々が、疾患の二次性進行性相に進む。これは、再発間の疾患の漸進的悪化によって特徴付けられる。二次性進行性MSの初期相では、ヒトは依然として数回の再発を経験することがあるが、しばらくすると、これらは、一般的な進行に変化していく。人々は、再発後に人々の前の機能レベルに戻らないことが多い。二次性進行性MSを有する人々は、良いおよび悪い数日または数週間を経験することがあるが、再発エピソード後の幾分の寛解は別として、真に回復しない。10年後、再発/寛解型多発性硬化症を有する人々の50%が二次性進行性を生じることになる。25~30年までに、その数字は90%まで上昇することになる。
【0083】
「進行性再発性多発性硬化症(PR多発性硬化症)」は、症状が最初に始まる時から能力障害レベルにおける明確な進行を示すが、急性エピソード後の幾分の回復に関連するかもしれないし、または関連しないかもしれない明確な再発のエピソードを伴う。この形態の多発性硬化症は、発症から、再発により中断される進行性の経過をたどる。再発直後に著しい回復があるが、再発間に、症状の漸進的悪化がある。
【0084】
「一次性進行性多発性硬化症(PP多発性硬化症)」は、寛解または再発を全く伴わない、その発症からの疾患の漸進的進行によって特徴付けられる。疾患活動性が安定する期間があることがあり、さらに、二次性進行性と同じく、良いおよび悪い数日または数週間があることがある。PP多発性硬化症は、発症が典型的には30代後半または40代前半であり、男性が女性と同様にそれを発症する可能性があり、且つ初期の疾患活動性が脊髄内であり、脳内ではないという点で再発/寛解型MSおよび二次性進行性MSとは異なる。一次性進行性多発性硬化症は、しばしば脳内に移動するが、再発/寛解型または二次性進行性よりも脳領域を損傷する可能性は低く、例えば、一次性進行性MSを有する人々が認知的問題を生じる可能性は低い。
【0085】
いくつかの実施形態では、進行性多発性硬化症は、再発寛解型多発性硬化症を越えて進行している。いくつかの実施形態では、進行性多発性硬化症は、一次性進行性多発性硬化症である。いくつかの実施形態では、一次性進行性多発性硬化症は、時々のプラトーおよび一時的なわずかな改善は許容されるが、明確な再発は伴わない、発症からの疾患進行によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、進行性多発性硬化症は、二次性進行性多発性硬化症である。いくつかの実施形態では、二次性進行性多発性硬化症は、初期の再発寛解型の経過と、その後に続く、時々の再発、わずかな寛解およびプラトーを伴うかまたは伴わない進行として特徴付けられる。
【0086】
いくつかの実施形態では、疾患または障害は、ブドウ膜黒色腫である。
【0087】
いくつかの実施形態では、疾患または障害は、化学療法誘導性の筋毒性および/または化学療法誘導性の心毒性である。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、化学療法誘導性の神経障害である。
【0088】
別の態様において、本明細書に記載される組成物のいずれか1つは、がんと診断されたか、またはこれに罹患している患者における骨髄由来抑制細胞(MDSC)の抑制方法であって、患者に、治療有効量の本明細書に記載される組成物を投与することを含む、方法において使用される。
【0089】
別の態様において、本明細書に記載される組成物のいずれか1つは、がんと診断されたか、またはこれに罹患している患者における免疫抑制の減少方法であって、患者に、治療有効量の本明細書に記載される組成物を投与することを含む、方法において使用される。
【0090】
別の態様において、本明細書に記載される組成物のいずれか1つは、がんと診断されたか、またはこれに罹患している患者における制御性T細胞数の減少方法であって、患者に、治療有効量の本明細書に記載される組成物を投与することを含む、方法において使用される。
【0091】
別の態様において、本明細書に記載される組成物のいずれか1つは、がんと診断されたか、またはこれに罹患している患者におけるCD4+T細胞数の増加方法であって、患者に、治療有効量の本明細書に記載される組成物を投与することを含む、方法において使用される。
【0092】
いくつかの実施形態では、がんは、血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫および奇形腫、縦隔および胸膜のがん、もしくは血管性腫瘍から選択される循環系のがん;鼻腔および中耳のがん、副洞のがん、喉頭のがん、気管のがん、気管支および肺のがん、小細胞肺がん(SCLC)、非小細胞肺がん(NSCLC)、気管支原性癌、扁平上皮癌、未分化小細胞癌、未分化大細胞癌、腺癌、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫もしくは中皮腫から選択される気道のがん;扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫、癌腫、平滑筋肉腫、管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ、腺癌、カルチノイド腫瘍、カルポジ(Karposi)肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫、腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、もしくは平滑筋腫から選択される胃腸系のがん;腺癌、ウィルムス腫瘍(腎芽腫)、リンパ腫、白血病、扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌、腺癌、前立腺の肉腫、精上皮腫、奇形腫、胎児性癌、奇形癌、絨毛癌、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍、もしくは脂肪腫から選択される尿生殖路のがん;ヘパトーマ(肝細胞癌)、胆管細胞癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫、褐色細胞腫、インスリノーマ、血管作動性腸管ペプチド腫瘍、島細胞腫もしくはグルカゴノーマから選択される肝臓のがん;骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫、脊索腫、オステオクロンフロマ(osteochronfroma)(骨軟骨性外骨腫)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫もしくは巨細胞腫から選択される骨のがん;原発性CNSリンパ腫、骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎、髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症、星細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、脳室上衣腫、胚細胞腫(松果体腫)、乏突起膠腫、シュワン細胞腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、もしくは肉腫から選択される神経系のがん;子宮内膜癌、子宮頸癌、前腫瘍子宮頸部異形成、卵巣癌、漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類癌、顆粒膜-莢膜細胞腫、セルトリ・ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫、外陰部の扁平上皮癌、外陰部の上皮内癌、外陰部の腺癌、外陰部の線維肉腫、外陰部の黒色腫、膣明細胞癌、膣扁平上皮癌、膣ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、卵管癌、胎盤がん、陰茎がん、前立腺がん、もしくは精巣がんから選択される生殖器系のがん;骨髄性、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、ホジキン病、もしくは非ホジキンリンパ腫から選択される血液系のがん;口唇がん、舌がん、歯肉がん、口腔底がん、口蓋がん、耳下腺がん、唾液腺がん、扁桃がん、中咽頭のがん、上咽頭のがん、梨状陥凹がん、もしくは下咽頭のがんから選択される口腔のがん;悪性黒色腫、皮膚黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カルポジ肉腫、異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫もしくはケロイドがんから選択される皮膚のがん;または副腎のがん、神経芽細胞腫、結合組織および軟組織のがん、後腹膜および腹膜のがん、眼がん、眼球内黒色腫、ブドウ膜黒色腫、付属器のがん、乳がん、頭部もしくは/および頸部がん、肛門がん、甲状腺がん、副甲状腺がん、副腎のがん、内分泌腺および関連構造のがん、リンパ節の続発性且つ不特定の悪性新生物、呼吸器系および消化器系の続発性悪性新生物もしくは他の部位の続発性悪性新生物から選択されるがんである。いくつかの実施形態では、がんは、多形膠芽腫(GBM)である。いくつかの実施形態では、がんは、多形膠芽腫(GBM)ではない。
【0093】
別の態様において、本明細書に記載される組成物のいずれか1つは、微生物感染症と診断されたか、またはこれに罹患している患者における骨髄由来抑制細胞(MDSC)の抑制方法であって、患者に、治療有効量の本明細書に記載される組成物を投与することを含む、方法において使用される。
【0094】
別の態様において、本明細書に記載される組成物のいずれか1つは、微生物感染症と診断されたか、またはこれに罹患している患者における免疫抑制の減少方法であって、患者に、治療有効量の本明細書に記載される組成物を投与することを含む、方法において使用される。
【0095】
別の態様において、本明細書に記載される組成物のいずれか1つは、微生物感染症と診断されたか、またはこれに罹患している患者における制御性T細胞数の減少方法であって、患者に、治療有効量の本明細書に記載される組成物を投与することを含む、方法において使用される。
【0096】
別の態様において、本明細書に記載される組成物のいずれか1つは、微生物感染症と診断されたか、またはこれに罹患している患者におけるCD4+T細胞数の増加方法であって、患者に、治療有効量の本明細書に記載される組成物を投与することを含む、方法において使用される。
【0097】
別の態様において、本明細書に記載される組成物のいずれか1つは、敗血症と診断されたか、またはこれに罹患している患者における骨髄由来抑制細胞(MDSC)の抑制方法であって、患者に、治療有効量の本明細書に記載される組成物を投与することを含む、方法において使用される。
【0098】
別の態様において、本明細書に記載される組成物のいずれか1つは、敗血症と診断されたか、またはこれに罹患している患者における免疫抑制の減少方法であって、患者に、治療有効量の本明細書に記載される組成物を投与することを含む、方法において使用される。
【0099】
別の態様において、本明細書に記載される組成物のいずれか1つは、敗血症と診断されたか、またはこれに罹患している患者における制御性T細胞数の減少方法であって、患者に、治療有効量の本明細書に記載される組成物を投与することを含む、方法において使用される。
【0100】
別の態様において、本明細書に記載される組成物のいずれか1つは、敗血症と診断されたか、またはこれに罹患している患者におけるCD4+T細胞数の増加方法であって、患者に、治療有効量の本明細書に記載される組成物を投与することを含む、方法において使用される。
【0101】
投与方法
別の態様において、本開示は、イブジラスト、または薬学的に許容されるその塩の経口投与に関する。患者コンプライアンスおよび投与の容易さに関して、患者は、複数の丸剤または剤形を、しばしば1日複数回、処置の持続期間にわたり摂取することを好まないことが多いため、そのような手法が好ましいことがある。いくつかの実施形態では、イブジラストは、単一1日投薬量形態で投与される。いくつかの実施形態では、単一1日投薬量形態は、錠剤である。いくつかの実施形態では、単一1日投薬量形態は、カプセル剤である。
【0102】
投薬量
治療量は経験的に決定され得、且つ処置される特定の状態、対象、ならびに組成物に含有されるそれぞれの活性剤の有効性および毒性に応じて変化する。投与される実際の用量は、対象の年齢、体重、および全身状態、同様に処置される状態の重症度、医療専門家の判断、ならびに投与される特定の組み合わせに応じて変化する。
【0103】
治療有効量は、当業者により決定され得、それぞれの特定の場合の必要条件に調節される。一般に、イブジラストまたは薬学的に許容されるその塩の治療有効量は、約合計1日投薬量の範囲である。
【0104】
いくつかの実施形態では、イブジラストまたは薬学的に許容されるその塩の治療有効量は、少なくとも約5mg、少なくとも約10mg、少なくとも約20mg、少なくとも約25mg、少なくとも約30mg、少なくとも約35mg、少なくとも約40mg、少なくとも約45mg、少なくとも約50mg、少なくとも約55mg、少なくとも約60mg、少なくとも約65mg、少なくとも約70mg、少なくとも約75mg、少なくとも約80mg、少なくとも約85mg、少なくとも約90mg、少なくとも約95mg、少なくとも約100mg、少なくとも約110mg、少なくとも約120mg、少なくとも約130mg、少なくとも約140mg、少なくとも約150mg、少なくとも約160mg、少なくとも約170mg、少なくとも約180mg、少なくとも約190mg、または少なくとも約200mgである。いくつかの実施形態では、イブジラストまたは薬学的に許容されるその塩の治療有効量は、少なくとも約50mgである。
【0105】
いくつかの実施形態では、イブジラストまたは薬学的に許容されるその塩の治療有効量は、約5mg~約10mg、5mg~約20mg、5mg~約30mg、5mg~約40mg、5mg~約50mg、5mg~約60mg、5mg~約70mg、5mg~約80mg、5mg~約90mg、5mg~約100mg、5mg~約150mg、5mg~約200mg、10mg~約20mg、10mg~約30mg、10mg~約40mg、10mg~約50mg、10mg~約60mg、10mg~約70mg、10mg~約80mg、10mg~約90mg、10mg~約100mg、10mg~約150mg、10mg~約200mg、20mg~約30mg、20mg~約40mg、20mg~約50mg、20mg~約60mg、20mg~約70mg、20mg~約80mg、20mg~約90mg、20mg~約100mg、20mg~約250mg、20mg~約200mg、30mg~約40mg、30mg~約50mg、30mg~約60mg、30mg~約70mg、30mg~約80mg、30mg~約90mg、30mg~約100mg、30mg~約250mg、30mg~約200mg、40mg~約50mg、40mg~約60mg、40mg~約70mg、40mg~約80mg、40mg~約90mg、40mg~約100mg、40mg~約250mg、40mg~約200mg、50mg~約60mg、50mg~約70mg、50mg~約80mg、50mg~約90mg、50mg~約100mg、50mg~約250mg、または50mg~約200mgである。いくつかの実施形態では、イブジラストまたは薬学的に許容されるその塩の治療有効量は、約10mg~約100mgである。
【0106】
いくつかの実施形態では、イブジラストまたは薬学的に許容されるその塩の治療有効量は、約5mg、約10mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、または約200mgである。いくつかの実施形態では、イブジラストまたは薬学的に許容されるその塩の治療有効量は、約50mgである。
【0107】
いくつかの実施形態では、イブジラストまたは薬学的に許容されるその塩の治療有効量は、少なくとも約5mg/日、少なくとも約10mg/日、少なくとも約20mg/日、少なくとも約25mg/日、少なくとも約30mg/日、少なくとも約35mg/日、少なくとも約40mg/日、少なくとも約45mg/日、少なくとも約50mg/日、少なくとも約55mg/日、少なくとも約60mg/日、少なくとも約65mg/日、少なくとも約70mg/日、少なくとも約75mg/日、少なくとも約80mg/日、少なくとも約85mg/日、少なくとも約90mg/日、少なくとも約95mg/日、少なくとも約100mg/日、少なくとも約110mg/日、少なくとも約120mg/日、少なくとも約130mg/日、少なくとも約140mg/日、少なくとも約150mg/日、少なくとも約160mg/日、少なくとも約170mg/日、少なくとも約180mg/日、少なくとも約190mg/日、または少なくとも約200mg/日である。いくつかの実施形態では、イブジラストまたは薬学的に許容されるその塩の治療有効量は、少なくとも約50mg/日である。
【0108】
いくつかの実施形態では、イブジラストまたは薬学的に許容されるその塩の治療有効量は、約5mg/日~約10mg/日、5mg/日~約20mg/日、5mg/日~約30mg/日、5mg/日~約40mg/日、5mg/日~約50mg/日、5mg/日~約60mg/日、5mg/日~約70mg/日、5mg/日~約80mg/日、5mg/日~約90mg/日、5mg/日~約100mg/日、5mg/日~約150mg/日、5mg/日~約200mg/日、10mg/日~約20mg/日、10mg/日~約30mg/日、10mg/日~約40mg/日、10mg/日~約50mg/日、10mg/日~約60mg/日、10mg/日~約70mg/日、10mg/日~約80mg/日、10mg/日~約90mg/日、10mg/日~約100mg/日、10mg/日~約150mg/日、10mg/日~約200mg/日、20mg/日~約30mg/日、20mg/日~約40mg/日、20mg/日~約50mg/日、20mg/日~約60mg/日、20mg/日~約70mg/日、20mg/日~約80mg/日、20mg/日~約90mg/日、20mg/日~約100mg/日、20mg/日~約250mg/日、20mg/日~約200mg/日、30mg/日~約40mg/日、30mg/日~約50mg/日、30mg/日~約60mg/日、30mg/日~約70mg/日、30mg/日~約80mg/日、30mg/日~約90mg/日、30mg/日~約100mg/日、30mg/日~約250mg/日、30mg/日~約200mg/日、40mg/日~約50mg/日、40mg/日~約60mg/日、40mg/日~約70mg/日、40mg/日~約80mg/日、40mg/日~約90mg/日、40mg/日~約100mg/日、40mg/日~約250mg/日、40mg/日~約200mg/日、50mg/日~約60mg/日、50mg/日~約70mg/日、50mg/日~約80mg/日、50mg/日~約90mg/日、50mg/日~約100mg/日、50mg/日~約250mg/日、または50mg/日~約200mg/日である。いくつかの実施形態では、イブジラストまたは薬学的に許容されるその塩の治療有効量は約10mg/日~約100mg/日である。
【0109】
いくつかの実施形態では、イブジラストまたは薬学的に許容されるその塩の治療有効量は、約5mg/日、約10mg/日、約20mg/日、約25mg/日、約30mg/日、約35mg/日、約40mg/日、約45mg/日、約50mg/日、約55mg/日、約60mg/日、約65mg/日、約70mg/日、約75mg/日、約80mg/日、約85mg/日、約90mg/日、約95mg/日、約100mg/日、約110mg/日、約120mg/日、約130mg/日、約140mg/日、約150mg/日、約160mg/日、約170mg/日、約180mg/日、約190mg/日、または約200mg/日である。いくつかの実施形態では、イブジラストまたは薬学的に許容されるその塩の治療有効量は、約50mg/日である。
【0110】
投薬量および処置される正確な状態に応じて、投与は、1日に1回、2回、3回、または4回であり得、1日から数日間、数週間、数か月間、および数年間にさえわたるコースの間、ならびに患者の生存期間でさえあり得る。例示的な投与レジメンは、少なくとも約1週間、約1~4週間、約1~8週間、1~12週間、1~16週間、1~20週間、1~24週間、1~36週間、1~48週間、1~52週間、1~60週間、1~72週間、1~84週間、1~96週間、1週間~1年、1週間~2年、1週間~3年、1週間~4年、1週間~5年間、またはより長い期間持続する。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、少なくとも約12、24、36、48、60、72、84、または96週間である。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、約12、24、36、48、60、72、84、または96週間である。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、少なくとも約1年、2年、3年、4年、または5年間である。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、約1年、2年、3年、4年、または5年間である。
【0111】
実際的見地から言えば、単位用量の本開示の任意の所与の組成物または活性剤は、臨床医の判断、患者の必要性などに応じて、種々の投与スケジュールで投与され得る。特定の投与スケジュールは、当業者に公知であるか、または通例の方法を試験的に使用して決定され得る。例示的投与スケジュールとして、限定されることなく、1日5回、1日4回、1日3回、1日2回、1日1回、1日おき、週3回、週2回、週1回、月2回、月1回などの投与が含まれる。
【0112】
賦形剤/担体
本開示の組成物は、1つもしくは複数の付加的な薬学的に許容される賦形剤または担体をさらに含んでもよい。例示的な賦形剤として、限定されることなく、ポリエチレングリコール(PEG)、PEG 400、(2-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン、水素化ヒマシ油(HCO)、クレモホール、炭水化物、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン)、無機塩類、抗菌剤、抗酸化剤、結合剤/充填剤、界面活性剤、滑沢剤(例えば、ステアリン酸カルシウム)、タルクなどの流動促進剤、崩壊剤、希釈剤、緩衝剤、酸、塩基、フィルムコート、これらの組み合わせなどが含まれる。いくつかの実施形態では、組成物は、水素化ヒマシ油を含まない。いくつかの実施形態では、組成物は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース-フタレートを含まない。いくつかの実施形態では、組成物は、水素化ヒマシ油およびヒドロキシプロピルメチルセルロース-フタレートを含まない。
【0113】
本開示の組成物は、糖、例えばアルジトール、アルドン酸、エステル化糖、および/または糖ポリマーなどの糖誘導体などの1つまたは複数の炭水化物をさらに含んでもよい。特定の炭水化物賦形剤として、例えば:フルクトース、マルトース、ガラクトース、グルコース、D-マンノース、ソルボースなどの単糖類;ラクトース、スクロース、トレハロース、セロビオースなどの二糖類;ラフィノース、メレジトース、マルトデキストリン、デキストラン、デンプンなどの多糖類;およびマンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトール、ソルビトール(グルシトール)、ピラノシルソルビトール、ミオイノシトールなどのアルジトールが含まれる。
【0114】
本開示の組成物における使用に好適なものはまた、ナトリウムデンプングリコレートおよび直接圧縮可能な加工デンプンなどのジャガイモおよびトウモロコシをベースとするデンプンである。
【0115】
さらに代表的な賦形剤として、クエン酸、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硝酸カリウム、リン酸ナトリウム一塩基酸、リン酸ナトリウム二塩基酸、およびこれらの組み合わせなどの無機塩または緩衝剤が含まれる。
【0116】
本開示の組成物はまた、1つまたは複数の抗酸化剤を任意選択で含有してもよい。抗酸化剤は、酸化を防止するために使用され、それにより、薬物(複数可)または他の調製成分の劣化を防止する。本開示における使用に好適な抗酸化剤として、例えば、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、次亜リン酸、モノチオグリセロール、没食子酸プロピル、重亜硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、メタ重亜硫酸ナトリウム、およびこれらの組み合わせが含まれる。
【0117】
付加的な例示的賦形剤として、例えば「Tween20」および「Tween80」のようなポリソルベート、ならびにF68およびF88などのプルロニック(これらの両方ともBASF、Mount Olive、N.J.から入手可能)などの界面活性剤、ソルビタンエステル、脂質(例えば、レシチンおよび他のホスファチジルコリン、ならびにホスファチジルエタノールアミンなどのリン脂質)、脂肪酸および脂肪エステル、コレステロールなどのステロイド、ならびにEDTAなどのキレート剤、亜鉛および他のこのような好適なカチオンが含まれる。
【0118】
さらに、本開示の組成物は、1つもしくは複数の酸または塩基を任意選択で含んでもよい。使用され得る酸の非限定的な例として、塩酸、酢酸、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、ギ酸、トリクロロ酢酸、硝酸、過塩素酸、リン酸、硫酸、フマル酸、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるこれらの酸が含まれる。好適な塩基の非限定的な例として、限定されることなく、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、酢酸アンモニウム、酢酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、フマル酸カリウム、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される塩基が含まれる。
【0119】
組成物中の任意の個々の賦形剤の量は、賦形剤の役割、活性剤成分の必要投薬量、および組成物の特定の必要性に応じて変化する。典型的には、任意の個々の賦形剤の最適量は、通例の試験を介して、すなわち、多様な量の賦形剤(低分量から高分量の範囲)を含有する組成物を調製し、安定性および他のパラメータを検討し、次に著しい有害作用を伴うことなく最適な性能が達成される範囲を決定することにより決定される。
【0120】
しかしながら、一般に、付加的な賦形剤は、組成物の約0.1%~約25重量%の量で組成物中に存在する。一般に、本開示のイブジラスト組成物中に存在する賦形剤の量は、以下から選択される:組成物の少なくとも約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、または25重量%(% w/w)(その内の刻みを含む)。
【0121】
他の賦形剤と共に、これらの前述の医薬賦形剤は、「Remington:The Science & Practice of Pharmacy」、第19版、Williams & Williams、(1995年)、「Physician’s Desk Reference」、52.sup.nd 版.、Medical Economics、Montvale、N.J.(1998年)、およびKibbe、A.H.、Handbook of Pharmaceutical Excipients、3.sup.rd 版、American Pharmaceutical Association、Washington、D.C.、2000年に記載されている。
【0122】
他の活性物質
本開示に基づく製剤(またはキット)は、イブジラストまたは薬学的に許容されるその塩に加えて、1つまたは複数の付加的な活性剤を含有してもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、イブジラストの作用機序とは異なる作用機序を有する治療剤である。そのような有効成分は、FDA’s Orange Book、Goodman & Gilman The Pharmacological Basis of Therapeutics、J.Griffith Hardman、L.L.Limbird、A.Gilman、第11版、2005年、The Merck Manual、第18版、2007年、およびThe Merck Manual of Medical Information 2003年に列挙されているのを見出すことができる。
【0123】
送達形態
本明細書に記載される組成物は、全ての種類の経口製剤を包含する。経口剤形として、錠剤、トローチ剤、カプセル剤、シロップ剤、経口懸濁剤、乳剤、顆粒剤、マイクロビーズ、およびペレット剤が含まれる。いくつかの実施形態では、経口剤形は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、またはマイクロビーズ剤形である。いくつかの実施形態では、経口剤形は錠剤である。いくつかの実施形態では、錠剤は延長放出性錠剤である。いくつかの実施形態では、経口剤形はカプセル剤である。いくつかの実施形態では、カプセル剤は延長放出性カプセル剤である。いくつかの実施形態では、経口剤形は、液体剤形である。いくつかの実施形態では、経口剤形は、延長放出性製剤である。
【0124】
代替的製剤として、散剤、または再構成することが可能な凍結乾燥剤、同様に液体剤が含まれる。液体医薬組成物に関して、溶液剤および懸濁剤が想定される。
【0125】
錠剤は、任意選択で1つもしくは複数の副原料または添加剤と共に、圧縮または成形により作製され得る。圧縮錠剤は、例えば、結合剤(例えば、ポビドン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、ナトリウムデンプングリコレート、架橋ポビドン、架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース)および/または界面活性剤もしくは分散剤と任意選択で混合された、粉末または細粒などの自由流動性形態の有効成分を、好適な打錠機中で圧縮することにより調製される。
【0126】
成形錠剤は、例えば、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を、好適な打錠機中で成形することにより作製される。錠剤は、任意選択でコーティングされるかまたは割線を入れられてもよく、且つ有効成分の低速または制御放出をもたらすために、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースを所望の放出特性を提供するように多様な割合で使用して、製剤化されてもよい。錠剤は、胃よりはむしろ腸部分で放出をもたらすように、薄膜、糖コーティング、または腸溶コーティングなどのコーティングを用いて任意選択で提供されてもよい。錠剤およびカプセル剤の作製用のプロセス、装置、ならびにトール(toll)の製造業者は、当技術分野で周知である。
【0127】
本開示の製剤はまた、非持続放出性製剤と比較すると、薬物の各成分が経時的にゆっくりと放出されるかまたは吸収されるような延長放出性製剤であってもよい。いくつかの実施形態では、組成物は、安定性を改善し、且つイブジラストまたは薬学的に許容されるその塩の半減期を延長するために製剤化される。例えば、イブジラストまたは薬学的に許容されるその塩は、制御放出性または延長放出性の製剤で送達される。制御放出性または延長放出性の製剤は、イブジラストまたは薬学的に許容されるその塩を、担体またはビヒクル中に、例えば、リポソーム、酢酸エチレンビニルコポリマーおよびHytrel(登録商標)コポリマーなどの非吸収性の不透過性ポリマー、ヒドロゲルなどの膨潤性ポリマー、またはコラーゲンなどの吸収性ポリマー、ならびに吸収性縫合糸を作製するために使用されるものなどの特定のポリ酸またはポリエステル中に組み込むことにより調製される。加えて、イブジラストまたは薬学的に許容されるその塩は、カプセル化、微粒子担体に吸着、または関連させることができる。微粒子担体の例として、ポリメチルメタクリレートポリマーから生じるもの、同様にポリ(ラクチド)およびPLGとして公知のポリ(ラクチド-co-グリコリド)から生じる微小粒子が含まれる。例えば、Jefferyら、Pharm.Res.(1993年)10:362~368ページ;およびMcGeeら、J.Microencap.(1996年)を参照されたい。
【0128】
この目的に好適な延長放出性ポリマーは、当技術分野で公知であり、セルロースエーテルなどの疎水性ポリマーが含まれる。好適なセルロースエーテルの非限定的な例として、エチルセルロース、酢酸セルロースなど;酢酸ポリビニル、ポリアクリル酸エステル、メタクリル酸およびアクリレートのポリマー(pH依存型)などのポリビニルエステル;脂肪酸およびグリセリド、メタクリル酸エステル中性ポリマー、ポリビニルアルコール-無水マレイン酸コポリマーなどの高分子量ポリビニルアルコールおよびワックス;エチルアクリレート-メチルメタクリレートコポリマー;アミノアルキルメタクリレートコポリマー;ならびにこれらの混合物が含まれる。
【0129】
持続放出性製剤は、活性剤のプロドラッグ形態、リポソームもしくはポリマーマトリックス、ヒドロゲルなどの遅延放出性の薬物送達系、またはポリエチレングリコールなどのポリマーと活性剤との共有結合を利用してもよい。
【0130】
詳細には上述の原料に加えて、本開示の製剤は、医薬分野で従来的な、且つ例えば経口投与形態用に利用される特定の種類の製剤のような他の薬剤を任意選択で含んでもよく、経口投与用の組成物はまた、甘味料、増粘剤または着香剤として付加的な薬剤を含んでもよい。
【0131】
キット
また本明細書に提供されるのは、本開示の組成物のいずれか1種を含み、使用説明書を伴うキットである。
【0132】
例えば、該キットは、イブジラスト、または薬学的に許容されるその塩を含み、使用説明書を伴う。イブジラスト、または薬学的に許容されるその塩は、包装が、投与用の説明を伴うと考えると、薬物成分が投与される方式を明確に示している限り、投与に好適な任意の方式で包装されてもよい。
【0133】
例えば、イブジラスト、または薬学的に許容されるその塩を含む例示的なキットにおいて、該キットは例えば日ごとなどの任意の適切な期間により構成されてもよい。一例として、1日目用に、代表的なキットはイブジラストまたは薬学的に許容されるその塩それぞれの単位投薬量を含み得る。それぞれの薬物が1日2回投与される場合は、キットは、投与タイミングに関する説明書と共に、1日目に対応する、2通りのイブジラストまたは薬学的に許容されるその塩それぞれの単位剤形を含み得る。あるいは、イブジラスト、または薬学的に許容されるその塩が、投与のタイミングまたは量が異なる場合、それは包装および説明書に反映される。上記に基づく様々な実施形態が容易に想定され得、イブジラストまたは薬学的に許容されるその塩に加えて処置に利用される薬物の特定の組み合わせ、それらの対応する剤形、推奨される投薬量、意図される患者集団などに、当然のことながら依存する。包装は、医薬品の包装に一般に利用される任意の形態であってもよく、異なる色、包装材料、不正開封防止包装、ブリスター包装、防湿剤などの任意の多くの特色を利用してもよい。
【0134】
本開示は、好ましい特定の実施形態と関連して記載されているが、前述の記載と同様に以下の実施例は、例示することを目的としており、本開示の範囲を限定するものではないことを理解されたい。本開示の範囲内の他の態様、利点および修正の形態は、本開示に関する当業者には明白であろう。
【0135】
本出願において述べられた全ての参考文献は、任意の特許、公開された特許出願、書籍、ハンドブック、雑誌刊行物、またはFDA Orange Bookを含めて、その全容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0136】
以下の実施例は、本開示の様々な実施形態を例示する目的で示され、いかなる様式においても本開示を限定することを意図するものではない。当業者は、本開示が、目的を実行し、且つ本明細書で述べた目標および利点、同様に本明細書に固有のこれらの目的、目標および利点を得るようにうまく適合されていることを容易に認識するであろう。本実施例は、本明細書に記載される方法と共に、実施形態の現在の代表例であり且つ例示的なものであり、本開示の範囲の限定を意図するものではない。特許請求の範囲により定義される本開示の趣旨の内に包含される変更および他の使用は、当業者に想到されるであろう。
【実施例1】
【0137】
【実施例2】
【0138】
イブジラスト錠剤I-A
実施例1による製剤を使用して、20mg用量の錠剤を調製した:
【0139】
【実施例3】
【0140】
【実施例4】
【0141】
イブジラスト錠剤II-A
実施例3による製剤を使用して、30mg用量の錠剤を調製した:
【0142】
【実施例5】
【0143】
イブジラスト錠剤II-B
実施例3による製剤を使用して、60mg用量の錠剤を調製した:
【0144】
【実施例6】
【0145】
【0146】
この製剤を使用して、様々な投薬量のイブジラストの形態を調製することが可能である。
【実施例7】
【0147】
イブジラスト錠剤III-A
実施例6による製剤を使用して、50mg用量の錠剤を調製した:
【0148】
【0149】
実施例6の製剤を使用して、より低い用量の錠剤(例えば、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、または45mg)を同様に調製することが可能である。
【実施例8】
【0150】
イブジラスト錠剤III-B
実施例6による製剤を使用して、50mg用量の錠剤を調製した:
【0151】
【0152】
実施例6の製剤を使用して、より低い用量の錠剤(例えば、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、または45mg)を同様に調製することが可能である。
【実施例9】
【0153】
イブジラストカプセル剤III-C
所望の投薬量に従って充填重量を調節しながら、実施例6による製剤で空カプセルを充填することにより、カプセル剤形態の様々なイブジラスト投薬量(例えば、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、または50mg)を調製する。
【実施例10】
【0154】
溶解試験
イブジラスト錠剤II-B(実施例4)、錠剤III-A(実施例7)、および錠剤III-B(実施例8)を、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに2~22時間、USP Apparatus Type II内で試験されるときの4時間、7時間、12時間、15時間、18時間、および24時間時点におけるそれらのそれぞれの溶解プロファイルに関して評定した。各時点における薬物放出百分率のデータを表9に示す。
【表9】
【実施例11】
【0155】
健常ボランティアにおける延長放出性、高用量イブジラスト錠剤の第I相薬物動態試験(パート1)
標的徴候(例えば、進行性MS、薬物嗜癖、筋萎縮性側索硬化症)における神経保護の効果を達成するのに必要とされる1日用量レベル(60~100mg/日)が高いため、患者は、多くのカプセル剤(6~10カプセル/日)を摂取する。この試験では、市販の10mgイブジラスト即時放出(IR)カプセル剤(PINATOS(登録商標))と比較した2種の延長放出性(ER)製剤(錠剤III-Aおよび錠剤III-B)の薬物動態、安全性、および忍容性を調査した。
【0156】
このランダム化、三元クロスオーバー試験に参加した12人の対象から、イブジラストの血漿濃度-時間データを受け取った。各対象は、以下の3種の処置を受けた:
・12時間空けて投与された50mgのイブジラストの2回の用量(IRカプセル剤)
・錠剤III-Aの100mg単回用量(2×50mg錠剤として投与された)
・錠剤III-Bの100mg単回用量(2×50mg錠剤として投与された)
【0157】
各処置を14日のウォッシュアウト期間離した。各試験期間中、投与後168時間までサンプルを採取した。
【0158】
血漿濃度をノンコンパートメント解析にかけた。公称サンプリング時間をこの解析において使用した。最初の定量化可能な濃度の前の、定量限界(BLQ)を下回る血漿サンプルを薬物動態パラメータ計算のために「0」で置き換え、一方、他のBLQサンプルは欠測として報告した。以下のパラメータを計算した:
【表10】
【0159】
期間2および3中の投与前血漿濃度が、数人の対象において測定可能であった。これは、前の投与からいくらか持ち越されたことを示唆する。これらの投与前濃度は、Cmaxと比較して低く、したがって、解析において0で置き換えた。しかしながら、これらの濃度はまた、期間1および2中の168時間サンプルであったため、その時点に関して元々報告された通り加えた。個々のおよび平均の単回用量濃度-時間データの両方のノンパラメトリックな重ね合わせにより、定常状態のMN-166濃度を推定し、それらの推定された定常状態の濃度を、同様にノンコンパートメント解析にかけた。
【0160】
平均血漿濃度時間プロファイルは、3種の製剤間で同等であった。血漿濃度は、対象内および対象間の両方で非常に多様であった。
【0161】
平均tmaxは、錠剤III-A製剤および錠剤III-B製剤それぞれについて4.17および9.67時間であった。これは、錠剤III-A製剤からのより速い吸収速度を示唆する。したがって、平均Cmaxは、錠剤III-B(45.1ng/mL)と比較して、錠剤III-A(57.1ng/mL)において約20%高かった。注目すべきことに、錠剤III-B製剤に対して観察された吸収遅延時間は、tmaxの遅延に寄与した可能性がある。単回用量投与後の、AUCにより測定される吸収の程度はまた、錠剤III-B製剤(1640ng*h/mL)と比較して、錠剤III-A(1840ng*h/mL)においてわずかに高かった。
【0162】
IR製剤と比較して、錠剤III-A製剤および錠剤III-B製剤のCmaxは、朝投与における2倍の増加にも関わらず、それぞれ約30%および10%高かった。これは、錠剤III-Aおよび錠剤III-Bの両方が延長放出特性を示したことを示唆する。IR製剤の平均AUC(1790ng*h/mL)は、錠剤III-A製剤と同等であり、錠剤III-B製剤と比較して平均してわずかに高かった(9%)。
【0163】
IR製剤に対するER製剤の個々のAUC比として計算された相対バイオアベイラビリティは、錠剤III-A製剤および錠剤III-B製剤それぞれについて、平均して104%および94%であった。これは、3種全ての製剤について同等の相対バイオアベイラビリティを示唆する。注目すべきことに、相対バイオアベイラビリティは、錠剤III-Aについて62~148%、および錠剤III-Bについて47~156%の範囲であった。これは、大きい変動を証明する。
【0164】
終末半減期は、3種全ての製剤について、平均して52~58時間の間で同等であった。
【0165】
大きい変動を考えて、平均のおよび個々の血漿濃度時間プロファイルの両方を定常状態まで推定した。全体として、24時間定常状態のレベルは、3種の製剤間で同等であった。平均の定常状態の推定PKパラメータはまた、3種の製剤について同等である。最後に、概ね、曝露は、製剤間の各対象内で一貫していた。
【実施例12】
【0166】
健常ボランティアにおける延長放出性、高用量イブジラスト錠剤の第I相薬物動態試験(パート2)
実施例11による12人の対象が、続く試験にさらに参加した。対象をランダム化して、以下の様式で投与された(1)ER製剤(錠剤III-A)、または(2)IR製剤(市販の10mgイブジラスト即時放出(IR)カプセル剤(PINATOS(登録商標))を受けさせた:
・投与用量設定相(1~3日目):3日間の50mgの錠剤III-A(1個の錠剤)または50mg IR(5個の10mgカプセル剤)の1日1回投与。
・複数回投与相(4~14日目):11日間の100mgの錠剤III-A(2個の錠剤)の1日1回投与または50mg IR(12時間毎に5個のカプセル剤)の1日2回投与。14日目、IRカプセル剤について、朝投与のみ投与した。
【0167】
予備血漿濃度データを受け取り、ノンコンパートメント解析にかけた。実施例11に記載のパラメータを計算した。
【0168】
全体的な予備的結論:
・両方の製剤について、投与後3時間以内に平均T
maxに達した。12時間までに、平均血漿濃度は、ER製剤においてわずかにより高いだけであった。
・比較的高い濃度を経験している2人の対象に対して、ER製剤の投与後、より大きい変動が観察された。
・定常状態のC
maxは、IR製剤およびER製剤について平均して同等であった。
・定常状態のC
minおよびAUC
0-24は、IR製剤と比較して、ER製剤において、より低かった。
・単回用量データは、IR製剤について定常状態のパラメータを十分に予測し、ER製剤についてはそれよりも劣っていた。
最終結果を表10に示す。
【表11】
【実施例13】
【0169】
健常ボランティアにおける延長放出性、高用量イブジラスト錠剤の第I相薬物動態試験-食物の影響
この試験の目的は、(a)絶食状態の健常ボランティアにおいてイブジラストの即時放出(IR)カプセル剤製剤(5個の10mgカプセル剤)と比較して延長放出性(ER)イブジラストの錠剤製剤(50mg)の単回用量薬物動態(PK)および相対バイオアベイラビリティを検討すること;および(b)ERイブジラスト50mg錠剤製剤の単回用量PKに対する食物の影響を検討することであった。
【0170】
錠剤III-A、およびPINATOS(登録商標)からの市販の10mgイブジラスト即時放出(IR)カプセル剤をこの試験において検討した。
【0171】
対象は、1週間空けて投与されたクロスオーバー様式で以下の3種の処置を受けた:
・ER:食物なし(絶食状態)で投与された単回用量(50mg)のER錠剤。
・ER:高カロリー朝食後(摂食状態)に投与された単回用量(50mg)のER錠剤。
・IR:食物なし(絶食状態)で投与された単回用量(50mg)のIR製剤(5個の10mg IRカプセル剤;PINATOS(登録商標))。
【0172】
血液サンプル(サンプル当たりおよそ2mL)を、各処置において投与前、投与後0.5、1、2、4、6、8、10、12、24、32、48、72、96、および168時間(各系列の最後の処置のみ)において採取した。
【0173】
対象は、投与日(1日目、8日目、および15日目)の朝を除いて標準的な食事スケジュールに従った。入院の夜のスナックの後、対象は、一晩(10時間)絶食した。投与日の朝に、絶食は、絶食処置において各試験薬物処置後4時間まで継続した。摂食処置において、高脂肪(食事の総カロリー含量のおよそ50パーセント)および高カロリー(およそ800~1000カロリー)試験食を、投与30分前に投与した。この試験食では、タンパク質、炭水化物、および脂肪それぞれからおよそ150、250、および500~600カロリーを得た。対象は、この食事を30分以下で食べた。標準化された食事は、全ての対象において投与4時間後に再開し、対象が投与32時間後にクリニックを去るまで継続した。
【0174】
予備血漿濃度データを受け取り、ノンコンパートメント解析にかけた。実施例11に記載のパラメータを計算した。結果を表10に示す。
【0175】
A項.イブジラストおよび少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物であって、錠剤またはカプセル剤の形態であり、前記錠剤または前記カプセル剤は、37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmでUSP Apparatus Type II内で試験されるとき約2時間において少なくとも約12%の前記イブジラストが前記錠剤または前記カプセル剤から放出された溶解プロファイルを有する、医薬組成物。
【0176】
B項.錠剤が、ポリビニルアルコール、可塑剤、および顔料を含むコーティングを有する、A項に記載の医薬組成物。
【0177】
C項.少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤が、微結晶セルロース、ラクトース、もしくはヒプロメロース、またはこれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む、A項またはB項に記載の医薬組成物。
【0178】
D項.前記錠剤または前記カプセル剤が、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに2時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約4時間において少なくとも約25%の前記イブジラストが前記錠剤または前記カプセル剤から放出された溶解プロファイルを有する、A~C項のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【0179】
E項.前記錠剤または前記カプセル剤が、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに10時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約12時間において少なくとも約60%の前記イブジラストが前記錠剤または前記カプセル剤から放出された溶解プロファイルを有する、A~D項のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【0180】
F項.前記錠剤または前記カプセル剤が、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに22時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約24時間において少なくとも約90%の前記イブジラストが前記錠剤または前記カプセル剤から放出された溶解プロファイルを有する、A~E項のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【0181】
G項.前記錠剤または前記カプセル剤が、約10mg~約100mgの前記イブジラストを含む、A~F項のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【0182】
H項.イブジラストおよび少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物であって、錠剤またはカプセル剤の形態であり、前記錠剤または前記カプセル剤は、37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmでUSP Apparatus Type II内で試験されるとき約2時間においてイブジラストが前記錠剤または前記カプセル剤から放出されなかった溶解プロファイルを有する、医薬組成物。
【0183】
I項.錠剤が、メタクリル酸およびエチルアクリレートのコポリマー分散剤;クエン酸トリエチル;ならびにタルクを含むコーティングを有する、H項に記載の医薬組成物。
【0184】
J項.少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤が、微結晶セルロース、ラクトース、もしくはヒプロメロース、またはこれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む、H項またはI項に記載の医薬組成物。
【0185】
K項.前記錠剤または前記カプセル剤が、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに2時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約4時間において約10%~約20%の前記イブジラストが前記錠剤または前記カプセル剤から放出された溶解プロファイルを有する、H~J項のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【0186】
L項.前記錠剤または前記カプセル剤が、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに10時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約12時間において約55%~約65%の前記イブジラストが前記錠剤または前記カプセル剤から放出された溶解プロファイルを有する、H~K項のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【0187】
M項.前記錠剤または前記カプセル剤が、(a)37℃の900mLの模擬胃液媒体中50rpmで2時間、続いて(b)37℃、pH6.8の、0.3% w/wのラウリル硫酸ナトリウムを含む900mLのリン酸緩衝液中50rpmでさらに22時間、USP Apparatus Type II内で試験されるとき約24時間において約85%~約95%の前記イブジラストが前記錠剤または前記カプセル剤から放出された溶解プロファイルを有する、H~L項のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【0188】
N項.前記錠剤または前記カプセル剤が、約10mg~約100mgの前記イブジラストを含む、H~M項のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【0189】
O項.前記錠剤または前記カプセル剤が、3日投与用量設定相、続いて11日複数回投与相からなる投与プロトコルに従ってヒト対象に投与されるとき、中間放出性製剤と比較して改善されたCmaxを示し、前記錠剤または前記カプセル剤は、3日投与用量設定相の間に50mg用量として1日1回投与され、前記錠剤または前記カプセル剤は、11日複数回投与相の間に100mg用量として1日1回投与される、H~N項のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【0190】
P項.約3% w/w~約15% w/wのイブジラスト、約30% w/w~約40% w/wのラクトース、約30% w/w~約40% w/wの微結晶セルロース、約15% w/w~約25% w/wのヒプロメロース、約0.2% w/w~約0.8% w/wのステアリン酸マグネシウム、および約0.5% w/w~約5% w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む医薬組成物。
【0191】
Q項.ラクトースが、ラクトース一水和物である、P項に記載の医薬組成物。
【0192】
R項.約10% w/wのイブジラスト、約35% w/wのラクトース一水和物、約33.5% w/wの微結晶セルロース、約20% w/wのヒプロメロース、約0.5% w/wのステアリン酸マグネシウム、および約1% w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む、P項またはQ項に記載の医薬組成物。
【0193】
S項.錠剤の形態である、P~R項のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【0194】
T項.錠剤が、コーティングを有する、S項に記載の医薬組成物。
【0195】
U項.コーティングが、ポリビニルアルコール、可塑剤、および顔料を含む、T項に記載の医薬組成物。
【0196】
V項.コーティングが、メタクリル酸およびエチルアクリレートのコポリマー分散剤;クエン酸トリエチル;ならびにタルクを含む、T項に記載の医薬組成物。
【0197】
W項.カプセル剤の形態である、P~V項のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【0198】
X項.ヒドロキシプロピルメチルセルロース-フタレートを含まない、P~W項のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【0199】
Y項.水素化ヒマシ油を含まない、P~X項のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【0200】
均等物
本開示は、詳細には特定の実施形態および任意選択の特色により開示されるけれども、本明細書に開示される、実施された本開示の修正、改善および変形の形態は、当業者により用いられ得、そのような修正、改善および変形の形態は、本開示の範囲内であると考えられることを理解されたい。ここに提供される材料、方法、および実施例は、特定の実施形態の代表例であり、例示的なものであり、本開示の範囲の限定を意図するものではない。
【0201】
本開示は、広範に且つ包括的に本明細書に記載される。包括的な開示内に入る、より狭い種類および下位の包括的な分類のそれぞれもまた、本開示の一部をなす。これには、削除された物質が詳細には本明細書に記載されるか否かに関わらず、その部類から任意の主題を取り除くという条件付きかまたは消極的な限定を伴い、本開示の包括的な記載が含まれる。
【0202】
加えて、本開示の特色または態様がマーカッシュ語群の表現で記載される場合、当業者は、本開示がまた、マーカッシュ語群の任意の個々の構成員またはサブグループの構成員の表現によっても記載されていることを理解するであろう。
【0203】
特許請求の範囲における用語「または」の使用は、代替物のみを表すことが明示的に示されていない限り、または代替物が相互排他的でない限り、たとえ本開示が、代替物のみならびに「および/または」を表すという定義を支持していても、「および/または」を意味するために使用される。
【国際調査報告】