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特表2022-549146有色の炭水化物粒子を有する透明に糖衣コーティングされたチューインガムを製造するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-24
(54)【発明の名称】有色の炭水化物粒子を有する透明に糖衣コーティングされたチューインガムを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   A23G 4/20 20060101AFI20221116BHJP
   A23G 4/04 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
A23G4/20
A23G4/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022517358
(86)(22)【出願日】2020-09-10
(85)【翻訳文提出日】2022-05-06
(86)【国際出願番号】 EP2020075404
(87)【国際公開番号】W WO2021052870
(87)【国際公開日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】102019214372.5
(32)【優先日】2019-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515053771
【氏名又は名称】ズートツッカー アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハスリンガー,ベルント
(72)【発明者】
【氏名】リヒフィールト,ダーヴィト
(72)【発明者】
【氏名】ツセムベリー,ローラント
【テーマコード(参考)】
4B014
【Fターム(参考)】
4B014GB17
4B014GE02
4B014GG07
4B014GG08
4B014GK05
4B014GL10
4B014GP02
4B014GP03
4B014GP27
(57)【要約】
本発明は、不均質な構造のチューインガムコアと、このコアを被覆する透明な糖衣被膜とを有する、透明に糖衣コーティングされたチューインガムを製造するための方法に関する。本発明では、押出されたチューインガム成形体の表面に、糖衣コーティングよりも前に、撒き散らされ且つ押込まれた有色の炭水化物粒子が、透明な糖衣被膜を通して視認可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不均質な構造のチューインガムコアと、該コアを被覆する透明な糖衣被膜とを有する、透明に糖衣コーティングされたチューインガムを製造するための方法であって、
a)チューインガムコア成分、特に少なくとも1種のチューインガムベースおよび少なくとも1種の第1の炭水化物と、0.2~2mmの粒径を有する有色の炭水化物粒子と、少なくとも1種の第2の炭水化物を含んだ透明な糖衣コーティング媒体と、を準備する工程と、
b)前記チューインガムコア成分を混合かつ混練して、チューインガムコア配合物を得る工程と、
c)前記チューインガムコア配合物を押出して、押出されたチューインガム成形体を得る工程と、
d)前記押出されたチューインガム成形体の表面に、前記有色の炭水化物粒子を撒き散らす工程と、
e)有色の炭水化物粒子が撒き散らされた前記チューインガム成形体を圧延する工程と、
f)工程e)で得られた圧延された前記チューインガム成形体を裁断して、不均質な構造のチューインガムコアを得る工程と、
g)工程f)で得られた前記不均質な構造のチューインガムコアを、前記透明な糖衣コーティング媒体で糖衣コーティングする工程と、
h)不均質な構造のチューインガムコアを有する透明に糖衣コーティングされたチューインガムを得る工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
前記チューインガムコア配合物に対する前記有色の炭水化物粒子の割合は、(前記チューインガムコア配合物全体を基準にして)3~20重量%である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記有色の炭水化物粒子は、ポリオール粒子である、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
工程a)で準備された前記有色の炭水化物粒子の少なくとも80重量%は、(着色された前記炭水化物粒子の全乾燥物質を基準にして)0.2mm~2mm、特に0.5~1.6mmの粒径を有する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記有色の炭水化物粒子は、少なくとも1種の香料を含む、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
工程b)で得られた前記チューインガムコア配合物は、(前記チューインガムコア成分の全乾燥物質を基準にして)40~70重量%の、前記少なくとも1種の第1の炭水化物を含む、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1種の第1の炭水化物は、ポリオール、特にイソマルトである、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1種のチューインガムベースおよび前記少なくとも1種の第1の炭水化物に対して付加的に、呈味物質、着色料、加工助剤、例えば離型剤または滑剤、高甘味度甘味料、香料およびそれらの組合せから成る群から別のチューインガムコア成分が選択されている、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記高甘味度甘味料は、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース、サッカリン、グリチルリチン、タウマチン、ネオヘスペリジン-ジヒドロカルコン、シクラメート、ステビアエキス、ステビオールグリコシド、ステビオシド、レバウジオシドA、モネリン、アリテームおよびそれらの組合せから成る群から選択されている、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記チューインガム成形体を、工程f)において板状、粒状、棒状または円板状に裁断する、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記透明な糖衣コーティング媒体に含まれた前記少なくとも1種の第2の炭水化物は、ポリオールである、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記透明な糖衣コーティング溶液に含まれた前記少なくとも1種の第2の炭水化物は、イソマルトであり、好適には、(それぞれ前記イソマルトの1,1-GPMに対する1,6-GPSの全乾燥物質を基準にして)1,6-GPS(6-O-α-D-グルコピラノシル-D-ソルビトール)が70~80重量%および1,1-GPM(1-O-α-D-グルコピラノシル-D-マンニトール)が30~20重量%である比率を有するイソマルトである、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
工程g)を少なくとも2サイクル、特に5~100サイクル実施する、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
工程h)で得られた前記透明に糖衣コーティングされたチューインガムは、(該糖衣コーティングされたチューインガムの全乾燥物質を基準にして)15~50重量%の糖衣被膜を有する、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の方法により製造可能な、特に製造された、不均質な構造のチューインガムコアを取り囲む透明な糖衣被膜を有する糖衣コーティングされたチューインガム。
【請求項16】
透明に糖衣コーティングされたチューインガムであって、少なくとも1種の第1の炭水化物を含んだチューインガムコアと、該チューインガムコアを被覆する、少なくとも1種の第2の炭水化物を含んだ透明な糖衣被膜とを有し、前記チューインガムコアの1つの表面が、有色の炭水化物粒子を含む、0.2~2mmの高さを有するクランチ中間層として形成されている、透明に糖衣コーティングされたチューインガム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不均質な構造のチューインガムコアと、このコアを被覆する透明な糖衣被膜とを有する、透明に糖衣コーティングされたチューインガムを製造するための方法であって、押出されたチューインガム成形体の表面に、糖衣コーティングよりも前に撒き散らされて押込まれた有色の炭水化物粒子が、透明な糖衣被膜を通して視認可能である、方法、ならびにこの方法により製造されたチューインガムに関する。
【0002】
有色のチューインガムコアも多色のチューインガムコアも先行技術に基づき公知である。例えば、国際公開第01/89312号には、多種の異なる有色の領域を有していてよいチューインガムコアが開示されている。このためには、少なくとも2種の異なる有色のチューインガム配合物が準備され、共押出し機を介して押出され、これによって、異なる有色の層、ストライプ、マーブリング、または異なる有色の層により取り囲まれたコアが得られる。したがって、多色のチューインガムコアを製造するためには、1つよりも多くの押出し機または1つの共押出し機と、色の数に応じて、着色された個々のチューインガム配合物を順次製造するための複数のミキサまたは多大な時間とが必要になる。したがって、多色のチューインガムコアの製造は、著しい機器消費、コスト消費および/または時間消費に結び付けられている。
【0003】
チューインガムコアの硬くてカリッとしたコーティング、いわゆる糖衣被膜も同じく先行技術において公知である。従来では、このようなコーティングは、通常、着色顔料によって製造された。この場合、白色のコーティング用には、二酸化チタン、炭酸カルシウムまたはデンプンが使用され、有色のコーティング用には、別の食品着色料が使用される。着色されたチューインガムコアを透明にコーティングし、これによって、コーティングを通してコアの着色を見ることができるようにすることも、同じく先行技術に基づき公知である。例えば、上述した国際公開第01/89312号にも、主にソルビトールから成る多色のチューインガムコアの透明なコーティングが記載されている。この場合、結合剤、例えばアラビアガム、甘味料、香料およびこれに類するものが含まれていてもよい。
【0004】
国際公開第2016/166092号には、透明に糖衣コーティングされた菓子製品が開示されている。この菓子製品のコアは、コーティングを通して視認可能な1種以上の材料を含んでいる。こういった材料は種々異なる色を有していてよい。場合により種々異なる色を有し得る材料は、コア全体に一貫して統合されて分配されている。このような製品の提供は、1つには、比較的大量の有色の材料が必要となるため高価になり、その上、少なくとも特定の消費者群に対して、カリッと感が十分に際立っていない。
【0005】
本発明の根底にある課題は、感覚刺激的かつ視覚的に特に好印象であり、特にカリッと感が改善されていて、その上、特に簡単かつ廉価に製造することができるチューインガムを提供することである。
【0006】
本発明は、その根底にある技術的な課題を独立請求項の教示の提供によって解決する。
【0007】
特に本発明は、不均質な構造のチューインガムコアと、このコアを被覆する透明な糖衣被膜とを有する、透明に糖衣コーティングされたチューインガムを製造するための方法であって、
a)チューインガムコア成分、特に少なくとも1種のチューインガムベースおよび少なくとも1種の第1の炭水化物と、0.2~2mmの粒径を有する有色の炭水化物粒子と、少なくとも1種の第2の炭水化物を含んだ透明な糖衣コーティング媒体とを準備する工程と、
b)チューインガムコア成分を混合かつ混練して、チューインガムコア配合物を得る工程と、
c)チューインガムコア配合物を押出して、押出されたチューインガム成形体を得る工程と、
d)押出されたチューインガム成形体の表面に有色の炭水化物粒子を撒き散らす工程と、
e)有色の炭水化物粒子が撒き散らされたチューインガム成形体を圧延する工程と、
f)工程e)で得られた圧延されたチューインガム成形体を裁断して、不均質な構造のチューインガムコアを得る工程と、
g)工程f)で得られた不均質な構造のチューインガムコアを透明な糖衣コーティング媒体で糖衣コーティングする工程と、
h)不均質な構造のチューインガムコアを有する透明に糖衣コーティングされたチューインガムを得る工程と、
を含む、特にから成る、方法に関する。
【0008】
本発明に関連して、不均質な構造のチューインガムコアとは、押出されたチューインガムコア配合物から成る成形体であって、この成形体の表面に有色の炭水化物粒子が撒き散らされていて、この有色の炭水化物粒子が、本発明により特定された後続のチューインガム成形体の圧延によってチューインガムコア配合物に押込まれた、成形体を意味している。本発明によれば、有色の炭水化物粒子は、チューインガム成形体の表面に付着され、したがって、チューインガムコア配合物によって取り囲まれていないかまたは完全には取り囲まれていない。これによって、本発明により特定された圧延後でも、好適には、規定された視点から基本的に視認可能かつ有色の炭水化物粒子の最大の周長さにより予め設定された粒子表面全体、またはそのうちの少なくとも主要な部分が視認可能となる。つまり、好適な実施形態において特定された、有色の炭水化物粒子の実質的な球形状を想定すると、球の半分の表面全体またはそのうちの主要な部分が視認可能となる。有色の炭水化物粒子の視認性は、透明な糖衣コーティング媒体での不均質な構造のチューインガムコアの本発明により特定されたコーティング後でも維持される。有色の炭水化物粒子は、押出されたチューインガムコア配合物の色と異なる色を特徴としており、これによって、不均質な構造のチューインガムコア、特に視覚的かつ構造的に不均質なチューインガムコアが形成される。
【0009】
したがって、本発明は、有利には、不均質な構造のチューインガムコアを有する、透明に特に透過性に糖衣コーティングされたチューインガムを、特に複数の押出し機または1つの共押出し機もしくは多数のミキサを使用することなく、特に簡単かつ廉価に製造することができる方法を提供している。押出されたチューインガム成形体に有色の炭水化物粒子を撒き散らすことによって、チューインガム成形体の少なくとも二色の表面を簡単に製造することができ、この表面は、透明な糖衣被膜を通して引き続き視認可能なままとなっている。押出されたチューインガムコア配合物の表面への有色の炭水化物粒子の本発明による撒き散らしと、これに続く、押出されたチューインガムコア配合物の有色の炭水化物粒子の本発明による押込みとによって、有色の炭水化物粒子は、コア内に統合されてひいてはチューインガムコア配合物により取り囲まれて存在する、チューインガムコア配合物と混合された炭水化物粒子と比較して、特に良好に視認可能である。このため、透明に糖衣コーティングされて得られたチューインガムは、視覚的にも特に見栄えが良くなっている。したがって、本発明によって、チューインガムコア配合物の使用量に関して、比較的少ない量の有色の炭水化物粒子で、特に明確な視覚効果、特に明確な色彩効果を得ることが可能となる。なぜならば、方法に取り入れられた全ての有色の炭水化物粒子が、チューインガムコアの表面において視認可能となり、視覚的な色感に貢献しているからである。
【0010】
したがって、押出されたチューインガム成形体の表面への、有色の特に着色された炭水化物粒子の本発明により特定された撒き散らしによって、有色の成分が完全なチューインガムコア配合物内に混ぜ込まれる方法と比較して、使用すべき有色の炭水化物粒子または使用すべき着色された成分の量が大幅に減じられる。その理由は、本発明によれば、有色の炭水化物粒子の提供が、チューインガムコア配合物の、外側から透明なコーティングを通して視認可能となる領域、つまり、チューインガム成形体の表面でのみ実現されるからである。
【0011】
さらに、本方法により得られるチューインガムは、感覚刺激的かつ知覚的に特に好印象である。なぜならば、チューインガムコア配合物に撒き散らされて押込まれた有色の炭水化物粒子によって、カリッと感が改善されるからである。このことは、0.2~2mmのかなり大きな粒径を有する有色の炭水化物粒子が、チューインガムコアの表面にかつカリッとした糖衣被膜の内側に、付加的な結晶質のカリッとした中間層(以下、クランチ中間層とも呼ぶ)を形成することによって達成される。好適には、有色の炭水化物粒子は、0.2~2mmの高さを有するクランチ中間層を形成している。したがって、本発明によるプロセスによって、少なくとも1種の第1の炭水化物を含んだチューインガムコアと、このチューインガムコアを被覆し、少なくとも1種の第2の炭水化物を含んだ透明な糖衣被膜とを有する、透明に糖衣コーティングされたチューインガムが製造される。この場合、チューインガムコアの表面は、0.25~2mmの高さを有するクランチ中間層として形成されている。このクランチ中間層は有色の炭水化物粒子を有していて、第2の炭水化物を含んだ糖衣被膜で被覆されている。
【0012】
特に好適な実施形態では、本発明により提供されるチューインガムの透明度もしくはカリッと感または透明度およびカリッと感は、より長い期間にわたっても特に安定して維持され続ける。
【0013】
方法は、第1の工程a)において、チューインガムコア成分、特に少なくとも1種のチューインガムベースおよび少なくとも1種の第1の炭水化物と、0.2~2mmの粒径を有する有色の炭水化物粒子と、少なくとも1種の第2の炭水化物を含んだ透明な糖衣コーティング媒体とを準備することを特定している。
【0014】
本発明に係る方法は、工程b)において、工程a)で準備されたチューインガムコア成分、特に少なくとも1種のチューインガムベースおよび少なくとも1種の第1の炭水化物を混合かつ混練することを特定している。このためには、通常の混合装置および/または混練装置が使用されてよい。
【0015】
少なくとも1種のチューインガムベースは、好適には水不溶性であり、エラストマー、ワックス、脂肪または油、充填剤および別の通常の成分を含んでいてよい。好適には、少なくとも1種のチューインガムベース配合物は、市販のチューインガムベースである。本発明の好適な実施形態では、2種以上の異なるチューインガムベースから成る混合物が使用される。
【0016】
特に好適には、チューインガムベースは白色またはベージュ色である。しかしながら、チューインガムベースが有色であり、特に食品着色料で着色されることが特定されていてもよい。
【0017】
特に好適には、工程b)で得られたチューインガムコア配合物は、(チューインガムコア成分の全乾燥物質を基準にして)20~40重量%、好適には25~37重量%、特に好適には30~35重量%のチューインガムベースを含む。
【0018】
さらに好適には、工程b)で得られたチューインガムコア配合物は、(チューインガムコア成分の全乾燥物質を基準にして)40~70重量%、好適には50~60重量%、特に好適には55~65重量%の少なくとも1種の第1の炭水化物を含む。
【0019】
本発明の好適な実施形態では、工程b)でチューインガムベースと混合かつ混練される少なくとも1種の第1の炭水化物は、ポリオール、特に糖アルコール、特に二糖アルコールまたは単糖アルコールである。特に少なくとも1種の第1の炭水化物は、イソマルト、ソルビトール、キシリトール、加水分解水添デンプン、特にマルチトールシロップ、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、ラクチトール、イソマルトST、イソマルトGS、1,1-GPM、1,6-GPS、1,1-GPSおよびそれらの組合せから成る群から選択されたポリオールである。
【0020】
特に好適には、少なくとも1種の第1の炭水化物は、イソマルト、特にイソマルトSTまたはイソマルトGSである。
【0021】
特に好適な実施形態では、少なくとも1種の第1の炭水化物は、少なくとも2種の第1の炭水化物の混合物、例えば、2種、3種、4種または5種のそれぞれ異なる第1の炭水化物の混合物である。
【0022】
つまり、本発明によれば、好適には、少なくとも2種、少なくとも3種または少なくとも4種、特に正確に2種、3種または4種のそれぞれ異なる第1の炭水化物を使用することが特定されていてもよい。これらの第1の炭水化物は、好適には、特にイソマルト、ソルビトール、キシリトール、加水分解水添デンプン、特にマルチトールシロップ、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、ラクチトール、イソマルトST、イソマルトGS、1,1-GPM、1,6-GPS、1,1-GPSおよびそれらの組合せから成る群から選択された全てのポリオール、特に糖アルコール、特に単糖アルコールまたは二糖アルコールである。本発明によれば、少なくとも2種、少なくとも3種または少なくとも4種の第1の炭水化物のうちの1種が、イソマルト、特にイソマルトSTまたはイソマルトGSである。
【0023】
好ましくは、少なくとも2種の第1の炭水化物、特にポリオールが、チューインガムコア成分として使用される。特に好適には、ソルビトールおよびイソマルトまたはマルチトールシロップ、特にマルチトールおよびイソマルトが、2種の第1の炭水化物として使用される。特に好適な実施形態では、少なくとも1種の第1の炭水化物は、2種の第1の炭水化物、特にイソマルト、特にイソマルトSTと、マルチトールシロップ、特にマルチトールとの混合物である。
【0024】
特に好適には、工程b)で得られたチューインガムコア配合物は、(チューインガムコア成分の全乾燥物質を基準にして)40~70重量%、好適には50~60重量%、特に好適には55~65重量%の2種の第1の炭水化物を含む。
【0025】
特に好適な実施形態では、少なくとも1種の第1の炭水化物は、3種の第1の炭水化物、特にイソマルト、特にイソマルトST、マルチトールシロップ、特にマルチトールおよびソルビトールの混合物である。
【0026】
さらに、工程b)で得られたチューインガムコア配合物は、(チューインガムコア成分の全乾燥物質を基準にして)40~70重量%、好適には50~60重量%、特に好適には55~65重量%の少なくとも3種の第1の炭水化物を含む。
【0027】
工程b)で得られたチューインガムコア配合物は、好適にはイソマルトを含む。
【0028】
本発明の好適な実施形態では、工程b)でチューインガムベースと混合かつ混練された少なくとも1種の第1の炭水化物は粉末状である。しかしながら、少なくとも1種の第1の炭水化物を、溶解された形態またはシロップの形態、つまり、懸濁された形態、特に水内で溶解または懸濁された形態で使用することが特定されていてもよい。
【0029】
好ましくは、工程b)で得られたチューインガムコア配合物は、(チューインガムコア成分の全乾燥物質を基準にして)少なくとも10重量%、好適には少なくとも15重量%、好適には少なくとも20重量%、好適には少なくとも25重量%、好適には少なくとも30重量%のイソマルトを、第1の炭水化物または少なくとも2種以上の第1の炭水化物のうちの1種として含む。
【0030】
特に好適には、工程b)で得られたチューインガムコア配合物は、(チューインガムコア成分の全乾燥物質を基準にして)多くとも15重量%、好適には多くとも20重量%、好適には多くとも25重量%、好適には多くとも30重量%、好適には多くとも35重量%のイソマルトを、第1の炭水化物または少なくとも2種以上の第1の炭水化物のうちの1種として含む。
【0031】
特に好適な実施形態では、工程b)で得られたチューインガムコア配合物は、(チューインガムコア成分の全乾燥物質を基準にして)10~35重量%、特に15~30重量%、特に17~28重量%、特に25重量%のイソマルト、特にイソマルトSTを、第1の炭水化物または少なくとも2種以上の第1の炭水化物のうちの1種として含む。
【0032】
特に好適には、工程b)で得られたチューインガムコア配合物は、(チューインガムコア成分の全乾燥物質を基準にして)多くとも15重量%、好適には多くとも20重量%、好適には多くとも25重量%、好適には多くとも30重量%、好適には多くとも35重量%のソルビトールを、少なくとも2種以上の第1の炭水化物のうちの1種として含む。
【0033】
特に好適には、工程b)で得られたチューインガムコア配合物は、(チューインガムコア成分の全乾燥物質を基準にして)多くとも8重量%、好適には多くとも9重量%、好適には多くとも10重量%、好適には多くとも11重量%、好適には多くとも12重量%のマルチトール、特にマルチトールシロップを、少なくとも2種以上の第1の炭水化物のうちの1種として含む。
【0034】
本発明によれば、第1の炭水化物のいずれも粉末状でないか、または1種の第1の炭水化物、2種の第1の炭水化物もしくは3種全ての第1の炭水化物が粉末状であることが特定されていてよい。さらに、第1の炭水化物のいずれも、溶解または懸濁されてシロップとして存在していないか、または1種の第1の炭水化物、2種の第1の炭水化物もしくは3種全ての第1の炭水化物が、溶解または懸濁されてシロップとして存在していることが特定されていてよい。
【0035】
好適な実施形態では、チューインガムコア配合物は糖を含まない。
【0036】
しかしながら、一実施形態では、少なくとも1種の第1の炭水化物が、特にショ糖、イソマルツロース、グルコース、果糖または乳糖の形態の糖、好ましくは、別の第1の炭水化物としての糖アルコール、特にイソマルトと組み合わせた糖であることが特定されていてもよい。
【0037】
さらに、本発明によれば、少なくとも1種の第1の炭水化物が、好ましくは、別の第1の炭水化物としての糖アルコール、特にイソマルトと組み合わせたイソマルツロースであることが特定されていてよい。
【0038】
特に好適な実施形態では、チューインガムコア配合物は、糖アルコールおよび高甘味度甘味料を除いて、チューインガム成形体への別の濃度付与甘味料、特に別の甘味料を含んでいない。本発明の特に好適な実施形態では、チューインガムコア配合物は、糖アルコールを除いて、チューインガム成形体への別の濃度付与甘味料、特に別の甘味料を含んでいない。本発明の特に好適な実施形態では、チューインガムコア配合物は、イソマルトおよび高甘味度甘味料を除いて、チューインガム成形体への別の濃度付与甘味料、特に別の甘味料を含んでいない。本発明の特に好適な実施形態では、チューインガムコア配合物は、イソマルトを除いて、チューインガム成形体への別の濃度付与甘味料、特に別の甘味料を含んでいない。
【0039】
本発明の好適な実施形態では、少なくとも1種のチューインガムベースおよび少なくとも1種の第1の炭水化物に対して付加的に、好適には、呈味物質、着色料、加工助剤、例えば離型剤または滑剤、高甘味度甘味料、香料およびそれらの組合せから成る群から選択された、別のチューインガムコア成分が使用されてよい。
【0040】
好適な実施形態では、高甘味度甘味料は、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース、サッカリン、グリチルリチン、タウマチン、ネオヘスペリジン-ジヒドロカルコン、シクラメート、ステビアエキス、ステビオールグリコシド、ステビオシド、レバウジオシドA、モネリン、アリテームおよびそれらの組合せから成る群から選択されている。特に好適には、高甘味度甘味料は、アスパルテームおよび/またはアセスルファムKである。
【0041】
特に好適には、工程b)で得られたチューインガムコア配合物は、(チューインガムコア成分の全乾燥物質を基準にして)0.01~0.3重量%、好適には0.05~0.25重量%、好適には0.1~0.2重量%の高甘味度甘味料を含む。
【0042】
本発明の意味での香料は、天然香料、天然と同等の香料または合成香料、特に植物エキスまたは果実エキス、精油またはそれらの組合せであってよい。特に好適には、香料は、メントール、ペパーミント、シナモン、果実の香りおよびそれらの組合せから成る群から選択されている。
【0043】
好適な実施形態では、香料は、ペパーミントの香りまたはメントールの香りである。
【0044】
特に好適な実施形態では、工程b)で得られたチューインガムコア配合物は、0.1~5重量%、特に0.5~4重量%、特に1~3.3重量%、特に3重量%の香料を含む。
【0045】
工程b)の混合および混練は、好適には、18~30℃、特に19~25℃、特に室温で行われる。
【0046】
本方法の工程b)で特定される、チューインガムコア成分の混合および混練の終了後、好適には、均質なチューインガムコア配合物が得られる。
【0047】
チューインガムコア配合物は、後続の工程c)で押出される。このためには、従来の押出し機が使用されてよい。チューインガムコア配合物の押出しによって、好適には、チューインガム成形体、特にチューインガムストランド、特に面状のチューインガムストランドが得られる。好適には、チューインガムコア配合物は、35~50℃、好適には40~45℃の温度で押出される。
【0048】
後続の工程d)では、工程c)で得られたチューインガム成形体に、有色の、特に着色された炭水化物粒子が撒き散らされる。特にこのことは、有色の、特に着色された炭水化物粒子が、押出された成形体の表面、好適には、押出されたチューインガム成形体の接触面から見て、上方に向けられた押出されたチューインガム成形体の表面に撒き散らされることを意味している。好適には、有色の炭水化物粒子は、押出されたチューインガム成形体の表面に付着し続け、次いで、成形体の表面に押込まれる。
【0049】
特に好適な実施形態では、成形体の全ての表面、つまり、表面全体に、有色の、特に着色された炭水化物粒子が撒き散らされてよい。本発明の別の実施形態では、押出されたチューインガム成形体の複数の表面のうちの1つの表面にのみ、撒き散らすことが特定されていてよい。本発明によれば、特に好適な実施形態では、有色の炭水化物粒子が1つの表面へ最初に撒き散らされた後に、成形体を反転させ、少なくとも1回の後続の撒き散らし工程で、少なくとも1つの別の表面に、有色の炭水化物粒子を撒き散らし、これによって、成形体の複数の表面または全ての表面に、有色の炭水化物粒子を撒き散らすことが特定されてよい。特に好適な実施形態では、押出されたチューインガム成形体に、それぞれ異なる方向から、場合によっては下方からも、有色の炭水化物粒子を撒き散らすことも可能である。
【0050】
本発明の特に好適な実施形態では、チューインガムコア配合物全体に対する有色の炭水化物粒子の割合は、(チューインガムコア配合物全体を基準にして)3~20重量%、好適には7~17重量%、好適には10~15重量%である。有利には、不均質な構造のチューインガムコアの1つの表面における有色の炭水化物粒子の割合が、(チューインガムコア配合物全体を基準にして)単に3~20重量%、特に7~17重量%、好適には10~15重量%、特に7重量%であることによって、当該表面の20%がカバーされ、これによって、すでに少ない量の有色の炭水化物粒子で、特に明確な色彩効果が得られる。
【0051】
つまり、好適には、チューインガム配合物の使用量に関連して、比較的少ない量の有色の、特に着色された炭水化物粒子が使用される。この有色の炭水化物粒子が、本発明によれば、チューインガム配合物と混合されるのではなく、押出されたチューインガム成形体の表面に撒き散らされ、次いで、その表面に押込まれることによって、比較的少ない量の有色の炭水化物粒子で最大の色彩効果が得られる。なぜならば、チューインガムの表面で全ての炭水化物粒子をも視認することができるからである。
【0052】
本発明による方法を実施することによって、好適には、チューインガム成形体の1つの特定の表面が、その表面に撒き散らされた有色の炭水化物粒子により得られる色彩効果を有している。特に有色の炭水化物粒子によって、点状、スポット状またはドット状の色彩効果が得られる。
【0053】
好適な実施形態では、工程a)で準備され、工程d)でチューインガム成形体の表面に撒き散らされた有色の炭水化物粒子のうち、少なくとも80重量%、好適には少なくとも85重量%、好適には少なくとも90重量%、好適には少なくとも95重量%、好適には100重量%は、(有色の炭水化物粒子の全乾燥物質を基準にして)0.2~2mm、好ましくは0.3~1.8mm、好ましくは0.4~1.7mm、好ましくは0.5~1.6mm、好ましくは0.6~1.5mm、好ましくは0.7~1.4mm、特に0.8~1.3mmの粒径を有する。
【0054】
好適な実施形態では、有色の炭水化物粒子、特にイソマルト粒子の少なくとも90%は、0.8~1.3mm、特に0.9~1.25mmの粒径を有する。
【0055】
本発明の特に好適な実施形態では、有色の、特に着色された炭水化物粒子は、ポリオール粒子である。特に有色の炭水化物粒子はポリオール粒子であり、この場合、ポリオールは、糖アルコール、特に二糖または単糖の糖アルコールであり、特にイソマルト、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、ラクチトール、イソマルトST、イソマルトGS、1,1-GPM、1,6-GPS、1,1-GPSおよびそれらの組合せから成る群から選択されている。特に好適には、有色の炭水化物粒子はイソマルト粒子、特にイソマルトST粒子またはイソマルトGS粒子である。
【0056】
有色の、特に着色された炭水化物粒子、特にイソマルト粒子は、好適には、少なくとも1種の着色料を含んでよい。特に好適な実施形態では、有色の炭水化物粒子は、場合によりチューインガムベース内に含まれる1種以上の着色料と異なる少なくとも1種の着色料を含む。
【0057】
有色の、特に着色された炭水化物粒子、特にイソマルト粒子は、好適には、少なくとも1種の香料を含んでよい。特に好適な実施形態では、有色の炭水化物粒子は、場合によりチューインガムベース内に含まれる1種以上の香料と異なる少なくとも1種の香料を含む。
【0058】
本発明の好適な実施形態では、工程d)で撒き散らされた有色の炭水化物粒子は、全て同じ色を有する。しかしながら、それぞれ別の色を有する異なる色の炭水化物粒子の混合物が使用され、これによって、少なくとも2種以上の異なる色の炭水化物粒子の混合物が使用されることが特定されていてもよい。
【0059】
好適な実施形態では、有色の炭水化物粒子は白色ではない。好適な実施形態では、有色の炭水化物粒子はベージュ色ではない。本発明の好適な実施形態では、チューインガム成形体が白色であり、有色の炭水化物粒子が、白色ではない色を有する。本発明の特に好適な実施形態では、チューインガム成形体がベージュ色であり、有色の炭水化物粒子が、ベージュ色ではない色を有する。
【0060】
さらに、好適には、有色の炭水化物粒子が白色であり、白色ではないチューインガム成形体に撒き散らされることが特定されていてもよい。
【0061】
本方法の後続の工程e)では、押出されたチューインガム成形体の表面に撒き散らされた有色の炭水化物粒子が、その表面内に押込まれる。このことは、好適には、圧力がほとんど加えられないように行われる。粒子は、チューインガムコア配合物に僅かしか、好適には表面的にしか押込まれない。好適には、炭水化物粒子は、その平均直径のほんの僅かな割合、特にその平均直径の1~50%、特に10~40%、特に15~35%、特に20~30%でもってチューインガム成形体のチューインガムコア配合物に入り込んでいる。
【0062】
有色の、特に着色された炭水化物粒子、特に撒き散らされた全ての有色の炭水化物粒子は、チューインガムコア配合物と異なる色に基づき、チューインガムコア配合物の下地において十分に、好適には完全に視認可能となる。
【0063】
しかしながら、有色の炭水化物粒子の押込み時により大きな圧力が加えられ、これによって、粒子がチューインガムコア配合物により深く押込まれ、チューインガムコア配合物の下地において部分的にしか視認可能とならないことが特定されていてもよい。好適には、炭水化物粒子は、それらの平均直径のより大きな割合、特にそれらの平均直径の50~100%、特に60~90%、特に65~85%、特に70~80%でもってチューインガム成形体のチューインガムコア配合物に入り込んでいる。
【0064】
本方法では、有色の炭水化物粒子は、チューインガムコア配合物と混合されない。
【0065】
本発明に係る方法の工程e)後、つまり、撒き散らしが行われたチューインガム成形体を圧延した後、任意選択的には、圧延されたチューインガム成形体を室温に冷却する状態調整工程が特定されていてよい。
【0066】
工程e)後または任意選択的にこれに続く状態調整工程後、本方法の工程f)において、有色の炭水化物粒子が撒き散らされて、この炭水化物粒子が押込まれたチューインガム成形体が、特に個々のチューインガムコア、特に不均質な構造のチューインガムコアが得られるように裁断される。特に好適には、不均質な構造のチューインガムコアは、板状、粒状、棒状または円板状に裁断される。
【0067】
本方法の工程g)では、工程f)で得られた不均質な構造のチューインガムコアが、透明な糖衣コーティング媒体、特に透明な糖衣コーティング溶液で糖衣コーティングされる。
【0068】
したがって、工程g)によって、工程f)で得られた不均質な構造のチューインガムコアを被覆する糖衣被膜が形成される。
【0069】
本発明の特に好適な実施形態では、工程g)において、不均質な構造のチューインガムコアが、透明な糖衣コーティング媒体で糖衣コーティングされ、特に糖衣コーティング媒体が、工程g1)で被着され、工程g2)で乾燥させられる。本明細書ではサイクルとも呼ぶ、工程g1)での糖衣コーティング媒体の被着および後続の工程g2)での乾燥は、1回よりも多くの回数、特に例えば5回~100回行われてよい。
【0070】
本発明の好適な実施形態では、工程g)は、少なくとも2サイクル、好適には5~100サイクル、好適には10~95サイクル、特に20~80サイクル実施される。それぞれ個々のサイクルは、糖衣コーティング媒体の被着(g1))の工程と、後続の乾燥工程(g2))とを含み、好適には、糖衣コーティング層の形成に繋がる。
【0071】
好適な実施形態では、糖衣コーティング媒体は、工程g1)においてスプレー塗布されることにより、チューインガムコアに被着される。
【0072】
特に好適な実施形態では、工程g1)は、30~75℃、特に40~70℃、特に50~70℃、特に55~65℃、特に60℃の温度で行われる。
【0073】
特に好適な実施形態では、工程g)の範囲内で、少なくとも1回の乾燥工程、つまり、1回の工程g2)において、透明な糖衣コーティング媒体、特に透明な糖衣コーティング溶液で糖衣コーティングされたチューインガムコアの乾燥が実施される。
【0074】
少なくとも1回の乾燥工程g2)は、特に暖かい乾燥空気を使用して、18~40℃、特に20~35℃、特に22~30℃の温度で実施されてよい。好適な実施形態では、工程g2)において、5~40%、特に5~20%、特に20%未満、特に18%未満、特に15%未満の相対的な空気湿度が設定される。
【0075】
本発明の好適な実施形態では、透明な糖衣コーティング媒体に含まれた少なくとも1種の第2の炭水化物は、ポリオール、特に糖アルコール、特に二糖アルコールまたは単糖アルコールである。
【0076】
特に好適な実施形態では、第2の炭水化物は結晶質である。特に好適な実施形態では、第2の炭水化物は部分結晶質である。
【0077】
特に好適な実施形態では、少なくとも1種の第2の炭水化物は、イソマルト、ソルビトール、キシリトール、加水分解水添デンプン、特にマルチトールシロップ、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、ラクチトール、イソマルトST、イソマルトGS、1,1-GPM、1,6-GPS、1,1-GPSおよびそれらの組合せから成る群から選択されたポリオールである。好ましくは、透明な糖衣コーティング媒体に含まれた少なくとも1種の第2の炭水化物は、イソマルトであり、好適には、(それぞれイソマルトの1,1-GPMに対する1,6-GPSの全乾燥物質を基準にして)1,6-GPS(6-O-α-D-グルコピラノシル-D-ソルビトール)が70~80重量%および1,1-GPM(1-O-α-D-グルコピラノシル-D-マンニトール)が30~20重量%である比率を有するイソマルトである。
【0078】
少なくとも1種の第2の炭水化物が、少なくとも2種の第2の炭水化物の混合物、例えば2種、3種、4種または5種の異なる第2の炭水化物の混合物であることが特定されていてもよい。
【0079】
特に好適な実施形態では、第2の炭水化物はイソマルト、特にイソマルトGSである。
【0080】
特に好適な実施形態では、イソマルト含有の糖衣コーティング媒体が、(糖衣コーティング媒体の総質量を基準にして)55~75重量%、特に60~75重量%、特に65~75重量%、特に70~75重量%、特に55~70重量%、特に55~65重量%、特に55~60重量%、特に60~70重量%のイソマルト、特にイソマルトGSを含むことが特定されている。
【0081】
特に好適な実施形態では、糖衣コーティング媒体は、糖衣コーティング溶液または糖衣コーティングシロップである。特に好適な実施形態では、糖衣コーティング媒体は、糖衣コーティング溶液である。特に好適な実施形態では、糖衣コーティング媒体、特に糖衣コーティング溶液または糖衣コーティングシロップは、水性の糖衣コーティング溶液または水性の糖衣コーティング媒体である。
【0082】
特に好適な実施形態では、イソマルト含有の糖衣コーティング媒体は、水性のイソマルト含有の糖衣コーティング媒体、特に好ましくは水性のイソマルト含有の糖衣コーティング溶液である。
【0083】
本発明の特に好適な実施形態では、透明な糖衣コーティング溶液は、イソマルト、特にイソマルト-GSと、水、特に脱塩水とを含み、特に両者から成っている。
【0084】
特に好適な実施形態では、糖衣コーティング媒体、特にイソマルト含有の糖衣コーティング媒体が、(糖衣コーティング媒体の総質量を基準にして)55~80重量%、特に60~75重量%、特に65~73重量%、特に60~73重量%、特に62~71重量%、特に60~70重量%の乾燥物質を含有することが特定されている。
【0085】
本発明の特に好適な実施形態では、糖衣コーティング媒体、特にイソマルト含有の糖衣コーティング媒体は、炭水化物、糖アルコール、糖代替物、高甘味度甘味料、脂質、食用酸、アミノ酸、着色料、食物繊維、タンパク質、呈味物質、ミネラル、金属酸化物、ビタミンおよびそれらの組合せから成る群から選択された少なくとも1種の別の物質を含む。
【0086】
特に好適な実施形態では、糖衣コーティング媒体、特にイソマルト含有の糖衣コーティング媒体は、(糖衣コーティング媒体の総質量を基準にして)0.1~1重量%、好ましくは0.2~0.7重量%、特に0.2~0.6重量%の少なくとも1種の別の物質を含む。
【0087】
特に好適な実施形態では、糖衣コーティング媒体、特に糖衣コーティング溶液と、得られた糖衣被膜とは、糖を含まない。本発明の特に好適な実施形態では、糖衣コーティング媒体、特に糖衣コーティング溶液と、得られた糖衣被膜とは、糖を含まず、唯一の甘味成分としてイソマルト、特にイソマルトGSを含む。
【0088】
特に好適には、本方法で使用される透明な糖衣コーティング媒体は、着色料または/および不透明剤を含まず、透明な糖衣コーティング媒体は、特に二酸化チタン、炭酸カルシウム、デンプンまたは/およびリン酸カルシウムを含まない。したがって、糖衣コーティング媒体は、好適には着色料を含まない。これによって、有利には、このような糖衣コーティング媒体で糖衣コーティングされたチューインガムコアが、透明な糖衣被膜を有する。こうして、有利には、押出されたチューインガム成形体の表面に前もって撒き散らされた有色の炭水化物粒子を、糖衣被膜を通して視認することができる。
【0089】
本発明の好適な実施形態では、透明な糖衣コーティング媒体は、乳化剤、ソルビトールまたはキシリトールを含まない。
【0090】
本発明の好適な実施形態では、透明な糖衣コーティング媒体は、(糖衣コーティング媒体の全乾燥物質を基準にして)多くとも3重量%、好適には多くとも2重量%、特に好適には多くとも1重量%の結合剤を含むかまたは結合剤を全く含まない。
【0091】
本発明の好適な実施形態では、工程h)で得られた透明に糖衣コーティングされたチューインガムは、(糖衣コーティングされたチューインガムの全乾燥物質を基準にして)15~50重量%、好適には20~40重量%、好適には25~35重量%の糖衣被膜を有する。
【0092】
本発明の好適な実施形態では、糖衣被膜はハード糖衣被膜である。
【0093】
特に好適な実施形態では、工程g)で得られた糖衣被膜は、(それぞれ糖衣被膜の総質量を基準にして)少なくとも90重量%、少なくとも92重量%、少なくとも94重量%、少なくとも95重量%、少なくとも96重量%、少なくとも97重量%、少なくとも98重量%、少なくとも99重量%の少なくとも1種の第2の炭水化物、特にポリオール、特に二糖アルコールまたは単糖アルコール、特にイソマルトを含む。
【0094】
特に好適な実施形態では、工程g)で得られた糖衣被膜は、(糖衣被膜の総質量を基準にして)多くとも3種、多くとも2種、多くとも1種の結合剤を含み、特に結合剤を含まない。
【0095】
特に好適な実施形態では、工程g)で得られた糖衣被膜、特にハード糖衣被膜は、(それぞれ糖衣被膜の総質量を基準にして)0.05~2.5重量%、特に0.1~2重量%、特に0.5~1.5重量%の含水量である。
【0096】
好適な実施形態では、本発明に係る方法は、工程a)、b)、c)、d)、e)、f)、g)およびh)を、好適にはこの順序で含み、特にこの方法は、工程a)、b)、c)、d)、e)、f)、g)およびh)から、好適にはこの順序で成っている。
【0097】
好適な実施形態では、本発明に係る方法は、工程a)、b)、c)、d)、e)、状態調整工程、f)、g)およびh)を、好適にはこの順序で含み、特にこの方法は、工程a)、b)、c)、d)、e)、状態調整工程、f)、g)およびh)から、好適にはこの順序で成っている。
【0098】
特に好適な実施形態では、工程b)は、混合・混練機で実施され、工程c)は、1つの押出し機で実施され、工程d)は、押出されたチューインガム成形体用の載置面を備えた搬送装置内でまたは搬送装置上で実施され、工程e)は、圧延装置で実施され、工程f)は、裁断装置で実施され、工程g)は、糖衣コーティング装置、特に自動的な糖衣コーティング装置、例えばドリアコータで実施され、工程g1)は、場合により乾燥器または糖衣コーティング装置で実施される。
【0099】
本発明は、また、本発明に係る方法により製造可能な、特に製造された、透明に糖衣コーティングされたチューインガムに関する。
【0100】
本発明によれば、好適には、ハード糖衣コーティングされた、透明なハード糖衣被膜で被覆されたチューインガムが得られる。
【0101】
本発明の特に好適な実施形態では、糖衣被膜は、特に貯蔵に際して安定している。
【0102】
特に好適な実施形態では、透明な糖衣被膜の透明度は、長い期間にわたって安定したままである。
【0103】
特に好適な実施形態では、得られた、好適にはハード糖衣コーティングされた、透明な糖衣被膜で糖衣コーティングされたチューインガムは、特にカリッともしている。
【0104】
特に好適な実施形態では、より長い貯蔵の後でも、カリッと感が維持され続ける。
【0105】
特に本発明は、本発明に係る方法により特に製造可能な、不均質な構造のチューインガムコアを取り囲む透明な糖衣被膜、特にハード糖衣被膜を有する糖衣コーティングされたチューインガムに関する。
【0106】
本発明は、特に透明に糖衣コーティングされたチューインガムであって、少なくとも1種の第1の炭水化物を含んだチューインガムコアと、このチューインガムコアを被覆した、少なくとも1種の第2の炭水化物を含んだ透明な糖衣被膜とを有し、チューインガムコアの一つの表面が、有色の炭水化物粒子を含む、0.2~2mmの深さを有するクランチ中間層として形成されている、透明に糖衣コーティングされたチューインガムに関する。
【0107】
本発明の特に好適な実施形態では、本発明に係る方法により製造された、透明に糖衣コーティングされたチューインガムのチューインガムコアは、糖を含まない。本発明の特に好適な実施形態では、本発明により製造され、かつ、糖を含まないまたは糖を含む、特に糖を含まない不均質な構造のチューインガムコアを被覆する、透明に糖衣コーティングされたチューインガムの透明な糖衣被膜は、糖を含まない。本発明の特に好適な実施形態では、本発明により製造された、透明に糖衣コーティングされたチューインガム内に存在する有色の炭水化物粒子は、糖を含まない。本発明の特に好適な実施形態では、本発明に係る方法により製造された、透明に糖衣コーティングされたチューインガムは、全く糖を含まない。
【0108】
本発明に関連して、「イソマルト」とは、6-O-α-D-グルコピラノシル-D-ソルビトール(1,6-GPS)と、1-O-α-D-グルコピラノシル-D-マンニトール(1,1-GPM)と、任意選択的に1-O-α-D-グルコピラノシル-D-ソルビトール(1,1-GPS)とから成る混合物、特にイソマルトGSまたはイソマルトSTを意味している。
【0109】
本発明に関連して、「イソマルトST」とは、(イソマルトSTの乾燥重量を基準にして)53~47重量%の1,6-GPSと、47~53重量%の1,1-GPMとから成る混合物を意味している。
【0110】
本発明に関連して、「イソマルトGS」とは、(それぞれイソマルトGSの乾燥物質を基準にして)70~80重量%、特に72~78重量%、好適には75重量%の1,6-GPSと、20~30重量%、特に22~28重量%、特に25重量%の1,1-GPMとから成る混合物を意味している。
【0111】
本発明に関連して、チューインガム成形体の1つよりも多くの表面について言及する場合、これは、チューインガム成形体の全表面に対する部分表面、特に押出されたチューインガム成形体の幾何学形状、特に縁、角隅または丸みによって、全表面のうち、幾何学的に画定可能な部分表面を表す部分表面を意味している。
【0112】
本発明に関連して、「有色の炭水化物粒子」とは、押出されたチューインガム成形体、特に押出されたチューインガム成形体の表面、特にチューインガムコアが有する色と異なる色を有する炭水化物粒子を意味している。
【0113】
つまり、有色の炭水化物粒子は、本発明によれば、チューインガムコアの表面の色と異なる色を有している。
【0114】
本発明の意味での色は、例えば赤色、緑色、青色、シアン、マゼンタ、紫色、桃色、淡紅色、橙色、黄色、灰色、褐色、黒色、白色またはそれらの濃淡色であってよい。
【0115】
本発明に関連して、「透明な糖衣コーティング媒体」とは、媒体の形態で透明であり、チューインガムコアへの被着および乾燥後に透明な糖衣被膜を形成する溶液または懸濁液(シロップとも呼ばれる)、特に溶液または特にシロップ、特に水性の溶液または水性の懸濁液を意味している。
【0116】
本発明に関連して、「カリッと感」とは、消費者が、特に口腔内でチューインガムを噛むことにより受ける感覚刺激的かつ知覚的な特徴、特に特定の割れ方と、それに伴う音とを意味している。
【0117】
本発明に関連して、「透明」という概念は、光透過性を意味している。特に本発明による糖衣被膜の透明度は、0~10のスケールで評価して、値0が「完全に不透過性」に相当し、値10が「完全に透過性でガラス状」に相当する場合、5~9、好適には6~8の相対値にある。
【0118】
本発明に関連して、「糖衣被膜」とは、場合により異なる段階およびサイクルで被着された全ての糖衣コーティング層の全体、特に糖衣コーティングにより被着された少なくとも1つの糖衣コーティング層、特に複数の糖衣コーティング層を意味している。
【0119】
本発明に関連して、製品または組成物の成分の定量記載、特に比率を記載する場合、これは、別途明示的に記載しないかまたは当業者に明らかである限り、明示的に記載したかまたは当業者に明らかである、組成物または製品の異なる別の成分と合計して100%の組成物および/または製品となる。
【0120】
本発明に関連して、0重量%の量の成分「が存在する」、「を含む」または「を有する」と表現している場合、これは、各々の成分が測定可能な量で存在しない、特に全く存在しないことを意味している。
【0121】
本発明に関連して、数字において小数点以下第一位および第二位または小数点以下第二位を記載していない場合、これは、ゼロと定めることができる。
【0122】
別の有利な構成は、従属請求項から明らかである。
【0123】
本発明を以下の実施例および対応する図面に基づき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0124】
図1】本発明によるプロセスを概略的に示す図である。
図2】押出されたチューインガム成形体の表面に撒き散らされ、次いで、押込まれた有色の炭水化物粒子を概略的に示す図である。
図3A】チューインガムコア配合物内に混ぜ込まれた有色の炭水化物粒子の視覚的な作用を図3Cと比較して概略的に示す図である。
図3B】チューインガムコア配合物内に混ぜ込まれた有色の炭水化物粒子の視覚的な作用を図3Dと比較して概略的に示す図である。
図3C】チューインガム成形体の表面に撒き散らされて押込まれた有色の炭水化物粒子の視覚的な作用を図3Aと比較して概略的に示す図である。
図3D】チューインガム成形体の表面に撒き散らされて押込まれた有色の炭水化物粒子の視覚的な作用を図3Bと比較して概略的に示す図である。
図4】本発明により得られた透明に糖衣コーティングされたチューインガムを示す図である。
【0125】
(実施例)
不均質な構造のチューインガムコアと、このコアを被覆する透明な糖衣被膜とを有する、透明に糖衣コーティングされたチューインガムを製造するために、以下のチューインガムコア成分を準備した。
【0126】
チューインガムコア成分
【表1】
【0127】
さらに、イソマルトST-PNC粒子を準備した。イソマルトST-PNC粒子とは、0.8~1.25mmの粒径を有するイソマルトST粒子である。イソマルトST-PNC粒子を、糖衣コーティング釜内で一定に運動させつつ着色溶液で着色した。緑色に着色された粒子を得るためには、12.5kgのイソマルトST-PNC粒子を、600g、0.05%の「Bright Green P-WS」(419167-0010,Sensient社)で着色した。青色に着色された粒子を得るためには、12.5kgのイソマルトST-PNC粒子を、600g、0.05%の「Spirulina Blue P-WS」(409422-0001,Sensient社)で着色した。イソマルトST-PNC粒子の運動床に着色溶液を注いだ。類似して、種々異なる色の4組の別のイソマルトST-PNC粒子を製造した。
【0128】
さらに、透明な糖衣コーティング溶液を準備した。この糖衣コーティング溶液は、65重量%のイソマルトGSと35重量%の脱塩水とを含んでいた。
【0129】
チューインガムコア成分を室温で混合し、混練し、次いで、40~45℃の温度にて、ベージュ色に着色された面状の押出しストランド(ウェブ)の形態で押出した。
【0130】
押出されたチューインガムストランド(押出されたチューインガム成形体)の1つの表面に、有色のイソマルトPNC粒子(それぞれ異なってはいるものの、ベージュ色ではない色の6種の異なるイソマルトPNC粒子から成る混合物)を撒き散らし、次いで、撒き散らしが行われたチューインガム成形体を圧延して、粒状に裁断し、これによって、不均質な構造のチューインガムコアを得た。チューインガムコア全体の総質量を基準にして、有色のイソマルトPNC粒子の量は7%であった。
【0131】
こうして得られた不均質な構造の粒状のチューインガムコアは、530mmの総表面積および960mmの体積において、19mmの長さ、12mmの幅および6mmの高さを有していた。こうして得られたチューインガムコアを、後続の状態調整工程で室温に冷却した。
【0132】
65重量%のイソマルトGSと35重量%の脱塩水とから成る透明な糖衣コーティング溶液を、60℃の温度にて10段階および95サイクルで313分の全期間にわたって、粒状のチューインガムコアに吹付け塗布し、25℃の乾燥空気で乾燥させた(相対空気湿度15%未満)。1つの段階は、ほぼ同じパラメータ、例えば被着量、分配時間および結晶化もしくは乾燥時間を有する複数回のサイクルを組み合わせたものである。このような段階には、堆積段階および主要段階、艶出し段階および蝋付け段階が含まれていてよく、これらは、それぞれ複数回のサイクルを含んでいてよい。完成した糖衣コーティングされたチューインガム(図4)の総重量を基準にして、糖衣被膜は26.8重量%の割合を有していた。
【0133】
図1には、本発明によるプロセスが概略的に示してある。本発明によるプロセスによれば、工程a)で準備されたチューインガムコア成分が、工程b)において、図1に示した混合・混練装置10内で混合かつ混練され、これによって、チューインガムコア配合物が得られる。その後、混合・混練装置10から移送されたチューインガムコア配合物が、押出し機20で押出され、面状のチューインガムストランドの形態の押出されたチューインガム成形体30が得られる。この押出されたチューインガム成形体30に有色の炭水化物粒子40が撒き散らされ、撒き散らされた炭水化物粒子40が、圧延装置50において、押出されたチューインガム成形体30の表面に押込まれ、これによって、図2に示した、チューインガム成形体30の表面に押込まれた有色の炭水化物粒子40を有する構造が得られる。圧延されたチューインガム成形体30は、場合により状態調整工程の実施後、裁断装置60で裁断され、これによって、不均質な構造のチューインガムコア70が得られる。次いで、このチューインガムコア70は、糖衣コーティング装置80で透明な糖衣コーティング溶液を使用してコーティングされ、これによって、不均質な構造のコアと、透明な糖衣被膜90とを有する、糖衣コーティングされたチューインガム100が得られる。
【0134】
約530mmの粒表面積と、約960mmの粒体積と、1mmのイソマルトST-PNC平均粒径と、これにより得られる0.785mmの粒子の断面積とを考慮して、チューインガムコア粒の表面積の20%を覆うためには、約135個のイソマルトST-PNC粒子が必要になる。これは、本発明により提案されるように、粒子が外側からチューインガムコアに押込まれ、これによって、実質的にイソマルトST-PNC粒子の半球全体が外側から視認可能となる場合に云えることである。
【0135】
有色の同一のイソマルトST-PNC粒子が、押出されたチューインガム成形体の表面に撒き散らされるのではなく、むしろ、本発明によらないプロセスにおいて、チューインガムコア成分と一緒に混合かつ混練され、これによって、チューインガムコア配合物を得る場合(図3A)には、粒子が内部混合されていて、半球の約半分しか、つまり、横断表面の約半分しか視認することができない(図3B)。なぜならば、チューインガム配合物がほぼ完全に不透過性であるからである。この場合、表面積の20%を覆うためには、表面に2倍の量の粒子、つまり、約270個の粒子が必要になる。これらの粒子の色は、本発明によるプロセスの場合ほど明るくは見えない。なぜならば、粒子が表面に密に位置している場合でも、それにもかかわらず、粒子がチューインガム配合物によって部分的に覆われているからである。表面に270個の粒子の割合を達成するためには、チューインガムコア全体に表面積と同じ密度が存在していなければならない。つまり、チューインガムコアの約27%が、有色のイソマルトST-PNC粒子、つまり、約487個の粒子から成っていなければならない。これに相応して、同等の視認性を保証するためには、本発明に係る方法の約3.6倍の量の粒子が必要となる。
【0136】
図3Aには、本発明によらないプロセスの結果が示してある。本発明によらないプロセスによれば、粒子がチューインガムコア配合物に内部混合されており、これによって、表面にない粒子を視認することができないままとなっている。これに対して、図3Cには、本発明によるプロセスの結果が示してある。本発明によるプロセスによれば、粒子が表面的にチューインガムコア配合物に押込まれていて、したがって、外側から視認可能である。図3Bには、粒子が配合物に内部混合されている場合、横断表面の半分しか、つまり、半球面の半分しか視認することができないことが詳細に示してあるのに対して、本発明によるプロセスにおいて、粒子が配合物の表面に押込まれているにすぎない場合には、横断表面全体、つまり、半球全体(図3D)が視認可能となる。
【0137】
本発明により特定される、専らチューインガムコアの表面への有色のイソマルトST-PNC粒子の局所化によって、有利な二段階のクランチ、つまり、カリッとした歯触りを生じさせるクランチ中間層が得られる。
【0138】
したがって、本発明によるプロセスによって、色的には不均質な構造のチューインガムコアを有し、視覚的かつ感覚刺激的には改善された、透明に糖衣コーティングされたチューインガム(図4)が提供される。有利には、この方法によって、必要となる有色の炭水化物粒子の量がより少なくなり、これによって、同等の、特に改善すらされた視覚的な効果が得られる。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
【国際調査報告】