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特表2022-549149切替可能なショルダーバッグおよびバックパック
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-24
(54)【発明の名称】切替可能なショルダーバッグおよびバックパック
(51)【国際特許分類】
   A45C 3/00 20060101AFI20221116BHJP
【FI】
A45C3/00 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022517367
(86)(22)【出願日】2020-09-21
(85)【翻訳文提出日】2022-03-25
(86)【国際出願番号】 CA2020051263
(87)【国際公開番号】W WO2021051209
(87)【国際公開日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】3056080
(32)【優先日】2019-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CA
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522105388
【氏名又は名称】リーシュ デビッド
【氏名又は名称原語表記】LIESCH,DAVID
【住所又は居所原語表記】2003 - 808 Nelson Street Vancouver, British Columbia V6Z 2H2 Canada
(74)【代理人】
【識別番号】100180482
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 将隆
(72)【発明者】
【氏名】リーシュ デビッド
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA05
3B045AA06
3B045AA35
3B045CE08
3B045EA03
3B045EB11
3B045GA01
3B045GA02
3B045GA03
3B045GB01
3B045GB02
(57)【要約】
【課題】切替可能なショルダーバッグおよびバックパックである。
【解決手段】切替可能なショルダーバッグおよびバックパックは、(a)フロントパネル・バックパネル・トップパネル・ボトムパネル・第1サイドパネル・第2サイドパネルからなるバッグ本体、(b)第1ポーション・第2ポーションをバッグ本体につなぐための接続ポイントの第1ペア・第2ペアの間にある第1ポーションと第2ポーションからなるストラップを備える。相互連結ポーションは、対角線上で向かい合う接続ポイントのペア間で摺動可能であり、第1ポーションの長さを増やして第2ポーションの長さを減らしたり、その逆もできる。ストラップを外したり再接続せずショルダーバッグ形態とバックパック形態を切替できる。ストラップは、引込式の腰ベルトや安全ストラップを具備できる。手提ハンドルは、相互連結ポーションにより第1ポーションや第2ポーションに連結される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切替可能なショルダーバッグおよびバックパックであって、

(a)フロントパネルと、
前記フロントパネルに向かい合うバックパネルと、
前記フロントパネルと前記バックパネルとの間に広がるトップパネルと、
前記トップパネルに向かい合うボトムパネルと、
前記フロントパネルと前記バックパネルとの間に広がる第1サイドパネルと、
前記第1サイドパネルに向かい合う第2サイドパネルと、
からなるバッグ本体と、

(b)第1ポーションを前記バッグ本体につなぐための接続ポイントの第1ペアの間に広がる当該第1ポーションと、
第2ポーションを前記バッグ本体につなぐための接続ポイントの第2ペアの間に広がる当該第2ポーションと、からなるストラップであって、

対角線上で向かい合う接続ポイントのペアの間に摺動可能に設けた相互連結ポーションを介して、前記第1ポーションと第2ポーションが相互に連結され、
前記相互連結ポーションを摺動させて前記第1ポーションの長さが増すと、前記第2ポーションの長さが減り、
前記相互連結ポーションを摺動させて前記第2ポーションの長さが増すと、前記第1ポーションの長さが減り、
当該ストラップを取外したり又は同ストラップを再接続することなしに、ショルダーバッグ形態とバックパック形態を切替できるように構成された前記ストラップと、

を備える
ことを特徴とする、切替可能なショルダーバッグおよびバックパック。
【請求項2】
請求項1に記載の切替可能なショルダーバッグおよびバックパックにおいて、

前記ストラップは、
引込式の腰ベルト、をさらに備える
ことを特徴とする、切替可能なショルダーバッグおよびバックパック。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の切替可能なショルダーバッグおよびバックパックにおいて、

前記ストラップは、
安全ストラップ、をさらに備える
ことを特徴とする、切替可能なショルダーバッグおよびバックパック。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の切替可能なショルダーバッグおよびバックパックにおいて、

当該切替可能なショルダーバッグおよびバックパックが前記ショルダーバッグ形態にある場合、前記第1ポーションの長さが前記第2ポーションよりも短くなり、

当該切替可能なショルダーバッグおよびバックパックが前記バックパック形態にある場合、前記第1ポーションの長さと前記第2ポーションの長さが同じになる
ことを特徴とする、切替可能なショルダーバッグおよびバックパック。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の切替可能なショルダーバッグおよびバックパックにおいて、

接続ポイントの第1ペアは、
前記ストラップをバッグ本体に固定的につなぐための第1接続ポイント、を備え、

前記第1接続ポイントは、
バックパネルと第1サイドパネルの間に広がるエッジちかくに配置される
ことを特徴とする、切替可能なショルダーバッグおよびバックパック。
【請求項6】
請求項5に記載の切替可能なショルダーバッグおよびバックパックにおいて、

接続ポイントの第1ペアは、
前記ストラップをバッグ本体に摺動可能につなぐための第2接続ポイント、を備え、

前記第2接続ポイントは、
バックパネルと第2サイドパネルとボトルパネルの間のコーナーちかくに配置される
ことを特徴とする、切替可能なショルダーバッグおよびバックパック。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の切替可能なショルダーバッグおよびバックパックにおいて、

接続ポイントの第2ペアは、
第3接続ポイントおよび第4接続ポイント、を備え、

第3接続ポイントは、
前記バッグ本体の前記エッジちかくに固定的につながれており、

第4接続ポイントは、
前記ストラップをバッグ本体に摺動可能につなぐとともに、
バックパネルと第2サイドパネルとトップパネルの間の第2コーナーちかくに配置される
ことを特徴とする、切替可能なショルダーバッグおよびバックパック。
【請求項8】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の切替可能なショルダーバッグおよびバックパックにおいて、

前記ストラップは、
ショルダーストラップポーションを前記バッグ本体につなぐための接続ポイントの第3ペアの間に広がるショルダーストラップポーション、を有し、

前記ショルダーストラップポーションは、前記第1ポーションと前記第2ポーションとに接続され、
当該ショルダーストラップポーションを摺動して同ショルダーストラップポーションの長さを増やすと、第1ポーションおよび第2ポーションの長さが減り、
当該ショルダーストラップポーションを摺動して第1ポーションおよび第2ポーションの長さを増やすと、同ショルダーストラップポーションの長さが減り、

当該切替可能なショルダーバッグおよびバックパックが前記ショルダーストラップ形態にある場合、前記ショルダーストラップポーションの長さは、第1ポーションの長さおよび第2ポーションの長さよりも長く、

第3ペアの接続ポイントは各々、前記トップパネルの向かい合ったエンドちかくに配置される
ことを特徴とする、切替可能なショルダーバッグおよびバックパック。
【請求項9】
請求項8に記載の切替可能なショルダーバッグおよびバックパックにおいて、

接続ポイントの第1ペアは、
前記ストラップをバッグ本体に固定的につなぐための第1接続ポイントを有しており、
前記第1接続ポイントは、
バックパネルと第1サイドパネルの間に広がるエッジちかくに配置され、

接続ポイントの第2ペアは、
前記ストラップをバッグ本体に固定的につなぐための接続ポイントであって、前記エッジちかくに配置された第2接続ポイントを有している
ことを特徴とする、切替可能なショルダーバッグおよびバックパック。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の切替可能なショルダーバッグおよびバックパックにおいて、

接続ポイントの第1ペアは、
前記ストラップをバッグ本体に摺動可能につなぐための第3接続ポイント、を有しており、
前記第3接続ポイントは、
バックパネルと第2サイドパネルとボトムパネルの間にあるコーナーちかくに配置され、

接続ポイントの第2ペアは、
前記ストラップをバッグ本体に摺動可能につなぐための第4接続ポイント、を有しており、
前記第4接続ポイントは、
バックパネルと第2サイドパネルとトップパネルの間にある第2コーナーちかくに配置される
ことを特徴とする、切替可能なショルダーバッグおよびバックパック。
【請求項11】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の切替可能なショルダーバッグおよびバックパックにおいて、

前記第1ポーションおよび第2ポーションは、第2相互連結ポーションを介して相互に接続されており、
前記第2相互連結ポーションは、前記対角線上で向かい合っている接続ポイントのペアと反対側の対角線上で向かい合う接続ポイントの第2ペアの間に摺動可能に広がっている
ことを特徴とする、切替可能なショルダーバッグおよびバックパック。
【請求項12】
請求項11に記載の切替可能なショルダーバッグおよびバックパックにおいて、

前記接続ポイントの第1ペアならび前記接続ポイントの第2ペアの各接続ポイントは、前記ストラップをバッグ本体に摺動可能につないでいる
ことを特徴とする、切替可能なショルダーバッグおよびバックパック。
【請求項13】
請求項12に記載の切替可能なショルダーバッグおよびバックパックにおいて、

前記接続ポイントの第1ペアは、
バックパネルと第1サイドパネルの間に広がるエッジちかくに配置された第1接続ポイントと、
バックパネルと第2サイドパネルとボトムパネルの間のコーナーちかくに配置された第2接続ポイントと、
を備える
ことを特徴とする、切替可能なショルダーバッグおよびバックパック。
【請求項14】
請求項13に記載の切替可能なショルダーバッグおよびバックパックにおいて、

前記接続ポイントの第2ペアは、
前記エッジちかくに配置された前記第3接続ポイントと、
バックパネルと第2サイドパネルとトップパネルの間の第2コーナーちかくに配置された第4接続ポイントと、
を備える
ことを特徴とする、切替可能なショルダーバッグおよびバックパック。
【請求項15】
請求項14に記載の切替可能なショルダーバッグおよびバックパックにおいて、
前記第1接続ポイントと第2接続ポイントは、単一の接続ポイントにより構成される
ことを特徴とする、切替可能なショルダーバッグおよびバックパック。
【請求項16】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の切替可能なショルダーバッグおよびバックパックにおいて、

手提ハンドルをバッグ本体につなぐための接続ポイントの第3ペアの間に広がる手提ハンドルからなる手提ストラップ、を備え、

前記手提ストラップは、第1ポーションと第2ポーションにつながれており、
当該手提ストラップを摺動させて第1ポーションと第2ポーションの長さが「ある量」(an amount)だけ増すと、前記手提ハンドルの長さが、前記「ある量」か、若しくは前記「ある量」よりも少ない「縮小量」(diminished amount)だけ減り、

同手提ストラップを摺動させて「手提量」(tote amount)だけ手提ハンドルの長さが増すと、前記手提量か、若しくは前記手提量よりも大きな「拡大量」(magnified amount)だけ第1ポーションと第2ポーションの長さが減る
ことを特徴とする、切替可能なショルダーバッグおよびバックパック。
【請求項17】
切替可能なトートバッグであって、

(a)フロントパネルと、
前記フロントパネルに向かい合うバックパネルと、
前記フロントパネルと前記バックパネルとの間に広がるトップパネルと、
前記トップパネルに向かい合うボトムパネルと、
前記フロントパネルと前記バックパネルとの間に広がる第1サイドパネルと、
前記第1サイドパネルに向かい合う第2サイドパネルと、
からなるバッグ本体と、
(b)第1ポーションを前記バッグ本体につなぐための接続ポイントの第1ペアの間に広がる第1ポーションであって、少なくとも1つのショルダーストラップポーションと第1バックパックポーションを備える前記第1ポーションからなる第1ストラップと、
(c)手提ハンドルをバッグ本体につなぐための接続ポイントの第2ペアの間に広がる手提ハンドルからなる第2ストラップと、
を備え、

前記第1ストラップと前記第2ストラップは、接続ポイントの第1ペアと接続ポイントの第2ペアの間に摺動可能に広がる相互連結ポーションを介して、相互につながれており、

相互連結ポーションを摺動させて手提ハンドルの長さが「第1の量」(first amount)だけ増すと、前記「第1の量」よりも大きな「拡大量」(magnified amount)だけ第1ポーションの長さが減り、

相互連結ポーションを摺動させて第1ポーションの長さが「第2の量」(second amount)だけ増すと、前記「第2の量」よりも少ない「縮小量」(diminished amount)だけ手提ハンドルの長さが減り、

当該切替可能なトートバッグは、
前記第1ストラップおよび前記第2ストラップのいずれかを取外したり再接続したりすることなしに、
トートバッグ形態と、ショルダーバッグ形態およびバックパック形態の少なくとも1つと、に切替できる
ことを特徴とする、切替可能なトートバッグ。
【請求項18】
請求項17に記載の切替可能なトートバッグにおいて、

前記相互連結ポーションは、第1セグメントおよび第2セグメントを備え、

前記第1セグメントは、第2セグメントに摺動可能に連結された2股分岐部材において終結してあり、

第1セグメントによって、前記2股分岐部材が第2セグメントから離れる向きに移動させられると、前記第2セグメントは同2股分岐部材によって折畳まれる
ことを特徴とする、切替可能なトートバッグ。
【請求項19】
請求項18に記載の切替可能なトートバッグにおいて、

前記バッグ本体に固定的に取付けられた拘束部材であって、前記2股分岐部材が第2セグメントから離れる向きに移動したときに第2セグメントを拘束する拘束部材、を備える
ことを特徴とする、切替可能なトートバッグ。
【請求項20】
請求項18又は19に記載の切替可能なトートバッグにおいて、

前記第1セグメントと前記第2セグメントの多段のペア、を複数備え、
1つのペアにおける前記第2セグメントが、後続するペアの第1セグメントをなしている
ことを特徴とする、切替可能なトートバッグ。
【請求項21】
請求項17乃至20のいずれか1項に記載の切替可能なトートバッグにおいて、

前記拡大量(magnified amount)とは、前記第1の量の8倍である
ことを特徴とする、切替可能なトートバッグ。
【請求項22】
請求項17乃至20のいずれか1項に記載の切替可能なトートバッグにおいて、

前記拡大量(magnified amount)とは、前記第1の量の4倍である
ことを特徴とする、切替可能なトートバッグ。
【請求項23】
請求項17乃至22のいずれか1項に記載の切替可能なトートバッグにおいて、

前記第2ストラップが、
トップパネルに配置された1つの第1手提ハンドルと、第1サイドパネルに配置された1つの第2手提ハンドルと、からなる
ことを特徴とする、切替可能なトートバッグ。
【請求項24】
請求項17乃至23のいずれか1項に記載の切替可能なトートバッグにおいて、

前記第1ポーションは、前記第1バックパックポーションを備え、

第1ストラップは、
第2ポーションをバッグ本体につなぐための接続ポイントの第2ペアの間に広がる第2ポーションからなり、

第1ポーションおよび第2ポーションは、対角線上で向かい合う接続ポイントのペアの間に摺動可能に広がる相互連結ポーションを介して、相互につながっており、

相互連結ポーションを摺動させて第1ポーションの長さが増すと、第2ポーションの長さが減り、

相互連結ポーションを摺動させて第2ポーションの長さが増すと、第1ポーションの長さが減り、

第1ストラップは、
当該第1ストラップを取外したり又は同ストラップを再接続することなしに、当該切替可能なトートバッグをショルダーバッグ形態とバックパック形態との間で切替できるように構成されている
ことを特徴とする、切替可能なトートバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッグの分野に関するものであり、ショルダーバッグ・バックパック・ダッフル(duffle)バッグ・ブリーフケース・ラップトップ(laptop)ケース・配達(messenger)バッグ・ハンドバッグ・トートバッグ・旅行用大かばん(carryalls)・スポーツバッグ・ゴルフバッグや、人の背中の上で運ぶ「両肩運搬」(dual shoulder carry)ならびに人の側部(side)に携えて運ぶ「片肩運搬」(single shoulder carry)の両方に適したその他のバッグを含む。
特に、本願発明は、両肩運搬(dual shoulder carry)と片肩運搬(single shoulder carry)の切替を素早く簡単に行える、単一ループストラップ方式に関する。
【背景技術】
【0002】
市場においては、両肩(dual shoulder)運搬方式や、片肩(single shoulder)運搬方式が多数存在する。
【0003】
両肩(dual shoulder)配置(または、背負う方式)は、特に、大型で重いバッグにおいて用いられている。なぜなら、2本のストラップは、両肩にわたって荷重を均等に配分でき、それにより重い荷物を運ぶのが楽になり、さらに首・肩・背中への負担やけがのおそれが軽減されるからである。
人間工学的な利益をさらに付加するために、2本のストラップは、バッグ着用者によってばらつきのある首幅や腰幅に対応できるよう、概ね三角形状に構成される。
また、バッグ着用者が背負う両肩運搬は、バッグの重心がバッグ着用者の重心ちかくに保たれるため、ハイキングや自転車を漕ぐとき、電車・飛行機に追いつくために走るときといった身体的活動時の安全性が向上するだけでなく、運搬の容易性も高まる。
さらなる人間工学的な利点が得られるよう、荷重の大部分を着用者の肩から腰へと移行させるべく、重たいバッグは腰ベルトを備えていることが多い。このようにすることで、首・肩・背中への負担やけがのおそれがさらに軽減される。
【0004】
両肩(dual shoulder)運搬の不利な点の1つは、着用者の視野に入っていない間に、泥棒が背後から近づいてバッグから持物(item)を持っていかれてしまうことに対し、安全性が低くなることである。
大型のバックパックについては、着用者が、狭い店舗や電車車両のような混雑したところに踏入ったときに、バッグが人や物にぶつかる危険性もある。
これらの場合には、人のサイド(side)にて運ぶことが望ましい。
サイドキャリー(side carry)方式は、特に、小型で軽量のバッグにおいて採用されている。これは、ポケットの利用しやすさと良好な安全性のためだけでなく、品の良さや見栄えの点からである。
【0005】
上述した2種類の運搬形態の利点と不利益を最適化するために、両肩運搬(dual shoulder carry)と片肩運搬(single shoulder carry)を切替えることが可能なさまざまな製品が考えられている。
いくつかの製品では、バックパック用のストラップとサイドキャリー用のストラップの操作が別々になっていることを特徴とする。
一方、他の製品は、単一のループストラップを採用しており、両方の運搬形態を迅速かつ容易に切替えできるものである。
いくつかの製品では、運搬形態を切替えるときにバッグが90°回転する。このような方式は、特に、大型のバックパック・ダッフルバッグ・ブリーフケース・ラップトップケースにおいて看取される。
他の多くの製品については、バッグの向きを保ったまま運搬形態を切替えることができ、ハンドバッグ・トートバッグ・旅行用大かばんにおいて時折みられる。
既存のストラップの構成例を、以下に示す。
【0006】
2種類の運搬形態を有するバッグの一例は、パタゴニア MLC45である。
このバッグの背後にあるコンセプトは、バックパック用ストラップと、サイドキャリー用ストラップが互いに独立していることである。
バックパック用ストラップの上端部は、バッグ本体のバックパネル上のジッパー付ポケット内に縫付けてある。
一方、バックパック用ストラップの底部エンドは、瞬時に解放できるファスナを用いて、バックパネルの底部コーナーちかくにおいて着脱可能となっている。
サイドキャリー用ストラップの両端部は、瞬時に解放できるファスナが取付けてあり、不使用時にはサイドキャリー用ストラップをバッグから取外しできるようになっている。
【0007】
接続ポイントは、バックパック形態とサイドキャリー形態を切替えるときに、バッグ本体が90°回転できるように配置されている。
【0008】
バックパックからサイドキャリーへと切替える場合(バッグ着用者が、使用しないストラップを格納することを好むものと仮定する)、着用者は、バッグ本体からバックパックストラップの底部エンドを取外し、それから当該バックパックストラップをバックパネル上にある収容ポケットに詰める。
収容ポケットのファスナは、閉じる位置へと引っ張られる。
また、着用者は、サイドキャリーストラップをポケットから取り、両側のエンドを一方のサイドパネルに取付けてある留具(fasteners)につなぐ。
バックパック形態への切替は、これと逆の手順により行う。
【0009】
この製品の1つの利点は、非使用時に、すべてのストラップをポケットの内に保管しておけることである。
このような保管性は、飛行機・電車・バスに搭乗する際にバッグを荷預けしたり、握りハンドルが使えるブリーフケース形態でバッグを運ぶ場合には、好ましいと思われる。
【0010】
単一のストラップにより切替える仕組の例は、クーパー(Cooper)の切替バックパックである(米国特許第5577652号明細書)。
この仕組の背後にある観点は、サイドキャリーに使われるストラップ部分が、ある1つのバックパック区切部分(section)全体と他のバックパック区切部分のトップポーションを用いて形成されていることである。
これは、バックパネル上部ちかくに集められた単一のアンカーループ(anchoring loop)を自在に通り抜けできる単一ループストラップのセンターポーションを有する、バックパネルの底部コーナーちかくの2箇所のエンドをつなげた単一環状ストラップを採用することで実現される。
【0011】
接続ポイントと経路(routing)は、形態を切替える際にバッグ本体が90°回転するように配置されている。
【0012】
バックパックからサイドキャリーへと切替える場合、上述したある1つのバックパック区切部分の上側エンドがアンカーループを通って引っ張られ、単一の長いサイドキャリーセクションを形成するために上記他のバックパック区切部分と結合される。
一方、短くなったバックパック区切部分は、バックパネルに対してきつく引っ張られる。
バックパック形態に切替えるときは、この手順を逆に行う。
【0013】
クーパー(Cooper)の仕組は、小型ないしは軽量のバッグに対しては、早くて簡単にバックパックとサイドキャリーを切替できるように見える。
しかしながら、以下の理由により、重量のあるバッグに対しては、同じようには機能しない。
【0014】
当該バッグは、サイドキャリー形態時に傾いている可能性がある。サイドキャリーのアンカーポイントが、サイドパネルではなくバックパネルに設けてあるからである。
さらに、サイドキャリー用に使われる2つのアンカーポイントは、バッグ本体における高さが異なっており、1つは中央付近にあり、1つはコーナーちかくにある。
【0015】
バックパックの多くは、2つの独立した調整バックルを有してなり、各ショルダーストラップに1つずつ設けてあることが典型的な特徴である。
【0016】
重たいバックパックにおける他の典型的な特徴は、当該バックパックが両肩運搬されるときに、快適性と安定性を与える2つの人間工学的なC字型もしくはS字型のショルダーパッド区切部分(section)である。
これらの区切部分は、ストラップ部材の少なくとも2倍の幅を持ち、時折バッグ本体と同じ材料で構成されていることもある。
重たいバッグについては、これらのショルダーパッドは、内部の快適性を向上させるために、通気孔が空けてあり柔軟性材料で構成されている。
【0017】
重たいバックパックにおける3つ目の典型的な特徴は、2つのショルダーストラップをともにつなげるための胸部ストラップである。
これにより、当該バックパックがしっかり固定されて荷重が移動するため、さらなる安定性と快適性が得られる。
【0018】
クーパー(Cooper)の仕組では、上述したような構成要素を容易に追加できないと考えられる。
なぜなら、運搬形態を切替えるときに、いくつかの構成要素を中央のアンカーループに通す必要があり、さらに、サイドキャリー運搬形態時には、ストラップがむき出しになったままであるからである。
このバッグにはスライドショルダーパッドを追加することは可能と思われるものの、サイドキャリー形態になっている間は、不使用中の胸部ストラップの大部分がサイドに存在していると考えられる。
これらの特徴は、切替を遅延させると思われる。なぜなら、スライドパッドが摩擦を生じるため、切替後に再調節する必要があると考えられるからである。
【0019】
単一のストラップにより切替える仕組の2例目は、チュン(Chung)の切替ストラップハンドバッグである(米国特許出願公開第2017/0347766号明細書)。
この仕組の背後にある観点は、サイドキャリー形態で使われる区切部分の底部エンドが、バックパック形態で使われる2つの区切部分の上部エンドを用いて形成されていることである。
このようにすることで、バックパネルの底部コーナーちかくの2箇所のエンドにおいてつながれたストラップの単一ループを採用することにより実現される。
このループのセンターポーションは、バックパネルの上部ちかくにある2つのアンカーループを自在に通り抜けできる。
【0020】
2つの運搬形態を切替えるときのチュン(Chung)の切替ストラップハンドバッグの適応性は、クーパー(Cooper)のバッグと同様である。
【0021】
バックパックからサイドキャリーへと切替えるために、両方のバックパック区切部分のトップポーションは、バッグ本体の上部において、2つのアンカーループを通して引っ張られる。
これにより、両方のバックパック区切部分は短くなる一方、サイドキャリー区切部分が長くなり、当該バックパック区切部分はバックパネルに対して引っ張られる。
バックパック形態に切替える場合には、この手順を逆に行う。
【0022】
チュン(Chung)の仕組は、バッグが傾いていることと、バックパック区切部分に所望の構成要素を追加するときの困難性により、クーパー(Cooper)の仕組と同様の制限を受けると思われる。
なぜなら、バックパネルに全ての接続が配置されており、運搬形態の切替時には、バッグ上部において、バックストラップ区切部分の上部エンドをアンカーループに通さなければならないからである。
この仕組は、小型のバッグや軽量のバッグについては、バックパックとサイドキャリーの間の切替を素早く簡単に行えると考えられるが、重量のあるバッグについては同様には機能しないおそれがある。
【0023】
単一のストラップによる仕組の3例目は、ジューリン(Juhlin)のストラップ付バッグである(米国特許出願公開第2005/0236451号明細書)。
この仕組の裏にある観点は、サイドキャリー用に使用されるストラップの区切部分が、ある1つのバックパック区切部分全体と他のバックパック区切部分のボトムポーションを利用して構成されていることである。
このような構成は、向かい合うボトムパネル兼サイドパネルの中心に置かれたストラップ遷移器具(transit fitting)を自在に通り抜けることができるループのセンターポーションによって、当該バッグの上部にあるエンド(バックパック形態において観察される)が、サイドパネルの2箇所につながれた単一のループストラップを採用することで実現される。
【0024】
その接続ポイントと経路は、形態を切替えたときにバッグ本体が90°回るように、配置されている。
【0025】
バックパックからサイドキャリーへ切替える場合、ある1つのバックパック区切部分の底部エンドは、ストラップ遷移器具(transit fitting)を通じて引っ張られ、単一の長いサイドキャリー区切部分を形成するために、他のバックパック区切部分と結合される。
一方、短くなったバックパック区切部分は、いまや底部にあるサイドパネル(サイドキャリー形態において観察される)にむかって引っ張られる。
バックパック形態に切替えるためには、この手順を逆に行う。
【0026】
この仕組は、上述したクーパー(Cooper)やチュン(Chung)の仕組と機能的に似ているように見えるものの、バックパネルの代わりに2つのサイドパネル上にすべてのストラップ接続を配置することにより、サイドキャリー形態における重心の問題が解消されている。
この特徴は、ストラップの2つのポーションが90°回動し、それにより、運搬形態を切替えるときに、バックパネルとサイドパネルの間で向きが変わる。
【0027】
クーパー(Cooper)やチュン(Chung)の仕組のように、ある1つのバックパック区切部分全体がサイドキャリー区切部分のポーションを構成する一方、他のバックパック区切部分のポーションは、バッグ本体に収められている。
ジューリン(Juhlin)の仕組については、使われていないバックパック区切部分は、ボトムパネル兼サイドパネルに収められている(サイドキャリー形態において観察される)。
ストラップ遷移器具(transit fitting)のなかに止り嵌め(snug fit)があると仮定した場合、このボトルパネルは、サイドキャリー形態においてバッグを下に置くときに、ストラップポーションの余剰部分が床に横たわることを防止するための支持脚(support feet)を備えている。
このような構成は、バッグを床に下ろす際には、非常に良い効果を奏すると思われるが、バッグをでこぼこした地面に下ろすときには、ストラップが傷付いたり、土が付着するおそれがあり、さらに、バックパック形態に切替えたときには、バッグ着用者の衣服に土汚れがついてしまうおそれもある。
バッグが他のボトムパネル兼サイドパネルを下向きにして置かれると(バックパック形態において観察される)、先ほどと同じように、底部分のストラップ遷移器具(transit fitting)とストラップの小ポーションが傷付いたり、土が付着するおそれがある。
【0028】
支持脚(support feet)のさらなるメリットは、サイドキャリー形態において、使用していないストラップのポーションが、バックパネルおよびボトムパネル兼サイドパネル上に蓄えられているポーションから滑り出てしまうのを回避できることである。
この構成の欠点は、形態を切替える際に、別個の手順として、支持脚(support feet)の上にストラップを持上げる必要があることである。
また、支持脚(support feet)は、バックパック形態におけるサイドパネルに対し、好ましい典型的な構成を追加できないことである。
バックパックのサイドにおける潜在的な好ましい構成の例は、ウォーターボトル・傘・携帯電話・その他の物品を保持するためのジッパー付またはジッパーなしのポケットを備えることである。
【0029】
ジューリン(Juhlin)の仕組は、長さ調整バックル・ショルダーパッド・バックパック区切部分の胸部ストラップを追加できるように見える。
なぜなら、ループが、クーパー(Cooper)やチュン(Chung)のバッグのようなトップパネルではなく、ボトムパネルの接続を通っているからである(バックパック形態において看取される)。
しかしながら、サイドキャリー形態において、これらの構成要素の半分は、サイドキャリーストラップの片側に露出してしまっており、一方、これらの構成要素のほかの半分は、ボトムパネル兼サイドパネルに露出している(サイドキャリー形態において看取される)。
【0030】
ジューリン(Juhlin)の仕組は、小型のバッグや軽量のバッグについては、バックパックとサイドキャリーの間では早く簡単に切替えることができると考えられるものの、いくつかの付加的な構成要素が必要となる重量のあるバッグについては同様には機能しないおそれがある。
【0031】
単一ループによる仕組の4例目は、シェン(Shen)のバックパックおよびショルダーバッグの組合せである(米国特許8950643号明細書)。
この仕組の裏にある観点は、上述したジューリン(Juhlin)の仕組と同じように、サイドキャリー形態において使用されるストラップ区切部分が、ある1つのバックパック区切部分すべてと他のバックパック区切部分のボトムポーションを用いて構成されていることである。
このような構成は、ボトムパネル兼サイドパネルと向かい合う2つのアンカーループを自在に通り抜けられるループのセンターポーションを持つ、バッグのトップサイド(バックパック形態において看取される)にある1つ又は2つのエンドにおいてつながれた単一ループストラップの採用により実現される。
【0032】
接続ポイントと経路は、形態を切替える際に、バッグ本体が90°回転するように配置される。
【0033】
バックパックからサイドキャリーに切替える場合、1つのバックパック区切部分の底部エンドは、アンカーループを通って引っ張られ、単一の長いサイドキャリー区切部分を形成するために他のバックパック区切部分と結合される。
一方、短くなったバックパック区切部分は、ボトムパネル兼サイドパネルにむけて引っ張られる(サイドキャリー形態において看取される)。
バックパック形態に切替えるには、この手順を逆に行う。
【0034】
シェン(Shen)の仕組は、長さ調整バックル・ショルダーパッド・バックパック区切部分の胸部ストラップを追加できるように見える。
なぜなら、ループが、クーパー(Cooper)やチュン(Chung)のバッグのようなトップパネルではなく、ボトムパネルの接続を通っているからである(バックパック形態において看取される)。
しかしながら、サイドキャリー形態において、これらの構成要素の半分は、サイドキャリーストラップの片側に露出してしまっており、一方、これらの構成要素のほかの半分は、ボトムパネル兼サイドパネルに露出している(サイドキャリー形態において看取される)。
当該バッグを床に下ろす際には、これらの構成要素は、傷付いたり、土が付着するおそれがあり、さらに、バックパック形態に切替えたときには、バッグ着用者の衣服に土汚れがついてしまうおそれもある。
ボトルパネル沿いに収まっている不使用のストラップ区切部分を係止する手段がなんら見あたらないため(サイドキャリー形態において看取される)、ストラップが何かに絡まったり、滑り出たりするおそれがある。
【0035】
シェン(Shen)の仕組は、図示されているように、4つの接続ポイントすべてが長方形状を構成するバッグのコーナーちかくに配置されており、小型のバッグについては良好に機能する。
大型のバッグにおける人間工学的設計を改良するための三角形状を実現するために、おそらく、トップパネル上のフープ(hoop)は、トップパネルの中心ちかくに配置することが可能と思われる(バックパック形態において看取される)。
しかしながら、サイドキャリー形態への切替は、そのような構成下では、困難性が増してしまう。
たとえば、ある1つのストラップ区切部分をバックパネルからボトムパネルへ移行させる手順は、切替における別個の手順として手動でする必要があると考えられる。
長い上記区切部分を、バッグの底部コーナーのまわりに移行させるのは容易でないと思われるからである。
さらに、使っていない区切部分の長さを増すと、ストラップが滑り出たり、バックパネルへとストラップが逆戻りする機会が増えてしまい、サイドキャリー形態においてバッグ本体が肩からずり落ちることも起こってしまう。
【0036】
この仕組は、小型のバッグや軽量のバッグについては、バックパックとサイドキャリーの間では早く簡単に切替えることができると考えられるものの、いくつかの付加的な構成要素が必要となる重量のあるバッグについては同様には機能しないおそれがある。
【0037】
先のような試行にも関わらず、人間工学的設計・清潔性・安全性・防犯性が向上した好ましい特徴を備えつつ、ストラップを取外したり再接続することなく、バッグを効率的に両肩運搬(dual shoulder carry)と片肩運搬(single shoulder carry)の間で切替える仕組へのニーズが存在する。
本発明のその他の目的は、以下の記載により明らかになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0038】
【特許文献1】米国特許第5577652号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2017/0347766号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2005/0236451号明細書
【特許文献4】米国特許8950643号明細書
【発明の概要】
【0039】
本願発明は、安全性・快適性・防護性・より流線的なバッグの外形・ストラップと金具の区切部分の露出抑制にとって重要なたくさんの特徴を提供しつつ、バックパック形態とサイドの間でバッグを効率的に切替えるニーズに焦点をあてている。
【0040】
本願発明の背後にある観点は、サイドキャリー形態で使われるストラップ区切部分の底部エンドを、バックパック形態で用いる2つのストラップ区切部分の底部エンドとつないであることである。
このような構成は、それぞれの運搬形態に欠かすことのできないストラップのある重要な区切部分の間で、完全な独立性を提供するものである。
このような構成を実現するために、バックパック形態で使用する2つのストラップ区切部分は単一ループのエンドに配置し、一方、サイドキャリー形態で使用する1つのストラップ区切部分は上記単一ループの中央に配置される。
本願発明は、4つの重要なアンカーポイントを自在に通り抜けられる当該単一ループのセンターポーションを有してなる、バックパネルの上部中央ちかくにある2箇所に配置されたエンドに固定的に取付けられた単一ループのストラップを採用する(バックパック形態において看取される)。
重要なアンカーポイントの2つは、ループのバックパック区切部分の底部エンドとして専ら機能し、バックパネルの底部コーナーちかくに配置される(バックパック形態において看取される)。
他の2つの重要なアンカーポイントは、ループのサイドキャリー区切部分の底部エンドとして機能し、トップパネル兼サイドパネルの中央であって底部エンドちかくに配置される(サイドキャリー形態において看取される)。
このような構成では、ループのエンドに配置されたストラップのバックパックポーションはバックパネルに固定的に取付けてあり、ループ中央に配置されたストラップのサイドキャリー区切部分はトップパネル兼サイドパネル(top side panel)に固定的に取付けてある(サイドキャリー形態にて看取される)。
【0041】
上述した4つの重要なアンカーポイントの間のストラップ経路は、バッグの周囲のまわりに配置された、ウォーターボトルホルダ・傘ホルダ・ジッパー付またはジッパーなしのポケットなどのような好ましい特徴を収容するように変更してもよい。
接続ポイントと経路は、形態を切替えるときにバッグ本体が90°回るように配置してもよく、また、形態を切替えるときにバッグの向きが保たれるように配置してもよい。
【0042】
バックパックからサイドキャリーへと切替える場合、サイドキャリー区切部分の中央は、サイドパネル上の格納場所から引離される。
当該動作では、サイドキャリー区切部分の底部エンドをアンカーポイントを通じて上にむけて引っ張り、また、アンカーポイントを通じて両方のバックパック区切部分を下向きに引っ張る。
これにより、サイドキャリー区切部分が均等に長くなる一方、2つのバックパック区切部分が均等に短くなり且つバックパネルにむけて引っ張られる。
【0043】
サイドキャリーからバックパックへと切替える場合、手順が逆となり、両方のバックパック区切部分をバックパネル上の格納場所から引離す。
当該動作では、バックパック区切部分の底部エンドをアンカーポイントを通じて上向きに引っ張り、また、アンカーポイントを通じて両方のサイドキャリー区切部分を下にむけて引っ張る。
これにより、バックパック区切部分が均等に長くなる一方、サイドキャリー区切部分の2つのエンドが均等に短くなり且つサイドパネルにむけて引っ張られる。
【0044】
本願発明は、バックパック形態において使用される引込式(retractable)の腰ベルト、を備えていてもよい。
腰ベルトの2つの区切部分は、単一ループのバックパックストラップポーションの底部エンドちかくに固定的に取付けてある。
バックパック形態に切替えるときは、当該腰ベルトの2つの区切部分は、2つのバックパック区切部分の底部エンド沿いに引出してもよい。
また、サイドキャリーに切替えるときは、当該腰ベルトの2つの区切部分は、バックパック区切部分の底部エンド沿いに引っ込んでもよい。
これにより、ループの残りのポーションに対抗して収容される。
腰ベルトは、荷重の大部分を肩から腰へと配分しなおすために、重量のあるバッグに対して用いられる。
これにより、首・肩・背中への負担やけがのおそれが軽減される。
【0045】
また、本願発明においては、長さ調整バックル・胸部ストラップ・2つのバックパックショルダーパッド・1つのサイドキャリーショルダーパッドのいずれも形態の切替後に再調整する必要がないように、ループに適切に取付けてもよい。
ショルダーパッドはたがいに独立しているので、付加されたパッドとクッション部材は、バックパック区切部分とサイドキャリー区切部分の間で、様式・形状・人間工学的設計が異なっていてもよい。
最適な荷重配分と快適性を得られるよう、バックパッドパッドは、通常、C字型かS字型となっており、一方、サイドキャリーパッドは長方形状または楕円形状をしている。
【0046】
ストラップのサイドキャリー区切部分は、両方の底部エンドから均等な長さとなっているため、単一のショルダーパッドは、サイドキャリー形態へと切替えたあとも調整する必要がないよう、ストラップのサイドキャリー区切部分の中央に適切に取付けてもよい。
長さ調整バックルをループのサイドキャリー区切部分に設けたい場合、本発明では、代替手法として、サイドキャリー用のスライドショルダーパッドを設けてもよい。
【0047】
また、本願発明は、格納(resting)調整バックル・ショルダーパッド・胸部ストラップの構成要素をボトムパネル兼サイドパネルではなく「バックパネルに保管」することで(サイドキャリー形態において看取される)、調整バックル・ショルダーパッド・胸部ストラップが露出してしまうことを削減できる。
このような構成は、バッグがボトム兼サイドから床に降ろされたときに(サイドキャリー形態において看取される)、これらの構成要素を潜在的な擦れから保護し、また、これらの構成要素が、バックパック形態において着用者の肩へと戻ってきたときに、本願バッグの全部分を清潔に保つ。
空気流の通気孔が、布が張られたバックパネル内の構成要素として付加されている場合(重量のあるバッグに快適性を加えるために好ましい構成要素である)、当該通気孔は、ショルダーパッドと他の構成要素を収容するように形づくることができ、これにより、布が張られたバックパネルの中にすべての構成要素を保管できる。
このような構成は、サイドキャリー形態の際に、バッグを流線型にすることに寄与し、運動性と防護性を向上させ、物にストラップが引っ掛かるリスクを下げ、飛行機のチェックイン制限に適合するようバッグの厚みを抑制する。
【0048】
ストラップは、形態を切替えるときに、既存の仕組のように90°回す必要はないため、本願発明では、トップ兼サイドとボトム兼サイドにストラップと部材が露出してしまうことを回避できる(バックパック形態において看取される)。
また、このような構成によれば、金属製やプラスチック製のリングのようないくつかの構成要素が不要となり、その代わりにバッグパネルの縫目や編目をアンカー要素として利用するため、バッグを流線型にできる。
また、このような構成では、使用しないストラップポーションを格納するためにスリーブを使用することで、使用しないストラップポーションが目に触れないように隠したり、使用しないストラップポーションを損傷や土汚れから保護することができる。
【0049】
本願発明は、サイドキャリー形態において、既存の仕組のように2つのループではなく、バッグの片側から1つのループだけが露出するようにできる。
バッグのバックパネルかフロントパネルのどちらかの面を床に下ろす必要があるときは(飛行機・電車・バスに乗っているときに、荷物置場や床下収納などで必要と思われる)、このような構成は、窃盗や、余ったループが何かに引っ掛かることや、所有者が不注意によりバッグを間違ったサイドから持上げてしまい物が落下すること、といった特定のリスクを減少させると考えられる。
【0050】
また、本願発明では、バックパネルの上部中心ちかくにループエンドを取付けることも可能である。
これにより、人間工学・荷重分配・安定性にすぐれたバックパック形態むけの三角形状のストラップ構成が形づくられる。
【0051】
本発明によれば、切替可能なショルダーバッグおよびバックパックが提供される。
本願バッグは、フロントパネル・バックパネル・ボトムパネル・第1サイドパネル・第1サイドパネルと向かい合う第2サイドパネル・ボトムパネルと向かい合うトップパネルからなるバッグ本体、を備えている。
また、本願バッグは、バッグ本体に取付けられた複数の接続ポイントと、第1エンド・第2エンドを有するストラップとを備えている。
第1エンドと第2エンドは、第1サイドパネルちかくのバッグ本体に固定的に取付けられている。
また、第1エンドと第2エンドの間にあるストラップのポーションは、少なくとも1つの接続ポイントにおいて、バッグ本体に摺動可能につながれている。
【0052】
ストラップは、本バッグの着用者が同ストラップを取外したり又は同ストラップを再接続することなしに、ショルダーバッグ形態とバックパック形態を切替できるように構成されている。
同ストラップは、ショルダーパッドと、少なくとも1つのバックパックパッドと、引込式の腰ベルトと、安全ストラップと、を備えるものでもよい。
【0053】
ある実施例では、ショルダーバッグ形態において、バックパック形態において使用されるストラップのポーションは、バックパネルに沿って収まっていてもよく、バックパック形態において、ショルダーバッグ形態において使用されるストラップのポーションは、トップパネルに沿って収まっていてもよい。
【0054】
上記実施例または他の実施例では、ショルダーバッグ形態において、バックパック形態で使うストラップのポーションを、ショルダーバッグ形態におけるストラップのポーションとして使用せずともよい。
また、バックパック形態において、ショルダーバッグ形態で使うストラップのポーションを、バックパック形態におけるストラップのポーションとして使用しなくてもよい。
【0055】
上記実施例または他の実施例では、バッグをショルダーバッグ形態へと切替えるために、ストラップのポーションをトップパネルから引離してもよく、また、バッグをバックパック形態へと切替えるために、ストラップのポーションをバックパネルから引離してもよい。
【0056】
上記実施例または他の実施例では、ストラップの第1エンドと第2エンドの間にあるストラップのポーションは、トップパネルちかくの少なくとも1つの接続ポイントおよび第2サイドパネルちかくの少なくとも1つの接続ポイントにおいて、バッグ本体に摺動可能につながれている。
着用者が当該ストラップを取外したり再接続することなくショルダーバッグ形態とバックパック形態の間で切替できるように、ストラップを構成するためである。
【0057】
上記実施例では、第1エンドと第2エンドの間にあるストラップのポーションは、トップパネルちかくに設けられた第1接続ポイントおよび第2接続ポイントと、第2サイドパネルちかくに設けられた第3接続ポイントとにおいて、バッグ本体に摺動可能につながれていてもよい。
【0058】
上記実施例では、第1エンドと第2エンドの間にあるストラップのポーションは、第1サイドパネルちかくに設けられた第1接続ポイントと、第2サイドパネルちかくに設けられた第2接続ポイントと、ボトムパネルちかくに設けられた第3接続ポイントとにおいて、バッグ本体に摺動可能につながれていてもよい。
【0059】
他の実施例では、切替可能なショルダーバッグおよびバックパックは、
(a)フロントパネルと、前記フロントパネルに向かい合うバックパネルと、ボトムパネルと、前記ボトムパネルに向かい合うトップパネルと、第1サイドパネルと、前記第1サイドパネルに向かい合う第2サイドパネルと、からなるバッグ本体と、
(b)少なくとも第1サイドパネルかバックパネルちかくにおいてバッグ本体に固定的に取付けられている第1エンドおよび第2エンドを有するストラップと、
を備えている。
ストラップのうち第1エンドと第2エンドの間にあるポーションは、少なくともトップパネルか第1サイドパネルちかくに、バッグ本体上にある第1接続ポイントにて同バッグ本体に摺動可能につながれている。
当該ポーションは、少なくともトップパネルか第2サイドパネルちかくに、バッグ本体上にある第2接続ポイントにて同バッグ本体に摺動可能につながれている。
当該ストラップは、本バッグの着用者が、同ストラップを取外したり又は同ストラップを再接続することなしに、本願の切替可能なショルダーバッグおよびバックパックをショルダーバッグ形態とバックパック形態とに切替できるように構成されている。
【0060】
同ストラップは「引込式の腰ベルト」を備えるものでもよい。
また、同ストラップは「ショルダーパッド」を備えるものでもよい。
同ストラップは、少なくとも1つの「バックパックパッド」を備えるものでもよい。
同ストラップは「安全ストラップ」を備えるものでもよい。

ポーションは、バックパネル・ボトルパネル・第2サイドパネルの少なくとも1つの近くに、バッグ本体上にある第3接続ポイントにおいて当該バッグ本体に摺動可能につながれていてもよい。
第3接続ポイントは、バックパネル・ボトルパネルの少なくとも1つの近くにおいて、第2サイドパネルちかくに配置してもよい。
第3接続ポイントは、第2サイドパネルちかくに配置してもよい。
第3接続ポイントは、バックパネルちかくに配置してもよい。
第3接続ポイントは、ボトムパネルちかくに配置してもよい。

ショルダーバッグ形態においては、バックパック形態で用いられるストラップの第2ポーションがバックパネル沿いに収まっていてもよい。

バックパック形態においては、ショルダーバッグ形態で用いられるストラップの第3ポーションがトップパネル沿いに収まっていてもよい。
第2ポーションは、第3ポーション以外の用途に用いられてもよい。
第3ポーションは、第2ポーション以外の用途に用いられてもよい。

当該バッグをバックパック形態に切替えるために、第2ポーションをバックパネルから引っ張り出すようにしてもよい。
当該バッグをショルダーバッグ形態に切替えるために、第3ポーションをトップパネルから引っ張り出すようにしてもよい。

当該バッグをバックパック形態に切替えるために、ストラップの第2ポーションを、バックパネルから引っ張り出すようにしてもよい。
当該バッグをショルダーバッグ形態に切替えるために、ストラップの第3ポーションを、トップパネルから引っ張り出すようにしてもよい。
【0061】
他の実施例において、切替可能なショルダーバッグおよびバックパックは、
(a)フロントパネルと、
前記フロントパネルと向かい合うバックパネルと、
前記フロントパネルと前記バックパネルの間に広がるトップパネルと、
前記トップパネルと向かい合うボトムパネルと、
前記フロントパネルと前記バックパネルとの間に広がる第1サイドパネルと、
前記第1サイドパネルと向かい合う第2サイドパネルと、
からなるバッグ本体と、
(b)第1ポーションをバッグ本体につなぐための接続ポイントの第1ペアの間に広がる第1ポーションと、
第2ポーションをバッグ本体につなぐための接続ポイントの第2ペアの間に広がる第2ポーションと、からなるストラップであって、

対角線上で向かい合う接続ポイントのペアの間に摺動可能に設けた相互連結ポーションを介して、前記第1ポーションと第2ポーションが相互に連結され、
相互連結ポーションを摺動させて前記第1ポーションの長さが増すと、前記第2ポーションの長さが減り、
相互連結ポーションを摺動させて前記第2ポーションの長さが増すと、前記第1ポーションの長さが減り、
当該ストラップを取外したり又は同ストラップを再接続することなしに、本願の切替可能なショルダーバッグおよびバックパックを、ショルダーバッグ形態とバックパック形態の間で切替できるように構成された前記ストラップと、
を備える。
【0062】
前記ストラップは、引込式の腰ベルト、を備えるものでもよい。
前記ストラップは、安全ストラップ、を備えるものでもよい。

当該切替可能なショルダーバッグおよびバックパックがショルダーバッグ形態にある場合、第1ポーションの長さが第2ポーションよりも短くなるようにしてもよい。
当該切替可能なショルダーバッグおよびバックパックがバックパック形態にある場合、第1ポーションの長さが第2ポーションの長さと同じになるようにしてもよい。

接続ポイントの第1ペアは、ストラップをバッグ本体に固定的につなぐための第1接続ポイント、を備えていてもよい。
前記第1接続ポイントは、バックパネルと第1サイドパネルの間に広がるエッジちかくに配置されていてもよい。

接続ポイントの第1ペアは、ストラップをバッグ本体に摺動可能につなぐための第2接続ポイント、を備えていてもよい。
前記第2接続ポイントは、バックパネルと第2サイドパネルとボトルパネルの間のコーナーちかくに配置してもよい。

接続ポイントの第2ペアは、第3接続ポイントおよび第4接続ポイント、を備えるものでもよい。
第3接続ポイントおよび第4接続ポイントの1つは、バッグ本体に固定的につながれていてもよい。
第3接続ポイントは、バックパネルと第1サイドパネルの間に広がる前記エッジちかくであってもよい。
第3接続ポイントおよび第4接続ポイントの他方は、ストラップをバッグ本体に摺動可能につないでもよい。
第4接続ポイントは、バックパネルと第2サイドパネルとトップパネルの間の第2コーナーちかくに配置してもよい。

前記ストラップは、ショルダーストラップポーションをバッグ本体につなぐための、接続ポイントの第3ペアの間に広がるショルダーストラップポーション、を有するものでもよい。
前記ショルダーストラップポーションは、前記第1ポーションと前記第2ポーションとに接続してもよい。
当該ショルダーストラップポーションを摺動して同ショルダーストラップポーションの長さを増やすと、第1ポーションの長さと第2ポーションの長さが減る。
また、当該ショルダーストラップポーションを摺動して第1ポーションの長さと第2ポーションの長さを増やすと、同ショルダーストラップポーションの長さが減る。
本願の切替可能なショルダーバッグおよびバックパックがショルダーストラップ形態にある場合、ショルダーストラップポーションの長さは、第1ポーションの長さおよび第2ポーションの長さよりも長くなってもよい。
第3ペアの接続ポイントは各々、トップパネルの向かい合ったエンドちかくに配置してもよい。

接続ポイントの第1ペアは、前記ストラップをバッグ本体に固定的につなぐための第1接続ポイントを有していてもよい。
前記第1接続ポイントは、バックパネルと第1サイドパネルの間に広がるエッジちかくに配置してもよい。
接続ポイントの第2ペアは、前記ストラップをバッグ本体に固定的につなぐための接続ポイントであって、前記エッジちかくに配置された第2接続ポイントを有していてもよい。

接続ポイントの第1ペアは、前記ストラップをバッグ本体に摺動可能につなぐための第3接続ポイント、を有するものでもよい。
前記第3接続ポイントは、バックパネルと第2サイドパネルとボトムパネルの間にあるコーナーちかくに配置してもよい。
接続ポイントの第2ペアは、前記ストラップをバッグ本体に摺動可能につなぐための第4接続ポイント、を有するものでもよい。
前記第4接続ポイントは、バックパネルと第2サイドパネルとトップパネルの間にある第2コーナーちかくに配置してもよい。

前記第1ポーションおよび第2ポーションは、第2相互連結ポーションを介して相互に接続してもよい。
前記第2相互連結ポーションは、前記対角線上で向かい合っている接続ポイントのペアと反対側の対角線上で向かい合う接続ポイントの第2ペアの間に摺動可能に広がっていてもよい。

前記接続ポイントの第1ペアならび前記接続ポイントの第2ペアの各接続ポイントは、前記ストラップをバッグ本体に摺動可能につないでいてもよい。

前記接続ポイントの第1ペアは、バックパネルと第1サイドパネルの間に広がるエッジちかくに配置された第1接続ポイント、を備えるものでもよい。
前記接続ポイントの第1ペアは、バックパネルと第2サイドパネルとボトムパネルの間のコーナーちかくに配置された第2接続ポイント、を備えるものでもよい。

前記接続ポイントの第2ペアは、前記エッジちかくに配置された前記第3接続ポイント、を備えるものでもよい。
前記接続ポイントの第2ペアは、バックパネルと第2サイドパネルとトップパネルの間の第2コーナーちかくに配置された第4接続ポイント、を備えるものでもよい。

前記第1接続ポイントと第2接続ポイントは、単一の接続ポイントにより構成してもよい。

本願の切替可能なショルダーバッグおよびバックパックは、手提ハンドルからなる手提ストラップ、を備えていてもよい。
手提ハンドルは、手提ハンドルをバッグ本体につなぐため、接続ポイントの第3ペアの間に広がっていてもよい。
前記手提ストラップは、第1ポーションと第2ポーションにつながれたものでもよい。
当該手提ストラップを摺動させて第1ポーションと第2ポーションの長さが「ある量」(an amount)だけ増すと、前記手提ハンドルの長さが、前記「ある量」よりも少ない「縮小量」(diminished amount)だけ減る。
同手提ストラップを摺動させて「手提量」(tote amount)だけ手提ハンドルの長さが増すと、前記手提量よりも大きな「拡大量」(magnified amount)だけ第1ポーションの長さと第2ポーションの長さが減る。
【0063】
他の実施例において、切替可能なトートバッグは、柔軟性材料(pliant material)の長さ又は柔軟性材料の一連の長さと、少なくとも2つの手提ハンドルをともにつなげた部材、を備え、
前記少なくとも2つの手提ハンドルは、2つの末端(distal)エンドを有し、
末端エンドの1つはパネルの1つにつながれており、末端エンドの1つは他のパネルの1つにつながれている。
摺動させて、一方の手提ハンドルの長さが「第1の量」(first amount)だけ増すと、少なくとも1つの他の手提ハンドルの長さが「第1の量」以上の量だけ減る。
少なくとも2つの手提ハンドルは、いかなる部材を取外したり再接続することなく、本願の切替可能なトートバッグを、第1トートバッグ形態と第2トートバッグ形態の間で切替できるように構成されている。
【0064】
他の実施例において、切替可能なトートバッグは、
(a)フロントパネルと、
前記フロントパネルに向かい合うバックパネルと、
前記フロントパネルと前記バックパネルとの間に広がるトップパネルと、
前記トップパネルに向かい合うボトムパネルと、
前記フロントパネルと前記バックパネルとの間に広がる第1サイドパネルと、
前記第1サイドパネルに向かい合う第2サイドパネルと、
からなるバッグ本体と、
(b)第1ポーションを前記バッグ本体につなぐための接続ポイントの第1ペアの間に広がる第1ポーションであって、少なくとも1つのショルダーストラップポーションと第1バックパックポーションを備える前記第1ポーションからなる第1ストラップと、
(c)手提ハンドルをバッグ本体につなぐための接続ポイントの第2ペアの間に広がる手提ハンドルからなる第2ストラップと、
を備えている。

前記第1ストラップと前記第2ストラップは、接続ポイントの第1ペアと接続ポイントの第2ペアの間に摺動可能に広がる相互連結ポーションを介して、相互につながれている。

相互連結ポーションを摺動させて手提ハンドルの長さが「第1の量」(first amount)だけ増すと、前記「第1の量」よりも大きな「拡大量」(magnified amount)だけ第1ポーションの長さが減る。
相互連結ポーションを摺動させて第1ポーションの長さが「第2の量」(second amount)だけ増すと、前記「第2の量」よりも少ない「縮小量」(diminished amount)だけ手提ハンドルの長さが減る。

当該切替可能なトートバッグは、
前記第1ストラップおよび前記第2ストラップのいずれかを取外したり再接続したりすることなしに、
トートバッグ形態と、ショルダーバッグ形態およびバックパック形態の少なくとも1つと、に切替できる。
【0065】
前記相互連結ポーションは、第1セグメントと第2セグメントを備えるものでもよい。
前記第1セグメントは、第2セグメントに摺動可能に連結された「2股分岐部材」(bifurcating member)において終結してあってもよい。
第1セグメントによって前記2股分岐部材が第2セグメントから離れる向きに移動させられると、前記第2セグメントは同2股分岐部材によって折畳まれる。

本願の切替可能なトートバッグは、バッグ本体に固定的に取付けられた「拘束部材」(restraint)を備えるものでもよい。
拘束部材(restraint)は、前記2股分岐部材が第2セグメントから離れる向きに移動したときに第2セグメントを拘束する。

本願の切替可能なトートバッグは、前記第1セグメントと前記第2セグメントの多段のペア、を複数備えるものでもよい。
このとき、1つのペアにおける前記第2セグメントは、後続するペアの第1セグメントをなしている。

前記「拡大量」(magnified amount)とは、前記「第1の量」(first amount)の8倍であってもよい。
また、前記「拡大量」(magnified amount)とは、前記「第1の量」(first amount)の4倍であってもよい。

前記第2ストラップは、トップパネルに配置された1つの第1手提ハンドルと、第1サイドパネルに配置された1つの第2手提ハンドルと、からなるものでもよい。

前記第1ポーションは、前記第1バックパックポーションを備えるものでもよい。
第1ストラップは、第2ポーションをバッグ本体につなぐための接続ポイントの第2ペアの間に広がる第2ポーションからなる。
第1ポーションおよび第2ポーションは、対角線上で向かい合う接続ポイントのペアの間に摺動可能に広がる相互連結ポーションを介して、相互につながっていてもよい。
相互連結ポーションを摺動させて第1ポーションの長さが増すと、第2ポーションの長さが減る。
また、相互連結ポーションを摺動させて第2ポーションの長さが増すと、第1ポーションの長さが減る。
第1ストラップは、同第1ストラップを取外したり又は同第1ストラップを再接続することなしに、本願の切替可能なトートバッグをショルダーバッグ形態とバックパック形態との間で切替できるように構成されている
【0066】
本発明のその他の観点は、好ましい実施例の詳細な説明と、これに従う請求項を参照することによって理解される。
【図面の簡単な説明】
【0067】
本発明の実施例は、以下の図面を参照することによって説明される。
図1】ショルダーバッグ形態における、本発明に係る実施例の切替可能なショルダーバッグおよびバックパックを示す斜視図である。
図2図1の切替可能なショルダーバッグおよびバックパックを示す斜視図であって、バックパック形態の実施例を示す図である。
図3図1の実施例に類似するものの、固着された手提ハンドルのペアを追加した他の実施例の背面図である。
図4図3の実施例の底面図である。
図5図3の実施例の平面図である。
図6図3の実施例の第1サイドを見た図である。
図7図3の実施例の第2サイドを見た図である。
図8】本発明に係る他の実施例の背面図である。
図9図8の実施例の底面図である。
図10図8の実施例の平面図である。
図11図8の実施例の第1サイドを見た図である。
図12図8の実施例の第2サイドを見た図である。
図13】ショルダーバッグ形態における実施例にかかるストラップ経路の背面から見た模式図である。
図14図13のストラップ経路の背面から見た模式図であって、バックパック形態を示す図である。
図15】本発明の実施例による他のストラップ経路の背面から見た模式図であって、ショルダーバッグ形態を示す図である。
図16図15のストラップ経路の背面から見た模式図であって、バックパック形態を示す図である。
図17】本発明の他の実施例の背面図である。
図18図17の実施例の底面図である。
図19図17の実施例の平面図である。
図20図17の実施例の第1サイドを見た図である。
図21図17の実施例の第2サイドを見た図である。
図22】本発明の他の実施例の背面図である。
図23図22の実施例の底面図である。
図24図22の実施例の平面図である。
図25図22の実施例の第1サイドを見た図である。
図26図22の実施例の第2サイドを見た図である。
図27】本発明の実施例による他のストラップ経路の背面から見た模式図であって、ショルダーバッグ形態を示す図である。
図28図27のストラップ経路の背面から見た模式図であって、バックパック形態を示す図である。
図29】本発明の他の実施例の背面図である。
図30図29の実施例の底面図である。
図31図29の実施例の平面図である。
図32図29の実施例の第1サイドを見た図である。
図33図29の実施例の第2サイドを見た図である。
図34】本発明の実施例による他のストラップ経路の背面から見た模式図であって、ショルダーバッグ形態を示す図である。
図35図34のストラップ経路の背面から見た模式図であって、バックパック形態を示す図である。
図36】本発明の実施例による他のストラップ経路の背面から見た模式図であって、ショルダーバッグ形態を示す図である。
図37図36のストラップ経路の背面から見た模式図であって、バックパック形態を示す図である。
図38】本発明の他の実施例による他のストラップ経路の背面から見た模式図であって、ショルダーバッグ形態を示す図である。
図39図38のストラップ経路の背面から見た模式図であって、バックパック形態を示す図である。
図40】本発明の実施例の背面から見た断面図であって、第1ストラップ間にある8倍長の相互連結ポーションを示したものであり、相互連結ポーションはショルダーストラップポーションとバックパックポーションの少なくとも1つからなり、第2ストラップは手提ハンドルのペアからなる。
図41図40の実施例の底面図である。
図42図40の実施例の平面図である。
図43図40の実施例の第1サイドを見た図である。
図44図40の実施例の第2サイドを見た図である。
図45図40の実施例による他のストラップ経路の背面から見た断面模式図であって、手提ハンドル以外の構成を示す図である。
図46】手提ハンドルのペアを備える実施例の正面から見た斜視図である。
図47】本発明の他の実施例の上方から見た断面図であって、第1ストラップ間にある4倍長の相互連結ポーションを示したものであり、相互連結ポーションはショルダーストラップポーションとバックパックポーションからなり、第2ストラップは手提ハンドルのペアからなる。
図48図47の実施例において採りうる1つのストラップ経路の背面から見た模式図であって、ショルダーバッグ形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
全図面を参照し、切替可能なショルダーバッグおよびバックパック10について説明する。
本バッグ10は、フロントパネル14・バックパネル16・ボトムパネル18・第1サイドパネル20・同第1サイドパネル20に向かい合う第2サイドパネル22・ボトムパネル18に向かい合うトップパネル24を有するバッグ本体12、を備える。
また、本バッグ10は、バッグ本体12上に設けられた複数の接続ポイントと、第1エンド30および第2エンド32を有する連続的なストラップ28と、を備えている。
当該ストラップ28の第1エンド30・第2エンド32は、第1サイドパネル20ちかくにおいてバッグ本体12に固定的に取付けられている。
第1エンド30と第2エンド32の間にあるストラップ28のポーションは、少なくとも1つの接続ポイントにおいて、バッグ本体12に摺動可能につながれている。
【0069】
さらに、ストラップ28は、ショルダーパッド40と、少なくとも1つのバックパックパッド42を備えていてもよい。
大型のバッグである場合、ストラップ28は、使用者の胸部(sternum)にわたって支持する追加の安全ストラップ44や、荷重を再分配するためのストラップと一体的に形成された引込式の腰ベルト45を備えるものでもよい。
【0070】
ストラップ28は、バッグ着用者が、当該ストラップを取外したり再接続したりすることなく、ショルダーバッグ形態(図1図3図6図7図8図10図13図15図17図20図21図22図25図26において最良に図示される)と、バックパック形態(図2図9において最良に図示される)を切替できるように構成されている。
【0071】
ある1つの実施例では、ショルダーバッグ形態において、ストラップ28のバックパック形態に使用されるポーション28’がバックパネル16に沿って収まっている。
また、バックパック形態の際には、上記ストラップのショルダーバッグ形態に使用されるポーション28’’がトップパネル24に沿って収まっている。
【0072】
上記実施例または他の実施例では、ショルダーバッグ形態の際、バックパック形態で使われるストラップのポーション28’は、ショルダーバッグ形態時のストラップのポーション28’’としては使用されない。
また、バックパック形態の際には、ショルダーバッグ形態に使用されるストラップのポーション28’’は、バックパック形態時のストラップのポーション28’としては使われない。
【0073】
上記実施例または他の実施例では、本バッグをショルダーバッグ形態に切替えるため、ストラップ28のポーションがトップパネル24から引離される。
また、本バッグをバックパック形態に切替えるため、同ストラップのポーションはバックパネル16から引離される。
【0074】
図8図12のように、本実施例では、第1エンド30と第2エンド32の間のストラップのポーションは、トップパネル24ちかくに配置された第1接続ポイント46・第2接続ポイント48ならびに第2サイドパネル22ちかくに配置された第3接続ポイント50において、バッグ本体12に摺動可能につながれている。
接続ポイントとしては、Dリング、もしくは、当業者が着想しうる他の適切な摺動可能な接続ポイントを採用できる。
ここでは、点線で示すように、ストラップ28は、トップパネル24と第1サイドパネル20のコーナーから、ボトムパネル18と第2サイドパネル22へと、バックパネル16下方のバッグ本体12内部を通っている。
ストラップ28を隠すことで魅力的な見た目をした製品を作製しているが、当業者が理解するように、当該ストラップはバックパネル16の外側を通してもよい。
【0075】
図3図7および図17図26のように、本実施例では、第1エンド30と第2エンド32の間にあるストラップのポーションは、第1サイドパネル20ちかくに配置された第1接続ポイント52と、第2サイドパネル22ちかくに配置された第2接続ポイント54と、ボトムパネル18ちかくに配置された第3接続ポイント56において、バッグ本体12に摺動可能につながれている。
図8図15のように、接続ポイント52・54・56は、バッグ本体12に組込まれたスリーブからなる。
この例では、魅力的な見た目をした製品とするために、ストラップ28はバッグ本体12の内部に埋設されている。
ストラップ28は、ショルダーストラップとバックパックポーションとしてのみ見ることができる。
しかし、当業者は、バッグ本体12の内側または外側をストラップ28が巡らされた図17図26のように他の接続ポイントを認識するものと思われる。
【0076】
図1その他を参照すると、接続ポイント46は、バックパネル16と第1サイドパネル20とトップパネル24の間のコーナーか、その近くに配置される。
接続ポイント48は、バックパネル16と第2サイドパネル22とトップパネル24の間のコーナーか、その近くに配置される。
接続ポイント50は、バックパネル16と第2サイドパネル22とボトムパネル16の間のコーナーか、その近くに配置される。
第1エンド30と第2エンド32は、バックパネル16と第1サイドパネル20の間に広がるエッジ沿いか、その近くに配置される。
【0077】
また、図1は、第1サイドパネル20において、バッグ本体12に沿って固定的に取付けられた手提ハンドル26を示している。
この手提ハンドル26は、取捨選択可能な構成要素であり、定められた長さを有しており、切替えることはできない。
図3図12は、固定的に取付けられた手提ハンドル26の1つのペアを示している。各手提ハンドル26は、取捨選択可能な構成要素である。
図3図12に示す実施例では、一方の固定的に取付けられた手提ハンドル26はトップパネル24に設けてあり、他方の固定的に取付けられた手提ハンドル26は第1サイドパネル20に設けてある。
【0078】
図1図12図13図14図15図16を参照すると、接続ポイント50・46は対角線上で向かい合っており、対角線上に向かい合った接続ポイント50および46のペアを構成している。
図13図15に示すように、連続的なストラップ28は、主にバックパック形態に使用する第1ポーション34と、主にショルダーバッグ形態に使用する第2ポーション36と、第1ポーション34と第2ポーション36の間に配置された相互連結ポーション38からなる。
図13図14は、対角線上で向かい合う接続ポイント50と接続ポイント46の間において、第2サイドパネル22およびトップパネル24に沿ってなる相互連結ポーション38を示している。
図15図16は、対角線上で向かい合う接続ポイント50と接続ポイント46の間において、直接的にバックパネル16の対角線上を沿う相互連結ポーション38を示している。
【0079】
図34図35を参照すると、いくつかの実施例では、ストラップ28は、第2エンド32において、バッグ本体12に摺動可能につながれている。
このような実施例では、第1ポーション34は、接続ポイント30と接続ポイント50の第1ペアの間に広がっており、また、第2ポーション36は、接続ポイント46と接続ポイント48の第2ペアの間に広がっている。
第1ポーション34と第2ポーション36は、対角線上で向かい合った接続ポイント50と接続ポイント32の組の間に摺動可能に広がっている相互連結ポーション38を介して、相互につながっている。
図34図35のように、第2ポーション36は、ショルダーバッグ形態とバックパック形態の両方に使えるように構成できる。
バックパック形態では、第2ポーション36は、トップパネル24に最も近いバックパックストラップポーションとして使用できる。
ショルダーバッグ形態では、当該第2ポーションは、ショルダーストラップポーションとして使用できる。
図34図35の実施例は、相互連結ポーション38を構成する1つの直接的な対角線上のポーションを備えている。
【0080】
図36図37を参照すると、いくつかの実施例では、ストラップ28は、第1エンド30と第2エンド32の双方において、バッグ本体12に摺動可能につながれている。
接続ポイント30と接続ポイント50の間に広がる第1ポーション34と、接続ポイント46と接続ポイント48の間に広がる第2ポーション36と、対角線上で向かい合う接続ポイント50と接続ポイント32の間に広がる相互連結ポーション38とに加え、さらに、対角線上で向かい合う接続ポイント30と接続ポイント48の第2ペアの間に摺動可能に広がる第2相互連結ポーション38も存在する。
接続ポイント50と接続ポイント32は、接続ポイント30と接続ポイント48とは反対の対角線上にある。
【0081】
図38図39を参照すると、いくつかの実施例では、第1エンド30と第2エンド32が1つの接続ポイント31で構成されている。
図38図39のように、第1ポーション34・第2ポーション36・第1および第2相互連結ポーション38は、単一の接続ポイント31でバッグ本体12に摺動可能につながれている。
当該単一の接続ポイント31は、バックパネル16と第1サイドパネル20の間に広がるエッジ沿いかその近くにおいて、中央部分に配置される。
単一の接続ポイント31は、バッグ本体12に取付けられた金属製やプラスチック製のリングもしくは布製リングで実現したり、バッグ本体12にエンドが取付けられたプラスチック製のループや布製ループにより実現される。
【0082】
図40図48を参照すると、いくつかの実施形態は、トートバッグ形態の効果を奏する。
これらの実施形態では、1つ、2つ、もしくはそれ以上の手提ハンドル26が、バッグ本体12に摺動可能に取付けられている。
そのため、使用者は、一方もしくは両方の手提ハンドル26をバッグ本体から引張り出したり、一方の手提ハンドル26もしくは両方の手提ハンドル26をバッグ本体12に引っ込ませることができる。
応用例では、1つ以上の手提ハンドル26は、少なくとも1つのショルダーストラップポーションと少なくとも1つの第1バックパックポーションを備えるストラップと組合わせたり、第1バックパックポーションを備えるストラップにつないでもよい。
上記のショルダーストラップポーションは、接続ポイント46・48のペアの間に広がっている(図1およびその他)。
また、上記の第1バックパックポーションは、接続ポイント30・50のペアの間に広がっている(図1およびその他)。
いくつかの実施形態では、トート形態は、ショルダーバッグ形態と組合せることが可能である。
いくつかの実施形態では、トート形態は、バックパック形態と組合せることが可能である。
さらに、いくつかの実施形態では、トート形態を、ショルダーバッグ形態とバックパック形態の両方に組合せることが可能である。
【0083】
図40は、接続ポイント30・32・46・48・50の中から選択した接続ポイントの第1ペアの間に摺動可能に広がる相互連結ポーション60を観察できるように、バックパネル16を取除いた本バッグ10の背面を示している。
相互連結ポーション60は、ショルダーストラップポーションと第1バックパックポーションの少なくとも1つと、接続ポイント62・64・66・68の中から選択した接続ポイントの第2ペアのためと、少なくとも1つの手提ハンドル26のためのものである。
図40の相互連結ポーション60は、長さを増大できるようにするためのセグメントのペアを3つ有している。
セグメントの各ペアにおいては、第1セグメント70は、リング72のような「2股分岐部材」(bifurcating member)において終結される。
2股分岐部材(bifurcating member)は、第2セグメントに摺動可能に連結される。
第2セグメント74は、バッグ本体12に固定的に取付けられたループ76や、バッグ本体12に対し第2セグメント74を固着するアタッチメント78などの「拘束部材」(restraint)によって拘束されている。
第1セグメント70が、対応する第2セグメント74から遠ざかる向きに引っ張られると、リング72が第2セグメント74を引っ張る。
ループ76や固着されたアタッチメント78により、第2セグメント74は、リング72において折曲がっている。
これにより、第1セグメント70の移動につれて、第2セグメント74が移動する長さが2倍となる。
一般に、多段においては任意の数のセグメントのペアを採用することができ、あるセグメントのペアの第2セグメントは、多段における後続するセグメントのペアの第1セグメント70となる。
セグメントのペアが3つある場合、図40の実施例は、手提ハンドル26と、ショルダーストラップポーションまたは第1バックパックポーション(図40においては不図示)との間で、8倍の長さ増大因子の効果を奏する。
【0084】
図47図48は、他の実施例にしたがったトートバッグを示している。
相互連結ポーション60は、手提ハンドル26と、ストラップ28のショルダーストラップポーションならびにバックパックポーションの両方との間に、配置される。
相互連結ポーション60は、4倍の長さ増大因子の効果を奏するセグメントのペアの2つの組合せを備えている。
それぞれのセグメントのペアにおいては、第1セグメント70は、第2セグメント74と摺動可能に結合されたリング72によって終結されている。
第2セグメント74はリング72をくぐって折曲げられており、折曲げられたポーション74の一方は「バックパックポーション34にむかって」延びており、折曲げられたポーション74の他方は「ショルダーストラップポーション36にむかって」延びている。
第1セグメント70が、当該第1セグメント70に対応する第2セグメント74から離れる方向にむかって引っ張られると、リング72は、当該リング72において折曲げられている第2セグメント74を引っ張る。
これにより、第1セグメント70の移動につれて「第2セグメント74が移動する長さが2倍」となる。
図47の実施例では、トップパネル兼サイドパネルの1つの手提ハンドル26にセグメントのペアが2つあるため、4倍の長さ増大因子の効果を奏する。
【0085】
[操作]
図1図2図3を参照すると、ショルダーバッグ形態では、本願のバッグをバックパック形態に切替えるために、使用者は、単にバックパックパッド42(ストラップ28につながれている)をバックパネル16から引離すだけでよい。
左側のバックパックパッド42をバックパネル16から引離すことで、「トップパネル24と第1サイドパネル20のコーナー」から「ボトムパネル18と第2サイドパネル22のコーナー」の間のストラップ28が「左側のバックパックストラップ」となる。
さらに、右側のバックパックパッド42をバックパネル16から引離すことで、ショルダーストラップ部分をなしていたストラップ28のポーションが「右側のバックパックストラップ」となる。
バックパックを元のショルダーバッグ形態へと切替える場合、バックパネル16沿いにストラップを引き戻すために、使用者は、単にストラップ28(バックパック形態においては、トップパネル24沿いに収まっている)を引張るだけでよい。
【0086】
図8図9図27を参照すると、ショルダーバッグ形態において本願のバッグをバックパック形態に切替えるには、使用者は、単にバックパックパッド42(ストラップ28につながれている)をバックパネル16から引離すだけでよい。
バックパックパッド42をバックパネル16から引離すことで、ストラップ28はトップパネル24にむかって引かれ、バッグ本体12の内側もしくは外側を這う当該ストラップの余りはバックパックストラップとして使われる。
バックパックを元のショルダーバッグ形態へと切替える場合、バックパネル16沿いにストラップを引き戻すために、使用者は、単にストラップ28(バックパック形態においては、トップパネル24沿いに収まっている)を引張るだけでよい。
【0087】
図40図48に示すような1つ以上の摺動可能な手提ハンドル26を備える実施例では、ショルダーバッグ形態もしくはバックパック形態からトートバッグ形態へと切替えるため、使用者は、単に手提ハンドル26を1つ選んでバッグ本体12から引離すだけでよい。
手提ハンドル26をバッグ本体12から引離すことにより、ストラップ28のショルダーバッグポーションやバックパックポーションのたるみが締まり、ストラップ28がバッグ本体12にむかって長さの増加割合だけ引っ張られる。
本願のトートバッグをショルダーバッグ形態かバックパック形態の1つに変換するには、使用者は、長さを分割した割合(rate)だけバッグ本体12に向けて手提ハンドル26を引くべく、単にストラップ28を引っ張るだけでよい。
【0088】
以上、本発明の実施例を記載ならびに図解したが、このような実施例は本願発明を例示したものと考えるべきである。
本発明は、ここに詳細に記載・図解されていない様々な応用例をも含むものである。
したがって、本願発明は、ここで記載・図解された実施例に限定されるものではなく、請求項に従って構成される。
図1
図2
図3
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【国際調査報告】