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特表2022-549165拡張可能な機械構造上の薄膜電極を有するカテーテル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-24
(54)【発明の名称】拡張可能な機械構造上の薄膜電極を有するカテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20221116BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022517429
(86)(22)【出願日】2020-09-09
(85)【翻訳文提出日】2022-04-07
(86)【国際出願番号】 IB2020058355
(87)【国際公開番号】W WO2021053460
(87)【国際公開日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】62/901,824
(32)【優先日】2019-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/995,921
(32)【優先日】2020-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】バス・シュバユ
(72)【発明者】
【氏名】トビー・ダスティン・アール
(72)【発明者】
【氏名】バン・ニーキルク・ピーター・イー
(72)【発明者】
【氏名】フエンテス-オルテガ・セサル
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK12
4C160KK63
4C160MM38
(57)【要約】
カテーテルとエンドエフェクタとを含む装置。カテーテルの少なくとも一部分は、心臓血管系の内腔内に嵌合するようにサイズ決め及び構成される。エンドエフェクタは、カテーテルの遠位端に位置決めされる。エンドエフェクタは、パネルと、パネルの第1の表面上に位置決めされた複数のマッピング電極と、パネルの第1の表面上に位置決めされた複数のアブレーション電極と、を含む。マッピング電極は、マッピング電極に接触する組織内の電位を感知するように構成されている。アブレーション電極は、アブレーション電極に接触する組織をアブレーションするように動作可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
(a)カテーテルであって、前記カテーテルの少なくとも一部分が、心臓血管系の内腔内に嵌合するようにサイズ決め及び構成されている、カテーテルと、
(b)前記カテーテルの遠位端に位置決めされたエンドエフェクタと、を備え、前記エンドエフェクタが、
(i)パネルであって、前記パネルが、拡張構成をとるように付勢されている、パネルと、
(ii)前記パネルの第1の表面上に位置決めされた複数のマッピング電極であって、前記マッピング電極が、前記マッピング電極に接触する組織内の電位を感知するように構成されている、複数のマッピング電極と、
(iii)前記パネルの前記第1の表面上に位置決めされた複数のアブレーション電極であって、前記アブレーション電極が、前記アブレーション電極に接触する組織をアブレーションするように動作可能である、複数のアブレーション電極と、を含む、装置。
【請求項2】
前記パネルが、前記拡張構成において略平坦な形状をとるように付勢される遠位部分を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記パネルが、略矩形の形状を有する遠位部分を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記カテーテルが、外部シースを含み、前記外部シース及び前記エンドエフェクタが、第1の状態と第2の状態との間で移行するように構成され、前記エンドエフェクタが、前記第1の状態で前記外部シース内に収容され、前記エンドエフェクタが、前記第2の状態で前記外部シースに対して露出する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記パネルが、他のシースの遠位端と協働することにより、前記外部シース及び前記エンドエフェクタが前記第2の状態から前記第1の状態に移行することに応答して、前記パネルを前記拡張構成から前記非拡張構成に付勢するように構成されているカム機構を有する近位部分を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記パネルが、前記拡張構成をとるように弾性的に付勢されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記パネルが、前記拡張構成をとるように前記パネルを付勢する弾性材料を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記パネルが、複数の層を含み、前記層のうちの少なくとも1つが、前記弾性材料を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記層が、非導電層、前記マッピング電極のうちの少なくとも1つ、及び前記非導電層の第1の側面上に位置決めされている前記アブレーション電極のうちの少なくとも1つを更に含み、前記弾性材料が、前記非導電層の第2の側面上に位置決めされている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記エンドエフェクタが、膨張可能な部材を更に備え、前記パネルが、前記膨張可能な部材に固定され、前記膨張可能な部材が、前記拡張構成をとるように前記パネルを付勢するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記膨張可能な部材が、膨張状態で円筒形状を画定するように構成されている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記膨張可能な部材が、膨張状態で略平坦な矩形形状を画定するように構成されている、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記エンドエフェクタが、前記パネルの第2の表面上に位置決めされた1つ又は2つ以上の参照電極を更に含み、前記第2の表面が、前記第1の表面の反対側にある、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記パネルの前記第2の表面は、前記1つ又は2つ以上の参照電極が前記第2の表面に隣接する組織に接触するのを防止するための機構を含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記マッピング電極が、前記第1の表面に沿って行及び列の第1のマトリックスで配置され、前記アブレーション電極が、前記第1の表面に沿って行及び列の第2のマトリックスで配置され、前記第2のマトリックスが、前記第1のマトリックスからオフセットされている、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記エンドエフェクタが、複数の温度センサを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記パネルが、前記パネルを通る複数の開口部を更に画定する、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記パネルが、複数のストリップを分離する複数の切断部を画定し、前記ストリップが、前記切断部で互いに対して移動可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
装置であって、
(a)カテーテルであって、前記カテーテルの少なくとも一部分が、心臓血管系の内腔内に嵌合するようにサイズ決め及び構成されている、カテーテルと、
(b)前記カテーテルの遠位端に位置決めされたエンドエフェクタと、を備え、前記エンドエフェクタが、
(i)第1の表面及び第2の表面を画定するパネルであって、前記第2の表面が、前記第1の表面の反対側にある、パネルと、
(ii)前記パネルの前記第1の表面に沿って第1のグリッドで配置された複数のマッピング電極であって、前記マッピング電極が、前記マッピング電極に接触する組織内の電位を感知するように構成されている、複数のマッピング電極と、
(iii)前記パネルの前記第1の表面に沿って第2のグリッドで配置された複数のアブレーション電極であって、前記アブレーション電極が、前記アブレーション電極に接触する組織をアブレーションするように動作可能であり、前記第2のグリッドが、前記第1のグリッドからオフセットされている、複数のアブレーション電極と、を含む、装置。
【請求項20】
装置であって、
(a)カテーテルであって、前記カテーテルの少なくとも一部分が、心臓血管系の内腔内に嵌合するようにサイズ決め及び構成されている、カテーテルと、
(b)前記カテーテルの遠位端に位置決めされたエンドエフェクタと、を備え、前記エンドエフェクタが、
(i)第1の表面及び第2の表面を画定するパネルであって、前記第2の表面が、前記第1の表面の反対側にある、パネルと、
(ii)前記パネルの前記第1の表面に沿って位置決めされた複数のマッピング電極であって、前記マッピング電極が、前記マッピング電極に接触する組織内の電位を感知するように構成されている、複数のマッピング電極と、
(iii)前記パネルの前記第1の表面に沿って位置決めされた複数のアブレーション電極であって、前記アブレーション電極が、前記アブレーション電極に接触する組織をアブレーションするように動作可能であり、前記第2のグリッドが、前記第1のグリッドからオフセットされている、複数のアブレーション電極と、
(iv)前記パネルの前記第2の表面上に位置決めされた1つ又は2つ以上の参照電極と、を含む、装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
心房細動などの心不整脈は、心臓組織の領域が電気信号を異常に伝導するときに発生する。不整脈を治療するための処置には、そのような信号の伝導経路を外科的に破壊することが含まれる。エネルギー(例えば、交流又は直流エネルギー)を印加することによって心臓組織を選択的にアブレーションすることにより、心臓のある部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止させる又は修正することが可能であり得る。アブレーションプロセスは、組織を横切る異常な電気信号の伝達を効果的に遮断する電気絶縁性病変又は瘢痕組織を創出することにより、望ましくない電気経路に対する障壁を提供することができる。
【0002】
一部の処置では、1つ又は2つ以上の電極を有するカテーテルを使用して、心臓血管系内にアブレーションを提供することができる。カテーテルを主要な静脈又は動脈(例えば、大腿動脈)に挿入し、次に前進させて、心臓内又は心臓に隣接する心臓血管構造(例えば、肺静脈)内に電極を位置決めすることができる。電極を、心臓組織又は他の血管組織と接触するように配置し、次に電気エネルギーで活性化することにより、接触した組織をアブレーションすることができる。一部の場合、電極は双極であってもよい。一部の他の場合では、単極電極を、接地パッド又は患者と接触している他の参照電極とともに使用することができる。
【0003】
アブレーションカテーテルの例は、米国特許出願公開第2013/0030426号、発明の名称「Integrated Ablation System using Catheter with Multiple Irrigation Lumens」、2013年1月31日公開(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)、米国特許出願公開第2017/0312022号、発明の名称「Irrigated Balloon Catheter with Flexible Circuit Electrode Assembly」、2017年11月2日公開(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)、米国特許出願公開第2018/0071017号、発明の名称「Ablation Catheter with a Flexible Printed Circuit Board」、2018年3月15日公開(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)、米国特許出願公開第2018/0056038号、発明の名称「Catheter with Bipole Electrode Spacer and Related Methods」、2018年3月1日公開(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)、米国特許第10,130,422号、発明の名称「Catheter with Soft Distal Tip for Mapping and Ablating Tubular Region」、2018年11月20日発行(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)、米国特許第8,956,353号、発明の名称「Electrode Irrigation Using Micro-Jets」、2015年2月17日発行(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)、及び米国特許第9,801,585号、発明の名称「Electrocardiogram Noise Reduction」、2017年10月31日発行(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0004】
一部のカテーテルアブレーション処置は、アブレーションの標的とすべき組織領域を特定するために、電気生理学(electrophysiology、EP)マッピングを使用した後に実施されてもよい。このようなEPマッピングには、カテーテル(例えば、アブレーションを実施するために使用されるのと同じカテーテル又は専用のマッピングカテーテル)上の感知電極の使用が含まれてもよい。このような感知電極は、導電性心内膜組織から発せられる電気信号を監視して、不整脈の原因となる異常な導電性組織部位の位置を特定することができる。EPマッピングシステムの例は、米国特許第5,738,096号、発明の名称「Cardiac Electromechanics」、1998年4月14日発行(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。EPマッピングカテーテルの例は、米国特許第9,907,480号、発明の名称「Catheter Spine Assembly with Closely-Spaced Bipole Microelectrodes」、2018年3月6日発行(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)、米国特許第10,130,422号、発明の名称「Catheter with Soft Distal Tip for Mapping and Ablating Tubular Region」、2018年11月20日発行(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)、及び米国特許出願公開第2018/0056038号、発明の名称「Catheter with Bipole Electrode Spacer and Related Methods」、2018年3月1日公開(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0005】
EPマッピングを使用することに加えて、一部のカテーテルアブレーション処置は、画像誘導手術(image guided surgery、IGS)システムを使用して実施されてもよい。IGSシステムにより、医師は、患者内の解剖学的構造の画像に関連して、患者内のカテーテルの位置をリアルタイムで視覚的に追跡することができる。Biosense Webster,Inc.(Irvine,California)によるCARTO 3(登録商標)システムを含めた一部のシステムは、EPマッピング機能とIGS機能との組み合わせを提供し得る。IGSシステムとともに使用するように構成されたカテーテルの例は、米国特許第9,480,416号、発明の名称「Signal Transmission Using Catheter Braid Wires」、2016年11月1日発行(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)、及び本明細書に引用される様々な他の参照文献に開示されている。
【0006】
いくつかのカテーテルシステム及び方法が作製され使用されてきたが、発明者らよりも以前に、添付の特許請求の範囲に記載の本発明を作製又は使用した者はいないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
以下の図面及び詳細な説明は、例示のみを意図しており、発明者らによって企図される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
図1】カテーテルアセンブリのカテーテルを患者に挿入する医療処置の概略図を示す。
図2A】エンドエフェクタが非拡張状態にある、図1のカテーテルアセンブリの遠位部分の斜視図を示す。
図2B】エンドエフェクタが拡張状態にある、図1のカテーテルアセンブリの遠位部分の斜視図を示す。
図3図2Aのエンドエフェクタのパネルアセンブリの上平面図を示す。
図4図3のパネルアセンブリの底面図を示す。
図5図3のパネルアセンブリの断面図を示す。
図6図3のパネルアセンブリに組み込まれ得る参照電極機構の例の斜視図を示す。
図7図3のパネルアセンブリに組み込まれ得る参照電極機構の別の例の斜視図を示す。
図8図2Aのエンドエフェクタに組み込まれ得るパネルアセンブリの別の例の頂面図を示す。
図9図2Aのエンドエフェクタに組み込まれ得るパネルアセンブリの別の例の頂面図を示す。
図10図1のカテーテルアセンブリに組み込まれ得るエンドエフェクタの別の例の斜視図を示す。
図11図1のカテーテルアセンブリに組み込まれ得るエンドエフェクタの別の例の斜視図を示す。
図12】パネルアセンブリの厚さにわたって角度が付けられた横方向縁部を有するパネルアセンブリの一例の概略端面図を示す。
図13】シャフトアセンブリの長手方向軸から横方向にオフセットされたパネルアセンブリの一例の概略端面図を示す。
図14】シャフトアセンブリの長手方向軸と整列したパネルアセンブリの一例の概略端面図を示す。
図15】本明細書に記載のパネルアセンブリのうちのいずれかに組み込まれ得るパネル構成要素の別の例の上面図を示す。
図16】巻込み構成にある図15のパネル構成要素の近位部分の斜視図を示す。
図17】本明細書に記載のパネルアセンブリのうちのいずれかに組み込まれ得るパネル構成要素の別の例の上面図を示す。
図18】巻込み構成にある図17のパネル構成要素の近位部分の斜視図である。
図19】本明細書に記載のパネルアセンブリのうちのいずれかに組み込まれ得るパネル構成要素の別の例の上面図を示す。
図20】拡張構成にある図19のパネル構成要素の側立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のある特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を示すものであり、本発明の範囲を限定することを意図していない。詳細な説明は、限定ではなく例として本発明の原理を示す。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、本発明を実施するために想到される最良の形態の1つを実例として示す以下の説明文より、当業者には明らかとなろう。認識されるように、本発明は、すべて本発明から逸脱することなく、他の異なる態様又は同等の態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的なものではなく、本質的に例示的なものとみなされるべきである。
【0009】
本明細書に記載の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上は、本明細書に記載される他の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができる。したがって、以下に記載されている教示、表現、変形例、実施例などは、互いに単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法は、本明細書の教示に鑑みて当業者には容易に明らかとなる。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0010】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は数値の範囲に対する「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書において説明されるその意図された目的に沿って機能することを可能にする、好適な寸法の許容誤差を示すものである。より具体的には、「約」又は「およそ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指してもよく、例えば「約90%」は、71%~99%の値の範囲を指してもよい。更に、本明細書で使用される場合、「患者」、「宿主」、「ユーザ」、及び「被験体」という用語は、任意のヒト又は動物被験体を指し、ヒト患者における本発明の使用が好ましい実施形態を表すが、システム又は方法をヒトの使用に限定することを意図するものではない。
【0011】
I.例示的なカテーテルシステムの概要
図1は、心臓マッピング及びアブレーションシステムの、例示的な医療処置及び関連する構成要素を示す。具体的には、図1は、カテーテルアセンブリ(100)のハンドル(110)を把持する医師(physician、PH)を示し、カテーテルアセンブリ(100)の可撓性カテーテル(120)(図2A図2Bに示されているが、図1には示されていない)のエンドエフェクタ(200)が、患者(patient、PA)の心臓(H)内又はその近くの組織をマッピング又はアブレーションするために、患者(PA)内に配設されている。図2A~2Bに示すように、カテーテル(120)は、外部シース(122)及び内部シャフト(130)を含み、エンドエフェクタ(200)が、内部シャフト(130)の遠位端(132)に配設されている。カテーテルアセンブリ(100)は、ケーブル(30)を介して誘導駆動システム(10)に結合されている。カテーテルアセンブリ(100)はまた、流体導管(40)を介して流体源(42)に結合されているが、これは単に任意選択である。一組の磁場発生器(20)は、患者(PA)の下に位置決めされ、ケーブル(22)を介して誘導駆動システム(10)にも結合されている。
【0012】
本例の誘導駆動システム(10)は、コンソール(12)及びディスプレイ(18)を含む。コンソール(12)は、第1のドライバモジュール(14)及び第2のドライバモジュール(16)を含む。第1のドライバモジュール(14)は、ケーブル(30)を介してカテーテルアセンブリ(100)に結合されている。一部の変形例では、第1のドライバモジュール(14)は、以下により詳細に説明するように、エンドエフェクタ(200)の電極(230)を介して取得されたEPマッピング信号を受信するように動作可能である。コンソール(12)は、そのようなEPマッピング信号を処理することにより、当該技術分野において既知のEPマッピングを提供するプロセッサ(図示せず)を含む。更に、又は代替的に、第1のドライバモジュール(14)は、エンドエフェクタ(200)の電極(232)に電力を供給し、それによって、組織をアブレーションするように動作可能であってもよい。一部の変形例では、第1のドライバモジュール(14)はまた、以下により詳細に説明するように、エンドエフェクタ(200)内の1つ又は2つ以上の位置センサ(290)から位置指示信号を受信するように動作可能である。このような変形例では、コンソール(12)のプロセッサはまた、位置センサ(290)からの位置指示信号を処理し、それによって、患者(PA)内のカテーテル(120)のエンドエフェクタ(200)の位置を特定するように動作可能である。
【0013】
第2のドライバモジュール(16)は、ケーブル(22)を介して磁場発生器(20)に結合されている。第2のドライバモジュール(16)は、磁場発生器(20)を作動させて、患者(PA)の心臓(H)の周囲に交流磁場を発生させるように動作可能である。例えば、磁場発生器(20)は、心臓(H)を含む所定の可動範囲内に交流磁場を発生させるコイルを含んでもよい。
【0014】
ディスプレイ(18)は、コンソール(12)のプロセッサに結合されており、患者の解剖学的構造の画像をレンダリングするように動作可能である。このような画像は、手術前又は手術中に得られた1組の画像(例えば、CT又はMRIスキャン、3Dマップなど)に基づいてもよい。ディスプレイ(18)をとおして提供される患者の解剖学的構造の図も、エンドエフェクタ(200)の位置センサ(290)からの信号に基づいて動的に変化してもよい。例えば、カテーテル(120)のエンドエフェクタ(200)が患者(PA)内で移動すると、位置センサ(290)からの対応する位置データにより、コンソール(12)のプロセッサが、ディスプレイ(18)内の患者の解剖学的構造の図をリアルタイムで更新して、エンドエフェクタ(200)が患者(PA)内で移動するにつれてエンドエフェクタ(200)の周囲の患者の解剖学的構造の領域を描写し得る。更に、コンソール(12)のプロセッサは、エンドエフェクタ(200)によるEPマッピングによって検出された異常な導電性組織部位の位置を示すようにディスプレイ(18)を駆動してもよい。単に一例として、コンソール(12)のプロセッサは、例えば点灯ドット、十字線、又は異常な導電性組織部位の何らかの他の形態の視覚的表示を重ね合わせることなどによって、異常な導電性組織部位の位置を患者の解剖学的構造の画像上に重ね合わせるようにディスプレイ(18)を駆動してもよい。
【0015】
コンソール(12)のプロセッサはまた、例えば点灯ドット、十字線、エンドエフェクタ(200)のグラフィック表現、又は何らかの他の形態の視覚的表示を重ね合わせることなどによって、エンドエフェクタ(200)の現在の位置を患者の解剖学的構造の画像上に重ね合わせるようにディスプレイ(18)を駆動してもよい。このような重ね合わされた視覚的表示はまた、医師が患者(PA)内でエンドエフェクタ(200)を移動させると、リアルタイムでディスプレイ(18)上の患者の解剖学的構造の画像内で移動し、それによって、エンドエフェクタ(200)が患者(PA)内で移動すると、患者(PA)内のエンドエフェクタ(200)の位置に関するリアルタイムの視覚的フィードバックを操作者に提供してもよい。したがって、ディスプレイ(18)を介して提供される画像は、エンドエフェクタ(200)を観察するいかなる光学機器(すなわちカメラ)も有する必要なく、患者(PA)内のエンドエフェクタ(200)の位置を追跡するビデオを効果的に提供することができる。同じ図において、ディスプレイ(18)は、本明細書に記載されるように、EPマッピングによって検出された異常な導電性組織部位の位置を同時に視覚的に示すことができる。したがって、医師(PH)は、ディスプレイ(18)を見て、マッピングされた異常な導電性組織部位関して、また患者(PA)内の隣接する解剖学的構造の画像に関して、エンドエフェクタ(200)のリアルタイムの位置を観察することができる。
【0016】
本例の流体源(42)は、生理食塩水又は何らかの他の好適な灌注流体を収容するバッグを含む。導管(40)は、流体源(42)からカテーテルアセンブリ(100)に流体を選択的に駆動するように動作可能なポンプ(44)に更に結合されている可撓性チューブを含む。一部の変形例では、導管(40)、流体源(42)、及びポンプ(44)は、完全に省略されている。これらの構成要素が含まれている変形例では、エンドエフェクタ(200)は、流体源(42)から患者内の標的部位に灌注流体を伝達するように構成されてもよい。このような灌注は、本明細書に引用されている様々な特許参考文献のいずれかの教示に従って、又は、本明細書の教示に鑑みて当業者に明らかとなる他の任意の好適な方法で行うことができる。
【0017】
図2A図2Bは、カテーテル(120)をより詳細に示す。示されるように、外部シース(122)は、近位(図2A)と遠位位置(図2B)との間で、エンドエフェクタ(200)に対して、及び内部シャフト(130)に対して、並進するように構成されている。外部シース(122)が図2Aに示されるように遠位位置にあるとき、外部シース(122)の遠位端(124)は、エンドエフェクタ(200)の遠位端(202)に対して遠位に位置決めされ、その結果、エンドエフェクタ(200)が外部シース(122)の内部に完全に収容されるようになる。いくつかの変形例では、エンドエフェクタ(200)は、図2Aに示される非拡張構成にあるとき、サイズがおよそ6フレンチ以下であるように構成されている。外部シース(122)が図2Bに示されるように近位位置にあるとき、外部シース(122)の遠位端(124)は、エンドエフェクタ(200)に対して近位に位置決めされ、その結果、内部シャフト(130)の遠位部分が外部シース(122)に対して露出するようになる。図2Aから図2Bへの移行に示され、また以下でより詳細に説明するように、エンドエフェクタ(200)は、外部シース(122)に露出した後、非拡張状態から拡張状態に移行するように動作可能である。
【0018】
II.拡張可能なパネルアセンブリを有する例示的なエンドエフェクタ
図2Bに示されるように、本例のエンドエフェクタ(200)は、パネルアセンブリ(210)及び内部シャフト(130)の露出した遠位部分によって形成される。図2Aに示されるように、パネルアセンブリ(210)は、巻込み状態になることにより、外部シース(122)の中空内部の非拡張構成を達成するように構成されている。この例では、パネルアセンブリ(210)は、パネルアセンブリ(210)が外部シース(122)内に収容されるときに、エンドエフェクタ(200)及びカテーテル(120)の長手方向中心軸(LA)の周りに巻かれる。しかしながら、パネルアセンブリ(210)が図2Bに示されるように近位に後退した外部シース(122)に露出すると、パネルアセンブリ(210)が展開し、弾性的に平坦な状態に戻る。平坦化な構成への弾性的な付勢を提供するために、パネルアセンブリ(210)は、以下でより詳細に説明するように、弾性材料を組み込んでもよい。拡張した平坦な状態(又は平坦な構成)では、パネルアセンブリ(210)は略平面である。ほんの一例として、拡張した平坦な状態では、パネルアセンブリ(210)の遠位部分(212)は、長さがおよそ2cm~およそ約3cm、幅がおよそ1cm~およそ2cmであってもよい。
【0019】
カテーテルアセンブリ(100)の使用中、外部シース(122)は、カテーテル(120)を患者(PA)の中に前進させている際、図2Aに示されるように遠位位置に保持されてもよい。カテーテル(120)の遠位部分が標的の解剖学的構造の領域に達すると、外部シース(122)はエンドエフェクタ(200)及び内部シャフト(130)に対して近位に後退し、図2Bに示される状態を達成し得る。あるいは、カテーテル(120)の遠位部分が標的の解剖学的構造の領域に達すると、エンドエフェクタ(200)及び内部シャフト(130)は外部シース(122)に対して遠位に前進し、図2Bに示される状態を達成し得る。
【0020】
エンドエフェクタ(200)を使用してEPマッピング又はアブレーションを得た後、エンドエフェクタ(200)を患者から引き抜く前に、外部シース(122)は、図2Aに示される遠位位置に戻されて、カテーテル(120)が患者(PA)から引き抜かれる間に、エンドエフェクタ(200)を覆ってもよい。外部シース(122)がエンドエフェクタ(200)に対して及び内部シース(130)に対して遠位に前進するとき(又はエンドエフェクタ(200)及び内部シース(130)が外部シース(122)に対して近位に後退するとき)、外部シース(120)の遠位端(124)は、パネルアセンブリ(210)の近位端(220)で、近位に面する縁部(222)と相互作用してもよい。
【0021】
本例では、縁部(222)は先細になっており、外部シース(120)の遠位端(124)とのカム相互作用を提供することにより、外部シース(122)がエンドエフェクタ(200)に対して遠位に前進するにつれて、パネルアセンブリ(210)が図2Aに示される巻込み状態に戻るのを促進する。いくつかの変形例では、縁部(222)はまた、外部シース(122)がエンドエフェクタ(200)に対して遠位に前進するにつれて、パネルアセンブリ(210)が図2Aに示される巻込み状態に戻るのを更に促進する三次元湾曲プロファイルを含んでもよい。例えば、パネルアセンブリ(210)は、縁部(222)に近いパネルアセンブリ(210)の領域に予め形成された凹形湾曲部を有してもよく、この凹形湾曲部は、外部シース(122)の遠位端(124)に係合することで、外部シース(122)が近位部分から遠位部分に移行するにつれて、パネルアセンブリ(210)を図2Bの平坦な構成から図2Bの巻込み(又は別様には非拡張)構成に付勢するカム表面を画定するように構成されている。上記の特徴を有することに加えて、又はそれに代えて、パネルアセンブリ(210)は、パネルアセンブリ(210)の長手方向に延在する横方向縁部(228)が、パネルアセンブリ(210)の厚さにわたって角度付けされたプロファイルを有するように構成されてもよい。いくつかのそのような変形例では、図11に示されるように、一方の横方向縁部(228)の角度は、他方の横方向縁部(228)の角度の逆である。そのような対向する角度構成は、外部シース(122)が近位位置から遠位位置に移行するにつれてパネルアセンブリ(210)が図2Bの巻込み(又は別様に非拡張)構成に移行しているときに、横方向縁部(228)が、それらが接触する場合に互いから滑落するのを促進し得る。この角度付きプロファイルは、パネルアセンブリ(210)を画定する薄膜本体に画定されてもよく、パネルアセンブリ(210)を画定する薄膜本体に固定された別個のバンパー又は他の構造として構築されてもよく、別様に構築されてもよい。
【0022】
また、いくつかの変形例では、パネルアセンブリ(210)は、図12に示されるように、外部シース(122)の長手方向軸(LA)から横方向にオフセットされる(それでいて長手方向軸に平行である)ように位置決めされている。そのようにオフセットして位置決めすることにより、縁部(222)は、外部シース(122)の遠位端(124)と更に協働して、外部シース(122)が近位位置から遠位位置に移行するにつれて、パネルアセンブリ(210)を図2Bの平坦な構成から図2Bの巻込み(又は別様に非拡張)構成に付勢することができる。しかしながら、他の変形例は、図13に示されるように、外部シース(122)の長手方向軸(LA)と整列したパネルアセンブリ(210)を提供してもよく、依然として、パネルアセンブリは、外部シース(122)が近位位置から遠位位置に移行するにつれて、図2Bの平坦な構成から図2Bの巻込み(又は別様に非拡張)構成に移行することができる。いずれの場合でも、エンドエフェクタ(200)が外部シース(122)内に収容された状態で外部シース(122)が図2Aの遠位位置に戻ったら、カテーテル(120)は患者(PA)から除去され得る。
【0023】
図3図5に示されるように、本例のパネルアセンブリ(210)は、遠位端(218)と、近位部分(220)と、第1の表面(214)と、第1の表面(214)に対向する第2の表面(216)とを有する、遠位部分(212)を含む。本例の遠位部分(212)は略正方形であるが、遠位部分(212)は、代わりに、任意の他の種類の矩形又は任意の他の好適な種類の形状様に成形されてもよい。第1の表面(214)は、複数のマッピング電極(230)、複数のアブレーション電極(232)、複数の温度センサ(240)、及び複数の位置センサ(290)を含む。第2の表面(216)は、複数の参照電極(234)を含む。近位部分(220)は、上述のように、近位に面する縁部(222)とタブ部分(224)とを含む。タブ部分(224)は、一対の外向きに延在する耳部(226)を含む。タブ部分(224)は、内部シャフト(130)の遠位端(132)の中に巻き込まれて挿入され、次に、図2Bに示されるように、内部シャフト(130)中にしっかりと固定されるように構成されている。ほんの一例として、タブ部分(224)は、接着剤を使用して、又は本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかとなる任意の他の好適な技法を使用して、内部シャフト(130)に固定され得る。パネルアセンブリ(210)を内部シャフト(130)に固定するための構造を提供することに加えて、タブ部分(224)は、内部シャフト(130)内のワイヤ(図示せず)と、パネルアセンブリ(210)上の様々な電気的機構(例えば、マッピング電極(230)、アブレーション電極(232)、温度センサ(240)、位置センサ(290)、及び参照電極(234)など)との間の電気的接続のために十分な表面積を提供し得る。
【0024】
いくつかの変形例では、内部シャフト(130)の遠位端(132)は、流体導管(40)を介して流体源(42)と流体連通している開口部を含む。そのような変形例では、内部シャフト(130)は、灌注流体を、遠位端(132)をとおして患者(PA)内の標的部位に排出し得る。パネルアセンブリ(210)の近位部分(220)でのタブ部分(224)の巻込み構成により、遠位端(132)を通って出るそのような流体連通が容易にできるようになる。あるいは、灌注流体は、任意の他の好適な様式で患者(PA)の標的部位に伝達されてもよい。更に別の代替として、灌注流体はいくつかの変形例では省略される場合がある。
【0025】
マッピング電極(230)は、組織に接触し、接触した組織から電位を拾うことによってEPマッピングを提供するように(例えば、心電図信号を提供するため)構成されている。いくつかの変形例では、マッピング電極(230)は、そのようなマッピング手順中に双極対で協働する。したがって、一対のマッピング電極(230)は、集合的に単一の「センサ」を形成するとみなすことができる。各マッピング電極(230)は、対応するトレース(図示せず)又は他の電気導管に結合され、それによって、マッピング電極(230)によって拾われた信号を、カテーテル(120)内の電気導管(図示せず)を介してコンソール(12)に戻すことを可能にしてもよく、コンソールは、その信号を処理してEPマッピングを行うことにより、心臓の解剖学的構造内の異常な電気活動の位置を特定してもよい。これにより、医師(PH)は、(例えば、電気エネルギー、冷凍アブレーションなどで)アブレーションするのに最も適切な心臓組織の領域を特定することができ、それによって、心臓組織を横切る異常な電気活動の伝達を防止するか、又は少なくとも低減する。
【0026】
本例では、マッピング電極(230)は、パネルアセンブリ(210)の第1の表面(214)にわたってグリッド又はマトリックスで配置されている。更なるほんの一例として、マッピング電極(230)は、米国仮特許出願第62/819,738号、発明の名称「Electrode Configurations for Diagnosis of Arryhtmias」(2019年3月18日出願)(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部に従って、離隔され、配置されてもよい。例えば、マッピング電極(230)は、米国仮特許出願第62/819,738号の図13A図13B図13C、及び図13D)に従って離隔され、配置されてもよい。
【0027】
図2B~3に示されるように、本例では、アブレーション電極(232)はマッピング電極(230)よりも大きい。アブレーション電極(232)を使用して、電極(232)と接触している組織に電気エネルギーを印加し、それによって組織をアブレーションすることができる。本明細書で使用される場合、「アブレーションする」という用語は、高周波アブレーション又は不可逆的エレクトロポレーションのいずれかを網羅することを意図している。各アブレーション電極(230)は、対応するトレース(図示せず)又は他の電気導管に結合されてもよく、それによって、コンソール(12)は、カテーテル(120)内の電気導管(図示せず)を介して電気エネルギーをトレース又は他の導管に伝達して、アブレーション電極(232)に到達させることができる。一部のシナリオでは、任意の所与の瞬間に電気エネルギーを組織に印加するために、1つだけ、2つだけ、又は他のいくつかの比較的少数のアブレーション電極(232)が活性化され得る。本例では、アブレーション電極(232)は、パネルアセンブリ(210)の第1の表面(214)にわたってグリッド又はマトリックスで配置されている。アブレーション電極(232)のこのグリッド又はマトリックスは、マッピング電極(230)のグリッド又はマトリックスからオフセットされている。マッピング電極(230)と同様に、図2B~3に示されるようなアブレーション電極(232)の数及び位置決めは、例示的なものに過ぎない。アブレーション電極(232)には、任意の他の好適な数又は位置決めを使用することができる。更に別の単に例示的な変形例として、アブレーション電極(232)は、エンドエフェクタ(200)から省略されてもよい。一部のそのような変形例では、アブレーション電極(230)は依然としてエンドエフェクタ(200)上に含まれている。
【0028】
図2B~3にも示されるように、温度センサ(240)が、パネルアセンブリ(210)の第1の表面(214)にわたってグリッド又はマトリックスで配置されている。温度センサ(240)のグリッド又はマトリックスは、マッピング電極(230)及びアブレーション電極(232)のグリッド又はマトリックスからオフセットされている。マッピング電極(230)及びアブレーション電極(232)と同様に、図2B~3に示されるような温度センサ(240)の数及び位置決めは、例示的なものに過ぎない。いくつかの変形例では、温度センサ(240)は、温度センサ(240)に接触する組織の温度を感知するように動作可能である。いくつかの他の変形例では、温度センサ(240)は、アブレーション電極(232)の温度を感知するように動作可能である。温度センサ(240)が接触する組織の温度を感知するかアブレーション電極(232)の温度を感知するかに関わらず、コンソール(12)は、感知された組織温度をリアルタイムで追跡し、アブレーション電極(232)への電気エネルギーの送達を調節して、アブレーション電極(232)による組織の過熱を防止し得る。ほんの一例として、温度センサ(240)は、負の温度係数(NTC)サーミスタ又は正の温度係数(PTC)サーミスタなどの熱電対の形態であってもよい。センサ(240)が採り得る他の好適な形態、及びエンドエフェクタ(200)における温度センサ(240)の他の好適な使用は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかとなる。
【0029】
上述のように、図4に示すように、参照電極のセット(234)は、パネルアセンブリ(210)の第2の側面(216)上に位置決めされる。そのような参照電極(234)は、EPマッピング手順中に、マッピング電極(230)と併用することができる。例えば、EPマッピング手順中に、マッピング電極(230)は、心臓血管構造内の組織と接触して配置されてもよいが、参照電極(234)は、心臓血管構造内で血液又は生理食塩水としか接触しない(すなわち、参照電極(234)は組織に接触しない)。マッピング電極(230)は接触した組織から電位を拾う一方、参照電極(234)は、心臓血管構造を通過する血液又は生理食塩水からの参照電位を拾い得る。そのような参照電位は、当該技術分野で知られているように、ノイズ又は遠距離場信号を低減するために使用されてもよい。本例では、参照電極(234)は、マッピング電極(230)が位置決めされている側面(214)の反対側にあるパネルアセンブリ(210)の側面(216)にのみ配置されているため、マッピング電極(230)が組織に接触している間は、参照電極(234)は組織に接触しないはずである。
【0030】
場合によっては、参照電極(234)は、参照電極(234)を直接組織に接触して適用することによって、EPマッピング電極として使用されてもよい。そのような場合、マッピング電極(230)は、心臓血管構造内で血液又は生理食塩水としか接触できず(すなわち、マッピング電極(230)は組織に接触しない)、一方で参照電極(234)は、組織に接触して、接触した組織から電位を拾う。
【0031】
本例では、参照電極(234)は、パネルアセンブリ(210)の第2の表面(216)にわたってグリッド又はマトリックスで位置決めされている。あるいは、第2の表面(216)上の参照電極(234)の数及び位置決めは、任意の好適な様式で変化させることができる。いくつかの変形例では、環状参照電極(140)が、図2Bに示されるように、内部シャフト(130)の遠位部分を中心として同軸に位置決めされる。この参照電極(140)は、上記の参照電極(234)と同様に機能してもよく、エンドエフェクタ(200)の一部を形成してもよい。エンドエフェクタ(200)のいくつかの変形例は、参照電極(234)を含む代わりに参照電極(140)を含んでもよい。エンドエフェクタ(200)の他の変形例は、参照電極(140)を含む代わりに参照電極(234)を含んでもよい。更に別の変形例として、パネルアセンブリ(210)の各表面(214、216)は、同一に構成されてもよい。いくつかのそのようなバージョンでは、本システムは、必ずしもマッピング電極(230)のセットと参照電極(234)のセットとを区別する必要はない。上述のように、パネルアセンブリ(210)のいずれかの面(214、216)上の電極(230、234)はマッピング電極として機能してもよく、一方でパネルアセンブリ(210)の他方の面(214、216)上の電極(230、234)は、どちらの面(214、216)が組織に接触しているかに応じて参照電極として機能してもよい。本システムがパネルアセンブリ(210)のどちらの表面(214、216)が組織に接触しているかを決定する必要がある場合、これは、組織近接度数(例えば、電極(230、234)でのインピーダンス測定値など)を使用して達成され得る。エンドエフェクタ(200)の更に他の変形例は、参照電極(140)及び参照電極(234)が含まれてもよい。
【0032】
図5に示されるように、本例のパネルアセンブリ(210)は、複数の層(250、252、254)によって形成される。この例では、中心層(250)は、平坦な構成又は拡張構成に向けた付勢を提供する弾性材料から形成される。ほんの一例として、中心層(250)は、ニチノールから形成されてもよい。代替的に、任意の好適な材料(複数可)を使用して、中心層(250)を形成してもよい。いくつかの変形例では、中心層(250)は、パネルアセンブリ(210)の遠位部分(212)の全長及び幅全体に及ぶ単一の固体シートの形態である。いくつかの他の変形例では、中心層(250)は、1つ又は2つ以上のストリップ、グリッド、又は何らかの他の構造の形態で提供される。
【0033】
第1の外層(252)が中心層(250)の一方の面に位置決めされ、第2の外層(254)が中心層(250)の他方の面に位置決めされる。図5に示されるように、第1の外層(252)は第1の表面(214)を示し、一方で第2の外層(254)は第2の表面(216)を示す。外層(252、254)は、この例では、可撓性の非導電性材料から形成される。ほんの一例として、外層は、従来の可撓性回路基板材料、例えば、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエステル、又は本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなる任意の他の好適な材料から形成されてもよい。電極(230、232)及び温度センサ(240)(及びそれらの対応するトレース)は、本明細書に記載の技法のうちのいずれかを使用して、又は本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなる任意の他の好適な技法を使用して、第1の外層(252)に直接適用されてもよい。同様に、電極(234)(及びそれらの対応するトレース)は、本明細書に記載の技法のうちのいずれかを使用して、又は本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなる任意の他の好適な技法を使用して、第2の外層(254)に直接適用されてもよい。
【0034】
ほんの一例として、電極(140、230、232、234)は、ニチノール、白金、金、又は任意の他の好適な材料から形成されてもよい。中心層(250)が導電性材料(例えば、ニチノールなど)から形成されるパネルアセンブリ(210)のいくつかの変形例では、中心層(250)は、それ自体でアブレーション電極(232)を効果的に形成してもよい。そのような変形例では、外層(252、254)は省略されてもよい。あるいは、外層(252、254)のうちの一方又は両方は、中心層(250)の1つ又は2つ以上の対応する領域を露出させる1つ又は2つ以上の開口部を形成してもよく、そのような中心層(250)の露出領域が1つ又は2つ以上の対応するアブレーション電極(232)を効果的に形成する。
【0035】
電極(140、230、232、234)は、物理蒸着(PVD)プロセスを使用して、内部シャフト(130)、第1の外層(252)、又は第2の外層(254)に直接適用されてもよい。ほんの一例として、そのようなPVDプロセスは、国際特許公開第2015/117908号、発明の名称「Medical Device for Ablating Tissue Cells and System Comprising a Device of This Type」、2015年8月13日公開(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部、ドイツ特許公開第102017130152号、発明の名称「Method for Operating a Multi-Layer Structure」、2019年1月3日公開(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部、又は米国特許第10,061,198号、発明の名称「Method for Producing a Medical Device or a Device with Structure Elements,Method for Modifying the Surface of a Medical Device or of a Device with Structure Elements,Medical Device and Laminated Composite with a Substrate」、2018年8月28日公開(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部に従って実施されてもよい。また、スパッタ蒸着、化学蒸着(CVD)、熱蒸着などを含むがこれらに限定されない他の方法を用いて、電極(140、230、232、234)を配設してもよい。
【0036】
電極(140、230、232、234)は、所望の場合、様々なコーティングを含んでもよい。例えば、電極(230)は、電極(230)からの信号の信号対ノイズ比を改善するように選択されたコーティングを含んでもよい。そのようなコーティングとしては、酸化イリジウム(IrOx)コーティング、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)コーティング、電着酸化イリジウム(EIROF)コーティング、白金イリジウム(PtIr)コーティング、又は任意の他の好適なコーティングを挙げることができるが、これらに限定されない。電極(128、230、232、230)に使用されてもよい様々な好適な種類のコーティングは、本明細書の教示を考慮することにより当業者には明らかとなる。電極(230、232)は、第1の表面(214)にわたって任意の好適な密度で配列され得る。ほんの一例として、第1の表面(214)には、およそ20個の電極(230)~およそ200個の電極(230)が含まれてもよい。同様に、第1の表面(214)には、およそ20個の電極(230)~およそ200個の電極(230)が含まれてもよい。あるいは、任意の他の好適な数の電極(230、232)が設けられてもよい。電極(140、230、232、234)は、米国特許公開第2017/0312022号、発明の名称「Irrigated Balloon Catheter with Flexible Circuit Electrode Assembly」、2017年11月2日公開(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部に従って更に構築され動作可能となってもよい。
【0037】
上述のように、本例のエンドエフェクタ(200)は、パネルアセンブリ(210)の遠位端(218)に位置する位置センサ(290)のセットを更に含む。位置センサ(290)は、電極(140、230、232、234)を適用するための本明細書に記載のプロセスのうちのいずれかを使用して、又は任意の他の好適なプロセスを使用して、第1の外面(252)に適用されてもよい。4つの位置センサ(290)が示されるが、任意の他の好適な数の位置センサ(290)が設けられてもよい。ほんの一例として、いくつかの他の変形例は、1つの単一位置センサ(290)しか有しなくてもよい。更に、位置センサ(290)は、エンドエフェクタ(200)上の任意の他の好適な位置(複数可)に位置決めされてもよい。いくつかの変形例は、位置センサ(290)がパネルアセンブリ(210)上に設けられていることに加えて又はその代わりに、位置センサ(290)が外部シース(122)又は内部シャフト(130)の一方又は両方に設けられてもよい。いくつかの変形例では、位置センサ(290)は、エンドエフェクタ(200)から完全に省略されてもよい。
【0038】
本例の各位置センサ(290)は、患者(PA)内のエンドエフェクタ(200)の位置及び向きを示す信号を生成するように動作可能である。ほんの一例として、位置センサ(290)は、磁場発生器(20)によって発生する交流電磁場の存在に応じて電気信号を生成するように構成されたワイヤコイル又は複数のワイヤコイル(例えば、3つの直交コイル)の形態であってもよい。各位置センサ(290)は、カテーテル(120)に沿って又は別様にカテーテル(120)を介して、ワイヤ、トレース、又は任意の他の好適な電気導管と結合されてもよく、それにより、位置センサ(290)によって生成された信号が、カテーテル(120)内の電気導管(図示せず)をとおしてコンソール(12)に戻って伝達されることを可能にする。コンソール(12)は、各位置センサ(290)からの信号を処理して、患者(PA)内でのエンドエフェクタ(200)の位置を特定することができる。エンドエフェクタ(200)に関連するリアルタイム位置データを生成するために使用され得る他の構成要素及び技法には、無線三角測量、音響追跡、光学追跡、慣性追跡などが含まれてもよい。
【0039】
アブレーションカテーテルアセンブリ(100)の使用中、カテーテル(120)を前進させて、図2Aに示されるように、エンドエフェクタ(200)が非拡張構成にある間に、エンドエフェクタ(200)を標的の心臓血管構造(例えば、心臓(H)の心室、肺静脈など)の近くに位置決めしてもよい。次に、外部シース(122)が図2Bに示される近位位置に移行してよく、それにより、パネルアセンブリ(210)を拡張状態に弾性的に展開させる。その後、医師(PH)がカテーテルアセンブリ(100)を操作して、第1の表面(214)の少なくとも一部分を心臓血管構造の組織に押し付けて、電極(230、232)(及び場合により温度センサ(240))を組織と接触させる。医師(PH)は、マッピング電極(230)を利用して、心臓組織内の異常な導電活動の位置をマッピングしてもよく、位置は位置センサ(290)によって追跡される。これらのマッピングされた部位は、ディスプレイ(18)に表示されてもよい。次いで、医師(PH)は、アブレーション電極(232)をこれらの部位で組織に対して付勢し、それによりアブレーション電極(232)を利用して心臓組織内の異常な導電活性の部位をアブレーションしてもよい。場合によっては、マッピング手順及びアブレーション手順は、別々の患者(PA)来院時に行われてもよい。そのような場合、位置センサ(290)からのリアルタイムデータを使用して、アブレーション電極(232)を、心臓組織内の最初にマッピングされた異常な導電活動の部位に戻して誘導することができる。いくつかの他の場合には、マッピング手順及びアブレーション手順は、カテーテル(120)をマッピング手順とアブレーション手順との間に患者(PA)から取り出す必要なく、同じ患者(PA)来院時に行われてもよい。これらのシナリオであっても、位置センサ(290)からのリアルタイムデータを使用して、アブレーション電極(232)を、心臓組織内のマッピングされた異常な導電活動の部位に適切に位置決めすることを支援することができる。
【0040】
III.例示的な代替エンドエフェクタ構成
上記のエンドエフェクタ(200)の構成は、単に例解目的の一例でしかない。エンドエフェクタ(200)は多数の方法で修正され得る。そのような修正のいくつかの例を、図6~11を参照しながら以下で更に詳細に説明する。
【0041】
上述のように、EPマッピング手順中、各参照電極(234)と組織との間の接触を回避することが望ましい場合がある。そのような接触を回避することで、参照電極(234)が標的の心臓血管構造を通過する血液又は生理食塩水からの参照電位のみを拾うことができるようになり、それにより、参照電極(234)からの信号を、ノイズ又は遠距離場信号を低減するために使用できるようになり、今度はそれにより、マッピング電極(230)をとおして拾われた心電図信号に対してより良好な分解能が提供されるようになる。
【0042】
図6は、参照電極(234)と組織との間の不慮の接触のリスクを低減するために使用され得る機構の一例を示す。具体的には、図6は、参照電極(234)を囲繞する壁(270)を示す。各電極(234)は、関連する壁(270)を有してもよい。ほんの一例として、壁(270)は、第2の表面(216)から、およそ20ミクロン~およそ2mmの高さで突出してもよい。壁(270)は、多数の異なる方法で形成され得る。例えば、積層造形(例えば、フォトリソグラフィーなど)又は切削造形(例えば、基板へのエッチングなど)を使用してもよい。
【0043】
図7は、参照電極(234)と組織との間の不慮の接触のリスクを低減するために使用され得る機構の別の例を示す。具体的には、図7は、第2の表面(216)に形成された凹部(280)に位置決めされている参照電極(234)を示す。そのような凹部(280)により、参照電極(234)が第2の表面(216)に対しておよそ20マイクロメートル~およそ2mmの深さで位置決めされ得る。凹部(280)は、多数の異なる方法で形成されてもよい。例えば、積層造形(例えば、フォトリソグラフィーなど)、切削造形(例えば、基板へのエッチングなど)、又は可撓性ポリマー(例えば、シリコーン)のオーバーモールドを使用してもよい。
【0044】
いくつかの場合、パネルアセンブリ(210)をとおして流体を伝達させることが望ましい場合がある。ほんの一例して、パネルアセンブリ(210)をとおして開口部を設けることで、パネルアセンブリ(210)を心臓血管系の標的の解剖学的構造の領域内に位置決めしたまま、自然に流れる血液がパネルアセンブリ(210)を不必要に曲げることを防止することができる。加えて、又は代替的に、そのような開口部により、灌注流体が組織とアブレーション電極(232)との間の界面に到達することが促進され得る。前述のことを考慮して、図8は、例示的な代替パネルアセンブリ(310)を示し、これは、パネルアセンブリ(210)と実質的に類似しているが、この例のパネルアセンブリ(310)には複数の開口部(370)が貫通して形成されていることが異なる。パネルアセンブリ(210)と同様に、この例のパネルアセンブリ(310)は、遠位部分(312)及び近位部分(320)を含み、遠位部分(312)には、マッピング電極(330)、アブレーション電極(332)、及び温度センサ(340)が含まれる。パネルアセンブリ(310)はまた、参照電極(234)のような参照電極、及び位置センサ(290)のような位置センサを含んでもよい。この例の開口部(370)は、遠位部分(312)の対向する表面の両方をとおして形成され、それによって流体が遠位部分(312)を通過することが可能になる。開口部(370)は形状が矩形であるように示されるが、開口部(370)は、その代わりに、任意の他の好適な形状を有してもよい。開口部(370)はまた、パネルアセンブリ(310)に沿った任意の他の好適な場所に位置決めされてもよい。
【0045】
例示のみを目的とした別の変形例として、パネルアセンブリ(210)は、内部をとおして開口部が画定されたメッシュとして形成されてもよく、その結果、メッシュ材料が電極(230、232、234)及び温度センサ(240)のための基板として機能してもよい。そのようなメッシュにより、流体がパネルアセンブリ(210)を通過することができるようになってもよく、また、パネルアセンブリ(210)を付勢して図2Bに示される平坦な構成にする弾性付勢が得られてもよい。パネルアセンブリ(210)がメッシュによって形成されるいくつかの変形例では、そのようなメッシュは、パネルアセンブリ(210)が下記のように2Bに示される構成を更に超えて拡張するのを可能にするように、伸張可能であってもよい。そのようなメッシュはまた、パネルアセンブリ(210)が外部シース(122)に圧潰するときに横方向の寸法に収縮するのを可能にするように、拘縮可能であってもよい。
【0046】
いくつかの場合、パネルアセンブリ(210)が図2Bに示される構成を更に超えて拡張できるように、パネルアセンブリ(210)を構成することが望ましい場合がある。これには、パネルアセンブリ(210)が能動的に拡張可能な本体に取り付けられるシナリオ(例えば、図10図11を参照して以下で説明するとおり)、及びパネルアセンブリ(210)が能動的に拡張可能な本体に取り付けられない他のシナリオが含まれる。例えば、パネルアセンブリ(210)が図2Bに示される構成を更に超えて拡張できるようにすることで、パネルアセンブリが解剖学的構造の輪郭により容易に適合できるようになってもよく、又は別様に、電極(230、232)と組織との間のより良好な接触が促進されてもよい。前述のことを考慮して、図9は、例示的な代替パネルアセンブリ(410)を示し、これは、パネルアセンブリ(210)と実質的に類似しているが、この例のパネルアセンブリ(410)には複数の切込み部(470)が貫通して形成されていることが異なる。パネルアセンブリ(210)と同様に、この例のパネルアセンブリ(410)は、遠位部分(412)及び近位部分(420)を含み、遠位部分(412)には、マッピング電極(430)、アブレーション電極(432)、及び温度センサ(440)が含まれる。パネルアセンブリ(410)はまた、参照電極(234)のような参照電極、及び位置センサ(290)のような位置センサを含んでもよい。この例の切込み部(470)は、遠位部分(412)の対向する表面の両方をとおして形成され、それによって、遠位部分(312)が、互いからファンアウトするか、又は別様に様々な寸法に沿って互いから分離するストリップ(472)を形成することができようになる。切込み部(470)は形状が千鳥状であるように示されるが、切込み部(470)は、その代わりに、任意の他の好適な形状を有してもよい。同様に、切込み部(470)は遠位部分(412)に沿って略長手方向に方向決めされているように示されるが、切込み部(470)は、その代わりに、略横方向に方向決めされても、パネルアセンブリ(410)に沿って任意の他の好適な様式で位置決め及び方向決めされてもよい。
【0047】
いくつかの場合、上記のパネルアセンブリ(210、310、410)のうちのいずれかなどのパネルアセンブリを膨張可能な本体に固定することが望ましい場合がある。そのような膨張可能な本体により、パネルアセンブリ(210、310、410)がシース(122)から露出した後に、パネルアセンブリ(210、310、410)を拡張させることが支援され得る。そのような膨張可能な本体は、パネルアセンブリ(210、310、410)に追加の構造的完全性を更に提供し、それによって、パネルアセンブリ(210、310、410)が組織に対して付勢されるときに、電極(230、232、330、332、430、432)と組織との間の適切な接触を確実にするのを助け得る。図10~11は、パネルアセンブリ(210)を膨張可能な本体(510、610)に固定することによってエンドエフェクタ(500、600)を形成することができる方法の2つの例を示す。これらの例のエンドエフェクタ(500、600)は、カテーテル(120)の遠位端に固定されて、概して、上記のエンドエフェクタ(200)のように動作可能である。パネルアセンブリ(210)がこれらの例に示され記載されているが、パネルアセンブリ(310、410)及びそれらの変形例をパネルアセンブリ(210)の代わりに使用してもよい。更に、膨張可能な本体(510、610)がこれらの例に示され記載されているが、他の変形例は、拡張させるために膨張を必要としない機械的に拡張可能な本体を利用してもよい。
【0048】
図10に示されるように、エンドエフェクタ(500)は、パネルアセンブリ(210)及び膨張可能な本体(510)によって形成される。膨張可能な本体(510)は、複数の開口部(512)を画定する膜の形態である。この例の膨張可能な本体(510)は、拡張状態で円筒に似た形状を有し、パネルアセンブリ(210)は、膨張可能な本体(510)の長手方向に延在する部分(514)の周りに巻き付けられる。開口部(512)は、流体が開口部(512)を通過できるように十分に大きく、同時に、膨張可能な本体が膨張流体(例えば、生理食塩水など)で充填されたときに、膨張可能な本体(510)が拡張状態を達成し維持できるように十分に小さい。いくつかの変形例では、膨張可能な本体(510)を膨張させるために使用される同じ流体が開口部(512)をとおして排出されて、患者(PA)における標的部位で灌注を提供する。例えば、流体源(42)からの流体は、開口部(512)をとおして排出されてもよい。加えて、又は代替的に、患者(PA)の血液は、エンドエフェクタ(500)の内側に開口部(512)を介して進入して、膨張可能な本体(510)の内側で露出し得る参照電極(234)に到達してもよい。
【0049】
例示のみを目的とした別の代替として、膨張可能な本体(510)は2つの層を含み、層の間には、膨張流体が開口部(512)をとおして排出されないように膨張流体を受容する液密空間がある。いくつかのそのような変形例では、流体源(42)からの灌注流体は、膨張可能な本体(510)の内側に流体導管(40)を介して伝達され、開口部(512)をとおして排出される。いくつかの変形例では開口部(512)が省略されてもよいことも理解されたい。更にほんの一例として、膨張可能な本体(510)は非伸張性材料から作製されてもよい。あるいは、膨張可能な本体(510)は、伸張性材料から作製されてもよい。いくつかの変形例では、本体(510)には開口部(512)がない。そのような変形例では(及び開口部(512)が存在する変形例では)、灌注流体は、エンドエフェクタ(500)から、カテーテル(120)によって提供される1つ又は2つ以上の灌注ポートを介して排出されてもよい。
【0050】
いくつかのシナリオでは、膨張可能な本体(510)の円筒に似た構成は、エンドエフェクタ(500)を肺静脈などの略管状の解剖学的構造に位置決めするときに特に有用であり得る。例えば、膨張可能な本体(510)の長手方向に延在する部分(514)が湾曲していることで、電極(230、232)と肺静脈の湾曲した内壁との間の接触が促進され得る。
【0051】
図11は、パネルアセンブリ(210)及び膨張可能な本体(610)によって形成される別のエンドエフェクタ(600)を示す。膨張可能な本体(610)は、複数の開口部(612)を画定する膜の形態である。この例の膨張可能な本体(610)は、拡張状態で略平坦な矩形を有し、1つのパネルアセンブリ(210)が膨張可能な本体(610)の1つの広面(620)に位置決めされる。いくつかの変形例では、別のパネルアセンブリ(210)が、膨張可能な本体(610)のもう一方の反対側の広面(622)に位置決めされる。開口部(612)は、流体が開口部(612)を通過できるように十分に大きく、同時に、膨張可能な本体が膨張流体(例えば、生理食塩水など)で充填されたときに、膨張可能な本体(610)が拡張状態を達成し維持できるように十分に小さい。いくつかの変形例では、膨張可能な本体(610)を膨張させるために使用される同じ流体が開口部(612)をとおして排出されて、患者(PA)における標的部位で灌注を提供する。例えば、流体源(42)からの流体は、開口部(612)をとおして排出されてもよい。加えて、又は代替的に、患者(PA)の血液は、エンドエフェクタ(600)の内側に開口部(612)を介して進入して、膨張可能な本体(610)の内側で露出し得る参照電極(234)に到達してもよい。
【0052】
例示のみを目的とした別の代替として、膨張可能な本体(610)は2つの層を含み、層の間には、膨張流体が開口部(612)をとおして排出されないように膨張流体を受容する液密空間がある。いくつかのそのような変形例では、流体源(42)からの灌注流体は、膨張可能な本体(610)の内側に流体導管(40)を介して伝達され、開口部(612)をとおして排出される。いくつかの変形例では開口部(612)が省略されてもよいことも理解されたい。更にほんの一例として、膨張可能な本体(610)は非伸張性材料から作製されてもよい。あるいは、膨張可能な本体(610)は、伸張性材料から作製されてもよい。いくつかの変形例では、本体(610)には開口部(612)がない。そのような変形例では(及び開口部(612)が存在する変形例では)、灌注流体は、エンドエフェクタ(600)から、カテーテル(120)によって提供される1つ又は2つ以上の灌注ポートを介して排出されてもよい。
【0053】
いくつかのシナリオでは、膨張可能な本体(610)の略平坦な矩形構成は、エンドエフェクタ(600)を心臓(H)の心室などの略平坦な内壁を有する解剖学的構造に位置決めするときに特に有用である。例えば、膨張可能な本体(610)の広面(620)が平坦であることにより、電極(230、232)と心臓(H)の心室の略平坦な内壁との間の接触が促進され得る。
【0054】
エンドエフェクタ(500、600)は円筒に似た構成及び略平坦な矩形構成を有する膨張可能な本体(510、610)とともに示されるが、パネルアセンブリ(210、310、410)は、代替的に、本明細書の教示を考慮して当業者には明らかとなる様々な他の種類の構成を有する膨張可能な本体に固定されてもよい。
【0055】
パネルアセンブリ(210)は位置センサ(290)をパネルアセンブリ(210)の遠位部分(212)に組み込むものとして上に記載されるが、他の変形例は、その代わりに、位置センサ(290)をパネルアセンブリ(210)の近位端(220)に組み込んでもよい。図15図18は、これがどのように実行され得るかの例を示す。具体的には、図15図16は、遠位部分(710)及び近位タブ部分(720)を含むパネルアセンブリ(700)を示し、狭窄領域(712)により、遠位部分(710)が近位タブ部分(720)から分離している。遠位部分(710)は、上記の遠位部分(212、312、412)のように構成され動作可能であってもよく、したがって、電極(230、232、234、330、332、430、432)、温度センサ(240、340、440)、開口部(370)、切込み部(470)などを含んでもよい。
【0056】
図15~16のパネルアセンブリ(700)は、近位タブ部分(720)に一体化している2軸(CA、CA)位置センサアセンブリを含む。近位タブ部分(720)は、第1の横方向に延在するタブ(722)と第2の横方向に延在するタブ(724)とを含む。第1のコイル(730)及び第2のコイル(732)は、第2の横方向に延在するタブ(724)上に位置決めされる。いくつかの他の変形例では、少なくとも1つのコイル(730、732)は、第1の横方向に延在するタブ(722)上、又は近位タブ部分(720)上の他の場所に位置決めされる。ほんの一例として、コイル(730、732)は、本明細書の教示を考慮して当業者には明らかとなる任意の好適な技法を使用して、フレックス回路構成の一部として近位タブ部分(720)上に印刷されても、別様に一体化された近位タブ部分(720)であってもよい。
【0057】
各コイル(730、732)は、それぞれの軸(CA、CA)を、対応するコイル(730、732)の中心で取り囲む。各コイル(730、732)は、患者(PA)内のパネルアセンブリ(700)の位置及び向きを示す信号を生成するように動作可能である。ほんの一例として、コイル(730、732)は、磁場発生器(20)によって生成された交流電磁場の存在に応答して電気信号を生成するように構成されてもよい。各コイル(730、732)は、カテーテル(120)に沿って又は別様にカテーテル(120)を介して、ワイヤ、トレース、又は任意の他の好適な電気導管と結合されてもよく、それにより、コイル(730、732)によって生成された信号が、カテーテル(120)内の電気導管(図示せず)をとおしてコンソール(12)に伝達されることを可能にする。コンソール(12)は、各コイル(730、732)からの信号を処理して、患者(PA)内でのパネルアセンブリ(700)の位置を特定することができる。
【0058】
図16は、どのように近位タブ部分(720)が巻き込まれて、上記のような内部シャフト(130)の遠位端(132)へのパネルアセンブリ(700)の固定を支援し得るのかの例を示す。本例では、タブ(722、724)は、近位タブ部分(720)がこの巻込み構成にあるときに、重なり合う。近位タブ部分(720)が巻込み構成にある状態では、コイル(730、732)の軸(CA、CA)は両方とも、パネルアセンブリ(700)を組み込むエンドエフェクタの長手方向軸(LA)に直交する。コイル(730、732)の軸(CA、CA)はまた、互いに整列もせず、互いに平行でもない。いくつかの変形例では、コイル(730、732)の軸(CA、CA)は、近位タブ部分(720)が図16に示される巻込み構成にあり、内部シャフト(130)の遠位端(132)に固定されているときには互いに直交するが、そのような直交関係は必ずしも必要ではない。
【0059】
同じく図16に示されるように、近位タブ部分(720)は、近位タブ部分(720)が巻込み構成にあるときに通路(740)を画定する。ほんの一例として、この通路(740)は、ガイドワイヤ、別のカテーテルなどといった他の器具を収容してもよい。更にほんの一例として、通路(740)により、灌注流体(例えば、生理食塩水など)を排出するための経路が設けられてもよい。通路(740)を使用し得る他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮して当業者には明らかとなる。あるいは、通路(740)は、必ずしも何かに使用される必要はない。
【0060】
パネルアセンブリ(700)のいくつかの変形例では、追加の位置感知コイル軸(CA)を提供することが望ましい場合がある。図17~18は、そのような変形例がどのように実行され得るかの例を示す。具体的には、図17図18は、遠位部分(810)及び近位タブ部分(820)を含むパネルアセンブリ(800)を示し、狭窄領域(812)により、遠位部分(810)が近位タブ部分(820)から分離している。遠位部分(810)は、上記の遠位部分(212、312、412)のように構成され動作可能であってもよく、したがって、電極(230、232、234、330、332、430、432)、温度センサ(240、340、440)、開口部(370)、切込み部(470)などを含んでもよい。
【0061】
図17~18のパネルアセンブリ(800)は、近位タブ部分(820)に一体化している3軸(CA、CA、CA)位置センサアセンブリを含む。近位タブ部分(820)は、第1の横方向に延在するタブ(822)と、第2の横方向に延在するタブ(824)と、第2の横方向に延在するタブ(824)から突出する遠位に延在するタブ(826)とを含む。第1のコイル(830)及び第2のコイル(832)は、第2の横方向に延在するタブ(824)上に位置決めされる。第3のコイル(834)は、遠位に延在するタブ(826)上に位置決めされる。いくつかの他の変形例では、少なくとも1つのコイル(830、832、834)は、第1の横方向に延在するタブ(822)上、又は近位タブ部分(820)上の他の場所に位置決めされる。ほんの一例として、コイル(830、832、834)は、本明細書の教示を考慮して当業者には明らかとなる任意の好適な技法を使用して、フレックス回路構成の一部として近位タブ部分(820)上に印刷されても、別様に一体化された近位タブ部分(820)であってもよい。
【0062】
各コイル(830、832、834)は、それぞれの軸(CA、CA、CA)を、対応するコイル(830、832、834)の中心で取り囲む。各コイル(830、832、834)は、患者(PA)内のパネルアセンブリ(800)の位置及び向きを示す信号を生成するように動作可能である。ほんの一例として、コイル(830、832、834)は、磁場発生器(20)によって生成された交流電磁場の存在に応答して電気信号を生成するように構成されてもよい。各コイル(830、832、834)は、カテーテル(120)に沿って又は別様にカテーテル(120)を介して、ワイヤ、トレース、又は任意の他の好適な電気導管と結合されてもよく、それにより、コイル(830、832、834)によって生成された信号が、カテーテル(120)内の電気導管(図示せず)をとおしてコンソール(12)に戻って伝達されることを可能にする。コンソール(12)は、各コイル(830、832、834)からの信号を処理して、患者(PA)内でのパネルアセンブリ(800)の位置を特定することができる。
【0063】
図18は、どのように近位タブ部分(820)が巻き込まれて、上記のような内部シャフト(130)の遠位端(132)へのパネルアセンブリ(800)の固定を支援し得るのかの例を示す。本例では、タブ(822、824)は、近位タブ部分(820)がこの巻込み構成にあるときに、重なり合う。近位タブ部分(820)が巻込み構成にある状態では、コイル(830、832)の軸(CA、CA)は両方とも、パネルアセンブリ(800)を組み込むエンドエフェクタの長手方向軸(LA)に直交する。コイル(830、832)の軸(CA、CA)はまた、互いに整列もせず、互いに平行でもない。いくつかの変形例では、コイル(830、832)の軸(CA、CA)は、近位タブ部分(820)が図18に示される巻込み構成にあり、内部シャフト(130)の遠位端(132)に固定されているときには互いに直交するが、そのような直交関係は必ずしも必要ではない。
【0064】
同じく図18に示されるように、遠位に延在するタブ(826)は、巻き込まれた横方向に延在するタブ(822、824)によって画定される通路(840)の上に折り畳まれる。これにより、コイル(834)の軸(CA)が、パネルアセンブリ(800)を組み込むエンドエフェクタの長手方向軸(LA)と平行に位置決めされる。同じくこれにより、コイル(834)の軸(CA)が、コイル(830、832)の軸(CA、CA)に直交して位置決めされる。コイル(834)によって提供される追加の感知軸(CA)は、パネルアセンブリ(700)のコイル(730、732)によって画定される2軸(CA、CA)感知アセンブリによって生成される位置データと比較して、パネルアセンブリ(800)と関連付けられた追加の位置及び向きデータを生成してもよい。
【0065】
いくつかの変形例では、遠位に延在するタブ(826)により、コイル(834)の中心領域内に開口部(図示せず)が画定される。そのような開口部は、ガイドワイヤ、別のカテーテルなどといった他の器具を収容してもよい。更にほんの一例として、コイル(834)の中心領域内の遠位に延在するタブ(826)をとおして形成される開口部により、灌注流体(例えば、生理食塩水など)を排出するための経路が設けられてもよい。そのような開口部を使用し得る他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮して当業者には明らかとなる。あるいは、開口部は、必ずしも遠位に延在するタブ(826)をとおして形成される必要はない。
【0066】
パネルアセンブリ(700、800)が位置感知を提供するためにコイル(730、732、830、832、834)を含む場合であっても、遠位部分(710、810)も、1つ又は2つ以上の位置センサ(例えば、パネルアセンブリ(210)の位置センサ(290)のようなもの)を含んでもよい。
【0067】
いくつかの変形例では、プルワイヤ又は他のアクチュエータを利用して、パネルアセンブリを更に拡張してもよい。図19図20は、これがどのように達成され得るかの例を示す。具体的には、図19図20は、遠位部分(910)及び近位タブ部分(920)を含むパネルアセンブリ(900)を示し、狭窄領域(912)により、遠位部分(910)が近位タブ部分(920)から分離している。遠位部分(910)は、上記の遠位部分(212、312、412)のように構成され動作可能であってもよく、したがって、電極(230、232、234、330、332、430、432)、温度センサ(240、340、440)、開口部(370)、切込み部(470)などを含んでもよい。近位タブ部分(920)は、一対の横方向に延在するタブ(922)を含む。ほんの一例として、タブ(922)は、タブ(722、724、822、824、826)のように構成され、動作可能であり得る。
【0068】
この例のパネルアセンブリ(900)は、遠位部分(910)をとおして形成された複数のスリット(914)を更に含む。スリット(914)により、複数のビーム領域(916)がスリット(914)間に効果的に画定される。スリット(914)はこの例では直線として示されるが、スリット(914)は、その代わりに、千鳥状構成、波様構成、又は任意の他の好適な構成を有してもよい。プルワイヤ(930)は、遠位部分(910)の遠位領域にアンカー(932)を介して固定される。いくつかの他の変形例では、バンド、ストリップ、又は他の作動部材が、プルワイヤ(930)の代わりに使用される。
【0069】
パネルアセンブリ(900)は、プルワイヤ(930)の近位の後退に応答して、図19に示すような平坦な構成から図20に示されるような更なる拡張構成に移行するように構成されている。ビーム領域(916)の近位領域が機械的に効果的に接地されている状態で、プルワイヤ(930)を近位に後退させると、ビーム領域(916)は、図20に示すように、反対方向に外向きに座屈し得る。いくつかの変形例では、パネルアセンブリ(900)は、プルワイヤ(930)を近位に後退させるときに、このビーム領域(916)の外向きの座屈を可能にしながら、パネルアセンブリ(900)の残りの部分が容易く近位に圧潰するのを防止する、選択的に構成され位置決めされた補強機構を含んでもよい。
【0070】
パネルアセンブリ(900)は、したがって、パネルアセンブリ(900)が外部シース(122)内に収容される非拡張構成(例えば、図2Aに示されるものと同様)から、パネルアセンブリ(900)が外部シース(122)に対して露出する第1の拡張構成(例えば、図19に示されるもののような)、次に、プルワイヤ(930)が近位に後退する第2の拡張構成(例えば、図20に示されるものにょうな)に移行するように動作可能であってもよい。この第2の拡張構成では、パネルアセンブリ(900)により、パネルアセンブリ(900)上の電極(230、232、234、330、332、430、432)と隣接する組織との間の接触が促進される可能性が高くなり得る。
【0071】
IV.組み合わせの例
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の書類提出における任意の時点で提示され得るいずれの特許請求の範囲の適用範囲も限定することを意図したものではないことを理解されたい。一切の権利放棄を意図するものではない。以下の実施例は、あくまでも例示的な目的で与えられるものに過ぎない。本明細書の様々な教示は、その他の多くの方法で構成及び適用さてもよいことが企図される。また、いくつかの変形例では、以下の実施例において言及されるある特定の特徴を省略してよいことも企図される。したがって、発明者らによって又は発明者らの権利承継人によって、後日そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴のいずれも重要なものとしてみなされるべきではない。いずれかの特許請求の範囲が、本出願において、又は以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含む本出願に関連する後の書類提出において示される場合、それらの更なる特徴は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして仮定されるべきではない。
【実施例1】
【0072】
装置であって、(a)カテーテルであって、カテーテルの少なくとも一部分が、心臓血管系の内腔内に嵌合するようにサイズ決め及び構成されている、カテーテルと、(b)カテーテルの遠位端に位置決めされたエンドエフェクタと、を備え、エンドエフェクタが、(i)パネルであって、パネルが、拡張構成をとるように付勢されている、パネルと、(ii)パネルの第1の表面上に位置決めされた複数のマッピング電極であって、マッピング電極が、マッピング電極に接触する組織内の電位を感知するように構成されている、複数のマッピング電極と、(iii)パネルの第1の表面上に位置決めされた複数のアブレーション電極であって、アブレーション電極が、アブレーション電極に接触する組織をアブレーションするように動作可能である、複数のアブレーション電極と、を含む、装置。
【実施例2】
【0073】
パネルが、拡張構成において略平坦な形状をとるように付勢される遠位部分を含む、実施例1に記載の装置。
【実施例3】
【0074】
パネルが、略矩形の形状を有する遠位部分を含む、実施例1~2のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例4】
【0075】
カテーテルが、外部シースを含み、外部シース及びエンドエフェクタが、第1の状態と第2の状態との間で移行するように構成され、エンドエフェクタが、第1の状態で外部シース内に収容され、エンドエフェクタが、第2の状態で外部シースに対して露出する、実施例1~3の1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例5】
【0076】
パネルが、第1の状態で、外部シース内で非拡張構成にあるように構成されている、実施例4に記載の装置。
【実施例6】
【0077】
パネルが、第1の状態で、外部シース内で巻き込まれた非拡張構成にあるように構成されている、実施例5に記載の装置。
【実施例7】
【0078】
パネルが、他のシースの遠位端と協働することにより、外部シース及びエンドエフェクタが第2の状態から第1の状態に移行することに応答して、パネルを拡張構成から非拡張構成に付勢するように構成されているカム機構を有する近位部分を含む、実施例4~6の1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例8】
【0079】
カム機構が、パネルの先細になった近位に面する縁部を含む、実施例7に記載の装置。
【実施例9】
【0080】
カム機構が、パネルの近位領域の凹状湾曲部分を含む、実施例7~8のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例10】
【0081】
パネルが、拡張構成をとるように弾性的に付勢されている、実施例1~9のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例11】
【0082】
パネルが、拡張構成をとるようにパネルを付勢する弾性材料を含む、実施例10に記載の装置。
【実施例12】
【0083】
弾性材料が、ニチノールを含む、実施例11に記載の装置。
【実施例13】
【0084】
パネルが、複数の層を含み、層のうちの少なくとも1つが、弾性材料を含む、実施例11~12のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例14】
【0085】
層が、非導電層、マッピング電極のうちの少なくとも1つ、及び非導電層の第1の側面上に位置決めされているアブレーション電極のうちの少なくとも1つを更に含み、弾性材料が、非導電層の第2の側面上に位置決めされている、実施例13に記載の装置。
【実施例15】
【0086】
エンドエフェクタが、膨張可能な部材を更に含み、パネルが、膨張可能な部材に固定されている、実施例1~14のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例16】
【0087】
膨張可能な部材が、拡張構成をとるようにパネルを付勢するように構成されている、実施例15に記載の装置。
【実施例17】
【0088】
膨張可能な部材が、複数の開口部を画定し、開口部が、膨張可能な部材の内側領域と膨張可能な部材の外側領域との間の流体の連通を可能にするように構成されている、実施例15~16のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例18】
【0089】
膨張可能な部材が、膨張状態で円筒形状を画定するように構成されている、実施例15~17のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例19】
【0090】
膨張可能な部材が、膨張状態で略平坦な矩形形状を画定するように構成されている、実施例15~17のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例20】
【0091】
エンドエフェクタが、少なくとも1つの参照電極を更に含む、実施例1~19のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例21】
【0092】
少なくとも1つの参照電極が、パネルの第2の表面上に位置決めされた1つ又は2つ以上の参照電極を含み、第2の表面が、第1の表面の反対側にある、実施例20に記載の装置。
【実施例22】
【0093】
パネルの第2の表面は、1つ又は2つ以上の参照電極が第2の表面に隣接する組織に接触するのを防止するための機構を含む、実施例21に記載の装置。
【実施例23】
【0094】
1つ又は2つ以上の参照電極が、第2の表面に隣接する組織に接触するのを防止するための機構が、1つ又は2つ以上の参照電極を囲繞する1つ又は2つ以上の壁を含み、1つ又は2つ以上の壁が、第2の表面から突出する、実施例22に記載の装置。
【実施例24】
【0095】
1つ又は2つ以上の参照電極が、第2の表面に隣接する組織に接触するのを防止するための機構が、第2の表面に形成された1つ又は2つ以上の凹部を含み、1つ又は2つ以上の参照電極の各々が、1つ又は2つ以上の凹部の対応する凹部内に位置決めされている、実施例22~23のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例25】
【0096】
カテーテルが、シャフトを含み、少なくとも1つの電極が、シャフト上に位置決めされた1つ又は2つ以上の電極を含む、実施例20~24のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例26】
【0097】
マッピング電極が、第1の表面に沿って行及び列のマトリックスで配置されている、実施例1~25のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例27】
【0098】
アブレーション電極が、第1の表面に沿って行及び列のマトリックスで配置されている、実施例1~26のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例28】
【0099】
マッピング電極が、第1の表面に沿って行及び列の第1のマトリックスで配置され、アブレーション電極が、第1の表面に沿って行及び列の第2のマトリックスで配置され、第2のマトリックスが、第1のマトリックスからオフセットされている、実施例1~25のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例29】
【0100】
エンドエフェクタが、複数の温度センサを更に含む、実施例1~28のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例30】
【0101】
温度センサが、熱電対を含む、実施例29に記載の装置。
【実施例31】
【0102】
熱電対が、サーミスタを含む、実施例30に記載の装置。
【実施例32】
【0103】
パネルが、パネルを通る複数の開口部を更に画定する、実施例1~31のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例33】
【0104】
開口部が、マトリックスで配置されている、実施例32に記載の装置。
【実施例34】
【0105】
パネルが、複数のストリップを分離する複数の切断部を画定し、ストリップが、切断部で互いに対して移動可能である、実施例1~33のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例35】
【0106】
切断部が千鳥形パターンを画定する、実施例34に記載の装置。
【実施例36】
【0107】
装置であって、(a)カテーテルであって、カテーテルの少なくとも一部分が、心臓血管系の内腔内に嵌合するようにサイズ決め及び構成されている、カテーテルと、(b)カテーテルの遠位端に位置決めされたエンドエフェクタと、を備え、エンドエフェクタが、(i)第1の表面及び第2の表面を画定するパネルであって、第2の表面が、第1の表面の反対側にある、パネルと、(ii)パネルの第1の表面に沿って第1のグリッドで配置された複数のマッピング電極であって、マッピング電極が、マッピング電極に接触する組織内の電位を感知するように構成されている、複数のマッピング電極と、(iii)パネルの第1の表面に沿って第2のグリッドで配置された複数のアブレーション電極であって、アブレーション電極が、アブレーション電極に接触する組織をアブレーションするように動作可能であり、第2のグリッドが、第1のグリッドからオフセットされている、複数のアブレーション電極と、を含む、装置。
【実施例37】
【0108】
エンドエフェクタが、第2の表面上に位置決めされた少なくとも1つの参照電極を更に含む、実施例36に記載の装置。
【実施例38】
【0109】
少なくとも1つの参照電極が、第2の表面に沿ってグリッドで配置された複数の参照電極を含む、実施例37に記載の装置。
【実施例39】
【0110】
装置であって、(a)カテーテルであって、カテーテルの少なくとも一部分が、心臓血管系の内腔内に嵌合するようにサイズ決め及び構成されている、カテーテルと、
(b)カテーテルの遠位端に位置決めされたエンドエフェクタと、を備え、エンドエフェクタが、(i)第1の表面及び第2の表面を画定するパネルであって、第2の表面が、第1の表面の反対側にある、パネルと、(ii)パネルの第1の表面に沿って位置決めされた複数のマッピング電極であって、マッピング電極が、マッピング電極に接触する組織内の電位を感知するように構成されている、複数のマッピング電極と、(iii)パネルの第1の表面に沿って位置決めされた複数のアブレーション電極であって、アブレーション電極が、アブレーション電極に接触する組織をアブレーションするように動作可能であり、第2のグリッドが、第1のグリッドからオフセットされている、複数のアブレーション電極と、(iv)パネルの第2の表面上に位置決めされた1つ又は2つ以上の参照電極と、を含む、装置。
【実施例40】
【0111】
装置であって、(a)カテーテルであって、カテーテルの少なくとも一部分が、心臓血管系の内腔内に嵌合するようにサイズ決め及び構成され、カテーテルが、外部シースを含む、カテーテルと、(b)カテーテルの遠位端に位置決めされたエンドエフェクタであって、外部シースが、遠位位置と近位位置との間で移行するように動作可能である、エンドエフェクタと、を備え、エンドエフェクタが、(i)第1の表面及び第2の表面を画定するパネルであって、第2の表面が、第1の表面の反対側にあり、パネルが、外部シースが遠位位置にあるときに外部シース内で巻込み構成をとるように構成され、外部シースが近位位置にあるときに略平坦な構成をとるように構成される、パネルと、(ii)パネルの第1の表面に沿って位置決めされた複数のマッピング電極であって、マッピング電極が、マッピング電極に接触する組織内の電位を感知するように構成されている、複数のマッピング電極と、(iii)パネルの第1の表面に沿って位置決めされた複数のアブレーション電極であって、アブレーション電極が、アブレーション電極に接触する組織をアブレーションするように動作可能であり、第2のグリッドが、第1のグリッドからオフセットされている、複数のアブレーション電極と、を含む、装置。
【0112】
V.その他
本明細書に記載される器具のいずれも、処置前及び/又は処置後に洗浄及び滅菌することができる。1つの滅菌技術では、装置をプラスチック製又はTYVEK製のバックなど、閉鎖及び封止された容器に入れる。次に、容器及び装置を、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置いてもよい。放射線は、装置上及び容器内の細菌を死滅させ得る。次に、滅菌された装置を、後の使用のために、滅菌容器内に保管してもよい。装置はまた、限定されないが、ベータ線又はガンマ線、エチレンオキシド、過酸化水素、過酢酸、及びプラズマ又は水蒸気を伴う又は伴わない気相滅菌を含む当該技術分野で既知の任意の他の技法を用いて滅菌されてもよい。
【0113】
本明細書に記載の例のいずれも、上述のものに加えて又はそれらの代わりに、様々な他の機構を含み得ることを理解されたい。ほんの一例として、本明細書に記載されている例のうちのいずれも、参照により全体が本明細書に組み込まれる様々な参考文献のいずれかに開示される様々な機構のうちの1つ又は2つ以上を更に含むことができる。
【0114】
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができる点が理解されるべきである。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法は、本明細書の教示を考慮して当業者には容易に明らかとなる。このような修正及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0115】
全体が参照により本明細書に組み込まれると言及されるいかなる特許、公報、又はその他の開示内容も、全体的に又は部分的に、組み込まれる内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載されたその他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込まれると理解されるべきである。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。全体が参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載されたその他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0116】
本発明の様々な変形例について図示し説明してきたが、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合は、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な修正によって達成することができる。このような可能な修正のうちのいくつかについて述べたが、その他の修正が当業者には明らかとなるであろう。例えば、上述の実施例、変形例、幾何学的形状、材料、寸法、比率、ステップなどは例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0117】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
(a)カテーテルであって、前記カテーテルの少なくとも一部分が、心臓血管系の内腔内に嵌合するようにサイズ決め及び構成されている、カテーテルと、
(b)前記カテーテルの遠位端に位置決めされたエンドエフェクタと、を備え、前記エンドエフェクタが、
(i)パネルであって、前記パネルが、拡張構成をとるように付勢されている、パネルと、
(ii)前記パネルの第1の表面上に位置決めされた複数のマッピング電極であって、前記マッピング電極が、前記マッピング電極に接触する組織内の電位を感知するように構成されている、複数のマッピング電極と、
(iii)前記パネルの前記第1の表面上に位置決めされた複数のアブレーション電極であって、前記アブレーション電極が、前記アブレーション電極に接触する組織をアブレーションするように動作可能である、複数のアブレーション電極と、を含む、装置。
(2) 前記パネルが、前記拡張構成において略平坦な形状をとるように付勢される遠位部分を含む、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記パネルが、略矩形の形状を有する遠位部分を含む、実施態様1に記載の装置。
(4) 前記カテーテルが、外部シースを含み、前記外部シース及び前記エンドエフェクタが、第1の状態と第2の状態との間で移行するように構成され、前記エンドエフェクタが、前記第1の状態で前記外部シース内に収容され、前記エンドエフェクタが、前記第2の状態で前記外部シースに対して露出する、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記パネルが、他のシースの遠位端と協働することにより、前記外部シース及び前記エンドエフェクタが前記第2の状態から前記第1の状態に移行することに応答して、前記パネルを前記拡張構成から前記非拡張構成に付勢するように構成されているカム機構を有する近位部分を含む、実施態様4に記載の装置。
【0118】
(6) 前記パネルが、前記拡張構成をとるように弾性的に付勢されている、実施態様1に記載の装置。
(7) 前記パネルが、前記拡張構成をとるように前記パネルを付勢する弾性材料を含む、実施態様6に記載の装置。
(8) 前記パネルが、複数の層を含み、前記層のうちの少なくとも1つが、前記弾性材料を含む、実施態様7に記載の装置。
(9) 前記層が、非導電層、前記マッピング電極のうちの少なくとも1つ、及び前記非導電層の第1の側面上に位置決めされている前記アブレーション電極のうちの少なくとも1つを更に含み、前記弾性材料が、前記非導電層の第2の側面上に位置決めされている、実施態様8に記載の装置。
(10) 前記エンドエフェクタが、膨張可能な部材を更に備え、前記パネルが、前記膨張可能な部材に固定され、前記膨張可能な部材が、前記拡張構成をとるように前記パネルを付勢するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
【0119】
(11) 前記膨張可能な部材が、膨張状態で円筒形状を画定するように構成されている、実施態様10に記載の装置。
(12) 前記膨張可能な部材が、膨張状態で略平坦な矩形形状を画定するように構成されている、実施態様10に記載の装置。
(13) 前記エンドエフェクタが、前記パネルの第2の表面上に位置決めされた1つ又は2つ以上の参照電極を更に含み、前記第2の表面が、前記第1の表面の反対側にある、実施態様1に記載の装置。
(14) 前記パネルの前記第2の表面は、前記1つ又は2つ以上の参照電極が前記第2の表面に隣接する組織に接触するのを防止するための機構を含む、実施態様13に記載の装置。
(15) 前記マッピング電極が、前記第1の表面に沿って行及び列の第1のマトリックスで配置され、前記アブレーション電極が、前記第1の表面に沿って行及び列の第2のマトリックスで配置され、前記第2のマトリックスが、前記第1のマトリックスからオフセットされている、実施態様1に記載の装置。
【0120】
(16) 前記エンドエフェクタが、複数の温度センサを更に含む、実施態様1に記載の装置。
(17) 前記パネルが、前記パネルを通る複数の開口部を更に画定する、実施態様1に記載の装置。
(18) 前記パネルが、複数のストリップを分離する複数の切断部を画定し、前記ストリップが、前記切断部で互いに対して移動可能である、実施態様1に記載の装置。
(19) 装置であって、
(a)カテーテルであって、前記カテーテルの少なくとも一部分が、心臓血管系の内腔内に嵌合するようにサイズ決め及び構成されている、カテーテルと、
(b)前記カテーテルの遠位端に位置決めされたエンドエフェクタと、を備え、前記エンドエフェクタが、
(i)第1の表面及び第2の表面を画定するパネルであって、前記第2の表面が、前記第1の表面の反対側にある、パネルと、
(ii)前記パネルの前記第1の表面に沿って第1のグリッドで配置された複数のマッピング電極であって、前記マッピング電極が、前記マッピング電極に接触する組織内の電位を感知するように構成されている、複数のマッピング電極と、
(iii)前記パネルの前記第1の表面に沿って第2のグリッドで配置された複数のアブレーション電極であって、前記アブレーション電極が、前記アブレーション電極に接触する組織をアブレーションするように動作可能であり、前記第2のグリッドが、前記第1のグリッドからオフセットされている、複数のアブレーション電極と、を含む、装置。
(20) 装置であって、
(a)カテーテルであって、前記カテーテルの少なくとも一部分が、心臓血管系の内腔内に嵌合するようにサイズ決め及び構成されている、カテーテルと、
(b)前記カテーテルの遠位端に位置決めされたエンドエフェクタと、を備え、前記エンドエフェクタが、
(i)第1の表面及び第2の表面を画定するパネルであって、前記第2の表面が、前記第1の表面の反対側にある、パネルと、
(ii)前記パネルの前記第1の表面に沿って位置決めされた複数のマッピング電極であって、前記マッピング電極が、前記マッピング電極に接触する組織内の電位を感知するように構成されている、複数のマッピング電極と、
(iii)前記パネルの前記第1の表面に沿って位置決めされた複数のアブレーション電極であって、前記アブレーション電極が、前記アブレーション電極に接触する組織をアブレーションするように動作可能であり、前記第2のグリッドが、前記第1のグリッドからオフセットされている、複数のアブレーション電極と、
(iv)前記パネルの前記第2の表面上に位置決めされた1つ又は2つ以上の参照電極と、を含む、装置。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【国際調査報告】