(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-24
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置用の追加的なクリーニング要素を有するクリーニングツール
(51)【国際特許分類】
A24F 40/85 20200101AFI20221116BHJP
【FI】
A24F40/85
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022517480
(86)(22)【出願日】2020-09-17
(85)【翻訳文提出日】2022-03-17
(86)【国際出願番号】 EP2020076054
(87)【国際公開番号】W WO2021053120
(87)【国際公開日】2021-03-25
(32)【優先日】2019-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158469
【氏名又は名称】大浦 博司
(72)【発明者】
【氏名】ボローニャ マッテオ
(72)【発明者】
【氏名】カリニャーニ フェルディナンド
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AF01
(57)【要約】
エアロゾル発生装置用のクリーニングシステムは、クリーニングヘッドを有するクリーニング本体と、クリーニング本体の少なくとも一部を収容するように構成されたハウジングとを備える第一のクリーニングツールを備える。ハウジングは第一のキャップおよび第二のキャップによって形成されていて、第二のキャップはクリーニングヘッドを適合するように構成されている。クリーニングシステムは、係合部分として機能する第一の部品と、掻き取り表面を備える第二の部品とを備える第二のクリーニングツールをさらに備える。第一のクリーニングツールおよび第二のクリーニングツールは、エアロゾル発生装置の異なる部品をクリーニングするために構成されていて、第二のクリーニングツールは、第一のクリーニングツール内に取り外し可能に適合されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置用のクリーニングシステムであって、
クリーニングヘッドを有するクリーニング本体と、前記クリーニング本体の少なくとも一部を収容するように構成されたハウジングとを備える第一のクリーニングツールであって、前記ハウジングが第一のキャップおよび第二のキャップによって形成されていて、前記第二のキャップが前記クリーニングヘッドを適合するよう構成されている、第一のクリーニングツールと、
係合部分として機能する第一の部品と、掻き取り表面を備える第二の部品とを備える第二のクリーニングツールと、を備え、
前記第一のクリーニングツールおよび前記第二のクリーニングツールが、前記エアロゾル発生装置の異なる部品をクリーニングするために構成されていて、かつ前記第二のクリーニングツールが前記第一のクリーニングツール内に取り外し可能に適合されている、クリーニングシステム。
【請求項2】
前記第一のキャップが前記クリーニングヘッドのためのハンドルを形成するように、前記第一のキャップが前記クリーニング本体の部品を適合する、請求項1に記載のクリーニングシステム。
【請求項3】
前記第二のクリーニングツールが、細長いテーパー付きの形状である、請求項1~2のいずれかに記載のクリーニングシステム。
【請求項4】
前記第二のクリーニングツールが伸縮自在に延在可能である、請求項1~3のいずれかに記載のクリーニングシステム。
【請求項5】
前記第一のキャップおよび前記第二のキャップのうちの一つが、前記第二のクリーニングツールを挿入するための、および引き抜くための開口部を備える、請求項1~4に記載のクリーニングシステム。
【請求項6】
前記第二のクリーニングツールの前記第二の部品が、前記開口部を通して前記ハウジングの中に挿入されている、請求項5に記載のクリーニングシステム。
【請求項7】
前記第二のクリーニングツールが、前記ハウジングの外側からアクセス可能である、請求項1~6のいずれかに記載のクリーニングシステム。
【請求項8】
前記係合部分が前記ハウジングの前記外側からアクセス可能である、請求項7に記載のクリーニングシステム。
【請求項9】
前記係合部分にノブが提供されている、請求項8に記載のクリーニングシステム。
【請求項10】
前記第二のクリーニングツールが、前記第一のクリーニングツールの前記ハウジング内に包囲されている、請求項1~6のいずれかに記載のクリーニングシステム。
【請求項11】
前記第二のクリーニングツールが、前記ハウジングの内部に取り外し可能に据え付けられている、請求項10に記載のクリーニングシステム。
【請求項12】
前記第二のクリーニングツールが、前記第一のクリーニングツールの前記クリーニングヘッドに据え付けられるように構成されている、請求項10または請求項11に記載のクリーニングシステム。
【請求項13】
前記第一のクリーニングツールが二つのクリーニングヘッドを備える、請求項1~12のいずれかに記載のクリーニングシステム。
【請求項14】
前記第一のクリーニングツールの前記クリーニングヘッドのうちの一つが、前記第一のクリーニングツールから取り外し可能である、請求項13に記載のクリーニングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生装置用のクリーニングツールに関する。特に、本発明は、エアロゾル発生装置の少なくとも発熱体をクリーニングするためのクリーニングツールに関する。
【背景技術】
【0002】
吸入可能なエアロゾルを発生するためのエアロゾル形成基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品は、当業界で周知である。典型的に、こうした加熱式エアロゾル発生物品において、エアロゾルは熱源から物理的に別個のエアロゾル形成基体への熱の伝達によって発生する。エアロゾル形成基体は、熱源内に、熱源の周りに、または熱源の下流に位置してもよい。使用中、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によってエアロゾル形成基体から放出され、エアロゾル発生物品を通して引き出された空気中に同伴される。放出された化合物は冷めるにつれて凝縮してエアロゾルを形成する。
【0003】
国際特許出願国際公開第2013/102614号は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体が発熱体と直接接触して加熱されてエアロゾルを形成する、電気的に作動するエアロゾル発生装置の例を開示している。発熱体は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体セグメントの中に挿入されるブレードの形態にある。加熱ブレードの代わりに、または加熱ブレードに加えて、加熱ピンをこうしたエアロゾル形成基体セグメントの中に挿入することも周知である。
【0004】
たばこ基体などのエアロゾル形成基体が加熱された時に、揮発性化合物が放出される。発熱体からの熱によって放出された揮発性化合物およびエアロゾルは、エアロゾル発生装置に、特に発熱体の表面に堆積されるようになる場合がある。エアロゾル形成基体自体の粒子もまた、特に発熱体がエアロゾル形成基体と直接接触している場合、発熱体に付着するようになる場合がある。例えば、国際特許出願国際公開第2013/102614号に記載の装置を使用する場合、加熱ブレードは、たばこ基体を摂氏200度を超過する温度に温め、揮発性化合物、ニコチン、およびグリセロールを放出する。しかしながら、残留物およびダストは、複数のエアロゾル発生物品の使用後に装置内で空洞内部に集まる傾向がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エアロゾル発生装置の発熱体上に、または空洞内に付着および堆積した粒子および化合物は、発熱体が最適な様態で機能することを妨げる場合がある。これらの粒子および化合物はまた、エアロゾル発生装置の使用中に崩壊し、不快な、または苦い風味をユーザーに与える場合がある。従って、発熱体と、発熱体が中に位置する空洞とを定期的にクリーニングすることが望ましい。
【0006】
本発明は、前述の技術的問題を解決し、エアロゾル発生装置用の改善されたクリーニングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の実施形態によると、クリーニングシステムは、クリーニングヘッドを有するクリーニング本体と、クリーニング本体の少なくとも一部を収容するように構成されたハウジングとを備える第一のクリーニングツールを備える。クリーニングシステムは、係合部分として機能する第一の部品と、掻き取り表面を備える第二の部品とを有する第二のクリーニングツールをさらに備える。第一のクリーニングツールおよび第二のクリーニングツールは、エアロゾル発生装置の異なる部品をクリーニングするために構成されている。第二のクリーニングツールは、第一のクリーニングツール内に取り外し可能に適合されている。
【0008】
本明細書で使用される「掻き取り表面」という用語は、エアロゾル発生装置の表面に対して、掻き取る、撫でる、ブラッシングする、スワブで擦る、または別の方法でクリーニング動作を行うために構成されているクリーニングツールの任意の表面に関する。
【0009】
本発明によるクリーニングシステムは有利なことに、エアロゾル発生装置の異なる部品をクリーニングするために使用されてもよい。第一のクリーニングツールは、加熱チャンバーの主表面、または発熱体の表面をクリーニングするように形成されてもよい。第二のクリーニングツールは、第一のクリーニングツールを用いて簡単にアクセス可能ではない場合がある、加熱チャンバーの他の表面(加熱チャンバーの底部など)をクリーニングするように形成されてもよい。このようにして、本発明のクリーニングシステムは、ユーザーがエアロゾル発生装置をより徹底的にクリーニングすることを可能にする。
【0010】
クリーニングシステムのハウジングは、複数の部品によって形成されてもよい。有利なことに、ハウジングは第一のキャップおよび第二のキャップによって形成されている。
【0011】
第一のキャップは、クリーニングシステムの第一のクリーニングツールのクリーニング本体の少なくとも一部を適合してもよい。第一のキャップは、第一のクリーニングツールのクリーニングヘッドのためのハンドルを形成してもよい。クリーニングシステムの使用時に、第一のクリーニングツールのクリーニングヘッドが、クリーニングされるエアロゾル発生装置の表面と係合している間、第一のキャップはユーザーの手によって把持されてもよい。
【0012】
第二のキャップは、第一のキャップと係合して、本質的に閉じたハウジングを形成するように構成されてもよい。第二のキャップは、第一のクリーニングツールのクリーニングヘッドを適合するように構成されてもよい。第一のキャップおよび第二のキャップが互いに係合している時、本発明の第一のクリーニングツールのクリーニングヘッドは、第一のキャップおよび第二のキャップによって形成されたハウジングに適合されている。このようにして、第一のキャップおよび第二のキャップは同時に、クリーニングツールが能動的に使用されていない時(クリーニングシステムの輸送中など)に、第一のクリーニングツールを不注意による損傷および/または汚染から効率的に保護する。
【0013】
二つのキャップの間の接続、およびキャップと第一のクリーニングツールとの間の接続はそれぞれ、当業者に周知の任意の接続手段によって確立されることができる。特に、接続は、ねじ接続、摩擦嵌め接続、またはぴったりと合う接続でありうる。クリーニングするために第一のクリーニングツールを使用する間、第一のキャップは第一のクリーニングツールに取り付けられたままであってもよい。クリーニングするために第一のクリーニングツールを使用する間、第一のキャップはハンドルとして使用されてもよい。第一のキャップと第一のクリーニングツールとの間の接続は、これらの二つの部品の間の相対的な回転が防止されるようなものであってもよい。キャップとクリーニングツールの間の接続手段は、互いに係合する、かつそれによってこれらの部品間の相対的回転を効率的に防止する、長軸方向の溝を含んでもよい。
【0014】
一実施形態において、第一のキャップおよび第二のキャップとクリーニングツールとの間の接続は、スナップ嵌め接続とすることができる。第一のキャップおよび第二のキャップは、第一のクリーニングツールの対応する接続機構と係合する接続機構を有してもよい。第一のキャップおよび第二のキャップのうちの少なくとも一つは、適切な弾性率を有する任意の材料から形成されてもよい。第一のキャップおよび第二のキャップのうちの少なくとも一つは、弾性高分子材料などのプラスチック材料から形成されてもよい。キャップは、キャップのうちの一つとクリーニングツールとの間に増加した摩擦を一時的に発生させることによって、第一のクリーニングツールから係脱されてもよい。次いで、クリーニングツールとのより低い摩擦を一時的に有するキャップを除去してもよい。摩擦の増加は、第一のキャップまたは第二のキャップの可撓性部分を圧迫する、押す、または押圧することによって得ることができる。これは、クリーニングシステムの簡単な使用および信頼性のある取り扱いを可能にする。
【0015】
第一のクリーニングツールのクリーニング本体は、エアロゾル発生装置の発熱体を受容するための陥凹部を画定してもよい。陥凹部は、クリーニングヘッドの全長に沿って延びてもよい。陥凹部は、クリーニングヘッドの全長の一部に沿って延びてもよい。クリーニングヘッドには、クリーニングヘッドの陥凹部の中に内向きに延びる、または突出する少なくとも一つの突出部が提供されてもよい。
【0016】
クリーニング本体は、加熱ブレードまたは加熱ピンなどの一つ以上の発熱体を包含するエアロゾル発生装置の加熱チャンバーまたは空洞の中に挿入可能であってもよい。クリーニング本体は、エアロゾル発生装置のこうした発熱体を受容するための陥凹部を有する。クリーニング本体のクリーニングヘッド内には、陥凹部の中に延びる、または突出する少なくとも一つの突出部があってもよい。
【0017】
有利なことに、陥凹部の中に延びる少なくとも一つの突出部を有する第一のクリーニングツールを提供することによって、第一のクリーニングツールは、第一のクリーニングツールを発熱体に対して移動させることによって発熱体をクリーニングするために使用されてもよく、それによって少なくとも一つの突出部は、発熱体が第一のクリーニングツールの陥凹部内に配置されている時に、発熱体と係合する。従って、陥凹部および少なくとも一つの突出部は、第一のクリーニングツールのクリーニング部分を形成することができ、これは発熱体をクリーニングするために使用されることができる。
【0018】
少なくとも一つの突出部は弾性変形可能であることが好ましい。これは、少なくとも一つの突出部のクリーニング効果を改善することができる。例えば、これは、クリーニング中に少なくとも一つの突出部と発熱体の間の接触時間を増加させるのに役立つ場合がある。これはまた、クリーニング中に少なくとも一つの突出部が発熱体を損傷するリスクを低減するのに役立つ場合がある。
【0019】
従って、少なくとも一つの突出部は、可撓性の材料で形成されていることが好ましい。可撓性材料は好ましくは、第一のクリーニングツールが装置内の空洞内で移動された時に、少なくとも一つの突出部が発熱体に当接しながら、それを損傷することなく曲がることができるような材料であるべきである。発熱体と接触する間のこの曲げ動作は、発熱体の拭き取り動作をもたらし、それによって発熱体から破片を除去することができる。
【0020】
少なくとも一つの突出部は、Arnitel、Hytrel、Dryflex、Mediprene、Kraton、Pibiflex、Sofprene、およびLapreneのうちの一つ以上などの一つ以上の熱可塑性エラストマー(TPE)を含むか、またはそれから形成されていることが好ましい。
【0021】
陥凹部内に配置された少なくとも一つの突出部は、第一のクリーニングツールのクリーニング本体と同じ材料で形成されてもよい。陥凹部内に配置された少なくとも一つの突出部は、第一のクリーニングツールのクリーニング本体を形成する材料と異なる材料で形成されていることが好ましい。例えば、第一のクリーニングツールのクリーニング本体は、成形可能プラスチックで形成されてもよく、また陥凹部内に配置された少なくとも一つの突出部は、一つ以上の熱可塑性エラストマーなどの可撓性の材料で形成されてもよい。
【0022】
陥凹部内に配置された少なくとも一つの突出部は、接着剤によってクリーニング本体に固定されてもよい。少なくとも一つの突出部は、クリーニング本体に機械的に固定されてもよい。
【0023】
クリーニング本体は、エアロゾル発生装置の空洞の中に挿入されることを可能にすることができる任意の適切な形状を有してもよい。クリーニング本体は実質的に円筒状であることが好ましい。すなわち、クリーニング本体は実質的に円形断面の形状を有することが好ましい。これは、幾つかの理由のため有利でありうる。例えば、大半のエアロゾル発生物品は概して円筒状であるため、エアロゾル発生装置のための空洞も概して円筒状であることが多い。円筒状のクリーニング本体を有する第一のクリーニングツールを提供することによって、第一のクリーニングツールは、こうしたエアロゾル発生装置の空洞内に簡単に位置することができる。さらに、クリーニング本体の円筒形状は、第一のクリーニングツールおよび特に第一のクリーニングツールの少なくとも一つの突出部が、装置の空洞内の発熱体と適切に整列していることを確実にするのに役立つことができる。これは第一のクリーニングツールのクリーニング効果を改善するために役立ちうる。加えて、クリーニング本体の円筒形状は、エアロゾル発生物品用の容器内に第一のクリーニングツールが保管され、かつ搬送されることを可能にすることができる。これは、他の場合で容器内でエアロゾル発生物品によって占められていたかもしれない空間を、ツールが占めることができるためである。
【0024】
第一のクリーニングツールのクリーニング本体は、およそ40ミリメートル~およそ60ミリメートルの全長を有することが好ましい。第一のクリーニングツールのクリーニング本体は、およそ50ミリメートルの全長を有することが好ましい。
【0025】
第一のクリーニングツールのクリーニング本体は、およそ6ミリメートル~およそ11ミリメートルの外径を有することが好ましい。第一のクリーニングツールのクリーニング本体は、およそ10ミリメートルの外径を有することが好ましい。
【0026】
少なくとも一つの突出部は実質的に平面であることが好ましい。実質的に平面状の突出部の主要な寸法は、クリーニング本体の長さの少なくとも一部分に沿って延びることが好ましい。実質的に平面状の突出部の主要な寸法は、クリーニング本体の長軸方向軸に平行な線に沿って延びる。実質的に平面状の突出部は有利なことに、発熱体との増大した接触面積を有することができるので、ブラシなどの他のクリーニング物体よりも改善されたクリーニング効果を提供する場合がある。
【0027】
陥凹部内に配置された少なくとも一つの突出部は、クリーニング本体の長さの少なくとも20パーセントに沿って延びることが好ましい。陥凹部内に配置された少なくとも一つの突出部は、クリーニング本体の長さの少なくとも30パーセントに沿って延びることがより好ましい。陥凹部内に配置された少なくとも一つの突出部は、クリーニング本体の長さの70パーセント未満に沿って延びることが好ましい。突出部がこうした長さに沿って延びるように配設することによって、突出部は、発熱体の長さの大部分またはすべてをクリーニングするために使用されることができる。
【0028】
少なくとも一つの突出部は、クリーニング本体の周辺領域からクリーニング本体の半径方向中心に向かって延びることが好ましい。
【0029】
単一の突出部が陥凹部内に提供されてもよい。別の方法として、少なくとも一つの突出部は、複数の突出部から成ってもよく、その各々は陥凹部の中に内向きに延びる、または突出する。これは第一のクリーニングツールのクリーニング効率を増加するために役立つ場合がある。
【0030】
突出部は、陥凹部の周りに均一に配置されていることが好ましい。これは、陥凹部内に配置された発熱体のより均一なクリーニングを提供するために役立つ場合がある。
【0031】
陥凹部は第一のクリーニングツールのクリーニング本体の全長を通って延びてもよい。別の方法として、陥凹部は、細長い本体の遠位端面から、細長い本体内の基部に延びてもよい。基部は、細長い本体の遠位端部分と細長い本体の近位端部分との間に配置されていることが好ましい。基部は、陥凹部の最も近位の点を画定してもよい。基部は、ツールがエアロゾル発生装置の空洞の中に極端に深く挿入されるのを防止するために使用されてもよい。
【0032】
陥凹部が細長い本体の遠位端面と細長い本体内の基部との間に延び、それ故にツールの細長い本体の長さの一部に沿ってのみ延びる場合、陥凹部の長さは細長い本体の長さの少なくとも10パーセントと等しいことが好ましい。陥凹部の長さは、細長い本体の長さの少なくとも25パーセントと等しいことがより好ましい。陥凹部の長さは、細長い本体の長さの少なくとも40パーセントと等しいことがなおより好ましい。
【0033】
クリーニング本体の端面にある開口部を除き、陥凹部はクリーニング本体によって完全に囲まれる場合がある。これは、クリーニング中に陥凹部内に堆積されるようになるあらゆる破片は、クリーニング後に当該陥凹部から簡単に逃れられない場合があることを意味する。これは有利なことに、ツールがエアロゾル発生装置から離れるように移動された後に、こうした破片が消費者または別の物品と接触する可能性を低減することができる。
【0034】
クリーニング本体は、クリーニング本体の側壁に沿って一つ以上の開口部を含んでもよく、また陥凹部は、クリーニング本体の端面から当該一つ以上の側面開口部に延びてもよい。こうした側面開口部は、所望する場合、消費者がクリーニングとクリーニングの間に陥凹部から破片を除去するために役立つ場合がある。例えば、消費者は第一のクリーニングツールを使用した後に、陥凹部または側面開口部のうちの一つを通して吹いて、陥凹部からあらゆる破片を払いのけることができる。こうした一つ以上の側面開口部の使用はまた、より少ない材料を使用して第一のクリーニングツールを製造することを可能にする場合がある。
【0035】
有利なことに、第一のクリーニングツールの内部領域内に第一のクリーニングツールのクリーニング部分を提供することによって、第一のクリーニングツールがエアロゾル発生装置の空洞から取り外された後に、クリーニング中に第一のクリーニングツールによって除去された汚れまたは破片は、消費者の指などの他の物体と接触する可能性がより低い。従って、第一のクリーニングツールをより簡単に取り扱いうる。
【0036】
クリーニングシステムは、エアロゾル発生物品のサイズおよび形状に適合するようにサイズ設定および形状設定されてもよい。特に、クリーニングシステムには、エアロゾル発生物品の断面形状と同等の断面形状が提供されてもよい。これは、エアロゾル発生物品の容器が製造される時に、クリーニングシステムをエアロゾル発生物品のバンドルの中に含むことを可能にする場合がある。これは、本発明による一つ以上のクリーニングシステムが、エアロゾル発生物品の容器内で消費者に供給されることを可能にする場合がある。
【0037】
別の方法として、または追加的に、クリーニング本体は、クリーニング本体の端面にて掻き取り表面を備えてもよい。掻き取り表面は、エアロゾル発生装置の空洞内の表面、および特に空洞の基部に配置された表面の機械的なクリーニングを可能にすることができる。言い換えると、掻き取り表面は、エアロゾル発生装置の空洞の内表面、および特に空洞の基部に配置された一つ以上の表面をクリーニングするように構成されていることが好ましい。
【0038】
従って、第一のクリーニングツールは、エアロゾル発生装置をクリーニングするための二つのクリーニング手段を備えてもよい。第一の手段は、エアロゾル発生装置の発熱体をクリーニングするためのツールの陥凹部内に配置された少なくとも一つの突出部である。第二の手段は、エアロゾル発生物品の発熱体を包含する、空洞の基部表面をクリーニングするための第一のクリーニングツールのクリーニング本体の遠位端面に配置された掻き取り表面である。こうした二重のクリーニング手段は、発熱体とエアロゾル発生装置の空洞の基部との両方を単一動作でクリーニングすることを可能にしてもよい。
【0039】
第一のクリーニングツールの掻き取り表面は、第一のクリーニングツールの端面にて平面または曲面であってもよい。第一のクリーニングツールの掻き取り表面は、第一のクリーニングツールの二つの縁の収斂によって形成された鋭利な先端であってもよい。例えば、掻き取り表面は、クリーニング本体の端面にて突出部の第二の組によって画定されてもよい。突出部の第二の組の各突出部は、掻き取り表面を画定する湾曲した縁を有してもよい。こうした曲面は、エアロゾル発生装置の空洞の基部にある曲面に適合するように形状設定されてもよい。
【0040】
突出部の第二の組の各突出部は、陥凹した部分の周りに延びる少なくとも二つの隆起を備える歯の形態であってもよい。各歯は、陥凹した部分を部分的に包囲する三つの接続された隆起を備えることが好ましい。真ん中の隆起は凸状の前縁を有し、また真ん中の隆起の両側の隆起はそれぞれ、凹状の前縁を有することが好ましい。
【0041】
第二の突出部は、陥凹部の周りに均一に配置されていることが好ましい。
【0042】
第一のクリーニングツールは、掻き取り表面を形成する六つ以下の突出部を備えることが好ましく、掻き取り表面を形成する四つ以下の突出部を備えることがより好ましい。一部の好ましい実施形態において、掻き取り表面を形成する複数の突出部は2個~4個の突出部から成る。一部の特に好ましい実施形態において、掻き取り表面を形成する複数の突出部は3個の突出部から成る。
【0043】
掻き取り表面は、クリーニング本体の端面の周辺領域の周りに配置されていることが好ましい。
【0044】
掻き取り表面は剛直な材料で形成されていることが好ましい。掻き取り表面は、クリーニング本体を形成する材料と同じ材料で形成されていることが好ましい。掻き取り表面は、ポリイミドなどのプラスチックで形成されていることが好ましい。
【0045】
本発明のクリーニングシステムは、第二のクリーニングツールを備える。第二のクリーニングツールは、第一のクリーニングツールによってクリーニングされるエアロゾル発生装置の部品と異なるエアロゾル発生装置の部品(複数可)をクリーニングするように、または同じ部品でのクリーニング能力のさらなる微調整を提供するように構成されている。
【0046】
実施形態において、第二のクリーニングツールは、細長いテーパー付きのいずれかの真っ直ぐな形状を有してもよい。第二のクリーニングツールは、つまようじ、針状のスティック、または円筒形状のスティックの形状を有してもよい。第一のツールは、発熱体および加熱空洞の基部表面をクリーニングするために主に使用されてもよい一方で、第二のツールは、空洞の側面、または空洞の基部表面の隅の区域、もしくはエアロゾル発生物品が中に挿入される抜き取り手段の空洞をクリーニングするために使用されてもよい。
【0047】
第二のクリーニングツールは、延在可能であってもよい。第二のクリーニングツールは、伸縮自在に延在可能であってもよい。このようにして、引っ込められた状態において、第二のクリーニングツールは、クリーニングシステムのハウジング内に完全に格納されてもよい。使用に伴い、第二のクリーニングツールは延ばされた状態にされてもよく、この状態において第二のクリーニングツールは、ユーザーがクリーニングのためにエアロゾル発生装置の加熱空洞のすべての表面に届くことを可能にするように十分に長い。第二のクリーニングツールはまた、エアロゾル発生物品が中に挿入される抜き取り手段の空洞をクリーニングするためにも使用されてもよい。
【0048】
第一のキャップおよび第二のキャップのうちの一つは、開口部を備えてもよく、この開口部を通して第二のクリーニングツールが挿入され、クリーニングシステムのハウジングから抜き取られてもよい。開口部の形状は、第二のクリーニングツールの断面形状に適合されてもよい。例えば、開口部の形状は、第二のクリーニングツールが開口部の中に完全に挿入されている時に、第二のクリーニングツールがハウジング内に摩擦で保持されてもよいように設計されてもよい。
【0049】
第二のクリーニングツールは、係合部分として機能する第一の部品と、掻き取り表面を備える第二の部品とを備えてもよい。第二のクリーニングツールは、ハウジングの開口部の中に挿入されてもよい。第二のクリーニングツールは、掻き取り表面を前方にして、ハウジングの開口部の中に挿入されてもよい。
【0050】
ハウジングの中に挿入された時、第二のクリーニングツールは、ハウジングの外側からアクセス可能であってもよい。第二のクリーニングツールの係合部分は、ハウジングの外側からアクセス可能であることが好ましい。このようにして、エアロゾル発生装置をクリーニングするための第二のクリーニングツールにアクセスするために、クリーニングシステムのキャップを係脱する必要はない。これはクリーニングシステムの有用性を増大する。
【0051】
係合部分は、ユーザーが第二のクリーニングツールを動作するように構成されてもよい。係合部分には、ユーザーが第二のクリーニングツールをしっかりと、かつ確実に把持することを可能にする把持要素が提供されてもよい。把持要素は、ハンドルまたはノブであってもよい。把持要素は概して、第二のクリーニングツールの係合端での厚さが増大した区域を表す場合がある。把持要素は同時に、停止要素として機能してもよく、第二のクリーニングツールがクリーニングシステムのハウジングの中に極端に深く挿入されることを防止してもよい。
【0052】
実施形態において、第二のクリーニングツールは、ハウジングの外側からアクセス可能ではない場合があるが、クリーニングシステムのハウジング内に完全に格納されてもよい。これらの実施形態において、第二のクリーニングツールにアクセスするために、第二のクリーニングツールを使用することができる前に、クリーニングシステムのハウジングを開く必要がある。
【0053】
第二のクリーニングツールは、ハウジングの内部に取り外し可能に据え付けられてもよい。より詳細に、第二のクリーニングツールは、クリーニングシステムのハウジングの第一のキャップまたは第二のキャップに取り外し可能に据え付けられてもよい。
【0054】
第二のクリーニングツールを使用するために、第二のクリーニングツールをハウジングから取り外してもよく、次いでエアロゾル発生装置のクリーニングのために使用してもよい。
【0055】
第二のクリーニングツールはまた、クリーニングシステムの部品のうちの一つに据え付けられるように構成されてもよい。第二のクリーニングツールが据え付けられるクリーニングシステムの部品は次いで、第二のクリーニングツールのためのハンドルとしての役割を果たしてもよい。係合セクションは、クリーニングシステムの第一のキャップ、第二のキャップ、およびクリーニングヘッドのいずれかに取り付けられるように構成されてもよい。これらの部品のいずれかをハンドルとして使用することによって、第二のクリーニングツールの有用性が増大する場合がある。
【0056】
キャップのうちの一つの内部にて、管状支持構造が提供されてもよい。第二のクリーニングツールは、ハウジングが閉じていて、かつクリーニングシステムが使用されていない時に、この管状支持構造内に適合されてもよい。管状支持構造の内径は、第二のクリーニングツールの外径に対応してもよく、これによって第二のクリーニングツールは、摩擦によって適所に保持される。第二のクリーニングツールを使用するために、第二のクリーニングツールは管状支持構造から取り外されてもよい。第二のクリーニングツールは、いずれかのキャップの外側表面に再び取り付けられてもよい。この点に関して、管状支持構造は、対応するキャップの端面に開口部を形成する中空チャネルを画定してもよい。開口部はまた、第二のクリーニングツールの寸法に対応する寸法を有してもよい。第二のクリーニングツールは、この開口部の中に挿入されてもよく、かつ摩擦によって定位置に保持されてもよい。
【0057】
管状支持構造は、キャップを通る貫通穴を画定するように構成されてもよい。第二のクリーニングツールは、管状支持構造によって画定された貫通穴のいずれかの側の中に挿入されてもよい。クリーニングシステムが使用されていない時、第二のクリーニングツールは、内部から管状支持構造の中に挿入されている。クリーニングシステムが使用中である時、第二のクリーニングツールは、対応するキャップの端面にて外側から管状支持構造の中に挿入されてもよい。
【0058】
第二のクリーニングツールは、任意の適切な材料から作製されてもよい。第二のクリーニングツールは、木材または高分子材料から作製されてもよい。これらの材料は、エアロゾル発生装置の加熱空洞の構造と比較してかなり軟らかい。これは、クリーニングの際にエアロゾル発生装置を損傷するリスクを低減する。
【0059】
第二のクリーニングツールは、長軸方向のスリットを備える、概して円筒状の形状を有してもよい。長軸方向のスリットは、その上にクリーニングスワブを据え付けるために構成されてもよい。クリーニングスワブは、概して長方形の形状であってもよく、長軸方向のスリットの寸法に対応する寸法を有してもよい。特に、長軸方向のスリットの長さは、クリーニングスワブの長さに対応してもよい。クリーニングスワブを長軸方向のスリット内に据え付けるために、クリーニングスワブの一方の縁は長軸方向のスリットの中に挿入されてもよい。その後、クリーニングスワブは、第二のクリーニングツールの円筒状の部分の周りに巻かれてもよい。このようにして、クリーニングスワブは、エアロゾル発生装置の加熱チャンバーの内側をクリーニングするために使用されてもよい円筒状のクリーニングヘッドを形成する。
【0060】
実施形態において、第一のクリーニングツールは、クリーニング本体の対向する端に二つのクリーニングヘッドを有してもよい。第二のクリーニングヘッドは、上述の第一のクリーニングヘッドと同一であってもよい。第二のクリーニングヘッドはまた、第一のクリーニングヘッドと異なる構造を有してもよい。例えば、第二のクリーニングヘッドはブラシの形態を有してもよい。
【0061】
第二のクリーニングヘッドは、綿棒の形態を有してもよい。綿棒は、クリーニングされる加熱チャンバーに適合する特別な形状を有してもよい。綿棒はさらに、イソプロパノールなどの溶媒によって含浸されてもよい。これは、エアロゾル発生装置の加熱チャンバーのクリーニングを容易にする場合がある。
【0062】
ブラシは、クリーニング本体に永久的に固定されてもよく、またはクリーニング本体から取り外し可能であってもよい。ブラシがクリーニング本体から取り外し可能である場合、ブラシは、異なるブラシ構成を有する二つの端を有するように形成されてもよい。第二のクリーニングヘッドはまた、ブラシとして構成された一方の端と、綿棒として構成された一方の端とを有するように形成されてもよい。
【0063】
ユーザーは、どのクリーニングヘッドを使用するべきかを選ぶことができる。クリーニングシステムのハウジングの第一のキャップおよび第二のキャップだけでなく、それらの接続も、第一のキャップと第二のキャップの両方が第一のクリーニングツールから取り外し可能であるように設計されている。これは、キャップと第一のクリーニングツールとの間の摩擦を変えるために押圧されてもよい、または押されてもよい、十分に弾性である材料から両方のキャップを製造することによって実現されている。
【0064】
第一のキャップをクリーニングシステムから取り外すことによって、ユーザーは、第一のクリーニングツールの第一のクリーニングヘッドを露出してもよい。第二のキャップは、第一のクリーニングツールに固定されたままであり、第一のクリーニングツールの第一のクリーニングヘッドを使用するためのハンドル部分を形成してもよい。
【0065】
第二のキャップをクリーニングシステムから取り外すことによって、ユーザーは、第一のクリーニングツールの第二のクリーニングヘッドを露出してもよい。この場合において、第一のキャップは、第一のクリーニングツールに固定されたままであり、第一のクリーニングツールの第二のクリーニングヘッドを使用するためのハンドル部分を形成する。
【0066】
第二のクリーニングツールは、いずれかのキャップに含まれてもよい。第二のクリーニングツールがハウジング内に完全に備えられている実施形態において、第二のクリーニングツールを延在可能なクリーニングツールとして構成することが特に有利である。ハウジング内の使用可能な空間とは無関係に、クリーニングツールは、クリーニングのために必要な長さに延ばすことができる。クリーニングツールは、その延ばした構成の状態にクリーニングツールを保つための保持手段を有してもよい。この構成において、クリーニングツールは、クリーニングのために使用されてもよい。クリーニング後、保持手段は、クリーニングツールをその収縮した位置に戻すために、ユーザーによって開放されてもよい。
【0067】
第二のクリーニングツールは、独立した要素として使用されることができる。第二のクリーニングツールはまた、キャップのうちの一つに取り付けられてもよい。このようにして、キャップは、第二のクリーニングツールの取り扱いと使用をより簡単にするハンドル部分を形成してもよい。
【0068】
一実施形態に関して説明される特徴は、本発明の他の実施形態にも等しく適用されてもよい。
【0069】
例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【
図1】
図1は、本発明のクリーニングシステムの第一の実施形態を示す。
【
図2】
図2は、第一のクリーニングツールのクリーニングヘッドを概略的に示す。
【
図3】
図3は、木製スティックの形態の第二のクリーニングツールを有するクリーニングシステムを示す。
【
図4】
図4は、第二のクリーニングツールがハウジング内に適合されているクリーニングシステムを示す。
【
図5】
図5は、
図4のクリーニングシステムに対する修正を示す。
【
図6】
図6は、二つのクリーニングヘッドを備える第一のクリーニングツールを有するクリーニングシステムを示す。
【
図7】
図7は、ブラシを備える第一のクリーニングツールの詳細を示す。
【
図8】
図8は、第二のクリーニングツールのさらなる一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0071】
図1は、本発明によるクリーニングシステム10の第一の実施形態を示す。クリーニングシステム10は、第一のキャップ11および第二のキャップ12を備える。クリーニングシステム10は、第一のクリーニングツール20および第二のクリーニングツール30をさらに備える。
【0072】
図1の一番上の図において、クリーニングシステム10のすべての要素は一緒に組み立てられていて、第一のキャップ11および第二のキャップ12は、クリーニングシステム10の閉じたハウジング14を形成する。第二のキャップ12を取り外して、第一のクリーニングツール20を露出することができる。第一のクリーニングツールは、クリーニング本体22およびクリーニングヘッド24を備える。第一のキャップ11は、第一のクリーニングツール20に取り付けられたままであり、第一のクリーニングツール20のクリーニングヘッド24を使用するためのハンドルを形成する。第一のクリーニングツール20のクリーニング本体22の少なくとも一部は、第一のキャップ11内に位置する。
【0073】
第一のクリーニングツール20のクリーニングヘッド24は、高分子材料から作製されていて、エアロゾル発生装置40の発熱体を受容するための陥凹部を画定する。クリーニングヘッド24には、クリーニングヘッド24の陥凹部の中に内向きに延びる、または突出する3個の突出部が提供されている。第一のクリーニングツール20のクリーニングヘッド24は、
図2を参照しながら以下により詳細に説明されている。
【0074】
第二のクリーニングツール30は、第一のクリーニングツール20内に取り外し可能に適合されている。第一のキャップ11は、その端面18にて開口部(図示せず)を有する。第二のクリーニングツール30は、
図1の真ん中の図に図示の通り、開口部を介して、第一のクリーニングツール20のキャップ11の中に、およびクリーニング本体22の中に挿入されることができる。
【0075】
図1の第四の図において、第二のクリーニングツール30は、クリーニングシステム10の残りの部分から完全に取り外されている。第二のクリーニングツール30は、細長いテーパー付き形状を有し、また係合部分32を備える。この実施形態において、第二のクリーニングツール30のクリーニングヘッド34は、高分子材料から作製されたテーパー付きのスティックである。
【0076】
クリーニングヘッド34は、増大した直径を有する円筒状据付部分36を介して係合部分32に据え付けられている。
【0077】
係合部分32は、ハウジング14の外側からアクセス可能である。それ故に、第二のクリーニングツール30は、ハウジング14を開くいかなる必要もなく、係合部分32を引くことによって、使用のために格納されることができる。
【0078】
図1の下の図に示す通り、第二のクリーニングツール30は、エアロゾル発生装置40の加熱チャンバー42の底面または側面をクリーニングするために使用されてもよい。
【0079】
図2は、
図1に図示する第一のクリーニングツール20の斜視概略図を示す。第一のクリーニングツール20は、概して円筒状の形状を有する細長いクリーニング本体22を備える。クリーニングヘッド24は、エアロゾル発生装置の発熱体を受容するための陥凹部25を画定する。
【0080】
クリーニングヘッド24は、突出部の第一の組26を備える。これらの突出部26の各々は、陥凹部25の中央領域の中に延びる。
図2の実施形態において、3個のこうした突出部26が提供されていて、当該突出部26は陥凹部25の周りで均一に離隔されている。
【0081】
図2のクリーニングツールの使用時に、発熱体の長さの少なくとも一部分が陥凹部25の長さの少なくとも一部分に沿って延びるように、発熱体は陥凹部25の中に挿入されることができる。次に、例えばクリーニングツール20を発熱体に対して回転させることによって、クリーニングツール20を発熱体に対して移動することができる。こうした回転移動は、発熱体の表面からの破片の除去を引き起こすことができる。
【0082】
クリーニングヘッド24はまた、突出部の第二の組28を備える。これらの突出部28はクリーニングヘッド24の周辺領域の周りに配置されていて、当該突出部28の各々はクリーニングヘッド24の中央領域に向かって延びている。
図2の実施形態において、12個のこうした突出部28が提供されていて、当該突出部28は陥凹部25の周りで均一に離隔されている。
【0083】
突出部28は突出部26よりも小さい。第二の突出部28は、ポリイミドなどの剛直な材料で形成されていることが好ましい。第一の突出部26は、熱可塑性エラストマーなどの可撓性材料で形成されていることが好ましい。
図2の実施形態において、第二の突出部28は細長いクリーニング本体22と一体的に形成されている。
【0084】
第二の突出部28は一緒に掻き取り表面を形成することができ、これは第一の突出部26のクリーニング機能と異なるクリーニング機能を提供するために使用されることができる。特に、第二の突出部28は、エアロゾル発生装置の発熱体を包含する空洞の基部をクリーニングするために使用されることができる。第二の突出部28のクリーニング機能は、空洞および発熱体に対するクリーニングツール20の移動によって開始されることができる。こうした移動は回転移動であってもよい。
【0085】
図3において、本発明のクリーニングシステム10のさらなる一実施形態が図示されている。第一のキャップ11および第二のキャップ12は、第一のクリーニングツール20用の閉鎖ハウジング14を形成する。
【0086】
第二のクリーニングツール30はこの場合も、第一のクリーニングツール20内に取り外し可能に適合されている。第一のキャップ11は、その端面18にて開口部16を有する。
図3の上の図で図示された矢印によって示す通り、第二のクリーニングツール20を、第一のキャップ11の開口部16を介して、第一のクリーニングツール20に挿入することができ、またこれから取り外すことができる。
【0087】
図3の第二の図において、第二のクリーニングツール30は、第一のクリーニングツール20から完全に抜き取られていて、取り外されている。第二のクリーニングツール30は、高分子材料から作製されたノブの形態の係合部分32を有する。
【0088】
第二のクリーニングツール30は、細長いテーパー付き形状を有する。第二のクリーニングツール30のクリーニングヘッド34は、掻き取り表面として機能する丸みのある端を有する細長い要素である。第二のクリーニングツール30のクリーニングヘッド34は、木材から作製されている。
【0089】
図3の第三の図は、分解された状態にあるクリーニングシステム10のすべての要素、すなわち第二のキャップ12、第一のクリーニングツール20を有する第一のキャップ11、および第二のクリーニングツール30を示す。
【0090】
図3の下の図は、第二のクリーニングツール30が、エアロゾル発生装置40の加熱チャンバー42をクリーニングするためにどのように使用されてもよいかを示す。
【0091】
図4は、本発明のクリーニングシステム10のさらなる一実施形態を示す。この実施形態において、第一のクリーニングツール20は、二つのクリーニングヘッド24a、24bを備え、第二のクリーニングツール30はハウジング14内に完全に適合されている。それ故に、この実施形態において、第二のクリーニングツール30は外側からアクセスできない。その代わりに、第二のクリーニングツール30にアクセスするためには、第一のキャップ11および第二のキャップ12を、互いに分離しなければならない。
【0092】
図4の上の図に示された構成において、第二のキャップ12は取り外されていて、また第一のクリーニングツール20は第一のキャップ11に取り付けられている。この構成において、第一のクリーニングツール20の第一のクリーニングヘッド24aは露出している。この第一のクリーニングヘッド24aは、
図1~3に図示の通りの第一のクリーニングツールのクリーニングヘッド24に対応する。
【0093】
図4の第二の図に図示の通り、ハウジング14は、第一のキャップ11が取り外されてもよい一方で、第二のキャップ12も第一のクリーニングツール20に取り付けられたままであってもよいように構成されている。両方のキャップ11、12は同じ材料から作製されていて、第一のクリーニングツール20とのスナップ嵌め接続を形成する。一方のキャップ12、11を押すことによって、かつそれぞれ他方のキャップ11、12を引くことによって、キャップ11、12のいずれかを第一のクリーニングツール20から取り外すことができる。
【0094】
図4の第二の図において、第一のクリーニングツール20の第二のクリーニングヘッド24bは露出している。第一のクリーニングツール10の第二のクリーニングヘッド24bは、ブラシの形態を有し、またエアロゾル発生装置の加熱チャンバーまたは発熱体をクリーニングするために有用である。
【0095】
加えて、クリーニングシステム10の第二のキャップ12内に、第二のクリーニングツール30が適合されている。第二のクリーニングツール30は、
図1に図示した第二のクリーニングツール30と類似していて、かつテーパー付き形状を有するポリマーの細長いスティックである。この実施形態において、第二のクリーニングツール30は伸縮自在に延長可能である。収縮した状態において、第二のクリーニングツール30は十分に短く、そのためハウジングが閉じている時に第一のクリーニングツール20内に適合されている。延長した状態において、第二のクリーニングツール30は、エアロゾル発生装置の加熱チャンバー(加熱チャンバーの底部を含む)をクリーニングするために効率的に使用されることができるほどに十分に長い。第二のクリーニングツール30はまた、エアロゾル発生物品の挿入を容易にするために使用される任意の支持構造の内部および底部をクリーニングするために使用されてもよい。
【0096】
図4の一番下の図に図示の通り、第二のクリーニングツール30は、独立したツールとして使用されてもよい。別の方法として、第二のクリーニングツール30はまた、第一のキャップ11に取り付けられたままであってもよい。後者の構成において、第一のキャップ11は、第二のクリーニングツール30の取り扱いをより簡単にするハンドルを形成してもよい。
【0097】
図5は、
図4のクリーニングシステム10の修正を示す。第二のクリーニングツール30は、第一のキャップ11内に提供された管状支持構造17内に適合されている。管状支持構造17は、端面18から第一のキャップ11の内側体積の中に延びる。管状支持構造17の一方の端は、第一のキャップ11の端面18にて開口部16を形成する。管状支持構造の内径は、第二のクリーニングツール30の外径に対応し、かつ摩擦によって第二のクリーニングツールを適所に保持する。
【0098】
図5に示す通り、第二のクリーニングツール30は三つの工程のみで、使える状態にされることができる。第一の工程において、第二のクリーニングツール30は、第一のキャップ11の管状支持構造17から取り外される。第二の工程において、第二のクリーニングツール30は180度回転され、第一のキャップ11の外側の端面18に移動される。第三の工程において、第二のクリーニングツール30は外側から、第一のキャップ11の端面18の開口部16の中に差し込まれる。このようにして、第一のキャップは、第二のクリーニングツール30の取り扱いをより簡単にするハンドルを形成してもよい。
図5の下の図は、使える状態の構成の、
図5の実施形態の第二のクリーニングツールを示す。
【0099】
図6は、
図4のクリーニングシステム10の修正を示す。第二のクリーニングツール30は、クリーニングシステム10のハウジング14内に完全に適合されていて、また第一のクリーニングツール20は、クリーニング本体22の対向する端にて二つのクリーニングヘッド24a、24bを備える。
図4の実施形態と対照的に、第二のクリーニングツール30は第一のキャップ11に取り付けられていないが、第一のクリーニングツール20の中心に適合されていて、かつ第一のクリーニングツール20に連結されている。第二のクリーニングツール30は伸縮自在な要素として構成されていて、また第一のクリーニングツール20から完全に抜き取られることができる。これは
図6の第三の図に図示されている。
【0100】
第一のクリーニングツール10の第二のクリーニングヘッド24bは、ブラシを備える。
図6の下の図に図示の通り、第二のクリーニングヘッド30は、第一のクリーニングツール20から取り外し可能であるように構成されている。第二のクリーニングツール20はその後、第一のクリーニングツール20の接続スリーブ35の中に再び挿入されてもよい。このようにして、第二のキャップ12と、第一のクリーニングツール20の残りの部分とは、第二のクリーニングツール30のためのハンドルとしての役割を果たしてもよい。別の方法として、
図5に示す通りと同様に、第二のクリーニングヘッド30は、キャップ11の端面上の開口部の外側から再び挿入されてもよく、これはその後、第二のクリーニングツール30のためのハンドルとしての役割を果たしてもよい。
【0101】
図7に図示の通り、第二のクリーニングツール30が接続スリーブ35の中に再び挿入されると、第一のキャップ11はまた、取り外されてもよい。この構成において、第一のクリーニングツール20の残りのクリーニング本体22は、第二のクリーニングツール30を操作するためのハンドルを形成する。
【0102】
図8は、本発明によるクリーニングシステム10のさらなる一実施形態を示す。第一のクリーニングツールは、
図1の実施形態に関連して上述した通りの第一のクリーニングツールと類似している。
【0103】
第二のクリーニングツール30は、概して円筒状の形状を有する延長可能要素である。第二のクリーニングツール30は、第一のクリーニングツール20から取り外し可能である。第二のクリーニングツール30の円筒状部分は、長軸方向のスリット44を備える。クリーニングスワブ46は、長軸方向のスリット内に据え付けられている。クリーニングスワブ46は、概して長方形の形状であり、また長軸方向のスリット44の長さに対応する長さを有する。クリーニングスワブを長軸方向のスリット内に据え付けるために、クリーニングスワブの一方の縁はスリットの中に挿入されている。その後、クリーニングスワブは、第二のクリーニングツール30の円筒状部分の周りに巻かれる。このようにして、クリーニングスワブは、エアロゾル発生装置の加熱チャンバーの内側をクリーニングするために使用されてもよい円筒状のクリーニングヘッドを形成する。
【0104】
図8に図示の通り、第一のクリーニングツール20のクリーニング本体は、第二のクリーニングツール30のためのハンドルを形成してもよい。別の方法として、第二のクリーニングツール30はまた、
図5の実施形態に関連して記載の通り、第一のキャップの端面に提供された開口部の中に外側から挿入されてもよい。
【国際調査報告】