(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-24
(54)【発明の名称】層構造、構成物、及びその形成方法と使用方法
(51)【国際特許分類】
B32B 9/00 20060101AFI20221116BHJP
B32B 9/06 20060101ALI20221116BHJP
B65D 81/34 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
B32B9/00 A
B32B9/06
B65D81/34 X
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022517734
(86)(22)【出願日】2020-09-18
(85)【翻訳文提出日】2022-05-18
(86)【国際出願番号】 US2020051424
(87)【国際公開番号】W WO2021055701
(87)【国際公開日】2021-03-25
(32)【優先日】2019-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504075588
【氏名又は名称】グラフィック パッケージング インターナショナル エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】ポートレイ,ライアン
(72)【発明者】
【氏名】スロート,ジェフリー,ティー.
【テーマコード(参考)】
3E013
4F100
【Fターム(参考)】
3E013BB06
3E013BB09
3E013BC01
3E013BC04
3E013BC13
3E013BC14
3E013BD02
3E013BD09
3E013BE01
3E013BE05
4F100AC03B
4F100AC03D
4F100AC10B
4F100AC10D
4F100AK01A
4F100AT00C
4F100BA03
4F100BA04
4F100BA07
4F100CC00A
4F100CC10B
4F100CC10D
4F100DG10C
4F100EH46
4F100JD02A
4F100JJ03A
4F100YY00A
(57)【要約】
層構造は、基板と、前記基板に塗布された粘土コーティングと、前記粘土コーティングに塗布された高性能コーティングとを備え、前記高性能コーティングは、通常のオーブン及び電子レンジのいずれかで加熱された場合に熱的に安定するように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に塗布される粘土コーティングと、
前記粘土コーティングに塗布される高性能コーティングと、を含み、前記高性能コーティングは、通常のオーブン及び電子レンジのいずれかで加熱された場合に熱的に安定であるように構成されている、層構造。
【請求項2】
前記高性能コーティングは、300°F(149℃)から450°F(232℃)の温度で加熱された場合に熱的に安定であるように構成される、請求項1に記載の層構造。
【請求項3】
前記高性能コーティングは、400°F(204℃)から450°F(232℃)の温度で加熱された場合に熱的に安定であるように構成される、請求項2に記載の層構造。
【請求項4】
前記高性能コーティングは、電子レンジにおいて300°F(149℃)から400°F(204℃)の温度で加熱された場合、及び通常のオーブンにおいて400°F(204℃)から450°F(232℃)の温度で加熱された場合に熱的に安定であるように構成される、請求項2に記載の層構造。
【請求項5】
前記高性能コーティングは、40°F(4℃)/秒から125°F(52℃)/秒までの温度変化率で加熱された場合に熱的に安定であるように構成される、請求項2に記載の層構造。
【請求項6】
前記高性能コーティングが液体バリアコーティングである、請求項2に記載の層構造。
【請求項7】
前記高性能コーティングがポリマーコーティングである、請求項2に記載の層構造。
【請求項8】
前記基板が板紙を含む、請求項2に記載の層構造。
【請求項9】
前記粘土コーティングは、前記基板の内面に塗布される第1の粘土コーティングであり、前記層構造は、前記基板の外面に塗布される第2の粘土コーティングをさらに含む、請求項8に記載の層構造。
【請求項10】
少なくとも一つの食品を保持するための構成体であって、
底部と、 側壁から上方に延在し前記構成体の内部の周りに少なくとも部分的に延在する少なくとも一つの側壁と、を含むプレス成形層構造を備え、
前記層構造は、
基板と、
前記基板に塗布される粘土コーティングと、
前記粘土コーティングに塗布される高性能コーティングと、を含み、前記高性能コーティングは、通常のオーブン及び電子レンジのいずれかで加熱された場合に熱的に安定であるように構成されている、構成体。
【請求項11】
前記高性能コーティングは、300°F(149℃)から450°F(232℃)の温度で加熱された場合に熱的に安定であるように構成される、請求項10に記載の構成体。
【請求項12】
前記高性能コーティングは、400°F(204℃)から450°F(232℃)の温度で加熱された場合に熱的に安定であるように構成される、請求項11に記載の構成体。
【請求項13】
前記高性能コーティングは、電子レンジにおいて300°F(149℃)から400°F(204℃)の温度で加熱された場合、及び通常のオーブンにおいて400°F(204℃)から450°F(232℃)の温度で加熱された場合に、熱的に安定であるように構成される、請求項11に記載の構成体。
【請求項14】
前記高性能コーティングは、40°F(4℃)/秒から125°F(52℃)/秒までの温度変化率での加熱を受ける場合に熱的に安定であるように構成される、請求項11に記載の構成体。
【請求項15】
前記高性能コーティングが液体バリアコーティングである、請求項11に記載の構成体。
【請求項16】
前記高性能コーティングがポリマーコーティングである、請求項11に記載の構成体。
【請求項17】
前記基板が板紙を含む、請求項11に記載の構成体。
【請求項18】
前記粘土コーティングは、前記基板の内面に塗布される第一の粘土コーティングであり、前記層構造は、前記基板の外面に塗布される第二の粘土コーティングをさらに含む、請求項17に記載の構成体。
【請求項19】
層構造を形成する方法であって、
基板を入手するステップと、
前記基板に粘土コーティングを塗布するステップと、
通常のオーブン及び電子レンジのいずれかで加熱された場合に高性能コーティングが熱的に安定であるように、前記高性能コーティングを前記粘土コーティングに塗布するステップと、を含む方法。
【請求項20】
前記高性能コーティングは、300°F(149℃)から450°F(232℃)の温度での加熱を受けた場合に熱的に安定であるように構成される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記高性能コーティングは、400°F(204℃)から450°F(232℃)の温度での加熱を受けた場合に熱的に安定であるように構成される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記高性能コーティングは、電子レンジにおいて300°F(149℃)から400°F(204℃)の温度で加熱された場合、及び通常のオーブンにおいて400°F(204℃)から450°F(232℃)の温度で加熱された場合に熱的に安定であるように構成される、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記高性能コーティングは、40°F(4℃)/秒から125°F(52℃)/秒までの温度変化率で加熱された場合に熱的に安定であるように構成される、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記高性能コーティングが液体バリアコーティングである、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記高性能コーティングがポリマーコーティングである、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記基板が板紙を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記粘土コーティングは、前記基板の内面に塗布される第一の粘土コーティングであり、前記層構造は、前記基板の外面に塗布される第二の粘土コーティングをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記高性能コーティングを前記粘土コーティングに適用する前記ステップは、前記高性能コーティングを前記粘土コーティング上にロールコーティングするステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項29】
前記高性能コーティングを前記粘土コーティングに適用する前記ステップは、前記高性能コーティングを前記粘土コーティング上にフローコーティングするステップを含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連する出願に対する相互参照]
本出願は、2019年9月20日に出願された米国仮特許出願第62/903,262号の利益を主張する。
【0002】
[引用による補充]
2019年9月20日に出願された米国仮特許出願第62/903,262号の開示は、すべての目的において、その全体が本明細書中に提示されている如く、引用により本明細書中に補充される。
【背景技術】
【0003】
本開示は、一般に、1つ以上の食品を保持するための構成体を形成するための層構造に関する。より具体的には、本開示は、1つ以上の食品を保持するための構成体を形成するための層構造に関するものであり、例えば、通常のオーブン及び電子レンジのような複数の様式に従った加熱に適した形態をその層構造に提供する高性能コーティングを含む。
【発明の概要】
【0004】
一つの態様によれば、層構造は、基板と、基板に塗布された粘土コーティングと、粘土コーティングに塗布された高性能コーティングとを含み、高性能コーティングは、通常のオーブン及び電子レンジのいずれかで加熱された場合に熱的に安定するように構成される。
【0005】
別の態様によれば、少なくとも1つの食品を保持するための構成体は、底部と、側壁から上方に延在し、構成体の内部の周囲に少なくとも部分的に延在する少なくとも1つの側壁とを含むプレス成形層構造を備える。層構造は、基板と、基板に塗布された粘土コーティングと、粘土コーティングに塗布された高性能コーティングとを含み、高性能コーティングは、通常のオーブン及び電子レンジのいずれかで加熱された場合に熱的に安定するように構成される。
【0006】
別の態様によれば、層構造を形成する方法は、基板を得ることと、基板に粘土コーティングを適用することと、高性能コーティングを粘土コーティングに適用して、高性能コーティングが通常のオーブン及び電子レンジのいずれかで加熱されたときに熱的に安定するようにすることとを備える。
【0007】
当業者であれば、以下に記載する図面を参照して、以下の詳細な説明を読むことで、上述の利点と様々な追加の実施形態の他の利点を理解するであろう。
【0008】
一般的な慣習によると、以下に説明する図面の様々な特徴は、必ずしも縮尺通りに描かれていない。図面中の様々な特徴及び要素の寸法は、本開示の実施形態をより明確に示すために拡大又は縮小され得る。
【0009】
対応する部品は、図面全体にわたって対応する参照番号によって指定される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の例示的な実施形態による層構造の概略断面図である。
【
図2】
図1の層構造の代替構成の概略断面図である。
【
図3】
図1の層構造から形成され、本開示の例示的実施形態による構成体を形成するためのブランクの平面図である。
【
図4】本開示の例示的実施形態による、
図3のブランクから形成される構成体の斜視図である。
【
図6】本開示の別の例示的な実施形態による、
図1の層構造から形成される構成体の斜視図である。
【
図7】本開示の別の例示的な実施形態による、
図1の層構造から形成される構成体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の様々な態様は、図を参照することによってさらに理解され得る。簡略化の目的で、同様の特徴を説明するために同様の数字が利用され得る。複数の類似の特徴が示されている場合、そのような特徴のすべてが必ずしも各図に表示されているわけではないことが理解されよう。また、構成体を形成するために使用される様々な構成要素は、交換され得ることも理解されよう。したがって、特定の組み合わせのみが本明細書に示されているが、多数の他の組み合わせ及び形態が本明細書で企図される。
【0012】
本開示による構成体は、多数の異なる形の物品を収容することができる。例示の目的であって、開示の範囲を限定する目的ではないが、以下の詳細な説明は、構成体の実施形態内に少なくとも部分的に配置された食品などの物品を説明する。本明細書では、「下方」、「底」、「上方」、「頂」、「前方」、及び「後方」という用語は、完全に組み立てられた構成体に関して決定された向きを示す。
【0013】
図1を参照すると、本開示の例示的実施形態による、構成体を形成するための材料層又はブランク又は層構造102の概略断面図が示されている。このような構成体は、例えば、米、ビスケット、果物、野菜、スープ、パスタなどの1つ以上の食品を保持するために使用することができる。そのような食品は、別個の部分で提供され得る冷凍又は非冷凍食品であり得る。本明細書に記載されるように、層構造102及びそれから形成される構成体は、通常のオーブンでの加熱中に高温にさらされたとき、並びに電子レンジでの入射マイクロ波放射からの加熱及びその結果としての温度の両方において、一貫した材料特性を実質的に維持するように構成された高性能コーティング114を備えている。
【0014】
引き続き
図1を参照すると、層構造102は、複合材料、例えば、板紙のような紙製品又は他の繊維ベースの材料から形成され得るベース層又は基板110を含むことができる。本明細書に記載するように、基板110は、層構造102の他の層/構成要素のための取付構造又は取り付け表面を支持及び/又は提供する。
【0015】
図に示すように、粘土コーティング112(概括的に「第一粘土層」)を基板110の少なくとも1つの表面上に設けることができる。粘土コーティング112は、一実施形態では、精製粘土などの鉱物物質であってもよく、その例としては、カオリナイト、炭酸カルシウム、ベントナイト、タルクなどが挙げられる。
【0016】
粘土コーティング112は、層構造102の少なくとも一部に所望の表面特性を提供することができる。例えば、粘土コーティング112は、基板110を構成する繊維状材料のギャップ及び/又は突出部に散在する配置で配置することができる。粘土コーティング112のそのような配置は、基板110に実質的に滑らかな/連続的な表面を提供することができる。さらに、粘土コーティング112の存在は、例えば、製品情報、広告情報、又は他の情報又は画像のための任意のインク又は他の印刷された印を受けるのに適した表面を提供することができる。一実施形態では、粘土コーティング112は、積層構造102の所望の構造特性、例えば、剛性、曲げ又は座屈に対する耐性などを提供/強化することができる。
【0017】
引き続き
図1を参照すると、層構造102は、粘土コーティング112上に配置された高性能コーティング114を含むことができる。高性能コーティング114は、粘土コーティング112上に、例えば、ロールコーティング(例えば、グラビア印刷、ロッド、フレキソ印刷装置など)及び/又はフローコーティングによって堆積され得る。一実施形態では、高性能コーティング114は、スプレー塗布、浸漬、蒸着、押出し、プレス、スタンピング、又は他の形態の積層などの他の塗布プロセスによって粘土コーティング112に塗布することができる。
【0018】
粘土コーティング112は、上述の層構造102に提供される全体的な利点に加えて、例えば、高性能コーティング114を受容するための実質的に滑らかで連続的な表面を提供することにより、粘土コーティング112と高性能コーティング114との間に所望の界面を提供することなどにより、高性能コーティング114を受容するための望ましい表面を提供することができる。一実施例では、高性能コーティング114は、基板110に直接塗布することができる。
【0019】
高性能コーティング114は、例えば、グリース/オイル、食物の流出、凝結などの流体の基板110への通過を最小化し、抑制し、又は防止するように、流体に対するバリア特性を提供することができる。さらに、高性能コーティング114は、層構造102から形成される様々な構成体の内部を画定する食品接触面又は食品対向面とすることができる。この点に関して、高性能コーティングは、食品との瞬間的な又は長期的な接触に適した材料、例えば、FDA準拠の材料を含むことができる。
【0020】
さらに、高性能コーティング114は、熱的に安定な、又は熱的に弾性のある材料、例えば、通常のオーブン及び電子レンジを含む加熱環境においてその材料及び構造特性(剛性、粘度、寸法特性など)を実質的に維持することができる材料で構成することができる。
【0021】
一実施形態では、高性能コーティング114は、通常のオーブンにおいて、約450°Fまでの温度、例えば約400°F(204℃)から約450°F(232℃)までの温度、例えば約425°F(218℃)で、熱的に安定/熱的に弾性であり得る。高性能層114はまた、約400°F(204℃)までの電子レンジ内の温度、例えば、約300°F(148℃)から約400°F(204℃)までの温度に耐えることができる。
【0022】
マイクロ波加熱環境において、入射マイクロ波放射は、温度の急激な上昇が層構造102またはそれから形成される構成体上に、内部に、又は近くに起こり得るような態様で、食品に関連する分子の励起を引き起こし得ることに留意されたい。しかしながら、高性能コーティング114は、このような急激に加熱される領域、例えば、温度変化DTが毎秒約40°F(4℃)から毎秒約125°F(51℃)の間にある領域において、熱的に安定/熱的に弾性があるように構成される。高DTの存在下でのそのような熱安定性/熱弾性は、例えば、高DTの存在下で軟化、反り、収縮、又は他の方法で変形する従来の層構造又は積層構造の層又はコーティングと比較して有利である。
【0023】
高性能コーティング114は、液体コーティング、高分子シート/層、又は粘土コーティング112への適用に適した他の材料とすることができる。一実施形態では、高性能コーティング114は、グリース/油及び/又は水分の浸透を最小化、抑制及び/又は防止する液体バリアを提供することができる。別の実施例では、高性能コーティング114は、フィルム、例えばヒートシール可能な蓋フィルムとの接触に適した表面を提供することに加えて、グリース/油及び/又は水分浸透に対する前述の保護を提供する液体コーティングとすることができる。
【0024】
層構造102は、本開示から逸脱することなく、異なる構成を有することができることが理解されよう。例えば、層構造102の配置の形成及び/又は維持を容易にするために、基板110、粘土コーティング112、及び高性能コーティング114のうちのいずれかの1つ以上の表面に接着剤を塗布することができる。別の例として、例えばサセプターのようなマイクロ波エネルギー相互作用材料などの追加の層又は材料を、上述の構成要素のいずれかに加えて、又はそれに代えて、提供することができる。
【0025】
図2を参照すると、層構造102の代替構成が示されており、この構成では、追加の粘土コーティング112(概括的に「第2の粘土コーティング」)が基板110の外面に施されている。基板110の外面の粘土コーティング112は、上述したように、例えば、製品情報、広告情報、又は他の情報又は画像のための任意のインク又は他の印刷された印を受けるのに適した表面を提供することができる。さらに、基板110の外面の粘土コーティング112は、上記の議論に従って所望の表面及び構造特性を提供することができる。
【0026】
本明細書に記載されるように、層構造102は、少なくとも基板110、1つ以上の粘土コーティング112、及び高性能コーティング114を含む。層構造102は、所望の用途に適合するように異なるサイズ及び/又は形で提供することができることが理解されよう。
【0027】
ここで
図3を参照すると、本開示の例示的な実施形態による層構造102から構成体205を形成するためのブランクは、概略的に203で示されている。ブランク203は、長手方向軸L1と横方向軸L2とを有し、層構造102の略円形の配置とすることができる。
【0028】
ブランク203には、本明細書でさらに説明するように、ブランク203の構成体205への形成を容易にすることができる、図示のような、同心で略円形の弱化線221を備えることができる。図示された実施形態では、弱化線221は、その中のブランク203の中央領域223を画定し、その周囲を囲む最も内側の中央円形弱化線221aと、弱化線221cとブランク203の自由縁部との間のブランク203の周辺部分225を画定する最も外側の円形弱化線221cと、最も外側の円形弱化線221cと最も内側の円形弱化線221aとの間に画定されるブランク203の中間領域227に沿って配置された1つ以上の中間円形弱化線221bとを少なくとも含むことができる。一実施形態では、中間弱化線221bは、不均一な間隔で互いに相対的に配置された7本の同心円形弱化線を含むことができるが、中間弱化線221bは、本開示から逸脱することなく、異なる配置で、より多数又はより少数の弱化線を含むことができることが理解されよう。
【0029】
一実施形態では、ブランク203は、構成体205を形成するための形成装置内に配置することができる。そのような形成装置は、例えば、ブランク203が少なくとも部分的に受容され得るキャビティを画定する金型を含むことができる。したがって、金型は、ブランク203からの構成体205の形成に影響を与えるために、金型のキャビティに少なくとも部分的に挿入されるダイと相補的な配置を備えることができる。
【0030】
この点に関し、構成体205を形成するための装置のこのような金型は、ブランク203の中央領域223の少なくとも一部が位置決めされ得る底部と、底部から上方に延在し、ブランク203の中間領域227の少なくとも一部が位置決めされ得る側壁と、金型のキャビティを囲み、ブランク203の周辺部分225の少なくとも一部が位置決めされ得る上部レッジとを含むことができる。金型は、ブランク203/構成体205の金型からの最終的な分離を容易にし、ダイの一部などを受け入れるために、1つ以上の凹部、突出部、他の表面特徴部などを有することができる。
【0031】
この点に関して、ブランク203は、ダイが少なくとも金型のキャビティに向かって部分的に挿入されるとき、ブランク203が金型によって画定される形に少なくとも部分的に相応するように、金型に対して位置決めされ得る。
【0032】
図4を参照すると、ブランク203から形成された構成体205が示されている。図示されるように、そして上述の形成によって提供され得るように、構成体205は、ブランク203の中央部分223から形成された底部241と、ブランク203の中間部分227から形成され、底部241から上方に延在することができる側壁243と、ブランク203の周辺部分225から形成され、側壁243から外側に延在するように位置決めされるフランジ245とを含む略円形のトレイの形態とすることができる。
【0033】
構成体205の側壁243及び底部241は、例えば、米、ビスケット、果物、野菜、スープ、パスタなどの食品を受容することができる構成体205の内部207を画定する。そのような食品は、別個の部分で提供され得る冷凍又は非冷凍食品であり得る。
【0034】
図示された実施形態では、構成体205の側壁243は、円形弱化線221によって画定される曲線、リッジ、レッジ、バンプなどで遷移する上昇セグメント243a、243b、243c、243d、243e、243fを含むことができる(
図3)。側壁243のセグメント及び関連する特徴の異なる数及び形状を提供することができ、又は側壁243は、本開示から逸脱することなく、実質的に均一な配置を有することができる。
【0035】
図5を参照すると、構成体205の代替構成が示されており、例えば構成体205の内部207に保持された食品の所望の衛生環境を維持するために、この構成体205のフランジ245には、構成体205の内部207の上部を横切って延在するようにフィルム層116が適用されている。
【0036】
一実施形態では、フィルム層116は、例えば、構成体205の内部207に支持される食品のための所望の衛生環境を維持するために、流体及び微粒子の通過を最小化、抑制及び/又は防止するバリア特性を備えるポリマー材料から形成することができる。
【0037】
したがって、一実施形態では、フィルム層116は、構成体205のフランジ245の1つ以上の部分に適用することができる。フィルム層116は、構成体205の形成前または形成中に、ブランク203、例えばブランク203の周辺部分225に適用することができることが理解されよう。この点に関して、構成体205は、上述の層構造102の高性能コーティング114に適用することができる。高性能コーティング114は、例えば、高性能コーティング114がフィルム層116への接着のための強化された能力を有するように、蓋又はフィルム層116を適用することができる好適な望ましい表面を提供することができる。蓋又はフィルム層116は、基板110の外面に追加の粘土コーティング112を施すことなく提供できることが理解されよう。
【0038】
上述のように、構成体205は、高性能コーティング114が構成体205の内面を形成し、構成体205の内部207を画定するように、層構造102から形成することができる。この点に関して、構成体205は、マイクロ波エネルギーE及びマイクロ波調理に関連する高温又はATにさらされることができ、高性能層114は、上述のように、その熱安定性/熱弾性を維持することができる。
【0039】
構成体205の上述した構成は、システムを形成するために入れ子式配置で複数の構成体205を提供するのに適している。例えば、上方の構成体205の側壁243及び底部241は、その下に配置された構成体205の内部207内に少なくとも部分的に配置され得る。この点に関して、上方の構成体205の側壁243の外側表面は、下方の構成体205の側壁243の相補的な内側表面と相応し、入れ子にすることができる。この点に関して、上方の構成体205のフランジ245は、一般に、下方の構成体205のフランジ245と位置合わせすることができ、構成体205は、それらの間にギャップを画定することができるように寸法決めされ、配置されることができる。そのようなギャップは、例えば、手動で、または分離ナイフまたはブレード、クランプまたはハサミ、機械指などのような道具を介して、入れ子構成体205の分離を容易にすることをもたらすことができる。
【0040】
図6をさらに参照すると、本開示の例示的な実施形態による層構造102から形成され得る別の構成体が、概略的に305で示されている。
【0041】
構成体305は、図示のように、長手方向軸L1と横方向軸L2とを有する略長方形又は丸みを帯びた長方形形状を有するトレイの形態を有し、構成体205に関して上述したように形成装置において層構造102から形成することができる。図示のように、構成体305は、底部/底部壁/底部パネル341と、底部341及び側壁343が構成体305の内部307を画定するように底部341から上方に延在する側壁343と、側壁343から外側に延在するフランジ345とを有する。
【0042】
構成体305の側壁343は、それぞれの湾曲したコーナー部C1、C2、C3、C4で交差する第一の側方端部又は第一の側方側部347、第一の長手方向側部349、第二の側方端部又は第二の側方側部351、及び第二の長手方向側部353を画定するように配置することができる。構成体305のそれぞれの側面347、349、351、353及びそれぞれのコーナー部C1、C2、C3、C4は、それぞれの継ぎ目又はリッジで遷移することができ、又は実質的に中断されない表面構成に沿って遷移することができる。
【0043】
この点に関し、構成体305の底部341は、構成体305の底部外側部分に突出部を呈する構成体305の内部307内の凹部であるチャネル355を含むことができる。このような突出部は、底部341の残りの部分を表面の上方で支持し(例えば、換気を提供し)、構成体305の内部307内で食品から離れて位置する油/グリース、食物流出、又は他の水分を受容し、それらのための受容部を提供し、複数の構成体305の入れ子を容易にするなどの特徴を提供することができる。
【0044】
一実施形態では、上述のように、フィルム層116(
図5)は、例えば、構成体305の内部307に保持される食品の所望の衛生環境を維持するために、構成体305のフランジ345に適用され、構成体305の内部307の上部を横切って延在することができる。
【0045】
上述のように、構成体305は、高性能コーティング114が構成体305の内面を形成し、構成体305の内部307を画定するように、層構造102から形成することができる。この点に関して、構成体305は、マイクロ波エネルギーE及びマイクロ波調理に関連する高温又はDTに曝されることができ、高性能コーティング114は、上述のように、その熱安定性/熱弾性を維持することができる。
【0046】
図7を参照すると、本開示の例示的実施形態による層構造102から形成され得る他の構成体が、概略的に405で示されている。
【0047】
構成体405は、図示のように、長手方向軸L1及び横方向軸L2を有する略長方形又は丸みを帯びた長方形形状を有するトレイの形態を有し、構成体205、305に関して上述したような形成装置において層構造102から形成することができる。図示のように、構成体405は、底部/底部壁/底部パネル441と、底部441及び側壁443が、構成体405の内部407を画定するように底部441から上方に延在する側壁443とを備える。構成体405はフランジなしで示されているが、構成体405は、開示から逸脱することなく、その一つ以上の部分に沿ってフランジを備えることができることが理解されよう。
【0048】
構成体405の側壁は、各湾曲コーナー部C5、C6、C7、C8で交差する第一の側方端部又は第一の側方側部447、第一の長手方向側部449、第二の側方端部又は第二の側方側部451、及び第二の長手方向側部453を画定するように配置することができる。構成体405の各側面447、449、451、453及び各コーナー部C5、C6、C7、C8は、それぞれの継ぎ目又はリッジで遷移することができ、又は実質的に中断されない表面構成に沿って遷移することができる。
【0049】
一実施形態では、上述のように、フィルム層116(
図5)は、例えば、構成体405の内部407の上部を横切って延在するように、例えば、構成体405の内部407に保持される食品の所望の衛生環境を維持するために、構成体405の一部、例えば、側壁443の上縁に適用され得る。
【0050】
上述のように、構成体405は、高性能コーティング114が構成体405の内面を形成し、構成体405の内部407を画定するように、層構造102から形成することができる。この点に関して、構成体405は、マイクロ波エネルギーE及びマイクロ波調理に関連する高温又はDTに曝されることができ、高性能コーティング114は、上述のように、その熱安定性/熱弾性を維持することができる。
【0051】
一般に、上述したような任意のブランク/層構造は、通常の紙よりも重くて剛性が高いキャリパーを有する板紙から構成することができる。ブランクはまた、厚紙のような他の材料、又はカートンが上記したように少なくとも概ね機能することを可能にするのに適した特性を有する任意の他の材料から構成することもできる。ブランクは、本明細書に記載するように、例えば粘土コーティングで覆うことができる。それから、粘土コーティングは、本明細書に記載されているように、製品、広告、及び他の情報又は画像と共に印刷され得る。そして、ブランクに印刷された情報を保護するために、ブランクはニスで覆われてもよい。ブランクはまた、ブランクの片側又は両側に、例えば水分バリア層で覆われてもよい。ブランクはまた、選択されたパネル又はパネルセクションにおいて、1つ以上のシート状材料に積み重ね又は覆うことができる。
【0052】
例示的な実施形態によれば、弱化線又は折り線は、必ずしも直線である必要はないが、それに沿って折り曲げることを容易にする任意の実質的に直線状の弱化線形態とすることができる。より具体的には、本開示の範囲を狭める目的ではないが、弱化線及び折り線は、所望の弱化線に沿って材料に破砕又は窪み部分を形成する鈍いスコアリングナイフ等で形成された線のようなスコア線と、所望の弱化線に沿って材料に部分的に延在する切れ目、及び/又は所望の弱化線に沿って材料に部分的に及び/又は完全に貫通して延在する一連の切れ目と、を含み、並びにこれらの特徴の様々な組み合わせを含む。折り線を作るために切断が行われる場合、通常、切断は、合理的なユーザが折り線を引き裂き線と誤認してしまうような過度に広範にはならない。
【0053】
上記の実施形態は、接着剤によって互いに接着された1つ以上の積層体層を有するものとして説明することができる。「接着剤」という用語は、積層体層を所定の位置に固定するために一般的に使用されるあらゆる種類の接着剤を包含することを意図している。
【0054】
本開示の前述の説明は、様々な例示的な実施形態を例示し、説明する。本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態に対して様々な追加、修正、変更などを行うことができる。上述の説明に含まれるか、添付の図面に示されている全ての事項は、限定的な意味ではなく、例示として解釈されることが意図されている。さらに、本開示は、本開示の選択された実施形態のみを示し、説明するが、本開示は、様々な他の組み合わせ、修正、及び環境で使用することができ、本明細書に表される発明概念の範囲内、上記教示に見合った、及び/又は関連技術のスキル又は知識内での変更又は修正を行うことが可能である。さらに、各実施形態の特定の特徴及び特性は、本開示の他の図示された実施形態及び図示されていない実施形態に選択的に置き換え及び適用することができる。
【国際調査報告】