(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-24
(54)【発明の名称】複数の射出成形バルブピンを制御するためのアクチュエータ
(51)【国際特許分類】
B29C 45/28 20060101AFI20221116BHJP
B29C 45/17 20060101ALI20221116BHJP
B29C 45/26 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
B29C45/28
B29C45/17
B29C45/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022517786
(86)(22)【出願日】2020-09-16
(85)【翻訳文提出日】2022-04-22
(86)【国際出願番号】 US2020050948
(87)【国際公開番号】W WO2021061460
(87)【国際公開日】2021-04-01
(32)【優先日】2019-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521553380
【氏名又は名称】インコー コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グレブ、スコット
(72)【発明者】
【氏名】スレドジンスキー、ライアン
(72)【発明者】
【氏名】イェルク、アントン
【テーマコード(参考)】
4F202
4F206
【Fターム(参考)】
4F202CA11
4F202CB01
4F202CK03
4F202CK07
4F206JA07
4F206JL02
4F206JN15
4F206JQ81
(57)【要約】
射出成形装置の型穴への液体樹脂の流れを調整するために複数のバルブピンを同時に制御するように構成されたアクチュエータ組立体を有するバルブゲート組立体が、ピンのうちの対応するピンを受け入れ且つ解放可能に保持するための複数のスロット又はポケットを有するバルブプレートを設けることにより、ピンからのアクチュエータ組立体の高速且つ容易な同時取外しを可能にするように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形装置のためのバルブゲート組立体であって、
射出成形機から型穴へ液体樹脂を運ぶための複数の通路を有するマニホルドと、
前記マニホルドに取り付けられた複数のノズルであって、各ノズルが、長手軸、及び前記マニホルドから前記型穴へ液体樹脂を運ぶための前記長手軸に沿って延びる円筒形ボアを有する、複数のノズルと、
複数のバルブピンであって、各バルブピンが、前記ノズルのうちの対応するノズルに関連付けられ、且つ前記型穴内への液体樹脂の流れを制御するために前記円筒形ボア内で前記円筒形ボアに沿って直線運動するように構成され、また各バルブピンがヘッド部分を有する、複数のバルブピンと、
直線的に移動可能なピストン・ロッドを有するアクチュエータと、
前記アクチュエータに連結されるバルブプレートであって、前記複数のバルブピン・ヘッドのうちの対応するバルブピン・ヘッドを受け入れ且つ解放可能に保持するための複数のスロット又はポケットを有するバルブプレートと、
前記ロッドに係合するため、及び前記バルブピン・ヘッドを前記スロット又はポケット内の定位置に保持するためのロックと
を有する、バルブゲート組立体。
【請求項2】
前記バルブプレートが、前記バルブピン・ヘッドの挿入を可能にする寸法となされた部分と前記バルブピン・ヘッドを保持するためのより幅狭の部分とを含む複数のポケットを有する、請求項1に記載の組立体。
【請求項3】
前記複数のポケットは、前記バルブプレートが複数のバルブピン・ヘッドを受け入れ且つ前記ポケットの前記より幅狭の部分に前記ピン・ヘッドの全てを同時に位置決めするために直線的に移動され得るように、前記幅狭の部分を平行にして配置される、請求項2に記載の組立体。
【請求項4】
前記バルブピンプレートが、バルブピンプレート・ハウジング内に配置され、前記バルブピンプレート・ハウジングが、前記直線的に移動可能なピストン・ロッドに連結された往復運動可能なピストンを含むアクチュエータ・ハウジングに解放可能に連結される、請求項1に記載の組立体。
【請求項5】
前記バルブピンプレート・ハウジングが、前記バルブピンプレート・ハウジングを全体的に画定する壁の上縁部から径方向内方に延びる周方向レッジと、前記周方向レッジの径方向内方縁部から上方に延びる垂直な周方向壁とを有し、それにより前記ピストン・ハウジングは、前記ピストン・ハウジングの下縁部が前記周方向レッジ上に支持され、且つ前記ピストンの径方向内方に面する表面の下端部が、前記垂直な周方向壁の径方向外方に面する表面に当接した状態で、前記バルブピンプレート・ハウジング上に解放可能に支持される、請求項4に記載の組立体。
【請求項6】
前記垂直な周方向壁の前記径方向外方に面する表面が、周方向溝を有し、前記ピストン・ハウジングが、前記周方向溝に係合するねじによって、前記バルブピンプレート・ハウジングに解放可能に固着される、請求項5に記載の組立体。
【請求項7】
前記複数のポケットは、前記アクチュエータ及びバルブピンプレートが複数のバルブピン・ヘッドを受け入れ得るように且つ前記ポケットの前記より幅狭の部分において前記ピン・ヘッドの全てを同時に位置決めするために回転され得るように、配置される、請求項2に記載の組立体。
【請求項8】
U字形状の保持クリップが、前記ピストン・ロッドの周りに延び且つ前記バルブピンプレートにボルト留めされ、それにより前記バルブピンプレートを前記ピストン・ロッドに固着する、請求項7に記載の組立体。
【請求項9】
前記バルブピンに対する前記バルブピンプレートの回転を阻止するために、ねじが、前記バルブピンプレートを通して前記ポケットの前記より幅狭の部分内へ径方向に延びる、請求項7に記載の組立体。
【請求項10】
前記バルブプレートは、前記ロックが前記ピストン・ロッドから係合解除されたときに前記ロッドからの前記バルブプレートの取外しを容易にする開口を有する、請求項1に記載の組立体。
【請求項11】
前記ロックが、前記バルブプレートの縁部を貫通するねじ穴内に受け入れられるねじである、請求項1に記載の組立体。
【請求項12】
射出成形装置のためのバルブゲート組立体であって、
射出成形機から型穴へ液体樹脂を運ぶための複数の通路を有するマニホルドと、
複数のバルブピンであって、各バルブピンが、前記ノズルのうちの対応するノズルに関連付けられ、且つ前記型穴内への液体樹脂の流れを制御するために円筒形ボア内で前記円筒形ボアに沿って直線運動するように構成され、また各バルブピンがヘッド部分を有する、複数のバルブピンと、
直線的に移動可能なピストン・ロッドを有するアクチュエータと、
前記アクチュエータに連結されるバルブプレートであって、前記バルブゲート組立体から前記バルブピンを取外すことなく前記バルブゲート組立体から前記アクチュエータを分離することを容易にするために、複数のバルブピン・ヘッドを解放可能に保持するように構成されたバルブプレートと
を有する、組立体。
【請求項13】
前記バルブピンプレートが、互いにボルト留めされる複数のセグメントから構成され、前記セグメントが、ピン・ヘッド保持ポケットを画定する相互接触表面を有する、請求項12に記載の組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、2019年9月23日に出願された米国特許出願第16/579,093号の優先権を主張するものである。
【0002】
本開示は、射出成形装置に関し、より詳細には、2つ以上の射出ノズルを通過する液体樹脂の流れを同時に制御するアクチュエータを有するバルブゲート組立体に関する。
【背景技術】
【0003】
2つ以上の射出ノズルを通過する液体樹脂の流れを制御するアクチュエータを有する射出成形装置は、型内に画定された複数のキャビティ内への又は単一のキャビティに向かう複数の型入口内への樹脂の流れを制御するのに必要とされるアクチュエータの数を減少させ、したがって、資本経費及び操業費用の両方を削減すると同時に、ノズル中心をより接近させることができる。アクチュエータのシリンダ・ロッドに連結されるバルブピン・キャリヤに各バルブピンを接続するための固定手段が設けられる。メンテナンスには、バルブピン・キャリヤとバルブピンとの間の個々の接続のそれぞれの分解が必要とされ、バルブピンは、通常、固化した樹脂によって捕らえられているかその場で固まっている。従来の分解は、点検及びメンテナンス時間の長期化、並びに生産時間の減少を伴う。本開示の目的は、点検及びメンテナンス時間を短縮し且つ生産時間を増大させるバルブゲート組立体を提供することである。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、バルブゲート組立体、及びアクチュエータ組立体を対象とし、このアクチュエータ組立体は、複数のバルブピンからのアクチュエータ組立体の迅速且つ容易な取外しと、複数のバルブピン上へのアクチュエータ組立体の迅速且つ容易な組立とを可能にし、それによりバルブゲート組立体又はバルブゲート組立体が関連付けられる成形装置の点検に必要とされる時間を短縮し、且つ、利用可能な生産時間を増大させる、迅速脱着及び迅速組立の構成(quick disconnect and quick assembly arrangement)を提供する。
【0005】
バルブゲート組立体は、複数の射出ノズルへ樹脂を送達するための複数のチャネルを画定するマニホルドと、対応するキャビティ又は複数のキャビティに関連付けられた複数のノズルと、ノズルのゲートを通過する樹脂の流れを制御するために関連するノズルの軸方向ボア内で直線的に移動する複数のバルブピンと、直線的に移動可能なロッドを有する1つ又はいくつかのアクチュエータと、ロッドに連結され、且つ、複数のバルブピンのそれぞれに関連付けられたバルブピン連結器を含むバルブピンプレートと、を具備する。
【0006】
いくつかの実施例では、バルブピン連結器は、バルブピン・ヘッド受入セクション及びバルブピン・ヘッド保持性セクションを含む。バルブピン・ヘッド保持性セクションは、ピンがバルブピンプレート及びアクチュエータのロッドのライナ運動(liner movement)とともに移動するようにピンを保持し、バルブピン受入セクションは、バルブピン・ヘッドの挿入及び抜取りを可能にする。複数のバルブピン連結器は、バルブピンに対するプレートの直線運動が全てのピンを関連する保持性セクションと受入セクションとの間で同時に移動させるように、互いに対して配向される。止めねじなどのロックが、バルブピンプレートをバルブピン及びアクチュエータに対して保持し得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示のバルブゲート組立体及びアクチュエータ組立体を組み込む射出成形装置の断面図である。
【
図2】
図1に示されたバルブゲート組立体の斜視図である。
【
図3】内部の詳細を示すために一部分が切断された、
図1及び2に示されたアクチュエータ組立体の斜視図である。
【
図4】分解中のある段階における
図3のアクチュエータ組立体の断面図である。
【
図5】分解中のある段階における
図3のアクチュエータ組立体の断面図である。
【
図6】分解中のある段階における
図3のアクチュエータ組立体の断面図である。
【
図7】分解中のある段階における
図3のアクチュエータ組立体の断面図である。
【
図8】
図3のアクチュエータ組立体からのバルブピンプレートの上面図である。
【
図9】
図8のバルブピンプレート内に画定されたピン保持ポケットの拡大上面図である。
【
図10】アクチュエータが回転運動により複数のバルブピンから係合解除され得る代替的な実施例の斜視図である。
【
図11A】マニホルドからバルブピンを取り外すことなしにホット・ランナ・システムからアクチュエータ組立体を取り外すことを容易にするための代替的なバルブプレート構成の斜視図である。
【
図11B】マニホルドからバルブピンを取り外すことなしにホット・ランナ・システムからアクチュエータ組立体を取り外すことを容易にするための代替的なバルブプレート構成の斜視図である。
【
図11C】マニホルドからバルブピンを取り外すことなしにホット・ランナ・システムからアクチュエータ組立体を取り外すことを容易にするための代替的なバルブプレート構成の斜視図である。
【
図11D】マニホルドからバルブピンを取り外すことなしにホット・ランナ・システムからアクチュエータ組立体を取り外すことを容易にするための代替的なバルブプレート構成の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
射出成形装置のためのホット・ランナ組立体10(
図1では断面で示されている)が、複数の通路を有する加熱可能なマニホルド12を含み、複数の通路は、湯口バスィング(sprue busing)17内に画定された入口チャネル16から複数のノズル20への液体樹脂(典型的には、熱可塑性高分子組成物)の流れを促進するホット・ランナ・システムを画定する。示されたゲート組立体は、上部マニホルド・セクション12Aと下部マニホルド・セクション12Bとを含む2部品マニホルド12を具備する。セクション12Aとセクション12Bとの適切な位置合わせを確実にするために、位置決めピン13が用いられ得る。マニホルド12は、2セクション・マニホルドの実例である。しかし、本開示の新規な概念は、単一のセクション又は任意の数のセクションを有するマニホルドに使用することができる。
【0009】
各ノズル20は、円筒状の形状を有し、且つ、ノズルの円筒(又は長手)軸に沿って延在する円筒形ボア26を含む。円筒形ボアの一端が、ゲート27を画定する。バルブピン28が、円筒形ボア26内で中心に置かれ、且つ、マニホルド12上に取り付けられたアクチュエータ組立体30から延在して全体的に円筒形ボアを通過する。バルブピン28はまた、円筒形ボア26の直径未満の直径を持つ全体的に円筒形の形状(円形の横断面)を有し、且つ、ボア26内で概ね中心に置かれて、ボア26の壁とバルブピン28の外側表面との間に環状の空間32を画定する。バルブピン28は、第1の位置(
図1の左側に示される)と第2の位置(
図1の右側に示される)との間でノズル20の長手軸に沿って直線的に移動可能であり、第1の位置では、バルブピンの下端部がゲート27内に位置して、ノズルから型プレート36によって画定された型穴(モールド・キャビティ)34内への流れを防止し、第2の位置では、バルブピン28の下端部は、ゲートから離間される。ノズル20の上端部38には、メンテナンスのための組立体10の分解を促進するために、マニホルド12のノズル受入ボアの雌ねじに係合する雄ねじが設けられ得る。
【0010】
示された組立体10は、射出成形機からキャビティ34へ液体樹脂を運ぶために使用されるチャネル又は他の導管が湯口ヒータ40、マニホルド・ヒータ42、及びノズル・ヒータ44により通常動作中に継続的に高温に維持される、ホット・ランナ技術を用いる。ヒータ40、42、及び44は、電気抵抗ヒータであってよい。
【0011】
組立体10は、組立体10と中間プレート54及びトッププレート56との適切且つ安定した位置合わせ及び間隔空けを促進するために、様々な支持/位置合わせ構造46、48、50、52を含む。
【0012】
図2を参照することで分かるように、組立体10は、アクチュエータ組立体30のそれぞれに関連付けられた複数のノズル20を含む。示された実施例では、3つのノズルを通過する樹脂の流れは、2つのアクチュエータ組立体30のそれぞれによって調整される。しかし、この実例は例示的なものであり、単一のアクチュエータ組立体に任意の数のノズルが関連付けられ得る(例えば、2つ、3つ、又は4つのノズルが、単一のアクチュエータ組立体によって制御され得る)。
【0013】
ノズル20に関連付けられるアクチュエータ組立体30及びバルブピンが、
図3に示される。組立体30は、シリンダ・アクチュエータ60(例えば、液圧、電気、又は空気式のアクチュエータ)を含み、このシリンダ・アクチュエータ60は、例えば、作動流体がピストン62の片側のみに作用し、ばね又は圧縮空気などの機械的負荷がもう片側に作用して、ピストン62に取り付けられた駆動ロッド64の制御された直線運動を生じさせる、単動アクチュエータであってよい。或いは、作動流体がピストンの両側に作用してバルブピンプレート66及びロッド64の直線運動を制御する、複動アクチュエータが使用されてもよい。
【0014】
図3に示されるように、アクチュエータ組立体30は、ピストン62が収容されるピストン・ハウジング63を含む。ハウジング63は、バルブピンプレート66が内部に配置されるバルブピンプレート・ハウジング65によって支持される。周方向レッジ(棚部)又は肩67が、バルブピンプレート・ハウジング65の上縁部から径方向内方に延在し、垂直な周方向壁又はカラー69が、肩67の径方向内方縁部から上方に延在する。ピストン・ハウジング63は、ハウジング63の下縁部が肩67上に支持され、且つ、ハウジング63の径方向内方に面する表面の下端部がカラー69の径方向外方に面する表面に当接した状態で、バルブピンプレート・ハウジング65上に解放可能に支持される。ハウジング63は、カラー69の外方に面する表面上の周方向溝11内に延在する細い又は鋭い端部を有する複数のねじ71により、ハウジング65に解放可能に固着される。ねじ71は、ピストン・ハウジング63の開口部73を貫通する。
【0015】
ピストン62は、ハウジング63とスナップ・リング79によりハウジング63に固着されたキャップ77とによって画定されたチャンバ75内で保持され、且つ、往復運動する。ピン・シール保持ディスク90が、ボルトによりマニホルド12上に保持される。ハウジング65は、ボルト83によりマニホルドに固着される。ピン・シール保持ディスク90はまた、ピン・シール88及びバルブピン28とともに、マニホルドから上方への溶融樹脂の流れに対するシールを提供する。
【0016】
バルブピンプレート66が、ロッド64に接続され、且つ、アクチュエータ60の制御によって定められるようにロッド64とともに直線的に移動する。バルブピンプレート66は、バルブピン28を解放可能に受け入れ且つ保持するための複数のポケット70(
図8及び9)を備える。ポケット70は、少なくとも部分的にリップが付けられ、各ポケットのリップは、バルブピン28のヘッド72(
図4)の下側に係合するように構成される。各ポケット70は、ヘッド72がポケット内に挿入されることを可能にするように構成されたピン・ヘッド受入セクション74(
図8及び9)と、ピン・ヘッドよりも狭く且つレッジ又はリップ78を有するピン・ヘッド保持セクション76とを有し、レッジ又はリップ78は、バルブピン・ヘッド72の直径よりも小さく且つ少なくともバルブピン28のステム部分80の直径に等しいか又はそれよりも僅かに大きい間隙を画定するために離間されており、それにより、ピン・ヘッド72がポケット70のピン・ヘッド保持セクション76内に配置されると、バルブピン28はポケット70内に保持されて、バルブピンプレート66とともに直線的に移動する以外は、移動を制限される。ピン・ヘッド挿入セクション76は、ピン・ヘッド72がピン・ヘッド保持セクション内に配置されたときにバルブピンプレート66がバルブピン28から外され(持ち上げられ)得るように構成(成形及び寸法取り)される。
【0017】
図6は、
図7に示されるような構成要素99への分離を可能にするためにピン・ヘッド72がピン・ヘッド受入セクション72を通過することができる位置までバルブピン28に対して直線的に移動したアクチュエータ30を示す。
【0018】
ピン28のためのポケット70の数にかかわらず、ポケットは、プレート66が、関連する各ノズル20を通過する流れの同時制御を促進するためにピン・ヘッド保持セクション76内に全てのピン28を同時に位置決めするように(
図10に示されるように)直線的に移動されるか又は回転されるか、又はピン28からのアクチュエータ組立体30の分離を促進するためにピン・ヘッド挿入セクション74内に全てのピン28を同時に位置決めするように反対方向に移動され得るように、配向される。直線運動を使用したピンからのアクチュエータ組立体の分離を可能にするために、ポケットの直線部分は、平行に配置される。回転運動を使用した分離を可能にするために、ポケットのリップ付きの幅狭部は、バルブプレートの平面における円形経路に沿って配置され得る。ピン28がピン・ヘッド保持セクション76内に保持されるように、ピン28に対するプレート66の位置を保持するためのロック91が使用される。示されたロック91は、プレート66’の側縁部からロッド64’の表面まで延在するねじ穴内に受け入れられるソケット・ヘッドねじである。止めねじのヘッドへのアクセスを提供するために、アクチュエータ組立体ハウジング84の壁に開口部82が設けられ得る。止めねじの代わりに、他の機械的ロック(ばね懸架式のピン、又はラッチ機構など)が使用されてもよい。
【0019】
いくつかの代替的な実施例では、ポケット70は、ピン・ヘッド72が通過することができるピン受入セクションと、ピン・ヘッド72の下側がプレート66の上面に係合した状態でピン・ヘッド72が通過することを妨げるより幅狭のピン保持セクションとを含む、ポケット70(
図9)に類似した形状を有するスロットに置き換えられ得る。
【0020】
いくつかの実施例では、プレート66は、ロック81がロッド64から係合解除された(例えば、固着解除された)ときのロッド64からのプレート66の取外しを促進する開口86(
図8)を備え得る。開口86は、フランジ付きナットが通過され得るより大径のセクションと、ナット上のフランジが通過され得ない幅狭セクションとを含む。
【0021】
図4~
図7は、ピン28からのアクチュエータ組立体30の取外しを示す。完全に組み立てられた状態(
図1及び4)では、ピン28は、ピン・ヘッド72がポケット70のリップ付き部分内に保持された状態で、マニホルド12に固着されたピン・シール保持ディスク90内に保持されたピン・シール88によって案内される。関連する全てのバルブピン28からのアクチュエータ組立体30の同時取外しは、
図5に示されるようにロック81を緩め(例えば、ねじを回して外し)、アクチュエータ組立体をピン・ヘッド72が保持セクション76内に位置決めされる配向からピン・ヘッド72が(
図6に示されるように)ポケット70の挿入/抜取りセクション74内に位置決めされる配向まで直線的に(又は回転的に)移動させ、そしてアクチュエータ組立体を(
図7に示されるように)ピンから分離することによって、達成される。取付けは、取外しステップを逆にすることによって達成される。この配置は、複数のピンからのアクチュエータ組立体の分離を著しく単純化する。別の利点は、バルブピンはマニホルド又はホット・ランナ組立体とともに残り、代わりにアクチュエータ組立体から分離されるので、バルブピンはシステムが点検されるたびに調整されたそれらの位置を有する必要はなく、したがって労力及び生産の中断をさらに減少させることである。
【0022】
バルブピンプレート66’の回転(矢印2によって示される)によるポケット70からのピン・ヘッド72の取外しを可能にする、
図10に示された代替的な実施例では、ボルト87によりプレート66’に固着可能なU字形状の保持クリップ85が、プレート66’をピストン・ロッド64’に固着する。ねじ91が、ホット・ランナ組立体10の通常動作中のピン及びピン・シール保持ディスク90に対するプレート66’の回転を阻止するために、バルブピンプレートを貫通してポケットのより幅狭の部分内へ径方向に延在する。最初にねじ91を取り外すか又は緩め(
図10では矢印1によって示される)、次いで
図10において矢印2によって示された方向にアクチュエータ組立体を回転させ、最後に
図10において矢印3によって示されるようにアクチュエータを持ち上げることにより、ピン28をマニホルド内に残したままでアクチュエータ組立体が取り外される。
【0023】
図5に示されるように、ねじ81が、プレート66の片側からピストン・ロッド64までねじ穴を通って延在する。ねじ81の径方向内方端部がロッド64と係合されると、ピン28のピン・ヘッド72は、ホット・ランナ組立体10の通常動作のために、ポケット70のピン・ヘッド保持セクション76内の所定の位置にロックされる。アクチュエータを点検する場合、ねじ81の内方に面する端部をロッド64から離れる方向に引くために、ねじ81が回転される(例えば、反時計回り)。ハウジング65を貫通するねじアクセス開口部82が、ねじ81のヘッドが開口部82に隣接するハウジジング65の内側表面と係合したときに、さらなる回転がディスク66をねじ81のヘッドから離れる方向に移動させ、ピン・ヘッドをポケット70のピン・ヘッド挿入(及び取外し)セクション74に向かって移動させて、アクチュエータ組立体の取外しを可能にするように、構成され得る。
【0024】
図11A~11Dは、バルブピン28を取り外すことなしにアクチュエータ組立体30の取外しを促進するための代替的なバルブプレートを示す。バルブピンプレート166は、ボルト97などにより互いにボルト留めされる複数のバルブプレートセグメント166A、166B、166Cを含み、これらのセグメントは、ピン・ヘッド保持ポケット170を一緒に画定する、相互接触表面(interfacing surface)を有する。示されたセグメント化されたバルブピンプレートでは、3つのセグメントが、3つの接触面を画定し、各接触面は、単一のピン・ヘッド保持ポケットを画定するように構成される。一般に、各セグメントは、ピン・ヘッド保持ポケットを画定するために別のセグメントと相互接触する2つの表面を有することが好ましい。例えば、4つのセグメントが、4つの接触面のそれぞれに4つのピン・ヘッド保持ポケットを画定するために使用されてもよい。しかし、2つ以上のポケットを画定する単一の接触面、又はポケットを画定しない接触面を含む、他の配置が可能である。セグメント間の間隔を緩めて、ピン28を取り外すことなくアクチュエータ組立体を取り外すのに必要とされるクリアランスを提供することを可能にするために、ボルト97へのアクセス開口部111が設けられる。
【0025】
図11Aは、通常動作のための完全に組み立てられた状態におけるアクチュエータ組立体30及びセグメント化されたバルブピンプレート166を示す。点検のためのアクチュエータの取外しは、最初に
図11Bにおいて矢印で示されるようにボルト97を緩めることによって達成される。次に、アクチュエータ組立体30は、わずかに回転され、
図11Cに示されるようにセグメントの相互接触表面を分離させて、アクチュエータ組立体30がマニホルド及びバルブピン28から持ち上げられることを可能にする。
【0026】
いくつかの実施例では、ピストン・ロッド89は、ロッド89を介したマニホルドからアクチュエータへの伝導性熱伝達を軽減するために、マニホルドに隣接したその下端部にボアを備え得る。
【0027】
本開示によれば、アクチュエータ組立体30の取外し中にピン28はマニホルドとともに残るので、ピン位置決めは、点検のためにアクチュエータが取り外されるたびにピンの先端をノズル・ゲートと適切に位置合わせするように調整される必要がなく、労力及び非生産期間をさらに減少させる。ピストン・ロッド64の上端部は、ドライバ・ツールとのピン位置調整を促進するために、6角形の凹部93(又は、他のドライバ係合特徴)を備える。
【0028】
上記の説明は、説明に役立つものであることを意図されたものであって、制限的なものではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及び均等物の全範囲に準拠して決定されるべきである。当技術分野においてさらなる進歩が生じること、並びに開示されたデバイス、キット、及び方法がそのような将来の実施例に組み込まれることが、予想され且つ意図される。したがって、本発明は、修正及び変形が可能であり、且つ、以下の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【国際調査報告】