(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-24
(54)【発明の名称】遠心分離機用スイングローターアセンブリー
(51)【国際特許分類】
B04B 5/02 20060101AFI20221116BHJP
B04B 13/00 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
B04B5/02 D
B04B13/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022517814
(86)(22)【出願日】2020-11-04
(85)【翻訳文提出日】2022-03-17
(86)【国際出願番号】 KR2020015338
(87)【国際公開番号】W WO2021091230
(87)【国際公開日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】10-2019-0140495
(32)【優先日】2019-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522108149
【氏名又は名称】ミラセル カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】MIRACELL CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】3F,413,Eonju-ro Gangnam-gu Seoul 06222,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】シン、ヒョン スン
【テーマコード(参考)】
4D057
【Fターム(参考)】
4D057AA00
4D057AA03
4D057AA04
4D057AA10
4D057AB01
4D057AC01
4D057AC05
4D057AD01
4D057AE13
4D057BA23
4D057BA25
4D057CB00
(57)【要約】
【要約】
【課題】本発明は、遠心分離機用スイングローターアセンブリーに関するものであり、より詳細には、遠心分離機の内部に装着されて血液や骨髄などの試料を遠心分離するためにバケットの角度を一定に維持して遠心分離された試料(血液、骨髄など)の効率的な排出が可能になるように角度維持部と、角度維持部を駆動するためのバッテリーが具備された遠心分離機用スイングローターアセンブリーを提供する。このために遠心分離機函体内側に装着されて回転する遠心分離機用スイングローターアセンブリーにおいて、前記スイングローターアセンブリーは、駆動軸が具備されるモータと、前記モータの上部に装着されて下端にフランジが具備される装着キャップと、前記装着キャップに固定装着されてバッテリーの無線充電のための送信充電モジュールでなされる駆動部と、前記モータ駆動軸に装着されて回転してバケットを装着するために両側にU字形湾曲部が形成されるケースと、前記ケース内部に装着されてバケットの角度を制御して遠心分離された試料を排出するための角度維持部と、前記ケース内部に装着されて前記角度維持部を駆動するためのバッテリーと、前記バッテリーを無線充電するために前記ケース底面に装着される受信充電モジュールと、前記ケース内部に装着されてバケットを両側で回転支持する回転軸部を具備するローターヘッダーと、及び前記回転軸部に装着されて前記ローターヘッダーと共に回転しながら遠心力によって上下で回転するバケットと、で構成されることを特徴とする遠心分離機用スイングローターアセンブリーを提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心分離機函体内側に装着されて回転する遠心分離機用スイングローターアセンブリーにおいて、
前記スイングローターアセンブリーは、
駆動軸が具備されるモータと、前記モータ上部に装着されて下端にフランジが具備される装着キャップと、前記装着キャップに固定装着されてバッテリーの無線充電のための送信充電モジュールでなされる駆動部と、
前記モータ駆動軸に装着されて回転してバケットを装着するための両側にU字形湾曲部が形成されるケースと、前記ケース内部に装着されてバケットの角度を制御して遠心分離された試料を排出するための角度維持部と、前記ケース内部に装着されて前記角度維持部を駆動するためのバッテリーと、前記バッテリーを無線充電するために前記ケース底面に装着される受信充電モジュールと、前記ケース内部に装着されてバケットを両側で回転支持する回転軸部を具備するローターヘッダーと、及び
前記回転軸部に装着されて前記ローターヘッダーと共に回転しながら遠心力によって上下で回転するバケットと、
で構成されることを特徴とする遠心分離機用スイングローターアセンブリー。
【請求項2】
前記角度維持部は、
前記バケットが遠心力によって一定角度で傾いた状態を維持するように前記バケットを位置固定するために前後に移動する前後移動バルブ軸を有した第1ソレノイドバルブと、前記第1ソレノイドバルブの誤作動や急後退を防止するために第1ソレノイドのバルブ軸を後方で固定する左右移動バルブ軸を有した第2ソレノイドバルブで構成されることを特徴とする請求項1に記載の遠心分離機用スイングローターアセンブリー。
【請求項3】
前記回転軸部は、
前記ケース内部に装着される一対の回転軸支持台と、前記一対の回転軸支持台によって支持される回転軸と、前記一対の支持台の間で前記回転軸が拡管されて形成される拡管回転軸と、前記バケットを一定な回転角で制限するために前記拡管回転軸に形成される角度制限溝と、前記角度制限溝の回転角度を制限するために前記角度制限溝の下部に形成されるストッパーでなされることを特徴とする請求項1に記載の遠心分離機用スイングローターアセンブリー。
【請求項4】
前記ケースの上部には電源アダプダ貫通ホールがさらに形成され、前記ケース内側には電源アダプダ貫通ホールを通じてアダプダが挿入装着される電源アダプダ連結口がさらに形成されることを特徴とする請求項1に記載の遠心分離機用スイングローターアセンブリー。
【請求項5】
前記ケースの上部には光透過ホールがさらに形成され、前記ケース内側には電源連結如何及び電源充電如何を確認するためのLED表示灯がさらに具備され、前記光透過ホールを通じて放射される光源を通じて電源連結または電源充電如何を確認することができることを特徴とする請求項1に記載の遠心分離機用スイングローターアセンブリー。
【請求項6】
前記送信充電モジュールと前記受信充電モジュールは無線で連結され、前記送信充電モジュールから前記受信充電モジュールに誘導起電力が伝達されて充電されることを特徴とする請求項1に記載の遠心分離機用スイングローターアセンブリー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心分離機用スイングローターアセンブリーに関するものであり、より詳細には、遠心分離機の内部に装着されて血液や骨髄などの試料を遠心分離するためにバケットの角度を一定に維持して遠心分離された試料(血液、骨髄など)の効率的な排出が可能になるように角度維持部と、角度維持部を駆動するためのバッテリーが具備された遠心分離機用スイングローターアセンブリーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
浮遊物(floating material)がある懸濁液(suspension)をじっとおけば密度が高い物質は重力の影響で徐徐に底に沈んで密度が低い物質は、徐徐に上層部に移動するようになるが、このような過程を沈澱(sediment)という。
【0003】
このように、密度差が出る物質がまじれば沈澱現象が発生するようになって、時間が経てば混合物を密度差によって分離し出すことができる。混合物どうしの密度差は混合物を分離してくれる力である重力が強まるほど大きくなるので、人為的に重力を大きくしてくれれば沈澱現象を加速することができる。
【0004】
すなわち、重力の代わりに遠心力を利用すれば易しく沈澱現象を加速させることができるが、このような過程を遠心分離(centrifugation)と言う。遠心分離機は遠心分離の原理を利用して成分や比重が異なる物質を分離、精製、濃縮することに使用される機械として、使用目的によって医療用、廃水処理用、ウラン濃縮用、生産用、実験用で分離することができる。
【0005】
特に、医療用遠心分離機は血液、尿、唾液などの分析のために構成成分の分離を目的で使用する。一例で、骨髄血液の遠心分離で得た多血小板血漿(platelet-rich plasma:PRP)は、一般骨髄や血液より多血小板高濃縮 (highly enrichment)血漿成分を意味するが、多くの成長因子らを含んでいて傷治癒と損傷部位を再生再建する作用をする。仮に、靭帯・軟骨などの損傷部位に注射して損傷された部分を再建させる目的で使用され、自分の骨髄または血液を使用するものであるので副作用がなくて治療効果も早い。
【0006】
このような技術的思想を基盤にして、大韓民国登録特許第10-1387433号を通じて、ローター全体を交換しなくても適切なバケット交替を通じてスイングローターでアングルローターの機能を具現することができるようになされたスイングローター及びアングルローターの機能をすべて兼用することができる遠心分離装置及びバケットが開示されたことがある。
【0007】
従来技術によると、バケットに複数個の収容部を形成して処理容量を増加させることができるし、バケットで収容部の大きさ及び形状を異にして多様な貯蔵容器に対応するバケットを提供することができて、このような特徴によって一つのスイングローターで一回の遠心分離過程を経てもスイングローターによる分離、アングルローターによる分離などを同時に進行することが理論的に可能である。
【0008】
しかし、今まで説明したような長所の発揮によって試料の遠心分離は容易であることがあるが、試料容器内部で遠心分離以後分離された成分らを他の空間(chamber)に注入するために一定角度で傾けられた状態を維持して試料を排出しなければならないが、試料排出のための角度の維持が易しくないという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】大韓民国登録特許第10-1387433号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、前記のような諸般の問題点を解決するためのものであり、ローターの回転駆動時遠心力によって水平に近く傾いたバケットの傾き角度を維持させる角度維持部を具備し、前記バケットに収容装着されたデキャンティングキットの角度がそのまま固定されることで、前記デキャンティングキットに盛られた試料が効率的に分離されるようにする遠心分離機用スイングローターアセンブリーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために本発明は、遠心分離機函体内側に装着されて回転する遠心分離機用スイングローターアセンブリーにおいて、前記スイングローターアセンブリーは、駆動軸が具備されるモータと、前記モータ上部に装着されて下端にフランジが具備される装着キャップと、前記装着キャップに固定装着されてバッテリーの無線充電のための送信充電モジュールでなされる駆動部と、前記モータ駆動軸に装着されて回転してバケットを装着するための両側にU字形湾曲部が形成されるケースと、前記ケース内部に装着されてバケットの角度を制御して遠心分離された試料を排出するための角度維持部と、前記ケース内部に装着されて前記角度維持部を駆動するためのバッテリーと、前記バッテリーを無線充電するために前記ケース底面に装着される受信充電モジュールと、前記ケース内部に装着されてバケットを両側で回転支持する回転軸部を具備するローターヘッダーと、及び前記回転軸部に装着されて前記ローターヘッダーと共に回転しながら遠心力によって上下で回転するバケットと、で構成されることを特徴とする遠心分離機用スイングローターアセンブリーを提供する。
【0012】
本発明で角度維持部は、バケットが遠心力によって一定角度で傾いた状態を維持するように前記バケットを位置固定するために前後に移動する前後移動バルブ軸を有した第1ソレノイドバルブと、前記第1ソレノイドバルブの誤作動や急後退を防止するために第1ソレノイドのバルブ軸を後方に固定する左右移動バルブ軸を有した第2ソレノイドバルブで構成されることを特徴とする。
【0013】
本発明で回転軸部は、ケース内部に装着される一対の回転軸支持台と、前記一対の回転軸支持台によって支持される回転軸と、前記一対の支持台の間で前記回転軸が拡管されて形成される拡管回転軸と、前記バケットを一定な回転角で制限するために前記拡管回転軸に形成される角度制限溝と、前記角度制限溝の回転角度を制限するために前記角度制限溝の下部に形成されるストッパーでなされることを特徴とする。
【0014】
本発明でケースの上部には電源アダプダ貫通ホールがさらに形成され、前記ケース内側には電源アダプダ貫通ホールを通じてアダプダが挿入装着される電源アダプダ連結口がさらに形成されることを特徴とする。
【0015】
本発明でケースの上部には光透過ホールがさらに形成され、前記ケース内側には電源連結如何及び電源充電如何を確認するためのLED表示灯がさらに具備され、前記光透過ホールを通じて放射される光源を通じて電源連結または電源充電如何を確認することができることを特徴とする。
【0016】
本発明で送信充電モジュールと前記受信充電モジュールは無線で連結され、前記送信充電モジュールから前記受信充電モジュールに誘導起電力が伝達されて充電されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の遠心分離機用スイングローターアセンブリーは、ローターヘッダーの水平回転による試料の成分分離において前記ローターヘッダーに具備された角度維持部によって角度がそのまま維持されることができるため、ローターヘッダーが回転を止めた状態で成分分離された試料の分離が容易であるという長所を有する。
【0018】
また、本発明の遠心分離機用スイングローターアセンブリーは、一定な角度で角度が維持されるため遠心分離によって分離された試料の分離効率を増加させることができる長所を有する。
【0019】
また、本発明の遠心分離機用スイングローターアセンブリーは、無接触無線充電モジュールを具備しているため、遠心分離機の使用有無に構わなくバッテリーの充電が可能であるという長所を有する。
【0020】
また、本発明の遠心分離機用スイングローターアセンブリーは、充電装置によって常にバッテリーが充電されるため、角度維持部の駆動のためのバッテリーの電源不足による角度維持部の作動不能を防止することができる効果を有する。
【0021】
また、本発明の遠心分離機用スイングローターアセンブリーは、第1ソレノイドバルブの誤作動が発生する場合でも、第2ソレノイドバルブが第1ソレノイドバルブの誤作動を防止することができるために遠心分離効率を増加させることができるという長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明による遠心分離機用スイングローターアセンブリー斜視図である。
【
図2】本発明による遠心分離機用スイングローターアセンブリーのカバー上部を除去した状態の斜視図である。
【
図3】本発明による遠心分離機用スイングローターアセンブリーの分解斜視図である。
【
図4】本発明による遠心分離機用スイングローターアセンブリーの下部側から見た分解斜視図である。
【
図5】本発明による遠心分離機用スイングローターアセンブリーの平面図である。
【
図6】本発明によるバケットと回転軸部の分解斜視図である。
【
図7】本発明によって回転軸部と第1ソレノイドバルブ及び第2ソレノイドバルブの拡大斜視図である。
【
図8】
図7の第1ソレノイドバルブと第2ソレノイドバルブの作動図である。
【
図9】本発明によってバケットを固定した状態で試料が分離されることを示した側面図である。
【
図10】本発明によるスイングローターアセンブリーが装着された遠心分離機の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施のための最善の形態は、遠心分離機函体内側に装着されて回転する遠心分離機用スイングローターアセンブリーにおいて、前記スイングローターアセンブリーは、駆動軸が具備されるモータと、前記モータの上部に装着されて下端にフランジが具備される装着キャップと、前記装着キャップに固定装着されてバッテリーの無線充電のための送信充電モジュールでなされる駆動部と、前記モータ駆動軸に装着されて回転してバケットを装着するために両側にU字形湾曲部が形成されるケースと、前記ケース内部に装着されてバケットの角度を制御して遠心分離された試料を排出するための角度維持部と、前記ケース内部に装着されて前記角度維持部を駆動するためのバッテリーと、前記バッテリーを無線充電するために前記ケース底面に装着される受信充電モジュールと、前記ケース内部に装着されてバケットを両側で回転支持する回転軸部を具備するローターヘッダーと、及び前記回転軸部に装着されて前記ローターヘッダーと共に回転しながら遠心力によって上下で回転するバケットと、で構成される。
【0024】
以下、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者が本発明を容易に実施することができる程度に本発明の望ましい実施例を添付された図面を参照して詳細に説明する。まず、図面の構成要素らに参照符号を付加することにおいて、同一な構成要素らに対しては、たとえ異なる図面上に表示されてもできるだけ同一な符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明を説明するにおいて、関連される公知構成または機能に対する具体的な説明が本発明の要旨を濁すことがあると判断される場合、その詳細な説明は略する。
【0025】
図1は、本発明による遠心分離機用スイングローターアセンブリー斜視図であり、
図2は本発明による遠心分離機用スイングローターアセンブリーのカバー上部を除去した状態の斜視図であり、
図3は本発明による遠心分離機用スイングローターアセンブリーの分解斜視図であり、
図4は本発明による遠心分離機用スイングローターアセンブリーの下部側から見た分解斜視図であり、
図5は本発明による遠心分離機用スイングローターアセンブリーの平面図であり、
図6は本発明によるバケットと回転軸部の分解斜視図であり、
図7は本発明によって回転軸部と第1ソレノイドバルブ及び第2ソレノイドバルブの拡大斜視図であり、
図8は
図7の第1ソレノイドバルブと第2ソレノイドバルブの作動図であり、
図9は本発明によってバケットを固定した状態で試料が分離されることを示した側面図であり、
図10は本発明によるスイングローターアセンブリーが装着された遠心分離機の斜視図である。
【0026】
図1及び
図2に示されたように、本発明による遠心分離機用スイングローターアセンブリー1は、試料を盛ったデキャンティングキット2がそれぞれ収容装着された複数バケット200の旋回運動(a rotating movement)のために水平回転されるローターヘッダー100と、前記ローターヘッダー100に連携装着された状態で遠心分離機作動時ローターヘッダー100が回転されることができるように回転駆動する駆動部300と、前記ローターヘッダー100に装着されてデキャンティングキット2が挿入されるバケット200で構成される。
【0027】
ローターヘッダー100は、デキャンティングキット2に盛られた血液または骨髄などの試料成分分離のための遠心力を発生させる遠心分離回転体であるもので、成分分離の対象になる適量の液状試料を盛ったデキャンティングキット(decanting kit)2をそれぞれ個別で収容装着可能な一つ以上複数の前記バケット(bucket)200が駆動軸302によってローターヘッダー100に軸結合される。
【0028】
ローターヘッダー100は、上部ケース101aと下部ケース101bで構成されるケース101と、ケース101の内部に装着されるバッテリー140と、ケース101の中央に締結される締結取っ手107と、ケース内部に装着される回転軸部110と、バケット200の角度を固定するための角度維持部120で構成される。
【0029】
ヘッダー胴体11の両側に'U'字形湾曲部106が形成され、湾曲部にデキャンティングキット2を収容するバケット200が回転可能になるように結合される。U字形湾曲部106が形成された両側にはバケット200の角度を固定するための角度維持部120が設けられる。上部ケース101aには上部U字形湾曲部106aが形成され、下部ケース101bには下部U字形湾曲部106bが形成される。また、下部ケース101の中央部側には印刷回路基板103が設けられ、印刷回路基板103の中央には駆動軸302が貫通することができる貫通ホール104cが設けられ、印刷回路基板103のある一側には電源アダプダ装着口105aが設けられ、その対角線他側にはLED表示灯105bが設けられる。バッテリー140は多数個装着される充電用バッテリー141と充電用バッテリー141を固定するためのバッテリー固定部142でなされる。
【0030】
図3乃至
図5に示されたように、U字形湾曲部106(106a、106b)の内側にはバケット200が装着され、バケット200の回転と角度維持のために、回転軸と角度維持手段14がU字形湾曲部のヘッダー胴体11に固定装着される。具体的に上部ケース101aと下部ケース101bを固定するために締結取っ手107が駆動軸302に締結され、締結取っ手107が締結されることで上部ケース101aと下部ケース101bがお互いにケース101に固定される。締結取っ手107が駆動軸302に締結されながらケース101が固定されることができるように底面に棒が形成された取っ手支持台108が上部及び下部ケースをお互いに連結して一緒に回転されることができるようにする。上部ケース101aと下部ケース101bの中央には駆動軸302が挿入されて固定されることができるように軸貫通ホール104a、104bが形成され、下部ケース101b内に固定装着される印刷回路基板103の中央にも軸貫通ホール104cが設けられる。
【0031】
バケット200は、中央側が貫通形成されるバケット胴体201と、バケット胴体201の両側に形成されて回転軸111が挿入される回転軸連結口202と、角度維持部120のバケット固定バルブステム123が安着されてバケット200の角度を一定なように維持するためのバルブステム安着溝203と、中央側に貫通形成されてデキャンティングキット2が挿入されるデキャンティングキット挿入口204と、デキャンティングキット挿入口204を通じて挿入されたデキャンティングキットをかけてくれるためのデキャンティングキットホルダ205と、重量中心が内側に向かうようにホールを形成した側面ホール206で構成される。
【0032】
駆動部300は、駆動軸302を有するモータ301と、モータ301の上部に固定装着される装着キャップ310と、装着キャップ310の上部に固定される送信充電モジュール320で構成される。具体的に装着キャップ310は、中央にホールが形成されるキャップ胴体311と、キャップ胴体311の下端に形成されて遠心分離機函体に固定するためのフランジ312で構成される。送信充電モジュール320はモジュール本体321と中央に形成されて駆動軸302が貫通されるが一緒に回転されないように駆動軸302の直径より大きく形成される軸貫通ホール322で構成される。送信充電モジュール320は受信充電モジュール130に誘導起電力を伝達する。送信充電モジュール320と受信充電モジュール130は2~3mm程度の一定間隔を維持しながら誘導起電力が送信側から受信側に伝達される。
【0033】
受信充電モジュール130の場合はローターヘッダー100の下部に固定されているために一緒に回転する。受信充電モジュール130が一緒に回転する場合充電量は多くないが回転時にも充電がなされることができるし、通常的にはローターの回転が止めた場合に充電がなされる。また、電源アダプダ装着口105aを通じて外部電源が連結されて充電がなされることもある。
【0034】
図6は、バケット200に回転軸部110が連結されることを示している。回転軸部110は、回転軸111と、回転軸111の中央部に形成される拡管回転軸112と、拡管回転軸112に一定角度で形成される角度制限溝113で構成される。拡管回転軸112は回転軸111と一体で形成されて拡管されて形成される。これは拡管回転軸112に角度制限溝113を形成するためである。回転軸111は回転軸連結口202に挿入されて固定される。
【0035】
図7は、下部ケース101bの下部U字形湾曲部106bに形成される回転軸部110と角度維持部120を示している。回転軸部110は下部U字形湾曲部106bが形成された下部ケース101bの両側に設けられる。回転軸部110は前で説明した構造と共に一対の回転軸111支持部114a、114bと角度制限溝113の下部に形成されてバケット200の回転角度を制限するためのストッパー115がさらに構成される。ストッパー115が角度制限溝113の下部に形成されているために角度制限溝113の角度程度だけバケット200が回転することができるようになる。
【0036】
図8は、角度維持部120を示している。角度維持部120はバケット120が一定な角度を維持できるようにするための構成である。図面に示されたように、角度維持部120は第1ソレノイドバルブ120aと第2ソレノイドバルブ120bでなされる。第1ソレノイドバルブ120aは、バルブ胴体121aとバルブステム122a及びバケット固定バルブステム123aで構成される。バルブ胴体121aはバルブステム122a、123aの前後方動きを調節する。第2ソレノイドバルブ120bはバルブ胴体121bとバルブステム122bでなされる。
図8(b)に示されたように、第1ソレノイドバルブ120aのバルブステムが前方に移動してバケット固定バルブステム123aがバケット200のバルブステム安着溝202に安着されれば、第2ソレノイドバルブ120bのバルブステム122bが第1ソレノイドバルブステム122aの後方に移動し、第2ソレノイドバルブ120bのバルブステム122bが第1ソレノイドバルブステム122aの後退を防止する。すなわち、第1ソレノイドバルブが誤作動または急に後退をすることを防止するために第2ソレノイドバルブ120bがさらに装着される。
【0037】
図9に示されたように、デキャンティングキット2は遠心分離容器21とデキャンティング容器22とプロッタ23で構成される。遠心分離容器21は成分分離のための適量の試料を投入して遠心分離された成分のうちで密度が高い成分が残る第1チャンバ212と、前記第1チャンバ212から密度が低い成分が移動貯蔵される第2チャンバ211に区分される。遠心分離されて密度が低い成分が移動貯蔵された第2チャンバ211はバケット200が一定角度で傾けられる場合下部のデキャンティング容器22のデキャンティングチャンバ221に移動する。
【0038】
図10は、本発明のスイングローターアセンブリー1が遠心分離機(C)に装着されたことを示している。遠心分離機(C)内でローターヘッダーはモータによって回転され、このようなモータの回転など作動は前方に形成されたモニターを通じて制御することができる。
前記のような構成でなされる本発明による遠心分離機用スイングローターアセンブリー1の作用を具体的に説明すれば次のようである。
【0039】
まず、本発明のスイングローターアセンブリー1は、
図10に示されたように、遠心分離機(C)に内在収容装着され、前記遠心分離機(C)の制御部(図示せず)と電気的に連結され、遠心分離機(C)既作動による装置駆動と連携したローターヘッダー100の水平回転がなされるようにすることを通じて前記ローターヘッダー100のバケット200に収容装着されたデキャンティングキット2に盛られた試料の成分分離(遠心分離)が可能である。
【0040】
ここで、前記ローターヘッダー100の水平回転のための駆動部300のうちでモータ301の回転軸302最上端に形成された締結取っ手107を使用者が手でつかんで移動させることができて、本発明のスイングローターアセンブリー1を遠心分離機(C)に容易に装着するか、または分離し出すことができる。
【0041】
続いて、本発明の前記スイングローターアセンブリー1の作用を説明すれば、
図6に示されたバケット200にデキャンティングキット2を挿入するが、デキャンティングキット2には遠心分離容器21に適量の試料をあらかじめ注入する。
【0042】
デキャンティングキット2がバケット200に収容されれば、モータ301を駆動させる。モータ301の駆動によってローターヘッダー100は回転するようになって、それによってデキャンティングキット2の内部に注入された試料は密度差によって遠心分離される。遠心分離された試料は密度差によって上下に区分されて境目にはプロッタ23が位置する。
【0043】
遠心分離が完了すれば、バケット200を角度維持部120によって一定角度で維持させ、一定時間の間にプロッタ上部の遠心分離された所望の試料を遠心分離容器21の第2チャンバ211からデキャンティング容器22のデキャンティングチャンバ221に移動するようにする。
【0044】
これで、前記バケット200それぞれに収容装着された前記デキャンティングキット2に盛られた試料を成す成分らが密度差によってそれぞれ分離される。例えば、血液の場合、前記第1チャンバ211の下部には密度が一番高い成分である赤血球が濃縮位置され、その次に高い密度を有する白血球と血小板でなされたバフィーコートが濃縮位置され、最後に一番低い密度を有する血漿が濃縮位置されるものである。
成分分離が完了されれば、デキャンティングキット2を抜き取って、デキャンティングキット2のデキャンティングチャンバ221にある試料を抽出する。
【0045】
以上の説明は本発明の技術思想を例示的に説明したことに過ぎないものであり、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者なら本発明の本質的な特性から脱しない範囲内で多様な修正と変更及び置き換えが可能であろう。よって、本発明に開示された実施例及び添付された図面らは本発明の技術思想を限定するためではなく説明するためのものであり、このような実施例及び添付された図面によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は下の特許請求範囲によって解釈されなければならないし、それと同等な範囲内にあるすべての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものとして解釈されなければならないであろう。
【符号の説明】
【0046】
2 デキャンティングキット
100 ローターヘッダー
200 バケット
300 駆動部
302 駆動軸
【国際調査報告】