IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フォトン コントロール インコーポレイテッドの特許一覧

特表2022-549211光ファイバ温度プローブの校正システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-24
(54)【発明の名称】光ファイバ温度プローブの校正システム
(51)【国際特許分類】
   G01K 15/00 20060101AFI20221116BHJP
【FI】
G01K15/00 ZAB
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022517851
(86)(22)【出願日】2020-09-18
(85)【翻訳文提出日】2022-05-06
(86)【国際出願番号】 CA2020051256
(87)【国際公開番号】W WO2021051204
(87)【国際公開日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】62/903,486
(32)【優先日】2019-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521346357
【氏名又は名称】フォトン コントロール インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PHOTON CONTROL INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】ダヴァール,レーザ
(72)【発明者】
【氏名】ブレイ,ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】フィーヴァー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ラム,トレヴァー ソニー
【テーマコード(参考)】
2F056
【Fターム(参考)】
2F056XA07
(57)【要約】
温度感知システムは、光学温度感知プローブと、コネクタを介してコンバータに接続するために前記プローブに結合されているケーブルと、前記プローブから前記ケーブルを介して延びている光ファイバと、前記プローブまたはコネクタに配置されている校正モジュールとを含み、前記コネクタは、前記校正モジュールが前記コンバータと通信できるようにする少なくとも2つの導体を備えている。ケーブルを介して光学温度感知プローブをコンバータに接続するためのコネクタは、前記ケーブルから前記コンバータに光ファイバを延ばすための穴と、少なくとも2つの接点と、前記少なくとも2つの接点を介した少なくとも2つの電気的接続とを含む。光学温度感知プローブをコンバータに接続するための延長ケーブルは、第1の端部および第2の端部と、前記第1および第2の端部の間に延びる少なくとも2つの導体とを含み、前記プローブからの信号を前記コンバータに伝える。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度感知システムであって、
光学温度感知プローブと、
コネクタを介して前記プローブをコンバータに接続するために前記プローブに結合されているケーブルと、
前記プローブから前記ケーブルを介して延びている光ファイバと、
前記プローブまたはコネクタに配置されている校正モジュールとを含み、
前記コネクタは、前記校正モジュールが前記コネクタを介して前記コンバータと通信できるようにする少なくとも2つの導体を備えていることを特徴とする温度感知システム。
【請求項2】
前記校正モジュールは、前記コネクタのオス部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記校正モジュールは、前記プローブに配置され、前記ケーブルは少なくとも2つの導体を備えていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記校正モジュールは、プロセッサ、メモリ、および前記メモリに記憶されている校正データを含み、前記校正データは、前記プローブに固有であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記校正モジュールは、前記プローブと前記コンバータとの間に接続されている延長ケーブルのコネクタに配置されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記延長ケーブルは、前記延長ケーブルの光学的特性に関連する情報を格納するためのメモリを備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記コネクタは、光ファイバが前記プローブから前記コンバータに通過する穴を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記コネクタは、
前記ケーブルから前記コンバータに光ファイバを延ばすための穴と、
少なくとも2つの接点と、
前記少なくとも2つの接点を介した少なくとも2つの電気的接続と、
を含むことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記校正モジュールは、前記接点に接続されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記コネクタは、ステレオジャック型のコネクタである、請求項8または9に記載のシステム。
【請求項11】
前記コネクタがST型のコネクタである、請求項8または9に記載のシステム。
【請求項12】
結合されているケーブルを介してコンバータに光学温度感知プローブを接続するためのコネクタであって、
前記ケーブルから前記コンバータに光ファイバを延ばすための穴と、
少なくとも2つの接点と、
前記少なくとも2つの接点を介した少なくとも2つの電気的接続と、
を備えていることを特徴とするコネクタ。
【請求項13】
前記接点に接続されている校正モジュールをさらに備える、請求項12に記載のコネクタ。
【請求項14】
前記コネクタは、ステレオジャック型のコネクタである、請求項12に記載のコネクタ。
【請求項15】
前記コネクタは、ST型のコネクタである、請求項12に記載のコネクタ。
【請求項16】
温度感知プローブをコンバータに接続するための延長ケーブルであって、
第1の端部および第2の端部と、
前記プローブからの信号を前記コンバータに伝えるように第1の端部と第2の端部との間に延びる少なくとも2つの導体と、
を含む延長ケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連する出願への相互参照)
この出願は、2019年9月20日に出願された米国仮特許出願第62/903486号の優先権を主張し、その内容は参照により本明細書に援用される。
【0002】
以下は、一般に光ファイバ温度プローブに関連し、特にそのような光ファイバ温度プローブの校正システムに関連する。
【背景技術】
【0003】
温度プローブなどの光ファイバ温度センサは、通常、感知材料(例えば、燐光体)に光を送ることができる光ファイバを含む。光は燐光体を照らし、燐光体は目に見えるほど光る。燐光体の温度は、放出された光の特定の特性の変化を観察することによって決定できる。
【0004】
温度センサと同様に、サーモグラフィック燐光体センサは、温度を直接測定するのではなく、燐光時間の減衰など、強い温度依存性を示す物理的特性を測定する。この特性が安定した正確な温度源に対して測定される場合、結果として得られる関係または校正曲線を使用して、時間減衰などの測定された物理的特性と温度との間で変換することができ、センサ機能が可能になる。
【0005】
このアプローチは、製品ファミリで単一の校正曲線を使用する(「一括校正曲線」と呼ばれる)か、または個別に校正曲線を検出要素と適合させる(「適合校正曲線」と呼ばれる)ことにより、サーモグラフィック燐光体センサの製造に使用されている。一括校正アプローチの問題は、プローブ製造能力に基づいてプローブ精度機能に上限が課せられることである。一方、適合校正システムは、はるかに高い精度を提供できるが、検出要素とそれに関連する電子機器とが交換可能ではないという事実によって制限され、通常、これらのユニットの魅力は制限される。
【0006】
温度プローブなどの光ファイバ温度センサの校正データを提供する際の上述の懸念に対処することが、以下の目的である。
【発明の概要】
【0007】
一態様では、温度感知システムであって、光学温度感知プローブと、コネクタを介して前記プローブをコンバータに接続するために前記プローブに結合されているケーブルと、前記プローブから前記ケーブルを介して延びている光ファイバと、前記プローブまたはコネクタに配置されている校正モジュールとを含み、前記コネクタは、前記校正モジュールが前記コネクタを介して前記コンバータと通信できるようにする少なくとも2つの導体を備えていることを特徴とする温度感知システムが提供される。
【0008】
前記コネクタに結合されているケーブルを介して光学温度感知プローブをコンバータに接続するためのコネクタは、前記ケーブルから前記コンバータに光ファイバを延ばすための穴と、少なくとも2つの接点と、前記少なくとも2つの接点を介した少なくとも2つの電気的接続とを含むことを特徴とする。
【0009】
温度感知プローブをコンバータに接続するための延長ケーブルは、第1の端部および第2の端部と、前記プローブからの信号を前記コンバータに伝えるように第1の端部と第2の端部との間に延びる少なくとも2つの導体とを含むことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
次に、添付の図面を参照して実施形態を説明する。
図1図1は、コンバータ側に校正データを格納する従来技術の光ファイバ温度プローブの概略図である。
図2A図2Aは、プローブ側に校正データを格納するスマートプローブおよびユニバーサルコンバータの概略図である。
図2B図2Bは、別の構成のプローブ側に校正データを格納するスマートプローブおよびユニバーサルコンバータの概略図である。
図2C図2Cは、スマートプローブおよび延長ケーブルの概略図である。
図2D図2Dは、別の構成のスマートプローブおよび延長ケーブルの概略図である。
図2E図2Eは、さらに別の構成のスマートプローブおよび延長ケーブルの概略図である。
図3A図3Aは、オスコネクタ構成要素のメスコネクタ構成要素への挿入を示す、スマートプローブ用のユニバーサルコンバータのコネクタの概略図である。
図3B図3Bは、図3Aに示されるコネクタの接続状態における概略図である。
図4図4は、スマートプローブからユニバーサルコンバータに校正データを提供するためのコンピュータ実行可能命令を説明するフローチャートである。
図5図5は、スマートプローブをユニバーサルコンバータに接続するための多点接触ジャックの概略図である。
図6図6は、光ファイバ要素を有するケーブルの内部を見えるようにした部分図である。
図7A図7Aは、図5に示される多点接触ジャックを使用するスマートプローブとユニバーサルコンバータとの間の接続を示す概略図である。
図7B図7Bは、図5に示される多点接触ジャックを使用するスマートプローブとユニバーサルコンバータとの間の接続を示す概略図である。
図7C図7Cは、図5に示される多点接触ジャックを使用するスマートプローブとユニバーサルコンバータとの間の接続を示す概略図である。
図8図8は、切断状態における多点ST互換コネクタの断面図である。
図9図9は、接続状態における図8の多点ST互換コネクタの断面図である。
図10図10は、図9の多点ST互換コネクタの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
説明を単純且つ明確にするために、適切であるとみなす場合、対応するまたは類似する要素を示すための参照番号は、複数の図面の間で繰り返されることがある。さらに、本明細書に記載されている実施例の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細を示している。しかしながら、本明細書に記載の実施例は、これらの特定の詳細が無くても実施され得ることが当業者には理解されるであろう。他の例では、本明細書に記載の実施例を曖昧にしないように、周知の方法、手順、および構成要素について詳細に記載していない。また、本説明について、本明細書に記載されている実施例の範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【0012】
適合校正アプローチと一括校正アプローチとの両方の潜在的な欠点に対処するために、本明細書は、校正データをコンバータではなくプローブ側に格納できるシステム、したがってユニバーサルコンバータを利用できるシステムについて説明する。そのような「スマート」プローブアプローチは、プローブセンサとコンバータ内の電子機器との間で校正情報または他の設定/情報を渡すために、スマートプローブとコンバータとの間の2つ以上の電気的接続を必要とすることが本明細書において認識される。既存の光コネクタでは、このような電気的接続のためのメカニズムは提供されないことが分かっている。
【0013】
従来技術の温度測定システム2の例を図1に示す。図1は、コネクタ6を介してコンバータ5に接続されたプローブ3およびケーブル4を含む。このシステム2は、温度プローブのモデルの校正データ7を、コンバータ5に配置されたEEPROMチップなどの電子モジュールに格納する。燐光温度プローブの分野で使用される一般的なコネクタ6は「ST」コネクタ6である。このコネクタ6は2つの光ファイバを結合し、温度を電気信号に変換する温度コンバータ5に温度プローブ3を接続するために一般的に使用される。ただし、上述のように、より高精度の測定値を取得する必要がある場合、これを実現する1つの方法は、校正係数を固有のプローブにカスタマイズすることである。これを実装するには、コンバータ5自体ではなく、コネクタ6のプローブ側に校正係数を格納する方が便利である。
【0014】
校正係数をプローブ側に配置するには、校正係数をプローブ3からコンバータ5に伝達するための導体が必要であり、これは、図1に示される従来技術のシステム2に示される配置では達成できない。
【0015】
本明細書で説明する新しいシステムでは、コネクタを介して電子校正係数を転送し、「ユニバーサル」コンバータを提供できるようにする。STコネクタと完全に互換性のあるものを含む、コネクタのさまざまな実施形態が説明されている。これにより、古い温度プローブと新しい温度プローブとの両方を交換でき、より高精度のプローブの採用が容易になる。
【0016】
上述のように、燐光感知要素を個々のコンバータユニットと適合させるアプローチを使用して、通常よりも高いレベルの測定精度を達成することができる。ただし、製品の使いやすさに制約があるため、ユニットを適合させる必要性はメーカーと顧客との両方にとって魅力的ではない。校正係数をプローブ側に配置できるようにすることで、これらの魅力的でない制約を回避することができる。
【0017】
つまり、本明細書で説明する新しいシステムは、プローブ固有の校正データをプローブまたはケーブル自体(総称して「スマートプローブ」)の電子モジュール(EEPROMチップまたは同様の構成要素)に格納することにより、一括および適合校正アプローチの長所を効果的に組み合わせることができる。個々のスマートプローブからの校正データは、電子ユニットまたは「ユニバーサルコンバータ」によって読み取ることができる。このコンバータは、減衰時間を検出し、スマートプローブの個々の校正曲線を使用して、一括校正アプローチを使用して達成されるよりも高精度でこれを温度に変換できる。重要なのは、このアプローチを使用する場合、適合校正アプローチとは対照的に、システムの互換性が維持されることである。
【0018】
一の実施では、電気的接続を提供するコネクタには、オーディオジャックによく使用されるものと同様の、チップスリーブ(TS)、チップリングスリーブ(TRS)、またはチップリングリングスリーブ型のコネクタを含めることができるが、光ファイバを収容できる中央の穴を含むように変更されている。
【0019】
別の実施では、コネクタは、光ファイバと導体とを単一のコネクタに接続できる。このコネクタは、通常は光ファイバのみを接続するSTコネクタと後方および前方互換性を有している。
【0020】
図2Aに、本明細書で論じる原理による温度感知システム10を示す。システム10は、ケーブル16およびコネクタ18を介してコンバータ14に接続する光ファイバ温度プローブ12を含む。ケーブル16は、光信号を伝えるための光ファイバを含む。以下でより詳細に論じるように、コネクタ18は、「プローブ側」に第1のコネクタ構成要素を含み、「コンバータ側」に第2のコネクタ構成要素を含む。本明細書の特定の例は、第1のコネクタ構成要素をオスコネクタ構成要素として示し、第2のコネクタ構成要素をメスコネクタ構成要素として示すことができるが、この構成は逆にすることもできることを理解されたい。図2Aに示すように、コネクタ18のプローブ側は、文字「C」を使用して示されてもいる校正データ20を格納するか、さもなければ含むか、または収容する。図2Aに示すように、校正データ20は、校正データ20を格納するために使用される電子部品と、校正データ20を取得して利用するコンバータ14内の電子機器との間の電気的接続の長さを短縮するために、コネクタ18のプローブ側に格納されている。
【0021】
図2Bは、校正データ20がプローブ12に格納されているシステム10の別の例示的な構成を示す。コネクタ18のプローブ側は、依然として、校正データ20を格納するモジュールとコンバータ14内の電子機器との電気的接続を必要とするであろう。さらに、この構成では、ケーブル16は、これらの電気的接続を完了するための電気的配線も必要とするであろう。
【0022】
図2Cは、延長ケーブル32が中間コネクタ30を介してプローブのケーブル16に接続されるシステム10のさらに別の例示的な構成を示す。この構成では、延長ケーブル32は、校正データ20を格納するコネクタ18のプローブ側を含む。コンバータ14の詳細は、説明を明確且つ容易にするため、図2Cから省略されていることが理解されるであろう。
【0023】
図2Dは、延長ケーブル32の別の構成を示しており、プローブ12、ケーブル16、およびコネクタ18は、図2Aに示すものと同様である。ただし、コネクタ18のコンバータ側は、代わりに、コンバータ14に直接接続する第2のコネクタ30を含む延長ケーブル32の一端部になっている。図2Cと同様に、コンバータの詳細は、説明を明確且つ容易にするため、図2Dから省略されている。この構成では、通常使用されるプローブ12、ケーブル16、および校正データ20を収容するコネクタ18のプローブ側部分は、コネクタ18によりコンバータ14と通常インタフェースする延長ケーブル32を取り付けることによって延長できることが理解されよう。延長ケーブル32は、この構成では、プローブ12が校正データ20をコンバータ14に通信することを可能にするために、それに沿う電気配線が必要とされるであろう。図2Eは、校正データ20をプローブ12に格納する図2Bに示すプローブ構成であることを除いて、図2Dと同様のさらに別の構成を提供する。図2A~2Eに示す種々の構成は例示であり、他の構成が可能であることが理解されよう。例えば、複数の延長ケーブル32を利用することができる。さらに、校正データ20は、プローブ12またはコネクタ18のいずれかに格納されているように示されているが、他の構成要素を使用して、ケーブル16または延長ケーブル32に統合することもできる。
【0024】
延長ケーブル32の長さに基づいて変化し得るシステム10の精度への潜在的な影響に対処するために、延長ケーブル32はまた、メモリ(図示せず)を含むことができることが理解されよう。メモリは、延長ケーブル32の光学特性に関連する情報を格納するために使用することができる。このようにして、システム10は、接続された延長ケーブル32から情報を読み取り、それを温度計算に織り込むことができる。メモリは個別にアドレス指定して、通常2つまたは3つの導体を必要とする単線接続と呼ばれるものから読み取ることができる。
【0025】
図3Aに、コネクタ18およびそのコンバータ14とのインタフェースの詳細を示す。この実施例のコネクタ18は、メス構成要素42に挿入可能または他の方法で接続可能なオス構成要素40を含み、メス構成要素42は、コンバータ14に統合され、プローブ12およびケーブル16(図3Aに示さず)のためのソケットを提供する。オス構成要素40は、ケーブル16の遠位端に接続され、ケーブル16の近位端は、プローブ12に接続されている。オスまたはプローブ側コネクタ40は、穴、空洞を含むか、他の方法で光ファイバ44を収容する。光ファイバ44は、プローブ12からケーブル16を通って延び、オス構成要素40で終端する。オス構成要素40をメス構成要素42に接続することにより、光ファイバ44は、コンバータ14内の光学構成要素58と光学的に通信することができる。図3Aの例示的な図では、左側のレンズは、光ファイバ44からの光をコリメートするために使用され、対角線ミラーは、指定された遮断波長よりも大きい波長の光を透過し、特定の遮断波長よりも小さい光を反射する二色性フィルタである。図の右側のレンズは光を光学検出器に集束させ、図の下部のレンズはLEDからの光をコリメートする。
【0026】
オスコネクタ40はまた、校正データ20を格納するための校正モジュール46を含む。この実施例では、校正モジュール46は、プロセッサ48およびプロセッサ48に結合されたメモリ50を含む。メモリ50は、校正データ20を格納し、プロセッサ48は、メモリ50から校正データ20を取得し、それをコンバータ14内のコンバータモジュール56に提供する。本明細書のコンバータモジュール56は、本明細書の説明の如く校正データ20を使用するように構成されているハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアなどを表し、例えば、測定された特性(プローブ12によって取得された時間減衰)と温度との間で変換を行うために校正曲線を使用して、システム10の機能を果たすことができる。
【0027】
オスコネクタ40はまた、コネクタ18を介して校正モジュール46をコンバータモジュール56に接続する、少なくとも第1の電気的接続52(例えば、信号接地)および第2の電気的接続54(例えば、信号)を含む。コネクタ18の種類に応じて、筐体の接地接続も提供され得る。すなわち、図3Bに示すように、オスコネクタ40がメスコネクタ42に接続する場合、第1および第2の電気的接続52、54(例えば、接地および信号)は、コンバータモジュール56がこれらの電気的接続を使用してコネクタ18のプローブ側の校正モジュール46から校正データ20を取得できるようになっている。図3Aおよび3Bに示している電気的接続は、純粋に例示的かつ概略的なものであり、使用するコネクタ18の種類に応じて異なる接触点に配置される(以下の説明および図示のように)。このようにして、コンバータ14は、それぞれが接続のプローブ側に格納している独自の校正データ20を有する複数のプローブモデルに対して「ユニバーサル」であることができる。図3Aおよび3Bに示す構成要素のサイズ、比率、およびスケールは、上述の原理を説明する目的であるため、限定的なものと見なされるべきではない。例えば、校正モジュール46は、例えば、可撓性プリント回路基板(PCB)などのPCB上のEEPROMなどの比較的小さな電子部品によって提供することができる。
【0028】
システム10により、発光特性が温度の関数として大きく変化し、温度限界点に曝された後に非常に安定した特性を示す燐光材料を含む感知素子の使用が可能になることが理解されよう。さらに、これにより、個々のユニットの連続校正曲線を定義する方法が可能になる。このようにして、校正曲線は、プローブの全動作温度にわたって校正曲線を正確に記述するために必要ないくつかの温度校正ポイントを使用して生成することができる。さらに、「ユニバーサル」コンバータ14と「スマート」プローブ12との互換性は、使用可能な、非常に正確な温度測定に時間減衰値を変換するための校正モジュール46(例えば、EEPROMプまたは同様の装置)に格納されている校正定数を使用して達成することができる。
【0029】
図4は、プローブ側校正データ20を利用するための工程を説明するフローチャートを示す。ステップ100で、コンバータ14は(例えば、コンバータモジュール56を介して)プローブ12が接続されたことを検出する。ステップ102で、コンバータ14は、接続されたプローブ12の校正モジュール46と通信し、ステップ104で、そのプローブ12の校正データ20を取得する。これは、例えば、校正モジュール46と電気的接続52、54を介して通信するコンバータモジュール56によって行うことができる。例えば、典型的な通信プロトコルは、単線通信を含む。マイクロコントローラのデジタルI/OピンまたはUARTを使用して、バス上の通信を駆動することができ、これには、温度センサプローブ12や延長ケーブル32などのスレーブ装置を含めることができる。ステップ106で、コンバータモジュール56は、校正データ20を使用し、光ファイバ44を介し(接続18を介し)構成要素58を使用して決定された測定特性を温度特性に変換する。ステップ108で、コンバータ14は、プローブ12の切断を検出し、次にプローブ12の接続を検出するときに図示の工程を繰り返すことができ、これは同一のプローブ12若しくは異なる校正データ20を有する異なるプローブ12のいずれでもあり得る。
【0030】
コネクタ18により、接続のプローブ側に校正データ20を格納できるようにする電気的接続が可能になるとともに、光学的接続を結合するための様々な方法を実施することができる。図5は、オスコネクタ140としてオーディオジャックスタイルの多点ジャックを使用する実施例の1つを示している。本実施例では、穴または空洞がオスコネクタ140の中心を通るように形成され、光ファイバ33がオスコネクタ140を通して延びるようになっている。この構造により、校正データ20を格納する校正モジュール46を収容するための校正ハウジング150を作成することができる(説明を容易にするためにモジュール46の詳細は省略されている)。コネクタ140は、ストレインリリーフクランプ、スリーブ160への電気的接続を提供するスリーブ接続点152、リング162への電気的接続を提供するリング接続点156、およびチップ164への電気的接続を提供するチップ接続点158を含む。これにより、電気的接続52、54が校正モジュール46と接続されることを可能にする少なくとも2つの接続を提供する。図5の実施例に示すように、第1の電気的接続52はチップ164を介して行われ、第2の電気的接続54はリング162を介して行われる。スリーブ接続点154は、接地(図示せず)などの別の接続に使用できることが理解されよう。好ましくは、各側に3本のワイヤおよび3本の接点があり、少なくとも2本のワイヤがある。筐体の接地接続に接続されたケーブルシールドは、シールドの内部にある信号線と接地線とをシールドするのに役立つ。図5に示すオスコネクタ140により、チップリングスリーブ、またはチップスリーブチップまたはチップリングリングスリーブ型の接続を証明することができる。なお、図5に示す実施例は例示目的である。
【0031】
図6は、光ファイバ44がその中を走っている3軸型のケーブル16、32を示す。これにより、ケーブル16は、電気信号52、54がケーブル16若しくは延長ケーブル32(または両方)に沿って送信される実装において光ファイバ44に沿って若しくはその周囲を伝わる少なくとも2つの電気信号を送信することができる。典型的な3軸ケーブルは、中心導体を取り外して光ファイバ44と交換して使用することができる。
【0032】
図7A~7Cは、図5に示すオスコネクタ140を使用して行われる接続を示す。なお、図5の挿入図に、導電性構成要素と絶縁性構成要素を示す。図7Bに示すように、コンバータ14は、電気的接続52、54を完了するための導電性構成要素を含むオーディオジャックソケットと同様の相補的なソケット型のメスコネクタ構成要素142を含むように適合させることができる。図7Cの接続は、コネクタ構成要素140、142を使用して行う電気的および光学的接続について示す。
【0033】
図8~10に、コネクタ18の別の実装を示す。ST型コネクタは、校正データ20を格納し、且つ電気的接続52、54を可能にするために強化されている。図8に示すように、第1のオスコネクタ構成要素240は、シャフト250を介して供給される光ファイバ44を含む。シャフト250は、ハウジング253を介して供給される。可撓性PCB252は、ハウジング253上で支持され、校正モジュール46、例えば、EEPROMを含む。ばね254は、可撓性PCB252との電気的接続を提供し、ハウジング253の周りを回転することができるナット256を支えている。図8に示すように、シャフト250および光ファイバ44は、ナット256から突出し、メスコネクタ構成要素242とインタフェースする第2のオスコネクタ構成要素241に挿入可能である(例えば、図11を参照)。
【0034】
第2のオスコネクタ構成要素241は、シャフト250を受け取り、ナット256と相互作用して接続を行うアダプタを含む。アダプタスリーブ260は、アダプタ260内に配置されている。図8に示すように、この方法での構成要素の配置により、モジュール46から可撓性PCB252、ばね254、ナット256、それからアダプタ258への第1の電気的接続52が提供される。第2の電気的接続54は、モジュール46から可撓性PCB252、シャフト250、アダプタスリーブ260に提供され、それは、第1のオスコネクタ構成要素240が第2のオスコネクタ構成要素241に挿入されるときにシャフト250に接触する。
【0035】
図8に示すものに到達するために、標準的なSTコネクタにいくつかの修正が必要とされ得ることが理解されよう。たとえば、通常のSTコネクタでは、オスフェルールとバヨネットナットとの間で少なくとも断続的な導通が可能である。プローブ側とコンバータ側との両方で、図8に示すSTコネクタは、2つの導電性経路と中間の絶縁性経路とに慎重に分割されている。コンバータ側では、1つの導電性経路は外部をたどり、外部の導電性経路はEEPROMから可撓性PCBを通り、薄いばねを通り、ナットに入る。それから、プローブのナットがコンバータのアダプタの外側に接触する。内部では、もう一方の導電性経路がEEPROMから可撓性PCBの別のワイヤを通って、シャフト/フェルールに流れ込む。プローブのシャフト/フェルールは、コンバータの内部アダプタスリーブに接触する。絶縁体261は、2つの経路を分離している。
【0036】
図9は、接続が行われたときの構成要素240、242を示し、図10は、外観図を示す。
【0037】
本明細書で使用する実施例および対応の図は、例示のみを目的としていることが理解されよう。本明細書で表現した原理から逸脱することなく、異なる構成および用語を使用することができる。たとえば、構成要素とモジュールとは、これらの原則から逸脱することなく、異なる接続で追加、削除、変更、または配置することができる。
【0038】
本明細書で例示される、命令を実行する任意のモジュールまたは構成要素は、記憶媒体、コンピュータ記憶媒体、または、例えば、磁気ディスク、光ディスク、若しくはテープなどのデータ記憶装置(取り外し可能および/または取り外し不可能なもの)などのコンピュータ可読媒体を含むか、そうでなければそれらにアクセスできることも理解されよう。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、若しくは他のデータなどの情報を格納するための任意の方法または技術で実装された揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不可能な媒体を含み得る。コンピュータ記憶媒体の例には、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)若しくは他の光学ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ若しくは他の磁気記憶装置、または必要な情報を格納するために使用でき、アプリケーション、モジュール、またはその両方からアクセスできるその他の任意の媒体が含まれる。そのようなコンピュータ記憶媒体は、校正モジュール46、プローブ12、コネクタ18、30、コンバータ14、またはそれらに関連する、若しくはそれらにアクセス可能な若しくは接続可能な任意の構成要素の一部であり得る。本明細書に記載の任意のアプリケーションまたはモジュールは、そのようなコンピュータ可読媒体によって格納または保持され得るコンピュータ可読/実行可能命令を使用して実装することができる。
【0039】
本明細書で説明するフローチャートおよび図のステップまたは操作は、ほんの一例である。上述の原則から逸脱することなく、これらのステップまたは操作には多くの変形例があり得る。たとえば、ステップを異なる順序で実行する、またはステップを追加、削除、若しくは変更することができる。
【0040】
上述の原理について、特定の例を参照して説明してきたが、添付の特許請求の範囲に概説されるような様々な変更は、当業者には明らかであろう。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
【国際調査報告】