(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-24
(54)【発明の名称】埋め込まれるように構成される医療デバイスに命令するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G16H 40/67 20180101AFI20221116BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20221116BHJP
A61F 2/08 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
G16H40/67
A61B5/00 B
A61F2/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022518279
(86)(22)【出願日】2020-09-22
(85)【翻訳文提出日】2022-05-16
(86)【国際出願番号】 FR2020051652
(87)【国際公開番号】W WO2021058906
(87)【国際公開日】2021-04-01
(32)【優先日】2019-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514211596
【氏名又は名称】ユロマン
【氏名又は名称原語表記】UROMEMS
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ラムラウイ,ハミド
(72)【発明者】
【氏名】マリエン,マルク
【テーマコード(参考)】
4C097
4C117
5L099
【Fターム(参考)】
4C097AA20
4C097BB01
4C097BB06
4C097CC04
4C097CC12
4C117XB03
4C117XC21
4C117XD17
4C117XH12
4C117XJ42
4C117XN07
5L099AA01
(57)【要約】
本発明は、人間又は動物の体に埋め込まれるように構成される医療デバイス(2)を遠隔に命令する方法及びコマンドシステム(1)に関し、コマンドシステムは、医療デバイスに命令するための少なくとも第1のアクティブ化要素(4)及び第2のアクティブ化要素(5)を含み、第1のアクティブ化要素は、追加的なアクティブ化要素(6)への近接性によってトリガされるように構成され、第2のアクティブ化要素は、第2のアクティブ化要素に加えられる圧力によってトリガされるように構成され、コマンドシステムは、第1のアクティブ化要素及び第2のアクティブ化要素のトリガの後に、医療デバイスのコマンドをアクティブ化させるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間又は動物の体内に埋め込まれるように構成される医療デバイスに遠隔に命令するためのコマンドシステムであって、
当該コマンドシステムは、前記医療デバイスに命令するための少なくとも第1のアクティブ化要素及び第2のアクティブ化要素を含み、前記第1のアクティブ化要素は、追加的なアクティブ化要素への近接性によってトリガされるように構成され、前記第2のアクティブ化要素は、前記第2のアクティブ化要素に加えられる圧力によってトリガされるように構成され、
当該コマンドシステムは、前記第1のアクティブ化要素及び前記第2のアクティブ化要素のトリガの後に前記医療デバイスのコマンドをアクティブ化させるように構成される、
コマンドシステム。
【請求項2】
前記第1のアクティブ化要素及び前記第2のアクティブ化要素の同時のトリガの後に前記医療デバイスのコマンドをアクティブ化させるように構成される、請求項1に記載のコマンドシステム。
【請求項3】
前記第1のアクティブ化要素及び前記第2のアクティブ化要素の連続的なトリガの後に前記医療デバイスのコマンドをアクティブ化させるように構成される、請求項1に記載のコマンドシステム。
【請求項4】
1秒未満の、好ましくは500ミリ秒未満の、更に好ましくは100ミリ秒以下の時間間隔において実行される前記第1のアクティブ化要素及び前記第2のアクティブ化要素の連続的なトリガの後に前記医療デバイスのコマンドをアクティブ化させるように構成される、請求項1~3のうちのいずれか1項に記載のコマンドシステム。
【請求項5】
前記第1のアクティブ化要素及び前記第2のアクティブ化要素は、当該コマンドシステムの異なる場所に配置され、好ましくは当該コマンドシステムの両側に配置される、請求項1~4のうちのいずれか1項に記載のコマンドシステム。
【請求項6】
前記第1のアクティブ化要素及び前記第2のアクティブ化要素は、重なり合うように当該コマンドシステムの同じ場所に配置される、請求項1又は3に記載のコマンドシステム。
【請求項7】
前記第1のアクティブ化要素は、触覚センサ、抵抗センサ、容量センサ、誘導センサ、赤外線センサ、光学センサ、磁気センサ又は指紋認識センサからなる群から選択されるセンサを含む、請求項1~6のうちのいずれか1項に記載のコマンドシステム。
【請求項8】
前記第1のアクティブ化要素は、前記医療デバイスの第1のコマンドをアクティブ化させる少なくとも第1の連続的な指紋と前記医療デバイスの第2のコマンドをアクティブ化させる少なくとも第2の連続的な指紋とを認識するように構成される指紋認識センサを含み、前記第1のコマンドは、前記第2のコマンドと異なる、請求項1~7のうちのいずれか1項に記載のコマンドシステム。
【請求項9】
前記第1のアクティブ化要素は、当該コマンドシステムとは別個であり、人間又は動物の体の一部分、好ましくは、指、スタイラス又はバッジ又はクリップ、具体的には、磁気又は電磁スタイラス又はバッジ又はクリップから選択される、追加的なアクティブ化要素への近接性によってトリガされるように構成される、請求項1~8のうちのいずれか1項に記載のコマンドシステム。
【請求項10】
前記第1のアクティブ化要素は、5ミリメートル未満、好ましくは1ミリメートル未満の距離にある前記追加的なアクティブ化要素への近接性によってトリガされるように構成される、請求項1~9のうちのいずれか1項に記載のコマンドシステム。
【請求項11】
前記第1のアクティブ化要素は、前記追加的なアクティブ化要素との接触によってトリガされるように構成される、請求項1~9のうちのいずれか1項に記載のコマンドシステム。
【請求項12】
前記第2のアクティブ化要素は、前記第2のアクティブ化要素の少なくとも一部分の移動を引き起こす前記第2のアクティブ化要素に加えられる圧力の効果の下での状態の変化を測定する状態変化センサを含む、請求項1~11のうちのいずれか1項に記載のコマンドシステム。
【請求項13】
前記第2のアクティブ化要素は、押しボタン、スイッチ及び電気スイッチからなる群から選択される、請求項1~12のうちのいずれか1項に記載のコマンドシステム。
【請求項14】
前記第2のアクティブ化要素のトリガは、当該コマンドシステムのスイッチをオンにするように構成される、請求項1~13のうちのいずれか1項に記載のコマンドシステム。
【請求項15】
人間又は動物の体外で或いは人間又は動物の体と接触しないで前記医療デバイスのコマンドを遠隔にアクティブ化させるように構成される、請求項1~14のうちのいずれか1項に記載のコマンドシステム。
【請求項16】
前記医療デバイスとワイヤレスに通信するように構成される少なくとも1つの無線周波数送信機を含む、請求項1~15のうちのいずれか1項に記載のコマンドシステム。
【請求項17】
当該コマンドシステムの前記無線周波数送信機は、当該コマンドシステムによる前記医療デバイスのコマンドのアクティブ化に先立って、前記医療デバイスの無線周波数受信機とペアリングされるように構成される、請求項16に記載のコマンドシステム。
【請求項18】
当該コマンドシステムによる前記医療デバイスのコマンドのアクティブ化を示すディスプレイを含む、請求項1~17のうちのいずれか1項に記載のコマンドシステム。
【請求項19】
人間又は動物の体の天然ダクトを閉塞するために医療デバイスに命令するように構成される、請求項1~18のうちのいずれか1項に記載のコマンドシステム。
【請求項20】
人間又は動物の体内に埋め込まれるように構成され、人工括約筋、人工筋肉、電気刺激器、胃リング、神経刺激器又は陰茎インプラントからなる群から選択される、医療デバイスに命令するように構成される、請求項1~19のうちのいずれか1項に記載のコマンドシステム。
【請求項21】
請求項1~20のうちのいずれか1項に記載のコマンドシステムと、人間又は動物の体内に埋め込まれるように構成される医療デバイスとを含む、医療機器。
【請求項22】
人間又は動物の体内に埋め込まれるように構成される医療デバイスに遠隔に命令するための方法であって、
- 前記医療デバイスに遠隔に命令するための少なくとも第1のアクティブ化要素及び第2のアクティブ化要素を含み、前記第1のアクティブ化要素は、追加的なアクティブ化要素への近接性によってトリガされ、前記第2のアクティブ化要素は、前記第2のアクティブ化要素に加えられる圧力によってトリガされる、コマンドシステムを提供するステップと、
- 前記コマンドシステムの前記第1のアクティブ化要素及び前記第2のアクティブ化要素のトリガの後に前記医療デバイスのコマンドをアクティブ化させるステップと
のうちの少なくとも1つを含む、
方法。
【請求項23】
前記コマンドシステムは、前記第1のアクティブ化要素及び前記第2のアクティブ化要素の同時のトリガの後に前記医療デバイスのコマンドをアクティブ化させる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記コマンドシステムは、前記第1のアクティブ化要素及び前記第2のアクティブ化要素の連続的なトリガの後に前記医療デバイスのコマンドをアクティブ化させる、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記追加的なアクティブ化要素は、前記コマンドシステムとは別個に提供され、人間又は動物の体の一部分、好ましくは、指、スタイラス又はバッジ又はクリップ、具体的には、磁気又は電磁スタイラス又はバッジ又はクリップからなる、請求項22~24のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記第1のアクティブ化要素は、5ミリメートル未満、好ましくは1ミリメートル未満の距離にある前記追加的なアクティブ化要素への近接性によってトリガされる、請求項22~25のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記第1のアクティブ化要素は、前記追加的なアクティブ化要素との接触によってトリガされる、請求項22~25のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記第2のアクティブ化要素は、前記第2のアクティブ化要素の少なくとも一部分の移動を引き起こす前記第2のアクティブ化要素に加えられる圧力の効果の下での状態の変化を測定する状態変化センサを備える、請求項22~27のうちのいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人又は動物の体に埋め込み可能な(implantable)医療デバイスに命令するためのシステムに関する。
【0002】
本発明は、特に、能動的に埋め込み可能な医療デバイス、すなわち、それらの動作のために、電力エネルギ源に依存し、適応された命令システム(command system)を有することを必要とする、医療デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
例えば、天然臓器の機能不全を補償するために、患者の体内で機能を遂行するよう患者に埋め込み可能な多くの医療デバイスがある。
【0004】
特に、例えば、(人工尿道括約筋及び肛門括約筋の場合の)失禁を治療するための、或いは(胃帯の場合の)胃への食物の侵入を制限するための、解剖学的ダクトを選択的にシールするための埋め込み可能な医療デバイスが知られている。解剖学的ダクトのシーリングは、通常、前記ダクトに巻き付いたカフ(cuff)の圧迫によって引き起こされる。
【0005】
一般に言えば、人工尿道括約筋は、閉塞カフを含み、閉塞カフは、特に失禁を患う患者の場合に尿漏れを防ぐために、尿道を圧迫するように、尿道の周囲に、場合によっては、女性のインプラントの場合には膀胱頸部の周囲に、男性のインプラントの場合には前立腺の周囲に埋め込まれる。人工括約筋のコマンド、例えば、天然ダクトをシール又は開放するためにカフによって加えられる圧迫の調整をアクティブ化(起動)させるように構成されたコマンドシステムも提供される。
【0006】
より古い人工括約筋では、患者による手動作動、例えば、皮膚の下に配置されたポンプデバイスに加えられる圧力が、人工括約筋のコマンドをアクティブ化させるように、医療デバイスが構成される。
【0007】
今日では、カフを制御するために患者が手動でポンプを押さなければならないことを避けるために、より洗練されたシステムが開発されている。
【0008】
次に、人工括約筋は、例えば、カフによって天然ダクトに加えられる圧力の減少を実現することによって、埋め込まれる医療デバイスのコマンドをアクティブ化させるように適合される、患者の体内に埋め込まれていない遠隔コマンドシステムを含む。
【0009】
現在、患者の体内に埋め込まれないコマンドシステムによって遠隔的にアクティブ化させられることができる異なるタイプの埋め込み医療デバイス、例えば、異なるカフ技術(液圧、機械的、膨張可能など)及び異なる圧電アクチュエータ技術、ケーブルなどを実装する、人工尿道括約筋がある。
【0010】
本発明は、如何なる特定の埋め込み医療デバイス技術に限定されるないことが理解される。
【0011】
しかしながら、患者の体に埋め込まれないコマンドシステムによって遠隔的にアクティブ化させられることができる埋め込み医療デバイスは、患者によって誤って、すなわち、非意図的に作動され得るという欠点を有する。これは、通常、コマンドシステムが誤って操作されるときの場合であり、例えば、コマンドシステムが、埋め込まれた医療デバイスのコマンドのアクティブ化をトリガするボタンを有する遠隔コマンドの形態にあり、この遠隔コマンドが、患者のズボンのポケットに配置されるときの場合である。この場合には、患者の姿勢の単純な変化が、遠隔コマンドボタンに対する意図しない圧力、よって、医療デバイスのコマンドのアクティブ化、例えば、カフ内の圧力の低減及び患者の意図しない排尿をもたらし得る。
【0012】
これらの条件は、患者にとって非常に困難な状況をもたらす。従って、意図しないコマンドが回避される埋め込み医療デバイスを遠隔的に命令するシステムの必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本発明は、患者の意図的行動の結果としてのみコマンドを起動する、人間又は動物の体に埋め込まれる医療デバイスを遠隔的に命令するシステムを提供することによって、これらの欠点を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的を達成するために、本発明は、人間又は動物の体内に埋め込まれる(インプラントされる)ように構成される医療デバイスに遠隔に命令するためのコマンドシステムを提供し、コマンドシステムは、医療デバイスに命令するための少なくとも第1のアクティブ化要素及び第2のアクティブ化要素を含み、第1のアクティブ化要素は、追加的なアクティブ化要素への近接性によってトリガされるように構成され、第2のアクティブ化要素は、第2のアクティブ化要素に加えられる圧力によってトリガされるように構成され、コマンドシステムは、第1のアクティブ化要素及び第2のアクティブ化要素のトリガの後に医療デバイスのコマンドをアクティブ化させるように構成される。
【0015】
従って、本発明は、人間又は動物の体内に埋め込まれる医療デバイスに遠隔に命令することができる患者の体内に埋め込まれないコマンドシステムに関する。埋込み(implantation)とは、例えば、外科手術の間に、人間又は動物の体内に導入される医療デバイスを指すことが理解される。
【0016】
有利には、異なる性質の2つのアクティブ化要素のトリガによる埋め込み医療デバイスのコマンドのアクティブ化は、意図的でないコマンドの患者によるアクティブ化を有意に減少させることを可能にすることに留意されたい。
【0017】
本発明の1つの実施形態によれば、コマンドシステムは、第1のアクティブ化要素及び第2のアクティブ化要素の同時のトリガの後に医療デバイスのコマンドをアクティブ化させるように構成されるのに対し、別の実施形態によれば、コマンドシステムは、第1のアクティブ化要素及び第2のアクティブ化要素の連続的なトリガの後に医療デバイスのコマンドをアクティブ化させるように構成される。好ましくは、第1のアクティブ化要素及び第2のアクティブ化要素の連続的なトリガは、1秒未満の、好ましくは500ミリ秒未満の、更に好ましくは100ミリ秒以下の時間間隔において実行される。
【0018】
本発明の1つの特定の実施形態によれば、第1のアクティブ化要素及び第2のアクティブ化要素は、コマンドシステムの異なる場所に配置され、好ましくは、コマンドシステムの両側に配置されるのに対し、別の実施形態によれば、第1のアクティブ化要素及び第2のアクティブ化要素は、重なり合うようにコマンドシステムの同じ場所に配置される。
【0019】
本発明の1つの実施形態によれば、第1のアクティブ化要素は、触覚センサ、抵抗センサ、容量センサ、誘導センサ、赤外線センサ、光学センサ、磁気センサ又は指紋認識センサからなる群から選択されるセンサを含む。好ましくは、指紋認識センサ、医療デバイスの第1のコマンドをアクティブ化させる少なくとも第1の連続的な指紋と医療デバイスの第2のコマンドをアクティブ化させる少なくとも第2の連続的な指紋とを認識するように構成され、第1のコマンドは、前記第2のコマンドと異なる。
【0020】
本発明の1つの実施形態によれば、追加的なアクティブ化要素は、コマンドシステムとは別個であり、人間又は動物の体の一部分、好ましくは、指、スタイラス又はバッジ又はクリップ、具体的には、磁気又は電磁スタイラス又はバッジ又はクリップからなる。
【0021】
本発明の別の実施形態によれば、第1のアクティブ化要素は、5ミリメートル未満、好ましくは1ミリメートル未満の距離にある追加的なアクティブ化要素への近接性によってトリガされるように構成される。代替的に、第1のアクティブ化要素は、追加的なアクティブ化要素との接触によってトリガされるように構成される。
【0022】
本発明の1つの特定の実施形態において、第2のアクティブ化要素は、第2のアクティブ化要素の少なくとも一部分の移動を引き起こす第2のアクティブ化要素に加えられる圧力の効果の下での状態の変化を測定する状態変化センサを含む。第2のアクティブ化要素は、押しボタン、スイッチ及び電気スイッチからなる群から選択される。
【0023】
本発明の別の実施形態によれば、第2のアクティブ化要素のトリガは、当該コマンドシステムのスイッチをオンにするように構成され、それはコマンドシステムを長時間の電力消費スタンバイに維持するのを回避する。
【0024】
好ましくは、コマンドシステムは、医療デバイスのコマンドを遠隔にアクティブ化させるように構成される。すなわち、コマンドシステムは、人間又は動物の体外に或いは人間又は動物の体と接触しないで配置される。よって、コマンドシステムは、人間又は動物の体内に埋め込まれるべきでなく、人間又は動物の体内に埋め込まれないことが理解されよう。よって、コマンドシステムは、医療デバイスとワイヤレスに通信するように構成される少なくとも1つの無線周波数送信機を含み、無線周波数送信機は、コマンドシステムによる医療デバイスのコマンドのアクティブ化に先立って、医療デバイスの無線周波数受信機とペアリングされるように構成される。
【0025】
本発明の1つの特定の実施形態によれば、コマンドシステムは、コマンドシステムによる医療デバイスのコマンドのアクティブ化を示すディスプレイを含む。
【0026】
好ましくは、コマンドシステムは、人間又は動物の体の天然ダクトを閉塞するために医療デバイスに命令するように構成され、医療デバイスは、人工括約筋、人工筋肉、電気刺激器、胃リング、神経刺激器又は陰茎インプラントからなる群から選択される、医療デバイスに命令するように構成される。
【0027】
本発明は、上記で定義したようなコマンドシステムと、人間又は動物の体内に埋め込まれるように構成される医療デバイスとを含む、医療機器に拡張する。
【0028】
本はτ名は、人間又は動物の体内に埋め込まれるように構成される医療デバイスに遠隔に命令するための方法に拡張し、当該方法は、
- 医療デバイスに遠隔に命令するための少なくとも第1のアクティブ化要素及び第2のアクティブ化要素を含み、第1のアクティブ化要素は、追加的なアクティブ化要素への近接性によってトリガされ、第2のアクティブ化要素は、第2のアクティブ化要素に加えられる圧力によってトリガされる、コマンドシステムを提供するステップと、
- コマンドシステムの第1のアクティブ化要素及び第2のアクティブ化要素のトリガの後に医療デバイスのコマンドをアクティブ化させるステップとのうちの少なくとも1つを含む。
【0029】
本発明に従った方法の1つの実施形態において、コマンドシステムは、第1のアクティブ化要素及び第2のアクティブ化要素の同時のトリガの後に医療デバイスのコマンドをアクティブ化させる一方で、別の実施形態によれば、コマンドシステムは、第1のアクティブ化要素及び第2のアクティブ化要素の連続的なトリガの後に医療デバイスのコマンドをアクティブ化させる。好ましくは、第1のアクティブ化要素及び第2のアクティブ化要素の連続的なトリガは、1秒未満、好ましくは500ミリ秒未満、更に好ましくは100ミリ秒以下の時間間隔で実行される。
【0030】
本方法の1つの特定の実施形態によれば、第1のアクティブ化要素及び第2のアクティブ化要素は、コマンドシステムの異なる場所に配置され、好ましくはコマンドシステムの両側に配置されるのに対し、別の実施形態によれば、第1のアクティブ化要素及び第2のアクティブ化要素は、コマンドシステムの同じ場所に配置される。
【0031】
本方法の別の実施形態によれば、第1のアクティブ化要素は、触覚センサ、抵抗センサ、容量センサ、誘導センサ、赤外線センサ、光学センサ、磁気センサ又は指紋認識センサからなる群から選択されるセンサを備える。好ましくは、指紋認識センサは、医療デバイスの第1のコマンドをアクティブ化する少なくとも第1の連続的な指紋と医療デバイスの第2のコマンドをアクティブ化する少なくとも第2の連続的な指紋とを認識し、第1のコマンドは、第2のコマンドとは異なる。
【0032】
本方法の更に別の実施形態によれば、追加的なアクティブ化要素は、コマンドシステムとは別個に設けられ、人間又は動物の体の一部分、好ましくは、指、スタイラス又はバッジ又はチップ、特に磁気又は電磁スタイラス又はバッジ又はチップからなる。
【0033】
本方法の1つの実施形態によれば、第1のアクティブ化要素は、5mm未満、好ましくは1mm未満の距離にある追加的なアクティブ化要素への近接性によってトリガされる。代替的に、第1のアクティブ化要素は、追加的なアクティブ化要素との接触によってトリガされる。
【0034】
本方法の1つの特定の実施形態において、第2のアクティブ化要素は、第2のアクティブ化要素の少なくとも一部分の移動を引き起こす第2のアクティブ化要素に加えられる圧力の影響の下での状態の変化を測定する状態変化センサを備える。
【0035】
第2のアクティブ化要素は、好ましくは、押しボタン、スイッチ又は電気スイッチからなる群から選択される。
【0036】
本方法の別の特定の実施形態において、第2のアクティブ化要素は、コマンドシステムのスイッチをオンにするようにトリガされる。
【0037】
好ましくは、コマンドシステムは、医療デバイスのコマンドを遠隔にアクティブ化するように構成される。よって、コマンドシステムは、遠隔にコマンドとして機能する。具体的には、コマンドシステムは、医療デバイスとワイヤレスに通信する少なくとも1つの無線周波数送信機を備え、コマンドシステムの無線周波数送信機は、コマンドシステムによる医療デバイスのコマンドのアクティブ化に先立って、医療デバイスの無線周波数受信機とペアリングされる。
【0038】
本方法の別の具体的な実施形態によれば、コマンドシステムによる医療デバイスのコマンドのアクティブ化は、コマンドシステムに配置されるディスプレイによって表示される。
【0039】
好ましくは、人工括約筋、人工筋肉、電気刺激器、胃リング、神経刺激器又は陰茎インプラントからなる群から選択される人間又は動物の体の天然ダクトを閉塞するための医療デバイスが命令される。
【0040】
本発明の更なる特徴及び利点は、添付の図面を参照して、以下の詳細な記述から明らかであろう
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本発明の1つの実施形態に従ったコマンドシステム及び人間又は動物の体に埋め込まれる医療デバイスの概略図を示している。
【
図2】本発明に従ったコマンドシステムのアーキテクチャの図を示している。
【
図3】コマンドシステムによる医療デバイスのコマンドのアクティブ化を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1は、医療デバイス2を遠隔的に命令するためのシステム1を概略的に示している。医療デバイス2は、体の皮膚を象徴して
図1に参照番号3によって部分的に表されている患者の人間又は動物の体に埋め込まれて示されている。
図1において、人間又は動物の体の皮膚3の右側に表されているものは、体に埋め込まれるもの、この場合には、例えば、外科手術中に埋め込まれる医療デバイス2を指すことに留意されたい。従って、人間又は動物の体の皮膚2の左側には、体内に埋め込まれていないもの、この場合には、コマンドシステム1(command system)がある。
【0043】
本発明によれば、コマンドシステム1は、医療デバイス2に命令するための第1のアクティブ化要素4(起動要素)及び第2のアクティブ化要素5(起動要素)を含む。第1のアクティブ化要素4は、追加的なアクティブ化要素6への近接性によってトリガされるように構成される一方で、第2のアクティブ化要素5は、前記第2のアクティブ化要素に加えられる圧力によってトリガされるように構成される。従って、2つのアクティブ化要素は、異なる性質を有する、すなわち、それらは互いに相互作用しない異なる技術によってトリガされ、これは、以下に詳述するように、患者による意図しないコマンドのアクティブ化を有意に減少させるという効果を有する。
【0044】
特に、第1のアクティブ化要素4は、触覚、抵抗、容量、誘導、赤外線、光学、磁気、又は指紋認識センサからなる群から選択される、近接センサ又は接触センサ7を含む。「近接」とは、追加的なアクティブ化要素6がセンサ7から5ミリメートル未満、好ましくは、1ミリメートル未満の距離にあるときに、センサ7が追加的なアクティブ化要素6の存在を検出することを意味する。
【0045】
このタイプのセンサ7は、追加的なアクティブ化要素6がセンサに近接しているか或いはセンサと物理的に接触しているときに、追加的なアクティブ化要素6の存在を測定し或いは検出し、それによって、第1のアクティブ化要素をトリガする。本発明によれば、追加的なアクティブ化要素6は、コマンドシステム1とは異なる、すなわち、追加的なアクティブ化要素6は、コマンドシステム1の一部ではない。好ましくは、追加的なアクティブ化要素6は、人間又は動物の体の一部、例えば、指6からなるが、追加的なアクティブ化要素6は、スタイラス又はバッジ、特に、磁気又は電磁バッジ又はチップの形態であってもよい。
【0046】
指紋認識センサ7の場合には、センサが、第1のコマンド、例えば、尿道の開放をアクティブ化する、少なくとも第1の連続の指紋と、第2のコマンド、例えば、医療デバイスが天然ダクトに及ぼす圧力又はダクトの開放状態もしくは密封状態に関する情報についての要求をアクティブ化する、第1のコマンドとは異なる少なくとも第2の連続の指紋とを認識するように構成されることが提供される。
【0047】
次に、第2のアクティブ化要素5は、状態の変化を測定するセンサ8を含む。特に、第2のアクティブ化要素5に加えられる圧力は、前記第2のアクティブ化要素の少なくとも一部分の移動、よって、センサ8によって測定又は検出されるような、例えば、第2のアクティブ化要素の一部分の高位置と低位置との間の状態の変化を引き起こす。
【0048】
例えば、この第2アクティブ化要素5は、押しボタン、スイッチ、又は電気スイッチからなる群から選択される。押しボタンは、もはや圧力が押しボタンに加えられないときに、押しボタンがその初期位置に戻ることを可能にする、戻りバネを備える。
【0049】
好ましくは、第1及び第2のアクティブ化要素は、コマンドシステム1の表面に近接して通過する追加的な要素によってトリガされる意図しないコマンドのアクティブ化を回避するために、凹んだハウジング内に配置される。実際には、この場合、コマンドをアクティブ化するために、前記追加的な要素は凹部に入ることが必要である。何故ならば、表面との単純な接触は十分でないからである。
【0050】
図1に示す実施形態において、第1のアクティブ化要素4及び第2のアクティブ化要素5は、コマンドシステムの異なる位置に配置されている。
図1に示す例において、コマンドシステム1の形状は、第1のアクティブ化要素4及び第2のアクティブ化要素5が互いに並置されてコマンドシステム1の同じ側に配置されるように、実質的に平行である。
【0051】
代替的に、第1のアクティブ化要素4及び第2のアクティブ化要素5は、コマンドシステム1の両側に配置される。有利には、この実施形態は、ユーザが、第1のアクティブ化要素4との、指、例えば、示指の接触によって、並びに第2のアクティブ化要素5に対する別の指、例えば、親指又は中指の圧力によって、埋め込み医療デバイス2のコマンドをアクティブ化させることを可能にする。この実施形態は、片手の指によって第1及び第2のアクティブ化要素をトリガするように適合された特定の人間工学を有する。何故ならば、この場合、コマンドデバイス1は、親指と示指又は中指との間で容易にしっかりと保持されるからである。
【0052】
更に代替的には、図示されていないが、第1のアクティブ化要素4及び第2のアクティブ化要素5は、それらが重複するようにコマンドデバイス1上の同じ場所に配置され、よって、1つのアクティブ化要素のみがユーザに見える。この構成は、第1及び第2のアクティブ化要素がトリガされ、よって、医療デバイスのコマンドが患者の単一の行為によってアクティブ化されることを可能にするという利点を有する。
【0053】
コマンドシステム1は、更に、ディスプレイ9を含み、ディスプレイ9は、例えば、光信号によって、コマンドシステム1によるコマンドのアクティブ化が考慮されたことや、例えば、解剖学的ダクトを開くことからなるコマンドが医療デバイス2によって実行されることを示す。
【0054】
この目的のために、人工尿道括約筋の特定の例示的な実施形態では、医療デバイス2が、天然ダクト11(この場合には尿道)を取り囲む少なくとも1つの膨張可能な閉塞カフ10と、管状流体接続部12とを含み、管状流体接続部の一端が、医療デバイス2の残部との流体接続を形成するようカフ10に接続されることが提供される。
【0055】
特に、医療デバイス2は、制御ユニット及び(明確性のために図示されていない)ポンプも含み、ポンプ自体は、可変容積リザーバを含む。ポンプリザーバは、流体で満たされ、管状流体接続部12の他端に接続される。よって、ポンプリザーバ、管状流体接続部12及び閉塞カフ10は、単一の流体回路を形成し、それによって、流体は、リザーバからポンプへ双方向に移送されることができる。
【0056】
動作中、ユニットは、リザーバ内の流体の容積、故に、流体回路を介するカフ10内の流体の量を増加又は減少させるようにポンプを制御する。この構成は、カフを膨張又は収縮させて、加えられる圧縮を増加又は減少させ、よって、尿道11を圧縮的にシール又は解放し、それによって、失禁を患う患者の尿漏れを防止することを可能にするという効果を有する。
【0057】
従って、閉塞カフ10と、管状流体接続部12と、コマンドユニットと、ポンプと、リザーバとを含む医療デバイス2は、体外(
図1の皮膚3の左側)に位置するコマンドシステム1によって遠隔に命令されるよう、人間又は動物の体内(
図1の皮膚3の右側)に埋め込まれる。
【0058】
更に、本発明によれば、医療デバイス2のコマンドは、例えば、デバイスの特定の動作モードを実施するために、例えば、デバイスの状態、特にデバイスのエネルギ源の充電状態を知るよう、その内部パラメータを構成するために或いは更にはデバイスから情報を要求するために、デバイスのアクティブ化又は非アクティブ化に存してよいことが想定される。
【0059】
図2は、コマンドシステム1の詳細なアーキテクチャ及び医療デバイス2に関連するその一般的な動作を示している。
【0060】
具体的には、コマンドシステム1は、第1のアクティブ化要素4と関連付けられた近接センサ7、第2のアクティブ化要素5と関連付けられた状態変化センサ8、制御/コマンドユニット13、及び無線周波数信号16の送信機/受信機14を含む。
【0061】
制御/コマンドユニット13は、第1のアクティブ化要素4及び第2のアクティブ化要素5に接続され、送信機/受信機14に接続される。従って、それは、第1のアクティブ化要素4から、追加的なアクティブ化要素6、例えば、手の指が、近接センサ7に近接して或いは接触して検出されたことを示す、トリガ信号を受信することができる。同様に、制御/コマンドユニット13は、圧力が状態変化センサ8に加えられたことを示す第2のアクティブ化要素5からのトリガ信号を受信することができる。
【0062】
第1のアクティブ化要素4及び第2のアクティブ化要素5からのトリガ信号を受信すると、制御/コマンドユニット13は、トリガ信号を処理し、送信機/受信機14に送信される医療デバイス2のためのコマンドアクティブ化信号を決定する。
【0063】
コマンドアクティブ化信号を受信した送信機/受信機14は、医療デバイス2の送信機/受信機15に無線周波数信号16を送信する。次に、この信号は、上記で説明したような人工尿道括約筋の例示的な実施形態において尿道11の解放を命令するために、送信機/受信機15によって、処理されるべき医療デバイス2の(図示しない)制御ユニットに送られる。
【0064】
コマンドシステム1による医療デバイス2のコマンドのアクティブ化に先立って並びにコマンドシステム1と医療デバイス2との間の無線周波数通信に先立って、好ましくは、コマンドシステムの送信機/受信機14と医療デバイス2の送信機/受信機15とのペアリングが提供される。
【0065】
送信機/受信機14と送信機/受信機15との間のペアリングの1つの特定の実施形態によれば、バーコードリーダを備えるコマンドシステム1は、例えば、バーコードの形態で医療デバイスのパッケージング上に配置される、医療デバイス2のペアリングコードを読み取る。このペアリングコードは、2つの送信機/受信機の間の通信を許可する秘密鍵を構成する。
【0066】
このペアリングステップは、安全な通信を確立することを可能にするのみならず、患者が正しい医療デバイスに命令し且つ正しい医療デバイスと通信することを保証することも可能にする。実際には、典型的には数メートルである無線周波数送信機/受信機の範囲を仮定すると、幾つかの医療デバイスが、ペアリングステップなしでコマンドシステムに近接しているならば、通信することが望まれる医療デバイスとは異なる医療デバイスとの通信をもたらす混乱のリスクがある。
【0067】
ペアリングステップの終了時に、コマンドシステム1及び医療デバイス2は、互いに安全に通信するように構成され、コマンドシステム1は、医療デバイス2のコマンドをアクティブ化することができる。
【0068】
好ましくは、2つの送信機/受信機14及び15の間の通信のための周波数帯域は、消費者用途を意図した周波数帯域とは異なる、医療デバイスのために取り分けられた専用の周波数帯域であり、よって、コマンドシステムと埋め込み医療デバイスとの間の通信セキュリティを確保し、患者のコマンドシステム1に由来しないコマンドのアクティブ化を回避する。
【0069】
図3に関連して、医療デバイスのコマンドをアクティブ化するための方法の例示的な実施形態を次に詳述する。
【0070】
コマンドシステムが初期スイッチングオフ状態にある、この特定の例示的な実施形態によれば、患者は、ステップ20において、指で第2のアクティブ化要素5に圧力を加えることによって、第2のアクティブ化要素5、例えば、押しボタンをトリガし、それはステップ21におけるコマンドシステム1に対するスイッチング(切替え)の本発明に従った効果を有する。
【0071】
有利には、このスイッチオンステップは、システムがオフであるときにエネルギを節約する。
【0072】
第1のアクティブ化要素4及び第2のアクティブ化要素5がコマンドデバイス1上の同じ場所に配置される構成上及び内でスイッチがひとたびオンにされると、第2のアクティブ化要素5上に依然として位置する指は、ステップ22において第1のアクティブ化要素4をトリガする。
【0073】
好ましくは、100ミリ秒未満の時間間隔における、第1のアクティブ化要素4及び第2のアクティブ化要素5の連続的なトリガは、ステップ23において医療デバイス2のコマンドのアクティブ化をもたらす。
【0074】
コマンドシステム1は、上述のように医療デバイス2と通信し、例えば、天然ダクト11にカフ10の圧力の減少を加えることに存するコマンドをアクティブ化する。
【0075】
医療デバイス2によるコマンドの確認(acknowledgement)及びその実行が、例えば、発光ダイオードLEDタイプの光ディスプレイを備えるディスプレイによって、コマンドシステム1で表示されることが提供される。
【0076】
ステップ23におけるコマンドのアクティブ化に続いて、コマンドシステム1のタイマがステップ24で開始され、タイマは、システム1が再びオフにされる前の時間をカウントする。
【0077】
代替的に、コマンドシステム1は永久にオンであることが想定される。この場合、アクティブ化要素4及び5がシステム1上の異なる場所に配置された構成において、アクティブ化要素4及び5の同時のトリガは、コマンドのアクティブ化をもたらす。
【0078】
エネルギを節約するために、医療デバイスは、アクティブ化フェーズ以外で自動的にスイッチをオフにされることができる。従って、コマンドシステムとの通信は、医療デバイスの事前の覚醒(スイッチオン)を必要とする。そのような覚醒は、コマンドシステムが2つのアクティブ化要素をトリガすることによってアクティブ化された後に、コマンドシステムによる連続(ループ)通信試行によって実現されることができる。医療デバイスの覚醒は、上述のディスプレイによって、例えば、LEDの点灯によって、コマンドシステム上に表示されてよい。そのような覚醒機能を実施するために、コマンドシステムは、医療デバイスのスイッチをオンにするように構成された異なる偏波(polarizations)を有する2つのアンテナを含むことがある。これらの2つの偏波によって、コマンドシステムと医療デバイスとの間の通信は、コマンドシステム及び医療デバイスの異なる相対的な位置及び/又は向きについて改良される。通信がコマンドシステムと医療デバイスとの間で確立されない限り、ユーザは、コマンドシステムのディスプレイが医療デバイスの覚醒を示すまで、異なる位置及び/又は向きでコマンドシステムを操作する。コマンドシステムのこの構成の利点は、医療デバイスの覚醒させることがコマンドシステムのアクティブ化要素の1つのトリガのみを必要とし、よって、ペアリング時間が短縮されることである。
【0079】
上述の実施形態は特定の非限定的な例であること並びに様々な修正が本発明から逸脱することなく行われる場合があることが理解されよう。
【国際調査報告】