(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-24
(54)【発明の名称】薬物送達デバイス
(51)【国際特許分類】
A61M 5/20 20060101AFI20221116BHJP
A61M 5/31 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
A61M5/20 572
A61M5/31 520
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519223
(86)(22)【出願日】2020-09-29
(85)【翻訳文提出日】2022-04-15
(86)【国際出願番号】 US2020070590
(87)【国際公開番号】W WO2021067989
(87)【国際公開日】2021-04-08
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プラムベック,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】メランダー,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】スベンセン,ビャルケ・リッケ・ルズビ
(72)【発明者】
【氏名】ダッドマン,ジョシュア・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ソーレンセン,ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】ボヤバル,マルゴー・フランシス
(72)【発明者】
【氏名】クオ,エイボン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD13
4C066EE14
4C066FF06
4C066GG19
4C066HH13
4C066HH17
4C066HH22
4C066NN08
4C066QQ48
4C066QQ79
(57)【要約】
薬物送達デバイス及び関連する配置が開示される。薬物送達デバイスは、開口部を有するハウジング、開口部を通って少なくとも部分的に延出するように構成される挿入端を有する送達部材を含む薬物貯蔵容器、及びプランジャーを含み得る。駆動機構は、プランジャーを遠位方向に駆動して、起動時に薬物貯蔵容器から送達部材を通して薬物を排出するために含まれ得る。薬物送達デバイスはさらに、開口部に隣接して可動的に配置され且つ駆動機構の起動のための駆動機構に作動可能に結合されたガードを含み得る。ロックは、近位方向へのガードの移動を制限するガードと選択的に係合可能であり得る。表示器は、薬物送達中に可聴信号を生成し、且つ薬物送達が完了したときに可聴信号の生成を止めるように駆動機構に結合され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイスであって、
開口部を有するハウジング;
前記ハウジングの前記開口部を通って少なくとも部分的に延出するように構成される挿入端を有する送達部材を含む薬物貯蔵容器;
プランジャー;
前記プランジャーを遠位方向に駆動して、前記薬物貯蔵容器から前記送達部材を通して薬物を排出するように作動可能な駆動機構;
前記開口部に隣接して可動的に配置され、且つ前記駆動機構に作動可能に結合されたガードであって、前記ガードを前記ハウジングに対して近位方向に移動させることによって、前記ガードに前記駆動機構を直接的又は間接的に作動させるガード;及び
前記ガード内に少なくとも部分的に配置されたロックであって、前記ロックが前記ガードの前記近位方向への移動を可能にする第1の回転位置と、前記ロックが前記ガードの前記近位方向への移動を制限する第2の回転位置との間で回転可能な前記ロックを含む、薬物送達デバイス。
【請求項2】
前記ハウジングに対して固定された容器ホルダーを含み、前記薬物貯蔵容器が前記容器ホルダー内に少なくとも部分的に配置される、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項3】
前記ロック及び前記容器ホルダーの一方が、カムを含み、且つ前記ロック及び前記ハウジングの他方が、カム従動子を含む、請求項2に記載の薬物送達デバイス。
【請求項4】
前記ロックが前記第1の回転位置から前記第2の回転位置に向かって回転するように促す前記カムに対して前記カム従動子を付勢するように構成される付勢部材を含む、請求項3に記載の薬物送達デバイス。
【請求項5】
前記付勢部材が、近位方向への付勢力を前記ロックに作用させる、請求項4に記載の薬物送達デバイス。
【請求項6】
前記ロック及び前記ハウジングの一方が、カムを含み、且つ前記ロック及び前記ハウジングの他方が、カム従動子を含む、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項7】
前記ロックが前記第1の回転位置から前記第2の回転位置に向かって回転するように促す前記カムに対して前記カム従動子を付勢するように構成される付勢部材を含む、請求項6に記載の薬物送達デバイス。
【請求項8】
前記付勢部材が、近位方向への付勢力を前記ロックに作用させる、請求項7に記載の薬物送達デバイス。
【請求項9】
前記ロックが、前記ガードの近位対向架台面と選択的に係合可能な遠位対向架台面を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項10】
前記ガードが、前記ガードが前記ハウジングにおける前記開口部を通って少なくとも部分的に延出する延出位置及び前記ガードが前記延出位置から前記ハウジングに向かって離れて配置される格納位置を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項11】
前記ロックから外向きに延在する第1の突起部及び前記ガードから内向きに延在する第2の突起部を含み、前記第1の突起部及び前記第2の突起部が互いに係合して、前記ロックを前記第1の回転位置に保持する、請求項10に記載の薬物送達デバイス。
【請求項12】
前記第2の突起部が前記第1の突起部との係合から摺動して、前記ガードが前記延出位置から前記格納位置に移動するときに前記ロックが前記第2の回転位置に向かって前記第1の回転位置から離れて回転することを可能にする、請求項11に記載の薬物送達デバイス。
【請求項13】
前記第2の突起部に対して遠位にあり且つ前記ガードから内向きに延在する第3の突起部;及び
前記第1の突起部に対して遠位にあり且つ前記ロックから外向きに延在する第4の突起部を含み、
前記第3の突起部及び前記第4の突起部が互いに係合して、前記ガードが前記延出位置から前記格納位置に移動するときに前記ロックを前記第1の回転位置と前記第2の回転位置の間の中間の回転位置に保持する、請求項12に記載の薬物送達デバイス。
【請求項14】
前記第3の突起部が前記第4の突起部との係合から摺動して、前記ガードが前記格納位置から前記延出位置に移動するときに前記ロックが前記中間の回転位置から前記第2の回転位置に回転することを可能にする、請求項13に記載の薬物送達デバイス。
【請求項15】
薬物送達デバイスのための配置であって、
前記薬物送達デバイスの送達部材の挿入端を選択的に覆うように構成されるガードであって、前記ガードが前記薬物送達デバイスのハウジングにおける開口部を通って少なくとも部分的に延出する延出位置及び前記ガードが前記延出位置から離れて配置される格納位置を有する前記ガード;
ロックであって、前記ロックが前記延出位置から前記格納位置への前記ガードの移動を可能にする第1の回転位置と、前記ロックが前記延出位置から前記格納位置への前記ガードの移動を制限する第2の回転位置との間で回転可能である前記ロックを含む、配置。
【請求項16】
前記ロックが、前記薬物送達デバイスに含まれるカムと係合するように構成されるカム従動子を含む、請求項15に記載の配置。
【請求項17】
前記ロックが前記第1の回転位置から前記第2の回転位置に向かって回転するように促す前記カムに対して前記カム従動子を付勢するように構成される付勢部材を含む、請求項16に記載の配置。
【請求項18】
前記付勢部材が、前記ガードを前記延出位置に向かって付勢するように構成される、請求項17に記載の配置。
【請求項19】
前記ガードが遠位端及び近位端を有し、前記ロックが、前記ガードの前記近位端内に少なくとも部分的に配置される、請求項15~18のいずれか一項に記載の配置。
【請求項20】
前記ロックが遠位対向架台面を含み、且つ前記ガードが近位対向架台面を含み、前記ロックが前記第2の回転位置にあるとき、前記ロックの前記遠位対向架台面が、前記ガードの前記近位対向架台面と回転的に整列し且つそれと向かい合って配置される、請求項19に記載の配置。
【請求項21】
前記ロックから外向きに延在する第1の突起部及び前記ガードから内向きに延在する第2の突起部を含み、前記第1の突起部及び前記第2の突起部が互いに係合して、前記ロックを前記第1の回転位置に保持する、請求項15~20のいずれか一項に記載の配置。
【請求項22】
前記第2の突起部が前記第1の突起部との係合から摺動して、前記ガードが前記延出位置から前記格納位置に移動するときに前記ロックが前記第2の回転位置に向かって前記第1の回転位置から離れて回転することを可能にする、請求項21に記載の配置。
【請求項23】
前記第2の突起部に対して遠位にあり且つ前記ガードから内向きに延在する第3の突起部;及び
前記第1の突起部に対して遠位にあり且つ前記ロックから外向きに延在する第4の突起部を含み、
前記第3の突起部及び前記第4の突起部が互いに係合して、前記ガードが前記延出位置から前記格納位置に移動するときに前記ロックを前記第1の回転位置と前記第2の回転位置の間の中間の回転位置に保持する、請求項22に記載の配置。
【請求項24】
前記第3の突起部が前記第4の突起部との係合から摺動して、前記ガードが前記格納位置から前記延出位置に移動するときに前記ロックが前記中間の回転位置から前記第2の回転位置に回転することを可能にする、請求項23に記載の配置。
【請求項25】
前記ロックが、前記ガード内に少なくとも部分的に配置されるリングを含む、請求項15~24のいずれか一項に記載の配置。
【請求項26】
前記ガードが第1の開口部を有し、且つ前記ロックが第2の開口部を有し、前記第1の開口部及び前記第2の開口部が、前記ロックが前記第1の回転位置にあるときに互いに整列される、請求項15~25のいずれか一項に記載の配置。
【請求項27】
前記ロックが、前記ガード内に少なくとも部分的に配置される、請求項26に記載の配置。
【請求項28】
前記ガードが、前記ガードの近位端と前記ガードの遠位端の間に延在する壁を含み、前記第1の開口部が、前記壁に形成される、請求項26又は27のいずれか一項に記載の配置。
【請求項29】
前記第1の開口部及び前記第2の開口部が、前記ロックが前記第2の回転位置にあるときに互いに整列されない、請求項26~28のいずれか一項に記載の配置。
【請求項30】
薬物送達デバイスであって、
開口部を有するハウジング;
前記ハウジングの前記開口部を通って少なくとも部分的に延出するように構成される挿入端を有する送達部材を含む薬物貯蔵容器;
プランジャー;
前記プランジャーを駆動して、前記薬物貯蔵容器から前記送達部材を通して薬物を排出するように作動可能な駆動機構;及び
薬物送達中に連続的な又は繰り返しの可聴信号を生成し、薬物送達が完了したときに前記連続的な又は繰り返しの可聴信号の生成を止めるように前記駆動機構に作動可能に結合された表示器を含む、薬物送達デバイス。
【請求項31】
前記表示器が、前記ハウジングに対して回転可能である、請求項30に記載の薬物送達デバイス。
【請求項32】
前記駆動機構を作動させることによって、前記駆動機構が前記ハウジングに対して前記表示器を回転させる、請求項31に記載の薬物送達デバイス。
【請求項33】
前記駆動機構が、薬物送達が完了したときに前記表示器の回転を止める、請求項32に記載の薬物送達デバイス。
【請求項34】
前記駆動機構が、最初に付勢された状態で保持された回転式付勢部材並びに前記回転式付勢部材及び前記プランジャーを作動可能に結合する機械的リンク機構を含み、前記機械的リンク機構が、前記回転式付勢部材が消勢するにつれて回転するように構成される、請求項32又は33のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項35】
前記機械的リンク機構が、近位端及び遠位端を有するプランジャーガイドを含み、前記プランジャーが、前記プランジャーガイドの前記遠位端内に少なくとも部分的に配置され、前記プランジャーガイドの前記近位端が、前記表示器が前記プランジャーガイドと共同して回転するように前記表示器に結合される、請求項34に記載の薬物送達デバイス。
【請求項36】
前記表示器に結合した第1の複数の突起部;及び
前記第1の複数の突起部と同心円状に配置された第2の複数の突起部を含み、
前記第1の複数の突起部が、前記第2の複数の突起部と摺動可能に係合して、薬物送達中に前記連続的な又は繰り返しの可聴信号を生成する、請求項30~35のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項37】
前記第2の複数の突起部が、前記第1の複数の突起部の周りに配置される、請求項36に記載の薬物送達デバイス。
【請求項38】
薬物送達の間、前記第1の複数の突起部が、前記第1の複数の突起部の各突起部が前記第2の複数の突起部の1つ以上の突起部と摺動可能に係合するように、前記第2の複数の突起部に対して回転する、請求項37に記載の薬物送達デバイス。
【請求項39】
前記第1の複数の突起部の各突起部が放射状に外向きに延在し、且つ前記第2の複数の突起部の各突起部が放射状に内向きに延在する、請求項36~38のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項40】
前記第1の複数の突起部の各突起部が、柔軟なアームが前記第2の複数の突起部のそれぞれの突起部と係合するときに第1の放射位置と第2の放射位置の間で可動的な前記柔軟なアームを含む、請求項36~39のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項41】
薬物送達デバイスであって、
開口部及びハウジング回転抑止部分を有するハウジング;
前記ハウジングの前記開口部を通って少なくとも部分的に延出するように構成される挿入端を有する送達部材を含む薬物貯蔵容器;
プランジャー;
前記プランジャーを駆動して、前記薬物貯蔵容器から前記送達部材を通して薬物を排出するように作動可能な駆動機構;及び
貯蔵位置にあるとき前記開口部に隣接する前記ハウジングと脱着可能に結合された末端キャップであって、前記末端キャップが前記貯蔵位置にあるとき、前記ハウジング回転抑止部分に隣接し且つそれと実質的に一列に並ぶ末端キャップ回転抑止部分を有する前記末端キャップを含む薬物送達デバイス。
【請求項42】
前記末端キャップ回転抑止部分及び前記ハウジング回転抑止部分の一方が突出部を含み、且つ前記末端キャップ回転抑止部分及び前記ハウジング回転抑止部分の他方が、前記末端キャップが前記貯蔵位置にあるときに前記突出部を収容するように構成される第2の開口部を含む、請求項41に記載の薬物送達デバイス。
【請求項43】
前記突出部が、前記薬物送達デバイスの縦軸と実質的に平行である、請求項42に記載の薬物送達デバイス。
【請求項44】
前記駆動機構が、前記プランジャーを遠位方向に駆動して、前記薬物を前記薬物貯蔵容器から前記送達部材を通して排出し、且つ前記突出部が、前記ハウジングから前記遠位方向に延出する、請求項42又は43のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項45】
前記第2の開口部が、前記末端キャップの管状壁において形成される、請求項44に記載の薬物送達デバイス。
【請求項46】
前記末端キャップが、非環状断面を有する遠位端及び環状断面を有する近位端を有する、請求項42~45のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項47】
前記末端キャップの前記遠位端の前記非環状断面が、四角の形状である、請求項43に記載の薬物送達デバイス。
【請求項48】
薬物送達デバイスを組み立てる方法であって、
前記薬物送達デバイスの送達部材の挿入端を選択的に覆うように構成されるガードを設けること;
ロックが前記送達部材に対して前記ガードの移動を可能にする第1の回転位置と、前記ロックが前記送達部材に対して前記ガードの移動を制限する第2の回転位置との間で回転可能である前記ロックを少なくとも部分的に前記ガード内に配置すること;及び
前記ガードにおける第1の開口部が、前記ロックにおける第2の開口部と回転的に整列されるかどうかを判定することを含む、方法。
【請求項49】
前記ガードにおける前記第1の開口部が前記ロックにおける前記第2の開口部と回転的に整列されるかどうかを判定することが、前記第1の開口部及び前記第2の開口部の一方を通して光を放出すること並びに前記光が前記第1の開口部及び前記第2の開口部の他方を通過するかどうかを確認することを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記ガードが、前記ガードの近位端と前記ガードの遠位端の間に延在する壁を含み、前記第1の開口部が、前記壁に形成される、請求項48又は49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記ロックが、前記薬物送達デバイスに含まれるカムと係合するように構成されるカム従動子を含む、請求項48~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記ロックが遠位対向架台面を含み、且つ前記ガードが近位対向架台面を含み、前記ロックが前記第2の回転位置にあるとき、前記ロックの前記遠位対向架台面が、前記ガードの前記近位対向架台面と回転的に整列し且つそれと向かい合って配置される、請求項48~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
第1の突起部が、前記ロックから外向きに延在し、且つ第2の突起部が、前記ガードから内向きに延在し、前記第1の突起部及び前記第2の突起部が互いに係合して、前記ロックを前記第1の回転位置に保持する、請求項48~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記第2の突起部が前記第1の突起部との係合から摺動して、前記ガードが前記薬物送達デバイスの使用中に延出位置から格納位置に移動するときに前記ロックが前記第2の回転位置に向かって前記第1の回転位置から離れて回転することを可能にする、請求項48~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記ガード及び前記ロックがそれぞれ、環状形状を有し、且つ互いに同軸である、請求項48~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
薬物送達デバイスであって、
開口部を有するハウジング;
縦軸を規定する筐体部分及び送達状態の間に前記開口部を通って少なくとも部分的に延出するように構成される挿入端を有する送達部材を含む薬物貯蔵容器;
前記薬物貯蔵容器から前記送達部材を通して薬物を排出するように遠位方向に可動性のプランジャー;
最初に付勢された状態で保持され且つ解放されるときに前記縦軸の周りを回転するように構成される回転式付勢部材;及び
前記プランジャー及び前記回転式付勢部材に作動可能に結合された機械的リンク機構であって、前記機械的リンク機構が、回転式付勢部材の解放によりもたらされる回転を前記プランジャーの前記遠位方向への移動に変換するように構成される機械的リンク機構を含む、薬物送達デバイス。
【請求項57】
前記機械的リンク機構が、前記回転式付勢部材の解放によりもたらされる回転を、前記プランジャーを回転させずに前記プランジャーの前記遠位方向への移動に変換するように構成される、請求項56に記載の薬物送達デバイス。
【請求項58】
前記機械的リンク機構が、前記プランジャーのねじ切りの外表面と係合するねじ切りの内表面を有するナットを含む、請求項56又は57のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項59】
前記回転式付勢部材の遠位端が、前記ナットに固定的に取り付けられる、請求項58に記載の薬物送達デバイス。
【請求項60】
前記回転式付勢部材が、前記ナットの少なくとも一部を取り囲む、請求項58又は59のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項61】
ロックが前記ナットの回転を妨げる初期位置及び前記ロックが前記ナットの回転を妨げない第2の位置を有する前記ロックを含む、請求項57~60のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項62】
前記ロックが、前記初期位置から前記第2の位置に移動しながら近位方向に移動するように構成される、請求項61に記載の薬物送達デバイス。
【請求項63】
前記開口部に隣接して可動的に位置するガード部材を含み、前記ガード部材が、前記ガード部材が前記ハウジングにおける前記開口部を通って少なくとも部分的に延出する延出位置及び前記ガード部材が前記延出位置から前記ハウジングに向かって離れて位置する格納位置を有する、請求項61又は62のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項64】
前記ガード部材の前記延出位置から前記格納位置への移動が、前記ロックを前記初期位置から前記第2の位置に移動させる、請求項63に記載の薬物送達デバイス。
【請求項65】
前記ハウジングに結合され且つ開口部を有する遠位端を含むプランジャーガイドを含み、前記プランジャーの近位端が、貯蔵位置において前記プランジャーガイド内に配置される、請求項56~64のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項66】
前記回転式付勢部材が、前記プランジャーガイド内に少なくとも部分的に配置される、請求項65に記載の薬物送達デバイス。
【請求項67】
前記薬物貯蔵容器が、前記薬物貯蔵容器が前記薬物送達デバイスの操作中に前記ハウジングに対して移動しないように、前記ハウジングに固定的に取り付けられる、請求項56~66のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項68】
薬物送達デバイスであって、
開口部を有するハウジング;
前記ハウジングの前記開口部を通って少なくとも部分的に延出するように構成される挿入端を有する送達部材を含む薬物貯蔵容器;
プランジャー;
前記プランジャーを遠位方向に駆動して、前記薬物貯蔵容器から前記送達部材を通して薬物を排出するように作動可能な駆動機構;
前記開口部に隣接して可動的に配置され且つ前記駆動機構に作動可能に結合されたガード;及び
近位方向への前記ガードの移動を制限する前記ガードと選択的に係合可能なロックを含む、薬物送達デバイス。
【請求項69】
薬物送達中に連続的な又は繰り返しの可聴信号を生成する前記駆動機構に作動可能に結合された表示器を含む、請求項68に記載の薬物送達デバイス。
【請求項70】
前記表示器が、薬物送達が完了したときに前記連続的な又は繰り返しの可聴信号の生成を止める、請求項69に記載の薬物送達デバイス。
【請求項71】
前記表示器が、前記ハウジングに対して回転可能である、請求項69又は70のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項72】
前記駆動機構を作動させることによって、前記駆動機構が前記ハウジングに対して前記表示器を回転させる、請求項69に記載の薬物送達デバイス。
【請求項73】
前記駆動機構が、薬物送達が完了したときに前記表示器の回転を止める、請求項72に記載の薬物送達デバイス。
【請求項74】
前記駆動機構が、最初に付勢された状態で保持された回転式付勢部材並びに前記回転式付勢部材及び前記プランジャーを作動可能に結合する機械的リンク機構を含み、前記機械的リンク機構が、前記回転式付勢部材が消勢するにつれて回転するように構成される、請求項72又は73のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項75】
前記機械的リンク機構が、近位端及び遠位端を有するプランジャーガイドを含み、前記プランジャーが、前記プランジャーガイドの前記遠位端内に少なくとも部分的に配置され、前記プランジャーガイドの前記近位端が、前記表示器が前記プランジャーガイドと共同して回転するように前記表示器に結合される、請求項74に記載の薬物送達デバイス。
【請求項76】
前記機械的リンク機構が、前記プランジャーの回転運動を少なくとも直線運動に変換する、請求項74又は75のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項77】
前記プランジャーが、ねじ切りの外表面を含み、且つ前記機械的リンク機構が、前記プランジャーの前記ねじ切りの外表面と係合するねじ切りの内表面を有するナットを含む、請求項76に記載の薬物送達デバイス。
【請求項78】
前記表示器に結合した第1の複数の突起部;及び
前記第1の複数の突起部と同心円状に配置された第2の複数の突起部を含み、
前記第1の複数の突起部が、前記第2の複数の突起部と摺動可能に係合して、薬物送達中に前記連続的な又は繰り返しの可聴信号を生成する、請求項69~77のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項79】
前記第2の複数の突起部が、前記第1の複数の突起部の周りに配置される、請求項78に記載の薬物送達デバイス。
【請求項80】
薬物送達の間、前記第1の複数の突起部が、前記第1の複数の突起部の各突起部が前記第2の複数の突起部の1つ以上の突起部と摺動可能に係合するように、前記第2の複数の突起部に対して回転する、請求項79に記載の薬物送達デバイス。
【請求項81】
前記第1の複数の突起部の各突起部が放射状に外向きに延在し、且つ前記第2の複数の突起部の各突起部が放射状に内向きに延在する、請求項78~80のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項82】
前記第1の複数の突起部の各突起部が、柔軟なアームが前記第2の複数の突起部のそれぞれの突起部と係合するときに第1の放射位置と第2の放射位置の間で可動的な前記柔軟なアームを含む、請求項78~81のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項83】
前記ロックが、前記ガード内に少なくとも部分的に配置され、且つ前記ロックが前記ガードの前記近位方向への移動を可能にする第1の回転位置と、前記ロックが前記ガードの前記近位方向への移動を制限する第2の回転位置との間で回転可能である、請求項68~82のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項84】
前記ハウジングに対して固定された容器ホルダーを含み、前記薬物貯蔵容器が前記容器ホルダー内に少なくとも部分的に配置される、請求項83に記載の薬物送達デバイス。
【請求項85】
前記ロック及び前記容器ホルダーの一方が、カムを含み、且つ前記ロック及び前記ハウジングの他方が、カム従動子を含む、請求項84に記載の薬物送達デバイス。
【請求項86】
前記ロックが前記第1の回転位置から前記第2の回転位置に向かって回転するように促す前記カムに対して前記カム従動子を付勢するように構成される付勢部材を含む、請求項85に記載の薬物送達デバイス。
【請求項87】
前記付勢部材が、近位方向への付勢力を前記ロックに作用させる、請求項86に記載の薬物送達デバイス。
【請求項88】
前記ロック及び前記ハウジングの一方が、カムを含み、且つ前記ロック及び前記ハウジングの他方が、カム従動子を含む、請求項83に記載の薬物送達デバイス。
【請求項89】
前記ロックが前記第1の回転位置から前記第2の回転位置に向かって回転するように促す前記カムに対して前記カム従動子を付勢するように構成される付勢部材を含む、請求項88に記載の薬物送達デバイス。
【請求項90】
前記付勢部材が、近位方向への付勢力を前記ロックに作用させる、請求項89に記載の薬物送達デバイス。
【請求項91】
前記ロックが、前記ガードの近位対向架台面と選択的に係合可能な遠位対向架台面を含む、請求項83~90のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項92】
前記ガードが、前記ガードが前記ハウジングにおける前記開口部を通って少なくとも部分的に延出する延出位置及び前記ガードが前記延出位置から前記ハウジングに向かって離れて配置される格納位置を有する、請求項83~91のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項93】
前記ロックから外向きに延在する第1の突起部;及び
前記ガードから内向きに延在する第2の突起部を含み、
前記第1の突起部及び前記第2の突起部が互いに係合して、前記第1の回転位置において前記ロックを保持する、請求項92に記載の薬物送達デバイス。
【請求項94】
前記第2の突起部が前記第1の突起部との係合から摺動して、前記ガードが前記延出位置から前記格納位置に移動するときに前記ロックが前記第2の回転位置に向かって前記第1の回転位置から離れて回転することを可能にする、請求項93に記載の薬物送達デバイス。
【請求項95】
前記第2の突起部に対して遠位にあり且つ前記ガードから内向きに延在する第3の突起部;及び
前記第1の突起部に対して遠位にあり且つ前記ロックから外向きに延在する第4の突起部を含み、
前記第3の突起部及び第4の突起部が互いに係合して、前記ガードが前記延出位置から前記格納位置に移動するときに前記ロックを前記第1の回転位置と前記第2の回転位置の間の中間の回転位置に保持する、請求項94に記載の薬物送達デバイス。
【請求項96】
前記第3の突起部が前記第4の突起部との係合から摺動して、前記ガードが前記格納位置から前記延出位置に移動するときに前記ロックが前記中間の回転位置から前記第2の回転位置に回転することを可能にする、請求項95に記載の薬物送達デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、「薬物送達デバイス」という表題の2019年9月30日に出願された米国仮特許出願第62/908,472号及び「薬物送達デバイス」という表題の2020年2月12日に出願された米国仮特許出願第62/975,557号の優先権を主張するものであり、各々が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、薬物送達デバイスに関する。より具体的には、本開示は、注射前、注射中、及び注射後のそのようなデバイスの安全且つ適切な取り扱いに関する。
【背景技術】
【0003】
注射針が露出することへの普遍的な嫌悪感、並びに健康及び安全上の問題から、使用前の注射針又は他の挿入部材を隠し、注射プロセスの様々な側面を自動化する薬物送達デバイスの開発に至っている。そのようなデバイスは、例えば、従来のシリンジを介する送達を含む慣習的な薬物送達の方法と比較して様々な利点を提供する。
【0004】
多くの薬物送達デバイスは、デバイスの複雑さ及び使用者の懸念の緩和のために、デバイスの内部構造への視覚的アクセスが制限されている。その結果、使用者は、デバイス内の薬物の残量を正確に把握できない可能性があり、したがって、全用量の投与の前に注射部位からデバイスを尚早に取り外す可能性がある。逆に、使用者は、全用量が投与されたことを確実にするために、注射部位に対してデバイスを過度に長い時間保持する逆の手法をとることがある。そうすることによって、使用者に不快感、疑念、及び/又は不安が生じる場合がある。
【0005】
複雑さを低減するために、一部の薬物送達デバイスは、投与が完了した後にハウジング内に注射針を格納するための機構を組み込んでいない。したがって、デバイスを注射部位から取り去るとき、注射針がハウジングの外に突出する場合がある。送達後状態で露出した注射針を覆うために、ある特定のデバイスは、デバイスの内部からバネで付勢されたガードを展開することになる。しかしながら、バネの付勢力より大きい外力がガードにかけられる場合、注射針は再び露出され得る。したがって、送達後状態においてガードが確実に注射針を隠すことが考慮すべき課題である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、既存の薬物送達デバイスに対する有利な代替案を具体化し、且つ本明細書で言及される課題又は必要性のうちの1つ以上に対処し得る薬物送達デバイスを記載する。
【0007】
本開示の一態様は、開口部を有するハウジング、薬物貯蔵容器、プランジャー、駆動機構、ガード、ロック、及び表示器を含む薬物送達デバイスを提供する。薬物貯蔵容器は、ハウジングの開口部を通って少なくとも部分的に延出するように構成される挿入端を有する送達部材を含み得る。駆動機構は、プランジャーを遠位方向に駆動して、薬物貯蔵容器から送達部材を通して薬物を排出するように作動可能であり得る。ガードは、開口部に隣接して可動的に配置され且つ駆動機構に作動可能に結合されたガードであり得る。ロックは、近位方向へのガードの移動を制限するガードと選択的に係合可能であり得る。表示器は、駆動機構に結合されて、薬物送達中に可聴信号を生成し得る。
【0008】
本開示の別の態様は、開口部を有するハウジング、薬物貯蔵容器、プランジャー、駆動機構、ガード、及びロックを含む薬物送達デバイスを提供する。薬物貯蔵容器は、ハウジングの開口部を通って少なくとも部分的に延出するように構成される挿入端を有する送達部材を含み得る。駆動機構は、プランジャーを遠位方向に駆動して、薬物貯蔵容器から送達部材を通して薬物を排出するように作動可能であり得る。ガードは、開口部に隣接して可動的に配置され且つ駆動機構に作動可能に結合され得る。ガードをハウジングに対して近位方向に移動させることによって、ガードに駆動機構を直接的又は間接的に作動させ得る。ロックは、ガード内に少なくとも部分的に配置され、且つロックがガードの近位方向への移動を可能にする第1の回転位置と、ロックがガードの近位方向への移動を制限する第2の回転位置との間で回転可能であり得る。
【0009】
本開示のさらなる態様は、薬物送達デバイスのための配置を提供する。配置は、ガード及びロックを含み得る。ガードは、薬物送達デバイスの送達部材の挿入端を選択的に覆うように構成され得る。さらに、ガードは、ガードが薬物送達デバイスのハウジングにおける開口部を通って少なくとも部分的に延出する延出位置及びガードが延出位置から離れて配置される格納位置を有し得る。ロックは、ロックが延出位置から格納位置へのガードの移動を可能にする第1の回転位置と、ロックが延出位置から格納位置へのガードの移動を制限する第2の回転位置との間で回転可能であり得る。
【0010】
本開示の追加の態様は、開口部を有するハウジング、薬物貯蔵容器、プランジャー、駆動機構、及び表示器を含む薬物送達デバイスを提供する。薬物貯蔵容器は、ハウジングの開口部を通って少なくとも部分的に延出するように構成される挿入端を有する送達部材を含み得る。駆動機構は、プランジャーを遠位方向に駆動して、薬物貯蔵容器から送達部材を通して薬物を排出するように作動可能であり得る。
【0011】
本開示の別の態様は、開口部を有するハウジング、プランジャー、駆動機構、貯蔵位置にあるときに開口部に隣接してハウジングに脱着可能に結合された末端キャップ、及びハウジングの開口部を通って少なくとも部分的に延出するように構成される挿入端を有する送達部材を含む薬物貯蔵容器を含む薬物送達デバイスを提供する。駆動機構は、プランジャーを駆動して、薬物貯蔵容器から送達部材を通して薬物を排出するように作動可能であり得る。ハウジングは、ハウジング回転抑止部分を含み得る。末端キャップは、末端キャップが貯蔵位置にあるとき、ハウジング回転抑止部分に隣接し且つそれと実質的に一列に並ぶ末端キャップ回転抑止部分を含み得る。
【0012】
本開示のさらなる態様は、薬物送達デバイスを組み立てる方法を提供する。当該方法は、(i)薬物送達デバイスの送達部材の挿入端を選択的に覆うように構成されるガードを設けること、(ii)ロックが送達部材に対してガードの移動を可能にする第1の回転位置と、ロックが送達部材に対してガードの移動を制限する第2の回転位置との間で回転可能であるロックを少なくとも部分的にガード内に配置すること、及び(iii)ガードにおける第1の開口部が、ロックにおける第2の開口部と回転的に整列されるかどうかを判定することを含み得る。
【0013】
本開示のさらなる態様は、開口部を有するハウジング、薬物貯蔵容器、プランジャー、回転式付勢部材、及び機械的リンク機構を含む薬物送達デバイスを提供する。薬物貯蔵容器は、縦軸を規定する筐体部分及び送達状態の間に開口部を通って少なくとも部分的に延出するように構成される挿入端を有する送達部材を含み得る。プランジャーは、薬物貯蔵容器から送達部材を通して薬物を排出するように遠位方向に可動性であり得る。回転式付勢部材は、最初に付勢された状態で保持され、且つ解放されるときに縦軸の周りを回転するように構成され得る。機械的リンク機構は、プランジャー及び回転式付勢部材に作動可能に結合され得る。さらに、機械的リンク機構は、回転式付勢部材の解放によりもたらされる回転をプランジャーの遠位方向への移動に変換するように構成され得る。
【0014】
本開示は、この後の説明を添付図面と併せて読むことで、より十分に理解されることになると考えられる。図面によっては、要素を選択的に省略して簡略化することで他の要素をより明確に示すようにしている場合がある。一部の図面におけるこうした要素の省略は、対応する書面による明細書の中で明確に記述されている場合を除き、例示的実施形態のいずれかにおける特定要素の有無を必ずしも示すものではない。また、いずれの図面も一律の縮尺に必ずしも従っていない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1A】送達前状態における本開示の実施形態による薬物送達デバイスの斜視図である。
【
図2A】
図1Aの薬物送達デバイスの後部の部分アセンブリの断面図である。
【
図2B】
図1Aの薬物送達デバイスの薬物貯蔵容器の斜視図である。
【
図2C】
図1Aの薬物送達デバイスの前部の部分アセンブリの断面図である。
【
図3】
図1Aの薬物送達デバイスの分解組み立て図である。
【
図4】使用者による脱着可能なキャップの取り外し後の
図1Aの薬物送達デバイスの断面図である。
【
図5】起動前の注射部位に配置された
図1Aの薬物送達デバイスの断面図である。
【
図6】薬物送達を開始するために作動された後の
図1Aの薬物送達デバイスの断面図である。
【
図7】
図6と同じ図であるが、後者は送達中の瞬間である。
【
図8】
図1Aの薬物送達デバイスの断面図であり、ストッパーは投与終了位置に配置されている。
【
図9】薬物送達が完了し、薬物送達デバイスが注射部位から取り去られた後の
図1Aの薬物送達デバイスの断面図である。
【
図10】本開示の実施形態による後部カバー及び表示器を含む配置の分解組み立て図である。
【
図13】本開示の別の実施形態による表示器の断面図である。
【
図14】本開示の別の実施形態による表示器の断面図である。
【
図15】本開示の別の実施形態による表示器の断面図である。
【
図16】本開示の別の実施形態による表示器の断面図である。
【
図17】本開示の別の実施形態による表示器の断面図である。
【
図18】本開示のある実施形態による後部カバーの断面図である。
【
図20】本開示の別の実施形態による後部カバーの断面図である。
【
図22】送達前状態における本開示のある実施形態によるロック配置の斜視図である。
【
図25A】ガード部材の最初の格納後の
図24Aにおけるロック配置の斜視図である。
【
図26A】ガード部材のさらなる格納後の
図25Aにおけるロック配置の斜視図である。
【
図27A】薬物送達後のガード部材の再展開後のロック状態における
図25Aのロック配置の斜視図である。
【
図28】本開示のある実施形態によるガード及びロック配置の側面図である。
【
図30】本開示の別の実施形態による薬物送達デバイスの斜視図である。
【
図31】
図30の薬物送達デバイスの斜視図であり、脱着可能なキャップが取り外されている。
【
図34A】本開示の別の実施形態による薬物送達デバイスの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示は一般に、薬物を投与するか、又は患者が使用者である場合、薬物を自己投与するための使用者により操作可能な薬物送達デバイスに関する。ペイロードを送達するために使用された後に薬物送達デバイスを取り扱うことを含む、薬物送達デバイスの安全且つ適切な取り扱いを容易にするための様々な特徴が開示される。そのような特徴は、薬物送達が完了していることを使用者に知らせるための表示器を含む。表示器に基づいて、使用者は、薬物送達デバイスを注射部位から取り去ることが安全であることを知り得る。さらに、送達後状態において、送達部材の尖った挿入端を覆うガードの不必要な格納を妨げるためのロックアウト配置が開示される。本明細書で開示される安全性の特徴は、薬物送達デバイスに含まれる他の構成要素の作動を活用し、そのため、薬物送達デバイスの設計又は製造に過度の複雑さを加えないものである。これら及び他の利点が、本開示を確認する当業者には明らかであろう。
【0017】
図1A~3は、医薬又は製剤としても本明細書で参照され得る薬物を送達するための薬物送達デバイス10の実施形態の複数の図を示す。薬物は、ペプチド、ペプチボディ、又は抗体などの様々な生物学的製剤であってもよいが、これらに限定されない。薬物は、流体又は液体形態であってもよいが、本開示は特定の状態に限定されない。ある特定の液体製剤において、薬物は、およそ(例えば、±10%)1~13センチポアズ(cP)、およそ(例えば、±10%)1~30cP、およそ(例えば、±10%)1~60cPの粘度、又は他の好適な粘度プロファイルを有し得る。
【0018】
薬物送達デバイス10の様々な実施態様及び構成が可能である。薬物送達デバイス10の本実施形態は、単回使用の使い捨ての注射器として構成される。他の実施形態では、薬物送達デバイス10は、複数回使用の再利用可能な注射器として構成され得る。薬物送達デバイス10は、患者による自己投与又は介護者若しくは正式に訓練された医療提供者(例えば、医師又は看護師)による投与のために操作可能である。薬物送達デバイス10の本実施形態は、自動注射器又はペン型注射器の形態をとり、そのため、薬物送達又は投与の期間にわたって使用者の手に保持され得る。
【0019】
薬物送達デバイス10に含まれる様々な構成要素の構成は、薬物送達デバイス10の操作状態に依存し得る。薬物送達デバイス10は、送達前又は貯蔵状態、送達又は投与状態、及び送達後状態を有し得るが、より少ない又はより多い状態が可能である。送達前状態は、組み立てに続く、使用者による起動前の薬物送達デバイス10の構成に相当し得る。いくつかの実施形態では、送達前状態は、薬物送達デバイス10が製造施設を出た時と患者又は使用者が薬物送達デバイス10の駆動機構を作動させる時の間の時間に存在し得る。これは、使用者が薬物送達デバイス10を任意の二次包装から取り出した後及び薬物送達デバイス10を注射部位に対して位置決めする前の瞬間を含む。送達状態は、薬物送達が進行している間の薬物送達デバイス10の構成に相当し得る。送達後状態は、薬物送達の完了後及び/又はストッパーが薬物貯蔵容器中の投与終了位置に配置された時の薬物送達デバイス10の構成に相当し得る。
【0020】
薬物送達デバイス10は、外側ケーシング又はハウジング12を含む。いくつかの実施形態では、ハウジング12は、人が片手で注射器10を掴むことができるようにサイズ調整され且つ寸法を合わせられ得る。ハウジング12は、円柱状の形状などの略細長い形状を有し、且つ近位端と遠位端の間で縦軸Aに沿って延在し得る。開口部14は、送達部材16の挿入端28がハウジング12の外側に延出することを可能にするように遠位端において形成され得る。透明又は半透明ののぞき窓17は、使用者が薬物貯蔵容器20を含む薬物送達デバイス10の内側の構成要素を見ることを可能にするようにハウジング12の壁に配置され得る。窓17を通して薬物貯蔵容器20を見ることによって、使用者は、薬物送達が進行中であること及び/又は完了していることを確認することが可能になり得る。脱着可能なキャップ19は、薬物送達デバイス10の使用前に開口部14を覆ってもよく、いくつかの実施形態では、送達部材16の挿入端28上に装着された無菌バリア21(例えば、強固な針シールド(RNS)、柔軟な針シールド(FNS)など)の取り外しを支援するように構成されるグリッパー21aを含んでもよい。グリッパー21aは、使用者が脱着可能なキャップ19をハウジング12から分離するときに、脱着可能なキャップ19とともに無菌バリア21を引くために、無菌バリア21と摩擦的に又は他の方法で機械的に係合する1つ以上の内向きに突出しているバーブ又はアームを含み得る。したがって、脱着可能なキャップ19を取り外すことは、送達部材16から無菌バリア21を取り外す作用を有する。
【0021】
本実施形態において、ハウジング12は、3つの別々の相互接続した構造:薬物送達デバイス10の近位端にある後部カバー23;薬物送達デバイス10の遠位端にあり且つ開口部14を含む前部カバー25;及び強固に接続した後部カバー23と前部カバー25との間に配置された後部ハウジング27によって規定される。前部カバー25及び後部ハウジング27はそれぞれ、中空及び略円筒又は管状形状を有してもよく、且つ後部カバー23は、略半球状の形状又は開かれた末端及び閉ざされた末端を有する中空の円柱状の形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、後部カバー23及び後部ハウジング27、並びにそこに含有されることになる任意の構成要素を合わせて組み立てて、後部の部分アセンブリを規定してもよい(
図2A)。一方、前部カバー25及びそこに含有されることになる任意の構成要素を合わせて組み立てて、前部の部分アセンブリを規定してもよい(
図2C)。いくつかの実施形態では、後部及び前部の部分アセンブリを、互いに独立して組み立てて、その後、互いに及び薬物貯蔵容器20と合わせて、完全に組み立てられた薬物送達デバイス10を形成する。ある特定のそのような実施形態では、アセンブリの前述の段階のいくつか又は全ては、異なる製造施設又は環境において行われ得る。代替的な実施形態では、ハウジング12は、ハウジング12が単一の一体化した構造によって規定されるように単一の部品で構築され得る。
【0022】
薬物貯蔵容器20は、ハウジング12の内部空間内に配置され、薬物22を含有するように構成される。薬物貯蔵容器20は、例えば、製造業者によって事前に充填され、薬物貯蔵容器20が薬物送達デバイス10の残部と合わせられる場所に輸送され得る。ハウジング12は、例えば、製造業者によって薬物貯蔵容器20とともに事前に装着され得るか、或いは薬物送達デバイス10の使用前に使用者によって薬物貯蔵容器20とともに装着され得る。薬物貯蔵容器20は、内部空洞又はリザーバーを規定する強固な壁を含み得る。壁は、ガラス製又はプラスチック製であり得る。ストッパー24は、薬物貯蔵容器20の近位端と遠位端との間の縦軸Aに沿って遠位方向に移動できるように、薬物貯蔵容器20中に可動的に配置され得る。ストッパー24は、ゴム又は任意の他の適切な材料で構築され得る。ストッパー24は、ストッパー24が移動しているときに薬物22がストッパー24を越えて漏れることを妨げるか又は阻止するように、薬物貯蔵容器20の壁の内表面に摺動可能に且つ密封的に接触し得る。ストッパー24の遠位の移動により、薬物貯蔵容器20のリザーバーから送達部材16に薬物22を排出する。薬物貯蔵容器20の近位端は、プランジャー26が薬物貯蔵容器20中に延出し、ストッパー24を遠位方向に押すことを可能にするために開放され得る。本実施形態において、プランジャー26及びストッパー24は、最初はギャップによって互いに間隔をあけられる。駆動機構30の起動時に、プランジャー26は、遠位方向に移動してギャップを閉じ、ストッパー24と接触する。その後のプランジャー26の遠位の移動により、遠位方向にストッパー24を駆動する。代替的な実施形態では、ストッパー24及びプランジャー26は、それらがプランジャー26の移動の開始から共同して移動するように、例えば、ねじ式結合を介して互いに結合され得る。
図8に示されるとおり、ストッパー24が動くと、それは、薬物貯蔵容器20の壁の内表面の近位対向部分と接触するまで遠位方向に動き続き得る。ストッパー24のこの位置は、投与終了位置と呼ばれることもあり、患者への薬物22の送達が完了するか又は実質的に完了するときに対応し得る。
【0023】
送達部材16は、薬物貯蔵容器20のリザーバーと流体連通で接続されるか又は接続されるように作動可能である。送達部材16の遠位端は、送達部材16の挿入端28を規定し得る。挿入端28は、送達部材16の挿入中に挿入端28が患者の皮膚5及び皮下組織を突き刺すことを可能にする他の先が尖った形状の鋭利な先端を含み得る。送達部材16は、中空であり且つ内部流路を有し得る。1つ以上の開口部は、薬物が送達部材16から患者の中に流出することが可能なように挿入端28において形成され得る。
【0024】
本実施形態において、薬物貯蔵容器20は、プレフィルドシリンジであり、且つ送達部材16のための囲まれた中空の金属製注射針を有する。ここで、注射針は、薬物貯蔵容器20の壁に対して固定され、薬物貯蔵容器20のリザーバーと恒常的に流体連通している。他の実施形態では、薬物貯蔵容器20は、注射針がないカートリッジである場合があり、そのため最初は送達部材16と流体連通していない場合がある。そのような実施形態では、薬物貯蔵容器20は、送達部材16の近位端が薬物貯蔵容器20の開口部を覆う隔壁を通して貫通して、それにより薬物貯蔵容器20のリザーバーと流体連通を確立するように、薬物送達デバイス10の操作中に送達部材16の近位端に向かって、又はその逆に移動し得る。
【0025】
薬物貯蔵容器20は、薬物貯蔵容器20が一旦ハウジング12内に設置されるとハウジング12に対して移動しないように、ハウジング12に対して固定され得る。そのため、送達部材16の挿入端28は、送達前状態、送達状態、及び送達後状態においてハウジング12の開口部14を通って常時延在している。本実施形態において、容器ホルダー31は、ハウジング12内に薬物貯蔵容器20の位置を固定する。容器ホルダー31は、中空及び略円筒又は管状形状を有してもよく、且つ薬物貯蔵容器20は、容器ホルダー31内に部分的に又は全体的に配置されてもよい。容器ホルダー31の遠位端は、薬物貯蔵容器20の首に対して当接し、それにより薬物貯蔵容器20の遠位の移動を妨げる内向きに突出しているフランジ33を含み得る。容器ホルダー31は、容器ホルダー31が薬物送達デバイス10の操作中にハウジング12に対して移動することを妨げられるように、ハウジング12に固定的に取り付けられ得る。
【0026】
代替的な実施形態では、薬物貯蔵容器20は、薬物貯蔵容器20が薬物送達デバイス10の操作中にハウジング12に対して移動できるように、ハウジング12に可動的に結合され得る。ある特定のそのような代替的な実施形態では、送達部材16の挿入端28は、送達前状態においてハウジング12の開口部14内に格納され得る。その後、注射デバイス10の操作中に、送達部材16の挿入端28は、患者への挿入のためにハウジング12の開口部14を通って展開され得る。この移動は、いくつかの実施形態において、ハウジング12に対して遠位方向に駆動された薬物貯蔵容器20の結果であり得る。
【0027】
プランジャー26は、複数の相互接続された部品において構築され得るか、或いは1つの部品の構成を有し得る。本実施形態において、プランジャー26は、ねじ切りの外表面66を有するロッド65及びロッド65の遠位端に強固に取り付けられたワッシャー又は円板68を含む。円板68は、駆動機構30が作動されるとき、ストッパー24に衝突し且つそれを押し得る。したがって、いくつかの実施形態では、円板68は、衝突事象に関連するいずれかの衝撃又は振動を減弱する緩衝特性を有し得る。
【0028】
薬物送達デバイス10はさらに、薬物送達デバイス10が注射を施すために使用されていないときに送達部材16の挿入端28との接触を妨げるためのガード機構を含み得る。ガード機構は、開口部14に隣接するハウジング12の遠位端に可動的に配置されるガード部材32を含み得る。ガード部材32は、中空及び略円筒又は管状形状を有し得る。ガード部材32は、ハウジング12内に収容された近位端を有してもよく、ガード部材32の遠位端がハウジング12の開口部14を通って延出する延出位置と、ガード部材32の遠位端が、ハウジング12の開口部14中に完全に又は部分的に格納される格納位置との間でハウジング12に対して移動するように構成され得る。少なくとも延出位置において、ガード部材32は、送達部材16の挿入端28を超えて延出し、且つそれを包囲し得る。いくつかの実施形態では、ガード部材32を格納位置に向けて移動させることによって、送達部材16の挿入端28を露出させ得る。さらに、いくつかの実施形態では、ガード部材32は、ガード部材32がハウジング12及び/又は容器ホルダー31に対して直線方向に移動できるが、ハウジング12及び/又は容器ホルダー31に対して回転することを妨げられるように、例えば、ピンスロット配置を介してハウジング12及び/又は容器ホルダー31に結合され得る。
【0029】
ガード部材32の近位端及び遠位端はそれぞれ、アクチベーター部分34及び皮膚接触部分36を含み得る(
図3)。いくつかの実施形態では、アクチベーター部分34及び皮膚接触部分36は、単一の一体化した構造を規定するように一体化して形成され得る。換言すると、アクチベーター部分34及び皮膚接触部分36は、単一の部品で構築され得る。他の実施形態では、アクチベーター部分34及び皮膚接触部分36は、それらが互いに対して固定され且つ/又は動いているときに共同して動くように、互いに固定的に取り付けられている物理的に分離した構造であり得る。ガード部材32の少なくとも皮膚接触部分36は、中空及び略円筒又は管状形状を有してもよく、且ついくつかの実施形態では、薬物送達デバイス10の縦軸Aを中心としてもよい。ガード部材32の延出位置から格納位置への移動は、注射部位で患者の皮膚5に対して皮膚接触部分36を押し付けることによって達成され得る(
図6~8)。送達部材16が送達前又は貯蔵状態のハウジング12の開口部14から突出する実施形態において、この移動は、送達部材16の挿入端28の患者の皮膚5への挿入をもたらし得る。
【0030】
ガード機構はさらに、ガード付勢部材35を含み得る。ガード付勢部材35は、ガード部材32に対して遠位方向の付勢力を作用させることによって延出位置に向かってガード32を付勢するか又は促し得る。使用者は、注射部位に対してガード部材32を押し付けることによってこの付勢力を克服し得る。注射が完了し、薬物送達デバイス10が注射部位から離れるとき、ガード付勢部材35は、ガード部材32を延出位置に戻し、それにより送達部材16の挿入端28を覆い得る。いくつかの実施形態では、ガード付勢部材35は、圧縮ばねであってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、ガード付勢部材35は、軸方向において、ガード部材32の近位対向内面とロック40の遠位対向内面又は外面の間でその両方と接触して配置されてもよい。ガード部材32が圧縮ばねである実施形態において、近位方向におけるガード部材32の移動により、ガード付勢部材35がガード部材32とロック40の間で圧縮され得る。いくつかの実施形態では、ガード付勢部材35は、ガード部材32の格納の前に部分的に圧縮され、それにより送達前状態においてガード部材32及びロック40の両方に対して付勢力を作用させ得る。
【0031】
薬物送達デバイス10はさらに、ハウジング12内に部分的に又は全体的に配置された駆動機構30を含み得る。一般に、駆動機構30は、エネルギーを保存し、使用者による駆動機構30の起動時又はそれに応答して、そのエネルギーを放出又は出力してプランジャー26を駆動して、送達部材16を通して薬物貯蔵容器20から患者の中に薬物22を排出するように構成され得る。本実施形態において、駆動機構30は、機械的ポテンシャルエネルギーを保存するように構成されるが;駆動機構30の代替的な実施形態は、別様に構成さてもよく、例えば、駆動機構30が電気的又は化学的ポテンシャルエネルギーを保存する。駆動機構30の起動時に、駆動機構30は、プランジャー26を動かすためにポテンシャルエネルギーを運動エネルギーに変換し得る。
【0032】
本実施形態において、駆動機構30は、回転式付勢部材50、回転式付勢部材ハウジング52、トリガーリング54、及び機械的リンク機構56を含む。回転式付勢部材50は、最初に付勢状態で保持されるねじりばね(例えば、スパイラルねじりばね、螺旋ねじりばねなど)であり得る。付勢状態において、回転式付勢部材50は、ねじれているか又は巻かれ、機械的リンク機構56を介してトリガーリング54によってねじれた又は巻かれた構成に保持され得る。解放されるとき、回転式付勢部材50は、その自然な長さ又は形状に戻ろうとし、結果として、機械的リンク機構56を回転させる付勢力を作用させることになる。さらに、機械的リンク機構56は、プランジャー26を遠位方向に駆動するために回転運動を直線運動に変換し得る。いくつかの実施形態では、機械的リンク機構56は、回転式付勢部材50からの回転運動を、プランジャー26を遠位方向に駆動するための直線運動及び縦軸Aを中心とするプランジャー26の回転運動に変換し得る。
【0033】
代替的な実施形態は、回転式付勢部材とは異なるエネルギー源を利用し得る。ある特定の代替的な実施形態は、例えば、解放されるときにプランジャー26の移動の方向に力を出力する、直線的付勢部材(例えば、螺旋圧縮ばね、螺旋引張りコイルばねなど)を利用し得る。付勢部材に加えて又はその代わりに、他の実施形態は、プランジャー26に結合された電動モーター及び/又はソレノイド並びに駆動列若しくは動力伝達装置を含む電気機械的配置;又はプランジャー26を推進する加圧ガス若しくは流体を生成するか若しくは放出するか又はストッパー24を移動して薬物貯蔵容器20を通してそこから薬物22を排出するためにストッパー24に直接的に作用する配置のいずれか1つ又は組み合わせを含み得る。薬物貯蔵容器20及び/又は送達部材16がハウジング12に対して可動的である実施形態において、駆動機構30は、送達部材16の挿入端28が患者に挿入されるように起動時に薬物貯蔵容器20及び/又は送達部材16を遠位方向に駆動し得る。したがって、ある特定の実施形態では、駆動機構30は、送達部材16を患者に挿入すること及び薬物22を薬物貯蔵容器20から排出することの両方に必要な駆動力を提供し得る。
【0034】
図1A~3を参照すると、機械的リンク機構56は、プランジャーガイド60及びナット62を含み得る。プランジャーガイド60は、中空及び略円筒又は管状形状を有し得る。プランジャー26の近位端は、少なくとも送達前状態においてプランジャーガイド60の内部に配置され得る。プランジャーガイド60の近位延出は、回転式付勢部材50の中心を通って延出し得るし、且つ回転式付勢部材50が解放されるときにプランジャーガイド60が回転式付勢部材50と共同して回転するように回転式付勢部材50に結合され得る。プランジャーガイド60の内表面は、回転式付勢部材50が解放されるときにプランジャー26がプランジャーガイド60と共同して回転する一方で、プランジャーガイド60に対するプランジャー26の軸方向の移動を可能にするようにプランジャー26の外表面に結合される。プランジャーガイド60とプランジャー26の間の結合は、例えば、スプライン機構を介して達成されてもよく、プランジャーガイド60の内表面又はプランジャー26の外表面の一方の縦方向突出部は、プランジャー26の外表面又はプランジャーガイド60の内表面の他方の縦方向のスロットに摺動して収容される。ナット62は、略環状形状を有してもよく、且つ送達前状態においてプランジャー26の遠位端の周りに配置されてもよい。ナット62は、ナット62が後部ハウジング27に対して可動的ではないように固定的に装着され得る。さらに、ナット62は、プランジャー26のねじ切りの外表面66を係合するねじ切りの内表面64を有し得る。このねじ式係合の結果として、ナット62に対するプランジャー26の回転が、プランジャー26を遠位方向に直線的に駆動し得る。さらに、これによって、プランジャー26に、挿入された送達部材16を介して薬物22を貯蔵容器20から患者に排出するように遠位方向にストッパーに作用させ且つストッパーを押させる。
【0035】
ガード部材32は、ガード部材32が延出位置から格納位置に移動するときに駆動機構30と相互作用するように構成され得る。この相互作用は、駆動機構30を作動させて、プランジャー26を駆動するのに必要なエネルギーを出力して、薬物22を薬物貯蔵容器20から排出し且つ/又は送達部材16の挿入端28を患者の皮膚5に挿入し得る。本実施形態において、延出位置から格納位置へのガード部材32の移動は、付勢状態から回転式付勢部材50を解放し、それにより回転式付勢部材50が、機械的リンク機構56を介してプランジャー26を消勢し且つ駆動して、薬物22を薬物貯蔵容器20から排出することを可能にする。より具体的には、送達前状態において、トリガーリング54は、それがプランジャーガイド60の外表面とロッキング係合し、それにより回転式付勢部材50の付勢力下でプランジャーガイド60の回転を妨げる初期位置に配置され得る。結果として、回転式付勢部材50は、消勢を妨げられる。ガード部材32が、患者の皮膚5に対して押し付けられた結果として延出位置から格納位置に移動するとき、ガード部材32のアクチベーター部分34は、トリガーリング54がプランジャーガイド60から分離する解放位置までトリガーリング54を近位方向に押す。結果として、プランジャーガイド60は、回転式付勢部材50の付勢力下で回転し、且つプランジャー26とナット62の間のねじ式の接続を介してプランジャー26を遠位方向に駆動することができる。
【0036】
代替的な実施形態では、トリガーリング54は除外されてもよく、且つガード部材32のアクチベーター部分34は、ガード部材32が延出位置にあるとき、プランジャーガイド60の外表面とロッキング係合して、それが回転するのを妨げ得る。したがって、ガード部材32は、そのような実施形態において付勢状態で回転式付勢部材50を保持し得る。ガード部材32が延出位置から格納位置に移動するとき、ガード部材32のアクチベーター部分34は、プランジャーガイド60から分離し、それによりプランジャーガイド60を付勢部材50の付勢力下で回転するように解放し得る。
【0037】
回転式付勢部材ハウジング52は、ハウジング12内に配置され、ハウジング12に強固に取り付けられ得る。回転式付勢部材ハウジング52は、中空及び略円筒又は管状形状を有してもよく、且つ回転式付勢部材ハウジング52が回転式付勢部材50を取り囲むか又は部分的に取り囲むように、回転式付勢部材50を完全に又は部分的に収容してもよい。回転式付勢部材ハウジング52は、解放されるときに回転式付勢部材50を押し出すための支持具又は台座として機能し得る。
【0038】
さらに
図1A~3を参照すると、薬物送達デバイス10はさらに、可聴信号を生成する駆動機構30に作動可能に結合された表示器70を含み得る。表示器70は、薬物送達の期間にわたって連続的に可聴信号を生成し、且つストッパー24が投与終了位置に到達するときなど、薬物送達が完了するときに可聴信号の生成を止めるように構成され得る。可聴信号は、薬物送達が始まり且つ/又は進行中であることを使用者に示し得るし;且つ可聴信号の停止又は欠如は、薬物送達が完了したこと及び/又は送達部材16を注射部位から取り去ることが安全であることを使用者に示し得る。いくつかの実施形態では、連続的な可聴信号は、ストッパー24が投与終了位置に到達するのと同時に終了し得るが;他の実施形態では、連続的な可聴信号は、ストッパー24が投与終了位置に到達した後の短い遅延の後に終了し得る。連続的な可聴信号は、複数の離散的且つ繰り返しのクリック音、ハミング音、ブザー音、呼出音、又は任意の他の連続的な音のうちのいずれか1つ又は組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、連続的な可聴信号に関連した振動又は他の触覚フィードバックがあってもよいが、これは必須ではなく、一部のシナリオにおいて緩和又は回避することが望ましい場合もある。
【0039】
表示器70は、ハウジング12内に配置され且つ/又はハウジング12に対して回転可能であり得る。表示器70が回転するとき、表示器70は、ハウジング12又はハウジング12に対して固定される構成要素に対して摺動し得るか又は摩擦し得る。以下でより詳細に記載されるとおり、回転している表示器70とハウジング12又は他の固定された構成要素の間の摺動接触が、可聴信号を生成し得る。本実施形態において、表示器70の回転は、表示器70がプランジャーガイド60と共同して回転するように表示器70をプランジャーガイド60に固定的に取り付けることによって達成される。したがって、回転式付勢部材50が解放され、プランジャーガイド60を回転させ始めるとき、表示器70は同時に回転し始め、可聴信号を生成する。プランジャーガイド60ひいては表示器70は、プランジャー26が遠位方向に駆動されて、薬物22を薬物貯蔵容器20から排出する間に回転し続ける。ストッパー24が投与終了位置に到達し、遠位方向にもはや移動できないとき、プランジャー26は移動を止め得るが、結果として、プランジャーガイド60及び表示器70が回転を止める。表示器70の回転の停止は、ある特定の実施形態では、表示器70による可聴信号の生成を止めさせる。代替的な実施形態では、プランジャーガイド60を介する回転式付勢部材50への間接的な結合の代わりに、表示器70が回転式付勢部材50に直接的に結合されてもよい。
【0040】
本実施形態によれば、可聴フィードバックを提供することに加えて、表示器70は、減衰アセンブリの一部であり得る。減衰アセンブリは一般に、ストッパー24に衝突するプランジャー26によって生じる衝撃又はインパルスを吸収するか又は減衰させるために作動可能な衝撃吸収体として機能する。このインパルスは、緩和されなければ、ガラス製である場合がある薬物貯蔵容器20を粉砕又は破壊する可能性があり、且つ/又は使用者を驚かす可能性がある。回転式付勢部材50の出力は、後のプランジャー工程と比較して、最初に放出されるときにその最大の大きさになり得る。結果的として、プランジャー26がストッパー24と接触する前に、回転式付勢部材50は、プランジャー26を比較的高い速度に加速させ得る。ダンパーアセンブリは、プランジャー26とストッパー24の間の接触の前にプランジャー26の速度を減少させ得る。いくつかの実施形態では、減衰効果は、表示器70と後部カバー23の間で密封された作動液によってもたらされる。作動液は、表示器70の回転に抵抗するため、少なくとも回転の開始時にプランジャーガイド60の回転を遅くする。結果として、回転式付勢部材50は、減衰アセンブリが除外された場合より遅い速度で消勢し、したがって、プランジャー26は、ストッパー24と衝突する前に減少した速度で移動する。本実施形態において、作動液は、表示器70の近位対向面に形成された環状溝72(
図10)中に少なくとも部分的に配置される。環状溝72は、遠位方向に後部カバー23から延在する環状突出部74(
図11)を収容し得る。環状突出部74は、環状突出部74から放射状に内向きに位置する内部空間に作動液を保持するように環状溝72を密封的且つ摺動可能に係合し得る。さらに、環状溝72は、表示器70の遠位対向面に形成された凹部76(
図11)から放射状に外向きに配置され得る。凹部76は、プランジャーガイド60の近位端を収容し、表示器70とプランジャーガイド60の間の固定された接続をもたらし得る。
【0041】
薬物送達デバイス10の一般的な構成及び操作について記載してきたが、ここで薬物送達デバイス10を使用して注射を実施する方法が
図4~9を参照して記載されることになる。事前の工程として、使用者は、プラスチックバッグ及び/又はダンボール箱などの任意の二次包装から薬物送達デバイス10を取り出し得る。さらに、事前の工程として、使用者は、例えば、アルコールワイプで患者の皮膚5を擦ることによって、注射部位の準備をし得る。次に、
図4に示されるとおり、使用者は、脱着可能なキャップ19を前部カバー23から引いて、それを外し得る。この移動の結果として、グリッパー21aは、無菌バリア21を薬物貯蔵容器20から引いて、それを外し得る。これにより、送達部材16の挿入端28を露出させ得る。それにもかかわらず、
図4に示されるとおり、送達部材16の挿入端28は、この段階でガード部材32によって取り囲まれてとどまることになる。次に、使用者は、注射部位の上にガード部材32の皮膚接触部分36を置き(
図3)、続いて注射部位に対して皮膚接触部分36を押し得る(
図4)。使用者によってかけられる力は、ガード付勢部材35の付勢力を克服することになり、それにより、ガード部材32は、延出位置から格納位置へと近位方向に移動している開口部14中に格納される(
図6)。送達部材16は、ガード部材32の格納の移動中にハウジング12に対して固定されたままである。
【0042】
ガード部材32の格納により、いくつかの動作が発生し得る。送達部材16は、ガード部材32の格納中にハウジング12に対して固定されたままであるため、送達部材16の挿入端28は、ガード部材32の皮膚接触部分36の開口部を通して突出させられ、それにより注射部位で患者の皮膚5を突き刺し、患者の皮下組織に貫通する。ガード部材32の格納はまた、駆動機構30を作動させ得る。より具体的には、ガード部材32の格納は、アクチベーター部分34に、トリガーリング54がプランジャーガイド60から分離する解放位置まで近位方向にトリガーリング54を押させ得る。結果として、プランジャーガイド60は、回転式付勢部材50の付勢力下で回転し、且つプランジャー26とナット62の間のねじ式の接続を介してプランジャー26を遠位直線方向に駆動することができる(
図7)。遠位方向におけるプランジャー26の最初の移動は、プランジャー26にプランジャー26とストッパー24の間のギャップを閉じさせ得る。ストッパー24と接触させた後、プランジャー26は、ストッパー24を遠位方向に押して、薬物22を薬物貯蔵容器20のリザーバーから送達部材16に排出し、送達部材16の挿入端28を通して患者の皮下組織中に排出し得る。加えて、以下でより詳細に記載されるとおり、ガード部材32の格納は、ロック40を、それが、ガード部材32が注射後の延出位置に展開された後に続く時間にガード部材32の開口部14中への格納を妨げるロック位置に向かって回転させ得る。
【0043】
プランジャーガイド60の回転と同時に又はその後間もなく、表示器70は、可聴信号を生成し始め得る。可聴信号は、薬物送達の間ずっと連続的に又は実質的に連続的に生成され得る。可聴信号は、薬物送達が進行していることを使用者に知らせ、且ついくつかの実施形態では、使用者は、薬物送達デバイス10とともに提供される指示書によって可聴信号の重要性を知らされ得る。いくつかの実施形態では、これらの指示書は、薬物送達デバイス10とともに包装されたIFUパンフレットの形を取り得る。使用者はまた、窓17を通してストッパー24及び/又はプランジャー26の移動を見ることによって薬物送達が進行中であることを確認し得る。
【0044】
薬物送達は、ストッパー24が投与終了位置に到達するまで続くことになる(
図8)。ここで、ストッパー24は、薬物貯蔵容器20の壁の近位対向面に対して当接する。結果として、プランジャー26は、遠位方向に移動するのを止め、プランジャーガイド60は回転を止める。プランジャーガイド60が回転を止めるとき、表示器70も回転を止める。結果として、表示器70は、可聴信号の生成を止める。可聴信号の消音は、薬物送達が完了したことを使用者に知らせ得る。使用者はまた、窓19を通して投与終了位置においてストッパー24を見ることによって薬物送達が完了したことを確認し得る。
【0045】
次に、使用者は、薬物送達デバイス10を注射部位から取り去り得る。使用者により力がかけられない場合、ガード付勢部材35は延出し、ガード部材32を格納位置から延出位置に押す(
図9)。この移動により、ロック40は、それが続いて起こるガード部材32の格納を妨げるロック位置中に回転し得る。薬物送達デバイス10が単回使用のためのものである場合、使用者はその後、例えば、それをシャープス容器の中に置くことによって薬物送達デバイス10を廃棄し得る。
【0046】
図10~12に目を向けると、表示器70の実施形態をここで詳細にすることになる。表示器70は、後部カバー23の内部に嵌合するようにサイズ調整され且つ寸法を合わせられ得る。表示器70は、略環状形状を有し得るが、これは薬物送達デバイス10の縦軸Aを中心とし得る。本実施形態において、薬物送達デバイス10の縦軸Aは、表示器70の回転軸に対応するが、そうである必要はない。表示器70は、中心部分80及び中心部分80から放射状に外向きに配置された周辺部分82を含み得る。中心部分80及び周辺部分82は、単一の一体化した構造を規定するように一体化して形成され得るか、或いは分離しているが強固に接続された構造として形成され得る。一般に、中心部分80は、表示器70をプランジャーガイド60に結合するように構成され得るし、且つ周辺部分82は、薬物送達中に可聴信号を生成するように後部カバー23と係合するように構成され得る。代替的な実施形態では、表示器70は、これらの2つの要素が別々の構造ではなく、むしろ単一の一体化した構造を規定するようにプランジャーガイド60と一体化して形成され得る。
【0047】
凹部76は、表示器70の中心部分80の遠位対向面において形成され得る。凹部76は、環状断面を有し得るし、且つプランジャーガイド60の近位端を収容するように寸法を合わせられ得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の突起部86は、凹部76を規定する壁から放射状に内向きに延在し得る。これらの突起部86は、プランジャーガイド60及び表示器70をこれらの構成要素が操作中に共同して回転するように回転によりロックするためにプランジャーガイド60の外部に形成された対応する溝又はスロット中に収容され得る。代替的な実施形態では、プランジャーガイド60は、表示器70の中心部分80中に形成された対応する溝又はスロット中に収容された放射状に外向きに延在する突起部を有し得る。
【0048】
表示器70の周辺部分82は、縦軸Aを中心とする環状壁88、及びそれぞれ環状壁88の外表面から放射状に外向きに全体として延在する複数の柔軟な腕様の突起部90を含み得る。本実施形態において、突起部90は、規則的な間隔で環状壁88の周囲に配置され得るが;代替的な実施形態は、可聴信号の所望の音響プロファイルに応じて環状壁88の周囲に不規則な間隔で突起部90を配置し得る。突起部90の一部又は全ては、縦軸Aに対して垂直な共通面に沿って位置し得る。
図12を参照すると、縦軸Aに沿って見るとき、各突起部90は、略S字形のプロファイルを有し得る。突起部90の放射状の最内側部分及び放射状の最外側部分はそれぞれ、縦軸Aに対して放射方向又は実質的に放射方向に延在し得る。突起部90の放射状の最内側部分と突起部90の放射状の最外側部分の間に放射方向に位置し且つそれらを接続する突起部90の中間部分は、突起部90の放射状の最内側部分及び突起部90の放射状の最外側部分の一方又は両方に垂直又は実質的に垂直に配置され得る。各突起部90の放射状の最外側部分は、突起部90の自由端92を規定し得る。
【0049】
図12に示されるとおり、突起部90の各々の自由端92は、後部カバー23の内表面94と摺動接触し得る。複数の傾斜のような突起部96はそれぞれ一般に、後部カバー23の内表面94から表示器70に向かって放射状に内向きに延在し得る。明確さのために、一部の突起部96のみが、図面において参照番号及び引出線により特定される。突起部96は、後部カバー23の内表面94の周りに規則的又は不規則な間隔で配置され得る。突起部90及び突起部96は、互いに同心円状に配置され、突起部の各群は縦軸を中心とし得る。さらに、突起部96は、突起部96と同じ平面に位置し得る。本実施形態において、突起部96は、突起部96が突起部90の周りに円形に配置されるように突起部90から放射状に外向きに配置される。しかしながら、代替的な実施形態では、突起部90及び96の位置は切り換えられてもよく、その結果、突起部90は、突起部96の周りに円形に配置される。
【0050】
図12において、表示器70は、薬物送達中に右回りに回転する。後部カバー23は、表示器70の回転中に固定されたままである。結果として、突起部90の各々の自由端92は、後部カバー23の内表面94に沿って摺動し、且つ突起部90は突起部96と同じ平面に位置するため、突起部90の各々の自由端92は、一つ一つ突起部96と接触する。各突起部90は、突起部90の自由端92が突起部96の1つに逢着するたびに、突起部90が外側の放射位置から内側の放射位置に瞬間的に移動するように、内向きの放射方向に弾性変形、湾曲、偏向などするように構成され得る。自由端92が突起部96上を摺動し、通過したら、突起部90は、外側の放射位置に弾性的に戻り得る。いくつかの実施形態では、表示器70の回転前の送達前状態において、自由端92の一部又は全ては、自由端92が偏向していない状態にあるように後部カバー23の内表面95と接触し得る。これにより、突起部90の弾性が、製造と使用の間の期間に損なわれる可能性が減少し得る。
【0051】
可聴信号は、突起部90と突起部96の間の相互作用の結果として生成され得る。いくつかの実施形態では、可聴信号は、突起部90の自由端92が突起部96の1つを通過した後にそれぞれの突起部90の1つがその外側の放射位置にパチンと戻る結果として生成され得る。このスナップ動作は急速に起こり、結果として、自由端92を後部カバー23の内表面94に相当な力で衝突させ得る。次に、この衝突事象により、可聴クリック音を生成し得る。加えて又は或いは、自由端92は、それが突起部96の1つと最初に接触するとき及び/又はそれが突起部96の1つの上で摺動する間に音を生成し得る。
【0052】
表示器70の回転中の突起部90と突起部96の間の繰り返しの接触が、複数のクリック音を生成する。いくつかの実施形態では、それぞれの別個のクリック音は、使用者に知覚できるものであり得る。他の実施形態では、各クリック間の時間の量は、複数のクリック音がハミング音として使用者に知覚されるように非常に短いものであり得る。クリック音の頻度は、選択された突起部90の数、選択された突起部96の数、及び/又は選択された表示器70の回転速度に依存し得る。
図13、16、及び17において、それぞれ6個の突起部90、8個の突起部90、及び12個の突起部90を含む表示器70のいくつかの異なる実施形態が示される。
【0053】
いくつかの実施形態では、2個、3個、4個、5個、又はそれ以上の対の突起部90及び96は、表示器70の回転中に同期的に互いに係合し得る。より大きいクリック音は、同期的に互いに係合する突起部90及び96の追加の組毎に生成され得る。代替的な実施形態では、突起部90及び96の1個の対のみ(すなわち、1個の突起部90及び1個の突起部96)が、表示器70の回転中に任意の所与の時点で互いに係合し得る。そのような代替的な実施形態では、クリック音は、複数の対の突起部90及び96が同期的に互いに係合する実施形態より小さい音量であり得る。
【0054】
突起部90及び96並びに同期的な対の様々な異なる組み合わせが、可聴信号の所望の頻度及び振幅に応じて可能である。いくつかの実施形態では、配置は、6個の突起部90及び9個の突起部96を含み、突起部90及び96の3個の対が同期的に互いに係合し得る。この配置は、表示器70の1回転当たり9回の別個のクリックをもたらし得る。他の実施形態では、配置は、8個の突起部90及び50個の突起部96を含み、突起部90及び96の2個の対が同期的に互いに係合し得る。この配置は、表示器70の1回転当たり200回の別個のクリックをもたらし得る。さらなる実施形態では、配置は、6個の突起部90及び16個の突起部96を含み、突起部90及び96の2個の対が同期的に互いに係合し得る。
図12に示されるこの配置は、表示器70の1回転当たり48回の別個のクリックをもたらし得る。
【0055】
可聴信号の所望の音響プロファイルを実現するために変更され得る別の設計要因は、突起部90の各々の弧の長さである。突起部96の1つの上を摺動するときに突起部90が受けた振動は、突起部90の弧の長さに依存する可能性があり、その結果、突起部90によって生成される音に影響を及ぼし得る。さらに、突起部90の1つを通過した後に突起部90がその外側の放射位置にパチンと戻り、後部カバー23の内表面94に衝突する速度は、突起部90の弧の長さに依存し得る。
図13~15は、弧の長さが次第に長くなり、したがって、縦軸線Aに対する大きな弧の寸法が増大している突起部90を示す。
図13において、各突起部90の弧の寸法α
1は、およそ(例えば、±10%)35度である。
図14において、各突起部90の弧の寸法α
2は、およそ(例えば、±10%)40度である。
図15において、各突起部90の弧の寸法α
3は、およそ(例えば、±10%)45度である。
【0056】
可聴信号の所望の音響プロファイルを実現するために変更され得るさらなる設計要因は、突起部96の各々の幅W
1である。
図11に示されるとおり、幅W
1は、突起部90の近位端と遠位端の間の縦軸Aの方向に測定される距離に相当する。幅W
1が大きくなると一般に、突起部90が後部カバー23に接触する表面積が増大するためより大きいクリック音が生じる。いくつかの実施形態では、W
1は、およそ(例えば、±10%)2.0mmに等しいか、又はおよそ(例えば、±10%)2.5mmに等しいか、又はおよそ(例えば、±10%)2.0~2.5mmの範囲内であるか、又はおよそ(例えば、±10%)5.0mm以下であるか、又はおよそ(例えば、±10%)4.0mm以下であるか、又はおよそ(例えば、±10%)3.0mm以下であり得る。
【0057】
可聴信号の所望の音響プロファイルを実現するために変更され得るさらなる設計要因は、突起部96の形状に関する。
図18~21に示されるとおり、突起部96の各々は、突起部96が後部カバー23の内表面94から縦軸Aの方に離れて放射方向に延在する距離に相当する高さH
1を有する。いくつかの実施形態では、高さH
1は、およそ(例えば、±10%)0.2mmに等しいか、又はおよそ(例えば、±10%)0.3mmに等しいか、又はおよそ(例えば、±10%)0.2~0.3mmの間の範囲内であるか、又はおよそ(例えば、±10%)1.0mm以下であるか、又はおよそ(例えば、±10%)0.5mm以下であるか、又はおよそ(例えば、±10%)0.4mm以下であり得る。
図18及び19に示される実施形態では、突起部96はそれぞれ、およそ(例えば、±10%)0.2mmに等しい高さH
1を有し得るし、且つ表示器は、12個の突起部90を含み得る。
図20及び21に示される実施形態では、突起部96はそれぞれ、およそ(例えば、±10%)0.2~0.3の間の範囲の高さH
1を有し得るし、且つ表示器は、8個の突起部90を含み得る。
【0058】
各突起部96の先行面97及び後続面99のそれぞれの傾斜もまた、可聴信号の音響プロファイルに影響を及ぼし得る。突起部96の先行面97は、自由端92が突起部96上を摺動するにつれて、突起部90の自由端92と最初に接触する表面であり得る。後続面99は、先行面97と反対側の突起部96の表面であり得る。
図18及び19に示される実施形態では、突起部96は、縦軸Aに沿って見たとき略三角形の形状を有し、先行面97の傾斜の角度は、後続面99の傾斜の角度に等しいか又は実質的に等しい。
図20及び21に示される実施形態では、突起部96はまた、縦軸Aに沿って見たとき略三角形の形状を有する。しかしながら、この実施形態において、先行面97の傾斜の角度は、後続面99の傾斜の角度未満である。先行面97の傾斜の角度は、90度未満であり得る一方で、後続面99の傾斜の角度は、90度以上であり得る。結果として、突起部96の自由端は、後続面99を滑り落ちることはなく、むしろ妨げられていない突起部96の先端をパチンと通り越す。突起部90の自由端92が後続面99を滑り落ち、それにより摩擦力を受け得る
図18及び19の実施形態と比較して、
図20及び21の実施形態における自由端92は、パチンと戻るときにより速く加速し、それにより、より大きく且つ/又はより明確なクリック音を生成し得る。
【0059】
上記のとおり、薬物送達の開始時、表示器70は、後部カバー23に対して回転を始めることになり、突起部90は、突起部96に対して摩擦を開始して、可聴信号を生成することになる。可聴信号は、薬物送達の間ずっと連続的に続くことになる。薬物送達が完了すると、表示器70は、回転を止め得るし、それにより可聴信号は止まることになる。可聴信号の停止又は消音は、薬物送達が完了したことを使用者に知らせる。薬物送達が完了したことを確認した後、使用者は、注射部位から薬物送達デバイス10を持ち上げ得る。この移動の結果として、ガード部材32は、延出位置に展開して、送達部材16の挿入端28を覆い得る。ガード部材32が使用された送達部材16を露出させるために再度格納しないことを確実にするために、薬物送達デバイス10は、
図22~27Dに関連して下記のロックアウト配置を含み得る。
【0060】
ロックアウト配置は、ロック40及び容器ホルダー31などのロック機能に関連しない機能を有する構成要素を含む。一般に、ロック40は、一旦ガード部材32が格納位置から延出位置に移動してから延出位置においてガード部材32をロックするために、ガード部材32の軸位置に応じて選択的に回転するように構成される。
図22及び23を参照すると、ロック40は、中空及び略管状又は環状形状を有し得るし、縦軸Aを中心とし得る。本実施形態において、薬物送達デバイス10の縦軸Aは、ロック40の回転軸に対応するが、そうである必要はない。ロック40の近位端は、容器ホルダー31と直接的に接触し得るし、ロック40の遠位端は、ガード部材32内に少なくとも部分的に配置され得る。ガード付勢部材35は、軸方向において、ロック40の遠位対向面とガード部材32の近位対向面の間に配置され得る。ガード付勢部材35は、それがロック40及びガード部材32を互いに離れるように促す付勢力を作用させるように、最初は圧縮又は付勢された状態にあり得る。この付勢力は、ガード部材32を延出位置に向かって促し、且つロック40の近位端を容器ホルダー31に対して促し得る。
【0061】
ロック40の回転は、ロック40と容器ホルダー31の間のカム配置によって達成される。より具体的には、
図23を参照して、ロック40の近位端は、容器ホルダー31の遠位端上に含まれる1つ以上の対応するカム面102を摺動可能に係合するように構成される1つ以上のカム面100を含み得る。いくつかの実施形態では、ロック40上のカム面100は、縦軸Aから放射方向において見たとき、略鋸歯状の外観を有し得る。さらに、カム面100は、それぞれのカム面100が、縦軸Aの周りに異なる角度の位置で位置するように、縦軸Aの周りに配置され得る。同様に、容器ホルダー31上のカム面102は、縦軸Aから放射方向において見たとき、略鋸歯状の外観を有し得る。さらに、カム面102は、それぞれのカム面102が、縦軸Aの周りに異なる角度の位置で位置するように、縦軸Aの周りに配置され得る。
【0062】
互いに押し付けられるとき、カム面100及び102は、直線運動を回転運動及び直線運動の組み合わせに変換し得る。より具体的には、ロック40が縦軸Aに沿って近位方向に移動するとき、カム面100の各々は、対応するカム面102の1つに対して摺動し得る。この相互作用は、ロック40の近位への直線移動を、縦軸Aの周りのロック40の回転移動及びロック40の近位への直線移動の組み合わせに変換し得る。ロック40の移動全体にわたって、容器ホルダー31は、ハウジング12に対して固定されたままである。このように構成されることで、容器ホルダー31がカムとして、ロック40がカム従動子として機能する。代替的な実施形態では、ハウジング12は、容器ホルダー31の代わりにカムとして機能し得る。そのような代替的な実施形態では、ハウジング12の内壁は、カム面102を含み得る。ここで、ハウジング12の内壁は、縦軸Aを中心とした環状形状を有してもよく、且つ環状のギャップが内壁と外壁の間に存在するようにハウジング12の外壁から放射状に内向きに片持ち梁風に突き出され得る。この構成は、ガード部材32が格納中に内壁と外壁の間の環状ギャップに移動することを可能にし得る。
【0063】
本実施形態において、ガード部材32の付勢力は、容器ホルダー31のカム面102に対してロック40のカム面100を連続的に押し付け得る。結果として、ロック40は、縦軸Aの周りを回転するように連続的に促される。しかしながら、ロック40は、ロック40及びガード部材32上に含まれる様々な架台構造の相対的な位置に応じて回転しない場合がある。
図24A~27Dに示されるとおり、ロック40の近位端は、ロック40の外表面から放射状に外向きに延在する1つ以上の近位突起部110aを含み得る。ロック40の遠位端は、ロック40の外表面から放射状に外向きに延在する1つ以上の遠位突起部112aを含み得る。遠位突起部112aの各々は、近位突起部110aの各々に対して遠位にあり得る。同様に、ガード部材32の近位端は、ガード部材32の内表面から放射状に内向きに延在する1つ以上の近位突起部110bを含み得る。ガード部材32の遠位端は、ガード部材32の内表面から放射状に内向きに延在する1つ以上の遠位突起部112bを含み得る。下記のとおり、ロック40に対するガード部材32の軸位置に応じて、近位突起部110a及び110bは、互いに当接して、ガード部材32に対するロック40の回転を妨げ得るか又は遠位突起部112a及び112bは互いに当接して、ガード部材32に対するロック40の回転を妨げ得る。ガード部材32は、明確さのために
図22、24A、25A、26A、及び27Aにおいて半透明なものとして示され、実際にそうである必要はない。
【0064】
図22~24Dは、送達前状態のロックアウト配置の様々な図を示す。ここで、ガード部材32は、延出位置に配置され、ガード付勢部材35によって延出位置の方に付勢される。ガード付勢部材35はまた、容器ホルダー31のカム面102に対してロック40のカム面100を押し、ロック40が
図24B~24Dにおいて左回りに回転するように促す。しかしながら、ロック40は、ロック40の近位突起部110aがガード部材32の近位突起部110bに対して当接するため、回転を妨げられる(
図24B)。これは、近位突起部110a及び110bが、本状態において縦軸Aに対して直交する共通面にあるためである。したがって、ロック40は、ガード部材32の格納前の送達前状態において初期回転位置にあるガード部材32によって保持される。さらに、
図24C及び24Dに示されるとおり、ロック40上の遠位突起部112aは、ガード部材32の格納前の送達前状態においてガード部材32上の遠位突起部112bに対して近位にあり得る。
【0065】
図25A~25Dは、ガード部材32が注射部位で患者の皮膚に対して押し付けられた直後の構成を示す。ここで、ガード部材32は、延出位置から離れて近位方向に移動しているが、格納位置には到達していない。ガード部材32の近位への移動により、近位突起部110bが近位突起部110aとの接触から摺動する。これにより、近位突起部110aが近位突起部110bによって前に占められた位置を越えて回転することができるため、一時的にロック40を解放して回転させる。
図25Cに示されるとおり、ロック40は、遠位突起部112aが遠位突起部112bと接触するまで回転する。ガード32は近位方向に移動しているため、この時、遠位突起部112bは遠位突起部112aと同じ平面を占め得る。遠位突起部112aと遠位突起部112bの係合はさらに、ロック40の回転を止める。ロック40のこの位置は、中間の回転位置と呼ばれ得る。
【0066】
図26A~26Dは、ガード部材32が、それが格納位置に到達するまで注射部位に対して押されるとき、ガード部材32が近位方向に移動し続けることを示す。遠位突起部112bは、遠位突起部112aと摺動可能に係合する一方で、遠位突起部112bは近位方向に移動する。しかしながら、遠位突起部112aは、遠位突起部112bを越えて回転することができないため、中間の回転位置でロック40を保持する。上記のとおり、ガード部材32は、格納位置への到達時、又は到達するプロセスにおいて駆動機構30を作動させ、それにより薬物送達を開始し得る。
【0067】
薬物送達が完了し、使用者が可聴信号の停止を聞くことによって完了を確認してから、使用者は、薬物送達デバイス10を注射部位から取り去ってもよい。何も抵抗するものがないため、ガード付勢部材35は延出してガード部材32を
図27Aに示される延出位置まで押す。この移動により、遠位突起部112bは、遠位突起部112bが最終的に遠位突起部112aとの係合から摺動するまで、遠位突起部112aと摺動可能に係合する。これにより、遠位突起部112aが遠位突起部112bによって前に占められた位置を越えて回転することができるため、ロック40を解放して回転させる。ロック40は、カム面100及び102が互いに完全に係合するまで回転し、その後ロック40は回転を止め、さらに回転することはできない。
図27B~27Dは、ロック40がその最終的な回転位置に到達したことを示す。
【0068】
最終的な回転位置において、ロック40は、ガード部材32の近位方向への移動を制限する(例えば、妨げるか又は阻止する)ように構成され得る。これは、最終的な回転位置において、ロック40上の遠位突起部112aの各々が、ガード部材32の対応する遠位突起部112bの1つと回転的に整列されるが、それから軸方向にずらされ得るためである。そのため、遠位突起部112aの各々の遠位対向架台面114aは、遠位突起部112bの1つの対応する近位対向架台面114bと向かい合って配置され得る。遠位対向架台面114aは、近位対向架台面114bと接触するか、又はわずかな距離(例えば、数ミリメートル以下)によって隔置され得る。したがって、遠位突起部112bの各々の近位対向架台面114bが、遠位突起部112aの1つの対応する遠位対向架台面114aによって近位方向への移動を止められることになるため、ガード部材32の試みられたいずれかの近位への移動は妨げられる。このように構成されることで、最終的な回転位置にあるロック40は、延出位置のガード部材32をロックし、したがって、送達部材16の挿入端28との偶発的な接触及び/又は薬物送達デバイス10の再使用の可能性を減少させ得る。
【0069】
ガードをロックする機能性が、ロック40の回転位置に依存することは前述から明らかであろう。そのため、ロック40が初期回転位置で開始するように薬物送達デバイス10を組み立てることが、ロック40の適切な機能を確保するのに必要であり得る。いくつかの実施形態では、ロック40は、薬物送達デバイス10のハウジング12内にガード部材32を設置する前にガード部材32内に配置され得る。結果として、ロック40が薬物送達デバイス10の内部にガード部材32とともに設置された後、ロック40の回転位置を調整することは実行可能ではない可能性がある。したがって、薬物送達デバイス10内にロック及びガードを組み合わせた配置を設置する前に、ロック40がガード部材32内に適切に方向づけられていることを確認することが望ましい場合がある。この確認プロセスを支援するために、ガード部材32及び/又はロック40は、様々な調整機能を組み込み得る。
図28及び29は、そのような調整機能を含むガード部材32及びロック40の実施形態を示す。
【0070】
図28及び29を参照すると、開口部45は、ガード部材32の長軸方向に延在する壁に形成され得るし、開口部47は、ロック40の長軸方向に延在する壁に形成され得る。
図28において見られるとおり、ロック40がガード部材32内に適切に設置される場合、開口部45は、開口部47と回転的に整列され得る。放射状に延在する通路は、ロック40がガード部材32内に適切に設置されるときに開口部45及び47によって規定され得る。開口部45及び47が互いに回転的に整列される場合、ロック40は、組み合わせたガード及びロック配置が薬物送達デバイス10内に後で設置されるときに上記の初期回転位置を占めることになることが保証され得る。薬物送達デバイス10を使用して注射を実施し、ロック40が上記の最終的な回転位置に回転した後、開口部45及び開口部47は、もはや互いに回転的に整列され得ない。
【0071】
図28に示される配置を組み立てることは、ガード部材32内にロック40を位置決めすること、必要があれば、開口部45及び47が互いに回転的に整列されるまでガード部材32に対してロック40を回転させることを含み得る。いくつかの実施形態では、開口部45及び47が互いに回転的に整列されているかどうかを判定することは、開口部45及び47の一方を通して光を放出すること並びにその光が開口部45及び47の他方を通過するかどうかを、例えば、光検出器又はカメラを介して判定することを含み得る。光の通過が確認される場合、ロック40がガード部材32内に適切に位置していると考えてもよく、薬物送達デバイス10内での組み合わせた配置の設置を進めてもよい。そうでない場合は、開口部45及び47が回転的に整列されるまでロック40を調整してもよいし、それが不可能な場合は、組み合わせた配置を放棄し、新しいものを得てもよい。
【0072】
様々な外部形態要素が、例えば、使用者及び/若しくは製造業者の必要性並びに/又は優先度に応じて、本明細書に記載される薬物送達デバイスのために可能である。
図30~33は、上記の薬物送達デバイス10と同じ又は同様の内部構成要素を有するが、異なる外部形態要素を有する薬物送達デバイス110の実施形態を示す。薬物送達デバイス10に含まれるものと機能が類似している薬物送達デバイス110の部材は、100だけ増加すること除いて同じ参照数字に割り当てられる。
【0073】
薬物送達デバイス110は、縦軸に沿って延在する略細長い形状を有する外側ケーシング又はハウジング112を含む。縦軸に沿う大部分又は全ての位置で、ハウジング112は、ハウジング112が実質的に円筒形状を有するように環状断面を有し得る。透明又は半透明ののぞき窓117を有する凹部は、使用者が、例えば、薬物貯蔵容器を含む薬物送達デバイス110の内側の構成要素を見ることを可能にするようにハウジング112の壁に配置され得る。ハウジング112の遠位端で、脱着可能なキャップ119は、ハウジング112の開口部を覆い得る。上記のとおり、脱着可能なキャップ119の内部は、脱着可能なキャップ119がハウジング112から取り外されるときに注射針のような送達部材からの無菌バリア(例えば、強固な針シールド(RNS)、柔軟な針シールド(FNS)など)の取り外しを支援するように構成されるグリッパーを含み得る。ハウジング112及び脱着可能なキャップ119はそれぞれ、それらの外表面に形成された複数のリブ104及び107を有して、これらの構成要素を引き離す際に使用者が握る能力を向上させ得る。リブの各々は、ハウジング112又は脱着可能なキャップ119の周囲にわたって全体的に又は部分的に延在し得る。
【0074】
ハウジング112の環状断面は、横向きに置かれたときに表面を転がりやすくすることができる。そのような転がりを阻止するか又は妨げるために、脱着可能なキャップ119の一部又は全体は、非環状断面を有し得る。
図30~34に示される実施形態において、脱着可能なキャップ119は、非環状断面を有する遠位端及び環状断面を有する近位端を有する。そのため、脱着可能なキャップ119の断面は一般に、脱着可能なキャップ119の近位端から脱着可能なキャップ119の遠位端に移動するときに環状断面から非環状断面に移行する。示される実施形態において、脱着可能なキャップ119の遠位端の非環状断面は一般に、四角の形状をとる。他の実施形態では、非環状断面は、長方形、三角形、又は任意の他の多角形若しくは部分的に多角形の形状であってもよく、そのため長い1つ以上の側面の脱着可能なキャップ119は平らであるか又は実質的に平らであり、転がりを阻止するか又は妨げる。さらに、脱着可能なキャップ119の遠位端の非環状断面は、脱着可能なキャップ119の遠位端の最も遠位の部分が、脱着可能なキャップ119の遠位端の最も近位の部分より大きい断面積を有するように、遠位方向に移動するにつれて徐々にサイズが増大し得る。この構成は脱着可能なキャップ119の遠位端に広がった形状を与え、その結果として、使用者の握りを助け、ハウジング112から脱着可能なキャップ119を引き離すことを助け得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、ハウジング112及び脱着可能なキャップ119はそれぞれ、各々の回転抑止部分を含み得る。これらの回転抑止部分は、互いに係合して、脱着可能なキャップ119が
図30に示されるものなどの貯蔵位置にあるとき、ハウジング112に対して脱着可能なキャップ119が回転することを妨げるか又は阻止し得る。いくつかの実施形態では、ハウジング112の回転抑止部分は、脱着可能なキャップ119が貯蔵位置にあるとき、脱着可能なキャップ119の回転抑止部分に隣接し、且つ一列に又は実質的に一列に並び得る。
図30~33に示される実施形態において、脱着可能なキャップ119の回転抑止部分は、脱着可能なキャップ119の近位端で脱着可能なキャップ119の管状壁において形成される開口部108によって提供され;ハウジング112の回転抑止部分は、ハウジング112の遠位端から遠位方向に延在する軸方向突出部109によって提供される。開口部108は、脱着可能なキャップ119が貯蔵位置にあるときに軸方向突出部109をかみ合わせて収容するようにサイズ調整され得る。このかみ合わせの係合の結果として、脱着可能なキャップ119は、ハウジング112に対して回転させることができない場合がある。これは、使用者が脱着可能なキャップ119をハウジング112から引き離すときに脱着可能なキャップ119をねじる場合に有利であり得る。ある特定の場合において、脱着可能なキャップ119の回転は、RNS又はFNSなどの無菌バリアを回転させ、その結果として、注射針の先端にRNS又はFNS内のシール部材中に穴を開けさせ得る。したがって、少なくともキャップの取り外しの最初の瞬間に軸方向突出部109が開口部108内に配置されていることは、注射針のコアリングを防止し得る。代替的な実施形態では、開口部108は、ハウジング112の壁に形成されてもよく、軸方向突出部109は、脱着可能なキャップ119の近位端から近位方向に延在し得る。
【0076】
図34A及び34Bは、薬物送達デバイス210の別の実施形態を示す。薬物送達デバイス210の様々な要素が、
図1~33に関連して上で記載される薬物送達デバイスの要素と機能及び/又は構造において同様であり得る。そのような要素は、100又はその倍数だけ増加すること除いて
図1~33に使用されるものと同じ参照数字に割り当てられる。上記の薬物送達デバイスから薬物送達デバイス210を区別する構造及び/又は機能の詳細が、以下の議論の焦点である。それらは
図34A及び34Bに示されない場合があるが、
図1~33に示される薬物送達デバイスの構成要素又はこれらの構成要素の別形は、薬物送達デバイス210の設計がこれらの構成要素又はその別形の包含を妨げない限り、薬物送達デバイス210に含まれ得る。
【0077】
上記の薬物送達デバイス10と同様に、薬物送達デバイス210は、部分的に:開口部214を有するハウジング212;挿入端228を有する送達部材216を含む薬物貯蔵容器220;送達部材216を通して薬物貯蔵容器220から薬物を排出する遠位方向に可動性であるプランジャー226;送達前又は貯蔵状態でプランジャー226の少なくとも近位端を取り囲むプランジャーガイド260;最初に付勢状態で保持され且つ解放されるときに縦軸Aの周りに回転するように構成される回転式付勢部材250;及びプランジャー226及び回転式付勢部材250に作動可能に結合された機械的リンク機構256を含み得る。機械的リンク機構256は、回転式付勢部材250の解放によりもたらされる回転をプランジャー226の遠位方向への移動に変換するように構成され得る。一例として、
図34Aに見られるとおり、機械的リンク機構256は、プランジャー226の一部を取り囲むナット262を含み得る。より具体的な例として、ナット262は、プランジャー226のねじ切りの外表面266をねじ式で係合するねじ切り内表面264を有し得る。さらに、ナット262は、回転式付勢部材250の解放の結果として回転するように構成され得る。一例として、ナット262は、ナット262が回転式付勢部材250の解放時に回転式付勢部材250と共同して回転するように、回転式付勢部材250の遠位端に固定的に取り付けられ得る。ナット262とプランジャー226の間のねじ式結合に起因して、ナット262の回転は、プランジャー226を縦軸Aに沿って遠位方向に直線的に移動させ得る。結果として、プランジャー226は、ストッパー224を駆動して、送達部材216を通って薬物貯蔵容器220から薬物を移動させ得る。
【0078】
薬物送達デバイス10とは異なり、機械的リンク機構256は、プランジャー226を回転させ得ない一方で、機械的リンク機構256は、プランジャー226を遠位方向に移動させ得る。一例として、機械的リンク機構256のナット262は、回転式付勢部材250の付勢力下で回転してもよく、この回転は、ナット262とプランジャー226の間のねじ式結合によってプランジャー226の遠位の移動に完全に又は実質的に完全に変換され得る。いくつかの実施形態では、ベアリングは、プランジャー226を回転させることによって、ストッパー224を回転させずにストッパー224を遠位方向に押すことができるように、プランジャー226の遠位端とストッパー224の近位端の間に配置され得る。
【0079】
プランジャーガイド260は、回転式付勢部材250の近位端のための台座として機能し得る。一例として、回転式付勢部材250の近位端は、
図34Aに示されるとおり、プランジャーガイド260に内に配置され、且つそれに固定的に取り付けられ得る。プランジャーガイド260は、プランジャーガイド260がハウジング212に対して回転し且つ/又は移動することを妨げられるように、ハウジング212に結合され得る。一例として、スプライン接続は、プランジャーガイド260の外表面とハウジング212の内表面の間で形成されて、プランジャーガイド260とハウジング212の間の相対的な回転を妨げる場合があり、いくつかの実施形態では、プランジャーガイド260とハウジング212の間の相対的な軸方向の移動を可能にする場合がある。
【0080】
送達前又は貯蔵状態において、ナット262及び/又は機械的リンク機構256の別の構成要素は、回転を妨げられ得る。一例として、薬物送達デバイス210は、ナット262の回転を選択的に妨げるように構成されるロック254を含み得る。より具体的な例として、ロック254は、ロック254がナット262の回転を妨げる初期位置(
図34Aに見られるとおり)及びロック254がナット262の回転を妨げない第2の位置を有し得る。いくつかの実施形態では、ロック254は、環又は他の環状形状を有してもよく、初期位置においてナット262を取り囲んでもよい。ロック254は、いくつかの実施形態において、初期位置から第2の位置に移動する際に近位方向に移動し得る。いくつかの実施形態では、ロック272は、ガード部材232の延出位置から格納位置への移動が、ロック254の初期位置から第2の位置への移動をもたらすようにガード部材232に作動可能に結合され、それにより回転式付勢部材250の付勢力下及びねじ式結合を介してナット262の回転を可能にして、プランジャー226を遠位方向に駆動し得る。
【0081】
薬物貯蔵容器220は、薬物貯蔵容器220が薬物送達デバイス210の作動中にハウジング212に対して移動しないように、ハウジング212に固定的に取り付けられ得る。一例として、薬物送達デバイス210は、
図34Aに見られるとおり、薬物貯蔵容器220の近位端で放射状に外向きに延在するフランジに結合する内端及びハウジング212に固定的に取り付けられる外端を有する容器ホルダー231を含み得る。容器ホルダー231は、略環状形状を有し得る。
図34Bに示されるとおり、容器ホルダー231の外端は、1つ以上の軸方向に延在する通路又はスロット231aを有して、ガード部材232のアクチベーター部分234の軸方向に延在するアームが容器ホルダー231を通過することを可能にし得る。
【0082】
いくつかの実施形態によれば、薬物送達デバイス210は、以下のとおりに作動し得る。最初に(例えば、送達前又は貯蔵状態において)、ロック254は、ロック254がナット262の回転を妨げ、その結果、回転式付勢部材250の消勢を妨げ得るように、その初期位置に配置され得る。その後、使用者は、注射部位の皮膚に対してガード部材232の遠位端又は皮膚接触部分236を押し得る。これにより、ガード部材232をハウジング212中に格納させて、延出位置から格納位置に移動させ得る。この移動の結果として、ガード部材232は、ロック254が初期位置から第2の位置に移動するように、ロック254を遠位方向に押し得る。第2の位置において、ロック254は、ナット262が回転式付勢部材250の付勢力下で回転が可能になるように、ナット262から分離し得る。ナット262とプランジャー226の間のねじ式結合に起因して、ナット262の回転は、プランジャー226を遠位方向に移動させ得る。いくつかの実施形態において、プランジャー226は回転し得ないが、遠位方向に移動する。プランジャー226はストッパー224と接触し、その後、薬物貯蔵容器220を通してストッパー224を移動させて、送達部材216を介して薬物貯蔵容器220から薬物を排出する。
【0083】
前述から、本開示は、送達後の状態におけるデバイスの安全な取り扱いを容易にし、不完全な投薬の可能性を低減し、さらに他の利益及び利点を提供する、改良された薬物送達デバイスを有利に提供することがわかる。
【0084】
当然のことながら、本開示によるデバイス及び方法は、従来技術に対して1つ以上の利点を有する可能性があり、そのうちのいずれか1つ以上が、特定の実施形態において、その実施形態に含まれる本開示の特徴に従って存在し得る。本明細書で特に挙げられていない他の利点についても同様に認識され得る。
【0085】
上記の記載では、薬物送達デバイスに関連する様々なデバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、及び使用方法について説明している。デバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、方法、又は薬物送達デバイスは、以下に特定される薬物、並びにそれらのジェネリック及びバイオシミラー同等品を含むがそれらに限定されない薬物をさらに含み得るか、又はこれらとともに使用され得る。本明細書で使用される場合、薬物という用語は、他の類似の用語と交換可能に使用でき、伝統的及び非伝統的な医薬品、栄養補助食品、サプリメント、生物学的製剤、生物学的活性剤及び組成物、大分子、バイオシミラー、生物学的同等物、治療用抗体、ポリペプチド、タンパク質、小分子、及びジェネリック医薬品を含む、任意の種類の医薬又は治療用材料を指すために使用することができる。非治療的な注射可能材料も包含される。薬物は、液体形態、凍結乾燥形態、又は凍結乾燥形態から再構成されたものであってもよい。以下の例示的な薬物のリストは、網羅的又は限定的であると考えるべきではない。
【0086】
薬物はリザーバー内に含有されることになる。いくつかの場合では、リザーバーは、治療のために薬物が充填されるか又は予め充填されるかのいずれかである、一次容器である。一次容器は、バイアル、カートリッジ、又はプレフィルドシリンジであり得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスのリザーバーに顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)などのコロニー刺激因子が充填されてもよいし、そのデバイスを顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)などのコロニー刺激因子とともに使用してもよい。そのようなG-CSF剤としては、Neulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム、PEG化フィルガストリム、PEG化G-CSF、PEG化hu-Met-G-CSF)及びNeupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)、UDENYCA(登録商標)(ペグフィルグラスチム-cbqv)、Ziextenzo(登録商標)(LA-EP2006;ペグフィルグラスチム-bmez)、又はFULPHILA(ペグフィルグラスチム-bmez)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0088】
他の実施形態では、薬物送達デバイスは、液体又は凍結乾燥形態であり得る、赤血球造血刺激因子製剤(ESA)を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。ESAは、赤血球造血を刺激する任意の分子である。いくつかの実施形態では、ESAは、赤血球造血刺激タンパク質である。本明細書で使用する場合、「赤血球造血刺激タンパク質」とは、例えば、受容体に結合し、受容体の二量化を引き起こすことによってエリスロポエチン受容体の活性化を直接的又は間接的に引き起こす任意のタンパク質を意味する。赤血球造血刺激タンパク質としては、エリスロポエチン受容体に結合し、これを活性化させるエリスロポエチン及びその変異体、類似体、若しくは誘導体、エリスロポエチン受容体に結合し、この受容体を活性化させる抗体、又はエリスロポエチン受容体に結合し、活性化させるペプチドが挙げられる。赤血球造血刺激タンパク質としては、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ)、Hematide(登録商標)、MRK-2578、INS-22、Retacrit(登録商標)(エポエチンゼータ)、Neorecormon(登録商標)(エポエチンベータ)、Silapo(登録商標)(エポエチンゼータ)、Binocrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、エポエチンアルファHexal、Abseamed(登録商標)(エポエチンアルファ)、Ratioepo(登録商標)(エポエチンシータ)、Eporatio(登録商標)(エポエチンシータ)、Biopoin(登録商標)(エポエチンシータ)、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンイオタ、エポエチンオメガ、エポエチンデルタ、エポエチンゼータ、エポエチンシータ、及びエポエチンデルタ、PEG化エリスロポエチン、カルバミル化エリスロポエチン、並びにそれらの分子又は変異体又は類似体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0089】
特定の例示的なタンパク質の中には、その融合物、断片、類似体、変異体、又は誘導体を含む、以下で説明する特定のタンパク質がある。完全ヒト化及びヒトOPGL特異抗体、特に、完全ヒト化モノクローナル抗体を含む、(RANKL特異抗体、ペプチボディなどとも称される)OPGL特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;ミオスタチン特異的ペプチボディを含む、ミオスタチン結合タンパク質、ペプチボディ、関連タンパク質など;特に、IL-4及び/又はIL-13の受容体への結合によって媒介される活性を阻害する、IL-4受容体特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;インターロイキン1-受容体1(「IL1-R1」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;Ang2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;NGF特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;CD22特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など、特に、ヒト-マウスモノクローナルhLL2カッパ鎖に結合したヒト-マウスモノクローナルhLL2ガンマ鎖二硫化物の二量体、例えば、エプラツズマブ(CAS登録番号501423-23-0)のヒトCD22特異完全ヒト化抗体などの、ヒトCD22特異IgG抗体を特に含むがそれに限定されない、ヒト化及び完全ヒトモノクローナル抗体を含むがそれに限定されない、ヒト化及び完全ヒト抗体などであるがそれに限定されない、ヒトCD22特異抗体;抗IGF-1R抗体を含むがそれに限定されない、IGF-1受容体特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など;B7RP特異完全ヒトモノクローナルIgG2抗体を含むがそれに限定されない、B7RP-1の最初の免疫グロブリン様ドメインのエピトープと結合する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体を含むがそれに限定されない、B7RP-1と活性化T細胞上のその天然の受容体であるICOSとの相互作用を阻害するものを含むがそれに限定されない、B-7関連タンパク質1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など(「B7RP-1」並びにB7H2、ICOSL、B7h、及びCD275とも称される);例えば145c7などの、HuMax IL-15抗体及び関連タンパク質を含むがそれらに限定されない、特にヒト化モノクローナル抗体などの、IL-15特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;ヒトIFNガンマ特異抗体を含むがそれに限定されない、及び完全ヒト抗IFNガンマ抗体を含むがそれに限定されない、IFNガンマ特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;TALL-1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など、並びに他のTALL特異結合タンパク質;副甲状腺ホルモン(「PTH」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;トロンボポチエン受容体(「TPO-R」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;肝細胞増殖因子/分散因子(HGF/SF)を中和する完全ヒトモノクローナル抗体などのHGF/SF:cMet軸(HGF/SF:c-Met)を標的とするものを含む、肝細胞増殖因子(「HGF」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;TRAIL-R2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;アクチビンA特異抗体、ペプチボディ、タンパク質など;TGF-ベータ特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;アミロイドベータタンパク質特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;c-Kit及び/又は他の幹細胞因子受容体と結合するタンパク質を含むがそれらに限定されない、c-Kit特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;OX40L及び/又はOX40受容体の他のリガンドと結合するタンパク質を含むがそれに限定されない、OX40L特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;Activase(登録商標)(アルテプラーゼ、tPA)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、エリスロポエチン[30-アスパラギン、32-スレオニン、87-バリン、88-アスパラギン、90-スレオニン]、ダルベポエチンアルファ、新規造血刺激タンパク質(NESP);Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ、又はエリスロポエチン);GLP-1、Avonex(登録商標)(インターフェロンベータ-1a);Bexxar(登録商標)(トシツモマブ、抗CD22モノクローナル抗体);Betaseron(登録商標)(インターフェロン-ベータ);Campath(登録商標)(アレムツズマブ、抗CD52モノクローナル抗体);Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ);Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ);MLN0002(抗α4β7 mAb);MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体mAb);Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬);Eprex(登録商標)(エポエチンアルファ);Erbitux(登録商標)(セツキシマブ、抗EGFR/HER1/c-ErbB-1);Genotropin(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ、抗HER2/neu(erbB2)受容体mAb);Kanjinti(商標)(トラスツズマブ-anns)抗HER2モノクローナル抗体、Herceptin(登録商標)のバイオシミラー、又は乳癌若しくは胃癌の治療のためのトラスツズマブを含有する別の製品;Humatrope(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);Humira(登録商標)(アダリムマブ);Vectibix(登録商標)(パニツムマブ);Xgeva(登録商標)(デノスマブ);Prolia(登録商標)(デノスマブ)、RANKリガンドに対する免疫グロブリンG2ヒトモノクローナル抗体、Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF-受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Nplate(登録商標)(ロミプロスチム)、リロツムマブ、ガニツマブ、コナツムマブ、ブロダルマブ、溶液中のインスリン;Infergen(登録商標)(インターフェロンアルファコン-1);Natrecor(登録商標)(ネシリチド;遺伝子組換え型ヒトB型ナトリウム利尿ペプチド(hBNP);Kineret(登録商標)(アナキンラ);Leukine(登録商標)(サルガモスチム、rhuGM-CSF);LymphoCide(登録商標)(エプラツズマブ、抗CD22 mAb);Benlysta(商標)(リンフォスタットB、ベリムマブ、抗BlyS mAb);Metalyse(登録商標)(テネクテプラーゼ、t-PA類似体);Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ);Mylotarg(登録商標)(ゲムツズマブオゾガマイシン);Raptiva(登録商標)(エファリズマブ);Cimzia(登録商標)(セルトリズマブペゴル、CDP 870);Soliris(商標)(エクリズマブ);ペキセリズマブ(抗補体C5);Numax(登録商標)(MEDI-524);Lucentis(登録商標)(ラニビズマブ);Panorex(登録商標)(17-1A、エドレコロマブ);Trabio(登録商標)(レルデリムマブ);TheraCim hR3(ニモツズマブ);Omnitarg(ペルツズマブ、2C4);Osidem(登録商標)(IDM-1);OvaRex(登録商標)(B43.13);Nuvion(登録商標)(ビジリズマブ);カンツズマブメルタンシン(huC242-DM1);NeoRecormon(登録商標)(エポエチンベータ);Neumega(登録商標)(オプレルベキン、ヒトインターロイキン-11);Orthoclone OKT3(登録商標)(ムロモナブ-CD3、抗CD3モノクローナル抗体);Procrit(登録商標)(エポエチンアルファ);Remicade(登録商標)(インフリキシマブ、抗TNFαモノクローナル抗体);Reopro(登録商標)(アブシキシマブ、抗GP lIb/Ilia受容体モノクローナル抗体);Actemra(登録商標)(抗IL6受容体mAb);Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax-CD4(ザノリムマブ);Mvasi(商標)(ベバシズマブ-awwb);Rituxan(登録商標)(リツキシマブ、抗CD20 mAb);Tarceva(登録商標)(エルロチニブ);Roferon-A(登録商標)(インターフェロンアルファ-2a);Simulect(登録商標)(バシリキシマブ);Prexige(登録商標)(ルミラコキシブ);Synagis(登録商標)(パリビズマブ)、145c7-CHO(抗IL15抗体、米国特許第7,153,507号明細書を参照);Tysabri(登録商標)(ナタリズマブ、抗α4インテグリンmAb);Valortim(登録商標)(MDX-1303、抗炭疽菌(B.anthracis)防御抗原mAb);ABthrax(商標);Xolair(登録商標)(オマリズマブ);ETI211(抗MRSA mAb);IL-1 trap(ヒトIgG1のFc部分及び両IL-1受容体成分(I型受容体及び受容体補助タンパク質)の細胞外ドメイン);VEGF trap(IgG1 Fcと融合したVEGFR1のIgドメイン);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ、抗IL-2Rα mAb);Zevalin(登録商標)(イブリツモマブチウキセタン);Zetia(登録商標)(エゼチマイブ);Orencia(登録商標)(アタシセプト、TACI-Ig);抗CD80モノクローナル抗体(ガリキシマブ);抗CD23 mAb(ルミリキシマブ);BR2-Fc(huBR3/huFc融合タンパク質、可溶性BAFF拮抗薬);CNTO 148(ゴリムマブ、抗TNFα mAb);HGS-ETR1(マパツズマブ;ヒト抗TRAIL受容体-1 mAb);HuMax-CD20(オクレリズマブ、抗CD20ヒトmAb);HuMax-EGFR(ザルツムマブ);M200(ボロシキシマブ、抗α5β1インテグリンmAb);MDX-010(イピリムマブ、抗CTLA-4 mAb、及びVEGFR-1(IMC-18F1);抗BR3 mAb;抗C.ディフィシル(C.difficile)毒素A並びに毒素B C mAb MDX-066(CDA-1)及びMDX-1388);抗CD22 dsFv-PE38コンジュゲート(CAT-3888及びCAT-8015);抗CD25 mAb(HuMax-TAC);抗CD3 mAb(NI-0401);アデカツムマブ;抗CD30 mAb(MDX-060);MDX-1333(抗IFNAR);抗CD38 mAb(HuMax CD38)、抗CD40L mAb;抗Cripto mAb;抗CTGF特発性肺線維症第1期フィブロゲン(FG-3019);抗CTLA4 mAb;抗エオタキシン1 mAb(CAT-213);抗FGF8 mAb;抗ガングリオシドGD2 mAb;抗ガングリオシドGM2 mAb;抗GDF-8ヒトmAb(MYO-029);抗GM-CSF受容体mAb(CAM-3001);抗HepC mAb(HuMax HepC);抗IFNα mAb(MEDI-545、MDX-198);抗IGF1R mAb;抗IGF-1R mAb(HuMax-Inflam);抗IL12 mAb(ABT-874);抗IL12/IL23 mAb(CNTO 1275);抗IL13 mAb(CAT-354);抗IL2Ra mAb(HuMax-TAC);抗IL5受容体mAb;抗インテグリン受容体mAb(MDX-018、CNTO 95);抗IP10潰瘍性大腸炎mAb(MDX-1100);BMS-66513;抗マンノース受容体/hCGβ mAb(MDX-1307);抗メソテリンdsFv-PE38コンジュゲート(CAT-5001);抗PD1mAb(MDX-1106(ONO-4538));抗PDGFRα抗体(IMC-3G3);抗TGFβ mAb(GC-1008);抗TRAIL受容体-2ヒトmAb(HGS-ETR2);抗TWEAK mAb;抗V
EGFR/Flt-1 mAb、及び抗ZP3 mAb(HuMax-ZP3)。
【0090】
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ロモソズマブ、ブロソズマブ、BPS 804(Novartis)、Evenity(商標)(ロモソズマブ-aqqg)、閉経後の骨粗鬆症及び/又は骨折治癒の治療のためのロモソズマブを含有する別の製品などであるがそれらに限定されないスクレロスチン抗体、並びに他の実施形態では、ヒトプロタンパク転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に結合するモノクローナル抗体(IgG)を含有してもよいし、それらとともに使用されてもよい。このようなPCSK9特異抗体としては、Repatha(登録商標)(エボロクマブ)及びPraluent(登録商標)(アリロクマブ)が挙げられるが、これらに限定されない。他の実施形態では、薬物送達デバイスは、リロツムマブ、ビキサロマー、トレバナニブ、ガニツマブ、コナツムマブ、モテサニブ二リン酸塩、ブロダルマブ、ヴィデュピプラント、又はパニツムマブを含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスのリザーバーには、OncoVEXGALV/CD;OrienX010;G207、1716;NV1020;NV12023;NV1034;及びNV1042を含むがこれらに限定されない、黒色腫又は他の癌の治療のためのIMLYGIC(登録商標)(タリモジーンラハーパレプベック)又は別の腫瘍溶解性HSVが充填されてもよいし、デバイスは、それとともに使用することができる。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、TIMP-3などであるがこれらに限定されないメタロプロテイナーゼの内在性組織阻害剤(TIMP)を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Aimovig(登録商標)(エレヌマブ-aooe)、抗ヒトCGRP-R(カルシトニン遺伝子関連ペプチド1型受容体)又は片頭痛の治療のためのエレヌマブを含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。エレヌマブ、並びにCGRP受容体及び他の頭痛標的を標的とする二重特異性抗体分子などであるがそれらに限定されないヒトカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体の拮抗的抗体もまた、本開示の薬物送達デバイスを用いて送達されてもよい。加えて、BLINCYTO(登録商標)(ブリナツモマブ)などであるがそれに限定されない二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))抗体を、本開示の薬物送達デバイスにおいて又はそれとともに使用することができる。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、アペリン又はその類似体などであるがそれらに限定されないAPJ大分子アゴニストを含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、治療有効量の抗胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)又はTSLP受容体抗体が本開示の薬物送達デバイスにおいて又はそれとともに使用される。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Avsola(商標)(インフリキシマブ-axxq)、抗TNFαモノクローナル抗体、Remicade(登録商標)(インフリキシマブ)のバイオシミラー(Janssen Biotech,Inc.)又は自己免疫疾患の治療のためのインフリキシマブを含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Kyprolis(登録商標)(カルフィルゾミブ)、(2S)-N-((S)-1-((S)-4-メチル-1-((R)-2-メチルオキシラン-2-イル)-1-オキソペンタン-2-イルカルバモイル)-2-フェニルエチル)-2-((S)-2-(2-モルホリノアセトアミド)-4-フェニルブタンアミド)-4-メチルペンタンアミド、又は多発性骨髄腫の治療のためのカルフィルゾミブを含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Otezla(登録商標)(アプレミラスト)、N-[2-[(1S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-2,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-1H-イソインドール-4-イル]アセトアミド、又は様々な炎症性疾患の治療のためのアプレミラストを含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Parsabiv(商標)(エテルカルセチドHCl、KAI-4169)又は血液透析中の慢性腎疾患(KD)を有する患者などにおける二次性副甲状腺機能亢進症(sHPT)の治療のためのエテルカルセチドHClを含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP 798(リツキシマブ)、Rituxan(登録商標)/MabThera(商標)のバイオシミラー候補、又は抗CD20モノクローナル抗体を含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、非抗体VEGFアンタゴニストなどのVEGFアンタゴニスト及び/又はアフリベルセプトなどのVEGF-Trap(IgG1のFcドメインに融合されたVEGFR1由来のIgドメイン2及びVEGFR2由来のIgドメイン3)を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP 959(エクリズマブ)、Soliris(登録商標)のバイオシミラー候補、又は補体タンパク質C5に特異的に結合するモノクローナル抗体を含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ICOSL及びBAFF活性を同時に遮断する新規の二重特異性抗体-ペプチドコンジュゲートであるロジバフスプアルファ(以前はAMG 570)を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、心臓の収縮機構を直接的に標的化するオメカムチブメカルビル、小分子選択的心筋ミオシン活性化因子、若しくはミオトロープ、又は小分子選択的心筋ミオシン活性化因子を含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ソトラシブ(以前はAMG 510として知られる)、KRASG12C小分子阻害剤、又はKRASG12C小分子阻害剤を含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)の作用を阻害するテゼペルマブ、ヒトモノクローナル抗体、又はTSLPの作用を阻害するヒトモノクローナル抗体を含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、インターロイキン-15(IL-15)に結合するAMG 714、ヒトモノクローナル抗体又はインターロイキン-15(IL-15)に結合するヒトモノクローナル抗体を含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Lp(a)としても知られるリポタンパク質(a)を減らすAMG 890、低分子干渉RNA(siRNA)、又はリポタンパク質(a)を減らす低分子干渉RNA(siRNA)を含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP 654(ヒトIgG1カッパ抗体)、Stelara(登録商標)のバイオシミラー候補、又はヒトIgG1カッパ抗体を含有し且つ/又はヒトサイトカインインターロイキン(IL)-12及びIL-23のp40サブユニットに結合する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Amjevita(商標)若しくはAmgevita(商標)(以前はABP 501)(mab抗TNFヒトIgG1)、Humira(登録商標)のバイオシミラー候補、又はヒトmab抗TNFヒトIgG1を含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 160、又は半減期延長(HLE)抗前立腺特異的膜抗原(PSMA)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 119、又はデルタ様リガンド3(DLL3)CAR T(キメラ抗原受容体T細胞)細胞療法を含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 119、又はデルタ様リガンド3(DLL3)CAR T(キメラ抗原受容体T細胞)細胞療法を含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 133、又は胃抑制ポリペプチド受容体(GIPR)アンタゴニスト及びGLP-1Rアゴニストを含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 171、又は増殖分化因子15(GDF15)類似体を含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 176、又は骨髄細胞白血病1(MCL-1)の小分子阻害剤を含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 199、又は半減期延長(HLE)二重特異性T細胞エンゲージャーコンストラクト(BiTE(登録商標))を含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 256、又はプログラム細胞死-1(PD-1)陽性細胞においてインターロイキン21(IL-21)経路を選択的に活性化するように設計された抗PD-1×IL21ムテイン及び/若しくはIL-21受容体アゴニストを含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 330、又は抗CD33×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 404、又は固形腫瘍を有する患者のための治療として調査されているヒト抗プログラム細胞死-1(PD-1)モノクローナル抗体を含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 427、又は半減期延長(HLE)抗fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 430又は抗Jagged-1モノクローナル抗体を含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 506、又は固形腫瘍のための治療として調査されている多重特異性FAP×4-1BB標的化DARPin(登録商標)生物製剤を含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 509、又は二価T細胞エンゲージャーを含有し且つXmAb(登録商標)2+1技術を使用して設計される別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 562、又は半減期延長(HLE)CD19×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞
エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、エファバリューキンアルファ(以前はAMG 592)又はIL-2ムテインFc融合タンパク質を含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 596、又はCD3×上皮増殖因子受容体vIII(EGFRvIII)BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)分子を含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 673、又は半減期延長(HLE)抗ヒトCD33×抗抗ヒトCD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 701、又は半減期延長(HLE)抗B細胞成熟抗原(BCMA)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 757、又は半減期延長(HLE)抗デルタ様リガンド3(DLL3)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 910、又は半減期延長(HLE)上皮細胞タイトジャンクション構成タンパク質クローディン18.2×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を含有してもよいし、それとともに使用されてもよい。
【0091】
薬物送達デバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、及び方法を、例示的な実施形態の観点から説明してきたが、それらは例示的な実施形態に限定されるものではない。発明を実施するための形態は、単に例として解釈されるべきであり、本開示の考え得る全ての実施形態を説明しているわけではない。現在の技術又は本特許の申請日以降に開発された技術のいずれかを使用して、多くの代替的な実施形態を実施することができるが、このような実施形態はなお、本明細書に開示される本発明を定義する請求項の範囲内に含まれる。
【0092】
当業者であれば、本明細書に開示される発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく上記の実施形態に対して多種多様な修正、変更、及び組み合わせを施すことができ、そうした修正、変更、及び組み合わせは本発明の概念の範囲内にあると解釈されることを理解するであろう。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】