(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-24
(54)【発明の名称】画像の動き補償を実行するためのシステム
(51)【国際特許分類】
G06T 7/38 20170101AFI20221116BHJP
H05B 45/20 20200101ALI20221116BHJP
H05B 47/16 20200101ALI20221116BHJP
H05B 47/125 20200101ALI20221116BHJP
G06V 10/24 20220101ALI20221116BHJP
【FI】
G06T7/38
H05B45/20
H05B47/16
H05B47/125
G06V10/24
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022525819
(86)(22)【出願日】2020-10-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-15
(85)【翻訳文提出日】2022-05-02
(86)【国際出願番号】 EP2020080213
(87)【国際公開番号】W WO2021089372
(87)【国際公開日】2021-05-14
(32)【優先日】2019-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ブールキン ヤニク パルリアン ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】パレロ ジョナサン アランブラ
(72)【発明者】
【氏名】シュイヤース エリク ゴシヌス ペトルス
【テーマコード(参考)】
3K273
5L096
【Fターム(参考)】
3K273PA09
3K273QA28
3K273SA21
3K273SA37
3K273SA40
3K273SA60
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA31
3K273TA36
3K273TA41
3K273TA49
3K273TA77
3K273TA78
5L096AA02
5L096BA02
5L096CA04
5L096CA17
5L096GA08
5L096HA05
(57)【要約】
画像の動き補償を実行するためのシステム100が提供される。システムは、光源110、イメージングユニット120、及び制御ユニット130を含む。光源は、複数のカラーチャネルで物体に多重化された照明を提供する。イメージングユニットは、複数のカラーチャネルで物体の第1の画像及び第2の画像を捕捉する。制御ユニットは、第1のカラーチャネルでの第1の画像と第2の画像との間の推定されるピクセルの動きを決定し、第1の画像と第2の画像との間の推定されるピクセルの動きを、複数のカラーチャネルのうちの少なくとも別の1つに外挿することによって、第1の動き補償された画像を生成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像の動き補償を実行するためのシステムであって、前記システムは、
複数のカラーチャネルで物体に多重化された照明を提供する光源であって、前記多重化された照明は、一度に、前記複数のカラーチャネルのうちの少なくとも1つのカラーチャネルが使用されるように提供される、光源と、
前記複数のカラーチャネルで前記物体の第1の画像及び第2の画像を捕捉するイメージングユニットであって、前記第1の画像は、前記照明が少なくとも第1のカラーチャネルで提供される第1の時点で捕捉され、前記第2の画像は、前記照明が少なくとも前記第1のカラーチャネルで提供される第2の時点で捕捉される、イメージングユニットと、
前記第1のカラーチャネルでの前記第1の画像と前記第2の画像との間の推定されるピクセルの動きを決定し、
前記第1の画像と前記第2の画像との間の推定される前記ピクセルの動きを、前記複数のカラーチャネルのうちの少なくとも別の1つのカラーチャネルに外挿することによって、第1の動き補償された画像を生成する、制御ユニットと、
を含む、システム。
【請求項2】
前記第1の時点では、前記照明は、前記第1のカラーチャネル及び第2のカラーチャネルで提供され、
前記第2の時点では、前記照明は、前記第2のカラーチャネルでは提供されず、
前記制御ユニットは、
前記第1のカラーチャネルでの前記第1の画像と前記第2の画像との間の前記ピクセルの推定される動きを、前記第2のカラーチャネルに外挿することによって、前記第1の動き補償された画像を生成し、
前記第2のカラーチャネルでの前記第1の画像と前記第1の動き補償された画像との差に基づいて、周囲光補正を実行する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2の時点では、前記照明は、第3のカラーチャネルで提供され、
前記イメージングユニットはさらに、前記照明が前記第3のカラーチャネルで提供されるが前記第1のカラーチャネルでは提供されない第3の時点で、第3の画像を捕捉し、
前記制御ユニットはさらに、
前記第3のカラーチャネルでの前記第2の画像と前記第3の画像との間の推定されるピクセルの動きを決定し、
前記第3のカラーチャネルでの前記第2の画像と前記第3の画像との間の推定される前記ピクセルの動きを前記第1のカラーチャネルに外挿することによって、第2の動き補償された画像を生成し、
前記第1のカラーチャネルでの前記第2の画像と前記第3の画像との差に基づいて、周囲光補正を実行する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記イメージングユニットは、ローリングシャッターカメラであり、前記制御ユニットは、前記第1の画像の第1のセクションと前記第2の画像の対応する第2のセクションとに基づいて、前記第1のカラーチャネルでの前記第1の画像と前記第2の画像との間の推定されるピクセルの動きを決定し、前記第1のセクション及び前記第2のセクションは、前記第1のカラーチャネルでの照明のオーバーラップに対応する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記制御ユニットはさらに、前記第1の画像の第3のセクションと、第2のカラーチャネルでの前記第1の動き補償された画像の対応する第4のセクションとにおける周囲光補正を、前記第3のセクションと前記第4のセクションとの差に基づいて実行し、前記第3のセクション及び前記第4のセクションは、前記第2のカラーチャネルでの照明がオーバーラップしない領域に対応する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御ユニットは、前記第1のカラーチャネルでの前記第1の画像に対する前記第2の画像の1つ以上のピクセルの変位を示す動きマップを生成することによって、前記第1のカラーチャネルでの前記第1の画像と前記第2の画像との間の推定されるピクセルの動きを決定し、かつ前記複数のカラーチャネルのうちの前記少なくとも1つでの前記第2の画像の対応する1つ以上のピクセルに前記動きマップを外挿することによって、前記第1の動き補償された画像を生成する、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記動きマップの生成は、動き推定アルゴリズムを使用して、前記第1の画像と前記第2の画像との間の1つ以上のピクセルの変位を追跡すること含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数のカラーチャネルのうちの各々に関連付けられた帯域幅は、それぞれの所定の範囲内にある、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記光源は、RGBの多重化された照明を提供し、前記イメージングユニットは、RGBセンサである、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
画像の動き補償を実行するための方法であって、前記方法は、
複数のカラーチャネルで物体に多重化された照明を提供するステップであって、前記多重化された照明は、一度に、前記複数のカラーチャネルのうちの少なくとも1つのカラーチャネルが使用されるように提供される、提供するステップと、
前記複数のカラーチャネルで前記物体の第1の画像及び第2の画像を捕捉するステップであって、前記第1の画像は、前記照明が少なくとも第1のカラーチャネルで提供される第1の時点で捕捉され、前記第2の画像は、前記照明が少なくとも前記第1のカラーチャネルで提供される第2の時点で捕捉される、捕捉するステップと、
前記第1のカラーチャネルでの前記第1の画像と前記第2の画像との間の推定されるピクセルの動きを決定するステップと、
前記第1の画像と前記第2の画像との間の推定される前記ピクセルの動きを、前記複数のカラーチャネルのうちの少なくとも別の1つに外挿することによって、第1の動き補償された画像を生成するステップと、
を含む、方法。
【請求項11】
前記第1の時点では、前記照明は、前記第1のカラーチャネル及び第2のカラーチャネルで提供され、
前記第2の時点では、前記照明は、前記第2のカラーチャネルでは提供されず、
前記第1の動き補償された画像を生成するステップは、前記第1のカラーチャネルでの前記第1の画像と前記第2の画像との間の推定される前記ピクセルの動きを、前記第2のカラーチャネルに外挿するステップを含み、
前記方法はさらに、
前記第2のカラーチャネルでの前記第1の画像と前記第1の動き補償された画像との差に基づいて、周囲光補正を実行するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の時点では、前記照明は、第3のカラーチャネルで提供され、
前記方法はさらに、
前記照明が前記第3のカラーチャネルで提供されるが、前記第1のカラーチャネルでは提供されない第3の時点で、第3の画像を捕捉するステップと、
前記第3のカラーチャネルでの前記第2の画像と前記第3の画像との間の推定されるピクセルの動きを決定するステップと、
前記第3のカラーチャネルでの前記第2の画像と前記第3の画像との間の推定される前記ピクセルの動きを前記第1のカラーチャネルに外挿することによって、第2の動き補償された画像を生成するステップと、
前記第1のカラーチャネルでの前記第2の画像と前記第3の画像との差に基づいて、周囲光補正を実行するステップと、
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のカラーチャネルでの前記第1の画像と前記第2の画像との間の推定されるピクセルの動きを決定するステップは、前記第1の画像の第1のセクションと前記第2の画像の対応する第2のセクションとに基づいており、前記第1のセクション及び前記第2のセクションは、前記第1のカラーチャネルでの照明のオーバーラップに対応する、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の画像の第3のセクションと、第2のカラーチャネルでの前記第1の動き補償された画像の対応する第4のセクションとにおける周囲光補正を、前記第3のセクションと前記第4のセクションとの差に基づいて実行するステップをさらに含み、
前記第3のセクション及び前記第4のセクションは、前記第2のカラーチャネルでの照明がオーバーラップしない領域に対応する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のカラーチャネルでの前記第1の画像と前記第2の画像との間の推定されるピクセルの動きを決定するステップは、前記第1のカラーチャネルでの前記第1の画像に対する前記第2の画像の1つ以上のピクセルの変位を示す動きマップを生成するステップを含み、
前記第1の動き補償された画像を生成するステップは、前記複数のカラーチャネルのうちの前記少なくとも1つのカラーチャネルでの前記第2の画像の対応する1つ以上のピクセルに前記動きマップを外挿するステップを含む、請求項10から14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像の動き補償を実行するためのシステム及び方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルケア及びヘルスアプリケーションの分野において、特に、皮膚感知において、目立たない測定及びモニタリングデバイスの需要が高まっている。現在利用可能な皮膚測定システムは、情報を消費者に提供する皮膚定量化及び皮膚特徴モニタリング機能を提供するが、この情報は、検出するには小さすぎたり、気が付くにはぼんやりとしすぎたり、フォローするには遅すぎたりする。これらのタイプのシステムが、通常の消費者によって使い物になると判断されるには、組み込まれている感知機能が、敏感であるだけでなく特異的である必要がある。また、消費者の信頼を築くためには、関連する測定値の堅牢性も不可欠である。
【0003】
このようなイメージング測定システムにおける重要な問題は、自宅などの制御されていない環境で使用する場合、典型的に、測定値に不整合が生じることである。これは、周囲照明が未定義であり、場合によっては変化するためである。周囲光の望ましくない影響を最小限に抑える1つのやり方は、周囲光よりもかなり強い既知の人工光源を提供することである。この場合、人工光は、周囲光を事実上マスキングする。しかし、特に晴れた屋外状況では、人工光の明るさは実用的ではなくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
周囲光の影響を最小限に抑える別のやり方は、人工光及び周囲光の両方を有する画像ショットを、周囲光のみを有する画像ショットと比較することである。2つの画像を減算すると、周囲光が実質的にない、したがって、高い再現性を持つ合成画像が得られる。ただし、この再現性のある画像の生成方法に関連する欠点の1つは、画像減算技術が、特に撮影された物体の端において、被写体の動きに非常に敏感であることである。したがって、画像の減算操作の前に、適切な動き補償を実行することが望ましい。しかしながら、オプティカルフローアルゴリズムなどの既存の動き推定アルゴリズムは、強度の大きな変化に対して十分に堅牢ではない。したがって、画像の動き補償を実行するための改善されたシステムと、画像の動き補償を実行するための方法を提供することが有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述した1つ以上の問題に適切に対処するために、第1の態様では、画像の動き補償を実行するためのシステムが提供される。このシステムは、複数のカラーチャネルで物体に多重化された照明を提供する光源であって、多重化された照明は、一度に、複数のカラーチャネルのうちの少なくとも1つが使用されるように提供される、光源と、複数のカラーチャネルで物体の第1の画像及び第2の画像を捕捉するイメージングユニットであって、第1の画像は、照明が少なくとも第1のカラーチャネルで提供される第1の時点で捕捉され、第2の画像は、照明が少なくとも第1のカラーチャネルで提供される第2の時点で捕捉される、イメージングユニットと、制御ユニットであって、第1のカラーチャネルでの第1の画像と第2の画像との間の推定されるピクセルの動きを決定し、第1の画像と第2の画像との間の推定されるピクセルの動きを、複数のカラーチャネルのうちの少なくとも別の1つに外挿することによって、第1の動き補償された画像を生成する、制御ユニットとを含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、第1の時点では、照明が第1のカラーチャネル及び第2のカラーチャネルで提供され、第2の時点では、照明は第2のカラーチャネルでは提供されない。これらの実施形態では、制御ユニットは、第1のカラーチャネルでの第1の画像と第2の画像との間の推定されるピクセルの動きを、第2のカラーチャネルに外挿することによって、第1の動き補償された画像を生成し、第2のカラーチャネルでの第1の画像と第1の動き補償された画像との差に基づいて、周囲光補正を実行する。
【0007】
さらに、第2の時点では、照明は、第3のカラーチャネルで提供され得る。これらの実施形態では、イメージングユニットはさらに、照明が第3のカラーチャネルで提供されるが、第1のカラーチャネルでは提供されない第3の時点で、第3の画像を捕捉し、制御ユニットはさらに、第3のカラーチャネルでの第2の画像と第3の画像との間の推定されるピクセルの動きを決定し、第3のカラーチャネルでの第2の画像と第3の画像との間の推定されるピクセルの動きを、第1のカラーチャネルに外挿することによって、第2の動き補償された画像生成し、第1のカラーチャネルでの第2の画像と第3の画像との差に基づいて、周囲光補正を実行する。
【0008】
いくつかの実施形態では、イメージングユニットは、ローリングシャッターカメラであり、制御ユニットは、第1の画像の第1のセクションと第2の画像の対応する第2のセクションとに基づいて、第1のカラーチャネルでの第1の画像と第2の画像との間の推定されるピクセルの動きを決定する。これらの実施形態では、第1及び第2のセクションは、第1のカラーチャネルでの照明のオーバーラップに対応する。さらに、制御ユニットはさらに、第1の画像の第3のセクションと、第2のカラーチャネルでの第1の動き補償された画像の対応する第4のセクションとにおける周囲光補正を、第3のセクションと第4のとの差に基づいて実行する。これらの実施形態では、第3のセクション及び第4のセクションは、第2のカラーチャネルでの照明がオーバーラップしない領域に対応する。
【0009】
いくつかの実施形態では、制御ユニットは、第1のカラーチャネルでの第1の画像に対する第2の画像の1つ以上のピクセルの変位を示す動きマップを生成することによって、第1のカラーチャネルでの第1の画像と第2の画像との間の推定されるピクセルの動きを決定し、かつ複数のカラーチャネルのうちの少なくとも1つでの第2の画像の対応する1つ以上のピクセルに動きマップを外挿することによって、第1の動き補償された画像を生成する。これらの実施形態では、動きマップの生成は、動き推定アルゴリズムを使用して、第1の画像と第2の画像との間の1つ以上のピクセルの変位を追跡することを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、複数のカラーチャネルのうちの各々に関連付けられた帯域幅は、それぞれの所定の範囲内にある。
【0011】
いくつかの実施形態では、光源は、RGBの多重化された照明を提供し、イメージングユニットは、RGBセンサである。
【0012】
第2の態様では、画像の動き補償を実行するための方法が提供される。この方法は、複数のカラーチャネルで物体に多重化された照明を提供するステップであって、多重化された照明は、一度に、複数のカラーチャネルのうちの少なくとも1つが使用されるように提供される、提供するステップと、複数のカラーチャネルで物体の第1の画像及び第2の画像を捕捉するステップであって、第1の画像は、照明が少なくとも第1のカラーチャネルで提供される第1の時点で捕捉され、第2の画像は、照明が少なくとも第1のカラーチャネルで提供される第2の時点で捕捉される、捕捉するステップと、第1のカラーチャネルでの第1の画像と第2の画像との間の推定されるピクセルの動きを決定するステップと、第1の画像と第2の画像との間の推定されるピクセルの動きを、複数のカラーチャネルのうちの少なくとも別の1つに外挿することによって、第1の動き補償された画像を生成するステップとを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1の時点では、照明が第1のカラーチャネル及び第2のカラーチャネルで提供され、第2の時点では、照明は第2のカラーチャネルでは提供されない。これらの実施形態では、第1の動き補償された画像を生成するステップは、第1のカラーチャネルでの第1の画像と第2の画像との間の推定されるピクセルの動きを、第2のカラーチャネルに外挿するステップを含む。さらに、この方法はさらに、第2のカラーチャネルでの第1の画像と第1の動き補償された画像との差に基づいて、周囲光補正を実行するステップを含む。
【0014】
さらに、いくつかの実施形態では、第2の時点では、照明は、第3のカラーチャネルで提供される。方法はさらに、照明が第3のカラーチャネルで提供されるが、第1のカラーチャネルでは提供されない第3の時点で、第3の画像を捕捉するステップと、第3のカラーチャネルでの第2の画像と第3の画像との間の推定されるピクセルの動きを決定するステップと、第3のカラーチャネルでの第2の画像と第3の画像との間の推定されるピクセルの動きを、第1のカラーチャネルに外挿することによって、第2の動き補償された画像生成するステップと、第1のカラーチャネルでの第2の画像と第3の画像との差に基づいて、周囲光補正を実行するステップとを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1のカラーチャネルでの第1の画像と第2の画像との間での推定されるピクセルの動きを決定するステップは、第1の画像の第1のセクションと第2の画像の対応する第2のセクションとに基づいている。第1及び第2のセクションは、第1のカラーチャネルでの照明のオーバーラップに対応している場合がある。
【0016】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、第1の画像の第3のセクションと、第2のカラーチャネルの第1の動き補償された画像の対応する第4のセクションとにおける周囲光補正を、第3のセクションと第4のとの差に基づいて実行するステップを含む。これらの実施形態では、第3のセクション及び第4のセクションは、第2のカラーチャネルでの照明がオーバーラップしない領域に対応する。
【0017】
いくつかの実施形態では、第1のカラーチャネルでの第1の画像と第2の画像との間の推定されるピクセルの動きを決定するステップは、第1のカラーチャネルでの第1の画像に対する第2の画像の1つ以上のピクセルの変位を示す動きマップを生成するステップを含み、第1の動き補償さ含み得るた画像を生成するステップは、複数のカラーチャネルのうちの少なくとも1つでの第2の画像の対応する1つ以上のピクセルに動きマップを外挿するステップを含む。
【0018】
上記の態様及び実施形態によれば、既存の技術の制限が対処される。特に、上記の態様及び実施形態は、強度の大きな変化を処理できる堅牢な動き補償技術を提供する。したがって、画像の動き補償を実行するための改善されたシステム及び方法が提供される。本開示のこれらの及び他の態様は、以下に説明される実施形態から明らかになり、また、当該実施形態を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
実施形態をさらに深く理解し、それがどのように実行されるかをより明確に示すために、ほんの一例として、添付の図面を参照する。
【0020】
【
図1】
図1は、実施形態による画像の動き補償を実行するためのシステムのブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態による画像の動き補償を実行するための方法を示す。
【
図3A】
図3Aは、実施形態による、ローリングシャッターカメラを使用して捕捉された第1の画像及び第2の画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
上記のように、既存の問題に対処する改善されたシステム及び方法が提供される。
【0022】
図1は、画像の動き補償を実行するために使用できる、実施形態によるシステム100のブロック図を示している。このシステムは、光源110と、イメージングユニット120と、制御ユニット130とを含む。
【0023】
光源110は、複数のカラーチャネルで、物体(例えば、被写体の顔)に多重化された照明を提供する。より詳細には、多重化された照明は、一度に、複数のチャネルのうちの少なくとも1つが使用されるように、光源110によって提供される。いくつかの実施形態では、複数のカラーチャネルのうちの各々に関連付けられた帯域幅は、それぞれの所定の範囲内にある。例えば、いくつかの実施形態では、光源110は、約450nm、520nm、及び630nmの狭帯域スペクトルを有する。また、いくつかの実施形態では、光源110は、RGBの多重化された照明を提供することもできる。十分に狭いカラーチャネルを使用することで、イメージングユニット120でのRGB感度のオーバーラップを最小限に抑えるか又は防止できる。
【0024】
イメージングユニット120は、複数のカラーチャネルで、物体の第1の画像及び第2の画像を捕捉する。第1の画像は、光源110によって照明が少なくとも第1のカラーチャネルで提供される第1の時点で捕捉され、第2の画像は、光源110によって照明が少なくとも第1のカラーチャネルで提供される第2の時点で捕捉される。いくつかの実施形態では、イメージングユニット120は、ローリングシャッターカメラである。また、いくつかの実施形態では、イメージングユニット120は、RGBセンサである。
【0025】
制御ユニット130は、第1のカラーチャネルでの第1の画像と第2の画像との間の推定されるピクセルの動きを決定し、第1の画像と第2の画像との間の推定されるピクセルの動きを、複数のカラーチャネルのうちの少なくとも別の1つに外挿することによって、第1の動き補償された画像を生成する。
【0026】
いくつかの実施形態では、光源110は、第1の時点では、照明が第1のカラーチャネル及び第2のカラーチャネルで提供され、第2の時点では、照明は第2のカラーチャネルでは提供されないように、照明を提供する。これらの実施形態では、制御ユニット130は、第1のカラーチャネルでの第1の画像と第2の画像との間の推定されるピクセルの動きを、第2のカラーチャネルに外挿することによって、第1の動き補償された画像を生成し、第2のカラーチャネルでの第1の画像と第1の動き補償された画像との差に基づいて、周囲光補正を実行する。
【0027】
さらに、これらの実施形態では、光源110は、第2の時点で、照明が第3のカラーチャネルで提供されるように、照明を提供し、イメージングユニット120は、照明が第3のカラーチャネルで提供されるが、第1のカラーチャネルでは提供されない第3の時点で、第3の画像を捕捉する。これらの実施形態では、制御ユニット130は、第3のカラーチャネルでの第2の画像と第3の画像との間の推定されるピクセルの動きを決定し、第3のカラーチャネルでの第2の画像と第3の画像との間の推定されるピクセルの動きを、第1のカラーチャネルに外挿することによって、第2の動き補償された画像を生成し、第1のカラーチャネルでの第2の画像と第3の画像との差に基づいて、周囲光補正を実行する。
【0028】
前述のように、いくつかの実施形態では、イメージングユニット120は、ローリングシャッターカメラである。これらの実施形態では、制御ユニット130は、第1の画像の第1のセクションと第2の画像の対応する第2のセクションとに基づいて、第1のカラーチャネルでの第1の画像と第2の画像との間の推定されるピクセルの動きを決定する。第1及び第2のセクションは、第1のカラーチャネルでの照明のオーバーラップに対応している。これらの実施形態では、制御ユニット130はさらに、第1の画像の第3のセクションと、第2のカラーチャネルでの第1の動き補償された画像の対応する第4のセクションとにおける周囲光補正を、第3のセクションと第4のセクションとの差に基づいて実行する。第3のセクション及び第4のセクションは、第2のカラーチャネルでの照明がオーバーラップしない領域に対応する。例示的な関連する実施形態については、
図3A及び
図3Bを参照してより詳細に説明する。
【0029】
いくつかの実施形態では、制御ユニット130は、第1のカラーチャネルでの第1の画像に対する第2の画像の1つ以上のピクセルの変位を示す動きマップを生成することによって、第1のカラーチャネルでの第1の画像と第2の画像との間の推定されるピクセルの動きを決定し、かつ複数のカラーチャネルのうちの少なくとも1つでの第2の画像の対応する1つ以上のピクセルに動きマップを外挿することによって、第1の動き補償された画像を生成する。これらの実施形態では、制御ユニット130は、オプティカルフローアルゴリズムなどの動き推定アルゴリズムを使用して、第1の画像と第2の画像との間の1つ以上のピクセルの変位を追跡することによって、動きマップを生成する。
【0030】
システム100の動作をより詳細に説明するために、画像が捕捉される様々な時点について、様々な組み合わせのRGBのカラーチャネルが、照明のためにどのようにトリガされるかの例として、表1を提供する。この例では、画像番号(「画像#」)は、画像が捕捉される順序に従って提供されている。したがって、画像#1は、第1の時点で捕捉され、画像#2は、第2の時点で捕捉され、画像#3は、第3の時点で捕捉され、以降同様にされる。第1の時点から第9の時点は順次発生する。
【0031】
画像#1~#9の各々について、それぞれの列の「R」は、画像が捕捉されるそれぞれの時点で、照明が赤のカラーチャネルで提供されることを示し、それぞれの列の「G」は、画像が捕捉されるそれぞれの時点で、照明が緑のカラーチャネルで提供されることを示し、それぞれの列の「B」は、画像が捕捉されるそれぞれの時点で、照明が青のカラーチャネルで提供されることを示す。例えば、画像#1は、照明が赤のカラーチャネル及び青のカラーチャネルで提供される第1の時点で捕捉され、画像#2は、照明が赤のカラーチャネル及び緑のカラーチャネルで提供される第2の時点で捕捉される。
【表1】
【0032】
この例では、赤のカラーチャネルでの画像#4及び画像#5に基づいて、動き補償を実行できる。これらの画像は両方とも、照明が赤のカラーチャネルで提供される時点で捕捉されているからである。同じ論理を適用して、緑のカラーチャネルでの画像#5及び画像#6に基づいて、及び/又は青のカラーチャネルでの画像#6及び画像#7に基づいて、動き補償を実行することもできる。特定のカラーチャネルでの2つの画像間の推定されるピクセルの動きを決定した後で、2つの画像間の推定されるピクセルの動きを別のカラーチャネルに外挿することによって、動き補償された画像を生成できる。例えば、赤のカラーチャネルでの画像#4と画像#5との間の推定されるピクセルの動きを、緑のカラーチャネル及び青のカラーチャネルに外挿して、動き補償された画像Goff’、Roff’及びBoff’を生成できる。これらは、それぞれ、緑のカラーチャネル(しかし、関連する画像は、照明が緑のカラーチャネルでは提供されていない時点で捕捉されるので「G」+「off」)、赤のカラーチャネル(しかし、関連する画像は、照明が赤のカラーチャネルでは提供されていない時点で捕捉されるので「R」+「off」)、及び青のカラーチャネル(しかし、関連する画像は、照明が青のカラーチャネルでは提供されていない時点で捕捉されるので「B」+「off」)に対応する。表2に、画像#4、画像#5、及び画像#6に基づいて動き補償を実行した後の表1の更新バージョンを示す。
【表2】
【0033】
これらの動き補償された画像に基づいて、特定のカラーチャネルでの周囲光補正は、当該特定のカラーチャネルで照明が提供されているときと、当該特定のカラーチャネルで照明が提供されていないときとに対応する画像を減算することによって実行できる。例えば、緑のカラーチャネルでの周囲光補正は、G(画像#5)とGoff’(画像#4)とに基づいて減算操作を実行することによって実現できる。同様に、青のカラーチャネルでの周囲光補正は、B’(画像#4)とBoff’(画像#5)とに基づいて減算操作を実行することによって実現でき、赤のカラーチャネルでは、R’(画像#5)とRoff’(画像#6)とに基づいて減算操作を実行することによって実現できる。
【0034】
一般に、制御ユニット130は、システム100の動作を制御し、本明細書で説明する方法を実装できる。制御ユニット130は、本明細書に説明するやり方でシステム100を制御するようにプログラムされた1つ以上のプロセッサ、処理ユニット、マルチコアプロセッサ又はモジュールを含み得る。特定の実装態様では、制御ユニット130は、本明細書に説明する方法の個別の又は複数のステップをそれぞれが実行するように構成された又は実行するための複数のソフトウェア及び/又はハードウェアモジュールを含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、システム100はさらに、少なくとも1つのユーザインターフェースを含む。あるいは又はさらに、少なくとも1つのユーザインターフェースは、システム100の外部である(つまり、システムとは別個又はシステムから離れている)場合がある。例えば、少なくとも1つのユーザインターフェースは、別のデバイスの一部である。ユーザインターフェースは、本明細書で説明する方法からもたらされる情報を、システム100のユーザに提供する際に使用される。あるいは又はさらに、ユーザインターフェースはユーザ入力を受信する。例えば、ユーザインターフェースは、システム100のユーザが、命令、データ、又は情報を手動で入力できるようにする。これらの実施形態では、制御ユニット130は、1つ以上のユーザインターフェースからユーザ入力を取得する。
【0036】
ユーザインターフェースは、システム100のユーザに対して情報のレンダリング(又は出力又は表示)を可能にする任意のユーザインターフェースである。あるいは又はさらに、ユーザインターフェースは、システム100のユーザがユーザ入力を提供したり、システム100と対話したり、システム100を制御したりできるようにする任意のユーザインターフェースである。例えば、ユーザインターフェースは、1つ以上のスイッチ、1つ以上のボタン、キーパッド、キーボード、(例えば、タブレットやスマートフォン上の)タッチスクリーン若しくはアプリケーション、表示画面、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)若しくは他の視覚的レンダリング構成要素、1つ以上のスピーカ、1つ以上のマイク若しくは他の任意のオーディオ構成要素、1つ以上のライト、触覚フィードバックを提供する構成要素(例えば、振動機能)若しくは他の任意のユーザインターフェース、又はユーザインターフェースの組み合わせを含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、システム100はメモリを含む。あるいは又はさらに、1つ以上のメモリが、システム100の外部である(つまり、システムとは別個又はシステムから離れている)場合がある。例えば、1つ以上のメモリは、別のデバイスの一部である。メモリは、本明細書に説明する方法を実行するために、制御ユニット130で実行可能なプログラムコード格納する。メモリを使用して、システム100の制御ユニット130が取得又は作成した情報、データ、信号、及び測定値を格納する。例えば、メモリを使用して、制御ユニット130によって生成された第1の動き補償された画像を(例えば、ローカルファイルに)格納する。制御ユニット130は、第1の動き補償された画像を格納するためにメモリを制御する。
【0038】
いくつかの実施形態では、システム100は、システム100がシステム100の内部又は外部にある任意のインターフェース、メモリ、及び/又はデバイスと通信できるようにする通信インターフェース(又は回路)を含む。通信インターフェースは、無線で又は有線接続を介して、任意のインターフェース、メモリ、及び/又はデバイスと通信できる。例えば、通信インターフェースは、無線で又は有線接続を介して、1つ以上のユーザインターフェースと通信できる。同様に、通信インターフェースは、無線で又は有線接続を介して、1つ以上のメモリと通信できる。
【0039】
図1は、システム100の一態様を例示するために必要な構成要素のみを示しており、実際の実装態様では、システム100は、図に示す構成要素に代わる又は追加される構成要素を含み得ることが理解されるであろう。また、3つのカラーチャネル(RGB)を参照していくつかの実施形態及び例が説明されているが、代替実施形態では、より多く又は少ないカラーチャネルを使用してもよいことが理解されるであろう。例えば、いくつかの実施形態では、4つ以上のカラーチャネルを使用してもよく、システム100のイメージングユニット120は、マルチスペクトルカメラであり得る。
【0040】
図2は、実施形態による画像の動き補償を実行するための方法を示している。図に示す方法は、通常、システム100の制御ユニット130によって又はその制御下で実行できる。説明のために、
図1のシステム100の様々な構成要素を参照して、
図2のブロックのうちの少なくともいくつかを説明する。
【0041】
図2を参照すると、ブロック202において、複数のカラーチャネルで、物体に多重化された照明が提供される。特に多重化された照明は、システム100の光源110によって提供される。特に多重化された照明は、一度に、複数のチャネルのうち少なくとも1つが使用されるように提供される。複数のカラーチャネルのうちの各々に関連付けられた帯域幅は、それぞれの所定の範囲内にある。いくつかの実施形態では、多重化された照明は、RGBで提供される。
【0042】
図2に戻ると、ブロック204において、複数のカラーチャネルで、第1の画像及び第2の画像が捕捉される。具体的には、第1の画像及び第2の画像は、例えば、ローリングシャッターカメラである、システム100のイメージングユニット120によって捕捉される。第1の画像は、光源110によって照明が少なくとも第1のカラーチャネルで提供される第1の時点で捕捉され、第2の画像は、光源によって照明が少なくとも第1のカラーチャネルで提供される第2の時点で捕捉される。いくつかの実施形態では、ブロック204において、第3の画像が第3の時点で捕捉される。
【0043】
図2に戻ると、ブロック206において、第1のカラーチャネルでの第1の画像と第2の画像との間の推定されるピクセルの動きが決定される。具体的には、推定されるピクセルの動きは、システム100の制御ユニット130によって決定される。
【0044】
ブロック204において少なくとも第1の画像及び第2の画像を捕捉するためにローリングシャッターカメラを使用するいくつかの実施形態では、ブロック206における、第1のカラーチャネルでの第1の画像と第2の画像との間の推定されるピクセルの動きの決定は、第1の画像の第1のセクションと第2の画像の対応する第2のセクションとに基づいている。これらの実施形態では、第1及び第2のセクションは、第1のカラーチャネルでの照明のオーバーラップに対応する。
【0045】
いくつかの実施形態では、ブロック206における、第1のカラーチャネルでの第1の画像と第2の画像との間の推定されるピクセルの動きの決定は、第1のカラーチャネルでの第1の画像に対する第2の画像の1つ以上のピクセルの変位を示す動きマップを生成することによって実行される。動きマップの生成は、動き推定アルゴリズムを使用して、第1の画像と第2の画像との間の1つ以上のピクセルの変位を追跡することを含む。
【0046】
図2に戻ると、ブロック208において、第1の画像と第2の画像との間の推定されるピクセルの動きを、複数のカラーチャネルのうちの少なくとも別の1つに外挿することによって、第1の動き補償された画像が生成される。具体的には、第1の動き補償された画像は、システム100の制御ユニット130によって生成される。
【0047】
前述のように、いくつかの実施形態では、ブロック206における、第1のカラーチャネルでの第1の画像と第2の画像との間の推定されるピクセルの動きの決定は、第1のカラーチャネルでの第1の画像に対する第2の画像の1つ以上のピクセルの変位を示す動きマップを生成することによって実行される。その後、これらの実施形態では、動きマップを、複数のカラーチャネルのうちの少なくとも1つでの第2の画像の対応する1つ以上のピクセルに外挿することによって、ブロック208における第1の動き補償された画像の生成を実行できる。
【0048】
いくつかの実施形態では、ブロック202において、第1の時点では、照明が第1のカラーチャネル及び第2のカラーチャネルで提供され、第2の時点では、照明は第2のカラーチャネルでは提供されない。これらの実施形態では、ブロック208において、第1の動き補償された画像を生成することは、第1のカラーチャネルでの第1の画像と第2の画像との間の推定されるピクセルの動きを、第2のカラーチャネルに外挿することを含む。さらに、これらの実施形態では、方法はさらに、第2のカラーチャネルでの第1の画像と第1の動き補償された画像との差に基づいて、周囲光補正を実行することを含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、第2の時点で、照明は第3のカラーチャネルで提供される。また、ブロック204において、照明が第3のカラーチャネルで提供されるが、第1のカラーチャネルでは提供されない第3の時点で、第3の画像が捕捉される。これらの実施形態では、方法はさらに、第3のカラーチャネルでの第2の画像と第3の画像との間の推定されるピクセルの動きを決定し、第3のカラーチャネルでの第2の画像と第3の画像との間の推定されるピクセルの動きを、第1のカラーチャネルに外挿することによって、第2の動き補償された画像を生成し、第1のカラーチャネルでの第2の画像と第3の画像との差に基づいて、周囲光補正を実行することを含む。これらの操作は、システムの制御ユニット130によって実行される。
【0050】
前述のように、ブロック204において少なくとも第1の画像及び第2の画像を捕捉するためにローリングシャッターカメラを使用するいくつかの実施形態では、ブロック206における、第1のカラーチャネルでの第1の画像と第2の画像との間の推定されるピクセルの動きの決定は、第1の画像の第1のセクションと第2の画像の対応する第2のセクションとに基づいている。これらの実施形態では、方法はさらに、第2のカラーチャネルでの第1の画像と第1の動き補償された画像との差と、第1の画像の第3のセクションと第1の動き補償された画像の対応する第4のセクションに基づいて、周囲光補正を実行することを含む。これらの実施形態では、第3及び第4のセクションは、第2のカラーチャネルでの照明がオーバーラップしない領域に対応する。
【0051】
図3A及び
図3Bはいずれも、実施形態による、ローリングシャッターカメラを使用して捕捉された第1の画像及び第2の画像を示している。より詳細には、
図3Aでは、第1の画像310及び第2の画像320は、それぞれの画像の網掛け領域が第1のカラーチャネルで照明される領域を表すように示されている。
図3Bでは、第1の画像310及び第2の画像320は、それぞれの画像の網掛け領域が第2のカラーチャネルで照明される領域を表すように示されている。
【0052】
本実施形態では、第1の画像310及び第2の画像320は、ローリングシャッターカメラを使用して連続して捕捉された画像である。したがって、
図3A及び
図3Bに示すように、異なる照明波長(異なるカラーチャネルに対応する)のオンフェーズ及びオフフェーズは、第1の画像310及び第2の画像320にカラーバンドとして現れる。特に、特定のカラーチャネル(例えば、第1のカラーチャネル)の照明を十分に長い時間提供することによって、2つの画像310及び320に大きなオーバーラップ照明領域を実現できる。
【0053】
この実施形態では、
図3Aに示すように、第1の画像310と第2の画像320との間の推定されるピクセルの動きは、オーバーラップセクション330に基づいて、第1のカラーチャネルで決定できる。具体的には、推定されるピクセルの動きは、第1のカラーチャネルでの第1の画像310に対する第2の画像320と、オーバーラップセクション330とにおける1つ以上のピクセルの変位を示す動きマップを生成することによって決定される。
図3Aに示すオーバーラップセクション330は、2つの画像310、320の第1のカラーチャネルでの照明のオーバーラップに対応している。第1の画像310と第2の画像320との間の推定されるピクセルの動きの決定は、システムの制御ユニット130によって決定される。
【0054】
その後、第1の画像310と第2の画像320との間の推定されるピクセルの動きを、少なくとも、オーバーラップセクション330について第2のカラーチャネルに外挿することによって、部分的に動き補償された画像を生成できる。
【0055】
第1のカラーチャネルでの第1の画像310と第2の画像320との間の推定されるピクセルの動きが決定され、部分的に動き補償された画像が生成されると、第1の画像の第3のセクションと、動き補償された画像の対応する第4のセクションとにおいて、周囲光補正を実行できる。第3及び第4のセクションは、第2のカラーチャネルでの照明がオーバーラップしない領域に対応する。この実施形態では、オーバーラップセクション330の少なくとも1つのサブセクション間の差に基づいて、オーバーラップセクション330内のサブセクションに対して周囲光補正が実行される。具体的には、少なくともオーバーラップセクション330において、第1の画像310及び/又は第2の画像320内の動きを補償した後、第2のカラーチャネルの光によって照明された領域に対応する、第1の画像310のサブセクションと、第2のカラーチャネルの光によって照明されていない領域に対応する、第2の画像320のサブセクションとについて周囲光補正が実行される。例えば、
図3Bに示す第1の画像310の照明されていないサブセクション340は、本コンテキストでは第3のセクションと見なすことができ、第2の画像320の照明されているサブセクション350は、第1の画像310の照明されていないサブセクション340に位置的に対応しているため、本コンテキストでは第4のセクションと見なすことができる。
【0056】
別の例として、周囲光補正は、
図3Bに示すように、第1の画像310の照明されているサブセクション360と、第2の画像320の照明されていないサブセクション370とに基づいても実行される。これは、第2の画像320の照明されていないサブセクション370が、第1の画像310の照明されているサブセクション360に位置的に対応しているからである。このコンテキストでは、サブセクション360は、第3のセクションと見なされ、サブセクション370は、第4のセクションと見なされる。
【0057】
いくつかの実施形態では、周囲光補正はセクション毎に実行される。例えば、第2のカラーチャネルでの周囲光補正は、照明されていないセクション340及び照明されているセクション350に基づいて実行されて、画像の対応する部分で所望の補正結果が得られる。次に、第2のカラーチャネルでの周囲光補正は、画像の対応する部分において、照明されるセクション360及び照明されないセクション370に基づいて実行される。画像の残りの部分は、同様のやり方で周囲光について補正できる。
【0058】
したがって、既存の問題を解決する、画像の動き補償を実行するための改善されたシステム及び方法が提供される。
【0059】
開示された実施形態の変形は、図面、開示及び添付の特許請求の範囲の検討から、請求項に係る発明を実施する際に当業者によって理解され、実行され得る。特許請求の範囲において、「含む」という語は、他の要素やステップを排除するものではなく、単数形は複数を排除するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、特許請求の範囲に記載されているいくつかのアイテムの機能を果たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを意味するものではない。特許請求の範囲における任意の参照符号は、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【国際調査報告】