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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-25
(54)【発明の名称】灯具の同期方法および端末
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/155 20200101AFI20221117BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20221117BHJP
   H04W 4/06 20090101ALI20221117BHJP
   H04W 84/20 20090101ALI20221117BHJP
   G08B 23/00 20060101ALI20221117BHJP
   G08B 5/00 20060101ALI20221117BHJP
   H04L 7/00 20060101ALI20221117BHJP
   H04W 56/00 20090101ALI20221117BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20221117BHJP
【FI】
H05B47/155
H04W52/02 110
H04W4/06
H04W84/20
G08B23/00 510B
G08B5/00 S
H04L7/00 990
H04W56/00
H05B47/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020558620
(86)(22)【出願日】2020-08-07
(85)【翻訳文提出日】2020-10-16
(86)【国際出願番号】 CN2020107641
(87)【国際公開番号】W WO2022027534
(87)【国際公開日】2022-02-10
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520404469
【氏名又は名称】フーヂョウ トンアン エレクトロニック カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】FUZHOU TONGAN ELECTRONIC CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 7A3,Sizhi Stone Building,No.258,Chahui Village,Gushan Town,Jinan District Fuzhou,Fujian 350014 CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】591050947
【氏名又は名称】ダンレックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】グー ホンチォン
【テーマコード(参考)】
3K273
5C083
5C087
5K047
5K067
【Fターム(参考)】
3K273PA06
3K273PA08
3K273QA27
3K273QA32
3K273SA17
3K273SA23
3K273SA36
3K273SA60
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA41
3K273TA49
3K273TA54
3K273UA12
3K273UA14
5C083BB26
5C083CC12
5C083EE11
5C087AA23
5C087BB20
5C087DD03
5C087DD31
5C087DD41
5C087EE08
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG08
5C087GG43
5C087GG66
5C087GG84
5K047AA18
5K047GG56
5K067AA21
5K067DD30
5K067EE02
5K067EE25
5K067GG02
(57)【要約】
本発明は、灯具技術分野に関し、特に、灯具の同期方法および端末に関する。前記同期方法は、灯具が予め設定された通信範囲内の他の灯具の時刻データを受信するステップと、受信した時刻データをそれぞれ自身の時刻データと比較し、最も早い時刻データまたは最も遅い時刻データを、予め設定された通信範囲内のすべての灯具の基準時刻データとすると共に前記予め設定された通信範囲内のすべての灯具に同期し、時刻値が基準時刻データに等しいすべての灯具をマスターとして設定するステップと、を含む。マスターの選択は、時刻自体によって決定し、時刻が最も早い(又は最も遅い)ものがマスターになる。時刻データをマスター判断の根拠とすることにより、同期後、時刻が最も早い(最も遅い)すべてのものがマスターになるため、この同期システムは2台以上のマスターが同時に動作することを許容し、伝播の効率及びシステムの安定性を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
灯具の同期方法であって、
灯具が、予め設定された通信範囲内の他の灯具の時刻データを受信するステップS1と、
受信した時刻データをそれぞれ自身の時刻データと比較し、最も早い時刻データまたは最も遅い時刻データを、予め設定された通信範囲内のすべての前記灯具の基準時刻データとすると共に前記予め設定された通信範囲内のすべての前記灯具に同期し、時刻値が前記基準時刻データに等しいすべての前記灯具をマスターとして設定するステップS2と、
を含むことを特徴とする灯具の同期方法。
【請求項2】
前記ステップS1の前に、前記灯具の電源が投入された後の予め設定された時間長内に前記灯具に設定されたクロックソースにある時刻データを取得し、自身の時刻データとして構成し、構成が完了するか、前記予め設定された時間長に達した後、前記ステップS1に進むステップS0をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の灯具の同期方法。
【請求項3】
前記ステップS2は、すべての前記灯具の前記時刻データが等しいかどうかを判断し、等しい場合、同期操作を完了することも含むことを特徴とする請求項1記載の灯具の同期方法。
【請求項4】
前記ステップS1は、具体的に灯具が予め設定された通信範囲内の他の灯具の時刻データを受信すると共に時間をカウントし始め、同期時間長を得ることであり、
ステップS2は、具体的に受信した時刻データをそれぞれ自身の時刻データと比較し、最も早い時刻データまたは最も遅い時刻データを、予め設定された通信範囲内のすべての灯具の基準時刻データとすると共に前記予め設定された通信範囲内のすべての前記灯具に同期し、時刻値が基準時刻データに等しいすべての前記灯具をマスターとして設定し、同期時間長が予め設定された同期時間長のしきい値に達すると、すべての前記灯具の中で前記時刻データが等しくない前記灯具がある場合、同期異常メッセージが発せられることである、
ことを特徴とする請求項1記載の灯具の同期方法。
【請求項5】
前記ステップS1におけるすべての前記灯具が、第1の周期で前記予め設定された通信範囲内に前記時刻データを送信し、第2の周期で前記予め設定された通信範囲内に前記時刻データを受信し、前記第1の周期及び前記第2の周期がいずれも交互にかつ連続する実行モードとスリープモードで構成され、前記第1の周期内の対応する前記実行モードの時間長が前記第2の周期内の対応する前記実行モードの時間長よりも短くなることを特徴とする請求項1記載の灯具の同期方法。
【請求項6】
灯具の同期端末であって、メモリと、プロセッサと、前記メモリに格納され、前記プロセッサ上で実行できるコンピュータプログラムと、を含み、前記プロセッサは前記コンピュータプログラムを実行すると、
前記灯具が、予め設定された通信範囲内の他の灯具の時刻データを受信するステップS1と、
受信した前記時刻データをそれぞれ自身の時刻データと比較し、最も早い時刻データまたは最も遅い時刻データを、前記予め設定された通信範囲内のすべての前記灯具の基準時刻データとすると共に前記予め設定された通信範囲内のすべての前記灯具に同期し、時刻値が前記基準時刻データに等しいすべての前記灯具をマスターとして設定するステップS2とを実現することを特徴とする灯具の同期端末。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行するときに、
前記灯具の電源が投入された後の予め設定された時間長内に前記灯具に設定されたクロックソースにある時刻データを取得し、前記自身の時刻データとして構成し、構成が完了するか、前記予め設定された時間長に達した後、ステップS1に進むステップS0も実現することを特徴とする請求項6に記載の灯具の同期端末。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行するときに、
すべての前記灯具の前記時刻データが等しいかどうかを判断し、等しい場合、同期操作を完了するステップも実現することを特徴とする請求項6に記載の灯具の同期端末。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行するときに、
前記灯具が、前記予め設定された通信範囲内の他の灯具の前記時刻データを受信すると共に時間をカウントし始め、同期時間長を得るステップと、
受信した前記時刻データをそれぞれ前記自身の時刻データと比較し、最も早い時刻データまたは最も遅い時刻データを、前記予め設定された通信範囲内のすべての前記灯具の前記基準時刻データとすると共に前記予め設定された通信範囲内のすべての灯具に同期し、時刻値が前記基準時刻データに等しいすべての戦記灯具をマスターとして設定し、前記同期時間長が予め設定された同期時間長のしきい値に達すると、すべての前記灯具の中で前記時刻データが等しくない前記灯具がある場合、同期異常メッセージが発せられるステップも実現することを特徴とする請求項6に記載の灯具の同期端末。。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行するときに、
ステップS1におけるすべての前記灯具が、第1の周期で前記予め設定された通信範囲内に前記時刻データを送信し、第2の周期で前記予め設定された通信範囲内に前記時刻データを受信し、前記第1の周期及び前記第2の周期がいずれも交互にかつ連続する実行モードとスリープモードで構成され、前記第1の周期内の対応する前記実行モードの時間長が前記第2の周期内の対応する前記実行モードの時間長よりも短くなるステップも実現することを特徴とする請求項6に記載の灯具の同期端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、灯具技術分野に関し、特に、灯具の同期方法および端末に関する。
【背景技術】
【0002】
警告灯は、灯具の一種であり、道路工事、公共工事などの工事現場で広く使用され、警告類安全保安用品として、追突事故を未然に防ぐため、警告灯から発せられた光によって車両や歩行者に工区の迂回を注意喚起させる。同期式警告灯は、複数の警告灯の同時点灯・同時点滅を実現するため、警告効果がより良好で、より人気がある。
【0003】
現在、同期式警告灯の応用は非常に多く、例えば同期回転灯、同期矢印板等である。従来の同期スキームのほとんどは、時刻同期方式に2.4G通信、ブロードキャスト信号電波時計などの無線通信方式を組み合わせて実現している。ただし、ブロードキャスト信号電波時計は、トンネル、室内、橋の支間等のブロードキャスト信号が弱い場所で使用できない欠点があるため、以下では主に2.4G類の同期スキームについて説明する。時刻の同期は、基準となる時刻が必要であり、例えば世界各地の時刻はグリニッジ標準時に基づいている。警告灯の同期も類似であり、1個の警告灯の時刻を基準時刻として使用し、通常この警告灯がマスターであり、その他の警告灯の時刻がマスターの時刻に同期される。従来のマスターの選択は通常マシン番号によって決定され、ブートシーケンスをマシン番号として使用し、または製品の内部に本機のマシン番号を組み込み、最大または最小のマシン番号をマスターとする。
【0004】
ただし、マシン番号でマスターを選択すると、次の欠陥がある。
【0005】
1.ターゲティングときの作業量は大きく、マシン番号の順に配置する必要があり、
【0006】
2.同期に時間がかかり、同期効率が低く、
【0007】
3.マスターまたは複数のマシンに故障が発生すると、システム全体が一定期間同期しなくなり、システムが不安定になり、
【0008】
4.1つのシステムには、1つのマスターのみがある。
【発明の概要】
【0009】
故に本発明は、ターゲティング効率を向上し、同期システム全体の迅速性及び安定性を高める灯具の同期方法および端末を提供することを、その技術的課題とするものである。
【0010】
上記技術的課題を解決するために講じた本発明の技術的手段として、
【0011】
灯具の同期方法であって、
【0012】
灯具が、予め設定された通信範囲内の他の灯具の時刻データを受信するステップS1と、
【0013】
受信した時刻データをそれぞれ自身の時刻データと比較し、最も早い時刻データまたは最も遅い時刻データを、予め設定された通信範囲内のすべての灯具の基準時刻データとすると共に前記予め設定された通信範囲内のすべての灯具に同期し、時刻値が基準時刻データに等しいすべての灯具をマスターとして設定するステップS2と、
を含む。
【0014】
本発明は講じた他の技術的手段として、
【0015】
灯具の同期端末であって、メモリと、プロセッサと、前記メモリに格納され、前記プロセッサ上で実行できるコンピュータプログラムと、を含み、前記プロセッサは前記コンピュータプログラムを実行すると、次のステップS1、S2を実現する。すなわち、
【0016】
S1:灯具が、予め設定された通信範囲内の他の灯具の時刻データを受信するステップ、及び、
【0017】
S2:受信した時刻データをそれぞれ自身の時刻データと比較し、最も早い時刻データまたは最も遅い時刻データを、予め設定された通信範囲内のすべての灯具の基準時刻データとすると共に前記予め設定された通信範囲内のすべての灯具に同期し、時刻値が基準時刻データに等しいすべての灯具をマスターとして設定するステップである。
【0018】
本発明の有利な効果は、次の通りである。
【0019】
本発明によって提供される灯具の同期方法および端末のデータ伝播はポイントツーポイント伝播ではなくなり、マルチキャスト形式でポイントツーマルチポイント伝播を用い、信号伝播の効率を向上すると共にシステム全体の安定性も高める。さらに、マスターの選択はマシン番号に基づくものではなくなり、時刻自体によって決定され、最も早い時刻を持つものがマスターになる(または最も遅い時刻を持つものがマスターになる)。時刻データをマスター判断の根拠とすることにより、万が一、マスターが故障した場合であっても、マシン番号をマスターとして使用してシステム全体が同期されなくなるという現象は発生しない。マシン番号によりマスターを決定する場合、そのマスターは一意であり、時刻データでマスターを決定すると、同期後、時刻が最も早く時刻値が同じすべてのマシンがマスターになることができる。したがって、予め設定された通信範囲内で、この同期システムは2台以上のマスターが同時に動作することを許容し、時刻によってマスターを決定するので同期の効率及びシステムの安定性も向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る灯具の同期方法のステップを示す流れ図である。
図2】本発明に係る灯具の同期方法の具体的ステップを示す流れ図である。
図3】本発明に係る灯具の同期端末の構成を示す図である。
図4】本発明に係る灯具の送信モードにおけるタイミング図である。
図5】本発明に係る灯具の受信モードにおけるタイミング図である。
図6】本発明に係る灯具の同期方法の全体的なステップを示す流れ図である。
図7】本発明に係る各灯具間の信号通信を示す図である。
【符号の説明】
【0021】
1、メモリ 2、プロセッサ。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の技術的内容、達成された目的および効果を理解してもらうため、実施形態および添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0023】
図1を参照すると、本発明によって提供される灯具の同期方法は、以下のステップS1及びS2を含む。すなわち、
【0024】
S1:灯具が、予め設定された通信範囲内の他の灯具の時刻データを受信するステップ、及び、
【0025】
S2:受信した時刻データをそれぞれ自身の時刻データと比較し、最も早い時刻データまたは最も遅い時刻データを、予め設定された通信範囲内のすべての灯具の基準時刻データとすると共に前記予め設定された通信範囲内のすべての灯具に同期し、時刻値が基準時刻データに等しいすべての灯具をマスターとして設定するステップである。ここで、時刻が最も早く時刻値が同じすべてのマシンがマスターになることができる(すなわち、マルチマスター)。
【0026】
上記の内容から、本発明の有利な効果は以下のとおりであることがわかる。すなわち、本発明によって提供される灯具の同期方法のデータ伝播は、ポイントツーポイント伝播ではなくなり、マルチキャスト形式でポイントツーマルチポイント伝播を用い、信号伝播の効率を向上すると共にシステム全体の安定性も高める。さらに、マスターの選択はマシン番号に基づくものではなくなり、時刻自体によって決定され、最も早い時刻を持つものがマスターになる(または最も遅い時刻を持つものがマスターになる)。時刻データをマスター判断の根拠とすることにより、万が一、マスターが故障した場合であっても、マシン番号をマスターとして使用してシステム全体が同期されなくなるという現象は発生しない。マシン番号によりマスターを決定する場合、そのマスターは一意であり、時刻データでマスターを決定すると、同期後、時刻が最も早く(最も遅く)時刻値が同じすべてのマシンがマスターになることができ、時刻によってマスターを決定するので同期の効率及びシステムの安定性も向上させることができる。
【0027】
さらに、ステップS1の前に、ステップS0を含む。すなわち、
【0028】
S0:灯具の電源が投入された後の予め設定された時間長内に灯具に設定されたクロックソースにある時刻データを取得し、自身の時刻データとして構成し、構成が完了するか、予め設定された時間長に達した後、ステップS1に進む。
【0029】
上記の内容から分かるように、電源が投入された灯具は、一定時間内に信号のみを受信し、すなわち先に灯具に設定されたクロックソースにある時刻データを取得すると共に自身の時刻データとして構成する。同時に、外部システムも時刻データを起動された(電源投入済み)灯具に同期する。構成が完了すると、直接ステップS1に進むことができるか、予め設定された時間長に達しても構成を完了していない場合(通常、外部システムによって配信された時刻データを受信していない)もステップS1に進む。ここで、予め設定された時間長のサイズは、システムのニーズに応じてプログラム内で設定できる。従来の方法は、データを送信する灯具が送信モードにあり、データを受信する灯具が受信モードにないことにより、データがロストされることで、起動時に同期が完了するまでしばらく待つ必要があるが、上記ステップS0を使用すると、これらの問題を上手く解決できる。
【0030】
さらに、ステップS2は、すべての灯具の時刻データが等しいかどうかを判断し、等しい場合、同期操作を完了することも含む。
【0031】
上記の内容から分かるように、すべての灯具の時刻データが等しい場合にのみ、同期操作が完了したものと見なす。
【0032】
さらに、ステップS1は、具体的に灯具が予め設定された通信範囲内の他の灯具の時刻データを受信すると共に時間をカウントし始め、同期時間長を得ることである。
【0033】
ステップS2は、具体的に受信した時刻データをそれぞれ自身の時刻データと比較し、最も早い時刻データまたは最も遅い時刻データを、予め設定された通信範囲内のすべての灯具の基準時刻データとすると共に前記予め設定された通信範囲内のすべての灯具に同期し、時刻値が基準時刻データに等しいすべての灯具をマスターとして設定し、同期時間長が予め設定された同期時間長のしきい値に達すると、すべての灯具の中で時刻データが等しくない灯具がある場合、同期異常メッセージが発せられることである。
【0034】
上記の内容から分かるように、予め設定された同期時間長のしきい値範囲内に同期が完了していなければ、同期異常メッセージが発せられ、その後電源を再投入することで、同期操作が完了する。
【0035】
さらに、ステップS1におけるすべての灯具が、第1の周期でその予め設定された通信範囲内に時刻データを送信し、第2の周期でその予め設定された通信範囲内に時刻データを受信し、前記第1の周期及び第2の周期がいずれも交互にかつ連続する実行モードとスリープモードで構成され、前記第1の周期内の対応する実行モードの時間長が前記第2の周期内の対応する実行モードの時間長よりも短くなる。
【0036】
上記の内容から分かるように、灯具の信号は送信と受信の両方があり、かつ節電のため、常に受信または送信モードにあることができず、したがって一定時間操作しないときにスリープモード、すなわち休止状態に移行するよう設定する。
【0037】
図3を参照すると、本発明によっても提供される灯具の同期端末は、メモリと、プロセッサと、前記メモリに格納され、前記プロセッサ上で実行できるコンピュータプログラムと、を含み、前記プロセッサは前記コンピュータプログラムを実行すると、次のステップS1、S2を実現する。すなわち、
【0038】
S1:灯具が、予め設定された通信範囲内の他の灯具の時刻データを受信するステップ、及び、
【0039】
S2:受信した時刻データをそれぞれ自身の時刻データと比較し、最も早い時刻データまたは最も遅い時刻データを、予め設定された通信範囲内のすべての灯具の基準時刻データとすると共に前記予め設定された通信範囲内のすべての灯具に同期し、時刻値が基準時刻データに等しいすべての灯具をマスターとして設定するステップである。
【0040】
上記の内容から、本発明の有利な効果は以下のとおりであることがわかる。すなわち、本発明によって提供される灯具の同期方法のデータ伝播は、ポイントツーポイント伝播ではなくなり、マルチキャスト形式でポイントツーマルチポイント伝播を用い、信号伝播の効率を向上すると共にシステム全体の安定性も高める。さらに、マスターの選択はマシン番号に基づくものではなくなり、時刻自体によって決定され、最も早い時刻を持つものがマスターになる(または最も遅い時刻を持つものがマスターになる)。時刻データをマスター判断の根拠とすることにより、万が一、マスターが故障した場合であっても、マシン番号をマスターとして使用してシステム全体が同期されなくなるという現象は発生しない。マシン番号によりマスターを決定する場合、そのマスターは一意であり、時刻データでマスターを決定すると、同期後、時刻が最も早いすべてのマシンがマスターになることができ、時刻によってマスターを決定するので同期の効率及びシステムの安定性も向上させることができる。
【0041】
さらに、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行する時に次のステップも実現する。すなわち、
【0042】
S0:灯具の電源が投入された後の予め設定された時間長内に灯具に設定されたクロックソースにある時刻データを取得し、自身の時刻データとして構成し、構成が完了するか、予め設定された時間長に達した後、ステップS1に進むステップである。
【0043】
上記の内容から分かるように、電源が投入された灯具は、一定時間内に信号のみを受信し、すなわち先に灯具に設定されたクロックソースにある時刻データを取得すると共に自身の時刻データとして構成する。同時に、外部システムも時刻データを起動された(電源投入済み)灯具に同期する。構成が完了すると、直接ステップS1に進むことができるか、予め設定された時間長に達しても構成を完了していない場合(通常、外部システムによって配信された時刻データを受信していない)もステップS1に進む。従来の方法は、データを送信する灯具が送信モードにあり、データを受信する灯具が受信モードにないことにより、データがロストされることで、起動時に同期が完了するまでしばらく待つ必要があるが、上記ステップS0を使用すると、これらの問題を上手く解決できる。
【0044】
さらに、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行する時に次のステップも実現する。すなわち、
【0045】
すべての灯具の時刻データが等しいかどうかを判断し、等しい場合、同期操作を完了するステップである。
【0046】
上記の内容から分かるように、すべての灯具の時刻データが等しい場合にのみ、同期操作が完了したものと見なす。
【0047】
さらに、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行する時に次のステップも実現する。すなわち、
【0048】
灯具が、予め設定された通信範囲内の他の灯具の時刻データを受信すると共に時間をカウントし始め、同期時間長を得るステップ、及び、
【0049】
受信した時刻データをそれぞれ自身の時刻データと比較し、最も早い時刻データまたは最も遅い時刻データを、予め設定された通信範囲内のすべての灯具の基準時刻データとすると共に前記予め設定された通信範囲内のすべての灯具に同期し、時刻値が基準時刻データに等しいすべての灯具をマスターとして設定し、同期時間長が予め設定された同期時間長のしきい値に達すると、すべての灯具の中で時刻データが等しくない灯具がある場合、同期異常メッセージが発せられるステップである。
【0050】
上記の内容から分かるように、予め設定された同期時間長のしきい値範囲内に同期が完了していなければ、同期異常メッセージが発せられ、その後電源を再投入することで、同期操作が完了する。
【0051】
さらに、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行する時に次のステップも実現する。すなわち、
【0052】
S1におけるすべての灯具が、第1の周期でその予め設定された通信範囲内に時刻データを送信し、第2の周期でその予め設定された通信範囲内に時刻データを受信し、前記第1の周期及び第2の周期がいずれも交互にかつ連続する実行モードとスリープモードで構成され、前記第1の周期内の対応する実行モードの時間長が前記第2の周期内の対応する実行モードの時間長よりも短くなる。
【0053】
本発明の実施例1は、図1図2図4乃至図7を参照しながら説明する。すなわち、
【0054】
本発明に係る灯具の同期方法は、主に警告システムに応用されており、ここで灯具が警告灯である。追突事故を未然に防ぐため、警告灯から発せられた光によって車両及び歩行者に工区を迂回するよう注意喚起させる。
【0055】
本発明に係る灯具の同期方法は、以下のステップを含む。すなわち、
【0056】
ステップS0:灯具の電源が投入された後の予め設定された時間長内に灯具に設定されたクロックソースにある時刻データを取得し、自身の時刻データとして構成し、構成が完了するか、予め設定された時間長に達した後、ステップS1に進む。
【0057】
本実施例において、電源が投入された灯具は、一定時間内に信号のみを受信し、すなわち先に灯具に設定されたクロックソースにある時刻データを取得すると共に自身の時刻データとして構成する。同時に、外部システムも時刻データを起動された(電源投入済み)灯具に同期する。構成が完了すると、直接ステップS1に進むことができるか、予め設定された時間長に達しても構成を完了していない場合(通常、外部システムによって配信された時刻データを受信していない)もステップS1に進む。従来の方法は、データを送信する灯具が送信モードにあり、データを受信する灯具が受信モードにないことにより、データがロストされることで、起動時に同期が完了するまでしばらく待つ必要があるが、上記ステップS0を使用すると、これらの問題を上手く解決できる。
【0058】
ステップS1:灯具が、予め設定された通信範囲内の他の灯具の時刻データを受信し、同時に各灯具もその予め設定された通信範囲内の他の灯具に自身の時刻データを送信する。
【0059】
本実施例において、ステップS1は、具体的に灯具が予め設定された通信範囲内の他の灯具の時刻データを受信すると共に時間をカウントし始め、同期時間長を得て、自身の時刻データを送信する。ここで、すべての灯具は、第1の周期でその予め設定された通信範囲内に時刻データを送信し、第2の周期でその予め設定された通信範囲内に時刻データを受信する。
【0060】
各警告灯は、データを受信するだけでなく、データも送信する必要があり、かつ2.4G帯無線モジュールの消費電力を削減するため、無線モジュールの送受信周期を合理的に取り決めることが非常に重要である。図4及び図5に示すように、節電のため、常に受信または送信モードにあることができず、したがって一定時間操作しないときにスリープモード、すなわち休止状態に移行するよう設定する。前記第1の周期及び第2の周期がいずれも交互にかつ連続する実行モードとスリープモードで構成され、前記第1の周期内の対応する実行モードの時間長が前記第2の周期内の対応する実行モードの時間長よりも短くなる。
【0061】
注目すべき点は、図4内の高電力レベルは送信モードを表し、低電力レベルはスリープモードを表し、図5内の高電力レベルは受信モードを表し、低電力レベルはスリープモードを表すことである。
【0062】
ステップS2:受信した時刻データをそれぞれ自身の時刻データと比較し、最も早い時刻データまたは最も遅い時刻データを、予め設定された通信範囲内のすべての灯具の基準時刻データとすると共に前記予め設定された通信範囲内のすべての灯具に同期し、時刻値が基準時刻データに等しいすべての灯具をマスターとして設定する。
【0063】
すべての灯具の時刻データが等しいかどうかを判断し、等しい場合、同期操作を完了する。
【0064】
本実施例において、ステップS2は、具体的に受信した時刻データをそれぞれ自身の時刻データと比較し、最も早い時刻データまたは最も遅い時刻データを、予め設定された通信範囲内のすべての灯具の基準時刻データとすると共に前記予め設定された通信範囲内のすべての灯具に同期し、時刻値が基準時刻データに等しいすべての灯具をマスターとして設定し、同期時間長が予め設定された同期時間長のしきい値に達すると、すべての灯具の中で時刻データが等しくない灯具がある場合、同期異常メッセージが発せられることである。
【0065】
実際、各灯具は、その予め設定された通信範囲内の他の灯具の時刻データを各々受信し、次の方法によって部分同期を達成してから、同期を拡散し、最終的にすべての灯具の同期を達成する。
【0066】
注目すべき点は、2個以上の警告灯が同じチャネルにおいて、マルチキャスト形式でクロックデータ共有を実現する。ここでは、ユニキャストの代わりにマルチキャスト伝送が使用される。マルチキャスト(Multicast)伝送:送信者と各受信者の間でポイントツーマルチポイントネットワーク接続を実現することを意味する。送信者が同じデータを複数の受信者に同時に送信する場合、同じデータパケットを1つコピーするだけである。これにより、データ伝送効率が向上し、バックボーンネットワークでの輻輳の可能性が減少する。マルチキャスト(英語:multicast)は、グループの宛先アドレスに対して、同時にメッセージを送信することを意味する。メッセージは各ネットワークリンクで1回だけ送信する必要があり、かつメッセージはリンクが分岐したときにのみコピーされるため、最も効果的な戦略を使用している。マルチキャストと対照して、従来のポイントツーポイント配信はユニキャストと呼ばれる。メッセージがユニキャスト形式で複数の受信者に配信される場合、データのコピーを各受信者に送信しなければならない。結果として生じる余計なコピーは、送信側の効率を低下させ、スケーラビリティを欠く原因になる。
【0067】
ユニキャスト(ポイントツーポイント)とマルチキャスト(ポイントツーマルチポイント)を使用して得られたシステム同期速度は、次の通りである。
【0068】
N個の警告灯があるとすると、ユニキャストは警告灯1のデータを警告灯2に送信し、警告灯2から警告灯3に、警告灯3から警告灯4に、警告灯4から警告灯5に...警告灯N-1から警告灯Nに送信する。ユニキャスト方式を使用する場合、同期データはマスターから最後のスレーブ(すなわち、警告灯N)に送信され、信号をN-1回送信し、多くの時間を費やすことにより、システムの完全同期が完了するまでに長い時間がかかり、データ量が多いほど、同期時間が長くなる。図7に示すように、マルチマスターマルチキャスト通信方式:マスター1からマスターNまでの時間は同じで、スレーブ1、スレーブ2、スレーブ3、...、スレーブNが相互に通信し、マスターとスレーブ間が相互に通信する。それらがすべて通信エリア内にある場合、1回の通信だけで全部同期を達成できる。すべてが同じエリア内にない場合でも、送信回数はユニキャストよりもはるかに少ないため、同期効率はユニキャストよりもはるかに高速である。
【0069】
ユニキャストとマルチキャストの使用に対応するシステムの安定性は、次のとおりである。
【0070】
仮にN個の警告灯があり、ユニキャスト方法を使用する場合、一部の警告灯が故障すると、データ伝送が短時間中断され、同期システム全体が一定時間に同期しなくなる。マルチキャスト方法を使用すると、複数の警告灯がデータを送信し、複数の警告灯がデータを受信することであり、1個の警告灯が壊れても、自身のデータのみがロストされ、他の警告灯の同期には影響しない。
【0071】
ステップS2の後、同期操作が完了した後、時間をカウントし始め、リセット時間T2を超えたかどうかをリアルタイムで判断し、超えた場合は、時刻をゼロにリセットし、ステップS1に戻って同期操作を再度実行し、超えてない場合はリセット時間T2を超えているかどうかを判断し続けるステップS3をさらに含む。前記リセットステップは、主に無線通信モジュールで時刻信号を伝送する必要があり、伝送信号が小さいほど伝送速度が速くなるため、一般的な時刻データは大きくならず、一定時間ごとにリセットして同期する必要がある。上記のリセット時間T2は、実際の使用における関連指標に従って対応して設定され、調整可能なパラメータである。
【0072】
本発明の実施例2は、図3を参照しながら説明する。すなわち、
【0073】
本発明によっても提供される灯具の同期端末は、メモリ1と、プロセッサ2と、前記メモリ1に格納され、前記プロセッサ2上で実行できるコンピュータプログラムと、を含み、前記プロセッサ2は前記コンピュータプログラムを実行すると、次のステップS1、S2を実現する。すなわち、
【0074】
S1:灯具が、予め設定された通信範囲内の他の灯具の時刻データを受信するステップ、及び、
【0075】
S2:受信した時刻データをそれぞれ自身の時刻データと比較し、最も早い時刻データまたは最も遅い時刻データを、予め設定された通信範囲内のすべての灯具の基準時刻データとすると共に前記予め設定された通信範囲内のすべての灯具に同期し、時刻値が基準時刻データに等しいすべての灯具をマスターとして設定するステップである。
【0076】
さらに、前記プロセッサ2は、前記コンピュータプログラムを実行する時に次のステップも実現する。すなわち、
【0077】
S0:灯具の電源が投入された後の予め設定された時間長内に灯具に設定されたクロックソースにある時刻データを取得し、自身の時刻データとして構成し、構成が完了するか、予め設定された時間長に達した後、ステップS1に進むステップである。
【0078】
さらに、前記プロセッサ2は、前記コンピュータプログラムを実行する時に次のステップも実現する。すなわち、
【0079】
すべての灯具の時刻データが等しいかどうかを判断し、等しい場合、同期操作を完了するステップである。
【0080】
さらに、前記プロセッサ2は、前記コンピュータプログラムを実行する時に次のステップも実現する。すなわち、
【0081】
灯具が、予め設定された通信範囲内の他の灯具の時刻データを受信すると共に時間をカウントし始め、同期時間長を得るステップ、及び、
【0082】
受信した時刻データをそれぞれ自身の時刻データと比較し、最も早い時刻データまたは最も遅い時刻データを、予め設定された通信範囲内のすべての灯具の基準時刻データとすると共に前記予め設定された通信範囲内のすべての灯具に同期し、時刻値が基準時刻データに等しいすべての灯具をマスターとして設定し、同期時間長が予め設定された同期時間長のしきい値に達すると、すべての灯具の中で時刻データが等しくない灯具がある場合、同期異常メッセージが発せられるステップである。
【0083】
さらに、前記プロセッサ2は、前記コンピュータプログラムを実行する時に次のステップも実現する。すなわち、
【0084】
S1におけるすべての灯具が、第1の周期でその予め設定された通信範囲内に時刻データを送信し、第2の周期でその予め設定された通信範囲内に時刻データを受信し、前記第1の周期及び第2の周期がいずれも交互にかつ連続する実行モードとスリープモードで構成され、前記第1の周期内の対応する実行モードの時間長が前記第2の周期内の対応する実行モードの時間長よりも短くなる。
【0085】
上記をまとめると、本発明によって提供される灯具の同期方法および端末のデータ伝播はポイントツーポイント伝播ではなくなり、マルチキャスト形式でポイントツーマルチポイント伝播を用い、信号伝播の効率を向上すると共にシステム全体の安定性も高める。さらに、マスターの選択はマシン番号に基づくものではなくなり、時刻自体によって決定され、最も早い時刻を持つものがマスターになるまたは最も遅い時刻を持つものがマスターになる。時刻データをマスター判断の根拠とすることにより、万が一、マスターが故障した場合であっても、マシン番号をマスターとして使用してシステム全体が同期されなくなるという現象は発生しない。マシン番号によりマスターを決定する場合、そのマスターは一意であり、時刻データでマスターを決定すると、同期後、時刻が最も早く時刻値が同じすべてのマシンがマスターになることができ、この原則に基づくと、予め設定された通信範囲内で、この同期システムは2台以上のマスターが同時に動作することを許容し、時刻によってマスターを決定するので同期の効率及びシステムの安定性も向上させることができる。
【0086】
以上本発明につき実施例を挙げて種々説明したが、本発明の技術的な範囲はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の明細書及び図面の内容を利用して行われる均等物の置換、又は直接的或いは間接的に関連の技術分野に応用する場合も均しく本発明の特許保護範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】