(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-25
(54)【発明の名称】時間-偏波の分離可能な4重偏波アンテナモジュール
(51)【国際特許分類】
H01Q 21/24 20060101AFI20221117BHJP
H04B 7/10 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
H01Q21/24
H04B7/10 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022516761
(86)(22)【出願日】2020-09-24
(85)【翻訳文提出日】2022-03-15
(86)【国際出願番号】 KR2020012916
(87)【国際公開番号】W WO2021060851
(87)【国際公開日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】10-2019-0119933
(32)【優先日】2019-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0034816
(32)【優先日】2020-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508112782
【氏名又は名称】ケーエムダブリュ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドゥク ヨン キム
(72)【発明者】
【氏名】ヨン チャン ムン
(72)【発明者】
【氏名】スン ホヮン ソ
(72)【発明者】
【氏名】オ ソン チェ
【テーマコード(参考)】
5J021
【Fターム(参考)】
5J021AA04
5J021AA09
5J021AA11
5J021AB02
5J021FA31
5J021HA06
5J021JA05
(57)【要約】
【課題】時間-偏波の分離が可能な4重偏波アンテナモジュールを提供する。
【解決手段】時間-偏波の分離が可能な4重偏波アンテナモジュールは、第1の放射素子及び、前記第1の放射素子の偏波方向と直交する偏波方向を有する第2の放射素子を含む第1の放射素子、及び、前記第1の放射素子の偏波方向と45度の偏波方向差を有する第3の放射素子及び、前記第3の放射素子の偏波方向と直交する偏波方向を有する第4の放射素子を含む第2の放射素子モジュールを含み、前記第1の放射素子モジュールは、前記第2の放射素子モジュールが受信ラインにつながって信号の受信に用いられる場合に、送信ラインにつながって信号の送信に用いられ、前記第2の放射素子モジュールは、送信ラインにつながって信号の送信に用いられる場合に、前記受信ラインにつながって信号の受信に用いられる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間-偏波の分離が可能な4重偏波アンテナモジュールであって、
第1の放射素子及び、前記第1の放射素子の偏波方向と直交する偏波方向を有する第2の放射素子を含む第1の放射素子モジュール、及び、
前記第1の放射素子の偏波方向と45度の偏波方向差を有する第3の放射素子及び、前記第3の放射素子の偏波方向と直交する偏波方向を有する第4の放射素子を含む第2の放射素子モジュールを含み、
前記第1の放射素子モジュールは、
前記第2の放射素子モジュールが受信ラインにつながって信号の受信に用いられる場合に、送信ラインにつながって信号の送信に用いられ、前記第2の放射素子モジュールが送信ラインにつながって信号の送信に用いられる場合に、前記受信ラインにつながって信号の受信に用いられる、4重偏波アンテナモジュール。
【請求項2】
前記第3の放射素子は、
前記第1の放射素子モジュールの上側に配置し、
前記第4の放射素子は、
前記第1の放射素子モジュールの左側又は右側に配置した、請求項1に記載の4重偏波アンテナモジュール。
【請求項3】
前記第3の放射素子は、
前記第1の放射素子モジュールの下側に配置し、
前記第4の放射素子は、
前記第1の放射素子モジュールの右側又は左側に配置した、請求項1に記載の4重偏波アンテナモジュール。
【請求項4】
前記第1の放射素子及び前記第2の放射素子は、
それぞれの中心が互いに交差するように配置した、請求項2又は請求項3に記載の4重偏波アンテナモジュール。
【請求項5】
前記第1の放射素子は、
前記第2の放射素子モジュールの左上側に配置し、
前記第2の放射素子は、
前記第2の放射素子モジュールの左下側又は右上側に配置した、請求項1に記載の4重偏波アンテナモジュール。
【請求項6】
前記第1の放射素子は、
前記第2の放射素子モジュールの右下側に配置し、
前記第2の放射素子は、
前記第2の放射素子モジュールの右上側又は左下側に配置した、請求項1に記載の4重偏波アンテナモジュール。
【請求項7】
前記第3の放射素子及び前記第4の放射素子は、
それぞれの中心が互いに交差するように配置した、請求項5又は請求項6に記載の4重偏波アンテナモジュール。
【請求項8】
前記第1の放射素子は、
第1の交差点を基準に、前記第2の放射素子と互いに交差するように配置し、
前記第3の放射素子は、
第2の交差点を基準に、前記第4の放射素子と交差するように配置した、請求項1に記載の4重偏波アンテナモジュール。
【請求項9】
前記第1の交差点は、
前記第2の交差点と同じ位置にある、請求項8に記載の4重偏波アンテナモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアンテナモジュールに関し、より具体的には時間-偏波の分離が可能であるだけでなく、アンテナモジュールの面積効率性を向上させることができる4重偏波アンテナモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
この部分に記載した内容は、単に本発明に対する背景情報を提供するだけであり、従来技術を構成するものではない。
【0003】
周波数分割デュプレックス(FDD:frequency-division duplex)方式と時間分割デュプレックス(TDD:Time-division duplex)方式が、一つの伝送線やアンテナを用いて送受信信号を共有する方法として活用されている。
【0004】
TDD方式を活用して送受信信号を共有する従来のアンテナ装置についての一例を
図1に示す。
【0005】
従来のTDD方式のアンテナ装置は、アンテナ(ANT)、フィルタ(Filter)、スイッチ(S/W)、パワーアンプ(Power Amplifier、PA)、低ノイズアンプ(Low Noise Amplifier、LNA)、ADコンバータ(図示せず)及び、デジタル信号プロセッサ(FPGA、図示せず)などを含むように構成することができる。
【0006】
TDD方式のアンテナANDは、複数のアンテナモジュールがアレイ(array)に形成されてもよく、アンテナモジュールは、2重偏波アンテナの形態を有する放射素子(2重偏波アンテナモジュール)で構成されてもよい。
【0007】
図2に示すように、2重偏波アンテナモジュールは、互いに異なる偏波方向を有する(互いに異なる偏波方向に設定した)2つの放射素子から構成される。各矢印は放射素子を示し、矢印の方向は各放射素子の偏波方向を示し、一点鎖線ボックスはアンテナモジュールが占有する領域又は空間を示す。
【0008】
2重偏波アンテナモジュールは、スイッチ(S/W)が送信ライン(Txライン)とつながると信号の送信機能を実行し、スイッチ(S/W)が受信ライン(Rxライン)とつながると信号の受信機能を実行する。すなわち、2重偏波アンテナモジュール(さらに、従来のTDD方式のアンテナ装置)は、スイッチ(S/W)の選択的なスイッチング動作によりTDD機能を具現するようになる。
【0009】
しかしながら、スイッチング過程を介して送信信号(ダウンリンク信号)又は受信信号(アップリンク信号)で信号損失が発生し、受信信号がケーブルを介して装置内の後段に伝達される過程でも信号損失が発生する。このような信号損失は、雑音指数(Noise Figure、NF)を悪化させ、無線通信システムのアップリンクカバレッジ(coverage)拡張を制限する問題を引き起こす。
【0010】
上のような問題を解決するために、送信用アンテナモジュール(Txアンテナモジュール)と受信用アンテナモジュール(Rxアンテナモジュール)を物理的に区別したTDD方式の新しいアンテナモジュールが最近紹介された。
【0011】
新しいアンテナモジュールについての一例を
図3に示す。
図3にて、左側に位置するアンテナモジュールは送信用アンテナモジュールTx1、Tx2を表し、右側に位置するアンテナモジュールは受信用アンテナモジュールRx1、Rx2を表し、一点鎖線ボックスは新しいアンテナモジュール全体が占有する領域又は空間を表す。新しいアンテナモジュールは、送信用と受信用を物理的に区別するため(送信ラインと受信ラインを別途構成するため)、従来のスイッチングによって発生する問題を一部解決することができる。
【0012】
しかしながら、信号の送信と信号の受信の両方を担っていた単一のアンテナモジュールが、新しいアンテナモジュールでは、互いに異なる2つの構成に物理的に分離されている。したがって、新しいアンテナモジュールは、アンテナモジュール自体の面積が増加するという問題を引き起こす。
【0013】
一般に、アンテナ装置には、複数個のアンテナモジュールで構成するアンテナモジュールアレイが適用される。さらに、マイモ(multiple-input multiple-output、MIMO)技術の具現のために、アンテナモジュールアレイに含まれるアンテナモジュールの個数が徐々に増加している。したがって、新しいアンテナモジュールのようにアンテナモジュール自体の面積が増加すると、アンテナモジュールアレイのみならず、アンテナ装置全体の面積又は大きさが増加することになり、これはアンテナ装置を製造する過程はもちろん、設置する過程、又は維持補修する過程での困難をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の一実施例は、2重偏波アンテナモジュールを単一化してアンテナモジュールの面積を減少させ、単一化したアンテナモジュール内で送信用と受信用を区別することで、スイッチングによって発生する信号損失を解決することができる4重偏波アンテナモジュールを提供することに主な目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一実施例によると、時間-偏波の分離が可能な4重偏波アンテナモジュールであって、第1の放射素子及び前記第1の放射素子の偏波方向と直交する偏波方向を有する第2の放射素子を含む第1の放射素子モジュール、及び、前記第1の放射素子の偏波方向と45度の偏波方向差を有する第3の放射素子及び前記第3の放射素子の偏波方向と直交する偏波方向を有する第4の放射素子を含む第2の放射素子モジュールを含み、前記第1の放射素子モジュールは、前記第2の放射素子モジュールが受信ラインにつながって信号の受信に用いる場合に、送信ラインにつながって信号の送信に用いられ、前記第2の放射素子モジュールが送信ラインにつながって信号の送信に用いる場合に、前記受信ラインにつながって信号の受信に用いられる、4重偏波アンテナモジュールを提供する。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によると、単一化したアンテナモジュール内で送信用と受信用を区分することで、スイッチングによる信号損失を低減することができる。
【0017】
また、本発明によると、物理的に区分した2重偏波アンテナモジュールを一つの4重偏波アンテナモジュールに単一化することで、面積の減少はもちろん製作、設置、メンテナンスなどの利便性を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】従来のアンテナ装置の一例を説明するためのブロック図である。
【
図2】従来のアンテナモジュールを説明するための図である。
【
図3】従来のアンテナモジュールを説明するための図である。
【
図4】4重偏波アンテナモジュールを用いて時間-偏波を分離する一例を説明するための図である。
【
図5】4重偏波アンテナモジュールについての例を説明するための図である。
【
図6】4重偏波アンテナモジュールについての例を説明するための図である。
【
図7】4重偏波アンテナモジュールについての他の例を説明するための図である。
【
図8】4重偏波アンテナモジュールについての他の例を説明するための図である。
【
図9】4重偏波アンテナモジュールについての他の例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一部の実施例を例示的な図面を通して詳しく説明する。各図面の構成要素に参照符号を与える際に、同一の構成要素に対しては、他の図面に表示されても可能な限り同一の符号を有することに留意しなければならない。なお、本発明を説明するにあたり、関連する公知の構成又は機能についての具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断した場合に、その詳しい説明は省く。
【0020】
また、本発明の構成要素を説明するにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を用いる場合がある。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって当該構成要素の本質、順番又は順序などを限定するものではない。本明細書全体にて、ある部分がある構成要素を「含む」、「備える」とするとき、これは、特に逆の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。さらに、明細書に記載した「…部」、「モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能又は動作を処理する単位を意味し、これはハードウェアやソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで具現することができる。
【0021】
本発明の4重偏波アンテナモジュール500は、時間-偏波の分離が可能なアンテナモジュールに該当する。
【0022】
図5に示すように、4重偏波アンテナモジュール500は、第1の放射素子モジュール510及び第2の放射素子モジュール520を含んでなる。
【0023】
第1の放射素子モジュール510は、互いに直交又は垂直な偏波方向を有する2つの放射素子512、514を含んでなる。第2の放射素子モジュール520は、互いに直交又は垂直な偏波方向を有する2つの放射素子522、524を含んでなる。
【0024】
ここで、「直交」又は「垂直」とは、放射素子の偏波方向が正確に90度の角度差を有する場合と、90±θの角度差を有する場合をすべて含む。θは、アンテナモジュールの作製工程における誤差、他のアンテナモジュールとの相関関係(correlation)の程度、ビームフォーミング方向の調整必要性などに応じて可変である。
【0025】
第1の放射素子モジュール510に含まれる2つの放射素子512、514のうち、いずれかの一方を第1の放射素子512と称し、他方を第2の放射素子514と称する。第2の放射素子514は、第1の放射素子512の偏波方向と直交又は垂直な偏波方向を有するように設定する。
【0026】
第2の放射素子モジュール520に含まれる2つの放射素子522、524のうち、いずれかの一方を第3の放射素子522と称し、他方を第4の放射素子524と称する。第3の放射素子522は、第1の放射素子512の偏波方向と45度の偏波方向差を有するように設定する。
【0027】
第4の放射素子524は、第3の放射素子522の偏波方向と直交又は垂直な偏波方向を有するように設定する。前述したように、第2の放射素子514が第1の放射素子512と直交又は垂直な偏波方向関係を有し、第1の放射素子512が第3の放射素子522と45度の偏波方向関係を有し、第4の放射素子524が第3の放射素子522と直交又は垂直な偏波方向関係を有する。したがって、第4の放射素子524は、第1の放射素子512及び第2の放射素子514と45度の偏波方向関係を有する。
【0028】
ここで、「45度偏波方向関係」とは、放射素子が正確に45度の偏波方向差を有する場合と、45±θの偏波方向差がある場合のすべてを含む。θは、アンテナモジュールの作製工程における誤差、他のアンテナモジュールとの相関関係の程度、ビームフォーミング方向の調整の必要性などに応じて可変である。
【0029】
実施形態によると、放射素子512、514、522、524の偏波方向は多様である。例えば、第1の放射素子512と第2の放射素子514のそれぞれが+45度と-45度の偏波方向を有し、第3の放射素子522と第4の放射素子524のそれぞれが垂直方向(vertical)及び水平方向(horizontal)の偏波方向を有する。別の例として、第1の放射素子512と第2の放射素子514のそれぞれは、垂直方向及び水平方向の偏波方向を有し、第3の放射素子522及び第4の放射素子524のそれぞれは、+45度と-45度の偏波方向を有する。
【0030】
第1の放射素子モジュール510は送信ラインTx1、Tx2につながって信号の送信に用いられ、第2の放射素子モジュール520は受信ラインRx1、Rx2につながって信号の受信に用いられる。これとは逆に、第1の放射素子モジュール510が受信ラインRx1、Rx2につながって信号の受信に用いられ、第2の放射素子モジュール520が送信ラインTx1、Tx2につながって信号の受信送信に用いられてもよい。
【0031】
このように、本発明の4重偏波アンテナモジュール500は、信号の送信に用いられる放射素子モジュールと、信号の受信に用いられる放射素子モジュールとで互いを区分することができるので、スイッチ動作により発生する従来技術の問題(信号損失)を解決できる。
【0032】
また、4重偏波アンテナモジュール500は、第1の放射素子モジュール510と第2の放射素子モジュール520のうちのいずれかの一方を送信用に用い、他方を受信用に用いるため、時間-偏波の分離(信号の送受信と偏波の分離)を具現できるようになる。
【0033】
4重偏波アンテナモジュール500を用いて具現する時間-偏波の分離についての一例を
図4に示す。
【0034】
図4にて、斜線で示した領域Txは送信用に用いる第1の放射素子モジュール510を介して信号を送信する時間区間を表し、斜線で示さない領域Rxは受信用に用いる第2の放射素子モジュール520を介して信号を受信する時間区間を示す。
【0035】
ここで、第1の放射素子モジュール510内の2つの放射素子512、514は、±45度の偏波方向差(±45°Pol.)を有し、第2の放射素子モジュール520内の2つの放射素子522、524は、垂直方向の偏波方向と 水平方向の偏波方向(V/H Pol.)を有する。
【0036】
以下では、4重偏波アンテナモジュール500の面積効率性を向上させることができる実施例について説明する。第1の放射素子モジュール510が送信ラインにつながって信号の送信に用いられ、第2の放射素子モジュール520が受信ラインにつながって信号の受信に用いられると仮定する。
【0037】
実施例1
実施例1は、第3の放射素子522及び第4の放射素子524を第1の放射素子モジュール510の周囲に配置する実施例である。実施例1は、第3の放射素子522を配置する位置と第4の放射素子524を配置する位置によって下の下位実施例に区分することができる。
【0038】
実施例1-1
図5に示すように、第1の放射素子512と第2の放射素子514は、直交又は垂直になる偏波方向差を有する。第1の放射素子512と第2の放射素子514は送信ラインTx1、Tx2につながって信号の送信に用いられる。
【0039】
第3の放射素子522は、第1の放射素子モジュール510の上側(上側周辺)に配置する。第1の放射素子モジュール510の上側に配置した第3の放射素子522は、第1の放射素子512及び第2の放射素子514と±45度の偏波方向差を有し、受信ラインRx1につながって信号の受信に用いられる。
【0040】
第4の放射素子524は、第1の放射素子モジュール510の左側(左側周辺)に配置するか(
図5(a))、第1の放射素子モジュール510の右側(右側周辺)に配置する(
図5(b))。第1の放射素子モジュール510の左側又は右側に配置した第4の放射素子524は、第3の放射素子522と直交又は垂直になる偏波方向差を有し、第1の放射素子512及び第1の放射素子514と±45度の偏波方向差を有する。第4の放射素子524は、受信ラインRx2につながって信号の受信に用いられる。
【0041】
実施例1-2
図6に示すように、第1の放射素子512と第2の放射素子514は、直交又は垂直になる偏波方向差を有する。第1の放射素子512と第2の放射素子514は送信ラインTx1、Tx2につながって信号の送信に用いられる。
【0042】
第3の放射素子522は、第1の放射素子モジュール510の下側(下側周辺)に配置する。第1の放射素子モジュール510の下側に配置した第3の放射素子522は、第1の放射素子512及び第2の放射素子514と±45度の偏波方向差を有し、受信ライン(Rx1)につながって信号の受信に用いられる。
【0043】
第4の放射素子524は、第1の放射素子モジュール510の左側(左側周辺)に配置するか(
図6(a))、第1の放射素子モジュール510の右側(右側周辺)に配置する(
図6(b))。第1の放射素子モジュール510の左側又は右側に配置した第4の放射素子524は、第3の放射素子522と直交又は垂直になる偏波方向差を有し、第1の放射素子512及び第2の放射素子514と±45度の偏波方向差を有する。第4の放射素子524は、受信ラインRx2につながって信号の受信に用いられる。
【0044】
実施例1で説明したように、本発明の4重偏波アンテナモジュール500は、第1の放射素子モジュール510が占有する領域(
図5及び
図6の一点鎖線ボックス)内に第3の放射素子522及び第4の放射素子524を配置するように構成する。したがって、送信用アンテナモジュールと受信用アンテナモジュールを物理的に区分した2つの領域に配置する従来の方法に比べ、より向上した面積効率性を提供できる。また、面積効率性の向上は、製作、設置、メンテナンスなどの利便性につながる。
【0045】
実施例1にて、第1の放射素子512と第2の放射素子514を多様な形態で配置することができる。例えば、第1の放射素子512と第2の放射素子514は互いに交差するように配置してもよい。また、第1の放射素子512と第2の放射素子514は、それぞれの中心が互いに交差するように配置してもよい。このような場合、第1の放射素子モジュール510が占める領域(
図5及び
図6の一点鎖線ボックス)の面積が最小となり、4重偏波アンテナモジュール500全体の面積効率性がさらに増大する。
【0046】
実施例2
実施例2は、第1の放射素子512及び第2の放射素子514を第2の放射素子モジュール520の周囲に配置する実施例である。実施例2は、第1の放射素子512を配置する位置と第2の放射素子514を配置する位置によって下のような下位実施例に分けることができる。
【0047】
実施例2-1
図7に示すように、第3の放射素子522と第4の放射素子524は、直交又は垂直になる偏波方向差を有する。第3の放射素子522と第4の放射素子524は、受信ラインRx1、Rx2につながって信号の受信に用いられる。
【0048】
第1の放射素子512は、第2の放射素子モジュール520の左上側(左上側周辺)に配置してもよい。第2の放射素子モジュール520の左上側に配置した第1の放射素子512は、第3の放射素子522及び第4の放射素子524と±45度の偏波方向差を有してもよく、送信ラインTx1につながって信号の送信に用いられる。
【0049】
第2の放射素子514は、第2の放射素子モジュール520の左下側(左下側周辺)に配置するか(
図7(a))、第2の放射素子モジュール520の右上側(右上側周辺)に配置する(
図7(b))。第2の放射素子モジュール520の左下側又は右上側に配置した第2の放射素子514は、第1の放射素子512と直交又は垂直になる偏波方向差を有し、第3の放射素子522及び第4の放射素子524と±45度の偏波方向差を有する。第2の放射素子514は送信ラインTx2につながって信号の送信に用いられる。
【0050】
実施例2-2
図8に示すように、第3の放射素子522と第4の放射素子524は、直交又は垂直になる偏波方向差を有する。第3の放射素子522と第4の放射素子524は、受信ラインRx1、Rx2につながって信号の受信に用いられる。
【0051】
第1の放射素子512は、第2の放射素子モジュール520の右下側(右下側周辺)に配置する。第2の放射素子モジュール520の右下側に配置した第1の放射素子512は、第3の放射素子522及び第4の放射素子524と±45度の偏波方向差を有し、ラインTx1につながって信号の送信に用いられる。
【0052】
第2の放射素子514は、第2の放射素子モジュール520の左下側(左下側周辺)に配置するか(
図8(a))、第2の放射素子モジュール520の右上側(右上側周辺)に配置する(
図8(b))。第2の放射素子モジュール520の左下側又は右上側に配置した第2の放射素子514は、第1の放射素子512と直交又は垂直になる偏波方向差を有し、第3の放射素子522及び第4の放射素子524と±45度の偏波方向差を有する。第2の放射素子514は送信ラインTx2につながって信号の送信に用いられる。
【0053】
実施例2で説明したように、本発明の4重偏波アンテナモジュール500は、第2の放射素子モジュール520が占有する領域(
図7及び
図8の一点鎖線ボックス)内に第1の放射素子512及び第2の放射素子514を配置するように構成する。したがって、送信用アンテナモジュールと受信用アンテナモジュールを物理的に区別した2つの領域に配置する従来の方法に比べ、より向上した面積効率性を提供する。また、面積効率性の向上は、製作、設置、メンテナンスなどの利便性につながる。
【0054】
実施例2にて、第3の放射素子522と第4の放射素子524を多様な形態で配置することができる。例えば、第3の放射素子522と第4の放射素子524は互い交差するように配置してもよい。また、第3の放射素子522と第4の放射素子524は、それぞれの中心が互いに交差するように配置してもよい。このような場合、第2の放射素子モジュール520が占める領域(
図7及び
図8の一点鎖線ボックス)の面積が最小となり、面積効率性をさらに向上させることができる。
【0055】
実施例3
実施例3は、第1の放射素子512及び第2の放射素子514を互いに交差するように配置し、第3の放射素子522及び第4の放射素子524も互いに交差するように配置する実施例である。
【0056】
図9に示すように、第1の放射素子512と第2の放射素子514は互いに交差するように配置する。第1の放射素子512と第2の放射素子514が互いに交差する点又はポイントを「第1の交差点910」と称する。また、第1の放射素子512と第2の放射素子514は、直交又は垂直になる偏波方向差を有し、送信ラインTx1、Tx2につながって信号の送信に用いられる。
【0057】
図9に示すように、第3の放射素子522と第4の放射素子524は互いに交差するように配置する。第3の放射素子522と第4の放射素子524が互いに交差する点又はポイントを「第2の交差点920」と称する。また、第3の放射素子522と第4の放射素子524は、直交又は垂直になる偏波方向差を有し、受信ラインRx1、Rx2につながって信号の受信に用いられる。
【0058】
4重偏波アンテナモジュール500が占める面積(
図9の一点鎖線ボックス)は、第1の交差点910と第2の交差点920との間の距離に応じて決定する。第1の交差点910と第2の交差点920との間の距離が増加するほど、4重偏波アンテナモジュール500が占める面積が増加し、第1の交差点910と第2の交差点920との間の距離が短いほど、4重偏波アンテナモジュール500が占める面積が減少する。
【0059】
従来の方法(送信用アンテナモジュールと受信用アンテナモジュールを物理的に区分された2つの領域に配置)に比べてさらに向上した面積効率性を提供するためには、第1の交差点910と第2の交差点920との間の距離が放射素子1つの長さ以下であることが好ましい。
【0060】
第1の交差点910と第2の交差点920との間の距離が放射素子1つの長さ以下であると、第1の交差点910と第2の交差点920との間の距離は設計者の意図やアンテナモジュールアレイを構成する他のアンテナモジュールとの配置関係などによって多様に設定することができる。
【0061】
第1の交差点910と第2の交差点920との間の距離が最小の場合に4重偏波アンテナモジュール500が占める面積の効率性が最大となるので、面積効率性を極大化するためには第1の交差点910と第2の交差点920が互いに同じ位置にあってもよい。すなわち、第1の放射素子512と第2の放射素子514をそれぞれの中心が互いに交差(第1の交差点)するように配置し、第3の放射素子522と第4の放射素子524もそれぞれの中心が互いに交差(第2の交差点)するように配置し、第1の交差点910と第2の交差点920が互いに同じ位置にある場合、面積効率性を最大化することができる。
【0062】
以上の説明は、本実施例の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本実施例の本質的な特性から逸脱しない範囲で多様な修正及び変形が可能であろう。したがって、本実施例は、本実施例の技術思想を限定するものではなく説明するためのものであり、このような実施例によって本実施例の技術思想の範囲が限定されるものではない。本実施例の保護範囲は、特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にある全ての技術思想は、本実施例の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【0063】
[関連出願の参照]
本特許出願は、本明細書にその全体が参考として含まれる、2019年9月27日付で韓国に出願した特許出願番号第10-2019-0119933号及び、2020年3月23日付で韓国に出願した特許出願番号第10-2020-0034816号に対して優先権を主張する。
【国際調査報告】