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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-25
(54)【発明の名称】空気供給システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20221117BHJP
   H01M 8/0606 20160101ALI20221117BHJP
   H01M 8/12 20160101ALI20221117BHJP
   H01M 8/04014 20160101ALI20221117BHJP
【FI】
H01M8/04 J
H01M8/0606
H01M8/12 101
H01M8/04014
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022518223
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(85)【翻訳文提出日】2022-03-22
(86)【国際出願番号】 IB2020059160
(87)【国際公開番号】W WO2021064601
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】201921663425.5
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508359550
【氏名又は名称】セレス インテレクチュアル プロパティー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フー チャンミン
(72)【発明者】
【氏名】チェン ユーペン
(72)【発明者】
【氏名】スン シャオウェン
(72)【発明者】
【氏名】ユー シャオ
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126BB06
5H127AA07
5H127BA12
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB27
5H127BB37
5H127BB39
(57)【要約】
少なくとも2つの送風機と少なくとも2つの連絡弁とを備える空気供給システムであって、1つの送風機は、対応する連絡弁を介して主空気通路に接続されており、少なくとも1つの他の送風機は、少なくとも1つの他の連絡弁を介して、改質器空気通路およびスタック空気通路にそれぞれ接続されている、空気供給システム。少なくとも2つの連絡弁を接続するために、少なくとも2つの送風機が設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気供給システムであって、
少なくとも2つの送風機と、少なくとも2つの連絡弁と、を備え、
1つの送風機は、対応する連絡弁を介して主空気通路に接続されており、
少なくとも1つの他の送風機は、少なくとも1つの連絡弁を介して、改質器空気通路およびスタック空気通路にそれぞれ接続されている、空気供給システム。
【請求項2】
2つの送風機と、2つの連絡弁と、を備え、
前記連絡弁は、逆止弁および三方弁を含み、
一方の送風機は、前記逆止弁を介して前記主空気通路に接続され、前記他方の送風機は、前記三方弁を介して前記改質器空気通路および前記スタック空気通路にそれぞれ接続されている、請求項1に記載の空気供給システム。
【請求項3】
前記逆止弁の出力端が、前記改質器の入力端に接続されており、
前記三方弁の出力端が、前記改質器の前記入力端と固体酸化物形燃料電池(SOFC)スタックの入力端とにそれぞれ接続されている、請求項2に記載の空気供給システム。
【請求項4】
3つの送風機と、3つの連絡弁と、を備え、
前記連絡弁は、3つの逆止弁を含み、
前記送風機のうちの1つは、1つの逆止弁を介して前記改質器空気通路に接続され、別の送風機は、別の逆止弁を介して前記スタック空気通路に接続されている、請求項1に記載の空気供給システム。
【請求項5】
2つの逆止弁の出力端は、前記改質器の入力端に接続され、第3の逆止弁の出力端が、SOFCスタックの入力端に接続されている、請求項4に記載の空気供給システム。
【請求項6】
前記3つの送風機の流量、体積、および電力消費が異なる、請求項4または5に記載の空気供給システム。
【請求項7】
前記システムは、エアフィルタをさらに備え、前記エアフィルタの出力端が、前記送風機の前記入力端に接続されている、先行請求項のいずれか一項に記載の空気供給システム。
【請求項8】
熱交換器をさらに備え、
前記熱交換器の入力端が、前記主空気通路を接続する前記逆止弁の出力端に接続されており、
前記熱交換器の出力端が、前記改質器の前記入力端に接続されている、先行請求項のいずれか一項に記載の空気供給システム。
【請求項9】
バーナーをさらに備え、
前記バーナーの入力端が、前記SOFCスタックの出力端に接続されており、
前記バーナーの出力端が、前記熱交換器の前記入力端に接続されている、請求項8に記載の空気供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池の技術分野に関し、より具体的には、空気供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、燃料および酸化剤に蓄積された化学エネルギーを効率的かつ環境に優しい態様で電気エネルギーに直接変換する、完全固体の化学的発電デバイスである。
【0003】
SOFCは、主空気通路、改質器空気通路、およびスタック空気通路に空気を供給するために、送風機を使用する必要がある。3つの通路に空気が供給されるとき(図1を参照)、1つの送風機が、3つのバタフライ弁によって3つの通路を接続するために使用される。結果として、3つのバタフライ弁すべてが開かれていない可能性があるとき、送風機にかかる過度の背圧の故に送風機が損傷する可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、1つの送風機が3つのバタフライ弁によって3つの通路に接続されている場合、3つのバタフライ弁すべてが開かれていない可能性があるとき、送風機にかかる過度の背圧の故に送風機が損傷するという問題に対処するための空気供給システムを提供する。
【0005】
本発明は、空気供給システムであって、少なくとも2つの送風機と、少なくとも2つの連絡弁とを備え、1つの送風機は、対応する連絡弁を介して主空気通路に接続されており、少なくとも1つの他の送風機は、少なくとも1つの連絡弁を介して、改質器空気通路およびスタック空気通路にそれぞれ接続されている、空気供給システムを提供する。
【0006】
送風機の数は2つとすることができ、連絡弁の数は2つとすることができ、連絡弁は、逆止弁および三方弁を含む。一方の送風機は、逆止弁を介して主空気通路に接続することができ、他方の送風機は、三方弁を介して改質器空気通路およびスタック空気通路にそれぞれ接続することができる。
【0007】
逆止弁の出力端は、改質器の入力端に接続することができ、三方弁の出力端は、改質器の入力端および固体酸化物形燃料電池(SOFC)スタックの入力端にそれぞれ接続することができる。
【0008】
送風機の数は3つ、連絡弁の数は3つとすることができ、連絡弁は、3つの逆止弁を含むことができる。他の2つの送風機のうちの一方は、逆止弁のうちの1つを介して改質器空気通路に接続することができ、他方は、別の逆止弁を介してスタック空気通路に接続することができる。
【0009】
2つの逆止弁の出力端は、改質器の入力端に接続することができ、第3の逆止弁の出力端は、SOFCスタックの入力端に接続することができる。
【0010】
3つの送風機の流量、体積、および電力消費は、異なることができる。
【0011】
システムは、エアフィルタをさらに備えることができ、エアフィルタの出力端は、送風機の入力端に接続することができる。
【0012】
システムは、熱交換器をさらに備えることができる。熱交換器の入力端は、主空気通路を接続する逆止弁の出力端に接続することができ、熱交換器の出力端は、改質器の入力端に接続することができる。
【0013】
システムは、バーナーをさらに備えることができる。バーナーの入力端は、SOFCスタックの出力端に接続することができ、バーナーの出力端は、熱交換器の入力端に接続することができる。
【0014】
本発明は、空気供給システムを提供し、空気供給システムは、少なくとも2つの送風機と少なくとも2つの連絡弁とを備え、1つの送風機は、対応する連絡弁を介して主空気通路に接続され、少なくとも1つの他の送風機は、少なくとも1つの連絡弁を介して、改質器空気通路およびスタック空気通路にそれぞれ接続されている。少なくとも2つの連絡弁を接続するために、少なくとも2つの送風機が設けられる。3つのバタフライ弁を接続する1つの送風機と比較して、少なくとも2つの送風機がより低い背圧を受けるとき、送風機の損傷確率は低下する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
説明に使用される図面を以下に簡単に説明する。以下の説明の図面は、本発明のいくつかの実施形態だけである。
【0016】
図1】周知の空気供給システムの適用シナリオ図である。
図2】空気供給システムの構造概略図である。
図3】別の空気供給システムの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を、図面と併せて以下に説明する。説明される実施形態は、本発明の実施形態のいくつかにすぎず、すべてではない。
【0018】
本発明の一実施形態は、空気供給システムを提供する。空気供給システムは、燃料電池モジュール(FCM)に空気をそれぞれ供給するために使用され、主回路空気通路、Ref(改質器)空気通路、およびStk(スタック)空気通路を含む。
【0019】
図2を参照すると、主空気通路は、改質器の改質反応のための熱および酸素を供給するために、FCMの改質器に接続されている。
【0020】
Ref空気通路は、改質反応率を制御するために、FCMの改質器に接続されている。例えば、改質器の温度(例えば、450℃)を制御することによって、改質器の改質反応率(例えば、30%)を制御する。
【0021】
Stk空気通路は、スタックの燃料改質率を最大値(例えば、改質率は70%である)に到達させるべく、Stk入口に入る前に温度を(例えば、580℃に)調整するために、FCMのSOFC(固体酸化物形燃料電池)に接続されている。
【0022】
本発明の一実施形態は、図2および図3を参照すると、少なくとも2つの送風機と、少なくとも2つの連絡弁とを備える。1つの送風機は、対応する連絡弁を介して主空気通路に接続され、少なくとも1つの他の送風機は、少なくとも1つの連絡弁を介して、改質器空気通路およびスタック空気通路にそれぞれ接続されている。実際の使用では、連絡弁は、逆止弁または三方弁とすることができる。逆止弁は、空気の逆流を防ぐために使用することができる。
【0023】
図2は、2つの送風機と2つの連絡弁との構造図を与える。図2から、送風機1は、逆止弁1を介して主空気通路に接続され、送風機2は、三方弁を介してRef空気通路およびStk空気通路(Stk前空気通路)に接続されていることが分かる。逆止弁の出力端は、改質器の入力端に接続され、三方弁の出力端は、改質器の入力端および固体酸化物形燃料電池(SOFC)スタックの入力端にそれぞれ接続されている。
【0024】
FCMのほとんどの熱が主空気通路によって提供されるという事実の故に、送風機1は、主空気通路を接続するために設けられ、一方、送風機2は、Ref空気通路およびStk空気通路を接続するために設けられており、Ref空気通路とStk空気通路とは、温度調節のためにのみ使用され、したがって、Ref空気通路とStk空気通路とは同じ送風機2を使用し、主空気通路は別個の送風機1を使用する。
【0025】
図3は、3つの送風機と3つの連絡弁との構造図を与える。図3から、送風機1は、逆止弁1を介して主空気通路に接続され、送風機2は、逆止弁によってRef空気通路に接続され、送風機3は、逆止弁によってStk空気通路(Stk前空気通路)に接続されていることが分かる。つまり、あらゆる通路が正確な空気流量調整を実現することができるように、1つの通路に1つの送風機が接続されている。2つの逆止弁の出力端は、改質器の入力端に接続され、第3の逆止弁の出力端は、SOFCスタックの入力端に接続されている。
【0026】
3つの送風機が利用されるとき、3つの送風機の流量、体積、および電力消費は異なる。主送風機は、約100g/秒の流量範囲、約1.8KWの電力消費、およびA4用紙と等価である体積を有する。他の2つのバイパス送風機の各々は、約20g/秒の流量、たった数十ワットほどの電力、およびA4用紙の半分に等価である体積を有する。
【0027】
上記の2つのシステムは、構造的に配置され、操作が容易である。空気供給システムは、エアフィルタをさらに含み、エアフィルタの出力端は、送風機の入力端に接続され、エアフィルタは、清浄な空気を供給するために使用される。例えば3つの送風機があると、吸気口からの空気が、エアフィルタを介して、異なる流量、体積、および電力消費を有する3つの送風機にそれぞれ流入するとき。システムが早い段階でパージされると、3つの送風機は、同時に動作する。逆止弁の機能は、システム内の空気が反対方向に逆流するのを防ぐことである。加熱フェーズでは、送風機1は、特定の空気流量および圧力(例えば、150g/秒の空気流量および32kPaの各送風機の出口での圧力)に従って、FCMに空気を継続的に供給する。送風機2および送風機3は、待機状態にある。スタックの加熱速度が速すぎてシステムの加熱要求を満たさないとき、送風機2および送風機3は作業に参加することを要求され、それにより、スタックの加熱速度を低下させ、スタックの入口と出口との間の温度差範囲が許容範囲内にあることが保証される。
【0028】
温度が定常状態にあるとき、スタックの入口および出口の温度は、定常状態になっている。このとき、送風機1は、空気流量(例えば、65g/秒)および圧力(例えば、出口圧力:8kPa)を低下させて、スタックに空気を継続的に供給する。送風機2および送風機3は、SOFCスタックの出口温度(例えば、スタックの出口温度:580±5℃)のフィードバックに従ってオンおよびオフを実行する。
【0029】
空気供給システムは、熱交換器をさらに備え、熱交換器の入力端は、主空気通路を接続する逆止弁の出力端に接続されている。熱交換器の出力端は、改質器の入力端に接続されている。熱交換器は、改質器の温度要求を満たすように空気を加熱するために使用される。
【0030】
空気供給システムは、さらにバーナーを備える。バーナーの入力端は、SOFCスタックの出力端に接続され、バーナーの出力端は、熱交換器の入力端に接続されている。バーナーは、熱交換器に高温熱源を提供する。
【0031】
この実施形態では、3つの送風機が使用されている。また、送風機が不足している場合は、2つの送風機を適用することができる。すべてのバタフライ弁を閉じた後、送風機を始動した場合に過度の背圧の故に送風機を損傷させる危険性を防ぐように制御するために、3つの送風機を適用することができる。送風機のあらゆる始動の前に、3つの空気通路の逆止弁を開くかどうかを検査する必要がある。3つの送風機を使用して3つの通路からの空気をそれぞれ制御し、それにより、あらゆる経路の質量流量、温度、および湿度を正確に制御し、逆止弁を長期間使用した後の制御精度低下を少なくする。スタックの出口温度および入口空気質量流量を制御するという要求を実現することにより、混合空気が、スタックに流れて完全に反応し、システム効率が改善される。
【0032】
3つの送風機は、3つの逆止弁を接続するために設けられ(システム内の逆止弁の機能は、システム内の空気が送風機に逆流するのを防ぐことである)、1つの送風機が3つのバタフライ弁に接続されている状態(バタフライ弁の機能は、送風機の出口での流量の分布を制御することであり、バタフライ弁の開放精度は、流量分布精度に影響する)と比較して、次の利点を有する:
1.流量を分配するためにバタフライ弁が必要ない。
2.バタフライ弁が開いていないときに過度の背圧によって送風機が損傷する状態が減少する。
3.流量分布精度がより高い。
4.送風機が流量をリアルタイムでフィードバックする場合、制御に好都合である。
5.最大のプロセス要求が満たされる。
【0033】
2つの送風機が使用されるとき、1つの送風機は、主空気通路に必要であり、別の送風機は、三方ソレノイド弁(三方弁)によってStkおよびRefの前に空気流量を分配する。三方ソレノイド弁は、バタフライ弁よりも高い制御精度を有する。また、3つの送風機と比較して、2つの送風機は、送風機を損傷させる危険性の故に、三方ソレノイド弁が正常に連絡しているかどうかを事前に検査する必要性を有する。そうしないと、送風機が始動したときに、三方弁は、必要に応じて流量を分配できず、閉じた状態にある。このようにして、送風機は、過度の背圧の故に損傷する。
【0034】
この実施形態では、空気供給システムは、少なくとも2つの送風機と、少なくとも2つの連絡弁とを備える。1つの送風機は、対応する連絡弁を介して主空気通路に接続され、他の少なくとも1つは、少なくとも1つの連絡弁を介して改質器空気通路およびスタック空気通路にそれぞれ接続されている。少なくとも2つの連絡弁を接続するために、少なくとも2つの送風機が設けられている。3つのバタフライ弁を接続する1つの送風機と比較して、少なくとも2つの送風機がより少ない背圧を受けるとき、送風機の損傷確率は低下する。
【0035】
3つの送風機は、FCMの温度調整を実行するために適用され、あらゆるラインの空気流量をリアルタイムで効果的に調整することができ、したがって、FCMは加熱プロセスで安定して動作することができる。
【0036】
これらの実施形態に対する様々な改変が明らかになるであろう。本明細書で定義されている一般原理は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態で実装することができる。
図1
図2
図3
【国際調査報告】