(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-25
(54)【発明の名称】超音波によって物体を融解させる方法
(51)【国際特許分類】
A47L 1/16 20060101AFI20221117BHJP
【FI】
A47L1/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022518641
(86)(22)【出願日】2020-09-24
(85)【翻訳文提出日】2022-04-26
(86)【国際出願番号】 EP2020076760
(87)【国際公開番号】W WO2021058664
(87)【国際公開日】2021-04-01
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518202367
【氏名又は名称】ユニヴェルシテ ド リール
(71)【出願人】
【識別番号】522111633
【氏名又は名称】セントラール リール アンスティテュート
(71)【出願人】
【識別番号】522111644
【氏名又は名称】ユニベルシテ ポリテクニーク オー-ド-フランス
(71)【出願人】
【識別番号】500531141
【氏名又は名称】セントレ・ナショナル・デ・ラ・レシェルシェ・サイエンティフィーク
(71)【出願人】
【識別番号】522111655
【氏名又は名称】インクレア オー ド フランス
(71)【出願人】
【識別番号】522111666
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デッスヤージュ
(74)【代理人】
【識別番号】100085545
【氏名又は名称】松井 光夫
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【氏名又は名称】村上 博司
(72)【発明者】
【氏名】ペレ,アドリアン
(72)【発明者】
【氏名】ブルターノル,フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】ボウデェイン,ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】チュタニ,ラヴィンダー
(57)【要約】
支持体の片側に配置された物体まで該支持体内を伝播される超音波表面波を合成する為に少なくとも1つの波トランスデューサに電力供給することを含む方法であって、電力供給エネルギーの少なくとも一部が、該トランスデューサによって熱に変換され、該トランスデューサに電力供給する電気エネルギーが、該物体が固体状態にあるときに該物体を融解させること、及び/又は該支持体の温度が該物体の固体化温度未満であるときに該物体を液体状態に維持することを誘発する為の該超音波表面波の熱及び/又はエネルギーに十分である上記方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体(10)の面に配置された物体(15)まで該支持体内を伝播される超音波表面波を合成する為に少なくとも1つの波トランスデューサ(25)に電力供給することを含む方法であって、電力供給エネルギーの少なくとも一部分が、該トランスデューサによって熱形態に変換され、
該トランスデューサに電力供給する電気エネルギーが、
該物体が固体状態にあるときに該物体を融解させること、及び/又は
該支持体の温度が該物体の固体化温度未満であるときに該物体を液体状態に維持すること
を誘発する為の該超音波表面波の熱及び/又はエネルギーに十分である、前記方法。
【請求項2】
該液体状態にある該物体が、少なくとも1つの滴又は少なくとも1つの膜の形態を取る、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該超音波表面波の該エネルギーがまた、該支持体の該面上で該液体状態にある該物体の変位を誘発する為に十分である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
該物体が水性、とりわけ雨水又は露水、である、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
該固体状態にある該物体が、霜、氷、及び雪の中から選択され、又は該液体状態にある該物体が泥である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
該支持体の該温度が0℃未満である、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
該超音波表面波の基本周波数が、0.1MHz~1000MHz、好ましくは10MHz~100MHz、であり、例えば40MHzに等しい、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
該支持体が、とりわけ可視範囲の光に対して又は紫外若しくは赤外範囲の放射線に対して、透明又は半透明である、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
該支持体が、圧電材料、ポリマー、特に熱可塑性プラスチック、ガラス、金属、及びセラミックの中から選択される材料からなる、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
該支持体が、
例えば車両のフロントガラス、バックミラーのガラスの中から選択される、自動車の表面、
ヘッドセットのバイザー、
建物の窓、
センサ、例えば光学センサ、熱センサ、音響センサ又は圧力若しくは速度センサ、とりわけプローブ、例えばピトー・プローブ、
光学デバイスの表面、ここで、該光学デバイスは例えば、カメラのレンズ、アイウェアレンズの中から選択される、及び
そのようなセンサの保護要素、
によって形成される群から選択される、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
該トランスデューサが、該支持体と、又は、該支持体上に配置された中間層、例えば接着剤によって形成された中間層、と、直接接触している、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
該トランスデューサが、第1のコーム(45)及び第2のコーム(50)をそれぞれ形成する第1の電極(35)及び第2の電極(40)を備えている、ここで、該第1及び第2のコームは、櫛形であり、該支持体と直接接触して、及び/又は、該支持体と接触している中間基板、とりわけ該支持体上に配置された中間基板、と接触して配置され、該基板は、圧電材料、特に、ニオブ酸リチウム、窒化アルミニウム、ジルコン酸チタン鉛、酸化亜鉛、及びそれらの混合物によって形成される群から選択される圧電材料からなる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
該トランスデューサがさらに抵抗加熱部材を画定する、ここで、該方法が、該トランスデューサによって該物体を加熱することを含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
該トランスデューサが、該支持体と該トランスデューサとの間を伝播される超音波誘導波を生成する、ここで、該誘導波が、該トランスデューサから距離をおいて配置された該支持体の領域内で該表面波に変換される、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
該支持体、好ましくは請求項10に記載の該支持体、を浄化及び/又は除霜する為に実施される、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
該トランスデューサに電力供給する該電気エネルギーが、
該物体が該固体状態にあるときに該物体を融解させること、及び/又は
該支持体の温度が該物体の固体化温度未満であるときに該物体を該液体状態に維持すること
を誘発する為の該超音波表面波の熱及びエネルギーに十分である、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面に配置された物体(body)を超音波表面波で融解させる方法に、及び好ましくは、該表面上の該融解した物体を変位させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの分野で、環境の温度及び/又は表面の温度が液体の固体化温度未満であるときに、該表面上への該液体の蓄積、及びこの液体の固体化に関連する影響を克服する必要がある。
【0003】
例えば、自動車分野では、冬季条件において、安全な運転を保証する為に、バックミラーのミラー、フロントガラス、又は車両の後部窓を除霜する必要がある。1つの既知の除霜技術は、霜及び/又は氷の層が堆積しているのと反対側のフロントガラスの面に熱風を吹き付けることからなる。しかしながら、そのような技術に必要とされる除霜時間は特に長い。後部窓を除霜するには、均等な間隔を空けた線によって形成される軌跡に従って金属フィラメントを、塊で又はまとまりで内部に配置することが既知の慣行である。該フィラメント内の電流の循環によりジュール効果によって加熱を発生させ、その結果、該フィラメントの近傍にある該霜及び/又は氷の層が融解し水の膜の形態となって、次いで該水の膜が蒸発する。しかしながら、そのようなフィラメントは、該車両の運転者にとって利用可能な後方視野を制限する。さらに、該霜及び/又は氷の層は一般に、該水の膜が蒸発してしまうと支持体と接触したままになる粒子を含む。すると、しばしば続いて該後部窓を清掃することが必要となり、これは面倒であることが分かる。
【0004】
霜及び/又は氷の形成は、センサの動作も乱す。現代の自動車は一般に1つ以上のドライバ支援システムを含んでおり、該システムは、多数のセンサ、例えば光学センサ、例えば車両と物との間の距離を見積もる為のライダー、又はプローブ、例えばピトー・プローブ、を実装する。それらのセンサがリアルタイムで、且つ数ヘルツの取得周波数で情報を供給することができるように、該除霜時間は短くなければならない。さらに、除霜後に液体を消散させる為の手段を組み込むことは、該センサを車両に組み込む為に必要とされるコンパクトさの制約を考慮すると、実際には難しいことが分かる。
【0005】
国際公開第2012/095643(A1)号パンフレットは、降水がフロントガラスに当たると直ちに該降水を蒸発させることにより該フロントガラスを清掃する為の方法を記載する。国際公開第2012/095643(A1)号パンフレットは、該フロントガラスが超音波エネルギーを用いてどのように除霜されることができるかを記載している。
【0006】
国際公開第2017/097769(A1)号パンフレット、特開平08-140898(A)号公報、及び英国特許出願公開第2,518,136(A)号明細書は、支持体上に配置された滴を清掃する為の方法を記載する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それ故に、支持体の表面上の固体物体の形成を防止する、又は上記表面から該固体物体を排出する為の、新しく容易な実施方法であって、様々な形態、大きさ、及び構成材料の媒体に適用されることが可能な方法に対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、支持体の面に配置された物体まで該支持体内を伝播される超音波表面波を合成する為に少なくとも1つの波トランスデューサに電力供給することを含む方法であって、電力供給エネルギーの少なくとも一部分が、該トランスデューサによって熱形態に変換され、
該トランスデューサに電力供給する電気エネルギーが、
該物体が液体状態にあるときに該物体を融解させること、及び/又は
該支持体の温度が該物体の固体化温度未満であるときに該物体を液体状態に維持すること
を誘発する為の該超音波表面波の熱又はエネルギーに十分である、上記方法を提案する。
【0009】
本発明はまた、支持体の面に配置された物体まで該支持体内を伝播される超音波表面波を合成する為に少なくとも1つの波トランスデューサに電力供給することを含む方法であって、電力供給エネルギーの少なくとも一部分が、該トランスデューサによって熱形態に変換され、
該トランスデューサに電力供給する電気エネルギーが、
該物体が液体状態にあるときに該物体を融解させること、及び/又は
該支持体の温度が該物体の固体化温度未満であるときに該物体を液体状態に維持すること
を誘発する為の該超音波表面波の熱及びエネルギーに十分である、上記方法を提案する。
【0010】
以下で明らかになるように、本発明による該方法は、容易に実施される。特に、それは波トランスデューサを実装し、該波トランスデューサは、該支持体を備えるデバイス、又は例えば該支持体を通して度々見ることを必要とされるユーザの動作を乱さないように配置されることができる。
【0011】
該トランスデューサに電力供給する電気エネルギーの少なくとも一部分が、該超音波表面波の該エネルギーに変換される。好ましくは、該トランスデューサに電力供給する該電気エネルギーの5%超が、該超音波表面波の該エネルギーに変換される。
【0012】
該トランスデューサに電力供給する該電気エネルギーの少なくとも一部分が、該トランスデューサによって熱形態に変換される。それは、該支持体内の伝導により、及び/又は放射により、該物体に移動される。
【0013】
好ましくは、該トランスデューサは、電力供給される電極であって、圧電材料と接触している電極を備える。該トランスデューサによって該電気エネルギーが変換されると、ジュール効果による該電極の加熱の結果、及び/又は、該電極を電流が通過する時の該圧電材料の変形による加熱の結果、及び/又は、機械的振動による該支持体からの放散の結果、熱が生じることができる。
【0014】
該熱は、該トランスデューサに電力供給する該電気エネルギーの2%超、さらには5%超、さらには10%超、さらには30%超、さらには40%超に相当することができる。熱に変換される該電気エネルギーの割合は、とりわけ、該超音波の基本周波数、該電極の幅及び厚み、該電極を構成する為に使用される金属の性質、該圧電材料、又は該支持体に、依存することができる。例えば、当業者は、該電極の断面を増すことにより、及び高導電性の該電極を構成する金属を選択することにより、ジュール効果によって熱に変換される該電気エネルギーの該割合をどのように低減するかを知っている。さらに、当業者は、該超音波の該基本周波数を定める為にどのように該電極の該幅を決定するかを知っている。当業者は、とりわけ該電極が櫛形コームを形成している場合に、該電極の該幅、それ故にその断面積が、該周波数と共に減少することを、とりわけ知っている。さらに、当業者は、機械的振動による該支持体からの放散が一般に該超音波の該基本周波数と共に増大することも知っている。
【0015】
熱パワーと、該トランスデューサによる該電力供給電力の変換によって生成される該超音波のパワーとの合計は好ましくは、1ミリワット~500ワットである。当業者は、該トランスデューサに対して該物体が位置している距離に従って、最適な電力供給電力をどのように適合するかが容易に分かる。
【0016】
好ましくは、該超音波表面波に移動されるエネルギーと、熱形態で放散されるエネルギーとの合計は、該トランスデューサによって生成されるエネルギーの90%超、さらには実質的に100%に相当する。
【0017】
該トランスデューサは、抵抗加熱部材を画定することができ、ここで、該方法は、該トランスデューサによって該物体を加熱することを含む。有利には、該物体の融解又は該液体状態への該物体の維持が促進される。
【0018】
好ましくは、該超音波表面波の該エネルギーは、該支持体の該面上で該液体状態にある該物体の変位を誘発する為にも十分である。有利には、該方法は、よって、該支持体からそれを覆っている該物体を取り除く為に実施されることができる。該超音波表面波のパワーは、1ミリワット~500ワットであることができる。該液体状態にある該物体の変位は、該支持体の該面に含まれる1以上の軸に従って発生することができる。
【0019】
好ましくは、該表面波の該エネルギーはまた、外力がないときに、該支持体の該面上で該液体状態にある該物体の、該表面波の伝播方向への変位を誘発する為に十分である。特に、該物体の変位は、該物体に加えられる外力が、該表面波の伝播方向に対して実質的に逆の、とりわけ反対方向又は直角の、方向に方向付けされている変形例において、発生することができる。語「外力」は、該超音波表面波によって誘発される音響力以外の任意の力を意味するものと理解される。該物体の重量、又は該物体上での液体の流れによって誘発される空気力学的力が、外力の例である。
【0020】
該液体状態にある該物体の変位はとりわけ、音響ストリーミングの非線形の音響効果及び/又は該超音波表面波によって誘発される放射圧から生じることができる。
【0021】
該物体の最適な融解又は該液体状態への該物体の維持を保証する為に、該超音波表面波の該基本周波数は好ましくは、0.1MHz~1000MHz、好ましくは10MHz~100MHz、であり、例えば40MHzに等しい。
【0022】
該超音波表面波の振幅は、1ピコメートル~500ナノメートルであることができる。それはとりわけ、音響波の基本周波数に依存することができる。それは、該超音波表面波が伝播される該支持体の該面の垂直方向の変位に対応し、レーザ干渉測定によって測定されることができる。
【0023】
該超音波表面波は、レイリー波又はラム波であることができる。特に、該支持体が該超音波表面波の波長よりも大きい厚みを有する場合、それはレイリー波であることができる。レイリー波は、該波のエネルギーの最大の割合が、それが伝播される該支持体の該面に集中し、該物体に伝達されることができる為、好ましい。
【0024】
該物体は、該固体状態にある部分と、該液体状態にある部分とを備えることができる。例えば、該物体は水であることができ、霜状、氷状、又は雪状の部分と、該霜状、氷状、又は雪状の部分とそれぞれ接触している液体部分とによって形成されることができる。
【0025】
該液体状態にある該物体は、少なくとも1つの滴又は少なくとも1つの膜の形態を取ることができる。「膜」は、該支持体上に形成された薄膜を意味するものと理解される。該膜は、連続的又は非連続的であることができる。
【0026】
該物体は、水性であることができる。特に、それは、雨水又は露水であることができる。該雨水及び/又は露水は、とりわけ粒子を含むことができる。露水は、該支持体の表面上で泥を形成する。それは、空気に含まれる蒸気形態の水が、その場の圧力及び温度条件で該支持体上に結露する結果生じる。該物体は、該支持体上で固体化する前に結露によって堆積していることができる。
【0027】
該固体状態にある該物体は、霜、氷、及び雪の中から選択されることができる。該液体状態にある該物体は、泥であることができる。「霜」は、該支持体上に堆積される前に固体化した水の滴によって形成される。「氷」は、該支持体に結露し、次いで該支持体上で固体化した水の滴によって形成される。
【0028】
該物体は、該トランスデューサからある距離にあることができる。
【0029】
該支持体は、超音波表面波を伝播することが可能な任意の材料からなることができる。好ましくは、それは、0.1MPaより大きい、例えば10MPaより大きい、さらには100MPaより大きい、さらには1000MPaより大きい、さらには10000MPaより大きい、弾性係数を有する材料からなる。そのような弾性係数を有する材料は、超音波表面波の伝播に特に適する硬さを有する。
【0030】
該支持体は、自重で破断することなく、とりわけ弾性的に、変形されることができる限り、自己支持型であることができる。
【0031】
長手方向の表面波が伝播される該支持体の該面は、平坦であることができる。それは、該面の曲率半径が該超音波表面波の該波長よりも大きければ、湾曲していることもできる。
【0032】
該面は、粗面であることができる。粗さは好ましくは、該超音波表面波の伝播に有意に影響することを防ぐ為に、該超音波表面波の基本波長よりも小さい。
【0033】
該支持体はとりわけ、平坦な板、又は1つの方向に少なくとも1つの湾曲を有する板の形態を取ることができる。該板の該厚みは、0.1m未満、さらには0.01m未満であることができる。該板の長さは、1mmより大きい、さらには1cmより大きい、さらには1mより大きいものであることができる。
【0034】
「該支持体の厚み」は、該超音波が伝播される該表面に対して直角の方向に測定される、該支持体の最も小さい寸法を考えることによって理解される。
【0035】
該支持体は、水平に対して平らに配置されることができる。変形例として、それは、該水平に対して、10°よりも大きい、さらには20°よりも大きい、さらには45°よりも大きい、さらには70°よりも大きい角度αだけ、傾斜されることができる。それは、垂直方向に配置されることができる。
【0036】
該支持体は、とりわけ可視範囲の光に対して又は紫外若しくは赤外範囲の放射線に対して、光学的に透明であることができる。よって、該方法は、その場合、該支持体を通して周囲状況を観察するユーザの視覚的快適さを向上することが求められる用途に特に適する。
【0037】
該支持体は、圧電材料、ポリマー、特に熱可塑性プラスチック、とりわけポリカーボネート、ガラス、金属、及びセラミックの中から選択される材料からなることができる。
【0038】
好ましくは、該支持体は、圧電材料以外の材料からなる。
【0039】
好ましくは、該支持体は、
例えば車両のフロントガラス、バックミラーのガラスの中から選択される、自動車の表面、又は
ヘッドセットのバイザー、
建物の窓、
センサ、例えば光学センサ、熱センサ、音響センサ又は圧力若しくは速度センサ、とりわけプローブ、例えばピトー・プローブ、
例えばカメラのレンズ、アイウェアレンズの中から選択される、光学デバイスの表面、及び
そのようなセンサの保護要素、
によって形成される群から選択される。
【0040】
他のタイプの支持体が構想されることができる。とりわけ、該支持体は、とりわけマイクロ流体用途向けの、ラボオンチップ(laboratory-on-a-chip)の基板であることができる。該支持体は、電気ケーブルであることができる。例えば、該支持体が高圧電線及び/又は列車の電力供給線の電気ケーブルである変形例において、該方法は、該ケーブルに蓄積した氷の重さの影響による該ケーブルの損傷、さらには破断のリスクを低減する。
【0041】
該支持体は、航空機の構造体の要素、例えば翼、胴体、又は尾翼、であることができる。
【0042】
該支持体は、熱交換器の要素、配管設備、及び換気システムの要素の中から選択されることもできる。そのような媒体は一般に、例えば結露により、堆積し、且つ固体化することができる液体の滴を消散する為にアクセスするのが難しい表面を有する。それ故に、本発明による該方法は、特にはこのタイプの支持体に適する。
【0043】
該支持体は、食料保管要素、例えば冷蔵庫の内部壁、又は固体化することができる液体の結露にさらされる壁、であることができる。例えば、冷蔵庫内では、壁への水の滴の結露及びその固体化が、該壁と該冷蔵庫の冷気ボリュームとの間の熱交換を増加させ、その効率を低下させる。
【0044】
先にすでに説明されているように、本発明による該方法は、低い温度に遭遇する用途において実施されることができる。該支持体の温度は、0℃未満であり、さらには-10℃未満であることができ、好ましくは、該物体は水性である。
【0045】
該トランスデューサは、該支持体に固定されることができる。特に、それは、該支持体の端部に配置されることができる。
【0046】
該トランスデューサは、少なくとも部分的に該支持体、特に該物体が配置される該支持体の該面、を覆うことができる。該トランスデューサによって覆われる該支持体の面積と、該物体が配置される該支持体の該面の面積との比は、15%未満であることができる。
【0047】
該物体は、該トランスデューサが固定される該支持体の該面、又は該トランスデューサが固定される該支持体の該面と反対側の面と接触していることができる。該物体は、該トランスデューサが固定される該支持体の該面と接触していることができ、別の物体が、該物体が配置される該面と接触していることができる。
【0048】
該トランスデューサは、該超音波表面波を直接生成することができる。変形例として、それは、超音波誘導波を生成することができ、該超音波誘導波は、該支持体と該トランスデューサとの間の界面において伝播され、次に、該トランスデューサから距離をおいて配置された該支持体の部分に沿って該超音波表面波に変換される。
【0049】
該トランスデューサは、該支持体と、又は、該支持体上に配置された中間層、例えば接着剤によって形成された中間層、と、直接接触していることができる。
【0050】
好ましくは、該トランスデューサは、第1のコーム及び第2のコームをそれぞれ形成する第1の電極及び第2の電極を備えており、ここで、該第1及び第2のコームは、櫛形であり、該支持体上に配置されるか、及び/又は、該支持体と直接接触して、及び/又は、該支持体と接触している中間基板、とりわけ該支持体上に配置された中間基板、と接触して配置され、該基板は圧電材料からなる。
【0051】
該圧電材料は、ニオブ酸リチウム、窒化アルミニウム、ジルコン酸チタン鉛、酸化亜鉛、及びそれらの混合物によって形成される群から選択されることができる。該圧電材料は、可視範囲の光に対して不透明であることができる。
【0052】
一つの変形例において、該支持体は圧電材料によって形成され、該トランスデューサは該支持体を備えている。該第1及び第2のコームは好ましくは、該支持体に接触して配置される。
【0053】
別の変形例において、該支持体は、圧電材料以外の材料からなり、該電極は該中間基板上に配置される。
【0054】
該第1及び第2の電極は、フォトリソグラフィにより、該支持体及び/又は該基板上に堆積されることができる。
【0055】
該第1及び第2の電極は、該支持体と該基板との間に挟まれることができ、それは好ましくは、該超音波誘導波の該基本波長よりも大きい、さらには少なくとも2倍大きい、厚みを有する。変形例として、該基板は、該支持体と該第1及び第2の電極との間に挟まれることができ、好ましくは、該超音波誘導波の該基本波長よりも小さい厚みを有する。
【0056】
さらに、該方法は、保護部材による圧電基板の保護を含むことができる。特に、該トランスデューサは、該保護部材及び該支持体によって画定される空洞に収容されることができる。該基板のうち該第1及び第2の電極がない面の少なくとも1つ、さらには全てが、該保護部材と接触していることができる。
【0057】
該第1及び第2のコームは好ましくは、指の列がそこから延びる基部を備えることができ、該指は好ましくは、互いと平行である。該指は、該超音波の該基本波長を8で割った値と、該超音波の該基本波長を2で割った値との間にある幅を有することができる。該指の該幅は、該超音波表面波の該基本周波数を部分的に決定する。さらに、小さい指幅は、該トランスデューサの電気抵抗を増大させ、該電気抵抗は、該物体の融解又は該液体状態への該物体の維持に寄与することができる加熱によって反映されることができる。
【0058】
さらに、該第1のコーム及び該第2のコームそれぞれの列のうち2つの連続して隣接する指間の間隔は、該超音波の該基本波長を8で割った値と、該超音波の該基本波長を2で割った値との間にあることができる。
【0059】
櫛形の指の数は、該トランスデューサの品質係数を増大させる為に増加されることができる。
【0060】
該基板は、例えば化学気相成長又は物理気相成長によって、該支持体上に堆積された薄層であることができる。変形例として、該基板は、自己支持型である、すなわち、自重の影響下で曲がらないだけの剛性を有することができる。該自己支持型の基板は、該支持体に固定、例えば接着、される。
【0061】
該物体は、該トランスデューサからある距離にある。該トランスデューサから最も遠い該物体の部分は、1メートルの最大距離にあることができる。
【0062】
さらに、該方法は好ましくは、該トランスデューサに電力供給することを含む。
【0063】
該トランスデューサの該電力供給は、導体に電気的に接続され200ミリワット~500ワットの電力を送出する発電機を用いて提供されることができる。
【0064】
好ましい実装形態において、該方法は、自動車の表面、ヘッドセットのバイザー、光学デバイスの表面、及びそのような光学デバイスの保護要素によって形成される群から選択される該支持体を浄化及び/又は除霜する為に実施される。
【0065】
本発明は、その非制限的な例示的実装形態についての以下の詳細な説明を読み、以下の添付図面を考察すると、よりよく理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【
図1】
図1は、第1の実装態様による方法を実施する為のデバイスを斜視図によって概略的に表す。
【
図2】
図2は、図に示される該デバイスの断面図である。
【
図3】
図3は、第2の実装態様による本発明による方法を実施する為のデバイスを概略的に表す。
【
図4】
図4は、第3の実装態様による本発明による方法を実施する為のデバイスを概略的に断面図によって表す。
【
図5】
図5は、第4の実装態様による本発明による方法を実施する為のデバイスを概略的に断面図によって表す。
【
図6a】
図6aは、本発明による該方法を用いた、霜で覆われたガラス支持体の除霜を示す写真である。
【
図6b】
図6bは、本発明による該方法を用いた、霜で覆われたガラス支持体の除霜を示す写真である。
【
図6c】
図6cは、本発明による該方法を用いた、霜で覆われたガラス支持体の除霜を示す写真である。
【
図7a】
図7aは、本発明による該方法を用いた、氷で覆われたガラス支持体の除霜を示す写真である。
【
図7b】
図7bは、本発明による該方法を用いた、氷で覆われたガラス支持体の除霜を示す写真である。
【
図7c】
図7cは、本発明による該方法を用いた、氷で覆われたガラス支持体の除霜を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
図の構成要素は、明瞭性の為に実際の縮尺では表されていない。
【0068】
図1及び
図2は、本発明による該方法を実施する為のデバイス5を示す。
【0069】
該デバイスは、超音波表面波を伝播することが可能な支持体10と、該支持体の面20に配置された物体15と、該物体が載っている該支持体の該面に配置された、該表面波を生成する為の波トランスデューサ25とを備える。
【0070】
該支持体は、例えば可視光に対して透明である。それは、ガラスからなることができる。
【0071】
該トランスデューサは、第1の電極35及び第2の電極40が配置された基板30を備える。該基板は、例えば128°Yカットニオブ酸リチウムからなる。
【0072】
該基板は、該支持体の上に堆積された薄層によって形成され、該支持体の厚みは、該トランスデューサによって生成される該波の基本波長よりも小さい。よって、該トランスデューサによって生成される該波は、該支持体内で直接伝達される。
【0073】
該電極は、蒸着又はスパッタリング法によって形成され、フォトリソグラフィによって形成される。それらは、クロム、アルミニウム、又は接着層、例えばチタン、と、導電層、例えば金、との組み合わせからなることができる。
【0074】
該第1及び第2の電極は、第1のコーム45及び第2のコーム50を形成する。各コームは、基部55、60と、該基部から互いに平行に延びる指65、70の列とを備える。該第1及び第2のコームは櫛形である。
【0075】
該第1のコーム、該第2のコームそれぞれの該指の各々は、該超音波表面波の該基本波長を4で割った値に等しい幅lを有し、一つのコームの2つの連続した指間の間隔Sは、該超音波表面波の該基本波長を4で割った値に等しい。
【0076】
該指間の該間隔は、当業者が容易に決定することができる該トランスデューサの共振周波数を決定する。交流電圧が生成器80によって印加され、該トランスデューサが超音波表面波を生成できるように増幅されることができる。
【0077】
該第1及び第2の電極の交流電力供給は、圧電材料からの機械的反応を誘発し、その結果、超音波表面波Wが発生し、該超音波表面波Wは、伝播方向Pに従って、とりわけ該支持体上に配置された該物体に向かって、該支持体内で伝播される。
【0078】
所定の基本周波数の波を生成するように構成されたトランスデューサには、該物体を融解させる、及び/又はそれを液体状態に維持するのに十分な該トランスデューサによって生成されるエネルギーの決定は、当業者にとって容易である。とりわけ、当業者は、該超音波表面波の該基本周波数を、該波を生成する為の電気信号の該周波数とどのように関係付けるかを知っている。そして、当業者は、該トランスデューサに供給される適切な電気エネルギーを決定する為に、どのように該電気信号の振幅を変化させるかを知っている。
【0079】
本発明による該方法は、該支持体の温度が該物体の固体化温度未満であるときに、該物体の融解又は液体状態への該物体の維持を誘発する、幾つかの物理的現象を実現する。該支持体内を伝播される超音波は、該物体によって吸収及び放散され、それに伴って、該物体に伝達される該超音波のエネルギーの一部が放散することにより、該物体の温度が上昇する。さらに、該波トランスデューサは、該超音波を生成する為の該電流の通過の影響下でジュール効果によって加熱することができ、該物体の温度の該上昇に寄与する。最終的に、該超音波表面波は、液体状態の該物体を、とりわけ該波の伝播方向に、変位させることができる。よって、液体状態の該物体は、固体状態にある該物体の別の部分と接触し、この別の部分の加熱に寄与し、さらには融解を進めることができる。
【0080】
該物体は、固体状態又は液体状態にあることができる。特に、該物体の一部は固体状態にあることができ、該物体の一部は液体状態にあることができる。例えば、該物体が雨水であり、該支持体の温度が該水の固体化温度未満である場合、該支持体に達した雨の滴は、それが該支持体と接触してから経過した時間に応じて、固体状態又は液体状態にあることができる。
【0081】
図3のデバイス5は、該支持体10が圧電材料であり、該デバイスが中間基板を含まない点で
図1のものと異なる。該第1のコーム45及び第2のコーム50は、該支持体と直接接触している。
【0082】
図4のデバイスは、幾つかの観点で
図1の該デバイスと異なる。該トランスデューサは基板30を備え、該第1の電極35及び第2の電極40は、該支持体10と該基板30との間に挟まれている。さらに、該トランスデューサは、該基板に接着される。電流が該第1及び第2の電極を通過するとき、該トランスデューサは超音波誘導波Gを生成し、それが該支持体と該基板との間を伝播される。該誘導波がその伝播方向に沿って該基板の端90に達すると、それは超音波表面波Wに変換されて、実質的に該誘導波の伝播方向Pと同じ方向に従って、該基板から離れた該支持体の部分100の中を伝播される。表面波への該誘導波の変換は、該支持体の該部分100内の2つの固体の間に界面が存在しないことから生じる。
【0083】
図4に示される該デバイスを用いた該方法の実施の態様は、該第1及び第2の電極を保護する利点をもたらす。例えば、該物体は、液体状態にあるとき、該電極の上を流れてそれらを酸化させることができない。さらに、任意的に、
図4に示される該デバイスは、該トランスデューサの筐体110を該支持体と共に画定する保護部材105を備えることができる。例えば、該デバイス5が可動性である場合、物が該デバイスにぶつかることによる該トランスデューサの損傷が回避される。
【0084】
図5に示される該トランスデューサは、非圧電材料からなる支持体と、該支持体と接触して配置された接触超音波トランスデューサ112とを備える。該トランスデューサから該支持体への該波の伝播を最適化する為に、結合材料、例えばゲル又は接着剤、が音響トランスデューサと該支持体との間に配置されることができる。図示されない第1の変形例において、とりわけ該支持体が該超音波表面波の波長よりも小さい厚みを有する、及び/又は後者がラム波である場合、該接触超音波トランスデューサは好ましくは、該超音波が伝播される該表面に対して直角に配置される。同じ種類の第2のトランスデューサが、該超音波が伝播される面と反対側の該支持体の面に配置されることができる。第2の変形例において、
図5に示されるように、とりわけ該支持体が該超音波表面波の波長よりも大きい厚みを有する、及び/又は後者がレイリー波である場合、該接触超音波トランスデューサは、例えばブート114を用いて、該トランスデューサの軸が、該超音波表面波が伝播される表面に対する垂線と90°未満の角度θを形成するように配置され、且つその値は、スネル-デカルトの法則を使用することによって決定されることができる。
【0085】
実施例1
実施例1による該方法の実施を準備する為に、1mmの厚み及び76mmの直径を有する圧電支持体115が利用可能にされた。
【0086】
図1に示されるような2つの櫛形電極が、該支持体上に蒸着によって堆積され、フォトリソグラフィによって形成されて、トランスデューサ25を形成した。該電極は、
図1に示されるようなコーム形態を有する。それらは各々20本の指を有し、該指は、7.9mmの長さ及び25μmの幅を有し、互いから25μmの間隔が空けられている。該電極は、IFR2023A生成器及びEmpowerブランドの増幅器、モデルBBM0D3FEに接続されて、該支持体中内で伝播されるレイリー波を生成する。生成される該超音波表面波のエネルギーは、レーザ干渉測定による該表面の垂直方向の変位の測定及び該波の周波数に基づいて計算される。
【0087】
冷蔵トラック内での3℃の温度における液体の水の蒸発を通じて、霜の層120が支持体円盤の表面に形成され、-20℃の温度に維持された該トラック内で冷却される。
【0088】
38.4MHzの周波数をもつ電流が生成され、該トランスデューサが超音波表面波を生成するように該電極を通過する。
【0089】
図6a)~6c)は、該トランスデューサの端子に電流を印加してからそれぞれ1、3、及び14秒後の除霜の過程を示す。
【0090】
図6a)に見られるように、第1の事例において、該トランスデューサによる該霜の融解が観察され、これは主として、画像内で垂直方向である該波の伝播方向Pである。その後、
図6b)及び
図6c)に観察されるように、該除霜は、該波の該伝播方向における該霜の融解の結果生じる液体の滴の変位によって促進される。該滴は、該霜と接触し、該超音波表面波の該エネルギーの放散によって該滴が蓄積していた熱を伝導によって伝える。さらに、該除霜は、該波の該伝播方向に、及び横断方向に従って生じる。
【0091】
実施例2
実施例2による方法の実施を準備する為に、該方法は、該支持体円盤があらかじめ氷の膜で覆われた以外は、試験1と同様であった。
【0092】
図7a)~7c)は、該トランスデューサの該端子に電流を印加してからそれぞれ1、6、及び30秒後の氷の融解の過程を示す。該実施例1と実質的に同じ効果が観察される。
【0093】
言うまでもなく、本発明は、本説明に提示された該方法の実施の態様、とりわけ該実施例に制限されない。
【手続補正書】
【提出日】2022-04-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体(10)の面に配置された物体(15)まで該支持体内を伝播される超音波表面波を合成する為に少なくとも1つの波トランスデューサ(25)に電力供給することを含む方法であって、電力供給エネルギーの少なくとも一部分が、該トランスデューサによって熱形態に変換され、
該トランスデューサに電力供給する電気エネルギーが、
該物体が固体状態にあるときに該物体を融解させること、及び/又は
該支持体の温度が該物体の固体化温度未満であるときに該物体を液体状態に維持すること
を誘発する為の該超音波表面波の熱及び/又はエネルギーに十分である、前記方法。
【請求項2】
該液体状態にある該物体が、少なくとも1つの滴又は少なくとも1つの膜の形態を取る、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該超音波表面波の該エネルギーがまた、該支持体の該面上で該液体状態にある該物体の変位を誘発する為に十分である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
該物体が水性
である、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
該固体状態にある該物体が、霜、氷、及び雪の中から選択され、又は該液体状態にある該物体が泥である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
該支持体の該温度が0℃未満である、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
該超音波表面波の基本周波数が、0.1MHz~1000MHz
であ
る、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
該支持体が
、可視範囲の光に対して又は紫外若しくは赤外範囲の放射線に対して、透明又は半透明である、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
該支持体が、圧電材料、ポリマー
、ガラス、金属、及びセラミックの中から選択される材料からなる、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
該支持体が、
自動車の表面、
ヘッドセットのバイザー、
建物の窓、
センサ
、
光学デバイスの表面
、及び
そのようなセンサの保護要素、
によって形成される群から選択される、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
該トランスデューサが、該支持体と、又は、該支持体上に配置された中間層
と、直接接触している、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
該トランスデューサが、第1のコーム(45)及び第2のコーム(50)をそれぞれ形成する第1の電極(35)及び第2の電極(40)を備えている、ここで、該第1及び第2のコームは、櫛形であり、該支持体と直接接触して、及び/又は、該支持体と接触している中間基板と接触して配置され、該基板は、圧電材料
からなる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
該トランスデューサがさらに抵抗加熱部材を画定する、ここで、該方法が、該トランスデューサによって該物体を加熱することを含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
該トランスデューサが、該支持体と該トランスデューサとの間を伝播される超音波誘導波を生成する、ここで、該誘導波が、該トランスデューサから距離をおいて配置された該支持体の領域内で該表面波に変換される、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
該支持体
を浄化及び/又は除霜する為に実施される、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
該トランスデューサに電力供給する該電気エネルギーが、
該物体が該固体状態にあるときに該物体を融解させること、及び/又は
該支持体の温度が該物体の固体化温度未満であるときに該物体を該液体状態に維持すること
を誘発する為の該超音波表面波の熱及びエネルギーに十分である、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【国際調査報告】