IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中興通訊股▲ふん▼有限公司の特許一覧

特表2022-549459セルサーチ方法、装置、ユーザ端末および記憶媒体
<>
  • 特表-セルサーチ方法、装置、ユーザ端末および記憶媒体 図1
  • 特表-セルサーチ方法、装置、ユーザ端末および記憶媒体 図2
  • 特表-セルサーチ方法、装置、ユーザ端末および記憶媒体 図3
  • 特表-セルサーチ方法、装置、ユーザ端末および記憶媒体 図4
  • 特表-セルサーチ方法、装置、ユーザ端末および記憶媒体 図5
  • 特表-セルサーチ方法、装置、ユーザ端末および記憶媒体 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-25
(54)【発明の名称】セルサーチ方法、装置、ユーザ端末および記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/16 20090101AFI20221117BHJP
【FI】
H04W48/16 110
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022518846
(86)(22)【出願日】2020-08-07
(85)【翻訳文提出日】2022-03-23
(86)【国際出願番号】 CN2020107897
(87)【国際公開番号】W WO2021057285
(87)【国際公開日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】201910932219.8
(32)【優先日】2019-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】辺志耀
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA15
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067JJ71
(57)【要約】
【課題】本願は、通信分野に関し、セルサーチ方法、装置、ユーザ端末および記憶媒体を開示する。
【解決手段】本願において、予め取得された同期信号ブロックの先頭アドレスとデータ長によって、下りデータからデータを切り出し、ここで、先頭アドレスとデータ長は、下りデータを伝送するための報知チャネル伝送プロトコルに基づいて予め取得され、切り出されたデータを解析して、セル情報を取得する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め取得された同期信号ブロックの先頭アドレスとデータ長によって、下りデータからデータを切り出し、ここで、前記先頭アドレスと前記データ長は、前記下りデータを伝送するための報知チャネル伝送プロトコルに基づいて予め取得されることと、
切り出された前記データを解析して、セル情報を取得することと、を含む、
ことを特徴とするセルサーチ方法。
【請求項2】
前記同期信号ブロックの先頭アドレスの予め取得された方法は、具体的に、前記セルサーチ方法に使用されるユーザ端末と前記下りデータの送信側との同期時間差と、前記報知チャネル伝送プロトコルに基づいてそれぞれ決定された前記同期信号ブロックの時間領域位置およびセルカバー範囲によって、前記同期信号ブロックの先頭アドレスを計算することである、
ことを特徴とする請求項1に記載のセルサーチ方法。
【請求項3】
前記の予め取得された同期信号ブロックの先頭アドレスとデータ長によって下りデータからデータを切り出すことの前に、さらに、
前記ユーザ端末が非同期してからセルサーチをスタートしたことを検出した時、非同期前のローカル記録の前記ユーザ端末と前記下りデータの送信側との前記同期時間差を取得すること、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載のセルサーチ方法。
【請求項4】
前記の予め取得された同期信号ブロックの先頭アドレスとデータ長によって前記下りデータからデータを切り出すことの前に、さらに、
前記ユーザ端末が起動してからセルサーチをスタートしたことを検出した場合、前記ユーザ端末に測位センサが含まれていると、前記測位センサによって前記ユーザ端末を前記下りデータの送信側と同期させ、且つ前記同期時間差をゼロに設定すること、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載のセルサーチ方法。
【請求項5】
前記の前記セルサーチ方法に使用されるユーザ端末と前記下りデータの送信側との同期時間差と、前記報知チャネル伝送プロトコルに基づいてそれぞれ決定された前記同期信号ブロックの時間領域位置およびセルカバー範囲によって、前記同期信号ブロックの先頭アドレスを計算することは、具体的に、
前記同期時間差、前記時間領域位置、および前記セルカバー範囲における最大範囲値によって、前記同期信号ブロックの先頭アドレスを計算することである、
ことを特徴とする請求項2に記載のセルサーチ方法。
【請求項6】
前記セルカバー範囲の予め設定された方法は、前記報知チャネル伝送プロトコルに基づいて決定された上り・下りのガードインターバルと推定された上り・下りの変換時間から算出されることである、
ことを特徴とする請求項2に記載のセルサーチ方法。
【請求項7】
前記データ長の予め設定された方法は、前記報知チャネル伝送プロトコルに基づいて決定されたユーザ端末がサポートするサンプリング点数と、前記報知チャネル伝送プロトコルに基づいて決定されたセルカバー範囲から算出されることである、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれかの1項に記載のセルサーチ方法。
【請求項8】
予め取得された同期信号ブロックの先頭アドレスとデータ長によって、報知チャネル伝送プロトコルに基づいて伝送された下りデータからデータを切り出すのに使われるデータ取得モジュールと、
切り出されたデータを解析してセル情報を取得するのに使われる解析モジュールと、
前記下りデータを伝送するための報知チャネル伝送プロトコルに基づいて、予め前記同期信号ブロックの先頭アドレスとデータ長を取得するのに使われるパラメータ取得モジュールと、を備える、
ことを特徴とするセルサーチ装置。
【請求項9】
少なくとも一つのプロセッサと、
前記少なくとも一つのプロセッサと通信可能に接続されるメモリと、を備え、
前記メモリは、前記少なくとも一つのプロセッサによって実行され得る命令を記憶し、前記命令は、前記少なくとも一つのプロセッサが請求項1~7のいずれか1項に記載のセルサーチ方法を実行できるように、前記少なくとも一つのプロセッサにより実行される、
ことを特徴とするユーザ端末。
【請求項10】
プロセッサによって実行される際に請求項1~7のいずれか1項に記載のセルサーチ方法を実現するコンピュータプログラムが格納されている、ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、出願番号が201910932219.8であり、出願日が2019年9月29日である中国特許出願に基づいて提出され、この中国特許出願についての優先権を主張するものであり、この中国特許出願の開示全体は、援用により本願に組み込まれるものとする。
【技術分野】
【0002】
本願の実施例は、通信分野に関し、特に、セルサーチ方法、装置、ユーザ端末および記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
セルサーチは、ユーザ端末UE(User Equipment)がシステムの時間同期と周波数同期を取得し、システム情報(セルID番号、システム帯域幅およびその他のセル放送情報など)を読み取り、後続のデータ伝送を行うことを保証するためである。つまり、ユーザ端末UEがあるセルにアクセスするためには、セルサーチ、セルシステム情報取得、ランダムアクセスなどのプロセスを完了させる必要があり、その中でセルサーチは後続の各プロセスの重要な前提の一つであり、移動通信システムアプリケーションでは、ユーザ端末がスタートした後、必ずできるだけ早く適切なセルをサーチしてからはじめて本セルの詳細情報を取得でき、ユーザ端末はセルにログインしてからはじめてネットワークのサービスを利用できる。
【発明の概要】
【0004】
本願の実施形態は、セルサーチ方法、装置、ユーザ端末および記憶媒体を提供することを目的とする。
【0005】
本願の実施形態は、セルサーチ方法を提供し、このセルサーチ方法では、予め取得された同期信号ブロックの先頭アドレスとデータ長によって、下りデータからデータを切り出し、ここで、前記先頭アドレスと前記データ長は、前記下りデータを伝送するための報知チャネル伝送プロトコルに基づいて予め取得されることと、切り出された前記データを解析して、セル情報を取得することと、を含む。
【0006】
本願の実施形態は、セルサーチ装置をさらに提供し、このセルサーチ装置は、予め取得された同期信号ブロックの先頭アドレスとデータ長によって、前記報知チャネル伝送プロトコルに基づいて伝送された下りデータからデータを切り出すのに使われるデータ取得モジュールと、切り出されたデータを解析してセル情報を取得するのに使われる解析モジュールと、前記下りデータを伝送するための報知チャネル伝送プロトコルに基づいて、予め前記同期信号ブロックの先頭アドレスとデータ長を取得するのに使われるパラメータ取得モジュールと、を備える
【0007】
本願の実施形態は、ユーザ端末をさらに提供し、このユーザ端末は、少なくとも一つのプロセッサと、前記少なくとも一つのプロセッサと通信可能に接続されるメモリと、を備え、前記メモリは、前記少なくとも一つのプロセッサによって実行され得る命令を記憶し、前記命令は、前記少なくとも一つのプロセッサが上記のセルサーチ方法を実行できるように、前記少なくとも一つのプロセッサにより実行される。
【0008】
本願の実施形態は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供し、このコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、プロセッサによって実行される際に上記のセルサーチ方法を実現するコンピュータプログラムが格納されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
一つまたは複数の実施例は、それに対応する添付図面における図で例示的に説明され、これらの例示的な説明は、実施例を限定するものではない。図面において、同じ参照番号を有する要素は、類似の要素として表され、特に断りのない限り、添付図面における図は縮尺制限を構成しない。
【0010】
図1図1は、本願の第1実施形態に係るセルサーチ方法のフローチャートである。
図2図2は、本願の第1実施形態に係るセルサーチ方法のフローチャートである。
図3図3は、本願の第2実施形態に係るセルサーチ方法のフローチャートである。
図4図4は、本願の第3実施形態に係るセルサーチ方法のフローチャートである。
図5図5は、本願の第4実施形態に係るセルサーチ装置の構成を示す図である。
図6図6は、本願の第5実施形態に係るユーザ端末の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本願の目的、技術考案及び利点をより明確にするために、以下、図面を参照しながら本願の各実施形態を詳しく説明する。ただし、本発明の各実施形態において、本発明に対する理解を便宜にするために、多くの技術的細部が記載されているが、これらの技術的細部及び以下の各実施形態に基づく種々の変化及び修正がなくても、本願が保護しようとする技術考案を実現可能であることは、当業者にとって理解し得ることである。以下の各実施例の区分は説明の便宜のためであり、本願の具体的な実施形態に何ら限定されるものではなく、各実施例は矛盾がない前提で互いに結合し、互いに引用することができる。
【0012】
現在、ユーザ端末はPSS(Primary Synchronization Signal,プライマリ同期信号)とSSS(Secondary Synchronization Signal、セカンダリ同期信号)を利用してダウンリンク同期過程を完成させており、ダウンリンク同期とはユーザ端末が下りデータの送信側の信号と同期することである。
【0013】
本発明者らは、PSS信号が送信側で時間領域に直接マッピングされるため、ユーザ端末がセルサーチ過程を完成させるためにすべてのPSSの可能な時間領域位置で解析を試みる必要があり、またすべてのSSSの可能な周波数領域位置で解析を試みる必要があることを発見した。通信技術の急速な発展に伴い、PSSの時間領域位置とSSSの周波数領域位置はプロトコルによって現れる可能性がますます多くなり、例えば、5G NR(5th Generation New Radio)ではPSSの時間領域位置はプロトコルによって最大64種類の可能性があり、SSSの周波数領域位置は広帯域全体で固定されなくなる。また、同期信号ブロックSSB(SS/PBCH block)はPSS、SSS、PBCHで一緒に構成され、同期信号ブロックの伝送周期にも5ms、10ms、20ms、40ms、80ms、160msなど多くのオプションがある。したがって、異なる周期と時間・周波数領域位置によって多くのシーンを組み合わせることができ、ユーザ端末がプロトコルに基づいてセルサーチプロセスを完成させるのに処理する必要があるデータ長は400万Ts(1Ts=1/(15000*2048)s)以上のデータに達し、時間がかかりすぎる。これに基づいて、本発明者らは本願の技術案を提案した。
【0014】
本願の第1実施形態はセルサーチ方法に関する。その具体的なプロセスは図1に示す。
【0015】
ステップ101:予め取得された同期信号ブロックの先頭アドレスとデータ長によって、下りデータからデータを切り出す。
【0016】
ここで、先頭アドレスと前記データ長は、下りデータを伝送するための報知チャネル伝送プロトコルに基づいて予め取得される。
【0017】
ステップ102:切り出されたデータを解析して、セル情報を取得する。
【0018】
本実施形態のセルサーチ方法はユーザ端末に適用することができ、ここで、ユーザ端末は携帯電話など、ネットワークに接続可能な任意の電子デバイスである。本実施形態において下りデータを伝送するための報知チャネル伝送プロトコルは、5G NRプロトコル(5th Generation New Radio、5G NRと略す)であってもよい。本実施形態および以下の各実施形態ではいずれも5G NRプロトコルを例に説明するが、これに限定されるものではない。
【0019】
ステップ101では、下りデータは下りデータの送信側からユーザ端末に伝送され、下りデータの送信側は基地局などであってもよい。同期信号ブロックSSBの先頭アドレスSSBStartは、各下りデータフレームにおけるSSBの開始位置を示し、ユーザ端末はSSBが存在する可能性のある各周波数領域位置の下りデータフレームからデータを切り出す。すなわち、異なる周波数領域位置の下りデータフレームに対して、先頭アドレスSSBStartからデータ長がSSBLengthのデータを毎回切り出す。したがって、ユーザ端末は異なる周波数領域位置のSSB含有データを切り出すことができる。
【0020】
先頭アドレスはローカル記録に予め保存でき、セルサーチ中に直接呼び出すことができる。ユーザ端末がGPSを含む場合、セルサーチ方法に基づいて適用されるユーザ端末と下りデータの送信側との同期時間差はゼロであり、この場合、先頭アドレスは報知チャネル伝送プロトコルに基づいてそれぞれ決定された同期信号ブロックの時間領域位置とセルカバー範囲から計算すればよい。この場合、先頭アドレスは変更されず、ローカル記録に予め保存される。
【0021】
本実施形態では、先頭アドレスとデータ長は、下りデータを伝送するための報知チャネル伝送プロトコルに基づいて予め取得される。例えば、本実施形態では、報知チャネル伝送プロトコルは5G NRプロトコルであり、先頭アドレスとデータ長は5G NRプロトコルに基づいて予め取得される。
【0022】
一つの例において、同期信号ブロックの先頭アドレスは、セルサーチ方法に使用されるユーザ端末と下りデータの送信側との同期時間差と、報知チャネル伝送プロトコルに基づいてそれぞれ決定された同期信号ブロックの時間領域位置およびセルカバー範囲によって計算して得ることができる。
【0023】
データ長は予めローカル記録に保存されており、セルサーチ時に直接呼び出すことができる。同期信号ブロックの先頭アドレスは、セルサーチを行う時に算出できる。すなわち、
ステップ101の前には、さらに、ステップ100も含まれる。その具体的なプロセスは図2に示す。
【0024】
ステップ100:セルサーチ方法に使用されるユーザ端末と下りデータの送信側との同期時間差と、報知チャネル伝送プロトコルに基づいてそれぞれ決定された同期信号ブロックの時間領域位置及びセルカバー範囲によって、同期信号ブロックの先頭アドレスを計算する。
【0025】
具体的には、同期信号ブロックの先頭アドレスは、先頭アドレスSSBstart= FrameStart + SSBPositionTab - Coverage/nという計算式によって計算できる。
【0026】
ここで、FrameStartは、セルサーチ方法に適用されるユーザ端末と下りデータの送信側との同期時間差で、SSBPositionTabは、報知チャネル伝送プロトコルに基づいてそれぞれ決定された同期信号ブロックの時間領域位置で、Coverageはセルカバー範囲で、nは正数である。注目すべきことに、この計算式を採用する場合、Coverageの長さをサンプリング点数に変換する必要がある。
【0027】
本実施形態では、ユーザ端末には測位センサが含まれている。ユーザ端末に測位センサが含まれ、且つ測位センサが正常な状態にあるため、測位センサによってユーザ端末を下りデータの送信側と同期させ、同期時間差をゼロにする。すなわち、ユーザ端末の非同期を検出した後にセルサーチをスタートした時、セルサーチ方法に使用されるユーザ端末と下りデータの送信側との同期時間差はゼロになる。したがって、予め保存された先頭アドレスSSBStart= SSBPositionTab - Coverage/nである。
【0028】
同期信号ブロックの時間領域位置SSBPositionTabはSSB配置パラメータに基づいて算出され、SSB配置パラメータは報知チャネル伝送プロトコルに基づいて決定され、SSB配置パラメータに対応するSSBPositionTabは予め算出され、フォームの形で予め保存され、セルサーチ過程において直接呼び出すことができる。例えば、本実施形態では、5G NRプロトコルには6種類の異なるSSB配置パラメータがあり、6種類の異なるSSB配置パラメータに対応するSSBPositionTabはフォームの形で予め保存され、セルサーチ過程において直接SSB配置パラメータに対応するSSBPositionTabを呼び出す。
【0029】
セルカバー範囲Coverageは、報知チャネル伝送プロトコルに基づいて決定された上り・下りのガードインターバルと推定された上り・下りの変換時間から算出されると予め設定されている。注目すべきことに、セルカバー範囲は先頭アドレスとデータ長の取得に影響するため、セルカバー範囲はセルカバー範囲の最大値であっても、そうでなくてもよい。
【0030】
本実施形態では、算出された同期信号ブロックの先頭アドレスがより多くの応用シーン(すなわち、ユーザ端末の所在位置に対する制限が小さい)に適用でき、適用性がより広くなるように、セルカバー範囲の最大範囲値を選択して計算する。セルカバー範囲の最大値Coverage= (GP - T[Rx-Tx,Ue])*cである。
【0031】
ここで、cは光速で、c = 3*10m/sである。GP(Guard Period)は上り・下りのガードインターバルで、GPはユーザ端末が上り隙間で同時に上りデータを伝送することを保証するために使われる。T[Rx-Tx,Ue]は推定された上り・下りの変換時間である。
【0032】
セルカバー範囲が最大値をとる場合、n=2で、即ち、先頭アドレスSSBStart = FrameStart + SSBPositionTab - Coverage/2である。ただし、これに限らず、nは状況に応じて値をとることができる。
【0033】
また、データ長SSBLengthは、報知チャネル伝送プロトコルに基づいて決定されたユーザ端末がサポートするサンプリング点数と、報知チャネル伝送プロトコルに基づいて決定されたセルカバー範囲から算出される。
【0034】
具体的には、報知チャネル伝送プロトコルがサポートする帯域幅、サブキャリア間隔などの情報に基づいて、ユーザ端末がサポートするサンプリング点数FFTSizeを決定し、さらに、サンプリング点数FFTSizeおよびセルカバー範囲Coverageから計算してデータ長を得ることができる。データ長SSBLength = FFTSize + Coverageという計算式でデータ長を計算できる。この計算式を採用する場合、Coverageの長さをサンプリング点数に変換する必要がある。
【0035】
ステップ102では、切り出されたデータに対してPSS処理を行い、物理セルの位置特徴NID2を得た上で、SSS処理を行い、物理セルグループの位置特徴NID1を得て、NID1とNID2から物理セル識別子PCIを特定し、最後にPBCHを解析して巡回冗長検査CRCの結果を得て、高速セルサーチのプロセスを完成させる。
【0036】
従来の技術では、下りデータ中のプライマリ同期信号(同期信号ブロック内に含まれる)が存在し得る全ての時間領域位置とセカンダリ同期信号(同期信号ブロック内に含まれる)が存在し得る全ての周波数領域位置について解析を試みる必要があるため、時間がかかりすぎて、ユーザの体験に影響を及ぼしている。従来の技術と比べて、本実施形態では、同期信号ブロックの位置を予め決めており、下りデータから同期信号ブロックを含むデータを切り出して解析するだけでよく、処理すべきデータ量を大幅に低減し、セルサーチ時間を短縮し、ユーザ体験を向上させている。
【0037】
本願の第2実施形態はセルサーチ方法に関する。本実施形態は第1実施形態とほぼ同じであるが、次の点において異なっている。本実施形態では、セルサーチ方法が適用するユーザ端末と下りデータの送信側との同期時間差と、報知チャネル伝送プロトコルに基づいてそれぞれ決定された同期信号ブロックの時間領域位置及びセルカバー範囲によって、同期信号ブロックの先頭アドレスを計算する前に、さらにユーザ端末の非同期を検出した後にセルサーチをスタートする時、非同期前のローカル記録のユーザ端末と下りデータの送信側との同期時間差を取得する。
【0038】
本実施形態におけるセルサーチ方法のフローチャートは図3に示し、下記のステップを含む。
【0039】
ステップ201:ユーザ端末の非同期を検出した後にセルサーチをスタートする時、非同期前のローカル記録のユーザ端末と下りデータの送信側との同期時間差を取得する。
【0040】
具体的には、ユーザ端末の非同期とは、ユーザ端末とセルとの間の接続がなくなったことである。ただし、ユーザ端末が非同期する前、即ちユーザ端末がセルにアクセスしている時、リアルタイムに下りデータの送信側との同期時間差FrameStartをリアルタイムに記録する。非同期前におけるユーザ端末と下りデータの送信側との同期時間差FrameStartは、非同期後におけるユーザ端末と下りデータの送信側との同期時間差FrameStartと比べて、変化が極めて小さいため、ユーザ端末のセルサーチをスタートする時に、非同期前のローカル記録のユーザ端末と下りデータの送信側との同期時間差FrameStartを取得する。これにより、同期信号ブロックの先頭アドレスを正確かつ迅速に決定でき、下りデータにおける同期信号ブロックの位置を正確かつ迅速に決定できる。
【0041】
注目すべきことに、ユーザが測位センサを含んでいるか否かを問わず、ユーザ端末の非同期を検出した後にセルサーチをスタートする時、非同期前のローカル記録のユーザ端末と下りデータの送信側との同期時間差を取得することである。
【0042】
ステップ202では、セルサーチ方法に使用されるユーザ端末と下りデータの送信側との同期時間差と、報知チャネル伝送プロトコルに基づいてそれぞれ決定された同期信号ブロックの時間領域位置及びセルカバー範囲によって、同期信号ブロックの先頭アドレスを算出する。
【0043】
ステップ202はステップ100と類似しているため、ここで繰り返して説明する必要はない。注意すべきことに、本実施形態では、セルサーチ方法に使用されるユーザ端末と下りデータの送信側との同期時間差は非同期前のローカル記録のユーザ端末と下りデータの送信側との同期時間差である。
【0044】
ステップ203では、予め取得する同期信号ブロックの先頭アドレスとデータ長によって、下りデータからデータを切り出す。
【0045】
ステップ204では、切り出された前記データを解析して、セル情報を取得する。
【0046】
ステップ203、ステップ204は、ステップ101、ステップ102と類似であるので、ここでは説明を省略する。
【0047】
本実施形態では、ユーザ端末の非同期を検出する後にセルサーチをスタートする時、非同期前のローカル記録のユーザ端末と下りデータの送信側との同期時間差を取得し、ユーザ端末が非同期した後、セルサーチを迅速に行うことができる具体的な方式を提供している。
【0048】
本願の第3実施形態はセルサーチ方法に関する。本実施形態は第1実施形態とほぼほぼ同じであるが、次の点において異なっている。本実施形態では、セルサーチ方法に使用されるユーザ端末と下りデータの送信側との同期時間差と、報知チャネル伝送プロトコルに基づいてそれぞれ決定された同期信号ブロックの時間領域位置およびセルカバー範囲によって、同期信号ブロックの先頭アドレスを算出する前に、ユーザ端末が起動してからセルサーチをスタートすることを検出した場合、ユーザ端末に測位センサが含まれていると、測位センサによってユーザ端末を下りデータの送信側と同期させ、同期時間差をゼロに設定することをさらに含む。
【0049】
本実施形態におけるセルサーチ方法のフローチャートは図4に示し、下記のステップを含む。
【0050】
ステップ301では、ユーザ端末が起動してからセルサーチをスタートしたことを検出した場合、ユーザ端末に測位センサが含まれていると、測位センサによってユーザ端末を下りデータの送信側と同期させ、同期時間差をゼロに設定する。
【0051】
具体的には、ユーザ端末の起動には、初期起動(工場出荷直後の新しいデバイス)と再起動(電源を切ってから再び電源を入れる)が含まれている。測位センサはGPSなどにすることができる。
【0052】
一実施例では、ユーザ端末が再起動する場合、ユーザ端末が起動してからセルサーチをスタートする時、ユーザ端末には測位センサが含まれているため、測位センサによって時間同期を行うことができる。この場合、ユーザ端末と下りデータの送信側との同期時間差はゼロで、即ち同期時間差を考慮する必要はない。
【0053】
説明すべきことに、ユーザ端末が再起動する場合、ユーザ端末に測位センサが含まれていないと、ユーザ端末が起動してからセルサーチをスタートした時、ユーザ端末のローカル記録に同期時間差が保存されているため、第2実施形態の方式でセルサーチを行うことができる。ただし、再起動後のユーザ端末が元の位置にあるか否かわからないため、セルサーチがスムーズにいかない可能性があり、その場合、ユーザ端末は既存技術のサーチ方法を利用してサーチを行うことができる。
【0054】
1つの具体的な例において、ユーザ端末が初期起動する場合、ユーザ端末が起動してからセルサーチをスタートした時、ユーザ端末には測位センサが含まれているため、測位センサによって時間同期を行うことができる。この場合、ユーザ端末と下りデータの送信側との同期時間差はゼロで、即ち同期時間差を考慮する必要はない。
【0055】
説明すべきことに、ユーザ端末が初期起動する場合、ユーザ端末に測位センサが含まれていないと、ユーザ端末は既存技術のサーチ方法だけでサーチを行うことができる。
【0056】
ステップ302では、セルサーチ方法に使用されるユーザ端末と下りデータの送信側との同期時間差と、報知チャネル伝送プロトコルに基づいてそれぞれ決定された同期信号ブロックの時間領域位置及びセルカバー範囲によって、同期信号ブロックの先頭アドレスを算出する。
【0057】
ステップ302はステップ100と類似しているため、ここで繰り返して説明する必要はない。注意すべきことに、本実施形態では、セルサーチ方法に使用されるユーザ端末と下りデータの送信側との同期時間差はゼロである。
【0058】
ステップ303では、予め取得された同期信号ブロックの先頭アドレスとデータ長によって、下りデータからデータを切り出す。
【0059】
ステップ304では、切り出された前記データを解析して、セル情報を取得する。
【0060】
ステップ303、ステップ304はステップ101、ステップ102と類似しているため、ここでは繰り返して説明する必要はない。
【0061】
本実施形態では、ユーザ端末が起動してからセルサーチをスタートしたことを検出した場合、ユーザ端末に測位センサが含まれていると、測位センサによってユーザ端末を下りデータの送信側と同期させ、同期時間差をゼロに設定し、ユーザ端末が起動してから、速やかにセルサーチを行う具体的な実施形態を提供している。
【0062】
上記の各方法のステップの区分けは、記載を明確にするためのものであり、実現する際に1つのステップに合併したり、同じ論理関係を含む限り、幾つかのステップを分割して複数のステップに分解したりすることができ、いずれも本特許の保護範囲内に含まれる。アルゴリズムまたはプロセスに重要でない変更を追加するか、または重要でない設計を導入するが、アルゴリズム及びプロセスを変更しない核心的な設計は、いずれも当該特許の保護範囲内に含まれる。
【0063】
本願の第4実施形態はセルサーチ装置に関する。図5に示されるように、下記のモジュールを含む。
【0064】
パラメータ取得モジュール401は、下りデータを伝送するための報知チャネル伝送プロトコルに基づいて、予め同期信号ブロックの先頭アドレスとデータ長を取得するのに使われる。
【0065】
データ取得モジュール402は、予め取得された同期信号ブロックの先頭アドレスとデータ長によって、前記報知チャネル伝送プロトコルに基づいて伝送された下りデータからデータを切り出すのに使われる。
【0066】
解析モジュール403は、切り出されたデータを解析してセル情報を取得するのに使われる。
【0067】
1つの具体的な例において、セルサーチ装置には、報知チャネル伝送プロトコルに基づいて決定された上り・下りガードインターバルと推定された上り・下り転換時間からセルカバー範囲を算出するためのセルカバー範囲取得モジュールがさらに含まれている。
【0068】
1つの具体的な例において、セルサーチ装置には、予め取得された同期信号ブロックの先頭アドレスとデータ長によって下りデータからデータを切り出す前に、ユーザ端末が非同期してからセルサーチをスタートしたことを検出した時、非同期前のローカル記録の前記ユーザ端末と下りデータの送信側との同期時間差を取得するための同期時間差取得モジュールがさらに含まれている。
【0069】
1つの具体的な例において、同期時間差取得モジュールは、予め取得された同期信号ブロックの先頭アドレスとデータ長によって下りデータからデータを切り出す前に、ユーザ端末が起動してからセルサーチをスタートしたことを検出した場合、ユーザ端末に測位センサが含まれていると、測位センサによってユーザ端末を下りデータの送信側と同期させ、同期時間差をゼロに設定するのに使われる。
【0070】
1つの具体的な例において、パラメータ取得モジュール401は、セルサーチ方法に使用されるユーザ端末と下りデータの送信側との同期時間差と、報知チャネル伝送プロトコルに基づいてそれぞれ決定された同期信号ブロックの時間領域位置およびセルカバー範囲によって、同期信号ブロックの先頭アドレスを算出し、報知チャネル伝送プロトコルに基づいて決定されたユーザ端末がサポートするサンプリング点数と、報知チャネル伝送プロトコルに基づいて決定されたセルカバー範囲からデータ長を算出するのに使われる。
【0071】
1つの具体的な例において、パラメータ取得モジュール401は、同期時間差、時間領域位置およびセルカバー範囲の最大範囲値によって、同期信号ブロックの先頭アドレスを計算し、報知チャネル伝送プロトコルに基づいて決定されたユーザ端末がサポートするサンプリング点数と、報知チャネル伝送プロトコルに基づいて決定されたセルカバー範囲からデータ長を算出するのに使われる。
【0072】
明らかなように、本実施形態は、第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態に対応する端末実施例であり、本実施形態は、第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態と互いに組み合わせて実施できる。第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態で述べた関連技術の詳細は、本実施形態においても依然として有効であり、重複を低減するため、ここでは繰り返して説明する必要はない。それに応じて、本実施形態で述べた関連技術の詳細も、第1実施形態、第2実施形態と第3実施形態に適用できる。
【0073】
なお、本実施形態に係る各モジュールはいずれも論理モジュールであり、実際の適用において、1つの論理ユニットは、1つの物理ユニットであってもよいし、1つの物理ユニットの一部であってもよく、さらに、複数の物理ユニットの組み合わせで実現されてもよい。また、本願の革新的な部分を際立たせるために、本実施形態において、本願で提起された技術的課題と密接な関係を持たないユニットを導入していないが、本実施形態に他のユニットが存在しないわけではない。
【0074】
本願の第5実施形態は、ユーザ端末に関し、図6に示すように、少なくとも一つのプロセッサ502と、少なくとも一つのプロセッサ502と通信可能に接続されるメモリ501と、を備え、メモリ501は、少なくとも一つのプロセッサ502によって実行され得る命令を記憶し、命令は、少なくとも一つのプロセッサ502が上記のセルサーチ方法の実施形態を実行できるように、少なくとも一つのプロセッサ502により実行される。
【0075】
そのうち、メモリ501とプロセッサ502は、バスの方式により接続され、バスは、任意の数の相互接続されたバス及びブリッジを含んでもよく、バスは、一つまたは複数のプロセッサ502およびメモリ501の種々の回路を接続している。バスは、周辺機器、電圧レギュレータ、パワーマネジメント回路など様々な他の回路を接続することもでき、これらは、本分野で周知されたものであるため、本明細書でこれ以上説明しない。バスインタフェースは、バスと送受信機との間にインタフェースを提供する。送受信機は、一つの素子であってもよいし、複数の素子、例えば複数の受信器及び送信器であってもよく、伝送媒体上で種々の他の装置と通信するためのユニットを提供する。プロセッサ502で処理されたデータは、アンテナを介して無線媒体上を伝送され、アンテナはさらにデータを受信して、プロセッサ502にデータを送信する。
【0076】
プロセッサ502は、バスの管理及び通常の処理を担うものであり、タイミング、周辺インタフェース、電圧調整、電源管理および他の制御機能を含む様々な機能を提供することもできる。メモリ501は、プロセッサ502が操作を実行する際に使用するデータを格納するために使用されてもよい。
【0077】
本願の第6実施形態は、コンピュータプログラムが格納されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行される際に上記した方法実施例を実現する。
【0078】
即ち、当業者なら理解できるように、上記した実施例方法におけるステップの全部または一部を実現することは、プログラムで関連するハードウェアを指示することによって実現されることができ、当該プログラムは、1つの記憶媒体に格納されており、1つのデバイス(シングルチップマイクロコンピュータ、チップなどであってもよい)またはプロセッサ(processor)に本願の各実施例に記載の方法のステップの全部または一部を実行させるように複数の命令を含む。前記の記憶媒体は、Uディスク、モバイルハードディスク、読み取り専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスクまたは光ディスクなどの、プログラムコードを格納可能な様々な媒体を含む。
【0079】
当業者であれば、上記した各実施形態は本願を実現する具体的な実施例であるが、実際の応用において、本願の精神と範囲を逸脱することなく、形態及び細部において様々な変更が可能であることが理解できる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】