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特表2022-549472電気系統の汚染防止、電源管理、電源監視、及び/又は電源操作を組み込んだ薬物送達デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-25
(54)【発明の名称】電気系統の汚染防止、電源管理、電源監視、及び/又は電源操作を組み込んだ薬物送達デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/20 20060101AFI20221117BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20221117BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
A61M5/20 570
A61K39/395 D
A61K39/395 E
A61K39/395 T
A61K39/395 M
A61K31/519
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022518970
(86)(22)【出願日】2020-09-24
(85)【翻訳文提出日】2022-05-17
(86)【国際出願番号】 IB2020058968
(87)【国際公開番号】W WO2021059212
(87)【国際公開日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】62/905,475
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/905,478
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】514010601
【氏名又は名称】ヤンセン ファーマシューティカルズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149010
【弁理士】
【氏名又は名称】星川 亮
(72)【発明者】
【氏名】ハリス,ジェイソン エル.
(72)【発明者】
【氏名】クルールビッチ,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン,アイヴイ,フレデリック イー.
(72)【発明者】
【氏名】サボ,ジョージ
【テーマコード(参考)】
4C066
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD13
4C066EE14
4C066FF05
4C066HH12
4C066QQ52
4C066QQ77
4C066QQ78
4C066QQ82
4C066QQ84
4C066QQ85
4C066QQ95
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB11
4C085DD62
4C085EE01
4C085GG01
4C085GG10
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB09
4C086GA07
4C086GA09
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA17
4C086MA66
4C086MA70
4C086NA10
(57)【要約】
本開示は、薬物を投与するように構成された薬物投与デバイスに関する。例示的な一実施形態では、薬物投与デバイスは、第1及び第2のハウジング電気接点と、分配機構と、薬物ホルダと、第1及び第2の電源電気接点を含む取り外し可能電源と、取り外し可能電源がハウジング内に受容されていないときに第1の保護構成にあり、取り外し可能電源がハウジング内に受容されているときに第2の構成にある、少なくとも1つの保護機構と、を含む。別の例示的な実施形態では、薬物投与デバイスは、ハウジングと、ハウジング内に配設された分配機構と、ハウジング内に受容されるように構成された取り外し可能電源と、取り外し可能電源の充電残量を決定するように構成されたセンサと、センサによって生成されたデータに応答して薬物投与デバイスの動作を修正するように構成されたプロセッサと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物を投与するように構成された薬物投与デバイスであって、
ハウジングであって、前記ハウジングは、第1のハウジング電気接点及び第2のハウジング電気接点を含む、ハウジングと、
前記薬物を分配するように構成された分配機構であって、前記分配機構は、前記ハウジング内に配設されている、分配機構と、
前記薬物を保持するように構成された薬物ホルダと、
前記薬物投与デバイスに給電するように構成された取り外し可能電源であって、前記取り外し可能電源は、第1の電源電気接点及び第2の電源電気接点を含む、取り外し可能電源と、を備え、
前記ハウジングは、ハウジング保護機構を含み、前記ハウジング保護機構は、
前記取り外し可能電源が前記ハウジング内に受容されていないときに、前記第1のハウジング電気接点を保護するように構成された第1の構成にあり、
前記取り外し可能電源が前記ハウジング内に受容されているときに、前記第1のハウジング電気接点と前記第1の電源電気接点との間、及び前記第2のハウジング電気接点と前記第2の電源電気接点との間の接触を可能にするように構成された第2の構成にあるように構成されており、
かつ/又は、
前記取り外し可能電源は、電源保護機構を含み、前記電源保護機構は、
前記取り外し可能電源が前記ハウジング内に受容されていないときに、前記第2電源電気接点を保護するように構成された第1の構成にあり、
前記取り外し可能電源が前記ハウジング内に受容されているときに、前記第1のハウジング電気接点と前記第1の電源電気接点との間、及び前記第2のハウジング電気接点と前記第2の電源電気接点との間の接触を可能にするように構成された第2の構成にあるように構成されている、薬物投与デバイス。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記ハウジング保護機構を備える、請求項1に記載の薬物投与デバイス。
【請求項3】
前記取り外し可能電源は、前記取り外し可能電源保護機構を備える、請求項1又は請求項2に記載の薬物投与デバイス。
【請求項4】
前記第1の構成にある前記ハウジング保護機構は、前記第1のハウジング電気接点の周りに封止部を形成する、請求項1~3のいずれか一項に記載の薬物投与デバイス。
【請求項5】
前記第1の構成にある前記ハウジング保護機構は、前記第2のハウジング電気接点の周りに封止部を形成する、請求項4に記載の薬物投与デバイス。
【請求項6】
前記ハウジング保護機構は、膜を含み、前記第1の電源電気接点電源は、前記取り外し可能電源が前記ハウジング内に受容されているときに前記膜が前記第2の構成にあるように、前記膜を貫通するように構成されている、請求項4に記載の薬物投与デバイス。
【請求項7】
前記第1の電源電気接点及び前記第2の電源電気接点はそれぞれ、前記取り外し可能電源が前記ハウジング内に受容されているときに前記膜が前記第2の構成にあるように、前記膜を貫通するように構成されている、請求項5に記載の薬物投与デバイス。
【請求項8】
前記第1の構成にある前記電源保護機構は、前記第2の電源電気接点の周りに封止部を形成する、請求項1~3のいずれか一項に記載の薬物投与デバイス。
【請求項9】
前記第1の構成にある前記電源保護機構は、前記第1の電源電気接点の周りに封止部を形成する、請求項8に記載の薬物投与デバイス。
【請求項10】
前記電源保護機構は、膜を含み、前記第2のハウジング電気接点は、前記取り外し可能電源が前記ハウジング内に受容されているときに前記膜が前記第2の構成にあるように、前記膜を貫通するように構成されている、請求項8に記載の薬物投与デバイス。
【請求項11】
前記第1のハウジング電気接点は、前記取り外し可能電源が前記ハウジング内に受容されているときに前記膜が前記第2の構成にあるように、前記膜を貫通するように構成されている、請求項9に記載の薬物投与デバイス。
【請求項12】
前記第1の構成にある前記ハウジング保護機構は、前記第1のハウジング電気接点の周りに封止部を形成し、前記第1の構成にある前記電源保護機構は、前記第2の電源電気接点の周りに封止部を形成する、請求項1~3のいずれか一項に記載の薬物投与デバイス。
【請求項13】
前記ハウジング保護機構及び前記電源保護機構のそれぞれは、膜を含み、前記第1の電源電気接点及び前記第2のハウジング電気接点はそれぞれ、前記取り外し可能電源が前記ハウジング内に受容されているときにそれぞれの膜が前記第2の構成にあるように、前記対応の膜を貫通するように構成されている、請求項12に記載の薬物投与デバイス。
【請求項14】
前記ハウジング保護機構は、前記取り外し可能電源が前記ハウジング内に挿入されたときに前記取り外し可能電源と接触することによって、前記第1の構成から前記第2の構成に移動するように構成されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の薬物投与デバイス。
【請求項15】
前記ハウジング保護機構は、前記第1のハウジング電気接点の表面に沿って移動するように構成されている、請求項14に記載の薬物投与デバイス。
【請求項16】
前記ハウジング保護機構は、前記ハウジング保護機構が前記第1の構成から前記第2の構成に移動するときに、前記第2のハウジング電気接点の表面に沿って移動するように構成されている、請求項15に記載の薬物投与デバイス。
【請求項17】
前記電源保護機構は、前記取り外し可能電源が前記ハウジング内に挿入されたときに前記ハウジングと接触することによって、前記第1の構成から前記第2の構成に移動するように構成されている、請求項1~16のいずれか一項に記載の薬物投与デバイス。
【請求項18】
前記電源保護機構は、前記第1の電源電気接点の表面に沿って移動するように構成されている、請求項17に記載の薬物投与デバイス。
【請求項19】
前記電源保護機構は、前記電源保護機構が前記第1の構成から前記第2の構成に移動するときに、前記第2の電源電気接点の表面に沿って移動するように構成されている、請求項18に記載の薬物投与デバイス。
【請求項20】
前記第1のハウジング電気接点、前記第2のハウジング電気接点、前記第1の電源電気接点、及び前記第2の電源電気接点のうちの少なくとも1つは、疎水性導電性コーティングでコーティングされている、請求項1~19のいずれか一項に記載の薬物投与デバイス。
【請求項21】
前記ハウジング内の環境パラメータを検出するように構成された、前記ハウジング内に位置する少なくとも1つのセンサと、プロセッサであって、前記プロセッサは、前記少なくとも1つのセンサからデータを受信し、前記少なくとも1つのセンサから受信した前記データに応答して前記薬物投与デバイスの前記動作を修正するように構成されている、プロセッサと、を更に含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の薬物投与デバイス。
【請求項22】
前記少なくとも1つのセンサは、水分センサを含む、請求項21に記載の薬物投与デバイス。
【請求項23】
前記少なくとも1つのセンサは、温度センサを含む、請求項21又は請求項22に記載の薬物投与デバイス。
【請求項24】
前記薬物は、インフリキシマブ、ゴリムマブ、ウステキヌマブ、ダラツムマブ、グセルクマブ、エポエチンアルファ、リスペリドン、及びパルミチン酸パリペリドンのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の薬物投与デバイス。
【請求項25】
薬物を投与するように構成された薬物投与デバイスであって、
ハウジングと、
前記薬物を分配するように構成された分配機構であって、前記分配機構は、前記ハウジング内に配設されている、分配機構と、
前記薬物を保持するように構成された薬物ホルダと、
前記ハウジング内の環境パラメータを検出するように構成された、前記ハウジング内に位置する少なくとも1つのセンサと、
プロセッサであって、前記プロセッサは、前記少なくとも1つのセンサからデータを受信し、前記少なくとも1つのセンサから受信した前記データに応答して前記薬物投与デバイスの動作を修正するように構成されている、プロセッサと、を備える、薬物投与デバイス。
【請求項26】
前記少なくとも1つのセンサは、少なくとも1つの汚染センサを含む、請求項21~25のいずれか一項に記載の薬物投与デバイス。
【請求項27】
前記少なくとも1つの汚染センサは、水分センサ又は光センサを含む、請求項26に記載の薬物投与デバイス。
【請求項28】
前記少なくとも1つの汚染センサは、光センサを含み、前記光センサは、前記薬物ホルダからの光を検出するように構成されており、前記プロセッサは、前記光センサから受信した前記データに基づいて、前記薬物ホルダが汚染物質を含むかどうかを決定するように構成されている、請求項27に記載の薬物投与デバイス。
【請求項29】
前記薬物ホルダは、少なくとも前記光センサが検出するように構成されている光の波長に対して透明である、請求項28に記載の薬物投与デバイス。
【請求項30】
前記薬物ホルダを照射するように構成された光源を更に備え、前記光センサは、前記光源からの前記光を、前記光が前記薬物ホルダを通過した後に検出するように構成されている、請求項28又は請求項29に記載の薬物投与デバイス。
【請求項31】
前記プロセッサは、前記少なくとも1つのセンサから受信した前記データに応答して、
リンプモード動作を開始することであって、前記リンプモード動作は、汚染物質が存在すると決定されたときに、低減された機能を含む、こと、
前記薬物投与デバイスの前記状態をユーザに示すこと、
汚染物質が存在すると決定されたときに、前記薬物投与デバイスの始動を防止すること、及び/又は
汚染物質が存在すると決定されたときに、リモートサーバと通信することによって、前記薬物投与デバイスの前記動作を修正するように構成されている、請求項21~30のいずれか一項に記載の薬物投与デバイス。
【請求項32】
前記少なくとも1つのセンサは、水分センサを含み、前記プロセッサは、前記プロセッサが前記水分センサから、水分汚染が前記ハウジング内で検出されたことを示すデータを受信したときに、前記薬物投与デバイスの前記動作を修正するように構成されている、請求項21~31のいずれか一項に記載の薬物投与デバイス。
【請求項33】
前記少なくとも1つのセンサは、前記ハウジング内の第1の位置にある第1の水分センサと、前記ハウジング内の第2の位置にある第2の水分センサと、を備える、請求項21~32のいずれか一項に記載の薬物投与デバイス。
【請求項34】
前記プロセッサは、前記第1の水分センサ及び前記第2の水分センサからデータを受信し、前記データから前記ハウジング内の水分汚染の場所を決定するように構成されている、請求項33に記載の薬物投与デバイス。
【請求項35】
前記プロセッサは、前記ハウジング内の水分汚染の異なる場所に応答して、前記薬物投与デバイスの前記動作を異なる方法で修正するように構成されている、請求項34に記載の薬物投与デバイス。
【請求項36】
前記ハウジングは、導電性トレースを含み、前記少なくとも1つのセンサは、前記導電性トレースの導電率を測定するように構成されているセンサを含む、請求項1~35のいずれか一項に記載の薬物投与デバイス。
【請求項37】
前記導電性トレースは、前記ハウジング内の接合部を横切って位置付けられている、請求項36に記載の薬物投与デバイス。
【請求項38】
前記ハウジングは、前記薬物投与デバイスと相互作用する電磁放射を防止するように構成された電磁シールドを含む、請求項1~37のいずれか一項に記載の薬物投与デバイス。
【請求項39】
前記薬物は、インフリキシマブ、ゴリムマブ、ウステキヌマブ、ダラツムマブ、グセルクマブ、エポエチンアルファ、リスペリドン、及びパルミチン酸パリペリドンのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~38のいずれか一項に記載の薬物投与デバイス。
【請求項40】
薬物を投与するように構成された薬物投与デバイスであって、ハウジングと、
前記薬物を分配するように構成された分配機構であって、前記分配機構は、前記ハウジング内に配設されている、分配機構と、
前記薬物投与デバイスに給電するように構成された取り外し可能電源であって、前記ハウジングは、前記取り外し可能電源を受容するように構成されている、取り外し可能電源と、
第1のセンサであって、前記第1のセンサは、前記取り外し可能電源の充電残量を示すパラメータを測定し、データを出力するように構成されている、第1のセンサと、
プロセッサであって、前記プロセッサは、前記第1のセンサから前記データを受信し、前記第1のセンサから受信した前記データに応答して、前記薬物投与デバイスの前記動作を修正するように構成されている、プロセッサと、を備える、薬物投与デバイス。
【請求項41】
前記ハウジングは、前記薬物投与デバイスに給電するように構成された第2の電源を受容するように構成されている、請求項40に記載の薬物投与デバイス。
【請求項42】
第2のセンサを更に備え、前記第2のセンサは、前記第2の電源の充電残量を決定するように構成されており、前記プロセッサは、前記第2のセンサからデータを受信し、前記第2のセンサから受信した前記データに応答して前記薬物投与デバイスの前記動作を修正するように構成されている、請求項41に記載の薬物投与デバイス。
【請求項43】
前記第2の電源は、一次セルである、請求項41又は請求項42に記載の薬物投与デバイス。
【請求項44】
前記薬物投与デバイスは、前記第2の電源を備え、前記第2の電源は、前記ハウジング内に配設されている、請求項41又は請求項42に記載の薬物投与デバイス。
【請求項45】
前記第2の電源は、無線で充電されるように構成されている、請求項44に記載の薬物投与デバイス。
【請求項46】
前記薬物投与デバイスは、前記取り外し可能電源が前記ハウジング内に受容されているときに、前記取り外し可能電源を使用して前記第2の電源を充電するように構成されている、請求項44又は請求項45に記載の薬物投与デバイス。
【請求項47】
前記第2の電源は、所定の期間にわたって前記薬物投与デバイスに給電するように構成されており、前記取り外し可能電源は、前記所定の期間内に無充電から完全充電に充電可能であるように構成されている、請求項44~46のいずれか一項に記載の薬物投与デバイス。
【請求項48】
前記薬物投与デバイスの前記動作を修正することは、前記プロセッサが、前記取り外し可能電源の前記充電残量が第1の閾値レベルに達したときにアラートを開始するように構成されることを含む、請求項40~47のいずれか一項に記載の薬物投与デバイス。
【請求項49】
前記プロセッサは、前記第2の電源の前記充電残量が第2の閾値レベルに達したときにアラートを開始するように構成されている、請求項40~48のいずれか一項に記載の薬物投与デバイス。
【請求項50】
前記取り外し可能電源は、取り外し可能電源識別データを含み、前記プロセッサは、前記取り外し可能電源が前記ハウジング内に受容されるときに、前記取り外し可能電源識別データを受信するように構成されており、前記プロセッサは、前記取り外し可能電源識別データに応答して前記薬物投与デバイスの前記動作を修正するように構成されている、請求項40~49のいずれか一項に記載の薬物投与デバイス。
【請求項51】
前記取り外し可能電源は、データを受信するように構成されたメモリを更に含む、請求項40~50のいずれか一項に記載の薬物投与デバイス。
【請求項52】
前記分配機構は、前記取り外し可能電源によって給電されるように構成されている、請求項40~51のいずれか一項に記載の薬物投与デバイス。
【請求項53】
前記分配機構は、デバイス動作防止機構を含む、請求項40~52のいずれか一項に記載の薬物投与デバイス。
【請求項54】
前記薬物投与デバイスの前記動作を修正することは、前記取り外し可能電源識別データが、前記取り外し可能電源に前記薬物投与デバイスとの互換性がないことを示すときに、前記デバイス動作防止機構が、前記分配機構が前記取り外し可能電源によって給電されることを防止できるようにすることを含む、請求項50に直接又は間接的に従属する場合の請求項53に記載の薬物投与デバイス。
【請求項55】
前記デバイス動作防止機構は、前記取り外し可能電源内の前記充電残量が第3の閾値レベルを下回ったときに、前記分配機構が前記取り外し可能電源によって給電されることを防止するように構成されている、請求項53又は請求項54に記載の薬物投与デバイス。
【請求項56】
前記第3の閾値レベルは、前記分配機構が完全な薬物投与順序を完了するのに十分な充電量である、請求項55に記載の薬物投与デバイス。
【請求項57】
前記薬物分配機構は、手動で動作されるように構成されている、請求項40~56のいずれか一項に記載の薬物投与デバイス。
【請求項58】
前記デバイス動作防止機構は、前記取り外し可能電源の前記充電残量が第4の閾値レベルを上回ったときに、前記分配機構が手動で動作されることを防止するように構成されている、請求項53に直接又は間接的に従属する場合の請求項57に記載の薬物投与デバイス。
【請求項59】
前記薬物は、インフリキシマブ、ゴリムマブ、ウステキヌマブ、ダラツムマブ、グセルクマブ、エポエチンアルファ、リスペリドン、及びパルミチン酸パリペリドンのうちの少なくとも1つを含む、請求項40~59のいずれか一項に記載の薬物投与デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の実施形態は、概して、薬物を投与するためのデバイスに関する。本開示は更に、汚染防止保護、電源管理、電源監視、及び/又は電源操作を用いる薬物投与デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
医薬製品(大分子及び小分子医薬品、以下「薬物」、を含む)は、特定の医療適応症の治療のために、様々な異なる方法で患者に投与される。投与の様式に関係なく、患者への悪影響を回避するために、薬物を投与する際には注意しなければならない。例えば、安全な量を超える量の薬物を患者に投与しないように、注意しなければならない。これは、与えられる用量の量、及び用量が、時には以前の用量又は他の薬物の用量に関連して送達される時間枠の考慮を必要とする。更に、誤った薬物、又はその年月若しくは保存条件によって劣化した薬物を患者に不注意に投与しないように、注意しなければならない。これらの考慮事項の全ては、特定の薬物又は薬物の組み合わせに関連付けられた手引きで伝達され得る。しかしながら、この手引きは、例えば、ヒューマンエラーなどのミスにより、必ずしも正しく従われない。これは、患者への悪影響につながるか、又は不適切な薬物投与をもたらす可能性があり、例えば、特定の医療適応症に対して、不十分又は過剰な体積の薬が投与される。
【0003】
更に、薬物投与デバイスが様々な環境で使用するのに好適であることが望ましい。患者が薬物投与デバイスを使用する必要があり得る多くの環境は、水分を含む。水分汚染は、薬物投与デバイスの電気的構成要素の機能不全を引き起こし得る。水分汚染はまた、薬物投与デバイスの分配機構による誤った薬物投与を引き起こし得る。したがって、薬物投与デバイスを水分汚染から保護する必要がある。また、ユーザが汚染された薬物を投与することを防止する薬物投与デバイスを提供することが望ましい。
【0004】
更に、薬物投与デバイスは、動作しても、薬物を正常に投与するのに十分な電力を有しない場合がある。これは、患者に害を及ぼす危険がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様では、薬物を投与するように構成された薬物投与デバイスが提供され、一実施形態では、薬物投与デバイスは、ハウジングであって、ハウジングは、第1のハウジング電気接点及び第2のハウジング電気接点を含む、ハウジングと、薬物を分配するように構成された分配機構であって、分配機構は、ハウジング内に配設されている、分配機構と、薬物を保持するように構成された薬物ホルダと、薬物投与デバイスに給電するように構成された取り外し可能電源であって、取り外し可能電源は、第1の電源電気接点及び第2の電源電気接点を含む、取り外し可能電源と、を含み、(a)ハウジングは、(i)取り外し可能電源がハウジング内に受容されていないときに、第1のハウジング電気接点を保護するように構成された第1の構成にあり、(ii)取り外し可能電源がハウジング内に受容されているときに、第1及び第2のハウジング電気接点と第1及び第2の電源電気接点との間の接触をそれぞれ可能にするように構成された第2の構成にあるように構成されたハウジング保護機構を含み、かつ/又は(b)取り外し可能電源は、(i)取り外し可能電源がハウジング内に受容されていないときに、第2の電源電気接点を保護するように構成された第1の構成にあり、(ii)取り外し可能電源がハウジング内に受容されているときに、第1及び第2のハウジング電気接点と第1及び第2の電源電気接点との間の接触をそれぞれ可能にするように構成された第2の構成にあるように構成された電源保護機構を含む。
【0006】
薬物投与デバイスは、任意の数の変形例を有し得る。例えば、ハウジングは、ハウジング保護機構を含み得、取り外し可能電源は、取り外し可能電源保護機構を含み得、かつ/又は第1の構成にあるハウジング保護機構は、第1のハウジング電気接点の周りに封止部を形成し得る。少なくともいくつかの実施形態では、第1の構成にあるハウジング保護機構は、第2のハウジング電気接点の周りに封止部を形成し得、かつ/又はハウジング保護機構は膜を含み得、第1の電源電気接点電源は、取り外し可能電源がハウジング内に受容されているときに膜が第2の構成にあるように、膜を貫通するように構成され得る。少なくともいくつかの実施形態では、第1の電源電気接点及び第2の電源電気接点は、取り外し可能電源がハウジング内に受容されるときに膜が第2の構成にあるように、膜を貫通するようにそれぞれ構成され得る。
【0007】
別の例では、第1の構成にある電源保護機構は、第2の電源電気接点の周りに封止部を形成し得る。少なくともいくつかの実施形態では、第1の構成にある電源保護機構は、第1の電源電気接点の周りに封止部を形成し得、かつ/又は電源保護機構は膜であり得、第2のハウジング電気接点は、取り外し可能電源がハウジング内に受容されているときに膜が第2の構成にあるように、膜を貫通するように構成され得る。少なくともいくつかの実施形態では、第1のハウジング電気接点は、取り外し可能電源がハウジング内に受容されているときに膜が第2の構成にあるように、膜を貫通するように構成され得る。
【0008】
更に別の例では、第1の構成にあるハウジング保護機構は、第1のハウジング電気接点の周りに封止部を形成し得、第1の構成にある電源保護機構は、第2の電源電気接点の周りに封止部を形成し得る。少なくともいくつかの実施形態では、ハウジング保護機構及び電源保護機構のそれぞれは膜を含み、第1の電源電気接点及び第2のハウジング電気接点は、取り外し可能電源がハウジング内に受容されているときにそれぞれの膜が第2の構成にあるように、対応の膜を貫通するようにそれぞれ構成され得る。
【0009】
更に別の例では、ハウジング保護機構は、取り外し可能電源がハウジング内に挿入されたときに取り外し可能電源と接触することによって、第1の構成から第2の構成に移動するように構成され得る。少なくともいくつかの実施形態では、ハウジング保護機構は、第1のハウジング電気接点の表面に沿って移動するように構成され得る。少なくともいくつかの実施形態では、ハウジング保護機構は、ハウジング保護機構が第1の構成から第2の構成に移動するときに、第2のハウジング電気接点の表面に沿って移動するように構成され得る。
【0010】
別の例では、電源保護機構は、取り外し可能電源がハウジング内に挿入されたときにハウジングと接触することによって、第1の構成から第2の構成に移動するように構成され得る。少なくともいくつかの実施形態では、電源保護機構は、第1の電源電気接点の表面に沿って移動するように構成され得る。少なくともいくつかの実施形態では、電源保護機構は、電源保護機構が第1の構成から第2の構成に移動するときに、第2の電源電気接点の表面に沿って移動するように構成され得る。
【0011】
更に別の例では、第1のハウジング電気接点、第2のハウジング電気接点、第1の電源電気接点、及び第2の電源電気接点のうちの少なくとも1つは、疎水性導電性コーティングでコーティングされ得る。
【0012】
更に別の例では、薬物投与デバイスは、ハウジング内の環境パラメータを検出するように構成されたハウジング内に位置する少なくとも1つのセンサを含み得、かつ薬物投与デバイスは、少なくとも1つのセンサからデータを受信し、少なくとも1つのセンサから受信したデータに応答して、薬物投与デバイスの動作を修正するように構成されたプロセッサを含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサは、水分センサ、温度センサ、及び/又は汚染センサ(例えば、水分センサ又は光センサ)を含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、プロセッサは、少なくとも1つのセンサから受信したデータに応答して、(a)リンプモード動作を開始することであって、リンプモード動作は、汚染物質が存在すると決定されたときに、低減された機能を含む、こと、(b)薬物投与デバイスの状態をユーザに示すこと、(c)汚染物質が存在すると決定されたときに、薬物投与デバイスの始動を防止すること、及び/又は(d)汚染物質が存在すると決定されたときに、リモートサーバと通信することによって、薬物投与デバイスの動作を修正するように構成され得る。少なくともいくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサは水分センサを含み得、プロセッサは、プロセッサが水分センサから、水分汚染がハウジング内で検出されたことを示すデータを受信したときに、薬物投与デバイスの動作を修正するように構成され得る。少なくともいくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサは、ハウジング内の第1の位置にある第1の水分センサと、ハウジング内の第2の位置にある第2の水分センサと、を含み得る。プロセッサは、第1の水分センサ及び第2の水分センサからデータを受信し、データからハウジング内の水分汚染の場所を決定するように構成され得る。プロセッサは、ハウジング内の水分汚染の異なる場所に応答して、薬物投与デバイスの動作を異なる方法で修正するように構成され得る。
【0013】
更に別の例では、ハウジングは、導電性トレースを含み得、少なくとも1つのセンサは、導電性トレースの導電率を測定するように構成されたセンサを含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、導電性トレースは、ハウジング内の接合部にわたって位置付けられ得る。
【0014】
更に別の例では、ハウジングは、薬物投与デバイスと相互作用する電磁放射を防止するように構成された電磁シールドを含み得る。
【0015】
別の例では、薬物は、インフリキシマブ、ゴリムマブ、ウステキヌマブ、ダラツムマブ、グセルクマブ、エポエチンアルファ、リスペリドン、及びパルミチン酸パリペリドンのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0016】
別の実施形態では、薬物を投与するように構成された薬物投与デバイスは、ハウジングと、薬物を分配するように構成された分配機構であって、分配機構は、ハウジング内に配設されている、分配機構と、薬物を保持するように構成された薬物ホルダと、ハウジング内の環境パラメータを検出するように構成されたハウジング内に位置する少なくとも1つのセンサと、プロセッサであって、プロセッサは、少なくとも1つのセンサからデータを受信し、少なくとも1つのセンサから受信したデータに応答して、薬物投与デバイスの動作を修正するように構成されている、プロセッサと、を含む。
【0017】
薬物投与デバイスは、任意の数の変形例を有し得る。例えば、少なくとも1つのセンサは、少なくとも1つの汚染センサを含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、少なくとも1つの汚染センサは、水分センサ又は光センサを含み得る。光センサは、薬物ホルダからの光を検出するように構成され得、プロセッサは、光センサから受信したデータに基づいて、薬物ホルダが汚染物質を含むかどうかを決定するように構成され得る。薬物ホルダは、少なくとも、光センサが検出するように構成されている光の波長に対して透明であり得る。薬物投与デバイスは、薬物ホルダを照射するように構成された光源を含み得、光センサは、光源からの光を、光が薬物ホルダを通過した後に検出するように構成され得る。
【0018】
更に別の例では、プロセッサは、少なくとも1つのセンサから受信したデータに応答して、(a)リンプモード動作を開始することであって、リンプモード動作は、汚染物質が存在すると決定されたときに、低減された機能を含む、こと、(b)薬物投与デバイスの状態をユーザに示すこと、(c)汚染物質が存在すると決定されたときに、薬物投与デバイスの始動を防止すること、及び/又は(d)汚染物質が存在すると決定されたときに、リモートサーバと通信することによって、薬物投与デバイスの動作を修正するように構成され得る。
【0019】
なお別の例では、少なくとも1つのセンサは水分センサを含み得、プロセッサは、プロセッサが水分センサから、水分汚染がハウジング内で検出されたことを示すデータを受信したときに、薬物投与デバイスの動作を修正するように構成され得る。
【0020】
別の例では、少なくとも1つのセンサは、ハウジング内の第1の位置にある第1の水分センサと、ハウジング内の第2の位置にある第2の水分センサと、を含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、プロセッサは、第1の水分センサ及び第2の水分センサからデータを受信し、データからハウジング内の水分汚染の場所を決定するように構成され得る。プロセッサは、ハウジング内の水分汚染の異なる場所に応答して、薬物投与デバイスの動作を異なる方法で修正するように構成され得る。
【0021】
なお別の例では、ハウジングは、導電性トレースを含み得、少なくとも1つのセンサは、導電性トレースの導電率を測定するように構成されたセンサを含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、導電性トレースは、ハウジング内の接合部にわたって位置付けられ得る。
【0022】
更に別の例では、ハウジングは、薬物投与デバイスと相互作用する電磁放射を防止するように構成された電磁シールドを含み得る。
【0023】
別の例では、薬物は、インフリキシマブ、ゴリムマブ、ウステキヌマブ、ダラツムマブ、グセルクマブ、エポエチンアルファ、リスペリドン、及びパルミチン酸パリペリドンのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0024】
別の実施形態では、薬物を投与するように構成された薬物投与デバイスは、ハウジングと、薬物を分配するように構成された分配機構であって、分配機構は、ハウジング内に配設されている、分配機構と、薬物投与デバイスに給電するように構成された取り外し可能電源であって、ハウジングは、取り外し可能電源を受容するように構成されている、取り外し可能電源と、第1のセンサであって、第1のセンサは、取り外し可能電源の充電残量を示すパラメータを測定し、データを出力するように構成されている、第1のセンサと、プロセッサであって、プロセッサは、第1のセンサからデータを受信し、第1のセンサから受信されたデータに応答して、薬物投与デバイスの動作を修正するように構成されている、プロセッサと、を含む。
【0025】
薬物投与デバイスは、多数の方式で異なるものとなり得る。例えば、ハウジングは、薬物投与デバイスに給電するように構成された第2の電源を受信するように構成され得る。少なくともいくつかの実施形態では、薬物投与デバイスは、第2の電源の充電残量を決定するように構成された第2のセンサを含み得、プロセッサは、第2のセンサからデータを受信し、第2のセンサから受信したデータに応答して、薬物投与デバイスの動作を修正するように構成され得る。少なくともいくつかの実施形態では、第2の電源は、一次セルであり得る。少なくともいくつかの実施形態では、薬物投与デバイスは、第2の電源を含み得、第2の電源は、ハウジング内に配設され得る。第2の電源は、無線で充電されるように構成され得る。薬物投与デバイスは、取り外し可能電源がハウジング内に受容されているときに、取り外し可能電源を使用して第2の電源を充電するように構成され得る。第2の電源は、薬物投与デバイスに所定の期間給電するように構成され得、取り外し可能電源は、所定の期間内に無充電から完全充電まで充電可能であるように構成され得る。
【0026】
別の例では、薬物投与デバイスの動作を修正することは、取り外し可能電源の充電残量が第1の閾値レベルに達したときにアラートを開始するように構成されているプロセッサを含み得る。更に別の例では、プロセッサは、第2の電源の充電残量が第2の閾値レベルに達したときにアラートを開始するように構成され得る。なお別の例では、取り外し可能電源は、取り外し可能電源識別データを含み得、プロセッサは、取り外し可能電源がハウジング内に受容されるときに、取り外し可能電源識別データを受信するように構成され得、プロセッサは、取り外し可能電源識別データに応答して薬物投与デバイスの動作を修正するように構成され得る。別の例では、取り外し可能電源は、データを受信するように構成されたメモリを含み得る。なお別の例では、分配機構は、取り外し可能電源によって給電されるように構成され得る。
【0027】
更に別の例では、分配機構は、デバイス動作防止機構を含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、取り外し可能電源は、取り外し可能電源識別データを含み得、プロセッサは、取り外し可能電源がハウジング内に受容されるときに、取り外し可能電源識別データを受信するように構成され得、プロセッサは、取り外し可能電源識別データに応答して、薬物投与デバイスの動作を修正するように構成され得、薬物投与デバイスの動作を修正することは、取り外し可能電源識別データが、取り外し可能電源が薬物投与デバイスと適合しないことを示すときに、デバイス動作防止機構が、分配機構が取り外し可能電源に給電することを防止できるようにすることを含み得る。デバイス動作防止機構は、取り外し可能電源の充電残量が第3の閾値レベルを下回ったときに、分配機構が取り外し可能電源によって給電されることを防止するように構成され得る。第3の閾値レベルは、分配機構が完全な薬物投与順序を完了するのに十分な充電であり得る。
【0028】
更に別の例では、薬物分配機構は、手動で動作されるように構成され得る。少なくともいくつかの実施形態では、分配機構は、デバイス動作防止機構を含み、デバイス動作防止機構は、取り外し可能電源の充電残量が第4の閾値レベルを上回ったときに、分配機構が手動で動作されるのを防止するように構成され得る。
【0029】
別の例では、薬物は、インフリキシマブ、ゴリムマブ、ウステキヌマブ、ダラツムマブ、グセルクマブ、エポエチンアルファ、リスペリドン、及びパルミチン酸パリペリドンのうちの少なくとも1つを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明は、以下のとおりである添付の図を参照して説明される。
図1】第1のタイプの薬物投与デバイス、すなわちオートインジェクタの概略図である。
図2】第2のタイプの薬物投与デバイス、すなわち注入ポンプの概略図である。
図3】第3のタイプの薬物投与デバイス、すなわち吸入器の概略図である。
図4】一般的な薬物投与デバイスの概略図である。
図5】ユニバーサル薬物投与デバイスの概略図である。
図6】剤形のハウジングの概略図である。
図7】薬物投与デバイス及びハウジングが動作し得る通信ネットワークシステムの一実施形態の概略図である。
図8】薬物投与デバイス及びハウジングが動作し得るコンピュータシステムの一実施形態の概略図である。
図9】ハウジング内に位置する複数のセンサを備えた薬物投与デバイスの一実施形態の概略図である。
図10a】第1の構成にあるハウジング保護機構の一実施形態の概略図である。
図10b】第2の構成にあるハウジング保護機構を備えた図10aの実施形態の概略図である。
図11】第1の構成にあるハウジング保護機構の一実施形態の概略図である。
図12】薬物ハウジング内の汚染を検出するように構成された光センサ及び光源を含む薬物投与デバイスの一実施形態の概略図である。
図13】電子的及び手動の両方で動作可能な分配機構を含む、薬物投与デバイスの別の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本明細書に開示される装置、システム、及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理が総括的に理解されるように、特定の例示的実施形態について、これから説明する。これらの実施形態のうちの1つ又は2つ以上の実施例が、添付の図面に例解される。当業者であれば、本明細書で具体的に説明され、添付の図面に示されるデバイス、システム、及び方法は、非限定的な例示的実施形態であり、本発明の範囲は、特許請求の範囲のみによって定義されることを理解するであろう。例示的な一実施形態に関連して例解又は記載される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。このような改変及び変形は、本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0032】
更に、本開示においては、実施形態の同様の名称の構成要素は概して同様の特徴を有するものであり、したがって、特定の実施形態において、同様の名称の各構成要素の各特徴については必ずしも完全に詳しく述べることはしない。追加的に、開示されるシステム、デバイス、及び方法の説明で直線寸法又は円寸法が使用される範囲において、かかる寸法は、かかるシステム、デバイス、及び方法と組み合わせて使用することができる形状の種類を限定しようとするものではない。当業者には、任意の幾何学的形状についてかかる直線寸法及び円寸法に相当する寸法を容易に決定することができる点が認識されるであろう。当業者は、寸法が正確な値ではなくても、製作公差及び測定機器の感度などの諸々の要因により、その値に近い値であると考えられることを理解するであろう。システム及びデバイスのサイズ及び形状、並びにそれらの構成要素は、システム及びデバイスが共に使用される、少なくとも構成要素のサイズ及び形状に依存し得る。
【0033】
薬物が患者にどのように投与されるかに関して、使用され得る様々な剤形がある。例えば、これらの剤形は、1つ又は2つ以上の薬物の非経口、吸入、経口、点眼、局所、及び坐剤の形態を含み得る。
【0034】
剤形は、薬物投与デバイスを介して患者に直接投与され得る。シリンジ、注射デバイス(例えば、オートインジェクタ、ジェットインジェクタ、及び注入ポンプ)、及び吸入器を含む、様々な剤形の送達に一般的に利用可能な多くの異なるタイプの薬物投与デバイスが存在する。
【0035】
様々な剤形で患者に投与される薬物に関連付けられた手引きの順守を監視することが望ましいことがある。これにより、正しい手順が踏襲されていることの保証が提供され、不正確で潜在的に危険なアプローチの採用が回避され得る。更に、これにより、患者への薬物の投与の最適化も可能になり得る。
【0036】
様々な薬物のいずれかが、薬物投与デバイスを使用して送達され得る。本明細書に記載の薬物投与デバイスを使用して送達され得る薬物の例としては、Remicade(登録商標)(インフリキシマブ)、Stelara(登録商標)(ウステキヌマブ)、Simponi(登録商標)(ゴリムマブ)、Simponi Aria(登録商標)(ゴリムマブ)、Darzalex(登録商標)(ダラツムマブ)、Tremfya(登録商標)(グセルクマブ)、Eprex(登録商標)(エポエチンアルファ)、Risperdal Constra(登録商標)(リスペリドン)、Invega Sustenna(登録商標)(パルミチン酸パリペリドン)、及びInvega Trinza(登録商標)(パルミチン酸パリペリドン)が挙げられる。
【0037】
様々なタイプの薬物投与デバイスの例、すなわち、オートインジェクタ100、注入ポンプ200、及び吸入器300が、上記の参照図を参照して、以下に説明される。
【0038】
オートインジェクタ
図1は、本明細書に記載の実施形態で使用可能な、第1のタイプの薬物送達デバイス、すなわち注射デバイス、この例では、オートインジェクタ100の概略的例示的な図である。オートインジェクタ100は、分配される薬物を保持する薬物ホルダ110と、薬物が患者に投与され得るように、薬物ホルダ110から薬物を分配するように構成されている分配機構120と、を備える。薬物ホルダ110は、典型的には、薬物を収容する容器の形態であり、例えば、薬物ホルダ110は、シリンジ若しくはバイアルの形態で提供され得るか、又は薬物を保持し得る任意の他の好適な容器であり得る。オートインジェクタ100は、吐出ノズル122、例えば、薬物ホルダ110の遠位端に設けられたシリンジの針を備える。分配機構120は、駆動要素124を備え、駆動要素自体はまた、ピストン及び/又はピストンロッド、並びに駆動機構126を備え得る。分配機構120は、薬物ホルダ110の端部の近位に、かつオートインジェクタ100の近位端に向かって位置する。
【0039】
オートインジェクタ100は、ハウジング130であって、ハウジング130の本体内に薬物ホルダ110と、駆動要素124と、駆動機構126とを収容するだけでなく、注入前には、典型的にはハウジング内に完全に収容されるが、注射シーケンスの間、薬物を送達するためにハウジング130から延び出す吐出ノズル122も収容する、ハウジング130、を備える。分配機構120は、薬物を吐出ノズル122を通して分配するために、駆動要素124が、薬物ホルダ110を通って前進され、それによって、オートインジェクタが、薬物ホルダ110内に保持された薬物を患者に投与することを可能にするように配置される。場合によっては、ユーザが、駆動要素124を薬物ホルダ110を通して手動で前進させてもよい。他の場合には、駆動機構126は、ユーザ支援なしに駆動要素124を前進させる貯蔵エネルギー源127を含み得る。貯蔵エネルギー源127は、ばね、又は加圧ガス、又は電子的に給電されるモータ及び/又はギアボックスなどの弾性付勢部材を含み得る。
【0040】
オートインジェクタ100は、分配機構保護機構140を含む。分配機構保護機構140は、典型的には、2つの機能を有する。第1に、分配機構保護機構140は、注入前及び注入後の吐出ノズル122へのアクセスを防止するように機能し得る。第2に、オートインジェクタ100は、作動状態にされる、例えば、分配機構保護機構140がロック解除位置に移動されると、分配機構120が作動され得るように、機能することができる。
【0041】
保護機構140は、薬物ホルダ110が、ハウジング130内の近位側で後退位置にあるときに、吐出ノズル122の少なくとも一部を覆う。これは、吐出ノズル122と、ユーザとの間の接触を妨げるためである。代替的又は追加的に、保護機構140は、それ自体が近位に後退して、吐出ノズル122を露出させるように構成されており、その結果、吐出ノズル122は、患者と接触させられ得る。保護機構140は、シールド部材141と、戻りばね142と、を備える。戻りばね142は、シールド部材141をハウジング130から延在させ、それによって、保護機構140の遠位端に力が印加されていないときに、吐出ノズル122を覆うように作用する。ユーザが、戻りばね142の付勢を克服するように、戻りばね142の作用に抗してシールド部材141に力を印加すると、シールド部材141がハウジング130内で後退し、それによって、吐出ノズル122を露出させる。保護機構140は、代替的又は追加的に、ハウジング130を越えて吐出ノズル122を延在させるための延長機構(図示せず)を備え得、ハウジング130内に吐出ノズル122を後退させるための後退機構(図示せず)を更に備え得る。保護機構140は、代替的又は追加的に、オートインジェクタ100に取り付けられ得るハウジングキャップ及び/又は吐出ノズルブーツを備え得る。ハウジングキャップを取り外すと、典型的には、吐出ノズル122から吐出ノズルブーツも取り外される。
【0042】
オートインジェクタ100は、トリガー150も含む。トリガー150は、オートインジェクタ100のユーザによってアクセス可能であるように、ハウジング130の外面上に位置するトリガーボタン151を備える。トリガー150が、ユーザによって押圧されると、トリガー150は、駆動機構126を解放するように作用し、その結果、駆動要素124を介して、薬物が、次に、吐出ノズル122を介して薬物ホルダ110から追い出される。
【0043】
トリガー150はまた、例えば、シールド部材141の遠位端を患者の皮膚に対して押すことによって、シールド部材141が、近位側で十分にハウジング130内のロック解除位置に後退されるまで、トリガー150が作動されるのを防止するような方法で、シールド部材141と協働し得る。これがなされると、トリガー150がロック解除され、トリガー150が押圧され得、次いで、注射及び/又は薬物送達シーケンスが開始されるように、オートインジェクタ100が、作動される。代替的に、シールド部材141を単独で近位方向にハウジング130内へ後退させることは、駆動機構126を作動させ、注射及び/又は薬物送達シーケンスを開始するように作用し得る。このようにして、オートインジェクタ100は、例えば、分配機構120の偶発的な解放、及び/又はトリガー150の偶発的な作動を防止することによって、薬物の分配を防止するデバイス動作防止機構を有する。
【0044】
前述の説明は、オートインジェクタの一例に関するが、この例は、純粋に例示のために提示されたものであり、本発明は、そのようなオートインジェクタだけに限定されない。当業者は、記載されたオートインジェクタに対する様々な修正が、本開示の範囲内で実施され得ることを理解する。
【0045】
本開示のオートインジェクタは、エピネフリン、Rebif、Enbrel、Aranesp、アトロピン、塩化プラリドキシム、及びジアゼパムのいずれかなどの様々な薬物のいずれかを投与するために使用され得る。
【0046】
注入ポンプ
他の状況では、患者は、薬剤の正確な連続送達か、又は設定された周期的な間隔での定期的又は頻繁な薬剤送達を必要とし得る。注入ポンプは、医療専門家又は患者による頻繁な注意を必要とせずに、薬物濃度を治療限界内に保つ正確な速度での薬物の投与を容易にすることによって、そのような制御された薬物注入を提供し得る。
【0047】
図2は、本明細書に記載の実施形態で使用可能な、第2のタイプの薬物送達デバイス、すなわち注入ポンプ200の概略的例示的な図である。注入ポンプ200は、送達される薬物を収容するためのリザーバの形態の薬物ホルダ210と、薬物が患者に送達され得るように、リザーバ内に収容された薬物を分配するように適合されたポンプ216を備える分配機構220と、を備える。注入ポンプのこれらの構成要素は、ハウジング230内に位置する。分配機構220は、注入ライン212を更に備える。薬物は、ポンプ216の作動時に、カニューレの形態をとり得る注入ライン212を介して、リザーバから送達される。ポンプ216は、エラストマポンプ、蠕動ポンプ、浸透圧ポンプ、又はシリンジ内のモータ制御ピストンの形態をとり得る。典型的には、薬物は、静脈内に送達されるが、皮下、動脈、及び硬膜外注射も使用され得る。
【0048】
本開示の注入ポンプは、インスリン、アントロピン硫酸塩、アビバクタムナトリウム、ベンダムスチン塩酸塩、カルボプラチン、ダプトマイシン、エピネフリン、レベチラセタム、オキサリプラチン、パクリタキセル、パントプラゾールナトリウム、トレプロスチニル、バソプレシン、ボリコナゾール、及びゾレドロン酸のいずれかなどの様々な薬物のいずれかを投与するために使用され得る。
【0049】
注入ポンプ200は、制御回路、例えば、メモリ297及びユーザインターフェース280に加えて、プロセッサ296を更に備え、これらは一緒に、トリガー機構及び/又はポンプ200のための投与量セレクタを提供する。ユーザインターフェース280は、注入ポンプ200のハウジング230上に位置する表示画面によって実装され得る。制御回路及びユーザインターフェース280は、ハウジング230内に、又はその外部に位置し、ポンプ216と有線又は無線インターフェースを介して通信して、その動作を制御し得る。
【0050】
ポンプ216の作動は、ポンプの動作を制御するためにポンプ216と通信するプロセッサ296によって制御される。プロセッサ296は、ユーザインターフェース280を介して、ユーザ(例えば、患者又は医療専門家)によってプログラムされ得る。これにより、注入ポンプ200が、制御された方式で薬物を患者に送達することが可能になる。ユーザは、注入持続時間及び送達速度などのパラメータを入力することができる。送達速度は、ユーザによって、一定の注入速度に、又は周期的な送達のための、典型的には事前にプログラムされた限界内の設定間隔として設定され得る。ポンプ216を制御するためのプログラムされたパラメータは、プロセッサ296と通信するメモリ297に記憶され、メモリ297から取り出される。ユーザインターフェース280は、タッチスクリーン又はキーパッドの形態をとり得る。
【0051】
電源295は、ポンプ216に電力を供給し、ポンプ216と一体であるエネルギー源及び/又はポンプ216を外部電源に接続するための機構の形態をとり得る。
【0052】
注入ポンプ200は、その指定された使用に応じて、様々な異なる物理的形態をとり得る。注入ポンプ200は、例えば、患者の枕元で使用するための、固定された非携帯式デバイスであってもよく、又は携帯式若しくはウェアラブルであるように設計された携行式注入ポンプであってもよい。一体型電源295は、携行式注入ポンプに特に有益である。
【0053】
前述の説明は、注入ポンプの一例に関するが、この例は、純粋に例示のために提供されている。本開示は、そのような注入ポンプに限定されない。当業者は、記載された注入ポンプに対する様々な修正が、本開示の範囲内で実施され得ることを理解する。例えば、プロセッサは、注入ポンプがユーザインターフェースを含む必要がないように、予めプログラムされてもよい。
【0054】
吸入器
図3は、第3のタイプの薬物投与デバイス、すなわち吸入器300の概略図である。吸入器300は、キャニスタの形態の薬物ホルダ310を含む。薬物ホルダ310は、典型的には、好適な担体液体を用いて溶液又は懸濁液の状態にある薬物を収容する。吸入器300は、薬物ホルダ310を加圧するための加圧ガスと、バルブ325と、ノズル321と、を含む分配機構320を更に備える。バルブ325は、薬物ホルダ310の出口を形成する。バルブ325は、薬物ホルダ310内に形成された狭い開口部324と、開口部324を制御する可動要素326と、を備える。可動要素326が休止位置にあるとき、バルブ325は、開口部324が閉じられ、薬物ホルダ310が封止される閉鎖状態又は非作動状態にある。可動要素326が休止位置から作動位置に作動されると、バルブ325は、開口部324が開いている開放状態に作動される。休止位置から作動位置への可動要素326の作動は、可動要素326を薬物ホルダ310内に移動させることを含む。可動要素326は、休止位置に弾性的に付勢される。バルブ325の開放状態では、加圧ガスが、好適な液体を用いて溶液又は懸濁液の状態にある薬物を、開口部324を通して高速で薬物ホルダ310から押し出す。狭い開口部324を通る液体の高速通過により、液体が、霧化される、すなわち、バルク液体から液体の微細な液滴のミスト及び/又はガス雲に変換される。患者は、微細な液滴のミスト及び/又はガス雲を呼吸経路内に吸入し得る。したがって、吸入器300は、薬物ホルダ310内に保持された薬物を患者の呼吸経路内に送達することができる。
【0055】
薬物ホルダ310は、吸入器300のハウジング330内に取り外し可能に保持される。ハウジング330内に形成された通路333は、ハウジング330内の第1の開口部331と、ハウジング330内の第2の開口部332とを接続する。薬物ホルダ310は、通路333内に受容される。薬物ホルダ310は、ハウジング330の第1の開口部331を通して通路333内に摺動可能に挿入可能である。ハウジング330の第2の開口部332は、患者の口内に配置されるように構成されたマウスピース322、又は患者の鼻孔内に配置されるように構成されたノーズピース、又は患者の口及び鼻の上に配置されるように構成されたマスクを形成する。薬物ホルダ310、第1の開口部331、及び通路333は、空気が、第1の開口部331と第2の開口部332との間で、薬物ホルダ310の周りで通路333を通って流れ得るようにサイズ決めされる。吸入器300は、マウスピース322に勘合され得るキャップ(図示せず)の形態の分配機構保護機構140を備えてもよい。
【0056】
吸入器300は、トリガー350であって、トリガー350が作動されたときに、バルブ325を作動させるように構成されたバルブ作動特徴部355を含む、トリガー350、を更に備える。バルブ作動特徴部355は、通路333内へのハウジング330の突出部である。薬物ホルダ310は、第1の位置から第2の位置へ、通路333内で摺動可能に移動可能である。第1の位置では、休止位置の可動要素326の端部が、バルブ作動特徴部355に当接する。第2の位置では、薬物ホルダ310は、バルブ作動特徴部355が、可動要素326を薬物ホルダ310内に移動させて、バルブ325を開放状態に作動させるように、バルブ作動特徴部355に向かって変位され得る。ユーザの手が、薬物ホルダ310を、弾性的に付勢された可動要素326に抗して、第1の位置から第2の位置に移動させるために必要な力を提供する。バルブ作動特徴部355は、ノズル321に接続された入口356を含む。バルブ作動特徴部355の入口356は、排出された液滴のミスト及び/又はガス雲が、入口356に入り、ノズル321から通路333内に出ることができるように、バルブ325の開口部324に結合するようにサイズ決めされ、位置付けられる。ノズル321は、液滴のミスト及び/又はガス雲へのバルク液体の霧化を支援する。
【0057】
バルブ325は、計量機構370を提供する。計量機構370は、測定された量の液体、したがって薬物が、開口部324を通過した後に、バルブを閉じるように構成されている。これにより、制御された用量が患者に投与されることが可能になる。典型的には、液体の測定量は事前設定されているが、吸入器300は、液体の定義された量を変化させるようにユーザ操作可能な投与量セレクタ360を備えてもよい。
【0058】
前述の説明は、吸入器の1つの特定の例に関するが、この例は、純粋に例示的なものである。説明は、そのような吸入器のみに限定されるものとして見なされるべきではない。当業者は、多数の他のタイプの吸入器及びネブライザが、本開示と共に使用され得ることを理解する。例えば、薬物は、粉末形態であり得るか、薬物は、液体形態であり得るか、又は薬物は、超音波振動、圧縮ガス、振動メッシュ、又は熱源を含む他の形態の分配機構320によって霧化され得る。
【0059】
本開示の吸入器は、モメタゾン、フルチカゾン、シクレソニド、ブデソニド、ベクロメタゾン、ビランテロール、サルメテロール、フォルモテロール、ウメクリジニウム、グリコピロレート、チオトロピウム、アクリジニウム、インダカテロール、サルメテロール、及びオロダテロールのいずれかなどの様々な薬物のいずれかを投与するために使用され得る。
【0060】
薬物投与デバイス
前述から理解されるように、薬物送達デバイスの様々な構成要素は、そのような全てのデバイスに共通である。これらの構成要素は、ユニバーサル薬物投与デバイスの必須構成要素を形成する。薬物投与デバイスは、薬物を患者に送達し、薬物は、定義された剤形で薬物投与デバイス内に提供される。
【0061】
図4は、そのようなユニバーサル薬物投与デバイス400の一般化された概略図であり、図5は、そのようなユニバーサル薬物投与デバイス500の例示的な一実施形態である。
【0062】
図4に示されるように、薬物投与デバイス400は、一般的な形態において、薬物ホルダ10及び分配機構20の特徴を含む。薬物ホルダ10は、投与される剤形の薬物を保持する。分配機構20は、薬物が患者に投与され得るように、薬物ホルダ10から剤形を放出するように構成される。
【0063】
図5は、いくつかの追加の特徴を含む、更なるユニバーサル薬物投与デバイス500を示す。当業者は、これらの追加の特徴は、異なる実施形態について任意選択であり、薬物のタイプ、薬物の剤形、薬物で治療されている医療適応症、安全要件、デバイスが給電されるかどうか、デバイスが携帯可能であるかどうか、デバイスが自己投与に使用されるかどうか、及び当業者によって理解される多くの他の要件など、要件に応じて、追加の特徴が存在し得るか、又は特定の薬物投与デバイスの所与の実施形態から省略され得るように、様々な異なる組み合わせで利用され得ることを理解する。図4のユニバーサルデバイスと同様に、薬物投与デバイス500は、薬物ホルダ10と、分配機構20とを収容するハウジング30を備える。
【0064】
デバイス500は、分配機構20による薬物ホルダ10からの薬物の放出を開始するためのトリガー機構50を備える。デバイス500は、分配機構20を介して薬物ホルダ10から放出される設定用量を測定する計量/投与機構70の特徴を含む。このようにして、薬物投与デバイス500は、決定されたサイズの既知の用量を提供し得る。デバイス500は、ユーザが、計量機構50によって測定される薬物の用量体積を設定することを可能にする投与量セレクタ60を備える。用量体積は、複数の所定の個別の用量体積のうちの1つの特定の値か、又はある範囲の用量体積内の所定の用量体積の任意の値に設定され得る。
【0065】
デバイス500は、デバイス動作防止機構40又は25を備え得、デバイス動作防止機構40又は25は、ロック状態にあるとき、分配機構20が薬物ホルダ10から薬物を放出することを防止及び/又は停止させ、ロック解除状態にあるとき、分配機構20が薬物ホルダ10から薬物投与を放出することを可能にする。これにより、例えば、誤った時間での投与を防止するため、又は不注意な作動を防止するために、薬物の偶発的な投与を防止することができる。デバイス500はまた、例えば、安全上の理由から、分配機構20の少なくとも一部へのアクセスを防止する分配機構保護機構42を含む。デバイス動作防止機構40及び分配機構保護機構42は、同じ構成要素であってもよい。
【0066】
デバイス500は、薬物投与デバイス及び/又はその中に収容された薬物の状態に関する情報を提示するように構成されたデバイスインジケータ85を含み得る。デバイスインジケータ85は、表示画面などの視覚的インジケータ、又は音声インジケータであってもよい。デバイス500は、デバイス500のユーザにデバイス500に関する情報を提示するように、及び/又はユーザがデバイス500を制御することを可能にするように構成され得るユーザインターフェース80を含む。デバイス500は、薬物投与デバイス及び/又はその中に収容された薬物に関連する情報、例えば、剤形及びデバイスパラメータを感知するように構成されたデバイスセンサ92を含む。一例として、計量機構70及び投与量セレクタ60を含む実施形態では、実施形態は、投与量セレクタ60を使用してユーザによって選択された用量、計量機構70によって計量された用量、及び分配機構20によって分配された用量のうちの1つ又は2つ以上を感知するように構成されている1つ又は2つ以上のデバイスセンサ92を更に含み得る。同様に、環境の温度、環境の湿度、場所、及び時間など、デバイス500が存在する環境に関する情報を感知するように構成されている環境センサ94が提供される。例えば、GPSなどの衛星位置決定を介して、デバイス500の地理的位置などを決定するように構成されている専用の位置センサ98が存在してもよい。デバイス500はまた、デバイス及び/又は薬物に関する、様々なセンサから取得されたデータを外部に通信し得る通信インターフェース99を含む。
【0067】
必要に応じて、デバイス500は、デバイス500の1つ又は2つ以上の電気的構成要素に電力を送達するための電源95を備える。電源95は、デバイス500と一体である電源、及び/又はデバイス500を外部電源に接続するための機構であり得る。薬物投与デバイス500はまた、電源95によって給電され、互いに、及び任意選択で、環境センサ94、位置センサ98、デバイスセンサ92、通信インターフェース99、及び/又はインジケータ85などのデバイス500の他の電気的及び制御構成要素と通信する、プロセッサ96とメモリ97とを含むデバイスコンピュータシステム90を含む。プロセッサ96は、環境センサ94、デバイスセンサ92、通信インターフェース99、位置センサ98、及び/又はユーザインターフェース80から取得されたデータを取得し、それを処理して、例えば、インジケータ85に、及び/又は通信インターフェース99にデータ出力を提供するよう構成されている。
【0068】
いくつかの実施形態では、薬物投与デバイス500は、パッケージング35内に密閉される。パッケージング35は、本明細書に記載されるように、プロセッサ96、メモリ97、ユーザインターフェース80、デバイスインジケータ85、デバイスセンサ92、位置センサ98、及び/又は環境センサ94の組み合わせを更に含み得、これらは、デバイス500のハウジングの外部に位置してもよい。
【0069】
当業者は、薬物ホルダ10と分配機構20とを備えるユニバーサル薬物投与デバイス500が、上記の様々な任意選択の特徴を、いくつかの異なる組み合わせで備え得ることを理解するであろう。更に、薬物投与デバイス500は、各薬物ホルダが、それ自体に関連付けられた分配機構20を有するように、任意選択で、2つ以上の分配機構20を有する2つ以上の薬物ホルダ10を含み得る。
【0070】
薬物の剤形
従来、薬物投与デバイスは、液体の剤形を利用する。しかしながら、他の剤形が利用可能であることが理解されよう。
【0071】
1つのそのような共通の剤形が、錠剤である。錠剤は、薬物と、一緒に圧縮される賦形剤との組み合わせから形成され得る。他の剤形は、ペースト、クリーム、点耳液、及び点眼液である。
【0072】
薬物の剤形の更なる例としては、皮膚パッチ、薬物溶出性ステント、及び子宮内装置が挙げられる。これらの例では、デバイスの本体は、薬物を含み、特定の状況下で薬物の放出を可能にするように構成され得る。例えば、皮膚パッチは、薬物を含有するポリマー組成物を含み得る。ポリマー組成物は、薬物が、ポリマー組成物から患者の皮膚内に拡散することを可能にする。薬物溶出性ステント及び子宮内装置は、類似の方式で動作し得る。このようにして、パッチ、ステント、及び子宮内装置は、それら自体が、関連付けられた分配機構を有する薬物ホルダと見なされ得る。
【0073】
これらの剤形のいずれも、特定の条件によって薬物放出を開始させるように構成され得る。これにより、剤形が患者に導入された後、所望の時間又は位置で薬物が放出されることが可能になり得る。特に、薬物放出は、外部刺激によって開始され得る。更に、これらの剤形は、投与の前に、パッケージングの形態であり得るハウジング内に収容され得る。このハウジングは、ユニバーサル薬物投与デバイス500で利用される上記の任意選択の特徴のうちのいくつかを含み得る。
【0074】
本開示の薬物投与デバイスによって投与される薬物は、消費されたときに、生物の生理又は心理の変化を引き起こす任意の物質であり得る。本開示の薬物投与デバイスが投与し得る薬物の例としては、5-アルファ-レダクターゼ阻害剤、5-アミノサリチル酸塩、5HT3受容体拮抗薬、カルシウムチャネル遮断薬を伴うACE阻害薬、チアジドを伴うACE阻害薬、アダマンタン抗ウイルス薬、副腎皮質ステロイド、副腎コルチコステロイド阻害薬、アドレナリン作動性気管支拡張薬、高血圧緊急治療薬、肺高血圧症治療薬、アルドステロン受容体拮抗薬、アルキル化剤、アレルギー誘発薬、α-グルコシダーゼ阻害薬、代替薬、殺アメーバ剤、アミノグリコシド、アミノペニシリン、アミノサリチル酸、AMPA受容体拮抗薬、アミリン類似体、鎮痛剤の組み合わせ、鎮痛薬、アンドロゲン及び同化ステロイド、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、カルシウムチャネル遮断薬を伴うアンジオテンシンII阻害薬、チアジドを伴うアンジオテンシンII阻害薬、アンジオテンシン受容体遮断薬、アンジオテンシン受容体遮断薬及びネプリリシン阻害薬、肛門直腸製剤、食欲抑制剤、制酸薬、駆虫薬、抗血管新生眼用薬、抗CTLA-4モノクローナル抗体、抗感染薬、抗PD-1モノクローナル抗体、チアジドを含む抗アドレナリン作用薬(中央)、チアジドを含む抗アドレナリン作用薬(末梢)、抗アドレナリン作用薬、中枢作用性、抗アドレナリン作用薬、末梢作用、抗アンドロゲン、抗狭心症薬、抗不整脈薬、抗喘息薬の組み合わせ、抗生物質/抗腫瘍薬、抗コリン作用性制吐剤、抗コリン作用性抗パーキンソン剤、抗コリン作用性気管支拡張剤、抗コリン作用性クロノトロピック剤、抗コリン作用薬/鎮けい薬、抗凝固薬逆転剤、抗凝血剤、抗けいれん薬、抗うつ薬、抗糖尿病薬、抗糖尿病薬の組み合わせ、止瀉薬、抗利尿ホルモン、解毒剤、制吐薬/抗めまい薬、抗真菌薬、抗性腺刺激薬、抗痛風薬、抗ヒスタミン薬、抗高脂血症薬、抗高脂血症薬の組み合わせ、抗高血圧薬の組み合わせ、抗高尿酸血症薬、抗マラリア薬、抗マラリア薬の組み合わせ、抗マラリアキノロン、抗躁病薬、代謝拮抗剤、抗片頭痛薬、抗腫瘍薬の組み合わせ、抗腫瘍薬解毒剤、抗腫瘍薬インターフェロン、抗腫瘍薬、抗パーキンソン薬、抗血小板薬、抗緑膿菌性ペニシリン、乾癬治療薬、抗精神病薬、抗リウマチ剤、防腐剤及び殺菌剤、抗甲状腺剤、抗毒素及び抗ベニン、抗結核剤、抗結核剤の組み合わせ、鎮咳薬、抗ウイルス剤、抗ウイルスブースター、抗ウイルス剤の組み合わせ、抗ウイルスインターフェロン、抗不安薬、鎮静剤、及び催眠剤、アロマターゼ阻害剤、非定型抗精神病薬、アゾール抗真菌剤、細菌ワクチン、バルビツレート抗けいれん薬、バルビツレート、BCR-ABLチロシンキナーゼ阻害剤、ベンゾジアゼピン抗けいれん薬、ベンゾジアゼピン、カルシウムチャネル遮断薬を含むベータ遮断薬、チアジドを含むベータ遮断薬、ベータアドレナリン遮断薬、ベータラクタマーゼ阻害薬、胆汁酸封鎖剤、生物学的製剤、ビスホスホネート、骨形成タンパク質、骨吸収阻害剤、気管支拡張剤の組み合わせ、気管支拡張剤、カルシウム受容体作動薬、カルシニューリン阻害剤、カルシトニン、カルシウムチャネル遮断剤、カルバメート抗けいれん剤、カルバペネム、カルバペネム/ベータラクタマーゼ阻害剤、炭酸脱水酵素阻害剤抗けいれん剤、炭酸脱水酵素阻害剤、心臓ストレス剤、心臓選択的ベータ遮断薬、心臓血管剤、カテコラミン、カチオン交換樹脂、CD20モノクローナル抗体、CD30モノクローナル抗体、CD33モノクローナル抗体、CD38モノクローナル抗体、CD52モノクローナル抗体、CDK4/6阻害剤、中枢神経系薬物、セファロスポリン、セファロスポリン/ベータラクタマーゼ阻害剤、セルメノリティックス、CFTRの組み合わせ、CFTR増強剤、CGRP阻害剤、キレート剤、ケモカイン受容体拮抗剤、塩化物チャネル活性化剤、コレステロール吸収阻害剤、コリン作動性アゴニスト、コリン作動性筋刺激剤、コリンエステラーゼ阻害剤、CNS刺激剤、凝固修飾剤、コロニー刺激因子、避妊薬、副腎皮質刺激ホルモン、クマリン及びインダンジオン、cox-2阻害剤、充血除去剤、皮膚科薬、診断用放射性医薬品、ジアリールキノリン、ジベンズアゼピン抗けいれん薬、消化酵素、ジペプチジルペプチダーゼ4阻害剤、利尿薬、ドーパミン作用性抗パーキンソニズム薬、アルコール依存症に使用される薬物、エキノカンジン、EGFR阻害剤、エストロゲン受容体拮抗薬、エストロゲン、去痰薬、第Xa因子阻害薬、脂肪酸誘導体抗けいれん薬、フィブリン酸誘導体、第1世代セファロスポリン、第4世代セファロスポリン、機能性腸障害剤、胆石可溶化剤、γ-アミノ酪酸類似体、γ-アミノ酪酸再取り込み阻害剤、胃腸薬、一般麻酔薬、尿生殖路薬、胃腸刺激薬、グルココルチコイド、グルコース上昇剤、糖ペプチド抗生物質、糖タンパク質血小板阻害剤、グリシルサイクリン、ゴナドトロピン放出ホルモン、ゴナドトロピン放出ホルモン拮抗薬、ゴナドトロピン、グループI抗不整脈剤、グループII抗不整脈剤、グループIII抗不整脈剤、グループIV抗不整脈剤、グループV抗不整脈剤、成長ホルモン受容体遮断薬、成長ホルモン、グアニル酸シクラーゼ-Cアゴニスト、ピロリ菌根絶剤、H2拮抗薬、ヘッジホッグ経路阻害剤、造血幹細胞動員剤、ヘパリン拮抗薬、ヘパリン、HER2阻害剤、ハーブ製品、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、ホルモン、ホルモン/抗腫瘍薬、ヒダントイン抗けいれん剤、ヒドラジド誘導体、違法(ストリート)薬、免疫グロブリン、免疫剤、免疫刺激剤、免疫抑制剤、インポテンス剤、インビボ診断生物学的製剤、インクレチン模擬剤、吸入抗感染薬、吸入コルチコステロイド、イノトロピック剤、インスリン、インスリン様成長因子、インテグラーゼ鎖転移阻害剤、インターフェロン、インターロイキン阻害剤、インターロイキン、静脈栄養製品、ヨウ素化造影剤、イオン性ヨウ素化造影剤、鉄製品、ケトリド、下剤、抗らい菌薬、ロイコトリエン修飾薬、リンコマイシン誘導体、局所注射可能麻酔薬、コルチコステロイドを含む局所注射可能麻酔薬、ループ利尿薬、肺界面活性剤、リンパ染色剤、リソソーム酵素、マクロライド誘導体、マクロライド、磁気共鳴イメージング造影剤、肥満細胞安定剤、医療用ガス、メグリチニド、代謝剤、メチルキサンチン、鉱質コルチコイド、ミネラル及び電解質、その他の薬物、その他の鎮痛薬、その他の抗生物質、その他の抗けいれん薬、その他の抗うつ薬、その他の抗糖尿病薬、その他の制吐剤、その他の抗真菌剤、その他の抗高脂血症薬、その他の抗高血圧薬の組み合わせ、その他の抗マラリア薬、その他の抗腫瘍薬、その他の抗パーキンソン剤、その他の抗精神病薬、その他の抗結核薬、その他の抗ウイルス薬、その他の不安緩解薬、鎮静剤及び催眠薬、その他の骨吸収阻害剤、その他の心臓血管薬、その他の中枢神経系薬、その他の凝固修飾薬、その他の診断用染料、その他の利尿薬、その他の尿生殖路薬、その他の胃腸薬、その他のホルモン、その他の代謝剤、その他の眼科用薬物、その他の耳用薬物、その他の呼吸器用薬物、その他の性ホルモン、その他の局所用薬物、その他の未分類薬物、その他の膣用薬物、有糸分裂阻害剤、モノアミン酸化酵素阻害剤、口及び喉の製品、mTOR阻害剤、粘液溶解薬、マルチキナーゼ阻害剤、筋弛緩薬、散瞳薬、麻薬性鎮痛薬の組み合わせ、麻薬性鎮痛薬、鼻の抗感染薬、鼻の抗ヒスタミン剤と充血除去剤、鼻の潤滑剤及び洗浄剤、鼻の調製物、鼻用ステロイド、天然ペニシリン、ネプリリシン阻害剤、ニューラミニダーゼ阻害剤、神経筋遮断薬、神経カリウムチャネルオープナ、次世代セファロスポリン、ニコチン酸誘導体、NK1受容体拮抗薬、NNRTI、非心臓選択的ベータ遮断薬、非ヨウ素化造影剤、非イオン性ヨウ素化造影剤、非スルホニル尿素、非ステロイド性抗炎症薬、NS5A阻害剤、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NRTI)、栄養補助食品、栄養製品、眼科用麻酔薬、眼科用抗感染薬、眼科用抗炎症薬、眼科用抗ヒスタミン剤及び充血除去剤、眼科用診断薬、眼科用緑内障薬、眼科用潤滑剤及び洗浄剤、眼科用調製物、眼科用ステロイド、抗感染薬を含む眼科用ステロイド、眼科用外科薬、経口栄養補助剤、他の免疫賦活剤、他の免疫抑制剤、耳用麻酔薬、耳用抗感染薬、耳用調製物、耳用ステロイド、抗感染薬を含む耳用ステロイド、オキサゾリジンジオン抗けいれん薬、オキサゾリジノン抗生物質、副甲状腺ホルモン及び類似体、PARP阻害剤、PCSK9阻害剤、ペニシリナーゼ耐性ペニシリン、ペニシリン、末梢オピオイド受容体拮抗薬、末梢オピオイド受容体混合アゴニスト/拮抗薬、末梢血管拡張剤、末梢作用性抗肥満薬、フェノチアジン制吐薬、フェノチアジン抗精神病薬、フェニルピペラジン抗うつ薬、リン酸結合剤、PI3K阻害剤、血漿エキスパンダー、血小板凝集阻害剤、血小板刺激剤、ポリエン、チアジドを含むカリウム保持性利尿薬、カリウム保持性利尿薬、プロバイオティクスプロゲステロン受容体モジュレータ、プロゲスチン、プロラクチン阻害剤、プロスタグランジンD2拮抗薬、プロテアーゼ阻害剤、プロテアーゼ活性化受容体1拮抗薬、プロテアソーム阻害剤、プロトンポンプ阻害剤、ソラレン、精神治療薬、精神治療薬の組み合わせ、プリンヌクレオシド、ピロリジン抗けいれん薬、キノロン、放射線造影剤、放射線補助剤、放射線治療薬、放射性抱合剤、放射性医薬品、組換えヒトエリスロポイエチン、レニン阻害剤、呼吸剤、呼吸吸入製品、リファマイシン誘導体、サリチル酸、硬化剤、第2世代セファロスポリン、選択的エストロゲン受容体修飾薬、選択的免疫抑制剤、選択的ホスホジエステラーゼ-4阻害剤、選択的セロトニン再取り込み阻害剤、セロトニン-ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、セロトニン作動性神経腸調節剤、性ホルモンの組み合わせ、性ホルモン、SGLT-2阻害剤、骨格筋弛緩剤の組み合わせ、骨格筋弛緩剤、禁煙剤、ソマトスタチン及びソマトスタチン類似体、殺精子剤、スタチン、滅菌洗浄液、ストレプトグラミン、ストレプトミセス誘導体、スクシンイミド抗けいれん剤、スルホンアミド、スルホニル尿素、合成排卵刺激剤、四環性抗うつ剤、テトラサイクリン、治療用放射性医薬品、治療用ワクチン、チアジド利尿薬、チアゾリジンジオン、チオキサンテン、第3世代セファロスポリン、トロンビン阻害剤、血栓溶解剤、甲状腺剤、TNFアルファ阻害剤、トコリティック剤、局所にきび剤、局所剤、局所アレルギー診断剤、局所麻酔薬、局所抗感染薬、局所抗ロザセア剤、局所抗生物質、局所抗真菌剤、局所抗ヒスタミン剤、局所抗腫瘍薬、局所抗乾癬剤、局所抗ウイルス剤、局所収斂剤、局所創傷清拭剤、局所脱色素剤、局所エモリエント剤、局所角質溶解剤、局所非ステロイド性抗炎症薬、局所光化学療法剤、局所ルベファシエント、局所ステロイド、抗感染薬を含む局所ステロイド、トランスチレチン安定剤、トリアジン抗けいれん剤、三環式抗うつ剤、三官能性モノクローナル抗体、超音波造影剤、上気道用複合剤、尿素抗けいれん剤、尿素サイクル障害剤、尿中抗感染薬、尿鎮痙薬、尿pH調整剤、子宮収縮剤、ワクチンの組み合わせ、膣用抗感染薬、膣用調製物、血管拡張剤、バソプレシン拮抗薬、昇圧剤、VEGF/VEGFR阻害剤、ウイルスワクチン、粘液補充剤、ビタミン及びミネラルの組み合わせ、ビタミン、又はVMAT2阻害剤が、挙げられる。本開示の薬物投与デバイスは、エピネフリン、Rebif、Enbrel、Aranesp、アトロピン、塩化プラリドキシム、ジアゼパム、インスリン、アントロピン硫酸塩、アビバクタムナトリウム、ベンダムスチン塩酸塩、カルボプラチン、ダプトマイシン、エピネフリン、レベチラセタム、オキサリプラチン、パクリタキセル、パントプラゾールナトリウム、トレプロスチニル、バソプレシン、ボリコナゾール、ゾレドロン酸、モメタゾン、フルチカゾン、シクレソニド、ブデソニド、ベクロメタゾン、ビランテロール、サルメテロール、フォルモテロール、ウメクリジニウム、グリコピロレート、チオトロピウム、アクリジニウム、インダカテロール、サルメテロー
ル、及びオロダテロールから選択される薬物を投与し得る。
【0075】
上記のように、様々な薬物のいずれかが、薬物投与デバイスを使用して送達され得る。本明細書に記載の薬物投与デバイスを使用して送達され得る薬物の例としては、Remicade(登録商標)(インフリキシマブ)、Stelara(登録商標)(ウステキヌマブ)、Simponi(登録商標)(ゴリムマブ)、Simponi Aria(登録商標)(ゴリムマブ)、Darzalex(登録商標)(ダラツムマブ)、Tremfya(登録商標)(グセルクマブ)、Eprex(登録商標)(エポエチンアルファ)、Risperdal Constra(登録商標)(リスペリドン)、Invega Sustenna(登録商標)(パルミチン酸パリペリドン)、及びInvega Trinza(登録商標)(パルミチン酸パリペリドン)が挙げられる。
【0076】
薬物ハウジング
上記のように、剤形は、利用される特定の剤形に適したホルダ内に提供され得る。例えば、液体剤形の薬物は、投与の前に、ストッパを有するバイアル又はプランジャを有するシリンジの形態のホルダ内に保持され得る。例えば、錠剤としての固体又は粉末の剤形の薬物は、投与の前に、錠剤をしっかりと保持するように配置されたハウジング内に収容され得る。
【0077】
ハウジングは、1つ又は複数の薬物ホルダを含み得、それぞれのホルダは剤形を収容し、例えば、薬物は、錠剤の剤形であり得、ハウジングは、錠剤が複数のホルダのそれぞれの中に保持されるブリスタパックの形態であり得る。ブリスタパックの凹部の形態であるホルダ。
【0078】
図6は、各々が剤形611を収容する複数の薬物ホルダ610を備えるハウジング630を示す。ハウジング630は、環境の温度、時間、又は位置など、ハウジング630が存在する環境に関する情報を感知するように構成されている少なくとも1つの環境センサ94を有し得る。ハウジング630は、ホルダ610内に収容された剤形611の薬物に関する情報を感知するように構成されている少なくとも1つのデバイスセンサ92を含み得る。例えば、GPSなどの衛星位置決定を介して、ハウジング630の地理的位置を決定するように構成されている専用の位置センサ98が存在してもよい。
【0079】
ハウジング630は、ホルダ610内に収容された剤形611の薬物の状態に関する情報を薬物ハウジングのユーザに提示するように構成されているインジケータ85を含み得る。ハウジング630はまた、薬物ハウジング630、環境、時間、若しくは場所、及び/又は薬物自体に関するデータの有線又は無線転送を介して、外部に情報を通信することができる通信インターフェース99を含み得る。
【0080】
必要に応じて、ハウジング630は、ハウジング630の1つ又は2つ以上の電気的構成要素に電力を送達するための電源95を備え得る。電源95は、ハウジング630と一体である電源、及び/又はハウジング630を外部電源に接続するための機構であり得る。ハウジング630はまた、電源95によって給電され、互いに、及び任意選択で、環境センサ94、位置センサ98、デバイスセンサ92、通信インターフェース99、及び/又はインジケータ85などの、ハウジング630の他の電気的及び制御構成要素と通信する、プロセッサ96とメモリ97とを含むデバイスコンピュータシステム90を含み得る。プロセッサ96は、環境センサ94、デバイスセンサ92、通信インターフェース99、位置センサ98、及び/又はユーザインターフェース80から取得されたデータを取得し、それを処理して、例えば、インジケータ85に、及び/又は通信インターフェース99にデータ出力を提供するように構成されている。
【0081】
ハウジング630は、パッケージングの形態であり得る。代替的に、追加のパッケージングが存在して、ハウジング630を収容及び取り囲んでもよい。
【0082】
ホルダ610又は追加のパッケージングは、それら自体が、上述のように、デバイスセンサ92、環境センサ94、インジケータ85、通信インターフェース99、電源95、位置センサ98、及びプロセッサ96とメモリ85とを含むデバイスコンピュータシステムのうちの1つ又は2つ以上を備え得る。
【0083】
電子通信
上述のように、通信インターフェース99は、ハウジング30、630内又はその上に、あるいは代替的にパッケージング35内又はその上に含まれることによって、薬物投与デバイス500又は薬物ハウジング630と関連付けられ得る。そのような通信インターフェース99は、図7に示される中央コンピュータシステム700などのリモートコンピュータシステムと通信するように構成され得る。図7に示されるように、薬物投与デバイス500又はハウジング630に関連付けられた通信インターフェース99は、通信ネットワーク702を介して、例えば、病院又は他の医療センターなどの医療施設706、ホームベース708(例えば、患者の家庭若しくはオフィス、又はケアテイカーの家庭若しくはオフィス)、又は携帯場所710などの任意の数の場所から中央コンピュータシステム700と通信するように構成されている。通信インターフェース99は、ネットワーク702への有線及び/又は無線接続を介して、システム700にアクセスするように構成され得る。例示的な一実施形態では、図6の通信インターフェース99は、システム700に無線で、例えば、Wi-Fi接続を介してアクセスするように構成されており、それにより、世界のほぼ全ての場所からのシステム700のアクセス可能性を促進し得る。
【0084】
当業者は、システム700が、任意の特定のユーザに利用可能なシステム700の態様が、例えば、ユーザの識別情報及び/又はユーザがシステムにアクセスしている場所に基づいて決定され得るように、セキュリティ機能を含み得ることを理解するであろう。そのために、それぞれのユーザは、システム700へのアクセスを容易にするために、固有のユーザ名、パスワード、及び/又は他のセキュリティ資格情報を有し得る。受信されたセキュリティパラメータ情報は、ユーザが認定されているかどうか、及びユーザがどの程度、システムと対話すること、システムに記憶された情報を見ることなどを許可されているかを決定するために、認定ユーザのデータベースに対してチェックされ得る。
【0085】
コンピュータシステム
本明細書で論じられるように、本明細書に記載の主題の1つ又は2つ以上の態様若しくは特徴、例えば、中央コンピュータシステム700の構成要素、プロセッサ96、電源95、メモリ97、通信インターフェース99、ユーザインターフェース80、デバイスインジケータ85、デバイスセンサ92、環境センサ94、及び位置センサ98は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計された特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組み合わせで実現され得る。これらの様々な態様又は特徴は、少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサを含むプログラム可能なシステム上で実行可能及び/又は解釈可能である1つ又は2つ以上のコンピュータプログラムの実行を含み得、そのプロセッサは、記憶システム、少なくとも1つの入力装置、及び少なくとも1つの出力装置からデータ及び命令を受信し、それらへデータ及び命令を送信するように接続された専用又は汎用プロセッサとすることができる。プログラム可能なシステム又はコンピュータシステムは、クライアント及びサーバを含んでもよい。クライアント及びサーバは、一般に、互いに遠隔にあり、典型的には、通信ネットワーク、例えば、インターネット、無線広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、又は有線ネットワークを介して相互作用する。クライアント及びサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され、かつ互いにクライアントサーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。
【0086】
コンピュータプログラムは、プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリケーション、コンポーネント、又はコードとも呼ばれることがあり、プログラム可能なプロセッサのための機械命令を含み、高級プロシージャ言語、オブジェクト指向プログラミング言語、関数型プログラミング言語、論理型プログラミング言語、及び/又はアセンブリ/機械言語で実現され得る。本明細書で使用されるとき、用語「機械可読媒体」とは、例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、及びプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device、PLD)などの任意のコンピュータプログラム製品、機器、及び/又は装置を指し、これらは、機械可読信号として機械命令を受信する機械可読媒体を含む、プログラム可能なプロセッサに機械命令及び/又はデータを提供するために使用される。用語「機械可読信号」とは、プログラム可能なプロセッサに機械命令及び/又はデータを提供するために使用される任意の信号を指す。機械可読媒体は、例えば、非過渡的固体メモリ若しくは磁気ハードドライブ、又は任意の同等の記憶媒体などの、このような機械命令を非一時的に記憶することができる。機械可読媒体は、例えば、プロセッサキャッシュ、若しくは1つ又は2つ以上の物理的プロセッサコアに関連付けられた他のランダムアクセスメモリなどの一時的な方法で、そのような機械命令を代替的又は追加的に記憶することができる。
【0087】
ユーザとの相互作用を提供するために、本明細書に記載の主題の1つ又は2つ以上の態様又は特徴、例えば、ユーザインターフェース80(投与デバイス500又はハウジング630に統合されるか又は別個であり得る)は、例えば、ユーザに情報を表示するため陰極線管(Cathode Ray Tube、CRT)、又は液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)、若しくは発光ダイオード(Light Emitting Diode、LED)モニタなどの表示画面を有するコンピュータ上に実装され得る。表示画面は、直接的に(例えば、タッチスクリーンとして)又は間接的に(例えば、キーパッド又は音声認識ハードウェア及びソフトウェアなどの入力デバイスを介して)表示画面への入力を可能にし得る。他の種類の装置を使用して、ユーザとの相互作用を同様に提供することができる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックなどの任意の形態の感覚フィードバックであり得、ユーザからの入力は、音響入力、音声入力、又は触覚入力を含むが、これらに限定されない任意の形態で受信されてもよい。上述のように、このフィードバックは、ユーザインターフェース80に加えて、1つ又は2つ以上のデバイスインジケータ85を介して提供され得る。デバイスインジケータ85は、このフィードバックを提供するために、又はユーザからの入力を受信するために、デバイスセンサ92、環境センサ94、及び/又は位置センサ98のうちの1つ又は2つ以上と相互作用し得る。
【0088】
図8は、コンピュータシステム800として示されるコンピュータシステム700の例示的な一実施形態を示す。コンピュータシステムは、コンピュータシステム800の動作を制御するように構成されている1つ又は2つ以上のプロセッサ896を含む。プロセッサ896は、プログラム可能な汎用若しくは専用マイクロプロセッサ、及び/又は様々な専用若しくは市販の単一若しくはマルチプロセッサシステムのうちのいずれか1つを含む、任意のタイプのマイクロプロセッサ若しくは中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)を含み得る。コンピュータシステム800はまた、プロセッサ896によって実行されるコードのための、あるいは1つ又は2つ以上のユーザ、記憶デバイス、及び/又はデータベースから得られたデータのための一時記憶装置を提供するように構成されている1つ又は2つ以上のメモリ897を含む。メモリ897としては、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、1つ又は2つ以上の様々なランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)(例えば、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、若しくはシンクロナスDRAM(SDRAM)、及び/又はメモリ技術の組み合わせが挙げられ得る。
【0089】
コンピュータシステムの様々な要素は、バスシステム812に結合されている。図示されたバスシステム812は、適切なブリッジ、アダプタ、及び/又はコントローラによって接続された、任意の1つ又は2つ以上の別個の物理的バス、通信ライン/インターフェース、及び/又はマルチドロップ若しくはポイントツーポイント接続を表す抽象化したものである。コンピュータシステム800はまた、1つ又は2つ以上のネットワークインターフェース899(本明細書では、通信インターフェースとも呼ばれる)、1つ又は2つ以上の入力/出力(IO)インターフェース880、及び1つ又は2つ以上の記憶装置810を含む。
【0090】
通信インターフェース899は、コンピュータシステムが、リモートデバイス、例えば、他のコンピュータシステム及び/又はデバイス500若しくはハウジング630とネットワークを介して通信することを可能にするように構成されるか、又は、例えば、リモートデスクトップ接続インターフェース、イーサネットアダプタ、及び/又は他のローカルエリアネットワーク(Local Area Network、LAN)アダプタであり得る。IOインターフェース880は、コンピュータシステム800を他の電子機器と接続するための1つ又は2つ以上のインターフェース構成要素を含む。例えば、IOインターフェース880は、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、1394ポート、Wi-Fi、Bluetoothなどの高速データポートを含み得る。追加的に、コンピュータシステムは、人間ユーザにアクセス可能であり得、したがって、IOインターフェース880は、ディスプレイ、スピーカ、キーボード、ポインティングデバイス、及び/又は様々な他のビデオ、オーディオ、若しくは英数字インターフェースを含み得る。記憶装置810は、不揮発性及び/又は非過渡的な方法でデータを記憶するための任意の従来式媒体を含む。したがって、記憶装置810は、コンピュータシステムへの電力の中断にもかかわらず、値が保持される永続的な状態で、データ及び/又は命令を保持するように構成される。記憶装置810は、1つ又は2つ以上のハードディスクドライブ、フラッシュドライブ、USBドライブ、光学ドライブ、様々なメディアカード、ディスケット、コンパクトディスク、及び/又はそれらの任意の組み合わせを含み得、コンピュータシステムに直接接続されるか、又はネットワークを介してなどで、コンピュータシステムに遠隔接続され得る。例示的な一実施形態では、記憶装置810としては、例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュドライブ、USBドライブ、光学ドライブ、メディアカード、ディスケット、又はコンパクトディスクなどの、データを記憶するように構成されている有形又は非一時的コンピュータ可読媒体が挙げられる。
【0091】
図8に例示されている要素は、単一の物理的機械の要素の一部又は全てであり得る。更に、図示された要素の全てが同じ物理的機械上又は同じ物理的機械内に配置される必要はない。
【0092】
コンピュータシステム800は、ウェブページ又は他のマークアップ言語ストリームを検索すること、それらのページ及び/又はストリームを(視覚的に、聴覚的に、又は他の方法で)提示すること、それらのページ/ストリーム上でスクリプト、制御、及び他のコードを実行すること、(例えば、入力フィールドを完了させるために)それらのページ/ストリームに対するユーザ入力を受諾すること、それらのページ/ストリームに対するHyperText Transfer Protocol(HTTP)リクエストを発行することか又は他の方法(例えば、完了した入力フィールドからの情報をサーバに提出するため)などのためのウェブブラウザを含み得る。ウェブページ又は他のマークアップ言語は、ハイパーテキスト・マークアップ・ランゲージ(HyperText Markup Language、HTML)、又は埋め込み型エクステンシブル・マークアップ・ランゲージ(Extensible Markup Language、XML)、スクリプト、コントロールなどを含む他の従来の形態であり得る。コンピュータシステム800はまた、ウェブページを生成する、及び/又はクライアントコンピュータシステムに配信するためのウェブサーバを含み得る。
【0093】
図7に示されるように、図8のコンピュータシステム800は、上述のように、1つ又は2つ以上の個別の薬物投与デバイス500又はハウジング630のデバイスコンピュータシステム90のうちの1つ又は2つ以上と通信する中央コンピュータシステム700の構成要素を形成し得る。デバイス500又はハウジング630の動作データ、そのようなデバイス500又はハウジング630によって取得された患者の医療データなどのデータは、中央及びデバイスコンピュータシステム700、90間で交換され得る。
【0094】
前述のように、上述のコンピュータシステム800はまた、薬物投与デバイス500又はハウジング630に統合されるか、又はそれらに近接するデバイスコンピュータシステム90の構成要素を形成し得る。この点に関して言えば、1つ又は2つ以上のプロセッサ896は、プロセッサ96に対応し、ネットワークインターフェース799は、通信インターフェース99に対応し、IOインターフェース880は、ユーザインターフェース80に対応し、メモリ897は、メモリ97に対応する。更に、追加の記憶装置810がまた、デバイスコンピュータシステム90内に存在し得る。
【0095】
例示的な一実施形態では、コンピュータシステム800は、例えば、単一の薬物投与デバイスハウジング30内に収容された、1つ又は2つ以上の薬物投与デバイス500の単一のパッケージ35、若しくは複数の薬物ホルダ610を備えるハウジング630内に収容された、単一のユニットとしてのデバイスコンピュータシステム90を形成し得る。コンピュータシステム800は、単一のユニットとして、単一のサーバとして、又は単一のタワーとして、中央コンピュータシステム700を形成し得る。
【0096】
単一のユニットは、その様々な態様が、システムの任意の他の態様の機能を中断することなく、例えば、アップグレード、交換、メンテナンスなどのために必要に応じてスワップイン/アウトされ得るように、モジュール式であり得る。したがって、単一のユニットはまた、追加のモジュールとして追加される能力を使用して拡張可能とすることができ、並びに/又は既存のモジュールの追加の機能性が所望され、かつ/若しくは改善される。
【0097】
コンピュータシステムはまた、一例として、オペレーティングシステム及びデータベース管理システムを含む、様々な他のソフトウェア並びに/又はハードウェア構成要素のうちのいずれかを含み得る。本明細書には例示的なコンピュータシステムが図示及び説明されているが、これは一般概念及び便宜のためであることが理解されるであろう。他の実施形態では、コンピュータシステムは、本明細書に示され説明されるものとは、アーキテクチャ及び動作が異なる場合がある。例えば、メモリ897及び記憶装置810は、一緒に統合され得るか、又は別のコンピュータシステムとの通信が必要ではない場合、通信インターフェース899は、省略され得る。
【0098】
A.実装態様
本明細書に記載の薬物投与デバイスの実施形態は、薬物投与デバイスが水分又は他の汚染物質に曝露され得る環境で使用されるように構成され得、これにより、薬物の誤った適用に起因する患者への危害のリスクを低減し得る。
【0099】
本明細書に記載の薬物投与デバイスの実施形態は、薬物が必要とされるとき、ユーザが薬物投与デバイスから薬物を投与できないままにしないように構成され得、これにより、患者のコンプライアンス、ひいては安全性を改善し得る。
【0100】
例示的な実施形態では、薬物を投与するように構成された薬物投与デバイスは、第1のハウジング電気接点及び第2のハウジング電気接点を含むハウジングと、ハウジング内に収容された分配機構と、薬物を保持するように構成された薬物ホルダと、薬物投与デバイスに給電するように構成され、第1の電源電気接点及び第2の電源電気接点を含む取り外し可能電源と、を含む。ハウジングは、ハウジング保護機構を含み、及び/又は電源は、電源保護機構を含み得る。ハウジング保護機構は、取り外し可能電源がハウジング内に受容されていないときに、第1のハウジング電気接点を保護する第1の構成にあり、取り外し可能電源がハウジング内に受容されているときに、第1及び第2のハウジング電気接点と第1及び第2の電源電気接点との間の接触をそれぞれ可能にする第2の構成にあるように構成されている。電源保護機構は、取り外し可能電源がハウジング内に受容されてないときに、第2電源電気接点を保護する第1の構成にあり、取り外し可能電源がハウジング内に受容されているときに、第1及び第2のハウジング電気接点と第1及び第2の電源電気接点との間の接触をそれぞれ可能にする第2の構成にあるように構成されている。
【0101】
ハウジング及び/又は取り外し可能電源の電気接点を保護することにより、薬物投与デバイスは使用可能になり得、電源は、ハウジング又は取り外し可能電源のいずれかが汚染物質と接触するリスクがある環境において交換可能であり得る。これは、患者が行く場所にはどこにでも薬物投与デバイスが必然的に携帯され、使用され得るウェアラブル薬物投与デバイスに特に好適であり得、また、これは特に、大量の電力を消費し、そのため、取り外し可能電源の定期的な取り外し及び/又は交換を必要とする薬物投与デバイスに好適であり得る。
【0102】
薬物投与デバイスの形態は、本明細書に記載の薬物投与デバイスのいずれかであり得る。
【0103】
薬物投与デバイスのハウジングは、薬物投与デバイスの外部部分である。薬物投与デバイスのハウジングは、薬物投与デバイスの内部部分に汚染物質を入れないように構成され得、薬物投与デバイスの内部部分は、ハウジング内に配設された薬物投与デバイスの全ての部分を含む。特に、ハウジングは、IEC標準60529に従って、耐水性、例えば、IPX2、IPX3、IPX4、IPX5、IPX6、IPX7、IPX8、又はそれ以上の防水性能をもつように構成され得る。ハウジングは、薬物投与デバイスの外部部分を提供し、また、ハウジングが耐水性又は防水性であるように構成されている場合は、必要な耐水性又は防水性を提供するために、取り外し可能電源がハウジング内に受容されているときに、取り外し可能電源の一部分と結合し得る。
【0104】
薬物投与デバイスの薬物ホルダは、薬物を保持するための任意の好適な形態であり得る。本明細書に記載されるように、そのような好適な形態は、バイアル又は注射器を含む。
【0105】
薬物投与デバイスの取り外し可能電源は、1回だけ使用されるように構成された一次電池であり得る。あるいは、取り外し可能電源は、再充電されるように構成された二次電池であり得る。一次電池としては、例えば、亜鉛炭素極電池又はアルカリ電池が挙げられ得る。二次電池としては、例えば、ニッケルカドミウムセル、ニッケル亜鉛セル、ニッケル水素セル、又はリチウムイオンセルが挙げられ得る。
【0106】
薬物投与デバイスの第1及び第2のハウジング電気接点並びに第1及び第2の電源電気接点は、第1のハウジング電気接点と第1の電源電気接点との間、及び第2のハウジング電気接点と第2の電源電気接点との間に電気接触が形成され得るように構成されている。取り外し可能電源がハウジング内に受容されているときに、第1のハウジング電気接点及び第1の電源電気接点、並びに第2のハウジング電気接点及び第2の電源電気接点は、ハウジングと取り外し可能電源との間の電気回路が完成されるように互いに接触する。これは、取り外し可能電源から薬物投与デバイスの他の構成要素への電力の供給をもたらし得る。
【0107】
保護機構(複数可)は、取り外し可能電源がハウジング内に受容されていないときに、第1の構成にあるように構成されている。第1の構成は、保護機構がそれぞれの電気接点に対してその保護機能を提供する構成である。第1の構成は、それぞれの電気接点への液体侵入を低減又は防止するように構成されてもよい。あるいは、又は加えて、第1の構成は、それぞれの電気接点への固体粒子の侵入を低減又は防止するように構成されてもよい。それぞれの電気接点への液体及び/又は固体粒子の侵入の低減は、保護機構の不在下で発生する進入に対する低減である。このようにして、保護機構(複数可)は、電気接点を汚染から保護するのに役立つ。
【0108】
保護機構(複数可)は、取り外し可能電源がハウジング内に受容されているときに、第2の構成にあるように構成されている。第2の構成は、保護機構がそれぞれの電気接点間の接続を可能にする構成である。これは、取り外し可能電源がハウジング内に受容されるように、取り外し可能電源をハウジングと結合させるアクションによって保護機構が第1の構成から第2の構成に移動されることによって達成され得る。保護機構は、接続を可能にするために、第1の構成と第2の構成との間を手動で移動可能であるように構成され得る。
【0109】
ハウジング保護機構は、取り外し可能電源がハウジング内に挿入されたときに取り外し可能電源と接触することによって、第1の構成と第2の構成との間を移動するように構成されている。ハウジング保護機構は、ハウジング保護機構が第1の構成から第2の構成に移動するときに、第1のハウジング電気接点の表面に沿って移動し、おそらくは第2のハウジング電気接点の表面に沿って移動するように構成されている。電気接点(複数可)の表面(複数可)に沿って移動することにより、ハウジング保護機構は、電気接点(複数可)の表面(複数可)に集まっている可能性のある汚染物質を物理的にこすり落とすか又は拭き取り、それによって、取り外し可能電源がハウジング内に受容されるときに電気接点のよりきれいな表面を提供し、第1のハウジング電気接点と第1の電源電気接点との間に、また、ハウジング保護機構が同様に第2のハウジング電気接点の表面に沿って移動する場合は、第2のハウジング電気接点と第2の電源電気接点との間に、効率的な電気接続が存在することを確実にし得る。
【0110】
ハウジング保護機構は、第1のハウジング電気接点の周りに封止部を形成するように構成され得る。本明細書では、封止部は、2つの表面間を通過する汚染物質を接触部分で防止する、2つの表面間の連続接触を指す。接触部分は、汚染物質の侵入に対して脆弱な領域であり得る。汚染物質は、液体及び/又は固体であり得る。封止部は、2つの表面間を通過する水分を接触部分で防止するように構成されている。封止部は、ハウジング保護機構とハウジング自体との間に形成され得る。ハウジング電気接点の周りに封止部を形成することにより、ハウジング保護機構は、取り外し可能電源がハウジング内に受容されていないときに、水分が第1のハウジング電気接点及び第2のハウジング電気接点に接触し、第1のハウジング電気接点と第2のハウジング電気接点との間に潜在的に回路を生成することを防止し得、薬物投与デバイスが汚染物質、例えば水分と接触するリスクがある環境で使用されるときの、薬物投与デバイスの機能不全のリスクを低減し得る。
【0111】
更に、ハウジング保護機構は、第1のハウジング電気接点を封止するように構成され得、例えば、第1の電気接点を封止して、一定範囲の方向からの汚染物質の侵入を防止する。これに関して、ハウジングは、第1のハウジング電気接点を特定の方向の汚染物質の侵入から保護することができ、第1の電気接点の封止は、例えば、このインターフェースでの汚染物質の侵入を防止するように、第1のハウジング電気接点の周りに封止部を形成することによって、第1のハウジング電気接点を残りの方向の汚染物質の侵入から保護する。
【0112】
封止部は、第1のハウジング電気接点を封止層で被覆することによって形成され得る。封止層は、エラストマー材を含み得る。エラストマー材の使用は、ハウジング保護機構が第1の構成から第2の構成に移動可能であることを支援し得る。
【0113】
ハウジング保護機構は、膜の形態であり得る。ハウジング保護機構は、第1のハウジング電気接点上に延在する層の形態の膜を含み得る。膜によって、第1のハウジング電気接点を汚染物質の侵入から保護するように、第1のハウジング電気接点が封止され得る。
【0114】
本明細書では、膜は、柔軟な材料のシート又はフィルムを指す。膜は、1つ又は2つ以上の層を含み得る。膜は、懸念される汚染物質に対して実質的に不透性であり、例えば、膜は水に対して不透性であり得る。薬物投与デバイスの膜は、合成膜であり得る。薬物投与デバイスの膜は、エラストマー材を含み得る。薬物投与デバイスの膜は、ポリマー、例えば、酢酸セルロース、ニトロセルロース、セルロースエステル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニルなどを含み得る。
【0115】
第1の電源電気接点は、ハウジング保護機構を貫通するように構成され得る。この実施形態では、ハウジング保護機構は、貫通可能に構成されている。ハウジング保護機構を貫通するように構成されている第1の電源電気接点は、ハウジング保護機構が膜の形態である場合に特に関連している。ハウジング保護機構を貫通するアクションによって、ハウジング保護機構は強制的に第2の構成となり、その結果、電気接点間の接触が起こり得る。複数のハウジング電気接点が貫通可能なハウジング保護機構によって保護されている場合、複数のそれぞれの電源電気接点は、関連するハウジング保護機構を貫通するように構成され得る。貫通するアクションの使用はまた、電気接点の表面に沿って移動し、そうすることで接続する前に汚染物質を除去するハウジング保護機構の利益を有する。
【0116】
それぞれの電源電気接点は、少なくとも1つの鋭い又は尖った特徴を含むことによってハウジング保護機構を貫通するように構成され得る。ハウジング電気接点を貫通可能なハウジング保護機構で保護し、ハウジング保護機構を貫通するように構成された電源電気接点を有することによって、薬物投与デバイスは、それぞれのハウジング電気接点に、ハウジング電気接点と電源電気接点との間の電気接続を阻止し得る汚染物質が存在する可能性を低減するように構成され得る。
【0117】
ハウジング保護機構は、上述したように、1つの電気接点のみ、例えば、第1のハウジング電気接点を保護するように構成され得る。この場合、他の電気接点を保護するための追加のハウジング保護機構が存在し得る。追加の電気接点が存在する場合、これらはまた、追加のハウジング保護機構によって保護され得る。このようにして、接点のそれぞれは別々に保護され得る。汚染物質の侵入の問題が、これらの接点のうちの1つに関連付けられている場合、その問題は他の接点に影響を与えない。更に、接点のそれぞれの分離は、汚染物質の侵入によって接点間に望ましくない短絡が発生しないことを確実にする。複数のハウジング保護機構が存在する場合、ハウジング保護機構のそれぞれは、同じ形態であり得る。あるいは、ハウジング保護機構は異なる形態のものであり得る。第1のハウジング電気接点を保護するハウジング保護機構に関連して記載される特徴は、追加のハウジング保護機構のそれぞれに等しく適用される。
【0118】
単一の電気接点を保護するように構成されている単一のハウジング保護機構の代わりに、単一のハウジング保護機構は、複数の接点を保護するように構成され得、汚染物質の侵入からの保護を効率的に提供し得る。
【0119】
第1のハウジング電気接点は、疎水性コーティングでコーティングされ得る。本明細書では、「疎水性」とは、静的液滴法によって測定されるように、コーティングの表面上の水滴の接触角が、90°、100°、110°、又は120°を超えることを意味する。疎水性コーティングは、コーティング層全体の導電率に実質的に影響を及ぼさないように構成される。これは、導電性疎水性コーティングを使用することによって達成され得る。本明細書では、「導電性」とは、コーティングの電気抵抗率が20℃で10-4Ωm、10-5Ωm、10-6Ωm、10-7Ωm、又は10-8Ωm未満であることを意味する。疎水性導電性コーティングとしては、例えば、炭素ナノチューブ構造、シリカナノコーティング、多結晶金、多結晶銀、又は多結晶銅が挙げられ得る。疎水性導電性コーティングは、電気接点の表面をエッチングすることによって達成され得る。第1のハウジング電気接点を疎水性コーティングでコーティングすることにより、第1のハウジング電気接点の表面に集まる水分汚染の量が減少する。ハウジング保護機構を、第1の構成と第2の構成との間を移動するときに第1のハウジング電気接点の表面に沿って移動するように構成することと組み合わせて、第1のハウジング電気接点を疎水性コーティングでコーティングすることにより、取り外し可能電源がハウジング内に挿入されているときに、第1のハウジング電気接点の表面がより効果的に洗浄される。
【0120】
ハウジング保護機構に関連して記載される特徴は、電源保護機構がハウジング保護機構に加えて、又はそれに代えて存在する場合、電源保護機構に等しく適用される。例えば、第1のハウジング電気接点は、ハウジング保護機構によって保護され得、第2の電源電気接点は、電源保護機構によって保護され得る。加えて、これらの保護機構の両方は、貫通可能に構成され得る。したがって、第2のハウジング電気接点及び第1の電源電気接点は、電源保護機構及びハウジング保護機構をそれぞれ貫通して、ハウジング電気接点及び電源電気接点に保護の形態を提供し得る電気接点を形成するように構成され得る。
【0121】
電源保護機構は、取り外し可能電源がハウジング内に挿入されたときにハウジングと接触することによって、第1の構成と第2の構成との間を移動するように構成されている。電源保護機構は、電源保護機構が第1の構成から第2の構成に移動するときに、第1の電源電気接点の表面に沿って移動し、おそらくは第2の電源電気接点の表面に沿って移動するように構成され得る。電気接点(複数可)の表面(複数可)に沿って移動することにより、電源保護機構は、電気接点(複数可)の表面(複数可)に集まっている可能性のあるあらゆる汚染物質を物理的にこすり落とすか又は拭き取り、それによって、取り外し可能電源がハウジング内に受容されるときに電気接点のよりきれいな表面を提供し、第1の電源電気接点と第1のハウジング電気接点との間に、また、電源保護機構が同様に第2の電源電気接点の表面に沿って移動する場合は、第2の電源電気接点と第2のハウジング電気接点との間に、効率的な電気接続が存在することを確実にし得る。
【0122】
電源保護機構は、第1の電源電気接点の周りに封止部を形成するように構成され得る。封止部は、電源保護機構と取り外し可能電源自体との間に形成され得る。電源保護機構は、第1の電源電気接点及び第2の電源電気接点の周りに封止部を形成するように構成され得る。電源電気接点の周りに封止部を形成することにより、電源保護機構は、取り外し可能電源がハウジング内に受容されていないときに、水分が第1の電源電気接点及び第2の電源電気接点に接触し、第1の電源電気接点と第2の電源電気接点との間に潜在的に回路を生成することを防止し得、薬物投与デバイスが汚染物質、例えば水分と接触するリスクがある環境で使用されるときに、薬物投与デバイスの機能不全のリスクを低減し得る。
【0123】
更に、電源保護機構は、第1の電源電気接点を封止するように構成され得、例えば、第1の電気接点を封止して、一定範囲の方向からの汚染物質の侵入を防止する。これに関して、取り外し可能電源は、第1の電源電気接点を特定の方向の汚染物質の侵入から保護することができ、第1の電気接点の封止は、例えば、このインターフェースでの汚染物質の侵入を防止するように、第1の電源電気接点の周りに封止部を形成することによって、第1の電源電気接点を残りの方向の汚染物質の侵入から保護する。
【0124】
封止部は、第1の電源電気接点を封止層で被覆することによって形成され得る。封止層は、エラストマー材を含み得る。エラストマー材の使用は、電源保護機構が第1の構成から第2の構成に移動可能であることを支援し得る。
【0125】
電源保護機構は、膜の形態であり得る。電源保護機構は、第1の電源電気接点上に延在する層の形態の膜を含み得る。膜によって、第1の電源電気接点を汚染物質の侵入から保護するように、第1の電源電気接点が封止され得る。
【0126】
第1のハウジング電気接点は、電源保護機構を貫通するように構成され得る。この実施形態では、電源保護機構は、貫通可能に構成されている。電源保護機構を貫通するように構成されている第1のハウジング電気接点は、電源保護機構が膜の形態である場合に特に関連している。電源保護機構を貫通するアクションによって、電源保護機構は強制的に第2の構成になり、その結果、電気接点間の接触が起こり得る。複数の電源電気接点が貫通可能な電源保護機構によって保護されている場合、複数のそれぞれのハウジング電気接点は、関連する電源保護機構を貫通するように構成され得る。貫通するアクションの使用はまた、電気接点の表面に沿って移動し、そうすることで接続する前に汚染物質を除去する電源保護機構の利益を有する。
【0127】
それぞれのハウジング電気接点は、少なくとも1つの鋭い又は尖った特徴を含むことによって電源保護機構を貫通するように構成され得る。電源電気接点を貫通可能な電源保護機構で保護し、電源保護機構を貫通するように構成されたハウジング電気接点を有することによって、薬物投与デバイスは、それぞれの電源電気接点に、電源電気接点とハウジング電気接点との間の電気接続を阻止し得る汚染物質が存在する可能性を低減するように構成され得る。
【0128】
電源保護機構は、上述したように、1つの電気接点のみ、例えば、第1の電源電気接点を保護するように構成され得る。この場合、他の電気接点を保護するための追加の電源保護機構が存在し得る。追加の電気接点が存在する場合、これらは、また、追加の電源保護機構によって保護され得る。このようにして、接点のそれぞれは別々に保護され得る。汚染物質の侵入の問題が、これらの接点のうちの1つに関連付けられている場合、その問題は他の接点に影響を与えない。更に、接点のそれぞれの分離は、汚染物質の侵入によって接点間に望ましくない短絡が発生しないことを確実にする。複数の電源保護機構が存在する場合、電源保護機構のそれぞれは、同じ形態であり得る。あるいは、電源保護機構は異なる形態のものであり得る。第1の電源電気接点を保護する電源保護機構に関連して記載される特徴は、追加の電源保護機構のそれぞれに等しく適用される。
【0129】
単一の電気接点を保護するように構成されている単一の電源保護機構の代わりに、単一の電源保護機構は、複数の接点を保護するように構成され得、汚染物質の侵入からの保護を効率的に提供し得る。
【0130】
第1の電源電気接点は、疎水性導電性コーティングでコーティングされ得る。第1の電源電気接点を疎水性導電性コーティングでコーティングすることにより、第1の電源電気接点の表面に集まる水分汚染の量が減少する。電源保護機構を、第1の構成と第2の構成との間を移動するときに第1の電源電気接点の表面に沿って移動するように構成することと組み合わせて、第1の電源電気接点を疎水性導電性コーティングでコーティングすることにより、取り外し可能電源がハウジング内に挿入されるときに、第1の電源電気接点の表面がより効果的に洗浄される。
【0131】
ハウジング保護機構は、第1の構成では、第1のハウジング電気接点(contract)の周りに封止部を形成するように構成され得、電源保護機構は、第1の構成では、第2の電源電気接点の周りに封止部を形成するように構成され得る。第1のハウジング電気接点及び第2の電源電気接点の周りに封止部を形成することによって、保護機構は、取り外し可能電源がハウジング内に受容されていないときに、水分が第1のハウジング電気接点及び第2の電源電気接点に接触し、第1の電源電気接点と第2の電源電気接点との間又は第1のハウジング電気接点と第2のハウジング電気接点との間に潜在的に回路を生成することを防止し得、薬物投与デバイスが汚染物質、例えば水分と接触するリスクがある環境で使用されるときに、薬物投与デバイスの機能不全のリスクを低減し得る。
【0132】
電源保護機構及びハウジング保護機構はそれぞれ、膜であり得、第2のハウジング電気接点及び第1の電源電気接点はそれぞれ、電源がハウジング内に受容されているときに、それぞれの膜が第2の構成にあるように、対応の膜を貫通するように構成され得る。第2のハウジング電気接点及び第1の電源電気接点は、少なくとも1つの鋭い又は尖った特徴を含むことによって、対応の膜を貫通するように構成され得る。第1のハウジング電気接点及び第2の電源電気接点を膜で保護することにより、薬物投与デバイスは、電気接点の表面に、電源電気接点とハウジング電気接点との間の電気接続の不良をもたらす汚染物質が存在しないことを確実にし得、第1の電源電気接点と第2の電源電気接点との間又は第1のハウジング電気接点と第2のハウジング電気接点との間に汚染物質が回路を形成する方法がないことを確実にし得る。
【0133】
第2のハウジング電気接点は、疎水性導電性コーティングでコーティングされ得る。第2のハウジング電気接点を疎水性導電性コーティングでコーティングすることにより、第2のハウジング電気接点の表面に集まる水分汚染の量が減少する。ハウジング保護機構を、第1の構成と第2の構成との間を移動するときに第2のハウジング電気接点の表面に沿って移動するように構成することと組み合わせて、第2のハウジング電気接点を疎水性導電性コーティングでコーティングすることにより、取り外し可能電源がハウジング内に挿入されるときに、第2のハウジング電気接点の表面がより効果的に洗浄される。
【0134】
第2の電源電気接点は、疎水性導電性コーティングでコーティングされ得る。第2の電源電気接点を疎水性導電性コーティングでコーティングすることにより、第2の電源電気接点の表面に集まる水質汚染の量が減少する。電源保護機構を、第1の構成と第2の構成との間を移動するときに第2の電源電気接点の表面に沿って移動するように構成することと組み合わせて、第2の電源電気接点を疎水性導電性コーティングでコーティングすることにより、取り外し可能電源がハウジング内に挿入されるときに、第2の電源電気接点の表面がより効果的に洗浄される。
【0135】
別の例示的な実施形態では、薬物を投与するように構成された薬物投与デバイスは、ハウジングと、薬物を分配するように構成され、ハウジング内に配設されている分配機構と、薬物を保持するように構成された薬物ホルダと、ハウジング内に位置し、ハウジング内の環境パラメータを検出するように構成されている少なくとも1つのセンサと、少なくとも1つのセンサからデータを受信し、少なくとも1つのセンサから受信したデータに応答して、薬物投与デバイスの動作を修正するように構成されたプロセッサと、を含む。
【0136】
薬物投与デバイスは、本明細書に記載の薬物投与デバイスの任意の形態であり得る。
【0137】
環境パラメータを検出するように構成された少なくとも1つのセンサとしては、例えば、湿度計、温度センサ、位置センサ、時間センサなどが挙げられ得る。温度センサは、例えば、サーミスタ、熱電対、抵抗温度計、又はシリコンバンドギャップ温度センサであり得る。位置センサは、GPSなどの衛星位置決定によって薬物投与デバイスの地理的場所を決定するように構成され得る。時間センサは、例えば、電気時計であり得る。
【0138】
薬物投与デバイスは、その内部環境に適合するように構成されており、薬物投与デバイスが、薬物投与デバイスの内部環境の結果として薬物投与デバイスのユーザの安全性又は薬物投与デバイスの安全性を損なうおそれがあるアクションを回避することを可能にし得る。
【0139】
少なくとも1つのセンサは、汚染物質を直接又は間接的に検出するように構成され得る。そのようなセンサを汚染センサと呼ぶことができる。汚染物質は、その存在が回避されるべきものである。本明細書に記載されるように、汚染物質は、液体又は固体(特に固体粒子の形態)であり得る。センサは、水分センサ、圧力センサ、光センサ、電流センサ、電圧センサ、及び/又は抵抗センサであり得る。水分センサは、例えば、湿度計又は水センサであり得る。圧力センサは、例えば、ピエゾ抵抗ひずみゲージ圧力センサ、静電容量圧力センサ、圧電圧力センサ、ひずみゲージ圧力センサ、光学圧力センサ、電位差圧力センサ、力平衡圧力センサ、共振圧力センサ、熱圧力センサ、又はイオン化圧力センサであり得る。圧力センサによって決定される圧力の増加は、薬物投与デバイス内の汚染物質の存在を示し得る。
【0140】
少なくとも1つのセンサがプロセッサと併せて使用されて、汚染物質が存在するかどうかが決定され得る。プロセッサは、センサによって生成されたデータを閾値バンドと比較するように構成され得る。センサによって生成されたデータが閾値バンドの範囲外にある場合、プロセッサによって、薬物投与デバイスに汚染物質が存在し得ると結論付けられ得る。閾値バンドは、薬物投与デバイスに汚染物質が存在しないときのセンサのデータ出力に基づいて事前選択され得る。
【0141】
少なくとも1つの汚染センサは、薬物投与デバイスの薬物ホルダからの光を検出するように構成された光センサを含み得る。プロセッサは、光センサからのデータに基づいて、薬物ホルダが汚染物質を含むかどうかを決定するように構成され得る。薬物ホルダからの光に関する情報をプロセッサに提供することにより、プロセッサは、薬物ホルダ内の汚染物質の形態を識別するように構成され得る。汚染物質は、例えば、固体粒子、ガス気泡、又は液滴の形態の物理的汚染物質であり得る。汚染物質は、薬物ホルダ内の薬物の色又は不透明性を変化させる化学的汚染物質であり得る。汚染物質は、薬物の経時変化の結果であり得る。プロセッサは、光センサから受信したデータを標準値と比較することによって、光センサからのデータに基づいて、薬物ホルダが汚染物質を含むかどうかを決定するように構成され得る。薬物投与デバイスに存在する特定の薬物及び薬物ホルダの標準値は、薬物投与デバイスのメモリに保存され得る。プロセッサは、標準値と比較するか若しくは経時的な偏差のいずれかによって、又は薬物ホルダ及び/若しくは薬物が交換又は設置されたときに、光センサによって検出された光の偏差を測定することによって可能な汚染物質を決定するように構成され得る。標準値からの著しい偏差は、薬物ホルダに汚染物質が存在していることを意味する。本明細書では、著しい偏差は、特定の薬物ホルダ及びその中の薬物に対して必要に応じて選択されるように、50%、40%、30%、20%、10%、5%、4%、3%、2%、1%、又はそれ以下の所定の波長の強度の変化であり得る。薬物ホルダ内の汚染を識別することができることにより、薬物投与デバイスは、薬物ホルダが汚染物を含むときに薬物投与デバイスのユーザが薬物を投与することを防止し、それによって薬物ホルダ内の汚染によって引き起こされる危害のリスクを低減し得る。薬物ホルダ内の汚染を識別することができることにより、薬物投与デバイス、例えば、そのプロセッサは、薬物投与デバイスのユーザに又は医療専門家に、薬物ホルダを新しい薬物ホルダと交換する、薬物投与デバイスを新しい薬物投与デバイスと交換する、などの修正措置の実行を誘因するためのアラートを開始するように構成され得る。
【0142】
薬物ホルダは、少なくとも、光センサが検出するように構成されている光の波長に対して透明であり得、例えば、薬物ホルダは、目的の波長で10%未満、5%未満、2%未満、又は1%未満、光を減衰させ得る。光センサは、光スペクトルの赤外線又は可視部分の波長を検出するように構成され得る。光センサが検出するように構成された光の波長に対して透明であるように薬物ホルダを構成することによって、光センサを薬物ホルダの外側に位置付けることができ、薬物ホルダの複雑さ及び/又はコストを低減することができる。多くの薬物は液体であるため、薬物ホルダの外側に光センサを位置付けることは、非防水性の光センサが使用され得ることを意味する。
【0143】
薬物投与デバイスは、薬物ホルダを照射するように構成された光源を含み得、光センサは、光源からの光を、光が薬物ホルダを通過した後に検出するように構成され得る。本明細書では、光は、光が薬物ホルダの任意の部分を通過したときに薬物ホルダを通過したと見なされ、これは、光が薬物ホルダに入り、次いで薬物ホルダ内の本体によって反射されることで、光が入ってきた方向とは実質的に反対の方向に光が薬物ホルダから出て行く場合を含む。光源は、光センサが検出するように構成されている波長で光を照射するように構成されている。光センサは、光源が薬物ホルダの他方の側に位置付けられ、かつ薬物ホルダの少なくとも一部分を通して光センサに方向付けられた状態で薬物ホルダに面して、薬物ホルダの一方の側に位置付けられ得る。そのような実施形態では、プロセッサは、光センサによって検出される光の偏差によって汚染物を決定するように構成され得る。光センサは、光センサ及び光源の両方が同じ方向に配向された状態で光源に隣接して位置付けられ得る。
【0144】
光センサによって検出され、光センサによって放出される波長は、目的の汚染物の存在によって影響を受ける波長に対応するように選択される。
【0145】
プロセッサは、プロセッサによって汚染物が存在すると決定されたときに、リンプモード動作を開始することにって、少なくとも1つのセンサから受信したデータに応答して、薬物投与デバイスの動作を修正するように構成され得る。本明細書では、リンプモード動作は、薬物投与デバイスが薬物を投与することができないか、又は低減された薬物用量しか投与することができないなど、低減された機能を有する薬物投与を指す。この低減された機能により、薬物投与デバイスは、汚染物質の存在によって患者の安全性を損ない得るアクションを回避し、それによって患者の安全性を改善することが可能になり得る。
【0146】
リンプモードの正確な形態は、汚染の程度又は形態を所定の応答と比較するプロセッサによって決定され得る。事前定義された応答は、薬物投与デバイスのメモリに記憶され得る。
【0147】
プロセッサは、薬物投与デバイスのユーザに薬物投与デバイスの状態を示すことによって、少なくとも1つのセンサから受信したデータに応答して薬物投与デバイスの動作を修正するように構成され得る。プロセッサは、薬物投与デバイスのデバイスインジケータ又はユーザインターフェースを介して薬物投与デバイスの状態をユーザに示すように構成され得る。追加的又は代替的に、プロセッサは、例えば、スマートフォンなどのユーザによって所有されるか、又はそうでなければそれと関連付けられた無線デバイスに、例えば、その通信インターフェースを介して無線通信を開始することによって、薬物投与デバイスのユーザに薬物投与デバイスの状態を示すように構成され得る。この無線通信は、薬物投与デバイスが、薬物投与デバイスのユーザに汚染物質の存在を警告することを可能にし、したがって、薬物投与デバイスのユーザが必要なアクションをとることを可能にする。必要なアクションとは、汚染物質を除去することか又は医療専門家に支援を求めることであり得る。
【0148】
プロセッサは、汚染物質が存在すると決定されたときに薬物投与デバイスの始動を防止することによって、少なくとも1つのセンサから受信したデータに応答して、薬物投与デバイスの動作を修正するように構成され得る。言い換えれば、薬物投与デバイスの全ての動作が防止され得る。汚染物質は、薬物投与デバイスの意図しない作用をもたらし得るため、薬物投与デバイスの動作の防止は、改善されたユーザの安全性をもたらす。
【0149】
プロセッサは、汚染物質が存在すると決定されたときに、リモートサーバと通信することによって、少なくとも1つのセンサから受信したデータに応答して、薬物投与デバイスの動作を修正するように構成され得る。プロセッサは、薬物投与デバイスの通信インターフェースを介してリモートサーバと通信するように構成され得る。リモートサーバは、薬物投与デバイスからの通信に応答して、交換用薬物ホルダの発注を開始するように構成され、それによって薬物投与デバイスのユーザが汚染物質を含まない薬物を利用できない時間量を低減し得る。リモートサーバは、薬物投与デバイスからの通信に応答して、医療専門家が、ユーザに連絡する、交換用薬物ホルダの発注を開始する、などの任意の所望の修正措置をとることを可能にするように、医療専門家に薬物投与デバイスの状態をアラートするように構成され得る。
【0150】
少なくとも1つのセンサは水分センサを含み得、プロセッサは、プロセッサが水分センサから、水分の臨界レベルがハウジング内で検出されたことを示すデータを受信したときに、薬物投与デバイスの動作を修正するように構成され得る。水分は、薬物投与デバイスの電気的構成要素を機能不全にし得る。機能不全の薬物投与デバイスは、ユーザの安全性を脅かす。ハウジング内の水分の存在を決定することにより、薬物投与デバイスは、ユーザの安全性を改善し得る。
【0151】
少なくとも1つのセンサは、ハウジング内の第1の位置にある第1の水分センサと、ハウジング内の第2の位置にある第2の水分センサと、を含み得る。薬物投与デバイスは、典型的には、そのハウジング内に複数の内部部分を有し、それぞれの内部部分は、他の内部部分から封止され得る。異なる内部部分が異なる成分を含有するため、それぞれの内部部分内の水分汚染の影響は様々であり得る。例えば、異なる内部部分内の、ハウジング内の異なる位置に複数の水分センサを有することにより、薬物投与デバイスは、水分汚染の場所を決定し得る。第1の水分センサ及び第2の水分センサの他に、追加の水分センサ(複数可)が存在し得る。
【0152】
水分センサの場所としては、例えば、取り外し可能電源の安全性に影響を及ぼし得る水分侵入が検出され得る取り外し可能電源内、プロセッサ、ひいては薬物管理デバイス内の電気システムを損傷し得る水分侵入が検出され得るプロセッサの隣接、モータの隣接、分配機構の隣接、薬物ホルダに隣接した薬物ホルダの外側、又は薬物ホルダ内が挙げられ得る。
【0153】
第1の水分センサ及び第2の水分センサ、並びに任意の追加の水分センサのそれぞれは、一方のエリア内の汚染物質が他方のエリアに自由に移動することができないように互いに区切られている薬物投与デバイスのエリアに配置され得、例えば、異なる内部部分が互いに封止されているなど、エリア間の汚染物質の流れに対する何らかの障害が存在する。水分センサは、薬物投与デバイスの別個の領域を測定することになるため、この場所の選択は、水分センサの効率的な使用を提供し得る。
【0154】
プロセッサは、ハウジング内の水分汚染の異なる場所に応答して、薬物投与デバイスの動作を異なる方法で修正するように構成され得る。水分汚染への応答を水分汚染の場所に適合させることにより、プロセッサは、ハウジング内のそれらの場所に起因する水分汚染によって直接影響を受ける薬物投与デバイスの構成要素のみに関連して機能を制限するよう、デバイスの動作を修正するように構成され得る。
【0155】
ハウジングは、導電性トレースを含み得、少なくとも1つのセンサは、導電性トレースの導電率、特に導電性トレースに沿った導電率を測定するように構成されたセンサを含み得る。導電性トレースに沿った導電率の偏差は、ハウジングの完全性の変化を示し得る。プロセッサは、センサから測定された導電率を使用して偏差を検出するように構成され得る。ハウジングが損傷すると、ハウジング内が汚染される可能性が高くなるため、プロセッサは、ハウジング内の汚染が検出される前に、検出された導電率の偏差によって示されるハウジングの損傷に応答して、薬物投与デバイスの動作を修正するように構成され得る。導電性トレースは、ハウジング内の接合部を横切って位置付けられ得る。この位置付けは、特に損傷及び汚染物質の侵入に敏感であり得るハウジングの場所を監視することを可能にする。
【0156】
ハウジングは、薬物投与デバイスと相互作用する電磁放射を防止するように構成された電磁シールドを含み得る。電磁シールドを含むハウジングにより、電磁干渉のリスクが低減される。
【0157】
電磁シールドは、ハウジングの内部の完全な保護を提供するために、ハウジング全体に存在し得る。あるいは、電磁シールドは、ハウジング内の特定の領域のみを保護するように存在し得る。これらの領域は、電磁干渉からの保護を必要とするか、又は電磁干渉によって悪影響を受ける可能性が最も高い特定の構成要素を有するエリアであり得る。
【0158】
電磁シールドは、受動電磁シールド又は能動電磁シールドであり得る。受動電磁シールドとしては、例えば、シート金属、金属スクリーン、又は金属発泡体が挙げられ得る。受動電磁シールドとしては、ハウジングの内側に塗布された金属インク又は塗料が挙げられ得る。能動電磁シールドとしては、例えば、周囲電磁場体積を相殺するために静的又は低周波数電磁シールドを使用するように構成されたソレノイド又はヘルムホルツコイルが挙げられ得る。
【0159】
別の例示的な実施形態では、薬物を投与するように構成された薬物投与デバイスは、ハウジングと、薬物を分配するように構成され、ハウジング内に配設されている分配機構と、薬物投与デバイスに給電し、ハウジングによって受容されるように構成された取り外し可能電源と、取り外し可能電源の充電残量を示すパラメータを測定するように構成され、データを出力するように構成された第1のセンサと、第1のセンサからデータを受信し、第1のセンサから受信したデータに応答して、薬物投与デバイスの動作を修正するように構成されたプロセッサと、を含む。
【0160】
薬物投与デバイスは、本明細書に記載の薬物投与デバイスの任意の形態であり得る。
【0161】
薬物投与デバイスのハウジングは、薬物投与デバイスの外部部分である。薬物投与デバイスのハウジングは、薬物投与デバイスの内部部分に汚染物質を入れないように構成され得、薬物投与デバイスの内部部分は、ハウジング内に配設された薬物投与デバイスの全ての部分を含む。特に、ハウジングは、IEC標準60529に従って、耐水性、例えば、IPX2、IPX3、IPX4、IPX5、IPX6、IPX7、IPX8、又はそれ以上の防水性能をもつように構成され得る。ハウジングは、薬物投与デバイスの外部部分を提供し、また、ハウジングが耐水性又は防水性であるように構成されている場合は、必要な耐水性又は防水性を提供するために、取り外し可能電源がハウジング内に受容されているときに、取り外し可能電源の一部分と結合し得る。
【0162】
薬物投与デバイスの薬物ホルダは、薬物を保持するための任意の好適な形態であり得る。本明細書に記載されるように、そのような好適な形態は、バイアル又は注射器を含む。
【0163】
薬物投与デバイスの取り外し可能電源は、1回だけ使用されるように構成された一次電池であり得る。あるいは、取り外し可能電源は、再充電されるように構成された二次電池であり得る。一次電池としては、例えば、亜鉛炭素極電池又はアルカリ電池が挙げられ得る。二次電池としては、例えば、ニッケルカドミウムセル、ニッケル亜鉛セル、ニッケル水素セル、又はリチウムイオンセルが挙げられ得る。
【0164】
第1のセンサは、取り外し可能電源の充電残量(例えば、その充電状態)を決定し、充電残量を示すデータを、例えばプロセッサに出力するために利用される。したがって、第1のセンサは、取り外し可能電源の充電状態を示すパラメータを測定し得る任意のセンサであり得る。1つのアプローチは、取り外し可能電源の電圧を測定し、測定された電圧を充電状態に関連付けるルックアップテーブルを介して、測定された電圧を取り外し可能電源の充電状態に変換するように構成されたセンサを利用することである。そのようなルックアップテーブルは、薬物投与デバイスのメモリに記憶され得る。別のアプローチは、取り外し可能電源によって供給される電流を測定し、測定された電流を取り外し可能電源に残っている予想充電量に関連付けるように構成されたセンサを利用する。これは、クーロンカウンティングとして知られる。薬物投与デバイスのプロセッサ及びメモリは、この計算を実行して、予想される充電状態を決定するために利用され得る。
【0165】
ハウジングは、薬物投与デバイスに給電するように構成された第2の電源を受信するように構成され得る。この第2の電源は、取り外し可能電源からの電力がない場合に薬物投与デバイスに給電するように構成され得る。取り外し可能電源からの電力がない場合に第2の電源が使用されることを可能にすることによって、薬物投与デバイスは、取り外し可能電源が交換又は再充電されている間、ユーザによって使用され得る。この電源の冗長性は、薬物投与デバイスの取り外し可能電源が十分な電力を有しないため、ユーザが薬物を投与し損なうか又は投与が遅くなることを回避する。
【0166】
薬物投与デバイスは、第2の電源の充電残量(その充電状態)を示すパラメータを測定するように構成された第2のセンサを含み得、プロセッサは、第2のセンサからデータを受信し、第2のセンサから受信したデータに応答して薬物投与デバイスの動作を修正するように構成され得、薬物投与デバイス及び薬物投与デバイスのユーザが、取り外し可能電源の充電残量だけでなく、第2の電源の充電残量にも応答して、デバイスの使用に適合することを可能にし得る。第2のセンサは、特に第2の電源の充電状態を評価することに関連して、本明細書に記載の第1のセンサに関連付けられた特徴のうちのいずれかを有し得る。
【0167】
第2の電源は、一次電池であり得る。一次電池は、例えば、亜鉛炭素極電池又はアルカリ電池であり得る。一次電池は、AA電池、AAA電池、C電池、E電池、又はD電池などの標準サイズを有する市販の一次電池であり得る。標準サイズの電池を利用することにより、ユーザは、第2の電源の代替物を容易に見つけることが可能になり得る。
【0168】
あるいは、第2の電源は、第2の電源が再充電されることを可能にし、そうすることで、二次電池が交換される必要性を回避する二次電池であり得る。
【0169】
薬物投与デバイスは、第2の電源を含み得る。第2の電源は、薬物投与デバイスのハウジング内に配設され得る。
【0170】
取り外し可能電源及び/又は第2の電源は、無線で充電されるように、例えば、電源に物理的に接続されることなく充電されるように構成され得る。無線充電の例は、誘導充電である。無線充電は、Qi規格又はPMA規格を利用し得る。無線で充電される電源を構成することにより、薬物投与デバイスは、充電するための外部ソケットが不要になり得る。無線で充電する能力は、薬物投与デバイスが充電のために電源に物理的に接続される必要がある時間を短縮し得る。とりわけ、薬物投与デバイスへのポートが1つ少なく、ユーザの取り扱いが低減するため、無線充電は、汚染の可能性も低減し得る。
【0171】
第2の電源は、取り外し可能電源がハウジング内に受容されるときに、取り外し可能電源から充電を受けるように構成され得る。取り外し可能電源から第2の電源を充電することにより、第2の電源は自動的に充電され得る。これにより、取り外し可能電源が充電不足になる前に、ユーザが第2の電源の充電を忘れるリスクが排除される。したがって、これは、薬物投与デバイスの充電不足のリスクを低減する。
【0172】
第2の電源は、薬物投与デバイスに所定の期間給電するように構成され得、取り外し可能電源は、所定の期間内に無充電(完全に放電される)から完全充電(完全に充電される)まで充電可能であるように構成され得る。取り外し可能電源及び第2の電源のこの構成により、ユーザは、1つの取り外し可能電源のみを用いて薬物投与デバイスの一定の使用を維持することができ、それによって薬物投与デバイスの複雑さを低減し、コンプライアンスを改善し得る。
【0173】
薬物投与デバイスの動作を修正することは、プロセッサが、取り外し可能電源の充電残量が第1の閾値レベルに達したときに、アラートを開始するように構成されることを含み得る。第1の閾値レベルは、分配機構が薬物の5回分余分の投与量を分配するのに十分な充電であり得る。第1の閾値レベルは、分配機構が薬物の4回分余分の投与量を分配するのに十分な充電であり得る。第1の閾値レベルは、分配機構が薬物の3回分余分の投与量を分配するのに十分な充電であり得る。第1の閾値レベルは、分配機構が薬物の2回分余分の投与量を分配するのに十分な充電であり得る。第1の閾値レベルは、分配機構が薬物の1回分余分の投与量を分配するのに十分な充電であり得る。プロセッサは、薬物投与デバイスのデバイスインジケータ及び/又はユーザインターフェースを介してアラートを開始するように構成され得る。プロセッサは、例えば、薬物投与デバイスの通信インターフェースを介して、ユーザインターフェース、例えば、ユーザが所有するか、又はそうでなければユーザに関連付けられたスマートフォンを有する別の無線デバイスと通信することによって、アラートを開始するように構成され得る。アラートは、薬物投与デバイスが充電不足になる前に、ユーザが低電力充電レベルに対処する適切なアクションをとることを可能にする。
【0174】
プロセッサは、第2の電源の充電残量が第2の閾値レベルに達したときに、アラートを開始するように構成され得る。第2の閾値レベルは、分配機構が薬物の5回分余分の投与量を分配するのに十分な充電であり得る。第2の閾値レベルは、分配機構が薬物の4回分余分の投与量を分配するのに十分な充電であり得る。第2の閾値レベルは、分配機構が薬物の3回分余分の投与量を分配するのに十分な充電であり得る。第2の閾値レベルは、分配機構が薬物の2回分余分の投与量を分配するのに十分な充電であり得る。第2の閾値レベルは、分配機構が薬物の1回分余分の投与量を分配するのに十分な充電であり得る。プロセッサは、薬物投与デバイスのデバイスインジケータ及び/又はユーザインターフェースを介してアラートを開始するように構成され得る。プロセッサは、例えば、薬物投与デバイスの通信インターフェースを介して、ユーザインターフェース、例えば、ユーザが所有するか、又はそうでなければユーザに関連付けられたスマートフォンを有する別の無線デバイスと通信することによって、アラートを開始するように構成され得る。アラートは、薬物投与デバイスが充電不足になる前に、ユーザが低電力充電レベルに対処する適切なアクションをとることを可能にする。
【0175】
取り外し可能電源は、取り外し可能電源識別データを含み得る。プロセッサは、取り外し可能電源がハウジング内に受容されるとき、取り外し可能電源識別データを受信するように構成され得る。プロセッサは、取り外し可能電源識別データに応答して、例えば、薬物投与デバイスと互換性がある電源を識別し、薬物投与デバイスのメモリに記憶される電源データと一致しない取り外し可能電源識別データに応答して、薬物投与デバイスの動作を修正するように構成され得る。取り外し可能電源識別データは、データ記憶構成要素の一部として取り外し可能電源に存在し得る。データ記憶構成要素は、プロセッサと通信し得る集積回路の形態であり得る。データ記憶構成要素は、無線周波数識別(RFID)タグであり得る。データ記憶構成要素は、バーコードの形態であり得る。取り外し可能電源識別データは、複数の異なる形態のデータ記憶構成要素を利用する取り外し可能電源に記憶され得る。取り外し可能電源データを含む取り外し可能電源を有することにより、薬物投与デバイスは、不適合な電力入力から生じる損傷のリスクを回避し得る。
【0176】
薬物投与デバイスは、取り外し可能電源識別データを取得するのに好適な構成要素を含み得る。例えば、取り外し可能電源識別データがRFIDタグの一部として含まれる場合、取り外し可能電源識別データを取得することは、RFIDスキャナの使用を伴う。バーコードスキャナは、取り外し可能電源識別データがバーコードの形態に含まれるときに利用され得る。取り外し可能電源識別データが集積回路の形態にあるとき、集積回路は、電力供給され、取り外し可能電源識別データを伝送することが可能であり得る。したがって、取り外し可能電源識別データを取得することは、取り外し可能電源識別データから通信される取り外し可能電源識別データを受信するための適切な通信インターフェースの使用を必要とする。
【0177】
取り外し可能電源は、データを受信するように構成されたメモリを含み得る。このデータは、薬物投与デバイスからの使用データ、例えば、薬物投与デバイスによって投与される投与量及び投与のタイミングであり得る。取り外し可能電源が薬物投与デバイスの他の構成要素よりも長い寿命を有する場合、データを受信するように構成されたメモリは、薬物投与デバイスによって投与される薬物投与レジメンへのデジタル連続性を可能にし得る。このメモリとしては、フラッシュメモリ、1つ又は2つ以上の様々なランダムアクセスメモリ(RAM)(例えば、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、若しくはシンクロナスDRAM(SDRAM)、及び/又はメモリ技術の組み合わせが挙げられ得る。
【0178】
取り外し可能電源は、プロセッサから発生するデータなど、薬物投与デバイスの他の構成要素(複数可)からデータを受信するのに好適な通信インターフェースを含み得る。データは、例えば、取り外し可能電源が薬物投与デバイスの一部として存在するときに、例えば、直接電気接点を介して、薬物投与デバイスの他の構成要素(複数可)から取り外し可能電源に伝達され得る。
【0179】
分配機構は、取り外し可能電源によって給電されるように構成され得る。分配機構は、電気モータを介して取り外し可能電源によって給電され得る。例えば、薬物ホルダが注射器である場合、取り外し可能電源は、薬物ホルダから薬物を排出する薬物投与デバイスのプランジャのための薬物投与デバイスのドライバに給電する電気モータに給電し得る。
【0180】
分配機構は、デバイス動作防止機構を含み得る。デバイス動作防止機構は、分配機構が動作するのを防止するように構成され得る。デバイス操作防止機構は、分配機構が取り外し可能電源によって給電されるのを防止することによって、分配機構の動作を防止し得る。デバイス動作防止機構は、取り外し可能電源識別データが、取り外し可能電源に薬物投与デバイスとの互換性がないことを示すときに有効になるように構成され得、例えば、プロセッサは、プロセッサが取り外し可能電源識別データを使用して、取り外し可能電源に薬物投与デバイスとの互換性があると決定したときに、デバイス動作防止機構を有効にするように構成され得る。
【0181】
デバイス動作防止機構は、取り外し可能電源の充電残量が第3の閾値レベルを下回ったときに、分配機構が取り外し可能電源によって給電されることを防止するように構成され得る。第3の閾値レベルは、分配機構が完全な薬物投与順序を完了するのに十分な電力であり得る。完全な薬物投与順序は、薬物の完全な用量が投与される薬物投与順序である。この防止により、薬物投与デバイスが薬物の部分投与量を投与して、患者が投与レジメンから逸脱することがないようにすることができる。薬物投与デバイスの分配機構及び/又は他の部分(複数可)が薬物投与順序中に機械的運動を伴う場合、例えば、薬物投与順序が薬物投与デバイスのハウジングの外側の針の伸長を含む場合、完全な薬物投与順序は、分配機構がその初期構成に戻ることも含み得る。
【0182】
薬物分配機構は、手動で及び/又は自動的に動作されるように構成され得る。自動動作を成し遂げるために、取り外し可能電源などからの電力が必要とされる。薬物分配機構は、薬物投与デバイスのユーザからアクセス可能なポンプ又はプランジャを含む薬物投与デバイスによって手動で動作され得る。ポンプ又はプランジャは、薬物ホルダから規定量の薬物を駆動するように構成され得る。ポンプ又はプランジャは、完全な用量の薬物の完全な投与を確実にするために、ばね仕掛けであり得る。ユーザが薬物分配機構を手動で動作させることを可能にすることにより、薬物投与デバイスは、電力不足であるときでも使用され得る。
【0183】
デバイス動作防止機構は、取り外し可能電源の充電残量が第4の閾値レベルを上回ったときに、分配機構が手動で動作されるのを防止するように構成され得る。この防止は、全ての処方投与量が薬物投与デバイスから送達された後に、薬物投与デバイスが充電残量を有しているとき、ユーザが、処方内容を超えた更なる投与量を投与することを停止し得る。この機能は、薬物投与デバイスが、乱用されやすい薬物を投与するように構成されている場合に、薬物投与デバイスに特に適している。
【0184】
図9は、複数のセンサを有する薬物投与デバイス900の一実施形態を示す。薬物投与デバイス900は、薬物投与デバイス900の他の構成要素に給電するように構成された取り外し可能電源995を含む。取り外し可能電源995は、第1の電源電気接点946及び第2の電源電気接点947を含む。図9に示すように、取り外し可能電源995が薬物投与デバイスのハウジング930内に受容されているとき、第1及び第2の電源電気接点946、947は、それぞれ第1のハウジング電気接点948及び第2のハウジング電気接点949に接触している。取り外し可能電源995は、薬物投与デバイスのプロセッサ996に給電するように構成されている。プロセッサ996は、薬物投与デバイスの分配機構970に給電するように構成された、薬物投与デバイスのモータ971を制御するように構成されている。分配機構970は、薬物投与デバイスの薬物ホルダ910から薬物を駆動するプランジャのためのドライバである。薬物ホルダ910は、注射器である。
【0185】
第1及び第2の電源電気接点946、947並びに第1及び第2のハウジング電気接点948、949は、電源995と、電源995が薬物投与デバイス900のハウジング930内に受容されているときに、電源995が給電するように構成されている薬物投与デバイスの残部との間の回路を完成させるように構成されている。第1及び第2の電源電気接点946、947、並びに第1及び第2のハウジング電気接点948、949は、金属材料から作製され得る。第1の電源電気接点946は、電源995の正端子であり得、第2の電源電気接点947は、電源995の負端子であり得る。第1のハウジング電気接点948は、電源995の正端子946を受容するように構成され得、第2のハウジング電気接点949は、電源995の負端子947を受容するように構成され得る。
【0186】
薬物投与デバイス900は、薬物投与デバイスの取り外し可能電源コンパートメントのそばに位置する、したがって、電源995が取り外し可能電源コンパートメント内に受容されているときは取り外し可能電源995のそばに位置する第1の水分センサ991、及び分配機構970のそばに位置する第2の水分センサ992を含む。したがって、第1の水分センサ991及び第2の水分センサ992は、これらの領域間で汚染物質の流れが阻止される区切られた領域に位置する。第1及び第2の水分センサ991、992としての使用に好適な水分センサは、湿度計及び/又は水検出器を含む。湿度計の例としては、容量性湿度計(湿度によって変化するポリマー又は金属酸化物の誘電率を測定する)、抵抗性湿度計(湿度によって変化する、材料の電気抵抗を測定する)、熱湿度計(湿度に起因する空気の熱伝導率の変化を測定する)、重力湿度計(空気試料の質量を等量の乾燥空気と比較して測定する)、及び光学湿度計(空気中の水による光の吸収を測定する)が挙げられる。水検出器は、互いに近くに配設された2つの電気接点と、2つの接点間の抵抗を測定するように構成された抵抗計とを含み得、水が2つの接点にかかると、抵抗の減少が測定され、プロセッサ(例えば、プロセッサ996)は、水が存在することを識別し得る。
【0187】
プロセッサ996は、第1の水分センサ991及び第2の水分センサ992からデータを受信するように構成されている。このデータから、プロセッサ996は、任意の水分汚染の場所を決定するように構成され得る。この決定は、プロセッサ996が、水分汚染の場所に応答して薬物投与デバイス900の動作を修正することを可能にする。
【0188】
図10aは、ハウジング電気接点及び電源電気接点の一実施形態の概略図である。ハウジング1030は、第1のハウジング電気接点1031及び第2のハウジング電気接点1032を含む。第1のハウジング電気接点1031及び第2のハウジング電気接点1032は、その第1の構成にあるハウジング保護機構1033によって保護される。ハウジング保護機構1033は、第1のハウジング電気接点1031及び第2のハウジング電気接点1032を封止する膜である。膜は、不透過性膜であり得る。膜は、エラストマー材で作製され得る。膜は、シリコーンを含み得る。膜は、ゴムを含み得る。電源1095は、第1の電源電気接点1036及び第2の電源電気接点1037を含む。第1の電源電気接点1036及び第2の電源電気接点1037は、ハウジング保護機構1033を貫通するように構成されている。第1の電源電気接点1036及び第2の電源電気接点1037は、鋭い要素又は特徴を有することによってハウジング保護機構1033を貫通するように構成され得る。ハウジング保護機構1033は、貫通されるように構成され得る。ハウジング保護機構103は、第1及び第2の電源電気接点によって貫通されるように構成された、予め形成された開口部又は局所的な構造的弱点を含み得る。第1のハウジング電気接点1031は、第1の電源電気接点1036に相補的な形状を有するように構成され、第2のハウジング電気接点1032は、第2の電源電気接点1037に相補的な形状を有するように構成され、このようにして、電流の伝達に十分な接触エリアを提供する。第1及び第2の電源電気接点1036、1037並びに第1及び第2のハウジング接点1031、1032は、電源1095と、電源1095が薬物投与デバイスのハウジング1030内に受容されているときに、電源1095が給電するように構成されている薬物投与デバイスの残部との間の回路を完成させるように構成され得る。第1及び第2の電源電気接点1036、1037、並びに第1及び第2のハウジング接点1031、1032は、金属材料から作製され得る。
【0189】
図10bは、図10aの実施形態のハウジング電気接点1031、1032及び電源電気接点1036、1037の概略図である。ハウジング保護機構1033は、その第2の構成にある。第1の電源電気接点1036及び第2の電源電気接点1037は、ハウジング保護機構1033を貫通して、第1の電源電気接点1036が第1のハウジング電気接点1031に接触することを可能にし、第2の電源電気接点1037が第2のハウジング電気接点1032に接触することを可能にしている。この実施形態の薬物投与デバイスは、取り外し可能電源1095がハウジング1030に挿入されると、図10aに表される第1の構成から図10bに表される第2の構成に進む。取り外し可能電源1095をハウジング1030に挿入することにより、第1の電源電気接点1036及び第2の電源電気接点1037はそれぞれ、ハウジング保護機構1033を貫通し、膜材料を変位させ、ハウジング保護機構1033をその第2の構成に押し込む。膜1033は弾性であるため、取り外し可能電源1095がその後にハウジング1030から取り外されるときに、その第2の位置(図10b)からその第1の位置(図10a)に戻る。膜1033は、第1及び/又は第2の電源電気接点を受容するように構成された、予め形成された穴を含み得る。第1及び第2の電源電気接点1036、1037は、取り外し可能電源1095が薬物投与デバイスのハウジング1030内にはじめて受容されるときに、それぞれ膜1033に穴を開けることによって膜を貫通するように構成され得る。第1及び第2の電源電気接点1036、1037は、その後、薬物投与デバイスのハウジング1030内に受容されるときに、第1及び第2の電源電気接点1036、1037によって膜1033に形成された穴を介して、膜1033を貫通し得る。膜1033は、ハウジング1030の全体にわたって延在し得る。
【0190】
図11は、その第1の構成にあるハウジング保護機構1133及び第1の電源電気接点1136の一実施形態を示す。ハウジング保護機構1133は、幅Lのスリットの形態の穴を含み、第1の電源電気接点1136は、幅Lを有する取り外し可能電源1195の一部分上に配設される。幅Lは、幅Lより大きい。ハウジング保護機構1133は、第1の電源電気接点1136の挿入によってその第2の構成に押し込まれ得るように、エラストマー材で作製されている。エラストマー材は、エラストマーであり得る。エラストマー材は、ゴムであり得る。エラストマー材は、飽和ゴムであり得る。エラストマー材は、不飽和ゴムであり得る。エラストマー材は、天然ゴムであり得る。エラストマー材の例としては、ネオプレンゴム、天然ポリイソプレン、ポリブタジエン、クロロプレン、ブチルゴム、スチレンブタジエン、ニトリルゴム、エチルプロピレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、ポリアクリルゴム、シリコーンゴム、フルオロシリコーン、フルオロエラストマー、ペルフルオロエラストマー、ポリエーテルブロックアミド、クロロスルホン化ポリエチレン、及びエチレン酢酸ビニルが挙げられる。このようにして、ハウジング保護機構の第1の構成は、第2の構成よりも小さい開口部(スリット)を有する。第1の構成におけるスリットのこのより小さいサイズは、ハウジングの第1の電気接点に向かう汚染物質の進入を妨げる。
【0191】
第1の電源電気接点1136は、取り外し可能電源1195がハウジング1030内に受容されるときに、ハウジング保護機構1133のスリットを通過するように構成されている。幅Lは幅Lよりも大きいため、ハウジング保護機構1133は、取り外し可能電源1195がハウジング内に受容されるときに、応力を受ける第2の位置にある。ハウジング保護機構1133のスリットの縁部は、その第1の構成からその第2の構成に向かうときに、第1の電源電気接点1136の表面を横切って移動する。したがって、取り外し可能電源1195が薬物投与デバイスのハウジング内に挿入されるとき、第1の電源電気接点1136の表面が、ハウジング保護機構1133によって拭き取られる。ハウジング保護機構1133からの第1の電源電気接点1136の取り外しにより、ハウジング保護機構1133がより小さい幅Lに戻ることが可能になる。
【0192】
図12は、薬物投与デバイスの薬物ホルダ1210内の汚染を検出するように構成されたシステムを含む薬物投与デバイス1200の一実施形態を示す。薬物投与デバイス1200は、薬物ホルダ1210の一方の側に位置付けられた光センサ1294を含み、薬物投与デバイス1200は、薬物ホルダ1210の反対側に位置付けられ、光センサ1294に対向する光源1293を含む。光センサ1294は、ワイヤによってプロセッサ1296に接続されている。プロセッサ1296は、光センサ1294からデータを受信し、薬物ホルダ1210が汚染物質を含むかどうかをこのデータから決定するように構成されている。プロセッサ1296は、光センサ1294によって提供されるデータを、例えば、薬物投与デバイス1200のメモリに記憶されているような閾値バンドと比較することによって、薬物ホルダ1210が汚染物質を含むかどうかを決定するように構成され得る。光センサ1294によって提供されるデータが閾値バンドの範囲外にある場合、薬物ホルダ1210は、汚染物質を含むと決定され得る。薬物投与デバイス1200はまた、LED1299を含む。プロセッサ1296は、LED1299と通信するように構成され、薬物ホルダ1210に汚染物質があるときにLED1299をオンにするように構成されている。LED1299のこの照明は、薬物投与デバイス1200を使用しないようにユーザに警告し、薬物ホルダ1210内の薬物、薬物投与デバイス1200、及び/又は薬物ホルダ1210を交換するようにユーザを促す。
【0193】
図13は、自動的に及び手動で動作可能であるように構成された薬物投与デバイス1300の一実施形態を示す。薬物投与デバイス1300は、注入ポンプである。注入ポンプ1300は、薬物ホルダ1310、分配機構1370、及び薬物出口1320を含む。薬物ホルダ1310は、バイアル及びプランジャを含む注射器である。分配機構1370は、手動ポンプ1350又はモータ1371によって動作されるように構成されている。分配機構1370は、薬物ホルダ1310内のプランジャを駆動し、薬物を薬物出口1320から押し出すように構成されている。注入ポンプ1300は、注入ポンプ1300の電子的構成要素に給電するように構成された取り外し可能電源1395及び第2の電源1394を含む。注入ポンプ1300はまた、取り外し可能電源1395の充電残量を測定するように構成されたセンサ1392を含む。注入ポンプ1300は、センサ1392からデータを受信するように構成され、このデータに応答して注入ポンプ1300の動作を修正するように構成されているプロセッサ1396を含む。取り外し可能電源1395が、完全な薬物投与順序のために分配機構1370に給電するのに十分な充電をもたないことをデータが示している場合、プロセッサ1396は、モータ1371が分配機構1370に給電することを停止するように構成されている。そのような状況では、分配機構1370は、手動ポンプ1350によって動作され得る。手動ポンプ1350は、完全な用量の薬物のみが投与されることを可能にするように構成されている。これにより、取り外し可能電源1395が充電不足になっても、注入ポンプ1300が使用されることが可能になる。
【0194】
本明細書に開示される装置及びシステムの全ては、1回の使用後に廃棄されるように設計され得るか、又は複数回使用されるように設計され得る。しかしながら、いずれの場合も、装置は、少なくとも1回の使用の後に再使用のために再調整することができる。再調整には、装置の分解工程、それに続く洗浄工程又は特定の部品の交換工程、及びその後の再組み立て工程の任意の組み合わせを含むことができる。具体的には、装置は分解することができ、装置の任意の数の特定の部品又は部分を、任意の組み合わせで選択的に交換するか又は取り外すことができる。特定の部品が洗浄及び/又は交換されると、続く使用のために装置を再調整施設において、又は外科手術の直前に外科チームによって再組み立てすることができる。当業者であれば、装置の再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用できることを理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、全て本出願の範囲内にある。
【0195】
本明細書に開示される装置は、使用前に滅菌されることが好ましくあり得る。これは、β線又はγ線放射、酸化エチレン、蒸気、及び液浴(例えば、低温浸漬)などの当業者には既知の様々な方法によって行うことができる。内部回路を含む装置を滅菌する例示的な実施形態は、2009年8月13日に公開された、「System And Method Of Sterilizing An Implantable Medical Device」と題する米国特許公開第2009/0202387号に、より詳細に記載されている。装置は、埋め込まれる場合、完全に密封されることが好ましい。これは、当業者に既知の様々な方法によって行うことができる。
【0196】
本開示は、実施例を通して、本明細書で提供される開示全体の文脈内でのみ説明されている。本開示の全体的な範囲から逸脱することなく、特許請求の範囲の趣旨及び範囲内の修正を行い得ることが理解されよう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10a
図10b
図11
図12
図13
【国際調査報告】