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特表2022-549509氷の形成を防止するように構成された貯蔵タンク装置
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  • 特表-氷の形成を防止するように構成された貯蔵タンク装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-25
(54)【発明の名称】氷の形成を防止するように構成された貯蔵タンク装置
(51)【国際特許分類】
   F17C 3/08 20060101AFI20221117BHJP
【FI】
F17C3/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519534
(86)(22)【出願日】2020-09-25
(85)【翻訳文提出日】2022-05-25
(86)【国際出願番号】 US2020052915
(87)【国際公開番号】W WO2021062300
(87)【国際公開日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】16/582,801
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522120912
【氏名又は名称】カスタム・バイオジェニック・システムズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Custom Biogenic Systems, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】ブラザーズ,ジョン ジー
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA03
3E172AA06
3E172BA01
3E172BB03
3E172BB04
3E172BB12
3E172BB17
3E172BC07
3E172DA04
3E172KA22
(57)【要約】
低温貯蔵装置は、低温液体を保持するための液体リザーバと液体リザーバを囲む熱絶縁性空間を規定するように、互いに離間した内側タンク、中間タンク、および外側タンクを有する貯蔵タンクを含む。上蓋は、開放された上部を閉鎖する。入口は、液体リザーバに低温液体を供給する。流体センサは、低温貯蔵装置内の圧力を検出するように構成され、低温貯蔵装置全体を解凍することなく氷の形成を解凍することができるように、流体リザーバ内に取り外し可能に配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵タンクを有し、貯蔵タンクは、内側タンクと外側タンクとを含み、内側タンクは低温液体を保持するように構成され、内側タンクは外側タンク内に外側タンクの内面から間隔をあけて配置されて熱絶縁性空間を規定する、低温環境で物品を貯蔵するための低温貯蔵装置であって、
内側タンクの液体リザーバに低温液体を供給するように構成された液体入口と、
内側タンク内の液体レベルを検出するように構成され、低温貯蔵装置全体を解凍することなく氷の形成を解凍できるように、内側タンク内に取り外し可能に配置された液体センサと、を含む低温貯蔵装置。
【請求項2】
流体センサは、静電容量センサである請求項1に記載の低温貯蔵装置。
【請求項3】
外側タンクに取り付けられた上部カラーと内側タンクに取り付けられた下部カラーとを有するカラーアセンブリをさらに含み、カラーアセンブリは、熱絶縁性空間の完全性を維持するように内側タンクおよび外側タンクに密閉され、流体センサは上部カラーに取り外し可能に結合された請求項1に記載の低温貯蔵装置。
【請求項4】
下部カラーおよび上部カラーは、それぞれ、円筒体の軸方向長さを延長する貫通孔を有する円筒体を有する請求項3に記載の低温貯蔵装置。
【請求項5】
上部カラーおよび下部カラーはそれぞれ、上部カラーおよび下部カラーのそれぞれの半径に沿って延びるスロットを有し、カラーアセンブリはさらに、上部カラーおよび下部カラーのそれぞれのスロット内に配置される中間管を含む請求項4に記載の低温貯蔵装置。
【請求項6】
流体センサは、カラーアセンブリに着脱可能に取り付けられたヘッドを含む請求項3に記載の低温貯蔵装置。
【請求項7】
ヘッドは、熱絶縁性空間に開放された真空ポートを含む請求項6に記載の低温貯蔵装置。
【請求項8】
制御ユニットを収容するための制御ハウジングをさらに含み、制御ユニットは、内側タンク内の低温液体の量を決定するように、内側タンク内で圧力センサを処理するように構成された請求項1に記載の低温貯蔵装置。
【請求項9】
内側タンク内に回転可能に取り付けられたカルーセルをさらに含む請求項1に記載の低温貯蔵装置。
【請求項10】
バルブアセンブリと、制御入口と、手動入口とをさらに含み、制御入口はバルブアセンブリに流体的に結合され、バルブアセンブリは液体入口に流体的に結合され、手動入口は液体入口に流体的に結合された請求項1に記載の低温貯蔵装置。
【請求項11】
内側タンクと、外側タンクとを有し、内側タンクは、外側タンク内に配置され、外側タンクの内面から離間して熱絶縁性空間を規定する、低温環境で物品を貯蔵するための低温貯蔵装置であって、
低温液体を流体リザーバに供給するように構成された流体入口と、
低温貯蔵装置内の圧力を検出するように構成された静電容量センサであって、静電容量センサは、熱空間に対して開口した管状部材を有し、低温貯蔵装置全体を解凍する必要なしに氷の形成を解凍できるように、熱絶縁性空間内に取り外し可能に配置された静電容量センサと、を含む低温貯蔵装置。
【請求項12】
外側タンクに取り付けられた上部カラーと内側タンクに取り付けられた下部カラーとを有するカラーアセンブリをさらに含み、カラーアセンブリは、熱空間の完全性を維持するように内側タンクおよび外側タンクに密閉され、流体センサは、上部カラーに取り外し可能に結合された請求項11に記載の低温貯蔵装置。
【請求項13】
下部カラーおよび上部カラーは、それぞれ、円筒体の軸方向長さを延長する貫通孔を有する円筒体を有する請求項12に記載の低温貯蔵装置。
【請求項14】
上部カラーおよび下部カラーはそれぞれ、上部カラーおよび下部カラーのそれぞれの半径に沿って延びるスロットを有し、カラーアセンブリは、上部カラーおよび下部カラーのそれぞれのスロット内に配置された中間管をさらに含む請求項13に記載の低温貯蔵装置。
【請求項15】
流体センサは、カラーアセンブリに取り外し可能に取り付けられたヘッドを含む請求項13に記載の低温貯蔵装置。
【請求項16】
流体センサは、カラーアセンブリに取り外し可能に取り付けられたヘッドを含む請求項13に記載の低温貯蔵装置。
【請求項17】
ヘッドは、熱空間に開放された真空ポートを含む請求項16に記載の低温貯蔵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、低温貯蔵タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
低温貯蔵タンクは、亜寒帯温度下で物品を貯蔵するために使用される。例えば、低温貯蔵タンクは、-196°華氏の温度で物品を貯蔵するように構成されてもよい。低温貯蔵タンクは、十分な低温流体が存在することを確実にするように、タンク内の圧力を検出するように構成された流体センサを含んでもよい。
【0003】
図1は、貯蔵タンク104の真空にされた内部空間に流体センサ102が配置されている低温貯蔵装置100の現在の実施形態を示す。流体センサ102は、真空化された内部空間内の圧力を検出するように構成されたセンサユニット106に固定して結合された管であり、このようなセンサユニットは、現在知られており、そして使用されており、真空管として例示的に示されている。温度は、低温貯蔵タンクの高さに対して低下し、これにより、流体センサ102のチューブ内に氷が形成され、センサが不正確な圧力を検出する原因となることがある。
【0004】
氷を除去するには、サービスマンが貯蔵タンク104を氷の融点以上に暖める必要がある。直接熱を加えても氷が瞬時に凍結するため氷は除去されないからである。従って、貯蔵タンク内の物品は、解凍プロセス中に別の低温貯蔵装置に取り出されなければならない。
【0005】
このように、タンクの圧力を検出するように構成され、低温タンク全体を暖めることなく氷の形成を除去するように構成された低温貯蔵タンクを有することが依然として望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本開示の1つ以上の実装の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。他の態様、特徴、および利点は、説明および図面、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0007】
低温環境で物品を貯蔵するための低温貯蔵装置が提供される。低温貯蔵装置は、貯蔵タンクを含む。貯蔵タンクは、内側タンクと、外側タンクとを含む。内側タンクは、低温液体を保持するように構成される。内側タンクは、熱絶縁性空間を形成するように外側タンクから間隔をあけて配置される。
【0008】
流体入口は、内側タンクの流体リザーバに低温液体を供給するように、貯蔵タンクに取り付けられている。低温液体は、熱絶縁性空間によって熱的に絶縁されている。流体センサは、低温貯蔵装置内の圧力を検出するように構成されている。流体センサは、低温貯蔵装置全体を解凍することなく、氷形成を解凍することができるように、内側タンク内に取り外し可能に配置されている。
【0009】
一態様では、流体センサは、静電容量センサである。別の態様では、カラーアセンブリは、外側タンクに取り付けられた上部カラーと、内側タンクに取り付けられた下部カラーとを含む。カラーアセンブリは、熱絶縁性空間の完全性を維持するように内側タンクおよび外側タンクに密閉され、流体センサは、上部カラーに取り外し可能に結合される。
【0010】
カラーアセンブリの一態様では、上部カラーおよび下部カラーはそれぞれ、それぞれの上部カラーおよび下部カラーの半径に沿って延在するスロットを有する。中間管は、それぞれの上部カラーおよび下部カラーのスロット内に置かれている。
【0011】
1つの態様において、流体センサはヘッドを含み、ヘッドは流体センサに固定的に取り付けられ、カラーアセンブリに取り外し可能に取り付けられる。例えば、ヘッドは、上部カラーを受け入れるように寸法決めされたボアを有するように構成されてもよい。
【0012】
低温貯蔵装置の一態様では、ヘッドは真空ポートを含み、真空ポートは熱絶縁性空間に対して開放されている。このような態様において、低温貯蔵装置は、空気コンプレッサをさらに含んでもよい。
【0013】
一態様では、低温貯蔵装置は、制御ハウジングをさらに含む。制御ハウジングは、制御ユニットを収容する。制御ユニットは、内側タンク内の低温液体の量を決定するように、内側タンク内の液体センサによって検出された液体レベルを処理するように構成される。
【0014】
低温貯蔵装置の他の態様もここで考慮され、例示的に、内側タンク内に回転可能に取り付けられたカルーセル、内側タンク内への低温液体の供給を制御するためのバルブアセンブリ、および/または流体入口を介して内側タンクと流体結合された手動入口が挙げられる。
【0015】
このように、現在使用されている方法のように低温貯蔵装置全体を解凍させるのではなく、流体センサで発生する氷形成を流体センサの除去によって解凍させることにより、低温貯蔵装置を動作状態に保つのを助ける低温貯蔵装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】先行技術の低温貯蔵タンクの記載である。
図2】ここに記載される1つ以上の実施形態にかかる低温貯蔵タンクの斜視図である。
図3】線3-3に沿った切り取られた図2の断面図である。
図4】低温貯蔵タンクの貯蔵空間を示す斜視図である。
図5A図3に示された低温貯蔵タンクの上部の分離図である。
図5B図3に示された低温貯蔵タンクの底部の分離図である。
図6図2を背面から見た図である。
【0017】
様々な図面における同様の参照符号は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
流体センサ内の氷の形成を除去するために装置全体を解凍する必要性をなくした低温貯蔵装置が提供される。低温貯蔵装置は、内側タンクを囲む熱絶縁性空間を規定するように、互いに離間された内側タンクおよび外側タンクを有する貯蔵タンクを含む。流体入口は、内側タンクに低温液体を供給する。流体センサは、内側タンク内の液面を検出するように構成されている。このセンサは、貯蔵タンクから取り外し可能に配置され、低温貯蔵装置全体の氷を解凍することなく、氷形成の解凍を可能にする。
【0019】
まず図2を参照すると、本明細書に記載される1つまたはそれ以上の実施形態にかかる低温貯蔵装置10が提供される。低温貯蔵装置10は、生物学的標本などの物品を低温環境で保存するように構成される。低温貯蔵装置10は、貯蔵タンク12を含む。貯蔵タンク12は、上部および下部が閉じられた概ね円筒形の本体である。低温貯蔵装置10は、車輪およびハンドルを含んでもよい。ハンドルは、例示的には貯蔵タンク12の外面に固定されて、低温貯蔵装置10の移動を容易にする。
【0020】
例示目的のために、230リットルを保持するように構成された貯蔵タンク12は、200psiを超える内部圧力に耐えるように構成された剛性および耐久性のある材料で作られることが好ましく、そのような材料は現在知られており使用されており、例示的にステンレス鋼を含む。貯蔵タンク12の寸法および圧力能力は、図に示され本明細書に記載された例から逸脱したとしても、添付の請求の範囲からは逸脱しない。
【0021】
再び図2を参照し、また図3を参照すると、貯蔵タンク12は、内側タンク14と外側タンク16を含む。好ましくは、内側タンク14および外側タンク16は、ステンレス鋼のような、低温環境での使用に適した耐久性のある材料で作られる。内側タンク14は、低温液体および生物学的試料のような物品を保持するように構成される。内側タンク14は、熱絶縁性空間18を形成するように外側タンク16から間隔を空けて配置される。熱絶縁性空間18は、内側タンク14の周縁に沿って延び、内側タンク14を囲む。好ましくは、熱絶縁性空間18は真空にされる。
【0022】
再び図3を参照し、また図4を参照すると、低温貯蔵装置10は、制御ハウジング20をさらに含んでもよい。それぞれの内側タンク14および外側タンク16は、概して丸みを帯びており、制御ハウジング20は、外側タンク16の上面に搭載される。好ましくは、制御ハウジング20は、貯蔵タンク12の上面に溶接される。
【0023】
図4は、貯蔵タンク12の上部と、貯蔵タンク12の上方にある制御ハウジング20を示す分解図である。貯蔵タンク12の上にはネック22が形成されている。ネック22は、内側タンク14へのアクセスを提供するように、外側タンク16および内側タンク14を通過する開口部22aを含む。ネック22は、ガラス繊維のような、熱絶縁性を有する複合材料で形成されてもよい。ネック22は、アクセスを開閉するための蓋24を含んでもよい。蓋24は、制御ハウジング20の開口部内に配置され、ネック22にロックされてもよい。
【0024】
流体入口26は、内側タンク14内に低温液体を供給するように貯蔵タンク12に取り付けられる。特に、流体入口26は、外側タンク16および内側タンク14を通って延びる。供給管28は、低温液体を供給するように流体入口26に流体的に結合される。供給管28は、内側タンク14の底部に向かって延びる。好ましくは、供給管28は、ステンレス鋼のような低温環境で動作するように構成された剛性かつ耐久性のある材料で形成される。
【0025】
低温貯蔵装置10は、内側タンク14内に配置されるカルーセル30(図3に示す)をさらに含んでもよい。カルーセル30は、内側タンク14内に回転可能に配置されてもよい。カルーセル30は、好ましくは、ステンレス鋼で形成され、互いに離間された複数のトレイを含み、複数のトレイの各々は、互いに独立して回転してもよい。カルーセル30は、物品が損傷しないように、内側タンク14の底部に堆積される低温液体の上の内側タンク14内に物品を保持する。カルーセル30の一態様では、複数のトレイは互いに積み重ねられ、互いに独立して回転するように構成され、ユーザが異なるトレイにアクセスできるように開口部を含んでもよい。
【0026】
図3を再び参照し、今度は図4を参照すると、低温貯蔵装置は、流体センサ32をさらに含む。流体センサ32は、低温貯蔵装置10内の圧力を検出するように構成されている。流体センサ32は、内側タンク14内に取り外し可能に配置されているため、低温貯蔵装置10全体を解凍することなく、氷の形成を解凍できるようにする。
【0027】
ここで図5Aを参照すると、低温貯蔵装置10の1つの態様が提供され、低温貯蔵装置10は、外側タンク16および内側タンク14に取り付けられたカラー34を含む。カラー34は、流体センサ32が配置されるボア36を含む。カラー34は、外側タンク16および内側タンク14に装着されることにより、熱絶縁性空間内を真空に維持する。
【0028】
再び図5Aを参照し、また図5Bを参照して、流体センサ32およびカラー34の一態様を説明する。一態様において、流体センサ32は、静電容量センサ32aである。静電容量センサ32aは、外側スリーブ32cの中に配置された内側ロッド32bを含む。外側スリーブ32cは、低温液体がその中を上昇することを可能にするように、開放された底部を有する。内側ロッド32bは、外側スリーブ32cの内面から離間するように外側スリーブ32cの中心に配置され、内側ロッド32bの外面と外側スリーブ32cの内面との間に均一な隙間を規定するように固定される。流体センサ32は、電気抵抗の変化を検出して、内側タンク14の流体レベルを算出するように構成される。
【0029】
別の態様では、カラー34は、外側タンク16に取り付けられた上部カラー34aと、内側タンク14に取り付けられた下部カラー34bとを含む。カラー34は、熱絶縁性空間18の完全性を維持するように、内側タンク14および外側タンク16に密閉され、流体センサ32は、上部カラー34aに取り外し可能に結合される。
【0030】
カラー34の一態様において、上部カラー34aおよび下部カラー34bはそれぞれ、それぞれの上部カラー34aおよび下部カラー34bの半径に沿って延びるスロット38を有する。中間管40は、それぞれの上部カラー34aおよび下部カラー34bのスロット38内に配置されている。一態様では、中間管40は、G10管のように、ガラス強化エポキシで作られ、真空圧下でその形状を保持するように構成される。中間管40の幅はスロット38の幅よりも広く、熱絶縁性空間18の真空圧を保持するように中間管40と上部カラー34aおよび下部カラー34bとの間にピンチフィット係合を形成することを理解されたい。
【0031】
一態様において、流体センサ32は、ヘッド42を含む。ヘッド42は、流体センサ32に固定的に取り付けられ、カラー34に着脱可能に取り付けられる。例えば、ヘッド42は、上部カラー34aを受け入れるように寸法決めされたボア42aを有するように構成されてもよい。ヘッド42を上部カラー34aに固定および解除するように、止めネジ(set screw)のような機械的ファスナを上部カラー34aのネジ付き開口に螺合させてもよい。
【0032】
低温貯蔵装置10の一態様では、ヘッド42は、真空ポート44を含む。真空ポート44は、熱絶縁性空間18に開放されており、例えば、ヘッド42にボアが形成されてもよく、上部カラー34aに対応するボアが形成されてもよい。上部カラー34aのボアは、熱絶縁性空間18に開口している。真空ポート44はヘッド42に流体的に結合され、熱絶縁性空間18から空気を吸引するように構成される。このような態様において、低温貯蔵装置10は、真空ポート44を介して空気を吸引するように構成された空気コンプレッサ(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0033】
図2~4を再び参照すると、制御ハウジング20は、制御ユニット46を収容する。制御ユニット46は、流体レベルおよび圧力制御機能を実行するための命令を実行するように構成される。例えば、制御ユニット46は、内側タンク14内の低温液体の量を決定しおよび/または熱絶縁性空間18内の真空を維持するようにエアコンプレッサを作動させるために、流体センサ32によって検出された情報に基づいて流体レベルを決定するように構成された命令を実行するためのコンピュータリソース(例えば、データ処理ハードウエア、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)など)を含んでもよい。
【0034】
低温貯蔵装置10は、内側タンク14内への低温液体の供給を制御するためのバルブアセンブリ48を更に含んでもよい。バルブアセンブリ48は、貯蔵タンク12内の圧力を解放するためのベント50を更に含んでもよい。
【0035】
低温貯蔵装置10は、流体入口26を介して内側タンク14に流体的に結合された手動入口52をさらに含んでもよい。図6は、自動入口54および手動入口52を有する低温貯蔵装置10の一例を提供する。自動入口54は、バルブアセンブリ48および手動入口52に流体的に結合され、貯蔵タンク12が低温液体の供給源に結合される。貯蔵タンク12内の圧力は、ソースから低温液体を導入するために、バルブアセンブリ48によって処理される。このように、低温液体は、自動入口54または手動入口52を介して自動的にまたは手動的に導入され得る。
【0036】
運転中、低温液体は内側タンク14の中に導入される。従って、貯蔵タンク12は、亜寒帯温度に冷却される。流体センサ32は、内側タンク14内に配置され、亜寒帯温度にさらされるため、内側管内に氷が形成され、これが誤った読み取りを引き起こすかもしれない。特に、内側タンク14内の圧力が所定の圧力以下である場合に、氷の形成によって流体センサ32が高圧と判定される可能性がある。制御ユニット46は、高圧の読み取り値をユーザに送信し、これによりサービスコールが行われる。
【0037】
サービス提供者は、氷を融解させるように、流体センサ32を単に取り外してもよい。例えば、サービス提供者は、流体センサ32のヘッド42にアクセスするために、制御ハウジング20からパネル56を単に取り外し、そして機械的ファスナ(止めネジ)を取り外すだけでよい。プラグ58は、制御ハウジング20の上面に配置され、開口部60を閉鎖している。プラグ58が開口部60から取り外され、そして流体センサ32は開口部60から単に取り外される。次に、流体センサ32は、氷の形成が排除された室温まで解凍される。次に、流体センサ32は開口部を通して挿入され、ヘッド42は機械的ファスナによってカラー34に固定され、パネル56およびプラグ58が取り付けられる。低温貯蔵装置10は、サービス中に動作していてもよいことを理解されたい。また、この動作の間、カラー34が熱絶縁性空間18の真空を維持することも理解されたい。
【0038】
このように、現在のように低温貯蔵装置10全体を融解させるのではなく、流体センサ32で発生した氷形成を流体センサ32の取り外しによって融解させることによって、低温貯蔵装置10を動作状態に保つのを助ける低温貯蔵装置10が提供される。
【0039】
多くの実施態様について説明してきた。それにもかかわらず、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされ得ることが理解されよう。したがって、他の実施態様は、以下の特許請求の範囲の範囲内にある。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
【国際調査報告】