(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-25
(54)【発明の名称】第1のトランスデューサと第2のトランスデューサとの間に関節継手を備える医療装置並びにその具現化のための装置及び記憶装置
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20221117BHJP
A61B 8/12 20060101ALI20221117BHJP
A61B 1/01 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
A61B1/00 715
A61B8/12
A61B1/00 530
A61B1/01 513
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519738
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(85)【翻訳文提出日】2022-03-29
(86)【国際出願番号】 US2020053525
(87)【国際公開番号】W WO2021071722
(87)【国際公開日】2021-04-15
(32)【優先日】2019-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】デイトン、ピーター エル.
(72)【発明者】
【氏名】ワイツナー、バリー
(72)【発明者】
【氏名】クロバク、メーガン
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ボーデン、マーク ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】ウェルドン、ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】アルブレヒト、エリザベス エム.
(72)【発明者】
【氏名】デュバル、ジョージ ウィルフレッド
【テーマコード(参考)】
4C161
4C601
【Fターム(参考)】
4C161AA01
4C161AA06
4C161BB03
4C161BB08
4C161FF36
4C161WW16
4C601DE16
4C601EE11
4C601FE02
4C601GA01
4C601GC12
4C601GC17
4C601LL33
(57)【要約】
医療装置は、可撓性長尺状部材(304)と、第1のトランスデューサ(310-1)と、第2のトランスデューサ(310-2)と、可撓性長尺状部材の遠位部に沿って第1のトランスデューサと第2のトランスデューサとの間に配置された関節継手(312)とを備える。本装置を使用して、検査、方向付け、及び体内通路若しくは管腔へのアクセスを容易にすることのうちの1つ以上に対して、解剖学的特徴及び/又は可撓性長尺状部材の構成要素の位置を特定するために、複数のイメージング技法で画像を生成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置であって、
近位部及び遠位部を有する可撓性長尺状部材を備え、
前記可撓性長尺状部材の前記遠位部に沿って配置された第1のトランスデューサを備え、該第1のトランスデューサは、第1の画像を生成するように構成されており、
前記可撓性長尺状部材の前記遠位部に沿った第2のトランスデューサを備え、該第2のトランスデューサは、第2の画像を生成するように構成されており、
前記可撓性長尺状部材の前記遠位部に沿って前記第1のトランスデューサと前記第2のトランスデューサとの間に配置された関節継手を備え、該関節継手は、前記第1の画像と前記第2の画像とに基づく画像の生成を容易にするように前記第2のトランスデューサを位置決めするように構成される、
医療装置。
【請求項2】
前記第1のトランスデューサが光学センサからなり、前記第1の画像が光学画像からなる、請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記第2のトランスデューサが超音波トランスデューサからなり、前記第2の画像が超音波画像からなる、請求項1又は2に記載の医療装置。
【請求項4】
前記第1のトランスデューサが、体管腔の壁の特性を備えた前記第1の画像を生成するように構成され、前記第2のトランスデューサが、前記体管腔の前記壁の外部の特性を備えた前記第2の画像を生成するように構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項5】
前記画像が、体管腔の壁の特性と前記体管腔の前記壁の外部の特性とを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項6】
前記関節継手が、前記第2の画像の生成を容易にするべく体管腔の壁に前記第2のトランスデューサを接触させるように構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項7】
前記可撓性長尺状部材の前記遠位部の周囲に配置された第1のバルーン及び第2のバルーンをさらに備え、前記第1のバルーン及び前記第2のバルーンが、体管腔内において前記第1のトランスデューサ又は前記第2のトランスデューサを位置決めするように構成され、前記第1のトランスデューサ及び前記第2のトランスデューサが、前記可撓性長尺状部材の前記遠位部に沿って前記第1のバルーンと前記第2のバルーンとの間に配置される、請求項1~6のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項8】
前記体管腔の壁の外部の特性を備えた前記第2の画像の生成を容易にするために、前記第1のバルーンと前記第2のバルーンとの間の前記体管腔の領域を流体で充填するように、前記第1のバルーンと前記第2のバルーンとの間に配置された出口を備えた流体チャネルをさらに備える、請求項7に記載の医療装置。
【請求項9】
本医療装置が、体管腔の壁の外部の組織を励起するためにエネルギーのパルスを発生させるエネルギー源をさらに備え、前記第2のトランスデューサが、光学的に励起された標的によって発生する音波を検出するとともに、前記検出した音波に基づき画像を生成するように構成された、センサである、請求項1~8のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項10】
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、前記第1の画像及び前記第2の画像に基づき、体管腔の壁の特性と前記体管腔の前記壁の外部の特性とを備えた結合画像を作成させる命令を備えたメモリと、
を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項11】
前記メモリが、前記第1の画像及び前記第2の画像に基づき軌道可視化像を判定する命令を備える、請求項10に記載の医療装置。
【請求項12】
前記メモリが、前記結合画像における前記軌道可視化像の表示を生成する命令を備える、請求項11に記載の医療装置。
【請求項13】
前記可撓性長尺状部材の前記遠位部に沿って配置された光源をさらに備え、前記メモリが、前記体管腔の内部の前記光源による前記軌道可視化像の表示を生成する命令をさらに備える、請求項11に記載の医療装置。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の医療装置を具現化する手段を備える、装置。
【請求項15】
実行されると請求項1~13のいずれか一項に記載の医療装置を具現化する機械可読命令を含む、機械可読記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、医療装置の分野に関する。特に、本開示は、選択された解剖学的構造内への且つ/又はそこを通る可撓性長尺状部材の進入を容易にする装置、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、内視鏡的挿管処置を実施するには、患者の解剖学的構造内に、当該解剖学的構造を通してガイドワイヤ及び/又は内視鏡付属器具(例えば、括約筋切開刀、カニューレ、カテーテル、トランスデューサ等)を前進させる必要がある。内視鏡的挿管処置の1つの例には、内視鏡的逆行性胆道膵管造影法(ERCP:Endoscopic Retrograde Cholangio-Pancreatography)がある。ERCP処置を用いて、胆管を検査することができる。ERCP処置の間、内視鏡が口から挿入され、十二指腸まで進められる。胆管及び膵管に対する共通の進入点を同定する試行がなされる。適切に同定されると、胆管内にガイドワイヤを前進させて、結石管理又は胆道悪性腫瘍の治療等、種々の治療処置を実施することができる。胆管にアクセスする複数回の試行により、処置が長くなるか又は失敗することになる可能性がある。加えて、複数回のアクセス試行により、組織外傷がもたらされる可能性がある。さらに、内視鏡にカメラが設けられる場合であっても、カメラは、通常、共通の進入点を越えた導管経路又は導管の全体的な解剖学的構造の可視化を提供しない。患者ごとにアーキテクチャ/解剖学的構造が異なるため、管腔壁を越えた可視化がなされないことにより、医師が、管腔壁を越えて導管内に入るようにガイドワイヤをやみくもに操作しなければならない可能性があり、これにより、例えば、偶発的に間違った導管に挿管することになる可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
これらの考慮事項を念頭に置いて、本開示の装置、システム及び方法により、種々の有益な医学的転帰を実現することができる。
1つの態様では、本開示は、近位部及び遠位部を有する可撓性長尺状部材を備える医療装置に関する。可撓性長尺状部材の遠位部に沿って、第1の焦点領域を有する第1のトランスデューサを配置し得る。第1のトランスデューサは、第1の画像を生成するように構成され得る。第1の画像は、体管腔の壁の特性を備え得る。いくつかの実施形態において、第1のトランスデューサは光学センサを含み得るとともに、第1の画像は光学画像を含み得る。体管腔の壁は、十二指腸壁からなり得る。体管腔の壁の特性は、乳頭部を含み得る。可撓性長尺状部材の遠位部に沿って、第2のトランスデューサを配置し得る。第2のトランスデューサは、第2の画像を生成するように構成され得る。第2の画像は、体管腔の壁の外部の特性を備え得る。さまざまな実施形態において、第2のトランスデューサは超音波トランスデューサを含み得るとともに、第2の画像は超音波画像を含み得る。体管腔の壁の外部の特性は、胆管又は膵管等、十二指腸壁の後方の構造を含み得る。いくつかの実施形態において、超音波トランスデューサは、光学的に励起された標的によって発生する音波を検出するとともに、検出した音波に基づき画像を生成するように構成された、センサである。こうした実施形態において、超音波トランスデューサによる光音響イメージングのために体管腔の壁の外部の組織を励起するようにエネルギーのパルスを発生させる、エネルギー源を含め得る。可撓性長尺状部材の遠位部に沿って第1のトランスデューサと第2のトランスデューサとの間に、関節継手を配置し得る。関節継手は、第1の画像及び第2の画像に基づく画像の生成を容易にするべく、第2のトランスデューサを位置決めするように構成し得る。画像は、体管腔の壁の特性と、体管腔の壁の外部の特性とを含み得る。関節継手は、第1のトランスデューサの第1の焦点領域の少なくとも一部内に第2のトランスデューサを位置決めするように構成し得る。関節継手は、第2の画像の生成を容易にするように体管腔の壁を第2のトランスデューサに接触させるように構成し得る。可撓性長尺状部材の遠位部の周囲に、第1のバルーン及び第2のバルーンを配置し得る。第1のバルーン及び第2のバルーンは、体管腔内に第1のトランスデューサ又は第2のトランスデューサを位置決めするように構成し得る。第1のトランスデューサ及び第2のトランスデューサは、可撓性長尺状部材の遠位部に沿って第1のバルーンと第2のバルーンとの間に配置し得る。体管腔の壁の外部の特性を備えた第2の画像の生成を容易にするために、第1のバルーンと第2のバルーンとの間の体管腔の領域を流体で充填するように、第1のバルーンと第2のバルーンとの間に、流体チャネルの出口を配置し得る。
【0004】
別の態様において、本開示は、プロセッサと、プロセッサによって実行されると、プロセッサに以下のうちの1つ以上を実施させる命令を備えるメモリとを備える、装置に関する。いくつかの実施形態において、メモリは、プロセッサに、第1のトランスデューサを用いて第1の画像を生成させる命令を含み得る。いくつかのこうした実施形態において、第1の画像は、体管腔の壁の特性を含み得る。実施形態において、メモリは、プロセッサに、第2のトランスデューサを用いて第2の画像を生成させる命令を含み得る。多くのこうした実施形態において、第2の画像は、体管腔の壁の外部の特性を含み得る。さまざまな実施形態において、メモリは、プロセッサに、第1の画像及び第2の画像に基づき、体管腔の壁の特性と体管腔の壁の外部の特性とを備えた結合画像を作成させる命令を含み得る。1つ以上の実施形態において、メモリは、プロセッサに、第1の画像及び第2の画像に基づき軌道可視化像を判定させる命令を含み得る。1つ以上のこうした実施形態において、メモリは、プロセッサに、結合画像における軌道可視化像の表示(indication)、及び/又は体管腔の内部の光源を用いる軌道可視化像の表示を生成させる命令を含み得る。メモリは、プロセッサに、第1のトランスデューサの焦点領域の少なくとも一部内に第2のトランスデューサを位置決めさせる命令を含み得る。メモリは、プロセッサに、第2の画像の生成を容易にするように体管腔の壁を第2のトランスデューサに接触させる命令を含み得る。
【0005】
さらに別の態様では、本開示は方法に関する。本方法は、第1のトランスデューサを用いて第1の画像を生成するステップを備え得る。第1の画像は、体管腔の壁の特性を含み得る。本方法は、第2のトランスデューサを用いて第2の画像を生成するステップを含み得る。第2の画像は、体管腔の壁の外部の特性を含み得る。本方法は、第1の画像及び第2の画像に基づき、体管腔の壁の特性と体管腔の壁の外部の特性とを備えた結合画像を作成するステップを含み得る。1つ以上の実施形態において、本方法は、第1の画像及び第2の画像に基づき軌道可視化像を判定するステップを含み得る。1つ以上のこうした実施形態において、本方法は、結合画像の軌道可視化像の表示及び/又は体管腔の内部の光源を用いる軌道可視化像の表示を生成するステップを含み得る。本方法は、第1のトランスデューサの焦点領域の少なくとも一部内に第2のトランスデューサを位置決めするステップを含み得る。本方法は、第2の画像の生成を容易にするために、体管腔の壁を第2のトランスデューサに接触させるステップを含み得る。本方法は、体管腔内に第1のトランスデューサ又は第2のトランスデューサを位置決めするために、1つ以上のバルーンを膨張させるステップを含み得る。
【0006】
概略的であるとともに正確な尺度で描かれるようには意図されていない添付図面を参照して、本開示の非限定的な実施形態を例として説明する。図では、図示する各同一の又は略同一の構成要素は、典型的には、単一の数字で表している。明確にする目的で、すべての図においてすべての構成要素に符号が付されているとは限らず、当業者が本開示を理解することができるために図示が不要である場合、各実施形態のすべての構成要素が示されているとは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本明細書に記載する本開示による医療装置の一実施形態を示す。
【
図2】本明細書に記載する本開示による可撓性長尺状部材の遠位端の一実施形態を示す。
【
図3】本明細書に記載する本開示による可撓性長尺状部材のための動作環境を示す。
【
図4A】本明細書に記載する本開示による焦点領域内でトランスデューサを位置決めする一実施形態を示す。
【
図4B】本明細書に記載する本開示による焦点領域内でトランスデューサを位置決めする一実施形態を示す。
【
図5】本明細書に記載する本開示による例示的な動作環境における可撓性長尺状部材の遠位端の一実施形態を示す。
【
図6A】本明細書に記載する本開示によるイメージング及び軌道可視化像の実施形態を示す。
【
図6B】本明細書に記載する本開示によるイメージング及び軌道可視化像の実施形態を示す。
【
図6C】本明細書に記載する本開示によるイメージング及び軌道可視化像の実施形態を示す。
【
図6D】本明細書に記載する本開示によるイメージング及び軌道可視化像の実施形態を示す。
【
図6E】本明細書に記載する本開示によるイメージング及び軌道可視化像の実施形態を示す。
【
図6F】本明細書に記載する本開示によるイメージング及び軌道可視化像の実施形態を示す。
【
図7A】本明細書に記載する本開示による可撓性長尺状部材の遠位端のさまざまな実施形態を示す。
【
図7B】本明細書に記載する本開示による可撓性長尺状部材の遠位端のさまざまな実施形態を示す。
【
図7C】本明細書に記載する本開示による可撓性長尺状部材の遠位端のさまざまな実施形態を示す。
【
図8】本明細書に記載する本開示によるコンピューティングアーキテクチャの一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
さまざまな実施形態は、一般的にイメージング技法に関する。該イメージング技法は、選択された解剖学的構造内への進入を、且つ/又は選択された解剖学的構造を通る可撓性長尺状部材(例えば、内視鏡付属器具)の進入を、可撓性長尺状部材の構成要素を位置決め及び/又はナビゲートするために又は解剖学的特徴の位置を特定するために画像を生成すること等により、容易にする。いくつかの実施形態は、検査のため、方向付けのため、及び/若しくは体内通路若しくは管腔へのアクセスを容易にするため、並びに/又は体内通路/管腔を通るナビゲーションのためのうちの1つ以上のために、解剖学的特徴及び/又は可撓性長尺状部材の構成要素の位置を特定する複数のイメージング技法で画像を生成することに関する。
【0009】
さまざまな追加的な又は代替的な実施形態は、概して、体内通路又は管腔の外側の解剖学的構造に基づき、体内通路又は管腔内の任意の位置に対し、位置決め及び/又はナビゲートするために画像を生成すること等によって、組織壁を通り且つ組織壁を越えた可視化を容易にするイメージング技法に関する。いくつかの実施形態は、可撓性長尺状部材が、検査、方向付け、及び/又は体内通路/管腔を越えた解剖学的特徴又は構造へのアクセスを容易にすることのうちの1つ以上のためにナビゲートされる、体内通路/管腔の壁を越えた解剖学的特徴及び/又は構造の位置を特定するために、複数のイメージング技法を用いて画像を生成することに関する。いくつかの実施形態は、解剖学的構造を可視化し且つ/又は体内でナビゲートするイメージング技法等、他のイメージング技法によって、こうしたイメージング技法を調整することに関する。
【0010】
1つの実施形態において、例えば、可撓性長尺状部材に沿って、十二指腸壁の乳頭部等、体管腔の壁の特性を備えた第1の画像を生成するように構成された第1のトランスデューサと、胆管又は膵管等、体管腔の壁の外部の特性を備えた第2の画像を生成するように構成された第2のトランスデューサとの間に、関節継手を配置することができる。こうした実施形態において、関節継手は、第1の画像及び第2の画像に基づき、体管腔の壁の特性と体管腔の壁の外部の特性とを含む結合画像の生成を容易にするように、第2のトランスデューサを位置決めするように構成することができる。実施形態において、第1の画像及び第2の画像(又は結合画像)を利用して、胆管等、選択された解剖学的構造内への且つ/又はそうしたものを通る可撓性長尺状部材の進入を容易にすることができる。いくつかの実施形態において、第1の画像及び第2の画像に基づき、軌道可視化像を生成することができる。いくつかのこうした実施形態において、軌道可視化像は、結合画像に含め且つ/又は光源を介して生成することができる。これらの及び他の実施形態が記載され、特許請求の範囲に記載される。
【0011】
選択された解剖学的構造内への進入、且つ/又は選択された解剖学的構造を通る可撓性長尺状部材の進入を容易にする上でのいくつかの難題には、選択された解剖学的構造の位置を特定することと、選択された解剖学的構造にアクセスするために要求に応じて可撓性長尺状部材の遠位端を位置決めすることとがある。こうした難題は、いくつかの要因からもたらされ得る。かかる要因は、十二指腸内視鏡等、多自由度(例えば、8自由度)内視鏡を正確な場所まで操作する人間工学や、識別しづらい又は隠れた進入点を可視化することができないこと等がある。例えば、標的体内通路は、内視鏡付属器具に対して困難な角度(例えば、鈍角、直角、斜角)で向けられ、非常に小さいか若しくは封止された開口部を有し、又は、曲がりくねった解剖学的構造、閉塞(例えば、結石等)及び良性若しくは悪性構造を含む場合がある。医療従事者は、挿管を成功させるために複数回試行する場合がある。さらに、挿管の試行の回数に応じて、標的体内通路を含むか又はそれを包囲する組織に外傷をもたらす可能性が高くなる。場合により、医療従事者は、挿管処置を完全に中止する必要がある可能性がある。
【0012】
例えば、総胆管に挿管することができないことが、ERCP処置の失敗の1つの理由である。さらなる複雑性を増すことは、挿管プロセス中、共通の進入点を越えた導管の解剖学的構造に関する情報が入手可能でない可能性があるということである。例えば、共通の進入点を越えた導管の解剖学的構造に関する位置/向き情報が入手可能でない可能性がある。導管の解剖学的構造に関する情報がなければ、医療従事者は、胆管内に入るようにガイドワイヤをやみくもに操作しようとする。
【0013】
本明細書に記載するさまざまな実施形態は、選択された解剖学的構造の位置を特定し、選択された解剖学的構造にアクセスするために可撓性長尺状部材を位置決めし、選択された解剖学的構造に安全な、正確な、且つ信頼性の高い様式でアクセスすることができる、医療装置を含む。実施形態において、本明細書に記載する1つ以上の装置は、マルチモーダルイメージングを利用して、選択された解剖学的構造の位置を特定し、選択された解剖学的構造にアクセスするために可撓性長尺状部材を位置決めし、且つ/又は選択された解剖学的構造にアクセスすることができる。実施形態において、マルチモーダルイメージングは、2つ以上のタイプ及び/又は波長の伝播エネルギーを介して取り込まれた画像を利用することを含み得る。例えば、光学センサを含む第1のトランスデューサは、例えば視覚的に/光学的に、体管腔の壁の特性を同定するために/その位置を特定するために、体管腔内の光学画像を生成するべく、用いられ得る。超音波トランスデューサを備えてなる第2のトランスデューサは、体管腔の壁の外部の(例えば、壁を越えた)特性又は特徴を同定するために/その位置を特定するために、体管腔の超音波画像を生成するべく、用いられる。体管腔の壁の外部の組織を励起するように較正されたエネルギー源とともに、光音響センサを含む第2のトランスデューサを用いて、光音響信号を生成及び検出し、体管腔の壁の外部(例えば、壁を越えた)特性又は特徴を同定し又はその位置を特定する画像を生成することができる。こうした場合では、超音波又は光音響画像に基づいて、進入点を越えた導管の選択された解剖学的構造に関する情報を得て、選択された解剖学的構造のアーキテクチャ/構造を判定することができる。「トランスデューサ」及び「センサ」という用語は、本明細書では、こうした用語の範囲又は意味の相違を示す意図なしに、同義で使用する可能性があることが理解されるべきである。本明細書に記載する1つ以上の選択された解剖学的構造は、患者特有の解剖学的構造を含む場合がある。例えば、患者により、進入点は、十二指腸壁における胆管及び膵管への共通の入口である場合があり、他の患者では、胆管及び膵管は、十二指腸壁における別の進入点を有する場合がある。
【0014】
いくつかの実施形態において、同時に且つ/又はリアルタイムに異なる画像を生成することができる。実施形態において、一組のマルチモーダル画像に基づき、結合画像を生成することができる。多くのこうした実施形態において、結合画像は、マルチモーダル画像の組における各画像の1つ以上の特性を含み得る。例えば、結合画像は、光学画像からの十二指腸壁における乳頭部と、超音波又は光音響画像からの十二指腸壁の後方の構造(例えば、導管構造)とを含み得る。実施形態において、導管の解剖学的構造に関する情報(例えば、結合画像)は、挿管処置を実施している医療従事者に画像及び/又は軌道可視化像を伝える等のために、ユーザインタフェースに表示することができる。
【0015】
さらに、実施形態において、第1のトランスデューサと第2のトランスデューサとの間等、可撓性長尺状部材の遠位端において最遠位先端部と遠位端のより近位側の領域との間に、1つ以上の継手を配置することができる。1つ以上の継手は、結合画像の生成を容易にするように第2のトランスデューサを位置決めするように構成することができる。例えば、1つ以上の継手は、第2のトランスデューサによって生成された超音波画像が、第1のトランスデューサによって生成された光学画像において取り込まれた十二指腸壁の部分の後方にある十二指腸壁の外部の特性を備えたように、第2のトランスデューサを位置決めすることができる。いくつかの実施形態において、第2のトランスデューサを第1のトランスデューサの焦点領域内に置き、超音波画像の生成のための第2のトランスデューサの適切な位置決めを容易にするように、第1のトランスデューサと第2のトランスデューサとの間に1つ以上の継手を配置することができる。さまざまな実施形態において、1つ以上の継手を介して第2のトランスデューサを関節運動させることにより、第2のトランスデューサを組織壁(例えば、十二指腸壁)と密着させることができる一方で、第1のトランスデューサが壁から離れたままで、有用な画像(例えば、同定可能にした特性を備えた光学画像)を生成し続けることを可能にすることができる。
【0016】
より概略的に、本明細書に記載する1つ以上の装置は、可撓性長尺状部材による選択された解剖学的構造のイメージング及び/又はアクセスを容易にするように、可撓性長尺状部材に沿って、第1のトランスデューサと第2のトランスデューサとの間等、長尺状部材の遠位端の近位領域における第1の場所と、長尺状部材の遠位端の遠位領域における第2の場所との間に配置された、1つ以上の継手を含み得る。実施形態において、1つ以上の継手を利用して、第1のトランスデューサの焦点領域内に第2のトランスデューサを位置決めすること、又は、体管腔内に可撓性長尺状部材の遠位領域の一部を位置決めすること等、可撓性長尺状部材の1つ以上の構成要素及び/又は部分を位置決め/方向付けすることができる。例えば、継手のうちの1つ以上は、膨張式バルーンを備えることができる。こうした例では、バルーンを膨張させて、体管腔の領域を(例えば、超音波イメージングを容易にするか又は治療を適用するために)少なくとも部分的に流体で充填されるように封止することができる。いくつかの実施形態において、振動させること、関節運動させること、及び/又は作動させることによる等、挿管を促進するように1つ以上の継手を動作させることができる。
【0017】
本明細書に記載する構成要素、装置及び/又は技法のうちの1つ以上を、安全な、効率的な且つ信頼性の高い様式での挿管処置の実施を促進するシステムの一部として使用することができる。実施形態において、本開示によるシステムは、選択された解剖学的構造の位置を特定し、選択された解剖学的構造にアクセスするために可撓性長尺状部材を位置決めし、選択された解剖学的構造に安全な、正確な且つ信頼性の高い様式でアクセスすることができる、1つ以上の医療装置を含み得る。これら及び他の方法で、本明細書に記載する構成要素/技法は、有利な特徴を備えたより効率的且つ適切に機能する医療装置の具現化を介して、患者ケアを改善し、ユーザ体験を向上させ、学習曲線を低下させ、成功率を上昇させ、且つ/又は有害な転帰を低減させることができる。実施形態において、本明細書に記載する構成要素及び/又は特徴のうちの1つ以上により、能力の上昇及び適合性の向上を含む、従来のコンピュータ技術を超えるいくつかの技術的効果及び利点をもたらすことができる。例えば、本明細書に記載する可視化技法を用いて、1つ以上の選択された解剖学的構造の認識の向上を提供することができる。さまざまな実施形態において、本明細書に記載する態様、技法及び/又は構成要素のうちの1つ以上は、1つ以上のコンピューティング装置を介して実際的な応用で実施され、それにより、1つ以上のコンピューティング装置に追加の且つ有用な機能性を提供して、より有能な、より適切に機能する、且つ改善されたコンピューティング装置をもたらすことができる。さらに、本明細書に記載する態様、技法及び/又は構成要素のうちの1つ以上を利用して、挿管、診断、治療、イメージング、ロボティクス、組込みシステム及び/又は制御システムを含む、1つ以上の技術分野を改善することができる。
【0018】
実施形態において、本明細書に記載する構成要素は、マルチモーダルイメージング及び/又は挿管を可能にする具体的な且つ特定の様式を提供することができる。いくつかのこうした実施形態において、具体的且つ特定の様式は、例えば、1つ以上の挿管処置を容易にするように、トランスデューサ、センサ、継手、作業チャネル及びユーザインタフェースのうちの1つ以上を制御すること、モニタリングすること、及び/又はそれらとインタフェースすることを含み得る。1つの例では、具体的且つ特定の様式により、医療従事者が、胆管に安全に且つ確実にアクセスすることを迅速に学習することができるように、ERCP処置を簡略化することができる。
【0019】
実施形態において、本明細書に記載する構成要素のうちの1つ以上は、改善された技術的結果が達成されることを可能にする、コンピュータにより以前は実施可能でなかった機能を可能にすることにより、コンピュータ関連技術を改善する一組の規則として実装することができる。実施形態において、可能になる機能は、挿管装置及び/又は処置に関連することができる。例えば、可能になる機能は、第1のイメージングモードを介して生成された第1の画像と第2のイメージングモードを介して生成された第2の画像とに基づき、体管腔の壁の特性と体管腔の壁の外部の特性とを含む結合画像を作成することを含み得る。いくつかの実施形態において、可能になる機能は、トランスデューサによる画像生成を容易にするように等、1つ以上の継手を用いてトランスデューサを別のトランスデューサの焦点領域内で位置決めすることを含み得る。いくつかの実施形態において、可能になる機能は、体管腔の壁の外部の組織を励起するように、エネルギー源を介してエネルギーのパルスを発生させることと、画像生成を容易にするように等、組織によって発生したエネルギーを、センサを介して検知することとを含み得る。さまざまな実施形態において、可能になる機能は、挿管処置の目標の位置を特定し且つ/又はそうした目標にアクセスするために1つ以上の継手を利用することを含み得る。
【0020】
本開示は、記載する特定の実施形態に限定されない。本明細書で用いる術語は、単に特定の実施形態を説明することを目的とするものであり、添付の請求項の範囲を超えて限定的であるようには意図されていない。別段の定義のない限り、本明細書で用いる技術用語は、本開示が属する技術分野における当業者に一般に理解されるものと同じ意味を有する。
【0021】
本開示の実施形態について、内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)処置中における総胆管(CBD)又は膵管(PD)の選択的な挿管のための医療装置及びシステム(例えば、十二指腸内視鏡を通して挿入される内視鏡付属器具及び/又はガイドワイヤ等)を具体的に参照して説明する場合がある。しかしながら、こうした医療装置及びシステムは、例えば、画像下治療(interventional radiology)処置、バルーン血管形成処置、血栓溶解処置、血管造影処置等を含む、導管、管腔又は血管の解剖学的構造を通して1つ以上の付属器具をナビゲートする必要がある、種々の医療処置で使用可能であることが理解されるべきである。本開示の医療装置は、十二指腸内視鏡に限定されず、例えば、カテーテル、尿管鏡、気管支鏡、結腸鏡、関節鏡、膀胱鏡、子宮鏡等を含む、体内通路又は管腔にアクセスする種々の医療装置を含み得る。さらに、開示する医療装置及びシステムは、異なるアクセス点及びアプローチを介して、例えば、経皮的に、内視鏡的に、腹腔鏡下で、又はそれらの何らかの組合せで、挿入することができる。
【0022】
本明細書で用いる場合の単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、別段文脈に明確な指示がない限り、同様に複数形を含むように意図されている。「備える/からなる」及び/若しくは「備えている/からなる」又は「含む」及び/若しくは「含んでいる」という用語は、本明細書で用いる場合、述べられている特徴、領域、ステップ、要素及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、領域、完全体、ステップ、動作、要素、構成要素及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除するものではないことがさらに理解されよう。
【0023】
本明細書で用いる場合の「遠位」という用語は、患者の体内に装置を導入しているときの医療従事者から最も遠い端部を指し、「近位」という用語は、患者の体内に装置を導入しているときの医療従事者に最も近い端部を指す。
【0024】
概して本明細書で用いる表記法及び命名法に関して、以下の詳細な説明の1つ以上の部分は、コンピュータ又はコンピュータのネットワークで実行されるプログラムプロシージャに関して提示することができる。これらのプロシージャの記述及び表現は、当業者により、自身の研究の内容を他の当業者に最も有効に伝えるために使用される。プロシージャは、本明細書では、且つ一般に、所望の結果に至る首尾一貫した一連の動作であると考えられる。これらの動作は、物理量の物理的操作を必要とする動作である。通常、必ずしもではないが、これらの量は、格納し、転送し、結合し、比較し、他の方法で操作することができる、電気、磁気又は光信号の形態をとる。これらの信号をビット、値、要素、記号、文字、項、数字等と称することが、主に一般的な使用の理由で時には好都合であることが分かる。しかしながら、これらの用語及び同様の用語のすべてが、適切な物理量に関連するべきであり、それらの量に適用される好都合なラベルに過ぎないことが留意されるべきである。
【0025】
さらに、これらの操作は、一般に人間のオペレータによって実施される知的操作に関連する、可算又は比較等の用語で言及されることが多い。しかしながら、1つ以上の実施形態の一部を形成する、本明細書に記載する動作のいずれにおいても、人間のオペレータのこうした能力は、必須ではなく、又は大部分の場合において望ましくはない。むしろ、これらの動作は、機械動作である。さまざまな実施形態の動作を実施する有用な機械としては、本明細書の教示に従って書かれた、内部に格納されたコンピュータプログラムによって選択的に起動又は構成されるような汎用デジタルコンピュータが挙げられ、且つ/又は、必要な目的のために特別に構築された装置が挙げられる。さまざまな実施形態は、これらの動作を実施する装置又はシステムにも関する。これらの装置は、必要な目的のために特別に構築されるものであってもよく、又は、汎用コンピュータを含んでもよい。種々のこれらの機械に対する必要な構造は、与えられる説明から明らかとなろう。
【0026】
ここで図面を参照する。そこでは、図面を通して同様の要素を参照するために同様の参照番号が使用されている。以下の説明では、説明の目的で、説明が完全に理解されるために、多くの具体的な詳細が示されている。しかしながら、これらの具体的な詳細なしに、新規の実施形態を実施することができることは明らかであり得る。他の場合では、周知の構造及び装置は、その説明を容易にするためにブロック図形態で示されている。請求の範囲内にあるすべての変更形態、均等物及び代替形態を包含することが意図されている。
【0027】
図1は、本明細書に記載する本開示による動作環境100における医療装置102の一実施形態の一例を概略的に示す。動作環境100において、医療装置102は、可撓性長尺状部材104及びコントローラ106を含み得る。可撓性長尺状部材104は、作業チャネルセット108、トランスデューサセット110及び継手セット112を含む。コントローラ106は、長尺状部材インタフェース114、プロセッサ116、メモリ118及びユーザインタフェース120を含む。本明細書に記載する1つ以上の実施形態において、医療装置102の構成要素は、相互動作して、マルチモーダルイメージング、継手制御及び/又は軌道可視化等、体管腔内の挿管処置を促進することができる。実施形態はこの文脈において限定されない。トランスデューサという用語は、広範な意味で使用され、画像を搬送するため以外のエネルギー信号を生成しない単純なセンサ(入力トランスデューサ)(例えば、必ずしもアクチュエータ又は出力トランスデューサではない)を同様に包含するように意図されていることが理解されよう。従って、本明細書におけるトランスデューサ又はトランスデューサセットに対するすべての言及が、特徴又は構造を検出するのに役立つ、単純なセンサ及び別個のエネルギー源/エネルギー発生構成要素を備えた実施形態を含むように理解されるべきである。
【0028】
実施形態において、コントローラ106は、可撓性長尺状部材104の1つ以上の構成要素を管理し、モニタリングし、且つ/又は動作させることができる。多くのこうした実施形態において、コントローラ106は、メモリ118に格納された命令の、プロセッサ116による実行に基づき、可撓性長尺状部材104の1つ以上の構成要素を管理し、モニタリングし、且つ/又は動作させることができる。1つ以上の実施形態において、メモリ118は、可撓性長尺状部材104の1つ以上の構成要素に関連するか又はそれによって生成される情報を通信する命令を含み得る。1つ以上のこうした実施形態において、メモリ118は、ユーザインタフェース120を介して受け取られた入力に基づき、可撓性長尺状部材104の1つ以上の構成要素の制御を可能にする命令を含み得る。例えば、トランスデューサセット110における1つ以上のトランスデューサを介して生成される画像は、ユーザインタフェース120を介して表示することができ、継手セット112における1つ以上の継手は、表示された画像に基づき、ユーザインタフェース120を介して受け取られた入力を使用して動作させることができる。いくつかの実施形態において、ユーザインタフェース120は、拡張現実及び/又は仮想現実を利用することができる。例えば、拡張現実又は仮想現実を使用して、可撓性長尺状部材104に対する軌道可視化像を示すことができる。さまざまな実施形態において、コントローラ106の1つ以上の構成要素は、
図8に関して図示し且つ記載する1つ以上の構成要素と同じか又は同様であり得る。さまざまなこうした実施形態において、コントローラ106は、さらに又は別法として、
図8に関し図示し且つ記載する1つ以上の構成要素を含み得る。
【0029】
いくつかの実施形態において、可撓性長尺状部材104は、挿管処置中に体管腔内に挿入される独立型装置として使用することができる。しかしながら、追加的に又は代替的に、いくつかの実施形態における可撓性長尺状部材104は、別の医療装置(例えば、十二指腸内視鏡、内視鏡、尿管鏡、気管支鏡、結腸鏡、関節鏡、膀胱鏡、子宮鏡等)の作業チャネルを通って延びるように構成することができる。さまざまな実施形態において、可撓性長尺状部材104は、近位部/領域及び遠位部/領域を含み得る。さまざまなこうした実施形態において、遠位領域は、体管腔内に挿入することができる。1つ以上の実施形態において、可撓性長尺状部材104は、内視鏡の少なくとも一部、内視鏡付属器具、トーム、カニューレ、カテーテル等を含み得る。
図2を参照する等、より詳細に後述するように、実施形態において、トランスデューサセット110及び継手セット112は、可撓性長尺状部材104の遠位部に沿って配置することができる。
【0030】
実施形態において、作業チャネルセット108は、可撓性長尺状部材104の近位部及び遠位部の少なくとも一部を通って延びる1つ以上のルーメンを含み得る。いくつかのこうした実施形態において、構成要素は、作業チャネルのうちの1つ以上を通って延びて、可撓性長尺状部材104の遠位部及び/又はその外部にアクセスすることができる。例えば、ガイドワイヤが、作業チャネルを通って延びて、継手の関節運動を制御することができる。別の例では、電線が作業チャネルを通って延びて、長尺状部材インタフェース114を介してコントローラ106にトランスデューサを通信可能に結合することができる。いくつかの実施形態において、作業チャネルセット108は、内部スコープ動作(例えば、スコープ関節運動)のためのチャネル及び/又はスコープ器具チャネルを含み得る。
【0031】
実施形態において、トランスデューサセット110は、可撓性長尺状部材104及び/又はその環境(例えば、挿管処置の条件、態様又は特性)のモニタリング及び/又は制御を容易にする、1つ以上のセンサ、送信器、受信器、送受信器、撮像装置、エネルギー源(例えば、レーザ、超音波等)及び/又は照明を含み得る。例えば、トランスデューサセット110は、体内で超音波等の信号を発生させ且つ/又は検出することができる、光学センサ、レーザ、超音波送受信器若しくはプローブ若しくはセンサ、距離センサ、圧力センサ、位置測定センサ、電磁センサ、静電容量センサ、誘導センサ、圧電センサ、光ファイバ、照明、(光音響効果を誘導するため等の)エネルギー源、pHセンサ、紫外線センサ、赤外線センサ、分光計、温度センサ等のうちの1つ以上を含み得る。いくつかの実施形態において、可撓性長尺状部材104の1つ以上の部分は、使い捨てであり得る。
【0032】
さまざまな実施形態において、継手セット112は、移動を可能にする2つの本体の間に1つ以上の接続部を含み得る。例えば、継手セット112は、電動継手、手動継手、関節継手、伸縮継手、バルーン継手、安定化継手、ピッチ継手、ヨー継手、ロール継手、振動継手、アクチュエータ継手等のうちの1つ以上を含み得る。継手セット112は、可撓性長尺状部材104の遠位先端部と可撓性長尺状部材104の遠位端の近位部とを接続して、遠位先端部が近位部に対して回転可能若しくは枢動可能、又は他の方法で位置決め可能若しくは移動可能であるようにする、1つ以上の可撓性部分を含み得る。例えば、遠位先端部は、可撓性長尺状部材104の長手方向軸に対して概ね直角な軸を中心に回転可能又は枢動可能であり得る。いくつかの実施形態において、遠位先端部は、遠位先端部が可撓性長尺状部材に対して同軸上でないように、可撓性長尺状部材104の長手方向軸に対して非平行な軸に沿って回転可能又は枢動可能であり得る。実施形態において、遠位先端部は、長手方向軸に沿って伸長可能であってもよく、例えば、可撓性部分は伸張するか又は圧縮されてもよく、そのため、遠位部は、遠位側に伸長し、且つ/又はその弛緩位置まで近位側に後退することができる。可撓性部分は、医療従事者により手動で、例えば、作業チャネルを通して器具又は他の装置を伸長させることにより、操作可能であり得る。
【0033】
いくつかの実施形態において、1つ以上の可撓性部分は、コントローラ及びユーザインタフェースを介して遠隔操作可能であり得る。さまざまな実施形態において、複数の可撓性部分を含むもの等の継手セット112は、コントローラ106によって自動的に動作させることができる。さまざまなこうした実施形態において、継手セット112は、可撓性長尺状部材104を目的位置(例えば、目標軌道、イメージング位置、導管入口向き等)に入るように操作するように、コントローラ106によって自動的に動作させることができる。いくつかの実施形態において、可撓性長尺状部材104は、可撓性長尺状部材を操作/位置合せするように独立して伸張させ/圧縮することができる、複数の可撓性部分を有することができる。例えば、可撓性長尺状部材104は、独立した可撓性部分の複数の長手方向パッチを含み得る。いくつかのこうした例では、複数の長手方向パッチは、可撓性長尺状部材104の円周に配置することができる。代替的な又はさらなる例では、可撓性長尺状部材104は、独立して伸張させ且つ圧縮することができる複数のリブを含み得る。
【0034】
いくつかの実施形態において、作業チャネルセット108、トランスデューサセット110及び継手セット112の1つ以上の態様は、オーバラップすることができる。例えば、トランスデューサは、継手又は作業チャネル内に含めることができる。トランスデューサは、継手に含まれる場合、継手の異なる端部の間の向きを測定することができる。別の例では、作業チャネルは、継手の一部を通って延び且つ/又は継手の一部を含み得る。さらに別の例では、トランスデューサセット110及び/又は継手セット112のうちの1つ以上は、作業チャネルセット108の作業チャネルのうちの1つ以上を通して挿入するか、又はその中に配置することができる。実施形態において、継手セット112における1つ以上の関節継手は、作業チャネルセット108の1つ若しくは複数の作業チャネル、トランスデューサセット110の1つ若しくは複数のトランスデューサ、及び/又は可撓性長尺状部材104の1つ若しくは複数の部分を関節運動させるように設計することができる。いくつかのこうした実施形態において、1つ以上の関節継手は、1つ若しくは複数の作業チャネル及び/又は1つ若しくは複数のトランスデューサをより正確に位置決めするように偏らせる/非対称にすることができる。例えば、偏った継手は、外力がない場合は所定角度(例えば、180度)に戻ることができる。別の例では、非対称の継手は、機械的利点を実施することができる。
【0035】
実施形態において、医療装置102は、十二指腸管又は胆管等の体管腔の挿管前に且つ/又は挿管中、誘導を提供することができる。1つ以上の実施形態において、医療装置102は、超音波誘導挿管を改善する強化された超音波機能を含み得る。さまざまな実施形態において、超音波は、1つ以上の作業チャネルにある器具と統合するか、又は、スコープ(例えば、十二指腸内視鏡)の設計に組み込むことができる。実施形態において、医療装置102は、光学画像及び超音波画像の両方が同時に取り込まれることを可能にすることができる。光学画像及び超音波画像を互いに融合して、乳頭部と十二指腸壁の後方の解剖学的構造との両方の画像を作成することができる。さまざまな実施形態において、オペレータは、ユーザインタフェース120を介する等して、ビューを切り替えるか、同時に表示する(カメラ及び光音響イメージングが使用される場合、光音響イメージングのための照明パルス化と直接可視化のための定常状態とで時間多重化される)か、若しくは異なる画像を互いに重ねる/融合するか、又はそれらの組合せを行うことができる可能性がある。いくつかの実施形態において、超音波機能に加えて又はその代わりに、医療装置102は、光音響誘導挿管を改善する強化された光音響機能を含み得る。いくつかの場合では、光音響イメージングにより、標準的な超音波イメージングよりも適切な、又はさらには場合により標準的な超音波イメージングでは達成可能ではない、組織又は構造の識別(例えば、胆管と膵管との識別)を可能にすることができる。さまざまな実施形態において、光音響機能は、1つ以上の作業チャネルにおける器具と統合するか、又はスコープ(例えば、十二指腸内視鏡)の設計に組み込むことができる。実施形態において、医療装置102により、光学画像と光音響画像との両方を同時に取り込むことができる可能性がある。光学画像及び光音響画像を互いに融合して、乳頭部と十二指腸壁の後方の解剖学的構造との両方の画像を作成することができる。さまざまな実施形態において、オペレータは、ユーザインタフェース120を介する等して、光学ビューと光音響ビューとを切り替えるか、光学画像と光音響画像とを同時に表示するか、若しくは異なる画像を互いに重ねる/融合するか、又はそれらの組合せを行うことができる可能性がある。
【0036】
いくつかの実施形態において、ERCP処置中に超音波を用いる術中誘導が、導管挿管を改善することができる。直接可視化により乳頭部を見ることができるとともに、十二指腸壁の後方の導管を(例えば、超音波を介して)見ることもできることにより、スコープ及び/又は器具の位置合せのために医療従事者をより適切に誘導することができる。導管挿管及び胆管内の目標位置へのナビゲーション等の挿管処置の容易性を向上させることにより、処置時間が短縮されるとともに、処置を実施する医療従事者の熟達を向上させることができる。これにより、不注意による膵管への挿管の回数も減少させ、その結果として膵炎の割合も低下させることができる。
【0037】
1つ以上の実施形態において、医療装置102は、医療従事者に、(ERCPの場合)十二指腸壁の後方の胆管及び膵管、又は導管にアクセスするために壁を穿刺すべき場所のビューを提供することができる。いくつかの実施形態において、可撓性長尺状部材104の先端部内に超音波トランスデューサ(例えば、
図2を参照)を組み込んで、超音波画像を生成するために体管腔の壁(例えば、乳頭部の近くの組織)と接触させることができる(例えば、
図4Aを参照)。超音波トランスデューサは(標準的な超音波トランスデューサよりも単純であるとみなされる可能性があるが、より高解像度の画像生成が可能である)光音響センサ又はプローブであり得ることが理解されよう。「超音波トランスデューサ」及び「トランスデューサ」という用語は、本明細書では、標準的な超音波トランスデューサに対する代替物としてこうした光音響センサ又はプローブを含むものとして理解される。光音響センサ又はプローブを使用して、組織壁を越えて光学的に励起された標的によって発生した音波を検出し、光学的に励起された標的の高解像度/高コントラスト超音波画像を生成することができる。こうした実施形態において、(例えば、10mVの倍数の範囲で、10MHzの倍数の範囲等、超音波周波数の範囲で)戻りパルス又はエコーを発生させるために、(例えば、トランスデューサ210-2が配置される組織壁を越えた)標的組織を励起するのに十分なエネルギーで、適切なエネルギーパルス(例えば、100V以上)を発生させるように、光源(例えば、LED、光ファイバ、レーザ等)等のエネルギー源が設けられる。エネルギー源は、第1のトランスデューサによって使用される光源と同じ光源(例えば、カメラ又は他のスコープ用の照明)、又は適切なエネルギーパルスを発生させることができる別個のレーザ若しくは他のエネルギー源であり得る。フルスペクトル内の光を使用することができる。いくつかの実施形態において、赤色波長の光が使用される。エネルギー源は、可撓性長尺状部材204の遠位部204-2に沿って、標的部位の組織を励起するのに十分なエネルギーを発生させて標的部位に伝播させるように選択された場所に配置される。いくつかの実施形態において、エネルギー源は、第1のトランスデューサ210-1とともに使用され(例えば、カメラ等が見る経路を照明する、LED又は光ファイバ又はレーザ等の光源)、第1のトランスデューサ210-1のために照明することと、光音響センサの形態の第2のトランスデューサ210-2のために励起エネルギー(例えば、パルス光等、パルスエネルギー)を発生させることとの2つの目的にかなうことができる。光音響イメージングのためのセンサ(例えば、受信専用トランスデューサ)は、(標準的な超音波信号と比較して)より微細な信号を受信し且つ受信している信号を処理するとともに、標準的な超音波イメージングで通常達成することができるよりも高精細な解像度と強化されたより高いコントラストとを有する画像を生成するように、標準的な超音波トランスデューサよりも精緻化された受信器回路を有することができる。
【0038】
いくつかのこうした実施形態において、1つ以上の継手を動作させて、超音波トランスデューサが乳頭部の近くの組織と接触するようにすることができる。他の実施形態において、体管腔の一部を流体で充填して、体管腔の壁と接触することなく超音波画像の生成を可能にすることができる(例えば、
図5を参照)。
【0039】
さまざまな実施形態において、セット(例えば、作業チャネルセット108、トランスデューサセット110、継手セット112)は、共通の特性を有する1つ以上の構成要素、又はそれらの組合せを指すことができる。例えば、作業チャネルセット108は、可撓性長尺状部材104の少なくとも一部を通って延びる1つ以上の作業チャネルを含み得る。別の例では、トランスデューサセット110は、医療装置102の態様及び/又は医療装置102の環境を測定及び/又は検知するために使用される1つ以上のセンサを含み得る。さらに別の例では、継手セット112は、可撓性長尺状部材104の位置決め/操作を容易にする1つ以上の継手及び/又は継手機構を指すことができる。
【0040】
図2は、本明細書に記載する本開示による環境200における可撓性長尺状部材204の一例を示す。いくつかの実施形態において、環境200は、本明細書に記載する1つ以上の他の構成要素と同じか又は同様である1つ以上の構成要素を含み得る。例えば、可撓性長尺状部材204の遠位端が、可撓性長尺状部材104の遠位端と同じか又は同様であり得る。環境200では、可撓性長尺状部材204は、近位部204-1及び遠位部204-2と、近位部204-1及び遠位部204-2の少なくとも一部を通って延びる作業チャネル208とを含み得る。図示する実施形態において、可撓性長尺状部材204の遠位部204-2は、トランスデューサ210-1、210-2及び関節継手212を含む。遠位部204-2は、トランスデューサ210-1が概して配置される近位領域とトランスデューサ210-2が概して配置される遠位領域とを含む、可撓性長尺状部材204の「遠位端」を包含するとみなすことができ、最遠位端は可撓性長尺状部材204の概して自由な端部にある。本明細書に記載する1つ以上の実施形態において、関節継手212を利用して、トランスデューサ210-1を静止させたまま、トランスデューサ210-2を移動させることができる。いくつかの実施形態において、関節継手212は、遠位部204-2の近位領域に対する遠位領域の移動を容易にする。実施形態はこの文脈において限定されない。
【0041】
いくつかの実施形態において、関節継手212を使用して、トランスデューサ210-2を体管腔の壁と接触するように位置決めすることができる。さまざまな実施形態において、関節継手212を使用して、トランスデューサ210-1の焦点領域内にトランスデューサ210-2を位置決めすることができる。実施形態において、関節継手212は、標的体管腔内への可撓性長尺状部材204のアクセスを容易にするように操作することができる。さまざまな実施形態において、1つ以上の継手(例えば、継手212)は、スコープ起上台の動作を容易にする1つ以上の特徴を含み得る。多くの実施形態において、継手/作業チャネルは、そこを通して配置され、医療装置又はシステムの1つ以上の構成要素の動作を容易にするように、ルーメン、軸受、チャネル、枢支点、テンショナ等のうちの1つ以上を含み得る。
【0042】
1つ以上の実施形態において、可撓性長尺状部材204は、マルチモーダルイメージングを可能にする手法を示すことができる。例えば、トランスデューサ210-1は光学センサであり、トランスデューサ210-2は超音波又は光音響トランスデューサであり得る。こうした例では、トランスデューサ210-1は、トランスデューサ210-2による超音波画像の生成と一致して光学画像を生成することができる。トランスデューサ210-1は、標準的な十二指腸内視鏡における撮像素子と同様の撮像素子であり得る。いくつかの実施形態において、トランスデューサ210-1によって生成される光学画像を併用して関節継手212を利用して、超音波画像を生成するようにトランスデューサ210-2を位置決めすることができる。いくつかのこうした実施形態において、トランスデューサ210-2は、乳頭部に近接する十二指腸壁等、体管腔の壁に接して位置決めすることができる。
【0043】
実施形態において、関節継手212は、トランスデューサ210-1及び/又は作業チャネル208よりも可撓性長尺状部材204の最遠位端により近接して配置することができる。さまざまな実施形態において、トランスデューサ210-2は、作業チャネル208、トランスデューサ210-1及び/又は関節継手212よりも、可撓性長尺状部材204の遠位端の最遠位端により近接して配置することができる。さまざまな実施形態において、作業チャネル208、トランスデューサ210、及び関節継手212のうちの1つ以上の配置は、体管腔の壁の外部の特性の画像を生成するようにトランスデューサ210-2を位置決めするのと同時に、体管腔の壁の特性の画像を生成するようにトランスデューサ210-1を位置決めするように構成することができる。いくつかのこうした実施形態にでは、これにより、トランスデューサ210-1の焦点領域内のトランスデューサ210-2の位置決めを容易にすることができる。実施形態において、関節継手212に対するトランスデューサ210-2の正味の関節運動は、(例えば、関節継手212が非対称関節継手である場合)トランスデューサ210-1の正味の関節運動よりも大きい可能性がある。いくつかのこうした実施形態では、これにより、(例えば、対象の組織領域にトランスデューサ/センサを音響的に結合するために)体管腔の壁と接触するようにトランスデューサ210-2を位置決めすることを容易にしながら、トランスデューサ210-1のイメージングモードを可能にする壁からの距離にトランスデューサ210-1を維持することができる。
【0044】
いくつかの実施形態において、トランスデューサ210-1、201-2のうちの1つ以上は、複数のトランスデューサをからなることができる。例えば、トランスデューサ210-1は、可視及び赤外線イメージングを可能にすることができる。1つ以上の実施形態において、トランスデューサ210-1及び作業チャネル208は、訓練及び/又は一般的な挿管処置で使用される装置でよく知られている様式でトランスデューサ210-1及び作業チャネル208を位置決めすることによる等、直観的使用を容易にする様式で、位置決めすることができる。いくつかの実施形態において、可撓性長尺状部材204に沿って、さらなる関節継手を配置することができる。いくつかのこうした実施形態において、さらなる関節継手は、それぞれの関節継手の遠位側に配置された各それぞれのトランスデューサを、少なくとも一部には位置決めするように構成することができる。
【0045】
図3は、本明細書に記載する本開示による可撓性長尺状部材304のための動作環境300の1つの例を示す。いくつかの実施形態において、環境300は、本明細書に記載する1つ以上の他の構成要素と同じか又は同様である1つ以上の構成要素を含み得る。例えば、可撓性長尺状部材304の遠位端は、可撓性長尺状部材204と同じか又は同様であり得る。環境300では、可撓性長尺状部材304の遠位端は、壁332を有する体管腔330内に配置することができる。さらに、環境300は、体管腔330の外側の外部領域325を含み得る。図示する実施形態において、可撓性長尺状部材304は、第1のセンサ310-1と第2のセンサ310-2との間に配置された関節継手312を含み得る。第1のセンサ310-1は光学センサとすることができ、第2のセンサ310-2は超音波トランスデューサ又はセンサとすることができるが、ERCP処置を容易にするために、第1のセンサ310-1及び第2のセンサ310-2は、本明細書に記載するような他のセンサであってもよい。本明細書に記載する1つ以上の実施形態において、関節継手312を利用して、イメージングのために壁332と接触するように超音波トランスデューサ310-2を位置決めすることができる。例えば、可撓性長尺状部材304の遠位先端部は、可撓性長尺状部材304の長手方向軸と整列しなくなるように回転可能、枢動可能、位置決め可能又は他の方法で移動可能であり得る。実施形態において、超音波トランスデューサ310-2は、外部領域325における構造の画像を生成することができる。実施形態は、この文脈において限定されない。
【0046】
いくつかの実施形態において、継手セット112における1つ以上の継手の位置決めにより、体管腔330の壁332と接触するように超音波トランスデューサ310-2を位置決めすることができる一方で、光学センサ310-1が(例えば、体管腔内の可撓性長尺状部材204の視覚的進行の)有効なイメージングを可能にするように体管腔の壁から最小限の距離を維持することができるようにする。いくつかの実施形態において、関節継手312は、関節運動するとともに入れ子式に伸縮する継手を含み得る。多くの実施形態において、可撓性長尺状部材304は、1つ以上の作業チャネルを含むことができるが、簡単のために、環境300には作業チャネルは示されていない。例えば、可撓性長尺状部材304は、
図2の作業チャネルと同じか又は同様である作業チャネルを含み得る。1つ以上の実施形態において、関節継手312は、アクセスのために可撓性長尺状部材304を角度付けする起上台を備えることができる。多くのこうした実施形態において、起上台は、トランスデューサ312の遠位側で可撓性長尺状部材304(例えば、その遠位端)に接続することができる。いくつかの実施形態において、起上台は、作業チャネルの出口に近接して配置/接続することができる。さまざまな実施形態において、医療装置は、複数の起上台を含み得る。さまざまなこうした実施形態において、複数の起上台の動作のために1つ以上の作業チャネルを利用することができる。
【0047】
実施形態は、関節継手312、光学センサ310-1及び超音波トランスデューサ310-2うちの2つ以上の間の距離等、可撓性長尺状部材304の構成要素の異なる構成を含み得る。いくつかの実施形態において、超音波トランスデューサ310-2の関節継手312までの距離は可変であり得る。例えば、超音波トランスデューサ310-2及び関節継手312は、光学センサ310-1に対して移動可能であり得る。こうした実施形態において、関節継手312は、可撓性長尺状部材304に対して長手方向に延びることができる。1つ以上の実施形態は、2つ以上の独立した関節継手を含み得る。こうした実施形態において、2つ以上の独立した関節継手の各々は、可撓性長尺状部材304の長さに沿って、可撓性長尺状部材304の1つ以上の他の構成要素の近位側に、それらの間に且つ/又はその遠位側に配置することができる。例えば、可撓性長尺状部材は、作業チャネルに対して遠位側に1つの関節継手を含み得る。こうした例では、オペレータは、関節継手を利用して、超音波トランスデューサ310-2の体管腔330の壁332に対する角度付けの量により、作業チャネル位置を調整することができる。
【0048】
図4A及び
図4Bは、本明細書に記載する本開示による、環境400A、400Bにおける選択された焦点領域内にトランスデューサを位置決めすることを容易にする一実施形態の一例を示す。いくつかの実施形態において、環境400A、400Bは、本明細書に記載する1つ以上の他の構成要素と同じか又は同様である1つ以上の構成要素を含み得る。例えば、光学センサ410-1及び超音波トランスデューサ又はセンサ(上述したように、限定する意図なしに、本明細書では同義に用いる)410-2は、トランスデューサセット110に含めることができる。環境400Aは、作業チャネル408-1、408-2と、光学センサ410-1と、作業チャネル408-2を通って延びる超音波トランスデューサ410-2と、関節継手412と、トランスデューサ部材417と、作業チャネル408-1を通って延びるテンショナ435とを備える、可撓性長尺状部材404を備えた医療装置402の遠位端を含む。環境400Bは、焦点領域440を有する光学センサ410-1と超音波トランスデューサ410-2とを備える可撓性長尺状部材404を含む。1つ以上の実施形態において、テンショナ435は、光学センサ410-1の焦点領域440を超音波トランスデューサ410-2の焦点領域と重ねるように等、超音波トランスデューサ410-2を適切に位置決めするように、関節継手412を動作させることができる。実施形態は、この文脈において限定されない。
【0049】
いくつかの実施形態において、テンショナ435の遠位端をトランスデューサ部材417に結合することができる。いくつかのこうした実施形態において、テンショナ435の遠位端は、関節継手412の少なくとも一部と超音波トランスデューサ410-2の少なくとも一部との間に結合することができる。いくつかの実施形態において、テンショナ435は起上台を含み得る。さまざまな実施形態において、関節継手412は、医療装置の一構成要素の可撓性部分を含み得る。例えば、超音波トランスデューサ410-2は、可撓性長尺状部材404の作業チャネル408-2を通して挿入される、超音波カテーテル等のカテーテルに含めることができる。多くの実施形態において、可撓性長尺状部材404は、内視鏡を含むか、又は内視鏡とともに使用することができる。いくつかの実施形態において、光学センサ410-1は、可撓性長尺状部材404の本体(例えば、内視鏡、十二指腸内視鏡等)に設けられ、超音波トランスデューサ410-2は、可撓性長尺状部材404の作業チャネルに通された別個のより小型の可撓性長尺状部材(例えば、内視鏡超音波カテーテル)に設けられる。1つの又は複数の実施形態において、テンショナ435は、トランスデューサ部材417に選択的に取り付けることができる。第1のトランスデューサ410-1が設けられる主可撓性長尺状部材とは別個の可撓性長尺状部材に超音波トランスデューサ410-2を設けることにより、標的組織に対する超音波トランスデューサ410-2の位置決めを最適化するように超音波トランスデューサ410-2の可動性を向上させ且つ位置決め可能性を強化し、結果として、信号の受信/送信を改善し、可視化のためにコントラストを向上させるとともに、潜在的に製造を簡易化しそれに伴いコストを削減することができる可能性があることが理解されよう。
【0050】
1つ以上の実施形態において、医療装置402は、いくつかの実施形態では互いに独立している、さらなる関節継手を含み得る。例えば、関節継手は、トランスデューサ部材417を伸長/後退させるように構成することができる。いくつかのこうした例では、関節継手は、作業チャネル408-2内に配置することができる。代替的な又はさらなる例では、関節継手は、テンショナ435を伸長/後退させるように構成することができる。いくつかのこうした例では、関節継手は、作業チャネル408-1内に配置することができる。多くの実施形態において、医療装置の1つ以上の特性は、医療装置402の種々の構成要素を互いに対して適切に位置決めするように選択することができる。例えば、トランスデューサ410-2及びトランスデューサ410-2からの距離は、少なくとも一部には、関節継手412及び/又はトランスデューサ部材417の可撓性に基づいて選択することができる。いくつかの実施形態において、関節継手412は、トランスデューサ部材417の1つ以上の他の部分よりも可撓性が高いトランスデューサ部材417の部分を含み得る。いくつかの実施形態において、関節運動は、作業チャネル408-1、トランスデューサ410-2又は両方を関節運動させるように設計される。作業チャネル408-1及びトランスデューサ410-2の両方が関節運動するいくつかの実施形態において、関節継手は、作業チャネル480-1及びトランスデューサ410-2の(それらの相対位置を含む)位置を最適化するように、偏らせる/非対称にすることができる。
【0051】
いくつかの実施形態において、可撓性長尺状部材404は、超音波トランスデューサ410-2からなる超音波カテーテルを使用するために備えられた直線状の貫通ルーメン、及び/又は、器具方向を制御するための起上台が備えられた側部出口チャネルを有する、2チャネルERCPスコープの1つ以上の部分を備え得る。いくつかの実施形態において、超音波カテーテルの使用により、可撓性長尺状部材404を使い捨てにすることができる可能性がある。こうした実施形態において、超音波カテーテルはさらに又は別法として使い捨てであり得る。1つ以上の実施形態において、可撓性長尺状部材404は、十二指腸内視鏡の1つ以上の部分を含み得る。さまざまな実施形態において、カテーテル超音波センサの使用により、光学センサ410-1と超音波トランスデューサ410-2と間の可変距離を可能にすることができる。1つ以上の実施形態において、超音波トランスデューサ410-2は、十二指腸壁との所望の接触を容易にするように(括約筋切開刀のように)単一の関節運動軸を有することができる。いくつかの実施形態において、超音波プローブは、光音響イメージングのために改良された、ボストンサイエンティフィックコーポレーション(Boston Scientific Corporation)によって販売されているスパイグラス(SpyGlass)(登録商標)ダイレクトビジュアライゼーション(Direct Visualization)システムで使用されるような変更されたスパイスコープ(SpyScope)(登録商標)アクセス及び送達カテーテル(Access and Delivery Catheter)とすることができる。
図4Bの図示する実施形態において、簡単のために、作業チャネル408-1、408-2は示されていない。
【0052】
図5は、本明細書に記載する本開示による、動作環境500における可撓性長尺状部材504の遠位端の一実施形態の1つの例を示す。可撓性長尺状部材504は、環境500において十二指腸530内に配置されるが、本開示の範囲から逸脱することなく、可撓性長尺状部材504は他の環境で利用することができることが理解されよう。いくつかの実施形態において、環境500は、本明細書に記載する1つ以上の他の構成要素と同じか又は同様である1つ以上の構成要素を含み得る。例えば、継手セット112内にバルーン512-1、512-2を含めることができる。環境500は、十二指腸壁532を備えた十二指腸530と、十二指腸530の中に配置された可撓性長尺状部材504とを含み得る。さらに、十二指腸壁532の特性として乳頭部542が示されており、乳頭部542は、胆管526及び膵管528への共通の進入点を構成している。図示する実施形態において、可撓性長尺状部材504の遠位端は、超音波トランスデューサ510-1及びバルーン512-1、512-2を含む。実施形態は、この文脈において限定されない。
【0053】
1つ以上の実施形態において、バルーン512-1、512-2(又はバルーン512)は、十二指腸530内に封止領域を生成して流体充填領域544をもたらすように動作させることができる。1つ以上のこうした実施形態において、流体充填領域544により、超音波トランスデューサ510-1が、胆管526及び/又は膵管528の構造等、十二指腸530の外部の構造の画像を生成することができる可能性がある。さまざまな実施形態において、バルーン512は、独立して動作させることができる。いくつかの実施形態において、バルーンの各々が関節継手を備えることができる。いくつかの実施形態において、乳頭部542及び/又は十二指腸壁532との接触を回避するようにバルーン512を膨張/収縮させることにより、超音波トランスデューサ510-1で画像を生成することによって、刺激又は炎症をもたらすリスクを低減させることができる。
【0054】
さまざまな実施形態において、可撓性長尺状部材504は、バルーン512を膨張/収縮させるための1つ以上のルーメン(例えば、作業チャネル)を含み得る。例えば、ルーメンのうちの1つ以上を介して、バルーンに流体を加え且つバルーンから流体を除去することができる。多くの実施形態において、少なくとも1つのルーメンにより、流体充填領域544に流体を加えるか又は流体充填領域544から流体を除去することができる可能性がある。いくつかの実施形態において、バルーン512と流体充填領域544とに異なる流体を充填することができる。いくつかの実施形態において、可撓性長尺状部材は、体管腔の壁の外部の特性を備えた第2の画像の生成を容易にするために、第1のバルーンと第2のバルーンとの間の体管腔の領域を流体で充填するために、出口が第1のバルーンと第2のバルーンとの間に配置される、流体チャネルを備えることができる。
【0055】
図6A~
図6Fは、本明細書に記載する本開示による、環境600A~600Fにおけるイメージング及び追跡可視化像の実施形態を示す。
図6A~
図6Fでは、可撓性長尺状部材604はそれぞれ十二指腸630内に配置されるが、本開示の範囲から逸脱することなく、可撓性長尺状部材604を他の環境で利用することができることが理解されよう。
図6C及び
図6Fは、ERCP処置を実施するために患者の解剖学的構造内に位置決め可能にした可撓性長尺状部材(例えば、十二指腸内視鏡)等の医療装置の遠位端を示す。
図6A及び
図6B並びに
図6D及び
図6Eは、撮像装置6XXから可撓性長尺状部材に投影された画像を示す。該画像は、医療従事者が乳頭部に挿管するためにユーザインタフェースに表示される。可撓性長尺状部材604-1、604-2は、可撓性長尺状部材104、204、304、404、504のうちの1つ以上と同じか又は同様であり得ることが理解される。環境600A~600Fは、異なる選択された解剖学的構造を示す。環境600A~600Cは、可撓性長尺状部材604-1、十二指腸630-1、十二指腸壁632-1、乳頭部642-1、胆管626-1、膵管628-1、光源634-1、目標軌道可視化像646-1、及び実際の軌道可視化像648-1を含む。実施形態600D~600Fは、可撓性長尺状部材604-2、十二指腸630-2、十二指腸壁632-2、乳頭部642-2、胆管626-2、膵管628-2、光源634-2、胆管軌道可視化像646-2及び膵管軌道可視化像648-2を含む。実施形態は、この文脈において限定されない。
【0056】
本明細書に記載する1つ以上の実施形態において、イメージング関連プロセス等、
図6A~
図6Fに関して記載する1つ以上の特徴、構成要素及び/又は技法は、コントローラ106によって実装することができる。実施形態において、これらの特徴、構成要素及び/又は技法は、以下のうちの1つ以上を含み得る。カメラからの視覚的フィードバックを使用して、可撓性長尺状部材604-1、604-2を自動化及び/又は誘導して、改善されたイメージング(例えば、マルチモーダルイメージング)を提供することができる。より全体的に、本明細書に記載する任意の技法又は構成要素を使用して、1つ以上の他の構成要素の動作を自動化及び/又は誘導することができる。可撓性長尺状部材604-1、604-2内に、超音波センサ等、1つ以上のトランスデューサを組み込むことができる。超音波センサを使用して、音響放射力インパルスエラストグラフィを提供することができる。超音波によってエラストグラフィ及び/又はドップラーイメージング等の技法を使用して、相対的に高密度の腫瘤等の追加情報を提供するとともに、流体流を可視化して挿管すべき適切な導管を同定するのに役立つことができる。直接的な並びに/又は間接的な超音波及び/若しくは光音響機能を利用することができる。画像融合のために、術中の超音波及び/又は光音響イメージングを使用することができる。
【0057】
マルチモーダルイメージングも画像融合を含み得る。例えば、光学センサ及び超音波トランスデューサからの入力を互いに融合して、挿管に役立つより関連性の高い情報を提供することができる。こうした場合では、十二指腸の壁に輪郭が描かれた導管を含む乳頭部の直接可視化の画像を、ユーザインタフェース120介する等して提供することができ、これにより、オペレータに、軌道/アプローチのより適切な認識を与えることができる。
【0058】
環境600A~600Cを参照すると、各実施形態において、目標軌道可視化像646-1は、それぞれの装置(例えば、内視鏡、カテーテル、可撓性長尺状部材604-1)に対する目標迎え角を示すことができ、実際の軌道可視化像648-1は、実際の位置決めに基づいてそれぞれの装置(例えば、内視鏡、カテーテル、可撓性長尺状部材604-1)に対する現在の角度を示すことができる。いくつかのこうした実施形態において、オペレータは、実際の軌道可視化像648-1を目標軌道可視化像646-1と位置合せして、可撓性長尺状部材604-1を適切に位置決めすることができる。
【0059】
いくつかの実施形態において、コントローラ106は、可撓性長尺状部材604-1、604-2上のカメラからの画像を表示し(
図6A及び
図6B、
図6D及び
図6Eを参照)、医療従事者のために乳頭部642-1を検出及び同定することができる。コントローラ106は、乳頭部642-1の画像に基づいて目標軌道646-1を判定し、画像の上に重ねて、医療従事者のために視覚的挿管路を提供することができる。各実施形態において、可撓性長尺状部材604-1、604-2上の超音波センサにより超音波画像を得て、目標軌道646-1を生成するために膵管及び/又は胆管の画像を特定することができる。乳頭部642-1及び/又は目標軌道646-1が同定されると、コントローラ106は、可撓性長尺状部材604-1、604-2から延びる器具の現在の軌道を特定し、軌道648-1の上に重ねることができる。すなわち、コントローラ106は、医療従事者が可撓性長尺状部材604-1の遠位端をより適切に位置合せするための画像を表示して、乳頭部642-1の画像の上で現在の軌道646-1と目標軌道648-1とが概ね位置合せされて、挿管を改善し潜在的に試行の失敗を低減させるようにすることができる。別法として又はさらに、コントローラ106は、医療従事者が可撓性長尺状部材604-2の遠位端を胆管及び膵管のうちの一方とより適切に位置合せして、挿管を改善し潜在的に試行の失敗を低減させることができる。
【0060】
実施形態において、レーザ、又は(例えば、光源634-1、634-5からの)所望の波長の光を使用して、位置決めに基づき装置のために目標迎え角(例えば、目標軌道可視化像646-1)を投影することができる。いくかの実施形態において、レーザ/光(例えば、光源634-1)は、可撓性長尺状部材604-1の先端部に対する進行方向及び/又は方向(例えば、実際の軌道可視化像648-1)を示すことができる。実施形態において、医療従事者が、リアルタイムに可撓性長尺状部材を見て位置合せすることができるように、目標軌道646-1及び実際の軌道648-1の両方が、乳頭部642-1の画像の上に表示可能である。いくつかのこうした実施形態において、進行方向及び/又は方向は、可撓性長尺状部材が十二指腸内を移動する際、可撓性長尺状部材の遠位端の現在の軌道をオペレータに知らせることができる。
【0061】
多くの実施形態において、レーザを利用して、オペレータにより又は(例えば、可撓性長尺状部材604-1に組み込まれた超音波からの)イメージング入力に基づいて自動的に設定されたもの等、最適なアプローチ角を示し、それにより、導管(例えば、胆管626-1)に向かい且つ導管内への移動を誘導することができる。選択された解剖学的構造に基づいて適切な位置合せに役立つように、超音波又は光音響イメージングから判定されるように、導管の解剖学的構造の延長として最適なアプローチ角を示すことができる。さまざまな実施形態において、目標軌道可視化像646-1及び/又は実際の軌道可視化像648-1は、レーザ/照明の代わりにソフトウェアによって生成することができる。
【0062】
環境600D及び600Fを参照すると、いくつかの実施形態において、膵管軌道可視化像648-2は、膵管628-2の進入点表示及び/又は輪郭を含むことができ、胆管軌道可視化像646-2は、胆管626-2の進入点表示及び/又は輪郭を含み得る。さまざまな実施形態において、さらなるセンサ、拡張画像及び/又は軌道可視化像が挿管に役立つことができる。実施形態において、1つ以上の光源634-2は、レーザを含み得る。いくつかの実施形態において、軌道可視化像646-2、648-2のうちの1つ以上は、光源の代わりにソフトウェアによって生成することができる。
【0063】
各実施形態は、拡張画像オーバレイを含み得る。例えば、作業チャネル内のスコープ又は他のERCP器具の画像は、ユーザインタフェースを介して提示される画像(例えば、光学画像)の上に仮想的に配置することができる。こうした例では、これは、胆管へのナビゲートに役立つことができる。実施形態において、トランスデューサからの情報を統合して、ユーザインタフェースを介して提示される画像の上に重ねることができる。こうした実施形態において、適切な変換を実施して、光学的に不可視な画像の可視化を可能にする(例えば、再度色付けする、再度スケーリングする等)ことができる。この情報は、正確な位置決め情報を提供し且つ/又はナビゲーションに役立つことができる。いくつかの実施形態において、器具が進むことを予期されるか又は望まれる可能性がある場所のゴースト画像を生成することができる。
【0064】
1つ以上の実施形態において、較正手順を通して等、示される初期軌道が一定のままであるように、軌道を固定することができる。こうした実施形態において、導管内への最適な角度の判定に基づき、軌道を固定することができる。実施形態において、センサ、イメージング及び/又はユーザ入力を使用して挿管のための最適な軌道を更新することができるように、軌道可視化は適応的であり得る。例えば、オペレータは、軌道可視化像に基づき、カテーテルを導管に向かって且つ導管内にゆっくりと移動させることができる。小さい動きの後に、センサが周囲にアクセスし必要な場合は軌道を調整し、フィードバックを提供する、測定及びステップ手法を使用することができる。フィードバックは視覚的であり、位置合せすべき場所/ものをオペレータに示すことができる。
【0065】
いくつかの実施形態において、フィードバックは数値及び/又は方向を示すものであり得る。いくつかのこうした実施形態において、値/フィードバックを補正する適切な移動を、例えばコントローラ106により自動的に実施することができる。さまざまな実施形態において、軌道は補足情報として使用することができる。実施形態において、ある領域又は標的組織に達したとき、視覚、触覚及び/又は可聴等のフィードバックを生成することができる。いくつかの実施形態において、ある領域又は標的組織に達したとき、視覚、触覚及び/又は可聴等のフィードバックを生成することができる。
【0066】
実施形態において、トランスデューサは、1つ以上の2D画像に基づき、選択された解剖学的構造の3次元マップを生成するための超音波イメージング及び/又はマルチモーダルイメージングによる等、位置追跡/情報を含み且つ/又は促進することができる。いくつかの実施形態において、位置測定センサが、選択された解剖学的構造のマップを構築するための3次元を提供することができる。
【0067】
図7A~
図7Cは、本明細書に記載する1つ以上の実施形態による、環境700A、700B、700Cにおける可撓性長尺状部材のさまざまな実施形態を示す。いくつかの実施形態において、環境700A、700B、700Cは、本明細書に記載する1つ以上の他の構成要素と同じか又は同様の1つ以上の構成要素を含み得る。例えば、可撓性長尺状部材704-1は、可撓性長尺状部材104、204、304、404、504、604-1、604-2のうちの1つ以上の同じか又は同様であり得る。環境700Aは、可撓性長尺状部材704-1、関節継手712-1、トランスデューサ710-1及びトランスデューサ部材717-1を備えた医療装置702-1の遠位端を含む。環境700Bは、可撓性長尺状部材704-2、関節継手712-2、712-3、トランスデューサ710-2及びトランスデューサ部材717-2を備えた医療装置702-2を含む。環境700Cは、可撓性長尺状部材704-3、関節継手712-4、伸縮継手712-5、トランスデューサ710-3及びトランスデューサ部材717-3を備えた医療装置702-3を含む。本明細書に記載する1つ以上の実施形態において、挿管に役立つように、機械的振動及び/又は移動を利用することができる。いくつかの実施形態において、挿管処置中等、操作に役立つように、前後又は左右等、小さい移動/動きを使用することができる。いくつかのこうした実施形態において、小さい移動/動きを自動化することができる。実施形態は、この文脈において限定されない。
【0068】
環境700Aでは、関節継手712-1は、トランスデューサ部材717-1の一部等、医療装置702-1の少なくとも一部に対してトランスデューサ710-1を半径方向に変位させることができる。環境700Bでは、関節継手712-2、712-3は、トランスデューサ部材717-2のそれぞれの部分等、医療装置702-2のそれぞれの部分の周囲でトランスデューサ710-2を半径方向に変位させることができる。環境700Cでは、関節継手712-4は、トランスデューサ部材717-3の一部等、医療装置702-1の少なくとも一部に対してトランスデューサ710-3を半径方向に変位させることができ、伸縮継手712-5は、トランスデューサ部材717-3に対して長手方向にトランスデューサ710-3を伸長/後退させることができる。
【0069】
図8は、上述したようなさまざまな実施形態を実施するために好適であり得るコンピューティングアーキテクチャ800の一実施形態を示す。さまざまな実施形態において、コンピューティングアーキテクチャ800は、電子装置及び/又は医療装置を含み、又はその一部として実装することができる。いくつかの実施形態において、コンピューティングアーキテクチャ800は、例えば、本明細書に記載する1つ以上の構成要素を表すことができる。いくつかの実施形態において、コンピューティングアーキテクチャ800は、例えば、医療装置102、コントローラ106、トランスデューサセット110の1つ以上、継手セット112の1つ以上、長尺状部材インタフェース114、プロセッサ116、メモリ118及び/又はユーザインタフェース120等、本明細書に記載する構成要素及び/又は技法の1つ以上の部分を実施又は利用するコンピューティング装置を表すことができる。実施形態は、この文脈において限定されない。
【0070】
本出願で用いる場合の「システム」及び「コンポーネント」及び「モジュール」という用語は、ハードウェア、ハードウェア及びソフトウェアの組合せ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェアのいずれかである、コンピュータ関連エンティティを指すことができ、その例は、本明細書に開示するコンピューティングアーキテクチャ800の例示的な例によって提供される。例えば、コンポーネントは、限定されないが、プロセッサで実行しているプロセス、プロセッサ、ハードディスクドライブ、(光及び/又は磁気記憶媒体の)複数のストレージドライブ、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プログラム及び/又はコンピュータであり得る。例示として、コントローラ106で実行しているアプリケーションとコントローラ106との両方がコンポーネントであり得る。1つ以上のコンポーネントがプロセス及び/又は実行スレッド内に存在することができ、コンポーネントは、1つのコンピュータ上でローカライズし且つ/又は2つ以上のコンピュータの間で分散させることができる。さらに、コンポーネントは、動作を調整するために、さまざまなタイプの通信媒体により互いに通信可能に結合することができる。この調整は、単方向又は双方向の情報交換を含む場合がある。例えば、コンポーネントは、通信媒体で通信される信号の形式で情報を通信することができる。情報は、さまざまな信号線に割り当てられた信号として実装することができる。こうした割当てにおいて、各メッセージは信号である。しかしながら、さらなる実施形態は、別法として、データメッセージを採用することができる。こうしたデータメッセージは、さまざまな接続にわたって送信することができる。接続の例としては、パラレルインタフェース、シリアルインタフェース及びバスインタフェースが挙げられる。
【0071】
コンピューティングアーキテクチャ800は、1つ以上のプロセッサ、マルチコアプロセッサ、コプロセッサ、メモリユニット、チップセット、コントローラ、周辺装置、インタフェース、オシレータ、タイミング装置、ビデオカード、オーディオカード、マルチメディア入出力(I/O)コンポーネント、電源等、さまざまな共通のコンピューティング要素を含む。しかしながら、実施形態は、コンピューティングアーキテクチャ800による実装に限定されない。
【0072】
図8に示すように、コンピューティングアーキテクチャ800は、処理ユニット804、システムメモリ806及びシステムバス808を備える。処理ユニット804は、AMD(登録商標)アスロン(Athlon)(登録商標)、デュロン(Duron)(登録商標)及びオプテロン(Opteron)(登録商標)プロセッサ、ARM(登録商標)アプリケーション、組込み及びセキュアプロセッサ、IBM(登録商標)及びモトローラ(Motorola)(登録商標)ドラゴンボール(DragonBall)(登録商標)及びパワーPC(PowerPC)(登録商標)プロセッサ、IBM及びソニー(Sony)(登録商標)セル(Cell)プロセッサ、インテル(Intel)(登録商標)セレロン(Celeron)(登録商標)、コア(Core)(2)デュオ(Duo)(登録商標)、アイテニアム(Itanium)(登録商標)、ペンティアム(Pentium)(登録商標)、ジーオン(Xeon)(登録商標)及びエックススケール(XScale)(登録商標)プロセッサ、及び同様のプロセッサを含むがそれに限定されることのない、さまざまな市販のプロセッサのうちの任意のものであり得る。デュアルマイクロプロセッサ、マルチコアプロセッサ及び他のマルチプロセッサアーキテクチャもまた、処理ユニット804として採用することができる。
【0073】
システムバス808は、限定されないがシステムメモリ806を含むシステムコンポーネントに対して処理ユニット804へのインタフェースを提供する。システムバス808は、種々の市販のバスアーキテクチャのうちの任意のものを使用して、メモリバス(メモリコントローラあり又はなし)、周辺バス及びローカルバスにさらに相互接続することができる、いくつかのタイプのバス構造のうちの任意ものであり得る。インタフェースアダプタは、スロットアーキテクチャを介してシステムバス808に接続することができる。スロットアーキテクチャの例としては、限定なしに、アクセラレーテッドグラフィックスポート(AGP:Accelerated Graphics Port)、カードバス(Card Bus)、(拡張)業界標準アーキテクチャ((E)ISA:(Extended) Industry Standard Architecture)、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA:Micro Channel Architecture)、ニューバス(NuBus)、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(拡張)(PCI(X):Peripheral Component Interconnect (Extended))、ピーシーアイエクスプレス(PCI Express)、パーソナルコンピュータメモリカード国際境界(PCMCIA:Personal Computer Memory Card International Association)等が挙げられる。
【0074】
システムメモリ806は、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、ダブルデータレートDRAM(DDRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、スタティックRAM(SRAM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ(例えば、1つ以上のフラッシュアレイ)、強誘電体ポリマーメモリ等のポリマーメモリ、オボニックメモリ、相変化又は強誘電体メモリ、シリコン-酸化物-窒化物ー酸化物-シリコン(SONOS)メモリ、磁気又は光カード、独立ディスクの冗長アレイ(RAID:Redundant Array of Independent Disks)ドライブ等の装置のアレイ、ソリッドステートメモリ装置(例えば、USBメモリ、ソリッドステートドライブ(SSD))及び情報を格納するのに好適な他の任意のタイプの記憶媒体等、1つ以上の高速メモリユニットの形態の種々のタイプのコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。
図8に示す図示する実施形態において、システムメモリ806は、不揮発性メモリ810及び/又は揮発性メモリ812を含み得る。いくつかの実施形態において、システムメモリ806はメインメモリを含み得る。不揮発性メモリ810には、基本入出力システム(BIOS)を格納することができる。
【0075】
コンピュータ802は、内蔵(又は外付け)ハードディスクドライブ(HDD)814と、リムーバブル磁気ディスク818からの読出し又はリムーバブル磁気ディスク818への書込みを行う磁気フロッピーディスクドライブ(FDD)816と、リムーバブル光ディスク822(例えば、CD-ROM又はDVD)からの読出し又はリムーバブル光ディスク822への書込みを行う光ディスクドライブ820とを含む、1つ以上の低速メモリユニットの形態のさまざまなタイプのコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。HDD814、FDD816及び光ディスクドライブ820は、それぞれ、HDDインタフェース824、FDDインタフェース826及び光学ドライブインタフェース828により、システムバス808に接続することができる。外付けドライブ実装用のHDDインタフェース824は、ユニバーサルシリアルバス(USB)及び米国電気電子学会(IEEE)994インタフェース技術のうちの少なくとも一方又は両方を含み得る。さまざまな実施形態において、これらのタイプのメモリは、メインメモリ又はシステムメモリに含まれない場合がある。
【0076】
ドライブ及び関連するコンピュータ可読媒体は、データ、データ構造、コンピュータ実行可能命令等の揮発性及び/又は不揮発性記憶を提供する。例えば、ドライブ及びメモリユニット810、812に、オペレーティングシステム830、1つ以上のアプリケーションプログラム832、他のプログラムモジュール834及びプログラムデータ836を含む多数のプログラムモジュールを格納することができる。1つの実施形態において、1つ以上のアプリケーションプログラム832、他のプログラムモジュール834及びプログラムデータ836は、例えば、本明細書に記載するさまざまな技法、アプリケーション及び/又はコンポーネントを含むか又は実装することができる。
【0077】
ユーザは、1つ以上の有線/無線入力装置、例えば、キーボード838、及びマウス840等のポインティングデバイスを介して、コンピュータ802にコマンド及び情報を入力することができる。他の入力装置としては、マイクロフォン、赤外線(IR)リモコン、無線周波数(RF)リモコン、ゲームパッド、スタイラスペン、カードリーダ、ドングル、指紋リーダ、グローブ、グラフィックタブレット、ジョイスティック、キーボード、網膜リーダ、タッチスクリーン(静電容量式、抵抗式等)、トラックボール、トラックパッド、センサ、スタイラス等を挙げることができる。これら及び他の入力装置は、システムバス808に結合される入力装置インタフェース842を通して処理ユニット804に接続されることが多いが、パラレルポート、IEEE994シリアルポート、ゲームポート、USBポート、IRインタフェース等の他のインタフェースによって接続することができる。
【0078】
モニタ844又は他のタイプの表示装置もまた、ビデオアダプタ846等のインタフェースを介してシステムバス808に接続される。モニタ844は、コンピュータ802の内部である場合もあれば外部である場合もある。モニタ844に加えて、コンピュータは、通常、スピーカ、プリンタ等、他の周辺出力装置を含む。
【0079】
コンピュータ802は、リモートコンピュータ848等、1つ以上のリモートコンピュータへの有線及び/又は無線通信を介する論理接続を用いて、ネットワーク環境で動作することができる。さまざまな実施形態において、本明細書に記載する1つ以上のインタラクションは、ネットワーク環境で発生する可能性がある。リモートコンピュータ848は、ワークステーション、サーバコンピュータ、ルータ、パーソナルコンピュータ、ポータブルコンピュータ、マイクロプロセッサベースのエンターテイメントアプライアンス、ピア装置又は他の共通ネットワークノードとすることができ、典型的には、コンピュータ802に関して記載する要素の多く又はすべてを含むが、簡潔にするために、メモリ/記憶装置850のみを図示する。描かれている論理接続は、ローカルエリアネットワーク(LAN)852及び/又はより大きいネットワーク、例えば広域ネットワーク(WAN)854への有線/無線接続を含む。こうしたLAN及びWANネットワーキング環境は、オフィス及び会社では一般的であり、イントラネット等の企業規模のコンピュータネットワークを容易にし、そのすべてが、グローバル通信ネットワーク、例えばインターネットに接続することができる。
【0080】
コンピュータ802は、LANネットワーキング環境で使用されるとき、有線及び/又は無線通信ネットワークインタフェース又はアダプタ856を通してLAN852に接続される。アダプタ856は、LAN852への有線及び/又は無線通信を容易にすることができ、LAN852もまた、アダプタ856の無線機能と通信するために配置された無線アクセスポイントを含む。
【0081】
コンピュータ802は、WANネットワーキング環境で使用される場合、モデム858を含むことができ、又は、WAN854上の通信サーバに接続されるか、若しくは、インターネットによる等、WAN854を介して通信を確立する他の手段を有する。内蔵又は外付けであり有線及び/又は無線装置であり得るモデム858は、入力装置インタフェース842を介してシステムバス808に接続する。ネットワーク環境では、コンピュータ802に関して記述されたプログラムモジュール又はその一部は、リモートメモリ/記憶装置850に格納することができる。示されているネットワーク接続は例示的な例であり、コンピュータ間の通信リンクを確立する他の手段を使用することができることが理解されよう。
【0082】
コンピュータ802は、無線通信(例えば、IEEE802.16オーバーザエア(over-the-air)変調技術)で作動的に配置された無線装置等、IEEE802規格ファミリを使用する有線及び無線装置又はエンティティと通信するように動作可能である。これには、とりわけ、少なくともWi-Fi(又はワイヤレスフィディリティ(Wirelss Fidelity))、ワイマックス(WiMax)及びブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)無線技術が含まれる。従って、通信は、従来のネットワークと同様に事前定義された構造であるか、又は単に、少なくとも2つの装置間のアドホック通信であり得る。Wi-Fiネットワークは、IEEE802.11x(a、b、g、n等)と称する無線技術を使用して、安全な、信頼性の高い、高速な無線接続を提供する。Wi-Fiネットワークを使用して、コンピュータを互いに、インターネットに、(IEEE802.3関連の媒体及び機能を使用する)有線ネットワークに接続することができる。
【0083】
さまざまな実施形態は、ハードウェア要素、ソフトウェア要素、又はその両方の組合せを使用して実装することができる。ハードウェア要素の例としては、プロセッサ、マイクロプロセッサ、回路、回路素子(例えば、トランジスタ、抵抗器、コンデンサ、インダクタ等)、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、論理ゲート、レジスタ、半導体装置、チップ、マイクロチップ、チップセット等を挙げることができる。ソフトウェアの例としては、ソフトウェアコンポーネント、プログラム、アプリケーション、コンピュータプログラム、アプリケーションプログラム、システムプログラム、マシンプログラム、オペレーティングシステムソフトウェア、ミドルウェア、ファームウェア、ソフトウェアモジュール、ルーチン、サブルーチン、関数、メソッド、プロシージャ、ソフトウェアインタフェース、アプリケーションプログラムインタフェース(API)、命令セット、コンピューティングコード、コンピュータコード、コードセグメント、コンピュータコードセグメント、ワード、値、記号又はそれらの任意の組合せを挙げることができる。実施形態がハードウェア要素及び/又はソフトウェア要素を使用して実装されるか否かの判定は、所望の計算速度、電力レベル、熱耐性、処理サイクルバジェット、入力データレート、出力データレート、メモリ資源、データバス速度及び他の設計若しくは性能上の制約等、任意の数の要素に従って変化する可能性がある。
【0084】
少なくとも1つの実施形態の1つ以上の態様は、プロセッサ内のさまざまなロジックを表す機械可読媒体に格納された代表的な命令によって実装することができ、そうした命令は、機械によって読み取られると、機械に、本明細書に記載する技法を実施するロジックを製作させる。「IPコア」として知られるこうした表現は、有形の機械可読媒体に格納し、さまざまな顧客又は製造施設に供給して、ロジック又はプロセッサを実際に作成する製作機械にロードすることができる。いくつかの実施形態は、例えば、機械によって実行されると、機械に、実施形態に従って方法及び/又は動作を実行させることができる、命令又は命令セットを格納することができる、機械可読媒体又は物品を使用して、実装することができる。こうした機械としては、例えば、任意の好適な処理プラットフォーム、コンピューティングプラットフォーム、コンピューティング装置、処理装置、コンピューティングシステム、処理システム、コンピュータ、プロセッサ等を挙げることができ、こうした機械は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の好適な組合せを使用して実装することができる。機械可読媒体又は物品としては、例えば、任意の好適なタイプのメモリユニット、メモリ装置、メモリ物品、メモリ媒体、記憶装置、記憶物品、記憶媒体及び/又は記憶ユニット、例えば、メモリ、リムーバブル又は非リムーバブル媒体、消去可能又は消去不能媒体、書込み可能又は書換え可能媒体、デジタル又はアナログ媒体、ハードディスク、フロッピディスク、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、コンパクトディスクレコーダブル(CD-R)、コンパクトディスクリライタブル(CD-RW)、光ディスク、磁気ディスク、光磁気媒体、リムーバブルメモリカード又はディスク、さまざまなタイプのデジタルバーサタイルディスク(DVD)、テープ、カセット等を挙げることができる。命令としては、任意の好適な高水準、低水準、オブジェクト指向、ビジュアル、コンパイル済み及び/又は解釈済みプログラミング言語を用いて実装される、ソースコード、コンパイル済みコード、解釈済みコード、実行可能コード、スタティックコード、ダイナミックコード、暗号化コード等、任意の好適なタイプのコードを挙げることができる。
【0085】
本明細書に開示し且つ請求項に係る装置及び/又は方法のすべては、本開示に鑑みて過度の実験なしに製造及び実行することができる。本開示の装置及び方法について、好ましい実施形態に関して記載したが、本開示の概念、趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載した装置及び/又は方法に、方法のステップ又は一連のステップに、変形を適用することができることは、当業者であれば明らかであり得る。当業者に明らかなこうした同様の代替形態及び変更形態のすべてが、添付の特許請求の範囲によって規定される本開示の趣旨、範囲及び概念の範囲内にあるとみなされる。
【国際調査報告】