(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-28
(54)【発明の名称】通信のための方法、端末装置及びコンピュータ可読媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 52/24 20090101AFI20221118BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20221118BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20221118BHJP
【FI】
H04W52/24
H04W92/18
H04W24/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022504207
(86)(22)【出願日】2019-07-23
(85)【翻訳文提出日】2022-03-22
(86)【国際出願番号】 CN2019097300
(87)【国際公開番号】W WO2021012184
(87)【国際公開日】2021-01-28
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ミャオ ジャオバン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA23
5K067DD11
5K067DD44
5K067EE02
5K067EE25
5K067HH21
(57)【要約】
本開示の実施形態はサイドリンク電力制御のための解決策を提供する。通信のための方法において、第1の端末装置は第2の端末装置からサイドリンクチャネルを経由する参照信号を測定することで、測定レポートを生成する。レポート基準に基づき、第1の端末装置は測定レポートを第2の端末装置に送信するかどうかを決定する。測定レポートの送信を決定したことに応じて、第1の端末装置は測定レポートを第2の端末装置に送信することで、第2の端末装置は測定レポートに基づき、サイドリンクチャネルのパス損失を決定する。本開示の実施形態を利用して、より有効且つ効果的な測定レポートを取得するとともに、サイドリンクチャネルにおけるパス損失をより正確に決定でき、これによって、サイドリンク通信における送信電力の制御に用いられる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信のための方法であって、
第1の端末装置で、第2の端末装置からサイドリンクチャネルを経由する参照信号を測定することで、測定レポートを生成することと、
レポート基準に基づき、前記測定レポートを前記第2の端末装置に送信するかどうかを決定することと、
前記測定レポートの送信を決定したことに応じて、前記測定レポートを前記第2の端末装置に送信することで、前記第2の端末装置は前記測定レポートに基づき、前記サイドリンクチャネルのパス損失を決定することと、を含む方法。
【請求項2】
前記レポート基準は、
前記第2の端末装置が前記サイドリンクチャネルの前記パス損失を使用して、送信電力の制御を実行することと、
前記サイドリンクチャネルの推定パス損失が第1の閾値を下回ることと、
前記第2の端末装置と、前記第2の端末装置と通信するネットワーク装置との間の通信チャネルのパス損失が、第2の閾値を超えることと、
前記サイドリンクチャネルを介して実行されるサイドリンクデータ送信の優先度が、第3の閾値を超えることと、のうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記測定レポートを生成することは、
測定基準に基づき、前記参照信号を測定するかどうかを決定することと、
前記参照信号の測定を決定したことに応じて、前記測定レポートを生成することと、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記測定基準は、
前記第2の端末装置が前記サイドリンクチャネルの前記パス損失を使用して、送信電力の制御を実行することと、
前記サイドリンクチャネルの推定パス損失が第1の閾値を下回ることと、
前記第2の端末装置と、前記第2の端末装置と通信するネットワーク装置との間の通信チャネルのパス損失が、第2の閾値を超えることと、
前記サイドリンクチャネルを介して実行されるサイドリンクデータ送信の優先度が、第3の閾値を超えることと、のうちの少なくとも1つを含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記参照信号を測定することは、
前記第1の端末装置の複数のアンテナポートのうちの1つのアンテナポートを介して受信される前記参照信号の受信電力を測定することと、
前記第1の端末装置の前記複数のアンテナポートを介して受信される前記参照信号の平均受信電力を測定することと、のうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記参照信号を測定することは、
前記参照信号が、前記サイドリンクチャネルを経由するサイドリンクデータ送信と関連付けられることに応じて、前記参照信号の受信電力を測定することと、
前記第2の端末装置から、前記参照信号の前記受信電力が測定対象となる指示を受信したことに応じて、前記参照信号の前記受信電力を測定することと、
前記受信電力を測定するように複数の参照信号から前記参照信号を選択することに応じて、前記参照信号の前記受信電力を測定することと、
前記参照信号に基づき、前記サイドリンクチャネルのチャネル状態情報を測定することに応じて、前記参照信号の前記受信電力を測定することと、のうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記測定レポートを生成することは、
前記参照信号の受信電力を示す情報を含むように、前記測定レポートを生成することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記測定レポートを生成することは、
前記測定レポートを生成するための時間ウィンドウを決定することと、
複数の参照信号の平均受信電力を取得することであって、前記複数の参照信号は、前記時間ウィンドウにおいて、前記第1の端末装置が測定する前記参照信号を含むことと、
前記平均受信電力を示す情報を含むように、前記測定レポートを生成することと、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記測定レポートは、
前記第1の端末装置から前記第2の端末装置への物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)について、事前定義された送信リソースのセットと、
前記PSSCHについて選択される、送信リソースのセットであって、前記第1の端末装置から前記第2の端末装置に送信される指示において、選択される前記セットを示すセットと、
前記第1の端末装置から前記第2の端末装置に送信される媒体アアクセス制御(MAC)制御要素(CE)と、
前記第1の端末装置から前記第2の端末装置への物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH)についての送信リソースのセットと、のうちの少なくとも1つで、送信される請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記測定レポートを送信することは、
前記参照信号が、前記第2の端末装置から前記第1の端末装置へのPSSCHと関連付けられることに応じて、前記PSSCHと関連付けられる、前記第1の端末装置から前記第2の端末装置へのPSFCHにおいて前記測定レポートを送信することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記PSFCHにおいて前記測定レポートを送信することは、
シフトしたビットシーケンスを取得するように、前記測定レポートのレポート対象となる値に基づき、前記PSFCHで送信されるビットシーケンスについて、巡回シフトを実行することと、
前記PSFCHにおいて、シフトした前記ビットシーケンスを前記第2の端末装置に送信することと、を含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記測定レポートを送信することは、
時間周波数リソースの第1の順序セットにおける第1の時間周波数リソースにおいて、前記参照信号を送信することに応じて、前記第1の順序セットにおける前記第1の時間周波数リソースのシーケンス番号を決定することと、
前記シーケンス番号に基づき、時間周波数リソースの第2の順序セットから第2の時間周波数リソースを選択することであって、前記第2の順序セットにおける各時間周波数リソースがそれぞれ前記第1の順序セットにおける各時間周波数リソースと関連付けられることと、
前記第2の時間周波数リソースにおいて、前記測定レポートを送信することと、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記測定レポートを生成することは、
前記第1の端末装置が前記参照信号を測定する第1の時点を決定することと、
前記第1の時点を示す情報を含むように、前記測定レポートを生成することと、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記測定レポートを生成することは、
前記第1の端末装置が前記参照信号を測定する第1の時点を決定することと、
前記第1の端末装置が前記測定レポートを送信する第2の時点を決定することと、
前記第1の時点と前記第2の時点との間の時間差を示す情報を含むように、前記測定レポートを生成することと、含む請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記測定レポートを生成することは、
前記第1の端末装置が測定した前記参照信号の受信電力を調整することで、調整した前記受信電力を取得することと、
調整した前記受信電力について、レイヤ3フィルタリングを実行することで、フィルタリングした前記受信電力を取得することと、
フィルタリングした前記受信電力を示す情報を含むように、前記測定レポートを生成することと、含む請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記受信電力を調整することは、
前記第1の端末装置と前記第2の端末装置との間が共有する前記参照信号の参照送信電力を決定することと、
前記参照信号の送信電力を示す情報を前記第2の端末装置から受信することと、
前記送信電力及び前記参照送信電力を使用して、前記受信電力を調整することと、を含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記受信電力を調整することは、
前記参照信号の送信電力及び前の参照信号の前の送信電力を示す情報を前記第2の端末装置から受信することであって、前記前の参照信号は前記第2の端末装置から前記第1の端末装置に送信されることと、
前記送信電力及び前記前の送信電力を使用して、前記受信電力を調整することと、を含む請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記参照信号の送信電力を示す情報を前記第2の端末装置から受信することと、
前記送信電力と、前記第1の端末装置が測定した前記参照信号の受信電力との間の差に基づき、送信電力の制御を実行することと、をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記測定レポートを送信することは、
前記測定レポートのレポート対象となる値と、前のレポートのレポート対象となる前の値との間の差が、第4の閾値を超えることに応じて、前記測定レポートを送信すること、又は、
前記測定レポートを含む複数の測定レポートを周期的に送信すること、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項20】
通信のための方法であって、
第2の端末装置で、サイドリンクチャネルを介して、時間ウィンドウにおいて複数の参照信号を第1の端末装置に送信することと、
前記第1の端末装置が前記時間ウィンドウにおいて測定した前記複数の参照信号の平均受信電力を決定することと、
前記複数の参照信号の前記平均受信電力と平均送信電力との間の差に基づき、前記サイドリンクチャネルのパス損失を決定することと、を含む方法。
【請求項21】
前記平均受信電力を決定することは、
前記時間ウィンドウにおいて、複数の測定レポートを前記第1の端末装置から受信することであって、前記複数の測定レポートは前記複数の参照信号の複数の受信電力振幅をそれぞれレポートすることと、
前記複数の受信電力振幅を平均することで、前記平均受信電力を取得することと、を含む請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記複数の測定レポートは、
前記第1の端末装置から前記第2の端末装置への物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)について、事前定義された送信リソースのセットと、
前記PSSCHについて選択される、送信リソースのセットであって、前記第1の端末装置から前記第2の端末装置に送信される指示において、選択される前記セットを示すセットと、
前記第1の端末装置から前記第2の端末装置に送信される媒体アアクセス制御(MAC)制御要素(CE)と、
前記第1の端末装置から前記第2の端末装置への物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH)についての送信リソースのセットと、のうちの少なくとも1つで、受信される請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記平均受信電力を決定することは、
前記時間ウィンドウにおいて、前記平均受信電力をレポートするための測定レポートを前記第1の端末装置から受信することと、
前記平均受信電力を前記測定レポートから取得することと、を含む請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記測定レポートは、
前記第1の端末装置から前記第2の端末装置へのPSSCHについて、事前定義された送信リソースのセットと、
前記PSSCHについて選択される、送信リソースのセットであって、前記第1の端末装置から前記第2の端末装置に送信される指示において、選択される前記セットを示すセットと、
前記第1の端末装置から前記第2の端末装置に送信されるMAC CEと、
前記第1の端末装置から前記第2の端末装置へのPSFCHについての送信リソースのセットと、
のうちの少なくとも1つで、受信される請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記パス損失を決定することは、
前記平均受信電力と前記平均送信電力との間の前記差を前記パス損失として決定すること、又は、
前記差について、レイヤ3フィルタリングを実行することで、前記パス損失を取得することを含む請求項20に記載の方法。
【請求項26】
通信のための方法であって、
第2の端末装置で、第1の端末装置が測定した参照信号の受信電力をレポートするための測定レポートを第1の端末装置から受信することであって、前記参照信号はサイドリンクチャネルを介して、前記第2の端末装置から前記第1の端末装置に送信されることと、
前記参照信号の送信電力を決定することと、
前記受信電力及び前記送信電力に基づき、前記サイドリンクチャネルのパス損失を決定することと、を含む方法。
【請求項27】
前記送信電力を決定することは、
物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH)において前記測定レポートを受信したことに応じて、前記PSFCHと関連付けられる物理サイドリンク共有するチャネル(PSSCH)を決定することと、
前記PSSCHと関連付けられる前記参照信号の前記送信電力を決定することと、を含む請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記送信電力を決定することは、
時間周波数リソースの第2の順序セットにおける第2の時間周波数リソースで、前記測定レポートを受信したことに応じて、前記第2の順序セットにおける前記第2の時間周波数リソースのシーケンス番号を決定することと、
前記シーケンス番号に基づき、時間周波数リソースの第1の順序セットにおける第1の時間周波数リソースを決定することであって、前記第1の順序セットにおける各時間周波数リソースがそれぞれ前記第2の順序セットにおける各時間周波数リソースと関連付けられることと、
前記第1の時間周波数リソースで送信される前記参照信号の前記送信電力を決定することと、を含む請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記送信電力を決定することは、
前記測定レポートにおいて、前記第2の端末装置が前記参照信号を送信する第1の時点を決定することと、
前記第1の時点で送信される前記参照信号の前記送信電力を取得することと、を含む請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記送信電力を決定することは、
前記第2の端末装置が前記測定レポートを受信する第2の時点を決定することと、
前記測定レポートにおいて、第1の時点と前記第2の時点との間の時間差を決定することと、
前記第2の時点及び前記時間差に基づき、前記第1の時点を決定することと、
前記第1の時点で送信される前記参照信号の前記送信電力を取得することと、を含む請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記パス損失を決定することは、
前記受信電力と前記送信電力との間の差を決定することと、
前記差について、レイヤ3フィルタリングを実行することで、前記パス損失を取得することと、を含む請求項26に記載の方法。
【請求項32】
前記パス損失を決定することは、
前記第2の端末装置から前記第1の端末装置に送信される前の参照信号の前の送信電力を決定することと、
前記送信電力及び前記前の送信電力を使用して、前記受信電力を調整することで、調整した前記受信電力を取得することと、
調整した前記受信電力について、レイヤ3フィルタリングを実行することで、フィルタリングした前記受信電力を取得することと、
前記送信電力とフィルタリングした前記受信電力との間の差に基づき、前記パス損失を決定することと、を含む請求項26に記載の方法。
【請求項33】
通信のための方法であって、
第2の端末装置で、第1の端末装置に情報を送信することで、前記第1の端末装置は、前記第1の端末装置が測定した参照信号の受信電力について、レイヤ3フィルタリングを実行することであって、前記参照信号はサイドリンクチャネルを介して、前記第2の端末装置から前記第1の端末装置に送信されることと、
フィルタリングした前記受信電力をレポートするための測定レポートを前記第1の端末装置から受信することと、
前記情報及びフィルタリングした前記受信電力に基づき、前記サイドリンクチャネルのパス損失を決定することと、を含む方法。
【請求項34】
前記情報は、
前記参照信号の送信電力と、
前記第1の端末装置と前記第2の端末装置との間に共有される前記参照信号の参照送信電力と、を含む請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記パス損失を決定することは、
前記参照送信電力とフィルタリングした前記受信電力との間の差を前記パス損失として決定することを含む請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記情報は、
前記参照信号の送信電力と、
前記第2の端末装置から前記第1の端末装置に送信される前の参照信号の前の送信電力とを含む請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記パス損失を決定することは、
前記送信電力とフィルタリングした前記受信電力との間の差を前記パス損失として決定することを含む請求項36に記載の方法。
【請求項38】
第1の端末装置であって、
プロセッサーと、
命令を記憶するメモリと、を含み、
前記メモリ及び前記命令は、前記プロセッサーとともに、前記第1の端末装置に請求項1~19の何れか1項に記載の方法を実行させるように構成される第1の端末装置。
【請求項39】
第2の端末装置であって、
プロセッサーと、
命令を記憶するメモリと、を含み、
前記メモリ及び前記命令は、前記プロセッサーとともに、前記第2の端末装置に請求項20~25、請求項26~32、及び請求項33~37の何れか1項に記載の方法を実行させるように構成される第2の端末装置。
【請求項40】
装置の少なくとも1つのプロセッサーで実行される場合、前記装置に請求項1~19、請求項20~25、請求項26~32及び請求項33~37の何れか1項に記載の方法を実行させる命令が記憶されているコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して通信分野に関し、具体的には、サイドリンク電力制御のための解決策に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP規格の最も新しい発展は進化したパケットコア(EPC:Evolved Packet Core)ネットワークのロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)、及び進化汎用移動体電気通信システム(UMTS:Evolved Universal Mobile Telecommunications System)地上無線アクセスネットワーク(E-UTRAN:Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network)と呼ばれ、通常、「4G」とも呼ばれる。また、用語である「5G新無線(NR:New Radio)」は、継続的に発展している通信技術を指し、各種のアプリケーション及びサービスをサポートする見込みがある。5G NRは、第3世代パートナープログラム(3GPP:Third Generation Partnership Project)が発表した、モバイルブロードバンドの進化を持続する一部であり、遅延、信頼性、セキュリティ、拡張可能性(例えば、モノのインターネット:Internet of Things)及び他の要求と関連付けられる新たな要求を満たすように意図される。5G NRのいくつかの態様は4Gロングタームエボリューション(LTE)規格を基礎とする可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
最近の3GPP会議では、以下の内容を既に許可した。ユニキャスト受信(RX)ユーザー装置(UE:user equipment)について、サイドリンク(SL)の参照信号受信電力(RSRP:reference signal received power)を送信(TX)UEにレポートする。TX UEユニキャストのためのサイドリンクオープンループ電力制御について、TX UEはパス損失の推定を導出する。SLオープンループ電力制御について、UEは、ダウンリンク(DL)パス損失(TX UEとgNBとの間にある)のみを使用するように、SLパス損失(TX UEとRX UEとの間にある)のみを使用するように、又はDLパス損失及びSLパス損失という両者を使用するように構成される。ただし、RX UE及びTX UEの、サイドリンク電力制御についての各種のオペレーションの詳細及び手順はまだ不明瞭であるため、明確にする必要がある。
【0004】
概して、本開示の例示的な実施形態は、サイドリンク電力制御のための解決策を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様において、通信のための方法を提供する。当該方法は、第1の端末装置で、第2の端末装置からサイドリンクチャネルを経由する参照信号を測定することで、測定レポートを生成することと、レポート基準に基づき、測定レポートを第2の端末装置に送信するかどうかを決定することと、測定レポートの送信を決定したことに応じて、測定レポートを第2の端末装置に送信することで、第2の端末装置が測定レポートに基づき、サイドリンクチャネルのパス損失を決定することと、を含む。
【0006】
第2の態様において、通信のための方法を提供する。当該方法は、第2の端末装置で、サイドリンクチャネルを介して、時間ウィンドウにおいて複数の参照信号を第1の端末装置に送信することと、時間ウィンドウにおいて第1の端末装置が測定した複数の参照信号の平均受信電力を決定することと、複数の参照信号の平均受信電力と平均送信電力との間の差に基づき、サイドリンクチャネルのパス損失を決定することと、を含む。
【0007】
第3の態様において、通信のための方法を提供する。当該方法は、第2の端末装置で、第1の端末装置が測定した参照信号の受信電力をレポートするための測定レポートを第1の端末装置から受信することであって、参照信号がサイドリンクチャネルを介して、第2の端末装置から第1の端末装置に送信されることと、参照信号の送信電力を決定することと、受信電力及び送信電力に基づき、サイドリンクチャネルのパス損失を決定することと、を含む。
【0008】
第4の態様において、通信のための方法を提供する。当該方法は、第2の端末装置で、第1の端末装置に情報を送信することで、第1の端末装置は、第1の端末装置が測定した参照信号の受信電力について、レイヤ3フィルタリングを実行することであって、参照信号がサイドリンクチャネルを介して、第2の端末装置から第1の端末装置に送信されることと、フィルタリングした受信電力をレポートするための測定レポートを第1の端末装置から受信することと、当該情報及びフィルタリングした受信電力に基づき、サイドリンクチャネルのパス損失を決定することと、を含む。
【0009】
第5の態様において、第1の端末装置を提供する。第1の端末装置はプロセッサー及び命令を記憶するためのメモリを含む。メモリ及び命令は、プロセッサーとともに、第1の端末装置に第1の態様による方法を実行させるように構成される。
【0010】
第6の態様において、第2の端末装置を提供する。第2の端末装置はプロセッサー及び命令を記憶するためのメモリを含む。メモリ及び命令は、プロセッサーとともに、第2の端末装置に第2の態様、第3の態様又は第4の態様による方法を実行させるように構成される。
【0011】
第7の態様において、命令が記憶されたコンピュータ可読媒体を提供する。当該命令は装置の少なくとも1つのプロセッサーで実行される場合、装置に第1の態様、第2の態様、第3の態様又は第4の態様による方法を実行させる。
【0012】
ここで、発明の概要の段落は、本開示の実施形態の重要又は必要な特徴を意図するものではなく、本開示の範囲を限定することを意図していない。本開示の他の特徴は、以下の説明によって、容易に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図面において、本開示のいくつかの実施形態に関するより詳しい説明によって、本開示の上記及び他の目的、特徴及び利点は明らかになる。
【0014】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態を実施できる通信環境の概略図である。
【0015】
【
図2】本開示のいくつかの実施形態による第1の端末装置と第2の端末装置との間の例示的な通信プロセスを示す。
【0016】
【
図3】本開示のいくつかの実施形態による第1の端末装置と第2の端末装置との間の別の例示的な通信プロセスを示す。
【0017】
【
図4A】本開示のいくつかの実施形態による第1の端末装置は、複数の参照信号の各測定レポートを第2の端末装置に送信する例示的なシナリオを示す。
【0018】
【
図4B】本開示のいくつかの実施形態による第1の端末装置は、複数の参照信号の平均受信電力をレポートするための単一測定レポートを第2の端末装置に送信する例示的なシナリオを示す。
【0019】
【
図5A】本開示のいくつかの実施形態による第1の端末装置と第2の端末装置との間の別の例示的な通信プロセスを示す。
【0020】
【
図5B】本開示のいくつかの実施形態による第1の端末装置と第2の端末装置との間の別の例示的な通信プロセスを示す。
【0021】
【
図6】本開示のいくつかの実施形態による第1の端末装置と第2の端末装置との間の別の例示的な通信プロセスを示す。
【0022】
【
図7】本開示のいくつかの実施形態による参照信号及び関連測定レポートを送信するための例示的なリソース分布を示し、測定レポートは、参照信号と関連付けられるPSSCHに対応付けられたPSFCHにおいて送信される。
【0023】
【
図8】本開示のいくつかの実施形態による参照信号及び関連測定レポートを送信するための別の例示的なリソース分布を示し、時間周波数リソースの2つの順序セットは、参照信号及び関連測定レポートを送信する。
【0024】
【
図9】本開示のいくつかの実施形態による参照信号及び関連測定レポートを送信するための別の例示的なリソース分布を示し、測定レポートは関連参照信号の時間情報を含む。
【0025】
【
図10】本開示のいくつかの実施形態による第1の端末装置と第2の端末装置との間の別の例示的な通信プロセスを示す。
【0026】
【
図11】本開示のいくつかの実施形態による例示的な方法のフローチャートである。
【0027】
【
図12】本開示のいくつかの実施形態による別の例示的な方法のフローチャートである。
【0028】
【
図13】本開示のいくつかの実施形態による別の例示的な方法のフローチャートである。
【0029】
【
図14】本開示のいくつかの実施形態による別の例示的な方法のフローチャートである。
【0030】
【
図15】本開示のいくつかの実施形態を実施できる装置の簡略化ブロック図である。
【0031】
図面全体において、同一又は類似の参照符号は同一又は類似の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
これから、いくつかの例示的な実施形態を参照して、本開示の原理を説明する。ここで、これらの実施形態は、本開示の範囲について何らかの限定を示すものではなく、単に説明を目的とし、且つ当業者が本開示を理解し及び実施するためのものである。以下に記載の形態以外に、さまざまな形態で本明細書に記載の本開示を実施できる。
【0033】
以下の記載及び請求項において、特に定義されていない限り、本明細書が使用する全ての技術用語及び科学用語は、いずれも本開示の当業者が一般的に理解するものと同一の意味を有する。
【0034】
例えば、本明細書で使用される用語である「ネットワーク装置(network device)」又は「基地局」(BS:base station)は、端末装置が通信を実行できるセル又はカバレッジを提供し又は収容する装置を指す。ネットワーク装置の例示は、ノードB(NodeB又はNB)、進化型(Evolved)NodeB(eNodeB又はeNB)、次世代(next generation)NodeB(gNB)、V2X通信のためのインフラストラクチャー装置、送信/受信ポイント(TRP:Transmission/Reception Point)、リモートラジオユニット(RRU:Remote Radio Unit)、レディオヘッド(RH:radio head)、リモートレディオヘッド(RRH:remote radio head)、低電力ノード(例えばフェムトノード、ピコノードなど)を含むが、これらに限定されない。
【0035】
例えば、本明細書が使用する用語である「端末装置(terminal device)」は、無線又は有線通信能力を有する任意の装置を指す。端末装置の例示はユーザー装置(UE:user equipment)、車載型端末装置、歩行者装置、路側機(roadside unit)、パソコン(personal computer)、デスクトップコンピュータ、携帯電話、セルラーホン、スマートフォン、個人用携帯端末(PDA:personal digital assistant)、ポータブルコンピュータ、デジタルカメラなどのような画像撮影装置、ゲーム装置、音楽記憶及び再生装置、又は無線又は有線インターネットのアクセス及び閲覧を可能にするインターネット装置などを含むが、これらに限定されない。議論のために、以下、UEを端末装置の例示として参照しつつ、いくつかの実施形態を説明し、用語である「端末装置」及び「ユーザー装置」(UE)について、本開示の明細書において、交換して使用してもよい。
【0036】
1つの実施形態において、端末装置は第1のネットワーク装置及び第2のネットワーク装置に接続される。第1のネットワーク装置及び第2のネットワーク装置のうちの一方のネットワーク装置はホストノード(master node)であり、他方は補助ノード(secondary node)である。第1のネットワーク装置及び第2のネットワーク装置は異なる無線アクセス技術(RAT:radio access technology)を使用してもよい。1つの実施形態において、第1のネットワーク装置は第1のRAT装置であり、第2のネットワーク装置は第2のRAT装置である。1つの実施形態において、第1のRAT装置はeNBであり、第2のRAT装置はgNBである。異なるRATに関する情報は、第1のネットワーク装置及び第2のネットワーク装置のうちの少なくとも一方から端末装置に送信される。1つの実施形態において、第1の情報は第1のネットワーク装置から端末装置に送信され、第2の情報は直接的、又は第1のネットワーク装置を介して第2のネットワーク装置から端末装置に送信される。1つの実施形態において、第2のネットワーク装置により構成された端末装置の構成(configuration)に関する情報は、第1のネットワーク装置を介して第2のネットワーク装置から送信される。第2のネットワーク装置により構成された端末装置の再構成(reconfiguration)に関する情報は直接的、又は第1のネットワーク装置を介して第2のネットワーク装置から端末装置に送信される。
【0037】
明細書において、明らかに示されていない限り、本明細書が使用する単数形の「一(a)」、「1つ(an)」及び「当該(前記)」は複数形も含むように意図される。用語である「含む」及びその変形は開放(オープンな)用語として理解され、「含むが、限定されない」を意味する。用語である「基づく」は「少なくとも一部が基づく」として理解される。用語である「1つの実施形態」及び「実施形態」は「少なくとも1つの実施形態」として理解される。用語である「別の実施形態」は、「少なくとも1つの別の実施形態」として理解される。用語である「第1」、「第2」などは、異なる又は同一のオブジェクトを指す。以下、他の定義(明示的及び暗黙的)が含まれてもよい。
【0038】
いくつかの例示において、値、プログラム又は装置は「最適な」、「最低」、「最高」、「最小値」、「最大値」などと呼ばれる。ここで、このような記載は、使用する多くの機能代替解決策から選択でき、且つこのような選択は他の選択よりよく、小さく、高く、又は他の形態がより好適である必要がないことを示す。
【0039】
図1は本開示のいくつかの実施形態を実施できる通信環境100の概略図である。
図1に示すように、第1の端末装置110及び第2の端末装置120はいずれもネットワーク装置130のカバレッジ内にある。言い換えると、ネットワーク装置130は第1の端末装置110及び第2の端末装置120にサービスを提供するとともに、無線接続を提供できる。具体的には、第1の端末装置110は通信チャネル105を介してネットワーク装置130と通信でき、第2の端末装置120は通信チャネル115を介してネットワーク装置130と通信できる。ネットワーク装置130から、第1の端末装置110又は第2の端末装置120への送信について、通信チャネル105又は通信チャネル115はダウンリンクチャネルと呼ばれ、第1の端末装置110又は第2の端末装置120から、ネットワーク装置130への送信について、通信チャネル105又は通信チャネル115は代替的に、アップリンクチャネルと呼ばれる。
【0040】
追加的に、第1の端末装置110はデバイスツーデバイス(D2D:device-to-device)チャネル125を介して第2の端末装置120と通信でき、当該D2Dチャネル125はサイドリンクチャネル125とも呼ばれる。場合によっては、ネットワーク装置130は通信環境100に存在しなくてもよい。例えば、第1の端末装置110及び第2の端末装置120はネットワーク装置130のカバレッジ外にある。この場合、サイドリンク通信のみが、第1の端末装置110と第2の端末装置120の間、及び
図1において示されていない他の可能な端末装置の間に存在する。
【0041】
いくつかの実施形態において、第1の端末装置110と第2の端末装置120との間の、サイドリンクチャネル125によるサイドリンク通信期間で、第2の端末装置120は送信リソースの第1のセットを利用して、参照信号135を第1の端末装置110に送信する。例えば、本明細書が使用する参照信号は、送信装置及び受信装置の既知信号を指し、チャネル推定(channel estimation)、チャネル探査(channel sounding)などを実行するために使用できる。一般的に、本明細書が使用する参照信号は、各種規格又は仕様(例えば、3GPP仕様)に定義された任意の従来又は将来の参照信号を含む。参照信号135を受信した場合、第1の端末装置110は参照信号135を測定することで、参照信号135の測定結果、例えば、参照信号135の受信電力、受信品質などを取得する。
【0042】
そして、第1の端末装置110は参照信号135の測定結果に基づき、測定レポート155を生成する。例えば、測定レポート155は、第1の端末装置110が測定した参照信号135の受信電力を示す情報を含む。その後、第1の端末装置110は送信リソースの第2のセットを使用して、測定レポート155を第2の端末装置120に送信する。測定レポート155に基づき、第2の端末装置120はサイドリンクチャネル125のチャネル情報を取得する。例えば、第2の端末装置120は参照信号135の送信電力、及び第1の端末装置110がレポートした参照信号135の受信電力に基づき、サイドリンクチャネル125のパス損失を決定する。
【0043】
例えば、本明細書が使用する用語である「リソース」、「送信リソース」又は「サイドリンクリソース」は、通信(例えば、通信装置の間のサイドリンク通信)を実行するための任意のリソース、例えば、時間領域におけるリソース(例えば、タイムスロット)、周波数領域におけるリソース(例えば、サブチャネル)、空間領域におけるリソース、コード領域におけるリソース、或いは通信を実現する他の任意のリソースなどを指す。以下、周波数領域及び時間領域におけるリソースをサイドリンクリソースの例示とすることで、本開示のいくつかの実施形態を説明する。ただし、ここで、本開示の実施形態は同じように、他の領域における他のリソースにも適用される。
【0044】
例えば、3GPP仕様に定義されるように、第1の端末装置110が参照信号135を測定することで、取得した測定結果はレイヤ1(即ち、物理レイヤ)の測定結果と呼ばれる。測定結果を第2の端末装置120にレポートする前、第1の端末装置110はレイヤ1の測定結果について、レイヤ3フィルタリングを実行することで、フィルタリングした測定結果を取得し、第2の端末装置120にレポートする。代替的に、第1の端末装置110はレイヤ1の測定結果を第2の端末装置120にレポートした場合、パス損失を決定する前、第2の端末装置120はレイヤ1の測定結果について、レイヤ3フィルタリングを実行することで、フィルタリングした測定結果を取得し、パス損失を決定する。例えば、以下の式(1)に基づき、レイヤ3フィルタリングを実行する。
【数1】
ここで、M
nは物理レイヤからの、最近受信した測定結果であり、F
nは更新されたフィルタリングした測定結果であり、レポート基準(criterion)の評価、又は測定レポートに用いられ、F
n-1は古いフィルタリングした測定結果であり、物理レイヤからの第1の測定結果を受信した場合、F
0をM
1に設定し、a=1/2
(k/4)であり、kは3GPP仕様に定義されたquantityConfigが受信した、測定量に対応するfilterCoefficientある。
【0045】
図1の通信環境100では、第1の端末装置110、第2の端末装置120及びネットワーク装置130を示すが、本開示の実施形態は同じように、互いに通信する他の任意の適切な通信装置にも適用される。即ち、本開示の実施形態は
図1の例示的なシナリオに限定されない。これについて、
図1において、第1の端末装置110及び第2の端末装置120は模式的に携帯電話として図示されるが、当該図示は何ら限定するものではなく、単に例示的なものである。他の実施形態において、第1の端末装置110及び第2の端末装置120は他の任意の無線通信装置、例えば、車載型端末装置であってもよい。
【0046】
第1の端末装置110及び第2の端末装置120が車載型端末装置である場合、第1の端末装置110及び第2の端末装置120に関する通信はV2X通信と呼ばれる。より具体的には、
図1において示されていないが、第1の端末装置110又は第2の端末装置120に関するV2X通信は、第1の端末装置110又は第2の端末装置120と、他の任意の通信装置との間の通信を含んでもよく、インフラストラクチャー装置、別の車載型端末装置、歩行者装置、路側機などを含むが、これらに限定されない。また、図示していないが、
図1の全ての通信リンクはいずれも1つ又は複数の中継(relay)を経由してもよい。
【0047】
ここで、
図1の端末装置の数及びネットワーク装置の数は何ら限定するものではなく、単に説明を目的とする。通信環境100は、本開示の実施形態を実施できる任意の適切な数の端末装置、任意の適切な数のネットワーク装置、及び任意の適切な数の他の通信装置を含んでもよい。また、ここで、全ての通信装置の間には各種の無線通信及び有線通信が存在する可能性がある(必要があれば)。
【0048】
通信環境100での通信は任意の適切な規格に準拠してもよく、移動通信グローバルシステム(GSM:Global System for Mobile Communication)、モノのインターネットの拡張移動通信グローバルシステム(EC-GSM-IoT;Extended Coverage Global System for Mobile Internet of Things)、ロングタームエボリューション(LTE)、進化LTE(LTE-Evolution)、LTEアドバンス(LTE-A:LTE-Advanced)、広帯域符号分割多重接続(WCDMA(登録商標):Wideband Code Division Multiple Access)、符号分割多元接続 (CDMA:Code Division Multiple Access)、GSM EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN:GSM EDGE Radio Access Network)などを含むが、これらに限定されない。また、通信は、現在既知、又は将来開発しようとする任意の世代の通信プロトコルに基づき実行されてもよい。通信プロトコルの例示は第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)通信プロトコルを含むが、これらに限定されない。
【0049】
以上のように、通常の解決策において、RX UE及びTX UEの、サイドリンク電力制御についての各種のオペレーションの詳細及び手順はまだ不明瞭であるため、明確にする必要がある。具体的には、従来のLTEサイドリンク通信において、SL-RSRPは、例えば、同期ソースの検索及びリソース検出などの場合に用いられる。追加的に、従来のLTE/NRアップリンク電力制御において、RSRPはパス損失の推定を実行する。これらの通常の解決策において、他のUEに送信/レポートされるRSRPを定義していない。
【0050】
対照的に、NRサイドリンク通信において、ユニキャストRX UE(マルチキャスト又はブロードキャストRX UEにも適用される)について、サイドリンクのパス損失を決定するために、SL-RSRPをTX UEにレポートすることが指定される。ただし、サイドリンク通信において、参照信号をレポートするための測定レポートにはいくつかの問題が存在する。例えば、伝統的な解決策において、RX UEでRSRPの測定及びレポートタイミングは定義されず、且つ、いくつかのタイミングは不必要なものである可能性がある。
【0051】
そして、NRサイドリンク通信において、TX UEからの参照信号の送信電力(各リソース要素のエネルギーEPREで示される)は、送信電力の制御によって、タイムスロットごとに変化する可能性がある。また、RX UEが送信した測定レポートの、時間領域での順序は、参照信号の送信順序と異なる可能性があり、RX UEはいくつかの参照信号を見逃す恐れがある。そのため、TX UEは、受信した測定レポートと関連付けられる参照信号の送信電力を知らない。
【0052】
また、いつ、どこでSL-RSRPをTX UEに送信するかということは、不明瞭である。例えば、RX UEがどのチャネル、及びどの送信リソースを利用して、測定レポートを送信するかということは不明瞭である。RX UEが、測定レポートを生成した時、または、周期性に基づき、測定レポートを送信するかということは、不明瞭である。
【0053】
要約すると、伝統的な解決策において、場合によっては、参照信号の測定及び測定レポートを必要としない可能性がある。そして、TX UEはRX UEから測定レポートを受信する場合、参照信号と関連付けられる送信電力(例えば、EPRE)は不明瞭である。
【0054】
以上の技術問題、及び通常の解決策に存在する可能性がある他の技術問題を解決するために、本開示の実施形態はサイドリンク電力制御のための解決策を提供する。いくつかの実施形態において、TX UE及びRX UEでの参照信号及び測定レポートの測定行為は指定される。いくつかの実施形態において、TX UEでレイヤ3フィルタリングを実行でき、時間ウィンドウ内の平均送信電力及び平均受信電力はパス損失の決定に用いられる。例えば、RX UEは各測定結果をレポートし、TX UEで平均送信電力及び平均受信電力を計算する。代替的に、RX UEは平均受信電力をレポートし、TX UEで平均送信電力を計算する。
【0055】
いくつかの実施形態において、TX UEでレイヤ3フィルタリングを実行でき、レポートした測定結果と参照信号とは一対一にマッピングする。例えば、送信リソースの区別によって、測定レポートと参照信号との間のマッピングは暗黙的に示される。代替的に、マッピングは、参照信号の送信時点(time point)を示すことで、明示的に示されてもよい。いくつかの実施形態において、RX UEでレイヤ3フィルタリングを実行できる。TX UEは、送信電力情報(例えば、参照送信電力及び/又は実際に使用する送信電力)をRX UEに示し、RX UEは正規化された受信電力を利用して、L3フィルタリングを実行する。
【0056】
本開示の実施形態によれば、より有効且つ効果的な測定レポートを取得でき、サイドリンクチャネルにおけるパス損失をより正確に決定でき、サイドリンク通信における送信電力の制御に用いられる。以下、図面を参照して、本開示の原理及び実施形態をより詳しく説明する。
【0057】
図2は本開示のいくつかの実施形態による第1の端末装置110と第2の端末装置120との間の例示的な通信プロセス200を示す。議論のために、
図1を参照して通信プロセス200を説明する。ただし、ここで、通信プロセス200は同じように、サイドリンクチャネルによる、2つの端末装置同士の間の通信の他の通信シナリオにも適用される。
【0058】
図2に示すように、第2の端末装置120はサイドリンクチャネル125を介して、参照信号135を第1の端末装置110に210で送信する。上述のように、参照信号135はチャネル推定、チャネル探査などを実行できる。そのため、第1の端末装置110は参照信号135を210で測定し、参照信号135の測定結果に基づき、測定レポート155を215で生成する。言い換えると、第1の端末装置110は参照信号135を210で測定することで、測定レポート155を215で生成する。
【0059】
いくつかの実施形態において、参照信号の不必要な測定を避けるために、第1の端末装置110は測定基準を利用して、参照信号135を210で測定するかどうかを決定し、測定レポート155を215で生成する。言い換えると、第1の端末装置110は測定基準に基づき、参照信号135を210で測定するかどうかを決定し、測定レポート155を215で生成する。参照信号135の測定を決定した場合、端末装置110は参照信号135を210で測定してから、測定レポート155を生成する。このように、第1の端末装置110は第2の端末装置120から送信された参照信号を常に測定していない。実際、参照信号135の測定を必要とする場合、第1の端末装置110は参照信号135を測定することで、測定レポート155の効率を向上させ、第1の端末装置110での、測定実行のための処理リソース及び他のリソースを節約する。
【0060】
一般的に、測定基準は任意の適切な基準であり、これによって、第1の端末装置110は参照信号の不必要な測定を避けることができる。いくつかの実施形態において、測定基準によって、第2の端末装置120はサイドリンクチャネル125のパス損失を使用して、送信電力の制御を実行する。例えば、第2の端末装置120は、サイドリンクチャネル125のパス損失のみを使用して、送信電力の制御を実行し、又はダウンリンクチャネル115のパス損失及びサイドリンクチャネル125のパス損失を使用して、送信電力の制御を実行するように構成される場合、第1の端末装置110は参照信号135を測定できる。
【0061】
さもなければ、第2の端末装置120が、ダウンリンクチャネル115のパス損失のみを使用して、送信電力の制御を実行するように構成される場合、サイドリンクチャネル125における参照信号135の測定レポート155は、第2の端末装置120にとって無効であり、そうすると、第1の端末装置110は無効にされることで、参照信号135を測定する。いくつかの実施形態において、第2の端末装置120がサイドリンクチャネル125のパス損失を使用するかどうかを示すための指示は、第2の端末装置120又はネットワーク装置130から第1の端末装置110に送信され、例えば、より高いレイヤのシグナリングを介する。
【0062】
代替的又は追加的に、サイドリンクチャネル125の推定パス損失(又は無線距離)が構成可能な閾値(第1の閾値とも呼ばれる)を下回ることを測定基準とする。本明細書が使用する、2つの装置の間の用語である「無線距離」は、2つの装置の間の無線通信面での距離を指す。例えば、2つの装置の間の無線通信パスには、無線通信に影響する恐れがある障害物が存在する場合、2つの装置の間の無線距離は、それらの間の実際の地理的距離より長くてもよい。従って、第1の端末装置110と第2の端末装置120との間の無線距離に基づき、サイドリンクチャネル125の推定パス損失を取得できる。この場合、推定パス損失は第1の閾値を下回る場合、第1の端末装置110は、参照信号135を測定すると決定する。さもなければ、推定パス損失は第1の閾値を超える場合、第1の端末装置110は参照信号135を測定しないと決定する。
【0063】
なぜならば、最近の3GPP会議の協定によれば、SLオープンループ電力制御は、DLパス損失及びSLパス損失を使用するように構成された場合、DLパス損失によるオープンループ電力制御、及びSLパス損失によるオープンループ電力制御からの電力値の最小値が採用される。従って、第1の端末装置110と第2の端末装置120との間の無線距離が大きい場合、オープンループ電力制御による電力値が大きくなる恐れがあり、そうすると、第2の端末装置120はサイドリンクチャネル125のパス損失を使用して、送信電力の制御を実行していなくてもよい。この場合、参照信号135の測定を必要とする可能性がある。
【0064】
いくつかの実施形態において、サイドリンクチャネル125の推定パス損失が第1の閾値を下回るかどうかを示すための指示は、ネットワーク装置130から、例えばRRCシグナリングを介して、又は第2の端末装置120から、例えばサイドリンク制御情報(SCI:sidelink control information)におけるフィールドを介して、第1の端末装置110に送信される。他のいくつかの実施形態において、第1の端末装置110は、自体と第2の端末装置120との間の無線距離を知っている可能性があるため、第1の端末装置110は自分で、パス損失が第1の閾値を下回るかどうかを推定するための判断をしてもよい。
【0065】
代替的又は追加的に、第2の端末装置120とネットワーク装置130との間の通信チャネル115のパス損失(又は無線距離)が構成可能な閾値(第2の閾値とも呼ばれる)を超えることを測定基準とする。言い換えると、通信チャネル115のパス損失が第2の閾値を超える場合、第1の端末装置110は参照信号135を測定すると決定する。さもなければ、通信チャネル115のパス損失が第2の閾値を下回る場合、第1の端末装置110は参照信号135を測定しないと決定する。
【0066】
なぜならば、DLパス損失によるオープンループ電力制御、及びSLパス損失によるオープンループ電力制御からの電力値の最小値が採用されるためであり、両者はいずれも送信電力の制御を実行するために使用される。従って、通信チャネル115(例えば、ダウンリンクチャネル115)のパス損失が小さい場合、オープンループ電力制御による電力値が小さくなる恐れがあり、そうすると、第2の端末装置120はサイドリンクチャネル125のパス損失ではなく、通信チャネル115のパス損失を使用して実行送信電力の制御を実行できる可能性がある。この場合、参照信号135の測定を必要とする可能性がある。いくつかの実施形態において、通信チャネル115のパス損失が第2の閾値を超えるかどうかを示すための指示は、ネットワーク装置130から、例えばRRCシグナリングを介して、又は第2の端末装置120から、例えばSCIにおけるフィールドを介して、第1の端末装置110に送信される。
【0067】
代替的又は追加的に、サイドリンクチャネル125を介して実行されるサイドリンクデータ送信の優先度が、構成可能な閾値(第3の閾値とも呼ばれる)を超えることを測定基準とする。言い換えると、サイドリンクデータ送信の優先度が第3の閾値を超える場合、第1の端末装置110は参照信号135を測定すると決定する。さもなければ、サイドリンクデータ送信の優先度が第3の閾値を下回る場合、第1の端末装置110は参照信号135を測定しないと決定する。
【0068】
なぜならば、サイドリンクデータ送信の優先度が低い場合、サイドリンクデータ送信が重要ではなく、そうすると、第1の端末装置110は参照信号135を測定しなくてもよいため、測定レポート155を第2の端末装置120に送信せず、第1の端末装置110、又は第2の端末装置120とネットワーク装置130との間の通信に対する不利な影響を避ける。いくつかの実施形態において、サイドリンクデータ送信の優先度が第3の閾値を超えるかどうか示すための指示は、ネットワーク装置130から、例えばRRCシグナリングを介して、又は第2の端末装置120から、例えばSCIにおけるフィールドを介して第1の端末装置110に送信される。
【0069】
いくつかの実施形態において、第1の端末装置110は参照信号135を受信するための複数のポートを有する。例えば、これらのアンテナポートは、アンテナポート0、アンテナポート1、アンテナポート2などの番号が付けられる。3GPP仕様が指定するように、アンテナポートは、アンテナポートでの符号が伝達されるチャネルは、同一のアンテナポートでの別の符号が伝達されるチャネルから推測されることができるように定義される。従って、参照信号135を測定する場合、第1の端末装置110は、第1の端末装置110の複数のアンテナポートのうちの1つのアンテナポート(例えば、アンテナポート0)を介して受信された参照信号135の受信電力を測定する。このように、参照信号135の測定プログラムを簡略化して、参照信号を測定するための第1の端末装置110での負荷を低減させる。代替的に、第1の端末装置110は、第1の端末装置110の複数のアンテナポートを介して受信された参照信号135の平均受信電力を測定できる。従って、参照信号135の測定結果はより正確になる。
【0070】
いくつかの実施形態において、第2の端末装置120から第1の端末装置110に送信される参照信号(参照信号135を含む)は各種のタイプを有する。例えば、これらのタイプは、PSSCH復調(DM:demodulation)-参照信号(RS:reference signal)タイプ、サイドリンクチャネル状態情報(CSI:channel state information)-RSタイプなどを含むが、これらに限定されない。一般的に、第1の端末装置110は任意のタイプの参照信号を測定できる。ただし、いくつかの実施形態において、第1の端末装置110は、事前定義されたタイプの参照信号、例えばDM-RS又はCSI-RSを測定するように構成される。従って、測定を実行する場合、第1の端末装置110は、1つのタイプの参照信号のみに注目してもよい。例えば、第1の端末装置110のこのような構成は、上位レイヤ構成又はSCI指示により実行される。
【0071】
他のいくつかの実施形態において、第1の端末装置110は、第2の端末装置120からの参照信号の測定を実行する場合、1つのタイプの参照信号のみ、例えば、DM-RS又はCSI-RSのみが存在する可能性がある。この場合、第1の端末装置110は、第1の端末装置110による測定実行期間に存在するタイプの参照信号を測定する。代替的に、第1の端末装置110が測定を実行する場合、異なるタイプを有する参照信号を第2の端末装置120から送信すると、第1の端末装置110は異なるタイプを有する参照信号を測定する。例えば、第1の端末装置110による測定実行期間にはDM-RS及びCSI-RSが存在する場合、第1の端末装置110はDM-RS及びCSI-RSを測定する。このように、第1の端末装置110が測定可能な参照信号の数は最大化される。
【0072】
いくつかの実施形態において、第1の端末装置110は各種のタイミングで参照信号135を測定する。例示として、参照信号135は、サイドリンクチャネル125によるサイドリンクデータ送信と関連付けられる場合、第1の端末装置110は参照信号の受信電力を測定する。当該例示において、参照信号135はDM-RSであり、第1の端末装置110は各PSSCH送信と関連付けられる参照信号の受信電力を測定する。このように、第1の端末装置110はDM-RSの最大数を測定するための測定タイミング、及びより正確な測定結果を取得できる。
【0073】
代替的又は追加的に、第1の端末装置110は第2の端末装置120から、参照信号135の受信電力が測定対象となる指示を受信した場合、第1の端末装置110は参照信号135の受信電力を測定する。例えば、当該指示はSCIを介して送信される。従って、受信電力を測定するとともに、パス損失を決定するための参照信号は第2の端末装置120によって選択され、参照信号の送信装置とされる。
【0074】
代替的又は追加的に、第1の端末装置110は複数の参照信号から参照信号135を選択して、受信電力を測定する場合、第1の端末装置110は参照信号135の受信電力を測定する。例えば、測定可能な参照信号はDM-RSである場合、第1の端末装置110は自分で、選択したPSSCH送信と関連付けられるいくつかの参照信号を測定すると决定できる。このように、第1の端末装置110はより少ない参照信号を測定できるため、測定のための処理リソース及び電力を節約する。選択肢として、PSSCH送信の選択は、第1の端末装置110と第2の端末装置120との間の無線距離に基づいて、無線距離が大きい場合、第2の端末装置120はサイドリンクチャネル125のパス損失を使用して送信電力の制御を実行しなくてもよいため、参照信号135の測定を必要とする可能性がある。
【0075】
代替的又は追加的に、第1の端末装置110は参照信号135に基づき、サイドリンクチャネル125のチャネル状態情報(CSI)を測定する場合、第1の端末装置110は参照信号135の受信電力を測定する。例えば、この場合、参照信号135はCSI-RSであり、受信電力の測定はCSI測定に同期する。従って、異なるタイプの測定は、同一の参照信号に基づき、並行に実行されることで、CSI-RS及び測定タイミングを十分に利用する。
【0076】
図2を引き続いて参照して、第1の端末装置110から第2の端末装置120への不必要な測定レポートを避けるために、第1の端末装置110はレポート基準145に基づき、測定レポート155を第2の端末装置120に217で送信するかどうかを決定する。言い換えると、第1の端末装置110は常に測定レポートを第2の端末装置120に送信しない。逆に、測定レポート155を第2の端末装置120に送信する必要がある場合、第1の端末装置110は参照信号135の測定レポート155を送信することで、第2の端末装置120の測定レポート155の有効性を向上させ、不必要な測定レポートを送信又は受信するための第1の端末装置110及び第2の端末装置120での処理リソース、及び他のリソースを節約する。
【0077】
一般的に、レポート基準145は任意の適切な基準であり、これによって、第1の端末装置110は不必要な測定レポートを避ける。いくつかの実施形態において、レポート基準145は上記の測定基準に類似して、第1の端末装置110はそれを利用して、参照信号135を測定するかどうかを決定する。
【0078】
例えば、第2の端末装置120がサイドリンクチャネル125のパス損失を使用して送信電力の制御を実行することをレポート基準145とする。言い換えると、第2の端末装置120はサイドリンクチャネル125のパス損失のみを使用して送信電力の制御を実行し、又はダウンリンクチャネル115のパス損失、及びサイドリンクチャネル125のパス損失を使用して、送信電力の制御を実行するように構成される場合、第1の端末装置110は測定レポート155を第2の端末装置120に送信する。さもなければ、第2の端末装置120は、ダウンリンクチャネル115のパス損失のみを使用して、送信電力の制御を実行するように構成される場合、サイドリンクチャネル125における参照信号135の測定レポート155は第2の端末装置120にとって無効であり、そうすると、第1の端末装置110は測定レポート155を第2の端末装置120に送信しなくてもよい。
【0079】
代替的又は追加的に、サイドリンクチャネル125の推定パス損失(又は無線距離)が第1の閾値を下回ることをレポート基準145とする。このとき、推定パス損失が第1の閾値を下回る場合、第1の端末装置110は測定レポート155を第2の端末装置120に送信する。さもなければ、推定パス損失が第1の閾値を超える場合、第1の端末装置110は測定レポート155を第2の端末装置120に送信しなくてもよい。なぜならば、説明したように、第1の端末装置110と第2の端末装置120との間の無線距離が大きい場合、オープンループ電力制御による電力値が大きくなる恐れがあり、そうすると、第2の端末装置120はサイドリンクチャネル125のパス損失を使用して送信電力の制御を実行しなくてもよい。この場合、参照信号13の測定レポート155を必要としない可能性がある。
【0080】
代替的又は追加的に、第2の端末装置120とネットワーク装置130との間の通信チャネル115のパス損失(又は無線距離)が第2の閾値を超えることをレポート基準145とする。言い換えると、通信チャネル115のパス損失が第2の閾値を超える場合、第1の端末装置110は測定レポート155を第2の端末装置120に送信する。さもなければ、通信チャネル115のパス損失が第2の閾値を下回る場合、第1の端末装置110は測定レポート155を第2の端末装置120に送信しなくてもよい。なぜならば、説明したように、通信チャネル115(例えば、ダウンリンクチャネル115)のパス損失が小さい場合、オープンループ電力制御による電力値が小さくなる恐れがあり、そうすると、第2の端末装置120はサイドリンクチャネル125のパス損失ではなく、通信チャネル115のパス損失を使用して、送信電力の制御を実行できる可能性がある。この場合、参照信号13の測定レポート155を必要としない可能性がある。
【0081】
代替的又は追加的に、サイドリンクチャネル125を介して実行されるサイドリンクデータ送信の優先度が第3の閾値を超えることをレポート基準145とする。言い換えると、サイドリンクデータ送信の優先度が第3の閾値を超える場合、第1の端末装置110は測定レポート155を第2の端末装置120に送信する。さもなければ、サイドリンクデータ送信の優先度が第3の閾値を下回る場合、第1の端末装置110は測定レポート155を第2の端末装置120に送信しなくてもよい。なぜならば、説明したように、サイドリンクデータ送信の優先度が低い場合、サイドリンクデータ送信が重要ではなく、そうすると、第1の端末装置110は測定レポート155を第2の端末装置120に送信しなくてもよく、これによって、第1の端末装置110又は第2の端末装置120とネットワーク装置130との間の通信に対する不利な影響を避ける。
【0082】
第1の端末装置120は測定基準及びレポート基準145を使用し、2つの基準は同様である可能性がある。この場合、第1の端末装置120は共通基準(common criterion)を2回検査せずに、共通基準を1回だけ満たしたかどうかを決定する。共通基準を満たした場合、第1の端末装置120は参照信号135を測定してから、測定レポート155を送信する。さもなければ、共通基準を満たしていない場合、第1の端末装置120は参照信号135を測定せず、測定レポート155を送信しない。また、説明した実施形態において、共通の第1の閾値、共通の第2の閾値及び共通の第3の閾値は、測定基準及びレポート基準145に用いられるように構成されるが、他のいくつかの実施形態において、2つの異なる閾値は、それぞれ2つの基準に用いられるように構成されてもよい。
【0083】
図2を引き続いて参照して、第1の端末装置110は測定レポート155を217で送信すると決定した場合、第1の端末装置110は測定レポート155を第2の端末装置120に220で送信することで、第2の端末装置120は測定レポート155に基づき、サイドリンクチャネル125のパス損失を決定する。一般的に、第1の端末装置110は任意の利用可能な送信リソースを使用して、測定レポート155を220で送信できる。例えば、PSSCHの、事前定義された送信リソースのセットにおいて、測定レポート155を第1の端末装置110から第2の端末装置120に送信する。事前定義された送信リソースのセットは第1の端末装置110及び第2の端末装置120にとって既知である可能性があるため、第2の端末装置120は、送信リソースが測定レポートの送信に用いられたかどうかを知っている。
【0084】
代替的又は追加的に、PSSCHの、選択した送信リソースのセットにおいて測定レポート155を送信し、第1の端末装置110から第2の端末装置120へ送信される指示で、選択したセットを示してもよい。言い換えると、第1の端末装置110は、選択した送信リソースのセットを選択でき、第1の端末装置110は、送信リソースが測定レポートの送信に用いられたかどうかを、第2の端末装置120に通知する。代替的又は追加的に、第1の端末装置110から第2の端末装置120へ送信される媒体アアクセス制御(MAC:medium access control)制御要素(CE:control element)において、測定レポート155を送信してもよい。例えば、MAC CEにおけるフィールドは、レポート対象となるRSRP値を示す。代替的又は追加的に、PSFCHの送信リソースのセットにおいて、第1の端末装置110から測定レポート155を第2の端末装置120に送信する。
【0085】
いくつかの実施形態において、頻繁な測定レポートを避けるために、測定レポート155のレポート対象となる値と、前のレポートのレポート対象となる前の値との間の差が、構成可能な閾値(第4の閾値とも呼ばれる)を超える場合、第1の端末装置110は測定レポート155を送信する。言い換えると、サイドリンクチャネル125のパス損失の変化が十分に大きい場合、第1の端末装置110は測定レポート155を第2の端末装置120に送信する。このように、参照信号の測定レポートを送信又は受信するための第1の端末装置110及び第2の端末装置120での処理リソース及び他のリソースを節約できる。
【0086】
他のいくつかの実施形態において、第1の端末装置110は、測定レポート155を含む複数の測定レポートを周期的に送信する。従って、サイドリンクチャネル125のパス損失は、第2の端末装置120によって、周期的に決定され、決定したパス損失の正確性を周期的に調整してもよい。いくつかの実施形態において、小さい絶対値を具備する受信電力値をレポートするために、第1の端末装置110は、レポート対象となる値から、事前定義値(例えば-140 dBm)を引く。このように、参照信号135の受信電力をレポートするための情報ビットの数を減少させる。
【0087】
いくつかの実施形態において、参照信号135の受信装置としての第1の端末装置110はサイドリンクチャネル125のパス損失を決定するとともに、パス損失に基づき、送信電力の制御を実行してもよい。例えば、サイドリンクチャネル125のチャネル可逆性が真であると仮定する場合である可能性がある。そのため、第1の端末装置110は第2の端末装置120から、参照信号135の送信電力を示す情報を受信する。そして、第1の端末装置110は参照信号135の送信電力と、第1の端末装置110が測定した参照信号135の受信電力との間の差に基づき、送信電力の制御を実行する。このように、第1の端末装置110は別の参照信号を第2の端末装置120に送信することで、サイドリンクチャネル125のパス損失を決定する必要がない。
【0088】
いくつかの実施形態において、当該差を使用して、送信電力の制御を実行する前、第1の端末装置110は差に対して、レイヤ3フィルタリングを実行する。例えば、3GPP仕様が指定した式(1)に基づき、レイヤ3フィルタリングを実行してもよい。いくつかの実施形態において、第1の端末装置110が実行する送信電力の制御は、測定レポート155又は他の任意のサイドリンクデータを第2の端末装置120に送信できる。いくつかの実施形態において、第1の端末装置110は、サイドリンクチャネル125のパス損失を使用して、送信電力の制御を実行するように構成された場合、第1の端末装置110での送信電力制御は実行可能になる。
【0089】
以上のように、NRサイドリンク通信において、参照信号の送信電力は、送信端末装置の送信電力の制御によって、タイムスロットごとに変化する可能性がある。また、受信端末装置が各測定レポートを使用して、複数の参照信号の受信電力をレポートする場合、これらの測定レポートは、参照信号の送信時間領域の順序と異なる時間領域順序を有する。また、受信端末装置は、送信端末装置が送信した複数の参照信号のうちのいくつかの参照信号を見逃す恐れがある。
【0090】
そのため、伝統的な解決策において、複数の参照信号の送信端末装置は、複数の参照信号の受信端末装置から測定レポートを受信する場合、送信端末装置は、測定レポートと関連付けられる参照信号の送信電力を知らない可能性がある。従って、送信端末装置はサイドリンクチャネルのパス損失を決定できない恐れがある。本開示のいくつかの実施形態は当該問題の解決方法を提供する。当該方法は、時間ウィンドウ内の平均法と呼ばれて、これについて、以下、
図3、4A、4B、5A及び5Bを参照して、詳しく説明する。
【0091】
図3は本開示のいくつかの実施形態による第1の端末装置110と第2の端末装置120との間の別の例示的な通信プロセス300を示す。通信プロセス300は、
図2の通信プロセス200の別の実施形態と見なされてもよい。議論のために、
図1、4A及び4Bを参照して、通信プロセス300を説明する。ただし、ここで、通信プロセス300は同じように、サイドリンクチャネルによる、2つの端末装置同士の間の通信の他の通信シナリオにも適用される。
【0092】
図4Aは本開示のいくつかの実施形態による例示的なシナリオを示し、第1の端末装置110は複数の参照信号の各測定レポートを第2の端末装置120に送信する。
図4Bは本開示のいくつかの実施形態による例示的なシナリオを示し、第1の端末装置110は第2の端末装置120に単一測定レポートを送信することで、複数の参照信号の平均受信電力をレポートする。
【0093】
図3及び4Aに示すように、時間ウィンドウ405において、第2の端末装置120はサイドリンクチャネル125を介して、複数の参照信号410、135及び420を第1の端末装置110に210で送信する。
図4Aの例示的なシナリオにおいて、時間ウィンドウ405は、複数の参照信号410、135及び420の送信装置としての第2の端末装置120で定義される。時間領域における時間ウィンドウ405の長さ及び位置は、例えば、上位レイヤにより構成される。ここで、
図4A及び4Bの参照信号の数及び測定レポートの数は何ら限定されるものではなく、単に説明を目的とする。他の実施形態において、時間ウィンドウ405は、任意の適切な数の参照信号、及び任意の適切な数の測定レポートを含む。
【0094】
いくつかの実施形態において、複数の参照信号410、135及び420は、サイドリンクチャネル125におけるデータ送信440と関連付けられる場合、時間ウィンドウ405はデータ送信440の時点について、定義される。例えば、シーケンス番号(又はインデックス)がNであるタイムスロットでデータ送信440を実行する場合、時間ウィンドウ405の始点Aは、シーケンス番号が(N-a)であるタイムスロットに定義され、時間ウィンドウ405の終点Bは、シーケンス番号が(N-b)であるタイムスロットに定義され、「N」、「a」及び「b」は整数であり、その値が上位レイヤにより構成される。
【0095】
複数の参照信号410、135及び420を第1の端末装置110に送信した後、第2の端末装置120は、時間ウィンドウ405において、第1の端末装置110が測定した複数の参照信号410、135及び420の平均受信電力を315で決定する。第2の端末装置120が平均受信電力を315で決定するための各種の方式が存在する。第1の選択肢として、第1の端末装置110は参照信号410、135及び420のうちの各参照信号の受信電力を第2の端末装置120にレポートし、第2の端末装置120が平均受信電力を計算する。このように、第1の端末装置110の複雑さを低減させる。代替的に、第2の選択肢として、第1の端末装置110は平均受信電力を計算し、第2の端末装置120にレポートする。従って、第1の端末装置110から第2の端末装置120へ送信される測定レポートの数を減少させる。
【0096】
従って、第2の端末装置120が平均受信電力を315で決定する具体的な形態は、第1の端末装置110が複数の参照信号410、135及び420の測定結果を如何に第2の端末装置120にレポートするか、ということに依存する可能性がある。以下、
図4A及び5Aを参照して、第1の選択肢を詳しく記載し、
図4B及び5Bを参照して、第2の選択肢を詳しく説明する。
【0097】
図5Aは本開示のいくつかの実施形態による第1の端末装置110と第2の端末装置120との間の別の例示的な通信プロセス500を示す。通信プロセス500は、
図3の通信プロセス300の実施形態とみなされてもよい。議論のために、
図1及び4Aを参照して、通信プロセス500を説明する。ただし、ここで、通信プロセス500は同じように、サイドリンクチャネルによる、2つの端末装置同士の間の通信の他の通信シナリオにも適用される。
【0098】
図4A及び5Aに示すように、第1の選択肢において、第1の端末装置110は複数の参照信号410、135及び420について各測定レポートを215で生成してから、第2の端末装置120に220で送信する。言い換えると、複数の参照信号410、135及び420のうちの各参照信号について、第1の端末装置110は、参照信号の受信電力を示す情報を含むように、測定レポートを215で生成する。例えば、第1の端末装置110は、参照信号410の受信電力をレポートするための測定レポート415、参照信号135の受信電力をレポートするための測定レポート155、及び参照信号420の受信電力をレポートするための測定レポート425を215で生成する。そして、第1の端末装置110は測定レポート415、155及び425を第2の端末装置120に220で送信する。
【0099】
これから分かるように、
図4Aの例示において、測定レポート415、425及び155の時間領域順序は、参照信号410、135及び420の送信の時間領域順序と異なる。ただし、本開示の実施形態は同じように、測定レポートが時間領域において参照信号と同様な順序を有する他のシナリオ、或いは1つ又は複数の参照信号が受信装置によって測定されていない他のシナリオに適用され、例えば、第1の端末装置110は参照信号420を測定できない可能性があり、且つ、測定レポート425を送信していなく、測定レポート415及び155のみを送信する。
【0100】
第1の端末装置110は各測定レポート415、425及び155を220で送信した場合、第2の端末装置120は時間ウィンドウ405において第1の端末装置110から、複数の測定レポート415、425及び155を220で受信できる。記載のように、第1の端末装置110はそれぞれ複数の測定レポート415、425及び155を使用して、複数の参照信号410、135及び420の複数の受信電力振幅をレポートする。従って、第2の端末装置120は、第1の端末装置110がレポートした複数の受信電力振幅を平均することで、平均受信電力を510で取得する。
【0101】
以上のように、第1の端末装置110は各種のリソースを使用して、複数の測定レポート410、135及び420を送信する。いくつかの実施形態において、第1の端末装置110はPSSCHの、事前定義された送信リソースのセットにおいて、複数の測定レポート410、135及び420を第1の端末装置110から第2の端末装置120に送信する。例えば、複数の測定レポート410、135及び420は事前定義されたPSSCHリソースにおいて多重化される。代替的又は追加的に、第1の端末装置110はPSSCHの選択した送信リソースのセットにおいて、複数の測定レポート410、135及び420を送信し、第1の端末装置110から第2の端末装置120へ送信される指示で、選択したセットを示してもよい。例えば、複数の測定レポート410、135及び420は、PSSCHに類似するように割り当てられたリソースで送信され、SCIにおける指示は、測定レポートが存在することを示す。
【0102】
代替的又は追加的に、第1の端末装置110はMAC CEにおいて複数の測定レポート410、135及び420を第1の端末装置110から第2の端末装置120に送信する。例えば、MAC CEにおけるフィールドは、レポート対象となるRSRP値を示す。代替的又は追加的に、第1の端末装置110はPSFCHの送信リソースのセットにおいて、複数の測定レポート410、135及び420を第1の端末装置110から第2の端末装置120に送信する。従って、複数の測定レポート410、135及び420を220で送信する送信チャネル又はメッセージに依存して、第2の端末装置120はこれらの送信チャネル又はメッセージのうちの1つから、複数の測定レポート415、425及び155を220で受信できる。
【0103】
図5Bは本開示のいくつかの実施形態による第1の端末装置110と第2の端末装置120との間の別の例示的な通信プロセス550を示す。通信プロセス550は
図3の通信プロセス300の別の実施形態とみなされてもよい。議論のために、
図4Bを参照して、通信プロセス550を説明する。ただし、ここで、通信プロセス550は同じように、サイドリンクチャネルによる、2つの端末装置同士の間の通信の他の通信シナリオにも適用される。
【0104】
図4Bに示すように、
図4Aのシナリオと違って、第1の端末装置110及び第2の端末装置120で時間ウィンドウ405を定義でき、複数の参照信号410、135及び420の単一測定レポート155を生成して、第2の端末装置120に送信する。
図5Bを参照して、測定レポート155を215で生成した場合、第1の端末装置110は測定レポート155を生成するための時間ウィンドウ405を決定できる。そして、第1の端末装置110は、第1の端末装置110が時間ウィンドウ405において測定した複数の参照信号410、135及び420の平均受信電力を取得できる。平均受信電力を取得した場合、第1の端末装置110は、平均受信電力を示す情報を含むように、測定レポート155を生成する。
【0105】
その後、第1の端末装置110は測定レポート155を第2の端末装置120に220で送信する。従って、複数の参照信号410、135及び420の平均受信電力を315で決定した場合、第2の端末装置120は時間ウィンドウ405において(例えば、終点B又はその前)、第1の端末装置110から測定レポート155を220で受信してから、測定レポート155から参照信号410、135及び420の平均受信電力を560で取得する。
【0106】
図4A及び5Aを参照して記載した実施形態に類似して、第1の端末装置110は各種のリソースを使用して、測定レポート135を送信する。例えば、PSSCHの、事前定義された送信リソースのセットにおいて、第1の端末装置110は測定レポート135を第1の端末装置110から第2の端末装置120に送信する。代替的又は追加的に、PSSCHの選択した送信リソースのセットにおいて、第1の端末装置110は測定レポート135を送信し、第1の端末装置110から第2の端末装置120へ送信される指示で、選択したセットを示す。例えば、測定レポート135は、PSSCHに類似するように割り当てられたリソースで、送信され、SCIにおける指示は、測定レポートが存在することを示す。
【0107】
代替的又は追加的に、MAC CEにおいて、第1の端末装置110は測定レポート135を第1の端末装置110から第2の端末装置120に送信する。例えば、MAC CEにおけるフィールドは、レポート対象となるRSRP値を示す。代替的又は追加的に、PSFCHの送信リソースのセットにおいて、第1の端末装置110は測定レポート135を第1の端末装置110から第2の端末装置120に送信する。従って、測定レポート135を220で送信する送信チャネル又はメッセージに依存して、第2の端末装置120はこれらの送信チャネル又はメッセージのうちの1つから測定レポート135を220で受信する。
【0108】
図3に戻って参照すると、複数の参照信号410、135及び420の平均受信電力を315で決定した後、第2の端末装置120は複数の参照信号410、135及び420の平均受信電力と平均送信電力との間の差に基づき、サイドリンクチャネル125のパス損失を320で決定する。いくつかの実施形態において、ここで、平均送信電力及び平均受信電力は既に、時間ウィンドウ405内の複数の参照信号又は測定結果と関連付けられる平均値になる。従って、簡単な選択肢として、第2の端末装置120は直接的に、平均受信電力と平均送信電力との間の差をパス損失として決定できる。代替的に、より正確な方式では、第2の端末装置120は当該差について、レイヤ3フィルタリングを実行することで、パス損失を取得する。例えば、3GPP仕様が指定した式(1)に基づき、レイヤ3フィルタリングを実行してもよい。
【0109】
示したように、伝統的な解決策において、さまざまな原因で、複数の参照信号の送信端末装置は複数の参照信号の受信端末装置から測定レポートを受信する場合、送信端末装置は測定レポートと関連付けられる参照信号を知らない可能性がある。本開示のいくつかの実施形態は当該技術問題を解决する。本開示のこれらの実施形態によれば、複数の参照信号の送信端末装置は測定レポートを受信する場合、送信端末装置は測定レポートと参照信号との間の暗黙的又は明示的なマッピングに基づき、測定レポートと関連付けられる参照信号を決定する。以下、
図6~9を参照して、本開示のこれらの実施形態を詳しく説明する。
【0110】
図6は本開示のいくつかの実施形態による第1の端末装置110と第2の端末装置120との間の別の例示的な通信プロセス600を示す。通信プロセス600は
図2の通信プロセス200の別の実施形態とみなされてもよい。議論のために、
図1を参照して通信プロセス600を説明する。ただし、ここで、通信プロセス600は同じように、サイドリンクチャネルによる、2つの端末装置同士の間の通信の他の通信シナリオにも適用される。
【0111】
図6に示すように、第1の端末装置110測定レポート155を220で送信することで、第1の端末装置110が測定した参照信号135の受信電力をレポートする。いくつかの実施形態において、測定レポート155を受信した場合、測定レポート155が参照信号135に用いられることを第2の端末装置120に知らせるために、測定レポート155の送信方式で測定レポート155と参照信号135との間の関連を暗黙的に示す。従って、測定レポート155の受信装置から見れば、第2の端末装置120は第1の端末装置110から測定レポート155を220で受信する。そして、測定レポート155の送信方式、即ち、測定レポート155の受信方式に基づき、第2の端末装置120は、測定レポート155が参照信号135と関連付けられると決定できる。
【0112】
このような暗黙的な指示の例示として、第1の端末装置110は参照信号、PSSCH及びPSFCHの間の対応関係を利用して、参照信号とその測定レポートとの間の関連を暗黙的に示してもよい。具体的に、サイドリンク通信において、PSSCHとその関連PSFCHとの間には一対一のマッピングが存在する。従って、参照信号135が、第2の端末装置120から第1の端末装置110へのPSSCHと関連付けられる場合、第1の端末装置110はPSFCHにおいて、測定レポート155を第1の端末装置110から、PSSCHと関連付けられる第2の端末装置120に送信する。
【0113】
即ち、PSSCHとその関連PSFCHとの間の関係で、測定レポート155と参照信号135との間の関係を暗黙的に示す。従って、参照信号135のPSSCHと、測定レポート155を送信するPSFCHとの間の関連に基づき、測定レポート155の受信装置としての第2の端末装置120は、測定レポート155が参照信号135に用いられると決定できる。以下、
図7を参照して、このような暗黙的な指示を詳しく説明する。
【0114】
図7は本開示のいくつかの実施形態による参照信号及び関連測定レポートを送信するための例示的なリソース分布を示し、測定レポートは、参照信号と関連付けられるPSSCHに対応付けられたPSFCHにおいて送信される。
図7において、水平軸は時間領域を示し、垂直軸は周波数領域を示し、各ブロックは時間周波数リソース、例えば、タイムスロット及びサブチャネルのリソースを示す。
【0115】
図面に示すように、第2の端末装置120は第1のPSSCHリソース710において、第1の参照信号(例えば、参照信号135)を送信し、第2のPSSCHリソース720において、第2の参照信号を送信する。第1のPSSCHリソース710が第1のPSFCHリソース715と関連付けられ、第2のPSSCHリソース720が第2のPSFCHリソース725と関連付けられると仮定する。従って、第1の端末装置110は第1のPSFCHリソース715において、第1の参照信号の第1の測定レポート(例えば、測定レポート155)を送信し、第2のPSFCHリソース725において、第2の参照信号の第2の測定レポートを送信する。このように、第1のPSFCHリソース715において第1の測定レポートを受信した場合、第2の端末装置120は、第1の測定レポートが、第1のPSSCHリソース710において送信される第1の参照信号に用いられると決定できる。類似するように、第2のPSFCHリソース725において第2の測定レポートを受信した場合、第2の端末装置120は、第2の測定レポートが、第2のPSSCHリソース720において送信される第2の参照信号に用いられると決定できる。
【0116】
いくつかの実施形態において、PSFCHにおいて測定レポート155を送信するために、測定レポート155のレポート対象となる値に基づき、第1の端末装置110はPSFCHの送信対象となるビットシーケンスについて、巡回シフト(cyclic shift)を実行して、シフトビットシーケンス(シフトされたビットシーケンス)を取得する。そして、第1の端末装置110はPSFCHにおいて、シフトビットシーケンスを第2の端末装置120に送信する。従って、第2の端末装置120はPSFCHについて復号化を行って、シフトビットシーケンスを取得してから、シフトビットシーケンスに基づき、測定レポート155のレポート対象となる値を決定する。このように、測定レポート155のレポート対象となる値を示すために、PSFCHを介して送信しようとするより多くの情報ビットを追加する必要がない。
【0117】
暗黙的な指示の別の例示として、第2の端末装置120及び第1の端末装置110はそれぞれ時間周波数リソースの2つの対応する順序セット(ordered set)を利用して、参照信号及び測定レポートを送信する。具体的に、第1の順序セット及び第2の順序セットは同一数の時間周波数リソースを有し、第1の順序セットにおける各時間周波数リソースはそれぞれ第2の順序セットにおける各時間周波数リソースと関連付けられる。従って、第1の順序セットにおける時間周波数リソースと第2の順序セットにおける時間周波数リソースとは、一対一のマッピングを有する。以下、
図8を参照して、このような暗黙的な指示を詳しく説明する。
【0118】
図8は本開示のいくつかの実施形態による参照信号及び関連測定レポートを送信するための別の例示的なリソース分布を示し、時間周波数リソースの2つの順序セットは、参照信号及び関連測定レポートを送信する。
図8において、水平軸は時間領域を示し、垂直軸は周波数領域を示し、各ブロックは時間周波数リソースを示す。
【0119】
図8に示すように、時間周波数リソースの第1の順序セットはリソース810、リソース812、リソース814、リソース816、リソース818、リソース820、リソース822、リソース824、リソース826、リソース828、リソース830及びリソース832を含む。時間周波数リソースの第2の順序セットはリソース840、リソース842、リソース844、リソース846、リソース850、リソース852、リソース854、リソース856、リソース858、リソース860及びリソース862を含む。
【0120】
ここで、
図8の第1の順序セットにおけるリソース数、及び第2の順序セットにおけるリソース数は何ら限定されるものではなく、単に説明を目的とする。他の実施形態において、第1の順序セットは任意の適切な数の時間周波数リソースを含み、第2の順序セットは任意の適切な数の時間周波数リソースを含む。また、第2の順序セットにおける時間周波数リソースのうちの各時間周波数リソースのサイズを、第1の順序セットにおける時間周波数リソースのうちの各時間周波数リソースのサイズの一部として示されているが、第1の順序セットにおける各リソースのサイズと、第2の順序セットにおける各リソースのサイズとは任意の適切な関係を有してもよい。さらに、第1の順序セットと第2の順序セットとの間の位置関係は示されている位置関係に限定されず、任意の適切な位置関係であってもよい。
【0121】
図8の例示において、リソース810はリソース840に対応し、リソース812はリソース842に対応し、リソース814はリソース844に対応し、リソース816はリソース846に対応し、リソース818はリソース848に対応し、リソース820はリソース850に対応し、リソース822はリソース852に対応し、リソース824はリソース854に対応し、リソース826はリソース856に対応し、リソース828はリソース858に対応し、リソース830はリソース860に対応し、リソース832はリソース862に対応する。
【0122】
この場合、測定レポート155を220で送信する場合、第1の端末装置110は、参照信号135が時間周波数リソースの第1の順序セットにおける第1の時間周波数リソース(例えば、リソース820)で送信されると決定された場合、第1の端末装置110は、第1の順序セットにおける第1の時間周波数リソースのシーケンス番号、例えば第6を決定できる。そして、シーケンス番号(例えば、第6)に基づき、第1の端末装置110は時間周波数リソースの第2の順序セットから、第2の時間周波数リソース(例えば、リソース850)を選択する。その後、第1の端末装置110は第2の時間周波数リソース850において、測定レポート155を送信する。
【0123】
図8の例示において、第1の順序セット及び第2の順序セットはリソースプールに由来すると仮定する。測定レポートは、N個タイムスロットごとの末端(end)タイムスロットにおいて送信されるように構成され、当該例示において、Nは5に等しい。ただし、測定レポートは、他のタイムスロット(例えば、開始タイムスロット)において送信されるように構成されてもよい。
図8の例示において、第1の順序セットの順序のマッピングルールは以下の通り、即ち、まず、時間領域を考慮し、そして、周波数領域を考慮する。ただし、他の実施形態において、当該順序を逆にしてもよい。即ち、まず、周波数領域を考慮し、そして、時間領域を考慮する。より一般的に、第1の順序セットにおけるリソースは任意の順序を有してもよい。
【0124】
上記の暗黙的な指示の代替解決策として、第1の端末装置110は測定レポート155において、測定レポート155と参照信号135との間の関連を明示的に示す。例えば、第1の端末装置110は、第1の端末装置110が測定レポート155によって参照信号135を測定する際の時点を第2の端末装置120に通知することで、測定レポート155を受信した場合、測定レポート155が示す時点で送信される参照信号135に用いられることを、第2の端末装置120に知らせる。以下、
図9を参照して、このような明示的な指示を詳しく説明する。
【0125】
図9は本開示のいくつかの実施形態による参照信号及び関連測定レポートを送信するための別の例示的なリソース分布を示し、測定レポートは関連参照信号の時間情報を含む。
図9において、水平軸は時間領域を示し、垂直軸は周波数領域を示し、各ブロックは時間周波数リソースを示す。
図9に示すように、第2の端末装置120はリソース910において第1の参照信号(例えば、参照信号135)を送信し、リソース920において第2の参照信号を送信する。第1の端末装置110はリソース915において第1の参照信号の第1の測定レポート(例えば、測定レポート155)を送信し、リソース925において第2の参照信号の第2の測定レポートを送信する。いくつかの実施形態において、第1の装置110のリソースプールと、第2の装置120のリソースプールとは異なってもよい。
【0126】
この場合、測定レポート15を215で生成する場合、第1の端末装置110は、第1の端末装置110が参照信号135を測定する時点、例えばリソース910の時点を決定する。そして、第1の端末装置110は、リソース910の時点を示す情報を含むように、測定レポート155 を215で生成する。類似方式では、第1の端末装置110は、指示リソース920の時点を示す情報を含むように、第2の測定レポートを生成する。いくつかの実施形態において、当該情報はリソース910のタイムスロットのインデックスを含む。例えば、タイムスロットのインデックス範囲は0~10239であってもよい。
【0127】
参照信号135の時点の指示の代わりとして、測定レポート15を215で生成する場合、第1の端末装置110は、第1の端末装置110が参照信号135を測定する第1の時点(例えば、リソース910の時点)を決定する。また、第1の端末装置110は、第1の端末装置110が測定レポートを送信する第2の時点(例えば、リソース915の時点)を決定する。そして、第1の端末装置110は、第1の時点と第2の時点との間の時間差を示す情報を含むように、測定レポート155を生成する。
【0128】
類似方式では、第1の端末装置110は、リソース920の第1の時点とリソース925の第2の時点との間の時間差を示す情報を含むように、第2の測定レポートを生成する。いくつかの実施形態において、参照信号135を送信するタイムスロットと、測定レポートを送信するタイムスロットとの間のタイムスロットのずれで、時間差を示す。代替的に、測定レポート155を送信する時点と、参照信号135を送信する時点との間の絶対時間のずれ(ミリ秒又は秒を単位とする)で、時間差を示す。
【0129】
いくつかの実施形態において、MAC CEにおいて測定レポート155を送信する場合、MAC CEにおけるフィールドは、関連参照信号の時間情報を示してもよい。例えば、時間情報は、参照信号135を送信するためのリソースのタイムスロットインデックスであってもよいし、又は参照信号135を送信するタイムスロットと、測定レポートを送信するタイムスロットとの間のタイムスロットのずれであってもよい。また、MAC CEにおけるフィールドは、測定レポート155のレポート対象となる値を示してもよい。
【0130】
図6に戻って参照すると、第1の端末装置110から220測定レポート155を受信した後、第2の端末装置120は参照信号135の送信電力を610で決定する。第2の端末装置120が送信電力を610で決定する方式は、第1の端末装置110による測定レポート155の送信方式(暗黙的な指示の場合について)、又は測定レポート155のコンテンツ(明示的な指示の場合について)に依存する。
【0131】
例えば、
図7を参照して記載した実施形態において、第2の端末装置120はPSFCHにおいて測定レポート155を受信した場合(例えば、
図7のリソース715において送信する)、第2の端末装置120はPSFCHと関連付けられるPSSCH(例えば、
図7のリソース710において送信する)を決定できる。そして、例えば、第2の端末装置120はPSSCHと関連付けられる参照信号135の送信電力を決定できる。なぜならば、参照信号135はリソース710において送信されるためである。
【0132】
図8を参照して説明した実施形態において、第2の端末装置120は時間周波数リソースの第2の順序セットにおける第2の時間周波数リソース(例えば、リソース850)において測定レポート155を受信した場合、第2の端末装置120は、第2の順序セットにおける第2の時間周波数リソースのシーケンス番号(例えば第6)を決定できる。そして、シーケンス番号(例えば、第6)に基づき、第2の端末装置120は時間周波数リソースの第2の順序セットにおける第1の時間周波数リソース(例えば、リソース820)を決定できる。その後、参照信号135の送信電力は第1の時間周波数リソース(例えば、リソース820)において送信されるため、第2の端末装置120はそれを決定できる。
【0133】
図9を参照して記載した実施形態において、第2の端末装置120は測定レポート155において、第2の端末装置120が参照信号135を送信する第1の時点(例えば、リソース910のタイムスロット番号)を決定できる。そして、第2の端末装置120は第1の時点(例えば、リソース910のタイムスロット番号)で送信する参照信号135の送信電力を取得できる。
【0134】
代替的に、第2の端末装置120は、第2の端末装置120が測定レポート135を受信する第2の時点(例えば、リソース915的タイムスロット番号)を決定できる。そして、第2の端末装置120は測定レポート155において、第1の時点(例えば、リソース910のタイムスロット番号)と第2の時点(例えば、リソース915のタイムスロット番号)との間の時間差(例えば、4)を決定できる。その後、第2の時点(例えば、リソース915のタイムスロット番号)及び時間差(例えば、4)に基づき、第2の端末装置120は第1の時点(例えばリソース910のタイムスロット番号)を決定できる。そして、第2の端末装置120は、第1の時点(例えば、リソース910のタイムスロット番号)で送信する参照信号135の送信電力を取得できる。
【0135】
図6に戻って参照すると、測定レポート55でレポートされた参照信号135の受信電力、及び決定された参照信号135の送信電力に基づき、第2の端末装置120はサイドリンクチャネル125のパス損失を620で決定する。いくつかの実施形態において、第2の端末装置120は受信電力と送信電力との間の差を決定してから、当該差について、レイヤ3フィルタリングを実行することで、パス損失を取得する。例えば、3GPP仕様が指定した式(1)に基づき、レイヤ3フィルタリングを実行する。
【0136】
代替的に、第2の端末装置120は、まず、第2の端末装置120から第1の端末装置110に送信された前の参照信号の前の送信電力を決定できる。そして、第2の端末装置120は送信電力及び前の送信電力を利用して、受信電力を調整することで、調整した受信電力を取得する。一般的に、第2の端末装置120は任意の適切な調整方法を利用して、受信電力を調整できる。例えば、以下の式(2)に基づき、受信電力を調整してもよい。
【数2】
ここで、RSRP_adjustedは参照信号135の調整した受信電力を示し、RSRP(i)は参照信号135の測定された受信電力を示し、EPRE
iは参照信号135の送信電力を示し、EPRE
i-1は前の参照信号の前の送信電力を示し、αは0より大きく且つ1より小さい構成可能な値を示し、例えば、1/2
(k/4)である。
【0137】
受信電力を調整した後、第2の端末装置120は調整した受信電力について、レイヤ3フィルタリングを実行することで、フィルタリングした受信電力を取得する。例えば、以下の式(3)で当該オペレーションを表現できる。
【数3】
ここで、RSRP_filtered(i)は参照信号135のフィルタリングした受信電力を示し、RSRP(i)は参照信号135の測定された受信電力を示し、RSRP(i-1)は前の参照信号の前のフィルタリングした受信電力を示し、EPRE
iは参照信号135の送信電力を示し、EPRE
i-1は前の参照信号の前の送信電力を示し、αは0より大きく且つ1より小さい構成可能な値を示し、例えば、1/2
(k/4)である。
【0138】
フィルタリングした受信電力を取得した後、送信電力とフィルタリングした受信電力との間の差に基づき、第2の端末装置120はパス損失を決定する。例えば、EPREi-RSRP_filtered(i)でパス損失を表現する。
【0139】
上記のように、第1の端末装置110が測定した参照信号135の受信電力を利用して、サイドリンクチャネル125のパス損失を決定する前、第2の端末装置120は参照信号135の受信電力についてレイヤ3フィルタリングを実行することで、フィルタリングした受信電力を取得し、実際、第2の端末装置120によって、サイドリンクチャネル125のパス損失の決定に用いられる。いくつかの実施形態において、参照信号135の送信端末装置としての第2の端末装置120ではなく、参照信号135の受信端末装置としての第1の端末装置110で当該レイヤ3フィルタリングを実行する。このように、参照信号の送信装置の複雑さを低減させる。以下、
図10を参照して、これらの実施形態を詳しく説明する。
【0140】
図10は本開示のいくつかの実施形態による第1の端末装置110と第2の端末装置120との間の別の例示的な通信プロセス1000を示す。通信プロセス1000は
図2の通信プロセス200の別の実施形態とみなされてもよい。議論のために、
図1を参照して、通信プロセス1000を説明する。ただし、ここで、通信プロセス1000は同じように、サイドリンクチャネルによる、2つの端末装置同士の間の通信の他の通信シナリオにも適用される。
【0141】
図10に示すように、第1の端末装置110がレイヤ3フィルタリングを実行できるようにするために、第2の端末装置120は第1の端末装置110に情報を1010で送信することで、第1の端末装置110は、第1の端末装置110が測定した参照信号135の受信電力について、レイヤ3フィルタリングを実行する。ここで、当該情報は、第1の端末装置110がレイヤ3フィルタリングを実行できるようにするための任意の情報であってもよく、情報のコンテンツは、第1の端末装置110によるレイヤ3フィルタリングの実行方式に依存する。例えば、当該情報は参照信号135の送信電力情報を含む。
【0142】
具体的には、例示として、当該情報は、第1の端末装置110と第2の端末装置120との間が共有する参照信号135の送信電力、及び参照信号135の参照送信電力を含む。従って、第1の端末装置110は送信電力及び参照送信電力を利用して、参照信号135が測定した受信電力について、レイヤ3フィルタリングを実行する。いくつかの実施形態において、第2の端末装置120は、例えば、より高いレイヤのシグナリングを介して、第1の端末装置110に参照送信電力を通知する。他のいくつかの実施形態において、ネットワーク装置130は参照送信電力を決定し、例えば、より高いレイヤのシグナリングを介して、第1の端末装置110及び第2の端末装置120に参照送信電力を通知する。参照信号135を測定するためのタイミングで使用するSCI又はより高いレイヤのシグナリングを介して、参照送信電力を含む情報を送信する。
【0143】
代替的に、別の例示として、当該情報は、参照信号135の送信電力、及び第2の端末装置110から第1の端末装置120に送信された前の参照信号の前の送信電力を含む。この場合、第1の端末装置110は送信電力及び前の送信電力を利用して、参照信号135が測定した受信電力について、レイヤ3フィルタリングを実行する。参照信号135を測定するためのタイミングで使用する物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH:physical sidelink control channel)/PSSCH又はより高いレイヤのシグナリングを介して、前の送信電力を含む情報を送信する。
【0144】
第2の端末装置120から情報を1010で受信した後、当該情報に基づき、第1の端末装置110は、参照信号135のフィルタリングした受信電力を含むように、測定レポート155を215で生成する。第1の端末装置110が参照信号135の受信電力についてレイヤ3フィルタリングを実行する具体的な方式は、情報の特定コンテンツに依存する。いくつかの実施形態において、第1の端末装置110は、まず、第1の端末装置110が測定した参照信号135の受信電力を調整することで、調整した受信電力を取得する。このような受信電力についての調整は、正規化とも呼ばれるため、調整した受信電力は、正規化受信電力とも呼ばれる。
【0145】
第2の端末装置120から受信した情報の異なるコンテンツについて、受信電力の調整は異なってもよい。情報は参照送信電力及び送信電力を含む場合、第1の端末装置110は送信電力及び参照送信電力を使用して、受信電力を調整する。例えば、以下の式(4)で、参照信号135の調整した受信電力を取得する。
【数4】
ここで、RSRP_adjustedは参照信号135の調整した受信電力を示し、RSRP_measuredは参照信号135の測定された受信電力を示し、EPRE_referenceは参照信号135の参照送信電力を示し、EPRE_indicatedは参照信号135の送信電力を示す。
【0146】
ここで、以上の式(4)は何ら限定するものではなく、参照信号135の受信電力の調整を例示するのみである。他のいくつかの実施形態において、第1の端末装置110は他の任意の適切な数学演算又は非数学的な方式で、調整を実行してもよい。また、上記に示すように、代替的に、第2の端末装置120ではなく、ネットワーク装置130によって、参照送信電力を第1の端末装置110に通知する。参照送信電力の情報の提供側に関係なく、第1の端末装置110は、第1の端末装置110と第2の端末装置120との間が共有する参照信号135の参照送信電力を決定できる。
【0147】
代替的に、第1の端末装置110が第2の端末装置120から受信した情報は、送信電力及び前の送信電力を含む場合、第1の端末装置110は送信電力及び前の送信電力を使用して、受信電力を調整できる。例えば、以下の式(5)で、参照信号135の調整した受信電力を取得する。
【数5】
ここで、RSRP_adjustedは参照信号135の調整した受信電力を示し、RSRP_measuredは参照信号135の測定された受信電力を示し、EPRE_indicated(n)は参照信号135の送信電力を示し、EPRE_indicated(n-1)は前の参照信号の前の送信電力を示し、αは0より大きく且つ1より小さい構成可能な値を示し、例えば、1/2
(k/4)である。
【0148】
参照信号135の調整した受信電力を取得した後、第1の端末装置110は調整した受信電力について、レイヤ3フィルタリングを実行することで、フィルタリングした受信電力を取得する。第1の端末装置110はさまざまな方式で、レイヤ3フィルタリングを実行する。いくつかの実施形態において、以下の式(6)に基づき、レイヤ3フィルタリングを実行する。
【数6】
ここで、RSRP(n)は参照信号135のフィルタリングした受信電力を示し、RSRP(n-1)は前の参照信号のフィルタリングした受信電力を示し、αは0より大きく且つ1より小さい構成可能な値を示し、例えば、1/2
(k/4)である。
【0149】
参照信号135のフィルタリングした受信電力を取得した場合、第1の端末装置110はフィルタリングした受信電力を示す情報を含むように、測定レポート155を215で生成する。そして、第1の端末装置110は、参照信号135のフィルタリングした受信電力を含む測定レポート155を第2の端末装置120に送信する。従って、受信側から見れば、第2の端末装置120は第1の端末装置110から測定レポート155を220で受信する。
【0150】
フィルタリングした受信電力を示す測定レポート155を受信する場合、参照信号135のフィルタリングした受信電力、及び第2の端末装置120から第1の端末装置110に送信された情報に基づき、第2の端末装置120はサイドリンクチャネル125のパス損失を1020で決定する。例えば、当該情報は参照送信電力及び送信電力を含む場合、第2の端末装置120は参照送信電力とフィルタリングした受信電力との間の差をパス損失として決定できる。代替的に、当該情報は送信電力及び前の送信電力を含む場合、第2の端末装置120は送信電力とフィルタリングした受信電力との間の差をパス損失として決定する。
【0151】
図11は本開示のいくつかの実施形態による例示的な方法1100のフローチャートを示す。いくつかの実施形態において、端末装置、例えば、
図1の第1の端末装置110で方法1100を実施する。追加的又は代替的に、第2の端末装置、又は
図1に示されていない他の端末装置で方法1100を実施してもよい。議論のために、
図1を参照して、一般性を失うことなく、第1の端末装置110が方法1100を実行するように説明される。
【0152】
ブロック1110において、第1の端末装置110は、第2の端末装置120からサイドリンクチャネルを経由する参照信号を測定することで、測定レポートを生成する。ブロック1120において、第1の端末装置110はレポート基準に基づき、測定レポートを第2の端末装置120に送信するかどうかを決定する。ブロック1130において、測定レポートの送信を決定したことに応じて、第1の端末装置110は測定レポートを第2の端末装置120に送信することで、第2の端末装置120は測定レポートに基づき、サイドリンクチャネルのパス損失を決定する。
【0153】
いくつかの実施形態において、レポート基準は、第2の端末装置120がサイドリンクチャネルのパス損失を使用して、送信電力の制御を実行することと、サイドリンクチャネルの推定パス損失が第1の閾値を下回ることと、第2の端末装置120と、第2の端末装置120と通信するネットワーク装置130との間の通信チャネルのパス損失が第2の閾値を超えることと、サイドリンクチャネルの実行対象となるサイドリンクデータ送信の優先度が第3の閾値を超えることと、のうちの少なくとも1つを含む。
【0154】
いくつかの実施形態において、測定レポートを生成することは、測定基準に基づき、参照信号を測定するかどうかを決定することと、参照信号を測定すると決定したことに応じて、測定レポートを生成することと、を含む。
【0155】
いくつかの実施形態において、レポート基準は、第2の端末装置120がサイドリンクチャネルのパス損失を使用して、送信電力の制御を実行することと、サイドリンクチャネルの推定パス損失が第1の閾値を下回ることと、第2の端末装置120と、第2の端末装置120と通信するネットワーク装置130との間の通信チャネルのパス損失が第2の閾値を超えることと、サイドリンクチャネルの実行対象となるサイドリンクデータ送信の優先度が第3の閾値を超えることと、のうちの少なくとも1つを含む。
【0156】
いくつかの実施形態において、参照信号を測定することは、第1の端末装置110の複数のアンテナポートのうちの1つのアンテナポートを介して受信した参照信号の受信電力を測定することと、第1の端末装置110の複数のアンテナポートを介して受信した参照信号の平均受信電力を測定することと、のうちの少なくとも1つを含む。
【0157】
いくつかの実施形態において、参照信号を測定することは、参照信号が、サイドリンクチャネルを経由するサイドリンクデータ送信と関連付けられることに応じて、参照信号の受信電力を測定することと、第2の端末装置120から、参照信号の受信電力が測定対象となる指示を受信したことに応じて、参照信号の受信電力を測定することと、複数の参照信号から参照信号を選択することで受信電力を測定することに応じて、参照信号の受信電力を測定することと、参照信号に基づき、サイドリンクチャネルのチャネル状態情報を測定することに応じて、参照信号の受信電力を測定することと、のうちの少なくとも1つを含む。
【0158】
いくつかの実施形態において、測定レポートを生成することは、参照信号の受信電力を示す情報を含むように、測定レポート生成することを含む。
【0159】
いくつかの実施形態において、測定レポートを生成することは、測定レポートを生成するための時間ウィンドウを決定することと、複数の参照信号の平均受信電力を取得することであって、当該複数の参照信号は、時間ウィンドウにおいて、第1の端末装置110が測定した参照信号を含むことと、平均受信電力を示す情報を含むように、測定レポートを生成することと、を含む。
【0160】
いくつかの実施形態において、測定レポートは、第1の端末装置110から第2の端末装置120へのPSSCHについて、事前定義された送信リソースのセットと、PSSCHについて選択した、送信リソースのセットであって、選択したセットが第1の端末装置110から第2の端末装置120に送信される指示で、示されるセットと、第1の端末装置110から第2の端末装置120に送信されるMAC CEと、第1の端末装置110から第2の端末装置120へのPSFCHについての送信リソースのセットとのうちの少なくとも1つで、送信される。
【0161】
いくつかの実施形態において、測定レポートを送信することは、参照信号が、第2の端末装置120から第1の端末装置110へのPSSCHと関連付けられることに応じて、PSSCHと関連付けられる、第1の端末装置110から第2の端末装置120へのPSFCHにおいて測定レポートを送信することを含む。
【0162】
いくつかの実施形態において、PSFCHにおいて測定レポートを送信することは、測定レポートのレポート対象となる値に基づき、PSFCHの送信対象となるビットシーケンスについて、巡回シフトを実行することで、シフトしたビットシーケンスを取得することと、PSFCHにおいて、第2の端末装置120にシフトしたビットシーケンスを送信することと、を含む。
【0163】
いくつかの実施形態において、測定レポートを送信することは、時間周波数リソースの第1の順序セットにおける第1の時間周波数リソースにおいて、参照信号を送信することに応じて、第1の順序セットにおける第1の時間周波数リソースのシーケンス番号を決定することと、シーケンス番号に基づき、時間周波数リソースの第2の順序セットから第2の時間周波数リソースを選択することであって、第2の順序セットにおける各時間周波数リソースがそれぞれ第1の順序セットにおける各時間周波数リソースと関連付けられることと、第2の時間周波数リソースにおいて、測定レポートを送信することと、を含む。
【0164】
いくつかの実施形態において、測定レポートを生成することは、第1の端末装置110が参照信号を測定する第1の時点を決定することと、第1の時点を示す情報を含むように、測定レポートを生成することと、を含む。
【0165】
いくつかの実施形態において、測定レポートを生成することは、第1の端末装置110が参照信号を測定する第1の時点を決定することと、第1の端末装置110が測定レポートを送信する第2の時点を決定することと、第1の時点と第2の時点との間の時間差を示す情報を含むように、測定レポートを生成することと、を含む。
【0166】
いくつかの実施形態において、測定レポートを生成することは、第1の端末装置110が測定した参照信号の受信電力を調整することで、調整した受信電力を取得することと、調整した受信電力について、レイヤ3フィルタリングを実行することで、フィルタリングした受信電力を取得することと、フィルタリングした受信電力を示す情報を含むように、測定レポートを生成することと、を含む。
【0167】
いくつかの実施形態において、受信電力を調整することは、第1の端末装置110と第2の端末装置120との間が共有する参照信号の参照送信電力を決定することと、参照信号の送信電力を示す情報を第2の端末装置120から受信することと、送信電力及び参照送信電力を使用して、受信電力を調整することと、を含む。
【0168】
いくつかの実施形態において、受信電力を調整することは、参照信号の送信電力及び前の参照信号の前の送信電力を示す情報を第2の端末装置120から受信することであって、前の参照信号は第2の端末装置120から第1の端末装置110に送信されることと、送信電力及び前の送信電力を使用して、受信電力を調整することと、を含む。
【0169】
いくつかの実施形態において、方法1100は、参照信号の送信電力を示す情報を第2の端末装置120から受信することと、送信電力と、第1の端末装置110が測定した参照信号の受信電力との間の差に基づき、送信電力の制御を実行することと、をさらに含む。
【0170】
いくつかの実施形態において、測定レポートを送信することは、測定レポートのレポート対象となる値と、前のレポートのレポート対象となる前の値との間の差が、第4の閾値を超えることに応じて、測定レポートを送信すること、又は測定レポートを含む複数の測定レポートを周期的に送信すること、を含む。
【0171】
図12は本開示のいくつかの実施形態による別の例示的な方法1200のフローチャートを示す。いくつかの実施形態において、端末装置、例えば、
図1の第2の端末装置120で方法1200を実施する。追加的又は代替的に、第1の端末装置110又は
図1に示されていない他の端末装置で、方法1200を実施してもよい。議論のために、
図1を参照して、一般性を失うことなく、第2の端末装置120が方法1200を実行するように説明される。
【0172】
ブロック1210において、第2の端末装置120はサイドリンクチャネルを介して、時間ウィンドウにおいて複数の参照信号を第1の端末装置110に送信する。ブロック1220において、第2の端末装置120は、第1の端末装置110が時間ウィンドウにおいて測定した複数の参照信号の平均受信電力を決定する。ブロック1230において、複数の参照信号の平均受信電力と平均送信電力との間の差に基づき、第2の端末装置120はサイドリンクチャネルのパス損失を決定する。
【0173】
いくつかの実施形態において、平均受信電力を決定することは、時間ウィンドウにおいて、複数の測定レポートを第1の端末装置110から受信することであって、当該複数の測定レポートは複数の参照信号の複数の受信電力振幅をそれぞれレポートすることと、複数の受信電力振幅を平均することで、平均受信電力を取得することと、を含む。
【0174】
いくつかの実施形態において、複数の測定レポートは、第1の端末装置110から第2の端末装置120へのPSSCHについて、事前定義された送信リソースのセットと、PSSCHについて選択した、送信リソースのセットであって、第1の端末装置110から第2の端末装置120に送信される指示で、選択したセットを示すセットと、第1の端末装置110から第2の端末装置120に送信されるMAC CEと、第1の端末装置110から第2の端末装置120へのPSFCHについての送信リソースのセットとのうちの少なくとも1つで、受信される。
【0175】
いくつかの実施形態において、平均受信電力を決定することは、時間ウィンドウにおいて、平均受信電力をレポートするための測定レポートを第1の端末装置110から受信することと、平均受信電力を測定レポートから取得することと、を含む。
【0176】
いくつかの実施形態において、測定レポートは、第1の端末装置110から第2の端末装置120へのPSSCHについて、事前定義された送信リソースのセットと、PSSCHについて選択した、送信リソースのセットであって、第1の端末装置110から第2の端末装置120へ送信される指示で、選択したセットを示すセットと、第1の端末装置110から第2の端末装置120に送信されるMAC CEと、第1の端末装置110から第2の端末装置120へのPSFCHについての送信リソースのセットとのうちの、少なくとも1つで、受信される。
【0177】
いくつかの実施形態において、パス損失を決定することは、平均受信電力と平均送信電力との間の差をパス損失として決定すること、又は差について、レイヤ3フィルタリングを実行することで、パス損失を取得すること、を含む。
【0178】
図13は本開示のいくつかの実施形態による別の例示的な方法1300のフローチャートを示す。いくつかの実施形態において、端末装置、例えば、
図1の第2の端末装置120で、方法1300を実施する。追加的又は代替的に、第1の端末装置110、又は
図1に示されていない他の端末装置で、方法1300を実施してもよい。議論のために、
図1を参照して、一般性を失うことなく、第2の端末装置120が方法1300を実行するように説明される。
【0179】
ブロック1310において、第2の端末装置120は、第1の端末装置110が測定した参照信号の受信電力をレポートするための測定レポートを第1の端末装置110から受信する。参照信号がサイドリンクチャネルを介して、第2の端末装置から第1の端末装置に送信される。ブロック1320において、第2の端末装置120は参照信号の送信電力を決定する。ブロック1330において、第2の端末装置120は受信電力及び送信電力に基づき、サイドリンクチャネルのパス損失を決定する。
【0180】
いくつかの実施形態において、送信電力を決定することは、PSFCHにおいて測定レポートを受信したことに応じて、PSFCHと関連付けられるPSSCHを決定することと、PSSCHと関連付けられる参照信号の送信電力を決定することと、を含む。
【0181】
いくつかの実施形態において、送信電力を決定することは、時間周波数リソースの第2の順序セットにおける第2の時間周波数リソースで、測定レポートを受信したことに応じて、第2の順序セットにおける第2の時間周波数リソースのシーケンス番号を決定することと、シーケンス番号に基づき、時間周波数リソースの第1の順序セットにおける第1の時間周波数リソースを決定することであって、第1の順序セットにおける各時間周波数リソースがそれぞれ第2の順序セットにおける各時間周波数リソースと関連付けられることと、第1の時間周波数リソースで送信される参照信号の送信電力を決定することと、を含む。
【0182】
いくつかの実施形態において、送信電力を決定することは、測定レポートにおいて、第2の端末装置120が参照信号を送信する第1の時点を決定することと、第1の時点で送信される参照信号の送信電力を取得することと、を含む。
【0183】
いくつかの実施形態において、送信電力を決定することは、第2の端末装置120が測定レポートを受信する第2の時点を決定することと、測定レポートにおいて、第1の時点と第2の時点との間の時間差を決定することと、第2の時点及び時間差に基づき、第1の時点を決定することと、第1の時点で送信される参照信号の送信電力を取得することと、を含む。
【0184】
いくつかの実施形態において、パス損失を決定することは、受信電力と送信電力との間の差を決定することと、差について、レイヤ3フィルタリングを実行することで、パス損失を取得することと、を含む。
【0185】
いくつかの実施形態において、パス損失を決定することは、第2の端末装置120から第1の端末装置110に送信される前の参照信号の前の送信電力を決定することと、送信電力及び前の送信電力を使用して、受信電力を調整することで、調整した受信電力を取得することと、送信電力とフィルタリングした受信電力との間の差に基づき、パス損失を決定することと、を含む。
【0186】
図14は本開示のいくつかの実施形態による別の例示的な方法1400のフローチャートを示す。いくつかの実施形態において、端末装置、例えば、
図1の第2の端末装置120で、方法1400を実施する。追加的又は代替的に、第1の端末装置110、又は
図1に示されていない他の端末装置で、方法1400を実施してもよい。議論のために、
図1を参照して、一般性を失うことなく、第2の端末装置120が方法1400を実行するように説明される。
【0187】
ブロック1410において、第2の端末装置120は第1の端末装置110に情報を送信することで、第1の端末装置110は、第1の端末装置110が測定した参照信号の受信電力について、レイヤ3フィルタリングを実行する。参照信号はサイドリンクチャネルを介して、第2の端末装置120から第1の端末装置110に送信される。ブロック1420において、第2の端末装置120は、フィルタリングした受信電力をレポートするための測定レポートを第1の端末装置110から受信する。ブロック1430において、第2の端末装置120は当該情報及びフィルタリングした受信電力に基づき、サイドリンクチャネルのパス損失を決定する。
【0188】
いくつかの実施形態において、当該情報は、参照信号の送信電力と、第1の端末装置110と第2の端末装置120との間が共有する参照信号の参照送信電力と、を含む。
【0189】
いくつかの実施形態において、パス損失を決定することは、参照送信電力とフィルタリングした受信電力との間の差をパス損失として決定することを含む。
【0190】
いくつかの実施形態において、当該情報は、参照信号の送信電力と、第2の端末装置120から第1の端末装置110に送信される前の参照信号の前の送信電力とを含む。
【0191】
いくつかの実施形態において、パス損失を決定することは、送信電力とフィルタリングした受信電力との間の差をパス損失として決定することを含む。
【0192】
図15は本開示のいくつかの実施形態を実施できる装置1500の簡略化ブロック図である。装置1500は
図1の第1の端末装置110、第2の端末装置120及びネットワーク装置130の別の例示的な実施形態とみなされてもよい。従って、装置1500は第1の端末装置110、第2の端末装置120及びネットワーク装置130で実施されてもよいし、又はその少なくとも一部として実施されてもよい。
【0193】
図面に示すように、装置1500はプロセッサー1510、プロセッサー1510に結合されるメモリ1520、プロセッサー1510に結合される適切な送信機(TX)、受信機(RX)1540、及びTX/RX 1540に結合される通信インターフェースを含む。メモリ1520はプログラム1530の少なくとも一部を記憶する。TX/RX 1540は双方向通信に用いられる。TX/RX 1540は、通信を促進するための少なくとも1つのアンテナを有するが、実際、本出願に言及されたアクセスノードは複数のアンテナを有する可能性がある。通信インターフェースは、他のネットワークエレメントと通信するための任意のインターフェース、例えば、gNB又はeNBの間の双方向通信のためのX2インターフェース、モビリティ管理エンティティ(MME:Mobility Management ENTITY)/サービスゲートウェイ(S-GW)とgNB又はeNBとの間の通信のためのS1インターフェース、gNB又はeNBと中継ノード(RN:relay node)との間の通信のためのUnインターフェース、或いはgNB又はeNBと端末装置との間の通信のためのUuインターフェースを示す。
【0194】
プログラム1530はプログラム命令を含むと仮定し、関連するプロセッサー1510により実行される場合、本明細書において、
図11~14を参照して説明したように、当該プログラム命令によって、装置1500は本開示の実施形態に基づき、動作できる。装置1500のプロセッサー1510が実行可能なコンピュータソフトウェア又はハードウェア、或いはソフトウェアとハードウェアとの組み合わせで、本明細書の実施形態を実施できる。プロセッサー1510は、本開示の各種の実施形態を実施するように構成される。また、プロセッサー1510とメモリ1520との組み合わせは、本開示の各種の実施形態を実施できる処理手段1550を形成する。
【0195】
メモリ1520は、ローカルテクノロジーネットワークに適する任意のタイプであり、任意の適切なデータ記憶技術を使用して実施してもよく、例えば、非制限的な例示としての非一時的なコンピュータ可読記憶媒体、半導体によるメモリ装置、磁気メモリ装置及びシステム、光メモリ装置及びシステム、固定メモリ及び取り外し可能なメモリである。装置1500において、1つのメモリ1520のみを示したが、装置1500には、物理的に異なるいくつかのメモリモジュールが存在する可能性がある。プロセッサー1510はローカルテクノロジーネットワークに適する任意のタイプであり、非制限性的な例示として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサー、デジタル信号プロセッサー(DSP:digital signal processor)、及びマルチコアプロセッサーアーキテクチャによるプロセッサーのうちの1つ又は複数を含む。装置1500は複数のプロセッサーを有し、例えば、時間的に、メインプロセッサーに同期するクロックに従属する専用集積回路チップである。
【0196】
本開示の装置及び/又は装置に含まれたコンポーネントは各種の形態で実施されてもよく、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はその任意の組み合わせを含む。1つの実施形態において、1つ又は複数のユニットはソフトウェア及び/又はファームウェアによって実施され、例えば、記憶媒体に記憶されるマシン実行可能な命令である。マシン実行可能な命令以外、又はマシン実行可能な命令の代わりとして、装置及び/又は装置における一部、或いは全てのユニットは少なくとも部分的に、1つ又は複数のハードウェアロジックコンポーネントによって実施される。例えば、使用可能なハードウェアロジックコンポーネントの模式的なタイプは、フィールドプログラム可能なゲートアレイ(FPGA:Field-programmable Gate Array)、専用集積回路(ASIC:Application-specific Integrated Circuit)、特定用途向け標準製品(ASSP:Application-specific Standard Product)、システムオンチップ(SOC:System-on-a-chip system)、複雑可プログラム論理装置(CPLD:Complex Programmable Logic Device)などを含むが、これらに限定されない。
【0197】
一般的に、本開示の各種の実施形態は、ハードウェア又は専用回路、ソフトウェア、ロジック又はその任意の組み合わせで実施されてもよい。いくつかの態様はハードウェアで実施され、他の態様は、コントローラ、マイクロプロセッサー又は他のコンピューティング装置が実行するファームウェア、又はソフトウェアで実施される。本開示の実施形態の各態様は、ブロック図、フローチャートとして図示され、及び記載され、又は他のいくつかの図形で示されるが、ここで、本明細書が記載するブロック、装置、システム、技術又は方法は、非制限的な例示として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路又はロジック、汎用ハードウェア、或いはコントローラ、若しくは他のコンピューティング装置、又はそのある組み合わせで実施されてもよい。
【0198】
本開示は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に有形的に記憶される少なくとも1つのコンピュータプログラム製品をさらに提供する。コンピュータプログラム製品はコンピュータ実行可能な命令、例えば、プログラムモジュールに含まれたそれらのコンピュータ実行可能な命令を含み、当該プログラムモジュールは対象実又はバーチャルプロセッサーでの装置に実行されることで、上記、
図11~14のうちの何れかを参照して記載するプロセス又は方法を実行する。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行し、又は特定の抽象データタイプを実施するルーチン、プログラム、ベース、オブジェクト、カテゴリ、コンポーネント、データ構成などを含む。各種の実施形態において、必要に応じて、プログラムモジュールの機能性をプログラムモジュールの間で組み合わせて、又は分解する。プログラムモジュールのマシン実行可能な命令をロカール又は分散型装置内で実行する。分散型装置において、プログラムモジュールはロカール、及びリモート記憶媒体に配置できる。
【0199】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで、作成される。これらのプログラムコードは汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサー又はコントローラに提供されることで、プロセッサー又はコントローラにより実行される場合、プログラムコードは、フローチャート及び/又はブロック図の指定の機能/動作を実施する。プログラムコードは完全にマシンで実行されてもよく、部分的にマシンで実行されてもよく、独立のパッケージソフトとして実行されてもよく、一部がマシンで実行されるとともに、もう一部がリモートマシンで実行されてもよく、又は完全にリモートマシン或いはサーバーで実行されてもよい。
【0200】
以上のプログラムコードはマシン可読媒体で実施されてもよく、当該マシン可読媒体は任意の有形媒体であり、命令実行システム、装置又は機器を利用又は結合して使用するプログラムを含み、又は記憶する。マシン可読媒体はマシン可読信号媒体又はマシン可読記憶媒体である。マシン可読媒体は電子、磁気、光、電磁、赤外線又は半導体システム、装置又は機器、或いは上記の任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない。マシン可読記憶媒体のより具体的な例示は、1つ又は複数の電線を有する電気接続、ポータブルコンピュータ磁気ディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブル光ディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光記憶装置、磁気記憶装置、又は上記の任意の適切な組み合わせを含む。
【0201】
さらに、特定の順序で動作を示したが、所望の結果を実現するように、示された特定の順序又は前後順序に従って、当該動作を実行し、或いは示される全ての動作を実行するように理解されるべきではない。場合によっては、マルチタスク処理及び並行処理は有利である可能性がある。同様に、以上の議論には複数の具体的な実施形態の細部が含まれるが、本開示範囲に対する限定として解釈されるべきはなく、特定の実施形態に固有の特徴に対する記載として解釈される。単一の実施形態に記載のいくつかの特徴を組み合わせて、単一の実施形態で実施してもよい。逆に、単一の実施形態に記載の各種の特徴を単独又は任意の適切なサブ的な組み合わせに従って、複数の実施形態で実施してもよい。
【0202】
本開示について、構成の特徴及び/又は方法の動作を固有の言語で説明したが、ここで、添付の請求項に定義される本開示は必ずしも、上記の具体的な特徴又は動作に限定されない。逆に、上記の具体的な特徴及び動作は、請求項を実施する例示的な形態として開示される。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端末装置により実行される方法であって、
物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)復調(DM)-参照信号(RS)を受信することと、
前記PSSCH DM-RSから取得される参照信号受信電力(RSRP)をレポートするための測定レポート
を送信す
ることと、を含む方法。
【請求項2】
前記RSRPは、前記第1の端末装置
の複数のアンテナポートを介して受信される
PSSCH DM-RSと関連付けられる平均受信電力
である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記測定レポートを送信することは、
時間周波数リソースの第1の順序セットにおける第1の時間周波数リソースにおいて
前記PSSCH DM-RSが送信されることに応じて、前記第1の順序セットにおける前記第1の時間周波数リソースのシーケンス番号を決定することと、
前記シーケンス番号に基づき、時間周波数リソースの第2の順序セットから第2の時間周波数リソースを選択することであって、前記第2の順序セットにおける各時間周波数リソースがそれぞれ前記第1の順序セットにおける各時間周波数リソースと関連付けられることと、
前記第2の時間周波数リソースにおいて、前記測定レポートを送信することと、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の端末装置が測定した
RSRPを調整することで、調整した前記受信電力を取得することと、
調整した前記受信電力について、レイヤ3フィルタリングを実行することで、フィルタリングした前記受信電力を取得することと、
フィルタリングした前記受信電力を示す情報を含むように、前記測定レポートを生成することと、
を含む前記測定レポートを生成する
こと、をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記
RSRPを調整することは、
前記第1の端末装置
と第2の端末装置との間で共有される前記
PSSCH DM-RSの参照送信電力を決定することと、
前記
PSSCH DM-RSの送信電力を示す情報を前記第2の端末装置から受信することと、
前記送信電力及び前記参照送信電力を使用して、前記
RSRPを調整することと、を含む請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
前記
RSRPを調整することは、
前記
PSSCH DM-RSの送信電力及び以前の
PSSCH DM-RSの以前の送信電力を示す情報を前記第2の端末装置から受信することであって、前記以前の
PSSCH DM-RSは前記第2の端末装置から前記第1の端末装置に送信されることと、
前記送信電力及び前記前の送信電力を使用して、前記
RSRPを調整することと、を含む請求項
4に記載の方法。
【請求項7】
前記RSRPは、より高いレイヤフィルタリングしたRSRPである請求項1に記載の方法。
【請求項8】
より高いレイヤフィルタリングした前記RSRPは、前記DM-RSのために設定されるフィルタ係数に基づき、フィルタリングされることを含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記測定レポートを送信することは、
周期的にまたは閾値と関連付けられるイベントに基づき、前記測定レポートを送信することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
第2の端末装置により実行される方法であって、
物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)復調(DM)-参照信号(RS)を第1の端末装置に送信することと、
前記PSSCH DM-RSから取得される参照信号受信電力(RSRP)をレポートするための測定レポートを前記第1の端末装置から受信することと、
前記
RSRPと前記
PSSCH DM-RSの送信電力
との差に基づき、前記サイドリンクチャネルのパス損失を決定することと、を含む方法。
【請求項11】
時間周波数リソースの第2の順序セットにおける第2の時間周波数リソースにおいて前記測定レポートが受信されたことに応じて、前記第2の順序セットにおける前記第2の時間周波数リソースのシーケンス番号を決定することと、
前記シーケンス番号に基づき、時間周波数リソースの第1の順序セットにおける第1の時間周波数リソースを決定することであって、前記第1の順序セットにおける各時間周波数リソースがそれぞれ前記第2の順序セットにおける各時間周波数リソースと関連付けられることと、
前記第1の時間周波数リソースで送信される前記
PSSCH DM-RSの前記送信電力を決定することと、
を含む前記送信電力を決定する
こと、をさらに含む請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記パス損失を決定することは、
前記
RSRPと前記送信電力との間の差を決定することと、
前記差について、レイヤ3フィルタリングを実行することで、前記パス損失を取得することと、を含む請求項
10に記載の方法。
【請求項13】
前記パス損失を決定することは、
前記第2の端末装置から前記第1の端末装置に送信される以前の
PSSCH DM-RSの以前の送信電力を決定することと、
前記送信電力及び前記以前の送信電力を使用して、前記
RSRPを調整することで、調整した前記
RSRPを取得することと、
調整した前記
RSRPについて、レイヤ3フィルタリングを実行することで、フィルタリングした前記
RSRPを取得することと、
前記送信電力とフィルタリングした前記
RSRPとの間の差に基づき、前記パス損失を決定することと、を含む請求項
10に記載の方法。
【請求項14】
前記RSRPは、前記第1の端末装置の複数のアンテナポートを介して受信されるPSSCH DM-RSと関連付けられる平均受信電力である請求項
10に記載の方法。
【請求項15】
前記RSRPは、より高いレイヤフィルタリングしたRSRPである請求項10に記載の方法。
【請求項16】
より高いレイヤフィルタリングした前記RSRPは、前記DM-RSのために設定されるフィルタ係数に基づき、フィルタリングされる請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記測定レポートを受信することは、
周期的にまたは閾値と関連付けられるイベントに基づき、前記測定レポートを受信することを含む請求項10に記載の方法。
【請求項18】
通信のための方法であって、
第2の端末装置で、第1の端末装置が測定した参照信号の受信電力について、レイヤ3フィルタリングを前記第1の端末装置により実行するための情報を第1の端末装置に送信することであって、前記参照信号はサイドリンクチャネルを介して、前記第2の端末装置から前記第1の端末装置に送信されることと、
フィルタリングした前記受信電力をレポートするための測定レポートを前記第1の端末装置から受信することと、
前記情報及びフィルタリングした前記受信電力に基づき、前記サイドリンクチャネルのパス損失を決定することと、を含む方法。
【請求項19】
前記情報は、
前記参照信号の送信電力と、
前記第1の端末装置と前記第2の端末装置との間で共有される前記参照信号の参照送信電力と、を含む請求項
18に記載の方法。
【請求項20】
前記パス損失を決定することは、
前記参照送信電力とフィルタリングした前記受信電力との間の差を前記パス損失として決定することを含む請求項
19に記載の方法。
【請求項21】
前記情報は、
前記参照信号の送信電力と、
前記第2の端末装置から前記第1の端末装置に送信される以前の参照信号の以前の送信電力とを含む請求項
18に記載の方法。
【請求項22】
前記パス損失を決定することは、
前記送信電力とフィルタリングした前記受信電力との間の差を前記パス損失として決定することを含む請求項
21に記載の方法。
【国際調査報告】