IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニムの特許一覧

<>
  • 特表-複合エアロゾル発生材料 図1
  • 特表-複合エアロゾル発生材料 図2
  • 特表-複合エアロゾル発生材料 図3
  • 特表-複合エアロゾル発生材料 図4
  • 特表-複合エアロゾル発生材料 図5
  • 特表-複合エアロゾル発生材料 図6
  • 特表-複合エアロゾル発生材料 図7
  • 特表-複合エアロゾル発生材料 図8
  • 特表-複合エアロゾル発生材料 図9
  • 特表-複合エアロゾル発生材料 図10
  • 特表-複合エアロゾル発生材料 図11
  • 特表-複合エアロゾル発生材料 図12
  • 特表-複合エアロゾル発生材料 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-28
(54)【発明の名称】複合エアロゾル発生材料
(51)【国際特許分類】
   A24B 3/14 20060101AFI20221118BHJP
   A24B 15/10 20060101ALI20221118BHJP
   A24D 1/20 20200101ALI20221118BHJP
   A24C 5/01 20200101ALI20221118BHJP
【FI】
A24B3/14
A24B15/10
A24D1/20
A24C5/01
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513225
(86)(22)【出願日】2020-09-16
(85)【翻訳文提出日】2022-02-25
(86)【国際出願番号】 EP2020075903
(87)【国際公開番号】W WO2021058354
(87)【国際公開日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】19199287.4
(32)【優先日】2019-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】カンティエリ ファビオ
【テーマコード(参考)】
4B043
4B045
4B144
【Fターム(参考)】
4B043BA40
4B043BB01
4B043BB12
4B043BB13
4B043BB18
4B043BB28
4B043BC02
4B043BC03
4B043BC04
4B043BC49
4B045AA21
4B045AA43
4B045AA50
4B045AB06
4B045AB07
4B144CB16
4B144CB19
4B144CB35
4B144CG08
4B144CL01
4B144CM01
(57)【要約】
その間にゲル(544)が置かれた、二つの担体材料のシート(522A、522B)を備える複合エアロゾル発生材料(530)。二つの担体材料のシート(522A、522B)の間に置かれたゲル(544)を含む複合エアロゾル発生材料(530)の製造方法およびこうした製造のための装置。ゲル(544)は、ニコチンなどのエアロゾル発生物質を担持し得る。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合エアロゾル発生材料の製造方法であって、
- 第一の連続的な担体材料のシートを提供する工程と、
- ゲルを前記第一の連続的な担体材料のシートの表面に分注する工程と、
- 第二の連続的な担体材料のシートを提供し、前記第二の連続的な担体材料のシートを前記ゲルに対して位置付けて、前記第一の連続的な担体材料のシートと前記第二の連続的な担体材料のシートとの間にゲルが置かれた複合材料を形成する工程と、を含み、
- さらに、前記第一の連続的な担体材料のシートの長軸方向軸の遠位にある側方領域に分注されるゲルの量に対して、より多くの量のゲルを前記第一の連続的な担体材料のシートの前記長軸方向軸の近位にある中央領域に分注する工程を含む、方法。
【請求項2】
前記第一の連続的な担体材料のシートおよび前記第二の連続的な担体材料のシートのうちの少なくとも一つを捲縮する工程をさらに含む、請求項1に記載の複合エアロゾル発生材料の製造方法。
【請求項3】
異なる担体材料のそれぞれのソースから前記第一の連続的な担体材料のシートおよび前記第二の連続的な担体材料のシートを提供する工程をさらに含む、請求項1または請求項2に記載の複合エアロゾル発生材料の製造方法。
【請求項4】
単一の担体材料のソースから前記第一の連続的な担体材料のシートおよび前記第二の連続的な担体材料のシートの両方を提供する工程をさらに含む、請求項1または請求項2に記載の複合エアロゾル発生材料の製造方法。
【請求項5】
前記第一の連続的な担体材料のシートおよび前記第二の連続的な担体のシートが折り目を介して互いに一体型となるように、連続的な前記単一の担体材料のソースのシートを折り畳んで、前記第一の連続的な担体材料のシートおよび前記第二の連続的な担体材料のシートの両方を形成する工程をさらに含む、請求項4に記載の複合エアロゾル発生材料の製造方法。
【請求項6】
連続的な前記単一の担体材料のソースのシートを切断して、前記第一の連続的な担体材料のシートおよび前記第二の連続的な担体材料のシートの両方を形成する工程をさらに含む、請求項4に記載の複合担体材料の製造方法。
【請求項7】
連続的なサセプタ材料の帯を提供し、前記ゲルが前記第一の連続的な担体材料のシート上に分注された後に、前記連続的なサセプタ材料の帯を前記ゲルに対して位置付ける工程をさらに含む、請求項1~6のいずれかに記載の複合エアロゾル発生材料の製造方法。
【請求項8】
前記複合エアロゾル発生材料をその平面に対して直角を成す方向にプレスする工程をさらに含む、請求項1~7のいずれかに記載の複合エアロゾル発生材料の製造方法。
【請求項9】
前記ゲルが、風味、または活性剤、または可塑剤、または湿潤剤、またはニコチン、またはグリセリン、またはプロピレングリコール、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1~8のいずれかに記載の複合エアロゾル発生材料の製造方法。
【請求項10】
前記複合エアロゾル発生材料がたばこ材料を含む、請求項1~9のいずれかに記載の複合エアロゾル発生材料の製造方法。
【請求項11】
複合エアロゾル発生材料であって、
- 第一の担体材料のシートと、
- 第二の担体材料のシートと、
- ゲルであって、前記ゲルが前記第一の担体材料のシートと前記第二の担体材料のシートとの間に配置され、前記第一の連続的な担体材料のシートの長軸方向軸の遠位にある側方領域に配置されるゲルの量に対して、より多くの量のゲルが前記第一の連続的な担体材料のシートの前記長軸方向軸の近位にある中央領域に配置されている、ゲルと、を備える、複合エアロゾル発生材料。
【請求項12】
前記第一の担体材料のシートと前記第二の担体材料のシートとの間に位置付けられたサセプタ材料をさらに備える、請求項11に記載の複合エアロゾル発生材料。
【請求項13】
前記第一の連続的な担体材料のシート、または前記第二の担体材料のシート、または前記第一および第二の担体材料のシートの両方がエアロゾル発生材料を含む、請求項11または12に記載の複合エアロゾル発生材料。
【請求項14】
請求項11~13に記載の複合エアロゾル発生材料を備える、または請求項1~10のいずれかに記載のように製造された複合エアロゾル発生材料を備える、複合エアロゾル発生ロッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複合エアロゾル発生材料、こうした複合エアロゾル発生材料の製造方法、およびこうした製造のための装置に関する。加えて、本開示は、複合エアロゾル発生材料を備えるエアロゾル発生ロッド、こうしたロッドを作製するための製造方法、およびこうしたロッドを作製するための装置に関する。エアロゾル発生ロッドは、エアロゾル発生物品で使用するためのものであってもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置とともに使用するためのものであってもよい。本開示は、特に、エアロゾル発生材料または担体材料の間のゲルのサンドイッチ構成での適用に関するが、排他的ではない。ゲルは、活性剤、例えば、風味剤、湿潤剤、可塑剤、またはニコチンを含むことが好ましい。ゲルは、活性剤の組み合わせを含むことが好ましい。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生ロッドを製造するために、手順は、典型的には以下の工程を伴う。エアロゾル発生材料の平坦なシートが、エアロゾル発生材料のボビンから巻き出される。次いで、エアロゾル発生材料に、典型的には、グリセリンまたは風味などの液体または粉末成分を噴霧する。最後に、エアロゾル発生材料を、シートを所望の直径の連続的な円筒状ロッドへと集合する漏斗形状の装置を通して引っ張る。連続的なロッドを巻き、ラインにおける他のロッドと組み合わせられる前に所望の長さに切断して、エアロゾル発生物品を形成する。
【0003】
しかしながら、液体または粉末成分をシート上に噴霧することは、特定の欠点につながる場合がある。例えば、噴霧プロセスでは、典型的には、材料の一部分のみが噴霧されてエアロゾル発生材料のシート上に固定される。
【0004】
したがって、これらの欠点を克服する、風味および他の成分の改善された適用を提供することが望ましい。また、エアロゾル発生ロッドで使用するためのエアロゾル発生材料を提供し、また、無駄になる成分の量を低減し、その結果、製造コストも低減され、必要な洗浄が低減されて時間を節約することになる、エアロゾル発生材料を製造する装置および方法を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一態様によると、
- 第一の連続的な担体材料のシートを提供する工程と、
- ゲルを第一の連続的な担体材料のシートの表面に分注する工程と、
- 第二の連続的な担体材料のシートを提供し、第二の連続的な担体材料のシートをゲルに対して位置付けて、第一の連続的な担体材料のシートと第二の連続的な担体材料のシートとの間にゲルが置かれた複合材料を形成する工程と、を含み、
- さらに、第一の連続的な担体材料のシートの長軸方向軸の遠位にある側方領域に分注されるゲルの量に対して、より多くの量のゲルを第一の連続的な担体材料のシートの長軸方向軸の近位にある中央領域に分注する工程を含む、複合エアロゾル発生材料の製造方法が提供されている。
【0006】
本発明の別の態様によると、
- 第一の担体材料のシートと、
- 第二の担体材料のシートと、
- ゲルであって、ゲルが第一の担体材料のシートと第二の担体材料のシートとの間に配置され、第一の連続的な担体材料のシートの長軸方向軸の遠位にある側方領域に配置されるゲルの量に対して、より多くの量のゲルが第一の連続的な担体材料のシートの長軸方向軸の近位にある中央領域に配置されている、ゲルと、を備える、複合エアロゾル発生材料が提供されている。
【0007】
本発明の複合エアロゾル発生材料は、エアロゾル発生ロッド、またはエアロゾル発生物品での使用に適し得る。一部の実施形態では、複合エアロゾル発生材料は、エアロゾル発生ロッドで使用するためのものである。
【0008】
本発明は、第一の連続的な担体材料のシートを提供する工程と、ゲルを第一の連続的な担体材料のシートの表面に分注する工程と、第二の連続的な担体材料のシートを提供し、第二の連続的な担体材料のシートをゲルに対して位置付けて、第一の連続的な担体材料のシートと第二の連続的な担体材料のシートとの間にゲルが置かれた複合材料を形成する工程とを含む、エアロゾル発生ロッドで使用するための複合エアロゾル発生材料の製造方法を提供する。第一の連続的なシートおよび第二の連続的なシート(担体材料の)を正確に位置付けることにより、複合エアロゾル発生材料の一貫した製造が可能になる。
【0009】
複合エアロゾル発生材料の製造方法は、捲縮工程をさらに含むことが好ましい。これは、第一の連続的な担体材料のシート、または第二の連続的な担体材料のシート、または第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシート両方の捲縮であり得る。捲縮は、捲縮動作の結果として、担体材料のシートの弾性が弱まり、複数の隆起および波形がシート上に提供されるため、後続の製造工程におけるシートの集合を促進することによって製造しやすさを提供する。隆起および波形は、所定の位置に規則的に分布し、実質的にシートの全長にわたって延びる。したがって、捲縮は、より画定された方法でシートを集合するのに役立つ。加えて、捲縮はまた、捲縮していないシートと比較して、エアロゾル発生ロッドを形成するためにより多くの量のシート材料を漏斗形状の装置を通して引っ張ることを可能にする。さらに、捲縮は、フローチャネルの均質な分布を生成し、エアロゾル発生材料のシートの弾性を弱めることによってフローチャネルを維持するのに役立つ。捲縮率、および溝またはへこみのサイズおよびパターンは変化し得る。したがって、特定の所望の引き出し抵抗特性のための多数の異なるエアロゾルフロー条件が生成され得る。捲縮工程は、ゲルを第一の連続的な担体材料のシート上に、または第一の連続的な担体材料のシートの表面部分上に分注する前に実施されることが好ましい。ゲルの分注前に捲縮することにより、ゲルの分注後に捲縮するよりも製造が容易になる。これは、捲縮中にゲルが圧搾されることを防止し、それ故にゲルが製造設備に接触するリスクを低減するのに役立つ。また、分注前に捲縮することは、有利なことに、少なくとも二つの担体材料のシートを備える複合エアロゾル発生材料を捲縮する代わりに、第一の担体材料のシートまたは第二の担体材料のシートのうちの一つのみを捲縮することを可能にする。
【0010】
特定の実施形態では、複合エアロゾル発生材料の製造方法は、異なる担体材料のそれぞれのソースから第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシートを提供する工程をさらに含む。異なる担体材料のソースからの第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシートを有すること、または異なる担体材料であることにより、多数の異なる材料および異なる担体材料の組み合わせを使用することが可能になる。したがって、異なる担体材料またはエアロゾル発生材料の組み合わせ(または異なる担体材料およびエアロゾル発生材料の両方)を備えた様々な異なる複合エアロゾル発生材料は、多数の異なるエアロゾルを送達する。
【0011】
特定の実施形態では、複合エアロゾル発生材料の製造方法は、単一の担体材料のソースから第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシートの両方を提供する工程をさらに含む。これは、第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシートを生成するための担体材料のソースを一つのみ有することにより、製造工程を単純化し得る。
【0012】
特定の実施形態では、複合エアロゾル発生材料の製造方法は、第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシートが折り目を介して互いに一体型となるように、連続的な単一の担体材料のソースのシートを折り畳んで、第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシートの両方を形成する工程をさらに含む。ソース担体材料のシートを折り畳んで第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシートを形成することにより、材料の製造しやすさおよび効率的な使用が可能になる。また、分注されたゲルが一方の側に圧搾されることも防止する。
【0013】
ソース担体材料のシートを折り畳むことは、ガイドを使用することを含む、当業界で公知の任意の適切な手段により得る。特定の実施形態は、ガイドを使用してソース担体材料のシートを折り畳むことを含む。特定の実施形態では、本発明で使用されるガイドは、ローラータイプのガイド、例えば、指向性ローラー、または位置決めローラー、または静的曲面ガイド、または記載したタイプのガイドの任意の組み合わせであり得る。折り畳み手段に向かうソース担体材料のシートの移動により、折り畳みプロセスが完了するまでソース担体材料のシートがそれ自体の上に屈曲し、連続的な担体材料のシートの一方の側面セクションが上方に完全に折り畳まれて、ソース担体材料のシートの他方の側面セクションにすでに分注されたゲルと接触する。
【0014】
特定の実施形態では、複合エアロゾル発生材料の製造方法は、連続的な単一の担体材料のソースのシートを切断して、第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシートの両方を形成する工程をさらに含む。ソース担体材料を切断して第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシートを形成することは、第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシートの材料が、例えば、組成物または厚さに関して同じであることを確実にする。さらに、単一のソースから両方の担体材料シートを提供することにより、第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシートの材料特性が一貫したものとなる。
【0015】
典型的には、切断する担体材料の幅は、5センチメートル~50センチメートル幅、好ましくは約20~40センチメートル幅の範囲、より好ましくは約25センチメートル幅であり得る。
【0016】
ソース担体材料のシートの切断は、典型的には、切断手段、例えば、カッター、ナイフまたはブレードまたは鋸のうちの一つ以上、またはジグソータイプのカッター、または円形ナイフを使用して、ソース担体材料のシートをクリーンカットし、第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシートの両方を形成する。切断ブレードは、典型的には、近づいてくるソース担体材料に向けられる。典型的には、切断手段は、インラインシステムであり、ソース担体材料をソース担体材料のシートの長軸方向に沿って二つのセクションに切断するが、必ずしもそうである必要はない。切断手段は、要件に応じて、ソース担体材料を三つ以上のセクションに切断し得る。第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシートは分離されて形成される。第二の連続的な担体材料のシートがゲルと接触して位置付けられる実施形態では、案内手段および搬送手段は、第二の連続的な担体材料のシートを所望の位置、理想的には、第一の連続的な担体材料のシート上にすでに分注されたゲル上に位置付ける必要がある。このようにして、ゲルは、二つの連続的な担体材料のシートの間にサンドイッチ構成で包埋される。典型的には、担体材料を切断することから形成される第一の連続的な担体材料のシートは、切断される担体材料と同じまたは類似の経路または方向にあり続ける。第二の連続的な担体材料のシートは、第一の連続的な担体材料のシート上に分注されたゲルと接触して位置付けられるようガイド手段によって案内される。担体材料のシートは、ゲルが第一の連続的な担体材料のシート上に分注される前に、シートの搬送方向に長軸方向に切断されることが好ましい。ゲルを分注する前にソース担体材料のシートを切断することは、ゲルが切断手段、例えば、カッターと接触するリスクを低減する。また、切断手段からのダストがゲルまたはゲルのノズルと接触するリスクも低減する。切断段階で発生されるダストがゲル分注を妨げるのを防止するために、切断段階とゲル分注段階との間に距離があることが好ましい。エアロゾル発生材料が三つ以上の担体材料のセクションまたはシートに切断される場合、各セクションまたはシートは、第一の連続的な担体材料のシートまたは第二の連続的な担体材料のシートについて説明したのと類似の方法で使用または離れるように移動され得る。一つの切断手段は、数多くの装置に対して第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシートを供給して、複合エアロゾル発生材料を製造し得る。次いで、複合エアロゾル発生材料を一緒に集合させて、エアロゾル発生ロッドを生成する。シート切断手段は、ダスト保護手段、例えば、カッターからダストを収集する真空ソースを有し得る。ダスト保護手段を有することにより、カッターとゲル適用段階との間の距離が短くなり、それ故に複合エアロゾル発生材料および後続のエアロゾル発生ロッドの製造を早めることが可能になり得る。切断およびゲル分注の順序は本発明の実施において必須ではなく、原則として、切断およびゲル分注の各段階は、実施形態に応じて、他方の前後または同時に生じ得る。本発明の一部の実施形態では、ゲルは、少なくとも一つのノズルを含むゲル分注手段によって分注される。ノズルを使用することは、分注されるゲルの量、および分注されるゲルの位置付けの両方について、正確なゲルの分注を補助する。一部の実施形態では、他の工程と組み合わせて、複合エアロゾル発生材料の製造方法は、制御システムによって出力されるゲルを調整する工程をさらに含む。制御システムは、分注されるゲルの量、および分注されるゲルの位置の両方について、正確にゲルを分注するのを補助し得る。ゲルの分注手段は、第一の連続的な担体材料のシート上に数多くのゲル細片を生成する数多くのノズルを有し得る。一部の実施形態では、すべてのノズルが同時にゲルを分注するわけではない。別の方法として、一部の実施形態では、すべてのノズルが同時にゲルを分注してもよい。制御システムはまた、ゲル中の任意の成分の総量を計算および追跡できるように、分注されたゲルの量および分注されたゲルの位置の両方を含む、ゲルの分注を記録してもよい。ゲル分注手段、例えば、ディスペンサーはまた、ゲルの温度を制御する温度制御システムを有してもよい。理想的には、ゲル分注手段は、ヒーターまたは熱センサー、またはその両方を含む。こうしたシステムはまた、情報を処理するフィードバックループも備えることが好ましい。システムは、例えば、必要な熱、またはゲルの分注速度に対して必要な変更を行い得る。典型的には、温度を上昇させることにより、ゲルの粘度が低下し、分注がより容易またはより高速になり得る。一部のゲルは、最適な分注および保管に対する温度を必要とし得る。ノズルに達する前にゲルを必要な温度にすることは、ゲルの一貫した分注を補助し得る。ヒーターは抵抗ヒーターであってもよいが、任意の適切なヒーターを使用してもよい。分注手段、例えば、ディスペンサーはまた、冷却手段、例えば冷却器を含んでもよい。冷却手段は、ゲルが正しい位置になると、ゲルの硬化を補助し得る。したがって、漏れのリスクが低減される。別の方法として、または追加的に、使用されるゲルのタイプに応じて、冷却手段は、第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシートを一緒に保持することを補助し得る。一部の実施例では、冷却手段は、硬化されると同じ位置のままとなるようにゲルの粘度を減少させる。他の実施例では、冷却手段は、ゲルの硬化を加速する。ゲル分注手段はまた、流量計、ポンプ、および作動蛇口のうちの一つ以上を含んで、分注されるゲルのフローに対する微調整を可能にし得る。これは、ゲルのフローを一貫して維持するための微調整を行うことが可能であるという利点を有する。製造プロセス中にゲルは経時的に変化し得るため、このことは重要である。多くの要因、例えば、湿度および周囲温度、ならびに供給されたゲルにおける異なる変形がゲルの変化につながり得る。好ましい実施形態では、各ノズルが流量計および作動蛇口を有して、ノズルから分注されるゲルのフローの独立した調整を可能にする。一部の実施形態では、ゲルを第一の連続的な担体材料のシート上に分注するのに使用されるノズルは、同じタイプのゲルを各担体材料のシート上に分注する。別の方法として、第一の連続的な担体材料のシート上にゲルを分注するノズルは、異なるタイプのゲルを分注してもよい。例えば、一部の実施形態では、ノズルが異なるタイプのゲルを分注する場合に、一つ以上のノズルが風味含有ゲルを分注してもよい。別の方法として、一つ以上のノズルは、ニコチン含有ゲルを分注してもよい。別の方法として、一つ以上のノズルは、グリセリン含有ゲルを分注してもよい。別の方法として、一つ以上のノズルは、プロピレングリコール含有ゲルを分注してもよい。別の方法として、一つ以上のノズルは、記載したタイプのゲルの任意の組み合わせを分注してもよい。異なるタイプのゲルに対して異なるノズルを有することにより、ゲルの成分の微調整および調整の変更が可能になる。例えば、異なる最終製品に対してより多くの風味が必要となる、または、特定の成分がエアロゾル発生材料のシート上の特定の位置に好ましい場合がある。
【0017】
好ましい実施形態では、ゲル分注手段は、第一の連続的な担体材料のシートの同じ側にゲルを分注する。後続の製造工程への搬送のために、同じ側とは、分注されたゲルが重力に起因して担体材料のシート上に容易に置かれて固定されるように、シートの上側であることが好ましい。
【0018】
一部の実施形態では、複合エアロゾル発生材料の製造方法は、ゲルを第一の連続的な担体材料のシートの一つの表面に不均一に分注する工程をさらに含む。
【0019】
一部の実施形態では、複合エアロゾル発生材料の製造方法は、第一の連続的な担体材料のシートの長軸方向軸の遠位にある側方領域に分注されるゲルの量に対して、より多くの量のゲルを第一の連続的な担体材料のシートの長軸方向軸の近位にある中央領域に分注する工程をさらに含む。
【0020】
一部の実施形態では、複合エアロゾル発生材料の製造方法は、第一の連続的な担体材料のシートの長軸方向軸の遠位にある側方領域に分注される質量に対して、少なくとも10パーセント多くのゲル質量を第一の連続的な担体材料のシートの長軸方向軸の近位にある中央領域に分注する工程をさらに含む。別の方法として、方法は、少なくとも15パーセント多くのゲル質量を中央領域に分注する工程を含んでもよい。他の実施形態では、方法は、少なくとも20パーセント多くのゲル質量を中央領域に、または少なくとも25パーセント多くのゲル質量を中央領域に分注することを含む。
【0021】
第一の連続的な担体材料のシートまたは第二の連続的な担体材料のシート上の、または複合エアロゾル発生材料中の、ゲルの量およびゲル位置を制御することは、複合エアロゾル発生材料からゲルが漏れるリスクを低減し得る。ゲルの漏れを回避することはまた、複合エアロゾル発生材料の均一な製造を支援し、それ故に製造される最終製品における性能の均一性を確実にし得る。
【0022】
特定の実施形態では、複合エアロゾル発生材料の製造方法は、連続的なサセプタ材料の帯を提供する工程をさらに含む。複合エアロゾル発生材料の製造方法は、連続的なサセプタ材料の帯をゲルに対して位置付けることを含むことが好ましい。連続的なサセプタ材料の帯は、ゲルが第一の連続的な担体材料のシート上に分注された後にゲルに対して位置付けられることが好ましい。特定の実施形態では、複合エアロゾル発生材料は、サセプタ材料を備える。サセプタ材料は、誘導加熱による加熱を可能にする。サセプタ材料が交流電磁場内に位置する時にサセプタ材料内で渦電流が誘導され、且つ、ヒステリシス損失が生じ、サセプタ材料の加熱の原因となる。サセプタ材料が、エアロゾル発生材料またはゲルと熱的に接触または密接に熱的に近接して位置する実施形態では、エアロゾル発生材料またはゲルが加熱される。加熱時に、エアロゾル発生材料またはゲルはエアロゾルの放出または発生を支援し得る。サセプタ材料は、ゲルと物理的に直接接触していることが好ましい。しかし、代替的な実施形態では、サセプタ材料は、ゲルと物理的に直接接触せずに担体材料のシートの間に位置付けられてもよい。
【0023】
サセプタは、例えば、ゲルまたはエアロゾル発生材料から、またはエアロゾル発生基体またはゲルを担持する担体材料からエアロゾルを発生または放出させるのに十分な温度へと誘導加熱することができる任意の材料から形成されてもよい。一部の実施形態では、サセプタは炭素を含む。好ましいサセプタは強磁性材料、例えば強磁性合金、フェライト鉄、または強磁性鋼、またはステンレス鋼を含んでよく、またはその強磁性材料から成ってよい。好ましいサセプタ材料は、金属、例えばアルミニウムを含む。好ましいサセプタは50℃を超える温度に加熱され得る。より好ましくは、サセプタは、摂氏約40度~摂氏約500度、特に摂氏約50度~摂氏約450度、好ましくは摂氏約100度~摂氏約400度の温度に加熱されてもよい。サセプタプはまた、非金属コアの上に配置された金属層を有する非金属コア(例えば、セラミックコアの表面上に形成された金属のトラック)も含んでもよい。
【0024】
サセプタは、サセプタを封入する保護用外部層、例えば保護用セラミック層または保護用ガラス層を含み得る。サセプタは、サセプタ材料のコアの上に形成される、ガラス、セラミック、または不活性金属によって形成された保護被覆を含んでもよい。
【0025】
サセプタは、マルチマテリアルサセプタであってもよい。特に、サセプタプは、第一のサセプタ材料および第二のサセプタ材料を含んでもよい。第一のサセプタ材料は、熱損失に関して、またそれゆえに加熱効率に関して最適化されていることが好ましい。例えば、第一のサセプタ材料はアルミニウムであってもよく、またはステンレス鋼などの鉄材料であってよい。対照的に、第二のサセプタ材料は温度マーカーとして使用されることが好ましい。このために、第二のサセプタ材料は、サセプタ組立品の所定の加熱温度に対応するキュリー温度を有するように選ばれる。そのキュリー温度にて、第二のサセプタの磁性は強磁性から常磁性に変化し、その電気抵抗の一時的な変化が伴う。それゆえに、誘導源によって吸収された電流の対応する変化を監視することによって、第二のサセプタ材料がそのキュリー温度に達した時に、およびそれゆえに、所定の加熱温度に達した時に、その変化を検知することができる。第二のサセプタ材料は、エアロゾル形成基体の発火点より低い、すなわち、好ましくは摂氏500度より低いキュリー温度を有することが好ましい。第二のサセプタ材料に適切な材料は、ニッケルおよびある特定のニッケル合金を含んでもよい。ニッケルは、不純物の性質に応じて、約摂氏354度~摂氏360度の範囲のキュリー温度を有する。この範囲のキュリー温度は、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるためにサセプタを加熱するべき温度とほぼ同一であるが、エアロゾル形成基体の局所的な過熱または燃焼を回避するために依然として十分に低い温度であるため、理想的である。
【0026】
サセプタが細片、特にブレード、プレート、シート、帯、または箔の形態を有する場合、サセプタは実質的に長方形の断面を有することが好ましい。この場合において、サセプタは、厚さ寸法よりも大きい(例えば、厚さ寸法の2倍の)幅寸法を有することが好ましい。有利なことに、細片形状のサセプタは、好ましくは約2ミリメートル~約8ミリメートル、より好ましくは約3ミリメートル~約5ミリメートルの幅、および好ましくは約0.03ミリメートル~約0.15ミリメートル、より好ましくは約0.05ミリメートル~約0.09ミリメートルの厚さを有する。
【0027】
特定の実施形態では、複合エアロゾル発生材料の製造方法は、複合エアロゾル発生材料を製造する工程と、複合エアロゾル発生材料を、一方を他方の上部に層状化する工程とを繰り返す工程をさらに含む。したがって、複合エアロゾル発生材料は、多数の層を含み、多層複合エアロゾル発生材料を生成する。複合エアロゾル発生材料のそれぞれの構成要素層は、その組成物または構造に関して同じまたは異なり得る。異なる複合エアロゾル発生材料、および追加的に、一部の実施形態では、異なる担体層を使用した数多くの組み合わせを行って、最終複合エアロゾル発生材料を構成し得る。これにより、多くの異なる複合エアロゾル発生材料を、潜在的に多くの異なるエアロゾル品質および特性を有して製造することが可能になる。特定の実施形態では、複合エアロゾル発生材料の製造方法は、一つの複合エアロゾル発生材料を別の複合エアロゾル発生材料の上部に層状化する工程を含む。特定の実施形態では、複合エアロゾル発生材料の製造方法は、一方の複合エアロゾル発生材料を他方の上部に層状化し、サセプタ材料を複合エアロゾル発生材料の二つの層の間に挿入する工程を含む。複合エアロゾル発生材料または多層複合材料は、集められ、好ましくは巻かれて、複合エアロゾル発生ロッドを形成し得る。
【0028】
特定の実施形態では、装置または製造方法は、層状化システムをさらに備える。層状化システムは、複合エアロゾル発生材料を、好ましくは一方を他方の上部に層状にすることができる。説明および所与の実施例は、互いの上部にある複合エアロゾル発生材料における上部および底部の垂直配向を例示的に言及しているのみであり、互いに隣接する複合エアロゾル発生材料を有する他の配向の実施形態も機能し、かつ本明細書の開示の範囲に含まれ得る。好ましい実施形態では、複合エアロゾル発生材料は、複合エアロゾル発生材料の積み重なる層の上部表面および底部表面がゲルを有さないように、積み重ねられる。これらの特定の実施形態では、個々の複合エアロゾル発生材料の外側を向いている面は、ゲルを有さないことが好ましい。
【0029】
一部の実施形態では、サセプタは、複合エアロゾル発生材料の層の間に位置付けられる。複合エアロゾル発生材料の層の間にゲルがなく(複合エアロゾル発生材料の外側表面上にゲルがないことを意味する)、サセプタが複合エアロゾル発生材料の層の外側側面の間に位置付けられた実施形態では、サセプタはゲルに隣接していない場合がある。しかしながら、サセプタは、依然として複合エアロゾル発生材料の層を通してゲルを加熱することができ得る。有利なことに、複合エアロゾル発生材料の外表面の間にサセプタを有することは、製造が容易である。代替的な実施形態では、ゲルは、複合エアロゾル発生材料の層の外表面上に位置付けられる、または分注され、それ故に、これらの実施形態では、サセプタは、サセプタが複合エアロゾル発生材料の外表面の間に位置付けられる時にゲルに隣接している。
【0030】
他の実施形態は、複合エアロゾル発生材料の間にゲルを含み得るが、理想的には、別の複合エアロゾル発生材料に隣接しない外表面上にはゲルがない。ゲルは内表面上にのみあり、それ故に、外表面にはゲルがないことが好ましい。有利なことに、これは、ゲルが包装材料と接触するリスク、または、シートを連続的な円筒状のロッドに集合させるために、シートおよび漏斗形状装置を位置付けるためのガイド手段などの機械、例えば、ガイドの表面と接触するリスクを低減することによって、ゲル汚染を回避する。
【0031】
特定の実施形態では、層状化システムは、少なくとも一つの横方向移動システムを備える。こうした横方向移動システムは、一つの材料、例えば、一つの担体材料または複合エアロゾル発生材料の一つのシートを、一つの側から他の材料、例えば、別の担体材料または複合エアロゾル発生材料のシートの上部(または下部)またはこれに平行に移動させ得る。製造工程、または装置、または層状化システムは、数多くの横方向移動システムを有してもよい。典型的には、装置、または層状化システム、または製造プロセスにおける横方向移動システムの数は、セクションの数から1を引いた数に等しい。理想的には、横方向移動システムそれぞれは、一つの異なるソースセクションを担当する。例えば、担体材料が二つの部分に切断されて第一の担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシートを形成する場合、一つのシート、例えば、第二の連続的な担体材料のシートを他方の上部(または下部)に移動させる一つの横方向移動システムが存在する。横方向移動システム(複数可)は、全ての材料、例えば、担体材料複合エアロゾル発生材料のシートを垂直パイルに、一方を他方の上に置くことが好ましい。説明したように、他の実施形態では他の配向も可能である。
【0032】
一部の好ましい実施形態では、複合エアロゾル発生材料の製造方法は、複合エアロゾル発生材料をその平面に対して直角を成す方向にプレスする工程をさらに含む。複合エアロゾル発生材料の層の垂直スタックにおいて、例えば、プレスシステムからの圧力は、スタックの高さに沿って加えられる。異なる圧力を材料のスタックに加えてもよい。プレスシステムは、所望の効果または積み重ねられた材料のサイズに応じて、変更可能な圧力印加を有し得る。特定の実施形態では、製造のための装置または製造システムは、複合エアロゾル発生材料がローラーを通過する際に圧力を加えるよう協働する二つのプレスローラーを備える。特定の実施形態では、製造のための装置または製造システムは、一つのプレスローラーを備える。理想的には、プレスシステムの圧力は、材料をゲル細片に接着させるのに十分に大きいが、シートに構造的損傷を生じさせないのに十分に小さい。理想的には、ゲル細片は、連続的な担体材料のシートまたは複合エアロゾル発生材料の層の間に気流経路がない点までプレスされない。
【0033】
本発明は、第一の担体材料のシートと、第二の担体のシートと、ゲルとを備え、ゲルは、第一の担体材料のシートと第二の担体材料のシートとの間に配置される、複合エアロゾル発生材料をさらに提供する。
【0034】
好ましい実施形態では、複合エアロゾル発生材料は、第一の担体材料のシートと第二の担体材料のシートとの間に位置付けられたサセプタ材料をさらに備える。サセプタ材料は、誘導加熱による加熱を可能にする。サセプタ材料が交流電磁場内に位置する時にサセプタ材料内で渦電流が誘導され、且つ、ヒステリシス損失が生じ、サセプタ材料の加熱の原因となる。
【0035】
複合エアロゾル発生材料の製造において、第一の担体材料のシートおよび第二の担体材料のシートは、連続的なシートであることが好ましい。しかしながら、連続的なシートは、必要に応じて特定の長さに切断されて、それ故にもはや連続的ではない場合がある。
【0036】
好ましい実施形態では、ゲルは、風味、活性剤、可塑剤、湿潤剤、ニコチン、グリセリン、またはプロピレングリコールのうちの一つ以上を含む。
【0037】
好ましい実施形態では、担体材料のシートは、たばこ材料を含む。
【0038】
本発明はまた、本明細書に記載の、または本明細書に記載の工程によって製造される複合エアロゾル発生材料を備える複合エアロゾル発生ロッドに関する。
【0039】
エアロゾル発生ロッドで使用するための複合エアロゾル発生材料を製造するための装置は、第一の連続的な担体材料のシートを供給するための手段と、ゲルを第一の連続的な担体材料のシートの表面に分注するための手段と、第二の連続的な担体材料のシートを提供し、これをゲルに対して位置付けて複合エアロゾル発生材料を形成するための層状化システムとを備える。
【0040】
供給するための手段の一例は、供給装置である。
【0041】
特定の実施形態では、他の特徴と組み合わせて、装置は、ソース担体材料のシートの長軸方向軸に沿ってソース担体材料のシートを切断して、第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシートを形成するための、層状化システムの上流に位置するカッターをさらに備える。
【0042】
特定の実施形態では、他の特徴と組み合わせて、装置は、折り畳み手段、例えば、ソース担体材料のシートの長軸方向軸に沿ってソース担体材料のシートの少なくとも一部分を折り畳んで、第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシートを形成するように適合された折り畳み装置をさらに備える。
【0043】
特定の実施形態では、他の特徴と組み合わせて、装置は、捲縮システムをさらに備える。捲縮システムは、ゲル分注および層状化システムの上流に位置付けられることが好ましい。
【0044】
第一の連続的な担体材料のシート、または第二の連続的な担体材料のシート、または第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシートの両方が捲縮され得る。複合エアロゾル発生材料が多層である場合、捲縮した担体材料のシートおよび捲縮していない担体材料のシートの任意の組み合わせを使用して、多層複合エアロゾル発生材料を構成してもよい。
【0045】
本発明はまた、複合材料を層状にして、多層複合エアロゾル発生材料を形成するように構成された層状化手段をさらに備える装置を開示する。これは、同じ複合エアロゾル発生材料をそれ自体の上に層状化すること、または異なる複合エアロゾル発生材料を、一方を他方の上部に層状化することであり得る。層状化手段の一例は、層状化のための装置である。
【0046】
特定の実施形態では、装置は、プレスシステムをさらに備え、複合エアロゾル発生材料または多層複合エアロゾル発生材料、またはその両方は、少なくとも一つのプレスローラーによってプレスされる。好ましい実施形態では、装置は、複合エアロゾル発生材料または多層複合エアロゾル発生材料、またはその両方を集合させるための手段をさらに備える。好ましい実施形態では、装置は、複合エアロゾル発生材料または多層複合エアロゾル発生材料を、それが集合された後に巻くための手段をさらに備える。包装手段は、複合エアロゾル発生材料をエアロゾル発生ロッドに切断することを可能にする。一部の実施形態では、装置は、連続的な長さの巻かれた複合エアロゾル発生材料を所望の長さに切断するためのカッターを備える。したがって、巻かれた複合エアロゾル発生材料は、製造プロセス中に容易に搬送され得る。本発明の装置は、複合エアロゾル発生材料の製造のための本明細書に記載の任意の特徴、例えば、ゲル分注手段、ノズル、制御手段、ガイド、ローラー、プレスシステム、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0047】
特定の実施形態では、担体材料のシートは、多孔質材料を含む。特定の実施形態では、担体材料のシートは、多孔質材料から成ってもよい。多孔質材料は、材料がゲルをしっかりと保持できるという利点を有する。有利なことに、多孔質である担体材料は、非多孔質担体材料よりも大きな程度にゲルをしっかりと保持し得る。多孔質材料の空孔は、ゲルを吸収することができ、それ故に、ゲルが多孔質担体材料のシート上に容易に置かれること、および迅速な接着をもたらす。多孔質材料は、その空孔を通した吸収によって、担体シートの表面上にゲルを強く固定し得る。したがって、多孔質材料は、多孔質材料に隣接したゲルの移動を防止し得る。本発明で使用される多孔質材料は、複合エアロゾル発生材料からのゲルの漏れを低減するのを支援する。多孔質から作製された複合エアロゾル発生材料は、ゲルの漏れを低減するのを支援し、それ故に、製造中の機械部品の汚染を低減する、例えば、連続的な長さの巻かれた複合エアロゾル発生材料を所望の長さに切断する時に、カッターの切断ブレードの汚染を低減する。
【0048】
多孔質材料は、ゲルを保持(hold)または保持(retain)することができる任意の適切な多孔質材料であってもよい。理想的には、多孔質材料は、ゲルがその中で移動することを可能にすることができる。特定の実施形態では、多孔質材料は、天然材料、合成、もしくは半合成、または記載した材料の組み合わせを含む。特定の実施形態では、多孔質材料は、シート材料、発泡体、もしくは繊維、例えば、ばらの繊維、またはそれらの組み合わせを含む。特定の実施形態では、多孔質材料は、織布、不織布、または押出材、またはそれらの組み合わせを含む。多孔質材料は、例えば、綿、紙、ビスコース、PLA、もしくは酢酸セルロース、またはそれらの組み合わせを含むことが好ましい。多孔質材料は、シート材料、例えば、綿または酢酸セルロースを含むことが好ましい。多孔質材料の利点は、ゲルが多孔質材料内に保持されることであり、これはゲルの製造、保管、または輸送を補助し得る。これは、特に製造、輸送、または使用中に、ゲルの所望の形状を維持するのに役立ちうる。本発明で使用される多孔質材料は、捲縮または細断されてもよい。特定の実施形態では、多孔質材料は、捲縮した多孔質材料を含む。
【0049】
一部の実施形態では、ゲルは、多孔質材料に少なくとも部分的に吸収される。本発明のサンドイッチ配設では、二つの多孔質担体材料を使用することは、二つの多孔質材料が定位置にゲルを保持し、それ故に一つの多孔質材料のみを使用することと比較して、改善された、またはより強いゲルの固定を与えるという利点を有する。したがって、本発明によるサンドイッチタイプの配設で二つの多孔質材料を使用することは、改善されたゲルの保持を提供するのに有利である。ゲルの保持が改善されることにより、ゲルの移動および漏れの減少に起因して、ゲル分注の改善された制御および無駄の低減が可能になる。ゲルは、ゲルおよびゲル中の添加剤または材料の低減された移動または損失により正確に位置付けられ得る。したがって、ゲルおよびゲル中の添加剤の量の改善された制御が達成され得る。また、ゲルの漏れの低減により機械の汚染が低減し、したがって、製造において機械を洗浄または修理するためのダウンタイムが低減される。
【0050】
特定の実施形態では、担体材料は、エアロゾル発生材料を含む。担体材料は、例えば、たばこ、たばこ材料、粉末たばこ、たばこ茎、ニコチン、たばこ葉もしくはキャストリーフたばこ、または記載したエアロゾル発生材料の任意の組み合わせを含み得る。エアロゾル発生材料はまた、ゲルを保持するという利点を有する多孔質材料であってもよい。特定の実施形態では、担体材料は、エアロゾル発生材料を含んでもよく、ゲルはまた、エアロゾル発生基体を含んでもよい。代替的な実施形態では、ゲルまたは担体材料のいずれかは、エアロゾル発生基体を含んでもよい。
【0051】
特定の実施形態との組み合わせにおいて、ゲルはゲル化剤を含む。特定の実施形態において、ゲルは寒天もしくはアガロースもしくはアルギン酸ナトリウムもしくはジェランガム、またはそれらの混合物を含む。
【0052】
特定の実施形態において、ゲルは水を含み、例えばゲルはヒドロゲルである。別の方法として、特定の実施形態において、ゲルは非水性である。
【0053】
ゲルは活性剤を含むことが好ましい。特定の実施形態との組み合わせにおいて、活性剤は、ニコチンを含む。特定の実施形態では、ニコチンは、所望のニコチン送達のためにエアロゾル形成体とともにゲル中に含まれている。室温でゲル内にニコチンを閉じ込めることは、漏れを防ぐのに望ましい。
【0054】
特定の実施形態では、ゲルは、加熱された時に風味化合物を放出する固体たばこ材料を含む。特定の実施形態に応じて、固体たばこ材料は、例えば薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の断片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、および膨化たばこなどの植物材料のうちの一つ以上を包含する、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうちの一つ以上である。
【0055】
ゲルは、適切なゲル化剤を含み得る。例えば、ゲル化剤は、二つまたは三つのバイオポリマーなどの一つまたは複数のバイオポリマーを含んでもよい。ゲルが複数のバイオポリマーを含む場合、バイオポリマーは実質的に等しい重量で存在することが好ましい。バイオポリマーは、多糖類で形成され得る。ゲル化剤として適切なバイオポリマーとしては、例えばジェランガム(天然、低アシルジェランガム、高アシルジェランガム、中でも低アシルジェランガムが好ましい)、キサンタンガム、アルギネート(アルギン酸)、寒天、グアーガムなどが挙げられる。ゲルは、寒天を含むことが好ましい。ゲルは、単一のゲル化剤のみを含むことが好ましい。この単一のゲル化剤は、寒天またはグアーであることが好ましい。
【0056】
本明細書で使用する場合、用語「エアロゾル発生物品」は、エアロゾルを発生、または放出することができる物品を記述するために使用される。
【0057】
本明細書で使用される場合、用語「エアロゾル発生装置」は、エアロゾル発生物品と共に使用されて、典型的には、エアロゾル発生物品からのエアロゾルの発生を可能にする装置である。エアロゾル発生装置は、しばしばヒーターを備える。
【0058】
本明細書で使用される場合、用語「エアロゾル発生材料」は、エアロゾルの発生を支援する、またはエアロゾルを発生する能力を有する材料、例えば、キャストたばこリーフを記述するために使用される。用語はまた、エアロゾル形成体などのエアロゾル発生基体からのエアロゾルの放出を支援する材料も含む。
【0059】
本明細書で使用される場合、用語「エアロゾル発生基体」は、エアロゾルを発生する能力を有する基体、例えば、キャストリーフたばこまたはニコチンを記述するために使用される。
【0060】
本明細書で使用される場合、用語「担体材料」は、要素の担持、保管、または支持を支援する、または要素を担持、保管、または支持する能力を有する材料を記述するために使用される。本発明では、これはゲルを担持することを含む。特に、ゲルがエアロゾル発生基体を含む場合である。用語「担体」はまた、エアロゾル発生材料、たばこ、綿、またはエアロゾル発生物質、例えばゲルを担持することができる任意の材料も含む。例えば、エアロゾル発生材料は、ゲルを吸収することができる、および/またはゲルによって破壊されない。
【0061】
本明細書で使用される場合、用語「複合エアロゾル発生材料」は、二つ以上の要素を含み、少なくとも一つの要素がエアロゾル発生基体またはエアロゾル発生材料を含む材料を記述するために使用される。複合エアロゾル発生材料は、二つまたはすべての要素がエアロゾルを発生する必要はない。
【0062】
本明細書で使用される「捲縮した」という用語は、複数の実質的に平行な隆起または波形を有する材料を意味する。また、材料を捲縮するプロセスも含む。隆起は、長軸方向、横断方向、角度、直線、波型、連続、中断、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。長軸方向の隆起は、シートが集合されると、実質的にシートの全長にわたって延びるフローチャネルの形成を改善し得る。さらに、捲縮していない、あるいは捲縮したシートと比較して、捲縮によって形成された長軸方向の隆起は、捲縮は、指定された位置に気流チャネルを形成するのに役立ち、かつ気流チャネルそれぞれが比較的類似の断面サイズを有することを確実にするために、形成されたエアロゾル発生ロッドの断面上に均質なフローチャネルの分布を得るのに役立つ。したがって、エアロゾル発生ロッドに対する比較的一貫した引き出し抵抗(RTD)が達成され得る。
【0063】
本開示の目的のために、本明細書で使用される場合、用語「直径」または「幅」は、複合エアロゾル発生材料、または第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシート、それらの一部分または一部品、エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生装置の最大横断寸法である。一例として、「直径」は、円形の横断断面を有する物体の直径であり、または長方形の断面を有する物体の対角線の幅である。
【0064】
本明細書で使用される「集合された」という用語は、巻き込まれ、折り畳まれ、あるいは複合エアロゾル発生材料の長軸方向軸に対して実質的に横断方向に圧縮または狭窄されたシート、または第一の連続的な担体材料のシートまたは第二の連続的な担体材料のシート、または複合エアロゾル発生材料を記述するために使用される。
【0065】
本明細書で使用される場合、用語「ゲル」は、他の材料を保持することができ、かつエアロゾルに材料を放出する能力を有する、三次元ネットワークを備えた固体ゼリー状半硬質材料または材料の混合物を記述するために使用される。
【0066】
本明細書で使用される場合、用語「長軸方向」は、エアロゾル発生物品もしくはエアロゾル発生材料、または複合エアロゾル発生材料、または担体材料のシートの、下流端または近位端と、対向する上流端または遠位端との間の方向を記述するために使用される。
【0067】
本明細書で使用される場合、担体材料のシートに関連する用語「外側」は、担体材料のシートの断面部分の真ん中よりも、担体材料のシートのより長軸方向の側面に向けた部分を記述するために使用される。同様に、用語「内側」または「中央」は(担体材料のシートに関連する)、担体材料のシートの長軸方向の側面の近くよりも、断面部分のより中心にある材料の一部分を記述するために使用される。
【0068】
本明細書で使用される場合、用語「可塑剤」は、可塑性または柔軟性を生成または促進し、脆性を低減するために添加される物質、典型的には溶媒を記述するために使用される。
【0069】
本明細書で使用される場合、用語「ロッド」は、エアロゾル発生物品で使用するための構成要素、セグメント、または要素を記述するために使用される。「連続的なロッド」は、所望の長さに切断する前のロッドの前駆体である。
【0070】
本明細書で使用される場合、用語「多孔質材料」は、ゲルを保持(holding)、保持(retaining)、または支持する能力を有する任意の材料を記述するために使用される。典型的には、多孔質媒体は、その構造内に、例えば、ゲルを保持するために流体または半固体を保持(retain)または保持(hold)するために充填することができる通路を有する。ゲルはまた、多孔質材料内の通路に沿って、および通路を通って、通過または移動することができる(ある程度)ことが好ましい。
【0071】
本明細書で使用される場合、用語「サセプタ」は、交流電磁場内で誘導加熱される能力を有する材料を含む要素を記述するために使用される。これは、サセプタ材料の電気的特性および磁性に依存して、サセプタの中で誘導されたヒステリシス損失または渦電流のうちの少なくとも一つの結果であり得る。ヒステリシス損失は、交流電磁場の影響下で切り替えられる材料内の磁区に起因して、強磁性またはフェリ磁性のサセプタ内で生じる。渦電流は、サセプタが導電性である場合に誘起される場合がある。導電性の強磁性サセプタまたは導電性フェリ磁性サセプタの場合において、渦電流およびヒステリシス損失の両方に起因して熱を発生させることができる。したがって、サセプタは、導電性および磁気のうちの少なくとも一つである材料を含み得る。
【0072】
本明細書で使用される場合、用語「引き出し抵抗」(RTD)は、材料を通して引き出す流体、例えばガスに対する抵抗を記述するために使用される。本明細書で使用される場合、引き出し抵抗は、ISO6565:2002に従って表され、かつ測定される。
【0073】
本明細書で使用される場合、用語「シート」または「シート材料」は、その幅および長さがその厚さよりも実質的に大きい、略平面の薄層状の要素を記述するために使用される。
【0074】
複合エアロゾル発生材料、多層複合エアロゾル発生材料、またはエアロゾル発生ロッドまたはそれらの任意の製造(装置を含む)の一つの実施形態、態様または実施例に関連して本明細書に記載される特徴または工程のいずれかは、複合エアロゾル発生材料、多層複合エアロゾル発生材料、エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生ロッド、それらの製造方法、または製造するための装置のいずれかの任意の他の実施形態、態様または実施例に等しく適用可能であり得る。
【実施例
【0075】
実施例1
エアロゾル発生ロッドで使用するための複合エアロゾル発生材料の製造方法であって、
- 第一の連続的な担体材料のシートを提供する工程と、
- ゲルを第一の連続的な担体材料のシートの表面に分注する工程と、
- 第二の連続的な担体材料のシートを提供し、第二の連続的な担体材料のシートをゲルに対して位置付けて、第一の連続的な担体材料のシートと第二の連続的な担体材料のシートとの間にゲルが置かれた複合材料を形成する工程と、を含む、方法。
実施例2
第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシートのうちの少なくとも一つを捲縮する工程をさらに含む、実施例Ex1による複合エアロゾル発生材料の製造方法。
実施例3
異なる担体材料のそれぞれのソースから第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシートを提供する工程をさらに含む、実施例Ex1またはEx2による複合エアロゾル発生材料の製造方法。
実施例4
単一の担体材料のソースから第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシートの両方を提供する工程をさらに含む、実施例Ex1またはEx2による複合エアロゾル発生材料の製造方法。
実施例5
第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体のシートが折り目を介して互いに一体型となるように、連続的な単一の担体材料のソースのシートを折り畳んで、第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシートの両方を形成する工程をさらに含む、実施例Ex4による複合エアロゾル発生材料の製造方法。
実施例6
連続的な単一の担体材料のソースのシートを切断して、第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシートの両方を形成する工程をさらに含む、実施例Ex4による複合担体材料の製造方法。
実施例7
第一の連続的な担体材料のシートの長軸方向軸の遠位にある側方領域に分注されるゲルの量に対して、より多くの量のゲルを第一の連続的な担体材料のシートの長軸方向軸の近位にある中央領域に分注する工程をさらに含む、実施例Ex1~Ex6のいずれかによる複合エアロゾル発生材料の製造方法。
実施例8
連続的なサセプタ材料の帯を提供し、ゲルが第一の連続的な担体材料のシート上に分注された後に、連続的なサセプタ材料の帯をゲルに対して位置付ける工程をさらに含む、実施例Ex1~Ex7のいずれかによる複合エアロゾル発生材料の製造方法。
実施例9
複合エアロゾル発生材料をその平面に対して直角を成す方向にプレスする工程をさらに含む、実施例Ex1~Ex8のいずれかによる複合エアロゾル発生材料の製造方法。
実施例10
ゲルが、風味、または活性剤、または可塑剤、または湿潤剤、またはニコチン、またはグリセリン、またはプロピレングリコール、またはそれらの任意の組み合わせを含む、実施例Ex1~Ex9のいずれかによる複合エアロゾル発生材料の製造方法。
実施例11
複合エアロゾル発生材料がたばこ材料を含む、実施例Ex1~Ex10のいずれかによる複合エアロゾル発生材料の製造方法。
実施例12
複合エアロゾル発生材料であって、
- 第一の担体材料のシートと、
- 第二の担体材料のシートと、
- ゲルであって、第一の担体材料のシートと第二の担体材料のシートとの間に配置される、ゲルと、を備える、複合エアロゾル発生材料。
実施例13
第一の担体材料のシートと第二の担体材料のシートとの間に位置付けられたサセプタ材料をさらに備える、実施例Ex12による複合エアロゾル発生材料。
実施例14
第一の連続的な担体材料のシート、または第二の連続的な担体材料のシート、または第一の担体材料のシートおよび第二の担体材料のシートの両方がエアロゾル発生材料を含む、実施例Ex12またはEx13による複合エアロゾル発生材料。
実施例15
実施例Ex12~Ex14による複合エアロゾル発生材料を備える、または、実施例Ex1~Ex11のいずれかのように製造された複合エアロゾル発生材料を備える、複合エアロゾル発生ロッド。
【0076】
ここで本開示に記載の一つまたは複数の態様を描写する図面を参照する。ただし、図面に図示されていないその他の態様が本開示の範囲に含まれることが理解されるであろう。図内で使用されている類似の番号は、類似の構成要素、工程、およびこれに類するものを指す。しかし当然のことながら、所与の図において一つの構成要素を指すために一つの番号を使用することは、別の図において同一の番号が付けられた構成要素を制限することを意図しない。加えて、異なる図において構成要素を指すための異なる番号の使用は、異なる番号付きの構成要素が他の番号付きの構成要素と同じまたは同様であることはできないと示すことを意図しない。図は例示の目的で提示されていて、制限の目的で提示されていない。図中に提示された概略図は、必ずしも実寸に比例していない。
【図面の簡単な説明】
【0077】
図1図1は、ソース担体材料のシートを切断するための切断システムの概略斜視図である。
図2図2は、ソース担体材料のシートのためのいくつかのノズルを備えたゲル分注システムの一実施例の概略斜視図である。
図3図3は、エアロゾル発生材料スタックを製造するための層状化システムの概略上面図を示す。
図4図4は、図3の層状化システムの概略側面図を示す。
図5図5は、エアロゾル発生ロッドを製造するためのシステムの概略斜視図である。
図6図6は、一実施形態による複合エアロゾル発生材料の概略断面図である。
図7図7は、別の実施形態による複合エアロゾル発生材料の概略断面図である。
図8図8は、さらなる実施形態による複合エアロゾル発生材料の概略断面図である。
図9図9は、さらなる実施形態による複合エアロゾル発生材料の概略断面図である。
図10図10は、一実施形態によるサセプタ材料を備える複合エアロゾル発生材料の概略断面図である。
図11図11は、さらなる実施形態によるサセプタ材料を備える複合エアロゾル発生材料の概略断面図である。
図12図12は、二つの複合エアロゾル発生材料の間のサセプタの断面図の概略図である。
図13図13は、集合前の、サセプタが複合エアロゾル発生材料の間に位置付けられたエアロゾル発生ロッドの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0078】
図1は、切断システム10の一実施例を示す。担体材料のソースシート12が最初に、ボビン(図示せず)から巻き出され、矢印によって概して示されている方向に搬送される。担体材料のソースシート12は、長軸方向に長軸方向軸を有し、特定の幅および特定の厚さを有する。特定の実施形態では、ソース担体材料12は、好ましくは、たばこキャストリーフ(TCL)であるが、他の実施形態では、ソース担体材料12は、他の材料、例えば、綿を含む。切断システム10は、この実施例ではインラインナイフ10の形態を取るカッター20を備えることが好ましい。特定の実施形態では、他のカッター20、例えば、円形ナイフまたは回転カッターが使用される。
【0079】
インラインナイフ20は、ナイフ20の鋭利な縁部がソース担体材料の入ってくるシート12に向かうように、ソース担体材料のシート12の長軸方向軸に対して直角を成す長軸方向軸を有する。ソース担体材料のシート12は、ナイフ20によって、切断線24に沿って二つのセクション22A、22Bに切断される。特定の実施形態では、ソース担体材料のシート12は、第一のセクション22Aおよび第二のセクション22Bの両方が同じ幅を有するように、その長軸方向軸に沿って切断される。他の実施形態では、ソース担体材料のシート12は、第一のセクション22Aが第二のセクション22Bに対してより大きな幅を有するように、または第二のセクション22Bが第一のセクション22Aに対してより大きな幅を有するように、長軸方向軸からオフセットした切断線24に沿って切断される。他の実施例では、ソース担体材料のシート12は、例えば、二つ以上のカッターを20を使用して、または同じカッター20を使用して、三つ以上のセクション22A、22Bに切断される。切断プロセスは一般的にダストを生成するため、一部の実施形態では、切断システム10はまた、切断システム10内にダスト保護を備える。例えば、ダスト保護は、生成されたダストが制御された様態で少なくとも部分的に排出されるように、空気吸引システム(図示せず)の形態を取る。ダスト保護を含めることによって、高い割合のダストがゲル144(図2参照)またはソース担体材料12と接触することを防止するが、そうでなければ接触により汚染および品質問題が生じ得る。二つのセクション22A、22Bは、第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシートを形成する。
【0080】
図2は、ゲル分注システム100の一実施例を示す。ゲル分注システム100は、三つのゲル分注ノズル142を有するゲル分注ステーション140を備える。各ノズル142は、ゲル144を第一の連続的な担体材料のシート12のセクション122の表面部分上に分注する。三つのゲル細片144は、第一の連続的な担体材料のシートのセクション122に適用される。第一の連続的な担体材料のシートのセクション122は、この実施例において矢印で概して示されている方向に沿って搬送される。特定の実施形態では、異なる数のゲル分注ステーション140またはノズル142が使用される。こうした実施形態では、異なる数のゲル細片144が生成される。この実施例では、ノズル142から分注されるゲル細片144は、互いに平行であることが好ましいが、他の実施例では、ゲル細片144は互いに平行ではなく、例えば、波状、第一の連続的な担体材料のシートのセクション122の長軸方向に沿ってオフセットしている、またはループ状である。
【0081】
一部の実施例では、細片毎および分注システム毎に適用されるゲル144の量は、層状化プロセスおよびプレスプロセス(両方とも説明されるような)中に、ゲル144が第一の連続的な担体材料のシートのセクション122の表面を超えて広がらないように計算される。これにより、ゲル144が、集合またはプレスまたは包装プロセス(図示せず)中に漏斗形状の装置490(図5参照)の内表面と接触する(およびそれ故に汚染する)ことを防止する。
【0082】
一部の実施例では、ゲル分注システム100は、ヒーター(図示せず)およびフィードバックループを通して結合された熱センサー(図示せず)を有する温度制御システム(図示せず)を含む。温度制御システムは、ゲル144を加熱して、ゲル分注ステーション(複数可)140に達する前に、その温度が標的温度範囲内のままとなるように制御する。随意に、ゲルディスペンサーステーション140は、追加的に、各ノズル142のフローを独立して調整可能とすること、あるいは、追加的に、ゲル144のタイプを異なるノズル142によって、例えば、第一の連続的な担体のシートのセクション122の異なる位置上に送達することを可能にする、流量計、ポンプ、または作動蛇口(図示せず)などを含む。これは、異なる量のゲル144を適用することを容易にし、それ故に異なる複合エアロゾル発生材料を製造することを容易にするため、特に有利である。分注されるゲル144の量は、例えばノズルの流量またはゲル144がノズルから分注される時間の長さを変更することによって変化し得る。特定の実施形態では、ゲル144の量の変動は、ノズル毎に独立して変化させることができる。これはまた、各ノズル142からのゲル144のフローを、ノズル142の位置に応じて調整することを可能にし、例えば、第一の連続的な担体材料のシートのセクション122の長軸方向軸の近くに位置するノズル142は、プレスプロセス中に第一の連続的な担体材料のセクション122の表面を超えてゲル144が広がることを防止するために、ノズル142によって第一の連続的な担体材料のシートのセクション122の縁部の近くに分注される量に対して、より多くの量のゲル144を分注するように適合される。分注されるゲル144の流量、ゲル144が分注される期間、または分注されるゲル144によって形成されるパターンは、異なる実施例において変更される。当然のことながら、切断工程(ソース担体材料12の)およびゲル適用工程の順序は、関連していない。ソース担体材料12の切断工程は、ゲル分注工程の前に行われることが好ましいが、特定の実施形態では、切断工程は、ゲル分注工程後、またはゲル適用工程と同時に行われる。
【0083】
図3~4は、エアロゾル発生ロッドを製造するための層状化システム250、350の一実施形態を図示する。層状化システム250、350は、二つのセクション222A、222B、第一の連続的な担体材料のシート222Bおよび第二の連続的な担体材料のシート222Aを互いの上部に置いて、複合エアロゾル発生材料530(図6により良好に示す)を形成する。第一の連続的な担体材料のシート222Bおよび第二の連続的な担体材料のシート222Aのそれぞれは、指定された幅を有する。第一の連続的な担体材料のシート222Bおよび第二の連続的な担体材料のシー222Aは、指定された厚さを有する。複合エアロゾル発生材料530は、第一の連続的な担体材料のシート222Bおよび第二の連続的な担体材料のシート222Aと、第一の連続的な担体材料のシート222Bと第二の連続的な担体材料のシート222Aとの間に置かれたゲル244とを備える。層状化システム250、350は、第二の連続的な担体材料のシート222Aを第一の連続的な担体材料のシート222B上に置く横方向移動システムを備える。この実施例では、第二の連続的な担体材料のシート222Aは上部にあり、第二の連続的な担体材料のシート222Bは底部にある。他の実施形態では、複合エアロゾル発生材料530は、別の方法、例えば、第二の連続的な担体材料のシート222Aが第一の連続的な担体材料のシート222Bの下に置かれるように構成される。横方向移動システムは、第一の連続的な担体材料のシート222Bおよび第二の連続的な担体材料のシート222Aを垂直パイルに、第二の連続的な担体材料のシート222Aが第一の連続的な担体材料のシート222Bの直上かつ平行にあるように、一方を他方の上に置く。他の実施形態では、第二の連続的な担体材料のシート222Aおよび第一の連続的な担体材料のシート222Bは互いからオフセットされている。図3~4に示す層状化システム250、350は、第一の連続的な担体材料のシート222Bおよび第二の連続的な担体材料のシート222Aを互いの上部に置くための一つの横方向移動システムを示す。他の実施形態では、層状化システム250、350は、複数の横方向移動システムを備え、三つ以上の担体材料のシート222Aおよび222Bのスタックを製造することを可能にする。図3~4に示す実施例では、第一の連続的な担体材料のシート222Bおよび第二の連続的な担体材料のシート222Aが別個のボビン(図示せず)から層状化システム250、350の横方向移動システム上に巻き出されるが、他の実施形態では、単一のソース担体材料のシート222がボビンから巻き出され、次いで別個のセクション、第一の連続的な担体材料のシート222Bおよび第二の連続的な担体材料のシート222Aに切断される。ローラー252、254、256および258は、第一の連続的な担体材料のシート、または第二の連続的な担体材料のシート、または第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシートの両方を方向付けるのを支援する。
【0084】
図4で最もよく分かるように、横方向移動システムは、搬送ローラー352、指向性ローラー354、および一対の位置決めローラー356を備える。第一の連続的な担体材料のシート322Bは、搬送ローラー352上に搬送される。第二の連続的な担体材料のシート322Aは、汚染を回避するために、ゲル344を受容していない側から指向性ローラー354によって接触される。指向性ローラー354は、第二の連続的な担体材料のシート322Aの移動が第一の連続的な担体材料のシート322Bに向けて再配向されるように角度付けられている。指向性ローラー354の角度は、製造空間が節約されると同時に、そうでなければ第二の連続的な担体材料のシート322Aの構造を変化させる場合がある、大き過ぎる歪みが第二の連続的な担体材料のシート322A上に適用されないように選ばれる。第二の連続的な担体材料のシート322Aおよび第一の連続的な担体材料のシート322Bの両方は次いで、第二の連続的な担体材料のシート322Aが第一の連続的な担体材料のシート322Bに隣接して配置される位置に置かれる位置決めローラー356を通して方向付けられる。第一の連続的な担体材料のシート322Bから位置決めローラー356の表面までの距離は、第二の連続的な担体材料のシート322Aの厚さとほぼ等しい。この配設により、二つの連続的な担体材料のシート322B、322Aが、それらが位置決めローラー356を通過する時に接触することが可能になる。位置決めローラー356の回転軸は、エアロゾル発生材料の第一のシート322Bの搬送方向に対して直角を成している。これは、図3から分かるように、第二の連続的な担体材料のシート322Aを第一の連続的な担体材料のシート322Bと整列させる。
【0085】
特定の実施形態では、層状化システムはまた、二つのプレスローラー358を有するプレスシステムを含み、第二の連続的な担体材料のシート322Aおよび第一の連続的な担体材料のシート322Bは、追加的にこれを通過する。第一の連続的な担体材料のシート322Bおよび第二の連続的な担体材料のシート322Aがプレスローラー358を通して搬送される時、プレスローラー358によって加えられる圧力により、第二の連続的な担体材料のシート322A、第一の連続的な担体材料のシート322B、および介在するゲル344を一緒に接着することが可能になる。圧力は、第一の連続的な担体材料のシート322Bおよび第二の連続的な担体材料のシート322Aおよびゲル344の接着を促進するのに十分に大きいが、第一の担体材料のシート322Bおよび第二の連続的な担体材料のシート322Aが構造的に損傷されず、さらに、ゲル細片344が、第一の連続的な担体材料のシート322Bと第二の連続的な担体材料のシート322Aとの間に気流通路が存在しない点まではプレスされないのに十分に小さい。こうした事例では、ゲル344を有する第一の連続的な担体材料のシート322Bおよび第二の連続的な担体材料のシート322Aは、一部の事例では引き出し抵抗特性に影響を与える場合がある、それを通ってエアロゾルまたは空気が流れない気密ブロックを生成する。特定の実施形態では、位置決めローラー356は、表面上に作用する単一の位置決めローラーの形態を取る。特定の実施形態では、プレスローラー358は、表面に作用する単一のプレスローラーの形態を取る。
【0086】
図5は、エアロゾル発生ロッドを製造するための層状化システム450の一実施形態を示す。たばこキャストリーフ(TCL)シート412(エアロゾル発生材料であるソース担体材料の一例でもある)は、ボビン(図示せず)から巻き出され、一対の捲縮ローラー470A、470Bによって捲縮され、ソース担体材料のシート412内に隆起および溝を生成する。次いで、ソース担体材料の捲縮したシート412を二つのセクションに切断し、カッター420によって第一の連続的な担体材料のシート422Bおよび第二の連続的な担体材料のシート422Aを形成する。本実施例のカッター420は、インラインカッター、より具体的には円形ナイフである。捲縮工程は随意であると想定すべきである。特定の実施形態では、切断工程は、異なるボビンまたはソースから第一の連続的な担体材料のシート422Bおよび第二の連続的な担体材料のシート422Aを提供することで置き換えられる。切断工程は、第一の連続的な担体材料のシート422Bおよび第二の連続的な担体材料のシート422Aの複数のボビンに対して必要な保管空間が低減されるように提供される。ゲル444は、各々が、ゲル細片444を、第一の連続的な担体材料のシート422Bの表面上に分注する三つのノズル442を有するゲル分注システム440によって適用される。第二の連続的な担体材料のシート422Aは、第一の連続的な担体材料のシート422Bのゲルが分注された表面に向けて再配向フォーク452によって方向付けられて、第一の連続的な担体材料のシート422Bと第二の連続的な担体材料のシート422Aとの間にゲル444が配置された第一の連続的な担体材料のシート422Bおよび第二の連続的な担体材料のシート422Aを有する複合エアロゾル発生材料または「サンドイッチ」を形成する。複合エアロゾル発生材料の詳細な断面図が図5に示されており、ほぼ等しい幅の三つのゲル細片444が第二の連続的な担体材料のシート422Aと第一の連続的な担体材料のシート422Bとの間に配置されている。次いで、そのコアにゲル444を有する第一の連続的な担体材料のシート422Bおよび第二の連続的な担体材料のシート422Aの複合エアロゾル発生材料は、漏斗490の入力端に向かって方向付けられ、漏斗490の出力端において連続的なロッド492形状へと圧縮される。
【0087】
図6は、一実施形態による複合エアロゾル発生材料530の概略断面図を示す。複合エアロゾル発生材料530は、第一の担体材料のシート522Bおよび第二の担体材料のシート522Aを含む。三つのゲル細片544は、第一の担体材料のシート522Bと第二の担体材料のシート522Aとの間に配置される。中央ゲル細片544Bは、長軸方向軸の近位にある中央領域に位置し、ゲル細片544A、544Cは、中央ゲル細片544Bのいずれかの側上の側方領域にあって間隙を介している。この実施形態では、ゲル細片544A、544B、544Cは、同じ幅を有する。したがって、ゲル細片544A、544B、544Cは均一に配置されていると言うことができる。ゲル細片544A、544Cは、機械上のゲルの染みを回避するため、例えば、ゲル544の漏れによる漏斗(図示せず)の汚染を回避するために、第一の担体材料のシート522Bおよび第二の担体材料のシート522Aの外縁部から内方に位置付けられることが好ましい。他の実施形態では、ゲル細片544は不均一に分注される(図7を参照)。複合エアロゾル発生材料530は、図5を参照して記述してきたように、層状化システム450を使用して生成される。特定の実施形態では、第一の連続的な担体材料のシート522Bおよび第二の連続的な担体材料のシート522Aは、同じシート512から、例えば、単一のボビン(図示せず)上に提供され、次いで、切断システム420を介して二つに切断されて、第一の連続的な担体材料のシート522Bおよび第二の連続的な担体材料のシート522Aを形成する。他の実施形態では、第一の連続的な担体材料のシート522Bおよび第二の連続的な担体材料のシート522Aは、各々異なるソースから提供され、例えば、第一の連続的な担体材料のシート522Bは第一のボビン(図示せず)上に、第二の連続的な担体材料のシート522Aは異なるボビン(図示せず)上に提供される。
【0088】
図7は、別の実施形態による複合エアロゾル発生材料630の概略断面図を示す。複合エアロゾル発生材料630は、第一の担体材料のシート622B、第二の担体材料のシート622A、および第三の担体材料のシート622Cを含む。三つのゲル細片644は、第一の担体材料のシート622Bと第二の担体材料のシート622Aとの間に配置される。中央ゲル細片644Bは、長軸方向軸の近位にある中央領域に位置し、ゲル644A、644Cは、中央ゲル細片644Bのいずれかの側上の側方領域にあって間隙を介している。この実施形態では、別のさらに三つのゲル細片644が、第一の担体材料のシート622Bと第三の担体材料のシート622Cとの間に配置される。中央領域内のゲル細片644Bは、側方領域におけるゲル細片644A、644Bよりも大きい幅を有する。したがって、ゲル細片644A、644B、644Cは、不均一に配置されていると言うことができる。他の実施例では、第一の担体材料のシート622Bと第二の担体材料のシート622Aとの間のゲル644A、644B、644Cの分布は、第一の担体材料のシート622Bと第三の担体材料のシート622Cとの間のゲル644A、644B、644Cの分布とは異なる。一部の実施例では、ゲル644は、第一の担体材料のシート622Bと第二の担体材料のシート622Aとの間に均一に分布され、そしてゲル644は、第一の担体材料のシート622Bと第三の担体材料のシート622Cとの間に不均一に分布される。ゲル細片644A、644Cは、ゲルの染み、例えば、ゲル644の漏斗(図示せず)への漏れによる機械の汚染を回避するために、第一の担体材料のシート622Bおよび第二の担体材料のシート622Aの外縁部から内方に位置付けられることが好ましい。具体的には、この実施例では、第二の担体材料のシート622Aの長軸方向軸の遠位にある側方領域に分注されるゲル644の量に対して、より多くのゲル644が第二の担体材料のシート622Aの長軸方向軸の近位にある中央領域に分注される。したがって、中央ゲル細片644Bは、ゲル細片644A、644Cよりも大きい幅を有する。これは、汚染のリスク、例えばゲル644が漏斗(図示せず)に漏れるリスクを低減する。特定の実施形態では、側方領域に対して10パーセント(%)多くのゲル644質量が、中央領域に分注される。他の実施形態では、エアロゾル発生材料のシートの側方領域に対して20パーセント(%)多くのゲル644質量が中央領域に分注される。
【0089】
複合エアロゾル発生材料630は、図5を参照して記述してきたように、層状化システム450を使用して生成される。特定の実施形態では、第一の担体材料のシート622B、第二の担体材料のシート622Aおよび第三の担体材料のシート622Cは、同じ担体材料のソースから、例えば、単一のボビン(図示せず)上に提供され、次いで切断システム420を介して三つのセクション622A、622B、622Cに切断されることが好ましい。特定の実施形態では、ゲル644は、第一の連続的な担体材料のシート622Bの両側上に置かれ、第二の連続的な担体材料のシート622Aおよび第三の連続的な担体材料のシート622Cは、層状化システム450を介して第一の担体材料のシート622B上に置かれる。特定の実施形態では、複合エアロゾル発生材料630は、第一の連続的な担体材料のシート622Bおよび第三の連続的な担体材料のシート622Cを提供し、ゲル細片644を第一の連続的な担体材料のシート622Bおよび第三の連続的な担体材料のシート622Cの各々の上部に適用することによって構成される。第一の連続的な担体材料のシート622Bは、第三の連続的な担体材料のシート622Cの上に置かれ、次いで、第二の連続的な担体材料のシート622Aが第一の連続的な担体材料のシート622Bの上部に置かれる。複合エアロゾル発生材料630の上面および底面は、ゲル644を有しないことが好ましい。特定の実施形態では、第一の連続的な担体材料のシート622A、第二の連続的な担体材料のシート622B、または第三の連続的な担体材料のシート622Cのうちの二つは、同じ担体材料のソースから、単一のボビン(図示せず)上に提供され、切断システム420を介して二つのセクションに切断される。特定の実施形態では、第一の連続的な担体材料のシート622A、第二の連続的な担体材料のシート622Bおよび第三の連続的な担体材料のシート622Cのそれぞれは、各々異なるソースから提供される。すなわち、シート622A、622B、622Cは、異なるそれぞれのボビンから巻き出される。代替的な実施形態では、複合エアロゾル発生材料の製造は、複合エアロゾル発生材料を製造する工程と、複合エアロゾル発生材料を、一方を他方の上部に層状化する工程とを繰り返すことを伴う。これは、追加の層および/または異なる数の層を有する複合エアロゾル発生材料を提供する。
【0090】
複合エアロゾル発生材料630は、第一の連続的な担体材料のシート622Aを供給するための手段を有する装置(図示せず)によって製造される。一つの実施形態では、第一の連続的な担体材料のシート622Aを供給する手段はボビン(図示せず)である。装置は、ゲル644を第一の連続的な担体材料のシート622Aの表面上に分注するノズル、および第二の連続的な担体材料のシート622Bを提供し、第二の連続的な担体材料のシート622Bをゲル644上に位置付けて、複合エアロゾル発生材料630を形成する層状化システムを有する。別の実施形態では、第一の連続的な担体材料のシート622Aはカッターによって供給される。カッターは、層状化システムの上流に位置する。カッターは、その長軸方向軸に沿って担体材料のソースのシートを切断して、第一の連続的な担体材料のシート622Aおよび第二の連続的な担体材料のシート622Bを形成する。さらに、一部の実施例では、装置は、その長軸方向軸に沿ってソース担体材料の一部分を折り畳んで、第一の連続的な担体材料のシート622Aおよび第二の連続的な担体材料のシート622Bを形成する折り畳み手段をさらに備える。
【0091】
図8は、さらなる実施形態による複合エアロゾル発生材料730の概略断面図を示す。複合エアロゾル発生材料730は、第一の担体材料のシート722A、第二の担体材料のシート722B、第三の担体材料のシート722C、および第四の担体材料のシート722Dを含む。三つのゲル細片744は、第一の担体材料のシート722Aと第二の担体材料のシート722Bとの間に配置される。中央ゲル細片744Bは、長軸方向軸の近位にある中央領域に位置し、ゲル細片744A、744Cは、中央ゲル細片744Bのいずれかの側上の側方領域にあって間隙を介している。この実施形態では、第二の担体材料のシート722Bと第三の担体材料のシート722Cとの間にはゲルは配置されない。代わりに、別のさらなる三つのゲル細片744が、第三の担体材料のシート722Cと第四の担体材料のシート722Dとの間に配置される。複合エアロゾル発生材料730は、二つの複合エアロゾル発生材料722A、722B、および722C、722Dを含む。中央領域のゲル細片744Bは、側方領域におけるゲル細片744A、744Cよりも大きい幅を有する。したがって、ゲル細片744A、744B、744Cは、不均一に配置されていると言うことができる。ゲル細片744A、744Cは、第一の担体材料のシート722A、第二の担体材料のシート722B、第三の担体材料のシート722Cおよび第四の担体材料の722Dの外縁部から内方に位置付けられて、機械の汚染、例えば、ゲル744の漏斗(図示せず)への漏れを回避することが好ましい。具体的には、この実施例では、セクション722の長軸方向軸の遠位にある側方領域に分注されるゲル744の量に対して、より多くのゲル744がセクション722の長軸方向軸の近位にある中央領域に分注される。したがって、中央ゲル細片744Bは、ゲル細片744A、744Cよりも大きい幅を有する。これは、汚染のリスク、例えばゲル744が漏斗(図示せず)に漏れるリスクを低減する。
【0092】
複合エアロゾル発生材料730は、図5を参照して記述してきたように、層状化システム450を使用して生成される。特定の実施形態では、単一のシートが単一のソースから、例えば、単一のボビン(図示せず)上に提供され、次いで、切断システム420を介して四つのセクションに切断されて、第一の連続的な担体材料のシート722A、第二の連続的な担体材料のシート722B、第三の連続的な担体材料のシート722Cおよび第四の連続的な担体材料のシート722Dを形成することが好ましい。複合エアロゾル発生材料730の上面および底面は、ゲル744を有しないことが好ましい。特定の実施形態では、第一の連続的な担体材料のシート722A、第二の連続的な担体材料のシート722B、第三の連続的な担体材料のシート722C、または第四の連続的な担体材料のシート722Dのうちの少なくとも二つは、同じソース担体材料のシートから、例えば、単一のボビン(図示せず)上に提供され、次いで切断システム420を介して二つのセクションに切断される。特定の実施形態では、第一の連続的な担体材料のシート722A、第二の連続的な担体材料のシート722B、第三の連続的な担体材料のシート722Cおよび第四の連続的な担体材料のシート722Dのそれぞれは、各々異なるソースから提供される。すなわち、シート722A、722B、722C、722Dは、異なるそれぞれのボビンから巻き出される。
【0093】
図9は、さらなる実施形態による複合エアロゾル発生材料830の概略断面図を示す。この実施形態では、ゲル844がシート812(担体材料)上に堆積され、次いで、シート812がそれ自体上に戻るよう折り畳まれる。図示するように、これは、ゲル844が一方の側から圧搾されることを止める。シート830の折り畳みは、互いに動作可能に結合または統合された二つの層、第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシートを生成する。二つの層、第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシートは、折り目(図示せず)によって接続される。
【0094】
図10は、一実施形態による複合エアロゾル発生材料930の概略断面図を示す。複合エアロゾル発生材料930は、第一の担体材料のシート922Bおよび第二の担体材料のシート922Aを含む。二つのゲル細片944は、第一の担体材料のシート922Bと第二の担体材料のシート922Aとの間に配置される。中央に位置付けられるサセプタ材料900は、長軸方向軸の近位にある中央領域内に位置し、ゲル細片944は、中央に位置付けられたサセプタ材料900のいずれかの側の側方領域にあって間隙を介している。この実施形態では、ゲル細片944は、同じ幅を有する。ゲル細片944は、複合エアロゾル発生材料930からのゲルの漏れを回避するために、第一の担体材料922Bおよび第二の担体材料922Aの外縁部から内方に位置付けられることが好ましい。複合エアロゾル発生材料930は、図5を参照して記述した層状化システム450と追加的なサセプタ材料900挿入機構を使用して生成される。図10の実施形態では、第一の連続的な担体材料のシート922Bおよび第二の連続的な担体材料のシート922Aは、同じシート512から、例えば、単一のボビン(図示せず)上に提供され、次いで、二つに切断されて、第一の連続的な担体材料のシートおよび第二の連続的な担体材料のシートを形成する。図10の実施形態の製造では、サセプタ材料900は、ゲルを第一の連続的な担体材料のシート922Bの表面に分注する前に第一の連続的な担体材料のシート922B上に挿入される。サセプタ材料900は、ゲル細片944と直接接触せずに示されている。しかしながら、図10の実施形態は、組成物エアロゾル発生材料930がプレスされる前を示している。プレスされると、ゲル細片944は、第一の担体材料922Bと第二の担体材料922Aとの間に横方向に広がり、サセプタ材料900と直接接触し得る。
【0095】
図11は、別の実施形態による複合エアロゾル発生材料930の概略断面図を示す。複合エアロゾル発生材料930は、第一の担体材料のシート922B、第二の担体材料のシート922A、および第三の担体材料のシート922Cを含む。二つのゲル細片944は、第一の担体材料のシート922Bと第二の担体材料のシート922Aとの間に配置される。中央に位置付けられたサセプタ材料900は、複合エアロゾル発生材料930の長軸方向軸の近位にある中央領域に、二つのゲル細片944の間に位置している。この実施形態では、別のさらなる三つのゲル細片944が、第一の担体材料のシート922Bと第三の担体材料のシート922Cとの間に配置される。図11の実施例の複合エアロゾル発生材料930がプレスされると、サセプタ材料900がゲル944と直接接触し得ることが好ましい。
【0096】
図12は、複合エアロゾル発生材料の二つの層を備える複合エアロゾル発生材料1030の概略側面図を示す。第一の複合エアロゾル発生材料は、ゲル1044Aが二つの連続的な担体材料のシート1022Aと1022Bとの間にある、二つの連続的な担体材料のシート1022Aおよび1022Bを備える。第二のエアロゾル発生材料は、ゲル1044Bが二つの担体材料のシート1022Cと1022Dとの間にある、二つの連続的な担体材料のシート1022Cおよび1022Dを備える。複合エアロゾル発生材料の二つの層の間に、サセプタまたは連続的なサセプタの帯1000が位置付けられる。この図示した実施形態では、サセプタ1000はゲル1044A、1044Bと直接接触していない。使用中、サセプタ1000または連続的なサセプタの帯100からの熱は依然として、担体材料1022Bおよび1022Cを通してゲルに達し得る。この実施形態では、担体材料はすべて綿である。ゲルは、ニコチンを含む。サセプタの帯はアルミニウムである。
【0097】
図13は、エアロゾル発生ロッド1130の長軸方向軸に沿った断面図を示す。図12の実施形態と同様に、サセプタの帯1100は、連続的な担体材料1122Aと1122Bとの間に、ゲル1144、1044A、1044Bに隣接して位置付けられない。図13の実施形態では、連続的なサセプタの帯1100が、複合エアロゾル発生材料および連続的なサセプタの帯1100を集合させる直前に、複合エアロゾル発生材料の間に置かれる。集合された材料は巻かれて、連続的なエアロゾル発生ロッド1130を生成する。この図13の実施形態では、担体材料はリンネルである。サセプタの帯は、炭素である。ゲルは、ニコチンを含む。ゲルは、グリセリンをさらに含む。
【0098】
本明細書で使用されるすべての科学的用語および技術的用語は、別途指定のない限り、当技術分野で一般的に使用されている意味を有する。本明細書で提供されている定義は、本明細書において頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするために提供されている。
【0099】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は、複数形の対象を有する実施形態を包含するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0100】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される「または」という用語は概して、代替的に、または追加的に、を含む意味で使用されるが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0101】
本明細書で使用される「有する、持つ(have)」、「有している、持っている(having)」、「含む(include)」、「含む(including)」、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、またはこれに類するものは、制約のない意味で使用され、概して「含むが、これに限定されない」を意味する。当然のことながら、「から本質的に成る(consisting essentially of)」、「から成る(consisting of)」、およびこれに類するものは、「備える(comprising)」およびこれに類するものに包摂される。
【0102】
「好ましい」および「好ましくは」という語は特定の状況下で、特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。しかしながら、同一の状況下または他の状況下で、他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。その上、一つまたは複数の好ましい実施形態の列挙は、他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲から他の実施形態を除外することを意図しない。
【0103】
「上」、「下」、「左」、「右」、「上方」、「下方」および他の方向または向きなど、本明細書で言及される任意の方向は、明瞭化および簡潔性のために本明細書に記載され、実際の装置またはシステムを限定すること意図しない。本明細書に記載の装置およびシステムは、数多くの方向および向きで使用されてもよい。
【0104】
上記に例示された実施形態は限定するものではない。上述の実施形態と一貫性のある他の実施形態が、当業者に明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】