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特表2022-549573防火・消火装置、防火・消火材料、防火・消火システム、及び、これらの使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-28
(54)【発明の名称】防火・消火装置、防火・消火材料、防火・消火システム、及び、これらの使用方法
(51)【国際特許分類】
   A62C 35/02 20060101AFI20221118BHJP
【FI】
A62C35/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513654
(86)(22)【出願日】2020-08-21
(85)【翻訳文提出日】2022-04-25
(86)【国際出願番号】 US2020047527
(87)【国際公開番号】W WO2021041263
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】62/891,707
(32)【優先日】2019-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/004,828
(32)【優先日】2020-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522075944
【氏名又は名称】マレー,ドナルド エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】マレー,ドナルド エー.
【テーマコード(参考)】
2E189
【Fターム(参考)】
2E189BA02
2E189BC07
(57)【要約】
【解決手段】防火・消火装置、防火・消火材料、防火・消火システム、及び、これらの使用方法を開示する。消火用途では、空気導入と組み合わせられるときの放出性能、冷却媒体の量の減少、及び、より長い放出時間のための再形成されるエアロゾル消火剤/燃焼室を改善すべく、中細ノズルが火工式エアロゾル発生器に組み込まれている。消火用途では、シート、パネル又は他の形態のエアロゾル消火剤が、火災が起こる場合がある包囲体内に配置され得る。開始すると、エアロゾル消火材料が燃焼して、消火し得るエアロゾル微粒子を生成して直接分散させる。エアロゾル消火剤は、望まない火災からの炎又は熱によって開始され得る。代替の開始方法では、自動的な火災検知システムによって信号が送られる電気イニシエータ、電気手動方法、又は機械/熱イニシエータが含まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜在的な火災危険物上に又は前記火災危険物に物理的に近接して配置されているエアロゾル材料、及び、作動すると消火剤を生成する火工式発生器の少なくとも1つを備えており、
前記エアロゾル材料は、熱又は炎の少なくとも1つに少なくとも1度さらすことにより動作するように構成されており、イニシエータが、エアロゾル消火物質の動作を容易にすべく前記エアロゾル材料に動作可能に結合されており、
前記エアロゾル材料は、エアロゾル消火物質を含浸した可撓性シート、エアロゾル消火物質を含浸した剛性シート、潜在的な火災危険物の表面若しくは前記火災危険物に物理的に近接して適用されている被覆体;円筒形、角錐形、角柱形、直方体、球形、不規則なシェル、これらの組み合わせの内の少なくとも1つの形状を有する三次元固体;中空、全体に固体、全体に固体であるが多孔性の内の1つ;これらの組み合わせ;の内の少なくとも1つの形態であり、
前記火工式発生器は、出口を有する燃焼室と、前記燃焼室の出口に直接連結されている少なくとも1つの中細ノズルとを有しており、前記少なくとも1つの中細ノズルは、消火剤を潜在的な火災危険物に向けるように配置されている、消火システム。
【請求項2】
潜在的な火災危険物上に又は前記火災危険物に物理的に近接して配置されているエアロゾル材料を含んでおり、
前記エアロゾル材料は、熱又は炎の少なくとも1つにさらされて動作するように構成されており、
前記エアロゾル材料は、エアロゾル消火物質を含浸した材料体;潜在的な火災危険物の表面若しくは前記火災危険物に物理的に近接して適用されている被覆体;の内の少なくとも1つの形態である、消火システム。
【請求項3】
前記材料体は、可撓性、剛性、これらの組み合わせの内の1つを有し;円筒形、角錐形、角柱形、直方体、球形、不規則なシェル、これらの組み合わせの内の1つである形状を有し;中空、全体に固体、全体に固体であるが多孔性の内の1つであり;これらの組み合わせである、請求項2に記載の消火システム。
【請求項4】
前記エアロゾル消火物質は、硝酸カリウム、炭酸カリウム、エポキシ樹脂、有機樹脂、ジシアンジアミド(DCDA)、マグネシウムの内の少なくとも1つを含んでいる、請求項2に記載の消火システム。
【請求項5】
前記エアロゾル材料は、エアロゾル消火物質の複数の層を更に含んでいる、請求項2に記載の消火システム。
【請求項6】
前記複数の層は少なくとも2つの層を有しており、
更に第1の層のエアロゾル消火物質は、第2の層のエアロゾル消火物質とは異なる、請求項5に記載の消火システム。
【請求項7】
前記エアロゾル消火物質の動作を容易にすべく、前記エアロゾル材料に動作可能に結合されているイニシエータを更に備えている、請求項2に記載の消火システム。
【請求項8】
所定の温度を超える熱、炎、所定の濃度を超える燃焼生成物、少なくとも所定の成分を有する燃焼生成物の少なくとも1つを検知すると、前記イニシエータを作動させるべく、前記イニシエータに動作可能に結合されている火災検知器を更に備えている、請求項7に記載の消火システム。
【請求項9】
前記イニシエータ及び前記エアロゾル材料に結合されている制御装置を更に備えている、請求項7に記載の消火システム。
【請求項10】
前記制御装置は、前記イニシエータを人によって選択的に作動させ得る手動式アクチュエータを有している、請求項9に記載の消火システム。
【請求項11】
所定の温度を超える熱、炎、所定の濃度を超える燃焼生成物、少なくとも所定の成分を有する燃焼生成物の少なくとも1つを検知すると、前記イニシエータを作動させるべく、前記イニシエータ及び前記制御装置に動作可能に連結されている火災検知器を更に備えている、請求項9に記載の消火システム。
【請求項12】
前記火災危険物はデバイス及び処理システムの少なくとも1つを有しており、前記制御装置は、前記デバイスの動作を監視する監視装置に連結されている、請求項9に記載の消火システム。
【請求項13】
作動すると消火剤を生成し、出口を含む燃焼室を有する火工式発生器と、
前記燃焼室の出口に直接連結されている少なくとも1つの中細ノズルと
を備えている、消火装置。
【請求項14】
前記火工式発生器に連結されて、前記少なくとも1つの中細ノズルを囲む空気導入シェルを更に備えており、前記空気導入シェルは少なくとも1つの開口部を有しており、前記開口部を通して周囲の環境空気が引き込まれ、前記少なくとも1つの中細ノズルから放出される放出流に取り込まれる、請求項13に記載の消火装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの中細ノズルの出口の下流側に配置されている少なくとも1つの冷却媒体を更に備えている、請求項13に記載の消火装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つの中細ノズルの出口の下流側に配置されているスクリーニングスを更に含んでいる、請求項13に記載の消火装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つの中細ノズルは複数の中細ノズルを更に含んでいる、請求項13に記載の消火装置。
【請求項18】
前記中細ノズルは、前記火工式発生器の放出出口の軸芯と平行な方向に配置されており、集合的な放出物を実質的に互いに平行に実質的な軸方向に放出する、請求項17に記載の消火装置。
【請求項19】
前記中細ノズルは、前記火工式発生器の放出出口の軸芯を中心として周方向に配置されており、前記軸芯に対して径方向の外側に延びており、夫々の放出物を前記軸芯に対して径方向に放出する、請求項17に記載の消火装置。
【請求項20】
前記少なくとも1つの中細ノズルは、前記火工式発生器の放出出口の軸芯と平行な方向に配置されており、放出物を実質的に互いに平行に実質的な軸方向に放出し、
前記少なくとも1つの中細ノズルは、前記放出出口の軸芯に対して径方向の外側に延びるように配置されており、放出物を前記軸芯に対して径方向に放出する、請求項13に記載の消火装置。
【請求項21】
前記中細ノズルは、前記火工式発生器の放出出口の軸芯と平行な方向の少なくとも1つに配置されており、集合的な放出物を実質的に互いに平行に実質的な軸方向に放出し、前記火工式発生器の放出出口の軸芯を中心として周方向に配置されており、前記軸芯に対して径方向の外側に延びて、夫々の放出物を前記軸芯に対して径方向に放出する、請求項13に記載の消火装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に区画及び包囲体などの場所で使用するための防火・消火装置、防火・消火材料、防火・消火システム、及び、これらの使用方法に関する。本発明は一部分では、放出を改善すべく中細ノズル及び追加の特徴を有するエアロゾル発生器に更に関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、消火システムに使用される
更なる冷却のための空気導入、及び/又は、
量を減らした冷却媒体、及び/又は、
細長い作用剤・燃焼室
などの追加の特徴と中細ノズルとを有するエアロゾル発生器に関する。
【0003】
本発明は一部分では、設備を簡素化して空間要件を減らし、消火部品及び設備の両方で重量を減少させてコストを削減する、簡素化された設備へのエアロゾル消火剤の採用に更に関する。
【0004】
より具体的には、本発明は一部分では、パネル、シート又は様々な規則的若しくは不規則な幾何学的な固体に、或いは顕著な筐体又は容器を必要とすることなく区画又は包囲体に採用され得るように被覆体として形成されてもよい固体のエアロゾル消火剤に関する。
【背景技術】
【0005】
1990年代初頭に、(凝縮エアロゾル剤としても知られている)火工式で生成されるエアロゾル剤が消火に有効であることが判明した。これらのシステムは、陸上、海上/海軍、車両、鉄道及び航空の用途のために他の消火システムの代わりに使用され得る。
【0006】
高温の蒸気へのエネルギー固体の燃焼を開始することによって、エアロゾル剤が容器内に生成され、その結果、高温のガス/微粒子材料が火災の領域に放出される。
【0007】
放出物を冷却して炎の噴出を防止するために、熱吸収固体材料及びスクリーニングスが容器内の放出経路に一般に導入される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
熱吸収材料及び/又はスクリーニングスの使用には以下の欠点がある。
【0009】
「スラグ」の生成
高温の作用剤(蒸気、微粒子及びガス)の初期冷却により、開始剤が凝縮して高温の液体になり、高温の液体が発生器から滴下して、高温の滴下液体に対して損傷を受けやすい、発生器の下にあるものを潜在的に損傷する可能性がある。高温の作用剤(蒸気、微粒子及びガス)の高熱により、熱吸収材料への著しい温度衝撃が生じ、固体材料の外層が内層より迅速且つ高速に熱くなり、その結果、固体冷却材料を破壊し得る熱応力が生じる。この破壊により、発生器の放出又は「吐出」され得る非常に高温の固体材料の小さなチップが生成される。滴下物及び吐出物は「スラグ」と称されることもある。この「スラグ」は、消火システムによって保護されている火災領域での損傷、汚染及び清掃の必要性を引き起こし得る。コンピュータルーム又はサーバルームなどの一部の占有部分は、ディーゼルエンジンを含む部屋よりスラグによる損傷及び清掃の必要性の影響を受けやすい。
【0010】
放出の勢いの減少
有効な消火システムであるために、発生器からの放出は、区画の充満に有効である必要がある。これは、保護された空間で空気との混合物を生成するために放出の際にかなりの勢いを有する作用剤により最適に達成される。冷却材料及び/又はスクリーニングスが放出を妨げて、ひいては勢いを減少させて発生器の効果を下げる。
【0011】
保護された包囲体への放出剤の完全な混合には短すぎる放出時間
海洋用途では防火規則により最大60秒又は最大120 秒までの放出時間が許可されるが、現在の火工式発生器の放出時間は一般に30秒以下である。より長い放出時間を増加した勢いと組み合わせて、部屋又は他の包囲体で作用剤をより効果的に混合することが望ましい。
【0012】
現在のエアロゾルシステムでは、高温の蒸気へのエネルギー固体の燃焼を開始することによって、作用剤が容器内に生成され、その結果、高温のガス/微粒子材料が火災の領域に放出される。放出物を冷却して炎の噴出を防止するために、熱吸収固体材料及びスクリーニングスが容器内の放出経路に一般に導入される。
【0013】
乾燥した化学消火粉末を含む薄い金属パネルが自動車の燃料タンクの周囲に配置されているため、車両が追突された場合、燃料タンクが破裂する可能性があり、消火剤を含むパネルも破裂し、ひいては乾燥粉末剤を分散させて火災を防止又は消火する。フォード・クラウンビクトリアの警察車両の一部にこれらの乾燥化学剤パネルが取り付けられてあり、テスト及び実際の事故の両方で消火に成功している。米国軍も、ホイールウェルなどを保護するために同様のパネルを装甲車両に取り付けている。これらの用途ではエアロゾル剤が使用されている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は一部分では、潜在的な火災危険物上に又は前記火災危険物に物理的に近接して配置されているエアロゾル材料を含む消火システムを備えており、エアロゾル材料は、熱又は炎の少なくとも1つにさらされて動作するように構成されており、エアロゾル材料は、エアロゾル消火物質を含浸した材料体;潜在的な火災危険物の表面若しくは潜在的な火災危険物に物理的に近接して適用されている被覆体;の内の少なくとも1つの形態である。本発明の実施形態では、材料体は、可撓性、剛性、これらの組み合わせの内の1つを有し;円筒形、角錐形、角柱形、直方体、球形、不規則なシェル、これらの組み合わせの内の1つである形状を有し;中空、全体に固体、全体に固体であるが多孔性の内の1つであり;これらの組み合わせである。
【0015】
本発明の実施形態では、エアロゾル消火物質は、硝酸カリウム、炭酸カリウム、エポキシ樹脂、有機樹脂、ジシアンジアミド(DCDA)、マグネシウムの内の少なくとも1つを含んでいる。
【0016】
実施形態では、エアロゾル材料はエアロゾル消火物質の複数の層を更に含んでいる。複数の層は少なくとも2つの層を有してもよく、更に、第1の層のエアロゾル消火物質は、第2の層のエアロゾル消火物質とは異なる。
【0017】
実施形態では、消火システムは、エアロゾル消火物質の動作を容易にすべく、エアロゾル材料に動作可能に結合されているイニシエータを更に備えている。
【0018】
実施形態では、消火システムは、所定の温度を超える熱、炎、所定の濃度を超える燃焼生成物、少なくとも所定の成分を有する燃焼生成物の少なくとも1つを検知すると、イニシエータを作動させるべく、イニシエータに動作可能に結合されている火災検知器を更に備えている。
【0019】
実施形態では、消火システムは、イニシエータ及びエアロゾル材料に結合されている制御装置を更に備えている。
【0020】
実施形態では、制御装置は、イニシエータを人によって選択的に作動させ得る手動式アクチュエータを有している。
【0021】
実施形態では、消火システムは、所定の温度を超える熱、炎、所定の濃度を超える燃焼生成物、少なくとも所定の成分を有する燃焼生成物の少なくとも1つを検知すると、イニシエータを作動させるべく、イニシエータ及び制御装置に動作可能に連結されている火災検知器を更に備えている。本発明の実施形態では、火災危険物はデバイス及び処理システムの少なくとも1つを有しており、制御装置は、デバイスの動作を監視する監視装置に連結されている。このようなデバイスは、車両又は設備内のバッテリ又はバッテリバンクであり得る。或いは、処理システムは、火災の危険性が特に顕著であるあらゆるタイプの製造システム又は動作システムで有り得る。
【0022】
本発明は一部分では、潜在的な火災危険物上に又は潜在的な火災危険物に物理的に近接して配置されているエアロゾル材料の少なくとも1つを含む消火システムを更に備えており、エアロゾル材料は、熱又は炎の少なくとも1つにさらされて動作するように構成されており、更にエアロゾル材料は、エアロゾル消火物質を含浸した可撓性シート、エアロゾル消火物質を含浸した剛性シート、潜在的な火災危険物の表面若しくは潜在的な火災危険物に物理的に近接して適用されている被覆体;及び/又は、作動すると消火剤を生成し、出口を含む燃焼室を有する火工式発生器;燃焼室の出口に直接連結されている少なくとも1つの中細ノズル;の内の少なくとも1つの形態であり、少なくとも1つの中細ノズルは、消火剤を潜在的な火災危険物に向けるように、又は区画若しくは包囲体を消火剤で充満させる際に非常に効果的であるように配置されている。
【0023】
本開示は、実施形態では消火装置を更に備えている。作動すると消火剤を生成する火工式発生器が設けられており、火工式発生器は、出口を含む燃焼室を有している。少なくとも1つの中細ノズルが、燃焼室の出口に直接連結されている。
【0024】
実施形態では、空気導入シェルが、火工式発生器に連結されており、少なくとも1つの中細ノズルを囲んでいる。空気導入シェルは少なくとも1つの開口部を有しており、開口部を通して周囲の環境空気が引き込まれ、少なくとも1つの中細ノズルから放出される放出流に取り込まれる。
【0025】
実施形態では、少なくとも1つの冷却媒体が、少なくとも1つの中細ノズルの出口の下流側に配置されている。
【0026】
実施形態では、スクリーニングスが、少なくとも1つの中細ノズルの出口の下流側に配置されている。
【0027】
実施形態では、少なくとも1つの中細ノズルは、複数の中細ノズルを更に含んでいる。実施形態では、中細ノズルは、火工式発生器の放出出口の軸芯と平行な方向に配置されており、集合的な放出物を実質的に互いに平行に実質的な軸方向に放出する。代替の実施形態では、中細ノズルは、火工式発生器の放出出口の軸芯を中心として周方向に配置されており、軸芯に対して径方向の外側に延びており、夫々の放出物を軸芯に対して径方向に放出する。別の実施形態では、少なくとも1つの中細ノズルが、火工式発生器の放出出口の軸芯と平行な方向に配置されており、放出物を実質的に互いに平行に実質的な軸方向に放出し、少なくとも1つの中細ノズルは、放出出口の軸芯に対して径方向の外側に延びるように配置されており、放出物を軸芯に対して径方向に放出する。代替の実施形態では、中細ノズルは、火工式発生器の放出出口の軸芯と平行な方向の少なくとも1つに配置されており、集合的な放出物を実質的に互いに平行に実質的な軸方向に放出し、火工式発生器の放出出口の軸芯を中心として周方向に配置されており、軸芯に対して径方向の外側に延びて、夫々の放出物を軸芯に対して径方向に放出する。
【0028】
本発明の前述した機能及び利点及び他の機能及び利点は、正しい縮尺で示されていない添付図面と併せて読むと、現在好ましい実施形態の以下の詳細な記載から更に明らかになる。詳細な記載及び図面は、限定するのではなく、単に本発明の理解を助けるものであり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって定められている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】既知の構成に係る火工式発生器を示す側断面略図である。
図2】本発明の実施形態に係る中細ノズルを有する火工式発生器を備えた消火装置を示す側断面略図である。
図3】本発明の実施形態に係る、中細ノズルを有して空気引込構造特徴を更に有する火工式発生器を備えた消火装置を示す側断面略図である。
図4】本発明の実施形態に係る、中細ノズルを有して冷却媒体及びスクリーニングスを更に含む火工式発生器を備えた消火装置を示す側断面略図である。
図5】本発明の実施形態に係る、複数の中細ノズルを有して空気引込、冷却媒体及びスクリーニングスを更に有する火工式発生器を備えた消火装置を示す側断面略図である。中細ノズルは、平行な軸方向の放出構成で配置されている。
図6】本発明の実施形態に係る、径方向に配置された複数の中細ノズル及び空気引込を有する火工式発生器を備えた消火装置を示す側断面略図である。
図7】本発明の実施形態に係る、細長い発生器/ノズル軸方向放出構成を有する火工式発生器を備えた消火装置を示す側断面略図である。
図8図7の実施形態に係る消火装置を示す軸断面略図である。
図9】中細ノズルの様々な性能特性を示す図表である。
図10】潜在的な火災危険物が配置されている典型的な包囲体を示す概略図である。
図11図10に示されている火災危険物上に配置されている、本発明の実施形態に係るエアロゾル製品を示す概略図である。
図12】エアロゾル製品の代替の配置を示す、本発明の代替の実施形態を示す概略図である。
図13】検知システム及び作動システムと組み合わせたエアロゾル製品の配置を示す、本発明の代替の実施形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は多くの様々な形態で実施され得るが、本開示は本発明の原理の例示とみなされるべきであり、本発明を図示されている一又は複数の実施形態に限定するものではないという理解に基づき、特定の実施形態が図面に示されて本明細書に詳細に記載されている。
【0031】
当業者が本発明を実施し得るために、本発明及び添付図面は、示されている参照番号を参照して記載されている。図面及び説明は、本発明の様々な態様の例示であり、添付の特許請求の範囲を狭めるものではない。特に言及されていない限り、明細書及び特許請求の範囲の用語及びフレーズは、適用可能な技術の当業者に平易で通常の慣例的な意味を伝えることが意図されている。尚、発明者は自らの語彙学者で有り得る。発明者は、明確に記載されていない限り、自らの語彙学者として明細書及び特許請求の範囲で用語の平易で通常の意味のみを使用すべく明確に選択し、更に、その用語の「特別な」定義を明確に記載して、その定義が平易で通常の意味とどのように異なるかを説明する。「特別な」定義を適用する意図を明確に示していない場合、用語の単純で平易な通常の意味が明細書及び特許請求の範囲の解釈に適用されることを、発明者は意図して望んでいる。
【0032】
発明者は、英語の文法の通常の規則を更に認識している。従って、名詞、用語又はフレーズが何らかの方法で更に特徴付けられる、特定される又は狭められることを意図されている場合、このような名詞、用語又はフレーズは、英語の文法の通常の規則に従って追加の形容詞、記述語又は他の修飾語を明確に含む。このような形容詞、記述語又は修飾語を使用しない場合、このような名詞、用語又はフレーズは、上述したように適用可能な技術の当業者に平易で通常の英語の意味を伝えることが意図されている。
【0033】
更に、発明者は、米国特許法第112 条(f) 又は旧米国特許法第112 条~6の特別規定の基準及び適用について十分に情報を得ている。従って、本発明の詳細な説明又は特許請求の範囲の単語「機能」、「手段」又は「ステップ」の使用は、発明を定義するために米国特許法第112 条(f) 又は旧米国特許法第112 条~6の特別規定を行使しようとしていることを何らかの形で示すものではない。反対に、発明を定義すべく、米国特許法第112 条(f) 又は旧米国特許法第112 条~6の規定を行使しようとする場合、特許請求の範囲は、このようなフレーズに機能の裏付けとしていかなる構造、材料又は行為も述べることなく、正確なフレーズ「ための手段」又は「ためのステップ」及び特定の機能(例えば「ローストするための手段」)を具体的且つ明確に記載する。そのため、特許請求の範囲が「・・・ための手段」又は「・・・ためのステップ」を記載している場合であっても、特許請求の範囲が、その手段又はステップの裏付けとするか又は記載されている機能を行うあらゆる構造、材料又は行為を更に記載する場合、発明者は、米国特許法第112 条(f) 又は旧米国特許法第112 条~6の規定を行使する意図がないことが明らかである。更に、主張する発明を定義すべく、米国特許法第112 条(f) 又は旧米国特許法第112 条~6の規定を行使する場合であっても、発明は、図示されている実施形態に記載されている特定の構造、材料又は行為のみに限定されず、発明の代替の実施形態又は形態に記載されているような主張された機能を行うか、又は主張された機能を行うための広く知られている現在の若しくは将来開発される等価の構造、材料又は行為であるあらゆる全ての構造、材料又は行為を更に含むことが意図されている。
【0034】
以下の記載では説明のために、発明の様々な態様を完全に理解すべく多くの具体的な詳細が記載されている。しかしながら、本発明は、これらの具体的な詳細無しで実施され得ることを、関連する技術の当業者は理解する。他の例では、発明の不明瞭を避けるために、既知の構造及び装置がより一般的に示されるか又は記載される。多くの場合、動作の記載は、特に動作をソフトウェアで行う場合に発明の様々な形態の実施を可能にするのに十分である。開示された発明が適用され得る多くの異なる代替の構成、装置及び技術があることに留意すべきである。従って、発明の範囲全体は、以下の例に限定されない。
【0035】
本発明の様々な態様が、機能ブロック要素及び様々な処理ステップの点で記載されてもよい。このような機能ブロックは、特定された機能を実行して様々な結果を達成するように構成された任意の数のハードウェア部品又はソフトウェア部品によって実現されてもよい。
【0036】
本発明の様々な典型的な実施は、火工系の消火を含むあらゆるシステムに適用されてもよい。従って、火工式で生成される消火物質の生成及び分散を実施するための改善された装置、システム及び方法が開示されているが、以下の開示におけるシステム及び装置への言及は、記載された処理のための関連する構造を利用する他の消火装置及び消火方法にも適用可能であることが理解される。同様に、方法への言及は、記載された装置の動作で処理を行うシステム及び装置にも適用可能である。特許請求の範囲から逸脱することなく、示されている様々な実施形態の要素又は構造の組み合わせを含むが、これらに限定されない多くの変更が本発明になされてもよいことが認識される。例えば、本明細書に記載されている装置を製造する特定の材料及び/又は方法が説明され得るが、当業者は、本発明の範囲を逸脱することなく、所望であれば又は特定の用途の要件を満たすために、異なる材料及び/又は製造方法を選択してもよいことが理解される。
【0037】
図1は、既知の構成に係る火工式エアロゾル発生器10を示す側断面略図である。消火剤の放出が、冷却媒体及びスクリーニングスのために遅くなる。開始剤の蒸気が、冷却媒体に接触するので冷却して液体になり、発生器が燃焼を終了した後に発生器から滴下する。熱衝撃のため、発生器内の高温の蒸気が冷却媒体を破壊して、次に冷却媒体が、破損をもたらす非常に高温の砕けた材料として吐出されることがよくある。発生器10は一般に消火システムに採用され、冷却媒体が発生器10と最後の分散ノズルとの間に配置されていると考えられる。
【0038】
図2は、本発明の実施形態に係る中細("C-D") ノズル24を有する火工式発生器22を備えた消火装置20を示す側断面略図である。火工式発生器からの燃焼生成物が、介在するあらゆる冷却媒体又は他の構造体無しでC-D ノズル24に直接送られることに注目すべきである。一般に中細ノズルは、放出の勢いの増加、更に冷却される放出、より低い圧力をもたらすことが分かっている。これは、温度及び圧力のエネルギーが勢いに変換されるためである。「スラグ」の削減、放出の冷却、並びに放出の勢い及び時間の増加における向上が、中細ノズルを発生器と共に使用した結果を利用した追加の機能及び構成の変更によるものであると考えられている。
【0039】
図3は、火工式発生器32を備えた、本発明の実施形態に係る消火装置30を示す側断面略図であり、C-D ノズル34が火工式発生器から出口に直接連結されている。シェル又はダクト36が、火工式発生器30に動作可能に連結されてC-D ノズル34を囲んでおり、シェル又はダクト36に複数の入口38が配置されている。発生器32の動作中、環境空気が入口38を通って引き込まれて、C-D ノズル34から出る燃焼生成物の流れに取り込まれる。中細ノズルによる放出の勢いの増加により、外部からの空気の引き込みが放出物を更に冷却する。放出剤の冷却の向上に加えて、この結果により、固体(又は他の)冷却媒体のあらゆる要件を下げて、次にスラグの生成を抑制し、消火剤の放出に対する流れ抵抗を減少させると考えられている。
【0040】
図4は、C-D ノズル44に直接連結されている火工式発生器42を備えた、本発明の実施形態に係る消火装置40を示す側断面略図である。C-D ノズル44の出口のすぐ下流側に、冷却媒体46及びスクリーニングス48が設けられている。ノズル44の有利な効果は、堅牢性が低い冷却媒体及び/又はスクリーニングスの使用を可能にし、ひいては、十分な消火性能を維持しながら、消火装置40のコスト及び材料の要件を下げることであると考えられている。中細ノズルは、更なる冷却をもたらして炎の噴出を防止すべく、固体の冷却媒体及びスクリーニングスに依然として適合する。必要な冷却媒体が少なくなり、冷却媒体への熱衝撃が少なくなるため、「スラグ」が大幅に減少することになる。
【0041】
図5は、火工式発生器51、及び火工式発生器51の燃焼室に直接連結されている複数のC-D ノズル52を備えた、本発明の実施形態に係る消火装置50を示す側断面略図である。図5の実施形態では、C-D ノズル52は、夫々の放出物が実質的に平行な方向に放出されるように配置されている。消火装置50は、既に述べたようにシェル54及び空気導入のための開口部56を更に任意に備えており、所望であれば又は特定の設備の必要性に応じて冷却媒体58及び/又はスクリーニングス59を更に任意に含んでいる。
【0042】
図6は、火工式発生器62と、火工式発生器62の燃焼室に直接連結されている複数の径方向に配置されているC-D ノズル64とを備えた、本発明の実施形態に係る消火装置60を示す側断面略図である。空気導入が、開口部68が配置されている円形のプレート66の形態でなされてもよい。或いは、プレート66及び開口部68は両方共、本質的に環状であってもよい。図6の実施形態では、冷却媒体又はスクリーニングスが図示されていないが、代替の変形例では、このような構造体が必要に応じて設けられてもよく、冷却媒体又はスクリーニングスが、ノズル部分の周囲を囲む輪又は環状構造として配置されることになる。図示されていない更なる実施形態では、ノズルは、軸方向若しくは径方向の配置の組み合わせ、又は球状に配置されてもよい。
【0043】
図7は、細長い火工式発生器72及びC-D ノズル74を有する消火装置70を示す側断面略図である。図8は消火装置70の軸断面略図である。室内での最適な混合のために放出を最適化すべく、勢いの増加を、より大きい/より狭いチャンバと組み合わせて、遥かに長い燃焼時間を得ることが可能である。このような構成を設けることにより、同等量の一又は複数の反応物質のために発生器の燃焼継続時間を延ばすことが可能である。
【0044】
図9は、C-D ノズルの様々な性能特性を一般的に示す図表である。
【0045】
図10~13は本発明の代替の実施形態を示し、熱及び/又は炎にさらされることにより放出され得る火工式エアロゾル消火剤が、火工式エアロゾル剤を含浸させた材料体の形態で設けられており、実施形態ではシートの形態で設けられている。このようなシートは、潜在的な火災危険物上に又は潜在的な火災危険物の近傍に戦略的に配置されてもよい。他のエアロゾル消火システムのための空間が限られている場合、又はエアロゾル剤の分配に著しい妨害がある場合に、エアロゾル剤パネル(シート、被覆体など)が特に適している。或いは、エアロゾル剤のシート又は被覆体が、図1~9の実施形態に関して記載されているように、ノズルを介して分散する火工式消火剤の補足として設けられてもよい。消火剤が含浸している材料が、本明細書ではシートの形態で記載されて図示されているが、他の幾何学的構成が更に可能であり、本発明の範囲内にあるとみなされる。含浸材料体のこのような代替の構成は、可撓性、剛性、これらの組み合わせの内の1つ;円筒形、角錐形、角柱形、直方体(レンガ状のブロック又は立方体など)、球形、不規則なシェル、これらの組み合わせの内の1つである形状;中空、全体に固体、全体に固体であるが多孔性の内の1つ;これらの組み合わせ;を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0046】
図10は、潜在的な火災危険物82が配置されている典型的な包囲体80を示す概略図である。保護すべき危険物は、例えば容器を有してもよく、容器は、実質的に漏れ防止であってもよく、軽微な漏れがあってもよく、潜在的な火災危険物を意味してもよい。火災危険物は包囲体内にある。火災の種類は、種類A(普通可燃物)、種類B(可燃性液体)又は種類C(電気火災)とすることができ、エネルギー物質を伴う火災、例えば、バッテリからの出火、又は他の種類のエネルギー物質を含んで開始又は継続される火災を含むが、これらに限定されず、それらの多くは、本明細書の執筆時点では従来のA分類、B分類又はC分類に容易に分類されない。
【0047】
図11は、図10に示されている火災危険物82上に配置されている、本発明の実施形態に係るエアロゾル製品84を示す概略図である。シート、パネル又は他の形態から形成されたエアロゾル剤が包囲体80内に適合され得る。エアロゾル剤の量及び配置は、量、利用可能空間、漏れ、妨害によって決まる。高エネルギーの危険物では、不要な火災が、エアロゾル剤の燃焼を開始するのに十分なエネルギー、炎及び/又は熱を有することになる。この最も簡素な配置では、火災検知のための要件がなく、消火機能の作動が自動的である。(火工式発生器で使用される)エアロゾルペレットの組成又は含浸シート上に使用されてもよい典型的な材料は、硝酸カリウム、炭酸カリウム、エポキシ樹脂、有機樹脂、ジシアンジアミド(DCDA)、マグネシウムの内の一又は複数を含むが、これらに限定されない。火工式発生器又は含浸シートを構成する場合、特定の化学組成;シートの表面積、又は発生器の場合のノズル面積及び/若しくはチャンバ体積、シート又はパネルの形状及び/又は厚さ;セラミック「塗料」などの(シート、パネル又は発生器ペレット上での)抑制被覆体の使用を含むが、これらに限定されない消火エアロゾルの生産率を決定する際に、様々な要因を考慮してもよい。
【0048】
図12は、エアロゾル製品84の代替の配置を示す、つまり複数の層86, 88として例示する本発明の代替の実施形態を示す概略図である。必要に応じて、更に多くの層が設けられてもよい。エアロゾル製品84のエアロゾル剤は、包囲体80及び火災危険物82の最適な位置に配置され得る。開始すると、全てのエアロゾル剤が、エアロゾル材料のエネルギーにより動作する。取り付けられているエアロゾル剤のシート/パネル又は形態が互いに接しない場合でも、近くのエアロゾル剤が燃焼し始めて消火剤を生成する。或いは、更に、層86, 88は、問題となっている特定の火災危険物82の性質に合わせて、例えば異なる温度で展開されてもよい異なるエアロゾル材料を使用して作製されてもよい。
【0049】
図13は、検知システム及び作動システムと組み合わせたエアロゾル製品84の配置を示す、本発明の代替の実施形態を示す概略図である。火災から著しい炎又はエネルギーが発生した場合の自己開始に加えて、火災がエアロゾル燃焼の開始に必要なエネルギーではないと予測される場合、又は更なる信頼性が望まれる場合に使用するために火災検知器92及び電気イニシエータ94を追加することで、エアロゾル剤材料を開始させることが可能である。火災検知器には、煙検知器、熱検知器、炎検知器及び/又は手動式作動ステーション90が使用され得る。
【0050】
火災検知システムを使用して消火エアロゾル発生器又はシートを作動させる方法に加えて、又はこの方法の代わりに、潜在的に発火し得る設備を監視するために設けられる(図示されていない)処理監視システムから受信した信号によって、作動を引き起こすことが更に可能である。例えば車両内のバッテリ区画を保護する場合、制御装置に信号を送信するように構成されている専用の火災/煙センサに加えて、更にバッテリバンクが監視システムを有することができ、監視システムは、発火又は爆発の原因となり得るが、実際に検知可能な煙又は炎が存在する前の状況に対応し得るバッテリバンクの動作不良を検知することができる。
【0051】
これらのパネル、形態又は被覆体84は、バッテリの包囲体などの包囲体80の天井/最上部、壁及び床/底部に適用されて、作用剤が点火すると作用剤を直接、包囲体/部屋に分散させることができる。
【0052】
消火エアロゾルを生成するエアロゾル剤の燃焼は、炎又は火の高熱によって直接開始され得る。熱センサ、煙センサ若しくは炎センサ又は手動式作動ステーションを使用した様々な火災検知システム90, 92, 94によってエアロゾル剤の燃焼を開始させて、エアロゾル剤に適合されたイニシエータを電気的に作動させることが更にできる。他のタイプのイニシエータは、区画内の温度上昇を使用する熱作動タイプ若しくは機械タイプであるか、又はイニシエータを作動させるための手動機械式手段である。
【0053】
本明細書に開示されている本発明の実施形態が好ましいと現在みなされているが、本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、様々な変更及び調節を行うことができる。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に示されており、均等物の意味及び範囲内にある全ての変更及び調節は、本発明の範囲に包含されることが意図されている。
【0054】
本発明は上記の例を参照して記載されているが、多くの調節及び変更が本明細書に開示されているように本発明の実施形態の真の趣旨及び範囲内であるとみなされると理解される。本明細書に記載されている本発明の多くの変更及び他の実施形態は、前述の説明及び関連する図面に示されている教示の恩恵を受ける、本発明が関連する技術の当業者に想到される。そのため、本発明は開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、変更及び他の実施形態が、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されて検討されていることを理解する必要がある。特定の用語が本明細書に使用されているが、これらは一般的且つ説明的な意味でのみ使用されており、限定のために使用されているわけではない。
【0055】
関連出願及び優先権主張
本願は、2019年8月26日に出願された米国特許出願第62/891707号及び2020年4月3日に出願された米国特許出願第63/004828号の出願日の優先権を主張し、これらの全ての開示を参照して明確に組み込む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】