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特表2022-549597光効率を改善した拡張現実用光学装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-28
(54)【発明の名称】光効率を改善した拡張現実用光学装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20221118BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022516683
(86)(22)【出願日】2020-09-16
(85)【翻訳文提出日】2022-03-15
(86)【国際出願番号】 KR2020012518
(87)【国際公開番号】W WO2021054727
(87)【国際公開日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】10-2019-0114729
(32)【優先日】2019-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0173543
(32)【優先日】2019-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518374631
【氏名又は名称】レティノル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】ハ、ジョンフン
【テーマコード(参考)】
2H199
【Fターム(参考)】
2H199CA23
2H199CA45
2H199CA46
2H199CA47
2H199CA50
2H199CA54
2H199CA67
(57)【要約】
本発明は、画像出射部から出射した拡張現実用画像に相応する画像光である拡張現実画像光を使用者の目の瞳孔に向けて反射させて伝達することにより、使用者に拡張現実用画像を提供する反射手段と、前記反射手段が埋め込まれて配置され、実際事物から出射した画像光である実際事物画像光の少なくとも一部を使用者の目の瞳孔に向けて透過させる光学手段と、を含み、前記光学手段は、前記反射手段で反射された拡張現実画像光と実際事物画像光の少なくとも一部が使用者の瞳孔に向けて出射される第1面と、前記第1面に対向し、実際事物画像光が入射する第2面とを備え、前記反射手段は、反射手段に伝達された拡張現実画像光をそれぞれ反射させて使用者の瞳孔に伝達するように前記光学手段の内部に埋め込まれて配置されるサイズ4mm以下の複数の反射部を含み、前記複数の反射部の中で少なくとも2以上の反射部は、前記画像出射部からの距離が遠いほど光学手段の第2面にもっと近く配置されることを特徴とする光効率を改善した拡張現実用光学装置を提供する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光効率を改善した拡張現実用光学装置であって、
画像出射部から出射した拡張現実用画像に相応する画像光である拡張現実画像光を使用者の目の瞳孔に向けて反射させて伝達することにより、使用者に拡張現実用画像を提供する反射手段と、
前記反射手段が埋め込まれて配置され、実際事物から出射した画像光である実際事物画像光の少なくとも一部を使用者の目の瞳孔に向けて透過させる光学手段と、
を含み、
前記光学手段は、前記反射手段で反射された拡張現実画像光と実際事物画像光の少なくとも一部が使用者の瞳孔に向けて出射される第1面と、前記第1面に対向し、実際事物画像光が入射する第2面とを備え、
前記反射手段は、反射手段に伝達された拡張現実画像光をそれぞれ反射させて使用者の瞳孔に伝達するように前記光学手段の内部に埋め込まれて配置されるサイズ4mm以下の複数の反射部を含み、
前記複数の反射部の中で少なくとも2以上の反射部は、前記画像出射部からの距離が遠いほど光学手段の第2面にもっと近く配置されることを特徴とする、光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【請求項2】
前記画像出射部から出射する拡張現実用画像光は前記光学手段の内部を通して前記反射手段に直接伝達されるか、または前記光学手段の内面で少なくとも1回以上全反射された後、前記反射手段に伝達されることを特徴とする、請求項1に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【請求項3】
前記複数の反射部のそれぞれは、使用者の瞳孔の中心から正面方向に対して少なくとも45度以下の角度を有することを特徴とする、請求項1に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【請求項4】
前記反射手段は複数から構成され、
拡張現実用光学装置を使用者の瞳孔の前方に置いたとき、瞳孔から正面方向をx軸といい、画像出射部とx軸との間の垂直線に対してx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記複数の反射手段は前記z軸方向に沿って平行に離隔して配置されることを特徴とする、請求項1に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【請求項5】
前記各反射手段は、各反射手段を構成するそれぞれの反射部が、隣接した反射手段を構成する反射部の中でいずれか一つとz軸に平行な仮想の直線に沿って位置するように配置されることを特徴とする、請求項4に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【請求項6】
前記各反射手段は、各反射手段を構成するそれぞれの反射部が、隣接した反射手段を構成するすべての反射部とz軸に平行な仮想の直線に沿って位置しないように配置されることを特徴とする、請求項4に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【請求項7】
拡張現実用光学装置を使用者の瞳孔の前方に置いたとき、瞳孔から正面方向をx軸といい、画像出射部とx軸との間の垂直線に対してx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記複数の反射部は前記z軸方向に沿って延びたバー状に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【請求項8】
前記反射部の少なくとも一部のサイズは互いに異なることを特徴とする、請求項1に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【請求項9】
前記反射部の少なくとも一部の反射部の間隔を他の反射部の間隔と異なるように配置したことを特徴とする、請求項1に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【請求項10】
前記反射部の少なくとも一部は、ハーフミラー、屈折素子または回折素子の中で少なくとも一つから形成されることを特徴とする、請求項1に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【請求項11】
前記反射部の少なくとも一部は、拡張現実画像光を反射させる面の反対面に光を反射せずに吸収する素材でコーティングされたことを特徴とする、請求項1に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【請求項12】
前記反射部の少なくとも一部の表面は曲面に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【請求項13】
前記曲面に形成される表面は、光学手段の第1面側に凹んでいる凹面または光学手段の第1面側に膨らんでいる凸面に形成されることを特徴とする、請求項12に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【請求項14】
反射部を使用者の瞳孔の前方に置いたとき、瞳孔から正面方向をx軸といい、画像出射部とx軸との間の垂直線に対してx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記反射部の少なくとも一部はx軸方向への長さよりz軸方向への長さが長く形成されるか、z軸方向への長さよりy軸方向への長さが長く形成されることを特徴とする、請求項12に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【請求項15】
前記x軸方向への長さよりz軸方向への長さが長く形成された反射部またはz軸方向への長さよりy軸方向への長さが長く形成された反射部の表面は、光学手段の第1面側に凹んでいる凹面または光学手段の第1面側に膨らんでいる凸面に形成されることを特徴とする、請求項14に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【請求項16】
光効率を改善した拡張現実用光学装置であって、
画像出射部から出射した拡張現実用画像に相応する画像光である拡張現実画像光を使用者の目の瞳孔に向けて反射させて伝達することにより、使用者に拡張現実用画像を提供する反射手段と、
前記反射手段が埋め込まれて配置され、実際事物から出射した画像光である実際事物画像光の少なくとも一部を使用者の目の瞳孔に向けて透過させる光学手段と、
を含み、
前記光学手段は、前記反射手段で反射された拡張現実画像光と実際事物画像光の少なくとも一部が使用者の瞳孔に向けて出射される第1面と、前記第1面に対向し、実際事物画像光が入射する第2面とを備え、
前記反射手段は、反射手段に伝達される拡張現実画像光をそれぞれ反射させて使用者の瞳孔に伝達するように前記光学手段の内部に埋め込まれて配置されるサイズ4mm以下の複数の反射部を含み、
前記反射手段は、前記画像出射部からの距離が遠いほど前記光学手段の第1面にもっと近いように前記光学手段の内部に埋め込まれて配置される反射部から構成される第1反射部グループと、前記画像出射部からの距離が遠いほど光学手段の第1面からもっと遠いように前記光学手段の内部に埋め込まれて配置される反射部から構成される第2反射部グループとから構成され、
前記第2反射部グループと画像出射部との距離は、前記第1反射部グループと画像出射部との距離より大きいように配置されることを特徴とする、光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【請求項17】
前記画像出射部から出射する拡張現実画像光は、前記光学手段の内部を通して前記反射手段に直接伝達されるか、前記光学手段の内面で少なくとも1回以上全反射された後、前記反射手段に伝達されることを特徴とする、請求項16に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【請求項18】
前記複数の反射部のそれぞれは、使用者の瞳孔の中心から正面方向への直線に対して少なくとも45度以下の角度を有することを特徴とする、請求項16に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【請求項19】
前記反射手段は複数から構成され、
拡張現実用光学装置を使用者の瞳孔の前方に置いたとき、瞳孔から正面方向をx軸といい、画像出射部からx軸への垂直線に対してx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記複数の反射手段は前記z軸方向に沿って平行に離隔して配置されることを特徴とする、請求項16に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【請求項20】
前記各反射手段は、各反射手段を構成するそれぞれの反射部が、隣接した反射手段を構成する反射部の中でいずれか一つとz軸に平行な仮想の直線に沿って位置するように配置されることを特徴とする、請求項19に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【請求項21】
前記各反射手段は、各反射手段を構成するそれぞれの反射部が、隣接した反射手段を構成するすべての反射部とz軸に平行な仮想の直線に沿って位置しないように配置されることを特徴とする、請求項19に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【請求項22】
拡張現実用光学装置を使用者の瞳孔の前方に置いたとき、瞳孔から正面方向をx軸といい、画像出射部からx軸への垂直線に対してx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記複数の反射部は前記z軸に平行な仮想の直線に沿って延びたバー状に形成されることを特徴とする、請求項16に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【請求項23】
前記複数の反射部の少なくとも一部は、ハーフミラー、屈折素子または回折素子の中で少なくとも一つから形成されることを特徴とする、請求項16に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【請求項24】
前記複数の反射部の少なくとも一部は、拡張現実画像光を反射させる面の反対面に光を反射せずに吸収する素材でコーティングされたことを特徴とする、請求項16に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【請求項25】
前記複数の反射部の少なくとも一部の表面は曲面に形成されることを特徴とする、請求項16に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【請求項26】
拡張現実用光学装置を使用者の瞳孔の前方に置いたとき、瞳孔から正面方向をx軸といい、画像出射部からx軸への垂直線に対してx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記複数の反射部の少なくとも一部は、x軸またはy軸方向への長さよりz軸方向への長さが長く形成されるか、z軸方向への長さよりx軸またはy軸方向への長さが長く形成されることを特徴とする、請求項25に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【請求項27】
前記反射部の表面は、光学手段の第1面側に凹んでいる凹面または光学手段の第1面側に膨らんでいる凸面に形成されることを特徴とする、請求項26に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【請求項28】
前記反射手段は複数から構成され、
拡張現実用光学装置を使用者の瞳孔の前方に置いたとき、瞳孔から正面方向をx軸といい、画像出射部からx軸への垂直線に対してx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記各反射手段と光学手段の第1面との距離が全部同一ではないように配置される反射手段が少なくとも一つ以上存在することを特徴とする、請求項16に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は拡張現実用光学装置に関し、より詳しくは画像出射部から出射して瞳孔に伝達される拡張現実画像光の光効率を改善した拡張現実用光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
拡張現実(Augmented Reality、AR)とは、周知のように、現実世界の実際映像にコンピュータなどによって生成される仮想の映像やイメージを重ねて提供することを意味する。
【0003】
このような拡張現実を具現するためには、コンピュータのようなデバイスによって生成される仮想の映像やイメージを現実世界の映像に重ねて提供することができるようにする光学系を必要とする。このような光学系としては、HMD(Head Mounted Display)やメガネ型装置を用いて仮想映像を反射または屈折させるプリズムなどのような光学手段を使う技術が知られている。
【0004】
図1及び図2は従来技術による拡張現実具現装置に使われる光学系の一例を示す図である。
【0005】
図1を参照すると、仮想の映像を提供するための拡張現実画像光はディスプレイ装置(図示せず)などから出射して光学手段の内面で反射された後、使用者の瞳孔が位置する領域(eye box)に入射するようにする構成を使う。ここで、光学手段の内面(出射瞳孔、exit pupil)から出射する拡張現実画像光は、図1に示すように、アイボックス(eye box)に入射することができなくて使われない光が存在することになり、これは光効率を低下させる要因になる。
【0006】
これは、図2に示すように、光学手段の内部で全反射される場合、出射瞳孔のすべての所から全方向に光が出射するので、光学手段に入射した拡張現実画像光の一部はアイボックスに正常に入射するが(0で表示)、一部はアイボックス以外の方向に出射(Xで表示)することが分かる。
【0007】
このように、従来の拡張現実光学装置においては、画像出射部から出射した拡張現実画像光の一部がアイボックスに伝達できない問題があり、拡張現実画像光が瞳孔に伝達される光効率を低下させる要因として作用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1660519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前述したような問題点を解決するためのものであり、アイボックスに伝達される拡張現実画像光の光効率を改善した拡張現実用光学装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、画像出射部から出射する拡張現実画像光を瞳孔に伝達する反射手段をC字形に近い曲線配置構造に形成することにより、アイボックスに伝達される拡張現実画像光の光効率を改善した拡張現実用光学装置を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述したような課題を解決するために、本発明は、光効率を改善した拡張現実用光学装置であって、画像出射部から出射した拡張現実用画像に相応する画像光である拡張現実画像光を使用者の目の瞳孔に向けて反射させて伝達することにより、使用者に拡張現実用画像を提供する反射手段と、前記反射手段が埋め込まれて配置され、実際事物から出射した画像光である実際事物画像光の少なくとも一部を使用者の目の瞳孔に向けて透過させる光学手段と、を含み、前記光学手段は、前記反射手段で反射された拡張現実画像光と実際事物画像光の少なくとも一部が使用者の瞳孔に向けて出射される第1面と、前記第1面に対向し、実際事物画像光が入射する第2面とを備え、前記反射手段は、反射手段に伝達された拡張現実画像光をそれぞれ反射させて使用者の瞳孔に伝達するように前記光学手段の内部に埋め込まれて配置されるサイズ4mm以下の複数の反射部を含み、前記複数の反射部の中で少なくとも2以上の反射部は、前記画像出射部からの距離が遠いほど光学手段の第2面にもっと近く配置されることを特徴とする、光効率を改善した拡張現実用光学装置を提供する。
【0012】
ここで、前記画像出射部から出射する拡張現実用画像光は前記光学手段の内部を通して前記反射手段に直接伝達されるか、または前記光学手段の内面で少なくとも1回以上全反射された後、前記反射手段に伝達されることができる。
【0013】
また、前記複数の反射部のそれぞれは、使用者の瞳孔の中心から正面方向に対して少なくとも45度以下の角度を有することが好ましい。
【0014】
また、前記反射手段は複数から構成され、拡張現実用光学装置を使用者の瞳孔の前方に置いたとき、瞳孔から正面方向をx軸といい、画像出射部とx軸との間の垂直線に対してx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記複数の反射手段は前記z軸方向に沿って平行に離隔して配置されることができる。
【0015】
また、前記各反射手段は、各反射手段を構成するそれぞれの反射部が、隣接した反射手段を構成する反射部の中でいずれか一つとz軸に平行な仮想の直線に沿って位置するように配置されることができる。
【0016】
また、前記各反射手段は、各反射手段を構成するそれぞれの反射部が、隣接した反射手段を構成するすべての反射部とz軸に平行な仮想の直線に沿って位置しないように配置されることができる。
【0017】
また、拡張現実用光学装置を使用者の瞳孔の前方に置いたとき、瞳孔から正面方向をx軸といい、画像出射部とx軸との間の垂直線に対してx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記複数の反射部は前記z軸方向に沿って延びたバー状に形成されることができる。
【0018】
また、前記反射部の少なくとも一部のサイズは互いに異なることができる。
【0019】
また、前記反射部の少なくとも一部の反射部の間隔を他の反射部の間隔と異なるように配置することができる。
【0020】
また、前記反射部の少なくとも一部は、ハーフミラー、屈折素子または回折素子の中で少なくとも一つから形成されることができる。
【0021】
また、前記反射部の少なくとも一部は、拡張現実画像光を反射させる面の反対面に光を反射せずに吸収する素材でコーティングされることができる。
【0022】
また、前記反射部の少なくとも一部の表面は曲面に形成されることができる。
【0023】
また、前記曲面に形成される表面は、光学手段の第1面側に凹んでいる凹面または光学手段の第1面側に膨らんでいる凸面に形成されることができる。
【0024】
また、反射部を使用者の瞳孔の前方に置いたとき、瞳孔から正面方向をx軸といい、画像出射部とx軸との間の垂直線に対してx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記反射部の少なくとも一部はx軸方向への長さよりz軸方向への長さが長く形成されるか、z軸方向への長さよりy軸方向への長さが長く形成されることができる。
【0025】
また、前記x軸方向への長さよりz軸方向への長さが長く形成された反射部またはz軸方向への長さよりy軸方向への長さが長く形成された反射部の表面は、光学手段の第1面側に凹んでいる凹面または光学手段の第1面側に膨らんでいる凸面に形成されることができる。
【0026】
本発明の他の側面によれば、光効率を改善した拡張現実用光学装置であって、画像出射部から出射した拡張現実用画像に相応する画像光である拡張現実画像光を使用者の目の瞳孔に向けて反射させて伝達することにより、使用者に拡張現実用画像を提供する反射手段と、前記反射手段が埋め込まれて配置され、実際事物から出射した画像光である実際事物画像光の少なくとも一部を使用者の目の瞳孔に向けて透過させる光学手段と、を含み、前記光学手段は、前記反射手段で反射された拡張現実画像光と実際事物画像光の少なくとも一部が使用者の瞳孔に向けて出射される第1面と、前記第1面に対向し、実際事物画像光が入射する第2面とを備え、前記反射手段は、反射手段に伝達される拡張現実画像光をそれぞれ反射させて使用者の瞳孔に伝達するように前記光学手段の内部に埋め込まれて配置されるサイズ4mm以下の複数の反射部を含み、前記反射手段は、前記画像出射部からの距離が遠いほど前記光学手段の第1面にもっと近いように前記光学手段の内部に埋め込まれて配置される反射部から構成される第1反射部グループと、前記画像出射部からの距離が遠いほど光学手段の第1面からもっと遠いように前記光学手段の内部に埋め込まれて配置される反射部から構成される第2反射部グループとから構成され、前記第2反射部グループと画像出射部との距離は、前記第1反射部グループと画像出射部との距離より大きいように配置されることを特徴とする、光効率を改善した拡張現実用光学装置を提供する。
【0027】
ここで、前記画像出射部から出射する拡張現実画像光は、前記光学手段の内部を通して前記反射手段に直接伝達されるか、前記光学手段の内面で少なくとも1回以上全反射された後、前記反射手段に伝達されることができる。
【0028】
また、前記複数の反射部のそれぞれは、使用者の瞳孔の中心から正面方向への直線に対して少なくとも45度以下の角度を有することが好ましい。
【0029】
また、前記反射手段は複数から構成され、拡張現実用光学装置を使用者の瞳孔の前方に置いたとき、瞳孔から正面方向をx軸といい、画像出射部からx軸への垂直線に対してx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記複数の反射手段は前記z軸方向に沿って平行に離隔して配置されることができる。
【0030】
また、前記各反射手段は、各反射手段を構成するそれぞれの反射部が、隣接した反射手段を構成する反射部の中でいずれか一つとz軸に平行な仮想の直線に沿って位置するように配置されることができる。
【0031】
また、前記各反射手段は、各反射手段を構成するそれぞれの反射部が、隣接した反射手段を構成するすべての反射部とz軸に平行な仮想の直線に沿って位置しないように配置されることができる。
【0032】
また、拡張現実用光学装置を使用者の瞳孔の前方に置いたとき、瞳孔から正面方向をx軸といい、画像出射部からx軸への垂直線に対してx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記複数の反射部は前記z軸に平行な仮想の直線に沿って延びたバー状に形成されることができる。
【0033】
また、前記複数の反射部の少なくとも一部は、ハーフミラー、屈折素子または回折素子の中で少なくとも一つから形成されることができる。
【0034】
また、前記複数の反射部の少なくとも一部は、拡張現実画像光を反射させる面の反対面に光を反射せずに吸収する素材でコーティングされることができる。
【0035】
また、前記複数の反射部の少なくとも一部の表面は曲面に形成されることができる。
【0036】
また、拡張現実用光学装置を使用者の瞳孔の前方に置いたとき、瞳孔から正面方向をx軸といい、画像出射部からx軸への垂直線に対してx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記複数の反射部の少なくとも一部は、x軸またはy軸方向への長さよりz軸方向への長さが長く形成されるか、z軸方向への長さよりx軸またはy軸方向への長さが長く形成されることができる。
【0037】
また、前記反射部の表面は、光学手段の第1面側に凹んでいる凹面または光学手段の第1面側に膨らんでいる凸面に形成されることができる。
【0038】
また、前記反射手段は複数から構成され、拡張現実用光学装置を使用者の瞳孔の前方に置いたとき、瞳孔から正面方向をx軸といい、画像出射部からx軸への垂直線に対してx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記各反射手段と光学手段の第1面との距離が全部同一ではないように配置される反射手段が少なくとも一つ以上存在することができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、アイボックスに伝達される拡張現実画像光の光効率を改善することができる拡張現実用光学装置を提供することができる。
【0040】
また、本発明によれば、画像出射部から出射する拡張現実画像光を瞳孔に伝達する反射手段をC字形に近い曲線配置構造に形成することにより、アイボックスに伝達される拡張現実画像光の光効率を改善した拡張現実用光学装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】従来技術による拡張現実具現装置に使われる光学系の一例を示す図である。
図2】従来技術による拡張現実具現装置に使われる光学系の一例を示す図である。
図3】特許文献1に開示されたような拡張現実用光学装置100を示す図である。
図4】本発明の第1実施例による光効率を改善した拡張現実用光学装置200を示す図である。
図5】反射部21~29の配置構造を説明するための図である。
図6図4及び図5で説明した拡張現実用光学装置200の斜視図である。
図7】反射部21~29の配置構造の効果を説明するための図である。
図8】反射部21~29の傾斜角を説明するための図である。
図9】反射部21~29の傾斜角を説明するための図である。
図10】本発明の第1実施例による拡張現実用光学装置200の全体的な作用を説明するための図である。
図11】本発明の第1実施例による拡張現実用光学装置200の全体的な作用を説明するための図である。
図12】本発明の第1実施例の変形実施例による拡張現実用光学装置300の構成を示す図である。
図13】本発明の第1実施例の他の変形実施例による拡張現実用光学装置400の構成を示す図である。
図14】本発明の第1実施例のさらに他の変形実施例による拡張現実用光学装置500の構成を示す図である。
図15】反射部21~29の表面が曲面に形成されたことを説明するための図である。
図16】反射部21~29の曲面形態の他の例を示す図である。
図17】本発明の第2実施例による拡張現実用光学装置600を示す図である。
図18図17で説明した反射部21~29の配置構造を説明するための図である。
図19】本発明の第2実施例による拡張現実用光学装置600の斜視図である。
図20】本発明の第2実施例による拡張現実用光学装置600の反射部21~29の配置構造の効果を説明するための図である。
図21】拡張現実画像光が光学手段30で全反射される回数を説明するための図である。
図22】拡張現実画像光が光学手段30で全反射される回数を説明するための図である。
図23】拡張現実画像光が光学手段30で全反射される回数を説明するための図である。
図24】拡張現実用光学装置600の全体的な作用を説明するための図である。
図25】拡張現実用光学装置600の全体的な作用を説明するための図である。
図26】本発明の第2実施例の変形実施例による拡張現実用光学装置700の構成を示す図である。
図27】本発明の第2実施例の他の変形実施例による拡張現実用光学装置800の構成を示す図である。
図28】本発明の第2実施例のさらに他の変形実施例による拡張現実用光学装置900の構成を示す図である。
図29】本発明の第2実施例のさらに他の変形実施例による拡張現実用光学装置1000を説明するための図である。
図30】本発明の第2実施例のさらに他の変形実施例による拡張現実用光学装置1000を説明するための図である。
図31】本発明の第2実施例のさらに他の変形実施例による拡張現実用光学装置1000を説明するための図である。
図32】本発明の第2実施例のさらに他の変形実施例による拡張現実用光学装置1100を示す図である。
図33】本発明の第2実施例のさらに他の変形実施例による拡張現実用光学装置1200を示す図である。
図34】本発明の第2実施例のさらに他の変形実施例による拡張現実用光学装置1300を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、添付図面に基づいて本発明による実施例を詳細に説明する。
【0043】
まず、本発明の基本原理を前記先行技術文献に基づいて手短に説明する。
【0044】
前記従来技術として 先行技術文献に記載した技術は次のような既存の光学系を用いた拡張現実具現装置の問題点を解決するためのものである。
【0045】
すなわち、既存の拡張現実具現装置は構成が複雑であり、重さや嵩が大きくなるので、使用者が着用するのに不便さがあり、製造工程も複雑であって製造コストが高いという問題点を解決するためのものである。
【0046】
また、既存の拡張現実具現装置は、使用者が現実世界を見つめるときに焦点距離を変更する場合、仮想映像の焦点が合わなくなるという限界がある。このような問題点を解決するために、仮想映像に対する焦点距離を調節することができるプリズムのような構成を用いるか現実世界に対する焦点距離の変更によって仮想映像の焦点距離を変更させることができる可変型焦点レンズを電気的に制御するなどの技術が提案されている。しかし、このような技術も、仮想映像に対する焦点距離を調節するために使用者が別途の操作を行わなければならないか、または別途の物理的装置やプロセッサなどのようなハードウェア及びソフトウェアを必要とするという点で問題がある。
【0047】
したがって、本出願人は、前記 先行技術文献1を介して、ヒトの瞳孔より小さなサイズの反射部を用いて仮想映像を瞳孔を通して網膜に投映することにより、嵩及び重さを著しく減らし、製造工程を単純化することができ、使用者の焦点距離変更有無にかかわらず、いつも鮮明な仮想映像を提供することができる拡張現実具現装置を提案したことがある。
【0048】
図3は前記 先行技術文献に開示されたような拡張現実用光学装置100を示す図である。
【0049】
図3の拡張現実用光学装置100は、画像出射部10、反射部20及び光学手段30を含む。
【0050】
画像出射部10は拡張現実用画像に相応する拡張現実画像光を出射する手段であり、例えば小型ディスプレイ装置によって具現可能である。
【0051】
反射部20は、画像出射部10から出射した拡張現実画像光を使用者の瞳孔に向けて反射させることにより、使用者に拡張現実用画像を提供する。反射部20は、画像出射部10から出射する拡張現実用画像に相応する画像光を瞳孔に反射させることができるように画像出射部10と瞳孔との間で適切な角度を持って光学手段30の内部に埋め込まれて配置される。
【0052】
光学手段30は実際事物から出射した画像光である実際事物画像光の少なくとも一部を透過させる手段であり、例えばメガネレンズであることができ、光学手段30の内部には反射部20が埋め込まれている。
【0053】
一方、フレーム部40は画像出射部10と光学手段30とを固定及び支持する手段であり、例えばメガネ状に形成されることができる。
【0054】
図3の反射部20は、ヒトの平均的な瞳孔サイズより小さなサイズ、すなわち8mm以下に形成されている。このように、反射部20をヒトの平均的な瞳孔サイズより小さく形成することにより、反射部20を通して瞳孔に入射する光に対する深度(Depth of Field)をほぼ無限大に近く、すなわち深度を非常に深くすることができる。
【0055】
ここで、深度とは、焦点が合うものと認識される範囲を言う。深度が深くなれば拡張現実用画像に対する焦点距離も深くなるということを意味する。したがって、使用者が実際世界を見つめながら実際世界に対する焦点距離を変更してもそれにかかわらず仮想映像である拡張現実用画像の焦点はいつも合うものと認識することになる。これは一種のピンホール効果(pin hole effect)と見なすことができる。
【0056】
したがって、図3に示すような拡張現実用光学装置100は、使用者が実際世界に存在する実際事物を見つめながら焦点距離を変更しても拡張現実用画像に対してはいつも鮮明な仮想映像を提供することができる。
【0057】
本発明はこのような 先行技術文献に記載したような技術に基づく拡張現実用光学装置を提供することを特徴とする。以下、図4以降を参照して本発明による光効率を改善した拡張現実用光学装置200~1300を詳細に説明する。
【0058】
[第1実施例]
【0059】
図4は本発明の第1実施例による光効率を改善した拡張現実用光学装置200を示す図である。
【0060】
図4を参照すると、光効率を改善した拡張現実用光学装置200(以下、簡単に“拡張現実用光学装置200”と言う)は、反射手段20及び光学手段30を含む。
【0061】
画像出射部10は拡張現実用画像に相応する画像光である拡張現実画像光を光学手段30に向けて出射する手段であり、例えば拡張現実用画像を画面に表示することにより、画面を介して拡張現実画像光を出射する小型LCDのようなディスプレイ装置11と、ディスプレイ装置11から出射する拡張現実画像光を視準した光を出射するコリメーター(collimator)12とを含んでなることができる。
【0062】
コリメーター12は必須なものではなく、省略することができる。また、コリメーター12と、ディスプレイ装置11から出射する拡張現実画像光を反射、屈折または回折させて光学手段30に伝達する反射手段、屈折手段または回折手段の中で少なくとも一つとの組合せからなるその他の多様な光学素子を使うこともできる。
【0063】
このような画像出射部10自体は本発明の直接的な目的ではなく、従来技術に知られているものなので、ここでは詳細説明は省略する。
【0064】
一方、拡張現実用画像とは、画像出射部10のディスプレイ装置11の画面に表示され、反射手段20及び光学手段30を通して使用者の瞳孔40に伝達される仮想画像を意味し、イメージ形態の静止映像や動画のようなものであることができる。
【0065】
このような拡張現実用画像は画像出射部10から現実用画像に相応する拡張現実画像光として出射し、反射手段20及び光学手段30を通して使用者の瞳孔40に伝達されることにより、使用者に仮想画像を提供し、これと同時に使用者は光学手段30を介して実際世界に存在する実際事物から出射する画像光である実際事物画像光を目で直接受けることにより、拡張現実サービスの提供を受けるようになる。
【0066】
図4の実施例では、光学手段30の内面で1回全反射される構成を示すので、画像出射部10は図4に示すような位置に配置されるが、これは例示的なものであり、全反射構造を使わないか2回以上の全反射を使う場合、画像出射部10は拡張現実画像光を光学手段30を通して反射手段20に伝達するための適切な位置に配置される。どの場合であっても、画像出射部10は後述する反射手段20の位置、角度及び瞳孔40の位置を考慮して適切な位置に配置されることができる。
【0067】
反射手段20は、画像出射部10から出射した拡張現実用画像に相応する拡張現実画像光を使用者の目の瞳孔40に向けて反射させて伝達することにより、使用者に仮想画像である拡張現実用画像を提供する手段である。
【0068】
図4で、反射手段20は複数の反射部21~29から構成され、図面符号20はこのような複数の反射部21~29全体を通称するものである。
【0069】
このような反射手段20は、図4に示すように、光学手段30の内部に埋め込まれて配置される。
【0070】
後述するように、光学手段30は、反射手段20で反射された拡張現実画像光と実際事物画像光の少なくとも一部が使用者の瞳孔40に向けて出射する第1面31と、前記第1面31に対向し、実際事物画像光が入射する第2面32とを備える。反射手段20はこのような光学手段30の第1面31と第2面32との間の内部空間に埋め込まれて配置される。
【0071】
光学手段30の第1面31は、使用者が拡張現実用光学装置200を瞳孔40の前方に置いたとき、使用者の瞳孔40に向かう面になり、第2面32はその反対面、すなわち実際世界の事物に向かう面になり、反射手段20はこのような光学手段30の第1面31と第2面32との間の内部空間に配置される。
【0072】
一方、図4の実施例では、画像出射部10から出射する拡張現実画像光は光学手段30の内面で1回全反射された後、反射手段20に伝達されるものとして示したが、これは例示的なものであり、全反射を使わず画像出射部10から出射する拡張現実画像光は光学手段30の内部を通して反射手段20に直接伝達されるか、または光学手段30の内面で少なくとも1回以上全反射された後、反射手段20に伝達されるようにすることもできる。
【0073】
拡張現実画像光が光学手段30の内面で少なくとも1回以上全反射される場合において、全反射回数が偶数(2n、nは自然数)の場合には、画像出射部10から出射する拡張現実用画像光は、図4に示すように、光学手段30の第2面32に先に入射するものではなく、第1面31に向けて入射した後、第2面32と第1面31との間で2n回全反射された後、反射手段20に伝達される。したがって、この場合には、画像出射部10から出射する拡張現実画像光は、図4に示したものとは違い、第1面31に向けて出射するようになる。
【0074】
拡張現実画像光が光学手段30の内面で少なくとも1回以上全反射される場合において、全反射回数が奇数(2n-1、nは自然数)の場合には、画像出射部10から出射する拡張現実用画像光は、図4に示したものと同様に、光学手段30の第2面32に向けて入射した後、第1面31と第2面32との間で2n-1回全反射された後、反射手段20に伝達される。
【0075】
全反射を使う構成の場合には、どの場合であっても、反射手段20に拡張現実画像光が入射する直前の光学手段30の内面は第2面32になる。
【0076】
図4の実施例で、反射手段20は複数の反射部21~29を含み、それぞれの反射部21~29は、反射部21~29に伝達された拡張現実画像光をそれぞれ反射させて使用者の瞳孔40に伝達するように画像出射部10と瞳孔40の位置を考慮して光学手段30の内部に適切に配置される。
【0077】
図4に示すように、画像出射部10から出射した拡張現実画像光が光学手段30の第2面32で1回全反射されて反射部21~29に伝達される構成を使う場合、画像出射部10から光学手段30の第2面32に入射する拡張現実画像光と、第2面32で全反射されて反射部21~29に出射する拡張現実画像光と、瞳孔40との位置を考慮して反射部21~29の傾斜角を適切に配置する。
【0078】
一方、反射部21~29のそれぞれは、先に図3を参照して説明したように、深度を深くしてピンホール効果を得ることができるように、ヒトの瞳孔サイズより小さなサイズ、すなわち8mm以下に、より好ましくは4mm以下に形成されることが好ましい。
【0079】
すなわち、反射部21~29のそれぞれは、ヒトの一般的な瞳孔サイズより小さなサイズ、すなわち8mm以下、より好ましくは4mm以下に形成される。これにより、反射部21~29のそれぞれを通して瞳孔に入射する光に対する深度(Depth of Field)をほぼ無限大に近く、すなわち深度を非常に深くすることができ、よって使用者が実際世界を見つめながら実際世界に対する焦点距離を変更しても、これにかかわらず拡張現実用画像の焦点はいつも合うものと認識するようにするピンホール効果(pin hole effect)を発生させることができる。
【0080】
ここで、反射部21~29のそれぞれのサイズは、各反射部21~29の周縁の境界線上の任意の2点間の最大長を意味するものと定義する。
【0081】
また、反射部21~29のそれぞれのサイズは、瞳孔40と反射部21~29との間の直線に垂直でありながら瞳孔40の中心を含む平面に各反射部21~29を投映した正射影の周縁境界線上の任意の2点間の最大長であることができる。
【0082】
一方、反射部21~29が、図4に示すように、2以上の複数で備えられた場合、反射部21~29のそれぞれは光学手段30の第2面32で全反射された拡張現実画像光が他の反射部21~29に伝達されることを遮断しないように配置されなければならない。このために、本実施例で、複数の反射部21~29の中で少なくとも二つ以上の反射部25~29は、画像出射部10からの距離が遠いほど光学手段30の第2面32にもっと近く配置される。言い換えれば、これは、複数の反射部21~29の中で少なくとも2以上の反射部25~29は、画像出射部10からの距離が遠いほど光学手段30の第1面31、すなわち瞳孔40からもっと遠くなるように配置されることを意味する。
【0083】
ここで、光学手段30の第2面32が曲面に形成されるか瞳孔40に対して斜めに配置される場合があり得るので、反射部21~29の中で少なくとも2以上の反射部25~29が画像出射部10からの距離が遠いほど光学手段30の第2面32にもっと近く配置されるというのは、画像出射部10からの距離が遠いほど瞳孔40から正面方向への直線が光学手段30の第2面32が会う点に垂直な平面との距離がもっと小さい反射部25~29が少なくとも2以上存在することを意味する。
【0084】
図5は反射部21~29の配置構造を説明するための図である。
【0085】
図5を参照すると、反射部21~29は光学手段30の第1面31と第2面32との間に埋め込まれて配置されている。光学手段30を側面から見たとき、反射部21~24は光学手段30の第2面32との距離が同一であるが、反射部25~29は画像出射部10からの距離が遠いほど光学手段30の第2面32にもっと近く配置される。
【0086】
図5では、光学手段30を側面から見たとき、反射部21~24はその中心を連結した仮想の線が第2面32に平行な直線を成すように配置され、反射部25~29はその中心を連結した仮想の線が曲線を成すように配置される。すなわち、反射部21~24は直線に沿って配置され、反射部25~29は曲線に沿って配置される。
【0087】
図5では、4個の反射部21~24が直線に沿って配置され、5個の反射部25~29が曲線に沿って配置されたものを示すが、これは例示的なものであり、直線及び曲線に沿って配置された反射部のそれぞれの数は使用例によって変更可能であるというのは言うまでもない。また、すべての反射部21~29が曲線に沿って配置されるようにすることもできる。
【0088】
ここで、直線または曲線とは、光学手段30の側面から見たときの2次元平面での形態であるが、画像出射部10が、図4に示すように、瞳孔40の上側に位置せずに側面に位置する場合には、反射部21~29は光学手段30の上面または下面から見たときの2次元平面で直線または曲線に沿って配置されることもできる。
【0089】
図6図4及び図5で説明した拡張現実用光学装置200の斜視図である。
【0090】
図6を参照すると、拡張現実用光学装置200を使用者の瞳孔40の前方に置いたとき、瞳孔40から正面方向をx軸といい、画像出射部10とx軸との間の垂直線に対してx軸に沿って平行でありながら光学手段30の第1面31と第2面32との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、z軸に垂直な面に向けて拡張現実用光学装置200を見れば、反射部21~29は図5に示したもののように見える。
【0091】
すなわち、z軸に垂直な面に向けて光学手段30を見たとき、複数の反射部21~29の中で少なくとも2以上の反射部25~29は、画像出射部10からの距離が遠いほど光学手段30の第1面31と第2面32との間の内部空間で光学手段30の第2面32にもっと近く配置される。
【0092】
ここで、複数の反射部21~29は、外部でz軸に垂直な面に向けて光学手段30を見たとき、z軸に垂直ないすれか一つの平面に含まれるように光学手段30の内部に配置されることができる。
【0093】
一方、図5及び図6に示すように、反射部21~24は光学手段30の第1面31に近く配置されていることが分かる。
【0094】
ここで、第2面32は、前述したように、実際事物画像光が入射する面である。これは、全反射構造を使う場合、反射部21~29に入射する直前に拡張現実画像光が最終的に全反射される面になる。
【0095】
一方、反射部25~29は、下側に行くほど光学手段30の第2面32にもっと近く配置される形態に曲線を成すように配置されることが分かる。すなわち、反射部25~29は画像出射部10からの距離が遠いほど第2面32にもっと近く配置される。
【0096】
図7は反射部21~29の配置構造の効果を説明するための図である。
【0097】
図7の(a)は反射部21~29が図4図6で説明したような構造、すなわち反射部21~29の一部25~29が画像出射部10から距離が遠いほど第2面32にもっと近く配置された場合を示すものであり、図7の(b)はすべての反射部21~29が一直線上に配置された場合、すなわちすべての反射部21~29が画像出射部10からの距離にかかわらず第2面32から同じ距離を有するように配置された場合を示すものである。
【0098】
図7の(b)を参照すると、すべての反射部21~29が瞳孔40から正面方向に対して垂直な方向の一直線に沿って配置(すなわち、すべての反射部21~29が画像出射部10からの距離にかかわらず光学手段30の第2面32との距離が同じになるように配置)されているので、この場合、下側の反射部28、29には光学手段30の第2面32で全反射された拡張現実画像光が正常に到逹しないことが分かる。
【0099】
これに対して、図7の(a)を参照すると、反射部25~29は画像出射部10からの距離が遠いほど光学手段30の第2面32にもっと近く配置されているので、光学手段30の第2面32で全反射された拡張現実画像光はすべての反射部21~29に伝達されることが分かる。
【0100】
一方、反射部21~29は、前述したように、反射部21~29に伝達される拡張現実画像光をそれぞれ反射させて使用者の瞳孔40に伝達するように適切な傾斜角に斜めに配置され、各反射部21~29は、使用者の瞳孔40中心から正面方向に対して少なくとも45度以下の傾斜角を有するように配置される。
【0101】
図8及び図9は反射部21~29の傾斜角を説明するための図である。
【0102】
図8では、説明の便宜のために一つの反射部21のみを示す。図8を参照すると、反射部21は使用者の瞳孔40の中心の正面方向に対して傾斜角θを有するように斜めに配置され、この傾斜角は45度以下であることが好ましい。これは、反射部21の傾斜角θが45度以上の場合には反射部21に入射する拡張現実画像光を瞳孔40の方向に正常に伝達することができないからである。
【0103】
図9の(a)は反射部20の傾斜角θが45度以下の場合、図9の(b)は傾斜角θが45度を超える場合をそれぞれ示すものである。
【0104】
図9の(a)を参照すると、反射部20の傾斜角θが45度以下に形成されている。この場合、光学手段30の第2面32(インプット(input)面)で全反射された拡張現実画像光が反射部20を通して瞳孔40に収斂することが分かる。
【0105】
図9の(a)で、光学手段30の第2面32の外部に表示された点線は、光学手段30の第2面32で全反射されて反射部20に入射する拡張現実画像光を光学手段30の第2面32の外側に延ばして示したものである。この点線は光学手段30の第2面32の外部の一点で会うことが分かり、これは反射部20を通して瞳孔40に伝達される拡張現実画像光が瞳孔40に収斂することを意味する。
【0106】
一方、図9の(b)に示すように、反射部20の傾斜角θが45度を超える場合には、瞳孔40から画像光が出射したと仮定するとき、画像光は反射部20を通して収斂せずに発散することが分かる。よって、画像出射部10から拡張現実画像光が出射する場合を考えて見れば、拡張現実画像光の光経路は瞳孔40に収斂することができないので、同じ位置のインプット面を有することができないことを意味し、これは結局画像出射部10から出射した拡張現実画像光が光学手段30の内面で全反射された後、反射部20を通して瞳孔40に正常に伝達されることができないことを意味する。
【0107】
図9は拡張現実画像光が光学手段30の第2面32で1回全反射される場合を例示的に示したものであるが、全反射を使わないか2回以上の全反射を使う場合にも同様である。全反射を使わない場合には、光学手段30の第2面32と反射部20を連結した線の第2面32側の延長線上に画像出射部10が位置し、この場合にも同様に反射部20は使用者の瞳孔40の中心から正面方向に対して少なくとも45度以下の角度を有する。
【0108】
一方、光学手段30は、反射部21~29が埋め込まれて配置され、実際事物から出射した画像光である実際事物画像光の少なくとも一部を使用者の目の瞳孔40に向けて透過させる手段である。
【0109】
ここで、実際事物画像光の少なくとも一部を瞳孔40に向けて透過させるというのは実際事物画像光の光透過率が必ずしも100%である必要はないという意味である。
【0110】
また、光学手段30は、前述したように、画像出射部10から出射する拡張現実用画像光を光学手段30の内部を通して反射部21~29に直接伝達するかまたは光学手段30の内面で少なくとも1回以上全反射させた後、反射部21~29に伝達する。
【0111】
光学手段30は、前述したように、反射部21~29で反射された拡張現実画像光と実際事物画像光の少なくとも一部が使用者の瞳孔に向けて出射する第1面31と、前記第1面31に対向して実際事物画像光が入射する第2面32とを備え、反射部21~29は第1面31と第2面32との間の内部に埋め込まれて配置される。
【0112】
光学手段30は、ガラスまたはプラスチック素材及びその他の合成樹脂材のレンズから形成することができ、多様な屈折率及び透明度を有することができる。
【0113】
光学手段30の第1面31と第2面32とは互いに平行なものとして示したが、これは例示的なものであり、互いに平行ではないように構成することもできる。
【0114】
また、光学手段30の第1面31と第2面32の中で少なくとも一つは曲面に形成されることができる。すなわち、第1面31または第2面32の中でいずれか一方が曲面であることができ、第1面31及び第2面32が共に曲面に形成されることができる。
【0115】
ここで、前記曲面は凹面または凸面であることができる。凹面とは、当該面を正面から見たとき、中央部が周縁部より薄く形成されて凹んでいることを意味し、凸面とは、当該面を正面から見たとき、中央部が周縁部より厚く形成されて膨らむように突出したことを意味する。
【0116】
図10及び図11図4図9を参照して説明した実施例による拡張現実用光学装置200の全体的な作用を説明するための図であり、図4に示すような全反射構造を使う場合に対するものである。
【0117】
図10では、説明の便宜のために、反射部21~25は5個のみを示す。
【0118】
図10の(a)、(b)及び(c)を参照すると、互いに異なる角度の拡張現実画像光が光学手段30の第2面32で全反射された後、前述したような傾斜角及び配置構造を有する反射部21~25によってアイボックス(eye box)に伝達されることが分かる。
【0119】
図10の(a)では反射部21~23が使われ、図10の(b)では反射部22~24が使われ、図10の(c)では反射部23~25が使われる。これらは拡張現実画像光の光経路の入射角、すなわち画像出射部10から出射する拡張現実画像光の光経路の出射角にそれぞれ相応して拡張現実画像光をアイボックス(eye box)に伝達することが分かる。
【0120】
ここで、アイボックス(eye box)は、画像出射部10から出るそのままの拡張現実画像光を見るのにあたり、使用者の瞳孔40が位置することができる最大空間と見なすことができ、光学手段30の第2面32はインプット面として作用し、インプット面で全反射された拡張現実画像光は反射部21~25を通して全部アイボックスの方向に出射する。
【0121】
一方、図11図10の(a)、(b)及び(c)で示した拡張現実画像光を一緒に示すものであり、画像出射部10から出射した拡張現実画像光が入射瞳孔(input pupil)として機能する光学手段30の上部を通して入射し、光学手段30の第2面32で全反射された後、反射部20で反射された後、出射瞳孔(exit pupil)として作用する光学手段30の第1面31を通してアイボックス(eye box)に伝達されることが分かる。ここで、瞳孔40が位置することができるアイボックス(eye box)と光学手段30との間の距離はアイレリーフ(eye relief)になる。
【0122】
図10及び図11に示すように、画像出射部10から出射して光学手段30のインプット面で全反射された拡張現実画像光は前述したような反射部20の傾斜角構造及び配置構造によって全部アイボックス(eye box)に伝達されるので、拡張現実画像光の光効率を著しく改善することができることが分かる。
【0123】
図12は本発明の第1実施例の変形実施例による拡張現実用光学装置300の構成を示す図である。
【0124】
図12の実施例の拡張現実用光学装置300は、図4図11を参照して説明した実施例の拡張現実用光学装置200と基本的な構成は同一であるが、複数の反射部21~29から構成される反射手段20が複数形成されることを特徴とする。
【0125】
ここで、複数の反射手段20は、次のような配置構造を有する。すなわち、前述したように、拡張現実用光学装置300を使用者の瞳孔40の前方に置いたとき、瞳孔40から正面方向をx軸といい、画像出射部10とx軸との間の垂直線に対してx軸に沿って平行でありながら光学手段30の第1面31と第2面32との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、複数の反射手段20は前記z軸方向に沿って互いに平行に離隔して配置されることができる。
【0126】
ここで、それぞれの反射手段20は、各反射手段20を構成するそれぞれの反射部21~29が、隣接した反射手段20を構成する反射部21~29の中でいずれか一つとz軸に平行な仮想の直線に沿って位置するように配置されることができる。よって、z軸に垂直な面に向けて見たとき、複数の反射手段20は図5に示したように見える。
【0127】
図12の実施例によれば、図4図11を参照して説明したような作用効果を有しながらz軸方向の視野角及びアイボックス(eye box)を広げることができる利点がある。
【0128】
図13は本発明の第1実施例の他の変形実施例による拡張現実用光学装置400の構成を示す図である。
【0129】
図13の実施例の拡張現実用光学装置400は、図12で説明した実施例の拡張現実用光学装置300と同様に反射手段20が複数から構成されるが、各反射手段20は、各反射手段20を構成するそれぞれの反射部21~29が、隣接した反射手段20を構成するすべての反射部21~29とz軸に平行な仮想の直線に沿って位置しないように配置されることを特徴とする。
【0130】
すなわち、図13に示すように、z軸の右側方向から互いに隣り合う第1反射手段20の反射部21~29と第2反射手段20の反射部21~29とをy軸方向の上側(画像出射部10側)から順に比較してみれば、第1反射手段20のそれぞれの反射部21~29は第2反射手段20のすべての反射部21~29とz軸に平行な仮想の直線に沿って位置しないように配置されていることが分かる。すなわち、第1反射手段20の反射部21~29と第2反射手段20の反射部21~29とは、z軸方向に見るとき、z軸に平行な直線に沿って平行に整列されておらず互いにずれて配置されていることが分かる。
【0131】
図14は本発明の第1実施例のさらに他の変形実施例による拡張現実用光学装置500の構成を示す図である。
【0132】
図14の実施例の拡張現実用光学装置500は、図4図11を参照して説明した実施例の拡張現実用光学装置200と基本的に同様であるが、各反射部21~29がz軸方向に延びたバー(bar)状に形成されることを特徴とする。
【0133】
すなわち、前述したように、拡張現実用光学装置500を使用者の瞳孔40の前方に置いたとき、瞳孔40から正面方向をx軸といい、画像出射部10とx軸との間の垂直線に対してx軸に沿って平行でありながら光学手段30の第1面31と第2面32との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、複数の反射部21~29は前記z軸方向に沿って延びたバー(bar)状に形成される。
【0134】
このような場合、z軸に垂直な面に向けて見たとき、各反射部21~29のサイズは4mm以下に形成されることが好ましい。
【0135】
一方、本実施例の場合にも、z軸に垂直な平面に向けて光学手段30を見たとき、各反射部21~29の形態は図5に示したものと同様に見える。
【0136】
一方、前記実施例において、反射部21~29の少なくとも一部のサイズは互いに異なるようにすることもできる。このような場合にも、各反射部21~29のサイズは、前述したように、4mm以下に形成することが好ましい。
【0137】
また、各反射部21~29は等間隔で配置されることが好ましいが、少なくとも一部の反射部21~29の間隔を他の反射部21~29の間隔と異なるように配置することもできる。
【0138】
また、各反射部21~29の少なくとも一部は光を部分的に反射させるハーフミラーのような手段から構成することもできる。
【0139】
また、反射部21~29の少なくとも一部は、反射手段の他に屈折素子または回折素子から形成することもできる。
【0140】
また、反射部21~29の少なくとも一部は光を波長によって選択的に透過させるノッチフィルターなどのような光学素子から構成されることができる。
【0141】
また、反射部21~29の少なくとも一部は、拡張現実画像光を反射させる面の反対面に光を反射せずに吸収する素材からコーティングされることもできる。
【0142】
また、反射部21~29の少なくとも一部の表面を曲面に形成することもできる。ここで、前記曲面は凹面または凸面であることができる。
【0143】
図15は反射部21~29の表面が曲面に形成されたものを説明するための図であり、説明の便宜のために、一つの反射部21のみを示す。
【0144】
図15に示すように、反射部21の表面は曲面に形成されている。この場合、曲面に形成される表面は光学手段30の第1面31側に膨らんでいる凸面に形成されることができる。
【0145】
図15では、第1面31側に膨らんでいる凸面を有する反射部21を示すが、これは例示的なものであり、第1面31側に凹んでいる凹面を有するように反射部21を形成することもできる。
【0146】
図16は反射部21~29の曲面形態の他の例を示す図であり、説明の便宜のために、一つの反射部21のみを示す。
【0147】
図16の反射部21は曲面に形成され、反射部21を使用者の瞳孔の前方に置いたとき、瞳孔から正面方向をx軸といい、画像出射部10とx軸との間の垂直線に対してx軸に沿って平行でありながら光学手段30の第1面31と第2面32との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸と言えば、反射部21のx軸方向への長さよりz軸方向への長さが長く形成されることを特徴とする。
【0148】
すなわち、図16の反射部21は光学手段30の内面でz軸方向にバー(bar)状に延びるように形成され、全体的には円筒(cylinder)状の反射部21を長手方向に切開した形態に形成されることを特徴とする。
【0149】
図示のように、図16の反射部21は、z軸方向への長さがx軸方向への長さより長く形成され、また光学手段30の第1面31側に膨らんでいる凸面に形成されていることが分かる。
【0150】
一方、図16で、反射部21はz軸方向に延びたバー状であるが、y軸方向に延びたバー状になるように、すなわちy軸方向への長さがz軸方向への長さより長く形成されることもできる。
【0151】
また、図16の反射部21は全体的に円筒状を長手方向に切開した形態に形成されるので、y軸方向に反射部21を見たとき、長方形を有するが、これは例示的なものであり、y軸方向に見たとき、反射部21が全体的に円形、三角形、四角形などのその他の形態を有するように形成することもできる。また、反射部21をy軸方向に見たとき、x軸方向に長軸を有する楕円形に形成することもできる。
【0152】
また、図16では光学手段30の第1面31側に膨らんでいる凸面を有する反射部21を示すが、これは例示的なものであり、第1面31側に凹んでいる凹面を有するように反射部21を形成することもできるというのは言うまでもない。
【0153】
また、図14の実施例で説明した反射部20を図16に示すような形態に形成することもできる。この場合、図14の反射部20は光学手段30の内部でz軸方向に沿って全体的に延びて単一のバー状に形成されるが、図16の反射部21は図14のバー状が分割されて形成されたものと見なすことができる。
【0154】
[第2実施例]
【0155】
次に、図17以降を参照して本発明による第2実施例による拡張現実用光学装置600~1300について説明する。
【0156】
図17は本発明の第2実施例による拡張現実用光学装置600を示す図である。
【0157】
図17の第2実施例の拡張現実用光学装置600は、図4で説明した第1実施例と基本的な構成は同様であるが、反射手段20を構成する反射部21~29の配置構造のみに違いがある。
【0158】
すなわち、図17の第2実施例の拡張現実用光学装置600の反射手段20は、複数の反射部21~24を含む第1反射部グループ20Aと、複数の反射部25~29を含む第2反射部グループ20Bとから構成され、第2反射部グループ20Bと画像出射部10との間の距離は第1反射部グループ20Aと画像出射部10との間の距離より大きいように光学手段30の内部に埋め込まれて配置される。
【0159】
ここで、第1反射部グループ20Aを構成する反射部21~24は、画像出射部10からの距離が遠いほど光学手段30の第1面31にもっと近いように光学手段30の内部に埋め込まれて配置され、第2反射部グループ20Bを構成する反射部25~29は、画像出射部10からの距離が遠いほど光学手段30の第1面31からもっと遠いように光学手段30の内部に埋め込まれて配置される。
【0160】
ここで、光学手段30の第1面31及び第2面32の中で少なくとも一つが曲面に形成されるかまたは瞳孔40の中心から正面方向への直線に対する垂直平面に平行ではなく傾斜角を有するように形成される場合があり得るので、画像出射部10からの距離が遠いほど光学手段30の第1面31にもっと近く配置されるというのは、画像出射部10からの距離が遠いほど瞳孔40から正面方向への直線に対する垂直平面であって、第1面31と瞳孔40との間に存在する垂直平面にもっと近く配置されることを意味する。
【0161】
同様に、画像出射部10からの距離が遠いほど光学手段30の第1面31からもっと遠いように配置されるというのは、画像出射部10からの距離が遠いほど瞳孔40から正面方向への直線に対する垂直平面であって、第1面31と瞳孔40との間に存在する垂直平面からもっと遠く位置するように配置されることを意味する。
【0162】
その他の構成は前述した第1実施例と同一であるので、詳細説明は省略する。
【0163】
図18図17で説明した反射部21~29の配置構造を説明するための図である。
【0164】
図18を参照すると、前述したように、反射手段20は第1反射部グループ20Aと第2反射部グループ20Bとから構成され、第1反射部グループ20Aは複数の反射部21~24を含み、第2反射部グループ20Bは複数の反射部25~29をそれぞれ含む。
【0165】
第1反射部グループ20Aを構成する複数の反射部21~24と第2反射部グループ20Bを構成する複数の反射部25~29とは、光学手段30の第1面31と第2面32との間の内部空間に埋め込まれて配置されており、反射部21~29全体の中心を仮想の線で連結すれば全体的に緩やかな“C”字形の曲線を形成するように配置されていることが分かる。
【0166】
一方、図17及び図18では、第1反射部グループ20Aを構成するそれぞれ反射部21~24は隣接した反射部21~24が連続的に構成されたものとして示したが、これは例示的なものであり、例えば、隣接しない3個の反射部21、25、27から第1反射部グループ20Aを構成することもできる。これは第2反射部グループ20Bの場合にも同様である。
【0167】
また、第1反射部グループ20A及び第2反射部グループ20Bは複数が存在するように構成することもできるというのは言うまでもない。
【0168】
また、反射手段20を構成する複数の反射部21~29の全部が第1反射部グループ20A及び第2反射部グループ20Bの中でいずれ一方に必ずしも含まれなければならないものではなく、反射手段20を構成する複数の反射部21~29の中で一部のみで第1反射部グループ20A及び第2反射部グループ20Bを構成することができるというのは言うまでもない。
【0169】
図19図17及び図18で説明した拡張現実用光学装置600の斜視図である。
【0170】
図19を参照すると、拡張現実用光学装置600を使用者の瞳孔40の前方に置いたとき、瞳孔40から正面方向をx軸といい、画像出射部10からx軸への垂直線に対してx軸に沿って平行でありながら光学手段30の第1面31と第2面32との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸と言えば、z軸は光学手段30の第1面31と第2面32との間を通る線分になる。ここで、z軸に垂直な平面に向けて光学手段30または拡張現実用光学装置600を見たとき、反射部21~29は図17及び図18に示したもののように見える。
【0171】
すなわち、z軸に垂直な平面に向けて光学手段30または拡張現実用光学装置600を見たとき、複数の反射部21~29の中で、第1反射部グループ20Aを構成する複数の反射部21~24は画像出射部10からの距離が遠いほど光学手段の第1面31にもっと近いように光学手段30の内部に埋め込まれて配置され、第2反射部グループ20Bを構成する複数の反射部25~29は画像出射部10からの距離が遠いほど光学手段の第1面31からもっと遠いように光学手段30の内部に埋め込まれて配置される。
【0172】
また、第2反射部グループ20Bと画像出射部10との間の距離は、第1反射部グループ20Aと画像出射部10との間の距離より大きいように配置される。これは、図19のz軸に垂直な平面に向けて光学手段30を見たとき、第1反射部グループ20Aが第2反射部グループ20Bの上側に配置されることを意味する。
【0173】
図20図17図19の拡張現実用光学装置600の反射部21~29の配置構造の効果を説明するための図である。
【0174】
図20の(a)は反射部21~29が図17図19で説明したような配置構造を有する場合を示すものであり、図20の(b)はすべての反射部21~29が一直線上に配置された場合、すなわちすべての反射部21~29が画像出射部10からの距離にかかわらず第1面31と同じ距離を有するように配置された場合を示すものである。
【0175】
図20の(b)を参照すると、すべての反射部21~29が画像出射部10からの距離にかかわらず光学手段30の第2面32との距離が同じに配置されているので、下側の反射部28、29には光学手段30の第2面32で全反射された拡張現実画像光が正常に到逹しないことが分かる。
【0176】
これに対して、図20の(a)を参照すると、反射部24~29が図17図19を参照して説明したように配置されるので、光学手段30の第2面32で全反射された拡張現実画像光はすべての反射部21~29に伝達されることが分かる。
【0177】
一方、図17図19を参照して説明した第2実施例の反射部21~29も第1実施例と同様に、各反射部21~29は使用者の瞳孔40の中心から正面方向への直線に対して少なくとも45度以下の傾斜角を有するように配置される。これは、先に図8及び図9を参照して説明したものと同様であるので、詳細説明は省略する。
【0178】
一方、前述したように、画像出射部10から出射する拡張現実用画像光は光学手段30の内部で全反射されず反射部21~29に直接伝達されるか光学手段30の内面で少なくとも1回以上全反射された後、反射部21~29に伝達されることができる。
【0179】
図21図23は拡張現実画像光が光学手段30で全反射される回数を説明するための図であり、説明の便宜のために、反射部21~23は3個のみを示す。
【0180】
図21は拡張現実画像光が光学手段30の内部で全反射されない場合を示す図である。
【0181】
図21に示すように、画像出射部10から出射する拡張現実画像光は光学手段30の内部で全反射されず反射部21~23に直接伝達され、反射部21~23で反射された後、瞳孔40に伝達されることが分かる。
【0182】
図22は拡張現実画像光が光学手段30の内部で1回全反射される場合を示す図である。
【0183】
図22に示すように、画像出射部10から出射する拡張現実画像光は光学手段30の第2面32で1回全反射された後、反射部21~23に伝達され、その後、反射部21~23で反射されて瞳孔40に伝達されることが分かる。図22図21に示すような光学手段30をx軸方向に対して2等分し、2等分線を光学手段30の第2面32にした場合と見なすことができる。
【0184】
図23は拡張現実画像光が光学手段30の内部で2回全反射される場合を示す図である。
【0185】
図23を参照すると、画像出射部10から出射する拡張現実画像光は光学手段30の第1面31で全反射され、その後、第2面32でさらに全反射された後、反射部21~23に伝達され、その後、反射部21~23でさらに反射されて瞳孔40に伝達されることが分かる。図23図21に示すような光学手段30をx軸方向に対して3等分し、3等分線の中で瞳孔40に近い線を光学手段30の第2面32にした場合と見なすことができる。
【0186】
図21図23で、反射部21~23はz軸に垂直な平面に向けて光学手段30を見たとき、直線に配置された形態として示したが、これは単純に説明の便宜のためのものであり、図17図19を参照して説明したような配置構造を有する場合にも同様である。
【0187】
図24及び図25は拡張現実用光学装置600の全体的な作用を説明するための図である。
【0188】
図24及び図25は、光学手段30の内部で2回全反射される場合を例示的に示した図であり、説明の便宜のために、反射部21~25は5個のみを示す。
【0189】
図24の(a)、(b)及び(c)を参照すると、互いに異なる角度の拡張現実画像光が光学手段30の第1面31及び第2面32でそれぞれ全反射された後、前述したような傾斜角及び配置構造を有する反射部21~25によってアイボックス(eye box)に伝達されることが分かる。
【0190】
図24の(a)では反射部21~23が使われ、図24の(b)では反射部22~24が使われ、図24の(c)では反射部23~25が使われる。これらは拡張現実画像光の光経路の入射角、すなわち画像出射部10から出射する拡張現実画像光の光経路の出射角にそれぞれ相応して拡張現実画像光をアイボックス(eye box)に伝達する。ここで、アイボックス(eye box)は、画像出射部10から出るそのままの拡張現実画像光を見るのにあたり、使用者の瞳孔40が位置することができる最大空間と見なすことができ、光学手段30の第1面31及び第2面32はインプット面として作用し、これらによって全反射された拡張現実画像光は反射部21~25によって全部アイボックスの方向に出射する。
【0191】
一方、図25図24の(a)、(b)及び(c)で示した拡張現実画像光を一緒に示した図である。画像出射部10から出射した拡張現実画像光が入射瞳孔(input pupil)として機能する光学手段30の上部を通して入射し、光学手段30の第1面31及び第2面32によって2回全反射された後、反射部21~25によって反射された後、出射瞳孔(exit pupil)として作用する光学手段30の第1面31を通してアイボックス(eye box)に伝達されることが分かる。ここで、瞳孔40が位置することができるアイボックス(eye box)と光学手段30との間の距離はアイレリーフ(eye relief)になる。
【0192】
図24及び図25に示すように、画像出射部10から出射して光学手段30の第1面31及び第2面32で全反射された拡張現実画像光は前述したような反射部21~25の傾斜角構造及び配置構造によって全部アイボックス(eye box)に向けて伝達されるので、拡張現実画像光の光効率を著しく改善することができることが分かる。
【0193】
図26は本発明の第2実施例の変形実施例による拡張現実用光学装置700の構成を示す図である。
【0194】
図26の実施例の拡張現実用光学装置700は、図17で説明した第2実施例の拡張現実用光学装置600と基本的な構成は同様であるが、複数の反射部21~24を含む第1反射部グループ20A及び複数の反射部25~29を含む第2反射部グループ20Bから構成される反射手段20が複数形成されることを特徴とする。
【0195】
ここで、複数の反射手段20は、次のような配置構造を有する。すなわち、拡張現実用光学装置700または光学手段30を使用者の瞳孔40の前方に置いたとき、瞳孔40から正面方向をx軸といい、画像出射部10からx軸への垂直線に対してx軸に沿って平行でありながら光学手段30の内面の間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、反射手段20は前記z軸方向に沿って平行に互いに離隔して配置されることができる。
【0196】
ここで、それぞれの反射手段20は、各反射手段20を構成するそれぞれの反射部21~29が、隣接した反射手段20を構成する反射部21~29の中でいずれか一つとz軸に平行な仮想の直線に沿って平行に位置するように並んで配置されることができる。よって、z軸に垂直な平面に向けて光学手段30を見たとき、複数の反射手段20は図17及び図18で示したものと同様に見える。
【0197】
図26の実施例によれば、図17図19を参照して説明したような作用効果を有しながら視野角とz軸方向へのアイボックス(eye box)を広げることができる利点がある。
【0198】
図27は本発明の第2実施例の他の変形実施例による拡張現実用光学装置800の構成を示す図である。
【0199】
図27の実施例の拡張現実用光学装置800は、図26で説明した実施例の拡張現実用光学装置700のように反射手段20が複数構成されるが、各反射手段20は、各反射手段20を構成するそれぞれの反射部21~29が、隣接した反射手段20を構成するすべての反射部21~29とz軸に平行な仮想の直線に沿って位置しないように配置されることを特徴とする。
【0200】
すなわち、図27に示すように、z軸の右側方向から互いに隣り合う第1反射手段20の反射部21~29と第2反射手段20の反射部21~29をy軸方向の上側(画像出射部10側)から順に比較して見れば、第1反射手段20のそれぞれの反射部21~29は第2反射手段20のすべての反射部21~29とz軸に平行な仮想の直線に沿って位置しないように配置されていることが分かる。すなわち、第1反射手段20の反射部21~29と第2反射手段20の反射部21~29とは、z軸方向に見るとき、z軸に平行に並んで整列されておらず互いにずれて配置されていることが分かる。
【0201】
図28は本発明の第2実施例のさらに他の変形実施例による拡張現実用光学装置900の構成を示す図である。
【0202】
図28の実施例の拡張現実用光学装置900は、図17及び図18を参照して説明した実施例の拡張現実用光学装置600と基本的に同様であるが、各反射部21~29がバー(bar)状に形成されることを特徴とする。
【0203】
ここで、各反射部21~29は、次のような配置構造を有する。すなわち、拡張現実用光学装置900または光学手段30を使用者の瞳孔40の前方に置いたとき、瞳孔40から正面方向をx軸といい、画像出射部10からx軸への垂直線に対してx軸に沿って平行でありながら光学手段30の第1面31と第2面32との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、複数の反射部21~29は前記z軸に平行な仮想の直線に沿って延びたバー(bar)状に形成される。
【0204】
本実施例の場合にも、光学手段30をz軸に垂直な平面に向けて見たとき、各反射部21~29の形態は図17及び図18で示したものと同様に見える。
【0205】
本実施例の場合、z軸に垂直な平面に向けて見たとき、反射部21~29のサイズは4mm以下に形成されることが好ましい。
【0206】
一方、第2実施例及び第2実施例の変形実施例において、各反射部21~29の少なくとも一部のサイズは他の反射部21~29と異なるように構成することもできる。このような場合にも、各反射部21~29のサイズは前述したように4mm以下に形成することが好ましい。
【0207】
また、各反射部21~29は等間隔で配置されることが好ましいが、少なくとも一部の反射部21~29の間隔を他の反射部21~29の間隔と異なるように配置することもできる。
【0208】
また、少なくとも一部の反射部21~29のx軸に対する傾斜角を他の反射部21~29と異なるように構成することもできる。
【0209】
また、各反射部21~29の少なくとも一部は光を部分的に反射させるハーフミラーのような手段から構成することもできる。
【0210】
また、反射部21~29の少なくとも一部は、反射手段の他の屈折素子または回折素子から形成することもできる。
【0211】
また、反射部21~29の少なくとも一部は光を波長によって選択的に透過させるノッチフィルターなどのような光学素子から構成されることができる。
【0212】
また、反射部21~29の少なくとも一部は、拡張現実画像光を反射させる面の反対面に光を反射せずに吸収する素材でコーティングされることもできる。
【0213】
また、反射部21~29の少なくとも一部の表面を曲面に形成することもできる。ここで、前記曲面は凹面または凸面であることができる。
【0214】
ここで、反射部21~29の形状は図15及び図16で説明したような方式で形成されることもできる。
【0215】
図29図31は本発明の第2実施例のさらに他の変形実施例による拡張現実用光学装置1000を説明するための図である。図29は拡張現実用光学装置1000を瞳孔40側から見た正面図、図30は拡張現実用光学装置1000を前述したようなz軸方向に見た側面図、図31は拡張現実用光学装置1000を前述したようなy軸方向に見た平面図である。
【0216】
図29図31に示した拡張現実用光学装置1000は図26の拡張現実用光学装置700と同様に反射手段20が複数から構成されるが、各反射手段20と光学手段30の第1面31との距離が全部同一ではないように配置される反射手段20が少なくとも一つ以上存在するという点に違いがある。
【0217】
すなわち、前述したように、拡張現実用光学装置1000または光学手段30を使用者の瞳孔40の前方に置いたとき、瞳孔40から正面方向をx軸といい、画像出射部10からx軸への垂直線に対してx軸に沿って平行でありながら光学手段30の第1面31と第2面32との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、各反射手段20と光学手段30の第1面31との距離が全部同一ではないように配置される反射手段20が少なくとも一つ以上存在することを特徴とする。
【0218】
これは、変えて言えば、図30に示すように、z軸に垂直な平面に向けて光学手段30を見たとき、複数の反射手段20の少なくとも一部は重なって見えないように配置されることを意味する。
【0219】
図29図31の実施例では、斜線で示した2個の反射手段20と光学手段30の第1面31との距離、黒色で示した2個の反射手段20と光学手段30の第1面31との距離、内部を白色で示した1個の反射手段20と光学手段30の第1面31との距離は互いに異なるように配置される。ここで、斜線で示した2個の反射手段20のそれぞれと光学手段30の第1面31との距離は同一であり、黒色で示した2個の反射手段20のそれぞれと光学手段30の第1面31との距離は同一であるものとして示したが、これは例示的なものであり、すべての反射手段20と光学手段30の第1面31との距離を全部異なるように配置することもできるというのは言うまでもない。
【0220】
図29図31の実施例での反射手段20の配置構造は第1実施例にもそのまま適用することができるというのは言うまでもない。
【0221】
図32は本発明の第2実施例のさらに他の変形実施例による拡張現実用光学装置1100を示す図で、画像出射部10の多様な構成を説明するための図である。
【0222】
本発明の画像出射部10は、一般的には、前述したように、ディスプレイ装置11とコリメーター12とから構成される。図32の拡張現実用光学装置1100の画像出射部10のコリメーター12は、凹面鏡121とビームスプリッター122とを組み合わせて具現したという点を特徴とする。
【0223】
図32に示すように、ディスプレイ装置11から出射した拡張現実画像光はビームスプリッター122によって凹面鏡121に伝達され、凹面鏡121で反射された拡張現実画像光はビームスプリッター122を通して光学手段30の第2面32に入射し、前述したような過程で瞳孔40に伝達される。
【0224】
図33は本発明の第2実施例のさらに他の変形実施例による拡張現実用光学装置1200を示す図である。
【0225】
図33の拡張現実用光学装置1200は図32の実施例と同様であるが、2個の凹面鏡121を互いに対向するように配置して画像出射部10を構成したという点を特徴とする。すなわち、図33の実施例では、ディスプレイ装置11から出射した拡張現実画像光はビームスプリッター122によって一つの凹面鏡121Aに伝達され、凹面鏡121Aで反射された後、ビームスプリッター122を通過して反対側の凹面鏡121Bに伝達され、ここでさらに反射された後、ビームスプリッター122を通して光学手段30の第2面32に伝達され、前述したような過程で瞳孔40に伝達される。
【0226】
図34は本発明の第2実施例のさらに他の変形実施例による拡張現実用光学装置1300を示す図である。
【0227】
図34の実施例は図32の実施例と同様であるが、画像出射部10から出射した拡張現実画像光が補助反射部80によって光学手段30に伝達されるという点に違いがある。
【0228】
すなわち、図34の実施例では、ディスプレイ装置11から出射した拡張現実画像光はビームスプリッター122によって凹面鏡121に伝達され、凹面鏡121で反射された拡張現実画像光はビームスプリッター122を通過して補助反射部80に伝達され、補助反射部80で反射されて光学手段30の第2面32に伝達され、前述したような過程で瞳孔40に伝達される。
【0229】
図32図34の実施例は画像出射部10の構成を例示した図であり、その他にも多様な形態に画像出射部10を構成することができるというのは言うまでもない。
【0230】
また、図32図34の実施例は前述した第1実施例の画像出射部10にもそのまま適用することができるというのは言うまでもない。
【0231】
以上で、本発明の好適な実施例を参照して本発明の構成を説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではないというのは言うまでもなく、本発明の範囲内で多様な修正及び変形実施が可能であるというのも言うまでもない。
【0232】
例えば、前記実施例で、拡張現実用光学装置200~1300は画像出射部10と独立的に製造できるので、画像出射部10は拡張現実用光学装置200~1300の必須構成要素ではないものとして説明したが、図32図34で説明したように画像出射部10を含む一体型のモジュール形態に具現することも可能である。
【0233】
[付記]
[付記1]
光効率を改善した拡張現実用光学装置であって、
画像出射部から出射した拡張現実用画像に相応する画像光である拡張現実画像光を使用者の目の瞳孔に向けて反射させて伝達することにより、使用者に拡張現実用画像を提供する反射手段と、
前記反射手段が埋め込まれて配置され、実際事物から出射した画像光である実際事物画像光の少なくとも一部を使用者の目の瞳孔に向けて透過させる光学手段と、
を含み、
前記光学手段は、前記反射手段で反射された拡張現実画像光と実際事物画像光の少なくとも一部が使用者の瞳孔に向けて出射される第1面と、前記第1面に対向し、実際事物画像光が入射する第2面とを備え、
前記反射手段は、反射手段に伝達された拡張現実画像光をそれぞれ反射させて使用者の瞳孔に伝達するように前記光学手段の内部に埋め込まれて配置されるサイズ4mm以下の複数の反射部を含み、
前記複数の反射部の中で少なくとも2以上の反射部は、前記画像出射部からの距離が遠いほど光学手段の第2面にもっと近く配置されることを特徴とする、光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【0234】
[付記2]
前記画像出射部から出射する拡張現実用画像光は前記光学手段の内部を通して前記反射手段に直接伝達されるか、または前記光学手段の内面で少なくとも1回以上全反射された後、前記反射手段に伝達されることを特徴とする、付記1に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【0235】
[付記3]
前記複数の反射部のそれぞれは、使用者の瞳孔の中心から正面方向に対して少なくとも45度以下の角度を有することを特徴とする、付記1に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【0236】
[付記4]
前記反射手段は複数から構成され、
拡張現実用光学装置を使用者の瞳孔の前方に置いたとき、瞳孔から正面方向をx軸といい、画像出射部とx軸との間の垂直線に対してx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記複数の反射手段は前記z軸方向に沿って平行に離隔して配置されることを特徴とする、付記1に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【0237】
[付記5]
前記各反射手段は、各反射手段を構成するそれぞれの反射部が、隣接した反射手段を構成する反射部の中でいずれか一つとz軸に平行な仮想の直線に沿って位置するように配置されることを特徴とする、付記4に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【0238】
[付記6]
前記各反射手段は、各反射手段を構成するそれぞれの反射部が、隣接した反射手段を構成するすべての反射部とz軸に平行な仮想の直線に沿って位置しないように配置されることを特徴とする、付記4に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【0239】
[付記7]
拡張現実用光学装置を使用者の瞳孔の前方に置いたとき、瞳孔から正面方向をx軸といい、画像出射部とx軸との間の垂直線に対してx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記複数の反射部は前記z軸方向に沿って延びたバー状に形成されることを特徴とする、付記1に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【0240】
[付記8]
前記反射部の少なくとも一部のサイズは互いに異なることを特徴とする、付記1に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【0241】
[付記9]
前記反射部の少なくとも一部の反射部の間隔を他の反射部の間隔と異なるように配置したことを特徴とする、付記1に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【0242】
[付記10]
前記反射部の少なくとも一部は、ハーフミラー、屈折素子または回折素子の中で少なくとも一つから形成されることを特徴とする、付記1に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【0243】
[付記11]
前記反射部の少なくとも一部は、拡張現実画像光を反射させる面の反対面に光を反射せずに吸収する素材でコーティングされたことを特徴とする、付記1に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【0244】
[付記12]
前記反射部の少なくとも一部の表面は曲面に形成されることを特徴とする、付記1に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【0245】
[付記13]
前記曲面に形成される表面は、光学手段の第1面側に凹んでいる凹面または光学手段の第1面側に膨らんでいる凸面に形成されることを特徴とする、付記12に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【0246】
[付記14]
反射部を使用者の瞳孔の前方に置いたとき、瞳孔から正面方向をx軸といい、画像出射部とx軸との間の垂直線に対してx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記反射部の少なくとも一部はx軸方向への長さよりz軸方向への長さが長く形成されるか、z軸方向への長さよりy軸方向への長さが長く形成されることを特徴とする、付記12に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【0247】
[付記15]
前記x軸方向への長さよりz軸方向への長さが長く形成された反射部またはz軸方向への長さよりy軸方向への長さが長く形成された反射部の表面は、光学手段の第1面側に凹んでいる凹面または光学手段の第1面側に膨らんでいる凸面に形成されることを特徴とする、付記14に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【0248】
[付記16]
光効率を改善した拡張現実用光学装置であって、
画像出射部から出射した拡張現実用画像に相応する画像光である拡張現実画像光を使用者の目の瞳孔に向けて反射させて伝達することにより、使用者に拡張現実用画像を提供する反射手段と、
前記反射手段が埋め込まれて配置され、実際事物から出射した画像光である実際事物画像光の少なくとも一部を使用者の目の瞳孔に向けて透過させる光学手段と、
を含み、
前記光学手段は、前記反射手段で反射された拡張現実画像光と実際事物画像光の少なくとも一部が使用者の瞳孔に向けて出射される第1面と、前記第1面に対向し、実際事物画像光が入射する第2面とを備え、
前記反射手段は、反射手段に伝達される拡張現実画像光をそれぞれ反射させて使用者の瞳孔に伝達するように前記光学手段の内部に埋め込まれて配置されるサイズ4mm以下の複数の反射部を含み、
前記反射手段は、前記画像出射部からの距離が遠いほど前記光学手段の第1面にもっと近いように前記光学手段の内部に埋め込まれて配置される反射部から構成される第1反射部グループと、前記画像出射部からの距離が遠いほど光学手段の第1面からもっと遠いように前記光学手段の内部に埋め込まれて配置される反射部から構成される第2反射部グループとから構成され、
前記第2反射部グループと画像出射部との距離は、前記第1反射部グループと画像出射部との距離より大きいように配置されることを特徴とする、光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【0249】
[付記17]
前記画像出射部から出射する拡張現実画像光は、前記光学手段の内部を通して前記反射手段に直接伝達されるか、前記光学手段の内面で少なくとも1回以上全反射された後、前記反射手段に伝達されることを特徴とする、付記16に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【0250】
[付記18]
前記複数の反射部のそれぞれは、使用者の瞳孔の中心から正面方向への直線に対して少なくとも45度以下の角度を有することを特徴とする、付記16に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【0251】
[付記19]
前記反射手段は複数から構成され、
拡張現実用光学装置を使用者の瞳孔の前方に置いたとき、瞳孔から正面方向をx軸といい、画像出射部からx軸への垂直線に対してx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記複数の反射手段は前記z軸方向に沿って平行に離隔して配置されることを特徴とする、付記16に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【0252】
[付記20]
前記各反射手段は、各反射手段を構成するそれぞれの反射部が、隣接した反射手段を構成する反射部の中でいずれか一つとz軸に平行な仮想の直線に沿って位置するように配置されることを特徴とする、付記19に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【0253】
[付記21]
前記各反射手段は、各反射手段を構成するそれぞれの反射部が、隣接した反射手段を構成するすべての反射部とz軸に平行な仮想の直線に沿って位置しないように配置されることを特徴とする、付記19に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【0254】
[付記22]
拡張現実用光学装置を使用者の瞳孔の前方に置いたとき、瞳孔から正面方向をx軸といい、画像出射部からx軸への垂直線に対してx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記複数の反射部は前記z軸に平行な仮想の直線に沿って延びたバー状に形成されることを特徴とする、付記16に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【0255】
[付記23]
前記複数の反射部の少なくとも一部は、ハーフミラー、屈折素子または回折素子の中で少なくとも一つから形成されることを特徴とする、付記16に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【0256】
[付記24]
前記複数の反射部の少なくとも一部は、拡張現実画像光を反射させる面の反対面に光を反射せずに吸収する素材でコーティングされたことを特徴とする、付記16に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【0257】
[付記25]
前記複数の反射部の少なくとも一部の表面は曲面に形成されることを特徴とする、付記16に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【0258】
[付記26]
拡張現実用光学装置を使用者の瞳孔の前方に置いたとき、瞳孔から正面方向をx軸といい、画像出射部からx軸への垂直線に対してx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記複数の反射部の少なくとも一部は、x軸またはy軸方向への長さよりz軸方向への長さが長く形成されるか、z軸方向への長さよりx軸またはy軸方向への長さが長く形成されることを特徴とする、付記25に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【0259】
[付記27]
前記反射部の表面は、光学手段の第1面側に凹んでいる凹面または光学手段の第1面側に膨らんでいる凸面に形成されることを特徴とする、付記26に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
【0260】
[付記28]
前記反射手段は複数から構成され、
拡張現実用光学装置を使用者の瞳孔の前方に置いたとき、瞳孔から正面方向をx軸といい、画像出射部からx軸への垂直線に対してx軸に沿って平行でありながら光学手段の第1面と第2面との間を通る線分の中でいずれか一つをy軸といい、前記x軸及びy軸と直交する線分をz軸というとき、前記各反射手段と光学手段の第1面との距離が全部同一ではないように配置される反射手段が少なくとも一つ以上存在することを特徴とする、付記16に記載の光効率を改善した拡張現実用光学装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
【国際調査報告】