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特表2022-549599開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置を識別し、その状態を監視するためのデバイスおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-28
(54)【発明の名称】開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置を識別し、その状態を監視するためのデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 99/00 20110101AFI20221118BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20221118BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20221118BHJP
   G08C 17/00 20060101ALI20221118BHJP
   G08C 19/00 20060101ALI20221118BHJP
   E06B 7/28 20060101ALI20221118BHJP
   G01V 15/00 20060101ALI20221118BHJP
【FI】
G01M99/00 Z
H04M11/00 301
H04Q9/00 341Z
G08C17/00 Z
G08C19/00 G
E06B7/28 A
G01V15/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022517342
(86)(22)【出願日】2020-09-02
(85)【翻訳文提出日】2022-05-13
(86)【国際出願番号】 EP2020074454
(87)【国際公開番号】W WO2021052757
(87)【国際公開日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】102019125087.0
(32)【優先日】2019-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520317103
【氏名又は名称】シューコー インターナショナル コマンデイトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュティーア, ヘルゲ
(72)【発明者】
【氏名】キューン, アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】グストルフ, ダニエル
【テーマコード(参考)】
2F073
2G024
2G105
5K048
5K201
【Fターム(参考)】
2F073AA01
2F073AA02
2F073AA03
2F073AA25
2F073AA26
2F073AB01
2F073AB12
2F073BB01
2F073BB02
2F073BB04
2F073BC01
2F073BC02
2F073BC04
2F073CC03
2F073CC12
2F073CD11
2F073DD07
2F073EE13
2F073FF01
2F073FF02
2F073GG01
2F073GG04
2G024AD28
2G024BA22
2G024CA19
2G105AA01
2G105BB09
2G105BB14
2G105EE02
2G105GG01
2G105HH04
2G105JJ05
5K048BA21
5K048DC01
5K048EB12
5K048HA11
5K201BA02
5K201CB10
5K201DC04
5K201EB07
5K201EC06
5K201ED09
5K201EE08
5K201EF05
5K201FA03
(57)【要約】
開閉可能なウィング要素(102)を有する監視対象装置(100)を識別し、その状態を監視するためのデバイス(1)であって、デバイス(1)がハウジング(2)を有し、ハウジング(2)が、装置(100)上に固設され得るかまたは装置(100)に一体で接続されるハウジングベース(3)を有し、ハウジングベースに取り付けることができ、ハウジングベースから取り外すことができる少なくとも1つの第2のハウジング部(4)をも有し、デバイスが識別マーカをも備える、デバイス(1)において、ハウジングベース(3)が、開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置の識別マーカである第1の識別マーカ(IK-E)を有することと、第2のハウジング部が、第2のハウジング部を識別する少なくとも1つの第2の識別マーカ(IK-Z)を有することとを特徴とする、デバイス(1)。対応する監視方法の説明も与えられる。
【選択図】 図3a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能なウィング要素(102)を有する監視対象装置(100)を識別し、その状態を監視するためのデバイス(1)であって、前記デバイス(1)がハウジング(2)を有し、前記ハウジング(2)が、前記装置(100)に固定され得るかまたは前記装置(100)に一体的に接続されるハウジングベース(3)を有し、前記ハウジングベースに取り付けることができ、前記ハウジングベースから取り外すことができる少なくとも1つの第2のハウジング部(4)を有し、前記デバイスが識別マーカをさらに備える、デバイス(1)において、前記ハウジングベース(3)が、開閉可能なウィング要素を有する前記監視対象装置の識別マーカである第1の識別マーカ(IK-E)を有することと、前記第2のハウジング部が、前記第2のハウジング部を識別する少なくとも第2の識別マーカ(IK-Z)を有することとを特徴とする、デバイス(1)。
【請求項2】
前記ハウジングベース(3)が、前記第1の識別マーカ(IK-E)を破壊することなく開閉可能なウィング要素(102)を有する前記装置(100)から破壊なしに取り外すことができないように、開閉可能なウィング要素を有する接続デバイス(10)によって、開閉可能なウィング要素を有する前記装置(100)に固定され得ることを特徴とする、請求項1に記載の開閉可能なウィング要素(100)を有する監視対象装置(100)を識別し、その状態を監視するためのデバイス。
【請求項3】
前記第2のハウジング部(4)が、前記ハウジングベース(3)、または開閉可能なウィング要素を有する前記装置に着脱可能に固定されることを特徴とする、請求項1または2に記載の開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置(100)を識別し、その状態を監視するためのデバイス。
【請求項4】
前記第2のハウジング部(4)が、前記ハウジングベース(3)、または開閉可能なウィング要素を有する前記装置に着脱可能に固定されるが、前記第2のハウジング部が外されると、前記第2の識別マーカ(IK-Z)が使用不可能になることを特徴とする、請求項3に記載の開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置(100)を識別し、その状態を監視するためのデバイス。
【請求項5】
前記接続デバイスとして、以下の手段、すなわち、ラッチ接続部および/またはターンオフねじおよび/またはワンタイムリベットおよび/またはマイクロ切断ブレードおよび/または接着剤接続部のうちの少なくとも1つまたは複数を備えることを特徴とする、請求項2から4のいずれか一項に記載の開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置(100)を識別し、その状態を監視するためのデバイス(1)。
【請求項6】
前記第1の識別マーカ(IK-B)が、開閉可能なウィング要素を有する前記装置の識別のためのNFCおよび/またはRFIDタグ(7)ならびに/あるいはQRコード(8)を備えることを特徴とする、請求項1から5の1つまたは複数に記載の開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置(100)を識別し、その状態を監視するためのデバイス(1)。
【請求項7】
前記第2の識別マーカ(IK-B)が、前記第2のハウジング部の識別のためのNFCおよび/またはRFIDタグ(7)ならびに/あるいはQRコード(8)を備えることを特徴とする、請求項1から6の1つまたは複数に記載の開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置(100)を識別し、その状態を監視するためのデバイス(1)。
【請求項8】
開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置(100)を識別し、その状態を監視するためのデバイス(1)において、前記第2のハウジング部が、無線によって前記第2の識別マーカ(IK-B)を送信するように設計されることを特徴とする、請求項1から7の1つまたは複数に記載のデバイス(1)。
【請求項9】
前記ハウジングベース(3)および前記第2のハウジング部(4)が、バッテリなどを受け入れる受入空間、例えばバッテリコンパートメント(6)を共に形成することを特徴とする、請求項1から8の1つまたは複数に記載の開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置(100)を識別し、その状態を監視するためのデバイス(1)。
【請求項10】
エネルギーハーベスティングのための開閉可能なウィング要素を有する装置を備えることを特徴とする、請求項1から9の1つまたは複数に記載の開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置(100)を識別し、その状態を監視するためのデバイス(1)。
【請求項11】
ケーブル/プラグ、例えば磁気プラグの接続のためのインターフェース、例えばプラグイン接続部(10)を有することを特徴とする、請求項1から10の1つまたは複数に記載の開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置(100)を識別し、その状態を監視するためのデバイス(1)。
【請求項12】
電子回路(9)を有することと、前記電子回路(9)が前記第2のハウジング部(4)または前記ハウジングベース(3)上に配置されることとを特徴とする、請求項1から11の1つまたは複数に記載の開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置(100)を識別し、その状態を監視するためのデバイス(1)。
【請求項13】
前記電子回路(9)がデータ送信デバイス(E)を有することを特徴とする、請求項1から12の1つまたは複数に記載の開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置(100)を識別し、その状態を監視するためのデバイス(1)。
【請求項14】
前記データ送信デバイスが、特にWLAN、WIFI、Bluetooth、RFID、LoRa、LPWAN、LoRAWAn、LPN、低周波数および/または無線によるワイヤレスデータ送信のために設計されることを特徴とする、請求項1から13の1つまたは複数に記載の開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置(100)を識別し、その状態を監視するためのデバイス(1)。
【請求項15】
前記電子回路(9)が、少なくとも1つのセンサを有するセンサシステムを有することを特徴とする、請求項1から14の1つまたは複数に記載の開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置(100)を識別し、その状態を監視すること、開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置(100)の識別およびステータス監視のためのデバイス(1)。
【請求項16】
前記第2のハウジング部(4)が、対応する接続手段、特に着脱可能な対応するラッチ手段(11、12)を介して前記ハウジングベース(3)に着脱可能に接続されることを特徴とする、請求項1から15の1つまたは複数に記載の開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置(100)を識別し、その状態を監視するためのデバイス(1)。
【請求項17】
少なくとも1つの開閉可能なウィング要素(100)を備え、請求項1から16の1つまたは複数に記載の少なくとも1つのデバイスを備える、装置。
【請求項18】
前記デバイスが、窓またはドアとして形成され、固定フレーム(101)およびウィングフレーム(102)を備えることを特徴とする、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記固定フレーム(101)と前記ウィングフレーム(102)との間にリベート空間(F)が形成されることと、前記デバイス(1)が、前記リベート空間(F)内に完全にまたは実質的に完全に収容されることとを特徴とする、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記デバイスのハウジング(2)が、前記ウィングフレーム上にマウントされるかまたは形成されることを特徴とする、請求項18または19に記載の装置。
【請求項21】
前記デバイス(1)の前記ハウジング(2)が、前記ウィングフレーム(102)または前記固定フレーム(101)の溝(103)に着脱不可能にマウントされることを特徴とする、請求項18、19または20に記載の装置。
【請求項22】
前記デバイス(1)の前記ハウジング(2)が、嵌合溝(107)内の機能要素(108)の上方に配置されることを特徴とする、請求項18から21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記デバイスのセンサおよび/またはアンテナなどの少なくとも1つの機能要素が、前記リベート空間(F)を前記窓またはドアに隣接する空間のうちの1つに接続する間隙(G1、G2)内にまたはそれを通って突出/突出することを特徴とする、請求項18から22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
建物の壁開口部内の設置状況を参照して、前記デバイスが、前記設置されたウィングフレーム(102)および前記設置された固定フレーム(101)の中心の上方、すなわち、好ましくは、上側水平ウィングフレーム部分と上側水平固定フレーム部分との間または垂直固定フレーム部分の上部と垂直ウィングフレーム部分の上部との間にある、前記リベート空間(F)の領域内に配置されることを特徴とする、請求項18から23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記固定フレーム(101)および/または前記ウィングフレーム(102)が、1つまたは複数の金属プロファイルから複合フレームとして製造されるか、あるいは、基本的にプラスチックまたは木材などの単一の材料から構成され得ることを特徴とする、請求項18から24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
請求項17から25のいずれか一項に記載の少なくとも複数の監視対象装置を備える、ステータス監視のためのシステムであって、前記装置の少なくとも一部が少なくとも1つの開閉可能なウィング要素を備え、請求項1から17の1つまたは複数に記載の開閉可能なウィング要素を有する前記監視対象装置(100)を識別し、その状態を監視するためのデバイス(1)が、開閉可能なウィング要素を有する前記装置の一部または各々に関連付けられる、システムにおいて、前記システムが、
i.前記デバイス(1)からデータを受信し、評価し、および/または、例えば1つまたは複数のデータベース、特にデータクラウド(C)に記憶するための少なくとも1つの受信機(E)と、
ii.好ましくは前記データを予め記憶されたパラメータと比較し、および/または記憶するように設計され、送信されたまたは入力された識別マーカに基づいて、前記送信データを、開閉可能なウィング要素を有する前記装置の対応するデジタルツインに割り当てるように設計される、前記データを分析するための評価プログラムを有する少なくとも1つのコンピュータと
をさらに備えることを特徴とする、システム。
【請求項27】
請求項1から24のいずれか一項に記載のものとは異なる構造を有し、特に開放可能なウィング要素を有さない、監視対象装置を識別し、その状態を監視するための少なくとも1つのさらなるデバイス(1)をさらに備えることを特徴とする、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
請求項17から24のいずれか一項に記載の少なくとも複数の監視対象装置を備える、請求項26または27に記載のステータス監視のためのシステムを動作させる方法であって、前記装置の少なくとも一部が少なくとも1つの開閉可能なウィング要素を備え、開閉可能なウィング要素を有する前記装置の一部または各々が、請求項1から17の1つまたは複数に記載の開閉可能なウィング要素を有する前記それぞれの監視対象装置(100)を識別し、その状態を監視するためのデバイス(1)に関連付けられ、前記システムが、前記デバイス(1)のデータを受信し、評価し、および/または、例えば1つまたは複数のデータベース、特にデータクラウド(C)に記憶することができるような少なくとも1つの受信機(E)、少なくとも1つの受信機(E)をさらに備え、前記データを分析するための評価プログラムを有する少なくとも1つのコンピュータを有する、前記方法が前記コンピュータ上で実行され、前記方法が、少なくとも、前記データを予め記憶されたパラメータと比較し、および/または記憶するように設計され、さらに、少なくとも第1の識別マーカおよび第2の識別マーカに関係する送信されたおよび/または入力されたデータを、特に開閉可能なウィング要素を有する前記装置の対応するデジタルツインに割り当てるように設計される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置を識別し、その状態を監視するためのデバイスに関し、デバイスは、開閉可能なウィング要素を有する装置に取付け可能であるかまたはそれに一体的に接続されるハウジングベースと、ハウジングベースに取付け可能かつハウジングベースから着脱可能な1つの第2のハウジング部とを有するハウジングを備え、デバイスは、識別マーカをさらに備える。本発明はさらに、対応する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特にセンサデバイスから遠隔に配置されたコンピュータシステムとのワイヤード接続またはワイヤレスデータ接続を介して「遠隔に」装置を監視することが知られており、送信されたデータは、コンピュータシステムにおいて評価される。例えば、ステータス監視のためにセンサをブリッジに取り付け、それらを、「構造健全性監視」を実行するためにIoT(モノのインターネット)システムに埋め込むことが知られている。構造健全性監視(SHM)は、(DIN ISO17359による)ステータス監視内の監視対象物を決定し、その状態を監視するための連続的または周期的な自動化された方法であると理解される。これは、恒久的に設置されたかまたは一体化されたトランスデューサを用いた測定によって、およびその測定データの分析によって実行される。このようにして、損傷、例えば亀裂または変形を早期に検出することができ、それにより、対策を開始することができる。
【0003】
本質的に静的な構成要素のステータス監視のためのSHMシステムは、センサシステムを有する監視デバイス、および任意選択的に、信号適応ユニットおよびデータ記憶デバイス、ならびにデータ送信デバイス、データ処理システムおよび通常は自動化された診断システムから構成される。
【0004】
初期データ評価を監視デバイス(以下、略してデバイスとも呼ぶ)において直接実行することも考えられる。しかしながら、これは、関連するエネルギー消費により、可能な場合、回避される。
【0005】
EP3306023A1において、それ自体が知られているこのアイデアが取り上げられ、一般的なタイプの装置に対してこのタイプのステータス監視を実行することが提案されている。しかしながら、EP3306023A1において想定されているシステムは、理論的にかなり抽象的なレベルにとどまっており、実際に使用するのに有利な方法でアプリケーションを完成させることはできていない。
【発明の概要】
【0006】
この背景に対して、本発明の目的は、よく保守することができ、安全な監視を可能にする、開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置の識別およびステータス監視のためのデバイスを作り出すことである。さらに、本発明の目的は、装置の安全な監視を可能にする方法を作り出すことである。さらに、デバイスが特に有利な方法で配置される有利な装置が作り出されるべきである。
【0007】
本発明は、請求項1に記載の主題、請求項18に記載の装置、および請求項28に記載の方法によって、この問題を解決する。
【0008】
開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置の識別およびステータス監視のためのデバイスであって、デバイスが、開閉可能なウィング要素を有する装置に取付け可能であるかまたはそれに一体的に接続されるハウジングベースと、ハウジングベースに取付け可能かつハウジングベースから着脱可能である少なくとも1つの第2のハウジング部(または、少なくとも1つの二次部品およびそれ以降、すなわち第3のハウジング部および第4のハウジング部など)とを有するハウジングを備え、デバイスが、いくつかの構成要素を備える識別マーカをさらに備え、ハウジングベースが、開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置の識別マーカである第1の識別マーカを備え、第2のハウジング部が、第2のハウジング部または監視対象装置自体を識別する少なくとも1つの第2の識別マーカ、また、任意選択的に、複数のさらなる識別マーカを有する、請求項1に記載のデバイスが提供される。
【0009】
したがって、ハウジングベースは、開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置の識別マーカとして設計される第1の識別マーカを備える。これは、開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置が製造されるとき、開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置に適用することができる。開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置の識別およびステータス監視のためのデバイスによって送信されたデータを受信し、記憶し、評価するためのコンピュータシステムにおいて、装置の一種のデジタルツインが生成され、第1の識別マーカに関して記憶され得る。このデジタルツインは、異なる程度に指定することができる。単純な事例では、例えば、デジタルツインは、開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置の部品リストを含み得る。しかしながら、デジタルツインはまた、開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置に関するさらなるパラメータおよびデータを含むことができる。
【0010】
装置は、例えば、建物の窓またはドアであり得る。しかしながら、装置は、例えば、引き違い窓を有する車両であることもある。この場合、窓はウィング要素であり、窓を受け入れる車両部品は装置の残りの部品を形成する。ウィング要素という用語は、概して、例えば当接部としての窓フレーム内で、開口部を閉じ、解除するために、装置の当接部に対して動かされるように設計される、可動クロージャ要素を表す。
【0011】
開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置は、使用場所に配置されるか、あるいは建物または車両などの環境内に設置される。現在、または以前からすでに、ハウジングベース上にまたはハウジングベースに、それ自体が第2の識別マーカを有する第2のハウジング部を取り付けることができることが有利である。
【0012】
開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置の識別およびステータス監視のためのデバイスによって送信されたデータを受信し、記憶し、評価するためのコンピュータシステムは、次いで、コンピュータシステムが第1および第2の識別マーカを互いにリンクすることができるように、あるいは、コンピュータシステムが、第2のハウジング部によって将来送信されるデータを、開閉可能なウィング要素を有するそれぞれの装置に、またはそれぞれの第1の識別マーカを有することもできる開閉可能なウィング要素を有する装置のデジタルツインに割り当てることができるように、これらの2つの識別マーカを通知されなければならない。これは、自動的に実行され得る。したがって、第2のハウジング部は、第1の識別マーカを読み出し、それを、評価されるように、それ自体の第2の識別マーカと共にコンピュータに転送するように設計され得る。
【0013】
また、第2のハウジング部がマウントされると、2つの識別マーカが嵌合部によって検出され、データを受信し、記憶し、評価するためのコンピュータシステムに送信され、そこにおいて、それらが共にリンクされると規定され得る。次いで、将来的には、開閉可能なウィング要素を有する特定の監視対象装置にデバイスを明確に割り当てることができるように、デバイスがセンサデータのデータシーケンスと共に第2の識別マーカIK-Zを送信することで十分となる。
【0014】
しかしながら、有利には、例えば、第2のハウジング部が嵌合されると、その第2の識別マーカが(例えば、クラウドにおいて)中央コンピュータに無線によって送信され、これが、次いで、この第2の識別マーカがどの第1の識別マーカに属するかに関する要求を嵌合部に送り、嵌合部が、次いで、対応する情報を中央コンピュータに送り返し、それにより、中央コンピュータが第2の識別マーカを第1の識別マーカにリンクすることができることも規定され得る。次いで、将来的には、この場合も、特定の監視対象装置にデバイスを明確に割り当てることができるように、デバイスがセンサデータのデータシーケンスと共に第2の識別マーカIK-Zを送信することで十分となる。
【0015】
手動で、入力デバイスにおいて直接、第2の識別マーカが、例えばコンピュータの入力マスクにおいて、第1の識別マーカに割り当てられ、次いで、これらのデータが記憶され、将来、監視のために使用されることも規定され得る。
【0016】
このようにして、(説明される)受信機がそれぞれのデバイスからのメッセージ/応答/要求を確実かつ明確に認識することができるように、各事例において、安全なプロセス制御が保証される。それにもかかわらず、設計に応じて、第2のハウジング部を取り外すことによって、電子機器の部品、例えば任意選択のバッテリまたはセンサまたはデータ送信デバイスを、保守するかまたは取り換えることが可能である。安全なプロセス制御は保証されたままであり、データ取得は、すでに存在する第1の識別マーカの保守作業の終了後に継続することができる。好ましくは、第2のハウジング部の、それ自体の新しい第2の識別マーカを有する交換用の第2のハウジング部との交換が完了した後に、その新しい第2の識別マーカは、コンピュータシステム内で、開閉可能なウィング要素を有する装置の第1の識別マーカに新たにリンクされ得、これは、第2のハウジング部の交換により変化しなかった。
【0017】
したがって、ハウジングは、少なくとも2つの部品内にある。識別マーカを有するハウジングベースは、好ましくは、第1の識別マーカを破壊することなく取り外すことができないように開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置に着脱不可能に固定されるため、そのように呼ばれる。ハウジングベースはまた、ハウジング、または開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置の他の構成要素と一体的に形成され得る。この場合、第2のハウジング部は、開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置に直接取り付けられ、開閉可能なウィング要素は、あるタイプのマウンティングベース、またはこの目的に適したタイプの取付け輪郭部を有することができる。
【0018】
しかしながら、ハウジングベースは、第2のハウジング部の完全に「下に」配置される必要はないが、第2のハウジング部に部分的に隣接して配置することもできる。好ましくは、1つの第2のハウジング部のみが設けられる。しかしながら、識別マーカを有する必要がない(ただし、識別マーカを有してもよい)がバッテリなどの他の機能要素を有する他のハウジング要素または部品も設けられ得る。また、第2のハウジング部自体が、ハウジングベース上に個別にまたは一緒にマウントされ得るいくつかのハウジング部分に分割され得る。
【0019】
さらに好ましくは、ハウジングベースがもはや第1の識別マーカを有さないように第1の識別マーカが使用不可能になる、例えば破壊されるかまたは外されることなく、ハウジングベースを開閉可能なウィング要素を有する装置から非破壊的に取り外すことができないように、ハウジングベースが、接続デバイスを用いて開閉可能なウィング要素を有する装置に固定され得ることが規定され得る。これは、変更/操作することができない、開閉可能なウィング要素を有する装置への識別マーカの一意の割当てが常に存在することを保証する。
【0020】
次いで、さらなる有利な設計によれば、第2のハウジング部が、ハウジングベース、または開閉可能なウィング要素を有する装置に着脱可能に固定され、しかしながら、第2の識別マーカが、好ましくは、第2のハウジング部が外されると使用不可能になり、すなわち、例えば破壊されるかまたは第2のハウジング部から外れ、それにより、第2のハウジング部がもはや第2の識別マーカを備えず、それにより、この点においてもはや使用することができないことが規定され得る。このようにして、第2のハウジング部が、例えば、エネルギー貯蔵デバイスの交換、または一定の使用期間の後に交換されるべきであるセンサの交換を保証するために、保守作業中に常に交換されることが保証され得る。さもなければ、第2の識別マーカは、データが将来送られるとき、デバイスからコンピュータシステムに送信されない。
【0021】
本発明はまた、少なくとも1つの開閉可能なウィング要素を有し、先行する請求項の1つまたは複数に記載の少なくとも1つのデバイスを有する装置によって、所与の問題を解決する。
【0022】
有利には、装置が窓またはドアとして形成され、固定フレームおよびウィングフレームを備えることが規定され得る。特に有利な変形形態によれば、次いで、固定フレームとウィングフレームとの間にリベート空間が形成され、デバイスがリベート空間内に完全にまたは実質的に完全に収容されることがさらに規定され得る。これは、デバイスが十分に保護されてここに収容され得るが、装置の視覚的印象を妨げないか、または著しく妨げないためである。窓またはドアは、例えば、建物の窓またはドアであり得る。窓という用語は、フラップの概念をも含む。
【0023】
デバイスのハウジングがウィングフレーム上にマウントされるかまたは形成される場合、特に好ましい。したがって、デバイスのハウジング、または特にそのハウジングベースが、ウィングフレームまたは固定フレームの溝に着脱不可能にマウントされることが規定され得る。このようにして、監視対象装置へのハウジングベースのマウンティングは大幅に単純化される。
【0024】
有利には、デバイスのセンサおよび/またはアンテナなどの機能要素が、リベート空間を窓またはドアに隣接する空間、すなわち、例えば建物内部または建物の周囲のうちの1つと接続する間隙内にまたはそれを通って突出することがさらに規定され得る。これは、信号がここで特に良好に感知され(例えば、センサにおいてウィングによって引き起こされる開閉信号)、および/または外部受信機に送られ得るためである。任意選択的に、シールも間隙内に配置され得るか、または、シールが間隙内に突出してもよく、この場合、シール(例えば、停止シール)は、いずれにせよ、機能要素に部分的に隣接し得る。
【0025】
さらに有利な変形形態によれば、建物の壁開口部内の設置状況を参照して、デバイスが、設置されたウィングフレームおよび設置された固定フレームの中心の上方、すなわち、好ましくは、上側水平ウィングフレーム部分と上側水平固定フレーム部分との間または垂直固定フレーム部分の上部と垂直ウィングフレーム部分の上部との間にある、リベート空間の領域内に配置されることが規定され得る。これは、デバイスがここで容易にアクセス可能であるが、外部からはほとんど見えないためである。
【0026】
有利なさらなる発展が、他の従属請求項に見出すことができる。
【0027】
独立請求項によれば、本発明は、次いで、請求項18から25のいずれか一項に記載の少なくともいくつかの監視対象装置を備える、ステータス監視のためのシステムであって、装置の少なくとも一部が少なくとも1つの開閉可能なウィング要素を備え、請求項1から17の1つまたは複数に記載の開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置の識別およびステータス監視のためのデバイスが、開閉可能なウィング要素を有する装置の一部または各々に関連付けられ、システムが、デバイスのデータを受信し、評価し、および/または、1つまたは複数のデータベース、特にデータクラウドなどに記憶するための少なくとも1つの受信機、少なくとも1つの受信機と、好ましくはデータを予め記憶されたパラメータと比較し、および/または記憶するように設計され、送信されたまたは入力された識別識別子に基づいて、送信データを、開閉可能なウィング要素を有する装置の対応するデジタルツインに割り当てるように設計される、データを分析するための評価プログラムを有する少なくとも1つのコンピュータとをさらに備える、システムを提供する。
【0028】
システムが、監視対象装置を識別し、その状態を監視するための少なくとも1つのさらなるデバイスをさらに備え、そのデバイスが請求項1から17のいずれか一項に記載のものとは異なる構造を有し、特に開放可能なウィング要素を有さないことも規定され得る。
最後に、本発明はまた、請求項18から24のいずれか一項に記載の少なくとも複数の監視対象装置を備える、請求項27または28に記載のステータス監視のためのシステムを動作させる方法であって、前記デバイスの少なくとも一部が少なくとも1つの開閉可能なウィング要素を備え、開閉可能なウィング要素を有する装置の一部または各々が、請求項1から17の1つまたは複数に記載の開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置の識別およびステータス監視のためのデバイス(1)に関連付けられ、システムが、デバイス(1)からデータを受信し、評価し、および/または、例えば1つまたは複数のデータベース、特にデータクラウド(C)に記憶するための少なくとも1つの受信機、少なくとも1つの受信機(E)をさらに備え、データを分析するための評価プログラムを有する少なくとも1つのコンピュータを有する、方法がコンピュータ上で実行され、方法が、少なくとも、データを予め記憶されたパラメータと比較し、および/または記憶するように設計され、さらに、少なくとも第1の識別マーカおよび第2の識別マーカに関係する送信データを、特に開閉可能なウィング要素を有する装置の対応するデジタルツインに割り当てるように設計される、方法を提供する。
【0029】
以下で、本発明は、図面を参照して例示的な実施形態によってより詳細に説明され、さらなる利点および選択肢も示される。本発明は、図示された例示的な実施形態に限定されず、図示されている以外の方法、ならびにそれと同等の方法で実施することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】開閉可能なウィング要素を有する、窓として設計されたデバイスを示す図であり、識別およびステータス監視のためのデバイスが、2つの可能な設置場所において破線で描かれている。
図2】識別およびステータス監視のためのデバイスの斜視図ならびに開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置の断面図(図2a)、識別およびステータス監視のためのデバイスの開いたハウジングの斜視図(図2b)、ならびにハウジングの側面図(図2c)である。
図3】識別およびステータス監視のためのデバイスを有する、窓として設計されたデバイスのフレームエリアを通る断面図(図3a)、追加の詳細が描かれている図3aの断面拡大図(図3bおよび図3c)である。
図4】上位レベルのデータ処理システムにおける識別およびステータス監視のためのデバイスの可能な埋込みの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、a)およびb)において、この場合は固定フレーム101および開閉可能なウィング要素102を有する概略的に示された監視対象装置100を示す。このデバイスは、固定フレーム101が挿入される壁開口部を有する建物I(図3aも参照)の窓として設計される。しかしながら、このデバイスは、代替的に、建物のドアまたはフラップとして形成され得る。
【0032】
この文脈では、固定フレーム101および/またはウィングフレーム102は、多種多様な方法で構成され得る。例えば、1つの変形形態によれば、それらは、1つまたは複数の金属プロファイルから複合フレームとして作製され得る。代替的に、それらはまた、基本的にプラスチックまたは木材などの単一の材料から作製され得る。
【0033】
好ましくは、固定フレーム101とウィングフレーム102との間に周方向のリベート空間Fが形成される。
【0034】
識別およびステータス監視のためのデバイス1が、開閉可能なウィング要素102を有する装置100に固定され、ハウジング2を有する。
【0035】
ハウジング2は、好ましくは、固定フレーム101上に配置される。ハウジング2が、固定フレーム101とウィングフレーム102との間の周方向のリベート空間F内に完全にまたは実質的に配置される場合、さらに有利である。これに関して特に有利なことは、デバイスがそこに容易に収容され、マウントされ得、また、(少なくともウィングが閉じているとき)十分に保護されることである。これは、ハウジング1が、有利なことに、リベート空間Fによってうまく収容され得るように、例えば細長く比較的平坦に、設計され得るためである。任意選択的に、さらに有利なことに、ハウジング2が中央シール104(図3a参照)に対して横方向に位置することが規定され得る。
【0036】
ハウジング1は、ウィングフレーム102または固定フレーム101のいずれかの上に収容され得る。図3によれば、ウィングフレーム102上の収容が選択された。各事例において、溝103(例えば、図3中の2つの溝を参照)などの締結輪郭部および/またはウェブ105などの固着要素が、概して、例えば、ハウジング1がマウントされ得る嵌合具などのために別様に使用される、固定フレーム101上またはウィングフレーム102上で、リベート空間F内に(どんな方法でも)存在することが有利である。これは、特に簡単で確実である。
最後に、ハウジング2がこのようにして嵌合溝103の上方にマウントされ、その中に係合しないかまたは相当程度までその中に係合せず、それにより、機能要素108、例えばロックバーが、嵌合溝107内に依然としてマウントされ得るか、または嵌合溝107内でハウジングの下方にマウントされ、機能的なままであることも規定され得る。
【0037】
建物の壁開口部内の設置状況に関連して、デバイスが、設置されたウィングフレーム102および設置された固定フレーム101の中心の上方、すなわち、好ましくは、上側水平ウィングフレーム部分と上側水平固定フレーム部分との間または垂直固定フレーム部分の上部と垂直ウィングフレーム部分の上部との間にある、リベート空間Fのエリア内に配置される場合、さらに有利である。ここでも、デバイスはほとんど見えないが、容易に収容され得る簡単な方法で十分に保護される。さらに、保守および設置作業は、通常、これらのエリアにおいて特に良好に実行され得る。
【0038】
固定フレーム101とウィングフレーム102との間のリベート空間Fは2つの間隙S1、S2を有し、それらの間隙は、リベート空間Fを、デバイスに隣接する2つの空間、すなわちドアまたは窓に接続する。
【0039】
概して、この間隙G1、G2のエリアにおいて、ウェブ105または106が、それぞれの他の要素、すなわちウィングフレーム102または固定フレーム101に重なる。
【0040】
デバイス1の機能要素、例えば、センサデバイス、および/または参照符号13によって示されているアンテナが、建物の外部または周囲に面して位置する間隙G1内に突き出る場合、有利である。このような場合、データおよび他の情報を受信機Eに送信することが特に容易である(これについては後述する)。
【0041】
こうした背景の下、次に、ハウジング2の構造についてより詳細に説明する。
【0042】
ハウジング2は、開閉可能なウィング要素102を有する装置に固定されたハウジングベース3と、ハウジングベース3から取外し可能な少なくとも1つの第2のハウジング部4とを有する。
【0043】
ハウジングベース3が、第1の識別マーカIK-Eを備えることが規定される。第2のハウジング部4も、少なくとも1つの第2の識別マーカIK-Zを備える。これらは、各事例において一意に割り当てられ、好ましくは、損傷を引き起こすことなくハウジングベース4または第2のハウジング部から取り外すことができない。
【0044】
その場合、識別およびステータス監視のためのデバイス1のハウジングベース3が、第1の識別マーカを破壊することなく開閉可能なウィング要素102を有する装置から破壊なしに取り外すことができないように、開閉可能なウィング要素を有する装置100、特に締結手段5を用いて、開閉可能なウィング要素102を有する装置に固定されることが、特に有利である。
【0045】
このようにして、(説明される)受信機がそれぞれのデバイス1からのメッセージ/応答/要求を確実かつ明確に認識することができるように、確実なプロセス制御が保証される。ハウジングベース3を開閉可能なウィング要素を有する装置にしっかりと接続するために、多種多様な接続手段または締結手段5が使用され得る。ここでの締結のタイプは、開閉可能なウィング要素102を有する装置の性質に依存する。接続手段として言及する例示的なものは、(プロファイルに引っ掛かる)ターンオフねじ、ワンタイムリベットまたはマイクロ切断ブレード、あるいはまた、様々な種類の接着剤接続部である。これは図2bおよび図2cに示され、これらの図では、破線がハウジングベース3およびウィングフレーム102を通って延び、言及したタイプの対応する締結手段を表す。好ましくは、窓上、特にウィングフレーム102上の対応するラッチ手段と協働するラッチ手段をハウジングベース3上に設けることによって、ハウジング2またはハウジングベース3の、窓への、またはこの場合にはウィングフレーム102へのプリラッチが事前に可能になる。対応するラッチ手段は溝のアンダーカットであってもよく、ハウジング2上のラッチ手段はラッチウェブなどであってもよい。
【0046】
識別マーカIKは、開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置の第1の識別マーカと、第2のハウジング部、したがって識別およびステータス監視のためのデバイス1自体をマークする第2の識別マーカとを有する。識別マーカIK-Eは、例えば、マーカの記憶場所としてNFCまたはRFIDタグ7を有し得、任意選択的に、開閉可能なウィング要素を有する装置を識別するためのQRコード(登録商標)8を有し得る。また、識別マーカIK-Zは、RFIDタグ7に、またはデバイスの電子機器の別の不揮発性メモリに記憶されるなど、本質的にいかなる方法でも設計され得る。
【0047】
第2のハウジング部4は、好ましくは、ハウジングベース3に着脱可能に固定される。したがって、第2のハウジング部は、特に保守作業または修理を実行するために、ハウジングベース3から外すことができる。第2のハウジング部を強制的に交換する必要があることも規定され得る。この場合、第2のハウジング部が、その第2の識別マーカIK-Zを破壊する(使用不可能にする)ことなくハウジングベースから外すことができない場合、有利である。
【0048】
第2のハウジング部4が、デバイス1に電力を供給するためのバッテリなど、交換および/または場合によって保守されることになる装置を備えることが、さらに規定され得る。この目的で、ハウジングベース3および第2のハウジング部4が、デバイス1自体に電力を供給するためのバッテリなどを受け入れる受入空間、例えばバッテリコンパートメント6を共に形成することが、さらに規定され得る。
【0049】
電力はまた、他の方法で、または補助的に他の方法で、例えば、エネルギーハーベスティングのためのデバイスを介して、または外部エネルギー貯蔵デバイスもしくはエネルギーネットワークに接続された電源ケーブルを介して、供給され得る。後者の事例では、インターフェース、例えばプラグイン接続部10が、ケーブル/プラグ、例えば磁気プラグを接続するためにハウジング上に設けられる場合、有利である。このようにして、電圧源の任意の可能性が、統合ライン遷移によってもたらされる。
【0050】
電子回路9が、任意選択的に、第2のハウジング部4上またはハウジングベース3上に配置されてもよく、好ましくは、第2のハウジング部上に形成される。
【0051】
電子回路9は、好ましくは、データ送信デバイスを備える。これは、好ましくは、少なくとも以下のもの、すなわち、送信および/または受信モジュール、アンテナおよびセンサシステム、ならびにマイクロプロセッサを備える。この電子回路9は、好ましくは、アンテナをさらに備える。データ送信デバイスは、少なくとも送信用に設計されるが、データを受信するためにも設計されるのが好ましい。
【0052】
データ送信は、好ましくはワイヤレスである。WLAN、WIFI、Bluetooth、RFID、LoRa、LPWAN、LoRAWAn、LPN、低周波数、無線など、多種多様なデータ送信方法が使用され得る。このリストは、いくつかの特に有利なデータ送信方法を含むが、網羅的であると見なされるべきではない。
【0053】
電子回路9は、好ましくは、少なくとも1つのセンサを有するセンサシステムをさらに備える。それは、制御デバイスをさらに備え得る。
【0054】
センサシステムは、開閉可能なウィング要素102を有する監視対象装置上のパラメータを測定変数として定性的または定量的に検出するために、開閉可能なウィング要素102を有する装置の、または開閉可能なウィング要素102を有する装置上の特性、特に物理的または化学的特性(物理的、例えば、熱量、温度、湿度、圧力、音場量、輝度、加速度、または化学的)を検出するために、トランスデューサタイプの1つまたは複数のセンサと共に使用される。これらの量は、物理的または化学的作用によって検出され、電気信号に変換され、電気信号がさらに処理され得る。次いで、これらの信号は、直接、またはデータ送信デバイスを使用して一定時間後に測定値を収集した後に、受信機Eに送られ得る。
【0055】
ただし、任意選択的または代替的に、センサシステムは、他のパラメータ、特に、騒音公害、空気中の汚染物質負荷、粒子状物質、空気圧、輝度などの環境パラメータを決定するためにも使用され得る。
【0056】
決定された値は、センサシステムにおいて前処理され、できるだけ少ないデータを送信することができるように一時的に記憶される。
【0057】
デバイスが制御デバイスをも有する場合、これは、アクチュエータなどを制御するためにも使用され得、その場合、デバイス1は、アクチュエータに(ワイヤレスに、または他の手段によっても)接続されることが可能である。
【0058】
第2のハウジング部4は、ハウジングベース3に着脱可能に接続され、例えば、堅固にラッチされる。この目的で、対応する接続手段、特に解除可能な対応するラッチ手段11、12が、ハウジングベース3および第2のハウジング部4上に設けられる。この着脱可能な接続部は、他の手段、例えば、ねじおよびナットなどによっても実現され得る。
【0059】
センサシステムの助けを借りて、多種多様な変数を検出することができる。例えば、開閉可能なウィング要素102の動きを決定することができる。ただし、環境パラメータ(温度または湿度など)をデバイスにおいて直接決定することも考えられる。
【0060】
少なくとも1つの第2のハウジング部4は、好ましくは、電子機器に電力を供給するための上述のバッテリを含み、これにより、数年間の保守不要動作が可能になるべきである。それは、好ましくは、センサシステムを取り換える必要なくバッテリを取り換えるように規定され得る。この目的で、センサシステムはハウジングベース3内に収容され得る。
【0061】
しかしながら、センサシステムを有する第2のハウジング部4全体がハウジングベース3とは無関係に交換され得るか、または交換されなければならないことも規定され得る。
【0062】
その後、第2のハウジング部内の電子機器(特に、ハウジングベース3内のセンサユニットおよび電子機器)は、再び互いに(したがって、(ベース3からの)第1の識別コードIK-Eおよび第2の識別コードIK-Zと)結合されなければならない。これは、コンピュータシステムにおいて行われ得る。
【0063】
これは、いくつかの利点を提供する。例えば、ハウジングベース内の識別構成要素は開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置にしっかりと接続されるため、センサ/センサユニットの取換えが、開閉可能なウィング要素を有する装置の収集されたデータの損失につながらない
【0064】

好ましくは無線モジュールをも有し得るデータ送信モジュールに応じて、および利用可能なエネルギーに応じて、WLAN、WIFI、Bluetooth、NFCまたはLPWAN(Sigfox、NB-IoT、Mioty、LoRaWAN)を介してデータ送信を行うこともできる。
【0065】
個々のデバイス1のデータ送信モジュール/無線モジュールおよびマイクロプロセッサユニットは、様々な種類の通信用に設計され得る。
【0066】
したがって、それらが各々、最初にセンサ値および送信された情報を収集し、次いで、それらを特定の時間間隔においてのみ受信機に送ることが規定され得る。
【0067】
受信機はまた、最初に、例えば近接環境内の様々なデバイス1からデータを収集し、次いで、それらを一緒に所定の間隔において、各々が受信機を有するかまたは受信機に接続されなければならないコンピュータまたはIoTシステムなどに送信する、同じタイプの別のデバイス1であり得る。そのような変形形態が図4に示されている。
【0068】
センサモジュールにおけるセンサ値の緊急度に応じて、メッセージがいつ送られるかが決定され得ることも規定され得る。例えば、検出された侵入の試みが直接送られ、開放サイクルまたは室内空気パラメータなどの値がパケットにパックされ、例えば1日に1回、または緊急度が高い場合は次の送信で、一緒に送られる。
【0069】
それぞれのデバイス11qのデータ送信デバイスまたは無線モジュールは、少なくともデータを送信するための送信デバイスとして設計されるが、データを送受信するための複合送受信デバイスとしても設計され得る。以下では、データ送信デバイスという用語は、これらの選択肢の両方を含む。
【0070】
開閉可能なウィング要素を有する1つまたは複数の監視対象装置を監視するためのシステムは、1つまたは複数、特に複数の、開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置100を有する。さらに、そのような装置はまた、開閉可能なウィング要素を有さないさらなる要素上に、例えば、この点において同じくシステムに属し得る固定グレージング上に、配置され得る。
【0071】
この文脈では、識別およびステータス監視のためのデバイス1のうちの1つは、好ましくは、開閉可能なウィング要素を有する監視対象装置100の各々に割り当てられる。
【0072】
これらは、すべて同じように構築することができるが、そうである必要はない。
【0073】
受信機Eにおいて、デバイス1のデータが受信され、評価され、および/または、1つまたは複数のデータベース、特にデータクラウドCなどに記憶される。
【0074】
コンピュータまたはコンピュータR、特にサーバの評価プログラムでは、データは、予め記憶されたパラメータと比較され得、特に、開閉可能なウィング要素を有する各監視対象装置についてデータ処理システムにおいてデジタルツインが生成され、送信されたデータはこのデジタルツインに割り当てられる。
【0075】
評価は、様々な種類の監視を含むことができる。例えば、送信されたデータは、例えば、保守が実行されるべきであることを示すために、あるいは特別な事例または緊急事態(例えば、ガラスの破損または応答しないアクチュエータなど)を示すために、設定点から逸脱した場合に信号を出力するために予め記憶された設定点と比較され得る。
【0076】
図3では、受信デバイスEが純粋に概略的に示されている。これは、監視対象装置100から離れている、例えば、開放可能かつロック可能なウィング要素を有する装置が設けられた建物から離れており、例えば局所性において中央にある。
【0077】
受信デバイスEは、さらなるワイヤレスまたはワイヤード・データ・リンク、例えばインターネットリンクを介してコンピュータインフラストラクチャに接続され得、これを介してまたは直接、データを評価および/または記憶するためのデータベース(サーバR、クラウド)に接続され得るか、あるいはサーバなどの一部を直接形成することができる。
【0078】
図4では、接続経路が矢印で示されている。デバイス1から出発して、これらは好ましくはワイヤレスである。受信機Eとコンピュータとの間の接続は、ワイヤレスまたはワイヤード(光伝導接続を含む)であり得る。
【0079】
データベースを有するこのコンピュータインフラストラクチャは、ほぼ任意にそれ自体に設計され得、すなわち、受信デバイスにおいて直接設計されるか、または、インターネットを介して利用可能であり、例えばクラウド・コンピューティング・ソリューションの形態で記憶空間、計算能力およびアプリケーションソフトウェアを含むインフラストラクチャとしても設計される、データ記憶装置を有するコンピュータである。コンピュータインフラストラクチャのサーバも、受信デバイスにおいて直接形成され得る。
【0080】
受信デバイスEは、少なくとも、ワイヤレスに設計されたデータリンクV1を介してデータを受信し、さらに、データをデバイス1に任意選択的に送信するように設計される。それはまた、データベースを有するコンピュータインフラストラクチャにデータを記憶することができる300。
【0081】
データは、好ましくは、低電力広域ネットワーク(LPWANまたはLPN)において送受信される。オンライン百科事典WIKIPEDIAによれば、これは、バッテリ駆動センサなどの低エネルギーデバイスをネットワークサーバに接続するためのネットワークプロトコル(およびデバイス)のクラスを含む。このプロトコルは、低運営コストでエンドデバイスの長期および低エネルギー消費を達成するように設計される。これは有利であるが必須ではない。データ送信は、別の規格に従って実行することもできる。したがって、送信ユニットおよび受信ユニットの技術ならびに利用可能なエネルギーに応じて、データ送信は、WLAN、WIFI、Bluetooth、NFCを介して実行することもできる。例えば、LPWANでは、データ送信は、プロトコルSigfox、NB-IoT、MiotyまたはLoRaWANのうちの1つを介して行われる。
【0082】
全体として、これは、一意の識別番号を使用することによって、特にクラウドにおいて、デジタルツインを、デジタル部品リスト、ステータスおよび他のコンテンツと容易かつ安全にリンクすることを可能にする。
【0083】
開閉可能なウィング要素を有する装置の状態に関する結論を引き出すために、機械的情報、例えば、力、加速度などが評価され得る。
【0084】
センサの環境に関する結論を引き出すために、作動サイクルおよび/またはセンサデータ、例えば空気の温度および湿度を評価することも考えられる。
【0085】
このデータは、アプリケーションにおけるユーザの権利に応じて、査定されるか、補足されるか、または処理され得る。
【0086】
データはまた、最初にデバイス1内にローカルに収集され、センサが数年間バッテリから動作することを可能にするために、ただ時々サーバに送信され得る。
【0087】
特に開閉可能なウィング要素102を有する装置100の構成中に、装置100の部品リストが、好ましくは、デジタルツインを生成するためにサーバ内の要素の識別番号IKにリンクされる。
【0088】
特に開閉可能なウィング要素102を有する装置100が設置されると、開閉可能なウィング要素を有する装置の位置、および正しい動作の確認が、さらに好ましくは、サーバ内の開閉可能なウィング要素を有する装置の識別番号に関連付けられる。
【0089】
開閉可能なウィング要素を有する装置の動作中に、開閉可能なウィング要素を有する装置の動作データが、次いで、好ましくはサーバに送信され、開閉可能なウィング要素を有する装置の識別番号にリンクされる。
【0090】
サーバにおいて、開閉可能なウィング要素を有する装置のデータがさらに分析され得る。
【0091】
ユーザがこのサーバに接続する対応するアプリケーションでは、以下の機能のうちの1つまたは複数が実装および使用され得、これは、以下のことを意味する。
・ データを閲覧することができる、
・ 可能性のある摩耗および故障状態を検出することができる、
・ 閉塞状態を監視する、
・ 換気勧告を出す、
・ 警報をトリガすることができる、
・ 破壊行為を検出することができる、
・ 不法侵入を検出することができる、
・ アクチュエータにおいてアクションをトリガすることができる、
・ 保守を推奨または計画する、
・ 予備の部品を注文する、および/あるいは
・ 要素に関連するすべてのデータを含むメッセージをサービスパートナに送ることができる。
【符号の説明】
【0092】
デバイス 1
ハウジング 2
ハウジングベース 3
第2のハウジング部 4
締結手段 5
受入空間 6
RFIDタグ 7
QRコード 8
電子回路 9
プラグイン接続部 10
ラッチ手段 11,12
アンテナ 13
装置 100
固定フレーム 101
ウィングフレーム 102
溝 103
中央シール 104
ウェブ 105,106
嵌合溝 107
機能要素 108
建物 I
リベート空間 F
識別マーカ IK
受信機 E
コンピュータ R
クラウド C
間隙 G1,G2
図1
図2a)】
図2b)】
図2c)】
図3a)】
図3b)】
図3c)】
図4
【国際調査報告】