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特表2022-549609ストレインリリーフ構成部及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-28
(54)【発明の名称】ストレインリリーフ構成部及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/29 20060101AFI20221118BHJP
   A61B 17/22 20060101ALI20221118BHJP
   A61B 17/221 20060101ALI20221118BHJP
   A61B 17/32 20060101ALI20221118BHJP
【FI】
A61B17/29
A61B17/22 528
A61B17/221
A61B17/32 528
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022517739
(86)(22)【出願日】2020-03-31
(85)【翻訳文提出日】2022-03-18
(86)【国際出願番号】 US2020025940
(87)【国際公開番号】W WO2021061198
(87)【国際公開日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】62/904,094
(32)【優先日】2019-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511193846
【氏名又は名称】クック・メディカル・テクノロジーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】COOK MEDICAL TECHNOLOGIES LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100083895
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【弁理士】
【氏名又は名称】海老 裕介
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ, エリン
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン, エリザベス, エム.
(72)【発明者】
【氏名】ヒメネス-リオス, ホルヘ, エレ.
(72)【発明者】
【氏名】ハンドレイ, ライル
(72)【発明者】
【氏名】スミス, ジョニー, ピー.
(72)【発明者】
【氏名】シーツ, ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ジャルボ, ジェイミー
(72)【発明者】
【氏名】スタインブルナー, ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】ガブサー, ケイリー
(72)【発明者】
【氏名】メルスハイマー, ジェフリー, エス.
(72)【発明者】
【氏名】チャーリー, サマンサ
(72)【発明者】
【氏名】ダウ, タイラー
(72)【発明者】
【氏名】ハーダート, キャスリン, アール.
(72)【発明者】
【氏名】ゴードン, デヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】アマン, ミッチェル, ティー.
(72)【発明者】
【氏名】バンチ, クリステン, エム.
(72)【発明者】
【氏名】ペダーセン, ウェスレー
(72)【発明者】
【氏名】ニコルズ, ショーン, エル.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160EE22
4C160EE28
4C160GG30
4C160KL10
(57)【要約】
本実施形態は、医療機器送達システム用のストレインリリーフ構成部、使用方法、及び製造方法を提供する。一実施形態では、医療機器送達システムは本体構成部を含み、この本体構成部は、第1の外径を有する第1の端部、第2の外径を有する第2の端部、長手方向軸に沿って本体構成部内を通って軸方向に延在するルーメンに対面する内面、及び内面に対向する外面を備え得る。実施形態はまた、本体構成部の第1の端部にネジ付きの第1のコネクタを含む。本体構成部の外面は複数の窪みを含み得る。本体構成部は第1の材料を含み得る。第1のコネクタは第2の材料を含み得る。第1の材料は第2の材料よりも可撓性が高い。本体構成部の外面の一部分は、第1のコネクタの一部分を覆い得る。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体構成部であって、第1の外径を含む第1の端部、第2の外径を含む第2の端部、長手方向軸に沿って前記本体構成部内を通って軸方向に延在するルーメンに対面する内面、及び前記内面に対向する外面を含み、
前記本体構成部の前記外面は複数の窪みを含む、本体構成部;及び
前記本体構成部の前記第1の端部に配置されたネジ付きの第1のコネクタであって、
前記本体構成部は第1の材料を含み、及び前記第1のコネクタは第2の材料を含み、及び前記第1の材料は前記第2の材料よりも可撓性が高く、及び前記本体構成部の前記外面の一部分は、前記第1のコネクタの少なくとも一部分を覆う、第1のコネクタ
を含む、医療機器送達システム用のストレインリリーフ構成部。
【請求項2】
前記第1の外径は前記第2の外径よりも大きい、請求項1に記載のストレインリリーフ構成部。
【請求項3】
前記第1のコネクタは、メスルアーコネクタ又はオスルアーコネクタである、請求項1又は2に記載のストレインリリーフ構成部。
【請求項4】
前記ルーメンの直径は、約1.0フレンチ~約4.5フレンチである、請求項1~3のいずれか1項に記載のストレインリリーフ構成部。
【請求項5】
前記本体構成部の前記外面の一部分は前記第1のコネクタを覆っている、請求項1~4のいずれか1項に記載のストレインリリーフ構成部。
【請求項6】
前記窪みは、前記長手方向軸に対して垂直に配置されている、請求項1~5のいずれか1項に記載のストレインリリーフ構成部。
【請求項7】
前記窪みは、線形状、円形状、楕円形状、コイル形状、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のストレインリリーフ構成部。
【請求項8】
前記第1の材料は、ポリウレタン、シリコーン、ラテックス、ポリ塩化ビニル、コープループチューブ、又はそれらのいずれかの組み合わせを含み、及び前記第2の材料は、任意選択的に、アクリロニトリルブタジエンスチレンを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載のストレインリリーフ構成部。
【請求項9】
さらに、内側チューブを含み、前記内側チューブの少なくとも一部分は、前記本体構成部の前記ルーメン内にある、請求項1~8のいずれか1項に記載のストレインリリーフ構成部。
【請求項10】
本体構成部であって、第1の外径を含む第1の端部、第2の外径を含む第2の端部、長手方向軸に沿って前記本体構成部内を通って軸方向に延在するルーメンに対面する内面、及び前記内面に対向する外面を含み、
前記本体構成部の前記外面は複数の窪みを含む、本体構成部;及び
前記本体構成部の前記第1の端部に配置された第1のコネクタであって、
前記本体構成部は第1の材料を含み、及び前記第1のコネクタは第2の材料を含み、及び前記第1の材料は前記第2の材料よりも可撓性が高い、第1のコネクタ;及び
前記本体構成部の前記ルーメンの少なくとも一部分を通る医療機器シャフト
を含む、医療機器送達システム用のストレインリリーフ構成部。
【請求項11】
前記第1のコネクタにねじが付けられおり、任意選択的に、さらに、第2のコネクタを含み、前記第2のコネクタは前記第1のコネクタに結合されるか、前記第2のコネクタは前記第1のコネクタに相補的であるか、又はそれら双方である、請求項10に記載のストレインリリーフ構成部。
【請求項12】
前記本体構成部の前記外面の一部分は、前記第1のコネクタの少なくとも一部分を覆う、請求項10又は11に記載のストレインリリーフ構成部。
【請求項13】
前記第2のコネクタを含み、及びさらに、前記第2のコネクタに結合されたハンドルを含む、請求項11に記載のストレインリリーフ構成部。
【請求項14】
さらに、前記医療機器シャフトに結合された器具を含み、任意選択的に、前記器具は、バスケット、スネア、又はそれらの組み合わせを含む、請求項10~13のいずれか1項に記載のストレインリリーフ構成部。
【請求項15】
医療機器送達システム用のストレインリリーフ構成部の製造方法であって:
ストレインリリーフ構成部を射出成形することであって、
前記ストレインリリーフ構成部は、本体構成部を含み、この本体構成部は、第1の外径を含む第1の端部と、第2の外径を含む第2の端部と、長手方向軸に沿って前記本体構成部内を通って軸方向に延在するルーメンに対面する内面と、前記内面に対向する外面とを含み、
前記本体構成部の前記外面は複数の窪みを含み;及び
ネジ付き第1のコネクタが前記本体構成部の前記第1の端部に配置されていること;又は
ネジ付きの第1のコネクタを射出成形し、及びストレインリリーフ構成部をオーバーモールドすることであって、
前記ストレインリリーフ構成部は本体構成部を含み、この本体構成部は、第1の外径を含む第1の端部と、第2の外径を含む第2の端部と、長手方向軸に沿って前記本体構成部内を通って軸方向に延在するルーメンに対面する内面と、前記内面に対向する外面とを含み、
前記本体構成部の前記外面は複数の窪みを含み;及び
前記ネジ付きの第1のコネクタは前記本体構成部の前記第1の端部に配置されること
を含み、
前記本体構成部は第1の材料を含み、及び前記第1のコネクタは第2の材料を含み、及び前記第1の材料は前記第2の材料よりも可撓性が高く、及び前記本体構成部の前記外面の一部分は前記第1のコネクタの少なくとも一部分を覆い、及び
前記本体構成部の前記外面の一部分は、前記第1のコネクタの少なくとも一部分を覆う、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年9月23日出願の米国仮特許出願第62/904,094号の優先権を主張し、その内容全体を本明細書に参照することにより援用する。
【0002】
本発明は、概して、医療機器、使用方法、及び製造方法に関し、より詳細には、医療機器送達システム用のストレインリリーフ構成部に関する。
【背景技術】
【0003】
使用時、医療機器は、好都合な挿入箇所で患者の体内に入れられてから、標的領域へと押し進められ得る。ひとたび医療機器の遠位部分が患者の体内に入れられたら、医師は、医療機器の近位部分に長手方向の力を加えることによって、遠位チップすなわち遠位先端部を前方に押し進め得る。これらの長手方向の力を効果的に伝えるために、機器の少なくとも一部分が、特に近位端の近くで、ある程度の押す能力(pushability)及び耐キンク性を有することが望ましいとし得る。
【0004】
患者の体内で医療機器が通る経路は、曲がりくねっているかもしれず、医療機器が頻繁に方向を変える必要がある。場合によっては、医療機器自体が引き返す必要もあるかもしれない。患者の体内での動きはまた、精度を要し得る。処置の最中に医療機器を前進させている間、医師は、機器の近位部分にねじり力を加えて、機器の操舵を支援し得る。近位端に加えられるねじり力は、遠位端に移され、操舵を支援し得る。それゆえ、医療機器の近位部分が、ある程度のトルク性能を有して、操舵を容易にし得ることが望ましいとし得る。
【0005】
医療機器の近位端の操作を容易にする及び/又は補助機器とインターフェースを取るために、医療機器は、近位ハブ又はマニホールドを含み得る。そのようなハブは、医療機器をハンドル又は他の機器に接続するためのポート又はコネクタを含み得る。いくつかの機器では、ハブは、チューブ状のストレインリリーフと共に、機器に接着接合され得る。しかしながら、医療処置中に医療機器が保持又は使用される方法に少なくとも部分的に起因して、公知のストレインリリーフは、機器が曲がったり、ねじれたり、又は分離したりするのを十分に防止するようには設計されていないかもしれず、このことは、機器の機能の損失につながる。改良型のストレインリリーフが、例えば、ハンドル接合部において、医療機器の近位端の少なくとも一部分を保護するために必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、医療機器送達システム用のストレインリリーフ構成部、その使用方法、及び製造方法を提供する。
【0007】
一実施形態では、医療機器送達システム用のストレインリリーフ構成部は、本体構成部を含み、本体構成部は、第1の外径の第1の端部と、第2の外径の第2の端部と、長手方向軸に沿って本体構成部内を通って軸方向に延在するルーメンに対面する内面と、内面に対向する外面とを有する。本体構成部の外面は複数の窪みを含む。ネジ付きの第1のコネクタが本体構成部の第1の端部に配置される。本体構成部は第1の材料を含み、及び第1のコネクタは第2の材料を含む。第1の材料は第2の材料よりも可撓性が高い。本体構成部の外面の一部分は、第1のコネクタの少なくとも一部分を覆う。
【0008】
別の実施形態では、医療機器送達システム用のストレインリリーフ構成部は、本体構成部を含み、本体構成部は、第1の外径の第1の端部と、第2の外径の第2の端部と、長手方向軸に沿って本体構成部内を通って軸方向に延在するルーメンに対面する内面と、内面に対向する外面とを有する。本体構成部の外面は複数の窪みを含む。第1のコネクタが本体構成部の第1の端部に配置される。本体構成部は第1の材料を含み、及び第1のコネクタは第2の材料を含む。第1の材料は第2の材料よりも可撓性が高い。医療機器シャフトが、本体構成部のルーメンの少なくとも一部分内を通って配置される。
【0009】
さらなる実施形態では、医療機器送達システム用のストレインリリーフ構成部の製造方法が、ストレインリリーフ構成部を射出成形することを含む。ストレインリリーフ構成部は、本体構成部を含み、本体構成部は、第1の外径の第1の端部と、第2の外径の第2の端部と、長手方向軸に沿って本体構成部内を通って軸方向に延在するルーメンに対面する内面と、内面に対向する外面とを有する。本体構成部の外面は複数の窪みを含む。ネジ付きの第1のコネクタが、本体構成部の第1の端部に配置される。本体構成部は第1の材料を含み、及び第1のコネクタは第2の材料を含む。第1の材料は第2の材料よりも可撓性が高い。本体構成部の外面の一部分は、第1のコネクタの少なくとも一部分を覆う。本体構成部の外面の一部分は、第1のコネクタの少なくとも一部分を覆う。
【0010】
さらなる実施形態では、医療機器送達システム用のストレインリリーフ構成部の製造方法は、ネジ付きの第1のコネクタを射出成形し、及びストレインリリーフ構成部をオーバーモールドすることを含む。ストレインリリーフ構成部は、本体構成部を含み、本体構成部は、第1の外径の第1の端部と、第2の外径の第2の端部と、長手方向軸に沿って本体構成部内を通って軸方向に延在するルーメンに対面する内面と、内面に対向する外面とを有する。本体構成部の外面は複数の窪みを含む。ネジ付きの第1のコネクタは、本体構成部の第1の端部に配置される。本体構成部は第1の材料を含み、及び第1のコネクタは第2の材料を含む。第1の材料は第2の材料よりも可撓性が高い。本体構成部の外面の一部分は、第1のコネクタの少なくとも一部分を覆う。本体構成部の外面の一部分は、第1のコネクタの少なくとも一部分を覆う。
【0011】
他のシステム、方法、特徴及び利点は、以下の図面及び詳細な説明を考査すれば、当業者に明らかである、又は明らかになる。そのような全ての追加的なシステム、方法、特徴及び利点は、本開示の範囲内にあり、且つ下記の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【0012】
本開示は、以下の図面及び詳細な説明を参照して、よりよく理解され得る。図面の構成要素は、必ずしも縮尺通りではなく、本開示の原理を説明する際に強調されている。さらに、図面では、同様の参照符号によって、異なる図面を通して対応する部分を指定する。いくつかの場合には、本明細書で開示する態様を理解するために不要である詳細は、省略され得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】ネジ付きコネクタを含むストレインリリーフ構成部の第1の例の断面図である。
図2図1のストレインリリーフ構成部の斜視図である。
図3A-3D】複数の窪みをそれぞれ含む、4つのストレインリリーフ構成部の実施形態の斜視図である。
図4A-4F】様々な外側の窪み及び外径の、6つのストレインリリーフ構成部の実施形態の斜視図である。
図5A-5F】様々な外側の窪み及び外径の、6つのさらなるストレインリリーフ構成部の実施形態の斜視図である。
図6】ネジ付きコネクタを含むストレインリリーフ構成部の第2の例の斜視図である。
図7A】ハンドル、コネクタ、及びチューブの斜視図である。
図7B-7C】ストレインリリーフ本体構成部及び医療機器シャフトが追加された、図7Aの機器の斜視図である。
図8】複数の窪みのあるストレインリリーフ構成部の第3の例の断面図である。
図9図8のストレインリリーフ構成部の斜視図である。
図10】コネクタを含むコイル状ストレインリリーフ構成部の第1の例の断面図である。
図11】ストレインリリーフ構成部のコイル構成要素の斜視図である。
図12】コネクタを含むコイル状ストレインリリーフ構成部の第2の例の斜視図である。
図13】コネクタを含むコイル状ストレインリリーフ構成部の第3の例の斜視図である。
図14A-14F】様々な例示的なストレインリリーフの本体構成部の形状、サイズ、及び窪みの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本出願では、用語「近位」は、医療処置の間、全体的に医師の方へ向かう方向を指す一方で、用語「遠位」は、医療処置の間、全体的に患者の解剖学的構造内の標的部位の方へ向かう方向を指す。複数の構成要素の結合又は接続への言及は、特に指定のない限り、直接的な接続、並びに構成要素が介在する接続を含む。本開示では、医師について言及する。医師への言及は、任意の他の好適な医療従事者を含む。例えば、医師助手、看護師、又は他のヘルスケアの専門家を含む。
【0015】
概して、参照符号及び図面を参照して本明細書でより詳細に説明するように、本明細書では、患者の体内に器具4を導入するための医療機器2が示され、且つ説明されている。そのような器具4は、1つ以上の回収機器を含み得る。機器2は、患者の体内のリモート箇所へ延在するように構成された器具4と一緒に使用するために供され得るが、さらに、又はその代わりに、他の臨床、診断、観察又は他の医学的用途、例えば、構造の展開、リモート箇所にある組織との相互作用、観察などのために供されてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、図1図7B、及び図7Cに示すように、医療機器2は、医療機器シャフト6及び/又はチューブ38を含み得、器具4は、医療機器シャフト6の遠位端部分8に配置され、及びハンドル12は、医療機器シャフト6の近位部分10に接続されている。医療機器シャフト6は中実でも又は中空でもよい。ハンドル12は、医療機器2のハンドル12とし得る。器具4はバスケットを含み得るが、他の実施形態では、器具4は、鉗子、スネア、ループ、レーザファイバー、潅注チューブなど、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0017】
ストレインリリーフ18が、医療機器シャフト6の近位端部分10に接続され得、及びストレインリリーフ18の近位部分22は、ハンドル12の遠位端14に結合される。ストレインリリーフ18は、しなりやすい設計を含み得る。いくつかの実施形態では、ストレインリリーフ18は、医療機器シャフト6の近位部分10を支持して、医療機器シャフト6の少なくとも一部分が曲がったり又はねじれたりするのを防止する。それに加えて又はその代わりに、ストレインリリーフ18は、医療機器シャフト6とハンドル12との接合部における分離を防止し得る。
【0018】
図1及び図2を参照して説明すると、ストレインリリーフ18は、近位端部分32と遠位端部分30との間に延在する本体構成部28を含み得る。ストレインリリーフ18は、本体構成部28内を通って近位端部分32と遠位端部分30との間を長手方向軸36に沿って延在するルーメン34を含み得る。ルーメン34は、例えばチューブ38又は医療機器シャフト6を挿入するために、本体構成部28の遠位端及び近位端30、32で開口している。
【0019】
いくつかの実施形態では、複数の構造が、ストレインリリーフ18のルーメン34内を通って延在する及び/又はその内部に配置される。上述の通り、医療機器シャフト6はルーメン34内を通って延在し得る。内側チューブ38は、医療機器シャフト6の表面の少なくとも一部分にわたって、ルーメン34内を通って延在し得る。例示的なチューブ38はポリマーチューブを含み得る。図7Aは、ハンドル12、第1のコネクタ42、及びチューブ38の組み合わせを示す。図7Bには、ストレインリリーフ18の本体構成部28が第1のコネクタ42の少なくとも一部分を覆っており、且つ医療機器シャフト6がルーメン34内及びチューブ38内を通って配置されている状態の、図7Aの機器が示されている。チューブ38は、ストレインリリーフ18の本体構成部28の遠位端30を遠位側に通り過ぎて延在する。別の例では、図7Cに示すように、図7Aの機器は、第1のコネクタ42の少なくとも一部分を覆っているストレインリリーフ18の本体構成部28と、ルーメン34内及びチューブ38内を通って配置されている医療機器シャフト6とを含むが、チューブ38は本体構成部28内に含まれている。
【0020】
それに加えて又はその代わりに、ストレインリリーフ18は、ニチノール(nitinol)カニューレなどの内部補強体を含み得る。そのような内部補強は、ハンドル12の接合部でのねじれ及び分離を防止するのに寄与し得る。ストレインリリーフ18の内面24は、ルーメン34に対面し得る。ストレインリリーフ18の外面26は、内面24に対向した位置にある。
【0021】
いくつかの実施形態では、図1~9に示すように、ストレインリリーフ18の近位端部分22及び遠位端部分20はそれぞれ円形断面を有して、ストレインリリーフ18内に受け入れられ得る医療機器シャフト6の形態に適応し得る。遠位端部分及び近位端部分20、22の断面形状の追加的な形態が可能であり、限定されるものではないが、楕円形、四角形、長方形、三角形及びこれらの組み合わせを含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、遠位端又は近位端20、22の一方は第1の外径を有し、及び遠位端又は近位端20、22の他方は第2の外径を有する。ストレインリリーフ18の外径は、約1.5FR~約25FRに及び得る。ストレインリリーフ18のルーメン34の直径は、約1.0FR~約8.0FRに及び得る。本明細書では、用語「約」は、基準値並びに基準値のプラス又はマイナス5%を含む範囲であると具体的に定義される。テーパ付きストレインリリーフ18では、最大直径は、およそ0.40インチ/10ミリメートルとし得、且つストレインリリーフ18のルーメン34内に配置される1つ又は複数の構成要素、例えば医療機器シャフト6の外径よりも大きい直径まで先細りになる。ルーメン34の直径は、およそ8.0FR/2.7ミリメートルとし得る。ルーメン34は、本体構成部28の外面33にテーパが付けられているか又は他の方法で付形されているか否かに関わらず、本体構成部28の至る所で一貫性のある直径を有し得る。第1の外径の値は、第2の外径の値とは異なってもよい。例えば、一方のそのような直径は、他方よりも大きくてもよい(例えば図1~9に示すように)。図4A~4Cは、オフセットした窪み40の例示的なパターンを示すが、図4A図4B、及び図4Cはそれぞれ、異なる本体構成部28の直径、及び各窪み40の深さを有する。図4D図4E、及び図4Fは、波線を使用し、且つ異なる本体構成部28の直径及び各窪み40の深さを備える、窪み40の別の例示的なパターンを示す。図5A図5B、及び図5Cは、整列して並べられた線を使用し、且つ異なる本体構成部28の直径及び各窪み40の深さを備える、窪み40の別の例示的なパターンを示す。図5D図5E、及び図5Fは、斜線を使用し、及び異なる本体構成部28の直径及び各窪み40の深さを備える、窪み40の別の例示的なパターンを示す。遠位端部分及び近位端部分20、22の断面の形態(例えば、形状及び寸法)は、例えば、様々な医療機器シャフト6、ハンドル12、及び/又は他の医療機器の形態に適応するように、必要に応じて及び/又は要望通りに変えられ得る。ストレインリリーフ18の長さは、およそ5センチメートル~50センチメートルとし得る。しかしながら、ストレインリリーフ18の寸法は、例えば医療機器2の構成要素、例えばハンドル12、医療機器シャフト6、及び器具4を含め、特定の医療機器2のサイジング及び必要性に対応してもよい。特定の医療処置に適応するような寸法にされる必要があるとし得るような構成要素は、例えば、ストレインリリーフ18の1つ又は複数の外径、ルーメン34の直径、及び/又はストレインリリーフ18の本体構成部28の長さとし得る。
【0023】
ストレインリリーフ18の本体構成部28は、全体的にシリンダー状又はチューブ状の形状を有し得、第2の外径は実質的に一定である(例えば、図14F)。しかしながら、いくつかの実施形態では、近位端部分32は、遠位方向に、近位端部分32と遠位端部分30との間で、第1の比較的大きい外径から第2の比較的小さい外径へテーパが付けられ得る。例えば、図1に示すように、本体構成部28は漏斗状の形態を有し得る。いくつかの実施形態では、本体構成部28は、円錐状としてもよく、及び本体構成部28の長さ部分に沿って直径が一定の割合で変化する、幾何学的な円錐状のプロファイルとしてもよい。他の実施形態では、近位端部分32は、幾何学的な円錐と同様の形状にされ得る(すなわち、例えば図14A及び図14Eに示すように、その長さ部分に沿って直径が小さくなる)が、直径の変化の割合は一定ではないかもしれず、近位端部分32の断面が湾曲を形成するようにする。或いは、近位端部分32は、近位方向に、近位端部分32と遠位端部分30との間で、第1の比較的大きい外径から第2の比較的小さい外径へテーパが付けられ得る。
【0024】
図10~13を参照して説明すると、いくつかの実施形態では、ストレインリリーフ18は、コイル構成要素43(例えば、図11に示すように、バネ)を含み得る。いくつかの実施形態では、コイル構成要素43は、ストレインリリーフ18のルーメン34内を通って延在し得、且つルーメン34内に全体的に又は部分的に入れられ得る(例えば、図10及び図13に示すように)。いくつかの実施形態では、コイル構成要素43は、ストレインリリーフ18の本体構成部28として構成され得、且つコネクタ42に接続され得る(例えば、図12に示すように)。図10~13に示すように、いくつかの実施形態では、コイル構成要素43の外径は、その長さ部分に沿って、遠位方向に、その近位端部分47とその遠位端部分49との間で、小さくなり得る。いくつかの実施形態では、図10及び図13に示すように、コイル構成要素43の近位端部分47は、コイル構成要素43の遠位端部分49よりも、本体構成部28の近位端部分32の近くに配置され、コイル構成要素43の遠位端部分49は、ルーメン34内で(例えば、図10)、又はルーメン34の外側で(例えば、図13)、本体構成部28の遠位端部分30のすぐ近くに配置される。
【0025】
ストレインリリーフ18のルーメン34は、一定直径を有するチューブ形状とし得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、図1に示すように、ストレインリリーフ18のルーメン34はまた、又はその代わりに、遠位方向に、近位端部分32と遠位端部分30との間で、第1の比較的大きい直径から第2の比較的小さい直径へテーパが付けられ得る。いくつかの実施形態では、ルーメン34は、円錐状としても、及び本体構成部28の長さ部分に沿って直径が一定の割合で変化する、幾何学的な円錐状のプロファイルとしてもよい。他の実施形態では、ルーメン34は、幾何学的な円錐と同様の形状にされ得る(すなわちその長さ部分に沿って直径が小さくなる)が、直径の変化の割合は一定でなくてもよく、ルーメン34の断面が湾曲を形成するようにする。或いは、ルーメン34は、近位方向に、近位端部分32と遠位端部分30との間で、第1の比較的大きい外径から第2の比較的小さい外径へテーパが付けられ得る。ストレインリリーフ18のルーメン34の形状及びサイズは、本体構成部28の外面33及び/又は1つ又は複数の直径の形状及び/又はサイズを模倣し得るが、ストレインリリーフ18のルーメン34は、本体構成部28内に嵌るように、比較すると小型化される。
【0026】
ストレインリリーフ18は、医療機器2を動かしている間中の医療機器シャフト6及び/又はハンドル12の接合部の追加的な可撓性及び保護をもたらすための窪み又は切り欠き部40を含み得る。例えば、図1~6、図8~9、及び図14B~14Dに示すように、ストレインリリーフ18は、例えば、本体構成部28の外面33に、1つの窪み又は複数の窪み40を含み得る。窪み40は、本体構成部28の一部分にのみある、例えば本体構成部28の長さ部分のおよそ半分にある、又は本体構成部28の長さ部分の中心部分にあるとし得る。或いは、窪み40は、近位端32から遠位端30に及ぶ本体構成部28にあるとし得る。いくつかの例では、窪み40は、長手方向軸36に沿っては延在せず、例えば、そのような窪み40は、図3A及び図3Cに示すように長手方向軸36に対して垂直にあってもよい、又は図3Dに示すように長手方向軸36に対して斜めであってもよい。窪み40はまた、又はその代わりに、線形状、波線形状(例えば、図3B)、円及び/又は楕円形状(例えば、図14B及び図14D)、コイル形状41(例えば、14C)、又はそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの例では(例えば、図2~5に示すように)、窪み40は、同様の形状であるが、本体構成部28の外面33に沿ってサイズ及び/又は長さが異なり得る。窪み40は本体構成部28の外面33に作られ得、本体構成部28内に任意の好適な深さで延在する。例えば図1~5に示すように、窪み40は、外面33とルーメン34との間の本体構成部28の深さのおよそ半分に延在し得る。いくつかの実施形態では、同じ本体構成部28上の異なる窪み40が、様々な異なる深さで本体構成部28内に延在し得る。例えば、わずかな刻み目が窪み40を作り得る。切り欠き窪み40は、ルーメン34自体までずっと又はそのほとんどに延在し得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、ストレインリリーフ18は、押出され得るか又は射出成形され得る。例えば、ストレインリリーフ18は、一体形のオーバーモールド構成要素として形成され得る。いくつかの実施形態では、ストレインリリーフ18の一部分は、押出されるか、射出成形されるか、又はオーバーモールドされる一方で、ストレインリリーフ18の1つ又は複数の他の部分は、異なるプロセスを使用して作製される。
【0028】
図1に示すように、第1のコネクタ42は、ストレインリリーフ18の近位端22に配置され得る。第1のコネクタ42は、内面44及び外面46を含む。第1のコネクタ42はねじ山が付けられてもよく、例えば、ねじ山は、第1のコネクタ42の内面44にある。第1のコネクタ42は、メスルアーコネクタ又はオスルアーコネクタとし得る。いくつかの実施形態では、ストレインリリーフ18の本体構成部28の外面33の少なくとも一部分は、第1のコネクタ42の少なくとも一部分を覆う。いくつかの実施形態では、ストレインリリーフ18の本体構成部28の外面33の少なくとも一部分は、第1のコネクタ42の外面46全体を覆う。
【0029】
任意の好適な接続手段が、ストレインリリーフ18をハンドル12に結合するために使用され得る。例えば、図1に示すように、医療機器2は第2のコネクタ48も含み得る。本体構成部28内を通って延在する構成要素、例えば医療機器シャフト6及び/又はチューブ38はまた、第2のコネクタ48内を通って又はその内部へ延在し得る。第2のコネクタ48は第1のコネクタ42に結合され得る。第2のコネクタ48は第1のコネクタ42に相補的としてもよく、第1のコネクタ42と第2のコネクタ48が結合され得るようにする。例えば、第1のコネクタ42はネジ付きメスルアーコネクタとし得、及び第2のコネクタ48はネジ付きオスルアーコネクタとし得る。ネジ付きメス及びオスルアーコネクタを用いる例では、それらコネクタは、結合するために螺合される(例えば、図9)。第2のコネクタ48は、ハンドル12に結合され得るか又はハンドル12と一体的に形成され得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、ストレインリリーフ18は、軟質から半硬質材料、例えばプラスチック、ポリウレタン、PEBAX、ポリエチレン、ポリプロピレン、フルオロカーボン重合体、シリコーン、ラテックス、ポリ塩化ビニル、コープループチューブ(cope loop tubing)、同様の生体適合性ポリマー材料、又はそれらの組み合わせから作製され得る。任意の好適な材料は、ストレインリリーフ18を形成するために使用され得、ストレインリリーフ18が、患者の体内に配置された器具4の操縦を容易にするように十分な可撓性があるだけでなく、支持をもたらし且つねじれや分離を防止するために十分な強度も有するようにする。第1及び/又は第2のコネクタ42、48は、それぞれ、ストレインリリーフ18を作製するために使用される材料よりも可撓性が劣る材料から作製され得る。いくつかの実施形態では、コネクタ42、48は、半硬質から硬質プラスチック材料、例えばプラスチック、アクリロニトリルブタジエンスチレン、同様の生体適合性ポリマー材料、又はそれらの組み合わせから作製され得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、医療機器シャフト6の器具4を患者の体内へ向けるようにストレインリリーフ18を使用する前に、既にストレインリリーフ18は医療機器シャフト6に設けられており、それと一緒に保管されていてもよく、ストレインリリーフ18が、医師によって使用されるための準備が整っているようにする。いくつかの実施形態では、ストレインリリーフ18は、医療機器2とは別々に保管されていてもよく、それゆえ、医師は、使用前に、ストレインリリーフ18を医療機器2の医療機器シャフト6に配置する。ストレインリリーフ18を使用するために準備するために、医師は、ストレインリリーフ18の遠位端又は近位端20、22のいずれかを医療機器シャフト6に通し得る。
【0032】
医療機器シャフト6が、器具4を、摘出されるべき対象、又は調べられる、観察される、若しくは相互作用されるべき臨床部位がある、望ましい箇所に向けるために使用され得るように、ユーザが器具4を患者の体内に配置し得る(ガイドワイヤを使用して又は使用せずに挿入され得る)。ユーザは、不要な医療機器シャフト6のねじれ又は、医療機器シャフト6とハンドル12との間の接合部に対する損傷がない状態で、医療処置を施すように医療機器2を操作し得る。
【0033】
使用後、ストレインリリーフ18が、再度、それに続く処置に使用され得るように、ユーザは、医療機器2からストレインリリーフ18を結合解除し得る。ユーザはまた、必要に応じて又は要望通りに、医療機器シャフト6からストレインリリーフ18を除去し得る(例えば、剥がすことによって)。いくつかの実施形態では、ストレインリリーフ18は、例えば、廃棄のために、医療機器シャフト6から剥がされるように構成され得る。ストレインリリーフ18が医療機器シャフト6の遠位端8を望ましい箇所へ向けるために使用された後に、ストレインリリーフ18が医療機器2から除去され得るように、ストレインリリーフ18は、本体構成部28にスリット又はスパイラルカットを含み得る。或いは、ストレインリリーフ18は、処置後に医療機器2と一緒に廃棄され得、1回使用の機器として機能する。
【0034】
本明細書では様々な実施形態を説明したが、本開示は、添付の特許請求の範囲及び等価物の観点を除いて、限定されるものではない。当業者は、特定した構成材料が全ての実施形態において使用され得ることを明白に含め、上述の実施形態に多数の変形及び修正がなされ、コネクタ、ルーメン、窪み(窪みの形状及び/又はパターンのいずれの組み合わせも含む)、及び/又は1つ又は複数の内側チューブを含む構成要素の構造の相対的及び絶対的なサイズも、特許請求の範囲に含まれる全ての実施形態及び代替的な実施形態においていずれの物理的に可能な組み合わせにも組み込まれ得ることを認識するであろう。さらに、本明細書で説明する利点は、必ずしも、唯一の利点ではなく、必ずしも、説明した利点の全てをどの実施形態においても達成することが期待されるわけではない。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図14F
【国際調査報告】