(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-28
(54)【発明の名称】アップリンク制御情報を多重化する方法および関連する装置
(51)【国際特許分類】
H04W 72/04 20090101AFI20221118BHJP
H04L 1/16 20060101ALI20221118BHJP
H04W 72/12 20090101ALI20221118BHJP
【FI】
H04W72/04 136
H04L1/16
H04W72/12 150
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022518925
(86)(22)【出願日】2020-10-07
(85)【翻訳文提出日】2022-03-24
(86)【国際出願番号】 CN2020119860
(87)【国際公開番号】W WO2021068865
(87)【国際公開日】2021-04-15
(32)【優先日】2019-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】518446879
【氏名又は名称】鴻穎創新有限公司
【氏名又は名称原語表記】FG INNOVATION COMPANY LIMITED
【住所又は居所原語表記】Flat 2623,26/F Tuen Mun Central Square,22 Hoi Wing Road,Tuen Mun,New Territories,The Hong Kong Special Administrative Region of the People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ハイハン
(72)【発明者】
【氏名】リン,ワンチェン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ,チャフン
【テーマコード(参考)】
5K014
5K067
【Fターム(参考)】
5K014DA02
5K014FA03
5K067AA13
5K067EE02
5K067EE10
5K067HH28
(57)【要約】
ユーザ機器(UE)がアップリンク制御情報(UCI)を多重化する方法が開示される。方法は、チャネル状態情報(CSI)およびスケジューリング要求(SR)用の低優先度の物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)リソースと、スロット型ハイブリッド自動リピート要求確認(HARQ-ACK)用のPUCCHリソースとを、第1のPUCCHリソースグループにグループ化するステップと、CSIおよびSR用の高優先度のPUCCHリソースと、サブスロット型HARQ-ACK用のPUCCHリソースとを、第2のPUCCHリソースグループにグループ化するステップと、第1のPUCCHリソースグループから、スロット内の第1のPUCCHリソースセットを決定するステップと、スロット内の第1のPUCCHリソースセットに対応するUCIに対して第1のUCI多重化手順を実行することによって、第1のPUCCHリソースの第1の多重化UCIを取得するステップと、第2のPUCCHリソースグループから、スロットのサブスロットにおける第2のPUCCHリソースセットを決定するステップと、スロットのサブスロット内の第2のPUCCHリソースセットに対応するUCIに対して、第2のUCI多重化手順を実行することによって、第2のPUCCHリソースの第2の多重化UCIを取得するステップとを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)がアップリンク制御情報(UCI)を多重化する方法であって、
チャネル状態情報(CSI)およびスケジューリング要求(SR)用の低優先度の物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)リソースと、スロット型ハイブリッド自動リピート要求確認(HARQ-ACK)用のPUCCHリソースとを、第1のPUCCHリソースグループにグループ化するステップと、
CSIおよびSR用の高優先度PUCCHリソースと、サブスロット型HARQ-ACK用のPUCCHリソースとを、第2のPUCCHリソースグループにグループ化するステップと、
前記第1のPUCCHリソースグループから、スロット内の第1のPUCCHリソースセットを決定するステップと、
前記スロット内の前記第1のPUCCHリソースセットに対応するUCIに対して第1のUCI多重化手順を実行することによって、第1のPUCCHリソースの第1の多重化UCIを取得するステップと、
前記第2のPUCCHリソースグループから、前記スロットのサブスロットにおける第2のPUCCHリソースセットを決定するステップと、
前記スロットの前記サブスロット内の前記第2のPUCCHリソースセットに対応するUCIに対して、第2のUCI多重化手順を実行することによって、第2のPUCCHリソースの第2の多重化UCIを取得するステップとを有する方法。
【請求項2】
前記第2のPUCCHリソースと重複しない前記第1のPUCCHリソースに応答して、前記第1のPUCCHリソースの前記第1の多重化UCIを送信するステップをさらに有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のPUCCHリソースと重複するPUSCHリソースに応答して、前記第2のPUCCHリソースの前記第2の多重化UCIを前記PUSCHリソースに多重化するステップと、
前記第1のPUCCHリソースと重複しかつ前記第2のPUCCHリソースと重複しない前記PUSCHリソースに応答して、前記第1のPUCCHリソースの前記第1の多重化UCIを前記PUSCHリソースに多重化するステップとをさらに有する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記スロットの前記サブスロットにある前記PUCCHリソースの第1のシンボルに応答して、前記第2のPUCCHリソースセットにあるPUCCHリソースを決定するステップをさらに有する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
アップリンク制御情報(UCI)を多重化するためのユーザ機器(UE)であって、
コンピュータ実行可能な命令を実行するためのプロセッサと、
プロセッサに結合され、コンピュータ実行可能命令を格納するための非一時的コンピュータ可読媒体とを備えており、
前記コンピュータ実行可能命令は、プロセッサに、
チャネル状態情報(CSI)およびスケジューリング要求(SR)用の低優先度の物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)リソースと、スロット型ハイブリッド自動リピート要求確認(HARQ-ACK)用のPUCCHリソースとを、第1のPUCCHリソースグループにグループ化し、
CSIおよびSR用の高優先度のPUCCHリソースと、サブスロット型HARQ-ACKのためのPUCCHリソースとを、第2のPUCCHリソースグループにグループ化し、
前記第1のPUCCHリソースグループから、スロット内の第1のPUCCHリソースセットを決定するステップと、
前記スロット内の前記第1のPUCCHリソースセットに対応するUCIに対して第1のUCI多重化手順を実行することによって、第1のPUCCHリソースの第1の多重化UCIを取得し、
前記第2のPUCCHリソースグループから、前記スロットのサブスロットにおける第2のPUCCHリソースセットを決定し、
前記スロットの前記サブスロット内の前記第2のPUCCHリソースセットに対応するUCIに対して、第2のUCI多重化手順を実行することによって、第2のPUCCHリソースの第2の多重化UCIを取得することを指示するユーザ機器。
【請求項6】
前記コンピュータ実行可能命令は、前記プロセッサに、
前記第2のPUCCHリソースと重複しない前記第1のPUCCHリソースに応答して、前記第1のPUCCHリソースの前記第1の多重化UCIを送信することをさらに指示する請求項5に記載のUE。
【請求項7】
前記コンピュータ実行可能命令は、前記プロセッサに、
前記第2のPUCCHリソースと重複するPUSCHリソースに応答して、前記第2のPUCCHリソースの前記第2の多重化UCIを前記PUSCHリソースに多重化し、
前記第1のPUCCHリソースと重複しかつ前記第2のPUCCHリソースと重複しない前記PUSCHリソースに応答して、前記第1のPUCCHリソースの前記第1の多重化UCIを前記PUSCHリソースに多重化することをさらに指示する請求項5に記載のUE。
【請求項8】
前記コンピュータ実行可能命令は、前記プロセッサに、
前記スロットの前記サブスロットにある前記PUCCHリソースの第1のシンボルに応答して、前記第2のPUCCHリソースセットにあるPUCCHリソースを決定することをさらに指示する請求項5に記載のUE。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本開示は、2019年10月7日に出願され、“Method and apparatus for UCI multiplexing”と題された米国仮特許出願第62/911529号(以下、「529仮出願」)の利益および優先権を主張する。「529仮出願」の開示は、参照によって本明細書に完全に組み込まれる。
【0002】
〔分野〕
本開示は、一般に無線通信に関し、より詳細にはアップリンク制御情報(UCI:uplink control information)を多重化する方法および関連する装置に関する。
【0003】
〔背景〕
接続されたデバイスの数の大幅な増加およびユーザ/ネットワークトラフィック量の急速な増加に伴って、データ速度、遅延、信頼性、およびモビリティを改善することによって、第5世代(5G:fifth generation)新無線(NR:New Radio)といった次世代無線通信システムのための無線通信の異なる態様を改善するために、様々な努力がなされてきた。
【0004】
5G NRシステムは、拡張モバイルブロードバンド(eMBB:enhanced Mobile Broadband)、大規模マシンタイプ通信(mMTC:massive Machine-Type Communication)、および超信頼性低遅延通信(URLLC:Ultra-Reliable and Low-Latency Communication)といった様々なユースケースに対応して、ネットワークサービスおよびネットワークタイプを最適化するための柔軟性および構成可能性を提供するように設計される。
【0005】
しかしながら、無線アクセスの需要が増加し続けるにつれて、次世代無線通信システムのための無線通信のより一層の改善が必要とされている。
【0006】
本開示は、アップリンク制御情報(UCI)を多重化する方法および関連する装置を提供する。
【0007】
本開示の一局面によれば、ユーザ機器(UE:user equipment)がアップリンク制御情報(UCI)を多重化する方法が提供される。方法は、チャネル状態情報(CSI)およびスケジューリング要求(SR)用の低優先度の物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)リソースと、スロット型ハイブリッド自動リピート要求確認(HARQ-ACK)用のPUCCHリソースとを、第1のPUCCHリソースグループにグループ化するステップと、CSIおよびSR用の高優先度のPUCCHリソースと、サブスロット型HARQ-ACK用のPUCCHリソースとを、第2のPUCCHリソースグループにグループ化するステップと、前記第1のPUCCHリソースグループから、スロット内の第1のPUCCHリソースセットを決定するステップと、前記スロット内の前記第1のPUCCHリソースセットに対応するUCIに対して第1のUCI多重化手順を実行することによって、第1のPUCCHリソースの第1の多重化UCIを取得するステップと、前記第2のPUCCHリソースグループから、前記スロットのサブスロットにおける第2のPUCCHリソースセットを決定するステップと、前記スロットの前記サブスロット内の前記第2のPUCCHリソースセットに対応するUCIに対して、第2のUCI多重化手順を実行することによって、第2のPUCCHリソースの第2の多重化UCIを取得するステップとを有する。
【0008】
本開示の他の局面によれば、UCIを多重化するためのUEが提供される。UEは、コンピュータ実行可能な命令を実行するためのプロセッサと、プロセッサに結合され、コンピュータ実行可能命令を格納するための非一時的コンピュータ可読媒体とを備えており、コンピュータ実行可能命令は、プロセッサに、上述した方法を実行することを指示する。
【0009】
〔図面の簡単な説明〕
例示的な開示の態様は、添付の図面と共に読まれるとき、以下の詳細な説明から最も良く理解される。様々な特徴は、一定の縮尺で描かれておらず、様々な特徴の寸法は、議論を明確にするために任意に増減されてもよい。
【0010】
図1および
図2は、本開示の実装に係る、スロット型HARQ-ACK PUCCHおよびサブスロット型HARQ-ACK PUCCHにおける物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)のタイミング要件を示す模式図である。
【0011】
図3は、本開示の実施態様による、サブスロットHARQ-ACK PUCCHのグループ化を示す模式図である。
【0012】
図4は、本開示の実装に係る、PUCCHリソースセットQの構築を示す模式図である。
【0013】
図5は、本開示の実装に係る、UCIを多重化するための方法を示すフローチャートである。
【0014】
図6は、本開示の実装に係る、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHと重複するスロット型HARQ-ACK PUCCHを示す模式図である。
【0015】
図7は、本開示の実装に係る、スロット型HARQ-ACK PUCCHと重複するサブスロット型HARQ-ACK PUCCHを示す模式図である。
【0016】
図8は、本開示の実装に係る、サブスロットHARQ-ACK PUCCHとグループ化されたPUCCHリソースを示す模式図である。
【0017】
図9は、実装に係る、無線通信のためのノードを示すブロック図である。
【0018】
〔詳細な説明〕
以下の説明は、本開示における一例としての実装形態に関連する特定の情報を含む。本開示における図面およびそれらの添付の詳細な説明は、単に例としての実装形態を対象としている。しかし、本開示は、これらの例としての実装形態のみに限定されるものではない。本開示の他の変形例および実装形態は、当業者には想起されるであろう。特に断らない限り、複数の図中の同様のまたは対応する要素は、同様のまたは対応する参照番号によって示され得る。さらに、本開示における図面および図示は、ほとんどの場合、一定の縮尺ではなく、実際の相対的な寸法に対応することを意図していない。
【0019】
一貫性および理解の容易のために、同様の特徴は、例示的な図において同じ数字によって識別され得る(ただし、いくつかの例において、示されていない)。しかしながら、異なる実装形態における特徴は、他の点で異なっていてもよく、したがって図面に示されるものに狭く限定されるものではない。
【0020】
用語「一実装では(in one implementation)」および「いくつかの実装では(in someimplementations)」は、それぞれ、1つ以上の同一または異なる実装を示す。用語「接続した(coupled)」は介在する構成要素を介して直接的または間接的であるかにかかわらず、接続されることと定義されるが、物理的な接続に必ずしも限定されない。「備える(comprise)」という単語は、使用される場合、「含む(include)、が限定するわけではない、」を意味するが、このように記載された組み合わせ、グループ、系列、および均等物におけるオープンエンド包括またはメンバーシップを具体的に示す。
【0021】
本明細書中の用語「および/または」は、関連するオブジェクトを記述するための関連した関係のみであり、3つの関係が存在し得ることを表し、例えば、Aおよび/またはBは以下を表すことができる。Aは単独で存在し、AおよびBは同時に存在し、Bは単独で存在する。さらに、本明細書中で使用される文字「/」は、前者および後者の関連する物体が「または」関係にあることを一般に表す。
【0022】
さらに、本開示における以下の段落、(サブ)箇条、ポイント、アクション、動作、用語、代替案、例、または請求項のうちの任意の2つ以上を論理的、合理的、かつ適切に組み合わせて、特定の方法を形成することができる。本開示における任意の文、段落、(サブ)弾丸、ポイント、動作、用語、または請求項は、特定の方法を形成するために独立かつ別々に実施されてもよい。本開示における従属性、例えば、「に基づいて」、「より具体的に」、「好ましくは」、「一実施形態において」、「一実装において」、「一代替案において」は、特定の方法を制限しないであろう、ただ一つの可能な例に言及してもよい。
【0023】
説明および非限定の目的のために、機能エンティティ、技法、プロトコル、規格などの具体的な詳細が、開示される技術の理解を実現するために開示される。他の例において、不必要な詳細で開示を不明瞭にしないように、周知の方法、技術、システム、およびアーキテクチャの詳細な説明は、省略される。
【0024】
当業者は、開示された任意のネットワーク機能(複数種類可)またはアルゴリズム(複数種類可)が、ハードウェア、ソフトウェア、またはソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって実装されてもよいことを理解するだろう。開示される機能は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせであり得るモジュールに対応し得る。ソフトウェアの実装形態は、メモリまたは他の種類の記憶装置などのコンピュータ読み取り可能媒体に記憶されたコンピュータ実行可能命令を備えてもよい。例えば、通信処理能力を有する1つまたは複数のマイクロプロセッサまたは汎用コンピュータを、対応する実行可能命令を用いてプログラムし、開示されたネットワーク機能(複数種類可)またはアルゴリズム(複数種類可)を実行することができる。マイクロプロセッサまたは汎用コンピュータは、特定用途向け集積回路(ASIC:Applications Specific Integrated Circuitry)、プログラマブルロジックアレイ、および/または1つまたは複数のデジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processors)を使用して形成することができる。開示された実装形態のいくつかは、コンピュータハードウェア上にインストールされ実行されるソフトウェアを指向しているが、それにもかかわらず、ファームウェアとして、またはハードウェアとして、またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして実装される代替の実施例は、本開示の範囲内に十分にある。
【0025】
コンピュータ読み取り可能媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)、読み取り専用メモリ(ROM:Read Only Memory)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM:Erasable Programmable Read-Only Memory)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM:Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリ、コンパクトディスク(CD:Compact Disc)読み取り専用メモリ(CD-ROM:Compact Disc Read-Only Memory)、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置、またはコンピュータ読み取り可能命令を記憶可能な他の任意の同等の媒体を含んでもよいが、これらに限定されなくてもよい。
【0026】
無線通信ネットワークアーキテクチャ(例えば、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)システム、LTE-アドバンスト(LTE-A:LTE-Advanced)システム、LTE-アドバンストプロシステム、またはNRシステム)は、通常、少なくとも1つの基地局(BS:base station)、少なくとも1つのUE、およびネットワークへの接続を提供する1つまたは複数のオプションのネットワーク要素を含んでもよい。UEは、1つまたは複数のBSによって確立された無線サクセスネットワーク(RAN)を介して、ネットワーク(例えば、コアネットワーク(CN:Core Network)、エボルブドパケットコア(EPC:Evolved Packet Core)ネットワーク、エボルブドユニバーサルテレストリアル無線アクセスネットワーク(E-UTRAN:Evolved Universal Terrestrial Radio Access network)、次世代コア(NGC:Next-Generation Core)、5Gコア(5GC:5G Core)、またはインターネット)と通信してもよい。
【0027】
なお、本出願において、UEとしては移動局、携帯端末または携帯機器、ユーザ通信無線端末が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、UEは、携帯無線機器であってもよく、携帯電話、タブレット、ウェアラブルデバイス、センサ、車両、または無線通信能力を有する携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)を含むが、これらに限定されない。UEは、無線アクセスネットワークにおける1つまたは複数のセルに、エアーインターフェース上で、信号を送受信するように構成されていてもよい。
【0028】
BSは、ユニバーサルモバイル通信システム(UMTS:Universal Mobile Telecommunication System)におけるノードB(NB:node B)、LTEまたはLTE-AにおけるエボルブドノードB(eNB:evolved node B)、UMTSにおける無線ネットワークコントローラ(RNC:Radio Network Controller)、モバイル通信のためのグローバルシステム(GSM:Global System for Mobile communications)/GSMエボリューションのためのGSMエンハンスデータレート(EDGE:Enhanced Data rates for GSM Evolution)RAN(GERAN:GSM Enhanced Data rates for GSM Evolution (EDGE) RAN))における基地局コントローラ(BSC:Base Station Controller)、5GCに関連するエボルブドユニバーサルテレストリアル無線アクセス(E-UTRA:Evolved Universal Terrestrial Radio Access)BSにおける次世代eNB(ng-eNB:next-generation eNB)、5G-RAN(または5G-アクセスネットワーク(5G-AN:5G Access Network)における次世代ノードB(gNB:generation Node B)、およびセル内の無線通信を制御し、無線リソースを管理することができる任意の他の装置を含んでもよいが、これらに限定されない。BSは、ネットワークへの無線インターフェースによって、1つまたは複数のUEにサービスを提供するように接続してもよい。
【0029】
BSは、以下の無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technologies):マイクロ波アクセスのためのワールドワイド相互運用(WiMAX:Worldwide Interoperability for Microwave Access)、GSM(しばしば2Gと呼ばれる)、GERAN、汎用パケット無線サービス(GRPS:General Packet Radio Service)、基本広帯域コード分割多元アクセス(W-CDMA:Wideband-Code Division Multiple Access)に基づいたUMTS(しばしば3Gと呼ばれる)、高速パケットアクセス(HSPA:High-Speed Packet Access)、LTE、LTE-A、進化型LTE(eLTE:enhanced LTE)、NR(しばしば5Gと呼ばれる)、および/またはLTE-A Pro内の少なくとも1つに従った通信サービスを提供するように構成されてよい。しかしながら、本開示の範囲は、これらのプロトコルに限定されるべきではない。
【0030】
BSは、RANを形成する複数のセルを使用して、特定の地理的エリアに無線カバレッジを提供するように動作可能であってもよい。BSは、セルの動作をサポートしてもよい。各セルは、その無線カバレッジ内の少なくとも1つのUEにサービスを提供するように動作可能でありうる。より具体的には、各セル(しばしばサービングセルと称される)は、その無線カバレッジ内の1つまたは複数のUEにサービスを提供しうる。例えば、各セルは、ダウンリンク(DL:downlink)リソースおよび随意的なアップリンク(UL:uplink)リソースを、DLパケット送信および随意的なULパケット送信のために、その無線カバレッジ内の少なくとも1つのUEにスケジュールする。BSは、複数のセルを介して無線通信システム内の1つまたは複数のUEと通信しうる。セルは、近接サービス(ProSe:Proximity Service)、LTEサイドリンク(SL:Sidelink)サービス、およびLTE/NR V2X(Vehicle-to-Everything)サービスをサポートするSLリソースを割り当てることができる。各セルは、他のセルと重複したカバレッジエリアを有してもよい。
【0031】
マルチラット双方向接続(MR-DC:Multi-RAT Dual Connectivity)の場合、マスターセルグループ(MCG:Master Cell Group)またはセカンダリセルグループ(SCG:Secondary Cell Group)のプライマリセルをスペシャルセル(SpCell:Special Cell)と呼ぶことがある。プライマリセル(PCell:Primary Cell)は、MCGのSpCellを指す場合がある。プライマリSCGセル(PSCell:Primary SCG Cell)は、SCGのSpCellを指す場合がある。MCGは、SpCellと、任意に1つ以上のセカンダリセル(SCell:Secondary Cell)とからなる、マスターノード(MN:Master Node)に関連するサービングセルのグループを指す場合がある。SCGは、SpCellと、任意に1つ以上のSCellからなる、セカンダリノード(SN:Secondary Node)に関連するサービングセルのグループを指すことがある。
【0032】
前述したように、NRのためのフレーム構造は、高信頼性、高データ速度、および低遅延性の要件を満たしながら、eMBB、mMTC、URLLCといった様々な次世代(例えば、5G)通信要件に対応するための柔軟な構成をサポートすることである。第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:the 3rd Generation Partnership Project)において合意された直交周波数分割多重化(OFDM:Orthogonal Frequency-Division Multiplexing)技術は、NR波形のための基準として提供してよい。適応サブキャリア間隔、チャネル帯域幅、およびサイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)といったスケーラブルなOFDMニューメロロジーは、使用されてもよい。さらに、NRには、(1)低密度パリティ検査(LDPC:Low-Density Parity-Check)符号、および(2)ポーラ符号の2つの符号化方法が、考慮される。符号化スキームの適用は、チャネル条件および/またはサービスアプリケーションに基づいて設定されてもよい。
【0033】
さらに、単一のNRフレームの送信時間間隔において、少なくともDL送信データ、ガード期間、およびUL送信データは含まれるべきであり、DL送信データ、ガード期間、およびガード期間のそれぞれの部分において、UL送信データはまた、例えば、NRのネットワークダイナミクスに基づいて設定可能であるべきであることも考慮される。一方、SLリソースは、ProSeサービスまたはV2Xサービスをサポートするために、NRフレームを通じて提供されてもよい。
【0034】
NRでは、スケジューリング決定を行うために、gNBによって複数のタイプのUCIが使用されてもよい。そのうちのいくつかは動的にスケジューリングされ(例えば、ハイブリッド自動リピート要求確認(HARQ-ACK:hybrid automatic repeat request acknowledgement))、いくつかは半静的に設定される(例えば、周期的なチャネル状態情報(P-CSI:periodic channel state information))。遅延要件およびリソースの利用可能性などのために、gNBが他のUCIが設定されていないスロットに常にUCIをスケジュールすることは困難である。そこで、Rel-15NRでは、複数の物理アップリンク制御チャネル(PUCCH:physical uplink control channel)が時間的に重複している場合にUCIを多重化しかつ廃棄し、一度に一つのPUCCHまたは物理アップリンク共有チャネル(PUSCH:physical uplink shared channel)を送信するルールが規定されている。
【0035】
NRでは、異なるPUCCHは、スロット内の異なる開始シンボルによって構成されてもよい。同様に、PUSCHもスロット内で異なる開始シンボルでスケジュールすることができる。多重化手順は、以下のステップを反復して実行する。まず、スロット内で最も早い開始シンボルと最も長い継続時間を有する第1のPUCCHが決定され、第1のPUCCHと重複する第1のPUCCHグループが決定される。第2に、第1のPUCCHと重複するPUCCHグループから、第1のPUCCHと重複するPUCCHグループの多重化UCIを搬送する第2のPUCCH(第1のPUCCHと同じでも異なってもよい)が決定される。第3に、次に、多重化手順は、スロット内の残りのPUCCHリソースから、第2のPUCCHと重複する第2のPUCCHのグループがあればそれを決定し、第2のPUCCHと重複する第2のPUCCHのグループから多重化UCIを運ぶ第3のPUCCH(第2のPUCCHと同じでも異なってもよい)を決定するために進行する。この多重化手順は、最大で2つの非重複PUCCHが決定されるまで反復して実行される。多重化UCIおよび多重化UCIを搬送するPUCCHが決定された後、UEは、多重化UCIを搬送するPUCCHが時間領域においてPUSCHと重複する場合、PUSCH上で多重化UCIを多重化する。
【0036】
さらに、gNBによって行われるスケジューリングは、重複するPUCCHおよびPUSCHが特定のタイムライン要件を満たすことを保証する必要がある。タイムライン要件は、スケジューリングされたダウンリンク制御情報(DCI:downlink control information)およびPDSCHの終了時刻から重複するPUCCHのグループの開始時刻までの時間が、UEが受信したDCIおよびPDSCHを処理し、多重化手順のためにUCIを準備するために十分な時間であることを保証するために適用される。
【0037】
さらに、Rel-16NRでは、HARQ-ACK情報を伝送するためのサブスロット型HARQ-ACK PUCCHを導入することが、合意されている。サブスロットHARQ-ACK PUCCHは、高優先度のトラフィックのHARQ-ACKコードブックを伝送するために使用されてもよい。1スロットは、14シンボルによって構成されてもよい。サブスロット設定は、7シンボルによって構成されてもよいし(すなわち、1スロットに含まれるサブスロットは2つである)、2シンボルによって構成されてもよい(すなわち、1スロットに含まれるサブスロットは7つである)。各サブスロットは、同じPUCCHリソース設定を適用することができる。PUCCHリソース設定は、UEとgNBとの間でRRC接続が確立されたときにgNBが送信する無線リソース制御(RRC:radio resource control)設定メッセージ内のPUCCH-Configで運ばれてもよい。サブスロットHARQ-ACK PUCCHの開始シンボルの設定は、サブスロットHARQ-ACK PUCCHの送信が開始されるサブスロットの最初のシンボルに対するものであってよい。サブスロットHARQ-ACK PUCCHの送信が開始されるサブスロットは、PUCCHに対応するPDSCHのDCIスケジューリングによって示されてもよく、PUCCHに対応する半永続スケジューリング(SPS:semi-persistent scheduling)PDSCHのRRC設定において設定されてもよい。サブスロットHARQ-ACK PUCCHの長さの設定では、サブスロットHARQ-ACK PUCCHの最後のシンボルが、サブスロットHARQ-ACK PUCCHの送信が開始されるサブスロットと同じサブスロットまたは異なるサブスロットに位置してもよい。Rel-16NRでは、1つのスロットにおいて1つ以上のHARQ-ACK PUCCHを送信することが可能であり、高優先度のHARQ-ACKコードブックには1つ以上のHARQ-ACK PUCCHを送信することが可能であり、低優先度のHARQ-ACKコードブックには1つのHARQ-ACK PUCCHを送信することが可能である。その結果、UCI多重化手順がどのように行われるのかが不明である。検討すべき課題は2つある。
【0038】
〔課題1〕
サブスロット型HARQ-ACK PUCCHの導入により、UCI多重化手順は、スロット型HARQ-ACK PUCCHとサブスロット型HARQ-ACK PUCCHとの両方を含む可能性がある。スロット型HARQ-ACK PUCCH、サブスロット型HARQ-ACK PUCCH、およびスロット内で他の種類のUCIを運ぶPUCCHに対して、Rel-15のように一つのUCI多重化手順を直接適用すると、何らかのスケジューリング制限が生じる場合がある。したがって、スロット型HARQ-ACK PUCCHとサブスロット型HARQ-ACK PUCCHとに対して、別々のUCI多重化手順を検討する必要がある。スロット型HARQ-ACK PUCCHとサブスロット型HARQ-ACK PUCCHとに別々にUCI多重化手順を適用すると、UCI多重化手順を行う順番が不定になる。したがって、他の種類のUCIを搬送するPUCCHをどの多重化手順で多重化するかについても、開示される必要がある。
【0039】
〔課題2〕
サブスロットHARQ-ACKは、URLLCトラフィックに使用されるため、重複するPUCCHグループに対するタイムライン要件は、スケジューリングの柔軟性を制限し、待ち時間を増加させる可能性がある。したがって、タイムライン要件は緩和されるべきである。また、タイムライン要件の緩和によるUCI多重化手順への影響も規定する必要がある。
【0040】
一方、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHおよびスロット型HARQ-ACK PUCCHは、異なる処理能力に対応する可能性がある。したがって、UCI多重化手順に影響を与える可能性がある。加えて、HARQ-ACK PUCCHの順不同送信が発生する可能性がある。すなわち、高優先度のPDSCHは低優先度のPDSCHの後に到着するが、対応するHARQ-ACK PUCCHは逆順である。その結果、低優先度のPDSCHに対する処理が影響を受ける可能性があり、低優先度のトラフィックのHARQ-ACK PUCCHとの重複グループに対するUCI多重化手順のタイムラインも、影響を受ける。
【0041】
より少ないPUCCH廃棄でUCI多重化手順をより効率的にするためには、スロット型HARQ-ACK PUCCHおよびサブスロット型HARQ-ACK PUCCHによってPUCCHをグループ化することが有益である。したがって、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHとグループ化されたPUCCHと、スロット型HARQ-ACK PUCCHとグループ化されたPUCCHとで、UCI多重化手順を別々に実行することができる。
【0042】
〔UCIグループ化の原則〕
一実装では、グループ化は、UCIのためのPUCCHの持続時間に基づく。PUCCHの持続時間がサブスロットの時間単位よりも長い場合、PUCCHは、スロット型HARQ-ACK PUCCHとグループ化される。PUCCHの継続時間がサブスロットの時間単位に等しいか短い場合、PUCCHは、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHとグループ化される。PUCCHの持続時間が閾値(例えば、NWによって設定された時間単位)よりも長い場合、PUCCHは、スロット型HARQ-ACK PUCCHとグループ化される。PUCCHの持続時間が閾値(例えば、NWによって設定された時間単位)に等しいか短い場合、PUCCHは、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHとグループ化される。
【0043】
一実装では、グループ化機構は、UCIに対するPUCCHの持続時間に基づく。PUCCHの持続時間がサブスロットの時間単位よりも長い場合、PUCCHは、スロット型HARQ-ACK PUCCHとグループ化される。PUCCHの持続時間がサブスロットの時間単位に等しいか短い場合、PUCCHは、スロット型HARQ-ACK PUCCHとサブスロット型HARQ-ACK PUCCHの両方とグループ化される。PUCCHの持続時間が閾値(例えば、NWによって設定される時間単位)よりも長い場合、PUCCHは、スロット型HARQ-ACK PUCCHとグループ化される。PUCCHの持続時間が閾値(例えば、ネットワーク(NW:network)によって設定された時間単位)に等しいか短い場合、PUCCHは、スロット型HARQ-ACK PUCCHおよびサブスロット型HARQ-ACK PUCCHの両方とグループ化される。
【0044】
一実装では、グループ化機構は、UCIの優先度に基づく。UCIの優先度が閾値よりも高い場合、UCIは、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHとグループ化される。UCIの優先度が閾値と同じか低い場合、UCIは、スロット型HARQ-ACK PUCCHとグループ化される。閾値は、固定値(例えば、0)であってもよい。UCIの優先度は、gNBから受信したDL無線リソース制御(RRC:radio resource control)メッセージに含まれる情報要素(IE:Information Element)によって設定されてもよいが、これらに限定されない。優先度は、値によって示されてもよい。例えば、小さい値は低優先度を表す。
【0045】
一実装では、グループ化機構は、UCIの優先度に基づく。UCIの優先度が閾値よりも高い場合、UCIは、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHとグループ化される。UCIの優先度が閾値と同じか低い場合、UCIは、スロット型HARQ-ACK PUCCHとグループ化される。
【0046】
一実装では、グループ化機構は、UCIのためのPUCCHフォーマットに基づく。例えば、リソースがUCIのための短いPUCCHフォーマット(例えば、PUCCHフォーマット0またはPUCCHフォーマット2)を含む場合、UCIは、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHとグループ化される。リソースがUCIのための長いPUCCHフォーマット(例えば、PUCCHフォーマット1、PUCCHフォーマット3、またはPUCCHフォーマット4)を含む場合、UCIは、スロット型HARQ-ACK PUCCHとグループ化されるか、または、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHおよびスロット型HARQ-ACK PUCCHとグループ化される。
【0047】
一実装では、グループ化機構は、PUCCHリソースがサブスロット設定によって設定されるか否かに基づいている。UEは、サービングセルまたはUL帯域幅パート(BWP:bandwidth part)に対して複数のサブスロット設定によって設定されてもよい。1つのサブスロット設定は、各サブスロットに含まれるシンボルの数を示すことができるが、これに限定されるものではない。サブスロット設定は、PUCCHリソース設定と関連付けられてもよい。例えば、PUCCH-Configにはサブスロット設定が設定されており、このサブスロット設定は、PUCCH-Configに設定されているすべてのPUCCHリソースに適用される。PUCCHリソース設定を適用する指示であるUCIは、PUCCHリソースに関連するサブスロット設定を適用する暗黙の指示であってよい。例えば、サブスロット設定がPUCCHリソースに設定された場合、PUCCHリソースは、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHとグループ化される。サブスロット設定がPUCCHリソースに設定されない場合、PUCCHリソースは、スロット型HARQ-ACK PUCCHとグループ化されるか、または、スロット型およびサブスロット型HARQ-ACK PUCCHとグループ化される。
【0048】
本実装の一例では、サブスロット設定は、特定のサブスロット設定(例えば、1スロット内の7つの2シンボルサブスロットまたは1スロット内の2つの7シンボルサブスロット)を参照してもよいことに留意されたい。特定の設定は、設定されたインデックスに対応してもよいことに留意されたい。
【0049】
本実装の一例では、同じサブスロット設定が適用されるUCI用PUCCHのみがグループ化されてもよい。
【0050】
一実装では、グループ化機構は、UCIのタイプに基づく。例えば、特定のタイプのUCI(例えば、スケジューリング要求(SR:Scheduling Request))は、サブスロットに基づくHARQ-ACK PUCCHとグループ化されてもよい。UCIの別の特定のタイプ(例えば、CSI)は、スロット型HARQ-ACK PUCCHとグループ化されてもよい。UCIの特定のタイプは、優先度で設定されてもよい。UEは、特定のタイプのUCIを、スロット型HARQ-ACK PUCCHとグループ化するか、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHとグループ化するかを、優先度に従って決定することができる。
【0051】
いくつかの実装では、PUCCHは、スロット型HARQ-ACK PUCCHとサブスロット型HARQ-ACK PUCCHとの両方とグループ化されてもよい。あるいは、PUCCHは、ある条件(例えば、UE能力の表示)の下で、スロット型HARQ-ACK PUCCHとサブスロット型HARQ-ACK PUCCHとの両方と同時にグループ化されてもよい。スロット型HARQ-ACK PUCCHとサブスロット型HARQ-ACK PUCCHとの両方でグループ化されたPUCCHを、スロット型HARQ-ACK PUCCHまたはサブスロット型HARQ-ACK PUCCHと多重化するか否かは、重複するPUCCHの遅延、信頼性、およびPUCCHフォーマット容量によって決定される。多重化はさらに、2つのグループの多重化手順の順序、および/またはスロット型HARQ-ACK PUCCHまたはサブスロット型HARQ-ACK PUCCHがスケジュールされているか否かに依存してもよい。
【0052】
前述したように、UCIの優先度は、グループ化のために適用されてもよい。一例では、HARQ-ACK PUCCHの優先度は、対応するPDSCHをスケジュールするDCIにおける関連するHARQ-ACKコードブックの優先度表示に基づいている。優先度指示は、DCIフォーマット、巡回冗長検査(CRC:cyclic redundancy check)のスクランブルに使用される無線ネットワーク一時識別子(RNTI:Radio Network Temporary Identity)、または制御リソースセット(CORESET:control resource set)もしくはDCIが送信される検索空間に従って暗黙的に行われてもよく、またはDCIコンテンツによって明示的に行われてもよい。
【0053】
一例では、HARQ-ACK PUCCHの優先度は、HARQ-ACK PUCCHに対する予め定義された値に基づいている。予め定義された値は、UCIの優先度を決定する上位レイヤによって設定されてもよい。より具体的には、インデックスが高いほど優先度が高いことを示していてもよい。予め定義された値は、HARQ-ACK PUCCHのPUCCHフォーマットに関連付けられた固定値であってよい。
【0054】
一例では、CSIの優先度は、CSIレポートに対する優先度規則に基づいている。CSIの優先度は、CSIレポートの設定(例えば、CSI-ReportConfig)において設定されてもよい。CSIの優先度は、CSIの種類(例えば、非周期的CSI、半永続的CSIなど)によって決定されてもよい。また、CSIの優先度は、CSIの内容に応じて決定されてもよい。一例では、CSIを搬送するPUCCHリソースに対して設定または優先度の表示が提供されない場合、CSIの優先度は低優先度である。
【0055】
一例では、SRの優先度は、SR手順をトリガする論理チャネルの優先度(例えば、LogicalChannelConfigで設定された優先度)に基づく。例えば、SR ID #1を有するSR設定#1は、優先度#1の論理チャネルによってトリガされ、SR ID #2を有する別のSR設定#2は、優先度#2の論理チャネルによってトリガされてもよい。なお、バッファ状態レポート(BSR:Buffer Status Report)をトリガする論理チャネルのSR設定は、トリガされたSRに対応するSR設定とみなされる。例えば、SR設定#1は、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHとグループ化されてもよい。SR設定#2は、スロット型HARQ-ACK PUCCHとグループ化されてもよい。より具体的には、SR設定の優先度は、メディアアクセス制御(MAC:Media Access Control)層から物理(PHY:physical)層へ示され得る。一例では、SRの優先度は、SRを搬送するPUCCHリソースのRRC設定によって提供されてもよい。
【0056】
前述したように、グループ化のために閾値が適用されてもよい。一例では、閾値は、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHの優先度に等しい。
【0057】
一例では、閾値は、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHの優先度にオフセットを加えたものに等しい。
【0058】
一例では、閾値は、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHの優先度とスケーリング係数との積に等しい。スケーリング係数は、設定値または固定値であればよい。
【0059】
一例では、閾値は、スロット型HARQ-ACK PUCCHの優先度に等しい。
【0060】
一例では、閾値は、スロット型HARQ-ACK PUCCHの優先度にオフセットを加えたものに等しい。
【0061】
一例では、閾値は、スロット型HARQ-ACK PUCCHの優先度とスケーリング係数との積に等しい。スケーリング係数は、設定値または固定値であってよい。
【0062】
オフセットおよびスケーリング係数は、上位レイヤによって設定されてもよい。オフセットおよびスケーリング係数は、HARQ-ACK PUCCHと他のタイプのPUCCHとの優先度値の範囲が異なる場合に使用される。例えば、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHに対する優先度値が「1」であり、スロット型HARQ-ACK PUCCHに対する優先度値が「2」であり、かつSR PUCCHの優先度値が「1」~「16」である場合、HARQ-ACK PUCCHとのSRグループ化の閾値を、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHの優先度にスケーリング係数(例えば、8)を乗じて設定すればよい。したがって、優先度値が「8」よりも低いSR PUCCHは、優先度値が「1」のサブスロット型HARQ-ACK PUCCHとグループ化されてもよい。優先度値は、PUCCH設定、DCIフィールド、または3GPP仕様で予め定義されたもので設定されてもよいことに留意されたい。
【0063】
一例として、閾値は、UL BWPごとにgNBによって個別に設定され、閾値が設定されない場合、UEは、3GPP仕様で事前に定義されたデフォルト値を適用してもよい。
【0064】
〔Qセット構築〕
Rel-15NRでは、UCI多重化のためにスロット内にPUCCHリソースセットQ(例えば、Qセット)が構築され、スロット内のQセット内のPUCCHリソースに対してUCI多重化手順が適用される。スロット内で複数の多重化手順を実行するために、複数のQセットが構築されてもよい。一実装では、2つのQセットが構築され、各Qセットは、先に開示した2つのグループのそれぞれを含む。一方のQセットは、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHを有するグループのPUCCHリソースを含み、Q1セットと表記され、他方のQセットは、スロット型HARQ-ACK PUCCHを有するグループのPUCCHリソースを含み、Q2セットと表記される。各スロットには、1つのQ1セットおよび1つのQ2セットが存在する。
【0065】
1つの実装では、1つのQセットは、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHを有するグループに対するスロットの各サブスロットに構築され、Q1セットと表記され、1つのQセットは、スロット型HARQ-ACK PUCCHを有するグループに対するスロット内に構築され、Q2セットと表記される。1つ以上のQ1セットおよび1つのQ2セットが、各スロットに存在する。本実装の一例では、最初のサブスロット以外のサブスロットのQ1セットは、先のサブスロットのPUCCH決定が行われた後に構築されてもよく、先のサブスロットのQ1セットから決定される他のPUCCHと重複するPUCCHが含まれなくてもよい。Q1セットは、サブスロットに対して構築されなくてもよい。
【0066】
ある実装では、スロットの各サブスロットに2つのQセットが構築される。Qセットのうちの1つは、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHを有するグループ用であり、Q1セットと表記され、Qセットのうちの1つは、スロット型HARQ-ACK PUCCHを有するグループ用であり、Q2セットと表記される。1つ以上のQ1セットおよび1つ以上のQ2セットが、各スロットに存在する。一例では、Q1セットは、第1のサブスロット以外のサブスロット用であり、以前のサブスロットのPUCCH決定が行われた後に構築されてもよく、先のサブスロットのQ1セットから決定された他のPUCCHと重複するPUCCHは含まれなくてもよい。最初のサブスロット以外のサブスロットのQ2セットの構築については、先のサブスロットにおけるQ1セットから決定された他のPUCCHと重複するPUCCHは含まれない。Q1セットまたはQ2セットは、サブスロットに対して構築されなくてもよい。
【0067】
ある実装では、サブスロットのQ1セット構築は、サブスロットの最も早い開始シンボルを持つPUCCHに基づいて行われる。PUCCHが非HARQ-ACK PUCCHであり、PUCCHが少なくとも1つのサブスロットに基づくHARQ-ACK PUCCHと重複する場合、最新の終了シンボルを有する1つのサブスロットに基づくHARQ-ACK PUCCHが参照PUCCHとして使用される。参照と重複する他の非HARQ-ACK PUCCHも、サブスロットのQ1セットに含まれる。サブスロットに基づくHARQ-ACK PUCCHが、サブスロットの最も早い開始シンボルを有する非HARQ-ACK PUCCHと重複する場合、複数のサブスロットに基づくHARQ-ACK PUCCHがQ1セットに含まれ得ることに留意されたい。
【0068】
一実装では、サブスロットのためのQ2セット構築は、サブスロット内の最も早い開始シンボルを有するPUCCHに基づく。PUCCHが非HARQ-ACK PUCCHであり、PUCCHが少なくとも1つのスロット型HARQ-ACK PUCCHに重複する場合、最新の終了シンボルを有する1つのスロット型HARQ-ACK PUCCHが参照PUCCHとして使用される。また、参照と重複する他の非HARQ-ACK PUCCHも、サブスロットのQ2セットに含まれる。複数のスロット型HARQ-ACK PUCCHは、サブスロットにおける最も早い開始シンボルを持つ非HARQ-ACK PUCCHと重複する場合、Q2セットに含まれる可能性があることに、留意されたい。
【0069】
一実装では、PUCCHリソースがサブスロットHARQ-ACK PUCCHとグループ化され、PUCCHリソースの最初のシンボルがサブスロットにある場合、PUCCHリソースは、サブスロットのQ1セットに含まれる。
【0070】
一実装では、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHを有するグループからPUCCHと、スロット型HARQ-ACK PUCCHを有するグループからのPUCCHとを含む1つのQセットは、スロット内に構築される。
【0071】
一実装では、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHを有するグループからのPUCCHとスロット型HARQ-ACK PUCCHを有するグループからのPUCCHを含む1つのQセットが、スロットの各サブスロットで構築される。
【0072】
一実装では、多重化タイムライン要件に適合したPUCCHのみが、Qセットに含まれる。Qセットから決定されたPUCCHは、Qセットに含まれない他のPUCCHと重複し、かつ他のPUCCHが優先される場合、廃棄されてもよい。
【0073】
〔全体的な多重化/優先度付け手順〕
一実装では、異なるQセットに対して別々の多重化手順が実行される。ここで、多重化手順は、Rel-15NRと同様にQセットに対して実行され、あるQセットに対して実行された多重化手順は、他のQセットに対する多重化手順に影響を及ぼさない。つまり、Qセットが構築されると、他のQセットの多重化の進捗に関わらず、そのQセットに対して多重化手順が実行され、あるいは、そのQセット内のPUCCHリソースが他のQセットと重複しても、そのQセットに対して多重化手順が実行される。
【0074】
一実装では、異なるQセットに対して別々の多重化手順が実行され、Rel-15NRのようにQセットに対して多重化手順が実行され、1つのQ1セットに対して実行された多重化手順は、1つ以上のQ2セットに対する多重化手順に影響を与える。例えば、Q2セットのPUCCHが、Q1セットから決定されたPUCCHと重複する場合、Q2セットのPUCCHは、Q2セットから除外されてもよい。他の例として、1つのスロットに対して1つのQ2セットが構築される場合、Q2セットにおいて重複するPUCCHのグループに対して多重化判定を行うタイミングは、重複するPUCCHのグループの開始前にサブスロット内のQ1セットに対して多重化判定が行われた後であってもよい。
【0075】
QセットからPUCCHに多重化されるUCIが決定された後、そのPUCCHがPUSCHと重複しているか否かが判断される。PUCCHがPUSCHと重複している場合、タイムライン要件がチェックされ、タイムライン要件が満たされる場合、達成可能遅延および信頼性のさらなる決定が行われ、UCIがPUSCHに多重化されるか、またはチャンネルのうちの1つがド廃棄されるかを決定することが可能である。一例では、決定されたUCIがPUSCH上に多重化され得るか否かは、PUSCHが搬送するデータパケットの論理チャネルの優先度に依存する。
【0076】
1つ以上のQセットから1つ以上のPUCCHが決定され、PUCCHがPUSCHと重複する場合、PUSCHにUCIを多重化するか、PUSCHを破棄するかは、先に決定されたPUCCHで確認されてもよい。また、1つ以上のQセットから1つ以上のPUCCHが同時に決定された場合、PUSCHにUCIを多重化するか、PUSCHを廃棄するかは、より高優先度のPUCCHで確認してもよい。
【0077】
スロット型HARQ-ACK PUCCHを有するグループから決定されたPUCCHが、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHを有するグループから決定されたPUCCHと重複する場合、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHを有するグループから決定されたPUCCHを送信し、スロット型HARQ-ACK PUCCHを有するグループから決定されたPUCCHは、廃棄される。
【0078】
一実装では、第1のサブスロット型HARQ-ACK PUCCHを有するグループから決定された第1のPUCCHは、第2のサブスロット型HARQ-ACK PUCCHを有するグループから決定された第2のPUCCHに重複する。以下の条件を1つ以上満たす場合、第1のPUCCHを送信し、第2のPUCCHを廃棄する。
【0079】
1.第1および第2のPUCCHに設定されたサブスロット設定のうち、第1のPUCCHに設定されたサブスロット設定の方が、スロットあたりのシンボル数が小さい。
【0080】
2.第1および第2のPUCCH用に設定されたサブスロット設定のうち、第1のPUCCH用のサブスロット設定インデックスが、よりも小さな値を有する。
【0081】
一実装では、第1のサブスロット型HARQ-ACK PUCCHを有するグループから決定された第1のPUCCHは、第2のサブスロット型HARQ-ACK PUCCHを有するグループから決定された第2のPUCCHと重複する。第1のPUCCHは、第1のサブスロットの設定が特定のIEで設定された設定である場合に送信される。
【0082】
スロット型HARQ-ACK PUCCHを有するグループから決定されたPUCCHがPUSCHに多重化され、そのPUSCHがサブスロット型HARQ-ACK PUCCHを有するグループから決定されたPUCCHと重複する場合、そのPUSCHは削除されてもよい。
【0083】
サブスロット型HARQ-ACK PUCCHを有するグループから決定されたPUCCHがPUSCHに多重化され、そのPUSCHがスロット型HARQ-ACK PUCCHを持つグループから決定されたPUCCHと重複する場合、そのPUCCHは削除されてもよい。
【0084】
〔タイムライン要件〕
重複するPUCCHグループに対して、重複するPUCCHおよびPUSCHのグループのPUCCHに対応するPDSCHが終了してから、重複するPUCCHおよびPUSCHのグループの最も早いPUCCHまたはPUSCHが開始するまでの時間持続と、重複するPUCCHおよびPUSCHのグループ内のPUCCHまたはPUSCHに対応するスケジューリングDCIの終了から、重複するPUCCHおよびPUSCHのグループ内の最も早いPUCCHまたはPUSCHの開始までの時間持続とに関する時間要件が、定義されている。
【0085】
Rel-15NRでは、タイムライン要件が定義されており、かつgNBはタイムライン要件を満たすDLチャネルおよびULチャネルをスケジューリングすることができる。Rel-16NRでは、URLLCトラフィックをサポートする必要があるため、gNBにタイムライン要件を満たすことを義務付けないことが合理的である。タイムライン要件は、スロット型HARQ-ACK PUCCHのみを含む重複PUCCHおよびそれにグループ化されたPUCCHに限定される。多重化のタイムライン要件を満たすことなくスケジュールされる可能性のあるULチャネルは、サブスロットに基づくHARQ-ACK PUCCHおよびPUSCHである。
【0086】
Rel-15NRのタイムライン要件が満たされない場合、UEの動作が開示される必要がある。
【0087】
あるシナリオでは、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHは、同じ優先度のポジティブSRと重複するようにスケジュールされており、多重化される2つのUCIについて多重化のタイムライン要件が満たされていない。正のSRは、UEがサブスロット型HARQ-ACK PUCCHをスケジューリングするDCIを復号する前に送信されると判断される。
【0088】
一例では、SRがまだ送信されていない場合、サブスロットHARQ-ACKは送信される。
【0089】
一例では、SRの送信が開始された場合、サブスロットHARQ-ACKは送信されない。
【0090】
一例では、SR送信が開始された場合、サブスロットHARQ-ACKは送信され、SR送信は終了される。
【0091】
正のSRは、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHを含むPUCCHの重複したグループから決定されることに留意されたい。すなわち、どのPUCCHを送信するかを決定する時点では、HARQ-ACKをスケジューリングするDCIは復号化されていない。
【0092】
あるシナリオでは、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHは、スロット型HARQ-ACK PUCCHを有するグループから決定されるPUCCHと重複するようにスケジューリングされる。この場合、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHは送信され、送信が開始されていれば、スロット型HARQ-ACK PUCCHを有するグループから決定されたPUCCHは終了される。
【0093】
あるシナリオでは、PUSCHは、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHを有するグループから決定されたPUCCHまたはスロット型HARQ-ACK PUCCHを有するグループから決定されたPUCCHと重複するようにスケジューリングされる。PUSCHが優先されるか否かは、PUSCHで搬送されるデータパケットの論理チャネルの優先度と、PUCCHで搬送されるUCIの優先度とに依存する。
【0094】
Rel-16NRでは、高優先度のPUCCH間の多重化を容易にするため、UCIビットの少ない重複PUCCHまたはシーケンス型PUCCHがUCIの多重化に使用されるので、タイムライン要件を緩和することが有益である。高優先度の重複PUCCHについては、タイムライン要件を緩和してもよい。緩和は、3GPP TS 38.214で定義される「N1」、「N2」、「d1,1」、「d2,1」などのタイムライン要件式のパラメータを減らすことによって実現することが可能である。「N1」および「N2」の削減は、新たなUE能力の導入によって実現されてもよい。「d1,1」および「d2,1」の削減は、新しいUE能力を導入することによって実現されてもよいし、より高優先度のPUCCHまたはPUSCHのための特定の設定を制限することによって実現されてもよい。例えば、「d2,1」は、PUSCHをより高優先度で設定することによって、または第1シンボルの復調基準信号(DMRS:demodulation reference signal)のみで構成することによって、「0」に低減されてもよい。一例では、タイムライン要件は、1シンボル分緩和されてもよい。緩和を適用するための条件を規定できる(例えば、PUCCH形式およびTBSの制限など)。タイムライン要件は開示される。
【0095】
UEがスロット内で複数の重複するPUCCHを送信する場合、またはスロット内でPUCCH(複数可)およびPUSCH(複数可)を重複する場合、UEは1つのPUCCHで異なるUCIタイプを多重化してもよい。PUCCH送信またはPUSCH送信のうちの1つがUEによるDCIフォーマット検出に応答する場合、UEは、対応するすべてのUCIタイプを多重化してもよく、UEは、スロット内の重複するPUCCHおよびPUSCHのグループのうち最も早いPUCCHまたはPUSCHの最初のシンボル
【0096】
【0097】
が、以下のタイムライン条件を満足することを期待できる。
【0098】
条件1:
【0099】
【0100】
は、対応するいずれかのPDSCHの最後のシンボルの後、
【0101】
【0102】
の後に開始されるCPを有するシンボルよりも前ではないこと。ここで、μは、PDSCHをスケジューリングするPDCCHのサブキャリア間隔(SCS:Subcarrier Spacing)設定、PDSCHのSCS設定、重複するPUCCHとPUSCHのグループのための最小のSCS設定のうち、PDSCHの受信に応答してUEがHARQ-ACK情報を送信する最も小さいSCSに相当する。
【0103】
【0104】
は、3GPP TS 38.214に定義される。
【0105】
条件2:
【0106】
【0107】
は、対応するいずれかのSPS PDSCHリリースの最後のシンボルの後、
【0108】
【0109】
の後に開始されるCPを有するシンボルよりも前ではなく、かつ、μは、SPS PDSCHリリースを提供するPDCCHのSCS設定のうち最小のSCS設定と、SPS PDSCHリリースを検出したことに応答してUEがHARQ-ACK情報を送信する重複PUCCHグループまたは重複PUCCHおよびPUSCHのための最小のSCS設定とに対応する。
【0110】
【0111】
は、3GPP TS 38.214に定義される。
【0112】
条件3:重複するPUCCHおよびPUSCHのグループ内のPUSCHに非周期的CSIレポートが多重化されていない場合、
【0113】
【0114】
は、以下の最後のシンボルの後の
【0115】
【0116】
の後に開始されるCPを有するシンボルの前ではない。
【0117】
-PUSCHをスケジューリングするDCIフォーマットを有するPDCCH。
【0118】
-スロット内の重複するPUCCHに対応するHARQ-ACK情報を有するPDSCHまたはSPS PDSCHリリースをスケジューリングする任意のPDCCH。ここで、μは、PDCCHのSCS設定と重複するPUCCHおよびPUSCHの最小のSCSのうち最小のSCS設定に対応し、かつ、重複PUSCHが存在しない場合
【0119】
【0120】
である。
【0121】
【0122】
は、3GPP TS 38.214に定義される。
【0123】
図1は、本開示の実施態様による、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:physical downlink shared channel)100または102からスロット型HARQ-ACK PUCCH104およびサブスロット型HARQ-ACK PUCCH106へのタイミング要件を例示する概略図である。PDSCH100および102は、
図1に示すように、スロット型HARQ-ACK PUCCH104およびサブスロット型HARQ-ACK PUCCH106に対して、順番がずれている。サブスロット型HARQ-ACK PUCCH106は、スロット型HARQ-ACK PUCCH104と重複しないことが仮定されており、サブスロット型HARQ-ACK PUCCH106は、CSI108と重複してもしなくてもよい。UE能力およびスケジューリング条件(例えば、2つのPDSCHの時間分離)に基づいて、UEは、第1のスケジュールされたPDSCH100を処理できてもよいし、できなくてもよい。UEが第1のPDSCH100を処理できない場合、UEは、第2のDCI112の受信時に第1のPDSCH100の処理を停止してもよく、スロット型HARQ-ACK PUCCH104のHARQ-ACKコードブックは修正されてもよい。スロット型HARQ-ACK PUCCH104のHARQ-ACKコードブックにおけるPDSCH100に対応するHARQ-ACKビットは、すべて否定応答(NACK)に設定されてもよいし、PDSCH100のTBのうち処理されないコードブロックグループ(CBG:Code Block Groups)のHARQ-ACKビットが、NACKに設定されてもよい。UEが第2のDCI112の受信時に第1のPDSCH100の処理を停止する場合、UEは、上位層(例えば、MAC層)に対応するHARQ処理を停止するよう指示してもよいことに、留意されたい。
【0124】
一例として、UEが第2のDCI112の受信時に第1のPDSCH100の処理を停止した場合、PHY層は、MAC層からHARQ-ACKフィードバック指示を受信してもよく、PHY層は、第1のDCI110のHARQ処理に対応する指示を無視してもよい。さらに、UEが第2のDCI112の受信によって第1のPDSCH100の処理を停止した場合、UEは、ソフトバッファに格納されたトランスポートブロック(TB:transport block)を、受信したTBと入れ替えてもよい。
【0125】
あるシナリオでは、第1のPDSCH100は、第2のPDSCH102と順番がずれている。第1のHARQ-ACK PUCCHは、第2のHARQ-ACK PUCCHと重複してもよいし、重複しなくてもよいことが想定される。UEは、第1のPDSCH100の第1のHARQ-ACK PUCCHがスロット設定内である間に第2のPDSCH102の第2のHARQ-ACK PUCCHがサブスロット設定内であれば、第2のPDSCH102のDCI112の受信時に第1のPDSCH100の処理を停止してよい。
【0126】
あるシナリオでは、第1のPDSCH100は、第2のPDSCH102と順番がずれている。第1のHARQ-ACK PUCCHは、第2のHARQ-ACK PUCCHと重複してもよいし、重複しなくてもよいことが想定される。UEは、第1および第2のHARQ-ACK PUCCHの両方が異なるサブスロット設定内にあり、第2のサブスロット設定用のサブスロットに含まれるシンボルの数が第1のサブスロット設定用のサブスロットに含まれるシンボルの数よりも少ない場合、第2のPDSCH102のDCI112の受信時に第1のPDSCH100の処理を停止できる。
【0127】
HARQ-ACKコードブックを変更する必要がある場合、サブスロット型HARQ-ACK PUCCH106がスロット型HARQ-ACK PUCCH104と重複しなくても、第2のPDSCH102をスケジューリングするDCI112は、
【0128】
【0129】
タイムライン要件を満足することが必要である。言い換えれば、第2のPDSCH102をスケジューリングするDCI112は、スロット型HARQ-ACK PUCCH104との重複PUCCHの開始前の
【0130】
【0131】
前に終了する必要がある。タイムライン要件は制限的であってもよいので、タイムライン要件が満たされない場合のUEの動作を規定することは、有益である。例えば、最も早い開始シンボルを有するPUCCHがタイムライン要件を満たさない場合、そのPUCCHは、多重化手順が実行される前に、重複PUCCHから除外される。PUCCHの除外は、残りの重複PUCCHのタイムライン要件が満たされるまで、またはスロット型HARQ-ACK PUCCH104が残存するまでである。
図1に示すように、CSI108の開始前の
【0132】
【0133】
が、第2のPDSCH102をスケジューリングするDCI112の終了前である場合、CSI108は廃棄される。
【0134】
あるシナリオでは、PDSCH200および202は、
図2に示すように、スロット型HARQ-ACK PUCCH204およびサブスロット型HARQ-ACK PUCCH206に対して正順である。サブスロット型HARQ-ACK PUCCH206は、スロット型HARQ-ACK PUCCH204と重複しないことが想定されており、サブスロット型HARQ-ACK PUCCH206は、CSI208と重複しても重複しなくてもよい。UE能力およびスケジューリング条件(例えば、2つのPDSCHの時間分離)に基づいて、UEは、第1のスケジューリングされたPDSCH200を処理できてもよいし、できなくてもよい。UEが第1のPDSCH200を処理できない場合、UEは、第2のDCI212の受信時に第1のPDSCH200の処理を停止してもよく、スロット型HARQ-ACK PUCCH204のHARQ-ACKコードブックは修正されてもよい。スロット型HARQ-ACK PUCCH204のHARQ-ACKコードブックにおけるPDSCH200に対応するHARQ-ACKビットは、すべてNACKに設定されてもよいし、PDSCH200のTBのうち処理されないCBGのHARQ-ACKビットは、NACKに設定されてもよい。また、最初のPDSCH200が136個以上のRBを有するPDSCH処理能力2(3GPP TS 38.214の5.3節に定義)でスケジュールされており、終了シンボルがPDSCH処理能力2に続いてスケジュールされている2番目のPDSCH202のスタートから10シンボル以内の場合、最初のPDSCH200は廃棄されてもよい。
【0135】
上記の場合、PUCCHを多重化するためには、サブスロット型HARQ-ACK PUCCH206がスロット型HARQ-ACK PUCCH204と重複していなくても、第2PDSCH202のスケジューリングDCI212からスロット型HARQ-ACK PUCCH204との重複PUCCHグループの間で
【0136】
【0137】
タイムライン要件が満たされていればよい。
【0138】
タイムライン要件は制限的であってもよいので、タイムライン要件が満たされないときのUEの動作を規定することは有益である。例えば、最も早い開始シンボルを有するPUCCHがタイムライン要件を満たさない場合、多重化手順が実行される前に、そのPUCCHが重複PUCCHから除外されるか、または、UEは、タイムライン要件を満たさないリソースが他のPUCCHまたはPUSCHと重複することを期待しないようにすることができる。PUCCHの除外は、残りの重複PUCCHのタイムライン要件が満たされるまで、またはスロット型HARQ-ACK PUCCHのみが残るまでである。また、2番目のPDSCHをスケジューリングするDCIが終了してからスロット型HARQ-ACK PUCCHが開始するまでの時間が
【0139】
【0140】
未満である場合、UEは、送信が開始されていれば、スロット型HARQ-ACK PUCCHを廃棄してもよい。
【0141】
〔多重化順序〕
スロット型HARQ-ACK PUCCHと重複するPUCCHが共に存在するサブスロットにおいて、どのQセットを最初に実行すべきかの多重化手順は、上述した要因、例えば、PUCCHが複数のQセットに含まれ、複数のQセットが、スロット型HARQ-ACK PUCCHでグループ化されたPUCCHリソースグループとサブスロット型HARQ-ACK PUCCHでグループ化されたPUCCHリソースグループとの両方に含まれるか、サブスロットのQセットの構築はその前のサブスロットのQセットに対して多重化手順を実行した後か、PDSCH処理能力、などに依存してもよい。PUCCHがスロット型HARQ-ACK PUCCHまたはサブスロット型HARQ-ACK PUCCHのいずれかとのみとグループ化されるシナリオでは、多重化順序は、単に、開始シンボルが早い重複グループを最初に決定するように、重複するPUCCHの開始シンボルから決定されてもよい。また、Qセットが構築されるスロットまたはサブスロットの開始シンボルが同じである場合、Qセットの多重化順序は固定でも任意でもよい。例えば、高
優先度のPUCCHリソースを含むQセットに対する多重化手順を先に行う。
【0142】
図3は、スロット型HARQ-ACK PUCCHとサブスロット型HARQ-ACK PUCCHの両方を含むスロットにおけるQセットの構築および多重化手順の一例を示す図である。この例では、1つのサブスロットに対して最大1つのQ1セットと1つのQ2セットが構築される。
図3は、本実施例に係るULチャネルを示す図である。SR1 300およびSR2 302は、より高優先度で設定され、サブスロットHARQ-ACK PUCCH(例えば、「サブスロットHARQ-ACK1」から「サブスロットHARQ-ACK7」まで)とグループ化されてもよいことが、仮定される。他のULチャネルは、スロット型HARQ-ACK PUCCH304および306(例えば、「スロットHARQ-ACK1」および「スロットHARQ-ACK2」)とグループ化される。
【0143】
第1サブスロットでは、Q1セットに含まれ得るPUCCHのうち、SR1 300が最も早く開始され、かつ最も継続時間が長いので、SR1 300は、第1サブスロットにおけるQ1セットの構築のための基準リソースとして決定される。つのサブスロット型HARQ-ACK PUCCH(「サブスロットHARQ-ACK1」および「サブスロットHARQ-ACK2」)は、基準リソース(例えば、SR1 300)と重複しているので、これらは、第1のサブスロット内のQ1セットに含まれる。第1サブスロットにおけるQ2セットについては、スロット型HARQ-ACK PUCCH304(例えば、「スロットHARQ-ACK1」)を参照リソースとして決定し、同一グループ内の重複リソース(例えば、CSI308は第1サブスロットにおけるQ2セットに含まれる)についても決定する。
【0144】
第2サブスロットでは、リソースが残っていないため、Q1セットおよびQ2セットは構築しない。
【0145】
第3のサブスロットでは、サブスロット型HARQ-ACK PUCCH(例えば、「サブスロットHARQ-ACK3」)は、第3のサブスロットのQ1セットに含まれる。
【0146】
第4のサブスロットでは、サブスロット型HARQ-ACK PUCCH(例えば、「サブスロットHARQ-ACK4」)を、参照リソース、および同一グループ内の重複リソース(例えば、SR2 302は、第4のサブスロットのQ1セットに含まれる)として決定する。
【0147】
第5サブスロットでは、サブスロット型HARQ-ACK PUCCH(例えば、「サブスロットHARQ-ACK5」)は、第5サブスロットのQ1セットに含まれる。第5サブスロット内のQ2セットについては、スロット型HARQ-ACK PUCCH2 306を参照リソースとして決定し、同一グループ内の重複リソース(例えば、SR3 310は第5サブスロット内のQ2セットに含まれる)を決定する。
【0148】
第6のサブスロットでは、サブスロットに基づくHARQ-ACK PUCCH(例えば、「サブスロットHARQ-ACK6」)がQ1セットに含まれる。
【0149】
第7のサブスロットでは、サブスロット型HARQ-ACK PUCCH(例えば、「サブスロットHARQ-ACK7」)がQ1セットに含まれる。
【0150】
なお、サブスロットにおいてQ1セットまたはQ2セットを構成する際に、PUCCHが、同一のまたはより高優先度で以前のサブスロットで送信されると判定されたPUCCHと重複する場合、そのPUCCHは、サブスロットのQ1セットまたはQ2セットには含まれないことに留意されたい。
【0151】
要約すると、各サブスロットにおけるQ1セットおよびQ2セットは、以下のように構成される。
【0152】
第1のサブスロット:第1のサブスロットにおけるQ1セットは、「サブスロットHARQ-ACK1」、「サブスロットHARQ-ACK2」、およびSR1 300を含む。第1サブスロットに設定されるQ2は、「スロットHARQ-ACK1」、「CSI308」を含む。
【0153】
第2サブスロット:Q1セットもQ2セットも構築されない。
【0154】
第3のサブスロット:第3のサブスロットのQ1セットは、「サブスロットHARQ-ACK3」を含む。
【0155】
第4サブスロット:第4サブスロットのQ1セットは、「サブスロットHARQ-ACK4」とSR2 302を含む。
【0156】
第5サブスロット:第5サブスロットに設定されるQ1は、前のサブスロットでSR2 302が送信されると判断され、SR2 302の方が優先度が高い場合には、構築されないことがある。そうでない場合、5番目のサブスロットに設定されるQ1は、「サブスロットHARQ-ACK5」を含む。また、SR2 302が送信された場合、第5のサブスロットに設定されるQ2は構築されない場合がある。そうでなければ、第5サブスロットに設定されるQ2は、「スロットHARQ-ACK2」、およびSR3 310を含む。Q2セットの構築は、必ずしもスロット型HARQ-ACKの存在に依存しない場合があることに留意されたい。例えば、「スロットHARQ-ACK2」が設定されなかった場合、Q2セットは、第5のサブスロットのSR3 310によって形成される。
【0157】
第6サブスロット:前のサブスロットでSR2 302が送信されると判断され、SR2 302の方が優先度が高い場合、第6サブスロットのQ1セットは構築されないことがある。そうでない場合、第6サブスロットに設定されるQ1は、「サブスロットHARQ-ACK6」を含む。
【0158】
第7サブスロット:第7サブスロットに設定されたQ1は、「サブスロットHARQ-ACK7」を含む。
【0159】
図4は、本開示の実装に係るPUCCHリソースセット、Q、の構築を示す模式図である。
図4に示すように、スロット内の各サブスロットにおけるQセットの構築が図示される。Q1セット構築の手順は、
図4に例示するフローチャートに要約され得る。Q2セット構築についても、同様の手順で行うことができる。UEは、いずれかの設定されたリソースがサブスロットにおいて開始されているか否かを決定する(動作402)。設定されたリソースがサブスロットで開始されていない場合、UEは、次のサブスロットに進む(動作404)。真の場合、UEは、いずれかのリソースが、前のサブスロットから決定されたPUCCHまたはより高優先度のPUSCHに重複するか否かを決定する(動作406)。PUCCHまたはPUSCHと重複するリソースがある場合、UEは、リソースを除外してもよい(動作408)。UEはさらに、任意の設定されたリソースがサブスロットで開始されるか否かを決定する(動作410)。サブスロットで設定されたリソースが開始されない場合、UEは、次のサブスロットに進む(動作404)。一方、設定されたリソースがサブスロットで開始される場合、UEは、参照リソースを決定し、重複するリソースをQ1セットに含める(動作412)。
【0160】
図4に示すように、UEはさらに、Q1セットから単一のPUCCHを決定し、Q1セットに含まれるPUCCHリソースから多重化UCIを決定し、そして重複PUSCH上のPUCCHの多重化があるか否かを決定する(動作414)ことに、留意されたい。1つの代替案では、Q1セットに含まれるPUCCHリソースから、各PUCCHリソースに対する最大で2つのPUCCHリソースおよび多重化UCIが決定されてもよい。最大で2つのPUCCHリソースは、最大で1つのサブスロットHARQ-ACK PUCCHを含む。さらに、UEは、多重化PUCCHをスロットから除外する(動作416)。1つの代替案では、多重化PUCCHは、サブスロット内のQ1セットに含まれるすべてのPUCCHリソースを参照する。
【0161】
さらに、一例では、Qセットはスロットごとに構築される。スロットごとに2つのQセット(例えば、Q1セットおよびQ2セット)が決定される。Q1セットには、そのスロットのサブスロット型HARQ-ACK PUCCHでグループ化されたすべての設定されたPUCCHが含まれ、Q2セットには、除外されるPUCCHを除き、そのスロットのスロット型HARQ-ACK PUCCHでグループ化されたすべての設定されたPUCCHが含まる。
【0162】
多重化手順は、スロットの最初のサブスロットから開始され、スロットの最後のサブスロットまで各サブスロットにおいて実行される。各サブスロットでは、最大2つの多重化手順が実行される。
【0163】
最初の多重化手順では、各サブスロットにおいて、(サブスロット内で)最も早い開始シンボルの次に長い継続時間の優先度に従って、リソースA1がQ1セットから決定される。リソースA1に重複するPUCCHを含むリソースセットX1は、Q1セットから決定される。リソースセットX1は、サブスロットに含まれる開始シンボルを持つHARQ-ACK PUCCHのみを含むことが望ましい。1つのPUCCHとそのPUCCHに多重化されるUCIとが、リソースA1およびリソースセットX1から決定される。サブスロットHARQ-ACK PUCCHがスケジュールされない場合、リソースセットX1が存在せず、PUCCHまたはUCIが決定されない場合があることに留意されたい。
【0164】
リソース排除は、Q1セットに対して実行されてもよい。サブスロットにおいて多重化決定が行われた後、以前のサブスロットにおいてスケジュールされたサブスロットHARQ-ACK PUCCHと重複する場合、リソースがQ1セットから除外されてもよい。
【0165】
第2の多重化手順では、Q2セットにおける重複するPUCCHグループの最初のシンボルを含むサブスロットにおいて、サブスロット内に開始シンボルを有するPUCCHがあれば、最も早い開始シンボルの次に長い継続時間の優先度に従って、Q2セットからリソースA2が決定される。リソースA2と重複するPUCCHを含むリソースセットX2が、Q2セットから決定される。単一のPUCCHとそのPUCCHに多重化されるUCIとが、リソースA2およびリソースセットX2から決定される。決定された単一のPUCCHおよびUCIは、リソースA2およびリソースセットX2を置き換え、手順は、決定されたPUCCHと重複する残りのPUCCHが存在しなくなるまで実行される。
【0166】
リソース排除は、Q2セットに対して実行されてもよい。サブスロットにおける多重化決定後、予定されているサブスロットのHARQ-ACK PUCCHおよび以前のサブスロットで高優先度の他のPUCCHと重複する場合、Q2セットからリソースが除外されてもよい。
【0167】
第1および第2の多重化手順は、交互に実行してもよい。すなわち、以前のサブスロットにおける第1の多重化手順が完了した後、現在のサブスロットにおける第2の多重化手順が実行される。
【0168】
第1および第2の多重化手順を実行する順序は、以下のようにすることができる。
【0169】
一実装では、サブスロットにおける第1の多重化手順と第2の多重化手順との実行順序は、同時である。
【0170】
一実装では、サブスロットにおける第1の多重化手順と第2の多重化手順との実行順序は、第1の多重化手順の後に第2の多重化手順が続く。
【0171】
一実装では、サブスロットにおける第1の多重化手順と第2の多重化手順との実行順序は、第2の多重化手順の後に第1の多重化手順が続く。
【0172】
一実装では、サブスロットにおける第1の多重化手順と第2の多重化手順との実行順序は、サブスロット内のリソースA1とリソースA2とのいずれが早い開始シンボルを有するかに依存する。
【0173】
PUSCHに多重化する場合、決定されたPUCCHがPUSCHと重複し、PUCCHおよびPUSCHを多重化するためのタイムライン要件が満たされる場合、第1の多重化手順または第2の多重化手順から決定されたUCIは、PUSCHに多重化される。
【0174】
一実装では、PUCCHおよびPUSCHを多重化する条件は、PUSCHの達成可能信頼度にも依存する。
【0175】
さらに、2つのPUCCHに対する優先度付けは、異なる多重化手順に従って決定される。
【0176】
Q1セットから決定されたPUCCHがQ2セットのPUCCHと重複する場合、Q2セットから決定されたPUCCHは廃棄される。
【0177】
2つのPUCCHの優先度付けは、Q1セットの異なるサブスロットに対して決定される。
【0178】
あるサブスロット(Q1セットまたはQ2セットから可能)から決定されたPUCCHは、後のサブスロットにおいてスケジュールされたHARQ-ACK PUCCHと重複し、重複した2つのPUCCHは、多重化のタイムライン要件を満たさない可能性がある。この場合、前のサブスロットから決定されたPUCCHは廃棄され、サブスロットHARQ-ACK PUCCHの方が優先度が高いと判断された場合に、サブスロットHARQ-ACK PUCCHが送信される。
【0179】
図5は、本開示の実施態様による、UCI(例えば、CSIおよびSR)を多重化するための方法500を示すフローチャートである。
図5は、UCI多重化手順を実行するUEを示す。動作502において、UEは、低優先度のCSIおよびSR用のPUCCHリソースと、スロット型HARQ-ACK用のPUCCHリソースとを、第1のPUCCHリソースグループにグループ化する。動作504において、UEは、高優先度のCSIおよびSR用のPUCCHリソースと、サブスロット型HARQ-ACK用のPUCCHリソースとを、第2のPUCCHリソースグループにグループ化する。動作506において、UEは、第1のPUCCHリソースグループから、スロット内の第1のPUCCHリソースセットを決定する。動作508において、UEは、スロット内の第1のPUCCHリソースセットに対応するUCIに対して第1のUCI多重化手順を実行することによって、第1のPUCCHリソースの第1の多重化UCIを取得する。動作510において、UEは、第2のPUCCHリソースグループから、スロットのサブスロット内の第2のPUCCHリソースセットを決定する。動作512において、UEは、スロットのサブスロット内の第2のPUCCHリソースセットに対応するUCIに対して第2のUCI多重化手順を実行することによって、第2のPUCCHリソースの第2の多重化UCIを取得する。動作502と動作504との間にタイミングの順序がないことに留意されたい。動作506と動作510との間にタイミングの順序がないことに留意されたい。動作508と動作512との間にはタイミングの順序がないことに留意されたい。
【0180】
図5の方法500に基づいて、UCI多重化および送信のためのいくつかの例が開示される。
図6を参照すると、高優先度のSR(例えば、「HP SR」)およびサブスロット型HARQ-ACK(例えば、「サブスロットHARQ-ACK」)がグループ化され、低優先度のCSI(例えば、「LP CSI」)および低優先度のSR(例えば、「LP SR」)がグループ化される。さらに、UEは、「LP CSI」および「LP SR」を含むスロット内の第1のPUCCHリソースセットを決定し、第1のPUCCHリソースセットに対してUCI多重化手順を実行して、多重化UCI(例えば、「LP CSI+SR」)を取得し、そしてUEは、スロットの第1のサブスロットにおいて「HP SR」および「サブスロットHARQ-ACK」を含む第2のPUCCHリソースセットを決定し、多重化UCI(例えば、「サブスロットHARQ ACK+HP SR」)が取得するために、第2のPUCCHリソースセットに対してUCI多重化手順を実行する。
【0181】
図6は、本開示の実装に係る、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHと重複するスロット型HARQ-ACK PUCCHを示す模式図である。
図6に示すように、UEは、「LP CSI+SR」を送信するためのPUCCHリソース600が、「サブスロットHARQ ACK+HP SR」を送信するためのPUCCHリソース602と重複しない場合にのみ、多重化UCI(例えば、「LP CSI+SR」)を送信する。そうでない場合、UEは、多重化UCI(例えば、「LP CSI+SR」)を送信しない。
【0182】
図7は、本開示の実装に係る、スロット型HARQ-ACK PUCCHと重複するサブスロット型HARQ-ACK PUCCHを示す模式図である。
図7に示すように、UEは、PUSCHリソース702がPUCCHリソース700と重複する場合、PUSCHリソース702上で「サブスロットHARQ ACK+HP SR」を送信するためにPUCCHリソース700を多重化し、PUSCHリソース702がPUCCHリソース704と重複するがPUCCHリソース700とは重複しない場合、PUCCHリソース704上で「LP CSI+SR」を送信するためにPUCCHリソース704を多重化してもよい。この場合、PUSCHリソース702は、PUCCHリソース704およびPUCCHリソース700の両方に重複するため、UEは、PUSCHリソース702で「サブスロットHARQ ACK+HP SR」を送信するためにPUCCHリソース700のみを多重化し、「サブスロットHARQ ACK+HP SR」をPUSCHリソース702で送信する。
【0183】
図8は、本開示の実装に係る、サブスロットHARQ-ACK PUCCHでグループ化されたPUCCHリソースを示す模式図である。
図8に示すように、UEは、スロットのサブスロットに開始シンボルを有するPUCCHリソースを、第2のPUCCHリソースセット(例えば、
図5の動作504に示すように、高優先度とサブスロット型HARQ-ACKとを有するCSIおよび/またはSR)に含めてもよく、UEは、第2のPUCCHリソースセット上で多重化手順を行うことによってPUCCHリソースを決定してもよい(例えば、動作802)。その後、UEは、スロットの次のサブスロットに進んでもよい(例えば、動作804)。
【0184】
図9は、本開示の実装に係る無線通信のためのノード900を示すブロック図である。
【0185】
図9に示すように、ノード900は、トランシーバ920、プロセッサ926、メモリ928、1つまたは複数のプレゼンテーション要素934、および少なくとも1つのアンテナ936を含んでもよい。ノード900はまた、無線周波数(RF)スペクトル帯モジュール、BS通信モジュール、ネットワーク通信モジュール、およびシステム通信管理モジュール、入力/出力(I/O)ポート、I/O要素、並びに電源(
図9に図示せず)を含んでもよい。これらの要素の各々は、1つ以上のバス940を介して、直接的または間接的に、互いに通信してもよい。ノード900は、
図5に図示するように、開示された様々な機能を実行するUEまたはBSであってもよい。
【0186】
トランシーバ920は、送信機922(送信回路を有する)および受信機924(受信回路を有する)を含んでもよく、時間および/または周波数リソースパーティショニング情報を送信および/または受信するように構成されてもよい。トランシーバ920は、使用可能、非使用可能、および柔軟に使用可能なサブフレームおよびスロット形式を含むが、これらには限定されない、異なるタイプのサブフレームおよびスロットで送信するように構成されてもよい。トランシーバ920は、データおよび制御チャネルを受信するように構成されてもよい。
【0187】
ノード900は、様々なコンピュータ読取可能な媒体を含んでもよい。コンピュータ可読媒体は、ノード900によってアクセス可能な任意の媒体であってよく、揮発性(および不揮発性)媒体、取り外し可能(および非取り外し可能)媒体の双方を含む。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体および通信媒体を含んでもよい。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読媒体などの情報を記憶するための任意の方法または技術に従って実装された揮発性(および/または不揮発性)媒体、並びにリムーバブル(および/または非リムーバブル)媒体の両方を含んでもよい。
【0188】
コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ(または他のメモリ技術)、CD-ROM、デジタルバーサタイルディスク(DVD)(または他の光ディスクストレージ)、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ(または他の磁気記憶装置)等を含んでもよい。コンピュータ記憶媒体は、伝搬されるデータ信号を含まない。通信媒体は、通常は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールまたは他のデータを、搬送波または他の搬送機構などの変調されたデータ信号で具現化してもよく、任意の情報配信媒体を含む。用語「変調データ信号」は、信号内に情報をエンコードするような方法でその特性の1つ以上が設定または変更された信号を意味してもよい。通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続などの有線媒体、および音響、RF、赤外線および他の無線媒体などの無線媒体を含んでもよい。開示された媒体のいずれかの組み合わせは、コンピュータ可読媒体の範囲に含まれるべきである。
【0189】
メモリ928は、揮発性メモリおよび/または不揮発性メモリの形態のコンピュータ記憶媒体を含んでもよい。メモリ928は、取り外し可能、非取り出し可能、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、メモリ928は、ソリッドステートメモリ、ハードドライブ、光ディスクドライブなどを含んでもよい。
図9に示すように、メモリ928は、実行されると、開示された様々な機能をプロセッサ926(例えば、処理回路)に実行させるように構成されたコンピュータ可読および/またはコンピュータ実行可能命令932(例えば、ソフトウェアコード)を格納してもよい。あるいは、命令932は、プロセッサ926によって直接実行可能でなくてもよいが、開示された様々な機能をノード900に(例えば、コンパイルされて実行されたときに)実行させるように構成されてもよい。
【0190】
プロセッサ926は、インテリジェントハードウェア装置、中央処理装置(CPU:central processing unit)、マイクロコントローラ、ASICなどを含んでもよい。プロセッサ926は、メモリを含んでもよい。プロセッサ926は、メモリ928から受信したデータ930および命令932と、トランシーバ920、ベースバンド通信モジュール、および/またはネットワーク通信モジュールを介した情報とを処理してもよい。プロセッサ926は、CNへの送信のためのネットワーク通信モジュールに対するアンテナ936を介した送信のために、トランシーバ920に送信される情報を処理することもできる。
【0191】
1つまたは複数のプレゼンテーション要素934は、人または他の装置にデータを提示してもよい。プレゼンテーション要素934は、ディスプレイ装置、スピーカ、印刷要素、振動要素などを含んでもよい。
【0192】
本開示から、本開示の概念を実施するために、それらの概念の範囲から逸脱することなく、様々な技術が利用され得ることが明らかである。さらに、概念は、特定の実装を具体的に参照して開示されてきたが、当業者であれば、それらの概念の範囲から逸脱することなく、形態および詳細において変更を加えることができることを認識するであろう。このように、本開示は、すべての点で例示的であり、制限的ではないと考えられる。また、本開示は、特定の記載された実施態様に限定されず、本開示の範囲から逸脱することなく、多くの再配置、修正、および置換が可能であることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0193】
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図1】本開示の実装に係る、スロット型HARQ-ACK PUCCHおよびサブスロット型HARQ-ACK PUCCHにおける物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)のタイミング要件を示す模式図である。
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図2】本開示の実装に係る、スロット型HARQ-ACK PUCCHおよびサブスロット型HARQ-ACK PUCCHにおける物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)のタイミング要件を示す模式図である。
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図3】本開示の実施態様による、サブスロットHARQ-ACK PUCCHのグループ化を示す模式図である。
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図4】本開示の実装に係る、PUCCHリソースセットQの構築を示す模式図である。
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図5】本開示の実装に係る、UCIを多重化するための方法を示すフローチャートである。
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図6】本開示の実装に係る、サブスロット型HARQ-ACK PUCCHと重複するスロット型HARQ-ACK PUCCHを示す模式図である。
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図7】本開示の実装に係る、スロット型HARQ-ACK PUCCHと重複するサブスロット型HARQ-ACK PUCCHを示す模式図である。
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図8】本開示の実装に係る、サブスロットHARQ-ACK PUCCHとグループ化されたPUCCHリソースを示す模式図である。
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図9】実装に係る、無線通信のためのノードを示すブロック図である。
【国際調査報告】