(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-28
(54)【発明の名称】配線設計方法、配線構造、およびフリップチップ
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20221118BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20221118BHJP
【FI】
H01L23/12 E
H01L23/12 F
H01L23/12 N
H01L21/60 311S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022518949
(86)(22)【出願日】2021-06-10
(85)【翻訳文提出日】2022-03-24
(86)【国際出願番号】 CN2021099357
(87)【国際公開番号】W WO2022028100
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】202010780502.6
(32)【優先日】2020-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519155675
【氏名又は名称】ネクストヴイピーユー(シャンハイ)カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】NEXTVPU(SHANGHAI)CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】RM501, BLDG 7, #3000 LONGDONG RD, PUDONG NEW DISTRICT, SHANGHAI 201203, P.R. CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】キアン,アオフェン
(72)【発明者】
【氏名】キン,ガン
(72)【発明者】
【氏名】フェン,シンペン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ,ジー
【テーマコード(参考)】
5F044
【Fターム(参考)】
5F044KK07
5F044KK09
5F044LL01
(57)【要約】
本開示は、フリップチップ内のパッケージ基板についての配線設計方法および配線構造、ならびにフリップチップを提供する。配線設計方法は、バンプパッドを行および列の配列に配置することであって、バンプパッドがフリップチップダイ上の導電性バンプとボンディングされるように構成され、バンプパッドが信号パッドおよび非信号パッドを備える、配置することと、非信号パッドにバイアホールを設けることと、配線の層を使用して、パッケージ基板上のフリップチップダイの正射影領域から信号パッドのサブセットをリードアウトすることであって、信号パッドのサブセットが、バンプパッドの配列についてのフリップチップダイの設計仕様で必要とされるすべての機能信号を搬送するように構成される、リードアウトすることとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フリップチップ内のパッケージ基板についての配線設計方法であって、前記フリップチップが、前記パッケージ基板と、前記パッケージ基板に対向するフリップチップダイとを備え、
バンプパッドを行および列の配列に配置するステップであって、前記バンプパッドが前記フリップチップダイ上の導電性バンプとボンディングされるように構成され、前記バンプパッドが信号パッドおよび非信号パッドを備え、前記非信号パッドが電力パッドおよびグランドパッドを備える、配置するステップと、
前記非信号パッドにバイアホールを設け、前記パッケージ基板内の電力層に前記電力パッドを電気的に接続し、前記パッケージ基板内のグランド層に前記グランドパッドを電気的に接続するステップと、
配線の層を使用して、前記パッケージ基板上の前記フリップチップダイの正射影領域から前記信号パッドのサブセットをリードアウトするステップであって、前記信号パッドの前記サブセットが、前記バンプパッドの前記配列についての前記フリップチップダイの設計仕様で必要とされるすべての機能信号を搬送するように構成される、リードアウトするステップと、
を含む配線設計方法。
【請求項2】
前記バンプパッドを行および列の前記配列に配置する前記ステップが、
奇数行のバンプパッドと偶数行のバンプパッドとが前記配列の列方向に互い違いとなるように前記バンプパッドを配置するステップ、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バンプパッドを行および列の前記配列に配置する前記ステップが、
各奇数行で信号パッドの数が非信号パッドの数よりも多く、各偶数行で信号パッドの数が非信号パッドの数よりも少なくなるように前記バンプパッドを配置するステップ、
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記バンプパッドを行および列の前記配列に配置する前記ステップが、
nが0<n<Nである整数、Nが配列の行の総数として、前記配列の最初のn行では信号パッドの数が非信号パッドの数よりも多くなるように前記バンプパッドを配置するステップであって、
前記配列の前記最初のn行が、前記バンプパッドの前記配列内の、前記正射影領域の一端に最も近い前記列方向の行から始まる、n個の連続する行を指す、配置するステップ、
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記非信号パッドに前記バイアホールを設ける前記ステップが、
相異なる行の複数の電力パッドに共通電力バイアホールを設けるステップであって、前記共通電力バイアホールが前記複数の電力パッドを前記電力層に電気的に接続する、設けるステップと、
相異なる行の複数のグランドパッドに共通グランドバイアホールを設けるステップであって、前記共通グランドバイアホールが前記複数のグランドパッドを前記グランド層に電気的に接続する、設けるステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
相異なる行の前記複数の電力パッドに前記共通電力バイアホールを設ける前記ステップが、
前記共通電力バイアホールを前記配列の列方向に前記複数の電力パッドと位置合わせされるように配置するステップ、
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の電力パッドの縦方向が前記列方向に平行であり、前記縦方向が、各電力パッドが前記電力パッドについての最大サイズを有する方向であり、
前記共通電力バイアホールを前記列方向に前記複数の電力パッドと位置合わせされるように配置する前記ステップが、前記共通電力バイアホールと前記複数の電力パッドのうちの1つの前記縦方向の一端との間の距離がしきい距離未満となるように前記共通電力バイアホールを配置するステップを含む、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
相異なる行の前記複数のグランドパッドに前記共通グランドバイアホールを設ける前記ステップが、
前記共通グランドバイアホールを前記配列の前記列方向に前記複数のグランドパッドと位置合わせされるように配置するステップ、
を含む、請求項5~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記複数のグランドパッドの縦方向が前記列方向に平行であり、前記縦方向が、各グランドパッドが前記グランドパッドについての最大サイズを有する方向であり、
前記共通グランドバイアホールを前記列方向に前記複数のグランドパッドと位置合わせされるように配置する前記ステップが、前記共通グランドバイアホールと前記複数のグランドパッドのうちの1つの前記縦方向の一端との間の距離がしきい距離未満となるように前記共通グランドバイアホールを配置するステップを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記バンプパッドの前記配列と前記正射影領域の交差する第1および第2の端との間に追加のパッドが設けられず、前記バンプパッドの前記配列と、前記正射影領域の、前記第1および第2の端以外の他の端との間に追加のパッドが設けられ、
配線の前記層を使用して、前記パッケージ基板上の前記フリップチップダイの前記正射影領域から前記信号パッドの前記サブセットをリードアウトする前記ステップが、
配線幅および配線ピッチ仕様を満たすことに基づいて、
前記バンプパッドの前記配列と前記正射影領域の他の端との間のギャップを用いて、前記正射影領域から前記信号パッドの前記サブセット内の第1のグループの信号パッドをリードアウトするステップであって、前記第1の端から最も離れている前記配列内の行に位置する信号パッドの少なくとも一部が前記第1のグループの信号パッドに属する、リードアウトするステップと、
前記バンプパッドの前記配列と前記第1および第2の端との間のギャップを用いて、前記正射影領域から、前記信号パッドの前記サブセット内の、前記第1のグループの信号パッド以外の残りの信号パッドをリードアウトするステップと
を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記バンプパッドの前記配列と前記正射影領域の第1の端だけの間に追加のパッドが設けられず、前記バンプパッドの前記配列と、前記正射影領域の、前記第1の端以外の他の端との間に追加のパッドが設けられ、
配線の前記層を使用して、前記パッケージ基板上の前記フリップチップダイの前記正射影領域から前記信号パッドの前記サブセットをリードアウトする前記ステップが、
配線幅および配線ピッチ仕様を満たすことに基づいて、
前記バンプパッドの前記配列と前記正射影領域の他の端との間のギャップを用いて、前記正射影領域から前記信号パッドの前記サブセット内の第1のグループの信号パッドをリードアウトするステップであって、前記第1の端から最も離れている前記配列内の行に位置する信号パッドの少なくとも一部が前記第1のグループの信号パッドに属する、リードアウトするステップと、
前記バンプパッドの前記配列と前記正射影領域の前記第1の端との間のギャップを用いて、前記正射影領域から、前記信号パッドの前記サブセット内の、前記第1のグループの信号パッド以外の残りの信号パッドをリードアウトするステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記配列の端でない行および同一の列に位置する信号パッドの一部が、同一の縦方向を有し、前記縦方向が、各信号パッドが前記信号パッドについての最大サイズを有する方向であり、
配線の前記層を使用して、前記パッケージ基板上の前記フリップチップダイの前記正射影領域から前記信号パッドの前記サブセットをリードアウトする前記ステップが、
前記配列の前記端でない行および同一の列に位置する信号パッドの前記一部について、配線幅および配線ピッチ仕様を満たすことに基づいて、
前記配線を使用して、前記第1の信号パッドの縦方向の軸の第1の側から第1の信号パッドをリードアウトするステップと、
前記配線を使用して、前記軸の第2の側から、前記第1の信号パッドと同一の列に位置し、前記第1の信号パッドに直に対向する第2の信号パッドをリードアウトするステップであって、前記第2の側が、前記軸に関して前記第1の側と反対側にある、リードアウトするステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記配線幅および配線ピッチ仕様が、多くても2つの配線が2つのバンプパッドごとの間を通過することを可能にする、請求項10~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記非信号パッドに前記バイアホールを設ける前記ステップの前に、相異なる行の前記電力パッドの一部が前記バイアホールを共用し得、相異なる行の前記グランドパッドの一部が前記バイアホールを共用し得るように、前記バンプパッドの少なくとも一部の位置を調節するステップ、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記バンプパッドの少なくとも前記一部の前記位置を調節する前記ステップが、
相異なる行の複数の電力パッドを前記配列の列方向に互いに直に対向するように配置するステップと、
相異なる行の複数のグランドパッドを前記列方向に互いに直に対向するように配置するステップと、
を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
相異なる行の前記複数の電力パッドを前記列方向に互いに直に対向するように配置する前記ステップが、
相異なる行の前記複数の電力パッドを前記列方向に位置合わせされるように配置するステップ、
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
相異なる行の前記複数のグランドパッドを前記列方向に互いに直に対向するように配置する前記ステップが、
相異なる行の前記複数のグランドパッドを前記列方向に位置合わせされるように配置するステップ、
を含む、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
配線の前記層を使用して、前記パッケージ基板上の前記フリップチップダイの前記正射影領域から前記信号パッドの前記サブセットをリードアウトする前記ステップの前に、前記バンプパッドの少なくとも一部の向きを調節するステップ、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記バンプパッドの前記配列と前記正射影領域の少なくとも第1の端との間に追加のパッドが設けられず、
前記バンプパッドの少なくとも前記一部の前記向きを調節する前記ステップが、
前記第1の端に垂直な第1の縦方向を有するように前記バンプパッドの第1のサブセットを配向するステップと、
前記第1の縦方向とは異なる縦方向を有するように前記バンプパッドの第2のサブセットを配向するステップと、
を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記バンプパッドの前記配列と前記正射影領域の交差する第1および第2の端との間に追加のパッドが設けられず、
前記バンプパッドの前記第2のサブセットが、
前記配列内のバンプパッドの少なくとも1つの行のバンプパッドの一部であって、全体としてのバンプパッドの前記少なくとも1つの行が、前記配列内の他の行よりも前記第1の端から離れている、バンプパッドの一部と、
前記配列内のバンプパッドの少なくとも1つの列のバンプパッドの一部であって、全体としてのバンプパッドの前記少なくとも1つの列が、前記配列内の他の列よりも前記第2の端に近い、バンプパッドの一部と、
を備え、
前記バンプパッドの前記第1のサブセットが、前記バンプパッドの前記配列内の、前記第2のサブセット内以外のバンプパッドを備える、
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記バンプパッドの少なくとも前記一部の前記位置を調節する前に、
前記バンプパッドの形状を設定するステップと、
前記バンプパッドのサイズを設定するステップと、
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記バンプパッドの前記形状を設定する前記ステップが、
前記パッケージ基板上の各バンプパッドの正射影が丸みのある長方形形状を有するように前記バンプパッドを設定するステップ、
を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記バンプパッドのサイズを設定する前記ステップが、
配線幅および配線ピッチ仕様を満たすことに基づいて、前記バンプパッドの長さが前記バンプパッドの幅の3倍より大きくなるように各バンプパッドを設定するステップ、
を含む、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
前記非信号パッドに前記バイアホールを設けた後に、
前記電力パッドが前記電力層に電気的に接続されており、前記グランドパッドが前記グランド層に電気的に接続されていると判定したことに応答して、前記バンプパッドの前記向きを調節する前記ステップに進むステップ、
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記信号パッドの前記サブセットが配線の前記層によって前記正射影領域からリードアウトされたと判定したことに応答して、前記パッケージ基板に関して電気的シミュレーションを実施するステップ、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
フリップチップ内のパッケージ基板についての配線構造であって、前記フリップチップが、前記パッケージ基板と、前記パッケージ基板に対向するフリップチップダイとを備え、前記配線構造が、
前記パッケージ基板上に行および列の配列に配置されたバンプパッドであって、前記バンプパッドが前記フリップチップダイ上の導電性バンプとボンディングされるように構成され、前記バンプパッドが信号パッドおよび非信号パッドを備え、前記非信号パッドが電力パッドおよびグランドパッドを備える、バンプパッドと、
電力バイアホールおよびグランドバイアホールを備えるバイアホールであって、前記電力バイアホールが、前記パッケージ基板内の電力層に前記電力パッドを電気的に接続するように構成され、前記グランドバイアホールが、前記パッケージ基板内のグランド層に前記グランドパッドを電気的に接続するように構成される、バイアホールと、
前記パッケージ基板上の前記フリップチップダイの正射影領域から前記信号パッドのサブセットをリードアウトするように構成された配線の層であって、前記信号パッドの前記サブセットが、前記バンプパッドの前記配列についての前記フリップチップダイの設計仕様で必要とされるすべての機能信号を搬送するように構成される、配線の層と、
を備える配線構造。
【請求項27】
奇数行のバンプパッドと偶数行のバンプパッドとが、前記配列の列方向に互い違いとなる、請求項26に記載の配線構造。
【請求項28】
各奇数行で、信号パッドの数が非信号パッドの数よりも多く、
各偶数行で、信号パッドの数が非信号パッドの数よりも少ない、
請求項27に記載の配線構造。
【請求項29】
nが0<n<Nである整数、Nが配列の行の総数として、前記配列の最初のn行では、信号パッドの数が非信号パッドの数よりも多い、請求項27に記載の配線構造。
【請求項30】
前記電力バイアホールが共通電力バイアホールを備え、前記共通電力バイアホールが、相異なる行の複数の電力パッドを前記電力層に電気的に接続し、
前記グランドバイアホールが共通グランドバイアホールを備え、前記共通グランドバイアホールが、相異なる行の複数のグランドパッドを前記グランド層に電気的に接続する、
請求項26に記載の配線構造。
【請求項31】
前記共通電力バイアホールが、前記配列の列方向に前記複数の電力パッドと位置合わせされる、請求項30に記載の配線構造。
【請求項32】
前記複数の電力パッドの縦方向が前記列方向に平行であり、前記縦方向が、各電力パッドが前記電力パッドについての最大サイズを有する方向であり、
前記共通電力バイアホールと前記複数の電力パッドのうちの1つの前記縦方向の一端との間の距離がしきい距離未満である、
請求項31に記載の配線構造。
【請求項33】
前記共通グランドバイアホールが、前記配列の列方向に前記複数のグランドパッドと位置合わせされる、請求項30~32のいずれか一項に記載の配線構造。
【請求項34】
前記複数のグランドパッドの縦方向が列方向に平行であり、前記縦方向が、各グランドパッドが前記グランドパッドについての最大サイズを有する方向であり、
前記共通グランドバイアホールと前記複数のグランドパッドのうちの1つの前記縦方向の一端との間の距離がしきい距離未満である、
請求項33に記載の配線構造。
【請求項35】
前記バンプパッドの前記配列と前記正射影領域の交差する第1および第2の端との間に追加のパッドが設けられず、前記バンプパッドの前記配列と、前記正射影領域の、前記第1および第2の端以外の他の端との間に追加のパッドが設けられ、
配線の前記層が、配線幅および配線ピッチ仕様を満たし、
前記バンプパッドの前記配列と前記正射影領域の他の端との間のギャップを用いて、前記正射影領域から前記信号パッドの前記サブセット内の第1のグループの信号パッドをリードアウトする第1のグループの配線であって、前記第1の端から最も離れている前記配列内の行に位置する信号パッドの少なくとも一部が前記第1のグループの信号パッドに属する、第1のグループの配線と、
前記バンプパッドの前記配列と前記第1および第2の端との間のギャップを用いて、前記正射影領域から、前記信号パッドの前記サブセット内の、前記第1のグループの信号パッド以外の残りの信号パッドをリードアウトする第2のグループの配線と、
を備える、請求項26に記載の配線構造。
【請求項36】
前記バンプパッドの前記配列と前記正射影領域の第1の端だけの間に追加のパッドが設けられず、前記バンプパッドの前記配列と、前記正射影領域の、前記第1の端以外の他の端との間に追加のパッドが設けられ、
配線の前記層が、配線幅および配線ピッチ仕様を満たし、
前記バンプパッドの前記配列と前記正射影領域の他の端との間のギャップを用いて、前記正射影領域から前記信号パッドの前記サブセット内の第1のグループの信号パッドをリードアウトする第1のグループの配線であって、前記第1の端から最も離れている前記配列内の行に位置する信号パッドの少なくとも一部が前記第1のグループの信号パッドに属する、第1のグループの配線と、
前記バンプパッドの前記配列と前記正射影領域の前記第1の端との間のギャップを用いて、前記正射影領域から、前記信号パッドの前記サブセット内の、前記第1のグループの信号パッド以外の残りの信号パッドをリードアウトする第2のグループの配線と、
を備える、請求項26に記載の配線構造。
【請求項37】
前記配列の端でない行および同一の列に位置する信号パッドの一部が、同一の縦方向を有し、前記縦方向が、各信号パッドが前記信号パッドについての最大サイズを有する方向であり、
前記配列の前記端でない行および同一の列に位置する信号パッドの前記一部について、配線幅および配線ピッチ仕様を満たすことに基づいて、
第1の信号パッドが、前記第1の信号パッドの縦方向の軸の第1の側からリードアウトされ、
前記第1の信号パッドと同一の列に位置し、前記第1の信号パッドに直に対向する第2の信号パッドが、前記軸の第2の側からリードアウトされ、前記第2の側が、前記軸に関して前記第1の側と反対側にある、
請求項26に記載の配線構造。
【請求項38】
前記配線幅および配線ピッチ仕様が、多くても2つの配線が2つのバンプパッドごとの間を通過することを可能にする、請求項35~37のいずれか一項に記載の配線構造。
【請求項39】
相異なる行の複数の電力パッドが、前記配列の列方向に互いに直に対向し、相異なる行の複数のグランドパッドが、前記列方向に互いに直に対向する、請求項26に記載の配線構造。
【請求項40】
相異なる行の前記複数の電力パッドが前記列方向に位置合わせされる、請求項39に記載の配線構造。
【請求項41】
相異なる行の前記複数のグランドパッドが前記列方向に位置合わせされる、請求項39または40に記載の配線構造。
【請求項42】
前記バンプパッドの前記配列と前記正射影領域の少なくとも第1の端との間に追加のパッドが設けられず、
前記バンプパッドの第1のサブセットが、前記第1の端に垂直な第1の縦方向を有し、
前記バンプパッドの第2のサブセットが、前記第1の縦方向とは異なる縦方向を有する、
請求項26に記載の配線構造。
【請求項43】
前記バンプパッドの前記配列と前記正射影領域の交差する第1および第2の端との間に追加のパッドが設けられず、
前記バンプパッドの前記第2のサブセットが、
前記配列内のバンプパッドの少なくとも1つの行のバンプパッドの一部であって、全体としてのバンプパッドの前記少なくとも1つの行が、前記配列内の他の行よりも前記第1の端から離れている、バンプパッドの一部と、
前記配列内のバンプパッドの少なくとも1つの列のバンプパッドの一部であって、全体としてのバンプパッドの前記少なくとも1つの列が、前記配列内の他の列よりも前記第2の端に近い、バンプパッドの一部と、
を備え、
前記バンプパッドの前記第1のサブセットが、前記バンプパッドの前記配列内の、前記第2のサブセット内以外のバンプパッドを備える、
請求項42に記載の配線構造。
【請求項44】
前記バンプパッドのそれぞれについて、前記パッケージ基板上の前記バンプパッドの正射影が、丸みのある長方形形状を有する、請求項26に記載の配線構造。
【請求項45】
配線幅および配線ピッチ仕様を満たすことに基づいて、各バンプパッドの長さが前記バンプパッドの幅の3倍より大きい、請求項44に記載の配線構造。
【請求項46】
フリップチップダイと、
前記フリップチップダイに対向するパッケージ基板と、
請求項26~45のいずれか一項に記載の配線構造と、
を備えるフリップチップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、チップパッケージングの分野に関し、詳細には、フリップチップ内のパッケージ基板についての配線設計方法および配線構造、ならびにフリップチップに関する。
【背景技術】
【0002】
フリップチップ内のパッケージ基板の配線設計に関する問題がある。関連技術では、パッケージ基板の設計は複雑であり、基板処理時間および基板配送時間の問題を増大させ、その結果基板コストが高くなる。いくつかの実際の応用では、パッケージ基板はしばしば8つの配線の層を必要とし、信号品質がほとんど保証されない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の第1の態様によれば、フリップチップ内のパッケージ基板についての配線設計方法が提供される。フリップチップは、パッケージ基板と、パッケージ基板に対向するフリップチップダイとを備える。方法は、バンプパッドを行および列の配列に配置するステップであって、バンプパッドがフリップチップダイ上の導電性バンプとボンディングされるように構成され、バンプパッドが信号パッドおよび非信号パッドを備え、非信号パッドが電力パッドおよびグランドパッドを備える、配置するステップと、非信号パッドにバイアホールを設け、パッケージ基板内の電力層に電力パッドを電気的に接続し、パッケージ基板内のグランド層にグランドパッドを電気的に接続するステップと、配線の層を使用して、パッケージ基板上のフリップチップダイの正射影領域から信号パッドのサブセットをリードアウトするステップであって、信号パッドのサブセットが、バンプパッドの配列についてのフリップチップダイの設計仕様で必要とされるすべての機能信号を搬送するように構成される、リードアウトするステップとを含む。
【0004】
本開示の第2の態様によれば、フリップチップ内のパッケージ基板についての配線構造が提供される。フリップチップは、パッケージ基板と、パッケージ基板に対向するフリップチップダイとを備える。配線構造は、パッケージ基板上に行および列の配列に配置されたバンプパッドであって、バンプパッドがフリップチップダイ上の導電性バンプとボンディングされるように構成され、バンプパッドが信号パッドおよび非信号パッドを備え、非信号パッドが電力パッドおよびグランドパッドを備える、バンプパッドと、電力バイアホールおよびグランドバイアホールを備えるバイアホールであって、電力バイアホールが、パッケージ基板内の電力層に電力パッドを電気的に接続するように構成され、グランドバイアホールが、パッケージ基板内のグランド層にグランドパッドを電気的に接続するように構成される、バイアホールと、パッケージ基板上のフリップチップダイの正射影領域から信号パッドのサブセットをリードアウトするように構成された配線の層であって、信号パッドのサブセットが、バンプパッドの配列についてのフリップチップダイの設計仕様で必要とされるすべての機能信号を搬送するように構成される、配線の層とを備える。
【0005】
本開示の第3の態様によれば、フリップチップダイと、フリップチップダイに対向するパッケージ基板と、本開示の第2の態様に記載の配線構造とを備えるフリップチップが提供される。
【0006】
図面は実施形態を例示的に示し、本明細書の一部を形成し、本明細書の記述と共に実施形態の例示的実装を説明するために使用される。図示される実施形態は例示のためのものに過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。図面全体を通して、同一の参照符号は、同様であるが必ずしも同一ではない要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の例示的実施形態によるフリップチップの構造の断面概略図および概略上面図である。
【
図2】本開示の例示的実施形態による配線設計方法のフローチャートである。
【
図3】本開示の例示的実施形態による
図2の方法のステップによって形成される構造の概略図である。
【
図4】本開示の例示的実施形態による
図2の方法の別のステップによって形成される構造の概略図である。
【
図5】本開示の例示的実施形態による
図2の方法のさらに別のステップによって形成される構造の概略図である。
【
図6】本開示の例示的実施形態による
図2の方法のさらに別のステップの実行前および実行後の構造的変化の概略図である。
【
図7】本開示の例示的実施形態による
図2の方法のさらに別のステップによって形成される構造の右側部分の概略図である。
【
図8】本開示の例示的実施形態による
図2の方法の別のステップによって形成される構造の左側部分の概略図である。
【
図9】本開示の例示的実施形態による導電性バンプおよびバンプパッドの断面概略図および概略上面図である。
【
図10】本開示の例示的実施形態による
図2の配線設計方法の一例としてのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
様々な要素、構成要素、領域、層、および/または部分を説明するために第1、第2、第3などの用語が本明細書で使用されることがあるが、こうした要素、構成要素、領域、層、および/または部分がこうした用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。こうした用語は、ある要素、構成要素、領域、層、または部分を別のものと区別するために使用されるに過ぎない。したがって、本開示の教示から逸脱することなく、以下で論じられる第1の要素、構成要素、領域、層、または部分は、第2の要素、構成要素、領域、層、または部分と呼ばれ得る。
【0009】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、本開示を限定しないものとする。本明細書では、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈で別段に明記されていない限り複数形も含むものとする。「備える」および/または「含む」という用語は、本明細書で使用されるとき、記載の特徴、全体、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、全体、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を除外しないことをさらに理解されたい。本明細書では、「および/または」という用語は、関連する列挙される項目のうちの1つまたは複数の任意およびすべての組合せを含み、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」という語句は、Aのみ、Bのみ、またはAとBの両方を指す。
【0010】
要素または層が「別の要素上または層上にある」、「別の要素または層に接続される」、「別の要素または層に結合される」あるいは「別の要素または層に隣接する」と呼ばれるとき、要素または層が直に別の要素上または層上にあり、別の要素または層に直に接続され、別の要素または層に直に結合され、または別の要素または層に直に隣接し得、あるいは中間要素または層が存在し得ることを理解されたい。一方、要素が「互いに直に隣接する」と呼ばれるとき、中間要素または層は存在しない。しかしながら、どんな環境下でも、「...上に」または「直に...上に」が、下にある層を完全に覆うために1つの層を必要とすると解釈されるべきではない。
【0011】
本開示の実施形態が、本開示の理想化された実施形態の概略図(および中間構造)を参照しながら本明細書で説明される。このため、たとえば製造技法および/または公差の結果として、図示される形状の変形が予期されるべきである。したがって、本開示の実施形態は、本明細書に示される領域の特定の形状に限定されると解釈されるべきではなく、たとえば製造のために引き起こされる形状の偏差を含むべきである。したがって、図に示される領域は概略的な性質のものであり、その形状は、デバイスの領域の実際の形状を示すものでも、本開示の範囲を限定するものでもないものとする。
【0012】
別段に定義されていない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本開示が属する技術分野の技術者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書で定義されるような用語が、関連分野および/または本明細書の文脈でのその用語の意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されるのでない限り、理想的な意味、または過度に正式な意味で解釈されないことをさらに理解されたい。
【0013】
関連技術では、複数の行に配置された円形バンプパッドが、フリップチップのパッケージ基板のために通常は使用される。円形バンプパッドは広い面積を占有するので、信号パッドが、相異なる配線の層によってパッケージ基板の外部にリードアウトされなければならない。たとえば、第1および第3の行の信号パッドが信号線によって第1の層からリードアウトされ、第5および第7の行の信号パッドが信号線によって第3の層からリードアウトされる。このようにして、電力層、グランド層、パッケージはんだボール層などの追加と共に、パッケージ基板はしばしば8つ以上の層の構造を必要とする。さらに、関連技術での信号トレースは通常、パッド内のバイアに基づいて実現され、その結果、パッケージ基板の中央領域内、すなわちパッケージ基板上のフリップチップダイの正射影領域内の配線幅が細くなる。通常の配線幅が使用され得るのはパッケージ基板の周辺領域内のみであり、その結果、配線インピーダンスの部分の不連続が生じ、配線内の信号品質に影響を及ぼす。さらに、信号パッドのリードアウトを実現するために多数のバイアホールが使用され、それによって電力配線のためのスペースがさらに縮小され、したがって電力信号の接続が不十分となり、電圧降下問題がもたらされる。
【0014】
本開示の実施形態は、フリップチップ内のパッケージ基板についての配線設計方法および配線構造、ならびにフリップチップを提供する。バンプパッドの形状、サイズ、位置、および/または向きを設定することにより、信号配線のために利用可能なスペースが増大し、すべての必要とされる信号パッドが配線の層によってリードアウトされ得る。いくつかの実施形態では、4層パッケージ基板の設計が実現され得る。いくつかの実施形態では、配線設計方法によって製造されたパッケージ基板では、信号パッドのためにバイアホールは不要であり、したがって十分な電源の接続が実現され得、電力網上の電圧降下が小さい範囲内となることが保証され得る。いくつかの実施形態では、すべての信号パッド上の配線は、信号経路上に一様な幅を有し得、それによって、信号品質の改善を促進するように連続的な信号インピーダンスを実現する。
【0015】
図1は、本開示の例示的実施形態によるフリップチップ100の局所的構造を概略的に示す。
図1の上半分は、フリップチップ100の部分断面概略図であり、
図1の下半分は、部分断面概略図に対応する概略上面図である。
【0016】
図1に示されるように、フリップチップ100は、フリップチップダイ110およびパッケージ基板120を備え、フリップチップダイ110はパッケージ基板120に対向して配置される。複数の導電性バンプ130が、パッケージ基板120に面するフリップチップダイ110の一方の面に設けられ、対応するバンプパッド140が、フリップチップダイ110に面するパッケージ基板120の一方の面に設けられ、バンプパッド140は導電性バンプ130とボンディングされる。はんだボール(図示せず)が、パッケージ基板120の他方の面に設けられ得、パッケージ基板120は、はんだボールによってプリント回路板(PCB)(図示せず)に接続され得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、
図1に示されるフリップチップ100はダブル・データ・レート・メモリ(DDR)チップであり得、より具体的には、フリップチップ100は、DDR2、LPDDR2、DDR3、LPDDR3、DDR4、LPDDR4、LPDDR4X、DDR5、LPDDR5などの高速メモリインターフェース内の高速インターフェース物理層(DDR PHY IP)モジュールであり得る。しかしながら、これは本開示の範囲を限定しないものとする。
【0018】
図2は、本開示の例示的実施形態による配線設計方法200のフローチャートである。
図2に示されるように、配線設計方法200は、バンプパッドを行および列の配列に配置すること(ステップ201)と、非信号パッドにバイアホールを設けること(ステップ203)と、配線の層を使用して、パッケージ基板上のフリップチップダイの正射影領域から信号パッドのサブセットをリードアウトすること(ステップ205)とを含む。説明の便宜上、パッケージ基板上のフリップチップダイの正射影領域は、以下では略して「正射影領域」と呼ばれる。
【0019】
図3から9は、
図2の配線設計方法200によって形成される配線構造を概略的に示し、
図10は、配線設計方法200の特定の例を示す。例示のために、配線設計方法200は図面と共に以下で詳細に説明される。ステップ201では、バンプパッドが行および列の配列に配置される。バンプパッドは、フリップチップダイ上の導電性バンプとボンディングされるように構成される。バンプパッドは信号パッドおよび非信号パッドを備え、非信号パッドは電力パッドおよびグランドパッドを備える。
【0020】
図3の例示的構造300では、バンプパッドの配列は信号パッド3401および非信号パッドを備え、非信号パッドは電力パッド3403およびグランドパッド3402を備える。より具体的には、電力パッド3403が、第1の電力網の電力パッド34031と、第2の電力網の電力パッド34032とに分割され得る。説明の便宜上、バンプパッドの配列の行方向は、より多くのバンプパッドがあり、またはより広い幅の配列がある、2次元の配列の一方に沿った方向を指し、列方向は、より少ないバンプパッドがあり、またはより細い幅の配列がある、2次元の配列の他方に沿った方向を指す。
図3の例では、上下方向がバンプパッドの配列の行方向となる。点線のボックス内の1から7の番号は、バンプパッドの行の番号を示し、行の番号は、それぞれ右から左に第1、第2、...、および第7の行である。したがって、この例では、左右方向がバンプパッドの配列の列方向となる。7つの行のバンプパッドは説明的および例示的なものに過ぎず、本開示の範囲を限定しないものとすることを理解されたい。
【0021】
いくつかの実施形態によれば、バンプパッドは、奇数行のバンプパッドと偶数行のバンプパッドとが配列の列方向に互い違いとなるように配置される。
図3の例では、第1、第3、第5、および第7の行のバンプパッドと、第2、第4、第6の行のバンプパッドとが、列方向に互い違いとなる。
【0022】
いくつかの実施形態によれば、バンプパッドを行および列の配列に配置することは、各奇数行で信号パッドの数が非信号パッドの数よりも多く、各偶数行で信号パッドの数が非信号パッドの数よりも少なくなるようにバンプパッドを配置することをさらに含み得る。
図3の例では、奇数行では、信号パッド3401の数が、非信号パッド3402および3403の数よりも多い。一例として第1の行を取り上げると、第1の行は、24個の信号パッド3401と、3個の非信号パッドとを備える。一例として第3の行を取り上げると、第3の行は、23個の信号パッド3401と、4個の非信号パッドとを備える。奇数行では、信号パッド3401の数は、パッドの総数の大部分を占め、信号パッドは、主に信号伝送のために使用される。偶数行では、信号パッドの数は非信号パッドの数よりも少ない。一例として第2の行を取り上げると、第2の行は、5個の信号パッド3401と、21個の非信号パッドとを備える。一例として第4の行を取り上げると、第4の行は、2個の信号パッド3401と、25個の非信号パッドとを備える。偶数行では、非信号パッドの数は、パッドの総数の大部分を占め、非信号パッドは、主に非信号伝送のために使用される。そのようなパッド配置では、パッド間のギャップが、配線のためにより十分に使用され得る。
【0023】
前述のパッド配置は例示的なものであり、他の実施形態では他の配置パターンが使用され得ることを理解されたい。代替実施形態では、バンプパッドを行および列の配列に配置することは、nが0<n<Nである整数、Nが配列の行の総数として、配列の最初のn行では信号パッドの数が非信号パッドの数よりも多くなるようにバンプパッドを配置することをさらに含み得る。ここで、配列の最初のn行は、バンプパッドの配列内の、正射影領域の一端に最も近い列方向の行から始まる、n個の連続する行を指す。
図3の例では、配列Nの行の総数は7であり、フリップチップダイの正射影領域の端は、配列の行方向(上下方向)の第1の端EG1と、配列の列方向(左右方向)の第2の端EG2とを含む。その場合、配列の最初のn行は、バンプパッドの配列内の、正射影領域の一端(すなわち、第1の端EG1)に最も近い列方向の行から始まる、n個の連続する行を指す。たとえば、nが3であるとき、最初のn行は、
図3に示される第1の行から第3の行を指す。最初のn行の意味が
図3を参照して上記で説明されただけであり、
図3に示されるパッド配置パターンが、最初のn行では信号パッドの数が非信号パッドの数よりも多いという条件を満たす必要はないことを理解されたい。
【0024】
いくつかの実施形態では、任意選択で、方法200は、
図2の点線のボックスで示されるように、ステップ202を含み得る。ステップ202では、相異なる行の電力パッドの一部がバイアホールを共用し得、相異なる行のグランドパッドの一部がバイアホールを共用し得るように、バンプパッドの少なくとも一部の位置が調節される。
【0025】
図4を参照すると、例示的構造400は、
図3の例示的構造300の部分的拡大であり、図が見やすいように例示的構造300に対して90度回転して示されている。このケースでは、左右方向が行方向であり、上下方向が列方向である。例示的構造400は、信号パッド4401、グランドパッド4402、および電力パッド4403を備え、電力パッド4403は、第1の電力網の電力パッド44031と、第2の電力網の電力パッド44032とを備える。
図4は正射影領域の第1の端EG1をさらに示す。
【0026】
バンプパッドの位置を調節することにより、第6、第4、および第2の行の3つのグランドパッド4402がバイアホールを共用し得、第4および第2の行の第1の電力網の電力パッド44031がバイアホールを共用し得る。バイアホールの共用は、バイアホール数を削減し、したがって過剰な配線スペースの占有を回避し得る。
【0027】
いくつかの実施形態によれば、バンプパッドの位置を調節することは、相異なる行の複数の電力パッドを列方向に互いに直に対向するように配置することと、相異なる行の複数のグランドパッドを列方向に互いに直に対向するように配置することとを含み得る。この文脈では、「パッドAおよびBが互いに直に対向する」という語句は、パッドAおよびBが互いに間隔を置いて配置され、その間に追加のパッドがないことを意味する。
図4の例では、相異なる偶数行(第2、第4、および第6の行)のグランドパッド4402が、列方向に互いに直に対向し、相異なる偶数行(第2および第4の行)の第1の電力網の電力パッド44031が互いに直に対向する。
【0028】
いくつかの実施形態によれば、相異なる行の複数の電力パッドを列方向に互いに直に対向するように配置することは、相異なる行の複数の電力パッドを列方向に位置合わせされるように配置することを含み得る。
図4をさらに参照すると、図の点線のボックスで示されるように、相異なる偶数行(第2および第4の行)の第1の電力網の電力パッド44031が列方向に位置合わせされる。
【0029】
いくつかの実施形態によれば、相異なる行の複数のグランドパッドを列方向に互いに直に対向するように配置することは、相異なる行の複数のグランドパッドを列方向に位置合わせされるように配置することを含み得る。
図4をさらに参照すると、図の点線のボックスで示されるように、相異なる偶数行(第2、第4、および第6の行)のグランドパッド4402が列方向に位置合わせされる。
【0030】
上記の実施形態では、バンプパッドの位置に対する調節が、
図4に示される特定のパッド配置パターンを参照して説明された。他の実施形態では、パッド位置調節は他のパッド配置パターンにも適用可能であり、すなわち、相異なる行の複数の電力パッドが列方向に互いに直に対向するように配置され、相異なる行の複数のグランドパッドが列方向に互いに直に対向するように配置されることを理解されたい。
【0031】
ステップ203では、非信号パッドにバイアホールが設けられ、パッケージ基板内の電力層に電力パッドが電気的に接続され、パッケージ基板内のグランド層にグランドパッドが電気的に接続される。
【0032】
図5を参照すると、
図4の例示的構造400に基づいてバイアホールを追加することによって例示的構造500が得られる。例示的構造500は、信号パッド5401、グランドパッド5402、および電力パッド5403を備え、電力パッド5403は、第1の電力網の電力パッド54031と、第2の電力網の電力パッド54032とを備える。
図5は正射影領域の第1の端EG1をさらに示す。
図5に示されるように、非信号パッドとして働く電力パッド5403およびグランドパッド5402にバイアホール550、560、および570が設けられ、電力パッド5403がパッケージ基板内の電力層(図示せず)に電気的に接続され、グランドパッド5402がパッケージ基板内のグランド層(図示せず)に電気的に接続される。
【0033】
いくつかの実施形態によれば、非信号パッドにバイアホールを設けることは、相異なる行の複数の電力パッドに共通電力バイアホールを設けることであって、共通電力バイアホールが複数の電力パッドを電力層に電気的に接続する、設けることと、相異なる行の複数のグランドパッドに共通グランドバイアホールを設けることであって、共通グランドバイアホールが複数のグランドパッドをグランド層に電気的に接続する、設けることとを含み得る。
図5の例では、相異なる偶数行(第2、第4、および第6の行)のグランドパッド5402に共通グランドバイアホール550が設けられ、グランドパッド5402がパッケージ基板内のグランド層(図示せず)に電気的に接続される。さらに、相異なる偶数行(第2および第4の行)の第1の電力網の電力パッド54031に共通電力バイアホール560が設けられ、電力パッド54031がパッケージ基板内の電力層(図示せず)に電気的に接続される。
【0034】
いくつかの実施形態によれば、相異なる行の複数の電力パッドに共通電力バイアホールを設けることは、共通電力バイアホールを列方向に複数の電力パッドと位置合わせされるように配置することを含み得る。
図5をさらに参照すると、各共通電力バイアホール560が、列方向に第1の電力網の2つの電力パッド54031と位置合わせされる。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、複数の電力パッドの縦方向が列方向に平行である。各電力パッドについて、縦方向は、電力パッドが最大サイズを有する方向である。共通電力バイアホールを列方向に複数の電力パッドと位置合わせされるように配置することは、共通電力バイアホールと複数の電力パッドのうちの1つの縦方向の一端との間の距離がしきい距離未満となるように共通電力バイアホールを配置することを含み得る。しきい距離は5μm、10μm、15μm、20μmなどであり得る。したがって、共通電力バイアホールと複数の電力パッドのうちの1つの縦方向の一端との間に直接的接触があり得、またはそれらの間にギャップがあり得る。共通電力バイアホールと電力パッドの一端との間にギャップがあるとき、その2つは配線によって互いに電気的に接続され得る。
図5をさらに参照すると、電力パッド5403の縦方向(すなわち、電力パッド5403が最大サイズを有する方向)が列方向に平行であり、各共通電力バイアホール560と1つの電力パッド54031の縦方向の一端との間の距離がしきい距離未満である。いくつかの実施形態では、共通電力バイアホール560が電力パッド54031の上端に配置され、電力パッド54031の上端と直に接触する。いくつかの実施形態では、バイアホール自体の直径が100μmである。
【0036】
いくつかの実施形態によれば、相異なる行の複数のグランドパッドに共通グランドバイアホールを設けることは、共通グランドバイアホールを列方向に複数のグランドパッドと位置合わせされるように配置することを含み得る。さらに
図5を参照すると、共通グランドバイアホール550は、列方向に相異なる偶数行(第2、第4、および第6の行)のグランドパッド5402と位置合わせされる。
【0037】
いくつかの実施形態によれば、複数のグランドパッドの縦方向が列方向に平行であり、共通グランドバイアホールを列方向に複数のグランドパッドと位置合わせされるように配置することは、共通グランドバイアホールと複数のグランドパッドのうちの1つの縦方向の一端との間の距離がしきい距離未満となるように共通グランドバイアホールを配置することを含み得る。いくつかの実施形態では、しきい距離は5μm、10μm、15μm、20μmなどであり得る。したがって、共通グランドバイアホールと複数のグランドパッドのうちの1つの縦方向の一端との間に直接的接触があり得、またはそれらの間にギャップがあり得る。共通グランドバイアホールとグランドパッドの一端との間にギャップがあるとき、その2つは配線によって互いに電気的に接続され得る。
図5をさらに参照すると、グランドパッド5402の縦方向(すなわち、グランドパッド5402が最大サイズを有する方向)が列方向に平行であり、各共通グランドバイアホール550と1つのグランドパッドの縦方向の一端との間の距離がしきい距離未満である。いくつかの実施形態では、共通グランドバイアホール550がグランドパッド5402の上端に配置され、グランドパッド5402の上端と直に接触する。
【0038】
上記の配置構造により、非信号パッド(すなわち、電力パッドおよびグランドパッド)のためのバイアホールは、列方向の経路を占有するだけであり、したがって配線スペースに対する影響が小さくなる。これは、必要とされる信号パッドを配線の層によってリードアウトすることを容易にする。
【0039】
いくつかの実施形態によれば、任意選択で、方法200は、
図2の点線のボックスで示されるように、ステップ204をさらに含み得る。ステップ204では、バンプパッドの少なくとも一部の向きが調節される。
【0040】
図6は、ステップ204の実行前および実行後のバンプパッドの一部の向きの変化を示す。
図6に示されるように、バンプパッドのその一部の向きが、垂直方向から水平方向に調節される。調節後、バンプパッドの縦方向が配線送出方向と一致し、配線送出のためのギャップが増大し、したがって、隣接する行の間により多くの配線が配置され得る。これは、配線の層を使用して、信号パッドを正射影領域からリードアウトすることを可能にする。
図6の例では、正射影領域の2つの交差する端が、第1の端EG1および第2の端EG2によって概略的に表される。
【0041】
いくつかの実施形態によれば、バンプパッドの配列と正射影領域の少なくとも第1の端との間に追加のパッドが設けられない。たとえば、バンプパッドの配列が、
図6に示されるように、正射影領域内の周辺ゾーン内に配置される。そのような実施形態では、バンプパッドの向きを配置することは、第1の端に垂直な第1の縦方向を有するようにバンプパッドの第1のサブセットを配向することと、第1の縦方向とは異なる縦方向を有するようにバンプパッドの第2のサブセットを配向することとを含み得る。いくつかの実施形態によれば、バンプパッドの配列と正射影領域の交差する第1および第2の端との間に追加のパッドが設けられない。バンプパッドの第2のサブセットは、配列内のバンプパッドの少なくとも1つの行のバンプパッドの一部であって、全体としてのバンプパッドのその少なくとも1つの行が、配列内の他の行よりも第1の端から離れている、バンプパッドの一部と、配列内のバンプパッドの少なくとも1つの列のバンプパッドの一部であって、全体としてのバンプパッドのその少なくとも1つの列が、配列内の他の列よりも第2の端に近い、バンプパッドの一部とを備える。バンプパッドの第1のサブセットは、バンプパッドの配列内の、第2のサブセット内以外のバンプパッドを備える。
【0042】
次に
図7および8を参照する。
図7は、
図3の例示的構造300に
図2の配線設計方法200を適用することによって得られるバンプパッドの配列の(
図3の例示的構造300の上側部分に対応する)局所領域700を示す。
図8は、
図3の例示的構造300に
図2の配線設計方法200を適用することによって得られるバンプパッドの配列の(
図3の例示的構造300の下側部分に対応する)局所領域800を示す。
【0043】
図7に示される局所領域700では、バンプパッドの配列は、信号パッド7401、グランドパッド7402、および電力パッド7403を備え、電力パッド7403は、第1の電力網の電力パッド74031と、第2の電力網の電力パッド74032とを備える。バンプパッドの配列と正射影領域の交差する第1の端EG1および第2の端EG2との間に追加のパッドが設けられず、したがってバンプパッドは、第1の端EG1および第2の端EG2からリードアウトされ得る。しかしながら、バンプパッドの配列と、正射影領域の、第1および第2の端以外の他の端との間に追加のパッド(
図7には図示せず)が設けられ得、したがってこれらの他の端からバンプパッドをリードアウトすることができない。したがって、バンプパッドの向きを適切に設定することが必要となる。この例では、バンプパッドの第2のサブセットは、バンプパッドの少なくとも1つの行(たとえば、第4から第7の行)のバンプパッドの一部を備え(全体としての第4から第7の行は、配列内の他の行(すなわち、第1から第3の行)よりも第1の端EG1から離れている)、バンプパッドのこの部分が、ほぼ水平な縦方向を有するように配向される。さらに、バンプパッドの第2のサブセットは、バンプパッドの少なくとも1つの列(たとえば、右から左に第1から第3の列)のバンプパッドの一部をさらに備え(全体としての第1から第3の列は、配列内の他の列よりも第2の端EG2に近い)、バンプパッドのこの部分も、ほぼ水平な縦方向を有するように配向される。第2のサブセット内以外のバンプパッドが、バンプパッドの第1のサブセットを形成し、第1の端EG1に垂直な第1の縦方向を有するように配向される。このようにして、第2のサブセット内のバンプパッドは、第1のサブセット内のバンプパッドとは異なるように配向される。
【0044】
同様に、
図8に示される局所領域800では、バンプパッドの配列は、信号パッド8401、グランドパッド8402、および電力パッド8403を備え、電力パッド8403は、第1の電力網の電力パッド84031と、第2の電力網の電力パッド84032とを備える。局所領域800では、バンプパッドの第2のサブセットは、バンプパッドの少なくとも1つの行(たとえば、第6から第7の行)のバンプパッドの一部を備え(全体としての第6および第7の行は、配列内の他の行よりも第1の端EG1から離れている)、バンプパッドのこの部分が、ほぼ水平な縦方向を有するように配向される。第2のサブセット内以外のバンプパッドが、バンプパッドの第1のサブセットを形成し、第1の端EG1に垂直な第1の縦方向を有するように配向される。したがって、第2のサブセット内のバンプパッドは、第1のサブセット内のバンプパッドとは異なるように配向される。
【0045】
前述の実施形態では、配列の行方向は第1の端に平行であり得、配列の列方向は第2の端に平行であり得る。たとえば、
図7では、配列の行方向は第1の端EG1に平行であり、配列の列方向は第2の端EG2に平行である。
【0046】
ステップ205では、配線の層が、パッケージ基板上のフリップチップダイの正射影領域から信号パッドのサブセットをリードアウトするために使用され、信号パッドのサブセットが、バンプパッドの配列についてのフリップチップダイの設計仕様で必要とされるすべての機能信号を搬送するように構成される。本明細書では、「サブセット」という用語は、列挙される項目の一部またはすべてを含み、すなわち「フルセット」のケースを含む。「機能信号」という用語は、制御信号および/またはデータ信号などの、電力信号およびグランド信号以外の信号を指す。
【0047】
いくつかの実施形態によれば、バンプパッドの配列と正射影領域の交差する第1および第2の端との間に追加のパッドが設けられず、バンプパッドの配列と、正射影領域の、第1および第2の端以外の他の端との間に追加のパッドが設けられる。任意選択で、配列の行方向は第1の端に平行であり得、配列の列方向は第2の端に平行であり得る。こうした実施形態では、信号パッドで配線を実施することは、配線幅および配線ピッチ仕様を満たすことに基づいて、バンプパッドの配列と正射影領域の他の端との間のギャップを用いて、正射影領域から信号パッドのサブセット内の第1のグループの信号パッドをリードアウトすることであって、第1の端から最も離れている配列内の行に位置する信号パッドの少なくとも一部が第1のグループの信号パッドに属する、リードアウトすることと、バンプパッドの配列と第1および第2の端との間のギャップを用いて、正射影領域から、信号パッドのサブセット内の、第1のグループの信号パッド以外の残りの信号パッドをリードアウトすることとを含み得る。
【0048】
図7を参照すると、バンプパッドの配列と、交差する第1の端EG1および第2の端EG2との間に追加のパッドが設けられないのに対して、バンプパッドの配列と、正射影領域の、第1の端EG1および第2の端EG2以外の他の端との間に追加のパッドが設けられる。具体的には、
図7は、バンプパッドの配列とパッケージ基板の別のパッド領域との間のギャップGP1を示す。さらに、
図8は、バンプパッドの配列とパッケージ基板の別のパッド領域との間のギャップGP2を示す。
図8はまた、バンプパッドの配列の上側および左側に位置する複数の追加のパッド8901を示す。これらの追加のパッド8901の存在のために、バンプパッドの配列の配線は制限される。パッケージ基板上のスペースを効果的に使用するために、ギャップGP1およびGP2を用いて、第7の行(および任意選択でいくつかの他の行)の、フリップチップダイの設計仕様によって必要とされる信号パッドの一部(すなわち、「第1のグループの信号パッド」)が、第1のグループの配線によって正射影領域からリードアウトされ得、バンプパッドの配列と第1および第2の端との間のギャップを用いて、設計仕様によって必要とされる残りの信号パッドが、第2のグループの配線によって正射影領域からリードアウトされ得る。
【0049】
バンプパッドの配列と、正射影領域の、第1の端EG1および第2の端EG2以外の他の端との間に追加のパッドが設けられる実施形態が
図7を参照して上記で説明されるが、他の実施形態も可能である。
【0050】
いくつかの実施形態によれば、バンプパッドの配列と正射影領域の第1の端だけの間に追加のパッドが設けられず、バンプパッドの配列と、正射影領域の、第1の端以外の他の端との間に追加のパッドが設けられる。これらの実施形態では、前述の実施形態と同様の配線方法が使用され得る。具体的には、信号パッドで配線を実施することは、配線幅および配線ピッチ仕様を満たすことに基づいて、バンプパッドの配列と正射影領域の他の端との間のギャップを用いて、第1のグループの配線によって正射影領域から信号パッドのサブセット内の第1のグループの信号パッドをリードアウトすることであって、第1の端から最も離れている配列内の行(上記の例では第7の行である)に位置する信号パッドの少なくとも一部が、第1のグループの信号パッドに属する、リードアウトすることと、バンプパッドの配列と正射影領域の第1の端との間のギャップを用いて、正射影領域から、信号パッドのサブセット内の、第1のグループの信号パッド以外の残りの信号パッドをリードアウトすることとを含み得る。
【0051】
いくつかの実施形態によれば、配列の端でない行および同一の列に位置する信号パッドの一部が、同一の縦方向を有し、縦方向は、各信号パッドが信号パッドについての最大サイズを有する方向である。配線の層を使用して、正射影領域から信号パッドのサブセットをリードアウトすることは、配列の端でない行および同一の列に位置する信号パッドのその一部について、配線幅および配線ピッチ仕様を満たすことに基づいて、配線を使用して、第1の信号パッドの縦方向の軸の第1の側から第1の信号パッドをリードアウトすることと、配線を使用して、軸の第2の側から、第1の信号パッドと同一の列に位置し、第1の信号パッドに直に対向する第2の信号パッドをリードアウトすることであって、第2の側が、軸に関して第1の側と反対側にある、リードアウトすることとを含み得る。本明細書では、「端でない行」は、mまでの行のセットを指し、ただし1<m<Nであり、mは整数であり、Nはバンプパッドの配列の行の総数である。
【0052】
図7を参照すると、端の行は第1および第7の行を含み、端でない行は第2、第3、第4、第5、および第6の行を含み、第3の行に位置する信号パッド7701と、第5の行に位置する信号パッド7702が同一の列に位置し、信号パッド7701が信号パッド7702に直に対向する。
図7に示されるように、信号パッド7701が最大サイズを有する方向は列方向であり、信号パッド7702が最大サイズを有する方向も列方向である。したがって、信号パッド7701および信号パッド7702は同一の縦方向を有し、信号パッド7701は、その縦方向に軸AXを有する。配線幅および配線ピッチ仕様を満たすことに基づいて、信号パッド7701が、配線を使用することによって、信号パッド7701の縦方向に、軸AXの第1の側、たとえば左側から、第1の端EG1からリードアウトされ、信号パッド7702が、配線を使用することによって、軸AXの第2の側、たとえば右側から、第1の端EG1からリードアウトされる。代替実施形態では、やはり配線を使用することにより、信号パッド7701が軸AXの右側からリードアウトされ得、信号パッド7702が軸AXの左側からリードアウトされ得る。
【0053】
フリップチップダイの設計仕様に従ってリードアウトされることが必要とされない信号パッド(たとえば、
図7のバンプパッド780または
図8のバンプパッド880)について、無接続処理が実施され得る。無接続バンプパッドについて、配線は不要であり、したがって配線スペースが節約され得る。
図7および8では、無接続バンプパッド780または880の両端でショートリードを設定することが、バンプパッドの機械的要素に基づいて考慮され、そのような設定は、パッケージ基板の機械的安定性を保証し得る。
【0054】
いくつかの実施形態によれば、配線幅および配線ピッチ仕様は、多くても2つの配線が2つのバンプパッドごとの間を通過することを可能にする。
パッケージ基板は、配線幅と配線間隔のどちらについても一定の要件を有する。たとえば、配線幅および配線ピッチはどちらも20μm以上である。配線幅および配線ピッチ仕様の一例が以下の表1に列挙される。記号A、B、C、D、E、およびFによって表される項目について
図1が参照され得、Aはパッド間隔であり、Bはパッドから隣接する配線の端までの距離であり、Cはパッド幅であり、Dはパッド長であり、Eは配線幅であり、Fは配線間隔である。
【0055】
【0056】
上記の数値は例示的な説明に過ぎず、本開示を限定しないことを理解されたい。そのような配線幅および配線ピッチ仕様に基づいて、
図1を参照して、2つの信号線170が2つのバンプパッド140の間を通過し得る。したがって、これは、配線の層によってパッケージ基板から信号パッドをリードアウトすることを容易にする。
【0057】
前述の配線設計方法200により、信号配線層、電力層、グランド層、およびパッケージはんだボール層の4層構造のパッケージ基板が実現され得る。これは、基板処理の難点を低減し、基板配送時間を短縮し、基板コストを削減する。必要とされる信号パッドが配線の層によってリードアウトされるので、信号パッドのためにバイアホールを設ける必要がない。これは、電力パッドおよびグランドパッドをそれぞれ電力層およびグランド層に完全に接続することを可能にし得、それによって、電圧降下が小さい範囲内となることが保証される。
【0058】
いくつかの実施形態によれば、配線設計方法200は、バンプパッドの位置を調節する前に、バンプパッドの形状を設定することと、バンプパッドのサイズを設定することとをさらに含み得る。いくつかの実施形態によれば、バンプパッドの形状を設定することは、パッケージ基板上の各バンプパッドの正射影が丸みのある長方形形状を有するようにバンプパッドを設定することを含み得る。いくつかの実施形態によれば、バンプパッドのサイズを配置することは、配線幅および配線ピッチ仕様を満たすことに基づいて、バンプパッドの長さがバンプパッドの幅の3倍より大きくなるように各バンプパッドを設定することを含み得る。
【0059】
次に
図9を参照する。
図9の左半分の部分は、互いにボンディングされる導電性バンプ930およびバンプパッド940の断面図を概略的に示し、
図9の右半分の部分は、導電性バンプ930およびバンプパッド940の上面図を概略的に示す。パッケージ基板上のバンプパッド940の正射影が丸みのある長方形の形状であることを上面図から理解することができる。この文脈では、特別な丸みのある長方形として楕円も考慮され得る。
図9の例では、バンプパッド940は長さ85μmおよび幅25μmを有する。円形パッドと比べて、占有面積を削減し、配線スペースを増大させるために、丸みのある長方形または楕円の形状のパッドが使用される。いくつかの例では、バンプパッド領域の内部および外部の両方で20μmのトレースが使用され得、50オームのインピーダンスも実現され得、したがって、より良好な信号品質が得られ得る。
【0060】
いくつかの実施形態によれば、配線設計方法200は、非信号パッドにバイアホールを設けるステップ203の後に、電力パッドがバイアホールのうちの対応する1つによって電力層に電気的に接続されるかどうか、およびグランドパッドがバイアホールのうちの対応する1つによってグランド層に電気的に接続されるかどうかを判定することと、電力パッドが電力層に電気的に接続されており、グランドパッドがグランド層に電気的に接続されていると判定したことに応答して、バンプパッドの向きを調節するステップ204に進むこととをさらに含み得る。
【0061】
いくつかの実施形態によれば、配線設計方法200は、信号パッドのサブセットが配線の層によって正射影領域からリードアウトされたかどうかを判定することと、信号パッドのサブセットが配線の層によって正射影領域からリードアウトされたと判定したことに応答して、パッケージ基板に関して電気的シミュレーションを実施することとをさらに含み得る。
【0062】
いくつかの実施形態によれば、配線設計方法200は、電気的シミュレーションの結果が、フリップチップダイの設計仕様が満たされることを示すことに応答して、パッケージ基板についての配線設計ファイルを生成することをさらに含み得る。
【0063】
配線設計方法200についてのこれらの追加の処理は、
図10を参照して以下で説明される。
図10は、配線設計方法200の特定の例1000を示す。この例では、ステップ1001、1004、1005、および1007は、それぞれ
図2に関して上記で説明されたステップ201、202、203、および204に対応し、ステップ1008および1009は、
図2に関して上記で説明されたステップ205に対応する。バンプパッドの形状を設定するステップ1002と、バンプパッドのサイズを設定するステップ1003も、
図9を参照して上記で説明された。簡潔のために、これらのステップの詳細は本明細書では繰り返されない。
【0064】
ステップ1006では、非信号パッド(すなわち、電力パッドおよびグランドパッド)にバイアホールが設けられた後、非信号配線が完了したかどうかがチェックされる。具体的には、電力パッドが対応するバイアホールによって電力層に電気的に接続されるかどうか、グランドパッドが対応するバイアホールによってグランド層に電気的に接続されるかどうかが判定される。電力パッドが電力層に電気的に接続されており、グランドパッドがグランド層に電気的に接続されている場合、プロセスはステップ1007に進み、バンプパッドの向きを調節する。そうでない場合、プロセスはステップ1004に戻って、バンプパッドの位置を再び調節し、非信号配線が完了するまでステップ1005および1006が再び実行される。
【0065】
ステップ1010では、フリップチップダイの設計仕様によって必要とされる信号パッドが配線の層によってリードアウトされた後、すべての必要とされる信号パッドがリードアウトされるかどうかがチェックされる。具体的には、信号パッドのサブセット(すなわち、フリップチップダイの設計仕様によって必要とされる信号パッド)が配線の層によって正射影領域からリードアウトされたかどうかが判定される。信号パッドのサブセットが配線の層によって正射影領域からリードアウトされた場合、電気的シミュレーションがパッケージ基板に関して実施される。そうでない場合、プロセスはステップ1004に戻って、バンプパッドの位置を再び調節し、次いで後続のステップが続行される。
【0066】
ステップ1011では、電気的シミュレーションが、完了した配線設計に関して実施される。電気的シミュレーションにより、配線設計がフリップチップの設計仕様で指定される周波数設計要件を満たすかどうかがチェックされる。いくつかの実施形態では、LPDDR4に適用される配線設計では、伝送速度3200Mbpsが必要とされる。フリップチップダイが周波数設計要件を満たし得ることを電気的シミュレーション結果が示す場合、プロセスはステップ1012に進む。そうでない場合、プロセスはステップ1008に戻って、信号パッド上の配線を再び実施する。
【0067】
ステップ1012では、パッケージ基板についての配線設計が保存され得る。保存された配線設計は、実際のパッケージ基板製造工程で使用され得る。
様々な動作が、特定の順序で図示され、上記で説明されたが、こうした動作が図示され、説明された特定の順序または順次的な順序で実行されなければならないことを必要とすると理解すべきではなく、所望の結果を得るために、図示され、説明されたすべての動作を実行しなければならないと理解すべきでもないことを理解されたい。たとえば、
図2では、バンプパッドの向きが調節された(ステップ204)後に、非信号パッドにバイアホールが設けられ得る(ステップ203)。
図10では、第1、第3、および第5の行の信号パッド上の配線を実施するステップ1008が、第7の行の信号パッド上の配線を実施するステップ1009と同時に実行され、またはステップ1009の後に実行され得る。より一般には、ステップ1008および1009が、
図2に示されるステップ205などの1つのステップとして組み合わされ得る。
【0068】
本開示の一態様によれば、フリップチップ内のパッケージ基板についての配線構造が提供される。フリップチップは、パッケージ基板と、パッケージ基板に対向するフリップチップダイとを備える。配線構造は、パッケージ基板上に行および列の配列に配置されたバンプパッドであって、バンプパッドがフリップチップダイ上の導電性バンプとボンディングされるように構成され、バンプパッドが信号パッドおよび非信号パッドを備え、非信号パッドが電力パッドおよびグランドパッドを備える、バンプパッドと、電力バイアホールおよびグランドバイアホールを備えるバイアホールであって、電力バイアホールが、パッケージ基板内の電力層に電力パッドを電気的に接続するように構成され、グランドバイアホールが、パッケージ基板内のグランド層にグランドパッドを電気的に接続するように構成される、バイアホールと、パッケージ基板上のフリップチップダイの正射影領域から信号パッドのサブセットをリードアウトするように構成された配線の層であって、信号パッドのサブセットが、フリップチップダイの設計仕様で必要とされるすべての機能信号を搬送するように構成される、配線の層とを備える。
【0069】
本開示の一態様によれば、フリップチップが提供される。フリップチップは、フリップチップダイと、フリップチップダイに対向するパッケージ基板と、前述のような任意の配線構造とを備える。
【0070】
配線構造およびフリップチップは、
図1から10に関して上記で詳細に説明されており、簡潔のために本明細書では繰り返されない。配線構造およびフリップチップは、配線設計方法200に関して上記で説明されたのと同じ利点を有する。
【0071】
本開示のいくつかの実施形態では、バンプパッドの形状、サイズ、位置、および/または向きを設定することにより、信号配線のためのスペースが増大し、その結果、配線の層を使用することにより、すべての必要とされる信号パッドがリードアウトされ得る。いくつかの実施形態では、4層パッケージ基板の設計が実現され得る。いくつかの実施形態では、配線設計方法によって製造されたパッケージ基板では、信号パッドのためにバイアホールは不要であり、したがって、電源の十分な接続が実現され得、電力網上の電圧降下が小さい範囲内となることが保証され得る。いくつかの実施形態では、すべての信号パッド上の配線は、信号経路上に一様な幅を有し得、それによって、信号品質の改善を促進するように連続的な信号インピーダンスを実現する。
【0072】
本開示が図面および上記の説明で詳細に図示され、説明されたが、そのような図示および説明は、限定的ではなく、例示的かつ概略的なものと見なされるべきであり、本開示は、開示される実施形態に限定されない。図面、本開示、および添付の特許請求の範囲を研究することにより、特許請求される主題を実施するとき、開示される実施形態に対する修正形態を当業者は理解し、実装することができる。特許請求の範囲では、「備える、含む」という語は、列挙されない他の要素またはステップを除外せず、不定冠詞「a」または「an」は複数を除外せず、「複数の」という用語は2つ以上を意味する。単にいくつかの手段が相互に異なる従属請求項に記載されることは、利点を得るためにこうした手段の組合せを使用することができないことを示すものではない。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、チップパッケージングの分野に関し、詳細には、フリップチップ内のパッケージ基板についての配線設計方法および配線構造、ならびにフリップチップに関する。
【背景技術】
【0002】
フリップチップ内のパッケージ基板の配線設計に関する問題がある。関連技術では、パッケージ基板の設計は複雑であり、基板処理時間および基板配送時間の問題を増大させ、その結果基板コストが高くなる。いくつかの実際の応用では、パッケージ基板はしばしば8つの配線の層を必要とし、信号品質がほとんど保証されない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の第1の態様によれば、フリップチップ内のパッケージ基板についての配線設計方法が提供される。フリップチップは、パッケージ基板と、パッケージ基板に対向するフリップチップダイとを備える。方法は、バンプパッドを行および列の配列に配置するステップであって、バンプパッドがフリップチップダイ上の導電性バンプとボンディングされるように構成され、バンプパッドが信号パッドおよび非信号パッドを備え、非信号パッドが電力パッドおよびグランドパッドを備える、配置するステップと、非信号パッドにバイアホールを設け、パッケージ基板内の電力層に電力パッドを電気的に接続し、パッケージ基板内のグランド層にグランドパッドを電気的に接続するステップと、配線の層を使用して、パッケージ基板上のフリップチップダイの正射影領域から信号パッドのサブセットをリードアウトするステップであって、信号パッドのサブセットが、バンプパッドの配列についてのフリップチップダイの設計仕様で必要とされるすべての機能信号を搬送するように構成される、リードアウトするステップとを含む。
【0004】
本開示の第2の態様によれば、フリップチップ内のパッケージ基板についての配線構造が提供される。フリップチップは、パッケージ基板と、パッケージ基板に対向するフリップチップダイとを備える。配線構造は、パッケージ基板上に行および列の配列に配置されたバンプパッドであって、バンプパッドがフリップチップダイ上の導電性バンプとボンディングされるように構成され、バンプパッドが信号パッドおよび非信号パッドを備え、非信号パッドが電力パッドおよびグランドパッドを備える、バンプパッドと、電力バイアホールおよびグランドバイアホールを備えるバイアホールであって、電力バイアホールが、パッケージ基板内の電力層に電力パッドを電気的に接続するように構成され、グランドバイアホールが、パッケージ基板内のグランド層にグランドパッドを電気的に接続するように構成される、バイアホールと、パッケージ基板上のフリップチップダイの正射影領域から信号パッドのサブセットをリードアウトするように構成された配線の層であって、信号パッドのサブセットが、バンプパッドの配列についてのフリップチップダイの設計仕様で必要とされるすべての機能信号を搬送するように構成される、配線の層とを備える。
【0005】
本開示の第3の態様によれば、フリップチップダイと、フリップチップダイに対向するパッケージ基板と、本開示の第2の態様に記載の配線構造とを備えるフリップチップが提供される。
【0006】
図面は実施形態を例示的に示し、本明細書の一部を形成し、本明細書の記述と共に実施形態の例示的実装を説明するために使用される。図示される実施形態は例示のためのものに過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。図面全体を通して、同一の参照符号は、同様であるが必ずしも同一ではない要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の例示的実施形態によるフリップチップの構造の断面概略図および概略上面図である。
【
図2】本開示の例示的実施形態による配線設計方法のフローチャートである。
【
図3】本開示の例示的実施形態による
図2の方法のステップによって形成される構造の概略図である。
【
図4】本開示の例示的実施形態による
図2の方法の別のステップによって形成される構造の概略図である。
【
図5】本開示の例示的実施形態による
図2の方法のさらに別のステップによって形成される構造の概略図である。
【
図6】本開示の例示的実施形態による
図2の方法のさらに別のステップの実行前および実行後の構造的変化の概略図である。
【
図7】本開示の例示的実施形態による
図2の方法のさらに別のステップによって形成される構造の右側部分の概略図である。
【
図8】本開示の例示的実施形態による
図2の方法の別のステップによって形成される構造の左側部分の概略図である。
【
図9】本開示の例示的実施形態による導電性バンプおよびバンプパッドの断面概略図および概略上面図である。
【
図10】本開示の例示的実施形態による
図2の配線設計方法の一例としてのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
様々な要素、構成要素、領域、層、および/または部分を説明するために第1、第2、第3などの用語が本明細書で使用されることがあるが、こうした要素、構成要素、領域、層、および/または部分がこうした用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。こうした用語は、ある要素、構成要素、領域、層、または部分を別のものと区別するために使用されるに過ぎない。したがって、本開示の教示から逸脱することなく、以下で論じられる第1の要素、構成要素、領域、層、または部分は、第2の要素、構成要素、領域、層、または部分と呼ばれ得る。
【0009】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、本開示を限定しないものとする。本明細書では、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈で別段に明記されていない限り複数形も含むものとする。「備える」および/または「含む」という用語は、本明細書で使用されるとき、記載の特徴、全体、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、全体、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を除外しないことをさらに理解されたい。本明細書では、「および/または」という用語は、関連する列挙される項目のうちの1つまたは複数の任意およびすべての組合せを含み、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」という語句は、Aのみ、Bのみ、またはAとBの両方を指す。
【0010】
要素または層が「別の要素上または層上にある」、「別の要素または層に接続される」、「別の要素または層に結合される」あるいは「別の要素または層に隣接する」と呼ばれるとき、要素または層が直に別の要素上または層上にあり、別の要素または層に直に接続され、別の要素または層に直に結合され、または別の要素または層に直に隣接し得、あるいは中間要素または層が存在し得ることを理解されたい。一方、要素が「互いに直に隣接する」と呼ばれるとき、中間要素または層は存在しない。しかしながら、どんな環境下でも、「...上に」または「直に...上に」が、下にある層を完全に覆うために1つの層を必要とすると解釈されるべきではない。
【0011】
本開示の実施形態が、本開示の理想化された実施形態の概略図(および中間構造)を参照しながら本明細書で説明される。このため、たとえば製造技法および/または公差の結果として、図示される形状の変形が予期されるべきである。したがって、本開示の実施形態は、本明細書に示される領域の特定の形状に限定されると解釈されるべきではなく、たとえば製造のために引き起こされる形状の偏差を含むべきである。したがって、図に示される領域は概略的な性質のものであり、その形状は、デバイスの領域の実際の形状を示すものでも、本開示の範囲を限定するものでもないものとする。
【0012】
別段に定義されていない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本開示が属する技術分野の技術者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書で定義されるような用語が、関連分野および/または本明細書の文脈でのその用語の意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されるのでない限り、理想的な意味、または過度に正式な意味で解釈されないことをさらに理解されたい。
【0013】
関連技術では、複数の行に配置された円形バンプパッドが、フリップチップのパッケージ基板のために通常は使用される。円形バンプパッドは広い面積を占有するので、信号パッドが、相異なる配線の層によってパッケージ基板の外部にリードアウトされなければならない。たとえば、第1および第3の行の信号パッドが信号線によって第1の層からリードアウトされ、第5および第7の行の信号パッドが信号線によって第3の層からリードアウトされる。このようにして、電力層、グランド層、パッケージはんだボール層などの追加と共に、パッケージ基板はしばしば8つ以上の層の構造を必要とする。さらに、関連技術での信号トレースは通常、パッド内のバイアに基づいて実現され、その結果、パッケージ基板の中央領域内、すなわちパッケージ基板上のフリップチップダイの正射影領域内の配線幅が細くなる。通常の配線幅が使用され得るのはパッケージ基板の周辺領域内のみであり、その結果、配線インピーダンスの部分の不連続が生じ、配線内の信号品質に影響を及ぼす。さらに、信号パッドのリードアウトを実現するために多数のバイアホールが使用され、それによって電力配線のためのスペースがさらに縮小され、したがって電力信号の接続が不十分となり、電圧降下問題がもたらされる。
【0014】
本開示の実施形態は、フリップチップ内のパッケージ基板についての配線設計方法および配線構造、ならびにフリップチップを提供する。バンプパッドの形状、サイズ、位置、および/または向きを設定することにより、信号配線のために利用可能なスペースが増大し、すべての必要とされる信号パッドが配線の層によってリードアウトされ得る。いくつかの実施形態では、4層パッケージ基板の設計が実現され得る。いくつかの実施形態では、配線設計方法によって製造されたパッケージ基板では、信号パッドのためにバイアホールは不要であり、したがって十分な電源の接続が実現され得、電力網上の電圧降下が小さい範囲内となることが保証され得る。いくつかの実施形態では、すべての信号パッド上の配線は、信号経路上に一様な幅を有し得、それによって、信号品質の改善を促進するように連続的な信号インピーダンスを実現する。
【0015】
図1は、本開示の例示的実施形態によるフリップチップ100の局所的構造を概略的に示す。
図1の上半分は、フリップチップ100の部分断面概略図であり、
図1の下半分は、部分断面概略図に対応する概略上面図である。
【0016】
図1に示されるように、フリップチップ100は、フリップチップダイ110およびパッケージ基板120を備え、フリップチップダイ110はパッケージ基板120に対向して配置される。複数の導電性バンプ130が、パッケージ基板120に面するフリップチップダイ110の一方の面に設けられ、対応するバンプパッド140が、フリップチップダイ110に面するパッケージ基板120の一方の面に設けられ、バンプパッド140は導電性バンプ130とボンディングされる。はんだボール(図示せず)が、パッケージ基板120の他方の面に設けられ得、パッケージ基板120は、はんだボールによってプリント回路板(PCB)(図示せず)に接続され得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、
図1に示されるフリップチップ100はダブル・データ・レート・メモリ(DDR)チップであり得、より具体的には、フリップチップ100は、DDR2、LPDDR2、DDR3、LPDDR3、DDR4、LPDDR4、LPDDR4X、DDR5、LPDDR5などの高速メモリインターフェース内の高速インターフェース物理層(DDR PHY IP)モジュールであり得る。しかしながら、これは本開示の範囲を限定しないものとする。
【0018】
図2は、本開示の例示的実施形態による配線設計方法200のフローチャートである。
図2に示されるように、配線設計方法200は、バンプパッドを行および列の配列に配置すること(ステップ201)と、非信号パッドにバイアホールを設けること(ステップ203)と、配線の層を使用して、パッケージ基板上のフリップチップダイの正射影領域から信号パッドのサブセットをリードアウトすること(ステップ205)とを含む。説明の便宜上、パッケージ基板上のフリップチップダイの正射影領域は、以下では略して「正射影領域」と呼ばれる。
【0019】
図3から9は、
図2の配線設計方法200によって形成される配線構造を概略的に示し、
図10は、配線設計方法200の特定の例を示す。例示のために、配線設計方法200は図面と共に以下で詳細に説明される。ステップ201では、バンプパッドが行および列の配列に配置される。バンプパッドは、フリップチップダイ上の導電性バンプとボンディングされるように構成される。バンプパッドは信号パッドおよび非信号パッドを備え、非信号パッドは電力パッドおよびグランドパッドを備える。
【0020】
図3の例示的構造300では、バンプパッドの配列は信号パッド3401および非信号パッドを備え、非信号パッドは電力パッド3403およびグランドパッド3402を備える。より具体的には、電力パッド3403が、第1の電力網の電力パッド34031と、第2の電力網の電力パッド34032とに分割され得る。説明の便宜上、バンプパッドの配列の行方向は、より多くのバンプパッドがあり、またはより広い幅の配列がある、2次元の配列の一方に沿った方向を指し、列方向は、より少ないバンプパッドがあり、またはより細い幅の配列がある、2次元の配列の他方に沿った方向を指す。
図3の例では、上下方向がバンプパッドの配列の行方向となる。点線のボックス内の1から7の番号は、バンプパッドの行の番号を示し、行の番号は、それぞれ右から左に第1、第2、...、および第7の行である。したがって、この例では、左右方向がバンプパッドの配列の列方向となる。7つの行のバンプパッドは説明的および例示的なものに過ぎず、本開示の範囲を限定しないものとすることを理解されたい。
【0021】
いくつかの実施形態によれば、バンプパッドは、奇数行のバンプパッドと偶数行のバンプパッドとが配列の列方向に互い違いとなるように配置される。
図3の例では、第1、第3、第5、および第7の行のバンプパッドと、第2、第4、第6の行のバンプパッドとが、列方向に互い違いとなる。
【0022】
いくつかの実施形態によれば、バンプパッドを行および列の配列に配置することは、各奇数行で信号パッドの数が非信号パッドの数よりも多く、各偶数行で信号パッドの数が非信号パッドの数よりも少なくなるようにバンプパッドを配置することをさらに含み得る。
図3の例では、奇数行では、信号パッド3401の数が、非信号パッド3402および3403の数よりも多い。一例として第1の行を取り上げると、第1の行は、24個の信号パッド3401と、3個の非信号パッドとを備える。一例として第3の行を取り上げると、第3の行は、23個の信号パッド3401と、4個の非信号パッドとを備える。奇数行では、信号パッド3401の数は、パッドの総数の大部分を占め、信号パッドは、主に信号伝送のために使用される。偶数行では、信号パッドの数は非信号パッドの数よりも少ない。一例として第2の行を取り上げると、第2の行は、5個の信号パッド3401と、21個の非信号パッドとを備える。一例として第4の行を取り上げると、第4の行は、2個の信号パッド3401と、25個の非信号パッドとを備える。偶数行では、非信号パッドの数は、パッドの総数の大部分を占め、非信号パッドは、主に非信号伝送のために使用される。そのようなパッド配置では、パッド間のギャップが、配線のためにより十分に使用され得る。
【0023】
前述のパッド配置は例示的なものであり、他の実施形態では他の配置パターンが使用され得ることを理解されたい。代替実施形態では、バンプパッドを行および列の配列に配置することは、nが0<n<Nである整数、Nが配列の行の総数として、配列の最初のn行では信号パッドの数が非信号パッドの数よりも多くなるようにバンプパッドを配置することをさらに含み得る。ここで、配列の最初のn行は、バンプパッドの配列内の、正射影領域の一端に最も近い列方向の行から始まる、n個の連続する行を指す。
図3の例では、配列Nの行の総数は7であり、フリップチップダイの正射影領域の端は、配列の行方向(上下方向)の第1の端EG1と、配列の列方向(左右方向)の第2の端EG2とを含む。その場合、配列の最初のn行は、バンプパッドの配列内の、正射影領域の一端(すなわち、第1の端EG1)に最も近い列方向の行から始まる、n個の連続する行を指す。たとえば、nが3であるとき、最初のn行は、
図3に示される第1の行から第3の行を指す。最初のn行の意味が
図3を参照して上記で説明されただけであり、
図3に示されるパッド配置パターンが、最初のn行では信号パッドの数が非信号パッドの数よりも多いという条件を満たす必要はないことを理解されたい。
【0024】
いくつかの実施形態では、任意選択で、方法200は、
図2の点線のボックスで示されるように、ステップ202を含み得る。ステップ202では、相異なる行の電力パッドの一部がバイアホールを共用し得、相異なる行のグランドパッドの一部がバイアホールを共用し得るように、バンプパッドの少なくとも一部の位置が調節される。
【0025】
図4を参照すると、例示的構造400は、
図3の例示的構造300の部分的拡大であり、図が見やすいように例示的構造300に対して90度回転して示されている。このケースでは、左右方向が行方向であり、上下方向が列方向である。例示的構造400は、信号パッド4401、グランドパッド4402、および電力パッド4403を備え、電力パッド4403は、第1の電力網の電力パッド44031と、第2の電力網の電力パッド44032とを備える。
図4は正射影領域の第1の端EG1をさらに示す。
【0026】
バンプパッドの位置を調節することにより、第6、第4、および第2の行の3つのグランドパッド4402がバイアホールを共用し得、第4および第2の行の第1の電力網の電力パッド44031がバイアホールを共用し得る。バイアホールの共用は、バイアホール数を削減し、したがって過剰な配線スペースの占有を回避し得る。
【0027】
いくつかの実施形態によれば、バンプパッドの位置を調節することは、相異なる行の複数の電力パッドを列方向に互いに直に対向するように配置することと、相異なる行の複数のグランドパッドを列方向に互いに直に対向するように配置することとを含み得る。この文脈では、「パッドAおよびBが互いに直に対向する」という語句は、パッドAおよびBが互いに間隔を置いて配置され、その間に追加のパッドがないことを意味する。
図4の例では、相異なる偶数行(第2、第4、および第6の行)のグランドパッド4402が、列方向に互いに直に対向し、相異なる偶数行(第2および第4の行)の第1の電力網の電力パッド44031が互いに直に対向する。
【0028】
いくつかの実施形態によれば、相異なる行の複数の電力パッドを列方向に互いに直に対向するように配置することは、相異なる行の複数の電力パッドを列方向に位置合わせされるように配置することを含み得る。
図4をさらに参照すると、図の点線のボックスで示されるように、相異なる偶数行(第2および第4の行)の第1の電力網の電力パッド44031が列方向に位置合わせされる。
【0029】
いくつかの実施形態によれば、相異なる行の複数のグランドパッドを列方向に互いに直に対向するように配置することは、相異なる行の複数のグランドパッドを列方向に位置合わせされるように配置することを含み得る。
図4をさらに参照すると、図の点線のボックスで示されるように、相異なる偶数行(第2、第4、および第6の行)のグランドパッド4402が列方向に位置合わせされる。
【0030】
上記の実施形態では、バンプパッドの位置に対する調節が、
図4に示される特定のパッド配置パターンを参照して説明された。他の実施形態では、パッド位置調節は他のパッド配置パターンにも適用可能であり、すなわち、相異なる行の複数の電力パッドが列方向に互いに直に対向するように配置され、相異なる行の複数のグランドパッドが列方向に互いに直に対向するように配置されることを理解されたい。
【0031】
ステップ203では、非信号パッドにバイアホールが設けられ、パッケージ基板内の電力層に電力パッドが電気的に接続され、パッケージ基板内のグランド層にグランドパッドが電気的に接続される。
【0032】
図5を参照すると、
図4の例示的構造400に基づいてバイアホールを追加することによって例示的構造500が得られる。例示的構造500は、信号パッド5401、グランドパッド5402、および電力パッド5403を備え、電力パッド5403は、第1の電力網の電力パッド54031と、第2の電力網の電力パッド54032とを備える。
図5は正射影領域の第1の端EG1をさらに示す。
図5に示されるように、非信号パッドとして働く電力パッド5403およびグランドパッド5402にバイアホール550、560、および570が設けられ、電力パッド5403がパッケージ基板内の電力層(図示せず)に電気的に接続され、グランドパッド5402がパッケージ基板内のグランド層(図示せず)に電気的に接続される。
【0033】
いくつかの実施形態によれば、非信号パッドにバイアホールを設けることは、相異なる行の複数の電力パッドに共通電力バイアホールを設けることであって、共通電力バイアホールが複数の電力パッドを電力層に電気的に接続する、設けることと、相異なる行の複数のグランドパッドに共通グランドバイアホールを設けることであって、共通グランドバイアホールが複数のグランドパッドをグランド層に電気的に接続する、設けることとを含み得る。
図5の例では、相異なる偶数行(第2、第4、および第6の行)のグランドパッド5402に共通グランドバイアホール550が設けられ、グランドパッド5402がパッケージ基板内のグランド層(図示せず)に電気的に接続される。さらに、相異なる偶数行(第2および第4の行)の第1の電力網の電力パッド54031に共通電力バイアホール560が設けられ、電力パッド54031がパッケージ基板内の電力層(図示せず)に電気的に接続される。
【0034】
いくつかの実施形態によれば、相異なる行の複数の電力パッドに共通電力バイアホールを設けることは、共通電力バイアホールを列方向に複数の電力パッドと位置合わせされるように配置することを含み得る。
図5をさらに参照すると、各共通電力バイアホール560が、列方向に第1の電力網の2つの電力パッド54031と位置合わせされる。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、複数の電力パッドの縦方向が列方向に平行である。各電力パッドについて、縦方向は、電力パッドが最大サイズを有する方向である。共通電力バイアホールを列方向に複数の電力パッドと位置合わせされるように配置することは、共通電力バイアホールと複数の電力パッドのうちの1つの縦方向の一端との間の距離がしきい距離未満となるように共通電力バイアホールを配置することを含み得る。しきい距離は5μm、10μm、15μm、20μmなどであり得る。したがって、共通電力バイアホールと複数の電力パッドのうちの1つの縦方向の一端との間に直接的接触があり得、またはそれらの間にギャップがあり得る。共通電力バイアホールと電力パッドの一端との間にギャップがあるとき、その2つは配線によって互いに電気的に接続され得る。
図5をさらに参照すると、電力パッド5403の縦方向(すなわち、電力パッド5403が最大サイズを有する方向)が列方向に平行であり、各共通電力バイアホール560と1つの電力パッド54031の縦方向の一端との間の距離がしきい距離未満である。いくつかの実施形態では、共通電力バイアホール560が電力パッド54031の上端に配置され、電力パッド54031の上端と直に接触する。いくつかの実施形態では、バイアホール自体の直径が100μmである。
【0036】
いくつかの実施形態によれば、相異なる行の複数のグランドパッドに共通グランドバイアホールを設けることは、共通グランドバイアホールを列方向に複数のグランドパッドと位置合わせされるように配置することを含み得る。さらに
図5を参照すると、共通グランドバイアホール550は、列方向に相異なる偶数行(第2、第4、および第6の行)のグランドパッド5402と位置合わせされる。
【0037】
いくつかの実施形態によれば、複数のグランドパッドの縦方向が列方向に平行であり、共通グランドバイアホールを列方向に複数のグランドパッドと位置合わせされるように配置することは、共通グランドバイアホールと複数のグランドパッドのうちの1つの縦方向の一端との間の距離がしきい距離未満となるように共通グランドバイアホールを配置することを含み得る。いくつかの実施形態では、しきい距離は5μm、10μm、15μm、20μmなどであり得る。したがって、共通グランドバイアホールと複数のグランドパッドのうちの1つの縦方向の一端との間に直接的接触があり得、またはそれらの間にギャップがあり得る。共通グランドバイアホールとグランドパッドの一端との間にギャップがあるとき、その2つは配線によって互いに電気的に接続され得る。
図5をさらに参照すると、グランドパッド5402の縦方向(すなわち、グランドパッド5402が最大サイズを有する方向)が列方向に平行であり、各共通グランドバイアホール550と1つのグランドパッドの縦方向の一端との間の距離がしきい距離未満である。いくつかの実施形態では、共通グランドバイアホール550がグランドパッド5402の上端に配置され、グランドパッド5402の上端と直に接触する。
【0038】
上記の配置構造により、非信号パッド(すなわち、電力パッドおよびグランドパッド)のためのバイアホールは、列方向の経路を占有するだけであり、したがって配線スペースに対する影響が小さくなる。これは、必要とされる信号パッドを配線の層によってリードアウトすることを容易にする。
【0039】
いくつかの実施形態によれば、任意選択で、方法200は、
図2の点線のボックスで示されるように、ステップ204をさらに含み得る。ステップ204では、バンプパッドの少なくとも一部の向きが調節される。
【0040】
図6は、ステップ204の実行前および実行後のバンプパッドの一部の向きの変化を示す。
図6に示されるように、バンプパッドのその一部の向きが、垂直方向から水平方向に調節される。調節後、バンプパッドの縦方向が配線送出方向と一致し、配線送出のためのギャップが増大し、したがって、隣接する行の間により多くの配線が配置され得る。これは、配線の層を使用して、信号パッドを正射影領域からリードアウトすることを可能にする。
図6の例では、正射影領域の2つの交差する端が、第1の端EG1および第2の端EG2によって概略的に表される。
【0041】
いくつかの実施形態によれば、バンプパッドの配列と正射影領域の少なくとも第1の端との間に追加のパッドが設けられない。たとえば、バンプパッドの配列が、
図6に示されるように、正射影領域内の周辺ゾーン内に配置される。そのような実施形態では、バンプパッドの向きを配置することは、第1の端に垂直な第1の縦方向を有するようにバンプパッドの第1のサブセットを配向することと、第1の縦方向とは異なる縦方向を有するようにバンプパッドの第2のサブセットを配向することとを含み得る。いくつかの実施形態によれば、バンプパッドの配列と正射影領域の交差する第1および第2の端との間に追加のパッドが設けられない。バンプパッドの第2のサブセットは、配列内のバンプパッドの少なくとも1つの行のバンプパッドの一部であって、全体としてのバンプパッドのその少なくとも1つの行が、配列内の他の行よりも第1の端から離れている、バンプパッドの一部と、配列内のバンプパッドの少なくとも1つの列のバンプパッドの一部であって、全体としてのバンプパッドのその少なくとも1つの列が、配列内の他の列よりも第2の端に近い、バンプパッドの一部とを備える。バンプパッドの第1のサブセットは、バンプパッドの配列内の、第2のサブセット内以外のバンプパッドを備える。
【0042】
次に
図7および8を参照する。
図7は、
図3の例示的構造300に
図2の配線設計方法200を適用することによって得られるバンプパッドの配列の(
図3の例示的構造300の上側部分に対応する)局所領域700を示す。
図8は、
図3の例示的構造300に
図2の配線設計方法200を適用することによって得られるバンプパッドの配列の(
図3の例示的構造300の下側部分に対応する)局所領域800を示す。
【0043】
図7に示される局所領域700では、バンプパッドの配列は、信号パッド7401、グランドパッド7402、および電力パッド7403を備え、電力パッド7403は、第1の電力網の電力パッド74031と、第2の電力網の電力パッド74032とを備える。バンプパッドの配列と正射影領域の交差する第1の端EG1および第2の端EG2との間に追加のパッドが設けられず、したがってバンプパッドは、第1の端EG1および第2の端EG2からリードアウトされ得る。しかしながら、バンプパッドの配列と、正射影領域の、第1および第2の端以外の他の端との間に追加のパッド(
図7には図示せず)が設けられ得、したがってこれらの他の端からバンプパッドをリードアウトすることができない。したがって、バンプパッドの向きを適切に設定することが必要となる。この例では、バンプパッドの第2のサブセットは、バンプパッドの少なくとも1つの行(たとえば、第4から第7の行)のバンプパッドの一部を備え(全体としての第4から第7の行は、配列内の他の行(すなわち、第1から第3の行)よりも第1の端EG1から離れている)、バンプパッドのこの部分が、ほぼ水平な縦方向を有するように配向される。さらに、バンプパッドの第2のサブセットは、バンプパッドの少なくとも1つの列(たとえば、右から左に第1から第3の列)のバンプパッドの一部をさらに備え(全体としての第1から第3の列は、配列内の他の列よりも第2の端EG2に近い)、バンプパッドのこの部分も、ほぼ水平な縦方向を有するように配向される。第2のサブセット内以外のバンプパッドが、バンプパッドの第1のサブセットを形成し、第1の端EG1に垂直な第1の縦方向を有するように配向される。このようにして、第2のサブセット内のバンプパッドは、第1のサブセット内のバンプパッドとは異なるように配向される。
【0044】
同様に、
図8に示される局所領域800では、バンプパッドの配列は、信号パッド8401、グランドパッド8402、および電力パッド8403を備え、電力パッド8403は、第1の電力網の電力パッド84031と、第2の電力網の電力パッド84032とを備える。局所領域800では、バンプパッドの第2のサブセットは、バンプパッドの少なくとも1つの行(たとえば、第6から第7の行)のバンプパッドの一部を備え(全体としての第6および第7の行は、配列内の他の行よりも第1の端EG1から離れている)、バンプパッドのこの部分が、ほぼ水平な縦方向を有するように配向される。第2のサブセット内以外のバンプパッドが、バンプパッドの第1のサブセットを形成し、第1の端EG1に垂直な第1の縦方向を有するように配向される。したがって、第2のサブセット内のバンプパッドは、第1のサブセット内のバンプパッドとは異なるように配向される。
【0045】
前述の実施形態では、配列の行方向は第1の端に平行であり得、配列の列方向は第2の端に平行であり得る。たとえば、
図7では、配列の行方向は第1の端EG1に平行であり、配列の列方向は第2の端EG2に平行である。
【0046】
ステップ205では、配線の層が、パッケージ基板上のフリップチップダイの正射影領域から信号パッドのサブセットをリードアウトするために使用され、信号パッドのサブセットが、バンプパッドの配列についてのフリップチップダイの設計仕様で必要とされるすべての機能信号を搬送するように構成される。本明細書では、「サブセット」という用語は、列挙される項目の一部またはすべてを含み、すなわち「フルセット」のケースを含む。「機能信号」という用語は、制御信号および/またはデータ信号などの、電力信号およびグランド信号以外の信号を指す。
【0047】
いくつかの実施形態によれば、バンプパッドの配列と正射影領域の交差する第1および第2の端との間に追加のパッドが設けられず、バンプパッドの配列と、正射影領域の、第1および第2の端以外の他の端との間に追加のパッドが設けられる。任意選択で、配列の行方向は第1の端に平行であり得、配列の列方向は第2の端に平行であり得る。こうした実施形態では、信号パッドで配線を実施することは、配線幅および配線ピッチ仕様を満たすことに基づいて、バンプパッドの配列と正射影領域の他の端との間のギャップを用いて、正射影領域から信号パッドのサブセット内の第1のグループの信号パッドをリードアウトすることであって、第1の端から最も離れている配列内の行に位置する信号パッドの少なくとも一部が第1のグループの信号パッドに属する、リードアウトすることと、バンプパッドの配列と第1および第2の端との間のギャップを用いて、正射影領域から、信号パッドのサブセット内の、第1のグループの信号パッド以外の残りの信号パッドをリードアウトすることとを含み得る。
【0048】
図7を参照すると、バンプパッドの配列と、交差する第1の端EG1および第2の端EG2との間に追加のパッドが設けられないのに対して、バンプパッドの配列と、正射影領域の、第1の端EG1および第2の端EG2以外の他の端との間に追加のパッドが設けられる。具体的には、
図7は、バンプパッドの配列とパッケージ基板の別のパッド領域との間のギャップGP1を示す。さらに、
図8は、バンプパッドの配列とパッケージ基板の別のパッド領域との間のギャップGP2を示す。
図8はまた、バンプパッドの配列の上側および左側に位置する複数の追加のパッド8901を示す。これらの追加のパッド8901の存在のために、バンプパッドの配列の配線は制限される。パッケージ基板上のスペースを効果的に使用するために、ギャップGP1およびGP2を用いて、第7の行(および任意選択でいくつかの他の行)の、フリップチップダイの設計仕様によって必要とされる信号パッドの一部(すなわち、「第1のグループの信号パッド」)が、第1のグループの配線によって正射影領域からリードアウトされ得、バンプパッドの配列と第1および第2の端との間のギャップを用いて、設計仕様によって必要とされる残りの信号パッドが、第2のグループの配線によって正射影領域からリードアウトされ得る。
【0049】
バンプパッドの配列と、正射影領域の、第1の端EG1および第2の端EG2以外の他の端との間に追加のパッドが設けられる実施形態が
図7を参照して上記で説明されるが、他の実施形態も可能である。
【0050】
いくつかの実施形態によれば、バンプパッドの配列と正射影領域の第1の端だけの間に追加のパッドが設けられず、バンプパッドの配列と、正射影領域の、第1の端以外の他の端との間に追加のパッドが設けられる。これらの実施形態では、前述の実施形態と同様の配線方法が使用され得る。具体的には、信号パッドで配線を実施することは、配線幅および配線ピッチ仕様を満たすことに基づいて、バンプパッドの配列と正射影領域の他の端との間のギャップを用いて、第1のグループの配線によって正射影領域から信号パッドのサブセット内の第1のグループの信号パッドをリードアウトすることであって、第1の端から最も離れている配列内の行(上記の例では第7の行である)に位置する信号パッドの少なくとも一部が、第1のグループの信号パッドに属する、リードアウトすることと、バンプパッドの配列と正射影領域の第1の端との間のギャップを用いて、正射影領域から、信号パッドのサブセット内の、第1のグループの信号パッド以外の残りの信号パッドをリードアウトすることとを含み得る。
【0051】
いくつかの実施形態によれば、配列の端でない行および同一の列に位置する信号パッドの一部が、同一の縦方向を有し、縦方向は、各信号パッドが信号パッドについての最大サイズを有する方向である。配線の層を使用して、正射影領域から信号パッドのサブセットをリードアウトすることは、配列の端でない行および同一の列に位置する信号パッドのその一部について、配線幅および配線ピッチ仕様を満たすことに基づいて、配線を使用して、第1の信号パッドの縦方向の軸の第1の側から第1の信号パッドをリードアウトすることと、配線を使用して、軸の第2の側から、第1の信号パッドと同一の列に位置し、第1の信号パッドに直に対向する第2の信号パッドをリードアウトすることであって、第2の側が、軸に関して第1の側と反対側にある、リードアウトすることとを含み得る。本明細書では、「端でない行」は、mまでの行のセットを指し、ただし1<m<Nであり、mは整数であり、Nはバンプパッドの配列の行の総数である。
【0052】
図7を参照すると、端の行は第1および第7の行を含み、端でない行は第2、第3、第4、第5、および第6の行を含み、第3の行に位置する信号パッド7701と、第5の行に位置する信号パッド7702が同一の列に位置し、信号パッド7701が信号パッド7702に直に対向する。
図7に示されるように、信号パッド7701が最大サイズを有する方向は列方向であり、信号パッド7702が最大サイズを有する方向も列方向である。したがって、信号パッド7701および信号パッド7702は同一の縦方向を有し、信号パッド7701は、その縦方向に軸AXを有する。配線幅および配線ピッチ仕様を満たすことに基づいて、信号パッド7701が、配線を使用することによって、信号パッド7701の縦方向に、軸AXの第1の側、たとえば左側から、第1の端EG1からリードアウトされ、信号パッド7702が、配線を使用することによって、軸AXの第2の側、たとえば右側から、第1の端EG1からリードアウトされる。代替実施形態では、やはり配線を使用することにより、信号パッド7701が軸AXの右側からリードアウトされ得、信号パッド7702が軸AXの左側からリードアウトされ得る。
【0053】
フリップチップダイの設計仕様に従ってリードアウトされることが必要とされない信号パッド(たとえば、
図7のバンプパッド780または
図8のバンプパッド880)について、無接続処理が実施され得る。無接続バンプパッドについて、配線は不要であり、したがって配線スペースが節約され得る。
図7および8では、無接続バンプパッド780または880の両端でショートリードを設定することが、バンプパッドの機械的要素に基づいて考慮され、そのような設定は、パッケージ基板の機械的安定性を保証し得る。
【0054】
いくつかの実施形態によれば、配線幅および配線ピッチ仕様は、多くても2つの配線が2つのバンプパッドごとの間を通過することを可能にする。
パッケージ基板は、配線幅と配線間隔のどちらについても一定の要件を有する。たとえば、配線幅および配線ピッチはどちらも20μm以上である。配線幅および配線ピッチ仕様の一例が以下の表1に列挙される。記号A、B、C、D、E、およびFによって表される項目について
図1が参照され得、Aはパッド間隔であり、Bはパッドから隣接する配線の端までの距離であり、Cはパッド幅であり、Dはパッド長であり、Eは配線幅であり、Fは配線間隔である。
【0055】
【0056】
上記の数値は例示的な説明に過ぎず、本開示を限定しないことを理解されたい。そのような配線幅および配線ピッチ仕様に基づいて、
図1を参照して、2つの信号線170が2つのバンプパッド140の間を通過し得る。したがって、これは、配線の層によってパッケージ基板から信号パッドをリードアウトすることを容易にする。
【0057】
前述の配線設計方法200により、信号配線層、電力層、グランド層、およびパッケージはんだボール層の4層構造のパッケージ基板が実現され得る。これは、基板処理の難点を低減し、基板配送時間を短縮し、基板コストを削減する。必要とされる信号パッドが配線の層によってリードアウトされるので、信号パッドのためにバイアホールを設ける必要がない。これは、電力パッドおよびグランドパッドをそれぞれ電力層およびグランド層に完全に接続することを可能にし得、それによって、電圧降下が小さい範囲内となることが保証される。
【0058】
いくつかの実施形態によれば、配線設計方法200は、バンプパッドの位置を調節する前に、バンプパッドの形状を設定することと、バンプパッドのサイズを設定することとをさらに含み得る。いくつかの実施形態によれば、バンプパッドの形状を設定することは、パッケージ基板上の各バンプパッドの正射影が丸みのある長方形形状を有するようにバンプパッドを設定することを含み得る。いくつかの実施形態によれば、バンプパッドのサイズを配置することは、配線幅および配線ピッチ仕様を満たすことに基づいて、バンプパッドの長さがバンプパッドの幅の3倍より大きくなるように各バンプパッドを設定することを含み得る。
【0059】
次に
図9を参照する。
図9の左半分の部分は、互いにボンディングされる導電性バンプ930およびバンプパッド940の断面図を概略的に示し、
図9の右半分の部分は、導電性バンプ930およびバンプパッド940の上面図を概略的に示す。パッケージ基板上のバンプパッド940の正射影が丸みのある長方形の形状であることを上面図から理解することができる。この文脈では、特別な丸みのある長方形として楕円も考慮され得る。
図9の例では、バンプパッド940は長さ85μmおよび幅25μmを有する。円形パッドと比べて、占有面積を削減し、配線スペースを増大させるために、丸みのある長方形または楕円の形状のパッドが使用される。いくつかの例では、バンプパッド領域の内部および外部の両方で20μmのトレースが使用され得、50オームのインピーダンスも実現され得、したがって、より良好な信号品質が得られ得る。
【0060】
いくつかの実施形態によれば、配線設計方法200は、非信号パッドにバイアホールを設けるステップ203の後に、電力パッドがバイアホールのうちの対応する1つによって電力層に電気的に接続されるかどうか、およびグランドパッドがバイアホールのうちの対応する1つによってグランド層に電気的に接続されるかどうかを判定することと、電力パッドが電力層に電気的に接続されており、グランドパッドがグランド層に電気的に接続されていると判定したことに応答して、バンプパッドの向きを調節するステップ204に進むこととをさらに含み得る。
【0061】
いくつかの実施形態によれば、配線設計方法200は、信号パッドのサブセットが配線の層によって正射影領域からリードアウトされたかどうかを判定することと、信号パッドのサブセットが配線の層によって正射影領域からリードアウトされたと判定したことに応答して、パッケージ基板に関して電気的シミュレーションを実施することとをさらに含み得る。
【0062】
いくつかの実施形態によれば、配線設計方法200は、電気的シミュレーションの結果が、フリップチップダイの設計仕様が満たされることを示すことに応答して、パッケージ基板についての配線設計ファイルを生成することをさらに含み得る。
【0063】
配線設計方法200についてのこれらの追加の処理は、
図10を参照して以下で説明される。
図10は、配線設計方法200の特定の例1000を示す。この例では、ステップ1001、1004、1005、および1007は、それぞれ
図2に関して上記で説明されたステップ201、202、203、および204に対応し、ステップ1008および1009は、
図2に関して上記で説明されたステップ205に対応する。バンプパッドの形状を設定するステップ1002と、バンプパッドのサイズを設定するステップ1003も、
図9を参照して上記で説明された。簡潔のために、これらのステップの詳細は本明細書では繰り返されない。
【0064】
ステップ1006では、非信号パッド(すなわち、電力パッドおよびグランドパッド)にバイアホールが設けられた後、非信号配線が完了したかどうかがチェックされる。具体的には、電力パッドが対応するバイアホールによって電力層に電気的に接続されるかどうか、グランドパッドが対応するバイアホールによってグランド層に電気的に接続されるかどうかが判定される。電力パッドが電力層に電気的に接続されており、グランドパッドがグランド層に電気的に接続されている場合、プロセスはステップ1007に進み、バンプパッドの向きを調節する。そうでない場合、プロセスはステップ1004に戻って、バンプパッドの位置を再び調節し、非信号配線が完了するまでステップ1005および1006が再び実行される。
【0065】
ステップ1010では、フリップチップダイの設計仕様によって必要とされる信号パッドが配線の層によってリードアウトされた後、すべての必要とされる信号パッドがリードアウトされるかどうかがチェックされる。具体的には、信号パッドのサブセット(すなわち、フリップチップダイの設計仕様によって必要とされる信号パッド)が配線の層によって正射影領域からリードアウトされたかどうかが判定される。信号パッドのサブセットが配線の層によって正射影領域からリードアウトされた場合、電気的シミュレーションがパッケージ基板に関して実施される。そうでない場合、プロセスはステップ1004に戻って、バンプパッドの位置を再び調節し、次いで後続のステップが続行される。
【0066】
ステップ1011では、電気的シミュレーションが、完了した配線設計に関して実施される。電気的シミュレーションにより、配線設計がフリップチップの設計仕様で指定される周波数設計要件を満たすかどうかがチェックされる。いくつかの実施形態では、LPDDR4に適用される配線設計では、伝送速度3200Mbpsが必要とされる。フリップチップダイが周波数設計要件を満たし得ることを電気的シミュレーション結果が示す場合、プロセスはステップ1012に進む。そうでない場合、プロセスはステップ1008に戻って、信号パッド上の配線を再び実施する。
【0067】
ステップ1012では、パッケージ基板についての配線設計が保存され得る。保存された配線設計は、実際のパッケージ基板製造工程で使用され得る。
様々な動作が、特定の順序で図示され、上記で説明されたが、こうした動作が図示され、説明された特定の順序または順次的な順序で実行されなければならないことを必要とすると理解すべきではなく、所望の結果を得るために、図示され、説明されたすべての動作を実行しなければならないと理解すべきでもないことを理解されたい。たとえば、
図2では、バンプパッドの向きが調節された(ステップ204)後に、非信号パッドにバイアホールが設けられ得る(ステップ203)。
図10では、第1、第3、および第5の行の信号パッド上の配線を実施するステップ1008が、第7の行の信号パッド上の配線を実施するステップ1009と同時に実行され、またはステップ1009の後に実行され得る。より一般には、ステップ1008および1009が、
図2に示されるステップ205などの1つのステップとして組み合わされ得る。
【0068】
本開示の一態様によれば、フリップチップ内のパッケージ基板についての配線構造が提供される。フリップチップは、パッケージ基板と、パッケージ基板に対向するフリップチップダイとを備える。配線構造は、パッケージ基板上に行および列の配列に配置されたバンプパッドであって、バンプパッドがフリップチップダイ上の導電性バンプとボンディングされるように構成され、バンプパッドが信号パッドおよび非信号パッドを備え、非信号パッドが電力パッドおよびグランドパッドを備える、バンプパッドと、電力バイアホールおよびグランドバイアホールを備えるバイアホールであって、電力バイアホールが、パッケージ基板内の電力層に電力パッドを電気的に接続するように構成され、グランドバイアホールが、パッケージ基板内のグランド層にグランドパッドを電気的に接続するように構成される、バイアホールと、パッケージ基板上のフリップチップダイの正射影領域から信号パッドのサブセットをリードアウトするように構成された配線の層であって、信号パッドのサブセットが、フリップチップダイの設計仕様で必要とされるすべての機能信号を搬送するように構成される、配線の層とを備える。
【0069】
本開示の一態様によれば、フリップチップが提供される。フリップチップは、フリップチップダイと、フリップチップダイに対向するパッケージ基板と、前述のような任意の配線構造とを備える。
【0070】
配線構造およびフリップチップは、
図1から10に関して上記で詳細に説明されており、簡潔のために本明細書では繰り返されない。配線構造およびフリップチップは、配線設計方法200に関して上記で説明されたのと同じ利点を有する。
【0071】
本開示のいくつかの実施形態では、バンプパッドの形状、サイズ、位置、および/または向きを設定することにより、信号配線のためのスペースが増大し、その結果、配線の層を使用することにより、すべての必要とされる信号パッドがリードアウトされ得る。いくつかの実施形態では、4層パッケージ基板の設計が実現され得る。いくつかの実施形態では、配線設計方法によって製造されたパッケージ基板では、信号パッドのためにバイアホールは不要であり、したがって、電源の十分な接続が実現され得、電力網上の電圧降下が小さい範囲内となることが保証され得る。いくつかの実施形態では、すべての信号パッド上の配線は、信号経路上に一様な幅を有し得、それによって、信号品質の改善を促進するように連続的な信号インピーダンスを実現する。
【0072】
本開示が図面および上記の説明で詳細に図示され、説明されたが、そのような図示および説明は、限定的ではなく、例示的かつ概略的なものと見なされるべきであり、本開示は、開示される実施形態に限定されない。図面、本開示、および添付の特許請求の範囲を研究することにより、特許請求される主題を実施するとき、開示される実施形態に対する修正形態を当業者は理解し、実装することができる。特許請求の範囲では、「備える、含む」という語は、列挙されない他の要素またはステップを除外せず、不定冠詞「a」または「an」は複数を除外せず、「複数の」という用語は2つ以上を意味する。単にいくつかの手段が相互に異なる従属請求項に記載されることは、利点を得るためにこうした手段の組合せを使用することができないことを示すものではない。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フリップチップ内のパッケージ基板についての配線構造であって、前記フリップチップが、前記パッケージ基板と、前記パッケージ基板に対向するフリップチップダイとを備え、前記配線構造が、
前記パッケージ基板上に行および列の配列に配置されたバンプパッドであって、前記バンプパッドが前記フリップチップダイ上の導電性バンプとボンディングされるように構成され、前記バンプパッドが信号パッドおよび非信号パッドを備え、前記非信号パッドが電力パッドおよびグランドパッドを備える、バンプパッドと、
電力バイアホールおよびグランドバイアホールを備えるバイアホールであって、前記電力バイアホールが、前記パッケージ基板内の電力層に前記電力パッドを電気的に接続するように構成され、前記グランドバイアホールが、前記パッケージ基板内のグランド層に前記グランドパッドを電気的に接続するように構成される、バイアホールと、
前記パッケージ基板上の前記フリップチップダイの正射影領域から前記信号パッドのサブセットをリードアウトするように構成された配線の層であって、前記信号パッドの前記サブセットが、前記バンプパッドの前記配列についての前記フリップチップダイの設計仕様で必要とされるすべての機能信号を搬送するように構成される、配線の層と、
を備える配線構造。
【請求項2】
奇数行のバンプパッドと偶数行のバンプパッドとが、前記配列の列方向に互い違いとなる、請求項1に記載の配線構造。
【請求項3】
各奇数行で、信号パッドの数が非信号パッドの数よりも多く、
各偶数行で、信号パッドの数が非信号パッドの数よりも少ない、
請求項2に記載の配線構造。
【請求項4】
nが0<n<Nである整数、Nが配列の行の総数として、前記配列の最初のn行では、信号パッドの数が非信号パッドの数よりも多い、請求項2に記載の配線構造。
【請求項5】
前記電力バイアホールが共通電力バイアホールを備え、前記共通電力バイアホールが、相異なる行の複数の電力パッドを前記電力層に電気的に接続し、
前記グランドバイアホールが共通グランドバイアホールを備え、前記共通グランドバイアホールが、相異なる行の複数のグランドパッドを前記グランド層に電気的に接続する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の配線構造。
【請求項6】
前記共通電力バイアホールが、前記配列の列方向に前記複数の電力パッドと位置合わせされる、請求項5に記載の配線構造。
【請求項7】
前記複数の電力パッドの縦方向が前記列方向に平行であり、前記縦方向が、各電力パッドが前記電力パッドについての最大サイズを有する方向であり、
前記共通電力バイアホールと前記複数の電力パッドのうちの1つの前記縦方向の一端との間の距離がしきい距離未満である、
請求項6に記載の配線構造。
【請求項8】
前記共通グランドバイアホールが、前記配列の列方向に前記複数のグランドパッドと位置合わせされる、請求項5~7のいずれか一項に記載の配線構造。
【請求項9】
前記複数のグランドパッドの縦方向が列方向に平行であり、前記縦方向が、各グランドパッドが前記グランドパッドについての最大サイズを有する方向であり、
前記共通グランドバイアホールと前記複数のグランドパッドのうちの1つの前記縦方向の一端との間の距離がしきい距離未満である、
請求項8に記載の配線構造。
【請求項10】
前記バンプパッドの前記配列と前記正射影領域の交差する第1および第2の端との間に追加のパッドが設けられず、前記バンプパッドの前記配列と、前記正射影領域の、前記第1および第2の端以外の他の端との間に追加のパッドが設けられ、
配線の前記層が、配線幅および配線ピッチ仕様を満たし、
前記バンプパッドの前記配列と前記正射影領域の他の端との間のギャップを用いて、前記正射影領域から前記信号パッドの前記サブセット内の第1のグループの信号パッドをリードアウトする第1のグループの配線であって、前記第1の端から最も離れている前記配列内の行に位置する信号パッドの少なくとも一部が前記第1のグループの信号パッドに属する、第1のグループの配線と、
前記バンプパッドの前記配列と前記第1および第2の端との間のギャップを用いて、前記正射影領域から、前記信号パッドの前記サブセット内の、前記第1のグループの信号パッド以外の残りの信号パッドをリードアウトする第2のグループの配線と、
を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の配線構造。
【請求項11】
前記バンプパッドの前記配列と前記正射影領域の第1の端だけの間に追加のパッドが設けられず、前記バンプパッドの前記配列と、前記正射影領域の、前記第1の端以外の他の端との間に追加のパッドが設けられ、
配線の前記層が、配線幅および配線ピッチ仕様を満たし、
前記バンプパッドの前記配列と前記正射影領域の他の端との間のギャップを用いて、前記正射影領域から前記信号パッドの前記サブセット内の第1のグループの信号パッドをリードアウトする第1のグループの配線であって、前記第1の端から最も離れている前記配列内の行に位置する信号パッドの少なくとも一部が前記第1のグループの信号パッドに属する、第1のグループの配線と、
前記バンプパッドの前記配列と前記正射影領域の前記第1の端との間のギャップを用いて、前記正射影領域から、前記信号パッドの前記サブセット内の、前記第1のグループの信号パッド以外の残りの信号パッドをリードアウトする第2のグループの配線と、
を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の配線構造。
【請求項12】
前記配列の端でない行および同一の列に位置する信号パッドの一部が、同一の縦方向を有し、前記縦方向が、各信号パッドが前記信号パッドについての最大サイズを有する方向であり、
前記配列の前記端でない行および同一の列に位置する信号パッドの前記一部について、配線幅および配線ピッチ仕様を満たすことに基づいて、
第1の信号パッドが、前記第1の信号パッドの縦方向の軸の第1の側からリードアウトされ、
前記第1の信号パッドと同一の列に位置し、前記第1の信号パッドに直に対向する第2の信号パッドが、前記軸の第2の側からリードアウトされ、前記第2の側が、前記軸に関して前記第1の側と反対側にある、
請求項1~9のいずれか一項に記載の配線構造。
【請求項13】
前記配線幅および配線ピッチ仕様が、多くても2つの配線が2つのバンプパッドごとの間を通過することを可能にする、請求項10~12のいずれか一項に記載の配線構造。
【請求項14】
相異なる行の複数の電力パッドが、前記配列の列方向に互いに直に対向し、相異なる行の複数のグランドパッドが、前記列方向に互いに直に対向する、請求項1~13のいずれか一項に記載の配線構造。
【請求項15】
前記バンプパッドの前記配列と前記正射影領域の少なくとも第1の端との間に追加のパッドが設けられず、
前記バンプパッドの第1のサブセットが、前記第1の端に垂直な第1の縦方向を有し、
前記バンプパッドの第2のサブセットが、前記第1の縦方向とは異なる縦方向を有する、
請求項1~9のいずれか一項に記載の配線構造。
【請求項16】
前記バンプパッドの前記配列と前記正射影領域の交差する第1および第2の端との間に追加のパッドが設けられず、
前記バンプパッドの前記第2のサブセットが、
前記配列内のバンプパッドの少なくとも1つの行のバンプパッドの一部であって、全体としてのバンプパッドの前記少なくとも1つの行が、前記配列内の他の行よりも前記第1の端から離れている、バンプパッドの一部と、
前記配列内のバンプパッドの少なくとも1つの列のバンプパッドの一部であって、全体としてのバンプパッドの前記少なくとも1つの列が、前記配列内の他の列よりも前記第2の端に近い、バンプパッドの一部と、
を備え、
前記バンプパッドの前記第1のサブセットが、前記バンプパッドの前記配列内の、前記第2のサブセット内以外のバンプパッドを備える、
請求項15に記載の配線構造。
【請求項17】
前記バンプパッドのそれぞれについて、前記パッケージ基板上の前記バンプパッドの正射影が、丸みのある長方形形状を有する、請求項1~16のいずれか一項に記載の配線構造。
【請求項18】
配線幅および配線ピッチ仕様を満たすことに基づいて、各バンプパッドの長さが前記バンプパッドの幅の3倍より大きい、請求項17に記載の配線構造。
【請求項19】
フリップチップダイと、
前記フリップチップダイに対向するパッケージ基板と、
請求項1~18のいずれか一項に記載の配線構造と、
を備えるフリップチップ。
【請求項20】
フリップチップ内のパッケージ基板についての配線設計方法であって、前記フリップチップが、前記パッケージ基板と、前記パッケージ基板に対向するフリップチップダイとを備え、
バンプパッドを行および列の配列に配置するステップであって、前記バンプパッドが前記フリップチップダイ上の導電性バンプとボンディングされるように構成され、前記バンプパッドが信号パッドおよび非信号パッドを備え、前記非信号パッドが電力パッドおよびグランドパッドを備える、配置するステップと、
前記非信号パッドにバイアホールを設け、前記パッケージ基板内の電力層に前記電力パッドを電気的に接続し、前記パッケージ基板内のグランド層に前記グランドパッドを電気的に接続するステップと、
配線の層を使用して、前記パッケージ基板上の前記フリップチップダイの正射影領域から前記信号パッドのサブセットをリードアウトするステップであって、前記信号パッドの前記サブセットが、前記バンプパッドの前記配列についての前記フリップチップダイの設計仕様で必要とされるすべての機能信号を搬送するように構成される、リードアウトするステップと、
を含む配線設計方法。
【国際調査報告】