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特表2022-549705電池モジュール、それを含む電池パックおよび電池モジュールの運搬方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-28
(54)【発明の名称】電池モジュール、それを含む電池パックおよび電池モジュールの運搬方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/211 20210101AFI20221118BHJP
   H01M 50/271 20210101ALI20221118BHJP
   H01M 50/218 20210101ALI20221118BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20221118BHJP
   H01M 10/655 20140101ALI20221118BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20221118BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20221118BHJP
   H01M 50/262 20210101ALI20221118BHJP
   H01M 50/227 20210101ALI20221118BHJP
【FI】
H01M50/211
H01M50/271 B
H01M50/271 Z
H01M50/218
H01M50/293
H01M10/655
H01M10/613
H01M10/647
H01M50/262 E
H01M50/227
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519320
(86)(22)【出願日】2021-07-21
(85)【翻訳文提出日】2022-03-25
(86)【国際出願番号】 KR2021009372
(87)【国際公開番号】W WO2022030821
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0097867
(32)【優先日】2020-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0094712
(32)【優先日】2021-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・キョン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ジュンヨブ・ソン
(72)【発明者】
【氏名】スビン・パク
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031EE04
5H031KK00
5H040AA03
5H040AS07
5H040AT04
5H040AT06
5H040AY08
5H040AY10
5H040CC59
5H040GG14
5H040GG27
5H040JJ10
5H040LL06
5H040LL10
(57)【要約】
本発明の一実施形態による電池モジュールは複数の電池セルが積層されて形成された電池セル積層体、前記電池セル積層体の両端部を覆う絶縁カバー、前記絶縁カバーと隣接する前記電池セル積層体の両端部を囲むホールディング部材、および前記電池セル積層体の上部面に位置する接着部材を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが積層されて形成された電池セル積層体、
前記電池セル積層体の両端部を覆う絶縁カバー、
前記絶縁カバーと隣接する前記電池セル積層体の両端部を囲むホールディング部材、および
前記電池セル積層体の上部面に位置する接着部材を含む、電池モジュール。
【請求項2】
前記接着部材の両面のうち前記電池セル積層体に向かう一面に接着物質が形成される、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記接着部材の両面のうち前記電池セル積層体に向かう一面と反対になる他の一面に形成される吸着補完層をさらに含む、請求項1または2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記吸着補完層は多孔性高分子材料で形成される、請求項3に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記電池セル積層体の上部面は段差部を形成し、前記段差部に沿って前記接着部材が形成される、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記電池セル積層体に含まれる互いに隣り合う電池セルの間に位置する接着テープをさらに含む、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記電池セルは、電極組立体および前記電極組立体を収納するセルケースを含み、
前記電池セル積層体に含まれる互いに隣り合う電池セルは、それぞれのセルケースが直接対面する構造を有する、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項8】
請求項1による電池モジュール、
前記電池モジュールが複数取り付けられる複数のモジュール領域を有する下部パックハウジング、
前記モジュール領域内で前記下部パックハウジングに塗布された熱伝導性樹脂層、
前記複数の電池モジュールを覆う上部パックハウジングを含み、
前記熱伝導性樹脂層は前記電池モジュールと前記下部パックハウジングの間に位置する、電池パック。
【請求項9】
前記複数のモジュール領域は前記下部パックハウジング内に形成された複数の隔壁によって区切られ、前記隔壁は前記複数の電池モジュールのうち隣り合う電池モジュールの間に位置する、請求項8に記載の電池パック。
【請求項10】
複数の電池セルを一方向に積層して電池セル積層体を形成する段階、
前記電池セル積層体の上部に前記複数の電池セルそれぞれの一側を覆うように接着部材を形成する段階、および
前記接着部材上に吸着器を配置して前記吸着器で前記電池セル積層体を含む電池モジュールを運搬する段階を含む、電池モジュールの運搬方法。
【請求項11】
前記吸着器は前記電池セル積層体の積層方向に垂直な方向に前記接着部材に付着する、請求項10に記載の電池モジュールの運搬方法。
【請求項12】
複数のモジュール領域を有する下部パックハウジング内に前記電池モジュールを直接取り付ける段階をさらに含み、
前記複数のモジュール領域は複数の隔壁によって区切られ、前記電池モジュールは互いに隣り合う前記隔壁の間に取り付けられる、請求項10に記載の電池モジュールの運搬方法。
【請求項13】
前記接着部材の両面のうち前記電池セル積層体に向かう一面に接着物質が形成され、前記接着部材は前記電池セルを互いに固定する、請求項10に記載の電池モジュールの運搬方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互引用]
本出願は2020年8月5日付韓国特許出願第10-2020-0097867号および2021年7月20日付韓国特許出願第10-2021-0094712号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は電池モジュール、それを含む電池パックおよび電池モジュールの運搬方法に関し、より具体的には吸着力が強化された電池モジュール、それを含む電池パックおよび電池モジュールの運搬方法に関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に対する技術開発と需要の増加によりエネルギ源として二次電池の需要が急激に増加している。そのため、多様な要求に応える二次電池に対する研究が多く行われている。
【0004】
二次電池は携帯電話、デジタルカメラ、ノートブックなどのモバイル機器だけでなく、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの動力装置に対するエネルギ源としても多くの関心を集めている。
【0005】
小型モバイル機器にはデバイス1台当り一つまたは、数個の電池セルが使用されることに対して、自動車などのように中大型デバイスには高出力大容量が必要である。したがって、多数の電池セルを電気的に連結した中大型電池モジュールが使用される。
【0006】
中大型電池モジュールは可能であれば小さな大きさと重量に製造されることが好ましいので、高い集積度で積層でき、容量に対して重量が小さい角形電池、パウチ型電池などが中大型電池モジュールの電池セルとして主に使用されている。一方、電池モジュールは、電池セル積層体を外部衝撃、熱または振動から保護するために、前面と後面が開放されて電池セル積層体を内部空間に収納するモジュールフレームを含み得る。
【0007】
電池モジュールを製造するか、または電池モジュールを含む電池パックを製造する過程で電池モジュールに含まれた電池セル積層体を運搬する過程が行われる。この際、中大型電池モジュールに含まれた電池セル数量が多くなって重量が大きくなるので、電池モジュールを運搬する過程で電池モジュールを落とす危険性が大きくなる。
【0008】
図1は従来の電池モジュールに含まれた電池セルアセンブリを運搬するための方法を説明するための図である。図2図1の電池セルアセンブリを示す正面図である。
【0009】
図1を参照すると、従来の電池モジュールに含まれる電池セル積層体10を運搬する前に、電池セル積層体10をステージ30上に配置した状態で、セルスタックロボット40を用いて電池セル積層体10の両側面を加圧をする。電池セル積層体10の両側面が加圧された状態でセルスタックロボット40が電池セル積層体10を運搬することになり、加圧によって電池セル積層体10に含まれたセルが密着し、電池セル積層体10を運搬する過程でその形態を維持することができる。
【0010】
図2を参照すると、従来の電池モジュールに含まれる電池セル積層体10は複数の電池セル11が積層されて形成される。この際、電池セル積層体10は個別電池セル11にテープ12を付着して複数の電池セル11が積層されて形成される。しかし、電池モジュール内に含まれる電池セル数量が増えて重量が大きくなることにより個別セルテープを付着して電池セル積層時に発生する積層段差d1および電池セル間の間隔d2により運搬過程で電池セル積層体10を落とす危険性が大きくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、吸着力が強化された電池モジュール、それを含む電池パックおよび電池モジュールの運搬方法を提供することにある。
【0012】
しかし、本発明の実施形態が解決しようとする課題は、上述した課題に限定されず本発明に含まれた技術的思想の範囲で多様に拡張できる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施形態による電池モジュールは、複数の電池セルが積層されて形成された電池セル積層体、前記電池セル積層体の両端部を覆う絶縁カバー、前記絶縁カバーと隣接する前記電池セル積層体の両端部を囲むホールディング部材、および前記電池セル積層体の上部面に位置する接着部材を含む。
【0014】
前記接着部材の両面のうち前記電池セル積層体に向かう一面に接着物質が形成され得る。
【0015】
前記電池モジュールは前記接着部材の両面のうち前記電池セル積層体に向かう一面と反対になる他の一面に形成される吸着補完層をさらに含み得る。
【0016】
前記吸着補完層は多孔性高分子材料で形成され得る。
【0017】
前記電池セル積層体の上部面は段差部を形成し、前記段差部に沿って前記接着部材が形成され得る。
【0018】
前記電池モジュールは前記電池セル積層体に含まれる互いに隣り合う電池セルの間に位置する接着テープをさらに含み得る。
【0019】
前記電池セルは、電極組立体および前記電極組立体を収納するセルケースを含み、前記電池セル積層体に含まれる互いに隣り合う電池セルは、それぞれのセルケースが直接対面する構造を有し得る。
【0020】
本発明の他の一実施形態による電池パックは、前記電池モジュール、前記電池モジュールが複数取り付けられる複数のモジュール領域を有する下部パックハウジング、前記モジュール領域内で前記下部パックハウジングに塗布された熱伝導性樹脂層、前記複数の電池モジュールを覆う上部パックハウジングを含み、前記熱伝導性樹脂層は前記電池モジュールと前記下部パックハウジングの間に位置する。
【0021】
前記複数のモジュール領域は前記下部パックハウジング内に形成された複数の隔壁によって区切られ、前記隔壁は前記複数の電池モジュールのうち隣り合う電池モジュールの間に位置し得る。
【0022】
本発明のまた他の一実施形態による電池モジュールの運搬方法は、複数の電池セルを一方向に積層して電池セル積層体を形成する段階、前記電池セル積層体の上部に前記複数の電池セルそれぞれの一側を覆うように接着部材を形成する段階、および前記接着部材上に吸着器を配置して前記吸着器で前記電池セル積層体を含む電池モジュールを運搬する段階を含む。
【0023】
前記吸着器は前記電池セル積層体の積層方向に垂直な方向に前記接着部材に付着し得る。
【0024】
前記電池モジュールの運搬方法は、複数のモジュール領域を有する下部パックハウジング内に前記電池モジュールを直接取り付ける段階をさらに含み、前記複数のモジュール領域は複数の隔壁によって区切られ、前記電池モジュールは互いに隣り合う前記隔壁の間に取り付けられ得る。
【0025】
前記接着部材の両面のうち前記電池セル積層体に向かう一面に接着物質が形成され、前記接着部材は前記電池セルを互いに固定し得る。
【発明の効果】
【0026】
実施形態によれば、複数の電池セルを積層した後に電池セル積層体の上部面にテープを付着し、吸着器を用いて電池セル積層体を含む電池モジュールを移動させることによって、移動中に運搬対象物が落ちる危険性を減らすことができる。
【0027】
本発明の効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】従来の電池モジュールに含まれた電池セル積層体を運搬するための方法を説明するための図である。
図2図1の電池セル積層体を示す正面図である。
図3】本発明の一実施形態による電池モジュールを示す斜視図である。
図4図3の電池モジュールに対する分解斜視図である。
図5】本発明の一実施形態による接着部材を示す図である。
図6図3の電池モジュールに含まれた電池セルに対する斜視図である。
図7】本発明の他の一実施形態による電池モジュールの運搬方法を説明するための図である。
図8図7のA領域を拡大して示す図である。
図9】本発明の他の一実施形態による電池パックに対する分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付する図面を参照して本発明の様々な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は様々な異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0030】
本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素に対しては同じ参照符号を付ける。
【0031】
また、図面に示す各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜上任意に示したので、本発明は必ずしも示されたところに限定されない。図面で複数の層および領域を明確に表現するために厚さを誇張して示した。そして図面で、説明の便宜上一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0032】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分「上に」または「の上に」あるという時、これは他の部分の「すぐ上に」ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。逆にある部分が他の部分の「すぐ上に」あるという時には中間に他の部分が存在しないことを意味する。また、基準になる部分「上に」または「の上に」あるというのは基準になる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力の逆方向に向かって「上に」または「の上に」位置することを意味するものではない。
【0033】
また、明細書全体で、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対の意味を示す記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0034】
また、明細書全体で、「平面上」という時、これは対象部分を上から見た時を意味し、「断面上」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0035】
図3は本発明の一実施形態による電池モジュールを示す斜視図である。図4図3の電池モジュールに対する分解斜視図である。図5は本発明の一実施形態による接着部材を示す図である。図6図3の電池モジュールに含まれた電池セルに対する斜視図である。
【0036】
図3ないし図6を参照すると、本発明の一実施形態による電池モジュール100は複数の電池セル110が積層された電池セル積層体200を含む。
【0037】
まず、電池セル110はパウチ型電池セルであることが好ましく、長方形のシート型構造で形成できる。例えば、本実施形態による電池セル110は二つの電極リード111,112を含み、電極リード111,112はセル本体113を基準として互いに逆方向に向かっている。電極リード111,112はセル本体113の一端部114aと他の一端部114bからそれぞれ突出している構造を有する。より詳細には電極リード111,112は電極組立体(図示せず)と連結され、前記電極組立体(図示せず)から電池セル110の外部に突出する。二つの電極リード111,112の一つは陽極リード111であり得、他の一つは陰極リード112であり得る。すなわち、一つの電池セル110を基準として陽極リード111と陰極リード112が互いに逆方向に向かうように突出する。
【0038】
一方、電池セル110は、セルケース114に電極組立体(図示せず)を収納した状態でセルケース114の両端部114a,114bとこれらを連結する一側部114cを接着することにより製造されることができる。換言すれば、本実施形態による電池セル110は総3ケ所のシーリング部を有し、シーリング部は熱融着などの方法でシーリングされる構造であり、残りの他の一側部は連結部115からなる。セルケース114は樹脂層と金属層を含むラミネートシートからなる。
【0039】
このような電池セル110は複数で形成され、複数の電池セル110は相互電気的に連結されるように積層されて電池セル積層体200を形成する。特に、図6に示すように第1方向であるx軸方向に沿って複数の電池セル110が積層される。そのため電極リード111,112はそれぞれy軸方向と-y軸方向に突出する。
【0040】
一方、本実施形態による電池モジュール100は、従来の電池モジュールとは異なり、モジュールフレームと金属材質のエンドプレートが除去されたモジュール-レス(module-less)構造を形成することができる。モジュールフレームに代わって、本実施形態による電池モジュール100は側面プレート600とホールディングバンド700を含み得る。モジュールフレームとエンドプレートが除去されることにより、電池セル積層体200をモジュールフレームの内部に収納する工程や、モジュールフレームとエンドプレートを組み立てる工程のように精密なコントロールが求められる複雑な工程は不要である。また、除去されたモジュールフレームとエンドプレートだけ電池モジュール100の重量を大きく減らし得る長所を有する。また、本実施形態による電池モジュール100はモジュールフレームの除去により、電池パック造粒工程の際の再作業性が有利である長所を有することができる。これに対し、従来の電池モジュールはモジュールフレームの溶接構造によって不良が発生しても再作業が不可能であった。
【0041】
側面プレート600は板状部材として、電池セル積層体200の両側面に位置し、電池モジュール100の剛性を補完することができる。このような側面プレート600は弾性性質を有して射出成形で製造されるプラスチック素材を含み得、場合によって板ばね素材が適用される。側面プレート600の幅は電池セル110の幅より大きくてもよい。ここで、側面プレート600の幅は、z軸方向への長さを意味する。
【0042】
ホールディングバンド700は電池セル積層体200の両端部で電池セル積層体200を囲む部材であって、電池セル積層体200を構成する複数の電池セル110と側面プレート600を固定する機能をすることができる。このように、ホールディングバンド700により電池セル積層体200および側面プレート600を固定した後、電極リード111,112が突出する方向に該当する電池セル積層体200の前面と後面に絶縁カバー400を配置する。このようなホールディングバンド700は所定の弾性力を有する素材からなり、具体的には板ばねの構造が適用される。
【0043】
先立って説明したこととおり、本実施形態による電池モジュール100はエンドプレートとバスバーフレームが除去され得、代わりに絶縁カバー400が設けられる。一方、電池セル積層体200の外側に位置した電池セル110の電極リードは端子バスバー500と電気的に連結され得る。従来の電池モジュールがバスバーにより電極リードを互いに連結したこととは異なり、本実施形態による電極リード111,112は互いに直接接合され、そのうちの一部が端子バスバー500と電気的に連結されることによって、HV(High Voltage)連結を形成することができる。したがって、本実施形態によるHV連結構造で、バスバーおよびバスバーが取り付けられるバスバーフレームは除去される。ここでHV連結は電力を供給するための電源の役割をするためのものであり、電池セル間の連結や電池モジュール間の連結を意味する。
【0044】
一方、本実施形態による電池モジュール100は、電池セル積層体200の上部面に位置する接着部材130を含む。接着部材130の両面のうち電池セル積層体200を向かう一面に接着物質が形成される。接着部材130は互いに隣り合う電池セル110の間に位置するテープの代わりに電池モジュール100の運搬中に発生し得る運搬対象物が落ちる危険性を減少させることができる。接着部材130は電池セル110を互いに固定する役割をすることができる。
【0045】
本実施形態による接着部材130は図5に示すように、接着部材130の両面のうち電池セル積層体200に向かう一面と反対になる他の一面には多孔性高分子材料で形成された吸着補完層135が形成される。多孔性高分子材料はシリコン、ゴムなどのような物質で形成することができる。
【0046】
吸着補完層135は、一例としてスポンジ形態であり得、このような吸着補完層135は後述する吸着器の真空形成時吸着力を倍加させることができる。本実施形態による吸着補完層135は接着部材130の基材面に接着されていてもよい。
【0047】
電池セル積層体200の上部面は図7および図8に示すように電池セル110を積層する時に発生する段差部を有することができる。このような段差部に沿って接着部材130が形成されて電池セル110の間の段差部によって空気が流入することを防止でき、電池セル110積層時に発生する積層段差および電池セル間の間隔による運搬過程での影響力を最小化することができる。
【0048】
本実施形態によれば、電池セル積層体200に含まれる互いに隣り合う電池セル110が、それぞれのセルケースが直接対面する構造を有することができる。従来には隣り合う電池セル110の間に接着テープを形成して電池セル積層体200を固定する構造であったが、本実施形態によれば、電池セル110の間の接着テープを全体または一部の代わりに電池セル積層体200の上部面に接着部材を形成することができる。ただし、電池セル110の間の接着テープ数量を減らしたり、電池セル110に付着する接着テープの面積を減らすことができる。換言すれば、電池セル110それぞれのセルケースが接着テープなしで互いに密着することもでき、電池セル積層体200の上部面に形成された接着部材を補完するために電池セル110の間に接着テープが形成されたり面積が縮小された形態で接着テープが形成されることができる。
【0049】
以下では図7および図8を参照して本発明の他の一実施形態による電池モジュールの運搬方法について説明する。
【0050】
図7は本発明の他の一実施形態による電池モジュールの運搬方法を説明するための図である。図8図7のA領域を拡大して示す図である。
【0051】
図7および図8を参照すると、本実施形態による電池モジュールの運搬方法は、複数の電池セル110を一方向に積層して電池セル積層体200を形成する段階、電池セル積層体200の上部に複数の電池セル110それぞれの一側を覆うように接着部材130を形成する段階、および接着部材130上に吸着器210を配置して吸着器210に電池セル積層体200を含む電池モジュール100を運搬する段階を含む。
【0052】
本実施形態による吸着器210は電池セル積層体200の積層方向に垂直な方向に接着部材130に付着する。換言すれば、図4のz軸が指す方向の逆方向に吸着器210が接着部材130に近付いて吸着器210が接着部材130に吸着する。吸着器210は真空方式であり得る。
【0053】
前述した電池モジュール100の運搬段階を行うことによって、後述するように、図8に示す複数のモジュール領域を有する下部パックハウジング1111内に電池モジュール100を直接取り付けることができる。
【0054】
図9は本発明の他の一実施形態による電池パックに対する分解斜視図である。
【0055】
図9を参照すると、本実施形態による電池パック1000は図3ないし図8を参照して説明した電池モジュール100、電池モジュール100を収納するパックフレーム1100および電池モジュール100とパックフレーム1100の底部1111の間に位置する熱伝導性樹脂層1200を含み得る。
【0056】
先に、電池モジュール100は先立って説明したように、絶縁カバーを含み、代わりにモジュールフレームとエンドプレートが除去されたモジュール-レス(module-less)構造を形成することができる。このような電池モジュール100が複数でパックフレーム1100に収納されて電池パック1000を形成することができる。
【0057】
パックフレーム1100は、下部パックハウジング1110および下部パックハウジング1110を覆う上部パックハウジング1120を含み得、下部パックハウジング1110の底部1111に複数の電池モジュール100が位置する。下部パックハウジング1110は複数のモジュール領域を有し、複数のモジュール領域は下部パックハウジング1110内に形成された複数の隔壁1350によって区切られる。隔壁1350は複数の電池モジュール100のうち互いに隣り合う電池モジュール100の間に形成されている。例えば、熱伝導性樹脂層1200は互いに隣り合う第1熱伝導性樹脂層と第2熱伝導性樹脂層を含み、複数のモジュール領域は隔壁1350によって区切られる第1領域と第2領域を含み、前記第1熱伝導性樹脂層は前記第1領域に対応するように形成され、前記第2熱伝導性樹脂層は前記第2領域に対応するように形成される。この時、前記第1熱伝導性樹脂層と前記第2熱伝導性樹脂層は隔壁1350により互いに離隔して位置する。
【0058】
一方、熱伝導性樹脂層1200は下部パックハウジング1110の底部1111に熱伝導性樹脂(Thermal resin)が塗布されて形成される。前記熱伝導性樹脂は熱伝導性接着物質を含み得、具体的にはシリコーン(Silicone)素材、ウレタン(Urethan)素材およびアクリル(Acrylic)素材のうち少なくとも一つを含み得る。前記熱伝導性樹脂は、塗布時には液状であるが塗布後に硬化して電池モジュール100を下部パックハウジング1110に固定する役割をすることができる。また、熱伝導特性に優れて電池モジュール100で発生した熱を迅速に底部1111に伝達して電池パック1000の過熱を防止することができる。本実施形態によれば、電池モジュール100はモジュールフレームが省略されるので、図4の電池セル積層体200の下部面が下部パックハウジング1110に塗布された熱伝導性樹脂層1200上に直接取り付けられる。この時、接着性能を有する熱伝導性樹脂層1200により電池セル積層体200は下部パックハウジング1110に固定される。
【0059】
図4に示すように、本実施形態による電池モジュール100は、モジュールフレームが除去されたモジュール-レス(module-less)構造において、電池セル110の一部が外部に露出できるが、構造的安定性のために露出する電池セル110を固定することが必須である。そこで、本実施形態による電池パック1000は底部1111に電池モジュール100、特に電池モジュール100を構成するそれぞれの電池セル110を固定できる熱伝導性樹脂層1200を形成することによって、構造的安定性を向上させることができる。また、モジュールフレームを省略し、電池セルで発生した熱を熱伝導性樹脂層からパックフレームに直接伝達して冷却効率を上げることができる。図示していないがパックフレームにはヒートシンク構造が形成されることができる。
【0060】
前述した本実施形態による電池モジュールや電池パックは多様なデバイスに適用されることができる。具体的には、電気自転車、電気自動車、ハイブリッドなどの運送手段に適用されるがこれに制限されず、二次電池を使用できる多様なデバイスに適用することが可能である。
【0061】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0062】
110 電池セル
114 セルケース
130 接着部材
200 電池セル積層体
210 吸着器
400 絶縁カバー
1350 隔壁
図1
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図5
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図8
図9
【国際調査報告】