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特表2022-549712洗剤の持続可能性の改善のためのセルラーゼの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-28
(54)【発明の名称】洗剤の持続可能性の改善のためのセルラーゼの使用
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/386 20060101AFI20221118BHJP
   C11D 3/22 20060101ALI20221118BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20221118BHJP
   C12N 9/42 20060101ALI20221118BHJP
   C12N 9/16 20060101ALI20221118BHJP
   C12N 15/56 20060101ALI20221118BHJP
   C12N 15/55 20060101ALI20221118BHJP
   C12R 1/645 20060101ALN20221118BHJP
   C12R 1/07 20060101ALN20221118BHJP
   C12R 1/01 20060101ALN20221118BHJP
   C12R 1/69 20060101ALN20221118BHJP
【FI】
C11D3/386 ZNA
C11D3/22
C11D3/37
C12N9/42
C12N9/16 Z
C12N15/56
C12N15/55
C12R1:645
C12R1:07
C12R1:01
C12R1:69
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519392
(86)(22)【出願日】2020-09-29
(85)【翻訳文提出日】2022-03-25
(86)【国際出願番号】 CN2020118714
(87)【国際公開番号】W WO2021058022
(87)【国際公開日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/109012
(32)【優先日】2019-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500586299
【氏名又は名称】ノボザイムス アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ ユエ
(72)【発明者】
【氏名】リーセ モンク ミゲルスン
(72)【発明者】
【氏名】ヘンレク ロン
【テーマコード(参考)】
4B050
4H003
【Fターム(参考)】
4B050CC07
4B050DD02
4B050DD03
4B050KK03
4B050LL04
4H003AB03
4H003AB19
4H003AB27
4H003AC08
4H003DA01
4H003DB01
4H003EA12
4H003EA15
4H003EA16
4H003EA20
4H003EA28
4H003EB08
4H003EB24
4H003EB30
4H003EB32
4H003EB38
4H003EB42
4H003EB46
4H003EC01
4H003EC02
4H003EC03
4H003FA04
4H003FA06
4H003FA09
4H003FA12
4H003FA26
(57)【要約】
任意選択で DNaseとの組合せで、セルラーゼの使用により再付着防止ポリマーのレベルが低減されている、改善された持続可能性を有する洗剤組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗剤組成物の持続可能性プロファイルの改善のためのセルラーゼの使用であって、
前記セルラーゼが、任意選択で 少なくとも1種の追加の酵素との組合せで、前記洗剤組成物の持続可能性プロファイルを改善し、
前記洗剤組成物の1種又は複数種の再付着防止ポリマーが生分解性成分により部分的に又は完全に置き換えられたときに、前記洗剤組成物の持続可能性プロファイルが改善される、使用。
【請求項2】
前記セルラーゼが、GH5、GH7、GH44、GH45、EC3.2.1.4、EC3.2.1.21、EC3.2.1.91、及びEC3.2.1.172に属するセルラーゼからなる群から選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記セルラーゼが、真菌供給源、好ましくはフミコラ・インソレンス(Humicola insolens)若しくはチエラビア・テレストリス(Thielavia terrestris)、又は細菌供給源、好ましくはバチルス・アキバイ(Bacillus akibai)若しくはパエニバチルス・ポリミキサ(Paenibacillus polymyxa)から得られる、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
前記セルラーゼが、配列番号10、配列番号11、配列番号12、及び配列番号13からなる群から選択されるアミノ酸配列、又は配列番号10、配列番号11、配列番号12、及び配列番号13のいずれかに対して、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、さらには99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するセルラーゼを有する、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項5】
前記セルラーゼが、少なくとも1種の追加の酵素との組合せであり、前記少なくとも1種の追加の酵素が、プロテアーゼ、アミラーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、リパーゼ、キシログルカナーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ペクチンリアーゼ、キサンタナーゼ、ペルオキシダーゼ、ハロペルオキシゲナーゼ、カタラーゼ、及びマンナナーゼからなる群から選択される、請求項1~4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
前記追加の酵素がデオキシリボヌクレアーゼである、請求項1又は5に記載の使用。
【請求項7】
前記デオキシリボヌクレアーゼが、真菌供給源、好ましくはアスペルギルス属(Aspergillus)、たとえば、A.オリゼー(A.oryzae)から、又は細菌供給源、好ましくはバチルス属(Bacillus)、たとえば、B.シビ(B.cibi)から得られる、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
前記デオキシリボヌクレアーゼが、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、及び配列番号14からなる群から選択されるアミノ酸配列、又は配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、及び配列番号14のいずれかに対して、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、さらには少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するデオキシリボヌクレアーゼ、を有する、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
前記セルラーゼが、0.0001%~5%(w/w)活性酵素タンパク質に対応する量で前記洗剤組成物中に存在する、請求項1~8のいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
前記1種又は複数種の任意の追加の酵素が、0.0001%~5%(w/w)活性酵素タンパク質に対応する量で前記洗剤組成物中に存在する、請求項5~8のいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
前記1種又は複数種の置き換えられる再付着防止ポリマーが、ポリアクリル酸、修飾ポリアクリル酸ポリマー、修飾ポリアクリル酸コポリマー、マレイン酸-アクリル酸コポリマー、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、及びメチルセルロースからなる群又は前記ポリマーの2種以上の組合せから選択される、請求項1~10のいずれかに記載の使用。
【請求項12】
品目のデルタREMにより測定される洗浄性能が、少なくとも1回のフルスケール洗浄サイクル後に少なくとも維持され、任意選択で 改善される、請求項1~11のいずれか1項に記載の使用。
【請求項13】
セルラーゼと任意選択で 少なくとも1種の追加の酵素と洗剤補助成分とを含む洗剤組成物であって、前記組成物が、1重量%未満、好ましくは0.5重量%以下の、ポリアクリル酸、修飾ポリアクリル酸ポリマー、修飾ポリアクリル酸コポリマー、マレイン酸-アクリル酸コポリマー、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、及びメチルセルロースからなる群又は前記ポリマーの2種以上の組合せから選択される再付着防止ポリマーを含む、洗剤組成物。
【請求項14】
前記セルラーゼが、真菌供給源、好ましくはフミコラ・インソレンス(Humicola insolens)若しくはチエラビア・テレストリス(Thielavia terrestris)、又は細菌供給源、好ましくはアルカリ性バチルス・アキバイ(Bacillus akibai)若しくはパエニバチルス・ポリミキサ(Paenibacillus polymyxa)から得られる、請求項13に記載の洗剤組成物。
【請求項15】
真菌供給源、好ましくはアスペルギルス属(Aspergillus)、たとえば、A.オリゼー(A.oryzae)から、又は細菌供給源、好ましくはバチルス属(Bacillus)、たとえば、B.シビ(B.cibi)から得られるデオキシリボヌクレアーゼをさらに含む、請求項13に記載の洗剤組成物。
【請求項16】
前記セルラーゼが、配列番号10、配列番号11、配列番号12、及び配列番号13からなる群から選択されるアミノ酸配列、又は配列番号10、配列番号11、配列番号12、及び配列番号13のいずれかに対して、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、さらには99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するセルラーゼ、を有する、請求項13又は14に記載の洗剤組成物。
【請求項17】
前記デオキシリボヌクレアーゼが、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、及び配列番号14からなる群から選択されるアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、さらには99%の配列同一性を有するポリペプチド、を有する、請求項15に記載の洗剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列リストの参照
本出願は、コンピュータ読み取り可能な形態の配列表を含んでおり、これは本明細書において参照により援用される。
【0002】
本発明は、任意選択で DNaseとの組合せで、セルラーゼの使用により再付着防止ポリマーのレベルが低減されている、改善された持続可能性を有する洗剤組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
汚れを浮遊した状態に保つ洗剤の能力は、その効率にかなりに重要である。洗剤により浮遊した状態に保たれない微粒子状汚れは、布上に再付着するであろう。再付着した汚れは、その粒子サイズがより小さいこともあって、多くの場合元の汚れよりも除去が困難であること知られている。汚れを浮遊状態に保つ洗剤中の界面活性剤の能力は、多くの場合不十分であるので、再付着防止ポリマーが洗剤に添加される。ポリマーの添加による再付着の回避は、顧客の観点から見て明らかに関心事である衣類の灰色化、薄汚さ、及び黄色化の防止を支援する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ポリマーは、多くの場合、石油化学資源に由来し、何よりも非再生可能供給源由来であるので持続可能性がなく、バイオ分解性が不十分であるかさらには環境中に残留することから、環境への関心による精査に直面してきた。他の洗剤成分との相溶性を維持しつつ、改善された持続可能性プロファイルを有する代替物を提供することが望ましい。そのほか、顧客有益性及び性能効果が維持されなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
洗剤中に存在する石油化学由来のポリマーは、非再生可能供給源に由来するので持続可能性がなく、しかもバイオ分解性が不十分であるかさらには環境中に残留する。本発明の発明者らは、驚くべきことに、洗剤の洗浄性能を維持しつつ、セルラーゼの添加により洗剤中のポリマーを部分的にさらには完全に置き換えることにより、より持続可能性のある洗剤組成物、すなわち、改善された持続可能性プロファイルを有する洗剤組成物を達成可能であることを見いだした。再生可能農業源から製造される以外にポリマーとは対照的に、セルラーゼは、環境中に天然に見いだされるとともに易バイオ分解性である。
【0006】
セルラーゼによるポリマーの置き換えは、国連の持続可能な開発目標特に目標12「つくる責任つかう責任」に対処する。すなわち、ポリマーをセルラーゼに置き換えることにより、洗剤製造者ひいてはエンドユーザーは、化石フィードストックから再生可能フィードストックへの移行及び環境に放出される残留性化学品の量の低減が可能になる。そのため、本発明は、洗浄サイクル時に品目への汚れの再付着を低減又は除去するポリマーをいかにしてセルラーゼにより部分的に又は完全に置き換えて、洗剤の持続可能性プロファイルを改善することが可能であるかを開示する。セルラーゼによる置き換えにより洗剤中の再付着防止ポリマーが4%から0.5%(重量%)に低減されたとき、製造、輸送、及び環境中喪失で回避可能な残留性化石系ポリマーの量は、490,000トン/年であると推定される。
【0007】
定義
再付着防止ポリマー:本発明に関連して、ポリマーとしては、限定されないが、ポリアクリル酸、修飾ポリアクリル酸ポリマー、修飾ポリアクリル酸コポリマー、マレイン酸-アクリル酸コポリマー、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、メチルセルロース、及び/又はこれらの組合せが挙げられる。
【0008】
細菌(性):ポリペプチド(たとえば、セルラーゼなどの酵素)に関連して、「細菌(性)」という用語は、細菌のゲノムによりコードされる、それゆえ、それから直接誘導可能であるポリペプチドを指し、ただし、かかる細菌は、組換えDNA技術によりコード配列をゲノムに導入するなどして前記ポリペプチドをコードするように遺伝子修飾されていない。そのため、本発明に関連して、「細菌性セルラーゼ」又は「細菌供給源から得られるセルラーゼ活性を有するポリペプチド」又は「ポリペプチドが細菌由来である」という用語は、細菌種のゲノムによりコードされる、それゆえ、それから直接誘導可能であるセルラーゼを指し、ただし、細菌種は、前記セルラーゼをコードする組換えDNAを導入する遺伝子修飾に付されていない。そのため、セルラーゼ活性を有する細菌性ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、当然ながら細菌種の遺伝的背景における配列である。セルラーゼ活性を有する細菌性ポリペプチドをコードする配列はまた、野生型セルラーゼ(又は親セルラーゼ)ともいいうる。セルラーゼ活性を有する細菌性ポリペプチドは、組換え産生野生型を含む。さらなる態様では、本発明は、セルラーゼ活性を有するポリペプチドを提供し、ただし、前記ポリペプチドは、細菌性セルラーゼと実質的に相同である。本発明に関連して、「実質的に相同」という用語は、選択された細菌性セルラーゼのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも96%、97%、98%、最も好ましくは少なくとも99%同一のセルラーゼ活性を有するポリペプチドを指す。
【0009】
セルラーゼ:「セルラーゼ」という用語は、セルロース系材料を加水分解する1種又は複数種(たとえば、数種)の酵素を意味する。セルラーゼ活性を有するポリペプチド及びセルラーゼという2つの用語は、置き換え可能に用いられる。セルラーゼは、GH5、GH44、GH45、EC3.2.1.4、EC3.2.1.21、EC3.2.1.91、及びEC3.2.1.172に属するセルラーゼからなる群から選択されうる。かかる酵素は、エンドグルカナーゼ(たとえば、EC3.2.1.4)、セロビオヒドロラーゼ、β-グルコシダーゼ、又はこれらの組合せを含む。
【0010】
好適なセルラーゼは、細菌由来又は真菌由来の酵素の1成分及び混合物を含む。化学修飾又はタンパク質改変されたミュータントもまた、予期される。セルラーゼは、たとえば、エンドグルカナーゼとも呼ばれる1成分エンド-1,4-β-グルカナーゼの1成分又は混合物であってもよい。
【0011】
好適なセルラーゼは、バチルス属(Bacillus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、フミコラ属(Humicola)、マイセリオフトラ属(Myceliophthora)、フザリウム属(Fusarium)、チエラビア属(Thielavia)、トリコデルマ属(Trichoderma)、及びアクレモニウム属(Acremonium)由来のものを含む。例示的セルラーゼは、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)由来(米国特許第4,435,307号明細書)又はトリコデルマ属(Trichoderma)由来、たとえば、T.リーセイ(T.reesei)又はT.ビリデ(T.viride)由来の真菌性セルラーゼを含む。他の好適なセルラーゼは、チエラビア属(Thielavia)由来、たとえば、国際公開第96/29397号パンフレットに記載されているチエラビア・テレストリス(Thielavia terrestris)由来であるか、又は米国特許第5,648,263号明細書、米国特許第5,691,178号明細書、米国特許第5,776,757号明細書、国際公開第89/09259号パンフレット、及び国際公開第91/17244号パンフレットに開示されるマイセリオフトラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)及びフザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)から産生される真菌性セルラーゼである。同様に適切なのは、国際公開第02/099091号パンフレット及び特開2000-210081号公報に記載されているバチルス属(Bacillus)由来のセルラーゼである。好適なセルラーゼは、取り扱いによる有益性(care benefit)を有するアルカリ性又は中性セルラーゼである。セルラーゼの例は、欧州特許第0495257号明細書、欧州特許第0531372号明細書、国際公開第96/11262号パンフレット、国際公開第96/29397号パンフレット、国際公開第98/08940号パンフレットに記載されている。他の例は、国際公開第94/07998号パンフレット、欧州特許第0531315号明細書、米国特許第5,457,046号明細書、米国特許第5,686,593号明細書、米国特許第5,763,254号明細書、国際公開第95/24471号パンフレット、国際公開第98/12307号パンフレットに記載されるようなセルラーゼ変異体である。
【0012】
他のセルラーゼは、国際公開第2002/099091号パンフレットの配列番号2の位置1~位置773のアミノ酸配列に対して少なくとも97%の同一性の配列を有するエンド-β-1,4-グルカナーゼ酵素、又は国際公開第2001/062903号パンフレットの配列番号2の位置40~559に対して少なくとも60%の同一性の配列を有するキシログルカナーゼ酵素であるファミリー44のキシログルカナーゼである。
【0013】
市販のセルラーゼは、Carezyme(登録商標)、Carezyme(登録商標)Premium、Celluzyme(登録商標)、Celluclean(登録商標)、Celluclast(登録商標)、Endolase(登録商標)、Renozyme(登録商標)、Whitezyme(登録商標)、Celluclean(登録商標)Classic、Cellusoft(登録商標)(Novozymes A/S)、Puradax(登録商標)、Puradax HA、及びPuradax EG、Revitalenz 1000、Revitalenz 200、Revitalenz 2000(Dupont Industrial Biosciences)、KAC-500(B)(商標)(花王株式会社)、Biotouch DCL、Biotouch FLX1(AB enzymes)を含む。
【0014】
セルロース分解酵素活性を測定する2つの基本的アプローチは、Zhang et al.,2006,Biotechnology Advances 24:452-481にレビューされているように、(1)合計セルロース分解酵素活性を測定すること、及び(2)個別セルロース分解酵素活性(エンドグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、及びβ-グルコシダーゼ)を測定することを含む。合計セルロース分解酵素活性は、Whatman No.1ろ紙、マイクロ結晶性セルロース、バクテリアセルロース、藻類セルロース、綿、前処理リグノセルロースなどをはじめとする不溶性基材を用いて測定可能である、最も一般的な合計セルロース分解活性アッセイは、基材としてWhatman No.1ろ紙を用いるろ紙アッセイである。アッセイは、国際純正・応用化学連合(International Union of Pure and Applied Chemistry)(IUPAC)により確立された(Ghose,1987,Pure Appl.Chem.59:257-68)。
【0015】
色差(L値):Lab色空間は、明度を意味する次元Lを有する反対色空間である。L値、L*は、L*=0で、最も暗い黒を示し、L*=100で、最も明るい白を示す。本発明に関連して、L値は、色差とも呼ばれる。
【0016】
洗剤補助成分:洗剤補助成分は、本発明のセルラーゼとは異なる。こうした追加的補助成分の厳密な性質、並びにその含有レベルは、組成物の物理的形態及びそれを用いようとする作業の種類に応じて変動し得る。好適な補助成分としては、限定されないが、後述する成分、例えば、界面活性剤、ビルダー、凝集助剤、キレート化剤、移染防止剤、酵素、酵素安定剤、酵素阻害剤、触媒材料、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素供給源、事前形成された過酸(preformed peracid)、増白剤、セッケン泡抑制剤、染料、香料、構造弾性化剤、布地柔軟剤、キャリア、ヒドロトロープ、ビルター及びコビルダー、布地色相剤、消泡剤、分散剤、加工助剤、溶媒、及び/又は顔料が挙げられる。
【0017】
洗剤組成物:「洗剤組成物」という用語は、生地などの洗浄しようとする品目から不要な化合物を除去する上で有用な組成物を指す。洗剤組成物は、家庭用クリーニング及び業務用クリーニングの両方の用途で、例えば、生地をクリーニングするために用いることができる。この用語は、特定のタイプの所望のクリーニング組成物及び製品の形態(たとえば、液体、ゲル、粉末、顆粒、ペースト、バー、又はスプレー組成物)用として選択されるいずれの材料/化合物も包含し、限定されないが、洗剤組成物(たとえば、液体及び/又は固形のランドリー洗剤及びデリケート用洗剤、布地フレッシュナ、布地ソフトナー、ランドリーブースタ、並びに生地及びランドリープレスポッター/前処理剤)を含む。本発明の酵素を含有する以外に、洗剤配合物は、1種又は複数種の追加の酵素(たとえば、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、セルラーゼ、エンドグルカナーゼ、キシログルカナーゼ、ペクチナーゼ、ペクチンリアーゼ、キサンタナーゼ、ペルオキシダーゼ、ハロペルオキシゲナーゼ、カタラーゼ、及びマンナナーゼ、若しくはこれらのいずれかの混合物)、並びに/又は洗剤補助成分、たとえば、界面活性剤、ビルダー、キレート剤若しくはキレート化剤、漂白剤系若しくは漂白剤成分、ポリマー(本明細書に明示されるとおり)、布地コンディショナ、起泡増進剤、セッケン泡抑制剤、染料、香料、色あせ防止剤、光学増白剤、殺菌剤、殺カビ剤、汚染物懸濁剤、腐食防止剤、酵素阻害剤若しくは安定化剤、酵素活性化剤、青み付け剤及び蛍光性染料、酸化防止剤、及び溶解剤を含有してもよい。
【0018】
酵素洗浄力有益性:本明細書において、「酵素洗浄力有益性」という用語は、酵素を伴わない同一の洗剤と比して、酵素が洗剤に追加し得る有利な効果として定義される。酵素によりもたらされることが可能である重要な洗浄力有益性は、洗浄及び/又はクリーニング後に視認可能な汚染物がないかほとんどないしみ除去(再付着防止とも呼ばれる効果である)、洗浄プロセスで遊離した汚染物の再付着の防止又は低減(白色化とも呼ばれる効果である)、元々は白色であったが反復的な使用及び洗浄の後に灰色がかった若しくは黄色がかった外観となってしまった生地の白色度の完全な又は部分的な回復である。また、白色度の維持、たとえば、灰色化やくすみの防止も含まれる。触媒によるしみ除去若しくは汚染物の再付着防止に直接関係はしない、生地の取り扱いによる有益性(textile care benefit)もまた酵素洗浄力有益性に重要である。このような生地の取り扱いによる有益性の例は、一の布地から他の布地へ、若しくは、同一の布地の他の部分への移染の防止若しくは低減(移染防止又は逆汚染防止とも呼ばれる効果である);ピル性を低減するための布地表面からの突出繊維若しくは破断繊維の除去、又は、既に存在しているピル若しくは毛羽の除去(抗ピルとも呼ばれる効果である);布地柔軟性の向上;布地の色の清澄化;及び、布地若しくは衣服の繊維中に詰まった粒状の汚染物の除去である。酵素漂白はさらなる酵素洗浄力有益性であり、ここで、触媒活性は、一般に、過酸化水素若しくは他の過酸化物などの漂白成分の形成を触媒するために用いられる。
【0019】
断片:「断片」という用語は、成熟型ポリペプチド又はドメインのアミノ及び/又はカルボキシル末端から欠失された1つ又は複数(数個)のアミノ酸を有するポリペプチドを意味し;ここで、断片はセルラーゼ活性を含む。
【0020】
真菌(性):本発明に関連して、ポリペプチド(酵素、例えば、セルラーゼなど)に関して「真菌(性)」という用語は、真菌のゲノムによってコードされ、従ってそのゲノムから直接誘導可能なポリペプチドを指し、こうした真菌は、例えば、組換えDNA技術によりゲノムにコード配列を導入することによって、前記ポリペプチドをコードするように遺伝改変されていない。そのため、本発明に関連して、「真菌性セルラーゼ」又は「真菌供給源から得られるセルラーゼ活性を有するポリペプチド」という用語は、真菌種のゲノムによってコードされ、従ってそのゲノムから直接誘導可能なセルラーゼを指し、この真菌種は、前記セルラーゼをコードする組換えDNAを導入する遺伝子改変に付されていない。従って、セルラーゼ活性を有する真菌ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、真菌種の遺伝的背景に天然に存在する配列である。こうした配列によりコードされるセルラーゼ活性を有する真菌性ポリペプチドも、野生型セルラーゼ(又は親セルラーゼ)と呼ばれることがある。別の態様では、本発明は、セルラーゼ活性を有するポリペプチドを提供し、ここで、前記ポリペプチドは、真菌性セルラーゼと実質的に相同性である。本発明に関連して、「実質的に相同性である」という用語は、選択した真菌性セルラーゼのアミノ酸配列と、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも96%、97%、98%、及び最も好ましくは少なくとも99%同一であるセルラーゼ活性を有するポリペプチドを表す。真菌性セルラーゼと実質的に相同性のポリペプチドは、本発明の洗剤に含有させてもよいし、及び/又は本発明の方法で使用してもよい。
【0021】
宿主細胞:「宿主細胞」という用語は、本発明のポリヌクレオチドを含む核酸構築物又は発現ベクターによる形質転換、形質移入、形質導入等などに対する感受性を有するあらゆる細胞型を意味する。「宿主細胞」という用語は、複製の最中に生じる突然変異のために、親細胞と同じではない親細胞のあらゆる子孫を包含する。
【0022】
向上した洗浄性能:「向上した洗浄性能」という用語は、本明細書では、酵素を含まない同じ洗剤組成物の洗浄性能に対して、例えば、汚れの除去の増加又は再付着の減少による、洗剤組成物の洗浄性能の増加を示す酵素として定義される。「向上した洗浄性能」という用語は、洗濯における洗浄性能を包含する。
【0023】
単離された:「単離された」という用語は、自然界においては生じない形態又は環境にある物質を意味する。単離された物質の非限定的な例としては、(1)いずれかの非天然物質、(2)限定されないが、自然界において関連している天然構成成分の1種又は複数種若しくは全てから少なくとも部分的に取り出されたいずれかの酵素、変異体、核酸、タンパク質、ペプチド若しくは補因子を含むいずれかの物質;(3)自然界に見出される物質に対して人為的に修飾されたいずれかの物質;又は(4)自然界で関連する他の成分に対して物質量の増加により修飾されたいずれかの物質(例えば、宿主細胞における組換え産生;物質をコードする遺伝子の複数のコピー;並びに、物質をコードする遺伝子と自然界で関連するプロモータよりも強力なプロモータの使用)が挙げられる。単離された物質は、発酵ブロスサンプル中に存在してもよく;例えば、本発明のポリペプチドを発現するように、宿主細胞を遺伝子改変してもよい。宿主細胞からの発酵ブロスは、単離されたポリペプチドを含み得る。
【0024】
洗濯する:「洗濯する」という用語は、家庭での洗濯及び業務用洗濯の両方に関し、本発明のクリーニング又は洗剤組成物を含む溶液で生地を処理する工程を意味する。洗濯工程は、例えば、家庭用又は業務用洗浄機を用いて実施することもできるし、又は手で実施することもできる。
【0025】
悪臭:「悪臭」という用語は、清浄な品目に対して望ましくない臭いを意味する。洗浄された品目は、その品目に付着する悪臭がなく、新鮮かつ清浄な臭いがすべきである。悪臭の一例として、微生物によって発生され得る不快な臭いを有する化合物がある。別の例は、ヒト又は動物と接触していた品目に付着した汗又は体臭であり得る不快な臭いである。悪臭の別の例は、品目に付着する香辛料からの臭いである場合もあり、例えば、カレーや、強烈な臭いがする他の外来香辛料がある。品目が悪臭を付着する程度を計測する一方法は、本明細書に開示するアッセイIIの使用によるものである。
【0026】
成熟型ポリペプチド:「成熟型ポリペプチド」という用語は、N末端プロセシング、C末端切断、グリコシル化、リン酸化等などの翻訳及びいずれかの翻訳後修飾の後に、その最終形態にあるポリペプチドを意味する。
【0027】
成熟型ポリペプチドコード配列:「成熟型ポリペプチドコード配列」という用語は、セルラーゼ活性を有する成熟型ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを意味する。
【0028】
核酸構築物:「核酸構築物」という用語は、一本鎖又は二本鎖いずれかの核酸分子を意味し、これは、天然の遺伝子から単離されるか、若しくは、そうでなければ自然に存在しないであろう様式で核酸のセグメントを含有するよう修飾されるか、又は、合成物であり、これは、1つ又は複数の制御配列を含む。
【0029】
作動可能にリンクされた:「作動可能にリンクされた」という用語は、制御配列がコード配列の発現を指令するように、ポリヌクレオチドのコード配列に対して適切な位置に制御配列が配置される構造を意味する。
【0030】
配列同一性:2つのアミノ酸配列間又は2つのヌクレオチド配列間の関連性は、「配列同一性」というパラメータによって表される。本発明の目的のために、2つのアミノ酸配列間の配列同一性の程度は、好ましくはバージョン5.0.0以降のEMBOSSパッケージ(EMBOSS:The European Molecular Biology Open Software Suite,Rice et al.,2000,Trends Genet.16:276-277)のNeedleプログラムにおいて実装されている、Needleman-Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch,1970,J.Mol.Biol.48:443-453)を用いて判定される。用いられるパラメータは、10のギャップオープンペナルティ、0.5のギャップエクステンションペナルティ及びEBLOSUM62(BLOSUM62のEMBOSSバージョン)置換マトリックスである。Needle標識された「最長の同一性」(-nobriefオプションを用いて得られる)の出力が同一性割合として用いられ、以下のように算出される:
(同等の残基×100)/(アラインメントの長さ-アラインメント中のギャップの総数)
【0031】
本発明の目的のために、2つのデオキシリボヌクレオチド配列間の配列同一性の程度は、好ましくはバージョン5.0.0以降のEMBOSSパッケージ(前述のEM-BOSS:The European Molecular Biology Open Software Suite,Rice et al.,2000)のNeedleプログラムにおいて実装されている、Needleman-Wunschアルゴリズム(前述のNeedleman and Wunsch,1970)を用いて判定される。用いられるパラメータは、10のギャップオープンペナルティ、0.5のギャップエクステンションペナルティ及びEDNAFULL(NCBI NUC4.4のEMBOSSバージョン)置換マトリックスである。Needle標識された「最長の同一性」(-nobriefオプションを用いて得られる)の出力が同一性割合として用いられ、以下のように算出される:
(同等のデオキシリボヌクレオチド×100)/(アラインメントの長さ-アラインメント中のギャップの総数)
【0032】
持続可能性:持続可能性及び持続可能とは、環境に対してほとんど又はまったく損傷を与えない且つバイオ分解性である再生可能資源の使用を意味する。
【0033】
持続可能性プロファイル:本発明に関連して、持続可能性プロファイルという用語は、1つ又は複数の成分がシステムの性能(たとえば、品目の洗浄時の洗剤組成物の性能)を維持しつつ他のそれほど持続可能でない成分を置き換えることが可能である場合に、成分(たとえば、洗剤組成物中のもの)の持続可能性を比較するために用いられる。
【0034】
生地:「生地」という用語は、ヤーン、ヤーン中間物、繊維、不織布材料、天然材料、合成材料などのいずれかの生地材料、及びその他いずれかの生地材料、これらの材料から製造される布地、並びに布地から製造される製品(例えば、衣服及び他の物品)を意味する。生地又は布地は、ニット、織物、デニム、不織物、フェルト、ヤーン及びタオル地の形態であってよい。生地は、綿、亜麻/リンネル、ジュート、ラミー、サイザル若しくはコイアを含む天然セルロース系材料、又は、ビスコース/レーヨン、酢酸セルロース繊維(三細胞性)、リオセル若しくはこれらのブレンドを含む人工セルロース系材料(例えば、木材パルプ由来のもの)などのセルロース系材料であってよい。生地又は布地はまた、ウール、ラクダ、カシミヤ、モヘア、ウサギ及び絹などの天然ポリアミドなどの非セルロース系材料、又は、ナイロン、アラミド、ポリエステル、アクリル、ポリプロピレン及びスパンデックス/エラスタンなどの合成ポリマー、又は、これらのブレンド、並びに、セルロース系及び非セルロース系繊維のブレンドであってよい。ブレンドの例は、綿及び/又はレーヨン/ビスコースと、ウール、合成繊維(例えば、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリウレタン繊維、ポリウレア繊維、アラミド繊維)、及び/又はセルロース含有繊維(例えば、レーヨン/ビスコース、ラミー、亜麻/リンネル、ジュート、酢酸セルロース繊維、リオセル)などの1種又は複数種の随伴材料とのブレンドである。布地は、例えば、汚れた家庭ランドリーなどの従来の可洗ランドリーであってよい。布地又は衣服という用語が用いられる場合、より広義の生地という用語も含むものとする。本発明に関連して、「生地」という用語は、布地も包含する。本発明に関連して、「生地」という用語は、布地及びクロスと置き換え可能に用いられる。
【0035】
使用又は着用された:生地に関して本明細書において用いられる「使用又は着用された」という用語は、顧客により使用若しくは着用された又は製造時や小売り時などにヒト皮膚に接触した生地を意味する。顧客とは、生地を購入する者、たとえば、店舗で生地(たとえば、新しいクロス若しくはベッドリネン)を購入する者、又はビジネスで、たとえば、ホテル、レストラン、プロフェッショナルキッチン、施設、病院などで使用するために生地(たとえば、ベッドリネン、フキン、若しくはテーブルクロス)を購入するビジネス者であってもよい。いくつかの状況では、かかる使用又は着用された生地は、十分に洗浄除去されなかった通常のしみを有するとともに、より多くの空中浮遊微粒子状物質を引き寄せて蓄積するグルーイングベースを形成する可能性がある。
【0036】
変異体:「変異体」という用語は、1つ又は複数(例えば、数個)の位置に改変(すなわち、置換、挿入及び/又は欠失)を含む、親酵素と同じ活性を有するポリペプチドを意味する。置換とは、ある位置のアミノ酸の異なるアミノ酸による置き換えを意味し;欠失とは、ある位置のアミノ酸の除去を意味し;また、挿入とは、ある位置のアミノ酸に隣接し、この直後に続く1アミノ酸を付加することを意味する。本発明に関連して、同定されたセルラーゼの変異体は、親の酵素活性、すなわち、DNA骨格におけるホスホジエステル結合の加水分解切断を触媒する能力(デオキシリボヌクレアーゼ活性)を有する。一実施形態では、変異体のデオキシリボヌクレアーゼ活性は、親セルラーゼ、例えば、配列番号2の成熟型ポリペプチドに対して増加している。
【0037】
洗浄サイクル:「洗浄サイクル」という用語は、本明細書において、生地を洗浄液に浸漬し、汚れを放出すると共に、生地への洗浄液の流入及び流出を促進するために、ある種の機械的作用を生地に加え、最後に、余分な洗浄液を除去する、洗浄操作として定義される。1回又は複数回の洗浄サイクル後に、一般的に、生地をすすぎ、乾燥させる。
【0038】
洗浄液:「洗浄液」という用語は、本明細書において、水と洗剤成分(任意選択で、本発明の酵素を含有する)の溶液又は混合物として定義される。
【0039】
洗浄性能:「洗浄性能」という用語は、クリーニングされる対象物上に存在するしみを除去する又は洗浄時に生地の色及び白色度を維持する洗剤組成物、酵素、又はポリマーの能力として用いられる。洗浄性能の改善は、実験の部に記載されているいわゆるデルタREMを計算することにより定量されうる。
【0040】
重量パーセンテージ:w/w%、重量%、又はw%と略記される。略語は、置き換え可能に用いられる。
【0041】
白色度:「白色度」という用語は、本明細書において、様々な分野において、また様々な顧客について、異なる意味を有する広義の用語として定義される。白色度は、白色生地に関するものであってもよいか、又は着色生地に対する明るさとして置き換え可能に用いることが可能である。白色度又は明るさの喪失は、たとえば、灰色化、黄色化、又は光学増白剤/色相剤の除去に起因しうる。灰色化及び黄色化は、汚れの再付着、しみの再付着、塵埃/泥の再付着、汚染粒子、身体の汚れ、鉄や銅イオンなどによる着色、又は移染に起因しうる。白色度の喪失は、以下に挙げるリストからの1つ又は複数の項目を含みうる:着色料又は染料作用;不完全なしみ除去(たとえば、身体の汚れ、皮脂など);再付着(対象物の灰色化、黄色化、又はその他の変色)(除去された汚れが、汚れた又は汚れていない生地の別の部分に再び結合する);適用時の生地の化学変化;及び色の明瞭化又は白色化。
【0042】
配列の概要
配列番号1は、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)から得られたDNaseである。
配列番号2は、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)から得られたDNaseである。
配列番号3は、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)から得られたDNaseである。
配列番号4は、セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens)から得られたDNaseである。
配列番号5は、バチルス・イドリエンシス(Bacillus idriensis)から得られたDNaseである。
配列番号6は、バチルス・シビ(Bacillus cibi)から単離されたDNaseである。
配列番号7は、バチルス・ホリコシイ(Bacillus horikoshii)から得られたDNaseである。
配列番号8は、バチルス属(Bacillus)種から得られたDNaseである。
配列番号9は、バチルス属(Bacillus)種から得られたDNaseである。
配列番号10は、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)から得られたセルラーゼである。
配列番号11は、バチルス・アキバイ(Bacillus akibai)から得られたセルラーゼである。
配列番号12は、パエニバチルス・ポリミキサ(Paenibacillus polymyxa)から得られたセルラーゼである。
配列番号13は、メラノカルパス・アルボマイセス(Melanocarpus albomyces)から得られたセルラーゼである。
配列番号14は、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)から得られたDNaseである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明の発明者らは、驚くべきことに、洗剤の洗浄性能を維持しつつ、セルラーゼの添加により洗剤中の再付着防止ポリマーを部分的にさらには完全に置き換えることにより、より持続可能性のある洗剤組成物、すなわち、改善された持続可能性プロファイルを有する洗剤組成物を達成可能であることを見いだした。再生可能農業源から製造される以外にポリマーとは対照的に、セルラーゼは、環境中に天然に見いだされるとともに易バイオ分解性である。特に、セルラーゼは、典型的再付着防止ポリマーの不在下でさえも、洗浄時に衣類への粒子の付着を依然として防止しつつ、液体及び粉末洗剤システムに見いだされる再付着防止ポリマーを置き換えうる。
【0044】
実施例の部で実証されるように、再付着防止ポリマーは、洗浄時に生地に対して有益性を示すが、セルラーゼは、競合有益性を示すことが可能であるため、持続可能性プロファイルを改善する。
【0045】
それゆえ、一実施形態では、本発明は、洗剤の洗浄性能を維持又は改善すると同時に、再付着防止ポリマー、特に、ポリアクリル酸、修飾ポリアクリル酸ポリマー、修飾ポリアクリル酸コポリマー、マレイン酸-アクリル酸コポリマー、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、メチルセルロース、及び/又はこれらの組合せからなる群から選択される再付着防止ポリマーのレベルを低減することによる洗剤組成物の持続可能性プロファイルの改善のための、セルラーゼ活性を有するポリペプチドの使用に関する。
【0046】
一実施形態では、本発明は、行われる洗浄サイクル時に生地への汚れの再付着を防止、低減、又は除去すると同時に、再付着防止ポリマー、特に、ポリアクリル酸、修飾ポリアクリル酸ポリマー、修飾ポリアクリル酸コポリマー、マレイン酸-アクリル酸コポリマー、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、及びメチルセルロースからなる群又はこれらの組合せから選択されるポリマーのレベルを低減することによる洗剤組成物の持続可能性プロファイルの改善のための、セルラーゼ活性を有するポリペプチドの使用に関する。汚れが品目に接着しないときは、生地はより清浄に見える。
【0047】
一実施形態では、本発明は、セルラーゼ活性を有するポリペプチドと少なくとも1種の洗剤補助成分とを含む、改善された持続可能性プロファイルを有する洗剤組成物であって、組成物が、1重量%未満、たとえば、0.8重量%未満、0.7重量%未満、0.6重量%未満、0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満、0.1重量%未満、0.05重量%未満、0.025重量%未満の再付着防止ポリマー、特に、ポリアクリル酸、修飾ポリアクリル酸ポリマー、修飾ポリアクリル酸コポリマー、マレイン酸-アクリル酸コポリマー、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、及びメチルセルロースからなる群又はこれらの組合せから選択される再付着防止ポリマーを含む、洗剤組成物に関する。
【0048】
本発明は、セルラーゼ活性を有するポリペプチドと再付着防止ポリマーと少なくとも1種の洗剤補助成分とを含む、改善された持続可能性プロファイルを有する洗剤組成物であって、再付着防止ポリマー対配合セルラーゼの比(w/w)が、0.5~20、たとえば0.5~10、たとえば0.5~5、たとえば0.5~2.5、たとえば0.5~1の範囲であり、特定ポリマーが、ポリアクリル酸、修飾ポリアクリル酸ポリマー、修飾ポリアクリル酸コポリマー、マレイン酸-アクリル酸コポリマー、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、及びメチルセルロースからなる群又はこれらの組合せから選択される、洗剤組成物に関する。
【0049】
さらに別の実施形態では、本発明は、セルラーゼ活性を有するポリペプチドと0~0.5%(w/w)の範囲の再付着防止ポリマーと少なくとも1種の洗剤補助成分とを含む、改善された持続可能性プロファイルを有する洗剤組成物であって、配合セルラーゼが、0.15~0.5%(w/w)、0.2~0.5%(w/w)、0.3~0.5%(w/w)、又は0.4~0.5%(w/w)の量で添加され、再付着防止ポリマーが、ポリアクリル酸、修飾ポリアクリル酸ポリマー、修飾ポリアクリル酸コポリマー、マレイン酸-アクリル酸コポリマー、又はこれらの組合せからなる群から選択される、洗剤組成物に関する。
【0050】
さらに別の実施形態では、本発明は、セルラーゼ活性を有するポリペプチドと再付着防止ポリマーと少なくとも1種の洗剤補助成分とを含む、改善された持続可能性プロファイルを有する洗剤組成物であって、再付着防止ポリマーとセルラーゼ活性を有するポリペプチド(活性酵素タンパク質)との比が、0~20、たとえば、2~20、5~20、5~15、5~10の範囲、たとえば、5、6、7、8、9、又は10である、洗剤組成物に関する。
【0051】
本発明はさらに、品目を洗濯する方法であって、以下:
a)セルラーゼ活性を有するポリペプチドを含む洗浄液、又はこのポリペプチドと低減レベルの再付着防止ポリマー、特に、ポリアクリル酸、修飾ポリアクリル酸ポリマー、修飾ポリアクリル酸コポリマー、マレイン酸-アクリル酸コポリマー、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、及びメチルセルロースからなる群又はこれらの組合せから選択されるポリマーとを含む洗剤組成物に、品目を曝露するステップ、
b)少なくとも1回の洗浄サイクルを完了するステップ、
c)任意選択で 追加の汚れ物を添加するステップ、及び
d)任意選択で 品目(ただし、品目は生地である)を濯ぐステップ、
を含む方法に関する。
【0052】
一実施形態では、セルラーゼ活性を有するポリペプチドによる洗濯方法は、セルラーゼを含むことなく、より多量の再付着防止ポリマー、たとえば、ポリアクリル酸、修飾ポリアクリル酸ポリマー、修飾ポリアクリル酸コポリマー、マレイン酸-アクリル酸コポリマー、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、及びメチルセルロースからなる群又はこれらの組合せから選択されるポリマーを含む洗剤組成物により実施される洗濯方法と比較して、品目の同一の又はより良好な白色度を提供する。
【0053】
液体溶液の25℃でのpHは、1~11の範囲、たとえば、5.5~11の範囲、7~9の範囲、7~8の範囲、又は7~8.5の範囲である。粉末洗剤のpHは、脱塩水中1g/Lとして測定されうるとともに、好ましくは1~12、たとえば5.5~11.5、たとえば7.5~11.5、たとえば8~11の範囲である。
【0054】
洗浄液は、5℃~95℃の範囲、又は10℃~80℃の範囲、10℃~70℃の範囲、10℃~60℃の範囲、10℃~50℃の範囲、15℃~40℃の範囲又は20℃~40℃の範囲の温度を有し得る。一実施形態では、洗浄液の温度は、30℃である。
【0055】
本発明の一実施形態では、品目を洗浄する方法は、洗浄サイクルの完了後に洗浄液又は洗浄液の一部を排出するステップをさらに含む。次に、洗浄液は、続く洗浄サイクル又は続くすすぎサイクルにおいて再利用することができる。品目は、第1洗浄サイクル、及び任意選択で第2又は第3洗浄サイクル中に洗浄液に曝露してよい。一実施形態では、品目を洗浄液に曝露した後、すすぐ。品目は、水又はコンディショナを含む水ですすぐことができる。
【0056】
本出願に記載されている使用に好適なセルラーゼは、好ましくは、微生物性セルラーゼ、たとえば、バチルス属(Bacillus)又は真菌性セルラーゼである。
【0057】
一実施形態では、本セルラーゼは、フミコラ属(Humicola)、特にフミコラ・インソレンス(Humicola insolens)から得られる。一実施形態では、本セルラーゼは、配列番号10のアミノ酸配列を含むか、又は配列番号10のポリペプチドに対して、少なくとも60%、たとえば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一態様では、本ポリペプチドは、配列番号10を含むポリペプチドと、10以下、たとえば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10アミノ酸だけ異なる。
【0058】
一実施形態では、本セルラーゼは、バチルス属(Bacillus)、特にバチルス・アキバイ(Bacillus akibai)から得られる。一実施形態では、本セルラーゼは、配列番号11のアミノ酸配列を含むか、又は配列番号11のポリペプチドに対して、少なくとも60%、たとえば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一態様では、本ポリペプチドは、配列番号11を含むポリペプチドと、10以下、たとえば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10アミノ酸だけ異なる。
【0059】
一実施形態では、本セルラーゼは、パエニバチルス属(Paenibacillus)、特にパエニバチルス・ポリミキサ(Paenibacillus polymyxa)から得られる。一実施形態では、本セルラーゼは、配列番号12のアミノ酸配列を含むか、又は配列番号12のポリペプチドに対して、少なくとも60%、たとえば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一態様では、本ポリペプチドは、配列番号12を含むポリペプチドと、10以下、たとえば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10アミノ酸だけ異なる。
【0060】
一実施形態では、本セルラーゼは、メラノカルパス属(Melanocarpus)、特にメラノカルパス・アルボマイセス(Melanocarpus albomyces)から得られる。一実施形態では、本セルラーゼは、配列番号13のアミノ酸配列を含むか、又は配列番号13のポリペプチドに対して、少なくとも60%、たとえば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一態様では、本ポリペプチドは、配列番号13を含むポリペプチドと、10以下、たとえば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10アミノ酸だけ異なる。
【0061】
本発明に係る有用なセルラーゼさらにはDNaseは、洗剤組成物に対する重量パーセントとして少なくとも0.00002%の活性酵素タンパク質、好ましくは、洗剤組成物に対する重量パーセントとして少なくとも0.000005%、0.000001%、0.00005%、0.00001%、0.0005%、0.0001%、0.005%、0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.008%、0.01%、0.02%、0.03%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、又は1.0%の活性セルラーゼタンパク質に対応する量で洗剤組成物中に存在しうる。
【0062】
本発明に係る有用なセルラーゼさらにはDNaseは、洗剤組成物に対する重量パーセントとして0.05%~10%の量で配合酵素として添加可能である。セルラーゼさらにはDNaseは、洗剤組成物に対する重量パーセントとして0.05%~5%、たとえば、0.05%~3%、たとえば、0.05%、0.075%、0.1%、0.15% 0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、又は9.5%、さらには10%の量で配合酵素として添加可能である。
【0063】
一実施形態では、配列番号10のセルラーゼ又は配列番号11、配列番号12、若しくは配列番号13のセルラーゼは、1つ又は複数(たとえば、数個)の位置に置換、欠失、及び/又は挿入を含む。一実施形態では、ポリペプチド配列番号10又は配列番号11、配列番号12、若しくは配列番号13のセルラーゼに導入されるアミノ酸置換、欠失、及び/又は挿入の数は、10以下、たとえば、1、2、3、4、5、6、7、8、又は9である。アミノ酸変異は、副次的な性質のものであってもよく、すなわち、タンパク質の折り畳み及び/若しくは活性に顕著に影響しない保存的アミノ酸置換若しくは挿入;典型的には1~30アミノ酸の小さな欠失;アミノ-末端メチオニン残基などの小さなアミノ-若しくはカルボキシル-末端伸長;20~25個以下の残基の小さなリンカーペプチド;或いは、正味電荷、又はポリヒスチジン配列、抗原性エピトープ若しくは結合性ドメインなどの他の機能を変化させることによって精製を促進させる小さな伸長であってもよい。
【0064】
保存的置換の例は、塩基性アミノ酸(アルギニン、リシン及びヒスチジン)、酸性アミノ酸(グルタミン酸及びアスパラギン酸)、極性アミノ酸(グルタミン及びアスパラギン)、疎水性アミノ酸(ロイシン、イソロイシン及びバリン)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシン)、並びに低分子アミノ酸(グリシン、アラニン、セリン、スレオニン及びメチオニン)の群に含まれる。特異活性を概して改変しないアミノ酸置換は当技術分野において公知であり、例えば、H.Neurath and R.L.Hill,1979,In,The Proteins,Academic Press,New Yorkに記載されている。一般的な置換は、Ala/Ser、Val/Ile、Asp/Glu、Thr/Ser、Ala/Gly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Val、Ser/Gly、Tyr/Phe、Ala/Pro、Lys/Arg、Asp/Asn、Leu/Ile、Leu/Val、Ala/Glu及びAsp/Glyである。
【0065】
或いは、アミノ酸変異は、ポリペプチドの物理化学的特性が改変されるような性質のものである。例えば、アミノ酸変異によって、ポリペプチドの熱安定性の向上、基質特異性の改変、至適pHの変化などをもたらし得る。
【0066】
ポリペプチドにおける必須アミノ酸は、部位特異的突然変異誘発又はアラニン走査突然変異誘発(Cunningham and Wells,1989,Science 244:1081-1085)などの当技術分野において公知である手法に従って同定することができる。後者の技術では、単一のアラニン突然変異が分子中のすべての残基に導入され、得られたミュータント分子を酵素活性についてテストすることにより、分子の活性に重要なアミノ酸残基を同定する。また、Hilton et al.,1996,J.Biol.Chem.271:4699-4708を参照のこと。酵素の活性部位又は他の生物学的相互作用は、推定上の接触部位アミノ酸の突然変異と併用した、核磁気共嗚、結晶構造解析、電子回折又は光親和性標識などの技術によって判定される、構造の物理的分析によって決定することもできる。例えば、de Vos et al.,1992,Science 255:306-312;Smith et al.,1992,J.Mol.Biol.224:899-904;Wlodaver et al.,1992,FEBS Lett.309:59-64を参照のこと。必須アミノ酸のアイデンティティーは、関連ポリペプチドとのアラインメントから推測することもできる。
【0067】
単一若しくは複数のアミノ酸置換、欠失、及び/又は挿入は、Reidhaar-Olson and Sauer,1988,Science 241:53-57;Bowie and Sauer,1989,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:2152-2156;国際公開第95/17413号パンフレット;又は、国際公開第95/22625号パンフレットにより開示されているものなどの公知の突然変異誘発方法、組換え法、及び/又はシャッフリング法、これに続く関連するスクリーニング法を用いて行い、テストすることができる。用いることができる他の方法としては、エラープローンPCR、ファージディスプレイ(例えば、Lowman et al.,1991,Biochemistry 30:10832-10837;米国特許第5,223,409号明細書;国際公開第92/06204号パンフレット)、及び領域特異的突然変異誘発(Derbyshire et al.,1986,Gene 46:145;Ner et al.,1988,DNA 7:127)が挙げられる。
【0068】
突然変異誘発/シャッフリング法は、宿主細胞によって発現されたクローン化突然変異誘発ポリペプチドの活性を検出するために、高スループット自動スクリーニング法と組み合わせることができる(Ness et al.,1999,Nature Biotechnology 17:893-896)。活性ポリペプチドをコードする突然変異誘発DNA分子は、宿主細胞から回収可能であり、技術分野における標準的な方法を用いて迅速に配列決定することが可能である。これらの方法によって、ポリペプチドにおける個別のアミノ酸残基の重要性を迅速に判定することが可能になる。
【0069】
ポリペプチドは、1つのポリペプチドの一領域が、別のポリペプチドの一領域のN-末端又はC-末端で融合したハイブリッドポリペプチドであってもよい。
【0070】
ポリペプチドは、別のポリペプチドが本発明のポリペプチドのN-末端又はC-末端で融合した融合ポリペプチド又は切断可能な融合ポリペプチドであってもよい。融合ポリペプチドは、別のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを本発明のポリヌクレオチドに融合させることにより生成される。融合ポリペプチドを生成する技術は、当技術分野において公知であり、それらがフレーム中に収まり、且つ、融合ポリペプチドの発現が、同一のプロモータ及びターミネータの制御下にあるように、ポリペプチドをコードするコード配列を連結するステップを含む。融合ポリペプチドはまた、翻訳後に融合ポリペプチドが形成されるインテインテクノロジーを用いて構築してもよい(Cooper et al.,1993,EMBO J.12:2575-2583;Dawson et al.,1994,Science 266:776-779)。
【0071】
融合ポリペプチドは、2つのポリペプチドの間に切断部位をさらに含むこともできる。融合タンパク質が分泌される際に、この部位が切断されて、2つのポリペプチドを遊離させる。切断部位の例としては、これらに限定されないが、以下:Martin et al.,2003,J.Ind.Microbiol.Biotechnol.3:568-576;Svetina et al.,2000,J.Biotechnol.76:245-251;Rasmussen-Wilson et al.,1997,Appl.Environ.Microbiol.63:3488-3493;Ward et al.,1995,Biotechnology 13:498-503;及び、Contreras et al.,1991,Biotechnology 9:378-381;Eaton et al.,1986,Biochemistry 25:505-512;Collins-Racie et al.,1995,Biotechnology 13:982-987;Carter et al.,1989,Proteins:Structure,Function,and Genetics 6:240-248;並びに、Stevens,2003,Drug Discovery World 4:35-48に開示されている部位が挙げられる。
【0072】
PCR、クローニング、ヌクレオチドの連結などの一般的方法は、当業者によく知られており、たとえば、以下の文献に見出すことができる:“Molecular cloning:A laboratory manual”,Sambrook et al.(1989),Cold Spring Harbor lab.,Cold Spring Harbor,NY、Ausubel,F.M.et al.(eds.);“Current protocols in Molecular Biology”,John Wiley and Sons,(1995)、Harwood,C.R.,and Cutting,S.M.(eds.);“DNA Cloning:A Practical Approach,Volumes I and II”,D.N.Glover ed.(1985)、“Oligonucleotide Synthesis”,M.J.Gait ed.(1984)、“Nucleic Acid Hybridization”,B.D.Hames&S.J.Higgins eds(1985)、“A Practical Guide To Molecular Cloning”,B.Perbal,(1984)。
【0073】
洗剤液中の酵素(セルラーゼ、DNase及び存在する他の酵素)の濃度は、典型的には、0.00004~100ppm酵素タンパク質の範囲、例えば、 0.00008~100の範囲、0.0001~100の範囲、0.0002~100の範囲、0.0004~100の範囲、0.0008~100の範囲、0.001~100ppm酵素タンパク質の範囲、0.01~100ppm酵素タンパク質の範囲、好ましくは0.05~50ppm酵素タンパク質の範囲、より好ましくは0.1~50ppm酵素タンパク質の範囲、より好ましくは0.1~30ppm酵素タンパク質の範囲、より好ましくは0.5~20ppm酵素タンパク質の範囲、最も好ましくは0.5~10ppm酵素タンパク質の範囲である。
【0074】
本発明の洗剤組成物の酵素(セルラーゼ、DNase及び存在する他の酵素)は、従来の安定剤、例えば、プロピレングリコール若しくはグリセロールなどのポリオール、糖若しくは糖アルコール、乳酸、ホウ酸、若しくはホウ酸誘導体、例えば、芳香族ホウ酸エステル、又は4-ホルミルフェニルボロン酸などのフェニルボロン酸誘導体を用いて安定化させてもよく、組成物は、例えば、国際公開第92/19709号パンフレット及び国際公開第92/19708号パンフレットに記載されているように製剤化してもよい。
【0075】
また、本発明のポリペプチドは、本明細書において参照により援用されている国際公開第72/07202号パンフレットに開示されている洗剤製剤に組み込むことも可能である。
【0076】
液体酵素配合物
酵素(セルラーゼ、DNase、及び存在する他の酵素)は、一般的には、注加適性組成物である液体酵素配合物として配合されうるが、それはまた高粘度を有する。液体酵素配合物の物理的外観及び性質は、かなり変動しうる。たとえば、異なる粘度(ゲル~水様)を有していたり、着色されていたり、着色されていなかったり、透明であったり、濁っていたりしうるとともに、さらにはスラリーや懸濁液のように固形粒子を伴いうる。最低限の成分は、酵素(セルラーゼ、DNase、及び存在する他の酵素)並びに液体にするための溶媒系である。
【0077】
溶媒系は、水、ポリオール(たとえば、グリセロール、(モノ、ジ、若しくはトリ)プロピレングリコール、(モノ、ジ、若しくはトリ)エチレングリコール、糖アルコール(たとえば、ソルビトール、マンニトール、エリトリトール、ズルシトール、イノシトール、キシリトール、若しくはアドニトール)、ポリプロピレングリコール、及び/又はポリエチレングリコール)、エタノール、糖、及び塩を含みうる。通常、溶媒系はまた、保存剤及び/又は他の安定化剤を含む。
【0078】
液体酵素配合物は、溶媒系と、所望の純度を有する酵素濃縮物(又はスラリー/懸濁液を得るために酵素粒子)と、を混合することにより調製されうる。
【0079】
一実施形態では、液体酵素組成物は、以下:
(a)少なくとも0.01%w/w活性酵素タンパク質、
(b)少なくとも0.5%w/wポリオール、
(c)水、及び
(d)任意選択で 保存剤
を含む。
【0080】
本発明の液体組成物中の酵素(セルラーゼ、DNase、及び存在する他の酵素)は、従来の安定化剤を用いて安定化されうる。安定化剤の例としては、限定されないが、グルコース、フルクトース、スクロース、トレハロースのような糖、グリセロール、プロピレングリコールのようなポリオール、イオン強度を増加させるための塩の添加、2価カチオン(たとえば、Ca2+又はMg2+)、及び酵素阻害剤、酵素基質、又は様々なポリマー(たとえば、PVP)が挙げられる。配合物に最適なpHを選択することは、酵素安定性に重要に非常であってもよい。最適pHは、特異的酵素に依存するが、典型的にはpH4~9の範囲である。いくつかの場合には、ノニオン性界面活性剤(たとえば、アルコールエトキシレート)のような界面活性剤は、酵素配合物の物理的安定性を改善することが可能である。
【0081】
本発明の一実施形態は、セルラーゼを含む組成物であって、組成物が、以下:
(i)ポリオール、好ましくは、グリセロール、(モノ、ジ、又はトリ)プロピレングリコール、(モノ、ジ、又はトリ)エチレングリコール、ポリエチレングリコール、糖アルコール、ソルビトール、マンニトール、エリトリトール、ズルシトール、イノシトール、キシリトール、及びアドニトールから選択されるもの、
(ii)任意選択で 、追加の酵素、好ましくは、プロテアーゼ、アミラーゼ、又はリパーゼ、DNAse、マンナナーゼから選択されるもの、
(iii)任意選択で 、界面活性剤、好ましくは、アニオン性及びノニオン性界面活性剤から選択されるもの、
(iv)任意選択で 、塩、2価カチオン、ポリマー、又は酵素阻害剤、
(v)任意選択で 、pH4~9の範囲のpHを有する、及び
(vi)水
をさらに含む、組成物に関する。
【0082】
酵素のスラリー又はディスパージョンは、典型的には、酵素が微溶性である液体媒体、たとえば、液体ノニオン性界面活性剤又は液体ポリエチレングリコール中に酵素の小粒子(たとえば、スプレー乾燥粒子)を分散することにより調製される。粉末はまた、すべてが溶解されない量(溶解度限界超)で水性系に添加することも可能である。別の形態は、水性液体でもありうる結晶懸濁液である(たとえば、国際公開第2019/002356号パンフレットを参照こと)。かかるディスパージョンを調製する別の方法は、酵素が水相中にある油中水型乳剤を調製して、液滴から水を蒸発させることによる。かかるスラリー/懸濁液は、典型的にはせん断減粘レオロジーを得るために、ヒュームドシリカやキサンタンガムなどのレオロジー改質剤の添加により物理的に安定化させることが可能である(沈降を低減又は回避するために)。
【0083】
顆粒状酵素配合物
酵素(セルラーゼ、DNase、及び存在する他の酵素)はまた、固形/顆粒状酵素配合物としても配合されうる。非発塵性粒質物は、たとえば、米国特許第4,106,991号明細書及び米国特許第4,661,452号明細書に開示されるように生成されうるとともに、任意選択で 当技術分野で公知の方法により被覆されうる。ワックス状コーティング材の例は、1000~20000の平均モル重量を有するポリ(エチレンオキシド)生成物(ポリエチレングリコール、PEG)、16~50個のエチレンオキシド単位を有するエトキシル化ノニルフェノール、アルコールが2~20個の炭素原子を含有し且つ15~80個のエチレンオキシド単位が存在するエトキシル化脂肪アルコール、脂肪アルコール、脂肪酸、並びに脂肪酸のモノ及びジ及びトリグリセリドである。流動床技術による適用に好適なフィルム形成性コーティング材の例は、英国特許第1483591号明細書に記載されている。
【0084】
セルラーゼは、顆粒として、たとえば、1種又は複数種の酵素又は有益剤(たとえば、MnTACN又は他の漂白成分)を組み合わせた複合顆粒として配合されうる。かかる追加の酵素の例としては、リパーゼ、キシログルカナーゼ、ペルヒドロラーゼ、ペルオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、ラッカーゼ、ヘミセルラーゼ、プロテアーゼ、ケアセルラーゼ、セルラーゼ、セロビオースデヒドロゲナーゼ、キシラナーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、リケナーゼグルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、アミラーゼ、DNAse、及びこれらの混合物が挙げられる。その際、各酵素は、より多くの顆粒が洗剤中で酵素のより一様な分布を確保するように存在するであろう。これはまた、異なる粒子サイズに起因して異なる酵素の物理的偏析を低減する。洗剤産業用の多酵素複合顆粒の製造方法は、IP.com開示IPCOM000200739Dに開示されている。
【0085】
本発明の一実施形態は、セルラーゼを含む酵素顆粒/粒子に関する。顆粒は、コアと、任意選択で 、コアを取り囲む1つ又は複数のコーティング(外側層)と、で構成される。典型的には、顆粒の等価球直径(体積基準平均粒子サイズ)として測定される顆粒/粒子サイズは、20~2000μm、特に50~1500μm、100~1500μm、又は250~1200μmである。
【0086】
コアは、充填剤、繊維材料(セルロース又は合成繊維)、安定化剤、溶解剤、懸濁剤、粘度調整剤、軽球体、可塑剤、塩、潤滑剤、香料などの追加の材料を含みうる。コアは、合成ポリマー、ワックス、脂肪、炭水化物などのバインダを含みうる。コアは、典型的には均質ブレンドとして、多価カチオンの塩、還元剤、酸化防止剤、過酸化物分解触媒、及び/又は酸緩衝剤成分を含みうる。コアは、酵素を吸収した又は流動床コーティングなどにより酵素が表面上に適用された不活性粒子からなりうる。コア、20~2000μm、特に50~1500μm、100~1500μm、又は250~1200μmの直径を有しうる。コアは、成分のブレンドをグラニュレート化することにより、たとえば、結晶化、沈殿、パンコーティング、流動床コーティング、流動床アグロメレーション、ロータリーアトマイゼーション、押出し、プリリング、球状化、サイズ減少法、ドラムグラニュレーション、及び/又は高せん断グラニュレーションなどのグラニュレーション技術を含む方法により、調製可能である。コアの調製方法は、Handbook of Powder Technology;Particle size enlargement by C.E.Capes;Volume 1;1980;Elsevierに見いだされうる。これらの方法は、当技術分野でよく知られており、また、国際特許出願の国際公開第2015/028567号パンフレットの3~5頁にも記載されており、これは参照により援用される。
【0087】
酵素顆粒/粒子のコアは、たとえば、貯蔵安定性を改善するために、取扱い時のダスト形成を低減するために、又は顆粒を着色するために、少なくとも1層のコーティングにより取り囲まれうる。任意のコーティングは、塩コーティング材又は他の好適なコーティング材、たとえば、ポリエチレングリコール(PEG)、メチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)、及びポリビニルアルコール(PVA)を含みうる。多層コーティングを有する酵素顆粒の例は、国際公開第93/07263号パンフレット及び国際公開第97/23606号パンフレットに示されている。
【0088】
かかるコーティングは、当技術分野でよく知られており、たとえば、国際公開第00/01793号パンフレット、国際公開第2001/025412号パンフレット、及び国際公開第2015/028567号パンフレットに既に記載されており、これらは参照により援用される。
【0089】
一態様では、本発明は、以下:
(a)本発明に係るセルラーゼを含むコア、及び
(b)任意選択で 、コアを取り囲む1層以上の層からなる(塩)コーティング
を含む顆粒を提供する。
【0090】
本発明の別の態様は、以下:
(a)(非酵素)コア、
(b)コアを取り囲むコーティング(ただし、コーティングはセルラーゼを含む)、及び
(c)任意選択で 、酵素含有コーティングを取り囲む1層以上の層からなる(塩)コーティング、
を含む層状顆粒に関する。
【0091】
被包酵素配合物
酵素(セルラーゼ、DNase、及び存在する他の酵素)はまた、被包酵素配合物(「被包物」)としても配合されうる。これは、酵素がたとえば以下に記載されている洗剤組成物などの(液体)クリーニング組成物に添加されるとき、他の成分から酵素を分離するのに特に有用である。
【0092】
物理的分離は、酵素と他の成分との間の不適合性を解決するために使用可能である。不適合性は、他の成分が酵素に対して反応性である場合又は他の成分が酵素の基質である場合のどちらでも、生じる可能性がある。他の酵素は、プロテアーゼの基質であってもよい。
【0093】
酵素は、たとえば、国際公開第2016/023685号パンフレットに記載されているように、マトリックス、好ましくは、水溶性又は水分散性マトリックス(たとえば、水溶性ポリマー粒子)中に被包されうる。水溶性高分子マトリックスの例は、ポリビニルアルコールを含むマトリックス組成物である。かかる組成物はまた、単位用量形態で洗剤組成物を被包するためにも使用される。
【0094】
酵素はまた、たとえば、国際公開第2015/144784号パンフレットに記載されているように又はIP.com開示IPCOM000239419Dに記載されているように、コア-シェルマイクロカプセル中にも被包されうる。
【0095】
かかるコア-シェルカプセルは、当技術分野で公知のいくつかの技術を用いて、たとえば、油中水型又は水中油型乳剤のどちらを用いても界面重合により調製可能であり、この場合、ポリマーは、乳剤中の液滴の表面(水と油との界面)で架橋されるので、各液滴/カプセルの周りに壁/膜を形成する。
【0096】
複合顆粒の酵素配合物
酵素(セルラーゼ、DNase、及び存在する他の酵素)は、顆粒として、たとえば、1種又は複数種の酵素を組み合わせた複合顆粒として配合されうる。その際、各酵素は、より多くの顆粒が洗剤中で酵素のより一様な分布を確保するように存在するであろう。これはまた、異なる粒子サイズに起因して異なる酵素の物理的偏析を低減する。洗剤産業用の多酵素複合顆粒の製造方法は、IP.com開示IPCOM000200739Dに開示されている。
【0097】
複合顆粒の使用による酵素配合物の別の例は、国際公開第2013/188331号パンフレットに開示されており、これは、(a)多酵素複合顆粒、(b)10重量%未満のゼオライト(無水物基準)、及び(c)10重量%未満のリン酸塩(無水物基準)を含む洗剤組成物であって、前記酵素複合顆粒が10重量%~98重量%水分シンク成分を含み、且つ組成物が20重量%~80重量%洗剤水分シンク成分を追加的に含む、洗剤組成物に関する。
【0098】
国際公開第2013/188331号パンフレットはまた、表面、好ましくは布地表面を処理及び/又はクリーニングする方法であって、(i)水性洗浄液中で前記表面を特許請求された本明細書に記載されている洗剤組成物に接触させるステップ、(ii)表面を濯ぐ及び/又は乾燥させるステップを含む方法に関する。
【0099】
多酵素複合顆粒は、セルラーゼ、並びに(a)リパーゼ、キシログルカナーゼ、ペルヒドロラーゼ、ペルオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、ラッカーゼ、及びこれらの混合物からなる群から選択される1種又は複数種の酵素、並びに(b)ヘミセルラーゼ、プロテアーゼ、ケアセルラーゼ、セルラーゼ、セロビオースデヒドロゲナーゼ、キシラナーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、リケナーゼグルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、アミラーゼ、DNAse、及びこれらの混合物からなる群から選択される1種又は複数種の酵素を含みうる。
【0100】
配合物中の酵素の純度
上記の酵素配合物で使用される酵素(セルラーゼ、DNase、及び存在する他の酵素)は、いずれかの所望の純度に精製されうる。これは、たとえば、結晶化法を用いて達成される高レベルの精製だけでなく、精製なし、又はたとえば国際公開第2001/025411号パンフレット若しくは国際公開第2009/152176号パンフレットに記載されている粗発酵ブロスを用いて達成される低レベルの精製を含む。
【0101】
微生物
酵素配合物さらには以下に記載されている洗剤配合物は、1種又は複数種の微生物(microorganisms or microbes)を含みうる。一般に、いずれの微生物も、いずれかの好適な量/濃度で酵素/洗剤配合物で使用されうる。微生物は、唯一の生物学的活性成分として使用されうるが、1種又は複数種の以上に記載されている酵素との併用で使用されうる。
【0102】
微生物を添加する目的は、たとえば、国際公開第2012/112718号パンフレットに記載されているように悪臭を低減することでありうる。他の目的は、望ましい生物学的化合物のin-situ産生、又は他の望ましくない微生物が同一位置に生息するのを競合的に防止(競合排除)するための微生物の接種/微生物位置での生息を含みうる。
【0103】
「微生物」という用語は、一般的には、顕微鏡を介して見える小さな生物を意味する。微生物は、多くの場合、単細胞として又は細胞のコロニーとして存在する。いくつかの微生物は、多細胞であってもよい。微生物は、原核生物(たとえば、細菌及び古細菌)及び真核生物(たとえば、いくつかの真菌、藻、原生動物)生物を含む。細菌の例は、グラム陽性細菌又はグラム陰性細菌であってもよい。細菌の形態例は、栄養細胞及び内生胞子を含む。真菌の例は、酵母、カビ、及びキノコであってもよい。真菌の形態例は、菌糸及び胞子を含む。本明細書では、ウイルスは、微生物とみなされうる。
【0104】
微生物は、組換え又は非組換えであってもよい。いくつかの例では、微生物は、洗剤組成物に含めるのに有用な様々な物質(たとえば、酵素)を産生しうる。微生物からの抽出物又は抽出物からの画分は、洗剤で使用されうる。微生物が培養された培地又は培地からの画分若しくは抽出物もまた、洗剤で使用されうる。いくつかの例では、微生物に特有な、微生物により産生される物質、その抽出物、培地、及び画分は、洗剤から特異的に排除されうる。いくつかの例では、微生物又は微生物により産生された若しくはそれから抽出された物質は、洗剤活性又は洗剤に含有される成分の活性化、増強、保存、延長などを行いうる。
【0105】
一般に、微生物は、当技術分野で公知の方法を用いて培養されうる。次いで、微生物は、様々な方法で処理又は配合されうる。いくつかの例では、微生物は、乾燥(たとえば、凍結乾燥)されうる。いくつかの例では、微生物は、被包(たとえば、スプレードライイング)されうる。多くの他の処理又は配合が可能である。これらの処理又は調製は、経時的に及び/又は洗剤成分の存在下で微生物生存能の保持を促進しうる。しかしながら、いくつかの例では、洗剤中の微生物は、生存可能でないこともある。処理/配合微生物は、洗剤の使用前又は使用時に洗剤に添加されうる。
【0106】
一実施形態では、微生物は、バチルス属(Bacillus)の種、たとえば、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・アトロファエウス(Bacillus atrophaeus)、バチルス・プミラス(Bacillus pumilus)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、又はこれらの組合せからなる群から選択されるバチルス属(Bacillus)の少なくとも1つの種である。好ましい実施形態では、上記のバチルス属(Bacillus)種は、貯蔵安定性を有意に改善する内生胞子形態である。
【0107】
洗剤組成物
一実施形態では、本発明は、1つ又は複数の追加のクリーニング組成物成分との組合せでセルラーゼを含む洗剤組成物に関する。一実施形態では、洗剤組成物は、配列番号10、配列番号11、配列番号12、又は配列番号13に示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも60%の同一性、たとえば、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98% 99%、さらには100%の同一性を有するアミノ酸配列のセルラーゼ活性を有するポリペプチドを含む。洗剤組成物は、追加の酵素、たとえば、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、又は配列番号14に示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも60%の同一性、たとえば、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、さらには100%の同一性を有するアミノ酸配列のDNaseを含みうる。一実施形態では、洗剤組成物は固形形態である。別の実施形態では、洗剤組成物は液体又はゲル形態である。別の実施形態では、バー形態である。一実施形態では、洗剤は、水溶性PVOHフィルムでラップされうる。追加成分の選択は、当業者の技能の範囲内であり、以下に記載する非制限的な成分例などの従来の成分を含む。
【0108】
液体洗剤組成物
液体洗剤組成物は、本発明のマイクロカプセルを含むことができ、従って、液体及び粉末洗剤、並びにセッケン及び洗剤バーなどのあらゆる形態の任意の洗剤組成物の一部を成し得る。
【0109】
一実施形態において、本発明は、1種又は複数種の追加のクリーニング組成成分の組み合わせた、前述のマイクロカプセルを含む液体洗剤組成物に関する。
【0110】
前述のように、マイクロカプセルは、0.0001%~5%(w/w)の活性酵素タンパク質(AEP);好ましくは0.001%~5%、より好ましくは0.005%~5%、より好ましくは0.005%~4%、より好ましくは0.005%~3%、より好ましくは0.005%~2%、さらに好ましくは0.01%~2%、及び最も好ましくは0.01%~1%(w/w)の活性酵素タンパク質に対応する量で液体洗剤組成物に添加することができる。
【0111】
液体洗剤組成物は、固体(又は気体)ではない物理的形態を有する。これは、注加適性液体、ペースト、注加適性ゲル若しくは非注加適性ゲルであってもよい。これは、等方性又は構造化のいずれであってもよく、等方性であるのが好ましい。これは、自動洗浄機での洗浄又は手洗いに有用な製剤であってもよい。これはまた、シャンプー、歯磨きペースト、又はハンドソープなどのパーソナルケア製品であってもよい。
【0112】
液体洗剤組成物は、水性であってもよく、典型的には少なくとも20重量%及び95%以下の水、例えば、70%以下の水、50%以下の水、40%以下の水、30%以下の水、又は20%以下の水を含有する。これらに限定されないが、アルカノール、アミン、ジオール、エーテル及びポリオールなどの他のタイプの液体を水性液体洗剤に含有させてもよい。水性液体洗剤は、0~30%の有機溶媒を含有し得る。液体洗剤は、非水性であってもよく、その場合、含水率は、10%未満、好ましくは5%未満である。
【0113】
洗剤成分は、水溶性ポーチ中のコンパートメントによって互いに物理的に隔離することができる。これによって、成分同士のマイナスの保存相互作用を回避することができる。また、コンパートメント各々の異なる溶解プロフィールによって、洗浄溶液中の選択した成分の溶解を遅延させることもできる。
【0114】
洗剤組成物は、単位用量製品の形態を採ってもよい。単位用量製品は、再使用不可能な容器への単回用量のパッケージングである。これは、洗濯用洗剤で使用されることが多くなっている。洗剤の単回用量製品は、1回の洗浄に使用する量の洗剤のパッケージング(例えば、水溶性フィルムから製造されたポーチ中の)である。
【0115】
ポーチは、例えば、水との接触前にポーチから組成物を漏出させずに、組成物を保持するのに適したいずれの形態、形状及び材料であってもよい。ポーチは、内容積を収容する水溶性フィルムから製造される。この内容積は、ポーチの複数のコンパートメントに分割することができる。好ましいフィルムは、ポリマー材料であり、フィルム又はシートに形成されるポリマーであるのが好ましい。好ましいポリマー、コポリマー又はその誘導体は、ポリアクリレート、及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ナトリウムデキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートから選択され、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシメチルセルロース(HPMC)であるのが最も好ましい。好ましくは、フィルム、例えば、PVA中のポリマーのレベルは、少なくとも約60%である。好ましい平均分子量は、典型的には、約20,000~約150,000であろう。フィルムはまた、ポリアクチド及びポリビニルアルコールなどの加水分解性及び水溶性ポリマーブレンド(Chris Craft in.Prod.Of Gary,Ind.,USから販売されている商品参照番号M8630で知られる)並びにグリセロール、エチレングリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール及びこれらの混合物などの可塑剤を含むブレンド組成物であってもよい。ポーチは、水溶性フィルムで隔てられた、固体洗濯クリーニング組成物若しくは一部の成分及び/又は液体クリーニング組成物又は一部の成分を含有することができる。液体成分のコンパートメントは、固形物を含有するコンパートメントと組成が異なり得る(例えば、米国特許出願第2009/0011970号明細書を参照のこと)。
【0116】
洗剤成分の選択には、生地ケアの場合、クリーニングする生地の種類、汚れの種類及び/又は程度、クリーニングが実施される温度、並びに洗剤製品の配合の考慮が含まれ得る。以下に述べる成分は、具体的な機能性に従い概略的見出しにより分類するが、当業者には理解されるように、1つの成分が別の機能性を含む場合もあるため、これを限定として解釈すべきではない。
【0117】
追加の成分の選択は、当業者の技能の範囲内であり、以下に記載する非限定的成分の例などの従来の成分を含む。
【0118】
界面活性剤
クリーニング組成物は、アニオン性及び/若しくはカチオン性及び/若しくはノニオン性及び/若しくは半極性及び/若しくは双性イオン性又はこれらの混合であってもよい1種又は複数種の界面活性剤を含みうる。特定実施形態では、洗剤組成物は、界面活性剤系(2種以上の界面活性剤を含む)、たとえば、1種又は複数種のノニオン性界面活性剤と1種又は複数種のアニオン性界面活性剤との混合物を含む。一実施形態では、洗剤は、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤と少なくとも1種のノニオン性界面活性剤とを含み、アニオン性界面活性剤対ノニオン性界面活性剤の重量比は、20:1~1:20であってもよい。一実施形態では、アニオン性界面活性剤の量は、ノニオン性界面活性剤の量よりも多く、たとえば、アニオン性界面活性剤対ノニオン性界面活性剤の重量比は、10:1~1.1:1又は5:1~1.5:1であってもよい。アニオン性界面活性剤対ノニオン性界面活性剤の量はまた、等しくてもよく、重量比1:1であってもよい。一実施形態では、ノニオン性界面活性剤の量は、アニオン性界面活性剤の量よりも多く、重量比は、1:10~1:1.1であってもよい。好ましくは、アニオン性界面活性剤対ノニオン性界面活性剤の重量比は、10:1~1:10、たとえば、5:1~1:5又は5:1~1:1.2である。好ましくは、ノニオン性界面活性剤対アニオン性界面活性剤の重量比率は、0~0.5又は0~0.2であるので、ノニオン性界面活性剤は、存在可能であるか、又は重量比率が0である場合は不在であるが、ノニオン性界面活性剤が存在する場合、ノニオン性界面活性剤の重量比率は、好ましくは、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤の合計重量の多くとも50%又は多くとも20%である。ライトデューティー洗剤は、通常、アニオン性界面活性剤よりも多くのノニオン性界面活性剤を含み、ノニオン性界面活性剤対アニオン性界面活性剤の比率は、好ましくは0.5~0.9である。界面活性剤の合計重量は、典型的には、約0.1重量%~約60重量%、たとえば、約1重量%~約40重量%、又は約3重量%~約20重量%、又は約3重量%~約10重量%のレベルで存在する。界面活性剤は、所望のクリーニング用途に基づいて選ばれ、当技術分野で公知のいずれかの従来の界面活性剤を含みうる。含まれる場合、洗剤は、通常、約1重量%~約40重量%のアニオン性界面活性剤、たとえば、約5%~約30%、たとえば、約5%~約15%、又は約15%~約20%、又は約20%~約25%のアニオン性界面活性剤を含有するであろう。アニオン性界面活性剤の非限定的な例としては、スルフェート及びスルホネートが挙げられ、典型的には、ナトリウム塩若しくはカリウム塩又はモノエタノールアミン(MEA、2-アミノエタン-1-オール)若しくはトリエタノールアミン(TEA、2,2’,2’’-ニトリロトリエタン-1-オール)の塩として利用可能であり、特に、直鎖アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、LASの異性体、たとえば、分岐アルキルベンゼンスルホネート(BABS)及びフェニルアルカンスルホネート、オレフィンスルホネート、特に、α-オレフィンスルホネート(AOS)、アルキルスルフェート(AS)、特に、脂肪アルコールスルフェート(FAS)、すなわち、第1級アルコールスルフェート(PAS)、たとえば、ドデシルスルフェート(SLS)、アルコールエーテルスルフェート(AESまたAEOS又はFES、アルコールエトキシスルフェート又は脂肪アルコールエーテルスルフェートとしても知られる)、パラフィンスルホネート(PS)、たとえば、アルカン-1-スルホネート及び第2級アルカンスルホネート(SAS)、エステルスルホネート、たとえば、スルホン化脂肪酸グリセロールエステル及びα-スルホ脂肪酸メチルエステル(α-SFMe又はSES又はMES)、アルキル又はアルケニルコハク酸、たとえば、ドデセニル/テトラデセニルコハク酸(DTSA)、スルホコハク酸のジエステル及びモノエステル、アミノ酸の脂肪酸誘導体である。アニオン性界面活性剤は、酸として、塩として、又はエタノールアミン誘導体として添加されうる。
【0119】
含まれる場合、洗剤は、通常、約1重量%~約40重量%のアニオン性界面活性剤、例えば、約5%~約15%、又は約15%~約20%、又は約20%~約25%を含む、約5%~約30%のアニオン性界面活性剤を含有するであろう。アニオン性界面活性剤の非限定的な例としては、硫酸塩及びスルホン酸塩、特に、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、LASの異性体、分岐アルキルベンゼンスルホン酸塩(BABS)、フェニルアルカンスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩(AOS)、オレフィンスルホン酸塩、アルケンスルホン酸塩、アルカン-2,3-ジイルビス(硫酸塩)、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩及びジスルホン酸塩、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)などの硫酸アルキル(AS)、脂肪族アルコール硫酸塩(FAS)、第1級アルコール硫酸塩(PAS)、アルコールエーテル硫酸塩(アルコールエトキシ硫酸塩又は脂肪族アルコールエーテル硫酸塩としても知られるAES又はAEOS又はFES)、第2級アルカンスルホン酸塩(SAS)、パラフィンスルホン酸塩(PS)、スルホン酸エステル、スルホン化脂肪酸グリセロールエステル、スルホン酸メチルエステル(MES)を含むα-スルホ脂肪酸メチルエステル(α-SFMe又はSES)、アルキル-又はアルケニルコハク酸、ドデセニル/テトラデセニルコハク酸(DTSA)、アミノ酸の脂肪酸誘導体、スルホコハク酸又は脂肪酸(セッケン)の塩のジエステル及びモノエステル、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0120】
含まれる場合、洗剤は、通常、約1重量%~約40重量%、例えば、約0.5%~約30%、特に約1%~約20%、約3%~約10%、例えば、約3%~約5%、約8%~約12%、又は約10%~約12%などのカチオン性界面活性剤を含む。ノニオン性界面活性剤の非限定的な例としては、アルコールエトキシレート(AE又はAEO)、たとえば、AEO系列、たとえば、AEO-7、アルコールプロポキシレート、特に、プロポキシル化脂肪アルコール(PFA)、エトキシル化及びプロポキシル化アルコール、アルコキシル化脂肪酸アルキルエステル、たとえば、エトキシル化及び/又はプロポキシル化脂肪酸アルキルエステル(特に、メチルエステルエトキシレート、MEE)、アルキルポリグリコシド(APG)、アルコキシル化アミン、脂肪酸モノエタノールアミド(FAM)、脂肪酸ジエタノールアミド(FADA)、エトキシル化脂肪酸モノエタノールアミド(EFAM)、プロポキシル化脂肪酸モノエタノールアミド(PFAM)、ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド、又はグルコサミンのN-アシルN-アルキル誘導体(グルカミドGA又は脂肪酸グルカミドFAGA)、さらにはSPAN及びTWEENという商品名で入手可能な製品、並びにこれらの組合せが挙げられる。
【0121】
含まれる場合、洗剤は、通常、約0.01~約10重量%の半極性界面活性剤を含有するであろう。半極性界面活性剤の非限定的な例としては、アミンオキシド(AO)、たとえば、アルキルジメチルアミンオキシド、特に、N-(ココアルキル)-N,N-ジメチルアミンオキシド及びN-(獣脂-アルキル)-N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミンオキシド、並びにこれらの組合せが挙げられる。
【0122】
含まれる場合、洗剤は、通常、約0.01重量%~約10重量%の双性イオン性界面活性剤を含有するであろう。双性イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、ベタイン、たとえば、アルキルジメチルベタイン、スルホベタイン、及びこれらの組合せが挙げられる。
【0123】
追加のバイオ系界面活性剤は、たとえば、界面活性剤が、たとえば、欧州特許第2516606B1号明細書に記載されるように、ヘキシル-β-D-マルトピラノシド、チオマルトピラノシド、又は環式マルトピラノシドであってもよい糖系ノニオン性界面活性剤である場合に使用されうる。他のバイオ界面活性剤は、ラムノ脂質及びソホロ脂質を含みうる。
【0124】
ヒドロトロープ
ヒドロトロープは、疎水性化合物を水溶液(又は、反対に、極性物質を非極性環境)中に可溶化させる化合物である。典型的には、ヒドロトロープは、親水特性及び疎水特性の両方を有する(いわゆる、界面活性剤から公知である両親媒性特性)が;しかしながら、ヒドロトロープの分子構造は、一般に、自発的な自己凝集を好まず、例えば、Hodgdon and Kaler(2007),Current Opinion in Colloid & Interface Science 12:121-128による概説を参照のこと。ヒドロトロープは、ミセル相、層状相又は他の良好に画定されたメソ相を形成する界面活性剤及び脂質について見出されるような、超えると自己凝集を生じる限界濃度を示さない。代わりに、多くのヒドロトロープは、凝集物の大きさが濃度の増加に伴って大型化する連続タイプの凝集プロセスを示す。しかしながら、多くのヒドロトロープは、水、脂、界面活性剤及びポリマーの混合物を含む、極性及び非極性特性の物質を含有する系の相挙動、安定性及びコロイド特性を改変させる。ヒドロトロープは、伝統的に、製薬、パーソナルケア、食品から技術的用途にわたり産業で用いられている。洗剤組成物中においてヒドロトロープを使用することにより、相分離又は高粘度などの望ましくない現象を誘起することなく、例えば、界面活性剤のより濃縮された配合物(水を排除することにより液体洗剤をコンパクトにするプロセスのとおり)が可能となる。
【0125】
洗剤は、0~10重量%、例えば約0.5~約5%又は約3%~約5%などの0~5重量%のヒドロトロープを含有し得る。洗剤において用いられる技術分野において公知であるいずれかのヒドロトロープが利用され得る。ヒドロトロープの非限定的な例としては、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、p-トルエンスルホン酸ナトリウム(STS)、キシレンスルホン酸ナトリウム(SXS)、クメンスルホン酸ナトリウム(SCS)、シメンスルホン酸ナトリウム、アミンオキシド、アルコール及びポリグリコールエーテル、ヒドロキシナフタレンナトリウム、ヒドロキシナフタレンスルホン酸ナトリウム、エチルヘキシル硫酸ナトリウム、並びに、これらの組み合わせが挙げられる。
【0126】
ビルダー及びコビルダー
洗剤組成物は、約0~65重量%、例えば、約5%~約50%などの洗剤ビルダー若しくはコビルダー、又はこれらの混合物を含有してもよい。ビルダー及び/又はコビルダーは、特に、Ca及びMgと共に水溶性錯体を形成するキレート化剤であってもよい。洗剤に用いられる、当分野で公知のいずれのビルダー及び/又はコビルダーを使用してもよい。
【0127】
ビルダーの非限定的な例としては、ゼオライト、二リン酸塩(ピロリン酸塩)、三リン酸ナトリウム(STP又はSTPP)などの三リン酸塩、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩、メタケイ酸ナトリウムなどの可溶性ケイ酸塩、層状ケイ酸塩(例えば、Clariant製SKS-6)、2-アミノエタン-1-オール(MEA)、ジエタノールアミン(DEA、また、2,2’-イミノジエタノール-1-オールとしても知られる)、トリエタノールアミン(TEA、また、2,2’,2’’-ニトリロトリエタノール-1-オールとしても知られる)などのエタノールアミン、及び、(カルボキシメチル)イヌリン(CMI)、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0128】
洗剤組成物はまた、約0~50重量%、例えば、約5%~約30%などの洗剤コビルダーを含有してもよい。洗剤組成物は、コビルダーを単独で含んでも、又は、例えばゼオライトビルダーといったビルダーと組み合わせて含んでもよい。コビルダーの非限定的な例としては、ポリ(アクリル酸)(PAA)又はコポリ(アクリル酸/マレイン酸)(PAA/PMA)など、又はそのコポリマーが挙げられる。本発明によれば、これらの成分は、現在入手可能な洗剤組成物中よりも低レベルで含まれうる。さらなる非限定的な例としては、シトレート、キレート剤、たとえば、アミノカルボキシレート、アミノポリカルボキシレート、及びホスホネート、及びアルキル又はアルケニルコハク酸が挙げられる。追加の具体例としては、2,2’,2”ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、イミノ二コハク酸(IDS)、エチレンジアミン-N,N’-二コハク酸(EDDS)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、グルタミン酸-N,N-二酢酸(GLDA)、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジイルビス(ホスホン酸(HEDP))、エチレンジアミンテトラメチレンテトラキス(ホスホン酸)(EDTMPA)、ジエチレントリアミンペンタメチレンペンタキス(ホスホン酸)(DTMPA又はDTPMPA)、N-(2-ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸(EDG)、アスパラギン酸-N-一酢酸(ASMA)、アスパラギン酸-N,N-二酢酸(ASDA)、アスパラギン酸-N-一プロピオン酸(ASMP)、イミノ二コハク酸(IDA)、N-(2-スルホメチル)アスパラギン酸(SMAS)、N-(2-スルホエチル)アスパラギン酸(SEAS)、N-(2-スルホメチル)グルタミン酸(SMGL)、N-(2-スルホエチル)グルタミン酸(SEGL)、N-メチルイミノ二酢酸(MIDA)、α-アラニン-N,N-二酢酸(α-ALDA)、セリン-N,N-二酢酸(SEDA)、イソセリン-N,N-二酢酸(ISDA)、フェニルアラニン-N,N-二酢酸(PHDA)、アントラニル酸-N,N-二酢酸(ANDA)、スルファニル酸-N,N-二酢酸(SLDA)タウリン-N,N-二酢酸(TUDA)及び、スルホメチル-N,N-二酢酸(SMDA)、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン-N,N’,N’’-三酢酸(HEDTA)、ジエタノールグリシン(DEG)、アミノトリメチレントリス(ホスホン酸)(ATMP)、並びにこれらの組合せ及び塩が挙げられる。さらなる例示的ビルダー及び/又はコビルダーは、たとえば、国際公開第09/102854号パンフレット、米国特許第5977053号明細書に記載されている。
【0129】
漂白系
クリーニング組成物は、0~50重量%、たとえば1~40%、たとえば1~30%、たとえば約1%~約20%の漂白系を含有してもよい。クリーニング洗剤で使用するための当技術分野で公知の成分を含むいずれの酸素系漂白系を利用してもよい。好適な漂白系成分としては、過酸化水素供給源、過酸及び過酸供給源(漂白活性化剤)、並びに漂白触媒又はブースタが挙げられる。
【0130】
過酸化水素供給源:
好適な過酸化水素供給源は、無機過酸塩、たとえば、アルカリ金属塩、たとえば、過炭酸ナトリウム及び過ホウ酸ナトリウム(通常、一又は四水和物)、並びに過酸化水素-尿素(1/1)である。
【0131】
過酸供給源:
過酸は、(a)事前に形成された過酸として直接組み込まれうるか、又は(b)過酸化水素及び漂白活性化剤から洗浄液中でin situ形成されうるか(過加水分解)、又は(c)過酸化水素及びペルヒドロラーゼ及び後者に好適な基質、たとえば、エステルから洗浄液中でin situ形成されうる。
【0132】
a)好適な事前に形成された過酸としては、限定されないが、ペルオキシカルボン酸、たとえば、ペルオキシ安息香酸及びその環置換誘導体、ペルオキシ-α-ナフトエ酸、ペルオキシフタル酸、ペルオキシラウリン酸、ペルオキシステアリン酸、ε-フタルイミドペルオキシカプロン酸[フタルイミドペルオキシヘキサン酸](PAP)、及びo-カルボキシベンズアミドペルオキシカプロン酸、脂肪族及び芳香族ジペルオキシジカルボン酸、たとえば、ジペルオキシドデカン二酸、ジペルオキシアゼライン酸、ジペルオキシセバシン酸、ジペルオキシブラシル酸、2-デシルジペルオキシブタン二酸、並びにジペルオキシフタル酸、イソフタル酸、及びテレフタル酸、過イミド酸、ペルオキシ一硫酸、ペルオキシ二硫酸、ペルオキシリン酸、ペルオキシケイ酸、並びに前記化合物の混合物が挙げられる。挙げられた過酸は、いくつかの場合には、好適な塩、たとえば、アルカリ金属塩(たとえば、Oxone(登録商標))又はアルカリ土類金属塩として最良に添加されうるものと理解される。
【0133】
b)好適な漂白活性化剤としては、エステル、アミド、イミド、ニトリル、又は無水物のクラスに属するもの、及び適用可能であればこれらの塩が挙げられる。好適な例は、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、ナトリウム4-[(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)オキシ]ベンゼン-1-スルホネート(ISONOBS)、ナトリウム4-(ドデカノイルオキシ)ベンゼン-1-スルホネート(LOBS)、ナトリウム4-(デカノイルオキシ)ベンゼン-1-スルホネート、4-(デカノイルオキシ)安息香酸(DOBA)、ナトリウム4-(ノナノイルオキシ)ベンゼン-1-スルホネート(NOBS)、及び/又は国際公開第98/17767号パンフレットに開示されるものである。対象の漂白活性化剤の特定ファミリーは、欧州特許第624154号明細書に開示されており、そのファミリーで特に好ましいのは、アセチルトリエチルシトレート(ATC)である。ATC又はトリアセチンのような短鎖トリグリセリドは、環境にやさしいという利点を有する。さらに、アセチルトリエチルシトレート及びトリアセチンは、貯蔵時の製品中で良好な加水分解性安定性を有するとともに、効率的な漂白活性化剤である。最後に、ATCは、過加水分解反応で放出されるシトレートがビルダーとして機能しうるので多機能性である。
【0134】
漂白触媒及びブースタ
漂白系はまた、漂白触媒又はブースタを含みうる。
【0135】
本発明の組成物で使用されうる漂白触媒のいくつかの非限定的な例としては、マンガンオキサレート、マンガンアセテート、マンガンコラーゲン、コバルト-アミン触媒、及びマンガントリアザシクロノナン(MnTACN)触媒が挙げられ、特に有利なのは、1,4,7-トリメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン(Me3-TACN)又は1,2,4,7-テトラメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン(Me4-TACN)とのマンガン錯体、特に、Me3-TACN、たとえば、二核マンガン錯体[(Me3-TACN)Mn(O)3Mn(Me3-TACN)](PF6)2及び[2,2’,2’’-ニトリロトリス(エタン-1,2-ジイルアザニリリデン-κN-メタニリリデン)トリフェノラト-κ3O]マンガン(III)である。漂白触媒はまた、他の金属化合物、たとえば、鉄又はコバルト錯体であってもよい。
【0136】
一部の実施形態では、過酸供給源が含まれる場合、下記式:
【化1】
(iii)及びこれらの混合物
(式中、各R1は、独立して、9~24個の炭素を含有する分岐アルキル基又は11~24個の炭素を含有する直鎖アルキル基であり、好ましくは、各R1は、独立して、9~18個の炭素を含有する分岐アルキル基又は11~18個の炭素を含有する直鎖アルキル基であり、より好ましくは、各R1は、独立して、2-プロピルヘプチル、2-ブチルオクチル、2-ペンチルノニル、2-ヘキシルデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、イソノニル、イソデシル、イソトリデシル、及びイソペンタデシルからなる群から選択される)
の1つを有する有機漂白触媒又は漂白ブースタが使用されうる。
【0137】
他の例示的漂白系は、たとえば、国際公開第2007/087258号パンフレット、国際公開第2007/087244号パンフレット、国際公開第2007/087259号パンフレット、欧州特許第1867708号明細書(ビタミンK)、及び国際公開第2007/087242号パンフレットに記載されている。好適な光漂白剤は、たとえば、スルホン化亜鉛又はアルミニウムフタロシアニンであってもよい。
【0138】
ポリマー及び分散剤
一般に、洗剤組成物は、0~10重量%、たとえば、0.5~5%、2~5% 0.5~2%、又は0.2~1%のポリマーを含有してもよい。洗剤で使用するための当技術分野で公知のいずれのポリマーも、利用されうる。ポリマーは、上記のコビルダーとして機能しうるか、又は再付着防止、繊維保護、汚れ遊離、移染防止、油脂 クリーニング、及び/又は消泡特性を提供しうる。いくつかのポリマーは、上記の性質の2つ以上及び/又は以下に挙げるモチーフの2つ以上を有しうる。例示的ポリマーとしては、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリ(エチレングリコール)又はポリ(エチレンオキシド)(PEG)、エトキシル化ポリ(エチレンイミン)、カルボキシメチルイヌリン(CMI)、及びシリコーン、テレフタル酸とオリゴマー系グリコールとのコポリマー、ポリ(エチレンテレフタレート)とポリ(オキシエテンテレフタレート)とのコポリマー(PET-POET)、PVP、ポリ(ビニルイミダゾール)(PVI)、ポリ(ビニルピリジン-N-オキシド)(PVPO又はPVPNO)、及びポリビニルピロリドンビニルイミダゾール(PVPVI)が挙げられる。さらなる例示的ポリマーとしては、ポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシド(PEO-PPO)、ジクアテルニウムエトキシスルフェート、スチレン/アクリル系コポリマー、及び香料カプセルが挙げられる。他の例示的ポリマーは、たとえば、国際公開第2006/130575号パンフレットに開示されている。上記のポリマーの塩もまた、予期される。
【0139】
本発明の洗剤組成物はまた、分散剤を含有することも可能である。特に、粉末洗剤は分散剤を含みうる。好適な水溶性有機材料としては、ホモ若しくはコポリマー酸又はこれらの塩が挙げられるとともに、ポリカルボン酸は、2個以下の炭素原子により互いに分離された少なくとも2個のカルボキシル基を含む。好適な分散剤は、たとえば、Powdered Detergents,Surfactant science series volume 71,Marcel Dekker,Inc.に記載されている。
【0140】
しかしながら、本発明によれば、以上のポリマーのいくつか、すなわち、ポリアクリル酸、修飾ポリアクリル酸ポリマー、修飾ポリアクリル酸コポリマー、マレイン酸-アクリル酸コポリマー、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、メチルセルロース、及び/又はこれらの組合せは、現在入手可能な洗剤組成物中よりも低レベルで含まれうるか、さらには、より好ましくはまとめて排除されうる。
【0141】
布地色調剤
本発明の洗剤組成物はまた、染料又は顔料などの布地色調剤を含んでいてもよく、これは、洗剤組成物に配合された場合に、前記布地が前記洗剤組成物を含む洗浄液と接触させられる際に布地に付着し、これにより、可視光の吸収/反射を介して前記布地の色合いを変えることが可能である。蛍光性白色化剤は少なくともいくらかの可視光を放つ。対照的に、布地色調剤は、可視光スペクトルの少なくとも一部分を吸収することで表面の色合いを変える。好適な布地色調剤としては、染料及び染料-クレイ複合体が挙げられ、また、顔料もまた挙げられ得る。好適な染料としては、微小分子染料及び高分子染料が挙げられる。好適な微小分子染料としては、例えば国際公開第2005/03274号パンフレット、国際公開第2005/03275号パンフレット、国際公開第2005/03276号パンフレット及び欧州特許第1876226号明細書(本明細書において参照により援用される)に記載されている、Direct Blue、Direct Red、Direct Violet、Acid Blue、Acid Red、Acid Violet、Basic Blue、Basic Violet及びBasic Red、又は、これらの混合物の染料索引(C.I.)分類に属する染料からなる群から選択される微小分子染料が挙げられる。洗剤組成物は、約0.00003重量%~約0.2重量%、約0.00008重量%~約0.05重量%又はさらには約0.0001重量%~約0.04重量%の布地色調剤を含むことが好ましい。組成物は、0.0001重量%~0.2重量%の布地色調剤を含み得、これは、組成物が単位用量ポーチの形態である場合に特に好ましい場合がある。好適な色調剤はまた、例えば、国際公開第2007/087257号パンフレット、及び国際公開第2007/087243号パンフレットに開示されている。
【0142】
追加の酵素
洗剤添加剤、並びに洗剤組成物は、例えばラッカーゼ、及び/又はペルオキシダーゼといった、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、DNase、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ、オキシダーゼなどの1種又は複数種の[追加の]酵素を含み得る。
【0143】
一般に、選択された酵素の特性は、選択された洗剤と適合性であるべきであり(すなわち、至適pH、他の酵素成分及び非酵素成分との適合性など)、また、酵素は有効量で存在すべきである。
【0144】
DNase(デオキシリボヌクレアーゼ)
「DNase」という用語は、DNA骨格中のホスホジエステル結合の加水分解切断を触媒してDNAを分解するDNase活性を有するポリペプチドを意味する。本発明の目的では、DNase活性は、アッセイIに記載されている手順に従って決定される。
【0145】
好ましくは、DNaseは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、又は配列番号14のポリペプチドのいずれに対して、少なくとも60%の同一性、たとえば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、さらには100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。
【0146】
マンナナーゼ
好適なマンナナーゼとしては、細菌由来又は真菌由来のものが挙げられる。化学修飾又は遺伝子修飾されたミュータントが含まれる。マンナナーゼは、ファミリー5又は26のアルカリ性マンナナーゼであってもよい。それは、バチルス属(Bacillus)又はフミコラ属(Humicola)、特に、B.アガラドヘレンス(B.agaradhaerens)、B.リケニフォルミス(B.licheniformis)、B.ハロデュランス(B.halodurans)、B.クラウシー(B.clausii)、又はH.インソレンス(H.insolens)由来の野生型であってもよい。好適なマンナナーゼは、国際公開第1999/064619号パンフレットに記載されている。市販のマンナナーゼは、Mannaway(Novozymes A/S)である。
【0147】
プロテアーゼ
好適なプロテアーゼは、いずれの由来のものであってもよいが、好ましくは、細菌由来又は真菌由来のものであり、任意選択で 、タンパク質改変又は化学修飾ミュータントの形態である。プロテアーゼは、アルカリ性プロテアーゼ、たとえば、セリンプロテアーゼ又はメタロプロテアーゼであってもよい。セリンプロテアーゼは、たとえば、トリプシンなどのS1ファミリー又はスブチリシンなどのS8ファミリーであってもよい。メタロプロテアーゼは、たとえば、サーモリシン、たとえば、M4ファミリー由来のもの、又は他のメタロプロテアーゼ、たとえば、M5、M7、又はM8ファミリー由来のものであってもよい。
【0148】
「スブチラーゼ」という用語は、Siezen et al.,Protein Eng.4(1991)719-737及びSiezen et al.,Protein Sci.6(1997)501-523に示されるセリンプロテアーゼのサブグループを指す。セリンプロテアーゼは、基質との共有結合付加物を形成するセリンを活性部位に有することにより特徴付けられるプロテアーゼのサブグループである。スブチラーゼは、6つの下位区分、すなわち、スブチリシンファミリー、テルミターゼファミリー、プロテイナーゼKファミリー、ランチビオテックペプチダーゼファミリー、ケキシンファミリー、及びピロリシンファミリーに分類されうる。
【0149】
洗剤使用に好適なプロテアーゼは、アスペルギルス属(Aspergillus)などの真菌を含めて、様々な生物から得られうるが、洗剤プロテアーゼは、一般に細菌から、特にバチルス属(Bacillus)から得られたものである。スブチラーゼが由来するバチルス属(Bacillus)種の例としては、バチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・アルカロフィラス(Bacillus alkalophilus)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)バチルス・プミラス(Bacillus pumilus)、及びバチルス・ギブソニ(Bacillus gibsonii)が挙げられる。特定スブチリシンとしては、スブチリシンレンタス、スブチリシンノボ、スブチリシンカールスバーグ、スブチリシンBPN’、スブチリシン309、スブチリシン147及びスブチリシン168、並びにたとえばプロテアーゼPD138(国際公開第93/18140号パンフレットに記載)が挙げられる。他の有用なプロテアーゼは、たとえば、国際公開第01/16285号パンフレット及び国際公開第02/16547号パンフレットに記載されているものである。
【0150】
トリプシン様プロテアーゼの例としては、国際公開第94/25583号パンフレット及び国際公開第2005/040372号パンフレットに記載されているフザリウム属(Fusarium)プロテアーゼ、並びに国際公開第2005/052161号パンフレット及び国際公開第2005/052146号パンフレットに記載されているセルモナス(Cellumonas)に由来するキモトリプシンプロテアーゼが挙げられる。
【0151】
メタロプロテアーゼの例としては、たとえば、国際公開第2007/044993号パンフレットに記載されている中性メタロプロテアーゼ、たとえば、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)に由来するもの、さらには国際公開第2015/158723号パンフレット及び国際公開第2016/075078号パンフレットに記載されているメタロプロテアーゼが挙げられる。
【0152】
有用なプロテアーゼの例は、国際公開第89/06279号パンフレット、国際公開第92/19729号パンフレット、国際公開第96/34946号パンフレット、国際公開第98/20115号パンフレット、国際公開第98/20116号パンフレット、国際公開第99/11768号パンフレット、国際公開第01/44452号パンフレット、国際公開第03/006602号パンフレット、国際公開第2004/003186号パンフレット、国際公開第2004/041979号パンフレット、国際公開第2007/006305号パンフレット、国際公開第2011/036263号パンフレット、国際公開第2014/207227号パンフレット、国際公開第2016/087617号パンフレット、及び国際公開第2016/174234号パンフレットに記載されているプロテアーゼ変異体である。好ましいプロテアーゼ変異体は、たとえば、以下:S3T、V4I、S9R、S9E、A15T、S24G、S24R、K27R、N42R、S55P、G59E、G59D、N60D、N60E、V66A、N74D、S85R、A96S、S97G、S97D、S97A、S97SD、S99E、S99D、S99G、S99M、S99N、S99R、S99H、S101A、V102I、V102Y、V102N、S104A、G116V、G116R、H118D、H118N、A120S、S126L、P127Q、S128A、S154D、A156E、G157D、G157P、S158E、Y161A、R164S、Q176E、N179E、S182E、Q185N、A188P、G189E、V193M、N198D、V199I、Q200L、Y203W、S206G、L211Q、L211D、N212D、N212S、M216S、A226V、K229L、Q230H、Q239R、N246K、S253D、N255W、N255D、N255E、L256E、L256D、T268A、及びR269Hからなる群から選択される突然変異の1つ又は複数を含みうる。ただし、位置番号は、国際公開第2016/001449号パンフレットの配列番号1に示されるバチルス・レンタス(Bacillus lentus)プロテアーゼの位置に対応する。これらの突然変異の1つ又は複数を有するプロテアーゼ変異体は、好ましくは、国際公開第2016/001449号パンフレットの配列番号1に示されるバチルス・レンタス(Bacillus lentus)プロテアーゼ(Savinase(登録商標)スブチリシン309としても知られる)の変異体、又は国際公開第2016/001449号パンフレットの配列番号2に示されるバチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)プロテアーゼ(BPN’)の変異体である。かかるプロテアーゼ変異体は、好ましくは、国際公開第2016/001449号パンフレットの配列番号1に対して又は配列番号2に対して少なくとも80%の配列同一性を有する。
【0153】
対象の他のプロテアーゼは、たとえば、国際公開第91/02792号パンフレットに記載されているバチルス・レンタス(Bacillus lentus)DSM5483由来のアルカリ性プロテアーゼ、並びに国際公開第92/21760号パンフレット、国際公開第95/23221号パンフレット、欧州特許第1921147号明細書、欧州特許第1921148号明細書、及び国際公開第2016/096711号パンフレットに記載されているその変異体である。
【0154】
プロテアーゼは、代替的に、国際公開第2004/067737号パンフレットの配列番号1を有するTY145プロテアーゼの変異体、たとえば、国際公開第2004/067737号パンフレットの配列番号1の位置27、109、111、171、173、174、175、180、182、184、198、199、及び297に対応する1つ又は複数の位置に置換を含む変異体であってもよい。ただし、前記プロテアーゼ変異体は、国際公開第2004/067737号パンフレットの配列番号1に対して少なくとも75%ただし100%未満の配列同一性を有する。対象のTY145変異体は、たとえば、国際公開第2015/014790号パンフレット、国際公開第2015/014803号パンフレット、国際公開第2015/014804号パンフレット、国際公開第2016/097350号パンフレット、国際公開第2016/097352号パンフレット、国際公開第2016/097357号パンフレット、及び国際公開第2016/097354号パンフレットに記載されている。
【0155】
好ましいプロテアーゼの例としては、以下のものが挙げられる。
(a)S9E、N43R、N76D、Q206L、Y209W、S259D、及びL262Eからなる群から選択される2つ以上の置換を含む国際公開第2016/001449号パンフレットの配列番号1の変異体、たとえば、置換S9E、N43R、N76D、V205I、Q206L、Y209W、S259D、N261W、及びL262Eを有する変異体、又は置換S9E、N43R、N76D、N185E、S188E、Q191N、A194P、Q206L、Y209W、S259D、及びL262Eを有する変異体(ただし、位置番号は、国際公開第2016/001449号パンフレットの配列番号2の番号付けに基づく)、
(b)突然変異S99SEを有する国際公開第2016/001449号パンフレットの配列番号1のポリペプチドの変異体(ただし、位置番号は、国際公開第2016/001449号パンフレットの配列番号2の番号付けに基づく)、
(c)突然変異S99ADを有する国際公開第2016/001449号パンフレットの配列番号1のポリペプチドの変異体(ただし、位置番号は、国際公開第2016/001449号パンフレットの配列番号2の番号付けに基づく)、
(d)置換Y167A+R170S+A194Pを有する国際公開第2016/001449号パンフレットの配列番号1のポリペプチドの変異体(ただし、位置番号は、国際公開第2016/001449号パンフレットの配列番号2の番号付けに基づく)、
(e)置換S9R+A15T+V68A+N218D+Q245Rを有する国際公開第2016/001449号パンフレットの配列番号1のポリペプチドの変異体(ただし、位置番号は、国際公開第2016/001449号パンフレットの配列番号2の番号付けに基づく)、
(f)置換S9R+A15T+G61E+V68A+A194P+V205I+Q245R+N261Dを有する国際公開第2016/001449号パンフレットの配列番号1のポリペプチドの変異体(ただし、位置番号は、国際公開第2016/001449号パンフレットの配列番号2の番号付けに基づく)、
(g)置換S99D+S101R/E+S103A+V104I+G160Sを有する国際公開第2016/001449号パンフレットの配列番号1のポリペプチドの変異体、たとえば、置換S3T+V4I+S99D+S101E+S103A+V104I+G160S+V205Iを有する国際公開第2016/001449号パンフレットの配列番号1の変異体(ただし、位置番号は、国際公開第2016/001449号パンフレットの配列番号2の番号付けに基づく)、
(h)置換S24G+S53G+S78N+S101N+G128A/S+Y217Qを有する国際公開第2016/001449号パンフレットの配列番号2のポリペプチドの変異体(ただし、位置番号は、国際公開第2016/001449号パンフレットの配列番号2の番号付けに基づく)、
(i)国際公開第2017/210295号パンフレットの配列番号302に対応するアクセッション番号BER84782の下でGENESEQPに開示されているポリペプチド、
(j)置換S99D+S101E+S103A+V104I+S156D+G160S+L262Eを有する国際公開第2016/001449号パンフレットの配列番号1のポリペプチドの変異体(ただし、位置番号は、国際公開第2016/001449号パンフレットの配列番号2の番号付けに基づく)、
(k)置換S9R+A15T+G61E+V68A+N76D+S99G+N218D+Q245Rを有する国際公開第2016/001449号パンフレットの配列番号1のポリペプチドの変異体(ただし、位置番号は、国際公開第2016/001449号パンフレットの配列番号2の番号付けに基づく)、
(l)置換V68A+S106Aを有する国際公開第2016/001449号パンフレットの配列番号1のポリペプチドの変異体(ただし、位置番号は、国際公開第2016/001449号パンフレットの配列番号2の番号付けに基づく)、並びに
(m)置換S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199+T297Pを有する国際公開第2004/067737号パンフレットの配列番号1のポリペプチドの変異体(ただし、位置番号は、国際公開第2004/067737号パンフレットの配列番号1の番号付けに基づく)。
【0156】
好適な市販のプロテアーゼ酵素としては、Alcalase(登録商標)、Duralase(商標)、Durazym(商標)、Relase(登録商標)、Relase(登録商標)Ultra、Savinase(登録商標)、Savinase(登録商標)Ultra、Primase(商標)、Polarzyme(登録商標)、Kannase(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Liquanase(登録商標)Ultra、Ovozyme(登録商標)、Coronase(登録商標)、Coronase(登録商標)Ultra、Blaze(登録商標)、Blaze Evity(登録商標)100T、Blaze Evity(登録商標)125T、Blaze Evity(登録商標)150T、Blaze Evity(登録商標)200T、Neutrase(登録商標)、Everlase(登録商標)、Esperase(登録商標)、Progress(登録商標)Uno、Progress(登録商標)In、及びProgress(登録商標)Excel(Novozymes A/S)という商品名で販売されているもの、Maxatase(商標)、Maxacal(商標)、Maxapem(登録商標)、Purafect(登録商標)Ox、Purafect(登録商標)OxP、Puramax(登録商標)、FN2(商標)、FN3(商標)、FN4ex(商標)、Excellase(登録商標)、Excellenz(商標)P1000、Excellenz(商標)P1250、Eraser(商標)、Preferenz(登録商標)P100、Purafect Prime、Preferenz P110(商標)、Effectenz P1000(商標)、Purafect(登録商標)、Effectenz P1050(商標)、Purafect(登録商標)Ox、Effectenz(商標)P2000、Purafast(商標)、Properase(登録商標)、Opticlean(商標)、及びOptimase(登録商標)(Danisco/DuPont)、BLAP(米国特許第5352604号明細書の図29に示される配列)及びその変異体(Henkel AG)、並びにKao製のKAP(バチルス・アルカロフィラス(Bacillus alkalophilus)スブチリシン)という商品名で販売されているものが挙げられる。
【0157】
リパーゼ及びクチナーゼ
好適なリパーゼ及びクチナーゼは、細菌又は真菌由来のものを含む。化学的に修飾されたミュータント酵素又はタンパク質改変ミュータント酵素が含まれる。例としては、欧州特許第258068号明細書及び欧州特許第305216号明細書に記載されている、テルモマイセス属(Thermomyces)由来、例えば、T.ラヌギノスス(T.lanuginosus)(以前はフミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)と命名されていた)由来のリパーゼ;例えば、H.インソレンス(H.insolens)といったフミコラ属(Humicola)由来のクチナーゼ(国際公開第96/13580号パンフレット)、例えば、P.アルカリゲネス(P.alcaligenes)又はP.シュードアルカリアルカリゲネス(P.pseudoalcaligenes)(欧州特許第218272号明細書)、P.セパシア(P.cepacia)(欧州特許第331376号明細書)、シュードモナス属(P.sp.)SD705株(国際公開第95/06720号パンフレット及び国際公開第96/27002号パンフレット)、P.ウィスコンシネンシス(P.wisconsinensis)(国際公開第96/12012号パンフレット)といったシュードモナス属(Pseudomonas)(これらの一部は、現在、バークホルデリア属(Burkholderia)と改名されている)株由来のリパーゼ;GDSLタイプのストレプトマイセス(Streptomyces)リパーゼ(国際公開第10/065455号パンフレット)、イネいもち病菌(Magnaporthe grisea)(国際公開第10/107560号パンフレット)、シュードモナス・メンドシナ(Pseudomonas mendocina)由来のクチナーゼ(米国特許第5,389,536号明細書)、サーモビフィダ・フスカ(Thermobifida fusca)由来のリパーゼ(国際公開第11/084412号パンフレット)、ジェオバシラス・ステアロサーモフィラス(Geobacillus stearothermophilus)リパーゼ(国際公開第11/084417号パンフレット)、枯草菌(Bacillus subtilis)由来のリパーゼ(国際公開第11/084599号パンフレット)、並びにストレプトマイセス・グリセウス (Streptomyces griseus)(国際公開第11/150157号パンフレット)及びストレプトマイセス・プリスチナエスピラリス(S.pristinaespiralis)(国際公開第12/137147号パンフレット)由来のリパーゼが挙げられる。
【0158】
他の例は、欧州特許第407225号明細書、国際公開第92/05249号パンフレット、国際公開第94/01541号パンフレット、国際公開第94/25578号パンフレット、国際公開第95/14783号パンフレット、国際公開第95/30744号パンフレット、国際公開第95/35381号パンフレット、国際公開第95/22615号パンフレット、国際公開第96/00292号パンフレット、国際公開第97/04079号パンフレット、国際公開第97/07202号パンフレット、国際公開第00/34450号パンフレット、国際公開第00/60063号パンフレット、国際公開第01/92502号パンフレット、国際公開第07/87508号パンフレット及び国際公開第09/109500号パンフレットに記載のものなどのリパーゼ変異体である。
【0159】
好ましい市販されているリパーゼ酵素としては、Lipolase(商標)、Lipex(商標);Lipolex(商標)及びLipoclean(商標)(Novozymes A/S)、Lumafast(DuPont)及びLipomax(Gist-Brocades)が挙げられる。
【0160】
また別の例は、アシルトランスフェラーゼ又はペルヒドロラーゼと呼ばれこともあるリパーゼ、例えば、カンディダ・アンタークティカ(Candida antarctica)リパーゼAとの相同体を有するアシルトランスフェラーゼ(国際公開第10/111143号パンフレット)、マイコバクテリウム・スメグマチス(Mycobacterium smegmatis)由来のアシルトランスフェラーゼ(国際公開第05/56782号パンフレット)、CE 7ファミリー由来のペルヒドロラーゼ(国際公開第09/67279号パンフレット)、並びに、M.スメグマチス(M.smegmatis)ペルヒドロラーゼの変異体、特に、Huntsman Textile Effects Pte Ltd製の商品Gentle Power Bleachに使用されているS54V変異体(国際公開第10/100028号パンフレット)である。
【0161】
アミラーゼ
好適なアミラーゼは、α-アミラーゼ又はグルコアミラーゼを含み、細菌又は真菌由来のいずれであってもよい。化学的に修飾されたミュータント又はタンパク質改変ミュータントが含まれる。アミラーゼとしては、例えば、英国特許第1,296,839号明細書にさらに詳細に記載されているバチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)の特殊な系統といった、例えばバチルス属(Bacillus)から得られるα-アミラーゼが挙げられる。
【0162】
好適なアミラーゼとしては、国際公開第95/10603号パンフレットに記載の配列番号2を有するアミラーゼ、又はその配列番号3に対して90%配列同一性を有する変異体が挙げられる。好ましい変異体は、国際公開第94/02597号パンフレット、国際公開第94/18314号パンフレット、国際公開第97/43424号パンフレット及び国際公開第99/019467号パンフレットの配列番号4に記載の変異体、例えば、以下の1つ又は複数の位置に置換を伴う変異体である:15、23、105、106、124、128、133、154、156、178、179、181、188、190、197、201、202、207、208、209、211、243、264、304、305、391、408、及び444。
【0163】
別の好適なアミラーゼとして、国際公開第02/010355号パンフレットに記載の配列番号6を有するアミラーゼ、又は配列番号6に対して90%配列同一性を有する変異体が挙げられる。配列番号6の好ましい変異体は、181位及び182位に欠失を有し、193位に置換を有するものである。
【0164】
好適な他のアミラーゼは、国際公開第2006/066594号パンフレットに記載の配列番号6に示されるバチルス・アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)から得られるα-アミラーゼの残基1~33と、国際公開第2006/066594号パンフレットに記載の配列番号4に示されるB.リケニフォルミス(B.licheniformis)α-アミラーゼの残基36~483を含むハイブリッドα-アミラーゼ又はそれらの90%配列同一性を有する変異体である。このハイブリッドα-アミラーゼの好ましい変異体は、以下の1つ又は複数の位置に置換、欠失若しくは挿入を伴う変異体である:G48、T49、G107、H156、A181、N190、M197、I201、A209及びQ264。国際公開第2006/066594号パンフレットに記載の配列番号6に示されるB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)から得られるα-アミラーゼの残基1~33と、配列番号4の残基36~483を含むハイブリッドα-アミラーゼの最も好ましい変異体は、以下の置換を有するものである:
M197T;
H156Y+A181T+N190F+A209V+Q264S;又は
G48A+T49I+G107A+H156Y+A181T+N190F+I201F+A209V+Q264S。
【0165】
好適なさらに別のアミラーゼは、国際公開第99/019467号パンフレットに記載の配列番号6を有するアミラーゼ又は配列番号6に対して90%配列同一性を有するその変異体である。配列番号6の好ましい変異体は、以下の1つ又は複数の位置に置換、欠失若しくは挿入を伴う変異体である:R181、G182、H183、G184、N195,I206、E212、E216及びK269。特に好ましいアミラーゼは、R181及びG182位、又はH183及びG184位に欠失を有するものである。
【0166】
用いることができる別のアミラーゼは、国際公開第96/023873号パンフレットの配列番号1、配列番号3、配列番号2若しくは配列番号7を有するもの、又は国際公開第96/023873号パンフレットにおける配列番号1、配列番号2、配列番号3若しくは配列番号7に対して90%配列同一性を有する変異体である。配列番号1、配列番号2、配列番号3若しくは配列番号7の前述の好ましい変異体は、国際公開第96/023873号パンフレットの配列番号2を番号付けに用いて、以下の1つ又は複数の位置に置換、欠失若しくは挿入を伴う変異体である:140、181、182、183、184、195、206、212、243、260、269、304及び476。より好ましい変異体は、181、182、183及び184から選択される2つの位置、例えば、181及び182、182及び183に欠失を有するものである。前記配列番号1、配列番号2若しくは配列番号7の最も好ましい変異体は、183及び184位における欠失と、140、195、206、243、260、304及び476の1つ又は複数の位置に置換を有するものである。
【0167】
用いることができる他のアミラーゼは、国際公開第08/153815号パンフレットの配列番号2、国際公開第01/66712号パンフレットの配列番号10を有するアミラーゼ、又は国際公開第08/153815号パンフレットの配列番号2に対して90%配列同一性を有するその変異体、国際公開第01/66712号パンフレットの配列番号10に対して90%配列同一性を有する変異体である。国際公開第01/66712号パンフレットの配列番号10の好ましい変異体は、以下の1つ又は複数の位置に置換、欠失若しくは挿入を伴う変異体である:176、177、178、179、190、201、207、211及び264。
【0168】
さらに別の好適なアミラーゼは、国際公開第09/061380号パンフレットの配列番号2を有するアミラーゼ又はその配列番号2に対して90%配列同一性を有する変異体である。配列番号2の好ましい変異体は、C末端の切断及び/又は以下の1つ又は複数の位置に置換、欠失若しくは挿入を伴う変異体である:Q87、Q98、S125、N128、T131、T165、K178、R180、S181、T182、G183、M201、F202、N225、S243、N272、N282、Y305、R309、D319、Q320、Q359、K444及びG475。配列番号2のより好ましい変異体は、以下の1つ又は複数の位置:Q87E,R、Q98R、S125A、N128C、T131I、T165I、K178L、T182G、M201L、F202Y、N225E,R、N272E,R、S243Q,A,E,D、Y305R、R309A、Q320R、Q359E、K444E及びG475Kにおける置換、並びに/又は以下の位置:R180及び/若しくはS181又はT182及び/若しくはG183における欠失を伴うものである。配列番号2の最も好ましいアミラーゼ変異体は、以下の置換:
N128C+K178L+T182G+Y305R+G475K;
N128C+K178L+T182G+F202Y+Y305R+D319T+G475K;
S125A+N128C+K178L+T182G+Y305R+G475K;又は
S125A+N128C+T131I+T165I+K178L+T182G+Y305R+G475K
を有するものであり、変異体は、C末端切断されており、任意選択で、243位の置換並びに/又は180位及び/若しくは181位の欠失をさらに含む。
【0169】
さらなる好適なアミラーゼは、国際公開第13184577号パンフレットの配列番号1を有するアミラーゼ又はその配列番号1に対して90%の配列同一性を有する変異体である。配列番号1の好ましい変異体は、次の位置:K176、R178、G179、T180、G181、E187、N192、M199、I203、S241、R458、T459、D460、G476、及びG477の1つ又は複数に置換、欠失、又は挿入を有するものである。配列番号1のより好ましい変異体は、次の位置:K176L、E187P、N192FYH、M199L、I203YF、S241QADN、R458N、T459S、D460T、G476K、及びG477Kの1つ又は複数に置換並びに/又は位置R178及び/若しくはS179又はT180及び/若しくはG181に欠失を有するものである。配列番号1の最も好ましいアミラーゼ変異体は、次の置換:
E187P+I203Y+G476K
E187P+I203Y+R458N+T459S+D460T+G476K
を有するものであり、変異体は、任意選択で 、位置241に置換並びに/又は位置178及び/若しくは位置179に欠失をさらに含む。
【0170】
さらなる好適なアミラーゼは、国際公開第10104675号パンフレットの配列番号1を有するアミラーゼ又はその配列番号1に対して90%の配列同一性を有する変異体である。配列番号1の好ましい変異体は、次の位置:N21、D97、V128 K177、R179、S180、I181、G182、M200、L204、E242、G477、及びG478の1つ又は複数に置換、欠失、又は挿入を有するものである。配列番号1のより好ましい変異体は、次の位置:N21D、D97N、V128I K177L、M200L、L204YF、E242QA、G477K、及びG478Kの1つ又は複数に置換並びに/又は位置R179及び/若しくはS180又はI181及び/若しくはG182に欠失を有するものである。配列番号1の最も好ましいアミラーゼ変異体は、次の置換:
N21D+D97N+V128I
を有するものであり、変異体は、任意選択で 、位置200に置換並びに/又は位置180及び/若しくは位置181に欠失をさらに含む。
【0171】
他の好適なアミラーゼは、国際公開第01/66712号パンフレットに記載の配列番号12を有するα-アミラーゼ又は配列番号12に対して少なくとも90%配列同一性を有する変異体である。好ましいアミラーゼ変異体は、国際公開第01/66712号パンフレットに記載の配列番号12の以下の1つ又は複数の位置に置換、欠失若しくは挿入を伴う変異体である:R28、R118、N174;R181、G182、D183、G184、G186、W189、N195、M202、Y298、N299、K302、S303、N306、R310、N314;R320、H324、E345、Y396、R400、W439、R444、N445、K446、Q449、R458、N471、N484。特に好ましいアミラーゼは、D183及びG184の欠失を有し、且つ、次の置換:R118K、N195F、R320K及びR458Kを有する変異体、並びに以下:M9、G149、G182、G186、M202、T257、Y295、N299、M323、E345及びA339の群から選択される1つ又は複数の位置に置換をさらに有する変異体であり、これらの位置に置換をさらに有する変異体が最も好ましい。
【0172】
他の例は、国際公開第2011/098531号パンフレット、国際公開第2013/001078号パンフレット及び国際公開第2013/001087号パンフレットに記載されているものなどのアミラーゼ変異体である。
【0173】
市販のアミラーゼは、Duramyl(商標)、Termamyl(商標)、Fungamyl(商標)、Stainzyme(商標)、Stainzyme Plus(商標)、Natalase(商標)、Liquozyme X、及びBAN(商標)Amplify、Amplify Prime(Novozymes A/S製)、並びにRapidase(商標)、Purastar(商標)/Effectenz(商標)、Powerase、Preferenz S1000、Preferenz S100、及びPreferenz S110(Genencor International Inc./DuPont製)である。
【0174】
ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ
好適なペルオキシダーゼ/オキシダーゼは、植物由来、細菌由来、又は真菌由来のものを含む。化学修飾又はタンパク質改変されたミュータントが含まれる。有用なペルオキシダーゼの例としては、コプリナス属(Coprinus)由来、たとえば、C.シネレウス(cinereus)由来のペルオキシダーゼ、並びに国際公開第93/24618号パンフレット、国際公開第95/10602号パンフレット、及び国際公開第98/15257号パンフレットに記載されているものとしてその変異体が挙げられる。市販のペルオキシダーゼとしては、Guardzyme(商標)(Novozymes A/S)が挙げられる。
【0175】
好適なペルオキシダーゼは、好ましくは、国際生化学分子生物学連合(International Union of Biochemistry and Molecular Biology)(IUBMB)の命名委員会(Nomenclature Committee)により示された酵素分類EC1.11.1.7に含まれるペルオキシダーゼ酵素又はそれに由来するペルオキシダーゼ活性を呈示するいずれかの断片である。
【0176】
また、好適なペルオキシダーゼとしては、ハロペルオキシダーゼ酵素、たとえば、クロロペルオキシダーゼ、ブロモペルオキシダーゼ、及びクロロペルオキシダーゼ活性又はブロモペルオキシダーゼ活性を呈示する化合物が挙げられる。ハロペルオキシダーゼは、ハロゲン化物イオンに対するその特異性に従って分類される。クロロペルオキシダーゼ(E.C.1.11.1.10)は、塩化物イオンからの次亜塩素酸塩の形成を触媒する。ハロペルオキシダーゼは、クロロペルオキシダーゼであってもよい。好ましくは、ハロペルオキシダーゼは、バナジウムペルオキシダーゼ、すなわち、バナジン酸塩含有ハロペルオキシダーゼである。好ましい方法において、バナジン酸塩含有ハロペルオキシダーゼは、塩化物イオンの供給源と組み合わせる。
【0177】
ハロペルオキシダーゼは、多種の真菌、特に、暗色線菌科(dematiaceous hyphomycetes)の真菌群、例えば、C.フマゴ(C.fumago)などのカルダリオマイセス属(Caldariomyces)、アルテルナリア属(Alternaria)、例えば、C.ベルクローサ(C.verruculosa)及びC.イナエクアリス(C.inaequalis)などのクルブラリア属(Curvularia)、ドレクスレラ属(Drechslera)、ウロクラジウム属(Ulocladium)及びボトリチス属(Botrytis)から単離されている。
【0178】
ハロペルオキシダーゼはまた、シュードモナス属(Pseudomonas)、例えば、P.ピロシニア(P.pyrrocinia)及びストレプトマイセス属(Streptomyces)、例えば、S.オーレオファシエンス(S.aureofaciens)などの細菌からも単離されている。
【0179】
ハロペルオキシダーゼは、クルブラリア属(Curvularia sp.)、特に、クルブラリア・ベルクローサ(Curvularia verruculosa)及びクルブラリア・イナエクアリス(Curvularia inaequalis)、例えば、国際公開第95/27046号パンフレットに記載のC.イナエクアリス(C.inaequalis)CBS102.42;又は国際公開第97/04102号パンフレットに記載のC.ベルクローサ(C.verruculosa)CBS147.63若しくはC.ベルクローサ(C.verruculosa)CBS444.70;又は国際公開第01/79459号パンフレットに記載のドレクスレラ・ハルトレビイ(Drechslera hartlebii)、国際公開第01/79458号パンフレットに記載のデンドリフィエラ・サリナ(Dendryphiella salina)、国際公開第01/79461号パンフレットに記載のファエオトリココニス・クロタラリエ(Phaeotrichoconis crotalarie)、又は国際公開第01/79460号パンフレットに記載のジェニクロスポリウム属(Geniculosporium sp.)から得ることができる。
【0180】
好適なオキシダーゼとしては、特に、酵素分類EC1.10.3.2に含まれるいずれかのラッカーゼ酵素、又はそれに由来するラッカーゼ活性を呈示するいずれか断片、又は類似の活性を呈示する化合物、たとえば、カテコールオキシダーゼ(EC1.10.3.1)、o-アミノフェノールオキシダーゼ(EC1.10.3.4)、若しくはビリルビンオキシダーゼ(EC1.3.3.5)が挙げられる。
【0181】
好ましいラッカーゼ酵素は、微生物由来の酵素である。酵素は、植物、細菌又は真菌(糸状真菌及び酵母を含む)から得ることができる。
【0182】
真菌由来の好適な例としては、以下の株:アスペルギルス属(Aspergillus)、ニューロスポラ属(Neurospora)、例えば、N.クラッサ(N.crassa)、ポドスポラ属(Podospora)、ボトリチス属(Botrytis)、コリビア属(Collybia)、ツリガネタケ属(Fomes)、レンチヌス(Lentinus)、ヒラタケ属(Pleurotus)、カワラタケ属(Trametes)、例えば、フルイカワラタケ(T.villosa)及びカワラタケ(T.versicolor)、リゾクトニア属(Rhizoctonia)、例えば、R.ソラニ(R.solani)、ヒヨタケ属(Coprinopsis)、例えば、ウシグソヒトヨタケ(C.cinerea)、ササクレヒトヨタケ(C.comatus)、ヒメヒトヨタケ(C.friesii)、及びヒメヒガサヒトヨタケ(C.plicatilis)、ナヨタケ属(Psathyrella)、例えば、イタチタケ(P.condelleana)、ヒカゲタケ属(Panaeolus)、例えば、ワライタケ(P.papilionaceus)、ミセリオフトラ属(Myceliophthora)、例えば、M.サーモフィラ(M.thermophila)、シタリジウム属(Schytalidium)、例えば、S.サーモフィルム(S.thermophilum)、ポリポルス属(Polyporus)、例えばP.ピンシツス(P.pinsitus)、フレビア属(Phlebia)、例えば、P.ラジアータ(P.radiata)(国際公開第92/01046号パンフレット)、又はコリオルス属(Coriolus)、例えば、C.ヒルスツス(C.hirsutus)(JP第2238885号公報)から得られるラッカーゼが挙げられる。
【0183】
細菌由来の好適な例としては、バチルス属(Bacillus)の株から得られるラッカーゼが挙げられる。
【0184】
ヒトヨタケ属(Coprinopsis)又はミセリオフトラ属(Myceliophthora)由来のラッカーゼ;特に、国際公開第97/08325号パンフレットに開示のウシグソヒトヨタケ(Coprinopsis cinerea)から得られるラッカーゼ;又は国際公開第95/33836号パンフレットに開示のミセリオフトラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)が好ましい。
【0185】
他の材料
洗剤において用いられる技術分野において公知であるいずれかの洗剤成分もまた利用され得る。他の任意の洗剤成分としては、単独若しくは組み合わせで、耐食剤、収縮防止剤、再汚染防止剤、しわ防止剤、殺菌剤、バインダ、腐食抑制剤、崩壊剤/分解剤、染料、酵素安定化剤(ホウ酸、ホウ酸塩、及び/又は、プロピレングリコールなどのポリオールを含む)、クレイを含む布地コンディショナ、充填材/加工助剤、蛍光性白色化剤/光学増白剤、起泡増進剤、起泡(セッケンの泡)調節剤、香料、汚染物-懸濁剤、軟化剤、セッケン泡抑制剤、色あせ防止剤、及び、ウィッキング剤が挙げられる。洗剤において用いられる技術分野において公知であるいずれかの処方成分が利用され得る。このような処方成分の選択は十分に当業者の技能の範囲内である。
【0186】
移染防止剤-本発明の洗剤組成物はまた、1種又は複数種の移染防止剤を含み得る。好適な高分子移染防止剤としては、これらに限定されないが、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN-オキシドポリマー、N-ビニルピロリドン及びN-ビニルイミダゾールのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン及びポリビニルイミダゾール又はこれらの混合物が挙げられる。主題の組成物中に存在する場合、移染防止剤は、組成物の約0.0001%~約10%、約0.01%~約5%、又は、さらには約0.1%~約3重量%のレベルで存在し得る。
【0187】
蛍光性白色化剤-本発明の洗剤組成物はまた、好ましくは、蛍光性白色化剤又は光学増白剤などのクリーニングされる物品の色合いを変え得る追加の成分を含有するであろう。存在する場合、増白剤は、約0,01%~約0,5%のレベルであることが好ましい。ランドリー洗剤組成物での使用に好適であれば、どんな蛍光性白色化剤を本発明の組成物に用いてもよい。最も一般的に用いられる蛍光性白色化剤は、ジアミノスチルベン-スルホン酸誘導体、ジアリールピラゾリン誘導体及びビスフェニル-ジスチリル誘導体のクラスに属するものである。ジアミノスチルベン-スルホン酸誘導体タイプの蛍光性白色化剤の例としては、以下:4,4’-ビス-(2-ジエタノールアミノ-4-アニリノ-s-トリアジン-6-イルアミノ)スチルベン-2,2’-ジスルホネート、4,4’-ビス-(2,4-ジアニリノ-s-トリアジン-6-イルアミノ)スチルベン-2.2’-ジスルホネート、4,4’-ビス-(2-アニリノ-4(N-メチル-N-2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-s-トリアジン-6-イルアミノ)スチルベン-2,2’-ジスルホネート、4,4’-ビス-(4-フェニル-1,2,3トリアゾール-2-イル)スチルベン-2,2’-ジスルホネート及びナトリウム5-(2H-ナフト[1,2-d][1,2,3]トリアゾール-2-イル)-2-[(E)-2-フェニルビニル]ベンゼンスルホネートのナトリウム塩が挙げられる。好ましい蛍光性白色化剤は、Ciba-Geigy AG,Basel,Switzerlandから市販されているTinopal DMS及びTinopal CBSである。Tinopal DMSは、4,4’-ビス-(2-モルホリノ-4-アニリノ-s-トリアジン-6-イルアミノ)スチルベン-2,2’-ジスルホネートの二ナトリウム塩である。Tinopal CBSは、2,2’-ビス-(フェニル-スチリル)-ジスルホネートの二ナトリウム塩である。また、好ましい蛍光性白色化剤は、Paramount Minerals and Chemicals,Mumbai,India製の市販のParawhite KXである。Tinopal CBS-Xは、ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウムとしても知られている、4,4’-ビス-(スルホスチリル)-ビフェニルニナトリウム塩である。本発明における使用に好適な他の蛍光剤としては、1-3-ジアリールピラゾリン及び7-アルキルアミノクマリンが挙げられる。
【0188】
好適な蛍光性増白剤レベルは、約0.01、0.05、約0.1、又は、さらには約0.2重量%の下限レベルから、0.5又はさらには0.75重量%の上限レベルを含む。
【0189】
汚染物遊離ポリマー-本発明の洗剤組成物はまた、綿及びポリエステル系布地などの布地からの汚染物の除去、特にポリエステル系布地からの疎水性汚染物の除去を補助する1種又は複数種の汚染物遊離ポリマーを含み得る。汚染物遊離ポリマーは、例えば、ノニオン性又はアニオン性テレフタレート系ポリマー、ポリビニルカプロラクタム及び関連するコポリマー、ビニルグラフトコポリマー、ポリエステルポリアミドであり得る(例えばChapter 7,Powdered Detergents,Surfactant science series volume 71,Marcel Dekker,Inc.を参照のこと)。他のタイプの汚染物遊離ポリマーは、コア構造と、このコア構造に結合した複数のアルコキシレート基とを含む両親媒性アルコキシル化油脂クリーニングポリマーである。コア構造は、国際公開第2009/087523号パンフレット(本明細書において参照により援用されている)に詳述されているとおり、ポリアルキレンイミン構造又はポリアルカノールアミン構造を含み得る。さらに、ランダムグラフトコポリマーは、好適な汚染物遊離ポリマーである。好適なグラフトコポリマーは、国際公開第2007/138054号パンフレット、国際公開第2006/108856号パンフレット及び国際公開第2006/113314号パンフレット(本明細書において参照により援用されている)により詳細に記載されている。
【0190】
再汚染防止剤-本発明の洗剤組成物としてはまた、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリオキシエチレン及び/又はポリエチレングリコール(PEG)、アクリル酸のホモポリマー、アクリル酸とマレイン酸とのコポリマーなどの1種又は複数種の再汚染防止剤が挙げられ得る。上記の汚染物遊離ポリマーに記載のセルロース系ポリマーは、再汚染防止剤としても機能し得る。
【0191】
しかしながら、本発明によれば、以上のポリマーのいくつか、すなわち、ポリアクリル酸、修飾ポリアクリル酸ポリマー、修飾ポリアクリル酸コポリマー、マレイン酸-アクリル酸コポリマー、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、メチルセルロース、及び/又はこれらの組合せは、現在入手可能な洗剤組成物中よりも低レベルで含まれうるか、又はまとめて排除されて、洗剤組成物の持続可能性プロファイルを改善しうる。
【0192】
レオロジー改質剤
本発明の洗剤組成物は、粘度降下剤とは異なる、1種又は複数種のレオロジー改質剤、構造化剤(structurant)又は増粘剤を含んでもよい。粘度降下剤は、液体洗剤組成物の水性液体マトリックスにせん断減粘性を付与する、非ポリマー性結晶、ヒドロキシ-機能材料、ポリマー性レオロジー改質剤からなる群から選択される。洗剤のレオロジー及び粘性は、例えば、欧州特許第2169040号明細書に示すように、当分野で公知の方法により、改変及び調節することができる。
【0193】
その他の好適な補助材としては、これらに限定されないが、収縮防止剤、しわ防止剤、殺菌剤、バインダ、キャリア、染料、酵素安定化剤、布地軟化剤、充填材、起泡調節剤、ヒドロトロープ、香料、顔料、セッケン泡抑制剤、溶剤、液体洗剤用構造化剤、及び/又は、構造弾性化剤が挙げられる。
【0194】
洗剤生成物の配合物
本発明の洗剤組成物は、例えば、バー、均質な錠剤、2つ以上の層を有する錠剤、1つ又は複数のコンパートメントを有するポーチ、通常の若しくは圧縮された粉末、顆粒、ペースト、ゲル、又は、通常の、圧縮若しくは濃縮液体といったいずれかの簡便な形態であってよい。
【0195】
ポーチは、単一又は複数のコンパートメントとして構成されることが可能である。例えば水との接触に先だってポーチから組成物が漏れ出るような組成物の漏れが防止される、組成物の保持に好適であれば如何なる形態、形状及び材料のものであることも可能である。ポーチは、内部容積を有する水溶性フィルム製のものである。前記内部容積は、ポーチのコンパートメントに分離されていることが可能である。好ましいフィルムは、フィルム又はシートに形成される好ましくはポリマーである高分子材料である。好ましいポリマー、コポリマー又はその誘導体は、ポリアクリレート、及び、水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ナトリウムデキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、最も好ましくはポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)から選択される。好ましくは、フィルム中のポリマーのレベルは、例えばPVAで少なくとも約60%である。好ましい平均分子量は、典型的には約20,000~約150,000であろう。フィルムはまた、ポリアクチド及びポリビニルアルコール(MonoSol LLC,Indiana,USAから市販されている商品名M8630で知られている)などの加水分解により分解性で、水溶性ポリマーのブレンドと、グリセロール、エチレングリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール及びこれらの混合物などの可塑剤とを含むブレンド組成物から成るものであってよい。ポーチは、水溶性フィルムにより分離された固体ランドリークリーニング組成物又は部分成分及び/又は液体クリーニング組成物又は部分成分を含んでいることが可能である。液体成分用のコンパートメントは、固形分を含有するコンパートメントとは組成が異なっていることが可能である:米国特許出願公開第2009/0011970 A1号明細書。
【0196】
洗剤処方成分は、水溶性ポーチ中のコンパートメントにより、又は、錠剤の異なる層中において相互に物理的に分離されていることが可能である。これにより、成分間の負の保管相互作用を防止することが可能である。コンパートメントの各々の異なる溶解プロファイルはまた、洗浄溶液中における選択された成分の溶解を遅延させることが可能である。
【0197】
単位用量にない液体又はゲル洗剤は、水性であり得、典型的には、最大で約70%の水、最大で約65%の水、最大で約55%の水、最大で約45%の水、最大で約35%の水などの少なくとも20重量%及び最大で95%の水を含有し得る。特に限定されないが、アルカノール、アミン、ジオール、エーテル及びポリオールを含む他のタイプの液体が、水性液体又はゲル中に含まれていてもよい。水性液体又はゲル洗剤は0~30%の有機溶剤を含有していてもよい。液体又はゲル洗剤は、非水性であってもよい。
【0198】
固形洗濯石鹸
本発明のセルラーゼは、固形洗濯石鹸に添加して、ランドリー、布地及び/又は生地の手洗いのために用いることができる。「固形洗濯石鹸」と言う用語は、洗濯石鹸、固形石鹸、複合化粧石鹸、合成化粧石鹸及び洗剤石鹸を含む。固形石鹸の種類は一般に、それらが含有する界面活性剤の種類が異なり、固形洗濯石鹸と言う用語は、脂肪酸由来の石鹸及び/又は合成石鹸を含むものを包含する。固形洗濯石鹸は、室温で固体の物理的形態をしており、液体、ジェル又は粉末ではない。固形と言う用語は、時間が経過しても有意に変化しない物理的形態として定義する。すなわち、固形物(例えば、固形洗濯石鹸)が容器内に配置されていれば、固形物が変化して、それが配置されている容器を充填することはない。固形洗濯石鹸は、典型的に、棒状であるが、丸や楕円形などの別の形状をしていてもよい。
【0199】
固形洗濯石鹸は、1つ又は複数の酵素、ペプチドアルデヒド(又はハイドロサルファイト付加物若しくはヘミアセタール付加物)などのプロテアーゼ阻害剤、ホウ酸、ホウ酸塩、ホウ砂及び/又はフェニルボロン酸誘導体、例えば、4-ホルミルフェニルホウ酸、1種又は複数種の石鹸若しくは合成界面活性剤、グリセリンなどのポリオール、脂肪酸、クエン酸、酢酸及び/若しくはギ酸などのpH制御化合物、並びに/又は一価カチオン及び有機アニオンの塩を含みうるが、ここで、一価カチオンは例えば、Na+、K+若しくはNH4 +であってよく、また、有機アニオンは、例えば、ギ酸塩、酢酸塩、クエン酸塩若しくは乳酸塩であってよく、従って、一価カチオンと有機アニオンの塩は、例えば、ギ酸ナトリウムであってよい。
【0200】
固形洗濯石鹸はまた、EDTA及びHEDPのような錯化剤、香料及び/又は別の種類の充填材、界面活性剤、例えば、アニオン系合成界面活性剤、ビルダー、ポリマー系汚れ放出剤、洗剤キレート剤、安定剤、充填材、染料、着色剤、移染防止剤、アルコキシル化ポリカーボネート、泡抑制剤、組織化剤、結合剤、浸出剤、漂白活性化剤、泥汚れ除去剤、再付着防止剤、ポリマー系分散剤、増白材、布柔軟剤、香料及び/又は当分野では公知のその他の化合物を含んでもよい。
【0201】
固形洗濯石鹸は、限定するものではないが、ミキサー、プロッダー(plodder)(例えば、2段式真空プロッダー)、押出機、カッター、ロゴスタンパー、冷却トンネル及びラッピング装置などの従来の固形洗濯石鹸製造設備において処理してよい。本発明は、いずれかの単一の方法で固形洗濯石鹸を製造することに限定されない。本発明のプレミックスを工程の様々な段階で石鹸に添加してもよい。例えば、石鹸、セルラーゼ、任意選択で1種又は複数種の別の酵素、プロテアーゼ阻害剤、並びに一価カチオンと有機アニオンの塩を含有するプレミックスを調製した後、混合物をプロッド(plod)する。セルラーゼと任意選択の別の酵素は、例えば、液状で、プロテアーゼ阻害剤と同時に添加してもよい。混合ステップ及びプロッドステップ以外に、この方法は、粉砕、押出、切断、スタンピング、冷却及び/又はラッピングのステップをさらに含んでもよい。
【0202】
本発明の実施形態
本発明は、下記の実施形態でさらにまとめられる。本実施形態は、E1、E2などとして表される。
【0203】
E1.洗剤組成物の持続可能性プロファイルの改善のためのセルラーゼの使用であって、
セルラーゼが、任意選択で 少なくとも1種の追加の酵素との組合せで、前記洗剤組成物の持続可能性プロファイルを改善し、
洗剤組成物の1種又は複数種の再付着防止ポリマーが生分解性成分により部分的に又は完全に置き換えられたときに、洗剤組成物の持続可能性プロファイルが改善される、使用。
【0204】
E2.セルラーゼが、GH5、GH7、GH12、GH44、GH45、EC3.2.1.4、EC3.2.1.21、EC3.2.1.91、及びEC3.2.1.172に属するセルラーゼからなる群から選択される、E1に記載されている使用。
【0205】
E3.セルラーゼが、GH5、GH7、GH12、GH44、GH45とEC3.2.1.4に属するセルラーゼからなる群から選択される、E1又はE2に記載されている使用。
【0206】
E4.セルラーゼが、真菌供給源、好ましくはフミコラ・インソレンス(Humicola insolens)若しくはチエラビア・テレストリス(Thielavia terrestris)、又は細菌供給源、好ましくはバチルス・アキバイ(Bacillus akibai)若しくはパエニバチルス・ポリミキサ(Paenibacillus polymyxa)から得られる、E1~E3のいずれかに記載されている使用。
【0207】
E5.セルラーゼが、配列番号10、配列番号11、配列番号12、及び配列番号13からなる群から選択されるアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも60%、たとえば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するポリペプチドを有する、先行する実施形態のいずれかに記載されている使用。
【0208】
E6.セルラーゼが、少なくとも1種の追加の酵素との組合せであり、少なくとも1種の追加の酵素が、プロテアーゼ、アミラーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、リパーゼ、キシログルカナーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ペクチンリアーゼ、キサンタナーゼ、ペルオキシダーゼ、ハロペルオキシゲナーゼ、カタラーゼ、及びマンナナーゼからなる群から選択される、先行する実施形態のいずれかに記載されている使用。
【0209】
E7.追加の酵素がデオキシリボヌクレアーゼである、先行する実施形態のいずれかに記載されている使用。
【0210】
E8.追加の酵素が、真菌供給源、好ましくはアスペルギルス属(Aspergillus)、たとえば、A.オリゼー(A.oryzae)から、又は細菌供給源、好ましくはバチルス属(Bacillus)、たとえば、B.シビ(B.cibi)から得られるデオキシリボヌクレアーゼである、E7に記載されている使用。
【0211】
E9.デオキシリボヌクレアーゼが、配列番号1、配列番号2、配列番号3及び配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、及び配列番号14からなる群から選択されるアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも60%、たとえば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するポリペプチドを有する、E7に記載されている使用。
【0212】
E10.セルラーゼが、0.0001%~5%(w/w)活性酵素タンパク質に対応する量で洗剤組成物中に存在する、先行する実施形態のいずれかに記載されている使用。
【0213】
E11.1種又は複数種の任意の追加の酵素が、0.0001%~5%(w/w)活性酵素タンパク質に対応する量で洗剤組成物中に存在する、E6~E10のいずれかに記載されている使用。
【0214】
E12.1種又は複数種の置き換えられる再付着防止ポリマーが、ポリアクリル酸、修飾ポリアクリル酸ポリマー、修飾ポリアクリル酸コポリマー、マレイン酸-アクリル酸コポリマー、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、及びメチルセルロースからなる群又は前記ポリマーの2種以上の組合せから選択される、請求項1~10のいずれかに記載されている使用。
【0215】
E13.ポリアクリル酸、修飾ポリアクリル酸ポリマー、修飾ポリアクリル酸コポリマー、マレイン酸-アクリル酸コポリマー、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、及びメチルセルロース、又はこれらの組合せの存在下での使用と比較して改善された洗濯性能を提供する、先行する実施形態のいずれかに記載されている使用。
【0216】
E14.品目の白色度が、少なくとも1回のフルスケール洗浄サイクル後に少なくとも維持され、任意選択で 改善される、先行する実施形態のいずれかに記載されている使用。
【0217】
E15.セルラーゼと任意選択で 少なくとも1種の追加の酵素と洗剤補助成分とを含む洗剤組成物であって、組成物が、2%未満、好ましくは1重量%未満、好ましくは0.5重量%以下の、ポリアクリル酸、修飾ポリアクリル酸ポリマー、修飾ポリアクリル酸コポリマー、マレイン酸-アクリル酸コポリマー、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、及びメチルセルロースからなる群又は前記ポリマーの2種以上の組合せから選択される再付着防止ポリマーを含む、洗剤組成物。
【0218】
E16.セルラーゼが、真菌供給源、好ましくはフミコラ・インソレンス(Humicola insolens)若しくはチエラビア・テレストリス(Thielavia terrestris)、又は細菌供給源、好ましくはバチルス・アキバイ(Bacillus akibai)若しくはパエニバチルス・ポリミキサ(Paenibacillus polymyxa)から得られる、E15に記載されている洗剤組成物。
【0219】
E17.真菌供給源、好ましくはアスペルギルス属(Aspergillus)、たとえば、A.オリゼー(A.oryzae)から、又は細菌供給源、好ましくはバチルス属(Bacillus)、たとえば、B.シビ(B.cibi)から得られるデオキシリボヌクレアーゼをさらに含む、E15に記載されている洗剤組成物。
【0220】
E18.セルラーゼが、配列番号10、配列番号11、配列番号12、及び配列番号13からなる群から選択されるアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも60%、たとえば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有するポリペプチドを有する、E15~E17のいずれかに記載されている洗剤組成物。
【0221】
E20.デオキシリボヌクレアーゼが、配列番号1、配列番号2、配列番号3及び配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、及び配列番号14からなる群から選択されるアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも60%、たとえば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するポリペプチドを有する、E17に記載されている洗剤組成物。
【0222】
E21.品目を洗濯する方法であって、以下:
a)ポリアクリル酸、修飾ポリアクリル酸ポリマー、修飾ポリアクリル酸コポリマー、マレイン酸-アクリル酸コポリマー、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、メチルセルロース、又はこれらの組合せからなる群から選択される再付着防止ポリマーの不在下で、セルラーゼと任意選択で 少なくとも1種の追加の酵素とを含む洗浄液又はセルラーゼと任意選択で 少なくとも1種の追加の酵素とを含む洗剤組成物に品目を曝露するステップ、
b)少なくとも1回の洗浄サイクルを完了するステップ、
c)任意選択で 追加の汚れ物を添加するステップ、及び
d)任意選択で 品目(ただし、品目は生地である)を濯ぐステップ
を含む方法。
【0223】
E22.セルラーゼが、ポリアクリル酸、修飾ポリアクリル酸ポリマー、修飾ポリアクリル酸コポリマー、マレイン酸-アクリル酸コポリマー、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、メチルセルロース、及び/又はこれらの組合せを含む洗剤組成物により実施される洗濯方法と比較して、品目の同一の又はより良好な洗浄性能を提供する、E21に記載されている方法。
【0224】
E23.セルラーゼが、真菌供給源、好ましくはフミコラ・インソレンス(Humicola insolens)若しくはチエラビア・テレストリス(Thielavia terrestris)、又は細菌供給源、好ましくはバチルス・アキバイ(Bacillus akibai)若しくはパエニバチルス・ポリミキサ(Paenibacillus polymyxa)から得られる、E21及びE22のいずれかに記載されている方法。
【0225】
E24.セルラーゼが、配列番号10、配列番号11、配列番号12、及び配列番号13からなる群から選択されるアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも60%、たとえば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するポリペプチドを有する、E21~E23のいずれかに記載されている方法。
【0226】
E25.再付着防止ポリマーが、ポリアクリル酸、修飾ポリアクリル酸ポリマー、修飾ポリアクリル酸コポリマー、マレイン酸-アクリル酸コポリマー、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、及びメチルセルロースからなる群又はこれらの組合せから選択されるものとして、再付着防止ポリマーの存在下での方法と比較して改善された洗濯性能を提供する、E21~E24のいずれかに記載されている方法。
【0227】
E26.DNase活性を有するポリペプチドをさらに含む、E21に記載されている方法。
【0228】
E27.DNase活性を有するポリペプチドが、配列番号1、配列番号2、配列番号3及び配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、及び配列番号14からなる群から選択されるアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも60%、たとえば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するポリペプチドを有する、E26に記載されている方法。
【0229】
洗剤組成物
洗剤成分の以下に挙げる範囲は、本発明の低ポリマー洗剤組成物との関連で一般に有用である。
【0230】
【表1】
【0231】
【表2】
【0232】
【表3】
【0233】
【表4】
【0234】
【表5】
【0235】
【表6】
【0236】
界面活性剤成分は、BASF,Ludwigshafen,Germany(Lutensol(登録商標));Shell Chemicals,London,UK;Stepan,Northfield,III,USA;Huntsman,Huntsman,Salt Lake City,Utah,USA;Clariant,Sulzbach,Germany(Praepagen(登録商標))から入手することができる。
【0237】
トリポリリン酸ナトリウムは、Rhodia,Paris,Franceから入手することができる。ゼオライトは、Industrial Zeolite(UK) Ltd,Grays,Essex,UKから入手することができる。クエン酸及びクエン酸ナトリウムは、Jungbunzlauer,Basel,Switzerlandから入手することができる。NOBSは、Eastman,Batesville,Ark.,USAにより供給されるノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムである。
【0238】
TAEDは、Peractive(登録商標)という商品名で、Clariant GmbH,Sulzbach,Germanyにより供給されるテトラアセチルエチレンジアミンである。
【0239】
炭酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウムは、Solvay,Brussels,Belgiumから入手することができる。
【0240】
ポリアクリレート、ポリアクリレート/マレエートコポリマーは、BASF,Ludwigshafen,Germanyから入手することができる。
【0241】
Repel-O-Tex(登録商標)は、Rhodia,Paris,Franceから入手することができる。
【0242】
Texcare(登録商標)は、Clariant,Sulzbach,Germanyから入手することができる。過炭酸ナトリウム及び炭酸ナトリウムは、Solvay,Houston,Tex.,USAから入手することができる。
【0243】
エチレンジアミン-N,N’-ジコハク酸のナトリウム塩、(S,S)異性体(EDDS)は、Octel,Ellesmere Port,UKにより供給された。
【0244】
ヒドロキシエタンジリン酸塩(HEDP)は、Dow Chemical,Midland,Mich.,USAにより供給された。
【0245】
酵素:Savinase(登録商標)、Savinase(登録商標)Ultra、Stainzyme(登録商標)Plus、Lipex(登録商標)、Lipolex(登録商標)、Lipoclean(登録商標)、Celluclean(登録商標)、Carezyme(登録商標)、Natalase(登録商標)、Stainzyme(登録商標)、Stainzyme(登録商標)Plus、Termamyl(登録商標)、Termamyl(登録商標)ultra、及びMannaway(登録商標)は、Novozymes,Bagsvaerd,Denmarkから入手することができる。
【0246】
酵素:Purafect(登録商標)、FN3、FN4及びOptisizeは、Genencor International Inc., Palo Alto, California,USから入手することができる。
【0247】
Direct violet 9及び99は、BASF DE,Ludwigshafen,Germanyから入手することができる。Solvent violet 13は、Ningbo Lixing Chemical Co.,Ltd.Ningbo,Zhejiang,Chinaから入手することができる。増白剤は、Ciba Specialty Chemicals,Basel,Switzerlandから入手することができる。
【0248】
別に記載のない限り、パーセンテージは全て、重量基準で計算する。別途記載のない限り、パーセンテージ及び比は全て、合計組成物の活性濃度に基づいて計算される。
【0249】
本明細書全体を通して付与されるあらゆる最大数値限界は、より低い数値限界が明記されているものとして、こうしたより低い数値限界を全て包含することを理解すべきである。本明細書全体を通して付与されるあらゆる最小数値限界は、より高い数値限界が明記されているものとして、こうしたより高い数値限界を全て包含することになる。本明細書全体を通して付与されるあらゆる数値範囲は、こうしたより狭い数値範囲が本明細書に明記されているものとして、こうしたより広い数値範囲に含まれるより狭い数値範囲を全て包含することになる。
【0250】
実験
材料
粉末洗剤
【0251】
【表7】
【0252】
【表8】
【0253】
汚染物
W-SBL 2004,Soil Ballast Load Fabricは、CFT(Center for Testmaterials BV)から購入した。赤粘土庭園土壌は中国園芸市場から購入し、使用前に50メッシュのシーブで濾過した。
【0254】
【表9】
【0255】
結果をまとめるために、トレーサを以下の3つのカテゴリーに分類した。
天然生地:W-10A、W-12A、W-80、A、C-N-11、C-N-42;T-266、プレエージング処理T-266
半合成生地:P-CN-01、W-20A
合成生地:T-720、P-N-01、W-30A、W-40A、T-340ナイロン/ライクラ81/19;
【0256】
実際の品目
実際の品目とは、ボランティアが使用/着用したクロス又は布地を意味し、FSW試験前に洗浄されていない。
【0257】
【表10】
【0258】
試験方法
試験#1:白色度評価のためのフルスケール洗浄(FSW)アッセイ
FSWを用いて、科学的に設計された条件下で洗浄機の洗浄性能を評価する。
【0259】
【表11】
【0260】
以下の洗浄手順説明に従った。
a.バラストと試験布切れと所望の水硬度に基づいてCa/Mgを有する硬水とを準備する。
b.1L硬水中に洗剤を溶解して30min撹拌する。
c.1L洗剤溶液に赤粘土粉末を添加して10min撹拌する。赤粘土粉末が50メッシュシーブで篩過されることに留意されたい。
d.試験しみ、汚れバラスト、及びバラストを洗浄機ドラム内に添加する。
e.洗浄パラメータ:プログラム、水レベル、及び温度を選択する。
f.機械のスタートボタンを押して水充填を開始する。水消費量は、この時点で自動で登録される。
g.洗剤タンクを介して洗剤-赤粘土混合物を添加導入する。すべての粘土粉末が機械ドラム内に添加されるまで、ビーカーを硬水で濯いで濯ぎ水を洗浄機内に添加する。
h.洗浄の完了後、試験布切れをフキンから取り出して乾燥のためにトレイ上に配置する。
i.実生活条件で以上の手順を数回繰り返して灰色化/黄色化をミミックする。
【0261】
試験#2:実際の品目(使用済み品目)での白色度のフルスケール洗浄(FSW)アッセイ
FSWを用いて、科学的に設計された条件下で洗浄機の洗浄性能を評価する。
【0262】
洗浄条件:標準的EU洗浄条件は以下に記載される。
【0263】
【表12】
【0264】
以下の洗浄手順説明に従った。
a.バラストと試験布切れと所望の水硬度に基づいてCa/Mgを有する硬水とを準備する。実際の品目のコア部を選択して2又は4ピースに一様にカットする。しみ、黄色化、及び灰色化は、各ピースに一様に分配されるべきであることに留意された。
b.バラストとカットされた実際の品目ピースとを洗浄機に添加する。1つの実際の品目からの各ピースは、それぞれ、ランダムに各試験条件に加えられる。
c.1L硬水中に洗剤を溶解して30min撹拌する。
d.洗浄パラメータ:プログラム、水レベル、及び温度を選択する。
e.機械のスタートボタンを押して水充填を開始する。水消費量は、この時点で自動で登録される。
j.洗剤タンクを介して洗剤溶液を添加導入し、すべての洗剤が機械ドラム内に添加されることを保証するために、硬水でビーカーを濯いで濯ぎ水を洗浄機内に添加する。
f.洗浄の完了後、バラストを取り出し、実際の品目ピースを洗浄機内に残す。
g.7.5g洗剤B及び7.5g顔料汚れを1L硬水(主洗浄であるので14dH)中に添加して10min撹拌する。
h.汚れ濯ぎ用のパラメータ:プログラム及び水レベルを選択する。
i.水が自動で取り込まれた後、洗剤タンクを介してモデルO-顔料汚れ溶液を添加導入する。硬水でビーカーを数回濯ぎ、濯ぎ水を洗浄機内に添加する。
j.洗浄の完了後、試験布切れをフキンから取り出して乾燥のためにトレイ上に配置する。
【0265】
Terg-O-tometer(TOM)洗浄アッセイ
Terg-O-Meter(TOM)は、16以下の異なる洗浄条件を同時にテストするために適用することができる中規模モデル洗浄システムである。TOMは、基本的に、大きな温度制御ウォーターバスであり、その中に浸漬させた16個以下の開放金属ビーカーを備える。各ビーカーは、1つの小さなトップローダ式洗浄機を構成し、実験の間、それらの各々は、特定の洗剤/酵素/ポリマー系の溶液と、その性能をテストする対象の汚れた布地及び汚れていない布地を含有する。機械的ストレスは、回転攪拌アームによって達成され、このアームは、各ビーカー内の液体を攪拌する。
【0266】
TOMモデル洗浄システムは、主に、EU又はAP洗浄条件での洗剤、酵素及びポリマーの中規模テストに使用されている。TOM実験において、汚れに対するバラストの比や洗浄液に対する布地の比などの係数は、変動し得る。このように、TOMは、小規模実験を用い、より多くの時間がかかる実物実験とつなげる役割を果たす。
【0267】
設備:16個のスチール製ビーカーと、1Lの洗剤溶液容量を有するビーカーにつき1つの回転アームとを備えるウォーターバス。温度範囲は、5℃~80℃である。ウォーターバスには、脱イオン水を充填しなければならない。回転速度は、70~120rpm/分以下に設定することができる。
【0268】
Terg-O-Tometerの温度を設定し、ウォーターバス内の回転を開始する。温度が調節される(誤差は、+/-0.5℃)のを待つ。ビーカーは全て清浄であり、微量の以前のテスト材料を含まないものとする。
【0269】
所望の量の洗剤、温度及び水硬度を有する洗浄溶液をバケツ中に調製する。10分間の磁気攪拌の間に洗剤を溶解させる。洗浄溶液は、調製後30~60分以内に使用すべきである。
【0270】
1Lの洗浄溶液をTOMビーカーに添加する。洗浄溶液を120rpmで攪拌した後、任意選択で、1種又は複数種の酵素又はポリマーをビーカーに添加する。布切れ、続いてバラスト負荷をビーカーに導入する。布切れとバラストをビーカーに添加したとき、時間測定を開始する。布切れを20又は30分間洗浄した後、攪拌を停止する。
【0271】
続いて、洗浄負荷をTOMビーカーから篩に移して、常温の水道水ですすぐ。汚れた布切れをバラスト負荷から分ける。汚れた布切れは、5分間水を流しながら、常温の水道水を含む5Lビーカーに移す。バラスト負荷は、次の不活性化のために、分けたままにしておく。布切れを手で穏やかに絞って排水し、紙で覆ったトレイの上に置く。布切れを一晩乾燥させた後、デルタREMの計測などの分析に付す。
【0272】
実際の品目の白色度パネル
パネル試験は、8人のパネリストによる視覚的白色度評価に基づく。パネルの差別化を増大させるために、実際の品目は、2つの等しいピースにカットされ、ペアで比較される2つの条件で洗浄される。
【0273】
パネリストは、ペアで洗浄後の各実際の品目のクリーニング外観に基づいてこれらの優先度を与えるように要求される。そのうえ、以下の基準に基づいてこれらのパネルスコアを与える。
【0274】
【表13】
【0275】
試験条件とベンチマークとを比較したとき、正のスコアは、試験条件がベンチマークよりも良好/明るい/清浄に見えることを意味し、負のスコアは、試験条件がベンチマークよりも劣る/暗い/不清浄であることを示唆する。ベンチマークは、トライアル時に決定され、結果提示に示さるであろう。
【0276】
優先度%は、試験条件を好むパネリストのパーセンテージである(このトライアルでは、ベンチマークよりも試験条件を好むパネリストの数を8人のパネリストの合計で除算して%で計算される)。
信頼性の平均=Σ(各品目のパネルスコア)。
【0277】
光反射率測定(デルタREM)
洗浄及び濯ぎの後、布切れをフラットに展延し、室温で一晩空気乾燥させた。洗浄はすべて、洗浄の翌日に評価される。明るさはまた、白色光で照明したときに試験材料から反射又は放出される光の尺度である再発光(R)として表すことが可能である。生地の再発光(R)は、非常に小さなアパーチャーを備えたMacbeth Color Eye 7000反射率分光測光器を用いて460nmで測定される。入射光にUVを含むことなく測定が行われ、460nmでの反射率が抽出された。測定は、製造業者のプロトコルに従って行われる。
【0278】
酵素アッセイ
アッセイI:DNase活性のテスト
DNase活性をDNase Test Agar with Methyl Green(BD,Franklin Lakes,NJ,USA)で決定するが、これは、供給業者のマニュアルに従って調製する。手短には、21gの寒天を500mlの水に溶解させた後、121℃で15分間オートクレーブ処理する。オートクレーブ処理した寒天をウォーターバス中で48℃に温度調節した後、20mlの寒天をペトリ皿に注ぎ込み、室温でのインキュベーションo/nにより凝固させた。凝固した寒天プレート上に、5μlの酵素溶液を添加し、班点状の酵素溶液周辺の無色領域としてDNase活性を観察した。
【0279】
アッセイII:セルラーゼ活性のテスト
セルラーゼ活性は、酵素がβ-1,4-グルカン(セルロース)中の1,4-β-D-グルコシド結合の加水分解を触媒する能力として決定される。本発明の目的では、セルラーゼ活性は、反応基質としてAZCL-HE-セルロース(Megazyme製)を用いて決定される。
【実施例
【0280】
実施例1 粘土アッセイによる再付着防止性能
実施例1a:「試験#1」に記載されているように性能試験される下記オントップ添加の洗剤A。
【0281】
【表14】
【0282】
実施例1b:下記オントップ添加の洗剤A
【0283】
【表15】
【0284】
ポリカルボキシレートポリマーを除去すると性能が失われるが、配列ID11及び配列ID12により例証されるように、セルラーゼを用いると、部分的に、十分に取り戻すことが可能であるか、さらにはそれを凌駕することが可能であることが、表E7及びE8から明らかである。
【0285】
実施例2 実際の品目での薄汚さ防止評価
実際の品目(使用済み品目)で薄汚さ防止のために、「フルスケール洗浄(FSW)」アッセイで以上に記載されているプロトコルにより実際の品目ピースを洗浄し(試験#2)、460nmでの反射率により測定した。デルタREMは、REFに対するものである。
【0286】
【表16】
【0287】
実際の品目(使用済み品目)で薄汚さ防止のために、フルスケール洗浄(FSW)アッセイで以上に記載されているプロトコルにより実際の品目ピースを洗浄し(試験#2)、パネルスコアにより測定した。
【0288】
【表17】
【0289】
【表18】
【0290】
高ポリマーは、ポリマーなしよりも有益であり(条件2は、条件1ほど好ましくない)、DNAse又はDNAseとセルラーゼとの組合せは、各々、Tシャツ及びいくつかソックスで高ポリマーよりも好ましい(条件3又は4は、条件1よりも好ましい)ことは、パネル試験の結果から明らかである。ポリマーが存在しないとき、DNAse及びDNAseとセルラーゼとの組合せは両方とも、ほとんどの品目で有益である(条件3又は4は、条件2よりも好ましい)。類似の結論は、「デルタREM」又は「信頼性の平均」からは得られない。
【0291】
実施例3 粉末洗剤
下記洗剤組成物C~Kは、粉末洗剤の非限定的実施例である。洗剤C、F、及びIは、参照洗剤であり、一方では、洗剤D、E、G、H、J、K、及びLは、低減レベルの再付着防止ポリマーと増加レベルのセルラーゼ及び/又はDNaseとを有する。
【0292】
【表19】
【0293】
【表20】
【0294】
実施例4:ポリマー低減による推定持続可能性の改善
セルラーゼによる置き換えにより再付着防止ポリマーが4%から0.5%(重量%)に低減されたとき、製造、輸送、及び環境中喪失で回避可能な残留性化石系ポリマーの量は、一般公開データに基づいて以下のように計算された。
【0295】
【表21】
【配列表】
2022549712000001.app
【国際調査報告】