(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-28
(54)【発明の名称】バッテリウォータポンプ制御方法、バッテリコントローラ、およびバッテリ
(51)【国際特許分類】
F04B 49/06 20060101AFI20221118BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20221118BHJP
H01M 8/12 20160101ALN20221118BHJP
【FI】
F04B49/06 321Z
H01M8/04 J
H01M8/12 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519578
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(85)【翻訳文提出日】2022-03-28
(86)【国際出願番号】 IB2020059164
(87)【国際公開番号】W WO2021064604
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】201910942890.0
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508359550
【氏名又は名称】セレス インテレクチュアル プロパティー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファ ウェンシャン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ユーユェン
(72)【発明者】
【氏名】グオ シュアイ
(72)【発明者】
【氏名】リウ ロンウェイ
【テーマコード(参考)】
3H145
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
3H145AA01
3H145AA23
3H145BA02
3H145BA12
3H145BA28
3H145CA06
3H145DA47
3H145EA04
3H145EA14
3H145EA34
5H126BB06
5H127AA07
5H127AB29
5H127BA02
5H127BA05
5H127BA12
5H127BA57
5H127BA59
(57)【要約】
バッテリウォータポンプ制御方法、バッテリコントローラ、およびバッテリ。バッテリは、バッテリコントローラと、バッテリウォータポンプと、を備える。この方法は、バッテリウォータポンプが開ループ制御状態にあるとき、バッテリコントローラが、バッテリウォータポンプの第1の予想水流に従って、バッテリウォータポンプの開ループ予想制御値を取得するステップを含む。バッテリコントローラは、第1の予想水流に従うバッテリウォータポンプに対応する第1の制御係数、および予想水流と制御係数との間のマッピング関係を取得し、バッテリコントローラは、バッテリウォータポンプの開ループ予想制御値および第1の制御係数に従って、バッテリウォータポンプの開ループ実制御値を判定し、バッテリコントローラは、開ループ実制御値を利用することにより、バッテリウォータポンプの水流を制御する。バッテリコントローラが開ループ制御モードでバッテリウォータポンプの水流を制御するとき、制御精度を改善することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリコントローラ及びバッテリウォータポンプを備えるバッテリの制御方法であって、
前記バッテリウォータポンプが開ループ制御状態にあるとき、前記バッテリコントローラが、前記バッテリウォータポンプの第1の予想水流に従って、前記バッテリウォータポンプの開ループ予想制御値を取得し、
前記バッテリコントローラが、前記第1の予想水流に従う前記バッテリウォータポンプに対応する第1の制御係数、および前記予想水流と前記制御係数との間のマッピング関係を取得し、前記制御係数が、前記バッテリウォータポンプが閉ループ制御状態にあるときの前記バッテリウォータポンプの閉ループ実制御値と前記バッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値に従って取得される係数であり、
前記バッテリコントローラが、前記バッテリウォータポンプの前記開ループ予想制御値および前記第1の制御係数に従って、前記バッテリウォータポンプの開ループ実制御値を判定し、
前記バッテリコントローラが、前記開ループ実制御値を利用することにより、前記バッテリウォータポンプの前記水流を制御する、制御方法。
【請求項2】
前記バッテリコントローラが、前記バッテリウォータポンプに対応する第1の制御係数を取得する前に、前記バッテリウォータポンプが閉ループ制御状態にあるときに、前記バッテリコントローラが、閉ループ実制御値、および少なくとも1つの予想水流下での前記バッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値を取得し、
前記バッテリコントローラが、前記閉ループ実制御値、および少なくとも1つの予想水流下での前記バッテリウォータポンプの前記閉ループ予想制御値に従って、少なくとも1つの予想水流下での前記バッテリウォータポンプの制御係数を取得し、
前記バッテリコントローラが、少なくとも1つの予想水流下での前記バッテリウォータポンプの前記制御係数、および前記少なくとも1つの予想水流に従って、前記マッピング関係を確立する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バッテリウォータポンプが、閉ループ制御状態にあり、前記バッテリコントローラは、前記バッテリウォータポンプが閉ループ制御状態にあるときに、閉ループ実制御値、および少なくとも1つの予想水流下での前記バッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値を取得し、前記方法が、
A.i番目の時間サイクルにおいて、前記バッテリコントローラが、前記i番目の時間サイクルでの前記バッテリウォータポンプの予想水流に従って、前記i番目の時間サイクルでの前記バッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値、および前記予想水流と前記閉ループ予想制御値との間の前記マッピング関係を取得することであって、ここで、前記iが、0以上である、取得することと、
B.前記バッテリコントローラが、前記i番目の時間サイクルでの前記バッテリウォータポンプの前記予想水流と、前記i番目の時間サイクルでの前記バッテリウォータポンプの水流センサによって検出される実水流とに従って、前記i番目の時間サイクルでの水流差を取得することと、
C.前記バッテリコントローラが、前記i番目の時間サイクルでの前記水流差に従って、前記i番目の時間サイクルでの前記バッテリウォータポンプの制御差を取得することと、
D.前記バッテリコントローラが、前記i番目の時間サイクルでの前記バッテリウォータポンプの前記制御差、および前記i番目の時間サイクルでの前記バッテリウォータポンプの前記閉ループ予想制御値に従って、前記i番目の時間サイクルでの前記バッテリウォータポンプの前記予想水流の閉ループ実制御値を取得することと、
E.iに1を加算して、ステップAに戻ることと、を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記バッテリコントローラが、前記バッテリウォータポンプの第1の予想水流に従って、前記バッテリウォータポンプの開ループ予想制御値を取得する前に、前記方法が、
前記バッテリコントローラが、前記バッテリウォータポンプに閉ループ制御障害があると判定することと、
前記バッテリコントローラが、前記バッテリウォータポンプを閉ループ制御状態から開ループ制御状態に切り替えることと、をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記制御係数が、前記バッテリウォータポンプが閉ループ制御状態にあるときの、前記バッテリウォータポンプの前記閉ループ実制御値と、前記バッテリウォータポンプの前記閉ループ予想制御値との間の比であり、前記バッテリコントローラが、前記バッテリウォータポンプの前記開ループ予想制御値と前記第1の制御係数に従って、前記バッテリウォータポンプの開ループ実制御値を判定し、前記方法が、
前記バッテリコントローラが、前記バッテリウォータポンプの前記開ループ予想制御値に前記第1の制御係数を乗算して、前記バッテリウォータポンプの開ループ実制御値を取得することを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
バッテリコントローラ及びバッテリウォータポンプを備えるバッテリ用のバッテリコントローラであって、前記バッテリコントローラが、
処理モジュールであって、前記バッテリウォータポンプが開ループ制御状態にあるときの前記バッテリウォータポンプの第1の予想水流に従って、前記バッテリウォータポンプの開ループ予想制御値を取得することと、前記第1の予想水流に従う前記バッテリウォータポンプに対応する第1の制御係数、および前記予想水流と前記制御係数との間のマッピング関係を取得することと、前記バッテリウォータポンプの前記開ループ予想制御値および前記第1の制御係数に従って、前記バッテリウォータポンプの開ループ実制御値を判定することであって、前記第1の制御係数が、前記バッテリウォータポンプが閉ループ制御状態にあるときの、前記バッテリウォータポンプの閉ループ実制御値および前記バッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値に従って取得される係数である、判定することと、を行うように構成されている、処理モジュールと、
前記開ループ実制御値を利用することにより、前記バッテリウォータポンプの前記水流を制御するように構成されている制御モジュールと、を備える、バッテリコントローラ。
【請求項7】
前記バッテリコントローラが、
取得モジュールであって、前記処理モジュールが前記バッテリウォータポンプに対応する第1の制御係数を取得する前に、前記バッテリウォータポンプが閉ループ制御状態にあるときに、閉ループ実制御値、および少なくとも1つの予想水流下での前記バッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値を取得するように構成されている、取得モジュールをさらに備え、
前記処理モジュールが、閉ループ実制御値および前記少なくとも1つの予想水流下での前記バッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値に従って、少なくとも1つの予想水流下での前記バッテリウォータポンプの制御係数を取得することと、少なくとも1つの予想水流下での前記バッテリウォータポンプの前記制御係数、および前記少なくとも1つの予想水流に従って前記マッピング関係を確立することと、を行うようにさらに構成されている、請求項6に記載のバッテリコントローラ。
【請求項8】
前記バッテリウォータポンプが、閉ループ制御状態にあり、前記取得モジュールが、
A.i番目の時間サイクルにおいて、前記i番目の時間サイクルでの前記バッテリウォータポンプの予想水流に従って、前記i番目の時間サイクルでの前記バッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値、および前記予想水流と前記閉ループ予想制御値との間の前記マッピング関係を取得することであって、ここで、前記iが、0以上である、取得することと、
B.前記i番目の時間サイクルでの前記バッテリウォータポンプの前記予想水流と、前記i番目の時間サイクルでの前記バッテリウォータポンプの水流センサによって検出される実水流とに従って、前記i番目の時間サイクルでの水流差を取得することと、
C.前記i番目の時間サイクルでの前記水流差に従って、前記i番目の時間サイクルでの前記バッテリウォータポンプの制御差を取得することと、
D.前記i番目の時間サイクルでの前記バッテリウォータポンプの前記制御差、および前記i番目の時間サイクルでの前記バッテリウォータポンプの前記閉ループ予想制御値に従って、前記i番目の時間サイクルでの前記バッテリウォータポンプの前記予想水流の閉ループ実制御値を取得することと、
E.iに1を加算して、ステップAに戻ることと、を行うように構成されている、請求項7に記載のバッテリコントローラ。
【請求項9】
前記バッテリコントローラが、
判定モジュールであって、前記バッテリウォータポンプの第1の予想水流に従って、前記バッテリコントローラが、前記バッテリウォータポンプの開ループ予想制御値を取得する前に、前記バッテリウォータポンプに閉ループ制御障害があると判定するように構成されている、判定モジュールをさらに備え、
前記処理モジュールが、前記バッテリウォータポンプを閉ループ制御状態から開ループ制御状態に切り替えるために、前記バッテリコントローラにおいてさらに構成されている、請求項6に記載のバッテリコントローラ。
【請求項10】
前記制御係数が、前記バッテリウォータポンプが閉ループ制御状態にあるときの、前記バッテリウォータポンプの前記閉ループ実制御値と、前記バッテリウォータポンプの前記閉ループ予想制御値との間の比であり、前記処理モジュールが、前記バッテリウォータポンプの開ループ予想制御値に前記第1の制御係数を乗算して、前記バッテリウォータポンプの開ループ実制御値を取得するように構成されている、請求項6~9のいずれか一項に記載のバッテリコントローラ。
【請求項11】
少なくとも1つのプロセッサと、メモリと、を備えるバッテリコントローラであって、
前記メモリが、コンピュータ実行命令を格納するように構成されており、
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記メモリに格納された前記コンピュータ実行命令を実行するように構成されており、それにより、前記バッテリコントローラが、請求項1~5のいずれか一項に記載の前記方法を実行する、バッテリコントローラ。
【請求項12】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体が、コンピュータ実行命令を格納し、前記コンピュータ実行命令が前記プロセッサによって実行されるとき、請求項1~5のいずれか一項に記載の前記方法が実装される、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項13】
請求項6~11のいずれか一項に記載の前記バッテリコントローラを備える、バッテリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、バッテリの技術分野、特にバッテリウォータポンプ制御方法、バッテリコントローラ、およびバッテリに関する。
【背景技術】
【0002】
固体酸化物燃料電池などのウォータポンプを備えたバッテリでは、メタンと水蒸気の改質反応を提供する必要がある。改質反応では、メタンの量に応じて一定の割合で水蒸気を供給する必要があるため、改質反応が正常に進行することを確実にするために、バッテリウォータポンプの水流を正確に制御する必要がある。バッテリコントローラは、改質反応のニーズを満たすために、バッテリ内のウォータポンプ(略して「バッテリウォータポンプ」)の水流を正確に制御する必要がある。バッテリウォータポンプの制御モードには、閉ループ制御モードと開ループ制御モードが含まれる。閉ループ制御モードでは、バッテリコントローラは、バッテリウォータポンプの水流センサによって測定された実際の水流と予想される水流との偏差に従って制御差を計算する。制御差は、バッテリウォータポンプの実際の制御値を微調整して、バッテリウォータポンプによって制御される水流の精度を改善するために使用される。開ループ制御では、バッテリコントローラは、予想される水流に応じてテーブルを検索することにより、開ループ制御値を直接取得する。
【0003】
既知のシステムは、閉ループ制御を使用する。バッテリウォータポンプの水流センサに障害が発生した場合、または別のタイプの障害が発生した場合、バッテリウォータポンプは閉ループ制御から開ループ制御にダウングレードされる。ただし、開ループ制御モードを使用してバッテリウォータポンプの水流を制御する場合、制御精度が低いという問題がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施形態は、開ループ制御モードを使用してバッテリウォータポンプの水流を制御する場合の制御精度の低さの問題を克服することを目的とした、バッテリウォータポンプ制御方法、バッテリコントローラ、およびバッテリを提供する。
【0005】
本発明の第1の態様は、バッテリウォータポンプ制御方法を提供するものであり、バッテリは、バッテリコントローラと、バッテリウォータポンプと、を備え、この方法は、バッテリウォータポンプが開ループ制御状態にあるとき、バッテリコントローラが、バッテリウォータポンプの第1の予想水流に従って、バッテリウォータポンプの開ループ予想制御値を取得するステップと、バッテリコントローラが、第1の予想水流に従うバッテリウォータポンプに対応する第1の制御係数、および予想水流と制御係数との間のマッピング関係を取得することであって、この制御係数が、バッテリウォータポンプが閉ループ制御状態にあるときのバッテリウォータポンプの閉ループ実制御値とバッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値に従って取得される係数である、取得するステップと、バッテリコントローラが、バッテリウォータポンプの開ループ予想制御値および第1の制御係数に従って、バッテリウォータポンプの開ループ実制御値を判定するステップと、バッテリコントローラが、開ループ実制御値を利用することにより、バッテリウォータポンプの水流を制御するステップと、を含む。
【0006】
任意選択的に、バッテリコントローラがバッテリウォータポンプに対応する第1の制御係数を取得する前に、この方法は、バッテリコントローラが、バッテリウォータポンプが閉ループ制御状態にあるときに、閉ループ実制御値、および少なくとも1つの予想水流下でのバッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値を取得するステップと、バッテリコントローラが、閉ループ実制御値、および少なくとも1つの予想水流下でのバッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値に従って、少なくとも1つの予想水流下でのバッテリウォータポンプの制御係数を取得するステップと、バッテリコントローラが、少なくとも1つの予想水流下でのバッテリウォータポンプの制御係数、および少なくとも1つの予想水流に従ってマッピング関係を確立するステップと、をさらに含む。
【0007】
任意選択的に、バッテリウォータポンプは閉ループ制御状態にあり、バッテリコントローラは、バッテリウォータポンプが閉ループ制御状態にあるときに、閉ループ実制御値、および少なくとも1つの予想水流下でのバッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値を取得し、この方法は、A.i番目の時間サイクルにおいて、バッテリコントローラが、i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの予想水流に従って、i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値、および予想水流と閉ループ予想制御値との間のマッピング関係を取得することであって、ここで、iが、0以上である、取得することと、B.バッテリコントローラが、i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの予想水流と、i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの水流センサによって検出される実水流とに従って、i番目の時間サイクルでの水流差を取得することと、C.バッテリコントローラが、i番目の時間サイクルでの水流差に従って、i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの制御差を取得することと、D.バッテリコントローラが、i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの制御差、およびi番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値に従って、i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの予想水流の閉ループ実制御値を取得することと、E.iに1を加算して、ステップAに戻ることと、を含む。
【0008】
任意選択的に、バッテリコントローラが、バッテリウォータポンプの第1の予想水流に従ってバッテリウォータポンプの開ループ予想制御値を取得する前に、この方法は、バッテリコントローラが、バッテリウォータポンプに閉ループ制御障害があると判定することと、バッテリコントローラが、バッテリウォータポンプを閉ループ制御状態から開ループ制御状態に切り替えることと、をさらに含むことができる。
【0009】
任意選択的に、制御係数は、バッテリウォータポンプが閉ループ制御状態にあるときの、バッテリウォータポンプの閉ループ実制御値と、バッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値との間の比であり、バッテリコントローラは、バッテリウォータポンプの開ループ予想制御値と第1の制御係数に従って、バッテリウォータポンプの開ループ実制御値を判定する。バッテリコントローラは、バッテリウォータポンプの開ループ予想制御値に第1の制御係数を乗算して、バッテリウォータポンプの開ループ実制御値を取得する。
【0010】
本発明の第2の態様は、バッテリコントローラを提供し、バッテリは、バッテリコントローラと、バッテリウォータポンプと、を備え、バッテリコントローラは、処理モジュールであって、バッテリウォータポンプが開ループ制御状態にあるときのバッテリウォータポンプの第1の予想水流に従って、バッテリウォータポンプの開ループ予想制御値を取得することと、第1の予想水流に従うバッテリウォータポンプに対応する第1の制御係数、および予想水流と制御係数との間のマッピング関係を取得することと、バッテリウォータポンプの開ループ予想制御値および第1の制御係数に従って、バッテリウォータポンプの開ループ実制御値を判定することであって、この第1の制御係数は、バッテリウォータポンプが閉ループ制御状態にあるときの、バッテリウォータポンプの閉ループ実制御値およびバッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値に従って取得される係数である、判定することと、を行うために使用される処理モジュールと、開ループ実制御値を利用することによって、バッテリウォータポンプの水流を制御するために使用される制御モジュールと、を備える。
【0011】
任意選択的に、バッテリコントローラは、取得モジュールであって、処理モジュールがバッテリウォータポンプに対応する第1の制御係数を取得する前に、バッテリウォータポンプが閉ループ制御状態にあるときの、閉ループ実制御値、および少なくとも1つの予想水流下でのバッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値を取得するために使用される取得モジュールと、処理モジュールであって、閉ループ実制御値、および少なくとも1つの予想水流下でのバッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値に従って、少なくとも1つの予想水流下でのバッテリウォータポンプの制御係数を取得することと、少なくとも1つの予想水流下でのバッテリウォータポンプの制御係数および少なくとも1つの予想水流に従って、マッピング関係を確立することと、を行うためにさらに使用される処理モジュールと、をさらに備える。
【0012】
任意選択的に、バッテリウォータポンプは閉ループ制御状態にあり、取得モジュールは、具体的には、A.i番目の時間サイクルにおいて、i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの予想水流に従って、i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値、および予想水流と閉ループ予想制御値との間のマッピング関係を取得することであって、ここで、iが、0以上である、取得することと、B.i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの予想水流と、i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの水流センサによって検出される実水流とに従って、i番目の時間サイクルでの水流差を取得することと、C.i番目の時間サイクルでの水流差に従って、i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの制御差を取得することと、D.i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの制御差、およびi番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値に従って、i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの予想水流の閉ループ実制御値を取得することと、E.iに1を加算して、ステップAに戻ることと、を行うために使用される。
【0013】
任意選択的に、バッテリコントローラは、判定モジュールであって、バッテリコントローラが、バッテリウォータポンプの第1の予想水流に従ってバッテリウォータポンプの開ループ予想制御値を取得する前に、バッテリウォータポンプに閉ループ制御障害があると判定するために使用される判定モジュールと、バッテリウォータポンプを閉ループ制御状態から開ループ制御状態に切り替えるためにバッテリコントローラでさらに使用される処理モジュールと、をさらに備える。
【0014】
任意選択的に、制御係数は、バッテリウォータポンプが閉ループ制御状態にあるときの、バッテリウォータポンプの閉ループ実制御値と、バッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値との間の比であり、処理モジュールは、具体的には、バッテリウォータポンプの開ループ予想制御値に第1の制御係数を乗算して、バッテリウォータポンプの開ループ実制御値を取得するために使用される。
【0015】
本発明の第3の態様は、少なくとも1つのプロセッサと、メモリと、を備える、バッテリコントローラを提供する。メモリにはコンピュータ実行命令が格納されており、少なくとも1つのプロセッサは、メモリに格納されたコンピュータ実行命令を実行するので、バッテリコントローラは、第1の態様の任意の段落で説明された方法を実装する。
【0016】
本発明の第4の態様は、コンピュータ可読記憶媒体を提供し、コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ実行命令を格納し、コンピュータ実行命令がプロセッサによって実行されるとき、第1の態様の方法が実装される。
【0017】
本発明の第5の態様は、第2の態様または第3の態様のバッテリコントローラを備えるバッテリを提供する。
【0018】
本発明の実施形態は、バッテリウォータポンプ制御方法、バッテリコントローラ、およびバッテリを提供する。バッテリウォータポンプが閉ループ制御モードを採用している場合、バッテリウォータポンプは、バッテリウォータポンプの閉ループ実制御値および任意の予想水流下でのバッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値に従って制御係数を取得し、それによって、予想水流と制御係数との間のマッピング関係を確立する。予想水流下で、制御係数は、バッテリウォータポンプの制御係数を微調整するために使用され、バッテリウォータポンプの水流の制御精度を改善することができる。バッテリウォータポンプの制御が開ループ制御モードに低下するとき、予想水流に対応する開ループ予想制御値および予想水流に対応する制御係数に従って、開ループ実制御値が取得される。ここで、開ループ実制御値がバッテリウォータポンプに作用する場合、開ループ制御モードでのバッテリウォータポンプの制御精度を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
実施形態の説明に使用される図面を、以下に簡単に説明する。以下の説明の図面は、本発明のいくつかの実施形態にすぎない。
【0020】
【
図1】固体酸化物燃料電池の給水経路の概略図である。
【
図2】バッテリウォータポンプ制御方法の流れの概略図である。
【
図3】代替的なバッテリウォータポンプ制御方法の流れの概略図である。
【
図5】代替的なバッテリコントローラの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態を、図面と併せて以下に説明する。記載された実施形態は、本発明の実施形態のすべてではなく、一部にすぎない。
【0022】
ウォータポンプを備えるバッテリは、本発明の実施形態によって提供される技術的解決策を採用することができる。導入の便宜のために、以下のシナリオおよび実施形態は、例として固体酸化物燃料電池を取り上げることによって説明される。
【0023】
図1は、固体酸化物燃料電池の給水経路の概略図である。
図1に示すように、給水経路は、水槽11、バッテリウォータポンプ12、圧力調整弁13、フィルタ14、液体水ガス化ミキサ15、改質器16、冷却器17、バッテリアノード18などを含み、接続関係を
図1に示す。固体酸化物燃料電池の動作プロセスは、次のとおりである。
【0024】
バッテリウォータポンプ12は、水槽11からある量の液体水を抽出する。給水圧力は、圧力調整弁13によって調整され、水中の不純物およびイオンは、フィルタ14によって濾過される。濾過された液体水は、液体水ガス化ミキサ15で高温ガスにより分離加熱されて水蒸気となり、燃料のメタンと混合された後、改質器16に送られて改質反応により水素が生成される。水素はバッテリアノード18に送られ、バッテリ機能を実現し、残りの水蒸気は冷却器17によって冷却され、次に再利用のために水槽11に送られる。改質器16において、メタンと水蒸気とが改質反応を起こすとき、メタンの量に応じて、一定の割合で水蒸気を供給する必要があるため、改質反応が正常に進行することを確実にするために、バッテリウォータポンプの水流を正確に制御する必要がある。
【0025】
既知のシステムでは、バッテリウォータポンプの制御モードには、主に開ループ制御モードと閉ループ制御モードが含まれる。例えば、閉ループ制御モードでは、フィードフォワード+比例積分微分(PID)閉ループ制御戦略が採用されている。フィードフォワード制御は、予想水流に従って閉ループ予想制御値を(例えば、テーブルを検索することによって)直接計算することであり、PID閉ループ制御は、予想水流と、バッテリウォータポンプの流出口に配置された水流センサ(例えば、マスフローセンサ)によって測定された実水流との間の偏差に基づいて、制御差を計算することである。バッテリコントローラは、閉ループ予想制御値と制御差を重ね合わせて、閉ループ実制御値を形成する。開ループ制御モードでは、開ループ制御値は、予想水流に従ってテーブルを検索することによって(例えば、周知のマッピングテーブルであり、ここでは再度説明しない、1次元のルックアップテーブルCURに問い合わせることによって)直接取得される。
【0026】
機器自体の偏差により、バッテリウォータポンプの予想制御値と実制御値との間には、一定の偏差が存在することになる。閉ループ制御モードは、フィードバック機構を導入してその制御精度を確保することにより、実制御値を微調整する。それに応じて、開ループ制御モードには、制御精度が低いという問題がある。実応用では、通常、閉ループ制御モードを使用して、バッテリウォータポンプの水流を制御する。閉ループ制御障害が水流センサの障害または他の理由によって引き起こされた場合、バッテリウォータポンプが完全に制御を失わないことを確実にするために、バッテリウォータポンプの制御は開ループ制御モードに低下する。ここで、開ループ制御モードでは制御精度が低いという問題がある。
【0027】
本発明の一実施形態は、バッテリウォータポンプ制御方法を提供する。バッテリウォータポンプが閉ループ制御モードを採用している場合、バッテリウォータポンプは、バッテリウォータポンプの閉ループ実制御値および任意の予想水流下でのバッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値に従って制御係数を取得し、バッテリウォータポンプの予想水流と制御係数の間のマッピング関係を確立する。制御係数は、バッテリウォータポンプの開ループの実制御値を調整するために使用され、バッテリウォータポンプの実水流と予想水流の差を縮小して、バッテリウォータポンプの水流制御精度を改善することができる。バッテリウォータポンプの制御が開ループ制御モードに低下するとき、予想水流に対応する開ループ予想制御値および予想水流に対応する制御係数に従って、開ループ実制御値が取得される。ここで、開ループ実制御値がバッテリウォータポンプに作用する場合、開ループ制御モードでのバッテリウォータポンプの制御精度を改善することができる。
【0028】
次に、本発明により提供されるバッテリウォータポンプ制御方法、バッテリコントローラ、およびバッテリについて、具体的な実施形態を参照することにより、以下で詳細に説明する。以下の具体的な実施形態は、互いに組み合わせることができ、同じもしくは類似の概念またはプロセスは、いくつかの実施形態では繰り返し説明されない場合がある。
【0029】
図2は、本発明の実施形態によって提供されるバッテリウォータポンプ制御方法の流れの概略図である。本発明の実施形態によって提供される方法は、バッテリコントローラおよびバッテリウォータポンプを備えるバッテリに適用可能である。
図2に示すように、この方法は、以下のステップを含む。
【0030】
S11、バッテリウォータポンプが開ループ制御状態にあるとき、バッテリコントローラは、バッテリウォータポンプの第1の予想水流に従って、バッテリウォータポンプの開ループ予想制御値を取得する。
【0031】
バッテリウォータポンプが開ループ制御状態にある場合、バッテリコントローラは、バッテリウォータポンプの第1の予想水流と事前に格納されたCURに従って、開ループ予想制御値を取得することができる。例えば、CURは、以下のテーブル1に示すとおりであり得る。
【0032】
【0033】
テーブル1に示されている予想水流は、マスフローであり得る。バッテリウォータポンプの水流を制御するための制御パラメータがデューティサイクルである場合、テーブル1の制御値はデューティサイクルの比率であり得る。
【0034】
前述のCURは、このモデルのバッテリウォータポンプの一般的なマッピング関係テーブルであり得る。例えば、CURは、予想水流と、このモデルのバッテリを事前に使用して試験担当者が取得した制御値との間の対応する関係であり得る。実施形態では、CURを検索することによって取得される予想水流に対応する制御値は、この実施形態で言及された開ループ予想制御値である。
【0035】
S12、バッテリコントローラは、第1の予想水流に従うバッテリウォータポンプに対応する第1の制御係数、および予想水流と制御係数との間のマッピング関係を取得し、この制御係数は、バッテリウォータポンプが閉ループ制御状態にあるときのバッテリウォータポンプの閉ループ実制御値とバッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値に従って取得される係数である。
【0036】
S11の例を参照すると、予想水流と制御係数との間のマッピング関係は、予想水流と制御係数との間の1対1のマッピング関係を記録する。予想水流と制御係数との間のマッピング関係について別個のテーブルを確立することができ、テーブルのヘッダには少なくとも予想水流と制御係数が含まれる。このマッピング関係の例は、以下のテーブル2に示すようになり得る。
【0037】
【0038】
いくつかの実施形態では、予想水流と制御係数との間のマッピング関係および前述のCURも同じテーブルに格納することができ、テーブルのヘッダは、少なくとも、予想水流、制御値、および制御係数を含むが、ここでは再度説明しない。
【0039】
CURは、同じモデルのバッテリウォータポンプの一般的な基準値であるため、製造プロセスの違いにより、バッテリウォータポンプによって変動する。バッテリウォータポンプの制御値を取得するためにCURのみが使用される場合、精度が低いという問題が発生する(例えば、開ループ制御モードが採用される)。閉ループ制御モードはフィードバック機構を導入しているため、バッテリウォータポンプの独自の状態に従ってバッテリウォータポンプの実制御値を微調整することができ、バッテリウォータポンプの実制御値と一般的な制御値との間の差を補正し、制御精度を改善することができる。この実施形態では、バッテリウォータポンプが閉ループ制御状態にあるときのバッテリウォータポンプの閉ループ実制御値およびバッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値に従って取得される係数を、予想水流に対応する制御係数として用いることにより、開ループ制御モードでバッテリウォータポンプが制御する水流の精度を閉ループ制御レベルまで改善することができる。
【0040】
S13、バッテリコントローラは、バッテリウォータポンプの開ループ予想制御値および第1の制御係数に従って、バッテリウォータポンプの開ループ実制御値を判定する。
【0041】
予想水流A1を例にとると、バッテリコントローラは、
図2に示すマッピング関係に従って、A1に対応する第1の制御係数K1を取得することができる。次に、バッテリコントローラは、A1とK1に基づいて、バッテリウォータポンプの開ループ実制御値Q1を判定することができる。開ループ実制御値Q1は、デューティサイクルであり得る。バッテリコントローラは、開ループ実制御値Q1を制御パラメータとして使用して、バッテリウォータポンプの水流の正確な制御を達成する。
【0042】
1つの可能な実装方式では、S13は、以下の方法で実装することができる。
【0043】
制御係数が、バッテリウォータポンプが閉ループ制御状態にあるときの、バッテリウォータポンプの閉ループ実制御値と、バッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値との間の比である場合、バッテリコントローラは、バッテリウォータポンプの開ループ予想制御値に第1の制御係数を乗算して、バッテリウォータポンプの開ループ実制御値を取得することができる。
【0044】
代替的な可能な実装方式では、S13は、以下の方法で実装することができる。
【0045】
制御係数が、バッテリウォータポンプが閉ループ制御状態にあるときの、バッテリウォータポンプの閉ループ実制御値と、バッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値との間の比に第1の制御定数を乗じたものである場合、バッテリコントローラは、バッテリウォータポンプの開ループ予想制御値に第1の制御係数を乗算した後、第1制御定数で除算してバッテリウォータポンプの開ループ実制御値を取得することができる。
【0046】
さらに可能な実装方式では、S13は、以下の方法で実装することができる。
【0047】
制御係数が、バッテリウォータポンプが閉ループ制御状態にあるときの、バッテリウォータポンプの閉ループ実制御値と、バッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値との間の比である場合、バッテリコントローラは、バッテリウォータポンプの開ループ予想制御値を第1の制御係数で除算して、バッテリウォータポンプの開ループ実制御値を取得することができる。
【0048】
バッテリコントローラが、バッテリウォータポンプの開ループ予想制御値および第1の制御係数に従って、バッテリウォータポンプの開ループ実制御値を取得する方法には、前述の3つの方法が含まれるが、これらに限定されない。
【0049】
S14、バッテリコントローラは開ループ実制御値を使用して、バッテリウォータポンプの水流を制御する。
【0050】
S13の例を参照すると、バッテリコントローラは、開ループ実制御値Q1を制御パラメータとして使用して、バッテリウォータポンプの水流の正確な制御を達成する。
【0051】
本発明の実施形態は、バッテリウォータポンプの様々な制御モードを提供する。バッテリウォータポンプが閉ループ制御モードを採用している場合、バッテリウォータポンプは、バッテリウォータポンプの閉ループ実制御値および任意の予想水流下でのバッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値に従って制御係数を取得し、それによって、予想水流と制御係数との間のマッピング関係を確立する。予想水流下で、制御係数は、バッテリウォータポンプの制御係数を微調整するために使用され、バッテリウォータポンプの水流の制御精度を改善することができる。バッテリウォータポンプの制御が開ループ制御モードに低下するとき、予想水流に対応する開ループ予想制御値および予想水流に対応する制御係数に従って、開ループ実制御値が取得される。ここで、開ループ実制御値がバッテリウォータポンプに作用する場合、開ループ制御モードでのバッテリウォータポンプの制御精度を改善することができる。
【0052】
任意選択的に、ステップS11の前に、すなわち、バッテリコントローラは、可能な実装方式で、バッテリウォータポンプの第1の予想水流に従って、バッテリウォータポンプの開ループ予想制御値を取得し、以下のステップも適用することができる。
【0053】
バッテリコントローラは、バッテリウォータポンプに閉ループ制御障害があると判定し、バッテリコントローラは、バッテリウォータポンプを閉ループ制御状態から開ループ制御状態に切り替える。
【0054】
閉ループ制御障害とは、閉ループ制御モードで、バッテリコントローラが既存の技術の検出方法によって閉ループ制御の動作状態を判断することができることを意味する。閉ループ制御障害が検出されるとき、バッテリコントローラはバッテリウォータポンプを閉ループ制御状態から開ループ制御状態に切り替える。例えば、閉ループ制御障害は、水流センサ(例えば、マスフローセンサ)の障害である可能性があり、実際の水流を正確に収集することができなくなる。
【0055】
図3は、本発明の実施形態によって提供される代替的なバッテリウォータポンプ制御方法の流れの概略図である。この実施形態は、バッテリコントローラが、閉ループ制御状態で予想水流と制御係数との間のマッピング関係をどのように確立するかを紹介することに焦点を合わせている。
図3に示すように、バッテリコントローラが第1の予想水流および予想水流と制御係数との間のマッピング関係に基づく前に、この方法は、以下のステップも含む。
【0056】
S21、バッテリコントローラは、バッテリウォータポンプが閉ループ制御状態にあるときに、バッテリウォータポンプの閉ループ実制御値、および少なくとも1つの予想水流下での閉ループ予想制御値を取得する。
【0057】
ステップS21の場合、第1の可能な実装方式において、閉ループ実制御値および閉ループ予想制御値は、実際の必要性に従って徐々に生成される。詳細は以下のとおりである。
【0058】
初期状態では、予想水流と制御係数との間のマッピング関係は空である。バッテリコントローラが閉ループ制御モードにある場合、バッテリウォータポンプの実際の必要性に応じて、バッテリコントローラが新しい予想水流を生成するたびに、閉ループ実制御値、および予想水流に対応する閉ループ予想制御値が取得される。バッテリウォータポンプの予想水流A1を例にとると、詳細は次のとおりである。
【0059】
第一に、バッテリコントローラは、CURを検索することにより、予想水量(A1)に従って、予想水量A1に対応する制御値D1を取得することができる。ここで、D1は、閉ループ予想制御値である。この実施形態は、CURを検索することを例にとり、閉ループ予想制御値、および開ループ予想制御値をどのように取得するかについて説明していることに留意されたい。しかしながら、閉ループ予想制御値および開ループ予想制御値は、限定されない他の手段によっても取得することができる。
【0060】
第二に、閉ループ予想制御値(D1)の取得に基づいて、バッテリコントローラはD1を使用してバッテリウォータポンプの水流を制御する。次に、バッテリコントローラは、バッテリウォータポンプの予想水流(A1)、およびバッテリウォータポンプの水流センサによって検出された実水流(例えば、B1)に従って、水流差(例えば、Z1、Z1=A1-B1)を取得する。
【0061】
第三に、バッテリコントローラは、水流差Z1に基づくPID閉ループ制御を通して、バッテリウォータポンプ(例えば、F1)の制御差を取得する。具体的な実装方式は、既存の技術を指し得る。
【0062】
最後に、バッテリコントローラは、バッテリウォータポンプの制御差(例えば、F1)、およびバッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値(D1)に従って、バッテリウォータポンプの閉ループ実制御値(例えば、W1)を取得し、閉ループ実制御値を使用してバッテリウォータポンプを制御する。例として、バッテリウォータポンプの制御差(F1)をバッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値(D1)に加算して、バッテリウォータポンプの閉ループ実制御値(W1)を取得することができる。
【0063】
バッテリコントローラが新しい予想水流を再度生成するとき、上記のステップが再度実行され、最終的に上記のテーブル2が生成される。
【0064】
ステップS21の場合、第2の可能な実装方式では、閉ループ実制御値および閉ループ予想制御値は、複数の時間サイクルでの試験を通じて取得される。詳細は以下のとおりである。
【0065】
A.i番目の時間サイクルにおいて、バッテリコントローラは、i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの予想水流に従って、i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値、および予想水流と閉ループ予想制御値との間のマッピング関係を取得し、ここで、iは、0以上である。
【0066】
例として、バッテリコントローラは、テーブルを検索することにより、閉ループ予想制御値を直接取得することができる。このテーブルは、前述のCUR、または予想水流および閉ループ予想制御値を表すために使用される他のマッピングテーブルであり得る。
【0067】
B.バッテリコントローラは、i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの予想水流と、i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの水流センサによって検出される実水流とに従って、i番目の時間サイクルでの水流差を取得する。
【0068】
C.バッテリコントローラは、i番目の時間サイクルでの水流差に従って、i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの制御差を取得する。
【0069】
例として、バッテリコントローラは、i番目の時間サイクルでの水流差をPID閉ループ制御の入力として使用し、i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの制御差を出力する。
【0070】
D.バッテリコントローラは、i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの制御差、およびi番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値に従って、i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの予想水流の閉ループ実制御値を取得する。
【0071】
例として、i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの制御差を、i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値に加算して、i番目のバッテリウォータポンプの閉ループ実制御値を取得することができる。
【0072】
E.iに1を加算して、ステップAに戻る。
【0073】
前述の第1の可能な実装方式および第2の可能な実装方式を組み合わせて使用して、取得された閉ループ実制御値および予想水流下での閉ループ予想制御値をより包括的にすることもできる。
【0074】
S22、バッテリコントローラは、閉ループ実制御値、および少なくとも1つの予想水流下でのバッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値に従って、少なくとも1つの予想水流下でのバッテリウォータポンプの制御係数を取得する。
【0075】
ステップS21の例を、例として使用する。バッテリコントローラは、閉ループ実制御値(W1)、および予想水流(A1)下でのバッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値(D1)に従って、予想水流(A1)下でのバッテリウォータポンプの制御係数(K1、ここでK1=W1/D1)を取得する。
【0076】
S23、バッテリコントローラは、少なくとも1つの予想水流下でのバッテリウォータポンプの制御係数、および少なくとも1つの予想水流に従ってマッピング関係を確立する。
【0077】
ステップS21およびS22において取得された少なくとも1つの予想水流、およびそれに対応する予想水流は、マッピング関係を確立する。例えば、予想水流A1は制御係数K1に対応し、予想水流A2は制御係数K2に対応する。可能な実装方式では、予想水流とそれに対応する制御係数との間のマッピング関係は、CURに格納される。別の可能な実装方式では、予想水流とそれに対応する制御係数との間のマッピング関係を格納するために、別個のマッピングテーブルが確立される。
【0078】
少なくとも1つの予想水流下での制御係数と少なくとも1つの予想水流との間のマッピング関係が得られた後、それをステップS12で使用して、それにより、開ループ制御モードでのバッテリウォータポンプの水流の正確な制御がバッテリウォータポンプにより達成される。
【0079】
前述の方法の実施形態を実装するためのステップのすべてまたは一部は、プログラム命令に関連するハードウェアを通して完了することができる。前述のプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶することができる。プログラムの実行中、実行には、前述の方法の実施形態のステップが含まれ、前述の記憶媒体には、ROM、RAM、ディスケット、コンパクトディスクなどのコードを格納することができるあらゆる種類の媒体が含まれる。
【0080】
図4は、本発明の実施形態によってさらに提供されるバッテリコントローラの構造概略図である。バッテリコントローラは、バッテリの一部であり、バッテリは、バッテリコントローラと、バッテリウォータポンプと、を少なくとも備える。
図4に示すように、バッテリコントローラは、処理モジュール101および制御モジュール102を備える。
【0081】
処理モジュール101は、バッテリウォータポンプが開ループ制御状態にあるときのバッテリウォータポンプの第1の予想水流に従って、バッテリウォータポンプの開ループ予想制御値を取得することと、第1の予想水流に従うバッテリウォータポンプに対応する第1の制御係数、および予想水流と制御係数との間のマッピング関係を取得することと、バッテリウォータポンプの開ループ予想制御値および第1の制御係数に従って、バッテリウォータポンプの開ループ実制御値を判定することであって、第1の制御係数は、バッテリウォータポンプが閉ループ制御状態にあるときの、バッテリウォータポンプの閉ループ実制御値およびバッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値に従って取得される係数である、判定することと、を行うために使用される。
【0082】
制御モジュール102は、開ループ実制御値を利用することにより、バッテリウォータポンプの水流を制御するために使用される。
【0083】
図4を参照すると、いくつかの実施形態では、バッテリコントローラは、取得モジュール103をさらに備える。
【0084】
取得モジュール103は、処理モジュール101がバッテリウォータポンプに対応する第1の制御係数を取得する前に、バッテリウォータポンプが閉ループ制御状態にあるときに、閉ループ実制御値、および少なくとも1つの予想水流下でのバッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値を取得するために使用される。
【0085】
処理モジュール101はさらに、閉ループ実制御値および少なくとも1つの予想水流下でのバッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値に従って、少なくとも1つの予想水流下でのバッテリウォータポンプの制御係数を取得することと、少なくとも1つの予想水流下でのバッテリウォータポンプの制御係数、および少なくとも1つの予想水流に従ってマッピング関係を確立することと、を行うためにさらに使用される。
【0086】
任意選択的に、いくつかの実施形態では、バッテリウォータポンプは閉ループ制御状態にあり、取得モジュール103は、
A.i番目の時間サイクルにおいて、i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの予想水流に従って、i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値、および予想水流と閉ループ予想制御値との間のマッピング関係を取得することであって、ここで、iが、0以上である、取得することと、
B.i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの予想水流と、i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの水流センサによって検出される実水流とに従って、i番目の時間サイクルでの水流差を取得することと、
C.i番目の時間サイクルでの水流差に従って、i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの制御差を取得することと、
D.i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの制御差、およびi番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値に従って、i番目の時間サイクルでのバッテリウォータポンプの予想水流の閉ループ実制御値を取得することと、
E.iに1を加算して、ステップAに戻ることと、を行うために使用される。
【0087】
図4を参照すると、任意選択的に、いくつかの実施形態では、バッテリコントローラは、判定モジュール104をさらに備える。
【0088】
判定モジュール104は、バッテリウォータポンプの第1の予想水流に従って、処理モジュール101が、バッテリウォータポンプの開ループ予想制御値を取得する前に、バッテリウォータポンプに閉ループ制御障害があると判定するために使用される。処理モジュール101はさらに、バッテリウォータポンプを閉ループ制御状態から開ループ制御状態に切り替えるために、バッテリコントローラにおいて使用される。
【0089】
任意選択的に、いくつかの実施形態では、制御係数は、バッテリウォータポンプが閉ループ制御状態にあるときの、バッテリウォータポンプの閉ループ実制御値と、バッテリウォータポンプの閉ループ予想制御値との間の比であり、処理モジュール101は、具体的には、バッテリウォータポンプの開ループ予想制御値に第1の制御係数を乗算して、バッテリウォータポンプの開ループ実制御値を取得するために使用される。
【0090】
本発明の実施形態によって提供されるバッテリコントローラは、前述の方法の実施形態を実装することができる。その実装原理および技術的効果は、類似しているため、再度説明しない。
【0091】
図5は、本発明の実施形態によって提供される代替的なバッテリコントローラの構造概略図である。
図5に示されるように、バッテリコントローラ300は、メモリ301、および少なくとも1つのプロセッサ302を備える。
【0092】
メモリ301は、プログラム命令を格納するために使用される。
【0093】
プロセッサ302は、プログラム命令が実行されるときに、本発明の実施形態におけるバッテリウォータポンプ制御方法を実装するために使用される。前述の実施形態は、具体的な実装原理について参照することができ、この実施形態では再度説明しない。
【0094】
バッテリコントローラ300は、入力/出力(I/O)インターフェース303をさらに備え得る。
【0095】
I/Oインターフェース303は、独立した出力インターフェースおよび独立した入力インターフェースを含み得るか、または入力および出力を統合した統合インターフェースであり得る。ここで、出力インターフェースはデータの出力に使用され、入力インターフェースは入力データの取得に使用される。前述の出力データは、前述の方法の実施形態における出力の一般的な用語であり、入力データは、前述の方法の実施形態における入力の一般的な用語である。
【0096】
本発明は、可読記憶媒体をさらに提供する。可読記憶媒体は、実行命令を格納する。バッテリコントローラの少なくとも1つのプロセッサが実行命令を実行するとき、またはコンピュータ実行命令がプロセッサによって実行されるとき、前述の方法の実施形態におけるバッテリウォータポンプ制御方法が実装される。
【0097】
本発明は、プログラム製品をさらに提供する。プログラム製品は、可読記憶媒体に格納されている実行命令を含む。バッテリコントローラ300の少なくとも1つのプロセッサは、可読記憶媒体から実行命令を読み取ることができ、少なくとも1つのプロセッサは、実行命令を実行して、バッテリコントローラ300に、前述の実装方式によって提供されたバッテリウォータポンプ制御方法を実装させる。
【0098】
本発明の一実施形態は、バッテリをさらに提供する。バッテリは、前述の実施形態のいずれかに示されるバッテリコントローラを備える。
【0099】
前述の実施形態は、本発明の技術的解決策を説明することを意図しており、これを限定することを意図していない。本発明は、前述の実施形態を参照することによって詳細に説明されてきたが、本発明の範囲から実質的に逸脱することなく、修正または置換を行うことができる。
【国際調査報告】