(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-29
(54)【発明の名称】知能型無人飛行体の無線通信システム
(51)【国際特許分類】
H04B 10/80 20130101AFI20221121BHJP
B64C 13/18 20060101ALI20221121BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20221121BHJP
B64C 27/04 20060101ALI20221121BHJP
B64F 1/12 20060101ALI20221121BHJP
B64F 1/36 20170101ALI20221121BHJP
H04W 84/06 20090101ALI20221121BHJP
H04B 10/116 20130101ALN20221121BHJP
【FI】
H04B10/80
B64C13/18 Z
B64C39/02
B64C27/04
B64F1/12
B64F1/36
H04W84/06
H04B10/116
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021578187
(86)(22)【出願日】2021-03-24
(85)【翻訳文提出日】2021-12-29
(86)【国際出願番号】 KR2021003662
(87)【国際公開番号】W WO2022045512
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】10-2020-0106032
(32)【優先日】2020-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512320076
【氏名又は名称】コアグリーム カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウ, ヒ ソン
(72)【発明者】
【氏名】リュ, チャン ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】イ, ジェ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン, レ スン
【テーマコード(参考)】
5K067
5K102
【Fターム(参考)】
5K067AA22
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE37
5K102AL11
5K102AL23
5K102AL28
5K102PB02
5K102PH31
5K102RD05
5K102RD26
(57)【要約】
本発明は、知能型無人飛行体の無線通信システムに関し、より詳細には、無人飛行体10に設けられ、無人飛行体10に既設置のセンサから伝送されるセンシング情報を受けて、無人飛行体10の飛行動作及び飛行姿勢を制御する飛行制御モジュール100と、無人飛行体10に設けられ、伝送されたデータに基づいて任務飛行データを生成して飛行制御モジュール100に伝送するか、又は任務飛行を行いながら収集した飛行データ若しくは要請データを伝送する任務制御モジュール200と、無人飛行体10に設けられ、無人飛行体10と地上局(GCS:Ground Control System)20との間の通信を行う第1無線通信モジュール300と、地上局20に設けられ、無人飛行体10の任務飛行過程を管制する管制モジュール400と、地上局20に設けられ、地上局20と無人飛行体10との間の通信を行う第2無線通信モジュール500と、を備えて構成されることを特徴とする知能型無人飛行体の無線通信システムに関する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人飛行体(10)に設けられ、前記無人飛行体(10)に既設置のセンサから伝送されるセンシング情報を受けて、前記無人飛行体(10)の飛行動作及び飛行姿勢を制御する飛行制御モジュール(100)と、
前記無人飛行体(10)に設けられ、伝送されたデータに基づいて任務飛行データを生成して前記飛行制御モジュール(100)に伝送するか、又は任務飛行を行いながら収集した飛行データ若しくは要請データを伝送する任務制御モジュール(200)と、
前記無人飛行体(10)に設けられ、前記無人飛行体(10)と地上局(GCS: Ground Control System)(20)との間の通信を行う第1無線通信モジュール(300)と、
前記地上局(20)に設けられ、前記無人飛行体(10)の任務飛行過程を管制する管制モジュール(400)と、
前記地上局(20)に設けられ、前記地上局(20)と前記無人飛行体(10)との間の通信を行う第2無線通信モジュール(500)と、を備えて構成されることを特徴とする知能型無人飛行体の無線通信システム。
【請求項2】
前記第1無線通信モジュール(300)及び前記第2無線通信モジュール(500)は、可視光無線通信(VLC:Visible Light Communication)を行うことを特徴とする請求項1に記載の知能型無人飛行体の無線通信システム。
【請求項3】
前記第1無線通信モジュール(300)は、前記可視光無線通信のための送信手段(310)を含んで構成され、
前記送信手段(310)は、
前記任務制御モジュール(200)に連結されてデータを受信するトランシーバ部(311)と、
受信した前記データに対して既設定の通信速度に合うように伝送速度のサンプリング制御を行うデータ処理部(312)と、
サンプリング制御された前記データに基づいてLEDドライバを駆動させてLEDスイッチングによりデータを伝送するLEDスイッチング部(313)と、を更に含んで構成されることを特徴とする請求項2に記載の知能型無人飛行体の無線通信システム。
【請求項4】
前記第1無線通信モジュール(300)は、前記可視光無線通信のための受信手段(320)を含んで構成され、
前記受信手段(320)は、
LEDのスイッチングデータを受信するレシーバ部(321)と、
受信した前記スイッチングデータを増幅及び加工してデジタルに変換するデジタル変換部(322)と、
変換データの有効性を検証して、検証されたデータを前記任務制御モジュール(200)に伝送可能なように処理するデータ処理部(323)と、
処理データを前記任務制御モジュール(200)に伝送するトランシーバ部(324)と、を更に含んで構成されることを特徴とする請求項2に記載の知能型無人飛行体の無線通信システム。
【請求項5】
前記第2無線通信モジュール(500)は、前記可視光無線通信のための送信手段(510)を含んで構成され、
前記送信手段(510)は、
前記管制モジュール(400)に連結されてデータを受信するトランシーバ部(511)と、
受信した前記データに対して既設定の通信速度に合うように伝送速度のサンプリング制御を行うデータ処理部(512)と、
サンプリング制御された前記データに基づいてLEDドライバを駆動させてLEDスイッチングによりデータを伝送するLEDスイッチング部513と、を更に含んで構成されることを特徴とする請求項2に記載の知能型無人飛行体の無線通信システム。
【請求項6】
前記第2無線通信モジュール(500)は、前記可視光無線通信のための受信手段(520)を含んで構成され、
前記受信手段(520)は、
LEDのスイッチングデータを受信するレシーバ部(521)と、
受信した前記スイッチングデータを増幅及び加工してデジタルに変換するデジタル変換部(522)と、
変換データの有効性を検証して、検証されたデータを前記管制モジュール(400)に伝送可能なように処理するデータ処理部(523)と、
処理データを前記管制モジュール(400)に伝送するトランシーバ部(524)と、を更に含んで構成されることを特徴とする請求項2に記載の知能型無人飛行体の無線通信システム。
【請求項7】
前記第2無線通信モジュール(500)は、前記無人飛行体(10)との結合がなされる前記地上局(20)のドッキングステーション(docking station)に設けられることを特徴とする請求項2に記載の知能型無人飛行体の無線通信システム。
【請求項8】
前記管制モジュール(400)は、前記ドッキングステーションの外部又は内部に設けられ、前記第2無線通信モジュール(500)に無線又は有線で連結されることを特徴とする請求項6に記載の知能型無人飛行体の無線通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、知能型無人飛行体の無線通信システムに関し、より詳細には、可視光無線通信を適用して、知能型無人飛行体と地上局との間の通信を行う知能型無人飛行体の無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無人飛行体(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)(例えば、ドローンなど)は、2000年代初めに登場し、軍事用無人航空機として開発された。初期のドローンは空軍のミサイル爆撃の練習対象として利用され、偵察機及び攻撃機にその用途が益々拡大されている。
【0003】
現在、ドローンは、軍事用のみならず、個人、メディア、企業のための用途に活用されており、更には、種々の産業現場でも活用されている。
【0004】
このようなドローンという名称は時代によって変わり、現在、国際民間航空機関(ICAO:International Civil Aviation Organization)では、ドローンをRPAS(Remotely Piloted Aircraft System)と命名している。これを直訳すると「遠隔操縦航空機システム」であり、空中及び水中で、遠隔又は予め入力された航法システムによって、人を乗せずに活動が可能なシステムを総称する。
【0005】
知能型ドローンとは、従来のドローンのように、単に入力される航法座標や遠隔操縦のみに依存するのではなく、種々のセンサやカメラなどの付加的なモジュールを取り付け、自ら事物を認識、又は状況を判断して障害物を回避したり、データを記録したりするなど、ドローンが自ら制御状況を判断し、予め入力された任務以外の追加的な動作を行うことができるシステムを意味する。
【0006】
通常、ドローンを制御するためには、可視距離内でRC無線操縦手段を用いるか、LTE又はWifi無線通信が可能な端末を取り付け、地上局の管制システムと連動して遠隔操縦制御をする。知能型ドローンに該当する遠隔操縦制御では、LTE通信手段を適用する場合、コストの問題が発生し、Wifi通信手段を適用する場合には、ドローンの任務を行うための飛行可能な範囲領域が制限されるという問題がある。
【0007】
一例として、LTE通信手段を適用してドローンからHD級の映像データを受信する場合、1時間使用時、1G以上のデータを用いることになる。
【0008】
また、戦時状況や、悪天候、災難状況、悪意的な無線妨害(radio jamming)などでは、LTE又はWifi無線通信の円滑な使用が困難であるだけでなく、水中ドローンの場合、水中では地上のように電波を用いることができないため、水中ではドローンと地上局との間の通信が全くない状態であって、必ずドローンを地上に移動させてから地上局との間の通信を行うことになる。
【0009】
これに関連して、韓国登録特許第10-2004908号公報(「水中ドローンを用いた水上太陽光設備の水中構造物点検システム、及びそれを用いた水中構造物の点検方法」)では、超音波送受信機を用いて制御サーバとの通信を行う水中ドローンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国登録特許第10-2004908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、可視光無線通信を適用し、航空又は水中の知能型無人飛行体と地上局との間のリアルタイム通信を行う知能型無人飛行体の無線通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による知能型無人飛行体の無線通信システムは、無人飛行体10に設けられ、前記無人飛行体10に既設置のセンサから伝送されるセンシング情報を受けて、前記無人飛行体10の飛行動作及び飛行姿勢を制御する飛行制御モジュール100と、前記無人飛行体10に設けられ、伝送されたデータに基づいて任務飛行データを生成して前記飛行制御モジュール100に伝送するか、又は任務飛行を行いながら収集した飛行データ若しくは要請データを伝送する任務制御モジュール200と、前記無人飛行体10に設けられ、前記無人飛行体10と地上局(GCS:Ground Control System)20との間の通信を行う第1無線通信モジュール300と、前記地上局20に設けられ、前記無人飛行体10の任務飛行過程を管制する管制モジュール400と、前記地上局20に設けられ、前記地上局20と前記無人飛行体10との間の通信を行う第2無線通信モジュール500と、を備えて構成される。
【0013】
前記第1無線通信モジュール300及び前記第2無線通信モジュール500は、可視光無線通信(VLC:Visible Light Communication)を行い得る。
【0014】
前記第1無線通信モジュール300は、前記可視光無線通信のための送信手段310を含んで構成され、前記送信手段310は、前記任務制御モジュール200に連結されてデータを受信するトランシーバ部311と、受信した前記データに対して既設定の通信速度に合うように伝送速度のサンプリング制御を行うデータ処理部312と、サンプリング制御された前記データに基づいてLEDドライバを駆動させてLEDスイッチングによりデータを伝送するLEDスイッチング部313と、を更に含んで構成され得る。
【0015】
前記第1無線通信モジュール300は、前記可視光無線通信のための受信手段320を含んで構成され、前記受信手段320は、LEDのスイッチングデータを受信するレシーバ部321と、受信した前記スイッチングデータを増幅及び加工してデジタルに変換するデジタル変換部322と、変換データの有効性を検証して、検証されたデータを前記任務制御モジュール200に伝送可能なように処理するデータ処理部323と、処理データを前記任務制御モジュール200に伝送するトランシーバ部324と、を更に含んで構成され得る。
【0016】
前記第2無線通信モジュール500は、前記可視光無線通信のための送信手段510を含んで構成され、前記送信手段510は、前記管制モジュール400に連結されてデータを受信するトランシーバ部511と、受信した前記データに対して既設定の通信速度に合うように伝送速度のサンプリング制御を行うデータ処理部512と、サンプリング制御された前記データに基づいてLEDドライバを駆動させてLEDスイッチングによりデータを伝送するLEDスイッチング部513と、を更に含んで構成され得る。
【0017】
前記第2無線通信モジュール500は、前記可視光無線通信のための受信手段520を含んで構成され、前記受信手段520は、LEDのスイッチングデータを受信するレシーバ部521と、受信した前記スイッチングデータを増幅及び加工してデジタルに変換するデジタル変換部522と、変換データの有効性を検証して、検証されたデータを前記管制モジュール400に伝送可能なように処理するデータ処理部523と、処理データを前記管制モジュール400に伝送するトランシーバ部524と、を更に含んで構成され得る。
【0018】
前記第2無線通信モジュール500は、前記無人飛行体10との結合がなされる前記地上局20のドッキングステーション(docking station)に設けられ得る。
【0019】
前記管制モジュール400は、前記ドッキングステーションの外部又は内部に設けられ、前記第2無線通信モジュール500に無線又は有線で連結され得る。
【発明の効果】
【0020】
本発明の知能型無人飛行体の無線通信システムによれば、可視光無線通信を適用して、航空又は水中の知能型無人飛行体と地上局との間のリアルタイム通信を行うことができる利点がある。
【0021】
また、無人飛行体が離陸後に戻る着陸点に無線通信モジュール(受信モジュール)を設けることで、航空又は水中での任務飛行を行って戻る地点で、リアルタイムで可視光無線通信により管制システムとの自由なデータ送受信が可能である利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態による知能型無人飛行体の無線通信システムに適用される可視光無線通信の概要図である。
【
図2】本発明の一実施形態による知能型無人飛行体の無線通信システムを示した構成例示図である。
【
図3】本発明の一実施形態による知能型無人飛行体の無線通信システムを示した詳細構成例示図である。
【
図4】本発明の一実施形態による知能型無人飛行体の無線通信システムの送受信通信プロトコルの形式例示図である。
【
図5】本発明の一実施形態による知能型無人飛行体の無線通信システムの送信手段を示した動作例示図である。
【
図6】本発明の一実施形態による知能型無人飛行体の無線通信システムの受信手段を示した動作例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の知能型無人飛行体の無線通信システムを実施するための具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。以下で紹介する図面は、本発明の思想が当業者に十分に伝達されるように例として提供されるものである。従って、本発明は、以下で提示する図面に限定されず、他の形態で具体化され得る。また、明細書の全般に亘って同一の参照符号は同一の構成要素を示す。
【0024】
この際、用いられる技術用語及び科学用語は、別に定義しない限り、この発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が通常理解している意味を有するものであり、下記の説明及び図面において本発明の要旨を不明瞭にする可能性のある公知機能及び構成についての説明は省略する。
【0025】
尚、システムは、必要な機能を果たすために組織化され、規則的に相互作用する装置、ツール、及び手段などを含む構成要素の集合を意味する。
【0026】
本発明の一実施形態による知能型無人飛行体の無線通信システムは、航空ドローン又は水中ドローンである無人飛行体10が、地上局20の管制命令に従って離陸し、入力された航法に従って自律飛行(任務飛行)を行いながら写真撮影や地形認識などを行った飛行データを獲得し、予め指定された場所(一般に離陸地点)に戻って充電される間に、無人飛行体10に取り付けられた無線通信モジュールにより、無人飛行体10が獲得したデータを地上又は水中に設けられた無線通信モジュールにより格納手段に伝送する知能型無人飛行体の無線通信システムに関する。
【0027】
即ち、無人飛行体10に可視光無線通信を行う無線通信モジュールを取り付け、無人飛行体10に入力された経路(way-point)に従って任務飛行を行って復帰した後、着陸点で無線充電がなされる間に、収集したデータを可視光無線通信により地上局20とリアルタイムで通信する知能型無人飛行体の無線通信システムに関する。これにより、無人飛行体10が離陸後に戻る着陸点に無線通信モジュール(受信モジュール)を設けることで、航空又は水中での任務飛行を行って戻る地点で、リアルタイムで可視光無線通信により管制システムとの自由なデータ送受信が可能であるという利点がある。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態による知能型無人飛行体の無線通信システムに適用される照明のフリッカ(flicker)を利用したデータ通信、即ち可視光無線通信の概要図である。詳細に、可視光無線通信は、目に見える可視光帯の信号を近距離無線通信に利用する技術であって、照明に用いられる光を利用して情報を伝送又は交換する技術である。
【0029】
可視光無線通信は、800~900nmの波長を用いるIrDAに最も類似する波長を用いるが、照明と同時に通信できるという利点がある。
【0030】
そのため、本発明の一実施形態による知能型無人飛行体の統合制御システムの例として、航空ドローンは地上で離陸準備をする間に、又は水中ドローンは水中ドッキングステーションで任務遂行を待機する間に、地上局から可視光無線通信を利用して現在のドローンの電池状態、各種センサ(姿勢制御センサ、コンパスセンサ、カメラ、ジンバル、GPSなど)の動作状態及び異常有無の確認、格納されている任務飛行関連情報(Way-point、相対距離、地形を利用した任務指定など)の要請を受ける。
【0031】
ドローンは、可視光無線通信を利用して地上局が要請した情報を回信し、地上局でそれを確認及び点検し、任務飛行のための準備を終えた後、任務遂行を指示する。
【0032】
その後、任務飛行を終えた後に着陸点に復帰したドローンは、更に可視光無線通信を利用して現在の電池情報、飛行記録、飛行関連データなどを地上局に送信し、任務遂行結果に基づいて、次の任務飛行に必要な飛行関連情報を地上局から受信する。
【0033】
このような本発明の一実施形態による知能型無人飛行体の無線通信システムは、
図2に示したように、無人飛行体10に設けられている飛行制御モジュール100、任務制御モジュール200、第1無線通信モジュール300と、地上局20に設けられている管制モジュール400、第2無線通信モジュール500と、を含んで構成される。
【0034】
各構成について詳述すると、飛行制御モジュール100は、無人飛行体10に設けられる飛行制御装置モジュールであり、一般に、航空ドローン又は水中ドローンの飛行姿勢を制御する。即ちプロペラを駆動させ、飛行制御データ(RC無線データなど)を受信して姿勢を制御する動作を行う。このような飛行制御モジュール100は、上述のように、知能型無人飛行体であるため、無人飛行体10に予め設けられているセンサ(IMUセンサ、衝突検知センサなど)から伝送されるセンシング情報を受け、無人飛行体10の飛行動作及び飛行姿勢を制御する。
【0035】
この際、知能型無人飛行体は、地上局20から飛行制御データ(RC無線データなど)を受信するのではなく、予め任務飛行のための飛行経路データの入力を受けた後、飛行制御モジュール100により、無人飛行体10に予め設けられているセンサ(IMUセンサ、衝突検知センサなど)から伝送されるセンシング情報を受け、無人飛行体10の飛行動作及び飛行姿勢を制御する。
【0036】
任務制御モジュール200は、無人飛行体10に設けられる任務コンピュータモジュールであり、飛行制御モジュール100で行うことができない通信モジュールなどの付加装備を運営し、獲得されたカメラ映像データをリアルタイムで分析したり、地上局20との通信による任務データを生成したりする動作を行う。即ち、任務制御モジュール200は、地上局20から伝送されたデータを分析して任務飛行データを生成し、飛行制御モジュール100にそれを伝送することで、無人飛行体10の飛行動作及び飛行姿勢の制御がなされるようにしたり、任務飛行を行いながら収集した、即ち獲得した飛行データを地上局20に伝送可能なように変換したり、或いは地上局20から指示された要請データを地上局20に伝送可能なように変換する。
【0037】
第1無線通信モジュール300は、無人飛行体10に設けられ、より詳細には任務制御モジュール200と連動して無人飛行体10に設けられ、これにより無人飛行体10と地上局20との間のリアルタイム通信がなされる。第1無線通信モジュール300は、上述のように、可視光無線通信を行う。
【0038】
任務制御モジュール200と第1無線通信モジュール300とはシリアルインタフェース(Serial interface)又はイーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))で連結され、シリアルインタフェースの場合、プロトコル受信SWによりシリアルでデータが受信されると直ちにTX Queueに入れて伝達する。イーサネット(登録商標)の場合、予め格納されたIP設定により2つのモジュール間の通信が可能になる。
【0039】
管制モジュール400は、地上局20に設けられる管制ソフトウェアであり、無人飛行体10の任務飛行過程を管制、詳細には任務飛行のための飛行経路データを伝送したり、無人飛行体10から獲得した飛行データを受信してそれを分析して追加飛行経路データを伝送したり、或いは無人飛行体10の状態情報を要請してそれを受信して無人飛行体10が行うことが可能な任務飛行を分析したりするなど、多様な管制動作を行う。尚、管制モジュール400は、記録格納装置の動作を行うこともできる。
【0040】
第2無線通信モジュール500は、地上局20に設けられ、地上局20と無人飛行体10との間の通信を行う。第2無線通信モジュール500は、第1無線通信モジュール300と同様に、可視光無線通信を行う。
【0041】
尚、飛行制御モジュール100、任務制御モジュール200、及び第1無線通信モジュール300は、何れも無人飛行体10に設けられるため、広い意味で無人飛行体10というハウジング内に含まれる。
【0042】
しかし、管制モジュール400と第2無線通信モジュール500とは、場合によって、無線又は有線で連結され、相互に遠距離に位置してもよい。
【0043】
一例として、第2無線通信モジュール500は、無人飛行体10が水中ドローンである場合には、水中に位置しているドッキングステーション内に設けられ、無人飛行体10が航空ドローンである場合には、着陸地に位置しているドッキングステーション内に設けられるが、管制モジュール400は、これらから遠距離に位置することもできる。
【0044】
特に、水中ドローンである場合、第2無線通信モジュール500は、水中に位置しているドッキングステーション内に設けられるが、管制モジュール400は、ドッキングステーションに予め備えられているイーサネット(登録商標)やシリアルインタフェースなどを介して連結され、第2無線通信モジュール500とリアルタイムに連結されることで、無人飛行体10と地上局20との間のリアルタイム通信を行うことができる。
【0045】
無人飛行体10と地上局20とは、単方向通信ではなく双方向通信が要求されるため、第1無線通信モジュール300と第2無線通信モジュール500とは、
図3に示したように、それぞれの送信手段(310、510)及び受信手段(320、520)を含んで構成される。
【0046】
図4は、知能型無人飛行体10と地上局20との間で送受信される通信プロトコル形式を示した例示図である。一般に、装置間の伝送に用いられる形式として、プロトコルの開始を知らせるSTX、ヘッダ情報、及び実際の制御命令と、応答内容が含まれるPAYLOAD、プロトコルの完全性のためのCheck Sumデータとで構成される。
【0047】
プロトコルのヘッダデータを除き、PAYLOADデータに基づいて通信を実現することでデータ量を最小化することにより、データの伝送速度を効率的に向上させることもできる。
【0048】
先ず、第1無線通信モジュール300について述べると、送信手段310は、可視光無線通信のための手段であり、
図3に示したように、トランシーバ部311、データ処理部312、及びLEDスイッチング部313を含んで構成される。
【0049】
図5を参照して説明すると、トランシーバ部311は、PHYトランシーバを含んで構成され、任務制御モジュール200に連結されて、任務制御モジュール200からRX Queueに入っているデータを受信する。
【0050】
データ処理部312は、受信したデータに対して、予め設定された通信速度に合うように伝送速度のサンプリング制御を行う。詳細には、伝送速度のサンプリング制御は、可視光無線通信の場合、物理的にLEDをスイッチングする速度に対する限界と共に、データ伝送時における安定性を保証するために行われ、例えば、可視光無線通信の伝送速度が115,200~1,500,000bpsである場合、物理的なデータ伝送最大速度は、LED駆動ドライバの速度及びLEDスイッチング速度に応じて、イーサネット(登録商標)が提供する速度まで実現することができる。
【0051】
LEDスイッチング部313は、サンプリング制御されたデータに基づいてLED駆動ドライバを駆動させ、LEDスイッチングにより、任務制御モジュール200から地上局20に伝送しようとするデータを伝送する。
【0052】
第1無線通信モジュール300の受信手段320は、可視光無線通信のための手段であり、
図3に示したように、レシーバ部321、デジタル変換部322、データ処理部323、及びトランシーバ部324を含んで構成される。
【0053】
図6を参照して説明すると、レシーバ部321は、一般に、フォトダイオード(Photo diode)を含んで構成されるが、太陽光パネル(Solar panel)を含んで構成されてもよい。レシーバ部321は、LEDのスイッチング信号を受信する。
【0054】
デジタル変換部322は、受信したスイッチング信号を増幅及び加工して、デジタルデータに変換する。
【0055】
データ処理部323は、プロトコル受信SWにより、変換したデータの有効性を検証し、検証されたデータを任務制御モジュール200に伝送可能なように処理する。詳細には、検証されたデータはTX Queueに伝達され、TX Queueに入っているプロトコルデータを加工してトランシーバ部324に伝送し、任務制御モジュール200に連結されているシリアルインタフェース又はイーサネット(登録商標)を介してデータを伝送する。
【0056】
尚、第2無線通信モジュール500について述べると、第1無線通信モジュール300の送信手段310及び受信手段320と動作は同様であるが、第2無線通信モジュール500は、管制モジュール400に連結される。
【0057】
そのため、送信手段510は、可視光無線通信のための手段であり、
図3に示したように、トランシーバ部511、データ処理部512、及びLEDスイッチング部513を含んで構成される。
【0058】
図5を参照して説明すると、トランシーバ部511は、PHYトランシーバを含んで構成され、管制モジュール400に連結されて、RX Queueに入っているデータを管制モジュール400から受信する。
【0059】
データ処理部512は、受信したデータに対して、予め設定された通信速度に合うように伝送速度のサンプリング制御を行う。詳細には、伝送速度のサンプリング制御は、可視光無線通信の場合、物理的にLEDをスイッチングする速度に対する限界と共に、データ伝送時における安定性を保証するために行われ、例えば可視光無線通信の伝送速度が115,200~1,500,000bpsである場合、物理的なデータ伝送最大速度は、LED駆動ドライバの速度及びLEDスイッチング速度に応じて、イーサネット(登録商標)が提供する速度まで実現することができる。
【0060】
LEDスイッチング部513は、サンプリング制御されたデータに基づいてLED駆動ドライバを駆動させ、LEDスイッチングにより、管制モジュール400から無人飛行体10に伝送しようとするデータを伝送する。
【0061】
第2無線通信モジュール500の受信手段520は、可視光無線通信のための手段である、
図3に示したように、レシーバ部521、デジタル変換部522、データ処理部523、及びトランシーバ部524を含んで構成される。
【0062】
図6を参照して説明すると、レシーバ部521は、一般にフォトダイオード(Photo diode)を含んで構成されるが、太陽光パネル(Solar panel)を含んで構成されてもよい。レシーバ部521は、LEDのスイッチング信号を受信する。
【0063】
デジタル変換部522は、受信したスイッチング信号を増幅及び加工して、デジタルデータに変換する。
【0064】
データ処理部523は、プロトコル受信SWにより変換したデータの有効性を検証し、検証されたデータを管制モジュール400に伝送可能なように処理する。詳細には、検証されたデータはTX Queueに伝達され、TX Queueに入っているプロトコルデータを加工してトランシーバ部524に伝送し、管制モジュール400にデータを伝送する。
【0065】
このような本発明の一実施形態による知能型無人飛行体の統合制御システムは、無人飛行体の遠隔制御に活用されるRadio TelemetryシステムやLTE通信装置などが無人飛行体に備えられていない場合や、無線通信が使用不可能な水中ドローンの場合に最も好適であるが、これに限定されるものではない。
【0066】
但し、地上ドローンは、Radio Telemetry、LTEなどの近距離、遠距離通信手段を利用して遠隔制御を行う場合、無線妨害やLTE通信が不可能な状況など、通信途絶状態が発生する可能性が非常に高く、水中ドローン(潜水艦のような特殊軍事用装備以外)の場合はリアルタイム通信が全くないのに対し、本実施形態による知能型無人飛行体の統合制御システムは、如何なる環境でも自律飛行及び遠隔管制が可能であるという利点がある。
【0067】
以上のように、本発明では、具体的な構成素子などのような特定事項と、限定された実施形態について図面を参照しながら説明したが、これは、本発明のより全般的な理解のために提供するものにすぎず、本発明は上記の一実施形態に限定されない。本発明が属する分野において通常の知識を有する者であれば、このような記載から多様な修正及び変形が可能である。
【0068】
従って、本発明の思想は、上述の実施形態に限定して決めてはならず、特許請求の範囲だけでなく、特許請求の範囲と均等又は等価的変形のある全てのものなどが、本発明の思想の範疇に属するといえる。
【符号の説明】
【0069】
10 無人飛行体
20 地上局
100 飛行制御モジュール
200 任務制御モジュール
300 第1無線通信モジュール
310 送信手段
311 トランシーバ部
312 データ処理部
313 LEDスイッチング部
320 受信手段
321 レシーバ部
322 デジタル変換部
323 データ処理部
324 トランシーバ部
400 管制モジュール
500 第2無線通信モジュール
510 送信手段
511 トランシーバ部
512 データ処理部
312 LEDスイッチング部
520 受信手段
521 レシーバ部
522 デジタル変換部
523 データ処理部
524 トランシーバ部
【国際調査報告】