(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-29
(54)【発明の名称】ガラスのための封止アセンブリ、封止型ガラス及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
C03C 27/12 20060101AFI20221121BHJP
B29C 45/14 20060101ALI20221121BHJP
【FI】
C03C27/12 Z
B29C45/14
C03C27/12 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022505596
(86)(22)【出願日】2020-09-23
(85)【翻訳文提出日】2022-01-27
(86)【国際出願番号】 CN2020117058
(87)【国際公開番号】W WO2021057775
(87)【国際公開日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】201910910659.3
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】500374146
【氏名又は名称】サン-ゴバン グラス フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】マー スートン
(72)【発明者】
【氏名】ルイ ティエリー
【テーマコード(参考)】
4F206
4G061
【Fターム(参考)】
4F206AA11
4F206AA13
4F206AA15
4F206AA24
4F206AA31
4F206AA45
4F206AD04
4F206AH17
4F206JA07
4F206JB12
4F206JL02
4G061AA13
4G061BA01
4G061BA02
4G061BA03
4G061CB03
4G061CD02
4G061CD16
4G061CD18
(57)【要約】
本開示は、機能性ガラスのための封止アセンブリ、封止型ガラス及びその製造方法を提供する。封止アセンブリは、機能性ガラスのエッジに配置された本体;及び本体に埋め込まれ、又は本体の表面に配置されて、かつ機能性ガラス上の機能モジュールに電気的に接続された導電性モジュールを含む。本開示の実施形態による、機能性ガラスのための封止アセンブリから封止型ガラスを形成するプロセスは、複雑な製造工程を省略し、材料を節約し、したがってコストを削減することができる。ガラス内の機能モジュールの簡単で安定した制御も実現できる。更に、前述のガラスから封止型ガラスを形成することが遥かにより容易であり、これによりガラスの取り付けが容易になる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能性ガラス(201)のエッジに配置された本体(101);及び
前記本体(101)に埋め込まれ、又は前記本体(101)の表面に配置されて、かつ前記機能性ガラス(201)上の機能モジュールに電気的に接続された導電性モジュール(102)
を含む、機能性ガラスのための封止アセンブリ(100)。
【請求項2】
前記導電性モジュール(102)が、導電性配線(1021)及びポリマーマトリックス(1022)を含み、
前記導電性配線(1021)が、前記ポリマーマトリックス(1022)上に形成されている、
請求項1に記載の封止アセンブリ(100)。
【請求項3】
前記導電性モジュール(102)が、前記機能モジュール、外部電源モジュール、外部信号モジュール、及び/又は電子部品(103)に結合されたインターフェースを含む、請求項1又は2に記載の封止アセンブリ(100)。
【請求項4】
前記インターフェースが、コネクタ又はインターフェース回路を含む、請求項3に記載の封止アセンブリ(100)。
【請求項5】
前記機能モジュールの機能の制御を可能にするために、前記導電性モジュール(102)を介して前記機能モジュールに電気的に接続された電子部品(103)を更に含む、請求項1又は2に記載の封止アセンブリ(100)。
【請求項6】
前記電子部品(103)が、表面実装技術(SMT)又はデュアルインラインパッケージング(DIP)技術を介して前記本体(101)又は前記ポリマーマトリックス(1022)の上に配置されて、前記導電性配線と電気的に接続されている、請求項5に記載の封止アセンブリ(100)。
【請求項7】
前記電子部品(103)が、マイクロコントローラー、電圧変換器、及び/又はバストランシーバーの少なくとも1つを含む、請求項5に記載の封止アセンブリ(100)。
【請求項8】
前記電圧変換器が、直流(DC-DC)変換器又は直流交流(DC-AC)変換器を含む、請求項7に記載の封止アセンブリ(100)。
【請求項9】
前記バストランシーバーが、コントローラーエリアネットワーク(CAN)バストランシーバー及びローカル相互接続ネットワーク(LIN)バストランシーバーの少なくとも1つを含む、請求項7に記載の封止アセンブリ(100)。
【請求項10】
前記本体(101)が、射出成形によって形成されている、請求項1に記載の封止アセンブリ(100)。
【請求項11】
前記本体(101)が、熱可塑性エラストマー(TPE)材料、塩化ポリビニル(PVC)材料又はポリウレタン(PU)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンプラスチック(ABS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、及び熱可塑性加硫物(TPV)材料の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の封止アセンブリ(100)。
【請求項12】
以下を含む、封止型ガラス(200):
その中に又はその上に配置された機能モジュールを含む機能性ガラス(201);及び
前記封止型ガラス(200)を形成するために前記機能性ガラス(201)に取り付けられた、請求項1~11のいずれか一項に記載の封止アセンブリ(100)。
【請求項13】
前記機能モジュールが、色の変更、透明度の調整、照明、ディスプレイ、タッチ、太陽光発電、暖房、又は通信の少なくとも1つの機能を提供するために使用される、請求項12に記載の封止型ガラス(200)。
【請求項14】
機能性ガラス(201)及び導電性モジュール(102)を提供すること、前記導電性ガラス(201)が機能モジュールを含み、かつ前記導電性モジュール(102)が前記機能モジュールに電気的接続に使用され;
前記機能性ガラス(201)を型の適切な位置に配置すること;
前記導電性モジュール(102)を前記型に配置し、それによって、その後で、前記導電性モジュールが、射出成形によって形成された本体(101)に埋め込まれ、又は射出成形によって形成された前記本体(101)の表面に配置されるようにすること;及び
射出成形によって前記本体(101)を形成すること
を含む、封止型ガラス(200)の製造方法。
【請求項15】
前記導電性モジュール(102)を提供する工程が、ポリマーマトリックス(1022)上に導電性配線(1021)を形成することを含む、請求項14に記載の製造方法。
【請求項16】
前記ガラス(201)のエッジに前記本体(101)を形成する前に、電気部品(103)を前記導電性モジュール(102)に電気的に接続することを更に含む、請求項14に記載の製造方法。
【請求項17】
前記ガラス(201)のエッジに前記本体(101)を形成した後に、電気部品(103)を前記導電性モジュール(102)に電気的に接続することを更に含む、請求項14に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、封止型ガラスに関し、より具体的には、ガラスのための封止アセンブリ及び封止型ガラスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
産業(例えば、自動車産業)の継続的な発展に伴い、ガラスにますます多くの機能を統合させる必要が生じている。例えば、一部の自動車用ガラスは、周囲環境(例えば、温度等)の変化に応じて、色及び透明度を調整するために、色変更又は透明度調整の機能と統合されている。照明、ディスプレイ、タッチ、アンテナ、暖房等の機能と統合されたガラスもある。色変更又は透明度調整の機能を備えたガラスについては、現在、一部の自動車ガラスは、合わせガラスに配置してポリマー分散液晶(PDLC)を用いている。PDLCは、エレクトロクロミック又は電気的に誘発された透明性の特性を有するので、PDLCを使用する合わせガラスでは、チップを介してPDLC層に印加される電圧等の制御パラメータを制御することにより、合わせガラスの透明度を調整することができ、それによってプライバシー保護等の目的を達成することができる。
【0003】
現在、PDLC等の機能モジュールを制御するための電子部品(例えば、チップ)は、通常、封止型ガラス(encapsulated glass)とは独立して回路基板上に配置されている。回路基板は、複雑な配線又はコネクタを介して、ガラスの機能モジュール、外部電源モジュール、及び外部データモジュールに接続されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子部品を備えたガラス用の従来の封止アセンブリ(encapsulation assembly)は、複雑な配線、組み立て及び処理の困難さ等の問題を抱えている。本開示の実施形態は、ガラスの封止アセンブリを提供し、従来のガラスの封止アセンブリにおける上記の問題及び他の潜在的な問題を解決、又は少なくとも部分的に解決する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様では、ガラスのための封止アセンブリが提供される。前記封止アセンブリは、機能性ガラスのエッジに配置された本体;及び前記本体に埋め込まれ、又は前記本体の表面に配置されて、かつ前記機能性ガラス上の機能モジュールに電気的に接続された導電性モジュールを含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、前記導電性モジュールが、導電性配線及びポリマーマトリックスを含み、前記導電性配線が、前記ポリマーマトリックス上に形成されている。
【0007】
いくつかの実施形態では、前記導電性モジュールが、前記機能モジュール、外部電源モジュール、外部信号モジュール、及び/又は電子部品に結合されたインターフェースを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記インターフェースが、コネクタ又はインターフェース回路を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、前記封止アセンブリが、前記機能モジュールの機能の制御を可能にするために、前記導電性モジュールを介して前記機能モジュールに電気的に接続された電子部品を更に含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、前記電子部品が、表面実装技術(Surface Mount Technology)又はデュアルインラインパッケージング技術(Dual In-line Packaging technology)を介して前記本体又は前記ポリマーマトリックスの上に配置され、前記導電性配線と電気的に接続されている。
【0011】
いくつかの実施形態では、電子部品が、マイクロコントローラー、電圧変換器、及び/又はバストランシーバーの少なくとも1つを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記電圧変換器が、直流変換器又は直流交流変換器を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記バストランシーバーが、コントローラーエリアネットワークバストランシーバー及びローカル相互接続ネットワークバストランシーバーの少なくとも1つを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、前記本体が、射出成形によって形成されている。
【0015】
いくつかの実施形態では、前記本体が、熱可塑性エラストマー材料、塩化ポリビニル材料又はポリウレタン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンプラスチック、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、及び熱可塑性加硫物材料の少なくとも1つを含む。
【0016】
本開示の第2の態様において、封止型ガラスが提供される。前記封止型ガラスが、以下を含む:その中に又はその上に配置された機能モジュールを含む機能性ガラス;及び前記封止型ガラスを形成するために前記機能性ガラスに取り付けられた、第1の態様の封止アセンブリ。
【0017】
いくつかの実施形態では、前記機能モジュールが、色の変更、透明度の調整、照明、ディスプレイ、タッチ、太陽光発電、暖房、又は通信の少なくとも1つの機能を提供するために使用される。
【0018】
本開示の第3の態様において、封止型ガラスの製造方法が提供される。前記製造方法が以下を含む:機能性ガラス及び導電性モジュールを提供すること、前記導電性ガラスが機能モジュールを含み、かつ前記導電性モジュールが前記機能モジュールに電気的接続に使用され;前記機能性ガラスを型の適切な位置に配置すること;前記導電性モジュールを前記型に配置し、それによって、その後で、前記導電性モジュールが、射出成形によって形成された本体に埋め込まれ、又は射出成形によって形成された前記本体の表面に配置されるようにすること;及び射出成形によって前記本体を形成すること。
【0019】
いくつかの実施形態では、前記導電性モジュールを提供する工程が、ポリマーマトリックス上に導電性配線を形成することを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、前記製造方法が、前記ガラスのエッジに前記本体を形成する前に、電気部品を前記導電性モジュールに電気的に接続することを更に含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、前記製造方法が、前記ガラスのエッジに前記本体を形成した後に、電気部品を前記導電性モジュールに電気的に接続することを更に含む。
【0022】
この概要は、以下に詳細な説明で更に説明される簡略化された形式で概念の選択を紹介するために提供されている。この概要は、本開示の主要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、また、本開示の範囲を制限するために使用されることを意図するものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
添付の図面を参照した本開示の例示的な実施形態の以下の詳細な説明を通じて、本開示の上記及び他の目的、特徴、及び利点は、より明らかになるであろう。ここで、図面では、同じ参照符号は一般的に同じ要素を表す。
【
図1】
図1は、本開示の実施形態による封止型ガラスの斜視図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施形態による導電性モジュールの概略図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施形態による封止型ガラスの製造方法のフローチャートを示す図である。
【0024】
図面全体を通して、同一又は類似参照符号は、同一又は類似の要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、いくつかの例示的な実施態様を参照して、本開示を詳細に説明する。本開示のこれらの実施形態は、本開示の技術的解決策の範囲に限定を示唆することなく、当業者が本開示をよりよく理解し、したがって本開示を実行することを可能にするために提供されることを理解されたい。
【0026】
本明細書で使用される場合、「含む」という用語及びその変形は、「含むが、これに限定されない」を意味する開放型専門用語として読まれるべきである。「に基づく」という用語は、「少なくとも部分的に基づく」と解釈されるべきである。「一の実施形態」及び「実施形態」という用語という用語は、「少なくとも1つの実施形態」として読まれるべきである。「他の実施形態」という用語は、「少なくとも他の実施形態」として読まれるべきである。「第1」、「第2」等の用語は、異なる又は同じ対象を指すことができる。明示的又は暗黙的のいずれかの他の定義は、以下に含まれ得る。用語の定義は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、仕様全体を通して一貫している。
【0027】
封止アセンブリを備えたガラス(すなわち、封止型ガラス)の使用は、より頻繁に車両(例えば、自動車、電車、又は航空機)に適用され、技術開発の現在の傾向である。封止型ガラスは、優れたシール性能を提供し、ガラスの組み立てを容易にするだけでなく、組み立て後に望ましい結合強度を維持することもできる。更に、封止型ガラスは、それが交換される必要があるときに便利な交換の利点を有する。
【0028】
例えば、技術の継続的な開発により、ガラスには様々な追加機能が提供される。例えば、プライバシー保護が必要な状況では、必要に応じて透明度を調整できるガラスを提供することが期待される。ガラスには、必要に応じて色を調整できる合わせガラスを形成するための色変化層を設けることもできる。上記の機能に加えて、ガラスは、照明、ディスプレイ、タッチ、アンテナ、太陽光発電、暖房等の他の機能と統合することができる。更に、一部のガラスは、圧力、温度等を感知するための感知部材(例えば、センサー等)と統合されている。
【0029】
これらの機能を達成するために、追加の電子部品は、ガラス内の機能モジュールと、ガラス外の電源やデータモジュール等の外部モジュールとを接続する必要がある。これらの電子部品は通常、封止型ガラスとは独立して回路基板上に配置される。回路基板は、複雑な配線を介してガラスの機能モジュールを外部電源又は制御モジュールに接続する。
【0030】
例えば、従来の解決策は、ガラスの機能モジュールを制御するための電気入力を自動車の電子制御ユニットに接続するために平らな金属コネクタを使用することを含み、ここでは、コネクタの溶接接続を必要とする可能性がある。一方では、コネクタを使用する対策は、嵩張る封止構造をもたらす。他方では、従来の解決策は、追加の材料及び溶接等の追加のプロセスを必要とする。加えて、このタイプの解決策はまた、封止型ガラスの製造を阻害する。
【0031】
更に、そこに含まれる複雑な配線は、ガラスの設置中の取り付けの難しさを更に増大させ、したがって、取り付け効率に影響を与える。このような配線は、封止型ガラスとは独立しているため、ガラスを組み立てるときに断線等の問題が発生しやすく、ユーザーエクスペリエンスが低下する。
【0032】
本開示の実施形態は、機能性ガラスのための封止アセンブリ100を提供し、導電性モジュール102を封止アセンブリ100の本体101に統合して、従来の封止アセンブリ及び封止型ガラスの上述の問題及び/又は他の潜在的な問題を解決又は少なくとも部分的に解決する。ここで、いくつかの例示的な実施形態を、
図1から
図2までを参照して説明する。
【0033】
図1に示されているように、本開示の実施形態による封止アセンブリ100は、一般的に、機能性ガラス201のエッジに配置された本体101、及び導電性モジュール102を含む。本明細書で使用される機能性ガラス201は、例えば、自動車のドアガラス、サンルーフガラス、コーナーウィンドウガラス及び/又はフロントガラスガラス等の乗り物のガラスであってよい。機能性ガラス201は、他の産業又は技術に適用されるガラスであり得ることを理解されたい。機能性ガラス201は、機能モジュールを含む。例えば、いくつかの実施形態では、機能性ガラス201は、合わせガラスであってよく、そして機能モジュールは、ガラスの2つの層の間に挟まれてよい。勿論、いくつかの代替の実施形態では、機能性ガラス201は、強化ガラスであってよく、そして機能モジュールは、ガラスの表面に取り付けられる。機能モジュールは、以下の機能のうちの少なくとも1つを提供することができる:色の変化、透明度の調整又は加熱。
【0034】
勿論、機能モジュールによって提供される複数の機能のうちの少なくとも1つに関する上記の実施形態は、本開示の範囲に関する制限を示唆することなく、単に例示の目的のためであることが理解されるべきである。任意の他の適切なモジュール又は配置が実行可能である。 例えば、いくつかの代替の実施形態では、機能モジュールはまた、ガラスの外側又は上に配置された通信機能を提供するためのモジュールであってよい。
【0035】
いくつかの他の代替の実施形態では、機能ガラス201内の機能モジュールを使用して、ディスプレイ(例えば、LDCスクリーンによる)、照明、タッチ、光起電発電等の機能を提供することができる。乗り物に適用されることに加えて、本開示の機能性ガラスは更に、建築用ガラス、ショーケースガラス、電子製品に使用される液晶ガラス等であってよい。更に、前述のように、機能モジュールによって提供される様々な機能は、ガラスの層間又はガラス表面上の様々な層、モジュール、又はセンサーによって実装され得る。様々な機能を実施するためにガラス上に配置するのに適した他のモジュールは、本開示の範囲によってカバーされることを理解されたい。
【0036】
機能性ガラスのための封止アセンブリは、射出成形によって機能性ガラス201のエッジに形成することができ、その特定のプロセスを以下に更に説明する。しかしながら、機能性ガラス201の封止アセンブリ100は、事前に形成され、次いで、接着、スナップフィット接続等によってガラス201に取り付けられて、封止型ガラスを形成し得ることが理解されるべきである。更に、本明細書で使用されるエッジは、狭義の、ガラスの延長面の境界の近接を指す場合がある。いくつかの代替の実施形態では、エッジは、広義のガラスの外側輪郭上の任意の位置、例えば、ガラスの延長面の境界に隣接する任意の位置、ガラスの延長面の中心に隣接する任意の位置、又はそれらの間の任意の位置を指すことができる。
【0037】
機能性ガラスのための従来の封止アセンブリと対照的に、本開示の実施形態による機能性ガラス201の封止アセンブリ100は、本体101内又は本体101の表面に配置されて、かつ機能モジュールに電気的に接続された導電性モジュール102を含む。
【0038】
機能モジュールに電気的に接続された導電性モジュール102を封止アセンブリ100の本体101に統合することにより。機能性ガラスの機能モジュールが接続されるときに複雑な配線がもはや必要とされず、それによって、機能性ガラスをより便利に所望の位置に取り付けることができる。更に、配線が不要になるため、組立工程で発生する可能性のある断線等の問題が解消され、それによって、機能モジュールの安定性やユーザーエクスペリエンスを向上させることができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、導電性モジュール102は、導電性配線1021及びポリマーマトリックス1022を含んでよい。本明細書で使用される導電性配線1021は、電気的に接続された任意の金属ワイヤ又は金属線、あるいはマトリックス上に印刷された任意の導電性線を指し得る。例えば、いくつかの実施形態では、導電性配線1021は、例えば、印刷技術等によってポリマーマトリックス1022上に配置され得る。そして、導電性配線1021を備えたポリマーマトリックス1022は、ガラスの封止アセンブリ100の製造中に封止部101に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、導電性モジュール102の本体101への取り付けを容易にするために、ポリマーマトリックス1022は、フィルムの形態であってよく、すなわち、ポリマーマトリックス1022は、ポリマーフィルムであってよい。
【0040】
更に、導電性配線1021がポリマーマトリックス1022上に配置され、次いで本体101に取り付けられる実施形態は、本開示の範囲に関する制限を示唆することなく、単に例示の目的のためであり、他の適切な方法が実行可能であることを理解されたい。例えば、いくつかの代替の実施形態では、導電性配線1021は、適切な方法で本体101の適切な位置に直接配置される。
【0041】
いくつかの実施形態では、封止アセンブリ100は、電子部品103を含むことができる。電子部品103は、導電性モジュール102を介して機能性ガラス201の機能モジュールに電気的に接続されている。電子部品103は、機能モジュールの機能を制御するために使用することができる。電子部品103は、様々な形態のものであってよく、これについては、以下で更に説明する。
【0042】
封止アセンブリ100が電子部品103を含む実施形態は、本開示の範囲に関していかなる制限も示唆することなく、単に例示の目的のためであることが理解されるべきである。任意の他の適切な方法又は配置が実行可能である。例えば、いくつかの他の代替の実施形態では、封止アセンブリ100は、電子部品103を含まなくてもよい。例えば、導電性モジュール102は、機能モジュールの様々な機能を制御するために、自動車等の制御システムに直接接続することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、導電性モジュール102が本体101に取り付けられる前に、電子部品103が導電性モジュール102に取り付けられてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、電子部品103は、表面実装技術(SMT)を使用して、導電性配線1021を備えたポリマーマトリックス1022上に配置され得る。いくつかの代替の実施形態では、電子部品103は、デュアルインラインパッケージ(DIP)技術を使用してポリマーマトリックス1022上に配置され得る。このようにして、電子部品103は、機能モジュールに電気的に接続されて、機能モジュールの様々な機能の制御を可能にすることができる。
【0044】
勿論、導電性モジュール102が本体101に取り付けられる前に電子部品103が導電性モジュール102に取り付けられ得る実施形態は、本開示の範囲に関する制限を示唆することなく、単に例示の目的のためであることが理解されるべきである。任意の他の適切なプロセス又は配置が実行可能である。例えば、いくつかの代替の実施形態では、封止型ガラス200又は封止アセンブリ100の製造プロセスにおいて、導電性モジュール102が取り付けられた本体101が形成された後、電子部品103は、SMT、DIP等を使用して本体101に取り付けることができる。この製造プロセスにより、障害が発生した場合に電子部品を便利に保守又は交換することができ、これにより、メンテナンス効率が向上する。
【0045】
前述のように、本体101は、機能性ガラス201が乗り物や電子デバイス等の所望の位置に取り付けられることを可能にするために、機能性ガラス201に取り付けられたフレーム構造であり得る。いくつかの実施形態では、本体101は、
図1に示されるように、射出成形によって機能性ガラス201の周りに形成され得る。例えば、射出成形中に、機能性ガラス201及び/又は導電性モジュール102を最初に型内の適切な位置に配置し、次に、例えば熱可塑性エラストマー(TPE)材料、塩化ポリビニル(PVC)材料又はポリウレタン(PU)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンプラスチック(ABS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、及び熱可塑性加硫物(TPV)材料等の少なくとも1つ材料を型内に注入して、ガラスの封止アセンブリ100を形成する。
【0046】
上記のように、上記の材料の少なくとも1つとは、例えば密封、固定等の異なる機能を果たすために、それらの材料のうちの2つ以上を順次又は異なる工程で型に注入することを指す場合があることを理解されたい。いくつかの代替の実施形態では、これらの材料のうちの2つ以上を、混合させた後に型に注入してよい。
【0047】
勿論、本体101が機能性ガラス201のフレームとして機能する実施形態は、本開示の範囲に関していかなる制限も示唆することなく、単に例示の目的のためであるということも理解されるべきである。任意の他の適切な構造又は配置が実行可能である。例えば、いくつかの代替の実施形態では、本体101は、ガラスのエッジに配置され、導電性モジュール102を備えたフィルム又はバンプ構造であってよい。このような配置により、ガラスの封止アセンブリ100、及び封止型ガラスでさえ、より多くの機会に適用されうる。例えば、フレーム構造が必要とされない場合(すなわち、構造的観点からみることができるのはガラスだけ)、導電性モジュール102を有する本体101(例えば、フィルム状又はバンプ構造の本体)を備えたガラスは、所望の位置に直接取り付けることができる。
【0048】
言い換えれば、本明細書で使用される本体101は、導電性モジュールを配置するための任意の適切な部材を指してよい。本体101は、ガラスの封止アセンブリ100の製造中に、ガラスの封止アセンブリ100と一体的に形成され得る。上記の条件を満たす任意の適切な本体101は、本開示の範囲内である。
【0049】
導電性モジュールは、インターフェースを有してよい。導電性配線1021は、インターフェースと機能モジュール内のコネクタ又はインターフェース回路とを介して機能モジュールに結合することができる。このようにして、電子部品103は、導電性配線1021を介して機能モジュールを制御することができる。更に、制御を実行するために、導電性配線1021は、いくつかの実施形態では、外部電源モジュール(例えば、電源)、外部信号モジュール、又は電子部品103に結合されたインターフェースを更に含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、本明細書で言及される外部信号モジュールは、コマンド信号を電子部品103に送信し、及び/又は電子部品103からフィードバック信号を受信することができる外部制御ユニットを指すことができる。例えば、封止アセンブリ100が自動車のガラスに適用される場合、外部信号モジュールは、自動車の様々な機能を制御するための自動車の制御ユニットであり得る。勿論、いくつかの代替の実施形態では、外部信号モジュールは、センサー信号を送信するか、又は制御信号を受信するためのセンサーユニットであり得る。例えば、外部信号モジュールはまた、機能モジュールの機能を制御するために、温度信号を電子部品103又は自動車の制御ユニットに送信するための温度センサーであり得る。更に、電子部品103に結合されたインターフェースは、チップ等の電子部品103の挿入を容易にするためのスロットを指すことができる。
【0051】
導電性モジュール102及び機能モジュールのインターフェースは、コネクタ又はインターフェース回路であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、コネクタは、外部電源のプラグの挿入を可能にする2ピンソケットであり得る。このようにして、導電性モジュール102、電子部品103、及び外部電源モジュール又は外部信号モジュールをより便利に電気的に接続することができる。勿論、いくつかの代替の実施形態では、インターフェースはまた、インターフェース回路のみであってよく、外部電源モジュール又は制御モジュールは、適切な方法(例えば、SMT等)でインターフェース回路に結合されてよい。例えば、インターフェース回路は、導電性配線1021と統合された又は電気的に接続されたピンを指すことができる。この方式によれば、より高度な統合及び遥かに単純な構造が実現される。
【0052】
勿論、上記のような有線接続の他に、インターフェースは無線接続インターフェースを指すことができることが理解されたい。換言すれば、インターフェースはまた、無線接続方式で外部電源モジュール又は外部信号モジュールと通信することができる。例えば、いくつかの実施形態では、インターフェースは、電磁誘導技術を使用してワイヤレス電力伝送を実装することができる。いくつかの代替の実施形態では、インターフェースは、ブルートゥース、WiFi等を介して機能モジュールを制御するためのデータの送信を実施することができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、機能モジュールを制御するために、変動する電圧信号を機能モジュールに印加する必要がある。例えば、ポリマー分散液晶(PDLC)層の透明度を調整する必要がある場合、PDLC層に異なる電圧を印加する必要がある。それらの実施形態では、電子部品103は、少なくとも、マイクロ波、及び直流(DC-DC)変換器又は直流交流(DC-AC)及び/又はDC可変DC変換器を含み得る。例えば、電子部品は、例えば、自動車電源の外部電源モジュールから供給される直流に結合することができる。機能モジュールの必要性に応じて、マイクロコントローラーは、DC-DC変換器を介して入力電圧を目的の電圧に変換し、インターフェースを介して機能モジュールに電圧を出力し、機能モジュールに必要な機能を実現する。
【0054】
例えば、機能モジュールは、エレクトロクロミック又は透明度を変化させることができるエレクトロクロミック材料で形成されたPDLC層であり得る。PDLC層は、積層することによってガラス内に形成することができ、結合される導電性モジュール102のためのインターフェースを備えている。その間、マイクロコントローラーは、外部制御モジュール又はセンサー、すなわち、外部信号モジュールに結合され得る。外部信号モジュールの信号、例えば、ガラスの透明度を下げるためのユーザーからの制御信号、又は温度が所定の値よりも高いことを示すセンサーからのセンサー信号に基づいて、マイクロコントローラーはDC-DC変換器を制御して、入力電圧を、PDLC層の透明度を低下させる電圧値に変換して、PDLC層を制御し、それによって所望の機能が達成される。
【0055】
勿論、DC-DC変換器に関する実施形態は、本開示の範囲に関していかなる制限も示唆することなく、単に例示の目的のためであることが理解されるべきである。任意の他の適切な変換器が実施可能である。例えば、いくつかの代替の実施形態では、電子部品はまた、DC-AC変換器又はDC可変DC変換器を含み得る。いくつかの代替の実施形態では、入力が交流(AC)である場合、電子部品は、AC-DC変換器又はAC-AC変換器を含み得る。
【0056】
マイクロコントローラー及び電圧変換器に加えて、電子部品103はまた、制御信号又はセンサー信号等の信号を送信するためのバストランシーバーを含むことができる。例えば、ガラスが自動車用ガラスである場合、バストランシーバーは、コントローラーエリアネットワーク(CAN)トランシーバ及び/又はローカル相互接続ネットワーク(LIN)バストランシーバーを含むことができる。この配置により、電子部品をCANバス及び/又はLINバスを介して自動車の制御システムに接続し、追加の機能を実行することができる。例えば、ユーザーは、自動車の制御システムを介して音声で透明度等を制御することができる。
【0057】
勿論、電子部品103に含まれるデバイスに関する実施形態は、単に例示の目的であり、網羅的ではなく、本開示の範囲を限定することを意図していないことを理解されるべきである。任意の他の適切なデバイス又はモジュールが実施可能である。例えば、機能モジュールがディスプレイ層を含む実施形態では、電子部品103はまた、表示層の表示を制御するための表示制御チップを備え得る。あるいは、いくつかの他の代替の実施形態では、機能モジュールがタッチ機能を提供する場合、電子部品103はまた、タッチチップ等を含み得る。
【0058】
本開示の別の態様によれば、封止型ガラス200が提供される。封止型ガラス200は、適切な方法で(例えば、射出成形によって)、上述した封止アセンブリ100を機能性ガラス201に取り付けることによって形成される。前述のように、機能性ガラス201は、合わせガラスであってよく、すなわち、機能モジュールは、ガラスの2つの層の間に配置される。いくつかの代替の実施形態では、機能性ガラス201は強化ガラスであってよく、機能モジュールはガラスの表面に取り付けられる。本開示の実施形態による封止型ガラス200は、自動車用ガラス等のガラスの、便利にかつ容易な取り付けを提供し、それによって取り付けコストを低減する。
【0059】
本開示の更なる態様によれば、封止型ガラス200の製造方法が提供される。
図3は、本開示の実施形態による封止型ガラス200の製造方法のフローチャートを示している。
図3に示されているように、ブロック310には、機能性ガラス201及び導電性モジュール1011を提供する。導電性モジュール1011は、機能性ガラス201内の機能性フィルムに電気的に接続されている。
【0060】
ブロック320には、機能性ガラス201を型内の適切な位置に配置する。例えば、本体101が機能性ガラスを取り囲むフレーム構造である場合、本体101を形成するための型は、機能性ガラス201を取り囲むことができる。次に、ブロック330には、導電性モジュール102を型に配置し、それによって、その後で、導電性モジュール102が、射出成形によって形成された本体(101)に埋め込まれるか、又は射出成形によって形成された前記本体(101)の表面に配置されるようにする。ブロック340には、本体101を射出成形によって形成する。ここは、導電性モジュール102の少なくとも一部は、機能モジュールのその後の制御を容易にするために、機能ガラス201内の機能モジュールのインターフェースに結合される必要がある。
【0061】
いくつかの実施形態では、導電性モジュール102は、導電性配線1021をポリマーマトリックス1022上に事前に配置することによって得ることができる。いくつかの実施形態では、導電性配線1021と共に形成されたポリマーマトリックス1022上で、電子部品103は、導電性配線1021に電気的に接続するために、SMT等を介してポリマーマトリックス1022に取り付けられ得る。その後、導電性配線1021及び電気部品103を備えたポリマーマトリックス1022を、型内の適切な位置に配置する。続いて、本体101を射出成形によって形成し、導電性モジュール102及び電子部品103が一緒に本体101に埋め込まれる。導電性モジュール102及び電子部品103を一緒に本体101に埋め込むことにより、封止アセンブリ100がより統合され、保守及び組み立てが容易になる。
【0062】
いくつかの実施形態では、導電性配線1021を備えたポリマーマトリックス1022(フィルム等)を、型の適切な位置に直接配置することができ、次いで、本体101を形成する。その後、電子部品103を本体101に取り付けて、導電性配線1021に電気的に接続する。
【0063】
上記の説明から分かるように、本開示の実施形態による機能性ガラス201の封止アセンブリ100から封止型ガラス201を形成することにより、複雑な製造工程及び材料を省略することができ、したがってコストを削減することができる。機能性ガラス201内の機能モジュールの容易で安定した制御も達成することができる。更に、機能性ガラス201から封止されたガラス200を形成することが遥かにより容易になり、よってガラスの取り付けが容易になる。
【0064】
本開示の様々な実施形態の上記の説明は、本開示への限定を示唆することなく、本開示の原理についての例示又は説明の目的で提示されていることを理解されたい。したがって、本開示の精神及び原則の範囲内でのいかなる修正、同等の代替、改善等も、本開示の保護範囲に含まれるものとする。更に、添付の特許請求の範囲は、その範囲及び境界と同等の範囲及び境界に該当するすべての変更及び修正を網羅することを意図している。
【国際調査報告】