(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-29
(54)【発明の名称】セクションの調節機能を備えたガラス及びガラスをセクションで調節するためのシステム
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13 20060101AFI20221121BHJP
E06B 9/24 20060101ALI20221121BHJP
G02F 1/1334 20060101ALI20221121BHJP
G02F 1/15 20190101ALI20221121BHJP
G02F 1/153 20060101ALI20221121BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20221121BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20221121BHJP
B32B 7/025 20190101ALI20221121BHJP
B32B 17/06 20060101ALI20221121BHJP
B32B 3/18 20060101ALI20221121BHJP
G02F 1/169 20190101ALI20221121BHJP
【FI】
G02F1/13 505
E06B9/24 C
G02F1/1334
G02F1/15 502
G02F1/153
G02F1/133 505
G02F1/1333
B32B7/025
B32B17/06
B32B3/18
G02F1/169
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506650
(86)(22)【出願日】2020-09-27
(85)【翻訳文提出日】2022-02-01
(86)【国際出願番号】 CN2020118011
(87)【国際公開番号】W WO2021057943
(87)【国際公開日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】201910930985.0
(32)【優先日】2019-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】500374146
【氏名又は名称】サン-ゴバン グラス フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】マー スートン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ルー
【テーマコード(参考)】
2H088
2H189
2H193
2K101
4F100
【Fターム(参考)】
2H088EA34
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(57)【要約】
本開示は、セクションの調節機能を備えたガラス(G2)、ガラス(G2)をセクションで調節するためのシステム、及びガラス(G2)をセクションで調節するための方法を提供する。本開示によるセクションの調節機能を備えたガラス(G2)は、ガラス本体(110)及び導電性構成要素(120)を含む。ガラス本体(110)は、ガラス基板(130)と、ガラス基板(130)に取り付けれ、かつ個別に調節できるセクションに分割された機能性構成要素(140)とを含む。導電性構成要素(120)は、機能性構成要素の各セクションに結合されている。導電性構成要素(120)は、フレキシブル印刷回路(1220)及び導電性接着剤(1210)を含む。フレキシブル印刷回路(1220)は、導電性配線(1221)を含み、導電性配線(1221)が、導電性接着剤(1210)を介して機能性構成要素の各セクションに電気的に接続されて、機能性構成要素の各セクションの個別の調節を可能にする。本開示によるセクションの調節機能を備えたガラス(G2)は、ユーザーの指示及び環境パラメータにしたがって、機能性構成要素のターゲットセクションの機能を調節することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む、セクションの調節機能を備えたガラスであって、
ガラス基板と、前記ガラス基板に取り付けれ、かつ個別に調節できるセクションに分割された機能性構成要素とを含むガラス本体;及び
前記機能性構成要素の各セクションに結合された導電性構成要素;
前記導電性構成要素が、フレキシブル印刷回路及び導電性接着剤を含み、前記フレキシブル印刷回路が、導電性配線を含み、前記導電性配線が、前記導電性接着剤を介して前記機能性構成要素の各セクションに電気的に接続されて、前記機能性構成要素の各セクションの個別の調節を可能にする、
セクションの調節機能を備えたガラス。
【請求項2】
前記機能性構成要素が、S個のセクションを有し、かつSが、1超の整数である、請求項1に記載のセクションの調節機能を備えたガラス。
【請求項3】
前記機能性構成要素が、X方向及びY方向において、個別に調節できるM
X×N
Y個のセクションに分割されており、かつ
M及びNが、共に整数であって、かつMとNとが、同時に1に等しくない、
請求項2に記載のセクションの調節機能を備えたガラス。
【請求項4】
前記機能性構成要素が、エレクトロクロミック構成要素、電気誘導透明度変化構成要素、電気照明構成要素、エレクトロルミネセンスディスプレイ構成要素、及び電気加熱構成要素を含む、請求項1又は2に記載のセクションの調節機能を備えたガラス。
【請求項5】
前記機能性構成要素の各セクションが、機能性要素及び電極要素を含み、前記電極要素が、前記導電性接着剤を介して前記フレキシブル印刷回路の前記導電性配線に電気的に接続されている、請求項1又は2に記載のセクションの調節機能を備えたガラス。
【請求項6】
前記電極要素が、透明導電性金属酸化物フィルム層、カーボンナノチューブフィルム層、グラフェン、金属ナノワイヤーネットワーク又は銅ネットワークである、請求項5に記載のセクションの調節機能を備えたガラス。
【請求項7】
前記透明導電性金属酸化物フィルム層は、ITO層、AZO層、ATO層、IZO層、GZO層、又はLaNiO
3層の任意の1つである、請求項6に記載のセクションの調節機能を備えたガラス。
【請求項8】
前記機能性構成要素が、ポリマー分散型液晶(PDLC)構成要素、エレクトロクロミック(EC)構成要素、又は懸濁粒子デバイス(SPD)構成要素である、請求項1又は2に記載のセクションの調節機能を備えたガラス。
【請求項9】
前記機能性構成要素が、全体的又は部分的に着色されている、請求項1又は2に記載のセクションの調節機能を備えたガラス。
【請求項10】
前記フレキシブル印刷回路が、外部電源及び制御モジュールに結合されたインターフェースを更に含み、それによって、前記外部電源を前記機能性構成要素の各セクションに電気的に接続することを可能にし、かつ/又は前記制御モジュールが前記機能性構成要素の各セクションを調節することを可能にする、請求項1又は2に記載のセクションの調節機能を備えたガラス。
【請求項11】
前記インターフェースが、コネクタ又はインターフェース回路を含む、請求項10に記載のセクションの調節機能を備えたガラス。
【請求項12】
前記導電性接着剤が、等方性導電性接着剤又は異方性導電性接着剤である、請求項1又は2に記載のセクションの調節機能を備えたガラス。
【請求項13】
前記導電性接着剤が、感圧接着剤(PSA)、感熱接着剤(TSA)、異方性導電フィルム(ACF)、又は異方性導電ペースト(ACP)である、請求項1又は2に記載のセクションの調節機能を備えたガラス。
【請求項14】
前記ガラスが、合わせガラス又は強化ガラスである、請求項1又は2に記載のセクションの調節機能を備えたガラス。
【請求項15】
前記ガラスが、乗り物ガラス、建築ガラス又はディスプレイガラスである、請求項1又は2に記載のセクションの調節機能を備えたガラス。
【請求項16】
前記ガラスが、ウィンドシールドガラス、サンルーフガラス、ドアガラス、又はクォーターウィンドウガラスである乗り物ガラスである、請求項1又は2に記載のセクションの調節機能を備えたガラス。
【請求項17】
以下を含む、ガラスをセクションで調節するためのシステム:
請求項1~16のいずれか一項に記載のセクションの調節機能を備えたガラスである、ガラスユニット;
機能性構成要素のターゲットセクションに対応する命令及び/又は環境パラメータを受信し、かつ信号を出力するようにされている、信号受信モジュール;及び
前記ガラスユニットと前記信号受信モジュールとに結合され、かつ前記信号受信モジュールからの信号に応答して、前記機能性構成要素のターゲットセクションを調節するようにされている、制御モジュール。
【請求項18】
前記機能性構成要素のターゲットセクションの機能を調節することが、前記ターゲットセクションの機能をオン及びオフにすること、並びに/又は前記ターゲットセクションの機能の強度を調整することを含む、請求項17に記載のガラスをセクションで調節するためのシステム。
【請求項19】
前記制御モジュールが、マイクロコントローラー、ストレージユニット、電圧変換器、及び入力/出力インターフェースを含む、請求項18に記載のガラスをセクションで調節するためのシステム。
【請求項20】
前記電圧変換器が、直流(DC-DC)変換器又は直流交流(DC-AC)変換器を含む、請求項19に記載のガラスをセクションで調節するためのシステム。
【請求項21】
前記入力/出力インターフェースが、コントローラーエリアネットワーク(CAN)バストランシーバー及びローカル相互接続ネットワーク(LIN)バストランシーバーの少なくとも1つを含有するバストランシーバーを含む、請求項19に記載のガラスをセクションで調節するためのシステム。
【請求項22】
前記信号受信モジュールが、音声認識装置、ジェスチャ認識装置、指紋認識装置、虹彩認識装置、タッチ装置、操作ボタン、操作ハンドル、光センサー、温度センサー、及び/又は湿度センサーのうちの任意の1つ以上を含む、請求項17に記載のガラスをセクションで調節するためのシステム。
【請求項23】
請求項17~22のいずれか1つに記載のガラスをセクションで調節するためのシステムに基づく、ガラスをセクションで調節するための方法であって、
前記機能性構成要素のターゲットセクションに対応する命令及び/又は環境パラメータを受信し、かつ信号を出力すること、及び
前記信号受信モジュールからの信号に応答して、前記機能性構成要素のターゲットセクションの機能を調節すること
を含む、ガラスをセクションで調節するための方法。
【請求項24】
前記機能性構成要素のターゲットセクションの機能を調節することが以下を含む、請求項23に記載のガラスをセクションで調節するための方法:
前記ターゲットセクションに連続的に変化する電気信号を印加し、それによって、前記ターゲットセクションの機能を継続的に調整すること;
前記ターゲットセクションに段階的に変化する電気信号を印加し、それによって、前記ターゲットセクションの機能を段階的に調整すること;又は
前記ターゲットセクションに所定の振幅を有する電気信号を印加し、それによって、前記ターゲットセクションの機能を所定のレベルに調整すること。
【請求項25】
前記ターゲットセクションが、連続セクション又は不連続セクションである、請求項23又は24に記載のガラスをセクションで調節するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スマートガラス及びその制御システムに関し、特に、セクションの調節機能を備えたガラス、ガラスをセクションで調節するためのシステム、及びガラスをセクションで調節するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
技術の継続的な発展に伴い、人々は、ガラスによりインテリジェントかつ機能的にできることを期待し、そのため、ガラスにますます多くの機能を統合させる必要がある。例えば、従来の機能を備えた自動車ガラスは人々の要求を満たすことができず、人々は自動車ガラスにディスプレイ、プライバシー、照明、暖房、通信等の他の機能を統合させられることを期待している。上記の機能を達成するために、自動車ガラスは一般に、対応する機能層を含む。プライバシーガラスを例として取り上げると、プライバシーガラスは、2枚のガラスの間にポリマー分散液晶層(PDLC)構成要素を配置することによって形成されている。PDLCの電気的に誘発された透明度の変化の特徴のために、合わせガラスの明瞭度は、PDLC層に印加される電圧等のパラメータを制御することによって調整することができ、それによって、プライバシーを保護する目的が達成される。
【0003】
上記のすべての機能には、電力を供給するための外部電源が必要である。したがって、ガラスには、機能層に電力を供給するための対応する電気接続装置が含まれている必要がある。自動車産業では、従来の方法は、最初に、銀ペーストを印刷するか、又は金属箔テープを溶接することによって、ガラス上にバスバーを配置して、機能層に電気的に接続する。次に、はんだを介して金属製の電気コネクタ(金属製の端子等)をバスバーとの接合部に溶接させる。次に、電源コードを介して金属製の電気コネクタを外部電源に接続し、機能層に電力を供給する。しかしながら、はんだには通常、鉛が含まれているため、この溶接方法は環境問題を引き起こす可能性がある。また、この電気接続方式は、配線が複雑であり、接続安定性が低い。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施形態によれば、セクション(区画)の調節機能を備えたガラス、ガラスをセクションで調節するためのシステム、及びガラスをセクションで調節するための方法が提供される。
【0005】
本開示の第1の態様では、以下を含むセクションの調節機能を備えたガラスが提供され、
ガラス基板と、前記ガラス基板に取り付けれ、かつ個別に調節できるセクションに分割された機能性構成要素とを含むガラス本体;及び
前記機能性構成要素の各セクションに結合された導電性構成要素;
前記導電性構成要素が、フレキシブル印刷回路及び導電性接着剤を含み、前記フレキシブル印刷回路が、導電性配線を含み、前記導電性配線が、前記導電性接着剤を介して前記機能性構成要素の各セクションに電気的に接続されて、前記機能性構成要素の各セクションの個別の調節を可能にする。
【0006】
いくつかの実施形態では、前記機能性構成要素が、S個のセクションを有し、Sが、1超の整数である。
【0007】
いくつかの実施形態では、前記機能性構成要素が、X方向及びY方向において、個別に調節できるMX×NY個のセクションに分割されており、M及びNが、共に整数であって、かつMとNとが、同時に1に等しくない。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記機能性構成要素が、エレクトロクロミック構成要素、電気誘導透明度変化構成要素、電気照明構成要素、エレクトロルミネセンスディスプレイ構成要素、及び電気加熱構成要素を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、前記機能性構成要素の各セクションが、機能性要素及び電極要素を含み、かつ前記電極要素が、前記導電性接着剤を介して前記フレキシブル印刷回路の前記導電性配線に電気的に接続されている。
【0010】
いくつかの実施形態では、前記電極要素が、透明導電性金属酸化物フィルム層、カーボンナノチューブフィルム層、グラフェン、金属ナノワイヤーネットワーク又は銅ネットワークである。
【0011】
いくつかの実施形態では、前記透明導電性金属酸化物フィルム層は、ITO層、AZO層、ATO層、IZO層、GZO層、又はLaNiO3層の任意の1つである。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記機能性構成要素が、ポリマー分散型液晶(PDLC)構成要素、エレクトロクロミック(EC)構成要素、又は懸濁粒子デバイス(SPD)構成要素である。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記機能性構成要素が、全体的又は部分的に着色されている。
【0014】
いくつかの実施形態では、前記フレキシブル印刷回路が、外部電源及び制御モジュールに結合されたインターフェースを更に含み、それによって、前記外部電源を前記機能性構成要素の各セクションに電気的に接続することを可能にし、かつ/又は前記制御モジュールが前記機能性構成要素の各セクションを調節することを可能にする。
【0015】
いくつかの実施形態では、前記インターフェースが、コネクタ又はインターフェース回路を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、前記導電性接着剤が、等方性導電性接着剤又は異方性導電性接着剤である。
【0017】
いくつかの実施形態では、前記導電性接着剤が、感圧接着剤(PSA)、感熱接着剤(TSA)、異方性導電フィルム(ACF)、又は異方性導電ペースト(ACP)である。
【0018】
いくつかの実施形態では、前記ガラスが、合わせガラス又は強化ガラスである。
【0019】
いくつかの実施形態では、前記ガラスが、乗り物ガラス、建築ガラス又はディスプレイガラスである。
【0020】
いくつかの実施形態では、前記ガラスが、ウィンドシールドガラス、サンルーフガラス、ドアガラス、又はクォーターウィンドウガラスである乗り物ガラスである。
【0021】
本開示の第2の態様では、ガラスをセクションで調節するためのシステムが提供され、以下を含む:
上記の実施形態のいずれか1つによるセクションの調節機能を備えたガラスである、ガラスユニット;
機能性構成要素のターゲットセクションに対応する命令及び/又は環境パラメータを受信し、かつ信号を出力するようにされている、信号受信モジュール;及び
前記ガラスユニットと前記信号受信モジュールとに結合され、かつ前記信号受信モジュールからの信号に応答して、前記機能性構成要素のターゲットセクションを調節するようにされている、制御モジュール。
【0022】
いくつかの実施形態では、前記機能性構成要素のターゲットセクションの機能を調節することが、前記ターゲットセクションの機能をオン及びオフにすること、並びに/又は前記ターゲットセクションの機能の強度を調整することを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、前記制御モジュールが、マイクロコントローラー、ストレージユニット、電圧変換器、及び入力/出力インターフェースを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、前記電圧変換器が、直流(DC-DC)変換器又は直流交流(DC-AC)変換器を含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、前記入力/出力インターフェースが、コントローラーエリアネットワーク(CAN)バストランシーバー及びローカル相互接続ネットワーク(LIN)バストランシーバーの少なくとも1つを含有するバストランシーバーを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、前記信号受信モジュールが、音声認識装置、ジェスチャ認識装置、指紋認識装置、虹彩認識装置、タッチ装置、操作ボタン、操作ハンドル、光センサー、温度センサー、及び/又は湿度センサーのうちの任意の1つ以上を含む。
【0027】
本開示の第3の実施形態によれば、ガラスをセクションで調節するための方法は、上記の実施形態のいずれか1つによるガラスをセクションで調節するためのシステムに基づいて提供され、以下を含む:
前記機能性構成要素のターゲットセクションに対応する命令及び/又は環境パラメータを受信し、かつ信号を出力すること、及び
前記信号受信モジュールからの信号に応答して、前記機能性構成要素のターゲットセクションの機能を調節すること。
【0028】
いくつかの実施形態では、前記機能性構成要素のターゲットセクションの機能を調節することが以下を含む:
前記ターゲットセクションに連続的に変化する電気信号を印加し、それによって、前記ターゲットセクションの機能を継続的に調整すること;
前記ターゲットセクションに段階的に変化する電気信号を印加し、それによって、前記ターゲットセクションの機能を段階的に調整すること;又は
前記ターゲットセクションに所定の振幅を有する電気信号を印加し、それによって、前記ターゲットセクションの機能を所定のレベルに調整すること。
【0029】
いくつかの実施形態では、前記ターゲットセクションが、連続セクション又は不連続セクションである。
【0030】
本発明の内容は、本開示の実施形態の重要な又は基本的な特徴を決定することも、本開示の範囲を限定することも意図していないことを理解されたい。以下の説明により、本開示の他の特徴が理解しやすくなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本開示の目的、特徴及び利点をよりよく説明するために、本開示は、以下の添付の図面を参照してより詳細に説明される。
【0032】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態による、セクションの調節機能を備えたガラスの上面図を示す。
【
図2】
図2は、本開示の他の実施形態による、セクションの調節機能を備えたガラスの上面図を示す。
【
図3】
図3は、
図2の線X-X’に沿ったZ領域の断面図を示す。
【
図4】
図4は、フレキシブル印刷回路の詳細図を示す。
【
図5】
図5は、本開示の一実施形態による、セクションの調節機能を備えたプライバシーガラスの上面図を示す。
【
図7】
図7は、
図5の線X-X’に沿ったZ領域の断面図を示す。
【
図8a】
図8aは、本開示による機能性構成要素のセクションの分割の概略図を示す。
【
図8b】
図8bは、本開示による機能性構成要素のセクションの分割の概略図を示す。
【
図8c】
図8cは、本開示による機能性構成要素のセクションの分割の概略図を示す。
【
図9】
図9は、本開示の一実施形態による、ガラスをセクションで調節するためのシステムを示す。
【
図10】
図10は、本開示の一実施形態による、ガラスをセクションで調節するため方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
技術の継続的な発展に伴い、人々は、プライバシー、照明、ディスプレイ等の様々な機能をガラスに統合することを期待している。これらの機能は全て電気接続が必要である。しかしながら、溶接プロセス等の従来の電気接続は、プロセスが複雑であるだけでなく、形成された回路も複雑であり、その結果、製品収率の低下をもたらす。
【0034】
これを考慮して、本開示は、セクションの調節機能を備えたガラス、ガラスをセクションで調節するためのシステム、及びガラスをセクションで調節するための方法を提供する。
【0035】
本開示は、当業者が本開示を完全に理解できるように、いくつかの例示的な実施形態を参照して以下で更に説明する。しかしながら、これらの実施形態の説明は、いかなる形態においても、保護の範囲、適用可能性、又は特許請求の範囲に記載された例を制限するのではなく、当業者が本明細書に記載の主題をよりよく理解し、それによって達成できるようにするためだけのものであることを理解されたい。本開示の保護の範囲から逸脱することなく、様々な実施形態は、必要に応じて様々な特徴を省略、代替、又は追加することができることを理解されたい。更に、いくつかの実施形態で説明されている特徴は、他の実施形態で組み合わせることができる。
【0036】
本開示において、他に明示的に指定及び定義されない限り、「セクションで調節」という用語は、広い意味で解釈されるべきである。例えば、それは、各対応するセクションの機能をオン又はオフにしてもよく、又は各対応するセクションの機能の強度を調整して、それによって各対応するセクションを2以上の不連続状態間で切り替えることができるようにしてもよい。当業者にとって、本開示の実施形態における上記の用語の特定の意味は、特定の状況に照らして理解され得る。
【0037】
I.セクションの調節機能を備えたガラス
本開示の第1の態様は、セクションの調節機能を備えたガラスを提供する。
図1から
図8は、本開示のいくつかの実施形態によるセクションの調節機能を備えたガラスの特定の特徴を示す。
【0038】
より具体的には、
図1は、本開示の一実施形態によるセクションの調節機能を備えたウィンドシールドガラスG1を示す。
図2は、本開示の他の実施形態によるセクションの調節機能を備えたサンルーフガラスG2を示す。
図1及び
図2に示されているように、本開示によるセクションの調節機能を備えたガラスは、ガラス本体110及び導電性構成要素120を含む。ここで、ガラス本体110は、ガラス基板130と、ガラス基板130に取り付けられ、かつ個別に調節できるセクションに分割された機能性構成要素140とを含む。更に、
図3は、
図2に示された線X-X’に沿ったZ領域の断面図を示す。
図3に示されているように、導電性構成要素120は、フレキシブル印刷回路1220及び導電性接着剤1210を含む。また、
図4は、フレキシブル印刷回路1220の詳細図を示す。図に示されているように、フレキシブル印刷回路1220は、導電性配線1221を含み、導電性配線1221は、導電性接着剤1210を介して、機能性構成要素140の各セクションに電気的に接続されて、機能性構成要素の各セクションの個別の調節を可能にする。
【0039】
フレキシブル印刷回路の導電性配線は、ガラスの機能性構成要素の各セクションにそれぞれ電気的に接続されているため、本開示によるセクションの調節機能を備えたガラスは、人々がガラスのターゲットセクションの機能を任意に調整することを可能にし、これは、ガラスの機能性を大幅に高め、ますます多くのガラス機能に対する人々の期待を満たす。更に、これによりガラスのデザインスペースも広がる。例えば、
図1の例では、日よけの機能は、機能性構成要素の各セクションの透明度を調整することによって得ることができる。
図2の例では、プライバシーと日よけの機能は、機能性構成要素の各セクションの透明度を調整することによって実現できる。
【0040】
更に、ガラスの機能性構成要素は、フレキシブル印刷回路及び導電性接着剤を用いて、外部電源に電気的に接続されており、これは、プロセスがより簡単であるだけではなく、従来の溶接接続と比べて、接続の安定性及び製品収率がより優れている。
【0041】
導電性接着剤
導電性接着剤は、硬化後に導電性になる接着剤である。それは、接着と導電の両方の機能を備えた高分子材料である。従来の溶接プロセスと比較して、導電性接着剤によって達成される電気接続は、環境に優しく、プロセスが簡単である等の利点がある。
【0042】
本開示は、導電性接着剤のタイプを特に限定しない。当業者は、必要に応じて適切な導電性接着剤を選択することができ、例えば、等方性導電性接着剤(ICA)又は異方性導電性接着剤(ACA)等、より具体的に例えば、感圧接着剤(PSA)、感熱接着剤(TSA)、異方性導電フィルム(ACF)、又は異方性導電ペースト(ACP)等の導電性接着剤を選択することができる。
【0043】
導電性接着剤が等方性導電性接着剤であるいくつかの実施形態では、導電性接着剤は、機能性構成要素の隣接する電極要素間で不連続であり、これにより、隣接する電極要素が誤ってトリガーされるのを防ぐことができる。等方性導電性接着剤が導電性テープである実施形態では、上記の配置は、不連続な貼り付けによって達成できる(例えば、導電性テープを電極要素の上にのみ配置する)。等方性導電性接着剤が導電性ペーストである実施形態では、上記の配置は、不連続な分配によって達成できる(例えば、導電性ペーストを電極要素の上にのみ配置する)。
【0044】
導電性接着剤が異方性導電性接着剤であるいくつかの実施形態では、上記の等方性導電性接着剤と同じ不連続配置の他に、異方性導電接着剤は、一方向にのみ導電性があり、他の方向には非導電性であるという特徴があるため、連続的に配置することができる。連続配置により、運用プロセスを簡素化し、大量生産時の作業時間と人員を節約することができる。
【0045】
本開示のいくつかの実施形態では、異方性導電フィルムや異方性導電ペースト等の異方性導電接着剤を使用すると、より有利な効果を得ることができる。具体的には、異方性導電接着剤(ACA)は、導電性粒子、接着剤、及びいくつかの添加剤で構成される接着剤であり、ここで、導電性粒子がACAに導電性をもたらし、接着剤がACAに接着性をもたらす。また、ACAは、膜厚方向にのみ導電性であるが、フィルム表面方向には非導電性であるという特徴もある。したがって、等方性導電性接着剤と比較して、異方性導電性接着剤は、接着及び導電機能を有するだけでなく、絶縁機能も有する。機能性構成要素がより多くのセクションを有し、かつ異なるセクションの電極要素が互いに接近している場合、これは、異方性導電接着剤が隣接する電極要素間で短絡を引き起こさず、隣接するセクションが誤ってトリガーされるのを防ぐことができる。更に、本開示のいくつかの他の実施形態では、導電性接着剤は、好ましくは異方性導電フィルム(ACF)である。異方性導電ペースト(ACP)と比較して、剥離紙を剥がすことでガラスの機能部品の導電位置にACFを簡単に固定できるため、工程が簡素化される。
【0046】
フレキシブル印刷回路
図4に示されているように、フレキシブル印刷回路1220は、導電性配線1221及び基板1222を含み、導電性配線1221は、導電性接着剤1210を介して、機能性構成要素140の各セクションに電気的に接続されて、前記機能性構成要素の各セクションの個別の調節を可能にする。
【0047】
本開示のいくつかの実施形態では、フレキシブル印刷回路(FPC)は、外部電源及び制御モジュールに結合されたインターフェースを更に含み、それによって、外部電源を機能性構成要素の各セクションに電気的に接続することを可能にし、かつ/又は制御モジュールが機能性構成要素の各セクションを調節することを可能にする。インターフェースは、コネクタ又はインターフェース回路を含む。いくつかの実施形態では、インターフェースは、外部電源のプラグを挿入するための金端子(golden finger)であってよい。このようにして、外部電源モジュール又は制御モジュールをより便利に外部制御モジュールに接続することができる。勿論、いくつかの代替の実施形態では、インターフェースは単なるインターフェース回路であってよく、外部電源モジュール又は制御モジュールは、インターフェース回路に適切に結合されてよい。一例として、インターフェース回路は、フレキシブル印刷回路の導電性配線に統合された、又は電気的に接続されたピンを指す場合がある。この配置により、より良い統合及びより単純な構造が可能になる。
【0048】
勿論、上記の有線接続に加えて、インターフェースは無線構造を指す場合があり、すなわち、インターフェースは、外部電源モジュール又は制御モジュールに無線で結合することができることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、インターフェースは、ワイヤレス電力伝送のために磁気誘導技術を使用することができる。いくつかの代替の実施形態では、インターフェースは、ブルートゥース及びWiFi等の技術を介して機能性構成要素を制御するためのデータを送信することができる。
【0049】
当業者は、フレキシブル印刷回路、機能性構成要素、及び導電性接着剤の間の良好な接着を確実にし、それによってそれらの間の電気的接続を確実にする方法を知っていることを理解されたい。例えば、ACFが機能性構成要素の導電性位置に適用された後、ACFと機能性構成要素との間の良好な接着を確実にするために、ACFをホットプレスで更にホットプレスすることができる。同様に、フレキシブル印刷回路がACFに適用された後、フレキシブル印刷回路をホットプレスで更にホットプレスして、フレキシブル印刷回路、導電性接着剤、及び機能性構成要素の間の良好な接着を確実にすることができる。
【0050】
機能性構成要素
本開示において、機能性構成要素は、電気信号によって調節されるのに適した全ての機能性構成要素を指す。例えば、いくつかの実施形態では、機能性構成要素は、以下の機能のうちの少なくとも1つを有することができる機能性構成要素を含む:色の変化、透明度の調整、照明、ディスプレイ、加熱、通信、及びゲストとホスト(ゲストホスト)との間の相互作用。いくつかの他の特定の実施形態では、機能性構成要素は、エレクトロクロミック構成要素、電気誘導透明度変化構成要素、電気照明構成要素、エレクトロルミネセンスディスプレイ構成要素、及び電気加熱構成要素を含む。
【0051】
当業者にとって、上記の機能を達成するための機能性構成要素は知られている。例えば、色の変化、透明度の調整等の実施形態では、機能性構成要素140は、ポリマー分散型液晶(PDLC)構成要素、エレクトロクロミック(EC)構成要素、又は懸濁粒子デバイス(SPD)構成要素であってよい。いくつかの実施形態では、ガラスの美的効果を高めるために、機能性構成要素は、全体的又は部分的に着色されていてもよい。
【0052】
本開示では、ガラスにおける機能性構成要素の位置分布は、特に限定されず、当業者は、必要性及び関連する規制にしたがって、対応する配置を行うことができる。例えば、
図1に示すウィンドシールドガラスの例では、中央の視域(すなわち、
図1の領域B)の光透過率を確保するために、機能性構成要素(例えば、光透過率が変えられる機能性構成要素)は、領域Bを避けるべきである。
【0053】
照明、ディスプレイ、及び加熱の実施形態では、機能性構成要素140は、照明、ディスプレイ、又は加熱の機能を有するだけでなく、それ自体が電気伝導の機能を有する、機能要素1410を含む。したがって、フレキシブル印刷回路の導電性配線は、導電性接着剤を介して、機能性構成要素の各セクションに直接電気的に接続され、機能性構成要素の各セクションの個別の調整を可能にすることができる。
【0054】
色の変更、透明度の調整等の実施形態では、機能性構成要素140は、色を変更し、透明度を調整するための機能要素1410を含む。これらの実施形態では、機能要素1410はそれ自体が導電性ではないので、機能性構成要素140は、導電性接着剤を介してフレキシブル印刷回路の導電性配線に電気的に接続された電極要素1420を更に含む。本開示は、電極要素1420の形状を特に限定しない。例えば、電極要素は、層状、ブロック状等であってよい。これらの実施形態では、各セクションは、機能要素1410の各セクションに印加される電気信号を変更することによって、個別に調節される。他の実施形態では、2つの電極要素1420、すなわち第1の電極要素及び第2の電極要素は、それぞれ、機能要素1410の各セクションの2つの側に配置されており、そして、各セクションは、機能要素1410の各セクションの2つの側に印加された電気信号を変更することによって、個別に調節される。具体的には、第1の電極要素及び第2の電極要素に電圧を印加することにより、機能要素1410内に電界が形成される。2つの電極要素間の電圧を変更することにより、機能要素1410内の電界を変更することができ、それにより、機能要素1410の機能を調節する目的を達成することができる。更に、導電性構成要素120は、機能性構成要素の同じ側(上側又は下側)、又は機能性構成要素の2つの側(上側及び下側)に配置されてよい。
【0055】
本開示は、セクションの調節機能を備えたプライバシーガラスの例として、以下に更に説明される。
【0056】
図5は、本開示の一実施形態による、セクションの調節機能を備えたプライバシーガラスG3の上面図を示す。
図6は、
図5に示されたガラスの斜視図を示す。
図7は、
図5の線X-X’に沿ったZ領域の断面図を示す。
図5~
図7に示されているように、プライバシー機能は、ポリマー分散液晶技術によって実現される。機能性構成要素140は、ポリマー分散型液晶(PDLC)構成要素である。機能性構成要素140は、機能要素1410及び電極要素1420を含み、ここで、機能要素1410は、ポリマー分散液晶層であり、電極要素1420は、ITO層(インジウムスズ酸化物層)である。ITO層は、導電性接着剤1210を介して、フレキシブル印刷回路1220の導電性配線1221に電気的に接続され、そして外部電源モジュールに電気的に接続されている。
【0057】
当業者には、ポリマー分散液晶(PDLC)層は、ポリマー層と、ポリマー層に分散された液晶液滴とを含むことが知られている。ポリマー層はポリマー材料でできている。例えば、ポリマー層は、屈折率が液晶液滴の通常の屈折率と合致する材料でできている。電界がない場合、液晶液滴はポリマー分散液晶層に無秩序に分散し、それによりポリマー分散液晶層は不透明又はつや消し状態になる。ポリマー分散液晶層の両面に電圧を印加して電界を形成すると、液晶液滴がポリマー層に整然と分散し、ポリマー分散液晶層が透明になる。
【0058】
従来のポリマー分散液晶(PDLC)層の機能が上に記載されていることを理解されたい。本開示は、逆ポリマー分散液晶(PDLC)層を採用することができる。つまり、逆ポリマー分散液晶層は、電源を切ると透明な状態になり、電源を入れるとつや消し状態になる。その結果、エネルギーを節約し、環境を保護しながら、ユーザーのプライバシーを保護することが可能である。
【0059】
更に
図6及び
図7を参照すると、上記の電極要素1420は、ポリマー分散液晶層1410の2つの側面に取り付けられた第1のITO層及び第2のITO層である。つまり、第1のITO層と第2のITO層は、ポリマー分散液晶層を駆動するための電極要素として機能する。また、ガラスに近い第1のITO層及び第2のITO層のそれぞれの側において、キャリア層/保護層(図示せず)として機能するPET層が提供され、そして、2つの(上側及び下側)ガラス基板130と、機能性構成要素140及び/又は導電性構成要素120との間に、接着剤層(図示せず)が更に提供される。接着剤層は、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)又はエチレン酢酸ビニル(EVA)で作られている。これらの層は、オートクレーブを介して完全に排気して、互いに完全に接着させることができる。
【0060】
更に
図5を参照すると、導電性構成要素120は、それぞれ、機能性構成要素の上側及び下側に配置されている。当業者には、2つの導電性構成要素が両方とも機能性構成要素の上側又は下側に配置され得ることが考えられる。
【0061】
勿論、上記の要素を含む機能性構成要素の実施形態は、単なる例示であり、本開示の保護の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。他の任意の適切な装置が適用可能である。
【0062】
本開示は、電極要素1420の材料を特定に限定せず、当業者は、機能要素の特定の特性にしたがって選択を行うことができる。本開示のいくつかの好ましい実施形態では、電極要素は、透明導電性金属酸化物フィルム層、カーボンナノチューブフィルム層、グラフェン層、金属ナノワイヤーネットワーク又は銅ネットワークである。更に、本開示のいくつかの他の好ましい実施形態では、透明導電性金属酸化物膜層は、ITO層、AZO層、ATO層、IZO層、GZO層、又はLaNiO3層の任意の1つである。
【0063】
本開示において、機能性構成要素140は、S個のセクションを有し、ここで、Sは、1超の整数である。具体的には、いくつかの実施形態において、機能性構成要素140は、X方向及びY方向において、個別に調節できるMX×NY個のセクションに分割されており、ここで、M及びNは、共に整数であって、かつMとNとは、同時に1に等しくない。
【0064】
機能要素1410がそれ自体で導電性機能を有する実施形態では、機能要素1410は、機能要素1410の機能に影響を与えることなく、レーザーエッチングによって機能要素1410上に絶縁線150を形成することによって複数の個別のセクションに分割することができる。例えば、セクションの加熱を調節する機能を備えたガラスの実施形態では、ITO層は、それ自体が加熱要素及び導電性要素として使用することができる。したがって、ITO層は、レーザーエッチングによってITO層上に絶縁線150を形成することによって、複数の個別のセクションに分割することができる。
【0065】
機能要素1410自体が導電性ではなく、機能構成要素140が電極要素を更に含む実施形態では、電極要素1420は、レーザーエッチングによって電極要素1420上に絶縁線150を形成することによって複数の個別のセクションに分割することができる。例えば、セクションの調節機能を備えたプライバシーガラスの上記の実施形態では、PDLC層自体は導電性ではなく、PDLC層の表側と裏側のITO層は導電性であるため、ITO層は、レーザーエッチングによってITO層上に絶縁線150を形成することにより、複数の個別のセクションに分割することができる。更に、PDLCフィルム中に分散された液晶は誘電異方性を有するので、PDLCの実施形態では、PDLCは、PDLC層の片側のITO上でのレーザーエッチングによってセクションで調節することができる。
【0066】
図8aから
図8cに示されているように、1
X×4
Y個のセクション(
図8aに表示)、3
X×1
Y個のセクション(
図8bに表示)、又は3
X×4
Y個のセクション(
図8cに表示)を得ることができる。
【0067】
勿論、機能性構成要素のセクションの分割に関する上記の実施形態は、単なる例示であり、本開示の保護の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。その他の任意の適切な分割は可能である。例えば、必要に応じて、当業者は、上記の機能要素又は上記の電極要素に対してレーザーエッチングを実行して、任意のパターン又は形状を得ることができる。更に、
図8aから
図8cは、セクションの分割及び絶縁線の位置を概略的に示している。当業者は、各セクションがフレキシブル印刷回路内の導電性配線に個別に電気的に接続されることを確実にするために、絶縁線150を適切に配置する方法を知っている。
【0068】
以下で詳細に説明するように、上記の機能性構成要素の各セクションは、命令及び/又は環境パラメータにしたがって調節することができる。いくつかの実施形態では、機能性構成要素の全てのセクションを調節することができる。他のいくつかの実施形態では、機能性構成要素のセクションの一部のみを調節することができる。勿論、調節されるセクションは、連続セクションであってもよく、不連続セクションであってもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、必要に応じて、機能性構成要素の各セクションの機能をオン及びオフにすることができ、並びに/又は各セクションの機能の強度を調整することができる。各セクションの機能の強度を調整するために、ユーザーは、機能性構成要素の各セクションの機能特性に対して、継続的に調整、段階的に調整を実行することができ、かつ/又は特定の値を設定することができる。
【0070】
例えば、PDLCガラスの実施形態では、ユーザーは、完全に透明な状態と完全につや消しの状態とを切り替えるために対応するセクションを制御する必要性に応じて、任意のセクションの電源をオン又はオフにすることを選択できる。更に、ユーザーは必要に応じて任意のセクションの透明度(フロスティング度とも呼ばれる)を更に調整できる。例えば、一部のセクションは透明であり、かつ一部のセクションはつや消しである。照明ガラスの実施形態では、ユーザーは、必要に応じて、ガラスの任意のセクションの照明機能をオン又はオフにすることができる。更に、ユーザーは、必要に応じて、任意のセクションの光の強度を調整でき、必要な光の色のタイプを選択することもできる。
【0071】
産業上の利用
本開示は、セクションの調節機能を備えた上記のガラスの産業上の利用において、特定の制限を有さない。
【0072】
本開示のいくつかの実施形態では、上記のガラスは、合わせガラス又は強化ガラスであり得る。合わせガラスの実施形態では、機能性構成要素はPDLC構成要素であってよく、電極要素はITO層であってよい。強化ガラスの実施形態では、機能性構成要素はディスプレイフィルムであってよく、電極要素はITO層であってよい。そしてディスプレイフィルムはガラスの片面に取り付けられ得る。
【0073】
本開示のいくつかの他の実施形態では、ガラスは、乗り物ガラス、建築ガラス、又はディスプレイガラスであり得る。乗り物は、自動車、電車、飛行機等を含む。
【0074】
本開示のいくつかの他の実施形態では、ガラスは、ウィンドシールドガラスガラス、サンルーフガラス、ドアガラス、又はクォーターウィンドウガラスであり得る。
【0075】
II.ガラスをセクションで調節するためのシステム
本開示の他の態様は、ガラスをセクションで調節するためのシステムを提供する。
図9は、本開示の実施形態によるガラスをセクションで調節するためのシステムを示している。
【0076】
図9に示されているように、ガラスをセクションで調節するためのシステムは、以下を含む:
上述したセクションの調節機能を備えたガラスである、ガラスユニット210;
機能性構成要素のターゲットセクションに対応する命令及び/又は環境パラメータを受信し、かつ信号を出力するようにされている、信号受信モジュール220;及び
ガラスユニットと信号受信モジュールとに結合され、かつ信号受信モジュールからの信号に応答して、機能性構成要素のターゲットセクションを調節するようにされている、制御モジュール230。
【0077】
ガラスユニット
上述したように、ガラスユニット(210)は、上記のようにセクションの調節機能を備えたガラスであり(I.セクションの調節機能を備えたガラスを参照)、ここでは説明を省略する。
【0078】
本開示によるガラスをセクションで調節するためのシステムは、それに電力を供給するための装置を更に含むことを理解されたい。いくつかの実施形態では、装置は、自動車電源等の外部電源であり、それはインターフェースを有し、信号受信モジュール(220)、制御モジュール(230)、及び/又はインターフェースを介してガラスユニット(210)に結合されて、ガラスをセクションで調節するためのシステムに電力を供給する。いくつかの実施形態では、インターフェースは、コネクタ又はインターフェース回路であり得る。 いくつかの実施形態では、インターフェースは2ピンソケット(two-pin socket)であり得る。いくつかの代替の実施形態では、インターフェースは単なるインターフェース回路であってよく、電源モジュールは、信号受信モジュール、制御モジュール、及び/又はガラスユニットに適切に結合され得る。この配置は、より良い統合及びより単純な構造を可能にすることができる。
【0079】
信号受信モジュール
上述したように、信号受信モジュール(220)は、機能性構成要素のターゲットセクションに対応する命令及び/又は環境パラメータを受信し、かつ信号を出力するようにされている。具体的には、上記命令は、ユーザーによって発行された命令を指し、例えば、自動車の乗客が発行した命令、又は他の人が発行した命令を指す。
【0080】
機能性構成要素のターゲットセクションは、命令及び/又は環境パラメータに対応する機能性構成要素における調節されるセクションを指すことに留意されたい。いくつかの実施形態では、調節されるセクションは、機能性構成要素の全てのセクションを含み得る。いくつかの他の実施形態では、調節されるセクションは、機能性構成要素のセクションの一部のみを含み得る。勿論、調節されるセクションは、連続セクション又は不連続セクションであってよい。
【0081】
上記の構成を達成するために、信号受信モジュールは、一方では命令及び/又は環境パラメータを受信することができ、他方では信号を出力することができる。上記の2つの主要な機能を達成することができる限り、本開示は、信号受信モジュール220の装置タイプに特定の制限を有さない。
【0082】
信号受信モジュール220は、ガラス本体110に統合されもよく、又は独立して提供され、インターフェースを介してガラス本体110に結合されてもよい。信号受信モジュール220は、相互作用ユニット及び/又は検出ユニットを含むことができ、相互作用ユニットは、乗客によって発行された命令を受信するように構成され、検出ユニットは、環境パラメータを受信するように構成される。いくつかの実施形態では、環境パラメータは、光学、温度、及び湿度パラメータを含む。
【0083】
自動車ガラスのいくつかの実施形態では、信号受信モジュール220は、自動車センサー又は自動車内の他の信号受信装置であり、それによって、(ユーザーが発行した)命令及び環境パラメータを認識する。更に、信号受信モジュール220は、インターフェースを介して制御モジュール20に結合され、それによって、制御モジュール240に信号を出力する。上記のインターフェースはすべて、有線インターフェース及び/又は無線信号伝送装置(たとえば、ブルートゥース、WiFi等)である。
【0084】
いくつかの実施形態では、命令を認識するために、インタラクションユニットは、音声認識装置、ジェスチャ認識装置、指紋認識装置、虹彩認識装置、タッチ装置、操作ボタン、及び/又は操作ハンドルのうちの任意の1つ以上を含んでよい。検出ユニットは、光センサー、温度センサー、湿度センサーのいずれか1つ以上を含んでよい。
【0085】
勿論、上記の様々な装置である信号受信モジュール220の実施形態は、単なる例示であり、本開示の保護の範囲を制限することを意図するものではないことを理解されたい。他の任意の装置は適用可能である。例えば、信号受信モジュール220がタッチ装置である実施形態では、タッチ装置は、静電容量式タッチ、抵抗膜式タッチ、弾性表面波タッチ、又は赤外線タッチ等の様々なタッチ技術を採用することができるが、これらに限定されない。
【0086】
タッチ装置は、タッチジェスチャを受信し、そして制御モジュールがタッチジェスチャにしたがって光調整信号を提供できるようにする。例えば、タッチ装置は水平方向にスライドジェスチャを受信して、ここで、左にスライドするジェスチャはガラスの透明度を上げることを指示し、右にスライドするジェスチャはガラスの透明度を下げることを指示する。例えば、タッチ装置はまた、垂直方向にスライドジェスチャを受信することができて、ここで、上にスライドするジェスチャはガラスの透明度を上げることを指示し、下にスライドするジェスチャはガラスの透明度を下げることを指示する。タッチジェスチャは柔軟でありかつ様々な形態を有し、タッチジェスチャは、上記に限定されない様々な適切な方法でタッチジェスチャによって表される光調整命令に対応し得ることを理解されたい。
【0087】
制御モジュール
上述したように、制御モジュール(230)は、ガラスユニット及び信号受信モジュールと結合され、かつ信号受信モジュール220からの信号に応答して、機能性構成要素のターゲットセクションを調節するようにされている。
【0088】
図9に示されているように、制御モジュール230は、信号受信モジュール220からの信号にしたがって比較及び計算を実行し、計算結果を制御信号に変換して、機能性構成要素に適用される電気信号を制御する。そして、機能性構成要素のターゲットセクションの機能は、機能性構成要素に印加された電気信号を調整することによって調節される。
【0089】
いくつかの実施形態では、制御モジュール230は、ガラス本体110に統合されてよく、又は独立して提供され、インターフェースを介してガラス本体110に結合されてよい。
【0090】
いくつかの実施形態では、機能性構成要素のターゲットセクションの機能を調整することは、ターゲットセクションの機能をオン及びオフにすること、並びに/又はターゲットセクションの機能の強度を調整することを含む。したがって、ユーザーは、必要に応じて、ターゲットセクションの機能を自由にオン/オフにし、かつ/又はターゲットセクションの機能の強度を調整することができる。ターゲットセクションの機能の強度を調整することは、ターゲットセクションの機能特性に対して、継続的に調整、段階的に調整を実行することができ、及び/又は特定の値を設定することを含む。
【0091】
本開示は、上記の調節の実施に特定の制限を有さず、ここで、ターゲットセクションの機能をオン及びオフにすることは、ターゲットセクションの電気的接続をオン及びオフにすることによって達成できる;ターゲットセクションの機能の強度を調整することは、機能性構成要素140に変化する電気信号を印加することによって達成できる。具体的には、機能性構成要素140に連続的に変化する電気信号(例えば、連続的に変化する電圧振幅を有する電気信号)を印加すること、又は機能性構成要素140に段階的に変化する電気信号(例えば、段階的に変化する電圧振幅を有する電気信号)を印加すること、又は機能性構成要素140に所定の値を有する電気信号(例えば、所定のレベルに対応する所定の値を有する電気信号)を印加することによって達成できる。
【0092】
PDLCガラスの実施形態では、ユーザーは、完全に透明な状態と完全につや消しの状態とを切り替えるために対応するセクションを制御する必要性に応じて、任意のセクションの電源をオン又はオフにすることを選択できる。更に、ユーザーは必要に応じて任意のセクションの透明度(フロスティング度とも呼ばれる)を更に調整できる。例えば、一部のセクションは透明であり、かつ一部のセクションはつや消しである。照明ガラスの実施形態では、ユーザーは、必要に応じて、ガラスの任意のセクションの照明機能をオン又はオフにすることができる。更に、ユーザーは、必要に応じて、任意のセクションの光の強度を調整でき、必要な光の色のタイプを選択することもできる。
【0093】
いくつかの実施形態では、ガラスユニットへの制御を完了するために、変化する電気信号が機能性構成要素に印加される必要がある。したがって、制御モジュールは、マイクロコントローラー、直流(DC-DC)変換器又は直流交流(DC-AC)変換器又は直流可変直流変換器、及び入力/出力インターフェース(I/O)を含む。制御モジュールは、自動車の電源等の電源装置によって供給される直流電力に結合することができる。マイクロコントローラーは、信号受信モジュールからの信号に応じて、比較と計算を行い、計算結果を制御信号に変換し、それによって、DC-DC変換器を介して入力電圧を必要な電圧に変換し、信号を機能性構成要素に出力することにより、機能性構成要素の期待される機能を実現する。
【0094】
更に、制御モジュールは更にストレージユニットを含む。予め作成された固有のプログラムをストレージユニットに格納することにより、制御モジュールは、信号受信モジュールからの信号を固有のプログラムと比較し、計算を実行し、次に、計算結果を制御信号に変換して、機能性構成要素に印加された電気信号を制御し、機能性構成要素に印加された電気信号を調整することにより、機能性構成要素のターゲットセクションの機能が調節される。例えば、信号受信モジュールからの信号が環境パラメータである実施形態では、光学パラメータ等の信号受信モジュールからの信号に応じて、光学パラメータが事前設定されたしきい値よりも高い場合、マイクロコントローラーは、事前に作成された固有のプログラムにしたがって、DC-DC変換器を制御して、入力電圧値を、PDLC層が期待される透明度を達成できる電圧値に変換して、PDLC層を制御する。信号受信モジュールからの信号がユーザーによって発行された命令である実施形態では、信号受信モジュールからの信号、例えば、ガラスの透明度を下げるためのユーザーからの指示等にしたがって、マイクロコントローラーは、事前に作成された固有のプログラムに従って、入力電圧値をPDLC層の透明度を低下させてPDLC層を制御できる電圧値に変換するDC-DC変換器を制御し、それによって期待される機能を実現する。
【0095】
勿論、DC-DC変換器に関する実施形態は、単なる例示であり、本開示の保護の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。任意の他の適切な変換器は適用可能である、例えば、いくつかの代替の実施形態では、制御モジュールは、DC-AC変換器又は直流可変直流変換器を含み得る。いくつかの代替の実施形態では、入力が交流(AC)である場合、制御モジュールは、AC-DC変換器又はAC-AC変換器を含み得る。
【0096】
いくつかの実施形態では、上記の入力/出力インターフェース(I/O)は、制御信号又はセンサー信号等の信号を送信するためのバストランシーバーを含む。例えば、自動車用ガラスのいくつかの実施形態では、バストランシーバーは、自動車で使用されるコントローラーエリアネットワーク(CAN)バストランシーバー及びローカル相互接続ネットワーク(LIN)バストランシーバーを含み得る。この配置により、制御モジュールをCANバス及び/又はLINバスを介して自動車の制御システムに結合することが可能になり、それによってより多くの機能が実現される。たとえば、ユーザーは自動車の制御システムを使用して、音声でガラスの透明度を制御できる。
【0097】
勿論、構成要素を含む制御モジュールの上記の実施形態は、網羅的ではなく単なる例示であり、本開示の保護の範囲を制限することを意図するものではないことを理解されたい。任意のその他の適切な構成要素又はモジュールは適用可能である。
【0098】
III.ガラスをセクションで調節するための方法
本開示の他の態様は、ガラスをセクションで調節するための方法を提供する。
図10は、本開示の一実施形態による、ガラスをセクションで調節するため方法のフローチャートである。この方法は、
図9に示されるように、ガラスをセクションで調節するためのシステムにおいて、制御モジュール230で実行することができる。
【0099】
図10に示されているように、ガラスをセクションで調節するための上記のシステムに基づき、ガラスをセクションで調節するための方法は以下の工程を含む:
工程310、機能性構成要素のターゲットセクションに対応する命令及び/又は環境パラメータを受信し、かつ信号を出力すること;及び
工程320、信号受信モジュールからの信号に応答して、前記機能性構成要素のターゲットセクションの機能を調節すること。
【0100】
いくつかの実施形態では、工程320は、ターゲットセクションの機能をオン及びオフにすること、並びに/又は信号受信モジュールからの信号に応答して、ターゲットセクションの機能の強度を調整することである。ターゲットセクションの機能をオン及びオフにし、かつ/又はターゲットセクションの機能の強度を調整するいくつかの実施形態は、上述した(II.ガラスをセクションで調節するためのシステムを参照)とおりであり、ここでは、説明を省略する。
【0101】
いくつかの実施形態では、信号受信モジュールからの信号にしたがって、機能性構成要素の対応するセクションを直接にオン及び/又はオフにすることができ、及び/又は予め決められた設定にしたがって、特定の強度(透明度及び光強度等)で直接にオンにすることができる。信号受信モジュールが静電容量式タッチ装置である例では、機能性構成要素の各セクションは、機能部品の各セクションは、セクションの静電容量の変化が検出された後に直接オン及び/又はオフにすることができ、又は透明度等の事前設定された強度で直接オンにすることができる。
【0102】
いくつかの他の実施形態では、信号受信モジュール220は、機能性構成要素のターゲットセクションに対応する命令及び/又は環境パラメータを受信した後、制御モジュール230に信号を出力する。制御モジュール230は、信号受信モジュール220から信号を受信し、信号に基づいて比較及び計算を実行し、次に計算結果を制御信号に変換して、機能性構成要素に適用される電気信号を制御する。そして、機能性構成要素のターゲットセクションの機能は、機能性構成要素に印加された電気信号を調整することによって調節される。
【0103】
いくつかの特定の実施形態では、信号受信モジュールからの信号に応答して、制御モジュールは、セクションに連続的に変化する電気信号を印加し、それによって、ターゲットセクションの機能を継続的に調整する;又はターゲットセクションに段階的に変化する電気信号を印加し、それによって、ターゲットセクションの機能を段階的に調整する;又はターゲットセクションに所定の振幅を有する電気信号を印加し、それによって、ターゲットセクションの機能を所定のレベルに調整する。更に、これらのターゲットセクションは、連続セクション又は不連続セクションであってよい。
【0104】
勿論、上記の工程を含むセクションで調節するための後方に関する実施形態は、網羅的ではなく単なる例示であり、本開示の保護の範囲を制限することを意図するものではないことを理解されたい。その他の任意の適切な工程調整は、適用可能である。
【0105】
本開示の特定の実施形態は上で説明されてきたが、当業者は、この説明が単なる例示であり、本開示の保護の範囲が添付の特許請求の範囲によって定義されることを理解すべきである。当業者は、本開示の原理及び本質から逸脱することなく、これらの実施形態に対して様々な修正、同等の置換又は改善を行うことができ、これらの修正、同等の置換又は改善は、本開示の保護の範囲内にある。
【国際調査報告】