(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-29
(54)【発明の名称】眼内レンズ挿入計画のためのグラフィカルユーザインターフェースを提供するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/16 20060101AFI20221121BHJP
【FI】
A61F2/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507418
(86)(22)【出願日】2020-09-19
(85)【翻訳文提出日】2022-02-04
(86)【国際出願番号】 IB2020058749
(87)【国際公開番号】W WO2021059104
(87)【国際公開日】2021-04-01
(32)【優先日】2019-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド トー
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA25
4C097BB04
4C097MM09
4C097SA10
(57)【要約】
システム及び方法が、2段階プロセスにおける眼内レンズ挿入計画において、アイケア専門家を支援するためのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を提供するために提示される。第1の段階中、患者の眼の第1のバイオメトリックデータが取得される。第1のレンズ製品を備える第1のレンズ製品セットが、第1のバイオメトリックデータに基づいて特定される。第1のグリッドが、GUIを介して提供されて、第1のレンズ製品セットを提示する。第2の段階中、眼の第2のバイオメトリックデータが、患者の眼の既存のレンズが除去された後、取得される。第2のレンズ製品を備える第2のレンズ製品セットが、第2のバイオメトリックデータに基づいて特定される。第2のグリッドが、GUIを介して提供されて、第2のレンズ製品セットと、第1及び第2のレンズ製品間の差異とを提示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
1つ以上のハードウェアプロセッサによって、患者の眼に関連付けられる第1のバイオメトリックデータを取得することと、
前記1つ以上のハードウェアプロセッサによって、複数のレンズ構成から、前記第1のバイオメトリックデータ及び目標屈折値に基づいて、第1のレンズ構成セットを特定することであって、前記複数のレンズ構成における各レンズ構成は、特定の球面度数及び特定のトーリック度数に対応し、前記第1のレンズ構成セットは、前記第1のバイオメトリックデータに基づいて前記目標屈折値に最も近い前記眼のための関連する結果の屈折値を有する第1のレンズ構成を備える、ことと、
前記眼の水晶体が除去された後に、前記1つ以上のハードウェアプロセッサによって、前記患者の前記眼に関連付けられる第2のバイオメトリックデータを取得することと、
前記1つ以上のハードウェアプロセッサによって、前記複数のレンズ構成から、前記第2のバイオメトリックデータ及び前記目標屈折値に基づいて、第2のレンズ構成セットを特定することであって、前記第2のレンズ構成セットは、前記第2のバイオメトリックデータに基づいて前記目標屈折値に最も近い前記眼のための関連する結果の屈折値を有する第2のレンズ構成を備える、ことと、
前記1つ以上のハードウェアプロセッサによって、装置のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)上に、前記第2のレンズ構成セットを表すグリッドを提示することと、
前記1つ以上のハードウェアプロセッサによって、前記グリッド上に、前記第1のレンズ構成と前記第2のレンズ構成との間の差異を示すことと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第2のレンズ構成は、前記グリッドの中心に提示され、第1のレンズ構成は、前記差異に基づいて前記グリッドの前記中心から少し距離を置いて提示される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のレンズ構成は、前記グリッドの中心に提示され、第2のレンズ構成は、前記差異に基づいて前記グリッドの前記中心から少し距離を置いて提示される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記操作は、更に、
前記第1のレンズ構成と前記第2のレンズ構成との間の前記差異が閾値よりも大きいことを特定することと、
前記差異が前記閾値よりも大きいことを特定することに応答して、前記装置の前記GUI上に通知を提供することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
更に、前記第2のバイオメトリックデータを取得する前に、前記患者の前記眼の前記水晶体を除去することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記グリッドは第1のグリッドであり、前記方法は、更に、
前記第1のグリッドを前記装置の前記GUI上に提示する前に、前記第1のレンズ構成セットを表す第2のグリッドを提示すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のレンズ構成は前記第2のグリッドの中心に提示される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
システムであって、
非一時的メモリと、
1つ以上のハードウェアプロセッサであって、前記非一時的メモリと結合され、且つ前記非一時的メモリから命令を読み取って前記システムに、
患者の眼に関連付けられる第1のバイオメトリックデータを取得することと、
複数のレンズ製品から、前記第1のバイオメトリックデータに基づいて、第1のレンズ製品セットを特定することであって、前記複数のレンズ製品における各レンズ製品は、特定の球面度数及び特定のトーリック度数に対応し、前記第1のレンズ製品セットは、前記第1のバイオメトリックデータに基づいて目標屈折値に最も近い前記眼のための関連する結果の屈折値を有する第1のレンズ製品を備える、ことと、
前記眼の既存のレンズが除去された後に、前記患者の前記眼に関連付けられる第2のバイオメトリックデータを取得することと、
前記複数のレンズ製品から、前記第2のバイオメトリックデータに基づいて、第2のレンズ製品セットを特定することであって、前記第2のレンズ製品セットは、前記第2のバイオメトリックデータに基づいて前記目標屈折値に最も近い前記眼のための関連する結果の屈折値を有する第2のレンズ製品を備える、ことと、
装置のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)上に、少なくとも前記第1のレンズ製品及び前記第2のレンズ製品を表すグリッドを提示することと、
を含む操作を実行させるよう構成される、1つ以上のハードウェアプロセッサと、を備える、システム。
【請求項9】
前記グリッドは前記第2のレンズ製品セットを表し、前記グリッドは、球面度数に対応する第1の次元と、トーリック度数に対応する第2の次元とを備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
同じトーリック度数を有する前記第2のレンズ製品セットからのレンズ製品は、前記グリッドの前記第1の次元に沿って配置され、同じ球面度数を有する前記第2のレンズ製品セットからのレンズ製品は、前記グリッドの前記第2の次元に沿って配置される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第2のレンズ製品は前記グリッドの中心に提示される、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記第2のレンズ製品セットの各特定のレンズ製品は、前記特定のレンズ製品と前記第2のレンズ製品との間の球面度数及び/又はトーリック度数における1つ以上の差異に基づいて前記グリッドの前記中心から少し距離を置いて前記グリッド上に配置される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記操作は、更に、
前記第1のレンズ製品を提示する前記グリッド上の領域を識別することと、
前記グリッドの前記領域を強調表示することと、
を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記グリッドは前記第1のレンズ製品セットを表し、前記第1のレンズ製品は前記グリッドの中心に提示され、前記操作は、更に、
前記第2のレンズ製品を提示する前記グリッド上の領域を識別することと、
前記グリッドの前記領域を強調表示することと、
を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
機械読取可能命令を格納した非一時的機械読取可能媒体であって、前記機械読取可能命令は、機械に、
患者の眼に関連付けられる第1のバイオメトリックデータを取得することと、
複数のレンズ製品から、前記第1のバイオメトリックデータに基づいて目標屈折値に最も近い前記眼のための関連する結果の屈折値を有する第1のレンズ製品を特定することと、
前記眼の既存のレンズが除去された後に、前記患者の前記眼に関連付けられる第2のバイオメトリックデータを取得することと、
前記複数のレンズ製品から、前記第2のバイオメトリックデータに基づいて前記目標屈折値に最も近い前記眼のための関連する結果の屈折値を有する第2のレンズ製品を特定することと、
装置のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)上に、少なくとも前記第1のレンズ製品及び前記第2のレンズ製品を表すグリッドを提示することと、
を含む操作を実行させるよう実行可能である、
非一時的機械読取可能媒体。
【請求項16】
前記操作は、更に、
前記複数のレンズ製品から、前記第2のバイオメトリックデータに基づいてレンズ製品セットを特定することを含み、前記グリッドは、前記第1のレンズ製品及び前記第2のレンズ製品を備える前記レンズ製品セットを表す、
請求項15に記載の非一時的機械読取可能媒体。
【請求項17】
前記第2のレンズ製品は前記グリッドの中心に提示される、請求項16に記載の非一時的機械読取可能媒体。
【請求項18】
前記操作は、更に、
前記第1のレンズ製品を提示する前記グリッド上の領域を識別することと、
前記グリッドの前記領域を強調表示することと、
を含む、請求項17に記載の非一時的機械読取可能媒体。
【請求項19】
前記操作は、更に、
前記複数のレンズ製品から、前記第1のバイオメトリックデータに基づいてレンズ製品セットを特定することを含み、前記グリッドは、前記第1のレンズ製品及び前記第2のレンズ製品を備える前記レンズ製品セットを表す、
請求項15に記載の非一時的機械読取可能媒体。
【請求項20】
前記第1のレンズ製品は前記グリッドの中心に提示され、前記操作は、更に、
前記第2のレンズ製品を提示する前記グリッド上の領域を識別することと、
前記グリッドの前記領域を強調表示することと、
を含む、請求項19に記載の非一時的機械読取可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、開示の様々な実施形態による眼内レンズ挿入計画においてアイケア専門家を支援するためのグラフィカルユーザインターフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
眼内レンズは、白内障等の眼の状態を有する患者のための水晶体に取って代わるよう開発されてきた。かかる眼の状態を有する患者に対して、手術が行われる可能性があり、それによって、患者の眼の水晶体が取り除かれ、人工レンズ(例えば、眼内レンズ)が水晶体を置き換えるよう眼に挿入される。異なる患者は異なる眼形状を有する可能性がある(例えば、異なるレンズ処方を必要とする)ことを考慮すると、異なる度数を有するレンズが、目標とする結果の視力(例えば、目標屈折値)を達成するよう異なる患者に対して選択及び用いられてもよい。
【0003】
しかし、患者のために適切な眼内レンズを選択することは容易な作業ではない可能性がある。例えば、眼内レンズは、個別の度数(例えば、24.0D、24.5D等)を有して製造されるため、アイケア専門家(ECP)は、多くの場合、妥協し、患者に対して同様ではあるが正確な目標とする結果の視力をもたらすことができないレンズを選択しなければならない。更に、患者の異なる生活様式の選択、患者の眼の手術歴、利き目ではない眼の好み等の要因もまた、レンズを選択する際のECPの決定に影響を及ぼす可能性がある。従って、当該技術において、患者のために眼内レンズを選択する際にECPを支援するためのユーザインターフェースを提供するニーズが存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
幾つかの実施形態によれば、方法は、1つ以上のハードウェアプロセッサによって、患者の眼に関連付けられる第1のバイオメトリックデータを取得することと、1つ以上のハードウェアプロセッサによって、複数のレンズ構成から、第1のバイオメトリックデータ及び目標屈折値に基づいて、第1のレンズ構成セットを特定することであって、複数のレンズ構成における各レンズ構成は、特定の球面度数及び特定のトーリック度数に対応し、第1のレンズ構成セットは、第1のバイオメトリックデータに基づいて目標屈折値に最も近い眼のための関連する結果の屈折値を有する第1のレンズ構成を備える、ことと、眼の水晶体が除去された後に、1つ以上のハードウェアプロセッサによって、患者の眼に関連付けられる第2のバイオメトリックデータを取得することと、1つ以上のハードウェアプロセッサによって、複数のレンズ構成から、第2のバイオメトリックデータ及び目標屈折値に基づいて、第2のレンズ構成セットを特定することであって、第2のレンズ構成セットは、第2のバイオメトリックデータに基づいて目標屈折値に最も近い眼のための関連する結果の屈折値を有する第2のレンズ構成を備える、ことと、1つ以上のハードウェアプロセッサによって、装置のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)上に、第2のレンズ構成セットを表すグリッドを提示することと、1つ以上のハードウェアプロセッサによって、グリッド上に、第1のレンズ構成と第2のレンズ構成との間の差異を示すことと、を含んでいる。
【0005】
幾つかの実施形態によれば、システムは、非一時的メモリと、1つ以上のハードウェアプロセッサであって、非一時的メモリから命令を読み取ってシステムに、患者の眼に関連付けられる第1のバイオメトリックデータを取得することと、複数のレンズ製品から、第1のバイオメトリックデータに基づいて、第1のレンズ製品セットを特定することであって、複数のレンズ製品における各レンズ製品は、特定の球面度数及び特定のトーリック度数に対応し、第1のレンズ製品セットは、第1のバイオメトリックデータに基づいて目標屈折値に最も近い眼のための関連する結果の屈折値を有する第1のレンズ製品を備える、ことと、眼の既存のレンズが除去された後に、患者の眼に関連付けられる第2のバイオメトリックデータを取得することと、複数のレンズ製品から、第2のバイオメトリックデータに基づいて、第2のレンズ製品セットを特定することであって、第2のレンズ製品セットは、第2のバイオメトリックデータに基づいて目標屈折値に最も近い眼のための関連する結果の屈折値を有する第2のレンズ製品を備える、ことと、装置のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)上に、少なくとも第1のレンズ製品及び第2のレンズ製品を表すグリッドを提示することと、を含む操作を実行させるよう構成される1つ以上のハードウェアプロセッサと、を備えている。
【0006】
幾つかの実施形態によれば、機械読取可能命令を格納した非一時的機械読取可能媒体であって、機械読取可能命令は、機械に、患者の眼に関連付けられる第1のバイオメトリックデータを取得することと、複数のレンズ製品から、第1のバイオメトリックデータに基づいて目標屈折値に最も近い眼のための関連する結果の屈折値を有する第1のレンズ製品を特定することと、眼の既存のレンズが除去された後に、患者の眼に関連付けられる第2のバイオメトリックデータを取得することと、複数のレンズ製品から、第2のバイオメトリックデータに基づいて目標屈折値に最も近い眼のための関連する結果の屈折値を有する第2のレンズ製品を特定することと、装置のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)上に、少なくとも第1のレンズ製品及び第2のレンズ製品を表すグリッドを提示することと、を含む操作を実行させるよう実行可能である。
【0007】
本技術、本技術の特徴、及び本技術の利点をより完全に理解するために、添付の図面と併せて、以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、幾つかの実施形態による、レンズ選択のためのシステムの図である。
【
図2】
図2は、幾つかの実施形態による、患者のためのレンズ製品を提示するためのグラフィカルユーザインターフェースを提供するプロセスを示す。
【
図3】
図3は、幾つかの実施形態による、レンズ製品セットを提示するための一例のグリッドを示す。
【
図4】
図4は、幾つかの実施形態による、レンズ製品セットを提示するための修正されたグリッドを示す。
【
図5】
図5は、幾つかの実施形態による、レンズ製品セットを提示するための別のグリッド例を示す。
【
図6A】
図6Aは、幾つかの実施形態による、処理システムの図である。
【
図6B】
図6Bは、幾つかの実施形態による、処理システムの図である。
【
図7】
図7は、幾つかの実施形態による、多層ニューラルネットワークの図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面において、同一符号を有する要素は、同一又は類似の機能を有する。
【0010】
発明の態様、実施形態、実装形態、又はモジュールを示すこの説明及び添付の図面は、限定するものとして解釈されるべきではなく、特許請求の範囲が、保護された発明を定義する。この説明及び特許請求の範囲の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な機械的、構成的、構造的、電気的、及び動作上の変更を行ってもよい。場合によっては、本発明をあいまいにしないために、周知の回路、構造、又は技術は、図示又は詳細に説明されていない。2つ以上の図の類似の番号は、同一又は類似の要素を表す。
【0011】
この説明において、本開示と一致する幾つかの実施形態を説明する特定の詳細が示されている。実施形態の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が示されている。しかしながら、これらの具体的詳細の一部又は全部なしに幾つかの実施形態が実施されてもよいことは、当業者には明らかであろう。本明細書に開示された特定の実施形態は、限定的でなく、例示的であるように意図される。当業者であれば、本明細書に具体的に説明されないが、この開示の範囲及び精神の範囲内にある他の要素を実現してもよい。加えて、不必要な繰り返しを避けるために、一実施形態に関連して図示されて説明された1つ以上の特徴は、特に別途説明しない限り、又は1つ以上の特徴によって実施形態が機能しなくなる場合を除いて、他の実施形態に組み込まれてもよい。
【0012】
以下に説明する技術は、2段階プロセスにおける眼内レンズ挿入計画において、アイケア専門家(ECP)(例えば、眼科医)を支援するためのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を提供するシステム及び方法に関係する。幾つかの実施形態において、レンズ選択システムは、ECPが患者のために眼内レンズを選択することを支援するよう提供されてもよい。レンズ選択システムは、ECPに関連付けられる装置上にGUIを提示してもよい。2段階プロセスの第1の段階中に、装置上に提示されるGUIを通して、レンズ選択システムは、患者の眼に関連する第1のバイオメトリックデータを取得してもよい。例えば、ECPは、診断装置を用いて、眼に手術を行う前に、眼軸長、角膜屈折力、前房深度、水晶体厚み、白色-白色角膜径、及び場合によっては他の測定値等の眼形状を測定してもよい。ECPは、次いで、GUIを介してかかる眼形状をレンズ選択システムに提供してもよい。幾つかの実施形態において、診断装置は、測定された眼形状をGUIに自動的に提供してもよい(例えば、GUI上のデータフィールドに自動的に入力する)。幾つかの実施形態において、ECPはまた、GUIを介してレンズ選択システムに患者の眼の目標視力(例えば、目標屈折値)等の望ましい術後結果を提供してもよい。
【0013】
第1のバイオメトリックデータ及び目標屈折値に基づいて、レンズ選択システムは、以下でより詳細に説明する1つ以上のレンズ選択アルゴリズムを用いて、複数のレンズ製品から、患者のための第1のレンズ製品を選択してもよい。幾つかの実施形態において、各レンズ製品は、レンズ製品の1つ以上の対応する度数(例えば、対応する球面度数及び対応するトーリック度数等)を指定する個別のレンズ構成を有していてもよい。レンズ選択システムは、ECPに対して利用可能な複数のレンズ製品の中から第1のレンズ製品が、第1のバイオメトリックデータに基づいて、目標視力(例えば、目標屈折値)に最も近い患者の眼に対する推定結果視力(例えば、推定結果屈折値)を生じることを特定することによって、第1のレンズ製品を選択してもよい。上で検討したように、レンズ製品は個別の度数で製造されてもよく、全てのレンズ度数がECPに対して利用可能であるわけではない。例えば、レンズ製品のファミリーは、0.5球面度数のステップで分離された球面度数(例えば、24.0D、24.5D、25.0D等)を有するレンズを含んでいてもよい。従って、ステップ間の球面度数(例えば、24.3D)を有するレンズ製品は、ECPにとって利用できない可能性がある。
【0014】
幾つかの実施形態において、レンズ選択システムは、1つ以上のアルゴリズム(例えば、Barrett Universal式、Haigis式、Hoffer Q式、Holladay式、SRK式等)を用いて患者の眼に必要とされるレンズ度数を予測して、患者の第1のバイオメトリックデータに基づく目標視力を達成してもよい。例えば、レンズ選択システムは、ECPによって測定される患者の眼の軸長、角膜屈折力、前房深度、水晶体厚み、白色-白色角膜径を含む第1のバイオメトリックデータをBarrett Universal式の入力として用いてもよく、Barrett Universal式に基づいて、患者の眼の所望の屈折力(例えば、所望の球面度数、所望のトーリック度数等)を特定してもよい。しかし、ECPに対して利用可能なレンズ製品は、正確な所望度数を有するレンズ製品を含まない可能性があるため、レンズ選択システムは、ECPに対して利用可能なレンズ製品から、所望度数に最も近いレンズ構成を有するレンズ製品を第1のレンズ製品として選択してもよい。例えば、患者の眼に対する計算された所望度数が24.1Dの球面度数及びT3のトーリック度数を含む場合、レンズ選択システムは、24.0Dの球面度数及びT3のトーリック度数を指定するレンズ構成を有するレンズ製品を患者の眼のための第1の製品として選択してもよい。
【0015】
第1のレンズ製品に加えて、レンズ選択システムはまた、患者のための第1のレンズ製品に基づいて第1のレンズ製品グループを特定してもよい。レンズ選択システムは、2つの異なるアプローチにより、第1のレンズ製品グループを特定してもよい。第1のアプローチにより、レンズ選択システムは、ECPに対して利用可能な異なるレンズ製品から、第1のレンズ製品の第1のレンズ構成に最も近い(又は所望度数に最も近い)レンズ構成を有する第1のレンズ製品グループを特定してもよい。例えば、第1のレンズ製品が、24.0Dの球面度数及びT3のトーリック度数を指定する第1のレンズ構成を有している場合、レンズ選択システムは、第1の製品の第1のレンズ構成に最も類似する(例えば、最も近い)球面度数及び/又はトーリック度数を有するレンズ製品を第1のレンズ製品グループの一部として選択してもよい。上で検討した実施例を用いて、24.0Dの球面度数及びT3のトーリック度数を指定する第1のレンズ構成を有する第1のレンズ製品について、レンズ選択システムは、(第1のレンズ構成と)同じT3のトーリック度数を指定するが、球面度数を変化させる(例えば、23.5D、24.5D等)レンズ構成を有するレンズ製品を第1のレンズ製品グループの一部として選択してもよい。同様に、レンズ選択システムは、(第1のレンズ構成と)同じ24.0Dの球面度数を指定するが、トーリック度数を変化させる(例えば、T2、T4等)レンズ構成を有するレンズ製品を第1のレンズ製品グループの一部として選択してもよい。加えて、レンズ選択システムは、同様の(しかし同じではない)球面度数(例えば、23.5D、24.5D)及び同様の(しかし同じではない)トーリック度数(例えば、T2、T4等)を指定するレンズ構成を有するレンズ製品を選択してもよい。
【0016】
第2のアプローチにより、レンズ選択システムは、ECPに対して利用可能な異なるレンズ製品から、計算式に基づいて、目標視力(例えば、目標屈折値)に最も近い推定結果視力(例えば、推定結果屈折値)を生じる第1のレンズ製品グループを特定してもよい。2つのアプローチは、常にではないが、通常、第1のレンズ製品に基づいて同じレンズ製品グループを生成する。従って、レンズ選択システムが、第1のレンズ製品グループを選択する際に2つのアプローチのうちの1つを選択することができる(又はECPが選択することを可能にする)ことが有益である。レンズ選択システムは、どちらか一方のアプローチを用いて、第1のレンズ製品グループに対して任意の数(例えば、4、8、10等)のレンズ製品を選択してもよい。
【0017】
幾つかの実施形態において、レンズ選択システムは、GUIを介して、患者の眼のために選択された第1のレンズ製品及び第1のレンズ製品グループを提示してもよい。幾つかの実施形態において、レンズ選択システムは、第1のレンズ製品及び第1のレンズ製品グループを、2つの次元を有するグリッド(例えば、第1のグリッド)内に提示してもよく、ここで第1の次元は球面度数に対応し、第2の次元はトーリック度数に対応する。レンズ選択システムは、第1のグリッドの中心に第1のレンズ製品(例えば、目標視力に最も近い推定結果視力を生じるであろうレンズ製品、又は第1のバイオメトリックデータに基づいて所望の度数に最も近い球面度数及びトーリック度数を指定するレンズ構成を有するレンズ製品)を提示してもよい。レンズ選択システムは、次いで、第1のレンズ製品の周囲に第1のレンズ製品グループ内のレンズ製品を提示してもよい。例えば、レンズ選択システムは、第1のグリッドの第1の次元に沿って(例えば、第1のレンズ製品の左右に)同じトーリック度数(変化する球面度数)を有する第1のレンズ製品グループ内のレンズ製品を提示してもよく、第1のグリッドの第2の次元に沿って(例えば、第1のレンズ製品の上下に)同じ球面度数(変化するトーリック度数)を有する第1のレンズ製品グループ内のレンズ製品を提示してもよい。レンズ選択システムは、次いで、第1のグループ内部の残りのレンズ製品(例えば、第1のレンズ製品から球面及びトーリック度数の両方を変化させるレンズ製品)を第1のグリッド上に第1の次元に沿って同じトーリック度数を有する他のレンズ製品と共に、そして、第2の次元に沿って同じ球面度数を有する他のレンズ製品と共に提示してもよい。このため、第1のレンズ製品によく似たレンズ構成を有するレンズ製品は、第1のグリッド上の第1のレンズ製品のより近くに提示され、第1のレンズ製品にあまり似ていない(例えば、より異なっている)レンズ構成を有するレンズ製品は、第1のグリッド上の第1のレンズ製品からより遠くに提示される。言い換えれば、第1のグリッド上の1つのレンズ製品と第1のレンズ製品との間の距離は、レンズ構成がレンズ製品と第1のレンズ製品との間でどれだけ類似しているかを示している。
【0018】
2つの次元(例えば、球面度数次元及びトーリック度数次元)に基づくレンズ製品のグリッド提示は、患者のために選択されたレンズ製品をECPに提示する方法を向上させる。上で検討したように、ECPは、患者の眼の目標視力に最も近い推定結果視力をもたらすレンズ製品を常に選択するとは限らない。例えば、ECPは、患者のライフスタイルの選択、患者の眼の手術歴、患者の非優位眼の好み等の要因により、患者の眼に対して(第1のレンズ製品以外の)異なるレンズ製品を選択してもよい。更に、第1のバイオメトリックデータを構成する眼形状の測定値は推定される測定値であり、正確ではない可能性があるため、2段階プロセスのこの第1の段階における所望の度数の計算は正確ではない可能性がある。このため、手術中に患者の眼に挿入するためにECPが選択する可能性があるレンズ製品は異なる可能性がある。グリッド提示は、患者の眼に挿入するためにECPによって最終的には選択されるレンズ製品が手術中に準備できるように、ECPが手術の準備のために複数のレンズ製品(例えば、第1のレンズ製品に類似したレンズ製品)を選択することを可能にする。
【0019】
幾つかの実施形態において、レンズ選択システムは、2段階プロセスの第2の段階中に患者の眼の第2のバイオメトリックデータを取得してもよい。2段階プロセスの第2の段階中、ECPは、例えば、眼手術中に、患者の眼から既存のレンズ(例えば、水晶体)を除去している。患者の眼は、既存のレンズを除去した後、「無水晶体」と呼ばれる。患者の眼から既存のレンズを除去した後、ECPは、眼形状を再度測定して第2のバイオメトリックデータを取得してもよい。第2のバイオメトリックデータはレンズが除去された後に取得されるため、測定値は一般に、レンズの除去前に取得された第1のバイオメトリックデータよりも正確である。幾つかの実施形態において、第2のバイオメトリックデータは、屈折値(例えば、無水晶体患者の屈折力を測定することによって得られる、波面測定値等)を含んでいてもよい。従って、レンズ選択システムは、GUIを介して、ECPから第2のバイオメトリックデータを取得してもよい。
【0020】
第2のバイオメトリックデータ及び目標屈折値に基づいて、レンズ選択システムは、複数のレンズ製品から、患者のための第2のレンズ製品を選択してもよい。第2のレンズ製品は、球面度数及びトーリック度数を指定する第2のレンズ構成を有していてもよい。幾つかの実施形態において、レンズ選択システムは、1つ以上の無水晶体ベースの眼内レンズ予測式を用いて患者の眼に必要とされるレンズ度数を予測して、患者の第2のバイオメトリックデータに基づく目標視力を達成してもよい。例えば、レンズ選択システムは、患者の眼の水晶体が除去された後にECPによって測定された患者の眼の屈折値を含む第2のバイオメトリックデータを無水晶体ベースの式に対する入力として用いてもよく、無水晶体ベースの式に基づいて、患者の眼に対する所望の度数(例えば、所望の球面度数、所望のトーリック度数等)を特定してもよい。しかし、ECPに対して利用可能なレンズ製品は、正確な所望度数を有するレンズ製品を含まない可能性があるため、レンズ選択システムは、ECPに対して利用可能なレンズ製品から、所望度数に最も近いレンズ構成を有するレンズ製品を第2のレンズ製品として選択してもよい。例えば、患者の眼に対する計算された所望度数が24.4Dの球面度数及びT2のトーリック度数を含む場合、レンズ選択システムは、24.5Dの球面度数及びT2のトーリック度数を指定するレンズ構成を有するレンズ製品を患者の眼のための第2の製品として選択してもよい。
【0021】
第2のレンズ製品は、第1のレンズ製品の第1のレンズ構成と類似した第2のレンズ構成を有していてもよく、このため、第2のレンズ製品は第1のレンズ製品グループに含まれてもよい。幾つかの実施形態において、レンズ選択システムは、第1のグリッド内の第2のレンズ製品を識別してもよく、第1のグリッド内の第2のレンズ製品を強調表示することによって第1のグリッドを修正してもよい。例えば、レンズ選択システムは、第2のレンズ製品が提示される領域にマーカを挿入してもよい。第2のレンズ製品が第1のグリッド内のボックス内に提示される場合、レンズ選択システムは、ボックスの辺縁の厚さを増加させてもよい。幾つかの実施形態において、レンズ選択システムは、第2のレンズ製品の提示の背景色/パターンを変更してもよい。レンズ選択システムは、次いで、ECPのためにGUIを介して修正された第1のグリッドを提示してもよい。修正された第1のグリッド内の第2のレンズ製品の強調表示は、修正された第1のグリッド内の第1のレンズ製品と第2のレンズ製品との間の距離の示度を提供し、それによって、第1のレンズ製品と第2のレンズ製品との間の偏差を示している。
【0022】
幾つかの実施形態において、第2のレンズ製品を特定することに加えて、レンズ選択システムはまた、患者のための第2のレンズ製品(及び第2のバイオメトリックデータ)に基づいて第2のレンズ製品グループを特定してもよい。第1のレンズ製品グループを選択することと同様に、レンズ選択システムは、2つの異なるアプローチにより、第2のレンズ製品グループを特定してもよい。第1のアプローチにより、レンズ選択システムは、ECPに対して利用可能な異なるレンズ製品から、第2のレンズ製品の第2のレンズ構成に最も近い(又は所望度数に最も近い)レンズ構成を有する第2のレンズ製品グループを特定してもよい。例えば、第2のレンズ製品が、24.5Dの球面度数及びT2のトーリック度数を指定する第2のレンズ構成を有している場合、レンズ選択システムは、第2の製品の第2のレンズ構成に最も類似する(例えば、最も近い)球面度数及び/又はトーリック度数を有するレンズ製品を第2のレンズ製品グループの一部として選択してもよい。上で検討した実施例を用いて、24.5Dの球面度数及びT2のトーリック度数を指定する第2のレンズ構成を有する第2のレンズ製品について、レンズ選択システムは、(第2のレンズ構成と)同じT2のトーリック度数を指定するが、球面度数を変化させる(例えば、24.0D、25.0D等)レンズ構成を有するレンズ製品を第2のレンズ製品グループの一部として選択してもよい。同様に、レンズ選択システムは、(第2のレンズ構成と)同じ24.0Dの球面度数を指定するが、トーリック度数を変化させる(例えば、T2、T4等)レンズ構成を有するレンズ製品を第1のレンズ製品グループの一部として選択してもよい。加えて、レンズ選択システムは、同様の(しかし同じではない)球面度数(例えば、24.0D、25.0D)及び同様の(しかし同じではない)トーリック度数(例えば、T2、T4等)を指定するレンズ構成を有するレンズ製品を選択してもよい。
【0023】
第2のアプローチにより、レンズ選択システムは、ECPに対して利用可能な異なるレンズ製品から、無水晶体ベースの式に基づいて、目標視力(例えば、目標屈折値)に最も近い患者の眼に対する推定結果視力(例えば、推定結果屈折値)を生じる第2のレンズ製品グループを特定してもよい。第1のレンズ製品グループを特定することと同様に、幾つかの実施形態のレンズ選択システムは、どちらか一方のアプローチを用いて、第2のレンズ製品グループに対して任意の数(例えば、4、8、10等)のレンズ製品を選択してもよい。第2のグループのために選択されるレンズ製品の数は、第1のグループのために選択されるレンズ製品の数と同じか又は異なっていてもよい。
【0024】
幾つかの実施形態において、修正された第1のグリッドを提示することに加えて、又はその代わりに、レンズ選択システムは、患者の眼のために選択された第2のレンズ製品及び第2のレンズ製品グループを提示するための第2のグリッドを生成してもよい。第1のグリッドと同様に、第2のグリッドも2つの次元を有し、ここで第1の次元は球面度数に対応し、第2の次元はトーリック度数に対応する。レンズ選択システムは、第2のグリッドの中心に第2のレンズ製品(例えば、目標視力に最も近い推定結果視力を生じるであろうレンズ製品、又は第2のバイオメトリックデータに基づいて所望の度数に最も近い球面度数及びトーリック度数を指定するレンズ構成を有するレンズ製品)を提示してもよい。レンズ選択システムは、次いで、第2のレンズ製品の周囲に第2のレンズ製品グループ内のレンズ製品を提示してもよい。例えば、レンズ選択システムは、第1のグリッドの第1の次元に沿って(例えば、第2のレンズ製品の左右に)同じトーリック度数(変化する球面度数)を有する第2のレンズ製品グループ内のレンズ製品を提示してもよく、第2のグリッドの第2の次元に沿って(例えば、第2のレンズ製品の上下に)同じ球面度数(変化するトーリック度数)を有する第2のレンズ製品グループ内のレンズ製品を提示してもよい。レンズ選択システムは、次いで、第2のグループ内部の残りのレンズ製品(例えば、第2のレンズ製品から球面及びトーリック度数の両方を変化させるレンズ製品)を第2のグリッド上に第1の次元に沿って同じトーリック度数を有する他のレンズ製品と共に、そして、第2の次元に沿って同じ球面度数を有する他のレンズ製品と共に提示してもよい。このため、第2のレンズ製品によく似たレンズ構成を有するレンズ製品は、第2のグリッド上の第2のレンズ製品のより近くに提示され、第2のレンズ製品にあまり似ていない(例えば、より異なっている)レンズ構成を有するレンズ製品は、第2のグリッド上の第2のレンズ製品からより遠くに提示される。言い換えれば、第2のグリッド上の1つのレンズ製品と第2のレンズ製品との間の距離は、レンズ構成がレンズ製品と第2のレンズ製品との間でどれだけ類似しているかを示している。レンズ選択システムは、次いで、GUIを介して、第2のグリッドをECPに提示してもよい。
【0025】
上で検討したように、第1のレンズ製品は、第2のレンズ製品の第2のレンズ構成と類似した第1のレンズ構成を有していてもよく、このため、第1のレンズ製品は第2のレンズ製品グループに含まれてもよい。幾つかの実施形態において、レンズ選択システムは、第2のグリッド内の第1のレンズ製品を識別してもよく、第2のグリッド内の第1のレンズ製品を強調表示することによって第2のグリッドを修正してもよい。例えば、レンズ選択システムは、第1のレンズ製品が第2のグリッド上に提示される領域にマーカを挿入してもよい。第1のレンズ製品が第2のグリッド内のボックス内に提示される場合、レンズ選択システムは、ボックスの辺縁の厚さを増加させてもよい。幾つかの実施形態において、レンズ選択システムは、第1のレンズ製品の提示の背景色/パターンを変更してもよい。レンズ選択システムは、次いで、ECPのためにGUIを介して修正された第2のグリッドを提示してもよい。修正された第1のグリッドと同様に、修正された第2のグリッド内の第1のレンズ製品の強調表示は、修正された第2のグリッド内の第1のレンズ製品と第2のレンズ製品との間の距離の示度を提供し、それによって、第1のレンズ製品と第2のレンズ製品との間の偏差を示している。
【0026】
第1のレンズ製品と第2のレンズ製品との間の差異の示度(例えば、修正された第1のグリッド、修正された第2のグリッド等を介する)は、ECPが、レンズ製品を選択し、レンズ製品を患者の眼に挿入する前に、必要な是正措置を行うことを可能にしてもよい。例えば、差異が所定の閾値よりも大きい場合、ECPは、眼パラメータの測定を再度実行してもよい。従って、第1のレンズ製品と第2のレンズ製品との間の差異が所定の閾値よりも大きいと特定される場合、レンズ選択システムは、また、例えば、第1のレンズ製品と第2のレンズ製品との間の大きな差異を示す通知をGUI上に提供することによって、ECPに警告を提供する動作を実行してもよい。
【0027】
図1は、幾つかの実施形態による、内部に本明細書中で検討するようなレンズ選択システムが実装されていてもよいシステム100を示している。システム100は、ネットワーク115を介してECP装置130、140、及び150等の1つ以上のECP装置と結合されるレンズ選択プラットフォーム102を含んでいる。ECP装置のそれぞれは、また、診断装置に通信可能に結合されてもよい。例えば、ECP装置130は、診断装置160に(例えば、内部ネットワーク、有線又は無線接続等を介して)通信可能に結合される。幾つかの実施例において、ネットワーク115は、1つ以上のスイッチング装置、ルータ、ローカルエリアネットワーク(例えば、イーサネット(登録商標))、広域ネットワーク(例えば、インターネット)等を含んでいてもよい。この図では、レンズ選択プラットフォーム102がECP装置から離れていることが示されているが、幾つかの実施形態において、レンズ選択プラットフォームの一部又は全部を、レンズ選択システムの機能をECPオフィスでローカルに実行できるように、ECP装置130~150のそれぞれ及び/又は診断装置160の内部に実装してもよい。
【0028】
ECP装置(例えば、ECP装置130、140、及び150)のそれぞれは、ユーザインターフェース(UI)アプリケーションとECP識別子とを含んでいてもよい。例えば、ECP装置130は、UIアプリケーション132とECP識別子134とを含んでいる。UIアプリケーション132は、対応するECP(例えば、ECP170)によって用いられてレンズ選択プラットフォーム102と相互作用してもよい。例えば、UIアプリケーション132は、Webブラウザ又はクライアントアプリケーション(例えば、モバイルアプリケーション)であってもよい。ECP170は、UIアプリケーション132を介して、レンズ選択プラットフォーム102によって生成及び/又はホストされるWebページ等のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)にアクセスしてもよい。ECP識別子134は、レンズ選択プラットフォーム102によってサービス提供される複数のECPの中からECP170を一意に識別する識別子である。
【0029】
レンズ選択プラットフォーム102は、データベース104、レンズ選択エンジン106、及びインターフェースサーバ108を含む。データベース104は、レンズ製品に関連付けられた情報(例えば、レンズ製品の各ファミリーで利用可能なレンズ構成を含むレンズ製品の異なるファミリー等)を格納してもよい。例えば、ECP識別子(例えば、ECP識別子134)に基づいて、レンズ選択プラットフォーム102は、データベース104に問い合わせることによって、どのレンズ製品のファミリーがECPに利用可能であるかを特定してもよい。インターフェースサーバ108は、幾つかの実施形態において、それを介してECP170等のECPがレンズ選択プラットフォーム102と相互作用してもよいユーザインターフェース(例えば、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)等)をECP装置130、140、及び150上に提供するよう構成される。例えば、幾つかの実施形態のインターフェースサーバ108は、レンズ選択プラットフォーム102に関連付けられるWebサイトをホストするWebサーバを含んでいてもよい。インターフェースサーバ108は、UIアプリケーション(例えば、UIアプリケーション132)を介してECP装置上に提示してもよい1つ以上の対話型Webページを生成及び/又は格納してもよい。別の実施例において、インターフェースサーバ108は、プロトコル(例えば、RESTプロトコル等)を介してクライアントアプリケーション(例えば、UIアプリケーション132)と対話するアプリケーションサーバを含んでいてもよい。
【0030】
幾つかの実施形態において、ECP(例えば、ECP170)は、患者の眼のバイオメトリックデータを(例えば、患者の眼の既存のレンズの除去前及び/又は除去後に)取得してもよい。例えば、ECP170は、診断装置160を用いて患者の眼の眼形状を測定してもよい。バイオメトリックデータを取得すると、ECP170は、UIアプリケーション(例えば、UIアプリケーション132)及びインターフェースサーバ108によって提供されるユーザインターフェースを介して、患者の眼のバイオメトリックデータを(例えば、患者の眼の既存のレンズの除去前及び/又は除去後に)提供してもよい。幾つかの実施形態において、ECP装置130は、診断装置160との接続を確立し、診断装置160からバイオメトリックデータを自動的に取得してもよく、また、ECP170がバイオメトリックデータをユーザインターフェースに手動で提供する必要がないように、取得したバイオメトリックデータを自動的に用いてユーザインターフェース上のデータフィールドに入力してもよい。ECP装置から受信したバイオメトリックデータに基づいて、レンズ選択エンジン106は、ECPに対して利用可能であり、バイオメトリックデータに基づいて患者の眼のために選択される1つ以上のレンズ製品の提示を生成してもよい。幾つかの実施形態において、インターフェースサーバは、グリッド内に1つ以上のレンズ製品を提示してもよい。グリッドは、患者の眼の既存のレンズの除去に先立ってECPによって取得される第1のバイオメトリックデータに基づいて選択される患者の眼のための最適レンズ製品(例えば、第1のレンズ製品)と、患者の眼の既存のレンズの除去後にECPによって取得される第2のバイオメトリックデータに基づいて選択される患者の眼のための最適レンズ製品(例えば、第2のレンズ製品)と、第1のレンズ製品と第2のレンズ製品との間の偏差(例えば、度数の差)とを示してもよい。
【0031】
図2は、本開示の一実施形態による、2段階プロセスを用いて患者の眼のためのレンズ製品を選択するためのユーザインターフェースをECPに提供するためのプロセス200を示している。幾つかの実施形態において、プロセス200は、レンズ選択プラットフォーム102、ECP装置130~150、及び/又は診断装置160によって実行されてもよい。プロセス200は、(ステップ205において)患者の眼に関連する第1のバイオメトリックデータを取得することによって開始する。例えば、2段階プロセスの第1の段階中に、ECP(例えば、ECP170)は、眼に手術を行う前に患者の眼の眼形状を測定してもよい。幾つかの実施形態において、ECP170は、診断装置160を用いて患者の眼の眼形状を測定してもよい。眼形状は、眼軸長、角膜屈折力、前房深度、水晶体厚み、白色-白色角膜径、及び場合によっては他の測定値を含んでいてもよい。ECP170は、次いで、かかる眼形状をレンズ選択システムに提供してもよい。上で検討したように、幾つかの実施形態において、レンズ選択プラットフォーム102のインターフェースサーバ108は、ECP170のECP装置130上にGUIを提供してもよい。例えば、ECPは、UIアプリケーション132を用いて、レンズ選択プラットフォーム102に関連付けられたGUI(例えば、Webページ)にアクセスしてもよい。GUIは、ECP170から眼形状(例えば、第1のバイオメトリックデータ)を受け取るよう構成される機構(例えば、入力フィールド)を含んでいてもよい。ECP170は、第1のバイオメトリックデータをレンズ選択プラットフォーム102に送る前に、第1のバイオメトリックデータをGUI上に手動で入力してもよい。しかし、診断装置160がECP装置130に接続されている場合、診断装置は、第1のバイオメトリックデータをECP装置に自動的に送信し、第1のバイオメトリックデータを自動的に用いてGUI上のデータフィールドに入力してもよい。幾つかの実施形態において、ECP170はまた、GUIを介してレンズ選択プラットフォーム102に患者の眼の目標視力(例えば、目標屈折値)等の望ましい術後結果を提供してもよい。幾つかの実施形態において、GUIは、ECP170によって提供される第1のバイオメトリックデータ、目標屈折値、及びECP識別子134をレンズ選択プラットフォーム102に送信するよう(例えば、ECPがGUI上の「送信」ボタンを選択することに応答して)構成されてもよい。
【0032】
プロセス200は、次いで、(ステップ210において)第1のバイオメトリックデータ及び目標屈折値に基づいて、眼のための第1のレンズ製品を特定する。ECP装置130から第1のバイオメトリックデータ及びECP識別子134を取得すると、レンズ選択エンジン106は、第1に、ECP識別子134に基づいて、ECP170に対して利用可能なレンズ製品のセット(例えば、レンズ製品の1つ以上のファミリー)を検索するようデータベース104に問い合わせてもよい。幾つかの実施形態において、各レンズ製品は、レンズ製品の1つ以上の対応する度数(例えば、対応する球面度数及び対応するトーリック度数等)を指定する個別のレンズ構成を有していてもよい。レンズ選択システムは、ECP170に対して利用可能な複数のレンズ製品の中から第1のレンズ製品が、目標視力(例えば、目標屈折値)に最も近い患者の眼に対する推定結果視力(例えば、推定結果屈折値)を生じることを特定することによって、第1のレンズ製品を選択してもよい。上で検討したように、レンズ製品は個別の度数で製造されてもよく、全てのレンズ度数がECP170に対して利用可能であるわけではない。例えば、ECP170に対して利用可能なレンズ製品のファミリーは、0.5球面度数のステップで分離された球面度数(例えば、24.0D、24.5D、25.0D等)を有するレンズを含んでいてもよい。従って、ステップ間の球面度数(例えば、24.3D)を有するレンズ製品は、ECP170にとって利用できない可能性がある。
【0033】
幾つかの実施形態において、レンズ選択エンジン106は、1つ以上のアルゴリズム(例えば、Barrett Universal式、Haigis式、Hoffer Q式、Holladay式、SRK式等)を用いて患者の眼に必要とされるレンズ度数を予測して、患者の第1のバイオメトリックデータに基づく目標視力を達成してもよい。例えば、レンズ選択エンジン106は、ECP170によって測定される患者の眼の軸長、角膜屈折力、前房深度、水晶体厚み、白色-白色角膜径を含む第1のバイオメトリックデータをBarrett Universal式の入力として用いてもよく、Barrett Universal式に基づいて、患者の眼の所望の屈折力(例えば、所望の球面度数、所望のトーリック度数等)を特定してもよい。しかし、ECP170に対して利用可能なレンズ製品は、正確な所望度数を有するレンズ製品を含まない可能性があるため、レンズ選択エンジン106は、ECP170に対して利用可能なレンズ製品から、所望度数に最も近いレンズ構成を有するレンズ製品を第1のレンズ製品として選択してもよい。例えば、患者の眼に対する計算された所望度数が24.1Dの球面度数及びT3のトーリック度数を含む場合、レンズ選択エンジン106は、24.0Dの球面度数及びT3のトーリック度数を指定するレンズ構成を有するレンズ製品を患者の眼のための第1の製品として選択してもよい。
【0034】
プロセス200は、次いで、(ステップ215において)患者の眼のために選択された第1のレンズ製品及び第1のレンズ製品グループを提示するよう第1のグリッドを生成する。幾つかの実施形態において、第1のレンズ製品に加えて、レンズ選択エンジン106はまた、患者のための第1のレンズ製品に基づいて第1のレンズ製品グループを特定してもよい。レンズ選択エンジン106は、2つの異なるアプローチにより、第1のレンズ製品グループを特定してもよい。第1のアプローチにより、レンズ選択エンジン106は、ECPに対して利用可能な異なるレンズ製品から、第1のレンズ製品の第1のレンズ構成に最も近い(又は所望度数に最も近い)レンズ構成を有する第1のレンズ製品グループを特定してもよい。例えば、第1のレンズ製品が、24.0Dの球面度数及びT3のトーリック度数を指定する第1のレンズ構成を有している場合、レンズ選択エンジン106は、第1の製品の第1のレンズ構成に最も類似する(例えば、最も近い)球面度数及び/又はトーリック度数を有するレンズ製品を第1のレンズ製品グループの一部として選択してもよい。上で検討した実施例を用いて、24.0Dの球面度数及びT3のトーリック度数を指定する第1のレンズ構成を有する第1のレンズ製品について、レンズ選択エンジン106は、(第1のレンズ構成と)同じT3のトーリック度数を指定するが、球面度数を変化させる(例えば、23.5D、24.5D等)レンズ構成を有するレンズ製品を第1のレンズ製品グループの一部として選択してもよい。同様に、レンズ選択エンジン106は、(第1のレンズ構成と)同じ24.0Dの球面度数を指定するが、トーリック度数を変化させる(例えば、T2、T4等)レンズ構成を有するレンズ製品を第1のレンズ製品グループの一部として選択してもよい。加えて、レンズ選択エンジン106は、同様の(しかし同じではない)球面度数(例えば、23.5D、24.5D)及び同様の(しかし同じではない)トーリック度数(例えば、T2、T4等)を指定するレンズ構成を有するレンズ製品を選択してもよい。
【0035】
第2のアプローチにより、レンズ選択エンジン106は、ECP170に対して利用可能な異なるレンズ製品から、計算式に基づいて、目標視力(例えば、目標屈折値)に最も近い推定結果視力(例えば、推定結果屈折値)を生じる第1のレンズ製品グループを特定してもよい。2つのアプローチは、常にではないが、通常、第1のレンズ製品に基づいて同じレンズ製品グループを生成する。従って、レンズ選択エンジン106が、第1のレンズ製品グループを選択する際に2つのアプローチのうちの1つを選択することができる(又はECP170がGUIを介して選択することを可能にする)ことが有益である。レンズ選択システムは、どちらか一方のアプローチを用いて、第1のレンズ製品グループに対して任意の数(例えば、4、8、10等)のレンズ製品を選択してもよい。
【0036】
一実施例において、レンズ選択エンジン106は、以下のレンズ構成を有する10個のレンズ製品を第1のレンズ製品グループとして選択してもよい:(a)24.0Dの球面度数及びT4のトーリック度数、(b)24.0Dの球面度数及びT5のトーリック度数、(c)24.0Dの球面度数及びT2のトーリック度数、(d)24.0Dの球面度数及びT1のトーリック度数、(e)23.5Dの球面度数及びT3のトーリック度数、(f)24.5Dの球面度数及びT3のトーリック度数、(g)23.5Dの球面度数及びT4のトーリック度数、(h)23.5Dの球面度数及びT2のトーリック度数、(i)24.5Dの球面度数及びT4のトーリック度数、及び(j)24.5Dの球面度数及びT2のトーリック度数。
【0037】
幾つかの実施形態において、レンズ選択エンジン106は、インターフェースサーバ108を用いて、GUIを介して、患者の眼のために選択された第1のレンズ製品及び第1のレンズ製品グループを提示してもよい。幾つかの実施形態において、インターフェースサーバ108は、第1のレンズ製品及び第1のレンズ製品グループをグリッド(例えば、第1のグリッド)内に提示してもよい。
図3は、インターフェースサーバ108によってECP装置130に提供される一例のGUI300を示している。
図3に示すように、GUI300は、患者名302(例えば、John Doe)、患者のためのレンズ製品を選択するために用いた計算式304(例えば、Barrett)、及び目標視力(例えば、目標屈折値)306(例えば、0.0)を示してもよい。幾つかの実施形態において、レンズ選択プラットフォーム102は、GUI300を介して、ECP170が患者のための所望の度数を計算するための異なる計算式(例えば、Haigis式、Hoffer Q式等)を選択することを可能にしてもよい。
【0038】
GUI300は、また、一次切開情報、二次切開情報等のような患者の眼のための計画された手術に関連付けられた情報308を提示してもよい。幾つかの実施形態において、レンズ選択プラットフォーム102は、また、GUI300を介して、ECP170からGUI300を介して取得された第1のバイオメトリックデータに基づいて患者の眼のために選択された第1のレンズ製品及び第1のレンズ製品グループの提示を提供してもよい。示すように、インターフェースサーバ108は、患者の眼のために選択された第1のレンズ製品及び第1のレンズ製品グループを提示するためのグリッド310をGUI300上に提供する。グリッド310は2つの次元を有し、ここで第1の次元(例えば、水平次元)は球面度数に対応し、第2の次元(例えば、垂直次元)はトーリック度数に対応している。
【0039】
幾つかの実施形態において、レンズ選択プラットフォーム102は、グリッド310の中心に第1のレンズ製品(例えば、目標視力に最も近い推定結果視力を生じるであろうレンズ製品、又は第1のバイオメトリックデータに基づいて所望の度数に最も近い球面度数及びトーリック度数を指定するレンズ構成を有するレンズ製品)を提示してもよい。示すように、第1のレンズ構成(24.0Dの球面度数及びT3のトーリック度数)を有する第1のレンズ製品は、グリッドの中心のボックス312内に提示される。加えて、ボックス312は、ボックス312内に提示されるレンズ製品が、目標視力に最も近い推定結果視力を有するレンズ製品か、又は第1のバイオメトリックデータに基づいて所望の度数に最も近い球面度数及びトーリック度数を指定するレンズ構成を有するレンズ製品であることをECP170に示すよう強調表示される(例えば、パターン化された背景)。
【0040】
レンズ選択プラットフォーム102は、また、グリッド310内の第1のレンズ製品の周囲に第1のレンズ製品グループ内のレンズ製品を提示してもよい。例えば、レンズ選択プラットフォーム102は、第1のグリッドの第1の次元に沿って(例えば、第1のレンズ製品を提示するボックス312の左右に)同じトーリック度数(変化する球面度数)を有する第1のレンズ製品グループ内のレンズ製品を提示してもよい。この実施例において、23.5Dの球面度数及びT3のトーリック度数を有するレンズ製品、並びに24.5Dの球面度数及びT3のトーリック度数を有するレンズ製品等の同じトーリック度数を有する第1のレンズ製品グループ内のレンズ製品が、それぞれボックス312の左右に提示される。レンズ選択プラットフォーム102は、第1のグリッドの第2の次元に沿って(例えば、第1のレンズ製品を提示するボックス312の上下に)同じ球面度数(変化するトーリック度数)を有する第1のレンズ製品グループ内のレンズ製品を提示してもよい。この実施例において、24.0Dの球面度数及びT4のトーリック度数を有するレンズ製品と、24.0Dの球面度数及びT5のトーリック度数を有するレンズ製品とがボックス312の上部に提示され、24.0Dの球面度数及びT2のトーリック度数を有するレンズ製品と、24.0Dの球面度数及びT1のトーリック度数を有するレンズ製品とがボックス312の下部に提示されている。
【0041】
レンズ選択プラットフォーム102は、また、第1のグループ内部の残りのレンズ製品(例えば、第1のレンズ製品から球面及びトーリック度数の両方を変化させるレンズ製品)をグリッド310上に第1の次元に沿って同じトーリック度数を有する他のレンズ製品と共に、そして、第2の次元に沿って同じ球面度数を有する他のレンズ製品と共に提示してもよい。例えば、23.5Dの球面度数及びT4のトーリック度数を有するレンズ製品と、24.5Dの球面度数及びT4のトーリック度数を有するレンズ製品とが、24.0Dの球面度数及びT4のトーリック度数を有するレンズ製品とグリッド310上の同じ行に(第1の次元に沿って)提示される。同様に、23.5Dの球面度数及びT2のトーリック度数を有するレンズ製品は、グリッド310上の23.5Dの球面度数及びT3のトーリック度数を有するレンズ製品と同じ列に提示される。
【0042】
このため、第1のレンズ製品によく似たレンズ構成を有する第1のグループ内のレンズ製品は、グリッド310上の第1のレンズ製品(例えば、ボックス312)のより近くに提示され、第1のレンズ製品にあまり似ていない(例えば、より異なっている)レンズ構成を有する第1のグループ内のレンズ製品は、グリッド310上の第1のレンズ製品(例えば、ボックス312)からより遠くに提示される。言い換えれば、グリッド310上の1つのレンズ製品と第1のレンズ製品との間の距離は、レンズ構成がレンズ製品と第1のレンズ製品との間でどれだけ類似しているかを示している。
【0043】
2つの次元(例えば、球面度数次元及びトーリック度数次元)に基づくレンズ製品のグリッド提示は、患者のために選択されたレンズ製品をECP170に提示する方法を向上させる。上で検討したように、ECP170は、患者の眼の目標視力に最も近い推定結果視力をもたらすレンズ製品を常に選択するとは限らない。例えば、ECP170は、患者のライフスタイルの選択、患者の眼の手術歴、患者の非優位眼の好み等の要因により、患者の眼に対して(第1のレンズ製品以外の)異なるレンズ製品を選択してもよい。更に、第1のバイオメトリックデータを構成する眼形状の測定値は推定される測定値であり、正確ではない可能性があるため、2段階プロセスのこの第1の段階における所望の度数の計算は正確ではない可能性がある。このため、手術中に患者の眼に挿入するためにECP170が最終的に選択する可能性があるレンズ製品は異なる可能性がある。グリッド310は、患者の眼に挿入するためにECP170によって最終的には選択されるレンズ製品が手術中に準備できるように、ECP170が手術の準備のために複数のレンズ製品(例えば、第1のレンズ製品に類似したレンズ製品)を選択することを可能にする。
【0044】
図2に戻って参照すると、第1のグリッドを生成して第1のレンズ製品及び第1のレンズ製品グループを提示した後、プロセス200は、(ステップ220において)既存のレンズが眼から除去された後の眼に関連する第2のバイオメトリックデータを取得する。幾つかの実施形態において、レンズ選択プラットフォーム102は、2段階プロセスの第2の段階中に患者の眼の第2のバイオメトリックデータを取得してもよい。2段階プロセスの第2の段階中、ECP170は、患者の眼から既存のレンズ(例えば、水晶体)を除去している可能性がある。患者の眼からレンズを除去した後、ECP170は、眼形状を再度測定して第2のバイオメトリックデータを取得してもよい。第2のバイオメトリックデータはレンズが除去された後に取得されるため、測定値は、理論的に、レンズの除去前に取得された第1のバイオメトリックデータよりも正確である。幾つかの実施形態において、第2のバイオメトリックデータは、屈折値(例えば、無水晶体患者の屈折力を測定することによって得られる、波面測定値等)を含んでいてもよい。従って、レンズ選択エンジン106は、GUIを介して、ECP170から第2のバイオメトリックデータを取得してもよい。
【0045】
プロセス200は、次いで、(ステップ225において)第2のバイオメトリックデータ及び目標屈折値に基づいて、眼のための第2のレンズ製品を特定する。例えば、第2のバイオメトリックデータ及び目標屈折値に基づいて、レンズ選択エンジン106は、ECP170に対して利用可能な複数のレンズ製品から、患者の眼のための第2のレンズ製品を選択してもよい。第2のレンズ製品は、球面度数及びトーリック度数を指定する第2のレンズ構成を有していてもよい。幾つかの実施形態において、レンズ選択エンジン106は、1つ以上の無水晶体ベースの眼内レンズ予測式を用いて患者の眼に必要とされるレンズ度数を予測して、患者の第2のバイオメトリックデータに基づく目標視力を達成してもよい。例えば、レンズ選択エンジン106は、患者の眼の水晶体が除去された後にECP170によって測定された患者の眼の屈折値を含む第2のバイオメトリックデータを無水晶体ベースの式に対する入力として用いてもよく、無水晶体ベースの式に基づいて、患者の眼に対する所望の度数(例えば、所望の球面度数、所望のトーリック度数等)を特定してもよい。しかし、ECP170に対して利用可能なレンズ製品は、正確な所望度数を有するレンズ製品を含まない可能性があるため、レンズ選択エンジン106は、ECPに対して利用可能なレンズ製品から、所望度数に最も近いレンズ構成を有するレンズ製品を第2のレンズ製品として選択してもよい。例えば、患者の眼に対する計算された所望度数が24.4Dの球面度数及びT2のトーリック度数を含む場合、レンズ選択システムは、24.5Dの球面度数及びT2のトーリック度数を指定するレンズ構成を有するレンズ製品を患者の眼のための第2の製品として選択してもよい。
【0046】
第2のレンズ製品は、第1のレンズ製品の第1のレンズ構成と類似した第2のレンズ構成を有していてもよく、このため、第2のレンズ製品は第1のレンズ製品グループに含まれてもよい。幾つかの実施形態において、レンズ選択エンジン106は、グリッド310内の第2のレンズ製品を識別してもよく、グリッド310内の第2のレンズ製品を強調表示することによってグリッド310を修正してもよい。例えば、インターフェースサーバ108は、第2のレンズ製品が提示される領域にマーカを挿入してもよい。第2のレンズ製品がグリッド310内のボックス内に提示される場合、レンズ選択システムは、ボックスの辺縁の厚さを増加させてもよい。幾つかの実施形態において、インターフェースサーバ108は、グリッド310上の第2のレンズ製品の提示の背景色/パターンを変更してもよい。レンズ選択システムは、次いで、ECP170のためにGUIを介して修正されたグリッドを提示してもよい。
【0047】
図4は、患者の眼の手術中にECP170に対して提示されるGUI400を示している。示すように、GUI400は、患者の名前、既存のレンズが除去された後の患者の眼の画像402、及び眼の既存のレンズが除去された後に取得された患者の眼の測定値(例えば、第2のバイオメトリックデータ)404を含んでいる。第2のバイオメトリックデータは、眼の寸法形状測定値(例えば、24.5mm)と眼の屈折値とを含んでいてもよい。加えて、GUI400は、本明細書中に説明する技法に従ってグリッド310を修正することに基づいているグリッド410を含んでいる。
【0048】
示すように、グリッド410は、第2のレンズ製品を提示するボックス412が強調表示されていることを除いて、第1のレンズ製品及び第1のレンズ製品グループを提示するグリッド310と略同一である。この実施例において、ボックス412は、ボックス414内に提示されたレンズ製品が第2のレンズ製品であることを示すマーカ414を含んでいる。幾つかの実施形態において、(第1のレンズ製品を提示する)ボックス312は、第1のレンズ製品と第2のレンズ製品とを区別するよう、ボックス412とは異なって強調表示されている。修正された第1のグリッド内の第2のレンズ製品の強調表示は、修正された第1のグリッド内の第1のレンズ製品と第2のレンズ製品との間の距離の示度を提供し、それによって、第1のレンズ製品と第2のレンズ製品との間の偏差(例えば、差異)をECP170に対して示している。
【0049】
幾つかの実施形態において、第2のレンズ製品を特定することに加えて、レンズ選択システムはまた、患者のための第2のレンズ製品(及び第2のバイオメトリックデータ)に基づいて第2のレンズ製品グループを特定し、第2のレンズ製品及び第2のレンズ製品グループを提示するための第2のグリッドを生成してもよい。従って、ステップ230において、プロセス200は、第2のレンズ及び第2のレンズ製品グループを提示するよう第2のグリッドを生成する。第1のレンズ製品グループを選択することと同様に、レンズ選択エンジン106は、本明細書で検討するような2つの異なるアプローチにより、第2のレンズ製品(及び第2のバイオメトリックデータ)に基づいて第2のレンズ製品グループを特定してもよい。第1のアプローチにより、レンズ選択エンジン106は、ECP170に対して利用可能な異なるレンズ製品から、第2のレンズ製品の第2のレンズ構成に最も近い(又は所望度数に最も近い)レンズ構成を有する第2のレンズ製品グループを特定してもよい。例えば、第2のレンズ製品が、24.5Dの球面度数及びT2のトーリック度数を指定する第2のレンズ構成を有している場合、レンズ選択システムは、第2の製品の第2のレンズ構成に最も類似する(例えば、最も近い)球面度数及び/又はトーリック度数を有するレンズ製品を第2のレンズ製品グループの一部として選択してもよい。上で検討した実施例を用いて、24.5Dの球面度数及びT2のトーリック度数を指定する第2のレンズ構成を有する第2のレンズ製品について、レンズ選択エンジン106は、(第2のレンズ構成と)同じT2のトーリック度数を指定するが、球面度数を変化させる(例えば、24.0D、25.0D等)レンズ構成を有するレンズ製品を第2のレンズ製品グループの一部として選択してもよい。同様に、レンズ選択エンジン106は、(第2のレンズ構成と)同じ24.0Dの球面度数を指定するが、トーリック度数を変化させる(例えば、T2、T4等)レンズ構成を有するレンズ製品を第1のレンズ製品グループの一部として選択してもよい。加えて、レンズ選択エンジン106は、同様の(しかし同じではない)球面度数(例えば、24.0D、25.0D)及び同様の(しかし同じではない)トーリック度数(例えば、T2、T4等)を指定するレンズ構成を有するレンズ製品を選択してもよい。
【0050】
第2のアプローチにより、レンズ選択エンジン106は、ECP170に対して利用可能な異なるレンズ製品から、無水晶体ベースの式に基づいて、目標視力(例えば、目標屈折値)に最も近い患者の眼に対する推定結果視力(例えば、推定結果屈折値)を生じる第2のレンズ製品グループを特定してもよい。第1のレンズ製品グループを特定することと同様に、幾つかの実施形態のレンズ選択エンジン106は、どちらか一方のアプローチを用いて、第2のレンズ製品グループに対して任意の数(例えば、4、8、10等)のレンズ製品を選択してもよい。第2のグループのために選択されるレンズ製品の数は、第1のグループのために選択されるレンズ製品の数と同じか又は異なっていてもよい。
【0051】
一実施例において、レンズ選択エンジン106は、以下のレンズ構成を有する10個のレンズ製品を第2のレンズ製品グループとして選択してもよい:(a)24.5Dの球面度数及びT3のトーリック度数、(b)24.5Dの球面度数及びT4のトーリック度数、(c)24.5Dの球面度数及びT1のトーリック度数、(d)24.5Dの球面度数及びT0のトーリック度数、(e)24.0Dの球面度数及びT2のトーリック度数、(f)25.0Dの球面度数及びT2のトーリック度数、(g)24.0Dの球面度数及びT3のトーリック度数、(h)24.0Dの球面度数及びT1のトーリック度数、(i)25.0Dの球面度数及びT3のトーリック度数、及び(j)25.0Dの球面度数及びT1のトーリック度数。
【0052】
幾つかの実施形態において、第1のグリッド(例えば、グリッド310)を修正することに加えて、又はその代わりに、レンズ選択エンジン106は、患者の眼のために選択された第2のレンズ製品及び第2のレンズ製品グループを提示するための第2のグリッドを生成してもよい。
図5は、第2のレンズ製品及び第2のレンズ製品グループを提示するためのグリッド510(例えば、第2のグリッド)を表示するGUI400を示している。第1のグリッド(例えば、グリッド310)と同様に、グリッド510も2つの次元を有し、ここで第1の次元は球面度数に対応し、第2の次元はトーリック度数に対応する(次元は異なる度数に対応することができ、従って、幾つかの実施形態において、第2のグリッドは、トーリック度数に対応する第1の次元及び球面度数に対応する第2の次元を有していてもよい)。レンズ選択エンジン106は、グリッド510の中心に、例えば、グリッド510の中心のボックス512内に、第2のレンズ製品(例えば、目標視力に最も近い推定結果視力を生じるであろうレンズ製品、又は第2のバイオメトリックデータに基づいて所望の度数に最も近い球面度数及びトーリック度数を指定するレンズ構成を有するレンズ製品)を提示してもよい。レンズ選択エンジン106は、次いで、グリッド510上の第2のレンズ製品(例えば、ボックス512)の周囲に第2のレンズ製品グループ内のレンズ製品を提示してもよい。例えば、レンズ選択エンジン106は、第1のグリッドの第1の次元に沿って(例えば、第2のレンズ製品の左右に)同じトーリック度数(変化する球面度数)を有する第2のレンズ製品グループ内のレンズ製品を提示してもよい。この実施例において、24.0Dの球面度数及びT2のトーリック度数を有するレンズ製品、並びに25.0Dの球面度数及びT2のトーリック度数を有するレンズ製品等の第2のレンズ製品と同じトーリック度数を有する第2のレンズ製品グループ内のレンズ製品が、それぞれボックス512の左右に提示される。レンズ選択エンジン106は、第2のグリッドの第2の次元に沿って(例えば、第2のレンズ製品の上下に)同じ球面度数(変化するトーリック度数)を有する第2のレンズ製品グループ内のレンズ製品を提示してもよい。この実施例において、24.5Dの球面度数及びT3のトーリック度数を有するレンズ製品と、24.5Dの球面度数及びT4のトーリック度数を有するレンズ製品とがボックス512の上部に提示され、24.5Dの球面度数及びT1のトーリック度数を有するレンズ製品と、24.5Dの球面度数及びT0のトーリック度数を有するレンズ製品とがボックス512の下部に提示されている。
【0053】
レンズ選択エンジン106は、次いで、第2のグループ内部の残りのレンズ製品(例えば、第2のレンズ製品から球面及びトーリック度数の両方を変化させるレンズ製品)を第2のグリッド上に第1の次元に沿って同じトーリック度数を有する他のレンズ製品と共に、そして、第2の次元に沿って同じ球面度数を有する他のレンズ製品と共に提示してもよい。例えば、24.0Dの球面度数及びT3のトーリック度数を有するレンズ製品と、25.0Dの球面度数及びT3のトーリック度数を有するレンズ製品とが、24.5Dの球面度数及びT3のトーリック度数を有するレンズ製品とグリッド510上の同じ行に(第1の次元に沿って)提示される。同様に、24.0Dの球面度数及びT1のトーリック度数を有するレンズ製品は、グリッド510上の24.0Dの球面度数及びT2のトーリック度数を有するレンズ製品と同じ列に提示される。
【0054】
このため、第2のレンズ製品によく似たレンズ構成を有するレンズ製品は、グリッド510上の第2のレンズ製品(例えば、ボックス512)のより近くに提示され、第2のレンズ製品にあまり似ていない(例えば、より異なっている)レンズ構成を有するレンズ製品は、グリッド510上の第2のレンズ製品(例えば、ボックス512)からより遠くに提示される。言い換えれば、第2のグリッド上の1つのレンズ製品と第2のレンズ製品との間の距離は、レンズ構成がレンズ製品と第2のレンズ製品との間でどれだけ類似しているかを示している。
【0055】
プロセス200は、次いで、(ステップ235において)第2のグリッド上に、第1のレンズ製品と第2のレンズ製品との間の差異の示度を提示する。上で検討したように、第1のレンズ製品は、第2のレンズ製品の第2のレンズ構成と類似した第1のレンズ構成を有していてもよく、このため、第1のレンズ製品は第2のレンズ製品グループに含まれてもよい。幾つかの実施形態において、レンズ選択エンジン106は、第2のグリッド(例えば、グリッド510)内の第1のレンズ製品を識別してもよく、第2のグリッド内の第1のレンズ製品を強調表示することによって第2のグリッドを修正してもよい。例えば、レンズ選択エンジン106は、第1のレンズ製品が第2のグリッド上に提示される領域にマーカを挿入してもよい。第1のレンズ製品が第2のグリッド内のボックス内に提示される場合、レンズ選択エンジン106は、ボックスの辺縁の厚さを増加させてもよい。幾つかの実施形態において、レンズ選択システムは、第1のレンズ製品の提示の背景色/パターンを変更してもよい。
図5に示すように、レンズ選択エンジン106は、第1のレンズ製品を提示する領域(例えば、ボックス514)を強調表示することによってグリッド510を修正している。この実施例において、レンズ選択エンジン106は、ボックス514の角部にマーカ516を配置することによってボックス514を強調表示した。しかし、レンズ選択エンジン106の他の実施形態は、本明細書中で検討するように、グリッド510上の第1のレンズ製品の領域を異なるように強調表示するよう選択してもよい。
【0056】
修正された第1のグリッドと同様に、修正された第2のグリッド内の第1のレンズ製品の強調表示は、修正された第2のグリッド内の第1のレンズ製品と第2のレンズ製品との間の距離の示度を提供し、それによって、第1のレンズ製品と第2のレンズ製品との間の偏差(例えば、差異)を示している。第1のレンズ製品と第2のレンズ製品との間の差異の示度(例えば、修正された第1のグリッド、修正された第2のグリッド等を介する)は、ECP170が、レンズ製品を選択し、レンズ製品を患者の眼に挿入する前に、必要な是正措置を行うことを可能にしてもよい。例えば、差異が所定の閾値よりも大きい場合、大きい差異は以前の測定に問題があることを示している可能性があるため、ECP170は、眼パラメータの測定を再度実行してもよい。従って、第1のレンズ製品と第2のレンズ製品との間の差異が所定の閾値よりも大きいと特定される場合、レンズ選択エンジンは、また、例えば、第1のレンズ製品と第2のレンズ製品との間の大きな差異を示す通知をGUI300上に提供することによって、ECP170に警告を提供する動作を実行してもよい。幾つかの実施形態において、第1のレンズ製品と第2のレンズ製品との間の差異は、第1のレンズ製品が第2のレンズ製品グループに含まれない(及び/又は第2のレンズ製品が第1のレンズ製品グループに含まれない)程、十分に大きい。従って、第1のレンズ製品(又は第2のレンズ製品)は、修正された第1のグリッド又は第2のグリッド内に提示されなくてもよい。このため、第1のレンズ製品及び/又は第2のレンズ製品を提示する領域の強調表示は、差異の示度を提供しなくてもよい。従って、レンズ選択エンジン106は、GUI300上のポップアップウィンドウ又は点滅するアイコン等の通知を提示し、第1のレンズ製品と第2のレンズ製品との間の球面度数及びトーリック度数における差異を提示してもよい。幾つかの実施形態において、レンズ選択エンジン106はまた、第1のレンズ製品と第2のレンズ製品との間の差異が所定の閾値よりも大きい場合に、ECP170の別の装置(例えば、モバイル装置)に通知を送信してもよい。
【0057】
幾つかの実施形態において、第1及び第2のレンズ製品の選択、並びに/又は第1及び第2のレンズ製品グループの選択は、機械学習モデルの支援により実行されてもよい。例えば、機械学習モデルは、患者の眼のバイオメトリックデータに基づいて、レンズ製品のECP選択と関連付けられた履歴データを用いて訓練されてもよい。上で検討したように、ECPが様々な要因に基づいて最適な結果視力をもたらさない患者の眼のためのレンズ製品を選択することは、珍しくない。このため、ECPが過去に患者のために選択したのはどのレンズ製品かを学習することによって、機械学習モデルは、ECPが最終的に患者の眼に用いるであろうレンズ製品をより良好に予測する可能性がある。例えば、IOL手術を実施した後、ECP装置130は、例えば、診断装置160から又は患者に対して行われる調査を通じて、術後データ(例えば、眼の測定値、視力の質等)を取得してもよい。術後データは、機械学習モデルを訓練するための訓練データとして、患者のために選択されたレンズと組み合わせて用いることができる。機械学習モデルの詳細を、
図7を参照して以下で更に説明する。
【0058】
図6A及び
図6Bは、幾つかの実施形態による処理システムの図である。
図6A及び46Bには2つの実施形態を示しているが、当業者は、また、他のシステムの実施形態も可能であることを容易に理解するであろう。幾つかの実施形態によれば、
図6A及び/又は6Bの処理システムは、レンズ選択プラットフォーム102、ECP装置130、140、及び150等のうちの1つ以上に含まれてもよいコンピューティングシステムを代表している。
【0059】
図6Aは、システム600の構成要素がバス605を用いて互いに電気通信しているコンピューティングシステム600を示している。システム600は、プロセッサ610と、読み出し専用メモリ(ROM)620、ランダムアクセスメモリ(RAM)625等の形態のメモリ(例えば、PROM、EPROM、FLASH-EPROM、及び/又は他のメモリチップ若しくはカートリッジ)を含む様々なシステム構成要素をプロセッサ610に結合するシステムバス605と、を含む。システム600は更に、プロセッサ610に直接接続されるか、近接しているか、又はプロセッサ610の一部として統合されている、高速メモリのキャッシュ612を含んでいてもよい。システム600は、プロセッサ610による高速アクセスのために、キャッシュ612を介してROM620、RAM625、及び/又は1つ以上の記憶装置630に記憶されたデータにアクセスしてもよい。幾つかの実施例において、キャッシュ612は、メモリ615、ROM620、RAM625、及び/又はキャッシュ612に以前に記憶された1つ以上の記憶装置630からのデータにプロセッサ610がアクセスする際の遅延を回避する実績ブーストを提供してもよい。幾つかの実施例において、1つ以上の記憶装置630は、1つ以上のソフトウェアモジュール(例えば、ソフトウェアモジュール632、634、636等)を格納する。ソフトウェアモジュール462、634、及び/又は636は、方法300及び/又は500のプロセス等の様々なアクションを実行するために、プロセッサ610を制御し、及び/又は制御するように構成されてもよい。また、システム600は1つのプロセッサ610のみを示しているが、プロセッサ610は、1つ以上の中央処理装置(CPU)、マルチコアプロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、テンソル処理ユニット(TPU)等を代表してもよいことが理解されよう。幾つかの実施例において、システム400は、スタンドアロンサブシステムとして、及び/又はコンピューティング装置に追加されたボードとして、若しくは仮想マシンとして実装されてもよい。
【0060】
ユーザがシステム600と対話するのを可能にするために、システム600は、1つ以上の通信インターフェース640及び/又は1つ以上の入出力(I/O)装置645を含む。幾つかの実施例において、1つ以上の通信インターフェース640は、1つ以上のネットワーク及び/又は通信バス規格に従って通信を提供するために、1つ以上のネットワークインターフェース、ネットワークインターフェースカード等を含んでいてもよい。幾つかの実施例において、1つ以上の通信インターフェース440は、ネットワーク115等のネットワークを介してシステム600と通信するためのインターフェースを含んでいてもよい。幾つかの実施例において、1つ以上のI/O装置645には、1つ以上のユーザインターフェース装置(例えば、キーボード、ポインティング/選択装置(例えば、マウス、タッチパッド、スクロールホイール、トラックボール、タッチスクリーン等))、オーディオ装置(例えば、マイクロフォン及び/又はスピーカ)、センサ、アクチュエータ、ディスプレイ装置等を含んでいてもよい。
【0061】
1つ以上の記憶装置630のそれぞれは、ハードディスク、光学媒体、ソリッドステートドライブ等によって提供されるもののような、非一時的及び不揮発性記憶装置を含んでいてもよい。幾つかの実施例において、1つ以上の記憶装置630のそれぞれは、システム600(例えば、ローカル記憶装置)と同じ場所に配置され、及び/又はシステム600から離れて配置され得る(例えば、クラウド記憶装置)。
【0062】
図6Bは、本明細書中に説明する方法(例えば、方法300及び/又は510)のいずれかを実行する際に用いられてもよいチップセットアーキテクチャに基づくコンピューティングシステム650を示している。システム650は、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又は1つ以上のCPU、マルチコアプロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP、FPGA、ASIC、GPU、TPU等の他の計算を実行してもよい、任意の数の物理的及び/又は論理的に個別のリソースを代表するプロセッサ655を含んでいてもよい。示すように、プロセッサ655は、1つ以上のCPU、マルチコアプロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP、FPGA、ASIC、GPU、TPU、コプロセッサ、コーダ-デコーダ(CODEC)等も含む、1つ以上のチップセット660によって支援される。示されるように、1つ以上のチップセット660は、1つ以上のI/O装置665、1つ以上の記憶装置670、メモリ675、ブリッジ680、及び/又は1つ以上の通信インターフェース690のうちの1つ以上と共に、プロセッサ655とインターフェースする。幾つかの実施例において、1つ以上のI/O装置665、1つ以上の記憶装置670、メモリ、及び/又は1つ以上の通信インターフェース690は、
図6A及びシステム600の同様に名付けられた対応物に対応してもよい。
【0063】
幾つかの実施例において、ブリッジ680は、1つ以上のキーボード、ポインティング/選択装置(例えば、マウス、タッチパッド、スクロールホイール、トラックボール、タッチスクリーン等)、オーディオ装置(例えば、マイク及び/又はスピーカ)、ディスプレイ装置等の、システム650に1つ以上のユーザインターフェース(UI)構成要素へのアクセスを提供するための追加のインターフェースを提供してもよい。幾つかの実施形態によれば、システム600及び/又は650は、方法200のプロセスの実行の際にユーザ(例えば、外科医及び/又は他の医療関係者)を支援するのに適したグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を提供してもよい。
【0064】
上述の実施形態による方法は、非一時的で有形の機械読取可能媒体に記憶される実行可能命令として実装されてもよい。実行可能命令は、1つ以上のプロセッサ(例えば、プロセッサ610及び/又はプロセッサ655)によって実行されると、1つ以上のプロセッサに、方法200及び/又は210のプロセスのうちの1つ以上を実行させてもよい。方法200及び/又は210のプロセスを含んでいてもよい機械読取可能媒体の幾つかの一般的な形態は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理的媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH-EPROM、任意の他のメモリチップ若しくはカートリッジ、及び/又はプロセッサ若しくはコンピュータが読み取るように適合されている任意の他の媒体である。
【0065】
これらの開示による方法を実装する装置は、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含むことができ、且つ様々なフォームファクタのいずれかを取ってもよい。かかるフォームファクタの典型的な例としては、ラップトップ、スマートフォン、スモールフォームファクタのパーソナルコンピュータ、携帯情報端末等が挙げられる。本明細書で記載されている機能性の一部はまた、周辺機器及び/又はアドインカードで具体化されてもよい。かかる機能性はまた、更なる例として、単一の装置において実行される異なるチップ又は異なるプロセスの中から回路基板上に実装されてもよい。
【0066】
図7は、幾つかの実施形態による、多層ニューラルネットワーク700の図である。幾つかの実施形態において、ニューラルネットワーク700は、本明細書中で検討するように、第1及び第2のレンズ製品並びに/又は第1及び第2のレンズ製品グループを予測するための機械学習モデルを実装するために用いられるニューラルネットワークを代表していてもよい。ニューラルネットワーク700は、入力層720を用いて入力データ710を処理する。幾つかの実施例において、入力データ710は、1つ以上のモデルに提供される入力データ、及び/又は1つ以上のモデルを訓練するために用いられるプロセス中の更新時に1つ以上のモデルに提供される訓練データに対応してもよい。入力層720は、スケーリング、範囲制限等によって入力データ710を調整するために用いられる複数のニューロンを含む。入力層720の各ニューロンは、隠れ層731の入力に供給される出力を生成する。隠れ層731には、入力層720からの出力を処理する複数のニューロンが含まれる。幾つかの実施例において、隠れ層731のニューロンのそれぞれが出力を生成し、次いでその出力が、隠れ層739で終わる1つ以上の追加の隠れ層を介して伝播される。隠れ層739は、以前の隠れ層からの出力を処理する複数のニューロンを含む。隠れ層739の出力は、出力層740に供給される。出力層740は、スケーリング、範囲制限等によって隠れ層739からの出力を調整するために用いられる1つ以上のニューロンを含む。ニューラルネットワーク700のアーキテクチャは代表的なものに過ぎず、1つの隠れ層のみを有するニューラルネットワーク、入力層及び/又は出力層なしのニューラルネットワーク、リカレント層を有するニューラルネットワーク等を含む、他のアーキテクチャが可能であることを理解すべきである。
【0067】
幾つかの実施例において、入力層720、隠れ層731~739、及び/又は出力層740のそれぞれは、1つ以上のニューロンを含む。幾つかの実施例において、入力層720、隠れ層731~739、及び/又は出力層740のそれぞれは、同じ数又は異なる数のニューロンを含んでいてもよい。幾つかの実施例において、ニューロンのそれぞれは、式1に示されるように、その入力xの組み合わせ(例えば、訓練可能な重み行列Wを使用した加重和)を取り、任意選択の訓練可能なバイアスbを加え、活性化関数fを適用して、出力aを生成する。幾つかの実施例において、活性化関数fは、線形活性化関数、上限及び/又は下限を有する活性化関数、対数シグモイド関数、双曲線タンジェント関数、整流線形単位関数等であってもよい。幾つかの実施例において、ニューロンのそれぞれは、同じ又は異なる活性化関数を有してもよい。
a=f(Wx+b) 式(1)
【0068】
幾つかの実施例において、ニューラルネットワーク700は、入力データとグラウンドトゥルース(例えば、予期された)出力データ(例えば、過去に患者のためにECPによって選択されたレンズ製品等)との組み合わせを含む訓練データ(例えば、患者のバイオメトリックデータ等)の組み合わせである、教師あり学習を用いて訓練されてもよい。入力データ710用の入力データを用いて生成されたニューラルネットワーク700の出力と、グラウンドトゥルース出力データと比較したニューラルネットワーク700によって生成された出力データ750との差。生成された出力データ750とグラウンドトゥルース出力データとの間の差は、次いで、ニューラルネットワーク700にフィードバックされて、様々な訓練可能な重み及びバイアスを補正してもよい。幾つかの実施例において、確率的勾配降下アルゴリズム等を使用する逆伝播技術を用いて、その差をフィードバックしてもよい。幾つかの実施例において、訓練データの組み合わせの多数のセットが、全体的な損失関数(例えば、各訓練の組み合わせの差に基づく平均二乗誤差)が許容レベルに収束するまで、ニューラルネットワーク700に複数回提示されてもよい。
【0069】
例示的な実施形態が示され、説明されてきたが、前述の開示では広範囲の修正、変更、及び置換が想定されており、場合によっては、実施形態の幾つかの特徴は、他の特徴の対応する使用なしに利用されてもよい。当業者であれば、多くの変形、代替、及び修正を認識するであろう。従って、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきであり、特許請求の範囲は、本明細書に開示される実施形態の範囲と一致する方法で広く解釈されることが適切である。
【国際調査報告】