(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-29
(54)【発明の名称】ヘッドセット
(51)【国際特許分類】
H04R 1/10 20060101AFI20221121BHJP
H04R 1/28 20060101ALI20221121BHJP
【FI】
H04R1/10 101Z
H04R1/28 310Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519123
(86)(22)【出願日】2020-09-25
(85)【翻訳文提出日】2022-04-28
(86)【国際出願番号】 CN2020117680
(87)【国際公開番号】W WO2021057891
(87)【国際公開日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】201910939699.0
(32)【優先日】2019-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100132481
【氏名又は名称】赤澤 克豪
(74)【代理人】
【識別番号】100115635
【氏名又は名称】窪田 郁大
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 融融
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼ 勇
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼ 国臻
(72)【発明者】
【氏名】角田 直隆
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲賢▼▲勝▼
【テーマコード(参考)】
5D005
5D018
【Fターム(参考)】
5D005BA08
5D018AD18
(57)【要約】
本出願の実施形態は、ノイズ低減ヘッドセットを開示する。分岐管が、ヘッドセットの内部のサウンドキャビティと外部環境を接続するために、ヘッドセット内に配置される。分岐管は、外部環境中のノイズによって引き起こされるサウンドキャビティの内部の音質に対する影響が低減され、それによって、受動的ノイズ低減を実装するように、外部環境からサウンドキャビティに入る高域ノイズを除去する低域通過フィルタ機能を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドセットレシーバであって、前記ヘッドセットレシーバは、ハウジングと、前記ハウジングの内部に設置された駆動部とを備え、前記駆動部は、オーディオ信号を受け取り、前記オーディオ信号を音波に変換するように構成され、サウンドキャビティは、前記ハウジングの内部に配置され、前記サウンドキャビティは、互いに隣接して配置された前部キャビティと後部キャビティとを備え、前記駆動部は、前記前部キャビティと前記後部キャビティとの間の接合部に配置され、前記ヘッドセットレシーバは、分岐管をさらに備え、前記分岐管は、前記前部キャビティと、前記後部キャビティと、外部環境を接続する、ヘッドセットレシーバ。
【請求項2】
前記分岐管は3方向管の構造形式をとり、前記3方向管は、ハブ管と、第1の管と、第2の管と、第3の管とを備え、前記第1の管、前記第2の管、および前記第3の管はすべて、前記ハブ管に接続され、前記ハブ管は、前記後部キャビティ内に設置される請求項1に記載のヘッドセットレシーバ。
【請求項3】
前記3方向管は、ハブ管と、第1の管と、第2の管とを備え、前記第1の管と前記第2の管の両方は、前記ハブ管に接続され、前記ハブ管は、前記後部キャビティ内に設置され、1つまたは複数の開口は、前記ハブ管内に配置される請求項2に記載のヘッドセットレシーバ。
【請求項4】
前記分岐管は、前記前部キャビティと前記後部キャビティを接続する双方向管と、前記後部キャビティと前記外部環境を接続する双方向管とを備える請求項1に記載のヘッドセットレシーバ。
【請求項5】
前記サウンドキャビティは、追加の後部キャビティをさらに備え、前記分岐管は、前記追加の後部キャビティにさらに接続され、前記追加の後部キャビティは、前記後部キャビティの外部を取り囲み、前記後部キャビティの一方の側は、前記前部キャビティに隣接し、他方の側は、前記追加の後部キャビティに隣接する請求項1に記載のヘッドセットレシーバ。
【請求項6】
前記分岐管は、4方向管の構造形式をとり、前記4方向管は、管Aと、管Bと、管Cと、管Dと、ハブ管とを備え、前記管A、前記管B、前記管C、および前記管Dはすべて、前記ハブ管に接続され、前記ハブ管は、前記追加の後部キャビティ内に設置される、または前記ハブ管は、前記後部キャビティおよび前記追加の後部キャビティを横切る請求項5に記載のヘッドセットレシーバ。
【請求項7】
前記分岐管は、前記前部キャビティと前記後部キャビティと前記追加の後部キャビティを接続する3方向管と、前記追加の後部キャビティと前記外部環境を接続する双方向管とを備え、前記3方向管は、ハブ管と、第1の管と、第2の管と、第3の管とを備え、前記第1の管、前記第2の管、および前記第3の管はすべて、前記ハブ管に接続され、前記ハブ管は、前記後部キャビティもしくは前記追加の後部キャビティ内に設置される、または前記ハブ管は、前記後部キャビティおよび前記追加の後部キャビティを横切る請求項5に記載のヘッドセットレシーバ。
【請求項8】
前記分岐管は、前記前部キャビティと前記追加の後部キャビティと前記外部環境を接続する3方向管と、前記後部キャビティと前記追加の後部キャビティを接続する双方向管とを備え、前記3方向管は、ハブ管と、第1の管と、第2の管と、第3の管とを備え、前記第1の管、前記第2の管、および前記第3の管はすべて、前記ハブ管に接続され、前記ハブ管は、前記追加の後部キャビティ内に設置される請求項5に記載のヘッドセットレシーバ。
【請求項9】
前記分岐管は、前記後部キャビティと前記追加の後部キャビティと前記外部環境を接続する3方向管と、前記前部キャビティと前記後部キャビティを接続する双方向管とを備え、前記3方向管は、ハブ管と、第1の管と、第2の管と、第3の管とを備え、前記第1の管、前記第2の管、および前記第3の管はすべて、前記ハブ管に接続され、前記ハブ管は、前記追加の後部キャビティ内に設置される請求項5に記載のヘッドセットレシーバ。
【請求項10】
前記分岐管は、前記後部キャビティと前記追加の後部キャビティと前記外部環境を接続する3方向管と、前記前部キャビティと前記追加の後部キャビティを接続する双方向管とを備え、前記3方向管は、ハブ管と、第1の管と、第2の管と、第3の管とを備え、前記第1の管、前記第2の管、および前記第3の管はすべて、前記ハブ管に接続され、前記ハブ管は、前記追加の後部キャビティ内に設置される請求項5に記載のヘッドセットレシーバ。
【請求項11】
前記分岐管は、前記前部キャビティと前記後部キャビティを接続する双方向管と、前記後部キャビティと前記追加の後部キャビティを接続する双方向管と、前記追加の後部キャビティと前記外部環境を接続する双方向管とを備える請求項5に記載のヘッドセットレシーバ。
【請求項12】
前記分岐管は、前記前部キャビティと前記追加の後部キャビティを接続する双方向管と、前記後部キャビティと前記追加の後部キャビティを接続する双方向管と、前記追加の後部キャビティと前記外部環境を接続する双方向管とを備える請求項5に記載のヘッドセットレシーバ。
【請求項13】
前記分岐管に属し、前記前部キャビティと前記外部環境との間に設置される部分は、低域通過フィルタ管であり、前記低域通過フィルタ管は細長い管である請求項1に記載のヘッドセットレシーバ。
【請求項14】
前記低域通過フィルタ管の有効断面の断面積と長さの比は、4mm
2/10mm未満であるかまたはこれに等しく、前記有効断面は、前記低域通過フィルタ管内にあり、フィルタ性能に実質的に影響する、管断面である請求項12に記載のヘッドセットレシーバ。
【請求項15】
微孔性通路は、後部キャビティハウジング内に配置され、1つまたは複数の微孔性通路があり、前記後部キャビティハウジングは、前記後部キャビティを取り囲むように構成される請求項1に記載のヘッドセットレシーバ。
【請求項16】
ヘッドセットであって、前記ヘッドセットは、ヘッドバンドと、前記ヘッドバンドの2つの端に接続されたヘッドセットレシーバとを備え、前記ヘッドセットレシーバは、請求項1乃至15のいずれか一項に記載のヘッドセットレシーバである、ヘッドセット。
【請求項17】
ヘッドセットであって、前記ヘッドセットは、ヘッドセットケーブルと、請求項1乃至15のいずれか一項に記載のヘッドセットレシーバとを備え、前記ヘッドセットケーブルは、前記ヘッドセットレシーバの内部で駆動部に接続される、ヘッドセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、消費者向けエレクトロニクス製品技術の分野に関し、より詳細には、電子デバイス処理オーディオに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2019年9月27日に中国国家知識産権局に出願された「HEADSET」という名称の中国特許出願第201910939699.0号の優先権を主張するものであり、同中国特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
ヘッドセットの使用プロセスでは、周囲環境中のノイズが極めて大きい場合、ノイズは、ヘッドセット内部で音信号とひどく干渉する。したがって、ヘッドセットを使用することによってオーディオ信号を聴くとき、使用者が影響を受けないように、周囲環境中のノイズが十分に隔離されることが一般に予想される。
【0004】
サウンドキャビティがヘッドセットの内部に配置され、駆動部がサウンドキャビティの内部に配置される。駆動部のダイヤフラムは、音波を生成するように構成され、音波は、サウンドキャビティを使用することによって使用者の耳に伝達される。外部環境中のノイズがサウンドキャビティに入るとき、サウンドキャビティ内の音波が影響を受ける。ノイズの影響をどのようにして低減するかは、現在解決される必要がある緊急の問題である。
【発明の概要】
【0005】
これに鑑みて、本出願の実施形態は、外部環境中のノイズによって引き起こされるヘッドセットの音質に対する影響を低減するために、ノイズ低減ヘッドセットを提供する。
【0006】
第1の態様によれば、本出願は、ヘッドセットレシーバを提供する。このヘッドセットレシーバは、ハウジングと、ハウジングの内部に設置された駆動部とを備え、駆動部は、オーディオ信号を受け取り、オーディオ信号を音波に変換するように構成され、サウンドキャビティは、ハウジングの内部に配置され、サウンドキャビティは、互いに隣接して配置された前部キャビティと後部キャビティとを備え、駆動部は、前部キャビティと後部キャビティとの間の接合部に配置され、ヘッドセットレシーバは、分岐管をさらに備え、この分岐管は、前部キャビティと、後部キャビティと、外部環境を接続する。
【0007】
分岐管は、外部環境から前部キャビティに入るノイズが低減され、比較的良好なパッシブノイズ低減(Passive noise reduction, PNR)効果が達成されるように、外部環境から入る低域音波が通過することを可能にし、外部環境から入る高域音波を除去するために、前部キャビティと、後部キャビティと、外部環境を接続する。
【0008】
さらに、分岐管は、前部キャビティおよび後部キャビティ内の気圧が解放可能であり、前部キャビティ内の気圧、後部キャビティ内の気圧、および外部環境内の気圧が均衡化可能であるように、前部キャビティと後部キャビティの両方をヘッドセットの外部環境に結合する。このようにして、音波の圧力脈動の影響を受けたダイヤフラムの信頼性は改善可能であり、人間の耳の音響快適さも改善可能である。
【0009】
第1の可能な実装では、分岐管は3方向管の構造形式をとり、3方向管は、ハブ管と、第1の管と、第2の管と、第3の管とを含む。第1の管、第2の管、および第3の管はすべて、ハブ管に接続され、ハブ管は、後部キャビティ内に設置される。
【0010】
第1の態様の第1の可能な実装を参照して、第2の可能な実装では、第1の管に属し、前部キャビティに接続された端は、第1の開放端であり、1つまたは複数の第1の開口は、第1の開放端内に配置される。第3の管に属し、後部キャビティに接続された端は、第3の開放端であり、1つまたは複数の第3の開口は、第3の開放端内に配置される。第2の管に属し、外部環境に接続された端は、第2の開放端であり、1つまたは複数の第2の開口は、第2の開放端内に配置される。第1の開放端は、前部キャビティの方へ延び、第1の開口を使用することによって前部キャビティに接続され、第2の開放端は、後部キャビティハウジングの外部の方へ延び、第2の開口を使用することによって後部キャビティハウジングの外部に接続される。後部キャビティハウジングは、後部キャビティを取り囲むように構成される。
【0011】
第1の態様の第1の可能な実装を参照して、第3の可能な実装では、3方向管は、ハブ管と、第1の管と、第2の管とを含み、第1の管と第2の管の両方は、ハブ管に接続され、1つまたは複数の第3の開口は、ハブ管内に配置される。ハブ管は、後部キャビティ内に設置される。
【0012】
第1の態様の第3の可能な実装を参照して、第4の可能な実装では、第1の管に属し、前部キャビティに接続された端は、第1の開放端であり、1つまたは複数の第1の開口は、第1の開放端内に配置される。第2の管に属し、外部環境に接続された端は、第2の開放端であり、1つまたは複数の第2の開口は、第2の開放端内に配置される。第1の開放端は、前部キャビティの方へ延び、第1の開口を使用することによって前部キャビティに接続され、第2の開放端は、後部キャビティハウジングの外部の方へ延び、第2の開口を使用することによって後部キャビティハウジングの外部に接続される。後部キャビティハウジングは、後部キャビティを取り囲むように構成される。
【0013】
第1の態様の第2の可能な実装、第3の可能な実装、または第4の可能な実装を参照して、第5の可能な実装では、第1の貫通孔は駆動部内に配置され、第1の貫通孔は、前部キャビティと後部キャビティを接続する。第1の開放端は、第1の貫通孔を使用することによって前部キャビティに接続される。第1の貫通孔は、駆動部のダイヤフラムの外部に配置される。
【0014】
第1の態様の第2の可能な実装、第3の可能な実装、または第4の可能な実装を参照して、第6の可能な実装では、ヘッドセットレシーバは、バッフルをさらに含んでよく、駆動部は、バッフル上に取り付けられ、バッフルおよび駆動部は、前部キャビティと後部キャビティとの間の接合部に配置される。1つまたは複数の第1の貫通孔は、バッフル内に配置されてよく、第1の貫通孔は、前部キャビティと後部キャビティを接続する。第1の開放端は、第1の貫通孔を使用することによって前部キャビティに接続される。
【0015】
第1の態様の第2の可能な実装から第6の可能な実装のいずれか1つを参照して、第7の可能な実装では、1つまたは複数の第2の貫通孔は、後部キャビティハウジング内に配置されてよく、第2の貫通孔は、後部キャビティと外部環境を接続する。第2の開放端は、第2の貫通孔を使用することによって外部環境に接続される。
【0016】
第1の態様の第8の可能な実装では、分岐管は、前部キャビティと後部キャビティを接続する双方向管と、後部キャビティと外部環境を接続する双方向管とを含む。
【0017】
第1の態様の第9の可能な実装では、サウンドキャビティは、追加の後部キャビティをさらに含み、分岐管は、追加の後部キャビティにさらに接続されるように構成され、追加の後部キャビティは、後部キャビティの外部を取り囲み、後部キャビティの一方の側は、前部キャビティに隣接し、他方の側は、追加の後部キャビティに隣接する。
【0018】
第1の態様の第9の可能な実装を参照して、第10の可能な実装では、分岐管は、4方向管の構造形式をとり、4方向管は、管Aと、管Bと、管Cと、管Dと、ハブ管とを含む。管A、管B、管C、および管Dはすべて、ハブ管に接続される。ハブ管は、追加の後部キャビティ内に設置されてもよいし、ハブ管は、後部キャビティおよび追加の後部キャビティを横切ってもよい。
【0019】
第1の態様の第10の可能な実装を参照して、第11の可能な実装では、管Aの開放端Aは、前部キャビティの方へ延び、前部キャビティに接続され、1つまたは複数の開口Aは、開放端A内に配置され、1つまたは複数の開口Aは、前部キャビティに接続される。管Bの開放端Bは、後部キャビティの方へ延び、後部キャビティに接続され、1つまたは複数の開口Bは、開放端B内に配置され、1つまたは複数の開口Bは、後部キャビティに接続される。管Cの開放端Cは、追加の後部キャビティの方へ延び、追加の後部キャビティに接続され、1つまたは複数の開口Cは、開放端C内に配置され、1つまたは複数の開口Cは、追加の後部キャビティに接続される。管Dの開放端Dは、追加の後部キャビティハウジングの外部の方へ延び、外部環境に接続され、1つまたは複数の開口Dは、開放端D内に配置され、1つまたは複数の開口Dは、外部環境に接続される。追加の後部キャビティハウジングは、追加の後部キャビティを取り囲むように構成される。
【0020】
第1の態様の第11の可能な実装を参照して、第12の可能な実装では、第1のタイプの管Aの開放端Aは、前部キャビティと後部キャビティとの間の第1の貫通孔を使用することによって前部キャビティに接続されてよい。管Aの第2のタイプの開放端Aは、前部キャビティと追加の後部キャビティとの間のスペーサの貫通孔を使用することによって前部キャビティに接続される。第1のタイプの管Aと第2のタイプの管Aの一方または両方は、4方向管内に配置される。前部キャビティと追加の後部キャビティは、スペーサを使用することによって互いから隔離される。
【0021】
第1の態様の第11の可能な実装または第12の可能な実装を参照して、第13の可能な実装では、第1のタイプの管Bの開放端Bは、後部キャビティハウジングの貫通孔を使用することによって後部キャビティに接続されてよい。ハブ管が後部キャビティに延びるとき、第2のタイプの管Bは、ハブ管に属し後部キャビティ内に設置される部分に接続され、第2のタイプの管Bは、後部キャビティと追加の後部キャビティとの間の後部キャビティハウジングの貫通孔を通過する必要はない。さらに、第2のタイプの管Bは、1つまたは複数の開口Bとしてさらに簡略化されてよく、1つまたは複数の開口Bは、ハブ管に属し後部キャビティ内に設置される部分の中に配置される。第1のタイプの管Bと第2のタイプの管Bの一方または両方は、4方向管内に配置される。追加の後部キャビティと後部キャビティは、後部キャビティハウジングを使用することによって互いから隔離される。
【0022】
第1の態様の第11の可能な実装、第12の可能な実装、または第13の可能な実装を参照して、第14の可能な実装では、第1のタイプの管Cの開放端Cは、後部キャビティハウジングの貫通孔を使用することによって追加の後部キャビティに接続される。ハブ管が追加の後部キャビティに延びるとき、第2のタイプの管Cは、ハブ管に属し追加の後部キャビティ内に設置される部分に接続され、第2のタイプの管Cは、後部キャビティと追加の後部キャビティとの間の後部キャビティハウジングの貫通孔を通過する必要はない。さらに、第2のタイプの管Cは、1つまたは複数の開口Cとしてさらに簡略化されてよく、1つまたは複数の開口Cは、ハブ管に属し追加の後部キャビティ内に設置される部分の中に配置される。第1のタイプの管Cと第2のタイプの管Cの一方または両方は、4方向管内に配置される。
【0023】
第1の態様の第11の可能な実装、第12の可能な実装、第13の可能な実装、または第14の可能な実装を参照して、第15の可能な実装では、管Dの開放端Dは、追加の後部キャビティハウジングの貫通孔を使用することによって外部環境に接続される。
【0024】
第1の態様の第9の可能な実装を参照して、第16の可能な実装では、分岐管は、前部キャビティと後部キャビティと追加の後部キャビティを接続する3方向管と、追加の後部キャビティと外部環境を接続する双方向管とを含む。3方向管は、ハブ管と、第1の管と、第2の管と、第3の管とを含み、第1の管、第2の管、および第3の管はすべて、ハブ管に接続され、ハブ管は、後部キャビティもしくは追加の後部キャビティ内に設置される、または3方向管のハブ管は、後部キャビティおよび追加の後部キャビティを横切ってよい。
【0025】
第1の態様の第9の可能な実装を参照して、第17の可能な実装では、分岐管は、前部キャビティと追加の後部キャビティと外部環境を接続する3方向管と、後部キャビティと追加の後部キャビティを接続する双方向管とを含む。3方向管は、ハブ管と、第1の管と、第2の管と、第3の管とを含み、第1の管、第2の管、および第3の管はすべて、ハブ管に接続され、ハブ管は、追加の後部キャビティ内に設置される。
【0026】
第1の態様の第9の可能な実装を参照して、第18の可能な実装では、分岐管は、後部キャビティと追加の後部キャビティと外部環境を接続する3方向管と、前部キャビティと後部キャビティを接続する双方向管とを備え、3方向管は、ハブ管と、第1の管と、第2の管と、第3の管とを含み、第1の管、第2の管、および第3の管はすべて、ハブ管に接続され、ハブ管は、追加の後部キャビティ内に設置される。
【0027】
第1の態様の第9の可能な実装を参照して、第19の可能な実装では、分岐管は、後部キャビティと追加の後部キャビティと外部環境を接続する3方向管と、前部キャビティと追加の後部キャビティを接続する双方向管とを含み、3方向管は、ハブ管と、第1の管と、第2の管と、第3の管とを含み、第1の管、第2の管、および第3の管はすべて、ハブ管に接続され、ハブ管は、追加の後部キャビティ内に設置される。
【0028】
第1の態様の第9の可能な実装を参照して、第20の可能な実装では、分岐管は、前部キャビティと後部キャビティを接続する双方向管と、後部キャビティと追加の後部キャビティを接続する双方向管と、追加の後部キャビティと外部環境を接続する双方向管とを含む。
【0029】
第1の態様の第9の可能な実装を参照して、第21の可能な実装では、分岐管は、前部キャビティと追加の後部キャビティを接続する双方向管と、後部キャビティと追加の後部キャビティを接続する双方向管と、追加の後部キャビティと外部環境を接続する双方向管とを含む。
【0030】
前述の可能な実装のいずれか1つを参照して、第22の可能な実装では、分岐管に属し、前部キャビティと外部環境との間に設置される部分は、低域通過フィルタ管であり、低域通過フィルタ管は細長い管である。
【0031】
第1の態様の第22の可能な実装を参照して、第23の可能な実装では、低域通過フィルタ管の有効断面の断面積と長さの比は、4mm2/10mm未満であるかまたはこれに等しくてよい。有効断面は、低域通過フィルタ管内にあり、フィルタ性能に実質的に影響する、管断面である。
【0032】
第1の態様の第23の可能な実装を参照して、第24の可能な実装では、分岐管内にあり低域通過フィルタ管として使用される管は、3方向管または4方向管であり、低域通過フィルタ管の各開放端内に1つまたは複数の開口があってよく、低域通過フィルタ管の有効断面は、低域通過フィルタ管の伸展方向における低域通過フィルタ管の2つの端の間の最も近い開口間の管断面である。
【0033】
第1の態様の第23の可能な実装を参照して、第25の可能な実装では、低域通過フィルタ管がm個の分離された管を含む場合、分離された管の各々の有効断面は、管内の低域通過フィルタ管の伸展方向における管内の低域通過フィルタ管の2つの端の間の最も近い開口間の管断面である。第1の管の有効断面の断面積はP1であり、第1の管の有効断面の長さはF1であり、第2の管の有効断面の断面積はP2であり、第2の管の有効断面の長さはF2であり、…、第mの管の有効断面の断面積はPmであり、第mの管の有効断面の長さはFmであると仮定される。低域通過フィルタ管の有効断面の長さはF1+F2+…+Fmであり、低域通過フィルタ管の有効断面の断面積は(P1×F1+P2×F2+…+Pm×Fm)/(F1+F2+…+Fm)であり、ここで、mは、1よりも大きい正の整数である。
【0034】
第1の態様の第23の可能な実装を参照して、第26の可能な実装では、低域通過フィルタ管として使用される分岐管内の管が分離されている場合、複数の分離された管に対して、管のうちの任意の1つまたは複数の有効断面の断面積と長さの比は、4mm2/10mm未満であるかまたはこれに等しくてもよいし、管のすべての有効断面の断面積と長さの比は、4mm2/10mm未満であるかまたはこれに等しくてもよい。
【0035】
前述の可能な実装のいずれか1つを参照して、第27の可能な実装では、1つまたは複数の微孔性通路は、後部キャビティハウジング内に配置される。
【0036】
追加の後部キャビティが配置されないとき、微孔性通路は、後部キャビティハウジング内に配置され、後部キャビティと外部環境を接続する。追加の後部キャビティが配置されるとき、微孔性通路は、後部キャビティハウジング内に配置され、後部キャビティと追加の後部キャビティを接続し、後部キャビティハウジングは、後部キャビティを取り囲むように構成される。
【0037】
微孔性通路は、音響減衰を提供するために配置される。駆動部によって発される音波中の低域音波は、後部キャビティおよび低域通過フィルタ管と共鳴する。微孔性通路は、音響減衰を提供することによって、共鳴をある程度抑制することができる。このようにして、低域音波応答は、変動を起こしにくい。このようにして、低域上でのより平坦な音圧レベル大きさおよび位相応答は、微孔性通路を使用することによって実装可能である。
【0038】
第1の態様の第27の可能な実装を参照して、第28の可能な実装では、微孔性通路の長さは0.5mm以上である。
【0039】
第1の態様の第27の可能な実装を参照して、第29の可能な実装では、単一の微孔性通路の断面積は、0.2mm2から5mm2にわたる。
【0040】
第1の態様の第27の可能な実装を参照して、第30の可能な実装では、複数の微孔性通路があるとき、複数の微孔性通路は、一緒に配列されてよい。
【0041】
第1の態様の第27の可能な実装を参照して、第31の可能な実装では、複数の微孔性通路があるとき、複数の微孔性通路の全断面積は、1mm2から20mm2にわたる。
【0042】
第2の態様によれば、本出願は、ヘッドバンドと、ヘッドバンドの2つの端に接続されたヘッドセットレシーバとを含むヘッドセットをさらに提供する。ヘッドセットレシーバは、第1の態様の実装のいずれか1つにおけるヘッドセットレシーバである。
【0043】
第2の態様の第1の実装では、ヘッドセットは、ヘッドセットケーブルをさらに含み、このヘッドセットケーブルは、ヘッドセットレシーバの内部で駆動部に接続される。
【0044】
第3の態様によれば、本出願は、ヘッドセットケーブルと、第1の態様の実装のいずれか1つにおけるヘッドセットレシーバとを含むヘッドセットをさらに提供する。ヘッドセットケーブルは、ヘッドセットレシーバの内部で駆動部に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図2】ハーフインイヤー型イヤホンの斜視図と、図に示される横断面の断面図である。
【
図3】ハーフインイヤー型イヤホンが耳に挿入される概略図である。
【
図5】本出願によるイヤーマフ構成要素の部分断面図である。
【
図6】本出願によるイヤーマフ構成要素の内部のサウンドキャビティの概略図であり、T字形3方向管形式の分岐管は、サウンドキャビティ内に配置される。
【
図7】
図6に図示されるイヤーマフ構成要素の分岐管およびサウンドキャビティがコンデンサおよび誘導子に相当する概略図であり、コンデンサおよび誘導子の要素参照番号は、対応するサウンドキャビティまたは分岐管の部分の要素参照番号である。
【
図8】本出願によるイヤーマフ構成要素の内部のサウンドキャビティの概略図であり、I字形3方向管形式の分岐管は、サウンドキャビティ内に配置される;
【
図9】
図8に図示されるイヤーマフ構成要素の分岐管およびサウンドキャビティがコンデンサおよび誘導子に相当する概略図であり、コンデンサおよび誘導子の要素参照番号は、対応するサウンドキャビティまたは分岐管の部分の要素参照番号である。
【
図10】本出願によるイヤーマフ構成要素の内部のサウンドキャビティの概略図であり、双方向管形式の分岐管は、サウンドキャビティ内に配置される。
【
図11】
図10に図示されるイヤーマフ構成要素の分岐管およびサウンドキャビティがコンデンサおよび誘導子に相当する概略図であり、コンデンサおよび誘導子の要素参照番号は、対応するサウンドキャビティまたは分岐管の部分の要素参照番号である。
【
図12】本出願によるイヤーマフ構成要素内に配置された分岐管の開放端内の複数の開口の形式を示す図である。
【
図13】本出願によるイヤーマフ構成要素内に配置された分岐管の開放端内の複数の開口の別の形式を示す図である。
【
図14】本出願によるイヤーマフ構成要素の内部のサウンドキャビティの概略図であり、サウンドキャビティは追加の後部キャビティを含み、4方向管形式の分岐管はサウンドキャビティ内に配置され、分岐管のハブ管は追加の後部キャビティ内に設置される。
【
図15】
図14に図示されるイヤーマフ構成要素の分岐管およびサウンドキャビティがコンデンサおよび誘導子に相当する概略図であり、コンデンサおよび誘導子の要素参照番号は、対応するサウンドキャビティまたは分岐管の部分の要素参照番号である。
【
図16】本出願によるイヤーマフ構成要素の内部のサウンドキャビティの概略図であり、サウンドキャビティは追加の後部キャビティを含み、別の4方向管形式の分岐管はサウンドキャビティ内に配置され、分岐管のハブ管は後部キャビティおよび追加の後部キャビティを横切る。
【
図17】
図16に図示されるイヤーマフ構成要素の分岐管およびサウンドキャビティがコンデンサおよび誘導子に相当する概略図であり、コンデンサおよび誘導子の要素参照番号は、対応するサウンドキャビティまたは分岐管の部分の要素参照番号である。
【
図18】本出願によるイヤーマフ構成要素の内部のサウンドキャビティの概略図であり、サウンドキャビティは追加の後部キャビティを含み、さらに別の4方向管形式の分岐管はサウンドキャビティ内に配置され、分岐管のハブ管は追加の後部キャビティ内に設置され、2つの管Cは追加の後部キャビティに接続される。
【
図19】
図18に図示されるイヤーマフ構成要素の分岐管およびサウンドキャビティがコンデンサおよび誘導子に相当する概略図であり、コンデンサおよび誘導子の要素参照番号は、対応するサウンドキャビティまたは分岐管の部分の要素参照番号である。
【
図20】本出願によるイヤーマフ構成要素の内部のサウンドキャビティの概略図であり、サウンドキャビティは追加の後部キャビティを含み、サウンドキャビティ内に配置された分岐管は3方向管と双方向管とを含み、3方向管は前部キャビティと後部キャビティと追加の後部キャビティを接続し、双方向管は追加の後部キャビティと外部大気を接続し、3方向管のハブ管は後部キャビティ内に設置される。
【
図21】
図20に図示されるイヤーマフ構成要素の分岐管およびサウンドキャビティがコンデンサおよび誘導子に相当する概略図であり、コンデンサおよび誘導子の要素参照番号は、対応するサウンドキャビティまたは分岐管の部分の要素参照番号である。
【
図22】本出願によるイヤーマフ構成要素の内部のサウンドキャビティの概略図であり、サウンドキャビティは追加の後部キャビティを含み、サウンドキャビティ内に配置された分岐管は3方向管と双方向管とを含み、3方向管は前部キャビティと後部キャビティと追加の後部キャビティを接続し、双方向管は追加の後部キャビティと外部大気を接続し、3方向管のハブ管は追加の後部キャビティ内に設置される。
【
図23】
図22に図示されるイヤーマフ構成要素の分岐管およびサウンドキャビティがコンデンサおよび誘導子に相当する概略図であり、コンデンサおよび誘導子の要素参照番号は、対応するサウンドキャビティまたは分岐管の部分の要素参照番号である。
【
図24】本出願によるイヤーマフ構成要素の内部のサウンドキャビティの概略図であり、サウンドキャビティは追加の後部キャビティを含み、分岐管はサウンドキャビティ内に配置され、分岐管は、前部キャビティと後部キャビティを接続する双方向管と、後部キャビティと追加の後部キャビティを接続する双方向管と、追加の後部キャビティと外部大気を接続する双方向管とを含む。
【
図25】
図24に図示されるイヤーマフ構成要素の分岐管およびサウンドキャビティがコンデンサおよび誘導子に相当する概略図であり、コンデンサおよび誘導子の要素参照番号は、対応するサウンドキャビティまたは分岐管の部分の要素参照番号である。
【
図26】本出願によるイヤーマフ構成要素の内部のサウンドキャビティの概略図であり、サウンドキャビティは追加の後部キャビティを含み、分岐管はサウンドキャビティ内に配置され、分岐管は、前部キャビティと追加の後部キャビティを接続する双方向管と、後部キャビティと追加の後部キャビティを接続する双方向管と、追加の後部キャビティと外部大気を接続する双方向管とを含む。
【
図27】
図26に図示されるイヤーマフ構成要素の分岐管およびサウンドキャビティがコンデンサおよび誘導子に相当する概略図であり、コンデンサおよび誘導子の要素参照番号は、対応するサウンドキャビティまたは分岐管の部分の要素参照番号である。
【
図28】本出願によるイヤーマフ構成要素内に配置された微孔性通路の概略図である。
【
図29】本出願におけるイヤーマフ構成要素の音圧レベル大きさ-周波数応答曲線と既存のイヤーマフ構成要素の音圧レベル大きさ-周波数応答曲線との比較の図である。
【
図30】本出願におけるイヤーマフ構成要素の音圧レベル位相-周波数応答曲線と既存のイヤーマフ構成要素の音圧レベル位相-周波数応答曲線との比較の図である。
【
図31】本出願におけるイヤーマフ構成要素のノイズ音圧レベル曲線と既存のイヤーマフ構成要素のノイズ音圧レベル曲線との比較の図である。
【0046】
添付の図面中の要素参照番号は、具体的には、以下の通りである。
【0047】
ヘッドバンド1、ヘッドセットケーブル3、イヤーマフ構成要素2、ハウジング21、駆動部22、ダイヤフラム221、前部キャビティ23、前部キャビティハウジング231、前端232、開放窓2321、後部キャビティ24、後部キャビティハウジング241、バッフル25、追加の後部キャビティ26、追加の後部キャビティハウジング261、スペーサ27、ハードウェアコンパートメント28、分岐管29、第1の管291、第1の開放端2911、第2の管292、第2の開放端2921、第3の管293、第3の開放端2931、ハブ管290、管A294、開放端A2941、管B295、開放端B2951、管C296、開放端C2961、管D297、開放端D2971、微孔性通路20。
【発明を実施するための形態】
【0048】
イヤーピースとも呼ばれるヘッドセットは、通常、2つの耳に別々に装着される2つのレシーバを有する。ヘッドセットは、メディアプレイヤーによって送られたオーディオ信号を受け取り、耳に近接して駆動部ユニットを使用することによってオーディオ信号を可聴音波に変換する。使用者は、ヘッドセットを使用して、別の人に影響することなく音のみを聴くことができる。ヘッドセットは、周囲環境中の音を隔離することもでき、周囲環境内のノイズによって影響されることなく、ノイズの多い環境内で、たとえば、録音室内で、旅行中に、または運動中に、使用されてよい。したがって、ヘッドセットが周囲環境内のノイズを十分に隔離することができるかどうかは、極めて重要な性能である。
【0049】
図1、
図3、および
図4に図示されるように、ヘッドセットは、一般に、いくつかのタイプ、すなわち、ヘッドホン(
図4)、インイヤー型イヤホン(
図1)、およびハーフインイヤー型イヤホン(
図3)を含む。インイヤー型イヤホンおよびハーフインイヤー型イヤホンは、通常、イヤーバッド構成要素と、イヤーバッド構成要素に接続されたヘッドセットケーブルとを含む。
図4に図示されるように、ヘッドホンは、通常、ヘッドバンド1と、ヘッドバンド1の2つの端に接続されたイヤーマフ構成要素2と、ヘッドセットケーブルとを含む。ヘッドバンドは、使用者の頭部に装着される。ヘッドホン、インイヤー型イヤホン、およびハーフインイヤー型イヤホンなどのヘッドセットのヘッドセットケーブルは省略されてよく、ヘッドセットは、Bluetoothなどの無線通信を通してオーディオ信号を受け取ることが留意されるべきである。
【0050】
図1、
図2、および
図5に図示されるように、イヤーバッド構成要素とイヤーマフ構成要素2の両方は、ヘッドセットレシーバと呼ばれることがある。イヤーバッド構成要素およびイヤーマフ構成要素2は、異なる特定のサイズと形状とを有するが、同じ主内部構造を有してよい。構造は、通常、ハウジング21と、ハウジング21の内部に設置された駆動部22とを含む。ハウジング21の内部の空間は、隔離を通して複数のキャビティに分割される。ヘッドセットの音響性能に関連するキャビティがサウンドキャビティであり、ヘッドセットの音響性能にほとんど影響しないキャビティの1つはハードウェアコンパートメント28である(
図5を参照されたい)。サウンドキャビティは、互いに隣接して配置された前部キャビティ23と後部キャビティ24とを含んでよく、ハードウェアコンパートメント28は、後部キャビティ24の外部を取り囲む。ハードウェアコンパートメント28内では、バッテリおよびチップが置かれてよく、回路基板がさらに配置されてよい。ハードウェアコンパートメント28は、後部キャビティ24から完全に隔離され、したがって、ヘッドセットの音響性能にほとんど影響しない。
【0051】
図1、
図2、
図5、
図6、
図8、
図10、
図14、
図16、
図18、
図20、
図22、
図24、および
図26に図示されるように、前部キャビティ23を取り囲む側壁は前部キャビティハウジング231であり、後部キャビティ24を取り囲む側壁は後部キャビティハウジング241である。前部キャビティ23と後部キャビティ24との間の接合部は、前部キャビティハウジング231内にも、後部キャビティハウジング241内にも配置されない。駆動部22のダイヤフラム221は、前部キャビティ23と後部キャビティ24との間の接合部に設置される。ダイヤフラム221の一方の側は前部キャビティ23に面し、他方の側は後部キャビティ24に面する。ダイヤフラム221は、音波が前部キャビティ23および後部キャビティ24に伝達されるように、振動する。駆動部22の別の構成要素が、前部キャビティ23内に設置されてもよいし、後部キャビティ24内に設置されてもよい。前部キャビティ23内の音波が使用者の耳に伝達されるからである。前部キャビティ23内の音波と干渉しないために、駆動部22の別の構成要素が、後部キャビティ24内に置かれてもよいし、前部キャビティ23と後部キャビティ24との間の接合部に配置されてもよい。
【0052】
前部キャビティ23と後部キャビティ24は、駆動部22を使用することによって互いから隔離されてよい。代替として、バッフル25がイヤーマフ構成要素内に配置されてよく、駆動部22はバッフル25上に取り付けられてよく、前部キャビティ23と後部キャビティ24は、バッフル25および駆動部22を使用することによって互いから隔離されてよい。
【0053】
図14、
図16、
図18、
図20、
図22、
図24、および
図26に図示されるように、ハードウェアコンパートメント28は、代替として、追加の後部キャビティ26へと再構築されてよく、追加の後部キャビティ26は、サウンドキャビティの一部分としてヘッドセットの音響性能に影響する。ハードウェアコンパートメント28が追加の後部キャビティ26として使用された後、ハードウェアコンパートメント28内に置かれたバッテリ、チップなどは、サウンドキャビティとして使用されない別のコンパートメントに移動されてよい。確かに、バッテリ、チップなどは、依然として、追加の後部キャビティ26内に置かれてよい。ハードウェアコンパートメント28が追加の後部キャビティ26として使用される場合、ハードウェアコンパートメント28の構造に関する特殊な要件がある。以下は、その要件について1つずつ説明する。
【0054】
図14、
図16、
図18、
図20、
図22、
図24、および
図26に図示されるように、追加の後部キャビティ26は後部キャビティ24の外部を取り囲み、追加の後部キャビティ26と後部キャビティ24は、後部キャビティハウジング241を使用することによって互いから隔離される。追加の後部キャビティ26は、後部キャビティ24の上に重ねられ、追加の後部キャビティ26は、後部キャビティ24と外部環境との間に存在する。後部キャビティ24の一方の側は、前部キャビティ23に隣接し、他方の側は、追加の後部キャビティ26に隣接する。後部キャビティ24は、前部キャビティ23および追加の後部キャビティ26によって取り囲まれる。前部キャビティ23と追加の後部キャビティ26は、互いに隣接して配置され、スペーサ27を使用することによって互いから隔離される。スペーサ27および追加の後部キャビティ26を取り囲む側壁内の後部キャビティハウジング241以外の部分が、追加の後部キャビティハウジング261である。
【0055】
前部キャビティハウジング231は、ヘッドセットのハウジング21の一部分として使用されてよく、追加の後部キャビティハウジング261は、ハウジング21の一部分として使用されてもよい。追加の後部キャビティ26が配置されないとき、後部キャビティハウジング241は、ヘッドセットのハウジング21の一部分として使用されてもよい。
【0056】
図1、
図2、
図5、
図6、
図8、
図10、
図14、
図16、
図18、
図20、
図22、
図24、および
図26に図示されるように、開放窓2321は前部キャビティハウジング231内に配置され、開放窓2321は前部キャビティ23と外部環境を接続する。前部キャビティハウジングに属し開放窓2321が配置される端は前端232であり、イヤーパッドは、前端232の外表面上に配置されてよく、イヤーパッドは、使用者の耳介と接触する。イヤーパッドは、軟性材料を有し、使用者に快適な接触の感覚を提供することができる。
【0057】
図5に図示されるように、ヘッドセットケーブル3は、後部キャビティハウジング241を通過し、駆動部22に接続されてよい。追加の後部キャビティ26が配置されるとき、ヘッドセットケーブル3は、追加の後部キャビティハウジング261および後部キャビティハウジング241を通過し、駆動部22に接続されてよい。
【0058】
一般に、前部キャビティ23の内部空間は、後部キャビティ24の内部空間よりも大きくてよい。
【0059】
インイヤー型イヤホンおよびハーフインイヤー型イヤホンのイヤーバッド構成要素は、使用者の耳道に挿入されてよく、したがって、通常、比較的小さい。ヘッドホンのイヤーマフ構成要素は、使用者の耳介を覆ってよく、通常、比較的大きい。
【0060】
ヘッドホンが使用中であるとき、イヤーマフ構成要素は、開放窓2321を使用することによって、使用者の耳道に接続される。
【0061】
使用中であるとき、インイヤー型イヤホンのイヤーバッド構成要素の前部キャビティハウジングの前端は、使用者の耳道を閉鎖するために、耳道の内壁と緊密に接触し、イヤーバッド構成要素の前部キャビティは、開放窓を使用することによって使用者の耳道と連通する。
【0062】
図3に図示されるように、ハーフインイヤー型イヤホンのイヤーバッド構成要素の前部キャビティハウジング内に配置された開放窓は、主開放窓と、補助的開放窓とを含み、主開放窓は、ハーフインイヤー型イヤホンのイヤーバッド構成要素の前部キャビティハウジングの前端に設置される。ハーフインイヤー型イヤホンが使用中であるとき、ハーフインイヤー型イヤホンのイヤーバッド構成要素は耳道内に置かれ、主開放窓は耳道の内部に面し、補助的開放窓は耳の外部に面し、補助的開放窓は、耳道内の気圧が比較的均衡化可能であり、使用者が比較的快適さを感じるように、大気に必要とされないいくらかの音エネルギーを漏洩する。
【0063】
駆動部は、ヘッドセットケーブルからオーディオ信号を受け取り、オーディオ信号を音波に変換するように構成される。駆動部は、音を生成するために使用され、したがって、駆動部ユニットと呼ばれることもある。
【0064】
図5、
図6、
図8、
図10、
図14、
図16、
図18、
図20、
図22、
図24、および
図26に図示されるように、本出願は、新しいイヤーマフ構成要素2を提供する。分岐管29は、イヤーマフ構成要素2内に配置され、分岐管29は、低域通過フィルタ効果が達成可能であり、外部環境からサウンドキャビティに入る中域音波および高域音波が効果的に隔離され、それによって、良好なノイズ低減性能を達成することができるように、前部キャビティ23と、後部キャビティ24と、外部環境を接続する。イヤーバッド構成要素は、イヤーマフ構成要素2に類似した内部構造を有するので、以下の実施形態も、イヤーバッド構成要素に適用可能である。
【0065】
分岐管29は、2つの形式で設計され得る。第1の形式の場合、
図5、
図6、および
図8に図示されるように、3方向管の構造形式が使用され、3方向管は3つの領域を接続し、この3つの領域は、前部キャビティ23、後部キャビティ24、および外部環境である。第2の形式の場合、
図10に図示されるように、複数の分離された双方向管の構造形式が使用される。双方向管は、2つの隣接するエリアを接続するように構成される、たとえば双方向管は、前部キャビティ23と後部キャビティ24を接続し、双方向管は、後部キャビティ24と外部環境を接続する。
【0066】
図5、
図6、および
図8に図示されるように、3方向管は、ハブ管290と、第1の管291と、第2の管292と、第3の管293とを含む。第1の管291、第2の管292、および第3の管293はすべて、ハブ管290に接続される。1つまたは複数の第1の管291があってよく、第1の管291は、1つまたは複数の分岐を含んでよい。1つまたは複数の第2の管292があってよく、第2の管292も、1つまたは複数の分岐を含んでよい。1つまたは複数の第3の管293があってよく、第3の管293も、1つまたは複数の分岐を含んでよい。ハブ管290は、後部キャビティ24内に設置される。
【0067】
第1の管291に属し、前部キャビティ23に接続された端は、第1の開放端2911であり、1つまたは複数の第1の開口は、第1の開放端2911内に配置される。第3の管293に属し、後部キャビティ24に接続された端は、第3の開放端2931であり、1つまたは複数の第3の開口は、第3の開放端2931内に配置される。第2の管292に属し、外部環境に接続された端は、第2の開放端2921であり、1つまたは複数の第2の開口は、第2の開放端2921内に配置される。第1の開放端2911は、前部キャビティ23の方へ延び、第1の開口を使用することによって前部キャビティ23に接続され、第2の開放端2921は、後部キャビティハウジング241の外部の方へ延び、第2の開口を使用することによって後部キャビティハウジング241の外部に接続される。
【0068】
図6および
図8を参照する。1つまたは複数の第1の貫通孔は、バッフル25内に配置されてよく、第1の貫通孔は、前部キャビティ23と後部キャビティ24を接続する。第1の開放端2911は第1の貫通孔に差し込まれ、第1の開放端2911は、第1の貫通孔を使用することによって、前部キャビティ23に接続される。第1の開放端2911は、第1の貫通孔を通過し、第1の貫通孔の外部に突き出して、前部キャビティ23に延びてもよいし、第1の開放端2911は、第1の貫通孔の内部に隠れてもよい。第1の貫通孔と第1の開放端2911は、着脱可能に接続されてもよいし、一緒に固締または一体化されてもよい。
【0069】
バッフルが配置されないとき、駆動部22は前部キャビティ23と後部キャビティ24との間の接合部に設置されるので、第1の貫通孔は駆動部22内に配置されてよく、駆動部22内に配置された第1の貫通孔は、依然として、前部キャビティ23と後部キャビティ24を接続する。しかしながら、駆動部22内に配置された第1の貫通孔は、ダイヤフラム内に配置不可能であり、ダイヤフラムの外部に配置されてよい。複数の第1の貫通孔が配置される必要があるとき、第1の貫通孔のうちのいくつかは、バッフル25内に配置されてよく、他の第1の貫通孔は、駆動部22のダイヤフラムの外部の部分の中に配置されてよい。第1の貫通孔のいずれか1つに対して、一方の部分はバッフル25内に設置されてよく、他方の部分は、駆動部22のダイヤフラムの外部に設置されてよい。
【0070】
図5、
図6、および
図8を参照する。1つまたは複数の第2の貫通孔は、後部キャビティハウジング241内に配置されてよく、第2の貫通孔は、後部キャビティ24と外部環境を接続する。第2の開放端2921は第2の貫通孔に差し込まれ、第2の開放端2921は、第2の貫通孔を使用することによって、外部環境に接続される。第2の開放端2921は、第2の貫通孔を通過して、後部キャビティハウジング241の外部に突き出してもよいし、第2の開放端2921は、第2の貫通孔の内部に隠れてもよい。第2の貫通孔と第2の開放端2921は、着脱可能に接続されてもよいし、一緒に固締または一体化されてもよい。ハードウェアコンパートメント28が後部キャビティ24の外部に配置されるとき、ハードウェアコンパートメント28は、外部環境に接続される。第2の貫通孔は、後部キャビティ24とハードウェアコンパートメント28を接続し、このことは、第2の貫通孔が後部キャビティ24と外部環境を接続することを等しく意味する。
【0071】
第3の管293の長さは、第1の管291の長さよりも短くてよく、第2の管292の長さよりも短くてもよい。第3の管293すら省略され、ハブ管290内の第3の開口のみを残してよい。第2の管292が配置されるとき、分岐管29は、T字形構造であってよい(
図6を参照されたい)。第2の管292が省略されるとき、分岐管29は、I字形構造であってよい(
図8を参照されたい)。
【0072】
分岐管29に属し、前部キャビティ23と外部環境との間に設置された部分は、低域通過フィルタと等しく機能する。したがって、分岐管29に属し、前部キャビティ23と外部環境との間に設置された部分は、低域通過フィルタ管と呼ばれる。
図7は、
図6に図示される分岐管およびサウンドキャビティの接続形式の等価な回路図である。2つのコンデンサは、前部キャビティおよび後部キャビティに相当し、分岐管の第1の管291、第2の管292、および第3の管293は、3つの誘導子に相当し、音波は、コンデンサおよび誘導子内で伝播し、コンデンサおよび誘導子と共鳴する。
図9は、
図8に図示される分岐管およびサウンドキャビティの接続形式の等価な回路図である。
【0073】
分岐管29は、低域通過フィルタ管が、比較的大きいインダクタンスを有し、したがって、比較的良好な低域通過フィルタ性能を有することができるように、前部キャビティ23と、後部キャビティ24と、外部環境を接続する。低域通過フィルタ管は、外部環境から前部キャビティに入るノイズが低減され、比較的良好なパッシブノイズ低減(Passive noise reduction, PNR)効果が達成されるように、外部環境から入る低域音波が通過することを可能にし、外部環境から入る高域音波を除去することができる。
【0074】
分岐管が、
図6および
図8に図示される形式をとるとき、低域通過フィルタ管は、第1の管291および第2の管292である。
【0075】
さらに、本出願における分岐管は、前部キャビティおよび後部キャビティ内の気圧が解放可能であり、前部キャビティ内の気圧、後部キャビティ内の気圧、および外部環境内の気圧が平衡化可能であるように、前部キャビティと後部キャビティの両方をイヤーマフ構成要素の外部環境に結合するために、前部キャビティと、後部キャビティと、外部環境を接続する。このようにして、音波の圧力脈動の影響を受けたダイヤフラムの信頼性は改善可能であり、人間の耳の音響快適さも改善可能である。
【0076】
本出願では、分岐管は、後部キャビティと外部環境を接続し、駆動部によって発される音波中の低域音波は、後部キャビティおよび分岐管の一部分と共鳴し、したがって、中域音波および低域音波に対するヘッドセットの音圧レベル大きさ-周波数応答の感度は改善可能である。
【0077】
図10に図示されるように、分岐管29が、複数の分離された管の構造形式をとるとき、分岐管29は、分離された第1の管291と第2の管292とを含み、第1の管291は、前部キャビティ23と後部キャビティ24を接続し、第2の管292は、後部キャビティ24と外部環境を接続する。
【0078】
第1の開放端2911は、第1の管291の一方の端に配置され、1つまたは複数の第3の開口は、他方の端に配置され、第3の開口は、後部キャビティ24に接続される。第2の開放端2921は、第2の管292の一方の端に配置され、1つまたは複数の第3の開口は、他方の端に配置され、第3の開口は、後部キャビティ24に接続される。第1の開放端2911を配置する様式および第1の開放端2911と前部キャビティ23との間の接続様式については、前述の実施形態を参照されたい。第2の開放端2921を配置する様式および第2の開放端2921と外部環境との間の接続様式については、前述の実施形態を参照されたい。
【0079】
第1の管291に属し第3の開口が配置される端は、第1の貫通孔に差し込まれ、第1の管291に属し第3の開口が配置される端は、第1の貫通孔を使用することによって後部キャビティ24に接続される。第1の管291に属し第3の開口が配置される端は、第1の貫通孔を通過し、第1の貫通孔の外部に突き出して、後部キャビティ24に延びてもよいし、第1の管291に属し第3の開口が配置される端は、第1の貫通孔の内部に隠れてもよい。第1の管291に属し第3の開口が配置される端と第1の貫通孔は、着脱可能に接続されてもよいし、一緒に固締または一体化されてもよい。
【0080】
第2の管292に属し第3の開口が配置される端は、後部キャビティハウジング241の第2の貫通孔に差し込まれ、第2の管292に属し第3の開口が配置される端は、第2の貫通孔を使用することによって後部キャビティ24に接続される。第2の管292に属し第3の開口が配置される端は、第2の貫通孔を通過して、第2の貫通孔の外部に突き出してよく、第2の管292に属し第3の開口が配置される端は、第2の貫通孔の内部に隠れる。第2の管292に属し第3の開口が配置される端と第2の貫通孔は、着脱可能に接続されてもよいし、一緒に固締または一体化されてもよい。
【0081】
第2の管292は省略されてよく、後部キャビティ24と外部環境は、後部キャビティハウジング241内に配置された1つまたは複数の第2の貫通孔を使用することによって接続される。
【0082】
図11は、
図10に図示される分岐管およびサウンドキャビティの接続形式の等価な回路図である。分岐管が、
図10に図示される複数の分離された管の構造形式をとるとき、低域通過フィルタ管は、第1の管291および第2の管292である。
【0083】
図14から
図27を参照する。追加の後部キャビティ26が、本出願で提供されるイヤーマフ構成要素2内に配置されるとき、分岐管29は、追加の後部キャビティ26にさらに接続される。スペーサ27が、前部キャビティ23と追加の後部キャビティ26との間に配置され、後部キャビティハウジング241は、追加の後部キャビティ26と後部キャビティ24との間に配置される。分岐管29は、以下の3つの様式で、前部キャビティ23と、後部キャビティ24と、追加の後部キャビティ26と、外部環境を接続してよい。
【0084】
図14から
図19を参照する。第1の様式では、分岐管29は、4方向管の構造形式をとり、4方向管は、4つの領域を接続するように構成され、この4つの領域は、前部キャビティ23、後部キャビティ24、追加の後部キャビティ26、および外部環境である。
【0085】
図20から
図23を参照する。第2の様式では、分岐管29は、3方向管と双方向管の組み合わせの構造形式をとり、3方向管は、前部キャビティと、後部キャビティと、追加の後部キャビティを接続し、双方向管は、追加の後部キャビティと外部環境を接続する。代替として、3方向管は、前部キャビティと、追加の後部キャビティと、外部環境を接続してよく、双方向管は、後部キャビティと追加の後部キャビティを接続してよい。代替として、3方向管は、後部キャビティと、追加の後部キャビティと、外部環境を接続してよく、双方向管は、前部キャビティと後部キャビティを接続してよい。代替として、3方向管は、後部キャビティと、追加の後部キャビティと、外部環境を接続してよく、双方向管は、前部キャビティと追加の後部キャビティを接続してよい。
【0086】
1つまたは複数の3方向管があることがあり、1つまたは複数の双方向管もあることがある。1つまたは複数のタイプの管は、任意の2つの領域を接続してもよいし、繰り返し配置されてもよい。たとえば、2つのタイプの3方向管が使用される。一方のタイプの3方向管は、前部キャビティと、後部キャビティと、追加の後部キャビティを接続し、他方のタイプの3方向管は、後部キャビティと、追加の後部キャビティと、外部環境を接続する。代替として、2つのタイプの双方向管と1つのタイプの3方向管の組み合わせが使用される。1つのタイプの3方向管は、前部キャビティと、後部キャビティと、追加の後部キャビティを接続し、一方のタイプの双方向管は、追加の後部キャビティと外部環境を接続し、他方のタイプの双方向管は、前部キャビティと後部キャビティを接続する。
【0087】
3方向管の具体的な設計形式については、追加の後部キャビティが配置されない前述の実施形態における3方向管の設計形式を参照されたい。双方向管の具体的な設計形式については、追加の後部キャビティが配置されない前述の実施形態における双方向管の設計形式を参照されたい。
【0088】
3方向管が前部キャビティに接続され、3方向管の開放端が外部環境に接続される場合、3方向管のハブ管は、後部キャビティもしくは追加の後部キャビティ内に設置される、または3方向管のハブ管は、後部キャビティおよび追加の後部キャビティを横切ってよいことが留意されるべきである。さらに、双方向管は、前部キャビティと外部環境を直接的に接続するように配置不可能である。
【0089】
図21は、
図20に図示される分岐管およびサウンドキャビティの接続形式の等価な回路図である。
図23は、
図22に図示される分岐管およびサウンドキャビティの接続形式の等価な回路図である。分岐管が、
図20に図示される形式をとるとき、低域通過フィルタ管は、管A294、管C296、ハブ管290、および管D297である。分岐管が、
図22に図示される形式をとるとき、低域通過フィルタ管は、管A294、ハブ管290、管C296、および管D297である。
【0090】
図24から
図27を参照する。第3の様式では、分岐管29は、複数の分離された双方向管の構造形式をとり、双方向管は、隣接する領域のいずれか2つを接続するように構成され、この領域は、前部キャビティ、後部キャビティ、追加の後部キャビティ、および外部環境である。しかしながら、双方向管は、前部キャビティと外部環境を接続するために使用不可能である。双方向管の異なる接続された領域に基づいて、以下の4つのタイプの双方向管がある。第1のタイプの双方向管は、前部キャビティと後部キャビティを接続し、第2のタイプの双方向管は、前部キャビティと追加の後部キャビティを接続し、第3のタイプの双方向管は、後部キャビティと追加の後部キャビティを接続し、第4のタイプの双方向管は、追加の後部キャビティと外部環境を接続する。前述の4つのタイプの双方向管の各々は、1つまたは複数の双方向管を含んでよい。4つのタイプの双方向管のすべてがノイズ低減ヘッドセット上に配置されてもよいし、前部キャビティと後部キャビティを接続する第1のタイプの双方向管、後部キャビティと追加の後部キャビティを接続する第3のタイプの双方向管、および追加の後部キャビティと外部環境を接続する第4のタイプの双方向管のみが配置されてもよいし、前部キャビティと追加の後部キャビティを接続する第2のタイプの双方向管、後部キャビティと追加の後部キャビティを接続する第3のタイプの双方向管、および追加の後部キャビティと外部環境を接続する第4のタイプの双方向管のみが配置されてもよい。双方向管の具体的な設計形式については、追加の後部キャビティが配置されない前述の実施形態における双方向管の設計形式を参照されたい。
【0091】
図25は、
図24に図示される分岐管およびサウンドキャビティの接続形式の等価な回路図である。
図27は、
図26に図示される分岐管およびサウンドキャビティの接続形式の等価な回路図である。分岐管が、
図24に図示される形式をとるとき、低域通過フィルタ管は、管A294、管C296、および管D297である。分岐管が、
図26に図示される形式をとるとき、低域通過フィルタ管は、管A294および管D297である。
【0092】
図14から
図19を参照する。4方向管は、管A294と、管B295と、管C296と、管D297と、ハブ管290とを含む。管A294、管B295、管C296、および管D297はすべて、ハブ管290に接続され、1つまたは複数の管A294があってよく、管A294は、1つまたは複数の分岐を含んでよい。1つまたは複数の管B295があってよく、管B295も、1つまたは複数の分岐を含んでよい。1つまたは複数の管C296があってよく、管C296も、1つまたは複数の分岐を含んでよい。1つまたは複数の管D297があってよく、管D297も、1つまたは複数の分岐を含んでよい。ハブ管290は、追加の後部キャビティ26内に設置されてもよいし、ハブ管290は、後部キャビティ24および追加の後部キャビティ26を横切ってもよい、言い換えれば、一方の部分は後部キャビティ24内に設置され、他方の部分は追加の後部キャビティ26内に設置される。
【0093】
管A294の開放端A2941は、前部キャビティ23の方へ延び、前部キャビティ23に接続され、1つまたは複数の開口Aは、開放端A2941内に配置され、1つまたは複数の開口Aは、前部キャビティ23に接続される。管B295の開放端B2951は、後部キャビティ24の方へ延び、後部キャビティ24に接続され、1つまたは複数の開口Bは、開放端B2951内に配置され、1つまたは複数の開口Bは、後部キャビティ24に接続される。管C296の開放端C2961は、追加の後部キャビティ26の方へ延び、追加の後部キャビティ26に接続され、1つまたは複数の開口Cは、開放端C2961内に配置され、1つまたは複数の開口Cは、追加の後部キャビティ26に接続される。管D297の開放端D2971は、追加の後部キャビティハウジング261の外部の方へ延び、外部環境に接続され、1つまたは複数の開口Dは、開放端D2971内に配置され、1つまたは複数の開口Dは、外部環境に接続される。
【0094】
第1のタイプの管A294の開放端A2941は、前部キャビティ23と後部キャビティ24との間の第1の貫通孔を通過し、前部キャビティ23に接続されてよい。第1のタイプの管A294の開放端A2941は、第1の貫通孔の外部に突き出してもよいし、第1の貫通孔の内部に隠れてもよい。第1のタイプの管A294の開放端A2941と第1の貫通孔は、着脱可能に接続されてもよいし、一緒に固締または一体化されてもよい。第2のタイプの管A294の開放端A2941も、前部キャビティ23と追加の後部キャビティ26との間のスペーサ27の貫通孔を通過し、前部キャビティ23に接続されてよい。第2のタイプの管A294の開放端A2941は、スペーサ27の貫通孔の外部に突き出してもよいし、スペーサ27の貫通孔の内部に隠れてもよい。第2のタイプの管A294の開放端A2941とスペーサ27の貫通孔は、着脱可能に接続されてもよいし、一緒に固締または一体化されてもよい。第1のタイプの管A294と第2のタイプの管A294の一方または両方は、4方向管内に配置される。
【0095】
第1のタイプの管B295の開放端B2951は、後部キャビティハウジング241の貫通孔を通過してよく、後部キャビティ24に接続される。第1のタイプの管B295の開放端B2951は、後部キャビティハウジング241の貫通孔の外部に突き出してもよいし、後部キャビティハウジング241の貫通孔の内部に隠れてもよい。第1のタイプの管B295の開放端B2951と後部キャビティハウジング241の貫通孔は、着脱可能に接続されてもよいし、一緒に固締または一体化されてもよい。ハブ管290が後部キャビティ24に延びるとき、第2のタイプの管B295は、ハブ管290に属し後部キャビティ24内に設置される部分に接続され、第2のタイプの管B295は、後部キャビティ24と追加の後部キャビティ26との間の後部キャビティハウジング241の貫通孔を通過する必要はない。さらに、第2のタイプの管B295は、1つまたは複数の開口Bとしてさらに簡略化されてよく、1つまたは複数の開口Bは、ハブ管290に属し後部キャビティ24内に設置される部分の中に配置される。第1のタイプの管B295と第2のタイプの管B295の一方または両方は、4方向管内に配置される。
【0096】
第1のタイプの管C296の開放端C2961も、後部キャビティハウジング241の貫通孔を通過してよく、追加の後部キャビティ26に接続される。第1のタイプの管C296の開放端C2961は、後部キャビティハウジング241の貫通孔の外部に突き出してもよいし、後部キャビティハウジング241の貫通孔の内部に隠れてもよい。第1のタイプの管C296の開放端C2961と後部キャビティハウジング241の貫通孔は、着脱可能に接続されてもよいし、一緒に固締または一体化されてもよい。ハブ管290が追加の後部キャビティに延びるとき、第2のタイプの管C296は、ハブ管290に属し追加の後部キャビティ26内に設置される部分に接続され、第2のタイプの管C296は、後部キャビティ24と追加の後部キャビティ26との間の後部キャビティハウジング241の貫通孔を通過する必要はない。さらに、第2のタイプの管C296は、1つまたは複数の開口Cとしてさらに簡略化されてよく、1つまたは複数の開口Cは、ハブ管290に属し追加の後部キャビティ内26に設置される部分の中に配置される。第1のタイプの管C296と第2のタイプの管C296の一方または両方は、4方向管内に配置される。
【0097】
管D297の開放端D2971は、追加の後部キャビティハウジング261の貫通孔を通過してよく、外部環境に接続される。管D297の開放端D2971は、追加の後部キャビティハウジング261の貫通孔の外部に突き出してもよいし、追加の後部キャビティハウジング261の貫通孔の内部に隠れてもよい。管D297の開放端D2971と追加の後部キャビティハウジング261の貫通孔は、着脱可能に接続されてもよいし、一緒に固締または一体化されてもよい。
【0098】
図15は、
図14に図示される分岐管およびサウンドキャビティの接続形式の等価な回路図である。
図17は、
図16に図示される分岐管およびサウンドキャビティの接続形式の等価な回路図である。
図19は、
図18に図示される分岐管およびサウンドキャビティの接続形式の等価な回路図である。分岐管が、
図14に図示される形式をとるとき、低域通過フィルタ管は、管A294および管D297である。分岐管が、
図16に図示される形式をとるとき、低域通過フィルタ管は、管A294、ハブ管290、および管D297である。分岐管が、
図18に図示される形式をとるとき、低域通過フィルタ管は、管A294、ハブ管290、および管D297である。
【0099】
追加の後部キャビティが配置されるとき、追加の後部キャビティは、分岐に追加として追加されたコンデンサに相当する。これは、低域における後部キャビティと分岐管の一部分との間の共鳴には影響しないが、別の域における全体的な音圧レベル大きさ-周波数応答に影響する。
【0100】
低域通過フィルタ管は、細長い管であってよく、管壁の壁表面減衰および低域通過フィルタ機能を使用して、外部環境内のノイズの伝達を抑制することができ、したがって、より少ない中域および高域ノイズエネルギーが前部キャビティに入る。したがって、細長い管は、比較的良好なノイズ低減効果を有する。たとえば、低域通過フィルタ管の有効断面の断面積と長さの比は、4mm2/10mm未満であるかまたはこれに等しくてよい。有効断面は、低域通過フィルタ管内にあり、フィルタ性能に実質的に影響する、管断面である。
【0101】
分岐管内にあり低域通過フィルタ管として使用される管が3方向管または4方向管である場合、低域通過フィルタ管の各開放端内に1つまたは複数の開口があってよい。複数の開口が1つの開放端内に配置されるとき、複数の開口の位置は異なってよい。低域通過フィルタ管内の音波の伝播方向は、音波の進行方向に垂直であるので、低域通過フィルタ管の有効断面は、低域通過フィルタ管の伸展方向における低域通過フィルタ管の2つの端の間の最も近い開口間の管断面である。低域通過フィルタ管の有効断面のすべての部分の断面積が等しい場合、低域通過フィルタ管の有効断面の任意の部分の断面積は、有効断面の断面積として使用される。低域通過フィルタ管の有効断面のすべての部分の断面積が等しくない場合、低域通過フィルタ管の有効断面の断面積は、平均断面積として使用される。低域通過フィルタ管の有効断面は、等しくない断面積をもつx個の管断面を含み、第1の断面の断面積はW1であり、第1の断面の長さはY1であり、第2の断面の断面積はW2であり、第2の断面の長さはY2であり、…、第xの断面の断面積はWxであり、第xの断面の長さはYxであると仮定される。有効断面の平均断面積は(W1×Y1+W2×Y2+…+Wx×Yx)/(Y1+Y2+…+Yx)であり、有効断面の長さはY1+Y2+…+Yxであり、ここで、xは、1よりも大きい正の整数である。
【0102】
低域通過フィルタ管として使用される分岐管内の管が分離されている、たとえば、分離されている1つの3方向管および1つの双方向管である場合、低域通過フィルタ管の有効断面の長さは、分離された管における有効断面の長さの合計であり、低域通過フィルタ管の有効断面の断面積は、分離された管における有効断面の全断面積である。
【0103】
低域通過フィルタ管はm個の分離された管を含むと仮定すると、分離された管の各々の有効断面は、管内の低域通過フィルタ管の伸展方向における管内の低域通過フィルタ管の2つの端の間の最も近い開口間の管断面である。第1の管の有効断面の断面積はP1であり、第1の管の有効断面の長さはF1であり、第2の管の有効断面の断面積はP2であり、第2の管の有効断面の長さはF2であり、…、第mの管の有効断面の断面積はPmであり、第mの管の有効断面の長さはFmであると仮定される。低域通過フィルタ管の有効断面の長さはF1+F2+…+Fmであり、低域通過フィルタ管の有効断面の断面積は(P1×F1+P2×F2+…+Pm×Fm)/(F1+F2+…+Fm)であり、ここで、mは、1よりも大きい正の整数である。
【0104】
分離された管の各々に対して、有効断面の断面積は、以下の様式で計算される。有効断面のすべての部分の断面積が等しい場合、有効断面の任意の部分の断面積は、有効断面の断面積として使用される。有効断面のすべての部分の断面積が等しくない場合、有効断面の断面積は、平均断面積として使用される。有効断面は、等しくない断面積をもつn個の管断面を含み、第1の断面の断面積はS1であり、第1の断面の長さはL1であり、第2の断面の断面積はS2であり、第2の断面の長さはL2であり、…、第nの断面の断面積はSnであり、第nの断面の長さはLnであると仮定される。有効断面の平均断面積は(S1×L1+S2×L2+…+Sn×Ln)/(L1+L2+…+Ln)であり、ここで、nは、1よりも大きい正の整数である。分離された管の各々に対して、有効断面の長さは、L1+L2+…+Lnである。
【0105】
別の実装では、低域通過フィルタ管として使用される分岐管内の管が分離されている場合、複数の分離された管に対して、管のうちの任意の1つまたは複数の有効断面の断面積と長さの比は、4mm2/10mm未満であるかまたはこれに等しくてもよいし、管のすべての有効断面の断面積と長さの比は、4mm2/10mm未満であるかまたはこれに等しくてもよい。
【0106】
図12および
図13に図示される低域通過フィルタ管として使用される双方向管の場合、
図12に図示される一方の開放端は、2つの開口すなわち開口4と開口5とを有し、他方の開放端は1つの開口のみを有し、すべての部分の断面積は等しくない。
図13に図示される一方の開放端は、3つの開口すなわち開口1と開口2と開口3とを有し、他方の開放端は1つの開口のみを有し、すべての部分の断面積は等しくない。
図12に図示される低域通過フィルタ管の有効断面の長さはL1+L2であり、有効断面の平均断面積は(S1×L1+S2×L2)/(L1+L2)であり、ここで、S1は、L1の長さ上の低域通過フィルタ管の断面積であり、S2は、L2の長さ上の低域通過フィルタ管の断面積である。
図13に図示される低域通過フィルタ管の有効断面の長さはLであり、低域通過フィルタ管の有効断面の断面積は、長さL上の断面積Sである。
【0107】
本出願の前述の実施形態における管の断面積は、管の内壁によって取り囲まれる空間の断面積である。
【0108】
本出願の前述の実施形態における分岐管のすべての部分の横断面形状は、同じであってもよいし、異なってもよい。たとえば、形状は、円であってもよいし、長方形であってもよいし、六角形であってもよいし、不規則な形状であってもよい。
【0109】
過剰な気圧が漏洩され、低域音波応答感度が影響されるケースを回避するために、防塵メッシュまたは減衰メッシュが管の各開放端の開口位置を覆ってもよいし、吸音材料が管に満たされてもよい。確かに、低域音波応答感度が影響されないとき、防塵メッシュまたは減衰メッシュが管の開放端の開口位置を覆わなくてよく、吸音材料が管に満たされなくてよい。
【0110】
ヘッドセットの場合、駆動部およびサウンドキャビティの中域および低域音圧レベル感度は可能な限り高いことが一般に予想され、中域音波および低域音波に対する駆動部およびサウンドキャビティの位相-周波数応答は比較的小さい範囲内で安定化されることが予想される。
図29を参照する。
図29の垂直座標は音圧レベル大きさ-周波数応答であり、水平座標軸は音波の周波数である。図に図示される曲線は、音圧レベル大きさ-周波数応答曲線である。中域音波および低域音波に対するヘッドセットの駆動部およびサウンドキャビティの音圧レベル大きさ-周波数応答の値は、より高い感度を達成するために可能な限り大きいことが一般に予想される。たとえば、中域および低域音波感度は、図の破線曲線と実線曲線の両方において比較的高いが、破線曲線では、応答は、中域および低域上で、より安定しており、破線曲線は、より平らである。
【0111】
図30に図示されるように、水平座標軸は音波の周波数であり、垂直座標軸は、-180度から+180度にわたる位相である、図に図示される曲線は位相-周波数応答曲線である。破線曲線は、1000Hz未満の部分の場合、実線曲線よりも平らで変動が少ないことが学習可能である。
【0112】
【0113】
追加の後部キャビティ26が配置されないとき、微孔性通路10は、後部キャビティハウジング241内に配置され、後部キャビティ24と外部環境を接続する。
【0114】
ハードウェアコンパートメント28が配置されるとき、ハードウェアコンパートメント28は、後部キャビティ24の外部を取り囲み、ハードウェアコンパートメント28は外部環境に接続される。後部キャビティハウジング241内に配置された微孔性通路は、後部キャビティ24が外部環境に接続されるように、後部キャビティ24とハードウェアコンパートメント28を接続する。
【0115】
追加の後部キャビティ26が配置されるとき、微孔性通路20は、後部キャビティハウジング241内に配置され、後部キャビティ24と追加の後部キャビティ26を接続する。
【0116】
微孔性通路は、音響減衰を提供するために配置される。駆動部によって発される音波中の低域音波は、後部キャビティおよび分岐管の一部分と共鳴する。微孔性通路は、音響減衰を提供することによって、共鳴をある程度抑制することができる。このようにして、低域音波応答は、変動を起こしにくい。このようにして、低域上でのより平坦な音圧レベル大きさおよび位相応答は、微孔性通路を使用することによって実装可能である。
【0117】
微孔性通路の具体的な設計形式については、
図28を参照されたい。微孔性通路の長さは0.5mm以上であることがあり、単一の微孔性通路の断面積は0.2mm
2から5mm
2にわたることがある。
【0118】
複数の微孔性通路があるとき、複数の微孔性通路は、一緒に配列されてもよいし、点在されてもよい。複数の微孔性通路のすべての断面積は等しくなくてもよいし、微孔性通路のうちのいくつかの断面積は等しくてもよい。
【0119】
複数の微孔性通路があるとき、複数の微孔性通路のすべての断面形状は異なってもよいし、微孔性通路のうちのいくつかの断面形状は同じであってもよい。
【0120】
複数の微孔性通路があるとき、複数の微孔性通路の全断面積は、1mm2から20mm2にわたることがある。
【0121】
微孔性通路内の単一の貫通孔の音響抵抗は、以下の様式で計算され得る。
【0122】
【0123】
および
【0124】
【0125】
ここで、
lは貫通孔長さであり、aは貫通孔半径であり、ωは音波の角周波数であり、ηは媒体のせん断粘度係数であり、γは媒体の比熱比であり、κは熱伝導率であり、cpは一定の圧力における比熱容量である。
【0126】
貫通孔長さlが増加する場合、音響抵抗も増加し、貫通孔長さlが減少する場合、音響抵抗も減少する、および貫通孔半径aが増加する場合、生成される音響抵抗は減少し、貫通孔半径aが減少する場合、生成される音響抵抗は増加することが学習可能である。
【0127】
微孔性通路は、中域音波および低域音波に対するヘッドセットの音響システム(駆動部、サウンドキャビティなどを含む)のインピーダンスが増加され、比較的低い音響品質ファクタが達成可能であり、中域音波および低域音波の大きさ-周波数応答曲線および位相-周波数応答曲線がより平らであるように、音響抵抗を生成するために配置される。
【0128】
さらに、微孔性通路によって生成される音響抵抗が過剰に大きい場合、中域音波および低域音波に対するヘッドセットの音響システム(駆動部、サウンドキャビティなどを含む)の音圧レベル大きさ-周波数応答の感度は、低減される。
【0129】
より細長い微孔性通路は、表面のより大きい粘度減衰を生成する。しかしながら、複数の微孔性通路が平行である場合、生成される表面の粘度減衰は、増加するのではなく、減少する。したがって、微孔性通路の半径および微孔性通路の量は、包括的に決定される必要がある。
【0130】
チューニングメッシュが、音響抵抗を増加させるためにヘッドセット内に配置される場合、チューニングメッシュによって増加される減衰は考慮に入れられる必要があり、中域および低域音波応答曲線ならびに中域および低域音波応答感度は均衡化される必要がある。
【0131】
図28を参照する。過剰な気圧が漏洩され、低域音波応答感度が影響されるケースを回避するために、防塵メッシュまたはチューニングメッシュが、微孔性通路のポートおよび内壁をさらに覆うことがある。
【0132】
本出願において提供されるノイズ低減ヘッドセットでは、分岐管と微孔性通路は、一緒に一体化されることがある。分岐管と微孔性通路は、以下の様式で一緒に一体化される。独立した微孔性通路が省略され、減衰材料は、分岐管に属し後部キャビティと外部環境を接続する部分の内壁に付着される、または減衰材料は、分岐管に属し後部キャビティと追加の後部キャビティを接続する部分の内壁に付着される。
【0133】
イヤーマフ構成要素の内部のサウンドキャビティ、分岐管、および微孔性通路は、ヘッドセットのノイズ低減効果を改善し、ヘッドセットの音響性能を改善するために配置される。ヘッドホンおよびインイヤー型イヤホンの場合、開放窓、分岐管、および微孔性通路に加えて、イヤーマフ構成要素またはイヤーバッド構成要素の前部キャビティ、後部キャビティ、および追加の後部キャビティに対して、キャビティのいずれか2つを接続するために他の管が配置される必要はなく、キャビティのいずれか1つと外部環境を接続するために他の管が配置される必要はない。ハーフインイヤー型イヤホンの場合、主開放窓、補助的開放窓、分岐管、および微孔性通路に加えて、キャビティのいずれか2つを接続するために他の管が配置される必要はなく、キャビティのいずれか1つと外部環境を接続するために他の管が配置される必要はない。
【0134】
図29および
図30は、本出願のイヤーマフ構成要素と既存のイヤーマフ構成要素の音圧レベル周波数応答の比較の図である(IEC60318の試験基準)。中域および低域の範囲(1KHz以内)では、本出願のイヤーマフ構成要素は、従来の技術の解決策の感度と同じ低域感度を取得することができるが、ヘッドセット内のアクティブノイズ低減アルゴリズムがより良いノイズ低減効果を生じる助けとなるために、より平らな大きさ-周波数応答曲線およびより平らな位相-周波数応答曲線を有することが学習可能である。
【0135】
図31は、パッシブノイズ低減性能に関する本出願のイヤーマフ構成要素と既存のイヤーマフ構成要素のコンピュータシミュレーションのおよび試験結果の比較を図示する。パッシブノイズ低減性能に関して、本出願のイヤーマフ構成要素は、中域および高域ノイズの音圧レベルをより良く低減することができ、したがって、既存のイヤーマフ構成要素に勝る明らかな利点をもつことが学習可能である。
【0136】
本出願の説明では、「中央」、「上へ」、「下へ」、「前部」、「後部」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「上部」、「下部」、「内部」、「外部」などという用語によって示される相対的な場所関係は、添付の図面に図示される角度で構成要素が置かれるときの構成要素間の相対的な場所関係であることが理解されるべきである。構成要素は、代替として、他の角度で置かれてよい。
【0137】
「第1の」、「第2の」、「A」、「B」、「C」、および「D」という用語は、類似の構成要素または構造を区別するためにのみ使用され、部分または構造の相対的な重要性または量を示すものではない。本出願の説明では、別段に規定されていない限り、「複数の」は、2つ、または3つ以上を意味する。
【0138】
本出願の説明では、「取り付け」、「接続」、および「ジョイント」という用語は、別段に明確に規定および限定されていない限り、広い意味で理解されるべきであり、たとえば、締め具、着脱可能な接続、または一体化であってもよいし、直接的な接続であってもよいし、中間媒体を使用する間接的な接続であってもよいことが留意されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2022-04-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドセットレシーバであって、前記ヘッドセットレシーバは、ハウジングと、前記ハウジングの内部に設置された駆動部とを備え、前記駆動部は、オーディオ信号を受け取り、前記オーディオ信号を音波に変換するように構成され、サウンドキャビティは、前記ハウジングの内部に配置され、前記サウンドキャビティは、互いに隣接して配置された前部キャビティと後部キャビティとを備え、前記駆動部は、前記前部キャビティと前記後部キャビティとの間の接合部に配置され、前記ヘッドセットレシーバは、分岐管をさらに備え、前記分岐管は、前記前部キャビティと、前記後部キャビティと、外部環境を接続する、ヘッドセットレシーバ。
【請求項2】
前記分岐管は3方向管の構造形式をとり、前記3方向管は、ハブ管と、第1の管と、第2の管と、第3の管とを備え、前記第1の管、前記第2の管、および前記第3の管はすべて、前記ハブ管に接続され、前記ハブ管は、前記後部キャビティ内に設置される請求項1に記載のヘッドセットレシーバ。
【請求項3】
前記3方向管は、ハブ管と、第1の管と、第2の管とを備え、前記第1の管と前記第2の管の両方は、前記ハブ管に接続され、前記ハブ管は、前記後部キャビティ内に設置され、1つまたは複数の開口は、前記ハブ管内に配置される請求項2に記載のヘッドセットレシーバ。
【請求項4】
前記分岐管は、前記前部キャビティと前記後部キャビティを接続する双方向管と、前記後部キャビティと前記外部環境を接続する双方向管とを備える請求項1に記載のヘッドセットレシーバ。
【請求項5】
前記サウンドキャビティは、追加の後部キャビティをさらに備え、前記分岐管は、前記追加の後部キャビティにさらに接続され、前記追加の後部キャビティは、前記後部キャビティの外部を取り囲み、前記後部キャビティの一方の側は、前記前部キャビティに隣接し、他方の側は、前記追加の後部キャビティに隣接する請求項1に記載のヘッドセットレシーバ。
【請求項6】
前記分岐管は、4方向管の構造形式をとり、前記4方向管は、管Aと、管Bと、管Cと、管Dと、ハブ管とを備え、前記管A、前記管B、前記管C、および前記管Dはすべて、前記ハブ管に接続され、前記ハブ管は、前記追加の後部キャビティ内に設置される、または前記ハブ管は、前記後部キャビティおよび前記追加の後部キャビティを横切る請求項5に記載のヘッドセットレシーバ。
【請求項7】
前記分岐管は、前記前部キャビティと前記後部キャビティと前記追加の後部キャビティを接続する3方向管と、前記追加の後部キャビティと前記外部環境を接続する双方向管とを備え、前記3方向管は、ハブ管と、第1の管と、第2の管と、第3の管とを備え、前記第1の管、前記第2の管、および前記第3の管はすべて、前記ハブ管に接続され、前記ハブ管は、前記後部キャビティもしくは前記追加の後部キャビティ内に設置される、または前記ハブ管は、前記後部キャビティおよび前記追加の後部キャビティを横切る請求項5に記載のヘッドセットレシーバ。
【請求項8】
前記分岐管は、前記前部キャビティと前記追加の後部キャビティと前記外部環境を接続する3方向管と、前記後部キャビティと前記追加の後部キャビティを接続する双方向管とを備え、前記3方向管は、ハブ管と、第1の管と、第2の管と、第3の管とを備え、前記第1の管、前記第2の管、および前記第3の管はすべて、前記ハブ管に接続され、前記ハブ管は、前記追加の後部キャビティ内に設置される請求項5に記載のヘッドセットレシーバ。
【請求項9】
前記分岐管は、前記後部キャビティと前記追加の後部キャビティと前記外部環境を接続する3方向管と、前記前部キャビティと前記後部キャビティを接続する双方向管とを備え、前記3方向管は、ハブ管と、第1の管と、第2の管と、第3の管とを備え、前記第1の管、前記第2の管、および前記第3の管はすべて、前記ハブ管に接続され、前記ハブ管は、前記追加の後部キャビティ内に設置される請求項5に記載のヘッドセットレシーバ。
【請求項10】
前記分岐管は、前記後部キャビティと前記追加の後部キャビティと前記外部環境を接続する3方向管と、前記前部キャビティと前記追加の後部キャビティを接続する双方向管とを備え、前記3方向管は、ハブ管と、第1の管と、第2の管と、第3の管とを備え、前記第1の管、前記第2の管、および前記第3の管はすべて、前記ハブ管に接続され、前記ハブ管は、前記追加の後部キャビティ内に設置される請求項5に記載のヘッドセットレシーバ。
【請求項11】
前記分岐管は、前記前部キャビティと前記後部キャビティを接続する双方向管と、前記後部キャビティと前記追加の後部キャビティを接続する双方向管と、前記追加の後部キャビティと前記外部環境を接続する双方向管とを備える請求項5に記載のヘッドセットレシーバ。
【請求項12】
前記分岐管は、前記前部キャビティと前記追加の後部キャビティを接続する双方向管と、前記後部キャビティと前記追加の後部キャビティを接続する双方向管と、前記追加の後部キャビティと前記外部環境を接続する双方向管とを備える請求項5に記載のヘッドセットレシーバ。
【請求項13】
前記分岐管に属し、前記前部キャビティと前記外部環境との間に設置される部分は、低域通過フィルタ管であり、前記低域通過フィルタ管は細長い管である請求項1に記載のヘッドセットレシーバ。
【請求項14】
ヘッドセットであって、前記ヘッドセットは、ヘッドバンドと、前記ヘッドバンドの2つの端に接続されたヘッドセットレシーバとを備え、前記ヘッドセットレシーバは、請求項1乃至
13のいずれか一項に記載のヘッドセットレシーバである、ヘッドセット。
【請求項15】
ヘッドセットであって、前記ヘッドセットは、ヘッドセットケーブルと、請求項1乃至
13のいずれか一項に記載のヘッドセットレシーバとを備え、前記ヘッドセットケーブルは、前記ヘッドセットレシーバの内部で駆動部に接続される、ヘッドセット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0110
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0110】
ヘッドセットの場合、駆動部およびサウンドキャビティの中域および低域音圧レベル感度は可能な限り高いことが一般に予想され、中域音波および低域音波に対する駆動部およびサウンドキャビティの位相-周波数応答は比較的小さい範囲内で安定化されることが予想される。
図29を参照する。
図29の垂直座標は音圧レベル大きさ-周波数応答であり、水平座標軸は音波の周波数である。図に図示される曲線は、音圧レベル大きさ-周波数応答曲線である。中域音波および低域音波に対するヘッドセットの駆動部およびサウンドキャビティの音圧レベル大きさ-周波数応答の値は、より高い感度を達成するために可能な限り大きいことが一般に予想される。たとえば、中域および低域音波
応答感度は、図の破線曲線と実線曲線の両方において比較的高いが、破線曲線では、応答は、中域および低域上で、より安定しており、破線曲線は、より平らである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0113
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0113】
追加の後部キャビティ26が配置されないとき、微孔性通路20は、後部キャビティハウジング241内に配置され、後部キャビティ24と外部環境を接続する。
【国際調査報告】