IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パワー ストウ インターナショナル アンパルトセルスカブの特許一覧

特表2022-549919衝突防止システムを有する空港車両及び衝突防止システムを有する車両を操作するための方法
<>
  • 特表-衝突防止システムを有する空港車両及び衝突防止システムを有する車両を操作するための方法 図1
  • 特表-衝突防止システムを有する空港車両及び衝突防止システムを有する車両を操作するための方法 図2
  • 特表-衝突防止システムを有する空港車両及び衝突防止システムを有する車両を操作するための方法 図3
  • 特表-衝突防止システムを有する空港車両及び衝突防止システムを有する車両を操作するための方法 図4
  • 特表-衝突防止システムを有する空港車両及び衝突防止システムを有する車両を操作するための方法 図5
  • 特表-衝突防止システムを有する空港車両及び衝突防止システムを有する車両を操作するための方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-29
(54)【発明の名称】衝突防止システムを有する空港車両及び衝突防止システムを有する車両を操作するための方法
(51)【国際特許分類】
   B64F 1/32 20060101AFI20221121BHJP
   B60W 30/09 20120101ALI20221121BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20221121BHJP
【FI】
B64F1/32
B60W30/09
B60W50/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519482
(86)(22)【出願日】2020-09-29
(85)【翻訳文提出日】2022-04-18
(86)【国際出願番号】 IB2020059105
(87)【国際公開番号】W WO2021064573
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2019/058289
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522120118
【氏名又は名称】パワー ストウ インターナショナル アンパルトセルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴェステルガールド、マルティン
(72)【発明者】
【氏名】ガールド アンデルセン、ヨナス
(72)【発明者】
【氏名】ボンデ、イェンス
【テーマコード(参考)】
3D241
【Fターム(参考)】
3D241BA33
3D241BA60
3D241CA18
3D241CC01
3D241CC08
3D241CC11
3D241CC17
3D241CE01
3D241CE05
3D241DA55Z
3D241DB01Z
3D241DC33Z
(57)【要約】
本発明は、衝突防止システムを有する空港車両及び該車両を操作するための方法に関し、車両は、距離センサと、2つの個々の3Dセンサを含む3Dセンサシステムと、車両の制動システムを起動するために配置された制動起動システムと、オペレーター視覚的表示システムと、前記距離センサ及び前記3Dセンサからの感知されたパラメータの結果として視覚的表示システムを制御し、感知されたパラメータに応じて制動起動システムを制御するための衝突防止処理システムとを備え、予め定義された最小距離が距離センサによって感知されたとき、視覚的表示システム及び前記制動起動システムが起動され、3Dセンサが航空機の部品を感知するとき、視覚的表示システム及び/又は前記制動起動システムが起動され、制動起動システムは、車両のドライブトレインのあらゆる制御及び起動とは無関係に車両の制動システムを制御するために配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライブトレインと、車両が航空機に接近し且つ前記車両の一部が前記航空機のすぐ近くで荷物/貨物の積み降ろし位置へ接近しているときに、前記車両と前記航空機との間の衝突を防止するための衝突防止システムとを備える空港車両であって、前記衝突防止システムは、
前記車両の前端と前記航空機との間の距離パラメータを感知するための距離センサと、
2つの個々の3Dセンサであって、それぞれが航空機ホールドドアフレームの左右のドア側及び前記車両の前記前端のような、前記航空機及び/又は前記車両の異なる部品のパラメータを感知するために配置される3Dセンサを含む3Dセンサシステムと、
所与の制動力で前記車両の制動システムを起動させるために配置された制動起動システムと、
前記積み降ろし位置の内側又は外側へ前記前端を操縦する際に車両オペレーターを視覚的表示で誘導するための複数の光表示器を含むオペレーター視覚的表示システムと、
前記距離センサ及び前記3Dセンサからの前記感知されたパラメータの結果として前記視覚的表示システムを制御し、前記感知されたパラメータに応じて前記制動起動システムを制御するための衝突防止処理システムとを備え、予め定義された最小距離が前記距離センサによって感知されたとき、前記視覚的表示システム及び前記制動起動システムが起動され、前記3Dセンサが航空機の部品を感知するとき、前記視覚的表示システム及び/又は前記制動起動システムが起動され、前記制動起動システムは、前記車両の接近速度がオペレーターによる前記ドライブトレインのあらゆる制御及び起動とは無関係に制御されるように、前記車両の前記ドライブトレインのあらゆる制御及び起動とは無関係に前記車両の前記制動システムを連続的に制御することによって前記接近速度を制御するために配置される、空港車両。
【請求項2】
前記制動システムは、手動制動力を確立する前記オペレーターによって手動で制御可能である制動ペダルを備え、前記制動システムは、前記所与の制動力又は前記手動制動力のいずれか大きいほうによって起動される、請求項1に記載の空港車両。
【請求項3】
前記衝突防止システムは、前記車両の車輪の方向位置を感知するための車輪位置センサを有する車輪整列感知装置をさらに備え、前記衝突防止処理システムは、前記車輪整列感知装置からの情報に基づいて前記制動起動システム及び前記視覚的表示システムを制御するために配置され、それにより前記制動起動システムは、前記車輪が前記車両の長手方向と実質的に整列されていないときに起動される、請求項1又は2に記載の空港車両。
【請求項4】
前記視覚的表示システムは、前記車両の前記前端で且つ前記車両オペレーターと前記前端との間の視線内に配置される、請求項1から3までのいずれか一項に記載の空港車両。
【請求項5】
前記視覚的表示システムは、前記3Dセンサの一方に近接して配置される、請求項1から4までのいずれか一項に記載の空港車両。
【請求項6】
前記視覚的表示システムは、前記オペレーターへ向かって光パターンを発するための複数の表示器を備え、前記光パターンは、前記オペレーターが、操舵輪を前記車両と整列させるために前記操舵輪をどの方向に回す必要があるかを示す、請求項3に記載の空港車両。
【請求項7】
前記3Dセンサは、前記距離センサの両側及び/又は前記車両の前記前端の両側に配置される、請求項1から6までのいずれか一項に記載の空港車両。
【請求項8】
前記3Dセンサの一方又は好ましくは両方が、オペレーターキャビンの上部などに、前記車両の前記前端から離れて配置され、前記3Dセンサの一方は前記前端を主に感知するために前記車両の前記前端のほうへ向けられ、前記3Dセンサの他方は、前記航空機の異なる部品のパラメータを主に感知するために前記前端の前方に向けられる、請求項1から6までのいずれか一項に記載の空港車両。
【請求項9】
前記衝突防止処理システムは、オペレーターのキャビンの外側、好ましくは前記車両の後端に配置される、請求項1から8までのいずれか一項に記載の空港車両。
【請求項10】
前記車両はベルトアームを有するベルトローダーであり、前記距離センサは前記ベルトアームの前端に配置され、前記3Dセンサは前記ベルトアームの前記前端で前記前端の両側に配置される、請求項1から9までのいずれか一項に記載の空港車両。
【請求項11】
前記オペレーターのキャビンの外側に配置され、且つ周囲の地上人員へ向かって、起動、非起動状態、及び起動された制動起動システムのような前記衝突防止システムの操作状態を信号で知らせるために配置された第2の視覚的表示システムをさらに備える、請求項1から10までのいずれか一項に記載の空港車両。
【請求項12】
前記制動起動システムは、前記車両の既存の前記制動システム上へ取り付けられる後付け制動起動システムとして配置される、請求項1から11までのいずれか一項に記載の空港車両。
【請求項13】
前記制動起動システムは、機械的、油圧的、空気圧的又は電気的に起動されるシリンダを含む制動ペダル起動機構として配置され、前記後付け制動ペダル起動機構が前記制動ペダルの手動操作に干渉しないように、前記オペレーターの制動ペダルの後側と前記車両のシャーシとの間に配置される、請求項12に記載の空港車両。
【請求項14】
ドライブトレイン及び衝突防止システムを有する車両を操作するための方法であって、
請求項1から13までのいずれか一項に記載の車両を用意するステップと、
前記車両が航空機に接近しているとき、前記距離センサで前記車両の前記前端と前記航空機との間の距離を連続的に感知するステップと、
前記車両が前記航空機に接近しているとき、前記3Dセンサシステムで、前記航空機ホールドドアフレームの左右側のような、2つの異なる航空機の部品を連続的に感知するステップと、
前記3Dシステムが前記2つの異なる航空機の部品が前記車両の前記前端に対して予め画定された位置の外側にあることを感知したときに前記視覚的表示システムを起動させるステップと、
前記距離センサが前記車両の前記前端と前記航空機との間の最小距離を感知したときに前記視覚的表示システム及び前記制動起動システムを起動させるステップとを備え、前記制動起動システムは、前記車両の接近速度がオペレーターによる前記ドライブトレインのあらゆる制御とは無関係に制御されるように、前記車両の前記ドライブトレインのあらゆる制御及び起動とは無関係に前記車両の前記制動システムを連続して制御することによって、前記接近速度を制御するために配置される、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の車両を操作するための方法であって、
請求項3から13までのいずれか一項に記載の車両を用意するステップと、
前記車輪整列感知装置が前記車輪は前記車両の長手方向と実質的に整列されていないことを感知したときに前記視覚的表示システム及び前記制動起動システムを起動させるステップと、
前記視覚的表示システムで、前記制動起動システムを非起動にする前に、前記車両の前記長手方向と実質的に整列する方向に前記車輪を操縦する方向を前記オペレーターに示すステップとを備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衝突防止システムを有する空港車両及び衝突防止システムを有する車両を操作するための方法に関する。より詳細には、本発明は、地上支援車両及び地上支援車両が航空業界内で航空機に誤って衝突することを防止するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
航空業界では、航空便の遅延が大きな問題であり、乗客、空港運営及び航空会社に影響を与え、空港及び航空会社の両方にコストがかかる。このような遅延は、天候、乗客、航空交通規制、又は技術的問題のような複数の要因によって引き起こされる可能性がある。
【0003】
特に、技術的問題により、航空機が、より長い期間、地上に待機する可能性があり、航空会社にとって非常にコストがかかる。したがって、多数の対策が、航空機の作動状態を監視且つ維持するために行われ、これにより技術的な問題のリスクを最小限に抑える。
【0004】
しかしながら、技術的問題は、規定された支援基準及び手順操作を満たさない地上支援従事者又は機器から意図せずに生じることもある。航空機の多数の技術的問題は、このように地上支援で作業する従事者の人為的ミス、特に、ベルトローダーを含むローダー、コンテナを積載するための貨物プラットフォームのような搬送機、ケータリング車両等の地上支援車両で作業する従事者の人為的ミスに起因する。
【0005】
地上支援車両は、駐機中の航空機に接近するので、車両オペレーターによるわずかな判断ミスが、地上支援車両と航空機との間の偶発的な衝突を引き起こす可能性がある。
【0006】
特にベルトローダーは、航空機に荷物及び貨物を積み降ろしするためのベルトアーム/ブーム上に長いコンベアベルトを備えた車両で、コンベアベルトは操作時に航空機ホールド(荷物室)のドア枠に正確に位置決めされる必要があるため、ベルトアームがオペレーターによって位置の内外で操縦されるとき、ベルトアームと航空機本体との間に衝突を引き起こす可能性がある。ベルトアームは、荷物及び貨物が積み降ろしされることができるように、ベルトアームの前面が航空機内で予め画定された距離に配置されている位置の内外へ誘導されなければならない。
【0007】
地上支援車両のこのような操縦には、優れたオペレーターの技能が必要であり、衝突が生じることなくオペレーターを航空機に向けて視覚的に誘導する際に支援する複数の地上支援人員を必要とする。
【0008】
公知のベルトローダーのような古い先行技術システムは、最も基本的な実施例では、ゴムなどの比較的柔らかい材料から作られ配置され且つ衝突緩衝器として作用する、ある種の衝突バンパーを備える。
【0009】
地上支援車両と駐機中の航空機との間の衝突を防止するために配置される他のより新しい種類のシステムは、航空機への距離を感知するために地上支援車両上に配置された距離センサを備える。地上支援車両が航空機に接近すると、その距離はセンサによって測定され、所定の距離に応じて、オペレーターのキャビン内の信号ランプのような信号手段が警告され、それによりオペレーターは車両を減速させることができ、又は感知手段が車両のドライブトレインに連結され、これにより接近速度を低下させる。信号手段はキャビン内に配置されているので、オペレーターは信号手段を観察することができず、航空機へ接近することに集中し続けることができる。このようなシステムは、例えば、EP2433870に開示されている。
【0010】
しかしながら、これらのシステムは、車両のドライブトレインを調整することを意図しているにすぎないため、航空機に近い/近すぎるときにも車両は依然として動いているので、完全にフェイルセーフというわけではない。公知のシステムは、例えば、油圧トランスミッション又はギアトランスミッションを調整することによって、車両のドライブトレインを調整する。
【0011】
公知のシステムは距離センサのみを備えているため、オペレーターは航空機に対して車両を正確なドッキング位置及び正確な距離に接近させる際に指標となるガイダンスを受けず、車両のドライブトレインのみが調節されるため、車両の完全な制動が保証されることはできない。
【0012】
さらに、公知のシステムは、車両のドライブトレインシステムに組み込まれているため、実装には費用がかかり、既に使用されている車両へ後から取り付けることは非常に複雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】EP2433870
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、車両のドライブトレインの操作とは無関係に、車両の即時停止が保証される衝突防止システムを配置することである。
【0015】
さらに、本発明の目的は、容易に後から取り付けられることができ、オペレーターが車両を積載位置内へ及び/又は積載位置から外へ操作する際に視覚的ガイダンスを受ける衝突防止システムを配置することである。
【0016】
さらに、本発明の目的は、オペレーターは車両が接近したときに、信号手段を観察すること及び航空機を観察することの両方が可能である衝突防止システムを配置することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の目的及び利点は、本発明の説明から明らかになる複数の他の目的及び利点と共に、以下によって得られる本発明の第1の態様によるものである。
【0018】
ドライブトレインと、車両が航空機に接近し且つ前記車両の一部が前記航空機のすぐ近くで荷物/貨物の積み降ろし位置へ接近しているときに、前記車両と前記航空機との間の衝突を防止するための衝突防止システムとを備える空港車両であって、前記衝突防止システムは、
前記車両の前端と前記航空機との間の距離パラメータを感知するための距離センサと、
2つの個々の3Dセンサであって、それぞれが航空機ホールドドアフレームの左右のドア側及び前記車両の前記前端のような、前記航空機及び/又は前記車両の異なる部品のパラメータを感知するために配置される3Dセンサを含む3Dセンサシステムと、
所与の制動力で前記車両の制動システムを起動させるために配置された制動起動システムと、
前記積み降ろし位置の内側又は外側へ前記前端を操縦する際に車両オペレーターを視覚的表示で誘導するための複数の光表示器を含むオペレーター視覚的表示システムと、
前記距離センサ及び前記3Dセンサからの前記感知されたパラメータの結果として前記視覚的表示システムを制御し、前記感知されたパラメータに応じて前記制動起動システムを制御するための衝突防止処理システムとを備え、予め定義された最小距離が前記距離センサによって感知されたとき、前記視覚的表示システム及び前記制動起動システムが起動され、前記3Dセンサが航空機の部品を感知するとき、前記視覚的表示システム及び/又は前記制動起動システムが起動され、前記制動起動システムは、前記車両の接近速度がオペレーターによる前記ドライブトレインのあらゆる制御及び起動とは無関係に制御されるように、前記車両の前記ドライブトレインのあらゆる制御及び起動とは無関係に前記車両の前記制動システムを連続的に制御することによって前記接近速度を制御するために配置される、空港車両。
【0019】
本発明によるシステムは、製造後、地上支援車両に後から取り付けることは費用対効果が高い。車両のドライブトレインをバイパスする制動起動システムを配置するため、単に全ての種類の地上支援車両に衝突防止システムが後付けされてもよい。したがって、熟練したオペレーターは、衝突防止システムが車両制動システムを制御するので、航空機に接近する際に車両のスロットルのみを制御してもよく、それによって操作時間が節約される。
【0020】
車両のドライブトレインを制御する複雑なシステムを開示し、したがって後付けには複雑でコストがかかる公知の従来技術と比較して、本発明は、ドライブトレインのあらゆる制御とは完全に無関係に、あらゆる衝突を回避するために車両を制御且つ停止することができる衝突防止システムによって定義される。
【0021】
空港車両は、コンテナを積載するための貨物プラットフォーム及びケータリング車両のような搬送機を含む、任意の種類の空港車両であり得るが、好ましい実施例ではベルトローダーであってもよい。
【0022】
距離センサは、好ましくは、航空機への近接に関する情報を中継し戻す超音波インパルスを送受信するためにトランスデューサーを使用する超音波センサであり、自動車業界内で知られているが、当業者にとって公知の他の種類の近接センサを含んでもよい。
【0023】
3Dセンサは、好ましくは、高精度距離マッピング及び3D撮像技術である3D「飛行時間」センサ(ToF:time-of-flight)として配置され、深度センサが非常に短い赤外光パルスを発し、カメラセンサの各画素が戻り時間を測定する。したがって、3Dセンサ(ToF)は、赤外光(人間の目には見えないレーザー)を使用して航空機に関する深度情報を決定する。センサは、航空機に当たってセンサへ戻る光信号を発する。その後、光インパルスが跳ね返るためにかかる時間が測定され、深度マッピング機能が提供される。好ましい実施例では、3Dセンサは、下部が赤外光パルスを発し上部カメラセンサが跳ね返ったインパルスを受信する(ToF)センサを備える。エミッタ及び受信機は別々の要素として又は単一部として配置されてもよい。
【0024】
各センサは、航空機の異なる部品をそれぞれ感知するための車両の前端の近接に配置される。好ましい実施例では、3Dセンサのうちの一方は、車両の前端に対する航空機ホールドドアフレームの左側の位置を検出し、他方の3Dセンサは、車両の前端に対する航空機ホールドドアフレームの右側の位置を検出する。衝突防止システムは、これにより、各センサ種類の能力を組み合わせて単一の協働センサシステムにする2種類のセンサシステムである。
【0025】
オペレーター視覚的表示システムは、オペレーターに向けて信号を送るためのLEDのような複数の発光表示器を有する光表示システムを備える。好ましい実施例における視覚的表示システムは、少なくとも前方向、後方向及び両側方向における車両の位置を示すことに適した複数の発光表示器を含み、したがって好ましい実施例では4つの発光表示器を含む。しかしながら、4方向の情報を表示することに適した別の複数の発光表示器が使用されてもよい。
【0026】
衝突防止処理システムは、距離センサ及び3Dセンサからの感知されたパラメータの結果として視覚的表示システムを制御し、感知されたパラメータに応じて制動起動システムを制御するために配置される。処理システムは、2つの独立したソースからの感知された情報を組み合わせて制動起動システム及び視覚的表示システムを制御する信号にする。
【0027】
本発明の第1の態様のさらなる実施例によれば、制動システムは、手動制動力を確立するオペレーターによって手動で制御可能である制動ペダルを備え、制動システムは、所与の制動力又は手動制動力のいずれか大きいほうによって起動される。
【0028】
車両の制動システムは、車両を制動するための最終的な制動力が、所与の制動力又は手動制動力のいずれか大きいほうに応じて定義されるように配置される。
【0029】
公知の従来技術と比較すると、本発明は、制動起動システムが、手動制動力が所与の制動力よりも大きい場合、オペレーターによって抑制され得るという技術的効果を有する。同じことが手動制動力にも当てはまり、所与の制動力が手動制動力よりも高い場合、所与の制動力によって抑制される。これは、オペレーター及び衝突防止システムの両方は、制動力の1つが車両を停止させることに十分ではない場合、互いに抑制して車両を緊急制動することができるという技術的利点を有する。
【0030】
本発明の第1の態様のさらなる実施例によれば、衝突防止システムは、車両の車輪の方向位置を感知するための車輪位置センサを有する車輪整列感知装置をさらに備え、衝突防止処理システムは、車輪整列感知装置からの情報に基づいて制動起動システム及び視覚的表示システムを制御するために配置され、制動起動システムは、車輪が車両の長手方向と適切に整列されていないときに起動される。
【0031】
さらに好ましい実施例における衝突防止システムは、車両の長手方向に対して車輪の方向を感知するために、前輪(操舵輪)に接続されて配置された車輪整列センサ(複数可)を備える。車両を航空機から離して後退させるとき、操舵輪が車両の長手方向に整列されていることが重要である。車両、例えばベルトローダーが使用されるとき、ベルトアームの前端は航空機ホールド内で、ある距離、延在し、航空機から離れて後退すると、ベルトアームは、操舵輪が整列されていない場合、いずれかの側へ揺動して航空機ドアフレームに衝突する。車輪位置センサは操舵輪が車両の長手方向に適切に整列されていないことを検出した場合、制動起動システムが起動され、車両の制動が車両のドライブトレインから独立して起動される。これにより、車両オペレーターのあらゆる意図しない行為が衝突をもたらさないことが保証される。
【0032】
本発明の第1の態様のさらなる実施例によれば、3Dセンサは、距離センサの両側及び/又は車両の前端の両側に配置される。
【0033】
センサシステムが航空機の3D情報、特に航空機ホールド内への開口部の3D情報を検出するために、2つの3Dセンサは、車両前端の両側に配置される。車両がベルトローダーである実施例では、各3Dセンサは、ベルトアームの前端の両側に配置される。これにより、3Dセンサシステムが航空機ホールドドアフレームの左右側の位置を検出することが可能である。
【0034】
本発明の第1の態様の代替の好ましい実施例によれば、3Dセンサの一方又は好ましくは両方が、オペレーターのキャビンの上部などに、車両の前端から離れて配置される。3Dセンサの一方は、前端を主に感知するために車両の前端に向けられ、3Dセンサの他方は、航空機の異なる部品のパラメータを主に感知するために前端の前方に向けられる。
【0035】
好ましい実施例では、2つの3Dセンサは、キャビンの上部などにオペレーターのキャビンに近接して配置され、一方は車両端の前端を主に感知し、他方は航空機の部品を主に感知する。これにより、前端及び航空機の両方の距離マッピング及び3D撮像が、前端から離れて、車両上の既知の位置に対して捕捉される。別の実施例では、一方の3Dセンサは、車両端の前端を主に感知するためにオペレーターのキャビンの上部に配置され、他方は、航空機の部品を主に感知するために前端に配置される。
【0036】
好ましい実施例による3Dセンサを配置すると、結果として、航空機及び前端の両方の、より正確且つ包括的な距離マッピング及び3D撮像が得られる。車両上の3Dセンサの正確な位置がわかっているので、航空機と前端との間の距離及び前端と3Dセンサとの間の距離の両方は測定されることができる。これにより、わずか2つの3Dセンサに基づく簡単な技術的解決策で、ベルトアームの前端を含む車両の主な部品及び航空機の包括的マッピングは行われることができる。
【0037】
本発明の第1の態様のさらなる実施例によれば、視覚的表示システムは、車両の前端で且つ車両オペレーターと前端との間の視線内に配置される。
【0038】
車両のオペレーターが、簡単且つフェイルセーフな方法で、ベルトアームの前端が航空機ホールド内への開口部の内側及び外側へ正確に誘導されるベルトローダーのような車両を航空機に接近する際に操作するために、視覚的表示システムは、車両の前端で且つ車両オペレーターと前端との間の視線内に配置される。これにより、オペレーターは、航空機ホールドの開口部に対するベルトアームの操縦に集中することができ、同時に、視覚的表示システムが視線に配置されるので、焦点を失うことなく、表示システムから視覚的ガイダンスを受けることができる。
【0039】
本発明の第1の態様のさらなる実施例によれば、視覚的表示システムは、3Dセンサの一方に近接して配置される。
【0040】
本発明の第1の態様のさらなる実施例によれば、視覚的表示システムは、オペレーターに向かって光パターンを発するための複数の表示器を備え、光パターンは、オペレーターが、操舵輪を車両と整列させるために操舵輪をどの方向に回す必要があるかを示す。
【0041】
オペレーターが操舵輪の操作に関するガイダンスを受けない公知の従来技術と比較して、視覚的表示システムは、オペレーターが航空機に対して操舵輪の位置を訂正することを可能にし、それにより制動起動システムは、車輪整列感知装置からの情報に基づいて制動システムから外され、又は制動システムに係合することが妨げられる。
【0042】
本発明の第1の態様のさらなる実施例によれば、衝突防止処理システムは、オペレーターのキャビンの外側、好ましくは車両の後端に配置される。
【0043】
処理システムは、好ましくは、オペレーターのキャビンの外側に配置され、最も好ましくは、システムを後付けすることで費用対効果が高くなるように、車両の後端に配置され、ベルトアームのような車両の最も動く部品から離れて配置され、これにより処理システムのメンテナンスをより効果的にする。
【0044】
本発明の第1の態様のさらなる実施例によれば、空港車両の衝突防止システムは、オペレーターのキャビンの外側に配置され且つ周囲の地上人員に向かって、起動、非起動状態、及び起動された制動起動システムのような衝突防止システムの操作状態を信号で知らせるために配置された第2の視覚的表示システムをさらに備える。
【0045】
地上支援車両の周囲が衝突防止システムの操作状態を認識するために、車両は、好ましくはオペレーターのキャビンの上方及び後方に配置された第2の視覚的表示システムを備える。これにより、第2の視覚的表示システムは、衝突防止システムが非起動状態か、又は起動されているか、或いは車両と航空機との間に衝突が生じたかどうかを信号で知らせることができる。異なる状態表示は、異なる色によって信号で知らせてもよく、例えば、表示手段は、衝突防止システムがオフの場合、オフであり、表示手段の色は、システムが起動されている場合は緑色であり、オペレーターが制動起動システムの自動制御を停止するために自動制御停止ボタンを使用する場合は黄色であり、衝突が生じた場合は赤色である。
【0046】
本発明の第1の態様のさらなる実施例によれば、制動起動システムは、車両の既存の制動システム上へ取り付けられる後付け制動起動システムとして配置される。
【0047】
本発明の第1の態様のさらなる実施例によれば、制動起動システムは、機械的、油圧的、空気圧的又は電気的に起動されるシリンダを含む制動ペダル起動機構として配置され、後付け制動ペダル起動機構が制動ペダルの手動操作に干渉しないようにオペレーターの制動ペダルの後側と車両のシャーシとの間に配置される。
【0048】
制動起動システムは、最も好ましい実施例では、車両の既存の制動システム上へ取り付けられた後付け起動システムである。制動起動システムは、基本的な実施例では、機械的、油圧的、空気圧的又は電気的に起動されるシリンダであって、例えば、オペレーターの制動ペダルの後側と車両のシャーシとの間に配置されるシリンダのような制動ペダル起動機構として配置される。この配置は、制動起動及び衝突防止システム全体が後付けプロセスで容易に設置されることにより、作業労力の面で費用対効果が高いという技術的効果を有する。さらに、空港で既に採用されている車両には、このように、定義された衝突防止システムが配置され得る。
【0049】
制動起動システムは、代替実施例では、制動起動システムが各操舵輪上の制動と直接作用するように、オペレーターの制動システムと並列に配置されてもよい。
【0050】
本発明の第2の態様によれば、上記の目的及び利点は、以下により得られる。
【0051】
ドライブトレイン及び衝突防止システムを有する車両を操作するための方法は、
本発明による衝突防止システムを有する車両を用意するステップと、
前記車両が航空機に接近しているとき、距離センサで前記車両の前端と前記航空機との間の距離を連続的に感知するステップと、
前記車両が前記航空機に接近しているとき、前記3Dセンサシステムで、航空機ホールドドアフレームの左右側のような、2つの異なる航空機部品を連続的に感知するステップと、
前記3Dシステムが前記2つの異なる航空機部品が前記車両の前記前端に対して予め画定された位置の外側にあることを感知したときに視覚的表示システムを起動させるステップと、
前記距離センサが前記車両の前記前端と前記航空機との間の最小距離を感知したときに前記視覚的表示システム及び制動起動システムを起動させるステップをと備え、前記制動起動システムは、前記車両の前記ドライブトレインのあらゆる制御又は起動とは無関係に前記車両の前記制動システムを制御するために配置される。
【0052】
本発明の第2の態様のさらなる実施例によれば、本方法は、
本発明による車両を用意するステップと、
車輪整列感知装置が車輪は車両の長手方向と実質的に整列されていないことを感知したときに前記視覚的表示システム及び前記制動起動システムを起動させるステップと、
視覚的表示システムで、制動起動システムを非起動にする前に、車両の長手方向と実質的に整列する方向に車輪を操縦する方向をオペレーターに示すステップとをさらに備える。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】空港車両の斜視図である。
図2】空港車両の斜視図である。
図3】視覚的表示システムの斜視図である。
図4】第2の視覚的表示システムの斜視図である。
図5】オペレーターのキャビンの一部の斜視図である。
図6】衝突防止システムの主要な実施例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本発明は、本発明の例示的な実施例が示される添付の図面を参照して以下により詳細に説明する。しかしながら、本発明は、異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施例に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施例は、本開示が徹底的且つ完全であり、本発明の範囲を当業者へ完全に伝えるように提供される。同様の参照符号は、全体を通して同様の要素を指す。したがって同様の要素は、各図の説明に関して詳細に説明されない。
【0055】
図1は、衝突防止システムを有する空港車両10の斜視図を示す。車両10は、典型的には自走式ベルトローダー10として図示され、本発明の実施例の以下の詳細な説明では、ベルトローダー10として定義される。
【0056】
ベルトローダー10は、バラ積み貨物及び荷物を航空機ホールドへ搬送するように設計され、縦ベルトアーム24を備え、このアームはブームとしても定義され、貨物及び荷物を航空機内へ搬送するための主コンベアベルトが装備されている。ベルトアーム24は、様々な長さを有してもよく、したがって、より高いレベルの航空機ドア枠に到達することに適した数メートルから9~10メートルまで変化し得る。典型的にベルトローダー10は高さ約5メートルに達し得る。
【0057】
ベルトローダー10は、後端及び前端22を備え、図示の実施例では前端22はベルトアーム24の最も前方の部分として定義される。前端22は、航空機ホールドの貨物床に係合するための第2のベルトコンベアを備え、より大きな主コンベアベルトに対して旋回されてもよい。
【0058】
ベルトローダー10は、ベルトローダー10の前端22と航空機との間の距離を測定するための距離センサ(図2に示す)を有する衝突防止システムと、ベルトローダー10の前端22に対して航空機ホールドドアフレーム側面のドア枠の位置を感知するための左3Dセンサ14及び右3Dセンサ16(図2に示す)を含む3Dセンサシステムとを備える。衝突防止システムは、図示の実施例では、左3Dセンサ14と同じ筐体に配置される視覚的表示システム18をさらに備える。しかしながら、左3Dセンサ14及び視覚的表示システム18は、別個の要素として配置されてもよい。好ましい実施例では、視覚的表示システム18はオペレーターの視線に配置されるので好ましくはベルトアームの前端22に近接してこの前端に接続される。
【0059】
視覚的表示システム18は、複数の発光表示器20’~20’’’’を備え、これらの表示器は、距離センサ12及び3Dセンサ14、16の感知されたパラメータに応じてベルトローダー10を操舵する際にオペレーターを視覚的に誘導するためにオペレーターの方を指す。
【0060】
衝突防止システムは、センサ12、14、16から受信した情報/パラメータを処理して、この情報を航空機ホールドへの最小距離及び前端22に対するドアフレームの位置の最大オフセットなどの予め定義されたパラメータと比較する処理システム30によって制御される。処理システム30は、視覚的表示システム18を介して処理された情報を連続的に信号で伝え、それによりオペレーターはいつでも発光表示器20’~20’’’’から視覚情報を受ける。このような視覚情報は、最小距離が存在しない又は前端22が航空機ホールド内への開口部と整列しているときに緑色光であってもよい。したがって、視覚情報は、最小距離に達したとき及び/又は前端22が航空機ホールド内への開口部と適切に整列していない場合に、赤色光であり得る。
【0061】
さらに、ベルトローダーには、制動起動システム(図6参照)が配置され、このシステムは、基本的な実施例では、機械的、油圧的、空気圧的又は電気的に起動されたシリンダであって、例えばオペレーターの制動ペダルの後側とベルトローダー10のシャーシとの間に配置されるシリンダ(参照番号28、図6)のような制動ペダル起動機構を備える。制動起動システムは、処理システム30に接続され、上述された最小距離又は最大オフセットに達したときに起動され、これにより、前端22と航空機との間のあらゆる衝突を回避する。
【0062】
ベルトローダー10は、ベルトローダー10の車輪の方向位置を感知するための車輪位置センサを有する車輪整列感知装置(図示せず)をさらに備える。ベルトローダー10を航空機から離して後退させるとき、操舵輪が前記ベルトローダー10の長手方向と整列されていることが重要であり、そうでなければ前端22は航空機内へ揺動する。
【0063】
このように、車輪整列感知装置は、処理システム30に接続され、このシステムは車輪が適切に整列されていないことをオペレーターに視覚的に知らせるための視覚的表示システムに信号を送り、オペレーターが車輪を整列させずに後退し始める場合、制動起動システムが起動され、ベルトローダー10の制動(制動ペダル26、図6)は係合される。制動起動システムは、車両のドライブトレインから独立して車両内へ組み込まれているので、システムを後付けプロセスで設置することは費用対効果が高く、使用されているドライブトレインの種類に関係なく、基本的にあらゆる種類の地上支援車両に設置されてもよい。
【0064】
他の地上人員が衝突防止システムの状態を認識するために、ベルトローダー10は、システムの状態に応じて異なる色の信号を送るために、オペレーターの上方及び後方に配置された第2の視覚的表示システム32を備え、例えば、衝突防止システムがオフのときに第2の視覚的表示システム32はオフであり、衝突防止システムが起動されて衝突が生じていないときに色は緑であり、オペレーターが制動起動システムの自動制御を停止するために自動制御停止ボタンを使用する場合は黄色であり、衝突が生じたときは赤色である。
【0065】
図2はベルトローダー10の前端の斜視図を示す。距離センサ12は、前端22の最も前方の部分上且つ前端の中央に配置されていることが示されている。
【0066】
左3Dセンサ14及び右3Dセンサ16は前端22の両側に配置されていることが図示され、各3Dセンサ14、16は、赤外光パルスを発する下部3Dセンサエミッタ14'、16'と、跳ね返った赤外光インパルスを受信する上部3Dセンサ受信機14''、16''とを備える。
【0067】
図3は、視覚的表示システム18の斜視図を示し、システムが4つの光表示器20'~20''''を有することが示され、各表示器は、複数の色、好ましくは緑色、黄色及び赤色の3色を表示するために配置されている。衝突防止システムがオフの場合、4つの表示器20'~20''''は全てオフである。衝突防止システムがオンであり且つ4つの表示器20'~20''''が全て緑色である場合、ベルトローダー10の駆動は進行してもよい。
【0068】
表示器20'~20''''の1つが黄色になる場合、ベルトローダーは最終的に黄色の光の側に近づきすぎる障害物へ向けられている。上部表示器20'は前端22を表し、左右表示器20'''、20''''は前端22の左右側を表す。
【0069】
オペレーターが黄色の表示器状態から抜け出そうとしない場合、黄色の表示器は赤くなり、制動起動システムが係合され、それによってベルトローダー10が停止する。オペレーターが続行できるようにするために、自動制御停止ボタン(参照番号36、図5)は起動される必要がある。
【0070】
ベルトローダーが正確なドッキング位置に達したとき、表示器20'~20''''はオペレーターへ向かって点滅パターンを信号で送る。
【0071】
ベルトローダー10は航空機から離れて逆走しているとき及び車輪が整列している場合、4つの表示器全ては緑色になる。車輪が整列されず且つ前端22が航空機から2メートル以内にある場合、制動起動システムは起動され、ベルトローダー10は停止する。ここでは、3つの表示器が赤色になり1つが緑色になり、緑色の表示器の光が4つの表示器20'~20''''の全ての周りを円状に移動してオペレーターは操舵輪を整列させるために操舵輪をどの方向に回す必要があるかを示す。
【0072】
特定の運動パターン及び光の色が視覚的表示器システム18に対して説明されたが、当業者であれば、上記の説明に提示されていると、同じ効果を与える任意の色及び/又は光パターンが組み込まれ得ることを認識するであろう。
【0073】
図4は、第2の視覚的表示システム32の斜視図を示し、第2の視覚的表示システム32がオペレーターの上方及び後方に配置されていることを明確に示す。
【0074】
図5は、オペレーターのキャビンの一部の斜視図を示す。同図は、オペレーターのキャビンに、オペレーターが衝突防止システムを起動させるために押さなければならない待機ボタン34が配置されていることを示す。オペレーターのキャビンは、処理システムが制動起動システムを起動させた場合に押されなければならない自動制御停止ボタン36をさらに備える。ベルトアームが上げられた場合、衝突防止システムは自動的に起動する。
【0075】
図6は、衝突防止システムを有する空港車両の主な実施例の斜視図を示す。同図は、距離センサ14及び3Dセンサ16を含むセンサシステム14、16を示すが、簡単にするために単一のセンサとして図示されている。同図は、視覚的表示システム18並びにセンサ14、16及び表示器システム18と並列に接続されている処理システム30をさらに示す。
【0076】
同図はまた、車両制動ペダルへ接続された制動シリンダ28として図示される制動ペダル起動機構と、処理システムへ接続されている制動ペダル起動機構とを示す。したがって、衝突防止の全ての構成要素は、あらゆる車両ドライブトレインから独立して車両内へ設置される。
【0077】
以下に、発明の詳細な説明及び発明の詳細な説明において言及された図面において使用された参照符号を列挙する。
【符号の説明】
【0078】
10 空港車両
12 距離センサ
14 左3Dセンサ
14’ 左3Dセンサエミッタ
14'' 左3Dセンサ受信機
16 右3Dセンサ
16’ 右3Dセンサエミッタ
16'' 右3Dセンサ受信機
18 視覚的表示システム
20' 上部表示器(Ui)
20'' 下部表示器(Li)
20''' 左表示器(Lei)
20'''' 右表示器(Ri)
22 前端
24 ベルトアーム/ブーム
26 制動ペダル
28 制動シリンダ
30 処理システム
32 第2の視覚的表示システム
34 待機ボタン
36 自動制御停止ボタン
38 第3の視覚的表示システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】