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特表2022-549925電池モジュール、これを含む電池パックおよび電池モジュール製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-29
(54)【発明の名称】電池モジュール、これを含む電池パックおよび電池モジュール製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/516 20210101AFI20221121BHJP
   H01M 50/264 20210101ALI20221121BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20221121BHJP
【FI】
H01M50/516
H01M50/264
H01M50/204 401H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519540
(86)(22)【出願日】2021-07-12
(85)【翻訳文提出日】2022-03-28
(86)【国際出願番号】 KR2021008914
(87)【国際公開番号】W WO2022030785
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0097868
(32)【優先日】2020-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・キョン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ジュンヨブ・ソン
(72)【発明者】
【氏名】スビン・パク
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA03
5H040AS12
5H040AY06
5H040AY10
5H040CC28
5H043AA19
5H043BA11
5H043HA02F
5H043HA17F
5H043HA36F
5H043LA22F
(57)【要約】
本発明の一実施形態による電池モジュールは、複数の電池セルが第1方向に沿って積層されて形成された電池セル積層体、前記電池セル積層体の両端部を覆う絶縁カバー、前記絶縁カバーと隣接した前記電池セル積層体の両端部を囲むホールディング部材、および前記電池セル積層体に含まれている互いに隣り合う第1電池セルと第2電池セルのそれぞれから突出した第1電極リードおよび第2電極リードを含み、前記第1電極リードと前記第2電極リードが互いに異なる方向にそれぞれ折り曲げられて前記第1電極リードと前記第2電極リードが重畳することによって溶接部を形成し、前記溶接部と前記電池セル積層体の間に空きスペースが形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが第1方向に沿って積層されて形成された電池セル積層体、
前記電池セル積層体の両端部を覆う絶縁カバー、
前記絶縁カバーと隣接した前記電池セル積層体の両端部を囲むホールディング部材、および
前記電池セル積層体に含まれている互いに隣り合う第1電池セルと第2電池セルのそれぞれから突出した第1電極リードおよび第2電極リードを含み、
前記第1電極リードと前記第2電極リードが互いに異なる方向にそれぞれ折り曲げられて前記第1電極リードと前記第2電極リードが重畳することによって溶接部を形成し、
前記溶接部と前記電池セル積層体の間に空きスペースが形成される電池モジュール。
【請求項2】
前記第1電極リードと前記第2電極リードのうちの一方は正極リードであり、他方は負極リードである、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記溶接部が形成される前記第1電極リードと前記第2電極リードの重畳部は、前記電池セル積層体と直接向かい合っている、請求項1又は2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
請求項1に記載の電池モジュール、
前記電池モジュールを収納するパックフレーム、および
前記電池モジュールと前記パックフレームの底部との間に位置する熱伝導性樹脂層を含む電池パック。
【請求項5】
第1電池セルと第2電池セルを水平方向に配列し、前記第1電池セルから突出する第1電極リードと前記第2電池セルから突出する第2電極リードとを重畳させる段階、
前記第1電極リードと前記第2電極リードの第1重畳部を溶接する段階、
前記第1重畳部を基準に前記第1電極リードと前記第2電極リードを折り曲げて前記第1電池セルと前記第2電池セルを垂直配列する段階、および
前記第1電池セルと前記第2電池セルを接着部材により互いに結合させる段階を含む電池モジュール製造方法。
【請求項6】
前記第1重畳部を基準に前記第1電極リードと前記第2電極リードを折り曲げる段階は、前記第1電池セルの一面と前記第2電池セルの一面にそれぞれ配置される第1ジグと第2ジグを用いて行われ、前記第1ジグと前記第2ジグは前記第1重畳部を基準に互いに異なる一側に配置される、請求項5に記載の電池モジュール製造方法。
【請求項7】
前記第1ジグは前記第1電極リードを加圧し、前記第2ジグは前記第2電極リードを加圧し、
前記第1ジグは前記第1電池セルと共に回転することによって、前記第1電池セルと前記第2電池セルを垂直配列する、請求項6に記載の電池モジュール製造方法。
【請求項8】
前記第1電池セルと前記第2電池セルを垂直配列する段階の後に、前記第1ジグと前記第2ジグを解体する段階をさらに含み、
前記第1ジグと前記第2ジグはそれぞれ二等分して解体される、請求項7に記載の電池モジュール製造方法。
【請求項9】
前記第2電池セルと第3電池セルを水平方向に配列し、前記第2電池セルから突出する第3電極リードと前記第3電池セルから突出する第4電極リードとを重畳させる段階、
前記第3電極リードと前記第4電極リードの第2重畳部を溶接する段階、および
前記第2重畳部を基準に前記第3電極リードと前記第4電極リードを折り曲げて前記第2電池セルと前記第3電池セルを垂直配列する段階、および
前記第2電池セルと前記第3電池セルを接着部材により互いに結合させる段階をさらに含み、
前記第1電極リードと前記第2電極リードを折り曲げる方向と前記第2重畳部を基準に前記第3電極リードと前記第4電極リードを折り曲げる方向とは、互いにジグザグ構造を形成する、請求項5から8のいずれか一項に記載の電池モジュール製造方法。
【請求項10】
前記第2電極リードと前記第3電極リードは互いに異なる極性を有し、前記第2電極リードと前記第3電極リードは前記第2電池セルの長さ方向を基準に互いに異なる端部に位置する、請求項9に記載の電池モジュール製造方法。
【請求項11】
前記第1重畳部を溶接する段階は、前記第1重畳部の両面にそれぞれ配置された溶接ジグが前記第1重畳部の両面を加圧する段階をさらに含む、請求項5から8のいずれか一項に記載の電池モジュール製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互引用
本出願は、2020年8月5日付韓国特許出願第10-2020-0097868号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として組み含まれる。
【0002】
本発明は、電池モジュール、これを含む電池パックおよび電池モジュール製造方法に関し、より具体的に、新規な工程により製造された電池モジュール、これを含む電池パックおよび電池モジュール製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に対する技術開発と需要が増加することに伴い、エネルギー源として二次電池の需要が急激に増加している。そのために、多様な要求に応えることができる二次電池に関する多くの研究が行われている。
【0004】
二次電池は、携帯電話、デジタルカメラ、ノートパソコンなどのモバイル機器だけでなく、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの動力装置に対するエネルギー源としても大きな関心を受けている。
【0005】
小型モバイル機器にはデバイス1台当たり1個または2~4個の電池セルが使用されることに対し、自動車などのように中大型デバイスには高出力大容量が必要である。したがって、多数の電池セルを電気的に連結した中大型電池モジュールが使用される。
【0006】
中大型電池モジュールは、可能な限り小さいサイズと重量で製造されることが好ましいため、高い集積度に積層可能であり、容量に比べて重量が小さい角型電池、パウチ型電池などが中大型電池モジュールの電池セルとして主に使用されている。一方、電池モジュールは、電池セル積層体を外部衝撃、熱または振動から保護するために、前面と後面が開放されて電池セル積層体を内部空間に収納するモジュールフレームを含むことができる。
【0007】
中大型電池モジュールが所定の装置乃至ディバイスで要求される出力および容量を提供するためには、多数の電池セルを直列方式で電気的に連結しなければならない。
【0008】
図1は従来の電池モジュールに含まれている電池セル積層体において電極リードを溶接する方法を説明するための図面である。
【0009】
図1を参照すると、ジグ30を使用してバスバー15上で折り曲げられた少なくとも一つの電極リード12、13を溶接することができる。この時、バスバー15材料が必要であり、場合によってはメッキが必要であるため、材料費が上昇することがある。また、電極リード12、13の後面空間に該当する図1のP領域の空間が不足するため、溶接面着(surface contact)の有無を確認し難いため、溶接品質を保証し難い。
【0010】
この場合、電池セル11を積層した後に電極リード12、13を折り曲げて溶接を進行するため、折り曲げ工程の品質が溶接品質に影響を与えることがある。電池セル11を積層した後に溶接を進行するため、溶接時に不良が発生すれば電池セル11を再使用し難いという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、既存の溶接工程の問題を解消した新規な工程により製造された電池モジュール、これを含む電池パックおよび電池モジュール製造方法を提供することにある。
【0012】
しかし、本発明の実施形態が解決しようとする課題は、前述した課題に限定されず、本発明に含まれている技術的な思想の範囲で多様に拡張され得る。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施形態による電池モジュールは、複数の電池セルが第1方向に沿って積層されて形成された電池セル積層体、前記電池セル積層体の両端部を覆う絶縁カバー、前記絶縁カバーと隣接した前記電池セル積層体の両端部を囲むホールディング部材、および前記電池セル積層体に含まれている互いに隣り合う第1電池セルと第2電池セルのそれぞれから突出した第1電極リードおよび第2電極リードを含み、前記第1電極リードと前記第2電極リードが互いに異なる方向にそれぞれ折り曲げられて前記第1電極リードと前記第2電極リードが重畳することによって溶接部を形成し、前記溶接部と前記電池セル積層体の間に空きスペースが形成される。
【0014】
前記第1電極リードと前記第2電極リードのうちの一方は正極リードであり、他方は負極リードであり得る。
【0015】
前記溶接部が形成される前記第1電極リードと前記第2電極リードの重畳部は、前記電池セル積層体と直接向かい合っていてもよい。
【0016】
本発明の他の一実施形態による電池パックは、前記電池モジュール、前記電池モジュールを収納するパックフレーム、および前記電池モジュールと前記パックフレームの底部との間に位置する熱伝導性樹脂層を含む。
【0017】
本発明のまた他の一実施形態による電池モジュール製造方法は、第1電池セルと第2電池セルを水平方向に配列し、前記第1電池セルから突出する第1電極リードと前記第2電池セルから突出する第2電極リードとを重畳させる段階、前記第1電極リードと前記第2電極リードの第1重畳部を溶接する段階、前記第1重畳部を基準に前記第1電極リードと前記第2電極リードを折り曲げて前記第1電池セルと前記第2電池セルを垂直配列する段階、および前記第1電池セルと前記第2電池セルを接着部材により互いに結合させる段階を含む。
【0018】
前記第1重畳部を基準に前記第1電極リードと前記第2電極リードを折り曲げる段階は、前記第1電池セルの一面と前記第2電池セルの一面にそれぞれ配置される第1ジグと第2ジグを用いて行われ、前記第1ジグと前記第2ジグは前記第1重畳部を基準に互いに異なる一側に配置され得る。
【0019】
前記第1ジグは前記第1電極リードを加圧し、前記第2ジグは前記第2電極リードを加圧し、前記第1ジグは前記第1電池セルと共に回転することによって、前記第1電池セルと前記第2電池セルを垂直配列することができる。
【0020】
前記電池モジュール製造方法は、前記第1電池セルと前記第2電池セルを垂直配列する段階の後に、前記第1ジグと前記第2ジグを解体する段階をさらに含み、前記第1ジグと前記第2ジグはそれぞれ二等分して解体され得る。
【0021】
前記電池モジュール製造方法は、前記第2電池セルと第3電池セルを水平方向に配列し、前記第2電池セルから突出する第3電極リードと前記第3電池セルから突出する第4電極リードとを重畳させる段階、前記第3電極リードと前記第4電極リードの第2重畳部を溶接する段階、および前記第2重畳部を基準に前記第3電極リードと前記第4電極リードを折り曲げて第2電池セルと第3電池セルを垂直配列する段階、および前記第2電池セルと前記第3電池セルを接着部材により互いに結合させる段階をさらに含み、前記第1電極リードと前記第2電極リードを折り曲げる方向と前記第2重畳部を基準に前記第3電極リードと前記第4電極リードを折り曲げる方向とは、互いにジグザグ構造を形成することができる。
【0022】
前記第2電極リードと前記第3電極リードは互いに異なる極性を有し、前記第2電極リードと前記第3電極リードは前記第2電池セルの長さ方向を基準に互いに異なる端部に位置することができる。
【0023】
前記第1重畳部を溶接する段階は、前記第1重畳部の両面にそれぞれ配置された溶接ジグが前記第1重畳部の両面を加圧する段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0024】
実施形態によると、折り曲げる前に電極リードを溶接することによって溶接品質を改善することができる。
【0025】
また、溶接以降に電極リード重畳部を基準に互いに異なる一側に配置されるジグを用いて電極リードを折り曲げることによって、電池セル積層体の整列正確度を高めて空間活用率を高めることができる。
【0026】
本発明の効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解され得るだろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】従来の電池モジュールに含まれている電池セル積層体において電極リードを溶接する方法を説明するための図面である。
図2】本発明の一実施形態による電池モジュールを示す斜視図である。
図3図2の電池モジュールの分解斜視図である。
図4図2の電池モジュールに含まれている電池セルの斜視図である。
図5図3のA領域をxy平面上で眺めた部分断面図である。
図6】本発明の他の一実施形態による電池モジュール製造方法を示す図面である。
図7】本発明の他の一実施形態による電池モジュール製造方法を示す図面である。
図8】本発明の他の一実施形態による電池モジュール製造方法を示す図面である。
図9】本発明の他の一実施形態による電池モジュール製造方法を示す図面である。
図10】本発明の他の一実施形態による電池モジュール製造方法を示す図面である。
図11】本発明の他の一実施形態による電池モジュール製造方法を示す図面である。
図12】本発明の他の一実施形態による電池モジュール製造方法を示す図面である。
図13】本発明の他の一実施形態による電池モジュール製造方法を示す図面である。
図14】本発明の他の一実施形態による電池モジュール製造方法を示す図面である。
図15】本発明のまた他の一実施形態による電池パックを示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付した図面を参照して本発明の多様な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。本発明は、多様な異なる形態に実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0029】
本発明を明確に説明するために、説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。
【0030】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したため、本発明が必ず図示されたところに限定されるのではない。図面において、複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0031】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるという時、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。反対に、ある部分が他の部分の「直上」にあるという時には、中間にまた他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分の「上」にあるということは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ず重力反対方向に向かって「上」に位置することを意味するのではない。
【0032】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外せず、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0033】
また、明細書全体において、「平面上」という時、これは対象部分を上方から見た時を意味し、「断面上」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を側方から見た時を意味する。
【0034】
図2は本発明の一実施形態による電池モジュールを示す斜視図である。図3図2の電池モジュールの分解斜視図である。図4図2の電池モジュールに含まれている電池セルの斜視図である。
【0035】
図2乃至図4を参照すると、本発明の一実施形態による電池モジュール100は、複数の電池セル110が積層された電池セル積層体200を含む。
【0036】
まず、電池セル110は、パウチ型電池セルであることが好ましく、長方形のシート型構造で形成され得る。例えば、本実施形態による電池セル110は、二つの電極リード111、112がセル本体113を基準に互いに反対側に位置する一端部114aと他の一端部114bからそれぞれ突出している構造を有する。より詳しくは、電極リード111、112は電極組立体(図示せず)と連結され、前記電極組立体(図示せず)から電池セル110の外部に突出する。二つの電極リード111、112のうちの一方は正極リード111であり、他方は負極リード112であり得る。つまり、一つの電池セル110を基準に正極リード111と負極リード112が互いに反対方向に突出し得る。
【0037】
一方、電池セル110は、セルケース114に電極組立体(図示せず)を収納した状態でセルケース114の両端部114a、114bとこれらを連結する一側部114cを接着することによって製造され得る。言い換えると、本実施形態による電池セル110は、総3ヶ所のシーリング部を有し、シーリング部は熱融着などの方法によりシーリングされる構造であり、残りの他の一側部は連結部115からなることができる。セルケース114は、樹脂層と金属層を含むラミネートシートからなることができる。
【0038】
このような電池セル110は、複数個で構成され得、複数の電池セル110は、互いに電気的に連結され得るように積層されて電池セル積層体200を形成する。特に、図3に示すようにx軸方向に沿って複数の電池セル110が積層され得る。これによって、電極リード111、112はそれぞれy軸方向と-y軸方向に突出し得る。
【0039】
一方、本実施形態による電池モジュール100は、モジュールフレームとエンドプレートが除去されたモジュールレス(module-less)構造を形成することができる。モジュールフレームの代わりに、本実施形態による電池モジュール100は、側面プレート600とホールディングバンド700(ホールディング部材)を含むことができる。モジュールフレームとエンドプレートが除去されることによって、電池セル積層体200をモジュールフレーム内部に収納する工程やモジュールフレームとエンドプレートを組み立てる工程のように精密なコントロールが要求される複雑な工程が不要である。また、除去されたモジュールフレームとエンドプレートの分、電池モジュール100の重量を大幅に減らすことができるという長所を有する。また、本実施形態による電池モジュール100は、モジュールフレームの除去により、電池パック組立工程の際に再作業性が有利であるという長所を有するが、従来の電池モジュール100は、モジュールフレームの溶接構造のため不良が発生しても再作業が不可能であったこととは比較され得る。
【0040】
側面プレート600は、板状形部材であり、電池セル積層体200の両側面に位置して電池モジュール100の剛性を補完することができる。このような側面プレート600は、弾性性質を有し、射出成形で製造されるプラスチック素材を含むことができ、場合によっては板スプリング素材が適用され得る。
【0041】
ホールディングバンド700は、電池セル積層体200の両端部で電池セル積層体を囲む部材であり、電池セル積層体200を構成する複数の電池セル110と側面プレート600を固定する機能を担当することができる。このように、ホールディングバンド700を通じて電池セル積層体200および側面プレート600を固定した後、電極リード111が突出する方向に該当する電池セル積層体200の前面と後面に絶縁カバー400を位置させることができる。ホールディングバンド700を通じて電池セル積層体200に含まれている電池セル110および側面プレート600を固定することによって、絶縁カバー400が電池セル積層体200の前面および後面に容易に結合することができる。このようなホールディングバンド700は、所定の弾性力を有する素材からなることができ、具体的に板スプリングの構造が適用され得る。
【0042】
図5図3のA領域をxy平面上で眺めた部分断面図である。
【0043】
図3乃至図5を参照すると、x軸方向に沿って複数の電池セル110が積層されている電池セル積層体200には、互いに隣り合う第1電池セル110aと第2電池セル110bが含まれている。第1電池セル110aから第1電極リード111aが突出し、第2電池セル110bから第2電極リード111bが突出している。この時、第1電極リード111aと第2電極リード111bは互いに異なる方向にそれぞれ折り曲げられ、第1電極リード111aの端部と第2電極リード111bの端部は互いに重畳する。第1電極リード111aの端部と第2電極リード111bの端部が重畳して溶接部WPを形成し、溶接部WPは第1電極リード111aと第2電極リード111bを結合させることができる。第1電極リード111aと第2電極リード111bのうちの一方は正極リードであり、他方は負極リードであり得る。
【0044】
本実施形態によると、第1電池セル110aと第2電池セル110bの間に接着部材130が位置することができる。このような接着部材130によりモジュールフレームが省略されることによって弱くなり得る電池セル積層体200の固定力を強化させることができる。
【0045】
図5に示したように、本実施形態による溶接部WPと電池セル積層体200の間には空きスペースEPが形成される。従来は電極リードの溶接部と電池セル積層体の間にバスバーフレームのような構造物が配置され、バスバーフレームに熱融着などで固定されているバスバーを通じて隣り合う電極リードを電気的に連結した。しかし、本実施形態ではバスバーフレームのような構造物を省略することができるため、溶接部WPが形成される第1、2電極リード111a、111bの重畳部が電池セル積層体200を直接向かい合うようにする構造を形成することができる。この時に形成される溶接部WPと電池セル積層体200の間に形成される空きスペースEPを最小化して、よりコンパクトな構成の電池モジュール100を実現することができる。また、バスバーのような電極リードの連結のための別途の部材を省略することによって材料費を節減することができる。
【0046】
以下、図6乃至図15を参照して本発明の一実施形態による電池モジュールを製造する方法の一例を説明する。
【0047】
図6乃至図14は本発明の他の一実施形態による電池モジュール製造方法を示す図面である。
【0048】
図6を参照すると、第1電池セル110aと第2電池セル110bを水平方向に配列し、第1電池セル110aから突出する第1電極リード111aと第2電池セル110bから突出する第2電極リード111bとを重畳させる。第1電極リード111aと第2電極リード111bは互いに隣接し、第1電極リード111aの端部と第2電極リード111bの端部が重畳して第1重畳部OP1を形成することができる。
【0049】
図7図6の図面をz軸方向に沿って眺めた図面である。図8図7の重畳部を示す図面である。
【0050】
図7および図8を参照すると、第1重畳部OP1を溶接することができる。この時、第1重畳部OP1の両面にそれぞれ溶接ジグ140を配置することができる。溶接ジグ140に形成された開口部140APを通じてを行うことができる。溶接ジグ140は、第1電極リード111aの上面と第2電極リード111bの下面を同時に加圧することによって、溶接品質を高めることができる。また、互いに隣り合う電池セルを水平方向に配列した状態で溶接を行うため、第1重畳部OP1の上側空間および下側空間に障害物がなく、溶接対象物の面着(surface contact)が良好になされているか否か簡単に確認できる。
【0051】
図9乃至図11を参照すると、図7に示した第1重畳部OP1を基準に第1電極リード111aと第2電極リード111bを折り曲げることができる。第1電極リード111aと第2電極リード111bは互いに反対方向に折り曲げられる。
【0052】
第1重畳部OP1を基準に第1電極リード111aと第2電極リード111bを折り曲げる段階は、第1電池セル110aの一面と第2電池セル110bの一面にそれぞれ配置される第1ジグ150aと第2ジグ150bを用いて行われ得る。この時、第1ジグ150aと第2ジグ150bは第1重畳部OP1を基準に互いに異なる一側に配置され得る。具体的に、図10に示したように、第1ジグ150aは第1電池セル110aの上面に配置され、第2ジグ150bは第2電池セル110bの下面に配置され得る。第1ジグ150aは第1電池セル110aと第1重畳部OP1の間に位置する第1電極リード111a部分を加圧し、第2ジグ150bは第2電池セル110bと第1重畳部OP1の間に位置する第2電極リード111b部分を加圧することができる。
【0053】
本実施形態によると、第1ジグ150aは第1電池セル110aと共に回転して、第2電池セル110bと第1電池セル110aが垂直配列する。図12を参照すると、第1電極リード111aと第2電極リード111bを折り曲げる前に第2電池セル110b下部面に接着部材130が形成され得る。図9および図12に示すように第1、2ジグ150a、150bには第1、2電池セル110a、110bがそれぞれ挿入されるように開口部150Pが形成されている。第2ジグ150bの開口部150Pにより接着部材130が露出しており、第1ジグ150aと共に第1電池セル110aが回転して、第1電池セル110aの一面が接着部材130と結合することができる。この時、接着部材130により第1電池セル110aと第2電池セル110bが結合することができる。
【0054】
図13を参照すると、第2電池セル110bと第3電池セル110cを水平方向に配列し、第2電池セル110bから突出する第3電極リード112aと第3電池セル110cから突出する第4電極リード112bとを重畳させることができる。その後、図7および図8の説明と同様な方法により、第3電極リード112aと第4電極リード112bの第2重畳部OP2を溶接することができる。第2電極リード111bと第3電極リード112aは互いに異なる極性を有し、第2電極リード111bと第3電極リード112aは第2電池セル110bの長さ方向を基準に互いに異なる端部に位置することができる。
【0055】
その後、図9乃至図11の説明と同様な方法により、第2重畳部OP2を基準に第3電極リード112aと第4電極リード112bを折り曲げて第2電池セル110bと第3電池セル110cを垂直配列することができる。ただし、図9乃至図11で説明した第1電極リード111aと第2電極リード111bを折り曲げる方向と、第3電極リード112aと第4電極リード112bを折り曲げる方向とは互いに異なる。具体的に、図13に示された第2電池セル110bを基準に第1重畳部OP1は下部方向に折り曲げられるが、第2重畳部OP2は上部方向に折り曲げられてジグザグ構造を形成する。図12の説明と同様に第2電池セル110bの上部面または第3電池セル110cの上部面に接着部材が形成されて、第3電池セル110cが回転すれば、第2電池セル110bと第3電池セル110cの間に位置する接着部材により第2電池セル110bと第3電池セル110cが結合することができる。
【0056】
したがって、第1電池セル110a、第2電池セル110bおよび第3電池セル110cは垂直配列され、このような方式で複数の電池セル110がジグザグ方向に積層されて図14に示したように複数の重畳部OPを有する電池セル積層体200を形成することができる。その後、電池セル積層体200の両端部を覆うように絶縁カバーを形成することによって、図2に示した電池モジュール100を製造することができる。
【0057】
本実施形態によると、電極リードを折り曲げる前に溶接することによって溶接品質を向上させ、溶接中に不良が発生すると当該電池セルだけを廃棄すればよいため、電池セル積層体において再使用が可能な電池セルまで廃棄しなければならない問題を防止することができる。
【0058】
図15は本発明のまた他の一実施形態による電池パックを示す分解斜視図である。
【0059】
図15を参照すると、本発明の一実施形態による電池パック1000は、電池モジュール100、電池モジュール100を収納するパックフレーム1100、および電池モジュール100とパックフレーム1100の底部1111との間に位置する熱伝導性樹脂層1200を含むことができる。
【0060】
まず、電池モジュール100は、前述したように、絶縁カバーを含み、代わりにモジュールフレームとエンドプレートが除去されたモジュールレス(module-less)構造を形成することができる。このような電池モジュール100が複数個でパックフレーム1100に収納されて電池パック1000を形成することができる。
【0061】
パックフレーム1100は、下部パックハウジング1110、および下部パックハウジング1110を覆う上部パックハウジング1120を含むことができ、下部パックハウジング1110の底部1111に複数の電池モジュール100が位置することができる。下部パックハウジング1110は、複数のモジュール領域を有し、複数のモジュール領域は、下部パックハウジング1110内に形成された複数の隔壁1350により区画され得る。隔壁1350は、複数の電池モジュール100のうち互いに隣り合う電池モジュール100の間に形成されている。例えば、熱伝導性樹脂層1200は、互いに隣り合う第1熱伝導性樹脂層と第2熱伝導性樹脂層を含み、複数のモジュール領域は、隔壁1350により互いに区画される第1領域と第2領域を含み、前記第1熱伝導性樹脂層は前記第1領域に対応するように形成され、前記第2熱伝導性樹脂層は前記第2領域に対応するように形成され得る。この時、前記第1熱伝導性樹脂層と前記第2熱伝導性樹脂層は隔壁1350により互いに離隔して位置することができる。
【0062】
一方、熱伝導性樹脂層1200は、下部パックハウジング1110の底部1111に熱伝導性樹脂(Thermal resin)が塗布されて形成され得る。前記熱伝導性樹脂は、熱伝導性接着物質を含むことができ、具体的にシリコン(Silicone)素材、ウレタン(Urethan)素材およびアクリル(Acrylic)素材のうちの少なくとも一つを含むことができる。前記熱伝導性樹脂は、塗布時には液状であるが、塗布後に硬化して電池モジュール100を下部パックハウジング1110に固定する役割を果たすことができる。また、熱伝導特性に優れて電池モジュール100で発生した熱を迅速に底部1111に伝達して電池パック1000の過熱を防止することができる。
【0063】
本実施形態によると、電池モジュール100は、モジュールフレームが省略されるため、図3の電池セル積層体200の下部面が下部パックハウジング1110に塗布された熱伝導性樹脂層1200上に直接装着され得る。この時、接着性能を有する熱伝導性樹脂層1200により電池セル積層体200は下部パックハウジング1110に固定され得る。
【0064】
図2に示すように、本実施形態による電池モジュール100は、モジュールフレームが除去されたモジュールレス(module-less)構造において、電池セル110の一部が外部に露出され得るが、構造的安定性のために露出される電池セル110を固定することが必要である。そこで、本実施形態による電池パック1000は、底部1111に電池モジュール100、特に電池モジュール100を構成するそれぞれの電池セル110を固定できる熱伝導性樹脂層1200を形成することによって、構造的安定性を向上させることができる。また、モジュールフレームを省略して、電池セルで発生した熱を熱伝導性樹脂層からパックフレームに直ちに伝達して冷却効率を高めることができる。パックフレームには、図示されていないが、ヒートシンク構造が形成され得る。
【0065】
前述した本実施形態による電池モジュールや電池パックは、多様なデバイスに適用され得る。具体的には、電気自転車、電気自動車、ハイブリッドなどの運送手段に適用され得るが、これに制限されず、二次電池を使用することができる多様なデバイスに適用可能である。
【0066】
以上で本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0067】
100:電池モジュール
130:接着部材
140:溶接ジグ
150a、150b:第1、2ジグ
400:絶縁カバー
700:ホールディングバンド
1000:電池パック
1100:パックフレーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】