(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-29
(54)【発明の名称】一地点対多地点通信のためのクライアント類別
(51)【国際特許分類】
H04W 72/12 20090101AFI20221121BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20221121BHJP
H04W 4/08 20090101ALI20221121BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20221121BHJP
H04W 28/18 20090101ALI20221121BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20221121BHJP
H04B 7/06 20060101ALI20221121BHJP
H04B 7/08 20060101ALI20221121BHJP
【FI】
H04W72/12
H04W16/28
H04W4/08
H04W24/10
H04W28/18 110
H04W84/12
H04B7/06 950
H04B7/08 800
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519688
(86)(22)【出願日】2020-10-29
(85)【翻訳文提出日】2022-03-29
(86)【国際出願番号】 US2020057965
(87)【国際公開番号】W WO2021096695
(87)【国際公開日】2021-05-20
(32)【優先日】2019-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519006872
【氏名又は名称】エイブイエックス・アンテナ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【氏名又は名称】末松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】ローソン,セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ジャンジパニヤン,ノリック
(72)【発明者】
【氏名】ヒルベルト,ジェフリー・エル
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA13
5K067DD15
5K067DD43
5K067EE02
5K067EE08
5K067EE10
5K067EE22
5K067JJ11
5K067KK02
(57)【要約】
関連付けられたモードに基づいてクライアント・デバイスを類別することによって、一地点対多地点通信を行う通信システムを提供する。一実施態様例では、複数のクライアント・デバイスをそれらの最適な通信モードで類別することによって、一地点対多地点通信の改良を達成する。例えば、通信システムは、チャネル品質指標(CQI)に基づいて、複数のクライアント・デバイスの中の2つのクライアント・デバイスがモーダル・アンテナの最適な第1モードと関連付けられることを決定することができる。このシステムは、2つのクライアント・デバイスを第1グループに類別し、第1グループを、モーダル・アンテナの第1モードを使用する通信と関連付ける。モーダル・アンテナは、1つの通信フレームの間、モーダル・アンテナの第1モードを使用して、第1グループと通信することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一地点対多地点通信のための通信システムであって、
1つ以上のモーダル・アンテナであって、各モーダル・アンテナが複数のモードで動作するように構成され、前記複数のモードの各々が別個の放射パターンと関連付けられた、1つ以上のモーダル・アンテナと、
ワイヤレス通信媒体を通じて、前記1つ以上のモーダル・アンテナを介して、複数のフレームにわたって複数のクライアント・デバイスと通信するように構成された送受信機と、
動作を実行することによって、前記1つ以上のモーダル・アンテナを制御するように構成された1つ以上の制御デバイスと、
を備え、前記動作が、
前記複数のモードの内1つ以上のモードを、前記複数のクライアント・デバイスの中の各クライアント・デバイスと関連付ける動作と、
少なくとも部分的に、前記複数のクライアント・デバイスと関連付けられた前記1つ以上のモードに基づいて、前記複数のクライアント・デバイスの中の各クライアント・デバイスを、複数のグループの内1つ以上のグループに仕分ける動作と、
複数のフレームの各々について、
前記複数のグループから、通信のために選択するグループを決定する動作と、
前記複数のモードから、前記選択したグループとの通信のために選択するモードを決定する動作と、
前記1つ以上のモーダル・アンテナを前記選択したモードに設定する動作と、
前記フレームの間、前記選択したモードで1つ以上のクライアント・デバイスと通信する動作と、
を含む、通信システム。
【請求項2】
請求項1記載の通信システムにおいて、前記複数のグループ内少なくとも1つのグループが、複数のクライアント・デバイスを含み、各クライアント・デバイスが、前記複数のモードの内同じ1つ以上のモードと関連付けられる、通信システム。
【請求項3】
請求項1記載の通信システムにおいて、前記複数のモードの内1つ以上のモードを、前記複数のクライアント・デバイスの中の各クライアント・デバイスと関連付ける動作が、少なくとも部分的に、前記クライアント・デバイスに対する通信と関連付けられたチャネル品質指標に基づく、通信システム。
【請求項4】
請求項1記載の通信システムにおいて、前記複数のクライアント・デバイスが、前記1つ以上のグループにおける前記複数のクライアント・デバイスの中の各クライアント・デバイスについて、グループ・メンバーシップを示すデータを伝達するように構成される、通信システム。
【請求項5】
請求項1記載の通信システムにおいて、前記動作が、更に、
少なくとも部分的に、前記通信システムを訓練モードで動作させている間に得られるチャネル品質指標に基づいて、グループ・インデックス・データを生成する動作であって、前記グループ・インデックス・データが、クライアント・デバイスの1つ以上のグループとの関連付けを格納するように構成される、動作と、
前記グループ・インデックス・データを1つ以上のメモリ・デバイスに格納する動作と、
を含む、通信システム。
【請求項6】
請求項5記載の通信システムにおいて、前記複数のクライアント・デバイスの中の各クライアント・デバイスを複数のグループの内1つ以上のグループに仕分ける動作が、少なくとも部分的に、前記1つ以上のメモリ・デバイスに格納されている前記グループ・インデックス・データに基づく、通信システム。
【請求項7】
請求項5記載の通信システムにおいて、前記グループ・インデックス・データが、更に、各グループを、前記複数のモードの内1つ以上のモードと関連付ける、通信システム。
【請求項8】
請求項5記載の通信システムにおいて、前記グループ・インデックスを1つ以上のメモリ・デバイスに格納する動作が、以前に格納されたグループ・インデックス・データを更新することができる、通信システム。
【請求項9】
請求項5記載の通信システムにおいて、前記訓練モードがフレーム間訓練モードである、通信システム。
【請求項10】
請求項5記載の通信システムにおいて、前記訓練モードがフレーム内訓練モードである、通信システム。
【請求項11】
請求項5記載の通信システムにおいて、少なくとも部分的に、前記通信システムを訓練モードで動作させている間に得られたチャネル品質指標に基づいてグループ・インデックス・データを生成する動作が、更に、
前記複数のクライアント・デバイスの中の各クライアント・デバイスと関連付けられたチャネル品質指標を得る動作と、
少なくとも部分的に、前記チャネル品質指標に基づいて、前記クライアント・デバイスと通信する1つ以上のモードを決定する動作と、
少なくとも部分的に前記1つ以上のモードに基づいて、前記クライアント・デバイスと通信するモードに基づいて、各クライアント・デバイスを1つ以上のグループと関連付ける動作と、
を含む、通信システム。
【請求項12】
一地点対多地点通信システムにおいて通信するための方法であって、
1つ以上のモーダル・アンテナの複数のモードの内1つ以上のモードを、複数のクライアント・デバイスの中の各クライアント・デバイスと関連付けるステップであって、各モーダル・アンテナが、複数の異なるモードに設定されるように動作可能であり、各モードが別個の放射パターンと関連付けられる、ステップと、
少なくとも部分的に、前記複数のクライアント・デバイスと関連付けられた前記1つ以上のモードに基づいて、前記複数のクライアント・デバイスの中の各クライアント・デバイスを複数のグループの内1つ以上のグループに仕分けるステップと、
複数のフレームにわたって、時分割多元接続で前記複数のクライアント・デバイスに、前記1つ以上のモーダル・アンテナを使用して、データを伝達するステップと、
を含み、
各フレームについて、
前記複数のグループから通信のために選択するグループを決定するステップと、
少なくとも部分的に前記複数のグループに基づいて、前記モーダル・アンテナの前記複数のモードから、前記フレームの間に通信するために選択するモードを決定するステップと、
前記フレームの間、前記選択したモードで動作するように、前記1つ以上のモーダル・アンテナを設定するステップと、
を含む、方法。
【請求項13】
請求項12記載の方法において、少なくとも部分的に前記複数のグループに基づいて、前記モーダル・アンテナの複数のモードから、前記フレームの間に通信するために選択するモードを決定するステップが、
前記複数のグループの中の各グループを、前記複数のモードの内1つ以上のモードと関連付けるグループ・インデックス・データにアクセスするステップと、
前記グループ・インデックス・データに基づいて、前記複数のモードから前記選択したモードを決定するステップと、
を含む、方法。
【請求項14】
請求項13記載の方法において、前記グループ・インデックス・データが、少なくとも部分的に、前記通信システムを訓練モードで動作させている間に得られるチャネル品質指標に基づいて生成される、方法。
【請求項15】
請求項14記載の方法において、前記訓練モードがフレーム間訓練モードである、方法。
【請求項16】
請求項14記載の方法において、前記訓練モードがフレーム内訓練モードである、方法。
【請求項17】
請求項12記載の方法において、前記選択したモードで動作するように前記1つ以上のモーダル・アンテナを設定するステップが、放射エレメントに近接して位置付けられた1つ以上の寄生エレメントの電気特性を調節するステップを含む、方法。
【請求項18】
ワイヤレス・ネットワーク・アクセス・ポイントであって、
複数の異なるモードで動作可能な1つ以上のモーダル・アンテナであって、各モードが別個の放射パターンと関連付けられる、1つ以上のモーダル・アンテナと、
ワイヤレス通信媒体を通じて、前記モーダル・アンテナを介して複数のフレームにわたって、クライアント・デバイスの複数のグループと通信するように構成された送受信機と、
フレーム毎、グループ毎、アンテナ毎に前記モーダル・アンテナを動作させるモードを選択することによって、前記1つ以上のモーダル・アンテナの動作を制御するように構成された1つ以上の制御デバイスと、
を備える、ワイヤレス・ネットワーク・アクセス・ポイント。
【請求項19】
請求項18記載のワイヤレス・ネットワーク・アクセス・ポイントにおいて、前記1つ以上の制御デバイスが、フレーム毎に動作を実行することによって、フレーム毎、グループ毎、アンテナ毎に前記モーダル・アンテナを動作させるモードを選択し、これによって前記モーダル・アンテナの動作を制御するように構成され、前記動作が、
前記フレームの間に通信するための前記グループを特定する動作と、
少なくとも部分的に前記グループに基づいて、前記モーダル・アンテナの前記複数のモードから、前記フレームの間に通信するために選択するモードを決定する動作と、
前記フレームの間前記選択したモードで動作するように、前記1つ以上のモーダル・アンテナを設定する動作と、
含む、ワイヤレス・ネットワーク・アクセス・ポイント。
【請求項20】
請求項19記載のワイヤレス・アクセス・ポイントにおいて、少なくとも部分的に前記グループに基づいて、前記モーダル・アンテナの前記複数のモードから、前記フレームの間に通信するために選択するモードを決定する前記動作が、
前記複数のグループの中の各グループを、前記複数のモードの内1つ以上のモードと関連付けるグループ・インデックス・データにアクセスする動作と、
少なくとも部分的に前記グループ・インデックス・データに基づいて、前記選択するモードを決定する動作と、
を含む、ワイヤレス・ネットワーク・アクセス・ポイント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
[0001] 本願は、“Client Grouping for Point to Multipoint Communications”(一地点対多地点通信のためのクライアント類別)と題し、2019年11月14日の出願日を有する米国仮特許出願第62/935,275号の優先権を主張する。この特許出願をここで引用したことにより、その内容が本願にも含まれるものとする。
【0002】
分野
[0002] 本開示は、一般的には、アンテナ・システムに関し、更に特定すると、クライアントを類別する一地点対多地点通信システムおよび方法に関する。
【従来技術】
【0003】
[0003] ワイヤレス通信システムは、多くの場合、1つ以上のスマートフォン、ラップトップ、デスクトップ、プリンタ、スマートTV、タブレット、もののインターネット・デバイス、および他のデバイスというような、複数のデバイスと、ワイヤレス通信媒体を通じて通信するように構成された基地局またはアクセス・ポイントとを含むことができる。実例をあげると、複数のデバイスは、ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)を通じて、アクセス・ポイント(例えば、ワイヤレス・ルータ)を経由して通信することができる。WiFiネットワークは、デバイスがIEEE802.11規格を使用してアクセス・ポイントと通信するWLANを含むことができる。WLANのためのアクセス・ポイントは、複数のクライアント・デバイスとワイヤレスで通信するために、1つ以上のアンテナを含むことができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004] 本開示の実施形態の態様および利点について、以下の説明において部分的に明記するが、あるいはその説明から習得することができ、または実施形態の実践を通じて習得することもできる。
【0005】
[0005] 本開示の一態様例は、一地点対多地点通信のための通信システムを対象とする。この通信システムは、1つ以上のモーダル・アンテナを含む。各モーダル・アンテナは、複数のモードで動作するように構成される。複数のモードの各モードは、別個の放射パターンと関連付けられる。このシステムは、ワイヤレス通信媒体を通じて、1つ以上のモーダル・アンテナを介し、複数のフレームにわたって複数のクライアント・デバイスと通信するように構成された送受信機を含むことができる。このシステムは、動作を実行することによって、1つ以上のモーダル・アンテナを制御するように構成された1つ以上の制御デバイスを含むことができる。この動作には、複数のモードの内1つ以上のモードを、複数のクライアント・デバイスの中の各クライアント・デバイスと関連付ける動作を含むことができる。この動作には、少なくとも部分的に、複数のクライアント・デバイスと関連付けられた1つ以上のモードに基づいて、複数のクライアント・デバイスの中の各クライアント・デバイスを複数のグループの内1つ以上のグループに仕分ける動作を含むことができる。この動作には、複数のフレームにおける各フレームについて、通信のために複数のグループから選択するグループを決定し、複数のモードから、選択したグループとの通信のために選択するモードを決定し、1つ以上のモーダル・アンテナを選択したモードに設定し、そのフレームの間、1つ以上のクライアント・デバイスと、選択したモードで通信する動作を含むことができる。
【0006】
[0006] 本開示の他の態様例は、一地点対多地点通信システムにおける通信方法を対象とする。この方法は、1つ以上のモーダル・アンテナの複数のモードの内1つ以上のモードを、複数のクライアント・デバイスの中の各クライアント・デバイスと関連付けるステップを含む。複数のモーダル・アンテナの各々は、複数のモードで構成されるように動作可能である。複数のモードの各々は、別個の放射パターンを有することができる。この方法は、少なくとも部分的に、複数のクライアント・デバイスと関連付けられた1つ以上のモードに基づいて、複数のクライアント・デバイスの中の各クライアント・デバイスを、複数のグループの内1つ以上のグループに仕分けるステップを含む。この方法は、1つ以上のモーダル・アンテナを使用して、複数のフレームにわたって(over)時分割多元接続で、複数のクライアント・デバイスにデータを伝達するステップを含む。更に、複数のフレームの各々について、この方法は、複数のグループから、通信のために選択するグループを決定するステップを含む。この方法は、少なくとも部分的に複数のグループに基づいて、複数のモードから、モーダル・アンテナがそのフレームの間に通信するために選択するモードを決定するステップを含む。この方法は、そのフレームの間選択したモードで動作するように、1つ以上のモーダル・アンテナを設定するステップを含む。
【0007】
[0007] 本開示の更に他の態様例は、ワイヤレス・ネットワーク・アクセス・ポイントを対象とする。このワイヤレス・ネットワーク・アクセス・ポイントは、1つ以上のモーダル・アンテナを含む。1つ以上のモーダル・アンテナは、複数の異なるモードで動作可能である。複数のモードの各々は、別個の放射パターンと関連付けることができる。このワイヤレス・ネットワーク・アクセス・ポイントは、ワイヤレス通信媒体(a wireless a wireless communication medium)を通じて、モーダル・アンテナを介し、複数のフレームにわたって複数のグループのクライアント・デバイスと通信するように構成された送受信機を含む。このワイヤレス・ネットワーク・アクセス・ポイントは、フレーム毎、グループ毎、アンテナ毎にモーダル・アンテナを動作させるモードを選択することによって、1つ以上のモーダル・アンテナの動作を制御するように構成された1つ以上の制御デバイスを含む。
【0008】
[0008] 種々の実施形態のこれらおよびその他の特徴、態様、ならびに利点は、以下の説明および添付する請求項を参照することにより、一層深く理解されよう。添付図面は、本明細書に組み込まれその一部を構成する。これらの添付図面は、本開示の実施形態を、説明と共に例示し、関係する原理を説明する役割を果たす。
【0009】
[0009] 当業者を対象とした実施形態の詳細な説明を、添付する図を参照しながら、本明細書において明記する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施形態例による通信システム例を示す。
【
図2】本開示の実施形態例による、アクセス・ポイントから複数のクライアント・グループ・グループ(multiple group)に対する通信例のグラフ表現を示す。
【
図3】本開示の実施形態例によるアクセス・ポイント例の模式図を示す。
【
図4】本開示の実施形態例によるグループ・インデックス・データ例を示す。
【
図5】本開示の実施形態例によるアクセス・ポイント例の模式図を示す。
【
図6】本開示の実施形態例による、フレーム対フレーム通信(frame to frame communication)方法例の流れ図を示す。
【
図7】本開示の実施形態例にしたがって、グループ・インデックス・データを生成する方法例の流れ図を示す。
【
図8】本開示の実施形態例による通信システムのためのフレーム間訓練(interframe training)の例を示す。
【
図9】本開示の実施形態例によるフレーム内訓練の例を示す。
【
図10】本開示の実施形態例による、一地点対一地点通信のためのクライアント類別(client grouping)動作を実行する方法を示す。
【
図11】本開示の実施形態例によるマルチモード・アンテナを示す。
【
図12】本開示の実施形態例による、マルチモード・アンテナに伴う二次元放射パターンを示す。
【
図13】本開示の実施形態例によるマルチモード・アンテナの周波数プロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0023] これより実施形態について詳しく説明し、その1つ以上の例を図面に示す。各例を提示するのは、本開示の限定ではなく、実施形態の説明のためである。実際、本開示の範囲からも主旨からも逸脱せずに、実施形態に種々の変更および変形が可能であることは、当業者には明白であろう。実例をあげると、一実施形態の一部として例示または記載された特徴が、他の実施形態と共に使用されて、更に他の実施形態を生み出すことができる。つまり、本開示の態様はこのような変更および変形もその範囲内に含むことを意図している。
【0012】
[0024] 本開示の態様例は、ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)(例えば、WiFiネットワーク)または他の一地点対多地点ネットワークのような通信システムにおいて、一地点対多地点通信を改良するためのクライアント・デバイスの類別(grouping)を対象とする。一地点対多地点通信システムは、ワイヤレス通信媒体を通じて複数の異なるクライアント・デバイスと通信するように構成された基地局または端末を含むことができる。実例をあげると、基地局は、1つ以上のスマートフォン、タブレット、デスクトップ、ラップトップ、プリンタ、もののインターネット・デバイス、スマートTV、および他の電子デバイスというような、複数の電子デバイスのためにWLANアクセス・ポイントとして役割を果たすワイヤレス・ルータとすることができる。
【0013】
[0025] 基地局は、1つ以上のモーダル・アンテナを使用して、ワイヤレス通信媒体を通じてクライアント・デバイスと通信するように構成することができる。モーダル・アンテナ(1つまたは複数)は、複数の異なるモードに設定することができる。各モードは、別個の放射パターン特性(例えば、別個の偏波および/または別個の放射パターン)と関連付けることができる。ある実施形態では、モーダル・アンテナは、放射エレメントとは別個の1つ以上の寄生エレメントを含むことができる。1つ以上の寄生エレメントは、放射エレメントに近接して位置付けることができる。1つ以上の能動エレメント(例えば、スイッチ等)を制御して、放射エレメントに近接する1つ以上の寄生エレメントの電気特性を調節し、モーダル・アンテナを複数の異なるモードの中の1つに設定することができる。モーダル・アンテナの例については、
図11~
図13を参照しながら更に詳しく論ずる。このように、モーダル・アンテナ(1つまたは複数)は、実例をあげると、意図するRF通信利得の方向に放射ローブを向ける(point)、および/またはヌルを所望の位置に向ける(例えば、干渉を軽減するため)ように、制御することができる。本明細書において使用する場合、モーダル・アンテナとは、複数の異なるモードに設定可能にすることができ、各モードが別個の放射パターン特性と関連付けられる、任意のアンテナ(1つまたは複数)を指す。
【0014】
[0026] ある実施形態例では、複数のクライアント・デバイスを複数のクライアント・デバイス・グループの内1つ以上のグループに仕分けることができる。クライアント・デバイスは、少なくとも部分的に、複数のクライアント・デバイスの中の各クライアント・デバイスと関連付けられた1つ以上のモードに基づいて、グループにおける各クライアント・デバイスが同じアンテナ・モードと関連付けられるように、グループに仕分けることができる。クライアント・デバイスのグループは、1つ以上のクライアント・デバイスを含むことができる。クライアント・デバイスは、1つ以上のグループのメンバーになることができる。例えば、クライアント・デバイスAおよびクライアント・デバイスBは、双方共モーダル・アンテナのモード1と関連付けられてもよく、一方クライアント・デバイスCはモーダル・アンテナのモード2と関連付けられてもよい。クライアント・デバイスAおよびBは、一緒にグループ1に類別することができ、一方クライアント・デバイスCはグループ2に類別することができる。他の例をあげると、クライアント・デバイスAはモーダル・アンテナのモード1と関連付けられてもよく、クライアント・デバイスBはモーダル・アンテナのモード1および2と関連付けられてもよく、クライアント・デバイスCはモーダル・アンテナのモード2と関連付けられてもよい。クライアント・デバイスAは、クライアント・デバイスBと共にグループ1に類別することができ、一方クライアント・デバイスCはクライアント・デバイスBと共にグループ2に類別することができ、クライアント・デバイスBに2つのグループのメンバーシップを与える。
【0015】
[0027] ある実施形態では、複数のクライアント・デバイスを1つ以上のグループに仕分ける動作は、1つ以上のグループにおけるグループ・メンバーシップを示すデータを、複数のクライアント・デバイスの中の各クライアント・デバイスに伝える動作を含むことができる。各クライアント・デバイスは、通信システムと通信して、1つ以上のグループにおけるそれらのメンバーシップを示すデータを受信することができる。このデータは、更に、1つ以上のグループと関連付けられた1つ以上のモードも示すことができる。
【0016】
[0028] ある実施形態例では、少なくとも部分的に、グループのメンバーである1つ以上のクライアント・デバイスに基づいて、そのグループを1つ以上のモードと関連付けることができる。例えば、クライアント・デバイスAおよびBを含むグループ1をモーダル・アンテナのモード1と関連付けるのでもよく、一方クライアント・デバイスCを含むグループ2を、モーダル・アンテナのモード2、3、および4と関連付けるのでもよい。他の例をあげると、クライアント・デバイスAおよびBを含むグループ1をモーダル・アンテナのモード1および2と関連付けるのでもよく、一方クライアント・デバイスCを含むグループ2を、モーダル・アンテナのモード2および3と関連付けるのでもよい。
【0017】
[0029] ある実施形態例では、基地局は、時分割多元接続方式を使用して、クライアント・デバイスの1つ以上のグループと通信するように構成することができる。時分割多元接続方式は、異なるクライアント・グループ毎の送信および受信フレームを、同じ周波数帯域または複数の周波数帯域上の異なるタイム・スロットに割り当てることができる。本開示の態様例によれば、フレーム毎、グループ毎(例えば、フレーム毎、グループ毎、アンテナ毎)にモーダル・アンテナを構成することによって、基地局と複数のクライアント・デバイスの異なるグループとの間のワイヤレス通信における信号品質を高め、クライアント・デバイスの各グループに高い信号品質を提供するように、1つ以上のモーダル・アンテナを動作させることができる。本開示の範囲から逸脱することなく、基地局は他の多元接続方式または通信方式を使用して通信するように構成することができる。
【0018】
[0030] ある実施態様では、フレーム毎に、モーダル・アンテナの動作を制御するように構成された1つ以上の制御デバイスは、基地局がそのフレームの間に通信するクライアント・デバイスのグループを識別することができる。クライアント・デバイスのグループに基づいて、1つ以上の制御デバイスは、モーダル・アンテナ(1つまたは複数)の動作に対して、複数のモードから1つのモードを選択することができる。実例をあげると、そのモードにおけるクライアント・デバイスのグループの中の各クライアント・デバイスに対する通信と関連付けられたチャネル品質指標(CQI)に基づいて、モードを選択することができる。チャネル品質指標(CQI)は、複数のクライアント・デバイスの中の各クライアント・デバイスと通信するための1つ以上の最良モードを判定するために使用することができる。モードの選択は、チャネル品質を高めるため、および/またはそのフレームの間におけるクライアント・デバイスのグループにとってのチャネル品質を最適化するために行うことができる。
【0019】
[0031] 本明細書において使用する場合、フレームとは、通信方式における時間の分割を表す。基地局は、ワイヤレス通信媒体を通じて、1フレームの間クライアント・デバイスの1つ以上のグループと通信することができる。実例をあげると、基地局は、受信フレームにおいて、クライアント・デバイスのグループ(1つまたは複数)から受信することができる。基地局は、送信フレームにおいて、クライアント・デバイスのグループ(1つまたは複数)に送信することができる。
【0020】
[0032] アンテナ・モード選択に使用することができるCQIの例には、実例をあげると、信号対ノイズ比(SNR)、信号対干渉+ノイズ比(SINR)、受信信号強度指標(RSSI)、ビット・エラー率(BER)、強度誤差比(MER:magnitude error ratio)、誤差ベクトル強度(EVM:error vector magnitude)、ブロック・エラー率(BLER:block error rate)、パケット・エラー率(PER)、以上のものの組み合わせ、および/または種々の他のメトリックを含むことができる。CQIは、基地局とクライアント・デバイスのグループとの間におけるアップリンク信号品質を特徴付けるため、および/または基地局とクライアント・デバイスのグループとの間におけるダウンリンク信号品質を特徴付けるために使用することができる。
【0021】
[0033] 一実施態様例では、フレームに対して選択されるモーダル・アンテナ(1つまたは複数)のモードは、グループ・インデックス・データを使用して決定することができる。グループ・インデックス・データは、少なくとも部分的に、各クライアント・デバイスと通信するために1つ以上の最良モードを示すチャネル品質指標(CQI)に基づいて、複数のクライアント・デバイスの中の各クライアント・デバイスを1つ以上のグループと関連付けるデータを含むことができる。グループ・インデックス・データは、更に、各グループの各メンバーと関連付けられた1つ以上の最良モードに基づいて、1つ以上のモードを各グループと関連付けることができる。実例をあげると、グループ・インデックス・データは、モーダル・アンテナ(1つまたは複数)の1つ以上の最良モード(例えば、CQIメトリックが最も高いおよび/または2番目に高いモード)をクライアント・デバイスの特定のグループと相関付けることができる。グループ・インデックス・データは、1つ以上のメモリ・デバイスに格納および/または実装することができる。グループ・インデックス・データは、参照テーブル、行列、データ構造、関数、アルゴリズム、またはモーダル・アンテナの1つ以上の特定のモードをクライアント・デバイスのグループに相関付ける他の実施態様として、実装することができる。
【0022】
[0034] ある実施形態では、グループ・インデックス・データは、通信システムを訓練モードで動作させることによって生成することができる。訓練モードの間、システムは、複数の異なるモードの各々で動作するように、モーダル・アンテナ(1つまたは複数)を制御する。各モードで動作している間に、システムは各クライアント・デバイスと通信するためにCQI(1つまたは複数)を入手する。CQI(1つまたは複数)を分析すると、信号品質を向上させるために特定のクライアント・デバイスと通信するのに望ましい1つ以上のモード(例えば、1つ以上の最良のまたはほぼ最適なモード)はどれか決定することができる。これら1つ以上のモードを各クライアント・デバイスと関連付けることができる。システムは、少なくとも部分的に、各クライアント・デバイスと関連付けられた1つ以上のモードに基づいて、クライアント・デバイスを1つ以上のグループに仕分けることができる。例えば、少なくとも部分的に、クライアント・デバイスA、B、およびCが各々モーダル・アンテナのモード1および2と関連付けられていることに基づいて、クライアント・デバイスA、B、およびCをグループ1に仕分けるのでもよい。
【0023】
[0035] ある実施形態では、システムは、少なくとも部分的に、グループのメンバーである各クライアント・デバイスと関連付けられた1つ以上のモードに基づいて、1つ以上のモードを複数のグループの中の各グループと関連付けることができる。例えば、1つのグループがクライアント・デバイスA、B、およびCを含む(contain)ことができ、これら3つのデバイスの各々が、モーダル・アンテナのモード1および2に関連付けられている。このグループは、少なくとも部分的に、モード1および2と関連付けられているこのグループの各メンバーに基づいて、モード1および2と関連付けることができる。
【0024】
[0036] 種々の異なるトリガ条件の発生時に、訓練モードを実施することができる。実例をあげると、トリガ条件を通信システムの起動(startup)または設定(set up)と関連付けることができる。他の例として、トリガ条件はある時間期間の経過とすることもできる。このように、システムは、規則的な時間間隔および/または不規則な時間間隔で訓練モードを実施することができる。
【0025】
[0037] ある実施形態では、トリガ条件はCQIの変化に基づくこと、または使用条件に基づくことができる。実例をあげると、システムは、クライアント・デバイスの特定のグループと通信することと関連付けられたCQIが閾値量だけ変化したときに、訓練モードを実施することができる。他の例として、システムは、あるグループと関連付けられた位置が閾値量だけ移動したとき(例えば、実例をあげると、信号強度、測位システムからのデータなどから判定される)、訓練モードを実施することができる。ある実施形態では、新たなクライアント・デバイスがグループに加入したとき、および/またはクライアント・デバイスの新たなグループが通信システムに加入したときに、訓練モードを実施することができる。
【0026】
[0038] 特定的な一例では、基地局とクライアント・デバイスとの間で通信するために複数のフレームに跨がって発生するフレーム間訓練モードとして、訓練モードを実施することができる。フレーム間訓練モードの間、モーダル・アンテナを複数のモードの各々で動作させながらCQIを得るために、フレームが使用される。このCQIを分析すると、クライアント・デバイスの特定のグループと通信するために最適なCQIまたは高い(improved)CQIを提供するのは、どのモードか決定することができる。決定されたモードは、グループ・インデックス・データにおいて、クライアント・デバイスのグループと関連付けることができる。訓練モードは、受信フレームを使用して、送信フレームの間信号品質を高めて維持するために実施することができる。
【0027】
[0039] 他の特定例では、訓練モードをフレーム内訓練モードとして実施することができる。フレーム内訓練モードの間、1つの受信フレーム内において複数のモードに対するCQIを得ることができる。
【0028】
[0040] 本開示の態様例による通信システムおよび方法は、多数の技術的効果および利点を提供することができる。実例をあげると、複数のクライアント・デバイスをクライアント・デバイスの1つ以上のグループに類別することによって、アンテナ・モード間で切り替える必要なく、モーダル・アンテナ(1つまたは複数)の同じモードを使用して同時にそして一層効率的に通信することができるクライアント・デバイスの数を増やすことができる(例えば、高いチャネル品質を提供するため)。
【0029】
[0041]
図1は、本開示の実施形態例によるクライアント類別および通信システムの一例100を示す。通信システム100は、基地局110を含む。ある実施形態では、基地局110は、WiFiネットワークのような、ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)のアクセス・ポイントにすることができる。本開示の態様について、例示および論述の目的に限って、WiFiネットワークのようなWLANを参照しながら論ずる。尚、本明細書において提供する開示を使用すれば、一地点対多地点通信システムは、本開示の範囲から逸脱することなく、他のインフラストラクチャ/通信システム(例えば、セルラ等)においても実施できることが、当業者には理解されよう。
【0030】
[0042] 基地局100は、複数のクライアント・デバイス128、130、132、134、136、138、140、142、144、および146とワイヤレス通信する。複数のクライアント・デバイスには、実例をあげると、1つ以上のスマートフォン、タブレット、ラップトップ、デスクトップ、ウェアラブル・デバイス、プリンタ、もののインターネット・デバイス、アプライアンス、または他の電子デバイスを含むことができる。各クライアント・デバイスは、クライアント・デバイスの1つ以上のグループ126a、126b、126c、および126dのメンバーになることができる。例えば、クライアント・デバイス128はグループ126aのメンバーである。他の例をあげると、クライアント・デバイス130、132、および134はグループ126bのメンバーである。クライアント・デバイスは、複数のグループのメンバーになることができる。例えば、クライアント・デバイス140は、グループ126cおよび126dのメンバーである。基地局110は、ワイヤレス通信媒体を通じて、ワイヤレス通信プロトコルを使用して、複数のクライアント・デバイスのグループ126a、126b、126c、および126dと通信することができる。プロトコルの一例には、WiFiネットワークと関連付けられたIEEE802.11プロトコルの中のいずれかを含むことができる。
【0031】
[0043] 10台のクライアント・デバイス128、130、132、134、136、138、140、142、144、および146が、例示のみを目的として、
図1に示されている。本開示の範囲から逸脱することなく、通信システムには任意の数のクライアント・デバイスを含めることができる。
【0032】
[0044] 4つのクライアント・デバイスのグループ126a、126b、126c、126dが、例示の目的で、
図1に示されている。本開示の範囲から逸脱することなく、通信システムには任意の数のクライアント・デバイスのグループを含めることができる。
【0033】
[0045] 基地局110は、グループ126a、126b、126c、および126dと通信するために、1つ以上のモーダル・アンテナを含むことができる。
図1の例では、基地局110は第1モーダル・アンテナ112および第2モーダル・アンテナ114を含む。本開示の範囲から逸脱することなく、基地局はもっと多いアンテナまたはもっと少ないアンテナを含むことができる。
【0034】
[0046] モーダル・アンテナ112および114は、複数の異なるモードで動作させるように設定することができる。各モードを異なる放射パターンと関連付けることができる。実例をあげると、第1モーダル・アンテナ112は、放射パターン122aを付与するために、第1モードで動作させることができる。第1モーダル・アンテナ112は、放射パターン122bを付与するために、第2モードで動作させることができる。第1モーダル・アンテナ112は、放射パターン122cを付与するために、第3モードで動作させることができる。第1モーダル・アンテナ112は、放射パターン122dを付与するために、第4モードで動作させることができる。
【0035】
[0047] 同様に、第2モーダル・アンテナ114は、放射パターン124aを付与するために、第1モードで動作させることができる。第2モーダル・アンテナ114は、放射パターン124bを付与するために、第2モードで動作させることができる。第2モーダル・アンテナ114は、放射パターン124cを付与するために、第3モードで動作させることができる。第2モーダル・アンテナ114は、放射パターン124dを付与するために、第4モードで動作させることができる。
【0036】
[0048] 例示および論述の目的に限って、4つのモードで動作するように構成されたモーダル・アンテナを参照しながら、本開示の態様について論ずる。尚、本明細書において提供する開示を使用すれば、本明細書において論ずるモーダル・アンテナはいずれも、本開示の範囲から逸脱することなく、もっと多いモードまたはもっと少ないモードで動作させることができることが、当業者には理解されよう。
【0037】
[0049] ある実施形態では、第1モーダル・アンテナ112および/または第2モーダル・アンテナ114は、能動放射エレメントと1つ以上の寄生エレメントとを含むことができる。能動放射エレメントは、1つ以上寄生エレメントに近接して位置付けることができる。能動放射エレメントは、近接して位置付けられた寄生エレメントを選択的に接地に結合し、またそうでなければ寄生エレメントと関連付けられた電気特性を調節し、能動放射エレメントによって付与される放射パターンを調節して、モーダル・アンテナを複数の異なるモードの中の1つで動作させるように設定することができる。モーダル・アンテナの例について、
図11~
図13を参照しながら更に詳しく論ずる。
【0038】
[0050] 一例として、基地局110は、グループ126a、126b、126c、および126dの内1つ以上と、時分割多元接続で通信するように構成することができる。時分割多元接続方式は、同じ周波数帯域上の異なるタイム・スロットに、異なるグループのための送信および受信フレームを割り当てることができる。周波数帯域の例には、実例を上げると、2.4GHz、3.6GHz、および5GHz帯域のような、IEEE802.11通信と関連付けられた周波数帯域を含むことができる。本開示の範囲から逸脱することなく、他の周波数帯域を使用することもできる。
【0039】
[0051] 本開示の態様例は、フレーム毎、グループ毎、アンテナ毎に信号品質を高めるために、マルチモード・アンテナ112および114の内1つ以上を構成することを対象とする。更に特定すれば、フレーム毎に、マルチモード・アンテナ112および114の内1つ以上を、選択したモードで動作させて、グループ126a、126b、126c、および126dの内1つ以上との通信を改良することができる。次のフレームの間に異なるグループと通信するとき、この異なるグループにとっての信号品質を高めるために、マルチモード・アンテナ112および114の内1つ以上を異なるモードに設定することができる。
【0040】
[0052]
図2は、本開示の実施形態例による、アクセス・ポイントからクライアント・デバイスの複数のグループに対する通信例のグラフ表現200を示す。
図2は、横軸に沿って時間を表し、縦軸に沿って周波数帯域を表す。図示のように、基地局は、時分割多元接続で、4つの異なるクライアント・デバイスのグループ(例えば、グループA、グループB、グループC、およびグループD)と通信する。更に特定すると、時間を複数のフレームに再分割することができる。各フレームの間、基地局は複数のグループ(例えば、1つ以上のクライアント・デバイスを含む)の中の1つと同じ周波数帯域上で通信する(例えば、送信または受信)することができる。例えば、
図2に示すように、基地局はフレーム0の間グループAと通信する。基地局は、フレーム1の間、グループBと通信する。基地局は、フレーム2の間、グループCと通信する。基地局は、フレーム3の間、グループDと通信する。
【0041】
[0053] 基地局が通信するグループに応じて、異なるフレームにおいて、2つのモーダル・アンテナを異なるモードに設定することができる。1つのフレームにおいて、2つ以上のモーダル・アンテナは同じモードを利用して、グループ内にある複数のクライアント・デバイスと通信することができる。アンテナのモードは、x:yという表記を使用して指定する。xはアンテナを表し、yはアンテナのモードを表す。
【0042】
[0054] 更に特定すると、グループAと通信するフレーム0の間、モーダル・アンテナ0をモード1に構成し、モーダル・アンテナ1をモード1に設定する。グループBと通信するフレーム1の間、モーダル・アンテナ0をモード3に構成し、モーダル・アンテナ1をモード3に設定する。グループCと通信するフレーム2の間、モーダル・アンテナ0をモード0に構成し、モーダル・アンテナ1をモード0に設定する。グループDと通信するフレーム3の間、モーダル・アンテナ0をモード2に設定することができ、モーダル・アンテナ1をモード2に設定することができる。このように、通信システムは複数のモーダル・アンテナを使用し、各モーダル・アンテナが同じモードを使用して、1つのフレームの間に1つのグループ内にある複数のクライアント・デバイスと通信することができる。
【0043】
[0055]
図2は、例示および論述の目的に限って、時分割多元接続方式を使用する通信を示す。本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の態様例は、他の多元接続方式または通信方式と共に使用することができる。
【0044】
[0056]
図3は、本開示の実施形態例による基地局例110の模式図を示す。基地局110は、RF回路220(例えば、送受信機、フロント・エンド・モジュール等)を含む。RF回路220は、伝送線を通じてRF信号をモーダル・アンテナ112、114、116等に伝達するように構成することができる。本開示の範囲から逸脱することなく、もっと多いモーダル・アンテナまたは少ないモーダル・アンテナを基地局110において使用することができる。
【0045】
[0057] RF回路220は、1つ以上のアンテナ112、114、および116を介した通信のために、情報をRF信号にエンコードすることができる。RF回路220は、実例をあげると、時分割多元接続によるフレームの通信を制御するように構成された1つ以上の多重化回路を含むことができる。RF回路220は、1つ以上の送受信機、インピーダンス整合回路、ロー・ノイズ増幅器、電力増幅器等というような、アンテナ112、114、および116によって伝達されるRF信号を調整する(conditioning)ための他のコンポーネントも含むことができる。
【0046】
[0058] 図示のように、基地局110は、1つ以上の制御デバイス210を含む。制御デバイス(1つまたは複数)210は、基地局110のコンポーネントの動作を制御することができるデバイスであれば、いずれでもよい。実例をあげると、制御デバイス(1つまたは複数)には、1つ以上のプロセッサ(例えば、ホスト・プロセッサ、ベースバンド・プロセッサ等)を含むことができる。ある実施形態では、制御デバイス(1つまたは複数)は、本明細書において開示する動作のいずれかのような動作を制御デバイス(1つまたは複数)に実行させるために、メモリに格納されているコンピュータ読み取り可能命令を実行することができる。
【0047】
[0059] 制御デバイス(1つまたは複数)210は、1本以上の制御線215を通じて制御信号をアンテナ構成モジュール212、214、および216に送ることによって、モーダル・アンテナを制御することができる。アンテナ構成モジュール212は、実例をあげると、RFスイッチ(1つまたは複数)、MEMスイッチ(1つまたは複数)、調整可能な(tunable)キャパシタ(1つまたは複数)、調整可能なインダクタ(1つまたは複数)、PINダイオード(1つまたは複数)、以上の組み合わせ、または他の適したコンポーネントを含むことができる。アンテナ構成モジュール212は、モーダル・アンテナ112を含むことができ、および/または制御線(1本または複数)215を通じて制御デバイス(1つまたは複数)210から受信した制御信号(1つまたは複数)に基づいて、アンテナ112を複数の異なるモードの中の1つに設定するように、モーダル・アンテナ112を制御することができる。アンテナ構成モジュール214は、モーダル・アンテナ114を含むことができ、および/または制御線(1本または複数)215を通じて制御デバイス(1つまたは複数)210から受信した制御信号(1つまたは複数)に基づいて、アンテナ114を複数の異なるモードの中の1つに設定するように、モーダル・アンテナ114を制御することができる。アンテナ構成モジュール216は、モーダル・アンテナ116を含むことができ、および/または制御線(1本または複数)215を通じて制御デバイス(1つまたは複数)210から受信した制御信号(1つまたは複数)に基づいてアンテナ116を複数の異なるモードの中の1つに設定するように、モーダル・アンテナ116を制御することができる。
【0048】
[0060] 制御デバイス(1つまたは複数)210は、制御ルーチン230(例えば、アルゴリズム)を実行することができる。制御ルーチン230は、フレーム毎、グループ毎、アンテナ毎に、モーダル・アンテナ112、114、116の1つ以上のモードの中から、クライアント・デバイスのグループ(1つまたは複数)に対する通信にとっての信号品質を高めるモードを構成する。実例をあげると、第1グループと通信する第1フレームの間、制御デバイス(1つまたは複数)210は、モーダル・アンテナ(1つまたは複数)112、114、116の内1つ以上を第1組のモードで動作させるように設定することができる。第2グループと通信する第2フレームの間、制御デバイス(1つまたは複数)210は、モーダル・アンテナ(1つまたは複数)112、114、116の内1つ以上を第2組のモードで動作させるように設定することができる。
【0049】
[0061] 制御ルーチン230は、そのフレームの間におけるクライアント・デバイスのグループとの通信の信号品質を高める、および/または信号品質を最適化するために、1つ以上のアンテナ112、114、116を動作させる1組のモードを選択することができる。ある実施形態では、制御ルーチン230は、信号品質を高めるために、そのフレームの間複数のクライアント・デバイスの中の各クライアント・デバイスと通信することと関連付けられたCQI(1つまたは複数)に基づいて、1組のモードを選択することができる。1つ以上のモードは、少なくとも部分的にCQI(1つまたは複数)に基づいて、クライアント・デバイスの各グループと関連付けることができる。CQI(1つまたは複数)は、実例をあげると、信号対ノイズ比(SNR)、信号対干渉+ノイズ比(SINR)、受信信号強度指標(RSSI)、ビット・エラー率(BER)、強度誤差比(MER)、誤差ベクトル強度(EVM)、ブロック・エラー率(BLER)、パケット・エラー率(PER)、以上のものの組み合わせ、および/または種々の他のメトリックの内1つ以上を含むことができる。
【0050】
[0062] ある実施形態では、制御ルーチン230は、グループ・インデックス・データ240に基づいて、そのフレームの間におけるクライアント・デバイスのグループとの通信の信号品質を高めるため、および/または信号品質を最適化するために、1つ以上のアンテナ112、114、116を動作させる1組のモードを選択することができる。制御ルーチン230は、各クライアント・デバイスと関連付けられたモードに基づいて、各クライアント・デバイスをグループに仕分けることができる。グループ・インデックス・データは、モーダル・アンテナ112、114,および116に対する特定のモードを特定のクライアント・デバイスのグループに関連付けるデータを含むことができる。例えば、制御ルーチン230は3つのクライアント・デバイスをグループ1に仕分けることができる。グループ・インデックス・データ240は、モーダル・アンテナ(1つまたは複数)の1つ以上の最適なモード(例えば、最高またはほぼ最高のCQIメトリックを有する1つ以上のモード)をグループ1と相関付けることができる。グループ・インデックス・データは、1つ以上のメモリ・デバイスに格納および/または実装することができる。グループ・インデックス・データは、参照テーブル、行列、データ構造、関数、アルゴリズム、またはモーダル・アンテナの1つ以上の特定のモードをクライアント・デバイスのグループに相関付ける他の実施態様として実装することができる。
【0051】
[0063] グループ・インデックス・データ例240の表現を
図4に示す。図示のように、グループ・インデックス・データ例240は、アンテナ0、1、2、および3のモードをグループA、B、C、およびDと関連付ける。グループA、B、C、およびDは、実例をあげると、
図1のグループ126a、126b、126c、および126dとすることができる。1フレームの間、制御デバイス(1つまたは複数)210(
図3)は、(RF回路からの信号に基づいて)特定の通信パケットがグループA、B、C、およびDの中の1つと関連付けられていると判定することができる。このフレームの間に、制御デバイス(1つまたは複数)210は、グループ・インデックス・データ240にアクセスして、モーダル・アンテナ(1つまたは複数)0、1、2、および3の内1つ以上を動作させるモードを決定することができる。制御デバイス(1つまたは複数)210は、アンテナ(1つまたは複数)210の内1つ以上を、そのフレームの間、決定されたモードに制御することができる。制御デバイス(1つまたは複数)210によって制御されるアンテナの数は、グループにおけるクライアント・デバイスの数に基づくことができる。このプロセスは、フレーム毎に繰り返すことができる。
【0052】
[0064] 実例として、
図4のグループ・インデックス・データ例を使用すると、グループAとの通信の第1フレームの間、アンテナ0、1、2、および3の内1つ以上を次のように構成することができる。アンテナ0をモード0に、アンテナ1をモード0に、アンテナ2をモード0に、アンテナ3をモード0に設定する。グループBとの通信の第2フレームの間、アンテナ0、1、2、および3の内1つ以上を次のように構成することができる。アンテナ0をモード3に、アンテナ1をモード3に、アンテナ2をモード3に、アンテナ3をモード3に設定する。グループCとの通信の第3フレームの間、アンテナ0、1、2、および3の内1つ以上を次のように構成することができる。アンテナ0をモード2に、アンテナ1をモード2に、アンテナ2をモード2に、アンテナ3をモード2に設定する。グループDとの通信の第4フレームの間、アンテナ0、1、2、および3の内1つ以上を次のように構成することができる。アンテナ0をモード1に、アンテナ1をモード1に、アンテナ2をモード1に、アンテナ3をモード1に設定する。このように、通信システムは、特定のモードと関連付けられたグループ内にある複数のクライアント・デバイスと通信することができる。
【0053】
[0065] グループ・インデックス・データ240は、CQIに基づくことができる。実例をあげると、複数のクライアント・デバイスの中の各クライアント・デバイスとの通信と関連付けられたCQIに基づいて、各グループと関連付けられたモードをグループ・インデックス・データ240に決定することができる。グループ・インデックス・データ240を訓練/生成する方法例については、以下で詳しく論ずる。
【0054】
[0066]
図5は、本開示の実施形態例による他の基地局例110の模式図を示す。基地局110は、RF回路220(例えば、送受信機、フロント・エンド・モジュール等)を含む。RF回路220は、伝送線を通じてRF信号をモーダル・アンテナ112、114、116等に伝達するように構成することができる。本開示の範囲から逸脱することなく、もっと多いモーダル・アンテナまたはもっと少ないモーダル・アンテナを基地局110において使用することもできる。
【0055】
[0067] RF回路220は、1つ以上のアンテナ112、114、および116を介した通信のために、情報をRF信号にエンコードすることができる。RF回路220は、実例をあげると、時分割多元接続によるフレームの通信を制御するように構成された1つ以上の多重化回路を含むことができる。RF回路220は、1つ以上の送受信機、インピーダンス整合回路、ロー・ノイズ増幅器、電力増幅器等というような、アンテナ112、114、および116によって伝達されるRF信号を調整するための他のコンポーネントも含むことができる。
【0056】
[0068] 図示のように、基地局110は1つ以上の制御デバイス(1つまたは複数)210および260を含む。この例では、制御デバイス(1つまたは複数)210は、基地局110のコンポーネントの動作を制御することができるデバイスであればいずれでもよい。実例をあげると、制御デバイス(1つまたは複数)は、1つ以上のプロセッサ(例えば、ホスト・プロセッサ、ベースバンド・プロセッサ等)を含むことができる。制御デバイス(1つまたは複数)260はアンテナ・コントローラを含むことができる。アンテナ・コントローラは、制御デバイス(1つまたは複数)210(例えば、ホスト・プロセッサ)および/またはRF回路220からの信号/情報に基づいて、モーダル・アンテナ(1つまたは複数)112、114、および116の動作を制御することができる。
【0057】
[0069] ある実施形態では、制御デバイス(1つまたは複数)210および260は、本明細書において開示する動作のいずれかというような動作を制御デバイス(1つまたは複数)210および260に実行させるためにメモリに格納されているコンピュータ読み取り可能命令を実行することができる。
【0058】
[0070]
図5の例では、制御デバイス(1つまたは複数)260は、RF信号をアンテナ112、114、および116に供給するために、制御信号を伝送線上に変調することによって、モーダル・アンテナ112、114、および116を制御することができる。例えば、制御デバイス(1つまたは複数)260は、バイアスT回路272を介してアンテナ構成モジュール212を制御するために、種々の変調技法(例えば、振幅偏倚変調等)を使用して、制御信号を伝送線262(例えば、同軸伝送線)上に変調することができる。制御デバイス(1つまたは複数)260は、バイアスT回路274を介してアンテナ構成モジュール214を制御するために、種々の変調技法(例えば、振幅偏倚変調等)を使用して、制御信号を伝送線264(例えば、同軸伝送線)上に変調することができる。制御デバイス(1つまたは複数)260は、バイアスT回路276を介してアンテナ構成モジュール216を制御するために、種々の変調技法(例えば、振幅偏倚変調等)を使用して、制御信号を伝送線266(例えば、同軸伝送線)上に変調することができる。
【0059】
[0071] アンテナ構成モジュール212は、モーダル・アンテナ112と関連付けられた1つ以上の能動エレメントを含むことができ、および/または伝送線262を通じて受信した制御信号(1つまたは複数)に基づいてアンテナ112を複数の異なるモードの中の1つに設定するように、1つ以上の能動エレメントを制御することができる。アンテナ構成モジュール214は、モーダル・アンテナ114と関連付けられた1つ以上の能動エレメントを含むことができ、および/または伝送線264を通じて受信した制御信号(1つまたは複数)に基づいてアンテナ114を複数の異なるモードの中の1つに設定するように、1つ以上の能動エレメントを制御することができる。アンテナ構成モジュール216は、モーダル・アンテナ116と関連付けられた1つ以上の能動エレメントを含むことができ、および/または伝送線266を通じて受信した制御信号(1つまたは複数)に基づいてアンテナ116を複数の異なるモードの中の1つに設定するように、1つ以上の能動エレメントを制御することができる。
【0060】
[0072] 制御デバイス(1つまたは複数)260は、制御ルーチン230(例えば、アルゴリズム)を実行することができる。制御ルーチン230は、クライアント・デバイス(1つまたは複数)に対する通信にとっての信号品質を高めるために、フレーム毎、グループ毎、アンテナ毎に、モーダル・アンテナ112、114、116の内1つ以上のモードを構成する。実例をあげると、第1グループと通信する第1フレームの間、制御デバイス(1つまたは複数)210は、モーダル・アンテナ(1つまたは複数)112、114、116の内1つ以上を第1組のモードで動作させるように設定することができる。第2グループと通信する第2フレームの間、制御デバイス(1つまたは複数)210は、モーダル・アンテナ(1つまたは複数)112、114、116の内1つ以上を第2組のモードで動作させるように設定することができる。
【0061】
[0073] 制御ルーチン230は、そのフレームの間クライアント・デバイスのグループとの通信の信号品質を高める、および/または信号品質を最適化するために、1つ以上のアンテナ112、114、116を動作させる1組のモードを選択することができる。ある実施形態では、制御ルーチン230は、信号品質を高めるために、そのフレームの間クライアント・デバイスのグループとの通信と関連付けられたCQI(1つまたは複数)に基づいて、1組のモードを選択することができる。 CQI(1つまたは複数)には、実例をあげると、信号対ノイズ比(SNR)、信号対干渉+ノイズ比(SINR)、受信信号強度指標(RSSI)、ビット・エラー率(BER)、強度誤差比(MER)、誤差ベクトル強度(EVM)、ブロック・エラー率(BLER)、パケット・エラー率(PER)、以上のものの組み合わせ、および/または種々の他のメトリックの内少なくとも1つを含むことができる。
【0062】
[0074] ある実施形態では、制御ルーチン230は、グループ・インデックス・データ240に基づいて、そのフレームの間クライアント・デバイスのグループとの通信の信号品質を高めるため、および/または信号品質を最適化するために、1つ以上のアンテナ112、114、116を動作させる1組のモードを選択することができる。グループ・インデックス・データ240は、モーダル・アンテナ112、114、および116の1つ以上のモードを特定のグループに関連付けるデータを含むことができる。実例をあげると、グループ・インデックス・データ240はモーダル・アンテナ(1つまたは複数)の1つ以上の最適なモード(例えば、CQIメトリックが最も高いおよび/またはほぼ最も高いモード)を、クライアント・デバイスのグループと相関付けることができる。グループ・インデックス・データは、1つ以上のメモリ・デバイスに格納および/または実装することができる。グループ・インデックス・データは、参照テーブル、行列、データ構造、関数、アルゴリズム、またはモーダル・アンテナの1つ以上のモードをグループに相関付ける他の実施態様として実装することができる。
【0063】
[0075] グループ・インデックス・データ240の例を
図4に示す。グループ・インデックス・データ240は、CQIに基づくことができる。実例をあげると、各グループと関連付けられたモードは、複数のクライアント・デバイスの中の各クライアント・デバイスと通信することに関連付けられたCQI(1つまたは複数)に基づいて、グループ・インデックス・データ240に対して決定することができる。グループ・インデックス・データ240を訓練/生成する方法例については、以下で詳しく論ずる。
【0064】
[0076]
図6は、本開示の実施形態例によるフレーム対フレーム通信(frame to frame communication)のための方法例(300)の流れ図を示す。方法(300)は、実例をあげると、本明細書において論じた通信システムまたはその通信システムのコンポーネント(例えば、基地局)のいずれを使用しても、実装することができる。方法(300)は、例示および論述の目的に限って、特定の順序で実行されるステップを示す。尚、本明細書において提供する開示を使用すれば、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書において論ずる方法はいずれも、その種々のステップを改変する、修正する、同時に実行する、並び替える、図示されていないステップを含む、および/または種々の方法で拡張できることは、当業者には理解されよう。
【0065】
[0077] (302)において、この方法は新たなフレームを開始するステップを含む。実例をあげると、グループAに送信するために第1フレームを使用することができる。グループAから受信するために、第2フレームを使用することができる。グループBに送信するために、第3フレームを使用することができる。グループBから受信するために第4フレームを使用することができる、等である。フレームは、任意の適した長さを有することができる。フレームが変化するのは、送信から受信に調節する(adjust)ときである。フレームが変化するのは、異なるクライアント・デバイスと通信するときである。本開示の態様によれば、そして
図6に示すように、方法(300)は、フレームに基づいて(on a per frame basis)(例えば、フレーム毎に)実施することができる。
【0066】
[0078] (304)において、この方法は、そのフレームの間基地局が通信するクライアント・デバイスのグループを決定するステップを含む。これは、実例をあげると、送受信機のようなRF回路からの信号に基づいて、1つ以上の制御データによって決定することができる。
【0067】
[0079] (306)において、この方法は、実例をあげると、メモリからグループ・インデックス・データにアクセスするステップを含む。先に説明したように、グループ・インデックス・データは、1つ以上のモーダル・アンテナ(1つまたは複数)の1つ以上のモードをグループに関連付けるデータを含むことができる。実例をあげると、グループ・インデックス・データは、モーダル・アンテナ(1つまたは複数)の1つ以上の最適なモード(たとえば、CQIメトリックが最も高いおよび/またはほぼ最も高いモード)をグループと相関付けることができる。グループ・インデックス・データは、1つ以上のメモリ・デバイスに格納および/または実装することができる。グループ・インデックス・データは、参照テーブル、行列、データ構造、関数、アルゴリズム、またはモーダル・アンテナの1つ以上の特定のモードをグループに相関付ける他の実施態様として実装することができる。グループ・インデックス・データの例を
図4に示す。
【0068】
[0080]
図6の(308)において、この方法は、少なくとも部分的にグループ・インデックス・データおよび(304)において識別したグループに基づいて、1つ以上のモーダル・アンテナを動作させるモードを決定するステップを含む。実例をあげると、このモードは、グループ・インデックス・データ内において、(304)において識別されたグループと関連付けられたモードとして決定することができる。
【0069】
[0081] (310)において、この方法はモーダル・アンテナ(1つまたは複数)を決定したモードに設定するステップを含む。実例をあげると、制御信号をアンテナ構成モジュールに供給することができる。アンテナ構成モジュールは、1つ以上の能動エレメントを含むことができ、および/またはモーダル・アンテナ(1つまたは複数)のモードを、(308)において決定したモードに調節するように、1つ以上の能動エレメントを制御することができる。
【0070】
[0082] (312)において、この方法は、モーダル・アンテナが前述のモードに設定されている間のフレームにおいて、データを伝達するステップを含む。次いで、この方法は次のフレームに移り(314)、方法(300)はそれ自体を繰り返す。このように、方法(300)は、一地点対多地点通信システムにおいて、フレーム毎、グループ毎、アンテナ毎にモーダル・アンテナ(1つまたは複数)のモードを調節することができる。
【0071】
[0083]
図7は、本開示の実施形態例にしたがってグループ・インデックス・データを生成する方法例(400)を示す。方法(400)は、実例をあげると、本明細書において論じた通信システムまたは通信システムのコンポーネント(例えば、基地局)のいずれかを使用して実装することができる。方法(400)は、例示および論述の目的に限って、特定の順序で実行されるステップを示す。尚、本明細書において提供する開示を使用すれば、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書において論ずる方法はいずれも、その種々のステップを改変する、修正する、同時に実行する、並び替える、図示されていないステップを含む、および/または種々の方法で拡張できることは、当業者には理解されよう。
【0072】
[0084] (402)において、この方法は制御ルーチンを実装するステップを含むことができる。制御ルーチンは、実例をあげると、一地点対多地点通信システムにおいてモーダル・アンテナをフレーム毎、グループ毎、アンテナ毎に構成するための
図6の方法(300)とすることができる。
【0073】
[0085] (404)において、この方法はトリガ条件を判定するステップを含むことができる。トリガ条件は、存在すれば、訓練モード(404)の開始に進むことができる。トリガ条件が存在しないとき、方法(400)は制御ルーチン(402)を通常通りに実施し続ける。
【0074】
[0086] トリガ条件は、任意の適した方法で定義することができる。一例として、トリガ条件を通信システムの起動または設定と関連付けることができる。他の例として、トリガ条件をある時間期間の経過にすることもできる。このように、このシステムは規則的および/または不規則な時間間隔で訓練モードを実施することができる。
【0075】
[0087] 他の例として、トリガ条件を、訓練モードに入る手作業の要求と関連付けることができる。実例をあげると、ユーザがユーザ・インターフェースと対話処理して、システムに訓練モードに入るように要求することができる。ユーザ・インターフェースは、実例をあげると、基地局上に位置するボタンまたは他のインターフェースとすることができる。ユーザ・インターフェースは、基地局と関連付けられたディスプレイ・デバイス上に表示されるグラフィカル・ユーザ・インターフェースにすることができる。ある実例では、ユーザ・インターフェースを、ネットワークを通じて基地局と通信するリモート・デバイスと関連付けることができる。実例をあげると、ユーザ・インターフェースを、ワイヤレス・ネットワークを通じて基地局と通信するユーザ・デバイス(例えば、スマートフォン、タブレット等)と関連付けることができる。
【0076】
[0088] (406)において、方法(400)はCQIの変化に基づいて、または使用条件に基づいて、訓練モードを開始するステップを含むことができる。実例をあげると、システムは、クライアント・デバイスのグループに対する通信と関連付けられたCQIが閾値量だけ変化したときに、訓練モードを実施することができる。他の例をあげると、システムは、クライアント・デバイスのグループと関連付けられた位置が閾値量だけ移動したとき(例えば、実例をあげると、信号強度、測位システムからのデータ等から判定される)、訓練モードを実施することができる。ある実施形態では、新たなクライアント・デバイスがグループに加入した/グループから離脱したとき、および/またはグループが通信システムに加入した/から通信システム離脱したときに、訓練モードを実施することができる。
【0077】
[0089] (408)において、方法(400)は訓練モードにおいてグループ・インデックス・データを生成するステップを含むことができる。更に特定すれば、訓練モードで動作しているときに、複数のクライアント・デバイスの中の各クライアント・デバイスと通信することに関連付けられたCQI(1つまたは複数)を得ることができる。通信において高い(increased)信号品質(例えば、高いCQI)を提供するために、これらのCQI(1つまたは複数)を分析して、アンテナ・モード(1つまたは複数)を複数のクライアント・デバイスの中の各クライアント・デバイスと関連付けることができる。例えば、クライアント・デバイスAと関連付けられたCQI(1つまたは複数)を分析して、モーダル・アンテナのモード3をクライアント・デバイスAと関連付けることができる。他の例をあげると、クライアント・デバイスBと関連付けられたCQI(1つまたは複数)を分析して、モーダル・アンテナのモード2および4をクライアント・デバイスBと関連付けることができる。
【0078】
[0090] ある実施形態では、少なくとも部分的にクライアント・デバイスの1つ以上のモードとの関連付けに基づいて、複数のクライアント・デバイスの中の各クライアント・デバイスを1つ以上のグループに仕分けることができる。クライアント・デバイスの各グループ・メンバーシップをグループ・インデックス・データに格納することができる。例えば、クライアント・デバイスAおよびBは、各々モーダル・アンテナのモード1および2とそれぞれ関連付けられており、グループ1に仕分けることができる。グループ1は、モーダル・アンテナのモード1および2と関連付けられている。他の例をあげると、クライアント・デバイスCは、モーダル・アンテナのモード4と関連付けられており、グループ2および3に仕分けることができる。グループ2および3は、双方共、モーダル・アンテナのモード4と関連付けられている。これらのグループ・メンバーシップの各々をグループ・インデックス・データに格納することができる。
【0079】
[0091] (410)において、方法(400)はグループ・インデックス・データを更新するおよび/またはメモリに格納するステップを含むことができる。 グループ・インデックス・データは、参照テーブル、行列、データ構造、関数、アルゴリズム、またはモーダル・アンテナの1つ以上の特定のモードをクライアント・デバイスのグループに相関付ける他の実施態様として実装することができる。
【0080】
[0092] 様々な異なる技法を訓練モードのために実施することができる。例えば、フレーム間訓練モードとして訓練モードを実施することができる。フレーム間訓練モードの一例について、
図8を参照して論ずる。他の例として、フレーム内訓練モードとして訓練モードを実施することができる。フレーム内訓練モードの一例について、
図9を参照して論ずる。
【0081】
[0093]
図8は、本開示の実施形態例によるフレーム間訓練モードと関連付けられたフレーム600のシーケンスを示す。
図8におけるフレーム間訓練モードは、受信フレームのみにおいて、クライアントに対して実施される。フレームのライン620は、そのフレームが送信フレームかまたは受信フレームかを表す。フレームのライン622は、1つ以上の制御デバイス(1つまたは複数)(例えば、ホスト・プロセッサ、アンテナ・コントローラ等)に対して、そのフレームの間に行われた制御アクションを表す。フレームのライン624は、そのフレームの間モーダル・アンテナの動作を制御するアンテナ・モードを表す。ライン624における「SW」は、複数のモードの内、アンテナを動作させるのに現在最良のモード(例えば、以前のグループ・インデックス・データから決定される)を指す。ライン622における「PL」は、特定のモードでの通信と関連付けられたCQI(1つまたは複数)を有するペイロードを指す。「MCD」は、CQI(1つまたは複数)に基づいて最良のモードを更新するために制御デバイスによって下される決定を指す。
【0082】
[0094]
図8を参照すると、フレーム601において、アンテナを直前の最良モード(例えば、グループ・インデックス・データから決定される)に630において設定する。最良モードでの動作と関連付けられたCQIを632において得る。訓練モードに入る決定を、634において開始する。次の1組のフレーム602全域にわたり(over)、受信フレームのみにおいて、モーダル・アンテナをモード0になるように制御する(controlled to be in)。送信フレームの間、モーダル・アンテナを最良モードになるように制御する。フレーム604において、モード0と関連付けられたCQIを636において得る。モード0と関連付けられたCQIが直前の最良モードよりも良い場合、モード0を最良モードとして、グループ・インデックス・データを更新する決定を638において下す。
【0083】
[0095] 次の1組のフレーム606にわたり、受信フレームのみにおいて、モーダル・アンテナをモード1になるように制御する。送信フレームの間、モーダル・アンテナを最良のモードになるように制御する。フレーム608において、モード1と関連付けられたCQIを640において得る。モード1と関連付けられたCQIが直前の最良モードよりも良い場合、モード1を最良モードとして、グループ・インデックス・データを更新する決定を、642において下す。
【0084】
[0096] 次の1組のフレーム610にわたり、受信フレームのみにおいて、モーダル・アンテナをモード2になるように制御する。送信フレームの間、モーダル・アンテナを最良モードになるように制御する。フレーム612において、モード2と関連付けられたCQIを644において得る。モード2と関連付けられたCQIが直前の最良モードよりも良い場合、モード2を最良モードとして、グループ・インデックス・データを更新する決定を、646において下す。
【0085】
[0097] 次の1組のフレーム614にわたり、受信フレームのみにおいて、モーダル・アンテナをモード3になるように制御する。送信フレームの間、モーダル・アンテナを最良モードになるように制御する。フレーム616において、モード3と関連付けられたCQIを648において得る。モード3と関連付けられたCQIが直前の最良モードよりも良い場合、モード3を最良モードとして、グループ・インデックス・データを更新する決定を、650において下す。今後のフレーム618の間、アンテナは、クライアントのグループと最良モード625で動作することができる。
図8に示すフレーム間訓練プロセスは、通信システムにおける複数のクライアントの中の異なるクライアント毎に繰り返すことができる。
【0086】
[0098]
図9は、本開示の態様例によるフレーム内訓練モードと関連付けられたフレームを示す。更に特定すれば、第1フレーム702(例えば、受信フレーム)は、プリアンブル/チャネル推定部分711およびデータ部分713を含むことができる。プリアンブル/チャネル推定部分711は、パケットのプリアンブルと関連付けられたシンボル/ビット、および/またはチャネル推定機能のためのシンボル/ビットを含むことができる。データ部分713は、フレーム702の間に伝達されるペイロードまたはデータと関連付けられたビット/シンボルを含むことができる。
【0087】
[0099] フレーム内訓練モードの間、そのフレームの間アンテナを異なるモードに設定し、CQI(1つまたは複数)を使用してグループ・インデックス・データを生成する。更に特定すれば、712におけるプリアンブル/チャネル推定部分711の間、複数の異なるモードにアンテナを設定することができ、CQI(1つまたは複数)に基づいて、 複数の異なるモードの各々に最良モードを選択することができる。714において、データ部分713の間、プリアンブル/チャネル推定部分711の間に決定された通りに、アンテナを最良モードに設定することができる。
【0088】
[00100]
図10は、本開示の実施形態例による、一地点対一地点通信のためにクライアント類別動作を実行する方法(800)を示す。方法(800)は、実例をあげると、本明細書において論じた通信システムまたは通信システムのコンポーネント(例えば、基地局)のいずれかを使用して、実装することができる。方法(800)は、例示および論述の目的に限って、特定の順序で実行するステップを示す。尚、本明細書において提供する開示を使用すれば、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書において論ずる方法はいずれも、その種々のステップを改変する、修正する、同時に実行する、並び替える、図示されていないステップを含む、および/または種々の方法で拡張できることは、当業者には理解されよう。
【0089】
[00101] (802)において、複数のモードの内1つ以上のモードを、複数のクライアント・デバイスの中の各クライアント・デバイスと関連付ける動作を含むことができる。少なくとも部分的にチャネル品質指標(1つまたは複数)(CQI(1つまたは複数))に基づいて、クライアント・デバイスを1つ以上のモードと関連付けることができる。CQIは、基地局と複数のクライアント・デバイスの中の各クライアント・デバイスとの間におけるアップリンク信号品質を特徴付けるため、および/または基地局とクライアント・デバイスとの間におけるダウンリンク信号品質を特徴付けるために使用することができる。例えば、モード1がクライアント・デバイスAに対して高いCQIを提供する場合、クライアント・デバイスAをモーダル・アンテナのモード1と関連付けてもよい。他の例をあげると、クライアント・デバイスBをモーダル・アンテナのモード1、2、および3と関連付けてもよい。
【0090】
[00102] (804)において、少なくとも部分的に、複数のクライアント・デバイスと関連付けられた1つ以上のモードに基づいて、複数のクライアント・デバイスの中の各クライアント・デバイスを、複数のグループの内1つ以上のグループに仕分ける動作を含むことができる。各クライアント・デバイスを1つ以上のグループに仕分けるには、少なくとも部分的に、各クライアント・デバイスと関連付けられた1つ以上のモードに基づくことができる。例えば、モーダル・アンテナのモード1および2とそれぞれ関連付けられたクライアント・デバイスA、B、およびCを、各々、グループ1に仕分けてもよい。モーダル・アンテナのモード3と関連付けられたクライアント・デバイスDを、グループ2に仕分けてもよい。
【0091】
[00103] ある実施形態では、各クライアント・デバイスを1つ以上のグループに仕分けるには、少なくとも部分的に、グループ・インデックス・データに基づくことができる。グループ・インデックス・データは、クライアント・デバイスと1つ以上のモードとの間における以前の関連付けを格納することができる。更に、グループ・インデックス・データは、クライアント・デバイスの以前のグループ・メンバーシップを格納することもできる。更にまた、グループ・インデックス・データは、グループと1つ以上の最良モードとの間における以前の関連付けも格納することができる。例えば、グループ・インデックス・データは、クライアント・デバイスAとモーダル・アンテナのモード1および2との間における以前の関連付けを格納することができる。他の例をあげると、グループ・インデックス・データは、クライアント・デバイスAが以前にグループ1および2のメンバーであったことを示すデータを格納することもできる。更に他の例をあげると、グループ・インデックス・データは、グループ1とモーダル・アンテナのモード1および2との間における以前の関連付けを格納することもできる。
【0092】
[00104] (806)において、複数のフレームの各々について、複数のグループから、通信のために選択するグループを決定する動作を含むことができる。選択するグループの決定は、少なくとも部分的に、複数のクライアント・デバイスのグループに基づくことができる。
【0093】
[00105] (808)において、複数のフレームの各々について、複数のモードから、選択したグループとの通信のために選択するモードを決定する動作を含むことができる。複数のフレームの各々について選択するモーダル・アンテナ(1つまたは複数)のモードは、グループ・インデックス・データを使用して決定することができる。グループ・インデックス・データは、少なくとも部分的に、各クライアント・デバイスと通信するための1つ以上の最良モードを示すチャネル品質指標(CQI)に基づいて、複数のクライアント・デバイスの中の各クライアント・デバイスを、1つ以上のグループと関連付けるデータを含むことができる。更に、グループ・インデックス・データは、各グループの各メンバーと関連付けられた1つ以上の最良モードに基づいて、1つ以上のモードを各グループと関連付けることができる。実例をあげると、グループ・インデックス・データは、モーダル・アンテナ(1つまた複数)の1つ以上の最良モード(例えば、CQIメトリックが最も高いおよび/または2番目に高いモード)をクライアント・デバイスの特定のグループと相関付けることができる。
【0094】
[00106] (810)において、複数のフレームの各々について、1つ以上のモーダル・アンテナを、選択したモードに設定する動作を含むことができる。1つ以上のアンテナを設定するには、寄生エレメントを接地に選択的に結合する、または他の方法で、寄生エレメントに伴う電気特性を調節し、能動放射エレメントによって付与される放射パターンを調節し、複数の異なるモードから選択したモードで、モーダル・アンテナを動作させるステップを含むことができる。
【0095】
[00107] (812)において、複数のフレームの各々について、選択したモードで、1つ以上のクライアント・デバイスとそのフレームの間通信する動作を含むことができる。複数のフレームの各々について1つ以上のクライアント・デバイスと通信するには、複数のフレームの各々について、選択したモードで、クライアント・デバイスのグループと送信および受信する動作を含むことができる。例えば、この動作には、1つ以上のモーダル・アンテナのモード2を使用してグループ1とデータを送信および受信する動作を含むことができ、モード2はグループ1と関連付けられている。グループ1は、クライアント・デバイスA、B、およびCを含むことができ、各クライアント・デバイスは、それぞれ、1つ以上のモーダル・アンテナのモード1と関連付けられている。更に、伝達されるデータは、複数のクライアント・デバイスの中の各クライアント・デバイスについて、1つ以上のグループにおけるグループ・メンバーシップを示すデータを含むことができる。例えば、クライアント・デバイスAは、クライアント・デバイスAがグループ1および2に属し、双方のグループがそれぞれモーダル・アンテナのモード2および3と関連付けられていることを示すデータを受信することができる。
【0096】
[00108]
図11は、本開示の態様にしたがって使用することができるモーダル・アンテナ910の実施形態例を示す。モーダル・アンテナ910は、回路ボード912(例えば、接地面を含む)と、回路ボード912上に配置された被駆動アンテナ・エレメント914とを含むことができる。回路ボード(例えば、接地面)と被駆動アンテナ・エレメントとの間に、アンテナ空間を定めることができる。
【0097】
[00109] ある実施形態では、第1寄生エレメント915は、少なくとも部分的にアンテナ空間内に位置付けることができる。第1能動エレメント916を寄生エレメント915と結合することができる。第1能動エレメント916は、受動または能動コンポーネントもしくは一連のコンポーネントとすることができ、可変リアクタンス、または接地への短絡のいずれかによって、第1寄生エレメント915上のリアクタンスを変化させ、その結果アンテナの周波数偏移が生ずるように構成されればよい。
【0098】
[00110] ある実施形態では、第2寄生エレメント918を回路ボード912に近接して配置してもよく、アンテナ空間の外側に位置付けてもよい。更に、第2寄生エレメント918は第2能動エレメント920も含んでもよい。第2能動エレメント920は、個別に1つ以上の能動および/または受動コンポーネントを含むこともできる。第2能動エレメント920は、受動または能動コンポーネントもしくは一連のコンポーネントとすることができ、可変リアクタンスまたは接地への短絡のいずれかによって第2寄生エレメント918上のリアクタンスを変化させ、その結果アンテナの周波数偏移が生ずるように構成されればよい。第2寄生エレメント918は、被駆動エレメント914に隣接して位置付けられてもよく、更にアンテナ空間の外側に位置付けられてもよい。
【0099】
[00111] 以上で説明した構成は、被駆動アンテナ・エレメントのリアクタンスを変化させることによって、その放射パターン特性を偏移させる機能(ability)を設けることができる。アンテナ放射パターンを偏移させることを「ビーム・ステアリング」(beam steering)と呼ぶことができる。アンテナ放射パターンがヌルを含む実例では、同様の動作を「ヌル・ステアリング」と呼ぶことができる。何故なら、アンテナ周囲における代わりの位置にヌルを偏移させることができる(例えば、干渉を低減するため)からである。ある実施形態では、第2能動エレメント920は、「オン」のとき第2寄生エレメントを接地に接続し、「オフ」のとき短絡を終了させるスイッチを含んでもよい。しかしながら、例えば、可変キャパシタまたはその他の調整可能なコンポーネントを使用することによる、第1または第2寄生エレメントのいずれかにおける可変リアクタンスは、更に、アンテナ・パターンまたは周波数応答の可変偏移にも対応できることは、注記してしかるべきである。例えば、第1能動エレメント916および/または第2能動エレメント920は、調整可能なキャパシタ、MEMSデバイス、調整可能なインダクタ、スイッチ、調整可能な移相器、電界効果トランジスタ、またはダイオードの内少なくとも1つを含んでもよい。
【0100】
[00112]
図12は、
図11のモーダル・アンテナに伴う二次元アンテナ放射パターンを示す。放射パターンは、モーダル・アンテナ910の第1および/または第2寄生エレメント915、918の内少なくとも1つに伴う電気特性を制御することによって偏移させることができる。例えば、ある実施形態では、放射パターンを第1モード922から第2モード924に、または第3モード926等に偏移させることができる。
【0101】
[00113]
図13は、本開示の態様例による
図11のモーダル・アンテナの周波数プロット例を示す。モーダル・アンテナ910の第1および/または第2寄生エレメント915、918の内少なくとも1つに伴う電気特性を制御することによって、アンテナの周波数を偏移させることができる。例えば、アンテナの第1周波数(f
0)は、第1および第2寄生エレメントを「オフ」に切り替えたときに、達することができ、周波数(f
L)および(f
H)は、第2寄生エレメントを接地に短絡させたときに生成することができ、周波数(f
4、 f
0)は、第1および第2寄生エレメントを各々接地に短絡させたときに生成することができる。尚、本開示の範囲内において他の構成も可能であることは、理解されてしかるべきである。例えば、もっと多い寄生エレメントまたはもっと少ない寄生エレメントを採用してもよい。寄生エレメントの位置付けは、異なる周波数および/または周波数の組み合わせを呈することができる追加のモードを達成するために、変更してもよい。
【0102】
[00114]
図11~
図13は、例示および論述の目的に限って、複数のモードを有するモーダル・アンテナの一例を示す。 尚、本明細書において提供する開示を使用すれば、本開示の範囲から逸脱することなく、他のモーダル・アンテナおよび/またはアンテナ構成も使用できることは、当業者には理解されよう。本明細書において使用する場合、「モーダル・アンテナ」とは、複数のモードで動作することができ、各モードが別個の放射パターンおよび/または偏波状態と関連付けられたアンテナを指す。
【0103】
[00115] 以上、本発明の主題を、その具体的な実施形態例に関して詳細に説明したが、以上のことの理解が得られれば、このような実施形態に対する変更、変形、および等価物も、当業者は容易に生み出せることは認められよう。したがって、本開示の範囲は、限定ではなく一例であり、当業者には容易に認められるように、本開示は、本発明の主題に対するこのような変更、変形、および/または追加の包含を除外することはない。
【国際調査報告】