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特表2022-549941レーザーパッケージおよびレーザーパッケージを備えたシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-29
(54)【発明の名称】レーザーパッケージおよびレーザーパッケージを備えたシステム
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/02375 20210101AFI20221121BHJP
【FI】
H01S5/02375
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519732
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(85)【翻訳文提出日】2022-03-29
(86)【国際出願番号】 EP2020077314
(87)【国際公開番号】W WO2021063994
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】62/907,799
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/927,372
(32)【優先日】2019-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/930,762
(32)【優先日】2019-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/943,860
(32)【優先日】2019-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/969,622
(32)【優先日】2020-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/982,151
(32)【優先日】2020-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/038,058
(32)【優先日】2020-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】599133716
【氏名又は名称】エイエムエス-オスラム インターナショナル ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】ams-OSRAM International GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D-93055 Regensburg, Germany
(71)【出願人】
【識別番号】518010049
【氏名又は名称】ルムス エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】Lumus Ltd.
【住所又は居所原語表記】8 Pinchas Sapir Street, 7403631 Ness Ziona, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アン ラッセル
(72)【発明者】
【氏名】ヨハイ ダンジガー
(72)【発明者】
【氏名】イェアク エーリヒ ゾアク
(72)【発明者】
【氏名】フーベアト ハルプリッター
(72)【発明者】
【氏名】アラン レネフ
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173MC30
5F173MD64
5F173MD71
5F173ME22
5F173ME56
5F173MF22
5F173MF28
5F173MF32
5F173MF39
(57)【要約】
レーザーパッケージが記載される。当該レーザーパッケージは、各接続パッド(11,11A,11C)を有する少なくとも1つのサブマウント(12)に別個に取り付けられた複数のレーザーダイオード(10)を備え、動作中、レーザーダイオードはそれぞれ、進相軸面および遅相軸面を定義する進相軸および遅相軸を有する光を放出し、全てのレーザーダイオードの進相軸面は相互に平行であり、少なくとも2つのレーザーダイオードの進相軸面間の距離(59V)は、これらのレーザーダイオード間の横方向距離(59L)より小さい。さらに、少なくとも2つのレーザーパッケージを備えたシステムが記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザーパッケージであって、
各接続パッド(11,11A,11C)を有する少なくとも1つのサブマウント(12)に別個に取り付けられた複数のレーザーダイオード(10)を備え、
動作中、前記レーザーダイオードのそれぞれは、進相軸面および遅相軸面を定義する進相軸および遅相軸を有する光を放出し、
全てのレーザーダイオードの進相軸面は相互に平行であり、少なくとも2つのレーザーダイオードの進相軸面間の距離(59V)は、該レーザーダイオード間の横方向距離(59L)より小さい、
レーザーパッケージ。
【請求項2】
前記レーザーパッケージが、前記少なくとも1つのサブマウントまたは複数のサブマウントのうちの1つ以上に関連付けられたプリズム(18)または反射ミラー(118)またはリフレクタ(251,261)をさらに備える、請求項1記載のレーザーパッケージ。
【請求項3】
前記レーザーパッケージが、窓(16)をさらに備える、請求項1または2記載のレーザーパッケージ。
【請求項4】
前記レーザーパッケージが、ベース(14)および導電ブリッジ(26)のうちの少なくとも一方をさらに備える、請求項1から3までのいずれか1項記載のレーザーパッケージ。
【請求項5】
前記レーザーパッケージが、金属またはセラミックスの上部カバー(51)をさらに備える、請求項1から4までのいずれか1項記載のレーザーパッケージ。
【請求項6】
前記レーザーパッケージが、少なくとも2つのレーザーアセンブリを備え、各レーザーアセンブリは、サブマウント上に少なくとも1つのレーザーダイオードを有し、
前記レーザーアセンブリは、動作中に平行光ビームが放出されるように、相互に隣接して、または中間プリズムもしくは反射ミラーもしくはリフレクタを挟んで相互に向かい合うように配置されている、
請求項1から5までのいずれか1項記載のレーザーパッケージ。
【請求項7】
前記レーザーパッケージが、異なるレーザーダイオードに由来する出力ビーム偏光を区別するように設定された波長板セクション(212,214)または波長板(212’,214’)をさらに備える、請求項1から6までのいずれか1項記載のレーザーパッケージ。
【請求項8】
前記レーザーパッケージが、少なくとも1つの光検出器(404L,404R)をさらに備える、請求項1から7までのいずれか1項記載のレーザーパッケージ。
【請求項9】
前記レーザーパッケージは、
前記レーザーダイオードにより放出された光が第1の端部内を通過する導波体(291)と、
前記導波体の前記第1の端部または第2の端部に取り付けられた波長板(212’,214’,292)と
をさらに備える、請求項1から8までのいずれか1項記載のレーザーパッケージ。
【請求項10】
複数のサブマウントのそれぞれが、相互に隣接して配置されており、
最も熱を発生するサブマウントが、前記レーザーパッケージの一端に位置し、前記サブマウント上の1つ以上の前記レーザーダイオードが内側を向くように配向されている、
請求項1から9までのいずれか1項記載のレーザーパッケージ。
【請求項11】
複数のサブマウントのうちの少なくとも1つが、pサイドアップレーザーダイオード構成を有し、前記複数のサブマウントのうちの少なくとも1つが、pサイドダウンレーザーダイオード構成を有する、請求項1から10までのいずれか1項記載のレーザーパッケージ。
【請求項12】
前記レーザーパッケージが、少なくとも1つのレーザーダイオードを備えたベースおよび複数のサブマウントを備え、
前記ベースが、金属コア(416)および絶縁カバー(414)を備えた金属コアプリント回路基板を備え、
少なくとも1つのレーザーダイオードを備えた前記サブマウントのそれぞれが、前記金属コアプリント回路基板に接続されている最も熱を発生する少なくとも1つのレーザーダイオードを備えたサブマウントを除いて、前記絶縁カバーに接続されている、
請求項1から11までのいずれか1項記載のレーザーパッケージ。
【請求項13】
前記レーザーパッケージが、少なくとも1つのレーザーダイオードを備えた複数のサブマウントを備え、
前記サブマウントのそれぞれが、
前記サブマウントと前記少なくとも1つのレーザーダイオードとの間の導体(11A,422,455A,455C)と、
前記サブマウントの他方の側が外側でない場合の、該他方の側のさらなる導体(11C,477C)と
をさらに備える、請求項1から12までのいずれか1項記載のレーザーパッケージ。
【請求項14】
前記レーザーパッケージが、サブマウント上に温度センサ(413)をさらに備える、請求項1から13までのいずれか1項記載のレーザーパッケージ。
【請求項15】
前記レーザーパッケージが、各サブマウントとベースまたは導電ブリッジとの間に、金属化パッド(454A,454C)により形成された少なくとも1つの導体をさらに備える、請求項1から14までのいずれか1項記載のレーザーパッケージ。
【請求項16】
前記レーザーパッケージが、ビームコンディショニングを行うように構成された反射光学系をさらに備え、
ビームコンディショニングは、表面構造または被覆による異方性補正、コリメーションおよびコヒーレンス制御を含むことができ、
前記表面構造または前記被覆は、前記反射光学系のメタ表面および凹形状もしくは凸形状のうちの少なくとも一方を備える、
請求項1から15までのいずれか1項記載のレーザーパッケージ。
【請求項17】
少なくとも2つのレーザーパッケージを備えたシステムであって、各レーザーパッケージは、
サブマウント(12)上の少なくとも1つのレーザーダイオード(10)と、
前記少なくとも1つのレーザーダイオードにより放出された光が第1の端部内を通過する導波体(291)と、
前記導波体の前記第1の端部の反対側の第2の端部に配置された波長板(212’,214’,292)と
を備え、
これにより、動作中、異なる導波体内を導波される光ビームは、異なる偏光を有するシステムにより放出される、
システム。
【請求項18】
前記レーザーパッケージの偏光は相互に直交している、請求項17記載のシステム。
【請求項19】
少なくとも2つのレーザーパッケージを備えたシステムであって、各レーザーパッケージは、
サブマウント(12)上の少なくとも1つのレーザーダイオード(10)と、
前記少なくとも1つのレーザーダイオードにより放出された光のビームが第1の端部内を通過する複屈折導波体(291)と
を備え、各レーザーパッケージについて、
波長板(292)が前記導波体の前記第1の端部に配置されているかまたは前記少なくとも1つのレーザーダイオードが前記導波体に対して傾斜されており、これにより、前記導波体に入るビーム偏光が導波体軸と重ならず、
前記導波体の長さは、前記ビームが偏光解消されるように定められている、
システム。
【請求項20】
前記2つのレーザーパッケージは、相互に直交するように配向されている、請求項17から19までのいずれか1項記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レーザーパッケージおよびレーザーパッケージを備えたシステムに関し、好ましい実施形態によれば、特に、レーザーパッケージ用のチップオンサブマウントアセンブリ(COSA)を効率的に配置するためのシステムおよび方法に関する。
【0002】
本特許出願は、米国特許出願第62/907799号明細書、同第62/982151号明細書、同第63/038058号明細書、同第62/927372号明細書、同第62/930762号明細書、同第62/943860号明細書および同第62/969622号明細書の優先権を主張する。
【0003】
レーザーダイオードは、進相軸および遅相軸の2つの異なる垂直軸に沿って光を放出する。放出されたレーザー光は、遅相軸に沿って、すなわちより狭いビーム発散を伴って、ゆっくり発散し、進相軸に沿って、すなわちより広いビーム発散を伴って、素早く発散する。例えば、レーザーの列のレーザーダイオードがその進相軸に沿って同じ方向に光を放出する場合、かなりのビームの重なりが生じる。これは、特定の用途、例えば仮想現実(VR)または拡張現実(AR)ディスプレイにおいて有益である場合がある。
【0004】
レーザーパッケージを、COSAを使用して構築することができる。COSAにおいて、1つ以上のレーザーダイオードは、サブマウント上に配置され、このパッケージは、アレイを形成する多数のサブマウントを含む。古典的なアセンブリ技術では、サブマウントをベース上に平坦に配置し、その結果、レーザーはそれぞれ、その各遅相軸に沿ってパッケージから光を放出する。加えて、サブマウントはそれぞれベース上のかなりの量の表面積を占め、これにより、パッケージ内に配置することができるレーザーダイオードの数に関する密度限界が生じる。
【0005】
少なくとも特定の実施形態の目的は、レーザーパッケージ内にCOSAを配置する方法、好ましくは、より効率的な方法を特定することである。少なくとも特定の実施形態の別の目的は、少なくとも2つのレーザーパッケージを備えたシステムを規定することである。
【0006】
少なくとも1つの実施例によれば、レーザーパッケージは、少なくとも1つのレーザーダイオードを備える。好ましくは、レーザーパッケージは、複数のレーザーダイオードを備え、レーザーダイオードは、少なくとも1つのサブマウントに別個に取り付けられている。相応に、レーザーパッケージは、少なくとも1つのサブマウントを備えることができ、少なくとも1つまたは複数のレーザーダイオードがサブマウントに取り付けられる。さらに、少なくとも1つのサブマウントは、例えば、接続パッドにより形成された1つ以上の導体を含むことができる。さらに、レーザーパッケージは、複数のこのようなサブマウントを備えることができ、1つ以上のレーザーダイオードはそれぞれ、各サブマウントに取り付けられる。
【0007】
さらなる実施形態によれば、レーザーダイオードは、動作中に光ビームとして光を放出し、この光は、進相軸面を定義する進相軸と、遅相軸面を定義する遅相軸とを有する。これは、特に、レーザーダイオードの進相軸面が放出された光ビームの進相軸および放射方向により定義される平面でありうることを意味することができ、一方、遅相軸面が放出された光ビームの遅相軸および放射方向により定義される平面でありうることを意味することができる。好ましくは、レーザーダイオードの全ての進相軸面は平行である。さらに、少なくとも2つのレーザーダイオードの進相軸面間の距離は、これらのレーザーダイオード間の横方向距離よりも小さくてよい。好ましくは、進相軸面間の距離を、進相軸面に対して垂直な方向で測定することができ、一方、横方向距離は、進相軸面に対して平行な方向で測定することができ、この方向は、好ましくは、遅相軸面に対して垂直な方向であることができる。
【0008】
さらなる実施形態によれば、レーザーパッケージは、ベースおよび複数のサブマウントを含む。各サブマウントは、好ましくは、1つ以上のレーザーダイオードおよび各接続パッドを含み、レーザーパッケージの動作中、1つ以上のレーザーダイオードはそれぞれ、進相軸および遅相軸を有する光を放出する。各サブマウントは、長さ、幅および高さを有し、長さおよび高さは、第1の表面を定義する。
【0009】
好ましい実施形態によれば、各サブマウントを、第1の表面がベースに対して平行になるように、ベースに取り付けることができる。これにより、各レーザーダイオードにより放出された光が、その進相軸に沿ってレーザーパッケージから出ることができ、その結果、ビームの重なりをより大きくすることができる。加えて、ベースの単位面積当たりのより高密度のレーザーが存在することができる。
【0010】
少なくとも1つのさらなる実施形態によれば、システムは、少なくとも2つのレーザーパッケージを備える。
【0011】
レーザーパッケージのさらなる特徴、利点および便宜性は、図面と併せて、例示的な実施形態および特徴の以下の説明から明らかになるであろう。図面に示された実施形態、特に、記載された各特徴は、図面に示された特徴の各組み合わせに限定されない。むしろ、全ての組み合わせが明示的に記載されていなくても、示された実施形態および単一の特徴を相互に組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】先行技術のレーザーパッケージを示すブロック図である。
図1B】先行技術のレーザーパッケージを示すブロック図である。
図2A】種々の実施形態に係る横方向に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。
図2B】種々の実施形態に係る横方向に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。
図3A】種々のさらなる実施形態に係る横方向に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。
図3B】種々のさらなる実施形態に係る横方向に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。
図4】種々のさらなる実施形態に係る横方向に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。
図5A】種々のさらなる実施形態に係るプリズムを備えていない横方向に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。
図5B】種々のさらなる実施形態に係るプリズムを備えていない横方向に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。
図5C】種々のさらなる実施形態に係るプリズムを備えていない横方向に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。
図5D】種々のさらなる実施形態に係るプリズムを備えていない横方向に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。
図6】種々のさらなる実施形態に係る反射ミラーを共有している横方向に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図および種々のスポット図である。
図7】反射ミラーを共有している先行技術のレーザーパッケージを示すブロック図およびスポット図である。
図8】種々のさらなる実施形態に係る偏光を放出するレーザーパッケージを示すブロック図およびスポット図である。
図9】種々のさらなる実施形態に係る偏光を放出する平坦に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。
図10】種々のさらなる実施形態に係る偏光を放出する横方向に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。
図11】種々のさらなる実施形態に係る偏光を放出する平坦に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。
図12】種々のさらなる実施形態に係る偏光を放出する横方向に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。
図13】種々のさらなる実施形態に係るリフレクタおよびレンズを使用して偏光を放出する平坦に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。
図14】種々のさらなる実施形態に係るリフレクタおよびレンズを使用して偏光を放出する横方向に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。
図15A】種々のさらなる実施形態に係る横方向に配向されたレーザーパッケージから発散するビームの遅相軸および進相軸に対する非点収差補正の方法を示すブロック図である。
図15B】種々のさらなる実施形態に係る横方向に配向されたレーザーパッケージから発散するビームの遅相軸および進相軸に対する非点収差補正の方法を示すブロック図である。
図16A】種々のさらなる実施形態に係る導波体内に光を放出する平坦に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。
図16B】種々のさらなる実施形態に係る導波体内に光を放出する平坦に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。
図17A】種々のさらなる実施形態に係る導波体内に光を放出する横方向に配向されたレーザーパッケージおよびレーザーパッケージを備えたシステムを示すブロック図である。
図17B】種々のさらなる実施形態に係る導波体内に光を放出する横方向に配向されたレーザーパッケージおよびレーザーパッケージを備えたシステムを示すブロック図である。
図17C】種々のさらなる実施形態に係る導波体内に光を放出する平坦に配向されたレーザーパッケージと横方向に配向されたレーザーパッケージとの組み合わせを備えたシステムを示すブロック図である。
図18A】種々のさらなる実施形態に係る導波体内に光を放出するレーザーパッケージを示すブロック図である。
図18B】種々のさらなる実施形態に係る導波体内に光を放出するレーザーパッケージを示すブロック図である。
図19A】種々のさらなる実施形態に係る個々のパッケージングにより分離されたレーザーパッケージを備えたシステムを示すブロック図である。
図19B】種々のさらなる実施形態に係る個々のパッケージングにより分離されたレーザーパッケージを備えたシステムを示すブロック図である。
図19C】種々のさらなる実施形態に係る個々のパッケージングにより分離されたレーザーパッケージを備えたシステムを示すブロック図である。
図19D】種々のさらなる実施形態に係る個々のパッケージングにより分離されたレーザーパッケージを備えたシステムを示すブロック図である。
図20】種々のさらなる実施形態に係るフォトダイオードと組み合わせたレーザーパッケージを示すブロック図である。
図21】種々のさらなる実施形態に係る修正された熱伝導率を有するレーザーパッケージを示すブロック図である。
図22】種々のさらなる実施形態に係る熱伝導率修飾を有するレーザーパッケージを示すブロック図である。
図23】種々のさらなる実施形態に係る熱伝導率修飾および熱センサを有するレーザーパッケージを示すブロック図である。
図24】種々のさらなる実施形態に係る基板上に金属化パッドを備えたレーザーパッケージ用のレーザーの模式図である。
図25】種々のさらなる実施形態に係る埋め込まれた導電線を備えたサブマウントを示すブロック図である。
図26】種々のさらなる実施形態に係る埋め込まれた導電線を備えたサブマウントを示すブロック図である。
図27】種々のさらなる実施形態に係る埋め込まれた導電線を備えたサブマウントに取り付けられたPCB(プリント回路基板)を示すブロック図である。
図28】種々のさらなる実施形態に係るマイクロ冷却装置を備えたレーザーパッケージを示すブロック図である。
図29】種々のさらなる実施形態に係る反射ミラーを共有し、撮像検査装置により測定される横方向に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。
図30A】種々のさらなる実施形態に係るレーザーパッケージの上側プレートおよび下側プレートのレイアウトを示すブロック図である。
図30B】種々のさらなる実施形態に係るレーザーパッケージの上側プレートおよび下側プレートのレイアウトを示すブロック図である。
図31】種々のさらなる実施形態に係る追加の光学素子を備えた反射ミラーを共有している平坦に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。
図32】種々のさらなる実施形態に係る追加の光学素子を備えた反射ミラーを共有している横方向に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。
図33】種々のさらなる実施形態に係る追加の光学素子を備えた反射ミラーを共有している平坦に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。
図34】種々のさらなる実施形態に係る追加の光学素子を備えた反射ミラーを共有している横方向に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。
【0013】
本実施形態のこれらおよび他の特徴は、本明細書に記載された図面と併せて、以下の詳細な説明を読むことにより、より良く理解されるであろう。添付の図面は、縮尺通りの描画を意図していない。明確性の目的で、全ての構成要素につき、全ての図面においてラベル付けされているわけではない。
【0014】
図1Aおよび図1Bは、先行技術のレーザーパッケージを示すブロック図である。図1Aは、先行技術のレーザーパッケージの側面図5であり、一方、図1Bは、複数のレーザーを示す同じレーザーパッケージの正面図7である。レーザーパッケージのレーザーのそれぞれは、レーザーアセンブリにより形成されており、接続パッド11の頂部にレーザーダイオード10が設けられており、接続パッド11はサブマウント12上に配置されている。各レーザーのサブマウント12は、ベース14に取り付けられている。サブマウント12は、長方形の形状であることができ、その高さは、長さまたは幅それぞれのいずれかより小さい。サブマウント12はそれぞれ、長さおよび幅により定義されるより広い面積の長方形の面がベース14に取り付けられかつ平行になるように、ベース14上に配置される。レーザーダイオード10により放出された光は、プリズム18に当たり、プリズム18は、窓16を通ってパッケージから出てくる光を反射する。
【0015】
各レーザーダイオード10は、相互に垂直である進相軸および遅相軸を有する光を放出する。したがって、放出された光は、放出された光の進相軸および出射方向により定義される面である進相軸面を有し、一方、遅相軸面は、放出された光の遅相軸および出射方向により定義される面である。側面図5は、進相軸面に対して平行な断面を有する断面図に対応し、このため、進相軸に沿ったビーム発散20の図を提供し、一方、正面図7は、遅相軸面に対して平行な断面を有する断面図に対応し、このため、遅相軸に沿ったビーム発散22の図を提供する。正面図7から見て取れるように、各レーザーダイオードのビームは比較的狭く、重なり合っていない。加えて、各レーザーアセンブリのサブマウント12は、表面積が最も大きい側面に沿ってベース14上に配置されるため、各サブマウント12は、ベース14上のかなりの量のスペースを占める。これにより、単位面積当たりのベース14上に配置することができるレーザーの数が制限される。
【0016】
図2Aおよび図2Bは、種々の実施形態に係る横方向に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。図2Aは、レーザーパッケージの側面図15であり、一方、図2Bは、複数のレーザーを示す同じレーザーパッケージの正面図17である。レーザーパッケージの各レーザーは、レーザーアセンブリとして形成されており、接続パッド11の頂部にレーザーダイオード10が設けられており、接続パッド11はサブマウント12上に配置されている。各サブマウント12は、ベース14に取り付けられる。その結果、レーザーアセンブリは相互に隣接して配置され、その結果、動作中に、平行光ビームを放出することができる。
【0017】
サブマウント12は、長方形の形状であることができ、その高さは、長さもしくは幅のいずれかまたは好ましくは、両方より小さい。ただし、図1Aおよび図1Bに示された先行技術のレーザーパッケージとは異なり、各サブマウント12は、長さおよび高さにより定義されるより小さい面積の長方形面がベース14に取り付けられており、これに対して平行になるように、ベース14上に配置されている。すなわち、図2Aおよび図2Bにおいて、サブマウント12は、図1Aおよび図1Bに示されるものに対して垂直に配置される。レーザーダイオード10により放出された光は、プリズム18に当たり、プリズム18は、窓16を通ってパッケージから出てくる光を反射する。また、放熱性および機械的安定性を改善するために、サブマウント12を跨って配置された導電ブリッジ26が存在することもできる。また、サブマウント12は、レーザーダイオード10の幅または長さとほぼ同じであることができ、レーザーダイオード10を、出現する光ビームが明確な経路を有する限り、各サブマウント12上の任意の位置に配置することができる。
【0018】
各レーザーダイオード10は、進相軸および遅相軸を有する光を放出する。側面図15は、遅相軸面に対して平行な断面を有する断面図に対応しており、このため、遅相軸に沿ったビーム発散22の図を提供する。一方、正面図17は、進相軸面に対して平行な断面を有する断面図に対応しており、このため、進相軸に沿ったビーム発散20の図を提供する。このビーム発散20は、図1Aおよび図1Bに示されたものとは逆である。なぜなら、サブマウント12が垂直に回転しているためである。その結果、レーザーダイオード10の全ての進相軸面は平行である。さらに、少なくとも2つのレーザーダイオード10の進相軸面間の距離は、これらのレーザーダイオード間の横方向距離より短い。ここで、進相軸面間の距離は進相軸面に対して垂直な方向で測定され、一方、横方向距離は進相軸面に対して平行な方向で測定される。この方向は、好ましくは、遅相軸面に対して垂直な方向であることができる。特に好ましくは、図2Aおよび図2Bに示されているように、前記距離関係は、横方向に直接に隣接するレーザーダイオード10の全てのペアに適用される。特に、少なくとも2つのレーザーダイオード10の進相軸面間の距離または横方向に直接に隣接するレーザーダイオード10の全てのペア間の進相軸面間の各距離も、ゼロまたは少なくとも実質的にゼロとすることができる。また、記載された距離関係は、明示的に言及されていない場合であっても、以下の実施形態にも適用することができる。
【0019】
正面図17から見て取れるように、各レーザーダイオード10のビームは比較的広く、重なり合っている。加えて、各レーザーアセンブリのサブマウント12は、より小さな表面積を有する側面に沿ってベース14上に配置されるため、各サブマウント12は、図1Aおよび図1Bに示されているものと比較して、ベース14上のより少ないスペースを占める。これにより、単位面積当たりのベース14上に、より多くのレーザーを配置することも可能となる。より大きなビームの重なりと単位面積当たりのより多くのレーザーとの組み合わせは、特定の用途、例えばVRまたはARディスプレイにとって有益である。例えば、ARレーザーマトリクスでは、走査時間は、マトリクス内のレーザーの数に反比例する。このため、同じサイズのレーザーマトリクス内により多くのレーザーを有することにより、走査時間が短縮される。別の利点は、ビームの発散およびビームの重なりがより大きいため、ARシステムの視野(FOV)が大きくなることである。例えば、約50°のFOVを達成することができる。
【0020】
図2Aおよび図2Bに示されたレーザーパッケージは、1つ以上の接続パッドを含むことができる窒化アルミニウムまたは他のセラミックスサブマウント上に、レーザーダイオード(以下において、レーザーダイとも呼ぶ場合がある)をボンディングすることにより製造することができる。例えば、レーザーダイオードは、接続パッド上に取り付けることができる。1つ以上のワイヤボンディングを、レーザーダイオードの上部および例えばサブマウントの接地部分を含む1つ以上の接続パッドに取り付けて、COSAを形成することができる。COSAは90°回転され、ついで、その側面がベースにボンディングされる。これにより、隣接するCOSAを相互に、例えば400マイクロメートル未満の間隔で非常に近接して配置することが可能となる。RBG用途では、隣接するCOSAが、プリズムを共有する赤色、緑色および青色のレーザーを有する場合がある。この配列により、各レーザーの進相軸が横方向でアライメントされる。
【0021】
図3Aおよび図3Bは、種々のさらなる実施形態に係る横方向に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。図3Aはレーザーパッケージの側面図25であり、一方、図3Bは複数のレーザーを示す同じレーザーパッケージの正面図27である。ここでのレーザーパッケージは、サブマウント12がそれぞれ2つのレーザーダイオード10を支持し、各レーザーダイオード10がそれぞれ接続パッド11を備え、これにより各レーザーアセンブリがそれぞれ2つのレーザーダイオード10を備える点を除いて、図2Aおよび図2Bに示されたものと同様である。示された実施形態では、接続パッド11は、隣り合うよりむしろレーザーダイオード10の下方に配置されており、このため、各サブマウント12上のレーザーダイオードを相互により近接して配置することができる。
【0022】
図4は、種々のさらなる実施形態に係る横方向に配向されたレーザーパッケージの正面図35を示すブロック図である。レーザーパッケージは、図4における左側に1つの例として示された実施形態において、1つのサブマウント12が他のサブマウント12と比較して反対方向に配向されている点を除いて、図2Bに示されたものと同様である。これは、反対に配向されたレーザー、すなわち他のサブマウント12と比較して反対方向に配向されたサブマウント12を備えたレーザーダイオードと隣接するレーザーとの間の間隔がより小さく、これにより、より大きなビームの重なりがもたらされることを意味する。加えて、反対に配向されたレーザーがレーザーアレイの一方の縁部上に位置する場合、いずれかの縁部上のレーザー間の距離は、図2Aおよび図2Bに示されたレイアウトより短く、これにより、カラーフィールドのより大きな重なりがもたらされ、したがって、より大きな投影された「白色」フィールドがもたらされる。レーザー間の不均等な距離は、電子的に補償することができる。
【0023】
図5A図5Dは、種々のさらなる実施形態に係るプリズムを備えていない横方向に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。図5Aは、1つまたは好ましくは、複数のレーザーを備え、それぞれがレーザーダイオード10、1つ以上の接続パッド11およびサブマウント12ならびにベース14および窓16を備えたレーザーパッケージの側面図50である。図2Aに示された実施形態の構成とは対照的に、プリズムは存在せず、窓16がレーザーダイオード10の真正面に配置されている。このことは、レーザーダイオード10からの遅相軸方向のビーム発散がベース14に遭遇することなくさらに伝搬することができるため、可能となっている。また、上部カバー51が、レーザーパッケージ内のベース14の反対側に配置されている。上部カバー51は、レーザーパッケージの上側からのより効率的な熱除去を可能にするために、金属またはセラミックス製であってよい。
【0024】
図5Bは、1つまたは好ましくは、複数のレーザーを備え、それぞれが2つ以上のレーザーダイオード10、1つ以上の接続パッド11およびサブマウント12、ならびにベース14、上部カバー51および窓16を備えたレーザーパッケージの側面図55である。図5Aに示された実施形態と同様に、2つのレーザーダイオード10は、プリズムを使用することなく、窓16から直接に光を放出する。2つのレーザーダイオード10は、同じ接続パッド11を共有することができ、またはそれぞれ個々の接続パッド11を有することができる。前述したケースと同様に、上部カバー51は、レーザーパッケージの上側からのより効率的な熱除去を可能にするために、金属製であってよい。
【0025】
図5Cは、同じサブマウントの反対側の側面に別個に取り付けられ、その結果、少なくとも1つのレーザーダイオードがサブマウントの両側のそれぞれに配置される2つのレーザーダイオード10を有する少なくとも1つのレーザーアセンブリを備えたレーザーパッケージの正面図56である。一点鎖線は、両レーザーダイオード10の進相軸発散面を表す。2つのレーザーダイオード10は、平行でありかつ重なり合う進相軸面を有する。
【0026】
図5Dは、同じサブマウントに取り付けられたより多くのレーザーダイオード10を備えた少なくとも1つのレーザーアセンブリを有するレーザーパッケージの正面図57である。ここで、レーザーダイオード10は、平行な進相軸面を有する。垂直方向に沿って相互に最も近く配置されたレーザーダイオード10の各ペア間では、進相軸面間の距離59Vが、これらのレーザーダイオード10間の横方向距離59L、すなわち進相軸面に対して平行な距離より短い。したがって、大部分の光学的目的、例えば、開口サイズ設定などのために、面は重なり合うとみなされる。図5Cおよび図5Dに係るレーザーパッケージを、図5Aおよび図5Bに示されたレーザーパッケージならびに本明細書に記載された他の全ての構成に実装することができる。
【0027】
図6は、種々のさらなる実施形態に係る反射ミラーを共有している横方向に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図を示す。側面図115に、相互に向かい合うように配置された2つの対面するレーザーアセンブリの複数のペアのうちの1つを示す。一方のレーザーアセンブリは1つ以上のレーザーダイオード10を備えており、他方のレーザーアセンブリは1つ以上のレーザーダイオード110を備えており、これにより、左側のレーザーアセンブリのうちの1つのみのレーザーダイオード10と、右側のレーザーアセンブリのうちの1つのみのレーザーダイオード110とを側面図115で見ることができ、レーザーダイオード10,110はそれぞれ、その間の、例えば中央に配置された反射ミラー118上に光を放出し、これにより平行光ビームが動作中に放出される。この構成により、密にパッケージされた照明スポットが可能となる。反射ミラー118は、各レーザーアセンブリにより放出された光を直角に反射することができ、窓16から出ることができるような反射面を備えた2つの側面を有することができる。例えば、反射ミラー118は、反射面間で直角を有することができる。また、反射ミラー118は、上記のプリズムであることもできる。レーザーダイオード10および向かい合うレーザーダイオード110を、レーザーが同時に像平面上に集束されるように、反射ミラー118から同じ距離に配置することができる。各レーザーパッケージは、それぞれ異なる色を放出するカスケードレーザーを含むことができる。例えば、模式スポット図116に、図2Bに示されているようなカスケードアレイに配置することができるレーザーダイオード10からの3つのレーザースポット、例えばRBG色、および向かい合うレーザーダイオード110からの3つのレーザースポット、例えばRBG色を示す。模式スポット図117に、同じ反射ミラーの実装であるが、図3Aおよび図3Bに示された実施形態の二重レーザーダイオード構成を備えた実装を示す。これにより、4セットのRBGスポットがもたらされ、2セットは、各側のレーザーアセンブリから来る。反射ミラー118は、各アセンブリ上および反射ミラー118に対して側面に複数のレーザーダイオードを収容するために、より大きくなければならない場合がある。模式スポット図120A,模式スポット図120Bおよび模式スポット図120Cに、非対称スポット分布の実施形態を示す。この実施形態において、プリズム118の各側面について、異なる数のレーザーまたは異なる色分布が存在する。例えば、図120Aでは、一方の側に1つのレーザーが存在し、他方の側に3つのレーザーが存在する。図120Bでは、各側に異なる色を有する2つのレーザーが存在し、例えばR-GおよびB-Rである。図120Cでは、一方の側に2つのレーザーが存在し、他方の側に3つのレーザーが存在し、例えばR-G-BおよびR-Gである。
【0028】
レーザーの色配置を、種々の考慮に従って修正することができる。例えば、青色レーザー光は、より有害であると考えられ、したがって、より多くの青色レーザーが使用される場合、局所的な強度を低下させるべきである。この効果を説明するために、模式スポット図116におけるレーザーの色配置を、
B-R-B
G-B-G
とすることができる。別の考察は、赤色レーザーダイオードが通常出力が弱く、一方、青色レーザーダイオードが最も強いという事実である。その結果、模式スポット図116における低出力レーザーの色配置を、
R-B-R
G-R-G
とすることができる。別の例では、低コストのモジュール配置は、側面図115において、向かい合う両レーザーブロックについての同じ色配置を含むことができる。その結果、模式スポット図116を、
R-G-B
B-G-R
とすることができる。別の例では、図5Bの実施形態の側面図55に示された二重レーザーパッケージを使用する場合、2つの隣接するレーザーダイオードを同じにすることができる。その結果、模式スポット図116におけるレーザーの色配置を、
R-G-B
R-G-B
とすることができる。別の例では、例えば、LIDAR用途で、図5Bの実施形態の側面図55に示された二重レーザーパッケージを使用する場合、2つの隣接するレーザーを全て同じにすることができる。その結果、模式スポット図116におけるレーザーの色配置を、
B-B-B
B-B-B
とすることができる。この場合、複数のスポットを、LIDARフィールドを同時にスキャンするために提供することができ、これにより、スキャンスループットを向上させることができる。代替的には、LIDAR用途では、以下の模式スポット図、すなわち
B-IR-IR
IR-IR-IR
を実装することもできる。この場合、可視青色光により、IRスキャン領域をマークすることができ、これにより、LIDARスキャンを可視化することができる。IR発光体は、850nm、940nmまたは905nmのIRレーザーであることができ、例えば、自律走行車両のLIDAR、ドライバ監視および外部安全ハローにおける用途がある。
【0029】
図7は、共有された反射ミラーを備えた先行技術のレーザーパッケージを示すブロック図である。図6の実施形態に示された横方向配向とは対照的に、図1Aおよび図1Bに示されているように、サブマウントをベース上に平坦に取り付けるには、図7の側面図125に示されているように、より大きな反射ミラー118が必要である。その結果、模式スポット図126におけるレーザースポットは、図6に示された模式スポット図116と比較して、さらに離れている。
【0030】
示されているように、スキャンフィールドを生成するために異なる偏光を有する2つのレーザーを使用することが可能であり、これにより、非偏光レーザーに起因する均一な照明の知覚を観察者に生成することが可能である。このような先行技術の構成では、レーザーの波長をわずかに異ならせ、重なり合うビーム上に複屈折窓を実装することにより、2つのレーザー間の偏光の差が生じる。
【0031】
さらなる実施形態によれば、放出された光のs偏光とp偏光とが平衡化されるように、波長板偏光子または他の偏光手段、例えば、偏光変換フィルムを使用するのが有利である場合がある。図8は、種々のさらなる実施形態に係る偏光を放出するレーザーパッケージを示すブロック図である。上面図200に、導波体(図示せず)内に入る光を投射するレーザーパッケージ202を示す。このような構成の多くでは、非偏光を導波体内に導入することが重要である。レーザーパッケージ202からの光は、光学系204を通過し、走査ミラー206により操縦され、射出瞳208、例えば入射瞳を通って導波体に出射する。このシステムは、偏光に敏感でないコンポーネントのみを含む。
【0032】
偏光を生成するための先行技術の構成とは対照的に、レーザーの偏光は、図8に示されているように、ビームが分離される位置で行われる。図8の右側に詳細に示されているように、レーザーパッケージ202は、図5Bに示された実施形態の構成と同様に、単一のサブマウント上に2つのレーザーダイオードを備えた少なくとも1つのレーザーを含む。幾つかの実施形態では、レーザーダイオードは、同じ波長を有する。このような3つのレーザーパッケージを、垂直に並べて配置することができる。窓16は、レーザーパッケージ202を覆っている。可変波長板が、2つのセクション212および214を有する窓の頂部に配置される。波長板セクション212,214は、異なるレーザーダイオードに由来する出力ビーム偏光を区別するように設定されている。2つのセクション212,214は、例えば、異なる向きを有する。例えば、2つのセクション212,214がλ/2の位相差を有し、レーザーの進相軸に対して22.5°の反対の角度を有する場合に、結果として生じる偏光が、偏光スポット図216に示されている。代替的に、波長板セクション212が偏光活性を有さず、波長板セクション214が45°でλ/2の偏光を有する場合に、結果として生じる偏光が、偏光スポット図218に示されている。
【0033】
代替的には、波長板セクション212および214は、レーザーまたはレーザーダイオードの偏光に対して、+45°および-45°のλ/4波長板であることができる。これは、出力偏光として正および負の円偏光が生じさせる。したがって、任意の代替的な直交偏光構成、例えば、ポアンカレ球内で反対のベクトルとして定義される垂直偏光を生成することができる。代替的に、3つ以上のレーザーダイオードが1色に対して使用される場合、この色は、全てを平均してゼロ偏光になる偏光の分布を有することができる。
【0034】
加えて、同じ色のレーザーダイオードを、コヒーレントな望ましくないアーチファクトを抑制するために、わずかに波長シフトさせることができる。さらに、波長板の使用に加え、本明細書に記載された方法の組み合わせを使用して、偏光解消および相対偏光回転を達成することができる。例えば、レーザーダイオードをわずかに波長シフトさせることができる複屈折素子を、ビーム経路内に導入することができる。
【0035】
図9は、種々のさらなる実施形態に係る偏光を放出する平坦に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。側面図219に、反射ミラー118上に光を放出する2つの向かい合うレーザーダイオード10,110を示す。レーザーは、図7に示された構成と同様に、ベース上に平坦に配置される。ミラー118から反射された光は、波長板セクション212,214を通過し、その後、窓16を出る。
【0036】
図10は、種々のさらなる実施形態に係る偏光を放出する横方向に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。側面図220に、反射ミラー118上に光を放出する2つの向かい合うレーザーを示す。レーザーは、図6に示されている実施形態の構成と同様に、ベース上に横方向に配置されている。ミラー118から反射された光は、波長板セクション212,214を通過し、その後、窓16を出る。
【0037】
図11は、種々のさらなる実施形態に係る偏光を放出する平坦に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。側面図240に、反射ミラー118上に光を放出する2つの向かい合うレーザー10,110を示す。レーザーは、図7に示されている実施形態の構成と同様に、ベース上に平坦に配置されている。図9に示されているように、窓16の前に波長板セクション212,214を配置する代わりに、セクション212,214が反射ミラー118の面上に配置されている。
【0038】
図12は、種々のさらなる実施形態に係る偏光を放出する平坦に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。側面図230に、反射ミラー118上に光を放出する2つの向かい合うレーザーを示す。レーザーは、図6に示された実施形態の構成と同様に、ベース上に横方向に配置されている。図10に示されているように、窓16の前に波長板セクション212,214を配置する代わりに、セクション212,214が反射ミラー118の面上に配置されている。
【0039】
幾つかの実施形態では、図9図12に関連して記載された波長板セクション212,214は、空間的に変化する偏光特性を有する単一セクションであってよい。変化は連続的であってよく、レーザーからのビームが重なり合う場所であってよい。
【0040】
また、図11および図12に示された構成により、均等な偏光を生成することもできる。図11および図12における反射ミラー118は、波長板セクション212,214により被覆することができる。セクション212および214を形成する被覆により、パッケージを出るレーザー光の異なる偏光がもたらされる。幾つかの実施形態では、ミラー118を出る光がs偏光およびp偏光の均一な分布またはミラー118で反射されて90°回転された光の均一な分布となるように、被覆を適用することができる。
【0041】
レーザービームの遅い発散と速い発散との違いは、出力の損失を引き起こす場合がある。この問題に対処するために、光学系は、より対称的なビームを生成するように、レーザーパッケージに一体化させるかまたはレーザーパッケージに隣接させることができる。
【0042】
図13は、種々のさらなる実施形態に係るリフレクタおよびレンズを使用して偏光を放出する平坦に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。側面図250に、凹曲面リフレクタ251上に光を放出する2つの向かい合うレーザーを示す。レーザーは、図6に示された実施形態の構成と同様に、ベース上に横方向に配置される。凹曲面リフレクタ251により、遅相軸と一致するように進相軸における発散が減少する。凹曲面リフレクタ251から反射し、発散が急激に減少した後、レーザー光は、円筒レンズ252,253に入り、前述の波長板セクション212および214を通過する。出口窓16を通過すると、進相軸は遅相軸の発散と一致する。ここで、各側面は、ほぼ同じビーム発散を有し、s偏光とp偏光との間で等しく重み付けされる。
【0043】
図14は、種々のさらなる実施形態に係るリフレクタおよびレンズを使用して偏光を放出する横方向に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。側面図260に、凸曲面リフレクタ261上に光を放出する2つの向かい合うレーザーを示す。レーザーは、図6に示された構成と同様に、ベース上に横方向に配置されている。レーザー間の中心に位置する凸曲面リフレクタ261により、遅相軸の発散が増大する。ここで、より発散したビームは、円筒レンズ252,253のそれぞれに入り、遅相軸の発散が進相軸と一致するように、発散を再び減少させる。ついで、ビームは、波長板セクション212および214ならびに窓16を通過する。ここで、レーザーパッケージの各側面は、ほぼ同じビーム発散を有し、直交偏光を有する。
【0044】
図15Aおよび図15Bは、種々のさらなる実施形態に係る横方向に配向されたレーザーパッケージから発散するビームの遅相軸および進相軸に対する非点収差補正の方法を示すブロック図である。側面図270に、窓16に隣接しかつ外側で遅相軸を拡大するための光学系を示す。図15Aにおける側面図270に、反射ミラー上に光を放出する2つの向かい合うレーザーを示す。レーザーは、図6に示された実施形態の構成と同様に、ベース上に横方向に配置されている。レンズ272は、窓の頂部に配置されており、遅相軸発散ビームの発散を増大させるために使用される。レンズ274は、レンズ272からある程度の距離を置いて配置され、発散を進相軸のそれと同等になるように減少させる。この構成では、レンズ272および274を、ガリレオ式逆望遠鏡の方式で、パッケージ内の全てのレーザーからのビームを同時に操作することができる。その結果、レーザー光源間の横方向の距離は、ARまたはVRの用途における非点収差補正にとって好ましくも、より近くなるように見えるであろう。
【0045】
図15Bは、同じ結果を達成するための代替的な方法を示す。この場合、側面図280に、反射ミラー上に光を放出する2つの向かい合うレーザーを示す。レーザーは、図6に示された構成と同様に、ベース上に横方向に配置される。レーザーを出た光は、光ロッド282に入る。このロッドは、図15Aにおけるレンズ272,274と同じ機能を果たすが、ケプラー式逆望遠鏡の方法では、ビームが最初に集束し、その後発散する。光ロッド282は、均一なガラスまたは傾斜屈折率レンズであることができる。
【0046】
図16Aおよび図16Bは、種々のさらなる実施形態に係る導波体291内に光を放出する平坦に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。この場合、図16Aにおける側面図290に、隣接する導波体291の第1の端部に光を注入する平坦に取り付けられたレーザーダイオード10を示す。ここで、導波体291は、レーザービームを組み合わせ、変化させる。例えば、赤色、緑色および青色レーザーからの光を、単一の円形ビームに組み合わせることができる。前述の波長板セクション212,214と同等の波長板212’を、例えば第1の端部に向かい合う導波体291の第2の端部もしくは窓16に、またはさらに光学系に沿って、導波体291の反対の端部に配置することができる。図16Bにおける側面図300には、図16Aに示されているような2つのレーザーパッケージ/導波体の組み合わせのシステムが、図9に示された設定と同等の2つの波長板212’および214’を実装することにより、垂直偏光を有する異なるレーザーパッケージにより生成される隣接するビームを生成するために、どのように組み合わせされうるかが示されている。すなわち、このシステムの動作中に、異なる導波体内を導波される光ビームは、異なる偏光を有するシステムにより放出される。
【0047】
図17Aおよび図17Bは、種々のさらなる実施形態に係る導波体291内に光を放出する横方向に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。このタイプの導波体291への光注入はより効率的である場合がある。なぜならビームの進相軸を、導波体291内のモード形状に適合する光分布を生成することができるためである。
【0048】
図17Aおよび17Bに示されている実施形態は、横方向に配向されたレーザーパッケージが平坦に配向されたレーザーパッケージの代わりにそれぞれ利用される点を除いて、図16Aおよび図16Bに示された実施形態と同様である。例えば、側面図310は、レーザービームを組み合わせかつコンディショニングする導波体291内に光を注入する、横方向に取り付けられたレーザーダイオードを含む。前述の波長板セクション212,214と同等の波長板212’を、導波体291の反対の端部もしくは窓16にまたはさらに光学系に沿って配置することができる。図17Bにおける側面図320には、図17Aに示されているような2つのレーザーパッケージ/導波体の組み合わせが、図9に示されている設定と同等の2つの波長板212’および214’を実装することにより、垂直偏光を有する隣接するビームを生成するために、少なくとも2つのレーザーパッケージを備えたシステムにおいてどのように組み合わされうるかが示されている。
【0049】
図17Cは、種々のさらなる実施形態に係る導波体内に光を放出する平坦に配向されたレーザーパッケージと横方向に配向されたレーザーパッケージとの組み合わせを備えたシステムを示すブロック図である。側面図325に、横方向に配向されたレーザーパッケージ/導波体の組み合わせに隣接して、平坦に配向されたレーザーパッケージ/導波体の組み合わせを備えたシステムを示す。レーザーパッケージ(ここで、図17Cにおいて、純粋に例示的な平坦に配向されたレーザーパッケージが上に配置され、横方向に配向されたレーザーパッケージが下に配置される)内のレーザーの垂直方向に、導波体内を伝搬しながら保存される垂直偏光が生成され、これにより、垂直な2つのセクションの出力偏光が生じる。また、2つのレーザーセクションの発散が均等化される、すなわち、進相軸および遅相軸が均等化される限り、例えば図13および図14に示された設定と同様の自由空間構成における垂直の配向状態を組み合わせることも可能である。この問題は、図17Cに示された実施形態には存在しない。なぜなら、導波体により出力発散が均等化され、隣接するレーザー出力、例えばRGBなどの間の最適な間隔を維持するためである。
【0050】
単一のレーザーから非偏光ビームを生成させるために、ビームは、高複屈折性媒体を透過しなければならない。高い複屈折性を、結晶構造、例えば水晶を使用することにより、または導波体内に高非円形モードを実装することにより、生成することができる。レーザーからの光は、偏光モード分散とも呼ばれる強力なモード複屈折性を有する導波体内に注入することができる。レーザーから注入された偏光の配向は、導波体の主軸と重ならないように構成され、これにより、導波体内で両偏光モードを励起し、得られた透過光の偏光解消を引き起こす。ついで、非偏光は、図8における上面図200に示された系に類似する系内に注入される。
【0051】
図18Aおよび図18Bは、種々のさらなる実施形態に係る導波体内に光を放出するレーザーパッケージを示すブロック図である。図18Aにおける側面図330は、導波体291に取り付けられた隣接する波長板292内に光を放出するレーザーを備え、平坦に配向されたレーザーパッケージを示す。導波体291は、好ましくは複屈折性である。図16Aに示された構成とは対照的に、波長板292は、導波体291の反対側ではなく、レーザーダイオード10に近接して配置される。これにより、レーザー偏光が導波体291の軸と重ならないことが可能となる。同様に、図18Bにおける側面図340に、導波体291に取り付けられた隣接する波長板292内に光を放出するレーザーを備えた横方向に配向されたレーザーパッケージを示す。よって、図17Aに示された構成とは対照的に、波長板292は、導波体291の反対側ではなく、レーザーダイオードに近接して配置される。代替的に、図18Aおよび図18Bに示された両方の場合において、レーザーダイオードは、レーザービーム偏光と導波体軸との間の重なりを有さないよう、任意の他の非垂直の配向状態で配置することができ、このため、導波体に対して傾斜させることができる。好ましくは、導波体の長さは、ビームが偏光解消されるように定められている。
【0052】
本明細書に記載された実施形態のいずれかの組み合わせも可能である場合がある。例えば、レーザーパッケージを、次の特徴、すなわち、図18Aおよび図18Bに示された複屈折導波体設定、図16B図17Bおよび図17Cに示された垂直偏光設定、ならびに同じ色の光を放出するが一方がわずかに波長シフトされているレーザーの使用、のうちの少なくとも2つを含むように配置することができる。
【0053】
図19A図19Dは、種々のさらなる実施形態に係る個々のパッケージングにより分離されたレーザーパッケージを備えたシステムを示すブロック図である。例えば、図19Aにおける側面図350に、向かい合って平坦に配向された2つのレーザーダイオード10,110を示す。これらはそれぞれ、例えば、図9に示された実施形態と同様に、反射ミラー118上にかつ波長板セクション212,214を通り、窓16を通って上方に光を放出するRGBレーザーピクセルを含有することができる。ただし、このレーザーパッケージは、個々のパッケージング321により分離することができる。この構成は、単一のRGB画素パッケージを6パックレーザー配置に統合する。同様に、図19Bにおける側面図360に、向かい合って横方向に配向された2つのレーザーダイオードを示し、これらのダイオードはそれぞれ、例えば、図10に示された実施形態と同様に、反射ミラー118上にかつ波長板セクション212,214を通り、窓16を通って上方に光を放出するRGBレーザーピクセルを含有することができる。ただし、このレーザーパッケージは、個々のパッケージング321により分離することができる。また、このアプローチは、図13および図14に示されているように、リフレクタ251および261により形成された曲面/弓状プリズムならびに対応するレンズ252,253と組み合わせることができる。図19Cに、反射プリズム118に対して反対側に配置された、図5Aにおける側面図50に示された構成と同等の側面発光封止パッケージを示す。図19Dに同じ封止パッケージが示されており、ここでは背中合わせに配置されて、並列発光を生成する。
【0054】
光学系におけるレーザーの実装には、系内の全てのレーザーの連続的な出力監視を必要とする場合がある。これは、高速出力検出器、例えば、PINダイオードをビーム経路に沿って配置することにより達成することができる。このような検出器をレーザーパッケージ内に実装して、スペースを節約することは非常に有益である場合がある。図20は、種々のさらなる実施形態に係るフォトダイオードと組み合わせたレーザーパッケージを示すブロック図である。図20における側面図370に、2つのレーザーにより共有されたプリズム404の下の光検出器(PD)404L,404Rのコンパクトな集積化を示す。図20には、右側のレーザーの中心ビームのみが示されているが、左側のレーザーも同等の光ビームを放出する。加えて、図20には、横方向に配向されたレーザーパッケージが示されているが、平坦に配向されたレーザーパッケージを使用することもできる。
【0055】
プリズム404の反射面は、例えば、95%の反射率および5%の透過率を有する部分リフレクタである。破線の矢印として示された透過光は、プリズムの反対側の面上に衝突し、その95%が、PD404Lに向かって下方に反射される。同様に、左側のレーザーからの光は、PD404Rに向かって反射される。プリズム404の光学的配向ならびにPD404Lおよび404Rの配置のために、右側レーザーからの最小の散乱光が左側のPD404Lにより検出され、その逆も同様である。このPD配置を、パッケージ内の全てのレーザー、例えば赤色、緑色および青色のレーザーが両側で使用される場合、6つのレーザーに適用することができる。
【0056】
レーザーパッケージにおけるレーザーの熱管理は、全てのレーザーの熱感度に依存する。AR/VR用途で典型的に使用される可視波長レーザーダイオードは、通常、例えば、緑色光では5~10%程度の効率、赤色光および青色光では30%を超える効率、すなわち光学的効率に対する電気的効率を有する。具体例として、レーザーパッケージは、約100mWで動作する連続波(CW)赤色(R)、緑色(G)および青色(B)レーザーダイオードを含むことができる。表1に、得られたRGBレーザーダイオードパッケージの熱環境のシミュレーションに使用された例示的なレーザーダイオードの仕様を示す。
【0057】
【表1】
【0058】
表1には、緑色レーザーが最も熱を放散するが、赤色レーザーは最も低い温度に制限されていることが示されている。したがって、レーザーからエンベロープへおよびエンベロープから空気への最大熱伝導率を達成することに加えて、全てのレーザーが、隣接するレーザーの過熱を引き起こす1つのレーザーからの熱なしに、各動作温度で同時に動作するように、熱伝導率の区別も必要である。その結果、全てのレーザーから必要な温度を得るために、全てのレーザーのエンベロープへの熱伝導率は、見かけ上の環境温度からのレーザー温度差に反比例し、レーザーにより発生される熱に線形に比例するはずである。
【0059】
図21は、種々のさらなる実施形態に係る熱伝導率修正を伴う、側面図380におけるレーザーパッケージを示すブロック図である。示されたレーザーパッケージは、3つのレーザーダイオード、すなわち、青色用のダイオード10およびサブマウント12B、緑色用のダイオード10およびサブマウント12G、ならびに赤色用のダイオード10およびサブマウント12Rを備えた例示的なRBGレーザーパッケージである。レーザーダイオード10と窓16との間に導電ブリッジ26が存在する。レーザーパッケージは、異なる温度および同じ出力放散を仮定すると、赤色レーザーダイオードが緑色および青色レーザーダイオードに対してより高い熱伝導率を必要とすると仮定して、熱伝導率を修正するための幾つかの代替手段を含む。図21に関する以下の説明は、熱伝導率を修正する一例に過ぎない。異なるレーザーは異なる熱パラメータを有するので異なる調整を必要とするが、当業者であれば、所望の結果を達成するために、サイズの変更含む記載されたアプローチおよび代替手段の組み合わせを変更することができる。
【0060】
図21におけるレーザーダイオード10はそれぞれ、それらの各サブマウント12B,12Gおよび12Rに熱を放散する。赤色レーザーダイオード10についてのより良好な熱放散を可能にするために、サブマウント12Rは、サブマウント12Bおよび12Gより広いが、レーザー間の距離は同じままである。これは、最も熱放散を必要とするレーザーを最後のレーザーとして、すなわち最も外側のレーザーとして配置し、サブマウント12Rについて示されているように、これを内側に向けることにより達成される。
【0061】
また、レーザーダイオード10を通した熱放散は、発光体の位置によっても定まる。緑色および青色レーザーダイオードは、Pサイドアップである発光体構成410を有することができ、一方、赤色レーザーダイオードは、Pサイドダウンである発光体構成412を有する。Pサイドアップ構成は、Pサイドダウン構成と比較して、より低い熱放散を有する。赤色レーザーダイオードにPサイドアップを使用し、一方、緑色および青色レーザーダイオードにPサイドダウンを使用すると、差動熱放散も可能となる場合がある。レーザーダイオードを、金属コア416および絶縁カバー414を含む「金属コア-PCB」上に載置することができる。サブマウント12Rは、他のレーザーがカバー414と接触している間、金属コア416と直接に接触していてよく、これによっても、差動熱放散が達成される。
【0062】
図22は、種々のさらなる実施形態に係る熱伝導率修正を伴う、3次元図390におけるレーザーおよび側面図400におけるレーザーパッケージを示すブロック図である。レーザーは、Pサイドダウン発光体構成412を有するレーザーダイオード10、サブマウント12、および導体を含む。示されている実施形態では、導体は、レーザーダイオード10とサブマウント12との間のアノード被覆11Aおよびサブマウント12の他方の側のカソード被覆11Cにより形成されている。側面図400に係るレーザーパッケージでは、レーザーダイオードと反対側に配置された導体、すなわち示されている実施形態では1つのレーザーのカソード被覆11Cが、隣接するレーザーのレーザーダイオードと接触するように一緒に配置された図390に係る幾つかの個々のレーザーが含まれる。代替的には、レーザーの導体、すなわち、示された実施形態では、アノードおよびカソード被覆を交換することもできる。
【0063】
側面図400に示されたレーザーパッケージのレーザーダイオード10R,10Gおよび10Bは、2つの方向、すなわちレーザーダイオードの両側のサブマウント12を通して熱を放散する。各レーザーダイオードについての電力接続は、一方の側でアノード被覆11Aおよび反対側でカソード被覆11Cを介して行われる。この構成では、余分な最外側のサブマウント12Eが熱伝導率を向上させ、最外側のサブマウントは、レーザーダイオード10Gのサブマウント12および示されている実施形態における余分な最外側のサブマウント12Eであり、レーザー間隔を大きくすることなく厚くすることができる。この構成では、側面のレーザーが最良の熱放散を有する。例えば、赤色レーザーダイオード10Rは一方の端部上にあってよく、緑色レーザーダイオード10Gは他方の端部上にあってよく、表1に示されているように非常に高い発熱を有し、青色レーザーダイオード10Bは中央にあってよい。
【0064】
図22から見て取れるように、横方向に関して最外側のサブマウントを形成するサブマウント12,12Eは、好ましくは、外側を向いた表面を有する外部側に、すなわちレーザーダイオードから遠い側に、導体、例えば被覆を有さない。このため、レーザーダイオードと反対側のサブマウントの側面は、好ましくは、その側面がレーザーパッケージの外部側である場合、導体を有さない。
【0065】
図23は、種々のさらなる実施形態に係る、熱伝導率修正および熱センサを有する側面図405におけるレーザーパッケージを示すブロック図である。レーザーパッケージは、図22に示されたレーザーパッケージと同様であり、温度センサ413、例えばサーミスタまたは他の熱センサが追加されている。温度センサ413を、動作中に、赤色ダイオード10Rの温度を監視するために使用することができる。温度センサ413を使用すると、ダイオードが許容されたジャンクション温度より高温になっている場合、システムフィードバックを提供して、輝度または駆動条件を調整することができる。温度センサ413は、サブマウント12Eの背面またはレーザーダイオード10Rのサブマウントの背面にリソグラフィ的に配置して、パッケージの全体サイズを小さくすることができる。
【0066】
図24は、種々のさらなる実施形態に係る基板420上に金属化パッド422の形態で金属化により形成された導体を備えた、3次元図411におけるレーザーパッケージのためのレーザーの模式図である。基板420は、好ましくは、他の実施形態に関連して記載されたサブマウントまたはサブマウントの少なくとも一部である。このレーザーは、RBGレーザーダイオード10R,10G,10Bを含み、各ダイオード10R,10G,10Bは、はんだパッド421またはんだ接合部を介して各金属化パッド422に取り付けられている。金属化パッド422は、好ましくは高い熱伝導率を有するが、電気的絶縁性の基板420上に配置される。電気的絶縁性は、ワイヤボンディングを基板420上のボンディングパッド(図示せず)に取り付けることを可能にするために必要である。ついで、基板420を、熱放散を容易にするために、レーザーパッケージまたは熱輸送ストラップ上にボンディングすることができる。共通のレーザーパッケージが、基板420に接続される場合、基板420は、高伝導率材料、例えば、AlN、Al、Cuまたは100W/m/Kを超える熱伝導率を有する他の材料から構成されるべきである。レーザーがAR/VRグラスに組み込まれている場合、空気への熱除去を、グラス内のかなりのヒートスプレッダによりさらに容易にすることができる。
【0067】
熱輸送ストラップが基板420に接続される場合、ストラップは、放散のためにレーザーダイオードから熱を運び出すために、高い熱伝導率を有するべきである。ストラップは、経時的な酸化を防止するために適切な被覆を備えた高い熱伝導率の金属、例えば銅製であることができる。また、ストラップは、対流を介して空気への熱輸送をさらに容易にするために、小さな垂直フィンを含むことができる。ストラップを、放射発光による熱除去をさらに容易にするために、遠IR波長範囲におけるある波長付近の放射率を有する材料で塗布しまたは被覆することができる。
【0068】
レーザーダイオードを備えた基板全体および幾つかの実施形態では、熱輸送ストラップは、レーザーダイを劣化させるおそれがある湿度への曝露を防止するために、気密封止されるパッケージに封入されるべきである。はんだパッドのための典型的な材料は、80/20のAu-Sn、銀焼結体または他の周知の低温、高い熱伝導率のボンディング材料を含む。有機ボンディング材料は、前述したケースと同様に、レーザー寿命を劣化させるおそれがあるガス放出を防止するために避けるべきである。はんだ接合または他のボンディング材料を介してレーザーダイオードがボンディングされる基板上の金属化パッドを、周知の金属で構成することができる。金属化パッドのサイズを、熱放散の速度を変化させるために、例えば長さまたは幅を変化させることができる。基板は、アルミナまたはAlNを含む各種の高い熱伝導率を有するセラミックス材料で構成することができる。基板は、特にアルミナの場合、比較的薄くなければならない。アルミナは、AlNの100~300W/m/Kに対して、κ≒20~30W/m/Kの熱伝導率を有するためである。AlNは、アルミナに比べて、レーザーダイオード材料の典型的なCTE(3~6×10-6-1)に対してより適合性を有するが、アルミナのCTEは約8×10-6-1しかないため、熱的不整合はより硬性の低いはんだ層によって部分的に吸収されうることに留意されたい。このことは、はんだの凝固および冷却時にレーザーダイを過度に歪ませる機会を最小限に抑えるために、はんだ付け時に最も重要である。
【0069】
良好な熱伝導率のために、本明細書全体を通してキャリアもしくはサブマウント/キャリアまたは基板としても示すことができるサブマウントは、好ましくは、例えば窒化アルミニウムなどの前述のようなセラミックス材料から構成される。当該材料は様々な形態で印刷することができ、導電線をその内部に埋め込むことができる。
【0070】
図25は、種々のさらなる実施形態に係る埋め込まれた導電線を備えたサブマウントを示すブロック図である。これにより、種々の他の実施形態に関連して示されているように、レーザーから導電ブリッジ26または基板14を通って電源に至る直接的な導電が可能となる場合がある。図460Aに、電気パッド454A,454C,455A,455Cにより形成された導体を示す。電気パッド454Cは、破線により示されているように、内部導体を介して電気パッド455Cに接続されており、一方、パッド454Aは、一点鎖線により示された内部導体によりパッド455Aに接続されている。図460Bにおいて、レーザーダイにより形成されたレーザーダイオード10がサブマウント12に取り付けられ、その結果、一方の側面、例えばダイのアノードが、ここでパッド455Aに直接に取り付けられる(ここでは見えない)一方、上部ダイ側、例えばカソードが、導体457Cを介してパッド455Cに配線される。これにより、パッド454Cがレーザーカソードへの伝導経路を提供し、一方、パッド454Aがレーザーノードへの伝導経路を提供する。ここで、サブマウント/キャリア12の上面からレーザーへの伝導が生じると、キャリアが好ましくは窒化アルミニウムを使用したベース14により形成された基板に直接に取り付けられつつ、導電ブリッジ26に取り付けられ、これにより、良好な熱放散が可能となる。パッド454Cおよび454Aは、サブマウント/キャリア12の底面上に位置させることができ、これにより基板14を通る電気伝導が可能となる。
【0071】
上記のように、図22における図390に示されたレーザーは、カソードおよびアノードそれぞれのための導電性パッド11Cおよび11Aを含む。上面を通りかつ導電ブリッジ26を介して、または下面からベース14を介して、これらのパッドへの接続が可能である。このことは、図26に示されている。図26は、種々のさらなる実施形態に係る埋め込まれた導電線を備えた追加のサブマウントを示すブロック図を含む。図465において、導電性パッドは、上側基板の接続を容易にするために、側面パッドに対する延長部を有することができる。例えば、カソードパッド11Cは延長部474Cを含み、アノードパッド11Aは延長部474Aを含む。図470Aおよび図470Bは、図22および図23における図400および図405に示されるレーザーパッケージについて、導体をサブマウント/キャリア12内にどのように埋め込むことができるかを示す。図470Aには、サブマウント/キャリア12のみが示されている。パッド454Aは、パッド455Aに導電的に接続されており、一方、パッド476Cは、破線により示された他方の側面のパッド477Cに導電的に接続されている。延長部456は、キャリア間のギャップを埋めるために、サブマウント/キャリア12に追加されるかまたはその一部となり、これにより、熱伝導率および機械的安定性が改善される。図470Bに、図470Aのキャリア上へのレーザーダイオード10の配置を示しているが、この図では、パッド478が隣接するキャリアのパッド477Cに接続されている。サブマウント/キャリア12の内側の導体は、種々の形状であってよく、キャリアのファセット上に埋め込まれまたは露出されていてよい。
【0072】
図27は、種々のさらなる実施形態に係る埋め込まれた導電線を備えたサブマウントに取り付けられるベースまたは導電ブリッジの形態またはこれらの一部であってよいPCBを示すブロック図である。明確性の目的で、PCBおよびサブマウントは相互に分離して示されている。図475図475A図475Bに示されているように、PCB479は、図26に示されているのと同じサブマウントであるサブマウント/キャリア12と並んでいる。PCB479は、AlN製であり、はんだバンプ、例えばインジウムバンプにより取り付けることができ、これらのバンプは、サブマウントのパッドに接続されており、通常はフリップチップ取付けに使用され、これにより、レーザー伝導のためのワイヤボンディングが排除される。これにより、レーザー駆動方式のための高速パルスが支援される。
【0073】
図28は、種々のさらなる実施形態に係るマイクロ冷却装置を備えた側面図480におけるレーザーパッケージを示すブロック図である。レーザーパッケージは、図22における図400に示されたレーザーパッケージと同様であってよい。レーザーパッケージは、マイクロ冷却装置とも呼ばれる熱電冷却器(TEC)481を含む。TEC481を、薄膜シリコン-ゲルマニウムから構成することができ、これは、600/cmの冷却密度で3μm程度の薄さであってよく、必要とされるより低い熱接合部温度への適応化のため、外部に配置された赤色レーザーのみまたは少なくともこの赤色レーザーを冷却に使用することができる。ついで、追加のマウント482が廃熱の輸送に使用される。
【0074】
折り畳みプリズム、例えば図6に示された反射ミラー118の上流に、レーザー、例えばレーザーダイオード10および110を配置する際には、全てのレーザーが同じ光学系により同時にコリメートされるよう、それぞれの距離を等しくしなければならない。これは、レーザーパッケージの上部からの目視検査により達成することができる。図29は、種々のさらなる実施形態に係る反射ミラー118を共有し、撮像検査装置600により測定される、側面図500における横方向に配向されたレーザーパッケージを示すブロック図である。撮像検査装置600、好ましくは顕微鏡は、システムを上方から見たものである。プリズム/反射ミラー118の先端602が可視であり、このため、レーザーダイオード10および110の先端604A,604Bのそれぞれも可視である。DAおよびDBとしてマークされた2つのレーザーダイオード10,110からプリズムの先端までの各距離を撮像検査装置600から観察されるように等しく設定することにより、両レーザーからの光の光路は等しくなる。レーザーの先端604A,604Bを直接に観察することができない場合、キャリアの先端606A,606Bに対するレーザーの先端604A,604Bの配置が正確に予め設定されている限り、キャリアの先端606Aおよび606Bのプリズムの先端602までの各距離を代わりに測定することができる。導電ブリッジ26により、キャリアの先端606A,606Bまたはレーザーの先端604A、604Bから撮像検査装置600までの空間が不可視となってはならない。好ましくは、全てのレーザーの先端が可視である。波長板セクション212および214が窓16に取り付けられた場合には、波長板セクション212,214間の中間ライン608も、撮像検査装置600により撮像されるべきであり、必要に応じて、中間ライン608がプリズムの先端602の直上になるように、窓16を移動させるべきである。例えば、PCBにより形成された導電ブリッジ26への電気リードまたはベース14により形成された基板について、外部パッケージへのアクセス性および図29に関して記載された位置合わせの可視性に関して考慮しなければならない。さらに、レーザーごとにアノードおよびカソードリードが相互に隣接して配置されることが好ましい。
【0075】
図30Aおよび図30Bは、種々のさらなる実施形態に係るレーザーパッケージの上側プレートおよび下側プレートのレイアウトを示すブロック図である。下側プレートは、アノードに伝導するベース14により形成された基板であることができ、一方、上側プレートは、カソードに伝導する導電ブリッジ26であることができる。図30Aに、例えばベース14により形成された下部プレートならびに例えば窓26により形成された上部プレートの上面図を示す。パッド620は、ワイヤボンディングまたはインジウムバンプ接続に使用されるパッドである。リード622は、電流をレーザーサブマウント/キャリアに伝導する。リード622の位置の伸長シフトは、例えば、色収差補正のためにレーザー位置シフトが必要な場合に必要である。上側プレートの対角縁部は、図29に関して記載されたように、全てのレーザーの先端の可視性を可能とするために必要である。この実施形態におけるパッド620の配置は、図30Bにおける上面図に示されているように、レーザーと一体化されたときに、これらがワイヤボンディングのためにアクセス可能であるように定義される。図30Bに、窓26により形成された上側プレート、ベース14により形成された下側プレートおよびレーザー(間に、図示せず)を含む組み合わされたブロックを示す。プリズム118は、プリズムの先端602を有し、2つのブロックの間に位置する。外部パッケージ628は、パッケージ(図示せず)の外側に電気を導くパッド630を含む。パッド620は、ワイヤリード632によりパッケージパッド630に接続される。各レーザーについて、AnとマークされたアノードとCtとマークされたカソードとが隣接しており、このためワイヤ632が交差せずかつパッドが不可視とならないことが明らかである。この配置は、RF漏れを誘引することなく、容易なワイヤボンディングおよびレーザーの高速信号変調を可能にするために重要である。
【0076】
種々のさらなる実施形態では、追加の光学素子を、レーザーパッケージのプリズム素子に追加することができる。これらの追加の光学素子は、第1のレベルのビーム整形、例えばレーザー光の進相軸もしくは遅相軸のいずれかまたはその両方の事前コリメーションを行うために使用することができる。追加の光学素子を、異なる波長で異なるタスクを行うために使用することもできる。例えば、可視レーザーは撮像面において同一の焦点を必要とするが、IRレーザーはこの必要性を有さない。光学素子は、より高品質の撮像を生成するために、RGBレーザーについてのビーム発散補正およびフォーカスを行うために使用することができる。IRレーザーは、エネルギ効率、おそらく非常に長いコヒーレンスならびに眼の追跡および近接検出により適している最大光学効率のための改善されたコリメーションを含む各種の理由により、例えば、1:1のビーム比を有するビーム発散補正を有することから利益を得る。例えば、図31は、種々のさらなる実施形態に係る追加の光学素子と反射ミラーを共有している平坦に配向されたレーザーパッケージを示す側面図730におけるブロック図であり、一方、図32は、種々のさらなる実施形態に係る追加の光学素子と反射ミラーを共有している横方向に配向されたレーザーパッケージを示す側面図740におけるブロック図である。図31および図32は、両方とも、反射プリズム118の両表面上の追加の光学表面素子731,732のそれぞれを示す。光学表面素子731,732は、メタ光学系または回折光学系のいずれかであることができる。光学表面素子731,732は、レーザーダイオードから出る光を反射し、ビーム整形を行うことができる。光学表面素子731,732は、レーザー光に対して45°の角度でアライメントすることができるが、45°より大きいまたは小さい角度でもアライメントすることができる。光学表面素子731,732は、平坦化または非平坦化されている場合がある。
【0077】
追加の光学素子を、レーザーパッケージの窓16により形成されたカバーガラスの下側に配置することもできる。例えば、図33は、種々のさらなる実施形態に係る追加の光学素子と反射ミラーを共有している平坦に配向されたレーザーパッケージを示す側面図750におけるブロック図であり、一方、図34は、種々のさらなる実施形態に係る追加の光学素子と反射ミラーを共有している横方向に配向されたレーザーパッケージを示す側面図760におけるブロック図である。図33および図34は両方とも、窓16の下に追加の光学素子733,734を示す。追加の光学素子733,734は、例えば、メタ光学系または回折光学系であってよい。光学素子731,732により、光学素子733,734と合わせて、強度および位相補正の両方が可能となる。プリズム118ならびに光学素子731,732,733および734を取り付けることができる窓16は、必ずしもプレーナではない。
【0078】
特に断らない限り、「実質的に」なる語の使用は、当業者により理解されるように、正確な関係、条件、配置、配向および/または他の特性ならびにこれらの逸脱を、このような逸脱が開示された方法およびシステムに実質的に影響を及ぼさない範囲で含むものと解釈することができる。
【0079】
本開示の全体を通して、名詞を修正するための冠詞“a”および/または“an”および/または“the”の使用は、特に断らない限り、便宜上使用しているものであって、1つまたは2つ以上の修飾される名詞を含むものと理解することができる。「備える」、「含む」および「有する」なる用語は包括的であることが意図されており、列記された要素以外の追加の要素が存在しうることを意味する。
【0080】
本開示の実施形態についての上述した記載は例証および説明の目的で提示したものである。これは、網羅的であることまたは本開示を開示された厳密な形態に限定することを意図するものではない。本開示に照らして、多くの修正および変形が可能である。本開示の範囲は、詳細な説明により限定されるものではなく、むしろ本明細書に添付された特許請求の範囲により限定されることが意図されている。
【符号の説明】
【0081】
5 側面図
7 上面図
10,10B,10G,10R レーザーダイオード
11 接続パッド
11A アノード被覆
11C カソード被覆
12,12B,12E,12G,12R サブマウント
14 ベース
15 側面図
16 窓
17 正面図
18 プリズム
20 進相軸に沿ったビーム発散
22 遅相軸に沿ったビーム発散
26 導電ブリッジ
35 正面図
50 側面図
51 上部カバー
55 側面図
56,57 正面図
59V,59L 距離
110 レーザーダイオード
115 側面図
116,117 スポット図
118 反射ミラー
120A,120B,120C スポット図
125 側面図
126 スポット図
200 上面図
202 レーザーパッケージ
204 光学系
206 走査ミラー
208 射出瞳
212 波長板セクション
212’ 波長板
214 波長板セクション
214’ 波長板
216,218 偏光スポット図
219,220,230,240,250 側面図
251 リフレクタ
252,253 レンズ
260 側面図
261 リフレクタ
270 側面図
272,274 レンズ
280 側面図
282 レンズ
290 側面図
291 導波体
292 波長板
300,310,320 側面図
321 個々のパッケージング
325,330,340,350,360,370,380 側面図
390 図
400 側面図
404 プリズム
404L,404R 光検出器
405 側面図
410 発光体構成
411 図
412 発光体構成
413 温度センサ
414 カバー
416 金属コア
420 基板
421 はんだパッド
422,454A,454C,455A,455C パッド
456 延長部
457C 導体
460A,460B,465,470A,470B 図
474A,474C 延長部
475,475A,475B 図
476C,477C,478 パッド
479 PCB
480 側面図
481 熱電冷却器
482 マウント
500 側面図
600 撮像検査装置
602,604A,604B,606A,606B 先端
608 中間ライン
620 パッド
622 リード
628 外部パッケージ
630 パッド
632 ワイヤリード
730 側面図
731,732 光学表面素子
733,734 光学素子
740,750,760 側面図
DA,DB 距離
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16A
図16B
図17A
図17B
図17C
図18A
図18B
図19A
図19B
図19C
図19D
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30A
図30B
図31
図32
図33
図34
【国際調査報告】