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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-30
(54)【発明の名称】電子膨張弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/04 20060101AFI20221122BHJP
【FI】
F16K31/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577296
(86)(22)【出願日】2020-04-23
(85)【翻訳文提出日】2022-03-23
(86)【国際出願番号】 CN2020086494
(87)【国際公開番号】W WO2021057019
(87)【国際公開日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】201910927066.8
(32)【優先日】2019-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201921636034.4
(32)【優先日】2019-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201921637697.8
(32)【優先日】2019-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】▲ザン▼ 少軍
(72)【発明者】
【氏名】邸 志強
(72)【発明者】
【氏名】馮 貴剛
【テーマコード(参考)】
3H062
【Fターム(参考)】
3H062AA02
3H062AA15
3H062BB31
3H062BB33
3H062CC01
3H062DD01
3H062EE06
3H062GG04
3H062GG06
3H062HH04
3H062HH08
3H062HH09
(57)【要約】
電子膨張弁であって、ハウジング(10)と、ハウジング(10)内に設置されるガイドスリーブ(20)及びスクリュ(50)と、ハウジング(10)内に回転可能に設置され、スクリュ(50)と駆動接続されるロータ(40)と、ハウジング(10)内に移動可能に設置されており、スクリュ(50)の一端に接続されて、スクリュ(50)によって軸方向に移動するスピンドルアセンブリ(60)とを含み、ハウジング(10)の内壁とガイドスリーブ(20)の外壁との間には、互いに連通されるガイドセグメントと圧入セグメントとが設置されており、ガイドセグメントに位置するガイドスリーブ(20)とハウジング(10)との間隔は、圧入セグメントに位置するガイドスリーブ(20)とハウジング(10)との間隔より大きく、ハウジング(10)の内壁とガイドスリーブ(20)の外壁との間には溶接リング溝(213)が更に設置されており、溶接リング溝(213)はガイドセグメントに連通される。この電子膨張弁は、従来技術における同軸度が低いという問題を解決することができる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子膨張弁であって、
ハウジング(10)と、
前記ハウジング(10)内に設置されたガイドスリーブ(20)と、
前記ハウジング(10)内に回転可能に設置されたロータ(40)と、
前記ハウジング(10)内に設置され、前記ロータ(40)と駆動接続されるスクリュ(50)と、
前記ハウジング(10)内に移動可能に設置されており、前記スクリュ(50)の一端に接続されて、前記スクリュ(50)によって軸方向に移動するスピンドルアセンブリ(60)と、を含み、
前記ハウジング(10)の内壁と前記ガイドスリーブ(20)の外壁との間には、互いに連通するガイドセグメントと圧入セグメントとが設置されており、
前記ガイドセグメントに位置する前記ガイドスリーブ(20)と前記ハウジング(10)との間隔は、前記圧入セグメントに位置する前記ガイドスリーブ(20)と前記ハウジング(10)との間隔より大きく、
前記ハウジング(10)の内壁と前記ガイドスリーブ(20)の外壁との間には溶接リング溝(213)が更に設置されており、前記溶接リング溝(213)は前記ガイドセグメントに連通する、電子膨張弁。
【請求項2】
前記ハウジング(10)は、スリーブ(11)と弁座(12)とを含み、
前記ガイドスリーブ(20)は弁座(12)内に設置されており、
前記ガイドセグメントと前記圧入セグメントとが前記ガイドスリーブ(20)と前記弁座(12)との間に位置する、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項3】
前記弁座(12)は取り付け孔(121)を有し、
前記ガイドスリーブ(20)は前記取り付け孔(121)内に設置され、
前記取り付け孔(121)は互いに接続された第1のセグメント(121a)と第2のセグメント(121b)とを有し、前記第1のセグメント(121a)の内壁と前記ガイドスリーブ(20)とが係合されて前記ガイドセグメントを形成し、前記第2のセグメント(121b)の内壁と前記ガイドスリーブ(20)とが係合されて前記圧入セグメントを形成する、請求項2に記載の電子膨張弁。
【請求項4】
前記ガイドスリーブ(20)には、取り付けカム(21)が設置されており、
前記取り付けカム(21)は、前記ガイドスリーブ(20)の側壁の周方向に沿って設置され、前記取り付けカム(21)の側壁と前記取り付け孔(121)の内壁との間には、前記ガイドセグメントと前記圧入セグメントとが形成されている、請求項3に記載の電子膨張弁。
【請求項5】
前記取り付けカム(21)は、第3のセグメント(211)と第4のセグメント(212)とを含み、
前記第3のセグメント(211)は前記第1のセグメント(121a)に対応して設置されており、
前記第4のセグメント(212)は前記第2のセグメント(121b)に対応して設置されている、請求項4に記載の電子膨張弁。
【請求項6】
前記取り付けカム(21)には、溶接リング溝(213)が設置されており、
前記溶接リング溝(213)は、前記第3のセグメント(211)と前記第4のセグメント(212)との間に位置し、前記取り付けカム(21)の側壁の周方向に沿って設置されている、請求項5に記載の電子膨張弁。
【請求項7】
前記取り付け孔(121)内には、ストップカム(121c)が設置されており、前記ストップカム(121c)は、前記第2のセグメント(121b)の前記第1のセグメント(121a)から離れた側に位置し、前記ストップカム(121c)と前記取り付けカム(21)との係合によって、前記ガイドスリーブ(20)の前記弁座(12)に対する変位を制限する、請求項4に記載の電子膨張弁。
【請求項8】
前記電子膨張弁は、ナットアセンブリ(30)を更に含み、
前記ガイドスリーブ(20)には、ナットガイドセグメント(22)が設置されており、前記ナットアセンブリ(30)は、前記ナットガイドセグメント(22)に嵌合される、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項9】
前記ハウジング(10)は、互いに連通する入孔と出孔とを有し、前記スピンドルアセンブリ(60)は、前記ガイドスリーブ(20)内に穿設され、前記出孔の開閉に用いられ、
前記電子膨張弁は、
前記入孔内に設置され且つ一部が前記ハウジング(10)内に伸び込む第1の継手(70)を更に含み、前記ガイドスリーブ(20)と前記第1の継手(70)との間には、前記第1の継手(70)の前記ハウジング(10)に伸び込む長さ寸法を制限するように制限構造(80)が設置されている、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項10】
前記ガイドスリーブ(20)には、ストップカム(23)が設置されており、前記ストップカム(23)は前記第1の継手(70)の端面に対応して設置されている、請求項9に記載の電子膨張弁。
【請求項11】
前記ストップカム(23)は、前記ガイドスリーブ(20)の周方向に沿って環状に設置されている、請求項10に記載の電子膨張弁。
【請求項12】
前記ガイドスリーブ(20)は平坦セグメント(24)を有し、
前記ストップカム(23)は、前記平坦セグメント(24)の上方に位置し、
前記平坦セグメント(24)の断面寸法は前記ストップカム(23)の断面寸法より小さく、前記平坦セグメント(24)と前記第1の継手(70)の端面との間に間隔を有する、請求項10に記載の電子膨張弁。
【請求項13】
前記第1の継手(70)と前記ガイドスリーブ(20)との間には、はんだの流通に用いられるガイド構造が設置されている、請求項9に記載の電子膨張弁。
【請求項14】
前記第1の継手(70)の前記ハウジング(10)に伸び込む端面には、ガイド溝が設置されている、請求項13に記載の電子膨張弁。
【請求項15】
前記ハウジング(10)は、互いに接続されたスリーブ(11)と弁座(12)とを含み、
前記弁座(12)は、本体(122)と取り付けカム(123)とを含み、
前記取り付けカム(123)は、前記本体(122)の前記スリーブ(11)から離れた一端に設置されており、前記取り付けカム(123)には、弁口が設置されており、
前記電子膨張弁は、前記取り付けカム(123)に嵌合される第2の継手(90)を更に含み、前記第2の継手(90)の内壁と前記取り付けカム(123)の外側壁との間には、溶接リング(110)の配置に用いられる溶接リング収容部(100)が設置されている、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項16】
前記溶接リング収容部(100)は、前記取り付けカム(123)に設置されている、請求項15に記載の電子膨張弁。
【請求項17】
前記取り付けカム(123)の外側壁には、収容溝(123a)が設置されており、前記収容溝(123a)は、前記取り付けカム(123)の周方向に沿って環状に設置され、前記溶接リング収容部(100)を形成する、請求項16に記載の電子膨張弁。
【請求項18】
前記収容溝(123a)は、前記取り付けカム(123)の前記本体(122)から離れた一端に位置する、請求項17に記載の電子膨張弁。
【請求項19】
前記第2の継手(90)と前記取り付けカム(123)との間には、はんだの流通に用いられるガイド構造が設置されている、請求項15に記載の電子膨張弁。
【請求項20】
前記第2の継手(90)の内壁には、ガイド溝が設置されている、請求項19に記載の電子膨張弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電子膨張弁の技術分野に関し、具体的には、電子膨張弁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、電子膨張弁は、ハウジングと、ハウジング内に設置されるガイドスリーブとを含む。ここで、電子膨張弁は、第1の継手及び第2の継手とそれぞれ接続されており、第1の継手及び第2の継手との連通状態を電子膨張弁で制御することができる。
【0003】
電子膨張弁に第1の継手及び第2の継手を組み立てる場合、まず第1の継手及び第2の継手を炉中ロウ付けの方法でハウジングに溶接し、その後ガイドスリーブをハウジング内に圧入するが、ガイドスリーブとハウジングの既存の構成が炉中ロウ付けの溶接工程の要件を満たさないので、ガイドスリーブはレーザ溶接の方法でハウジングに固定して、組立工程を完了するしかできない。
【0004】
しかし、従来技術では、第1の継手及び第2の継手をハウジングに溶接してから、ガイドスリーブをハウジング内に圧入する場合に、第1の継手及び第2の継手がガイドスリーブの圧入に影響を及ぼし、且つガイドスリーブを弁座にレーザ溶接する際に片側に反る状態が生じやすいため、ガイドスリーブとハウジングとの同軸度を保証することが難しくなってしまう。このため、従来技術には、同軸度が低いという問題が存在する。
【発明の概要】
【0005】
本出願は、従来技術における同軸度が低いという問題を解決するための電子膨張弁を提供する。
【0006】
上記の問題を解決するために、本出願は、ハウジングと、ハウジング内に設置されるガイドスリーブと、ハウジング内に回転可能に設置されるロータと、ハウジング内に設置され、ロータと駆動接続されるスクリュと、ハウジング内に移動可能に設置されており、スクリュの一端に接続されて、スクリュによって軸方向に移動するスピンドルアセンブリとを含み、ここで、ハウジングの内壁とガイドスリーブの外壁との間には、互いに連通されるガイドセグメントと圧入セグメントとが設置されており、ガイドセグメントに位置するガイドスリーブとハウジングとの間隔は、圧入セグメントに位置するガイドスリーブとハウジングとの間隔より大きく、ハウジングの内壁とガイドスリーブの外壁との間には溶接リング溝が更に設置されており、溶接リング溝はガイドセグメントに連通される、電子膨張弁を提供する。
【0007】
更に、ハウジングは、スリーブと弁座とを含み、ガイドスリーブは弁座内に設置され、ガイドセグメントと圧入セグメントとがガイドスリーブと弁座との間に位置する。
【0008】
更に、弁座は取り付け孔を有し、ガイドスリーブは取り付け孔内に設置され、取り付け孔は互いに接続される第1のセグメントと第2のセグメントとを有し、第1のセグメントの内壁とガイドスリーブとが係合されてガイドセグメントを形成し、第2のセグメントの内壁とガイドスリーブとが係合されて圧入セグメントを形成する。
【0009】
更に、ガイドスリーブには、取り付けカムが設置されており、取り付けカムは、ガイドスリーブの側壁の周方向に沿って設置され、取り付けカムの側壁と取り付け孔の内壁との間には、ガイドセグメントと圧入セグメントとが形成される。
【0010】
更に、取り付けカムは、第3のセグメントと第4のセグメントとを含み、第3のセグメントは第1のセグメントに対応して設置され、第4のセグメントは第2のセグメントに対応して設置される。
【0011】
更に、取り付けカムには、溶接リング溝が設置されており、溶接リング溝は、第3のセグメントと第4のセグメントとの間に位置し、取り付けカムの側壁の周方向に沿って設置される。
【0012】
更に、取り付け孔内には、ストップカムが設置されており、ストップカムは、第2のセグメントの第1のセグメントから離れた側に位置し、ストップカムと取り付けカムとの係合によって、ガイドスリーブの弁座に対する変位を制限する。
【0013】
更に、電子膨張弁は、ナットアセンブリを更に含み、ガイドスリーブには、ナットガイドセグメントが設置されており、ナットアセンブリは、ナットガイドセグメントに嵌合される。
【0014】
更に、ハウジングは、互いに連通される入孔と出孔とを有し、スピンドルアセンブリは、ガイドスリーブ内に穿設され、出孔の開閉に用いられ、電子膨張弁は、入孔内に設置され且つ一部がハウジング内に伸び込む第1の継手を更に含み、ガイドスリーブと第1の継手との間には、第1の継手のハウジングに伸び込む長さ寸法を制限ことに用いられる制限構造が設置されている。
【0015】
更に、ガイドスリーブには、ストップカムが設置されており、ストップカムは第1の継手の端面に対応して設置される。
【0016】
更に、ストップカムは、ガイドスリーブの周方向に沿って環状に設置される。
【0017】
更に、ガイドスリーブは平坦セグメントを有し、ストップカムは平坦セグメントの上方に位置し、平坦セグメントの断面寸法はストップカムの断面寸法より小さく、平坦セグメントと第1の継手の端面との間に間隔を有する。
【0018】
更に、第1の継手とガイドスリーブとの間には、はんだの流通に用いられるガイド構造が設置されている。
【0019】
更に、第1の継手のハウジングに伸び込む端面には、ガイド溝が設置されている。
【0020】
更に、ハウジングは、互いに接続されるスリーブと弁座とを含み、弁座は、本体と取り付けカムとを含み、取り付けカムは、本体のスリーブから離れた一端に設置されており、取り付けカムには、弁口が設置されており、電子膨張弁は、取り付けカムに嵌合される第2の継手を更に含み、第2の継手の内壁と取り付けカムの外側壁との間には、溶接リングの配置に用いられる溶接リング収容部が設置されている。
【0021】
更に、溶接リング収容部は、取り付けカムに設置される。
【0022】
更に、取り付けカムの外側壁には、収容溝が設置されており、収容溝は、取り付けカムの周方向に沿って環状に設置され、溶接リング収容部を形成する。
【0023】
更に、収容溝は、取り付けカムの本体から離れた一端に位置する。
【0024】
更に、第2の継手と取り付けカムとの間には、はんだの流通に用いられるガイド構造が設置されている。
【0025】
更に、第2の継手の内壁には、ガイド溝が設置されている。
【0026】
本出願の技術態様を適用すると、この電子膨張弁は、ハウジング、ガイドスリーブ、ロータ、スクリュ、及びスピンドルアセンブリを含む。ここで、ガイドスリーブは、ハウジング内に設置される。ここで、ハウジングの内壁とガイドスリーブの外壁との間には、互いに連通されるガイドセグメントと圧入セグメントとが設置されており、且つ、ガイドセグメントに位置するガイドスリーブとハウジングとの間隔は、圧入セグメントに位置するガイドスリーブとハウジングとの間隔より大きい。ガイドセグメントに位置するガイドスリーブとハウジングとの間に隙間が存在し、ハウジングの内壁とガイドスリーブの外壁との間に溶接リング溝が更に設置されており、且つ、溶接リング溝がガイドセグメントに連通されることにより、炉中ロウ付けの溶接工程の要件が満たされるので、ガイドスリーブは炉中ロウ付けの方法で、第1の継手及び第2の継手は一体炉中ロウ付けの方法で、ハウジングに溶接することができる。上記の構成を採用すると、ガイドスリーブが一体炉中ロウ付けの方法でハウジングに溶接され、且つ、第1の継手及び第2の継手がガイドスリーブの圧入に影響を及ぼさないため、ガイドスリーブとハウジングとの同軸度を保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本出願に対する更なる理解を助けるためのものであり、本出願の概略的な実施例及びその説明は、本出願を解釈するためのものであり、本出願を不当に限定するものではない。
【0028】
図1】本出願の実施例で提供される電子膨張弁の構成概略図を示す。
図2図1において弁座にガイドスリーブを圧入した後の断面図を示す。
図3図1においてガイドスリーブを弁座に入れる際に、ガイドセグメントがガイドスリーブをガイドする概略図を示す。
図4図3におけるA部位の部分拡大図を示す。
図5図1においてガイドスリーブを圧入セグメントに圧入した後の概略図を示す。
図6図5におけるB部位の部分拡大図を示す。
図7図1におけるガイドスリーブの構成概略図を示す。
図8図1における弁座の構成概略図を示す。
図9】他の実施例で提供される電子膨張弁の構成概略図を示す。
図10図9における第1の継手と弁座の組立図を示す。
図11図9におけるガイドスリーブの構成概略図を示す。
図12】別の実施例で提供される電子膨張弁の構成概略図を示す。
図13図12における第2の継手及び弁座の断面図を示す。
図14図12におけるガイドスリーブと弁座の組立図を示す。
図15図12におけるガイドスリーブと弁座の別の組立図を示す。
図16図12における第2の継手と弁座の組立図を示す。
図17図12における第1の継手と弁座の組立図を示す。
【0029】
ここで、上記の図面は以下の符号を含む。
10 ハウジング、11 スリーブ、12 弁座、121 取り付け孔、121a 第1のセグメント、121b 第2のセグメント、121c ストップカム、122 本体、123 取り付けカム、123a 収容溝、20 ガイドスリーブ、21 取り付けカム、211 第3のセグメント、212 第4のセグメント、213 溶接リング溝、22 ナットガイドセグメント、23 ストップカム、24 平坦セグメント、30 ナットアセンブリ、40 ロータ、50 スクリュ、60 スピンドルアセンブリ、70 第1の継手、80 制限構造、90 第2の継手、100 溶接リング収容部、110 溶接リング。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本出願の実施例における図面を参照して、本出願の実施例における技術態様について、明確且つ完全に説明する。説明される実施例は、本出願の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。以下の少なくとも1つの例示的な実施例についての説明は、実際には例示にすぎず、本出願及びその適用又は使用に対するいかなる制限とされるものではない。本出願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力なしに得られる全ての他の実施例は、何れも本出願の保護の範囲に属する。
【0031】
図面に示すように、本出願の実施例1は、ハウジング10、ガイドスリーブ20、ロータ40、スクリュ50、及びスピンドルアセンブリ60を含む電子膨張弁を提供する。ここで、ガイドスリーブ20とスクリュ50は、いずれもハウジング10内に設置される。具体的には、ロータ40はハウジング10内に回転可能に設置され、ロータ40はスクリュ50と駆動接続される。ここで、スピンドルアセンブリ60は、ハウジング10内に移動可能に設置されており、スクリュ50の一端に接続されて、スクリュ50によって軸方向に移動できることにより、スピンドルアセンブリ60で弁口に対する開閉を行う。ここで、ハウジング10の内壁とガイドスリーブ20の外壁との間には、互いに連通されるガイドセグメントと圧入セグメントとが設置されており、且つ、ガイドセグメントに位置するガイドスリーブ20とハウジング10との間隔は、圧入セグメントに位置するガイドスリーブ20とハウジング10との間隔より大きく、ハウジング10の内壁とガイドスリーブ20の外壁との間には溶接リング溝213が更に設置されており、且つ、溶接リング溝213はガイドセグメントに連通される。ここで、溶接リング溝213は、全部がガイドセグメント内に設置されてもよいし、一部がガイドセグメント内に、一部が圧入セグメント内に設置されてもよい。本実施例では、溶接リング溝213は、一部がガイドセグメント内に、一部が圧入セグメント内に設置されているが、このような設置は、はんだで隙間を十分に充填することができ、溶接効果を向上させることができる。
【0032】
ここで、ガイドセグメントに位置するガイドスリーブ20とハウジング10との間隔は、圧入セグメントに位置するガイドスリーブ20とハウジング10との間隔より大きく、以下の3つの構成、即ち、
ハウジング10の一部の内壁の内径を拡大することにより、ハウジング10の内壁とガイドスリーブ20の外壁との間に、ガイドセグメントを形成させることができ、ハウジング10の他の一部の内壁とガイドスリーブ20の外壁との締り嵌めにより、ハウジング10の内壁とガイドスリーブ20の外壁との間に、圧入セグメントを形成させることができる、第1の構成と、
ガイドスリーブ20の一部の外壁の外径を縮小することにより、ガイドスリーブ20の外壁とハウジング10の内壁との間に、ガイドセグメントを形成させることができ、ガイドスリーブ20の他の一部の外壁とハウジング10の内壁との締り嵌めにより、ガイドスリーブ20の外壁とハウジング10の内壁との間に、圧入セグメントを形成させることができる、第2の構成と、
ハウジング10の一部の内壁の内径を拡大することと、ガイドスリーブ20の一部の外壁の外径を縮小することとを同時に行うことにより、ハウジング10の内壁とガイドスリーブ20の外壁との間に、ガイドセグメントを形成させることができ、ハウジング10の他の一部の内壁とガイドスリーブ20の他の一部の外壁との締り嵌めにより、ハウジング10の内壁とガイドスリーブ20の外壁との間に、圧入セグメントを形成させることができる、第3の構成とを含む。
【0033】
本実施例では、ガイドセグメントに位置するガイドスリーブ20とハウジング10との間隔が、圧入セグメントに位置するガイドスリーブ20とハウジング10との間隔より大きくなるように、第1の構成を採用する。
【0034】
本実施例によって提供される電子膨張弁を適用すると、装置を組み立てる場合に、まずガイドスリーブ20とハウジング10とを組み立てることができ、ガイドスリーブ20をハウジング10に圧入すると、ガイドスリーブ20に対して、ガイドセグメントが位置決め及びガイドを行うことができるので、ガイドスリーブ20をハウジング10内に装入することが容易になり、圧入セグメントは、ガイドスリーブのハウジングへの圧入が実現できる。圧入を完了してから、第1の継手及び第2の継手をそれぞれハウジング10に接続させるが、ガイドセグメントに位置するガイドスリーブ20とハウジング10との間に隙間が存在し、ハウジング10の内壁とガイドスリーブ20の外壁との間に溶接リング溝213が設置されており、且つ、溶接リング溝213がガイドセグメントに連通されることにより、炉中ロウ付けの溶接工程の要件が満たされるので、ガイドスリーブ20は炉中ロウ付けの方法で、第1の継手及び第2の継手は一体炉中ロウ付けの方法で、ハウジング10に溶接することができる。上記の構成を採用すると、ガイドスリーブ20が炉中ロウ付けの方法でハウジング10に溶接され、且つ、第1の継手及び第2の継手がガイドスリーブ20の圧入に影響を及ぼさないので、ガイドスリーブ20とハウジング10との同軸度を保証することができるようになる。
【0035】
また、レーザ溶接の工程が複雑であるので、コストが高いが、一体炉中ロウ付けの方法で、第1の継手、第2の継手、及びガイドスリーブ20をハウジング10に溶接すると、加工工程を簡略化し、加工コストを削減することができる。具体的には、従来技術において、レーザ溶接の方法を採用してガイドスリーブ20をハウジング10に溶接する場合、ガイドスリーブ20とハウジング10に複数の溶接点が存在することになるので、溶接工程自体がガイドスリーブ20とハウジング10との同軸度を保証することができない。本実施例では、炉中ロウ付けの方法を採用してガイドスリーブ20をハウジング10に溶接すると、溶接工程がガイドスリーブ20とハウジング10との同軸度に影響を及ぼさないので、装置の精度を向上させ、電子膨張弁の密封性能を向上させることができる。
【0036】
具体的には、ハウジング10は、スリーブ11と弁座12とを含み、ガイドスリーブ20は弁座内に設置され、ガイドセグメントと圧入セグメントとがガイドスリーブ20と弁座12との間に位置する。ここで、第1の継手及び第2の継手は、いずれも弁座12に接続される。
【0037】
ここで、弁座12は取り付け孔121を有し、ガイドスリーブ20は取り付け孔121内に設置され、取り付け孔121は互いに接続される第1のセグメント121aと第2のセグメント121bとを有する。本実施例では、第1のセグメント121aの内壁とガイドスリーブ20とが係合されてガイドセグメントを形成し、第2のセグメント121bの内壁とガイドスリーブ20とが係合されて圧入セグメントを形成し、且つ、第1のセグメント121aは第2のセグメント121bの上方に位置する。他の実施例では、第1のセグメント121aは、第2のセグメント121bの下方に位置してもよい。
【0038】
本実施例では、ガイドセグメントに位置するガイドスリーブ20とハウジング10との間隔が、圧入セグメントに位置するガイドスリーブ20とハウジング10との間隔より大きくなるように、第1のセグメント121aの孔径が第2のセグメント121bの孔径より大きい。具体的には、第1のセグメント121aの孔径は、第2のセグメント121bの孔径より0.02mm~0.08mm大きい。上記の構成を採用すると、ガイドスリーブ20と第1のセグメント121aとの間隔は0.01mm~0.04mmであり、ガイドスリーブ20と第2のセグメント121bとは締り嵌めである。
【0039】
ここで、ガイドスリーブ20には、取り付けカム21が設置されており、取り付けカム21は、ガイドスリーブ20の側壁の周方向に沿って設置され、取り付けカム21の側壁と取り付け孔121の内壁との間には、ガイドセグメントと圧入セグメントとが形成される。具体的には、取り付けカム21の側壁と、取り付け孔121の第1のセグメント121a及び第2のセグメント121bの内壁との間に、ガイドセグメントと圧入セグメントとが形成される。
【0040】
具体的には、取り付けカム21は、第3のセグメント211と第4のセグメント212とを含み、第3のセグメント211は第1のセグメント121aに対応して設置され、第4のセグメント212は第2のセグメント121bに対応して設置される。ここで、第3のセグメント211は、第4のセグメント212の上方に位置する。
【0041】
本実施例では、第3のセグメント211の断面寸法は、第4のセグメント212の断面寸法と等しい。
【0042】
本実施例では、取り付けカム21には、溶接リング溝213が設置されており、溶接リング溝213は、第3のセグメント211と第4のセグメント212との間に位置し、且つ、溶接リング溝213は、取り付けカム21の側壁の周方向に沿って設置される。具体的には、溶接リング溝213の一端は第3のセグメント211に接続され、溶接リング溝213の他端は第4のセグメント212に接続される。上記の構成を採用すると、溶接リング溝213で溶接リングを配置することができるので、炉中ロウ付けの方法でガイドスリーブ20とハウジング10との接続を完成することが容易になる。
【0043】
ここで、取り付け孔121内には、ストップカム121cが設置されており、ストップカム121cは、第2のセグメント121bの第1のセグメント121aから離れた側に位置する。具体的には、ストップカム121cの一端は、第2のセグメント121bに接続される。ストップカム121cと取り付けカム21との係合により、ガイドスリーブ20が取り付け孔121内に過度に伸び込まないように、ガイドスリーブ20の弁座12に対する変位を制限することができる。
【0044】
本実施例では、電子膨張弁は、ナットアセンブリ30を更に含み、ガイドスリーブ20には、ナットガイドセグメント22が設置されており、ナットアセンブリ30は、ナットガイドセグメント22に嵌合される。具体的には、ナットガイドセグメント22は取り付けカム21に接続され、且つ、取り付けカム21の上方に位置する。ガイドスリーブ20とハウジング10との溶接を完了すると、ナットアセンブリ30をガイドスリーブ20のナットガイドセグメント22に圧入することができるので、圧入の工程において、ナットガイドセグメント22は、ナットアセンブリ30に対する位置決め及びガイドとして機能を果たすことができる。
【0045】
実施例1で提供される装置の組立ステップは、以下の通りである。
(1)ガイドスリーブ20の第4のセグメント212と弁座12の第1のセグメント121aとが隙間嵌めされて、ガイドスリーブ20に対する位置決め及びガイドとして機能を果たすことができるように、ガイドスリーブ20を弁座12内に入れる。
(2)取り付けカム21の下面がストップカム121cの段差面に接触され、ガイドスリーブ20の第4のセグメント212と弁座12の第2のセグメント121bとが締り嵌めされるように、ガイドスリーブ20を圧入する。この場合、ガイドスリーブ20の第3のセグメント211と弁座12の第1のセグメント121aとの間には、溶接部として片側が0.01mm~0.04mmである隙間が存在し、且つ、溶接リング溝213内には、溶接リングが配置されている。
(3)第1の継手及び第2の継手を弁座12に組み立てらせ、一体炉中ロウ付けの方法で、第1の継手、第2の継手、及びガイドスリーブ20を弁座12に一体に溶接する。
【0046】
本出願の実施例2では、第3のセグメント211の断面寸法が第4のセグメント212の断面寸法より小さいか大きい点で実施例1とは異なる電子膨張弁を提供する。具体的には、第3のセグメント211の断面寸法は第4のセグメント212の断面寸法より小さく、第3のセグメント211と取り付け孔121の内壁との間にはガイドセグメントが形成され、第4のセグメント212と取り付け孔121の内壁との間には圧入セグメントが形成されて、ガイドセグメントに位置するガイドスリーブ20とハウジング10との間隔が、圧入セグメントに位置するガイドスリーブ20とハウジング10との間隔より大きくなる。本実施例では、第3のセグメント211は、第4のセグメント212の上方に位置する。他の本実施例では、第3のセグメント211は、第4のセグメント212の下方に位置してもよい。
【0047】
具体的には、第3のセグメント211の断面寸法は、第4のセグメント212の断面寸法より0.02mm~0.08mm小さい。上記の構成を採用すると、取り付け孔121の内壁と第3のセグメント211との間隔は0.01mm~0.04mmであり、取り付け孔121の内壁と第4のセグメント212とは締り嵌めである。ここで、取り付け孔121の第1のセグメント121aと第2のセグメント121bの孔径は等しい。
【0048】
本出願の実施例3では、第1のセグメント121aの孔径が第2のセグメント121bの孔径より大きく、第3のセグメント211の断面寸法が第4のセグメント212の断面寸法より小さく、第1のセグメント121aの内壁と第3のセグメント211の外壁との間にはガイドセグメントが形成され、第2のセグメント121bの内壁と第4のセグメント212の外壁との間には圧入セグメントが形成されて、ガイドセグメントに位置するガイドスリーブ20とハウジング10との間隔が、圧入セグメントに位置するガイドスリーブ20とハウジング10との間隔より大きくなる点で実施例1とは異なる電子膨張弁を提供する。本実施例では、第1のセグメント121aは第2のセグメント121bの上方に位置し、第3のセグメント211は第4のセグメント212の上方に位置する。他の本実施例では、第1のセグメント121aが第2のセグメント121bの下方に、第3のセグメント211が第4のセグメント212の下方に、設置されてもよい。
【0049】
上記の実施例で提供される装置により、以下のような有益な効果がある。
(1)ガイドスリーブ20をハウジング10に圧入すると、ガイドセグメントによってガイドスリーブ20を位置決めすることができるので、圧入が容易になる。
(2)ガイドスリーブ20をハウジング10内に圧入してから、第1の継手及び第2の継手をハウジング10に組み立て、また、一体炉中ロウ付けの方法で第1の継手、第2の継手、及びガイドスリーブ20が組み立てられたハウジング10に対して溶接を行うので、工程がシンプルで安定的であり、ガイドスリーブと弁体との同軸度を効果的に保証できるという利点を有する。
(3)一体炉中ロウ付け後、ガイドセグメントから溶接の品質を観察することができ、はんだがにじみ出れば、溶接部が充填されていることを表し、溶接方法が確実で効率的であると判定される。
(4)炉中ロウ付けの方法を採用すると、弁座12及びガイドスリーブ20の材質を、いずれもsus303にすることができるので、両者の試作の難度及びコストを削減することができる。一方、従来技術では、弁座12とガイドスリーブ20とを、レーザ溶接の方法を採用して溶接するため、強度が更に高いステンレス材質が必要となり、コストが高い。
【0050】
従来技術における電子膨張弁は、ハウジング、第1の継手、及び第2の継手を含み、ハウジングには、互いに連通される入孔と出孔とが設置されており、第1の継手は、入孔内に設置され且つ一部がハウジング内に伸び込み、冷媒は第1の継手を通って入孔からハウジング内に入ることができ、第2の継手は出孔に対応して設置される。第1の継手のハウジングに伸び込む長さ寸法を制限するように、第1の継手の入孔に接近する一端にはネッキング部が設置されており、ネッキング部の長さ寸法を制御することにより、第1の継手のハウジングに伸び込む長さ寸法を制限することができる。しかし、従来技術では、ネッキング部の長さ寸法を保証することが困難で、第1の継手のハウジングに伸び込む長さ寸法を正確に制御することができない。また、第1の継手に対してネッキングを行うことにより、第1の継手の流れ抵抗が増加され、電子膨張弁の使用に影響を及ぼす。このため、従来技術には、使用上のニーズを満たすことができないという問題が存在する。
【0051】
上記の問題を解決するために、別の実施例では、ハウジング10は、互いに連通される入孔と出孔とを有し、スピンドルアセンブリ60は、ガイドスリーブ20内に穿設され、出孔の開閉に用いられ、電子膨張弁は、入孔内に設置され且つ一部がハウジング10内に伸び込む第1の継手70を更に含み、ガイドスリーブ20と第1の継手70との間には、第1の継手70がハウジング10内に過度に伸び込まないように、第1の継手70のハウジング10に伸び込む長さ寸法を制限ことに用いられる制限構造80が設置されている点で上記の実施例とは異なる。ここで、制限構造80は、ガイドスリーブ20に設置されてもよいし、第1の継手70に設置されてもよいし、或いは、ガイドスリーブ20と第1の継手70の両方に設置されてもよい。
【0052】
本実施例によって提供される電子膨張弁を適用すると、ガイドスリーブ20と第1の継手70との間に制限構造80が設置されることにより、制限構造80によって第1の継手70のハウジング10に伸び込む長さ寸法を制限することができ、これにより、第1の継手70に対してネッキングを行う必要がなく、制限構造80を利用するのみで第1の継手70のハウジング10に伸び込む長さ寸法を正確に制御でき、また、第1の継手70の流れ抵抗を増加させず、ひいては使用上の要件を満たすことができる。また、第1の継手70をネッキングする必要がないため、加工コストを削減することができる。
【0053】
本実施例では、ガイドスリーブ20には、ストップカム23が設置されており、ストップカム23は第1の継手70の端面に対応して設置され、ストップカム23は制限構造80を形成する。第1の継手70のハウジング10に伸び込む長さが所定の寸法に達すると、第1の継手70の端面がストップカム23に当接されるので、ストップカム23で第1の継手70のハウジング10に対する移動を続けることを制限することができる。他の本実施例では、第1の継手70の端面にストップカムを設置して、ストップカムを第1の継手70の端面より高くしてもよく、同様に制限の機能を果たすことができる。
【0054】
具体的には、ストップカム23は、ガイドスリーブ20の周方向に沿って環状に設置される。上記の構成を採用すると、ガイドスリーブ20の切削量を減らすことができるので、加工効率及び工具の使用寿命を向上させ、コストを削減することができる。
【0055】
冷媒の流れがストップカム23によって阻止されることを防止するために、ストップカム23は第1の継手70の軸線の上方に位置する。具体的には、ストップカム23の下端面は、第1の継手70の軸線の上方に位置する。本実施例では、ストップカム23の下端面が第1の継手70の内壁と面一になっていることにより、ストップカム23で第1の継手70を制限すると共に、冷媒の流通能力を最大限に確保することができる。
【0056】
本実施例では、ガイドスリーブ20は平坦セグメント24を有し、ストップカム23は平坦セグメント24の上方に位置し、且つ、平坦セグメント24の断面寸法はストップカム23の断面寸法より小さい。具体的には、平坦セグメント24と第1の継手70の端面との間に間隔を有することにより、第1の継手70への冷媒の進入に対するガイドスリーブ20の抵抗を減少させ、流通能力を高めることができる。
【0057】
第1の継手70とガイドスリーブ20との間ではんだがスムーズに流れることができるように、第1の継手70とガイドスリーブ20との間には、はんだの流通に用いられるガイド構造が設置され、これによって、溶接効果を向上させることができ、且つ、溶接の品質をチェックすることが容易になる。
【0058】
本実施例では、第1の継手70のハウジング10に伸び込む端面には、ガイド構造を形成するガイド溝が設置されている。ここで、第1の継手70の端面にエンボスを設置し、エンボスではんだをガイドすることもできる。
【0059】
また、従来技術では、第1の継手にネッキング構造が設置されているので、第1の継手をハウジング10に溶接する場合、はんだの流れ状態を第1の継手の外側でしか観察することができなくなり、溶接効果を正確に判断することができない。本実施例では、第1の継手70が直管であるため、はんだの流れ状態を第1の継手70の外側と第1の継手70の管口の両方で観察することができ、ひいては溶接効果を正確に判断することができ、溶接の品質を向上させることができる。
【0060】
具体的には、ハウジング10は、スリーブ11と、ガイドスリーブ20が内に設置された弁座12とを含み、入孔は弁座12の側壁に設置され、第1の継手70は弁座12に穿設される。ここで、出孔も弁座12に設置される。
【0061】
本実施例では、出孔は弁口に対応して設置される。
【0062】
本実施例では、一体炉中ロウ付けの方法で、第1の継手70とハウジング10との溶接を行ってもよい。
【0063】
本実施例で提供される装置によれば、以下のような有益な効果を有する。
(1)ガイドスリーブ20にストップカム23を設置することにより、ストップカム23で第1の継手70のハウジング10に伸び込む長さ寸法を制限することができ、第1の継手70に対してネッキングを行う必要がなく、コストを削減することができる。
(2)第1の継手に対してネッキングを行う必要がないので、流れ抵抗を低減し、流通能力を向上させることができる。
(3)ガイドスリーブ20の切削量が相対的に少ないので、加工効率や工具の使用寿命を向上させることができ、コストを削減することができる。
(4)ガイドスリーブ20のストップカム23と平坦セグメント24とは直径差があり、第1の継手70への冷媒の進入に対するガイドスリーブ20の抵抗を減少させ、更に流通能力を高めることができる。
(5)はんだの流れ状態を第1の継手70の外側と第1の継手70の管口の両方で観察することができ、ひいては溶接効果を正確に判断することができ、溶接の品質を向上させることができる。
【0064】
従来技術では、第2の継手をハウジングに接続させるためには、まず第2の継手を取り付けカムに嵌合させ、その後第2の継手の外側に溶接リングを嵌合させ、溶接の方法で接続を完了する。溶接を行う場合に、溶接の品質を第2の継手の溶接端から離れた管口からチェックすることができる。ところが,従来技術では、溶接端の溶接の品質を、作業者が溶接端から離れた管口から正確に判断することは困難である。また、第2の継手がエルボである場合、作業者は溶接の品質をチェックすることができない。このため、従来技術には、溶接の品質をチェックすることが困難であるという問題が存在する。
【0065】
上記の問題を解決するために、別の実施例では、ハウジング10は、互いに接続されるスリーブ11と弁座12とを含み、弁座12は、本体122と取り付けカム123とを含み、取り付けカム123は、本体122のスリーブ11から離れた一端に設置されており、取り付けカム123には、弁口が設置されており、電子膨張弁は、取り付けカム123に嵌合される第2の継手90を更に含み、第2の継手90の内壁と取り付けカム123の外側壁との間には、溶接リング110の配置に用いられる溶接リング収容部100が設置されている点で実施例1とは異なる。ここで、溶接リング収容部100は、第2の継手90の内壁に設置されてよく、或いは、取り付けカム123の外側壁に設置されてよく、或いは、第2の継手90の内壁と取り付けカム123の外側壁との両方に設置されてよい。
【0066】
本実施例によって提供される電子膨張弁を適用すると、溶接リング110が第2の継手90の内側に設置されており、第2の継手90に対して溶接を行う場合、第2の継手90と弁座12との間からはんだが漏れているかどうかを、第2の継手90外側で観察するので、溶接の品質を正確に判断することができ、作業者によるチェックが容易になる。また、溶接の品質の判断は、第2の継手90の管形に限定されず、エルボの判断に用いることができる。溶接後の第2の継手90の外側に堆積されるはんだが少ないので、装置後の位置決め及び圧入を効果的に保証することができる。
【0067】
本実施例では、溶接リング収容部100は、取り付けカム123に設置される。ここで、溶接リング収容部100は、取り付けカム123の中部に設置されてもよく、取り付けカム123の両端に設置されてもよい。溶接リング収容部100が取り付けカム123に設置されることにより、溶接リング収容部100に対する加工が容易になるので、加工コストを削減することができる。
【0068】
具体的には、取り付けカム123の外側壁には、収容溝123aが設置されており、収容溝123aは、取り付けカム123の周方向に沿って環状に設置され、溶接リング収容部100を形成する。ここで、収容溝123aは、取り付けカム123の中部に設置されてもよいし、取り付けカム123の両端に設置されてもよく、且つ、収容溝123aの設置は、加工が容易になるという利点を有する。
【0069】
本実施例では、収容溝123aは、取り付けカム123の本体122から離れた一端に位置する。上記の構成を採用すると、取り付けカム123の本体122から離れた一端を切削するのみで収容溝123aが形成されるので、更に加工コストを削減することができ、且つ、溶接リング110の配置が容易になる。
【0070】
はんだが第2の継手90と取り付けカム123との間でスムーズに流れることができるように、第2の継手90と取り付けカム123との間には、はんだの流通に用いられるガイド構造が設置されており、これによって、溶接効果を向上させることができ、且つ、溶接の品質をチェックすることが容易になる。
【0071】
本実施例では、第2の継手90の内壁には、ガイド構造を形成するガイド溝が設置されている。ここで、第2の継手90の端面にエンボスを設置し、エンボスではんだをガイドすることもできる。
【0072】
本実施例で提供される装置によれば、以下のような有益な効果を有する。
(1)第2の継手90とハウジング10との溶接を完了すると、第2の継手90の外側から第2の継手90と弁座12との接続部位を観察することができ、この領域にはんだがあれば、はんだが第2の継手90を通じて弁座12との溶接を完了したことを証明している。
(2)溶接の品質の判断は、第2の継手90の形に左右されず、エルボの判定に使用することができる。
(3)第2の継手90とハウジング10との溶接が完了すると、第2の継手90の弁座12に接続される外壁部位に堆積されるはんだが少ないので、後続装置の位置決め及び圧入を効果的に保証することができる。
(4)堆積されるはんだが少なくなるので、はんだの使用量を減らすことが可能であり、コストを削減することができる。
【0073】
以上の説明は、本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を限定するためのものではなく、当業者にとって、本出願は様々な変更及び変化が可能である。本出願の趣旨及び原則内でなされた任意の修正、同等の置換、改良等は、何れも本出願の保護範囲の中に包含されるべきである。
図1
図2
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【国際調査報告】