(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-30
(54)【発明の名称】局所進行性扁平上皮癌を有する患者の治療のための投与レジメン
(51)【国際特許分類】
A61K 45/06 20060101AFI20221122BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20221122BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20221122BHJP
A61K 31/395 20060101ALI20221122BHJP
A61K 31/404 20060101ALI20221122BHJP
A61K 33/24 20190101ALI20221122BHJP
A61K 31/282 20060101ALI20221122BHJP
A61N 5/10 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
A61K45/06
A61P35/00
A61P43/00 121
A61K31/395
A61K31/404
A61K33/24
A61K31/282
A61N5/10 P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022518772
(86)(22)【出願日】2020-09-25
(85)【翻訳文提出日】2022-05-23
(86)【国際出願番号】 EP2020076994
(87)【国際公開番号】W WO2021058794
(87)【国際公開日】2021-04-01
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520117994
【氏名又は名称】デバイオファーム インターナショナル エス.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ブリエンツァ,シルヴァーノ
(72)【発明者】
【氏名】ザーナ,クラウディオ
(72)【発明者】
【氏名】シルダーゲマジン アルトマン,セルジオ エイドリアン
(72)【発明者】
【氏名】ボウリス,ジーン
【テーマコード(参考)】
4C082
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C082AC02
4C082AE01
4C082AG22
4C082MA01
4C084AA19
4C084AA20
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4C086MA37
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4C086ZC75
4C206AA01
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4C206JB16
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4C206MA86
4C206NA05
4C206ZB26
4C206ZC75
(57)【要約】
局所進行性扁平上皮癌を有するヒト患者の治療のためにアポトーシス阻害タンパク質(「IAP」)又はその薬学的に許容できる塩を投与する方法が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
局所進行性扁平上皮癌を有するヒト患者を治療する方法であって、それを必要とする前記ヒト患者に1種以上のアポトーシス阻害タンパク質(「IAP」)アンタゴニストを投与することを含み、
(a)前記1種以上のIAPアンタゴニスト、白金系化学療法薬及び放射線の併用投与を含む第1のレジメン;及び
(b)前記1種以上のIAPアンタゴニストの投与を含む第2のレジメン
を含む方法。
【請求項2】
前記第1のレジメンは、前記1種以上のIAPアンタゴニストが連続14日間にわたって投与され、それに続いて、7日間、IAPアンタゴニストが投与されない、少なくとも1回の21日サイクルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のレジメンは、3回の連続した21日サイクルを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のレジメンの前記白金系化学療法薬は、各21日サイクルの第1日に投与される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のレジメンの前記白金系化学療法薬は、各21日サイクルの第2日に投与される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
放射線は、各21日サイクルの最初の連続5日間において投与される、請求項3~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のレジメンは、少なくとも1種のIAPアンタゴニストが連続14日間にわたって投与され、それに続いて、7日間、IAPアンタゴニストが投与されない、少なくとも1回の21日サイクルを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のレジメンは、2回の連続した21日サイクルを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のレジメンは、3回の連続した21日サイクルを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
白金系化学療法薬又は放射線は、前記第2のレジメンにおいて投与されない、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記1種以上のIAPアンタゴニストは、化合物A若しくはその薬学的に許容できる塩、LCL-161若しくはその薬学的に許容できる塩、CUDC 427/GDC 0917若しくはその薬学的に許容できる塩、ビリナパント若しくはその薬学的に許容できる塩、AZD5582若しくはその薬学的に許容できる塩、APG-1387若しくはその薬学的に許容できる塩、ASTX660若しくはその薬学的に許容できる塩、SBP-0636457、JP1201若しくはその薬学的に許容できる塩又はこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記ヒト患者は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩である第1のIAPアンタゴニストと、ビリナパント又はその薬学的に許容できる塩、AZD5582又はその薬学的に許容できる塩及びAPG-1387又はその薬学的に許容できる塩並びにこれらの組合せからなる群から選択される第2のIAPアンタゴニストとを投与される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ヒト患者は、ASTX660又はその薬学的に許容できる塩、SBP-0636457、JP1201又はその薬学的に許容できる塩及びこれらの組合せからなる群から選択される第3のIAPアンタゴニストを投与される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ヒト患者は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩である少なくとも1種のIAPアンタゴニストを投与される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記ヒト患者は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩である少なくとも1種のIAPアンタゴニストを、約100mg~約500mgの、その遊離塩基としての化合物Aに対応する量で毎日投与される、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記ヒト患者は、前記第1及び第2のレジメンの両方において、化合物Aの遊離塩基に基づいて約100mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を毎日投与される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ヒト患者は、前記第1及び第2のレジメンの両方において、化合物Aの遊離塩基に基づいて約150mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を毎日投与される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ヒト患者は、前記第1及び第2のレジメンの両方において、化合物Aの遊離塩基に基づいて約200mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を毎日投与される、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記ヒト患者は、能動喫煙歴を有し、アルコールの大量摂取者であり、及び/又はHPV陰性OPCを有する、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記ヒト患者は、能動喫煙歴を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ヒト患者は、アルコールの大量摂取者である、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記ヒト患者は、HPV陰性OPCを有する、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、遊離塩基形態である化合物Aである、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、薬学的に許容できる塩である化合物Aである、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
化合物Aは、酢酸塩、塩酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、メシル酸塩、リンゴ酸塩、臭化水素酸塩、トシル酸塩、硝酸塩、N-アセチルグリシン、アスコルビン酸塩、ブタネート、エタン-1,2-ジスルホン酸塩、ゲンチジン酸塩、グルコロン酸塩、グルタル酸塩、グリコール酸塩、イセチオン酸塩、ケトグルタル酸塩、マロン酸塩、ナパジシル酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、ピログルタミン酸塩、ピルビン酸塩、セバシン酸塩及びコハク酸塩からなる群から選択される薬学的に許容できる塩形態である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記薬学的に許容できる形態は、硫酸塩、トシル酸塩、ゲンチジン酸塩、塩酸塩、ナパジシル酸塩、ナプシル酸塩、ラウリル硫酸塩、キシナホ酸塩及びパモ酸塩からなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、経口投与される化合物A又はその薬学的に許容できる塩である、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、固体剤形として投与される化合物A又はその薬学的に許容できる塩である、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記固体剤形は、カプセル又は錠剤である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、溶液として投与される化合物A又はその薬学的に許容できる塩である、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記溶液は、水溶液である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
化合物A又はその薬学的に許容できる塩の前記溶液は、経鼻胃管、経皮内視鏡的胃瘻管又は経皮内視鏡的空腸瘻管を介して経口投与される、請求項30又は31に記載の方法。
【請求項33】
前記溶液は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約10mg/mL~約50mg/mLの濃度で含む、請求項30又は31に記載の方法。
【請求項34】
前記溶液は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約20mg/mLの濃度で含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、1投与量として1日あたり1回投与される化合物A又はその薬学的に許容できる塩である、請求項1~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、1日あたり2、3又は4回投与される複数の投与量に分割される化合物A又はその薬学的に許容できる塩である、請求項1~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記第1のレジメンの前記白金系化学療法薬は、静脈内投与される、請求項1~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記第1のレジメンの前記白金系化学療法薬は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン及びネダプラチンからなる群から選択される1種以上である、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記第1のレジメンの前記白金系化学療法薬は、シスプラチンである、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記シスプラチンは、毎週約10mg/m
2~毎週150mg/m
2の投与量で投与される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記シスプラチンは、毎週約40mg/m
2~毎週約100mg/m
2の投与量で投与される、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記シスプラチンは、毎週約100mg/m
2の投与量で投与される、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記第1のレジメンの前記白金系化学療法薬は、カルボプラチンである、請求項38に記載の方法。
【請求項44】
前記カルボプラチンは、前記ヒト患者が約1.0~約5.5mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記カルボプラチンは、前記ヒト患者が約1.5~約2.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で毎週投与される、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記カルボプラチンは、前記ヒト患者が約4.5~約5.0の曲線下面積を示すのに十分な投与量で3週間ごとに投与される、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記ヒト患者は、前記第1のレジメンにおいて、最大70グレイまでの好適な量の放射線を提供される、請求項1~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記ヒト患者は、前記第1のレジメンにおいて、最大56グレイまでの好適な量の放射線を提供される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記放射線は、強度変調放射線療法である、請求項1~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、前記第1のレジメンにおいて、前記ヒト患者が少なくとも2時間にわたって絶食した後、前記ヒト患者に投与される、請求項1~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記ヒト患者は、前記第1のレジメンにおいて、少なくとも1種のIAPアンタゴニストが前記ヒト患者に投与された後、少なくとも1時間にわたって絶食する、請求項1~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、前記第2のレジメンにおいて、前記ヒト患者が少なくとも2時間にわたって絶食した後、前記ヒト患者に投与される、請求項1~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記ヒト患者は、前記第2のレジメンにおいて、少なくとも1種のIAPアンタゴニストが前記ヒト患者に投与された後、少なくとも1時間にわたって絶食する、請求項1~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記局所進行性扁平上皮癌は、頭頸部領域のものである、請求項1~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記頭頸部領域の前記局所進行性扁平上皮癌は、中咽頭、喉頭、下咽頭又は口腔の、より具体的には中咽頭、喉頭及び下咽頭からなる群から選択される頭頸部領域の扁平上皮癌である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記頭頸部領域の前記局所進行性扁平上皮癌は、中咽頭癌である、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記中咽頭癌は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染と無関係である、請求項55又は56に記載の方法。
【請求項58】
前記中咽頭癌は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染と関係している、請求項55又は56に記載の方法。
【請求項59】
前記局所進行性扁平上皮癌は、米国癌合同委員会1998ステージングシステムによるステージIII、ステージIVA若しくはステージIVBであるか、又は前記局所進行性扁平上皮癌は、米国癌合同委員会2010若しくは2018ステージングシステムによるステージIII、ステージIVA若しくはステージIVBである、請求項1~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
局所進行性扁平上皮癌を有するヒト患者を治療する方法であって、それを必要とする前記ヒト患者に1種以上のIAPアンタゴニストを投与することを含み、
1.21日サイクルであって、1種以上のIAPアンタゴニストを前記サイクルの第1~14日に、白金系化学療法薬を前記サイクルの第2日に、並びに放射線を前記サイクルの第1~5日、第8~12日及び第15~19日に投与することを含む21日サイクルを含む第1のレジメン;及び
2.21日サイクルであって、1種以上のIAPアンタゴニストを前記サイクルの第1~14日に投与することを含む21日サイクルを含む第2のレジメン
を含む方法。
【請求項61】
前記第1のレジメンは、2回の連続した21日サイクルを含む、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記第2のレジメンは、3回の連続した21日サイクルを含む、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
白金系化学療法薬又は放射線は、前記第2のレジメンにおいて投与されない、請求項60~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記1種以上のIAPアンタゴニストは、化合物A若しくはその薬学的に許容できる塩、LCL-161若しくはその薬学的に許容できる塩、CUDC 427/GDC 0917若しくはその薬学的に許容できる塩、ビリナパント若しくはその薬学的に許容できる塩、AZD5582若しくはその薬学的に許容できる塩、APG-1387若しくはその薬学的に許容できる塩、ASTX660若しくはその薬学的に許容できる塩、SBP-0636457、JP1201若しくはその薬学的に許容できる塩又はこれらの組合せからなる群から選択される、請求項60~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記ヒト患者は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩である第1のIAPアンタゴニストと、ビリナパント又はその薬学的に許容できる塩、AZD5582又はその薬学的に許容できる塩及びAPG-1387又はその薬学的に許容できる塩並びにこれらの組合せからなる群から選択される第2のIAPアンタゴニストとを投与される、請求項60~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記ヒト患者は、ASTX660又はその薬学的に許容できる塩、SBP-0636457、JP1201又はその薬学的に許容できる塩及びこれらの組合せからなる群から選択される第3のIAPアンタゴニストを投与される、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記ヒト患者は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩である少なくとも1種のIAPアンタゴニストを投与される、請求項60~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記ヒト患者は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩である少なくとも1種のIAPアンタゴニストを、約100mg~約500mgの、その遊離塩基としての化合物Aに対応する量で毎日投与される、請求項60~67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記ヒト患者は、前記第1及び第2のレジメンの両方において、化合物Aの遊離塩基に基づいて約100mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を投与される、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記ヒト患者は、前記第1及び第2のレジメンの両方において、化合物Aの遊離塩基に基づいて約150mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を投与される、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記ヒト患者は、前記第1及び第2のレジメンの両方において、化合物Aの遊離塩基に基づいて約200mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を投与される、請求項68に記載の方法。
【請求項72】
前記ヒト患者は、能動喫煙歴を有し、アルコールの大量摂取者であり、及び/又はHPV陰性OPCを有する、請求項60~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記ヒト患者は、能動喫煙歴を有する、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記ヒト患者は、アルコールの大量摂取者である、請求項72に記載の方法。
【請求項75】
前記ヒト患者は、HPV陰性OPCを有する、請求項72に記載の方法。
【請求項76】
少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、遊離塩基形態である化合物Aである、請求項60~75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、薬学的に許容できる塩である化合物Aである、請求項60~75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
化合物Aは、酢酸塩、塩酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、メシル酸塩、リンゴ酸塩、臭化水素酸塩、トシル酸塩、硝酸塩、N-アセチルグリシン、アスコルビン酸塩、ブタネート、エタン-1,2-ジスルホン酸塩、ゲンチジン酸塩、グルコロン酸塩、グルタル酸塩、グリコール酸塩、イセチオン酸塩、ケトグルタル酸塩、マロン酸塩、ナパジシル酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、ピログルタミン酸塩、ピルビン酸塩、セバシン酸塩及びコハク酸塩からなる群から選択される薬学的に許容できる塩形態である、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記薬学的に許容できる形態は、硫酸塩、トシル酸塩、ゲンチジン酸塩、塩酸塩、ナパジシル酸塩、ナプシル酸塩、ラウリル硫酸塩、キシナホ酸塩及びパモ酸塩からなる群から選択される、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、経口投与される化合物A又はその薬学的に許容できる塩である、請求項60~79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、固体剤形として投与される化合物A又はその薬学的に許容できる塩である、請求項60~80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記固体剤形は、カプセル又は錠剤である、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、溶液として投与される化合物A又はその薬学的に許容できる塩である、請求項60~80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記溶液は、水溶液である、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
化合物A又はその薬学的に許容できる塩の前記溶液は、経鼻胃管、経皮内視鏡的胃瘻管又は経皮内視鏡的空腸瘻管を介して経口投与される、請求項83又は84に記載の方法。
【請求項86】
前記溶液は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約10mg/mL~約50mg/mLの濃度で含む、請求項83又は84に記載の方法。
【請求項87】
前記溶液は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約20mg/mLの濃度で含む、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、1投与量として1日あたり1回投与される化合物A又はその薬学的に許容できる塩である、請求項60~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、1日あたり1、2、3又は4回投与される複数の投与量に分割される化合物A又はその薬学的に許容できる塩である、請求項60~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
前記第1のレジメンの前記白金系化学療法薬は、静脈内投与される、請求項60~89のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
前記第1のレジメンの前記白金系化学療法薬は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン及びネダプラチンからなる群から選択される1種以上である、請求項60~90のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
前記第1のレジメンの前記白金系化学療法薬は、シスプラチンである、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記シスプラチンは、毎週約10mg/m
2~毎週150mg/m
2の投与量で投与される、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記シスプラチンは、毎週約40mg/m
2~毎週約100mg/m
2の投与量で投与される、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記シスプラチンは、毎週約100mg/m
2の投与量で投与される、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記第1のレジメンの前記白金系化学療法薬は、カルボプラチンである、請求項91に記載の方法。
【請求項97】
前記カルボプラチンは、前記ヒト患者が約1.0~約5.5mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
前記カルボプラチンは、前記ヒト患者が約1.5~約2.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で毎週投与される、請求項96に記載の方法。
【請求項99】
前記カルボプラチンは、前記ヒト患者が約4.5~約5.0の曲線下面積を示すのに十分な投与量で3週間ごとに投与される、請求項96に記載の方法。
【請求項100】
前記ヒト患者は、前記第1のレジメンにおいて、最大70グレイまでの好適な量の放射線を提供される、請求項60~99のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
前記ヒト患者は、前記第1のレジメンにおいて、最大56グレイまでの好適な量の放射線を提供される、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記放射線は、強度変調放射線療法である、請求項1~101のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、前記第1のレジメンにおいて、前記ヒト患者が少なくとも2時間にわたって絶食した後、前記ヒト患者に投与される、請求項1~102のいずれか一項に記載の方法。
【請求項104】
前記ヒト患者は、前記第1のレジメンにおいて、少なくとも1種のIAPアンタゴニストが前記ヒト患者に投与された後、少なくとも1時間にわたって絶食する、請求項1~103のいずれか一項に記載の方法。
【請求項105】
少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、前記第2のレジメンにおいて、前記ヒト患者が少なくとも2時間にわたって絶食した後、前記ヒト患者に投与される、請求項1~104のいずれか一項に記載の方法。
【請求項106】
前記ヒト患者は、前記第2のレジメンにおいて、少なくとも1種のIAPアンタゴニストが前記ヒト患者に投与された後、少なくとも1時間にわたって絶食する、請求項1~105のいずれか一項に記載の方法。
【請求項107】
前記局所進行性扁平上皮癌は、頭頸部領域のものである、請求項1~106のいずれか一項に記載の方法。
【請求項108】
前記頭頸部領域の前記局所進行性扁平上皮癌は、中咽頭、喉頭、下咽頭又は口腔の、より具体的には中咽頭、喉頭及び下咽頭からなる群から選択される頭頸部領域の扁平上皮癌である、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記頭頸部領域の前記局所進行性扁平上皮癌は、中咽頭癌である、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記中咽頭癌は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染と無関係である、請求項108又は109に記載の方法。
【請求項111】
前記中咽頭癌は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染と関係している、請求項108又は109に記載の方法。
【請求項112】
前記局所進行性扁平上皮癌は、米国癌合同委員会1998ステージングシステムによるステージIII、ステージIVA若しくはステージIVBであるか、又は前記局所進行性扁平上皮癌は、米国癌合同委員会2010若しくは2018ステージングシステムによるステージIII、ステージIVA若しくはステージIVBである、請求項1~111のいずれか一項に記載の方法。
【請求項113】
局所進行性扁平上皮癌を有するヒト患者を治療する方法であって、それを必要とする前記ヒト患者に化合物A又はその薬学的に許容できる塩を投与することを含み、
1.3回の21日サイクルであって、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を各サイクルの第1~14日に、シスプラチンを各サイクルの第2日に、並びに放射線を各サイクルの第1~5日、第8~12日及び第15~19日に投与することを含む3回の21日サイクルを含む第1のレジメンであって、シスプラチンは、第1のサイクル後にカルボプラチンに置き換えられ得る、第1のレジメン;及び
2.3回の21日サイクルであって、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を各サイクルの第1~14日に投与することを含む3回の21日サイクルを含む第2のレジメン
を含む方法。
【請求項114】
前記ヒト患者は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、約100mg~約500mgの、その遊離塩基としての化合物Aに対応する量で毎日投与される、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記ヒト患者は、前記第1及び第2のレジメンの両方において、化合物Aの遊離塩基に基づいて約200mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を投与される、請求項114に記載の方法。
【請求項116】
前記ヒト患者は、能動喫煙歴を有し、及び/又はアルコールの大量摂取者である、請求項113~115のいずれか一項に記載の方法。
【請求項117】
前記ヒト患者は、能動喫煙歴を有する、請求項116に記載の方法。
【請求項118】
前記ヒト患者は、アルコールの大量摂取者である、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
前記化合物Aは、遊離塩基形態である、請求項113~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項120】
前記化合物Aは、薬学的に許容できる塩である、請求項113~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項121】
化合物Aは、酢酸塩、塩酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、メシル酸塩、リンゴ酸塩、臭化水素酸塩、トシル酸塩、硝酸塩、N-アセチルグリシン、アスコルビン酸塩、ブタネート、エタン-1,2-ジスルホン酸塩、ゲンチジン酸塩、グルコロン酸塩、グルタル酸塩、グリコール酸塩、イセチオン酸塩、ケトグルタル酸塩、マロン酸塩、ナパジシル酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、ピログルタミン酸塩、ピルビン酸塩、セバシン酸塩及びコハク酸塩からなる群から選択される薬学的に許容できる塩形態である、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
前記薬学的に許容できる形態は、硫酸塩、トシル酸塩、ゲンチジン酸塩、塩酸塩、ナパジシル酸塩、ナプシル酸塩、ラウリル硫酸塩、キシナホ酸塩及びパモ酸塩からなる群から選択される、請求項121に記載の方法。
【請求項123】
前記化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、経口投与される、請求項113~122のいずれか一項に記載の方法。
【請求項124】
前記化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、固体剤形として投与される、請求項113~123のいずれか一項に記載の方法。
【請求項125】
前記固体剤形は、カプセル又は錠剤である、請求項124に記載の方法。
【請求項126】
前記化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、溶液として投与される、請求項113~123のいずれか一項に記載の方法。
【請求項127】
前記溶液は、水溶液である、請求項126に記載の方法。
【請求項128】
化合物A又はその薬学的に許容できる塩の前記溶液は、経鼻胃管、経皮内視鏡的胃瘻管又は経皮内視鏡的空腸瘻管を介して経口投与される、請求項126又は127に記載の方法。
【請求項129】
前記溶液は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約10mg/mL~約50mg/mLの濃度で含む、請求項126~128のいずれか一項に記載の方法。
【請求項130】
前記溶液は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約20mg/mLの濃度で含む、請求項129に記載の方法。
【請求項131】
前記化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、1投与量として1日あたり1回投与される、請求項113~130のいずれか一項に記載の方法。
【請求項132】
前記化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、1日あたり2、3又は4回投与される複数の投与量に分割される、請求項113~130のいずれか一項に記載の方法。
【請求項133】
前記ヒト患者は、前記第1のサイクル後、前記ヒト患者が30~59ml/分/1.73m
2体表面積の糸球体濾過量を示す場合、前記第1のレジメンの第2及び/又は第3の21日サイクルにおいて、シスプラチンではなくカルボプラチンを投与される、請求項113~132のいずれか一項に記載の方法。
【請求項134】
前記シスプラチン又はカルボプラチンは、静脈内投与される、請求項113~133のいずれか一項に記載の方法。
【請求項135】
前記シスプラチンは、毎週約10mg/m
2~毎週150mg/m
2の投与量で投与される、請求項113~134のいずれか一項に記載の方法。
【請求項136】
前記シスプラチンは、毎週約40mg/m
2~毎週約100mg/m
2の投与量で投与される、請求項135に記載の方法。
【請求項137】
前記シスプラチンは、毎週約100mg/m
2の投与量で投与される、請求項136に記載の方法。
【請求項138】
前記カルボプラチンは、前記ヒト患者が約1.0~約5.5mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される、請求項113~134のいずれか一項に記載の方法。
【請求項139】
前記カルボプラチンは、前記ヒト患者が約1.5~約2.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で毎週投与される、請求項138に記載の方法。
【請求項140】
前記カルボプラチンは、前記ヒト患者が約4.5~約5.0の曲線下面積を示すのに十分な投与量で3週間ごとに投与される、請求項139に記載の方法。
【請求項141】
前記ヒト患者は、前記第1のレジメンにおいて、最大70グレイまでの好適な量の放射線を提供される、請求項113~140のいずれか一項に記載の方法。
【請求項142】
前記化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、前記第1のレジメンにおいて、前記患者が少なくとも2時間にわたって絶食した後、前記ヒト患者に投与される、請求項113~141のいずれか一項に記載の方法。
【請求項143】
前記ヒト患者は、前記第1のレジメンにおいて、前記化合物A又はその薬学的に許容できる塩が前記ヒト患者に投与された後、少なくとも1時間にわたって絶食する、請求項113~142のいずれか一項に記載の方法。
【請求項144】
前記化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、前記第2のレジメンにおいて、前記患者が少なくとも2時間にわたって絶食した後、前記ヒト患者に投与される、請求項113~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項145】
前記ヒト患者は、前記第2のレジメンにおいて、前記化合物A又はその薬学的に許容できる塩が前記ヒト患者に投与された後、少なくとも1時間にわたって絶食する、請求項113~144のいずれか一項に記載の方法。
【請求項146】
前記局所進行性扁平上皮癌は、頭頸部領域のものである、請求項113~145のいずれか一項に記載の方法。
【請求項147】
前記頭頸部領域の前記局所進行性扁平上皮癌は、中咽頭、喉頭、下咽頭又は口腔の、より具体的には中咽頭、喉頭及び下咽頭からなる群から選択される頭頸部領域の扁平上皮癌である、請求項146に記載の方法。
【請求項148】
前記頭頸部領域の前記局所進行性扁平上皮癌は、中咽頭癌である、請求項147に記載の方法。
【請求項149】
前記中咽頭癌は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染と無関係である、請求項146又は147に記載の方法。
【請求項150】
前記中咽頭癌は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染と関係している、請求項146又は147に記載の方法。
【請求項151】
前記局所進行性扁平上皮癌は、米国癌合同委員会1998ステージングシステムによるステージIII、ステージIVA若しくはステージIVBであるか、又は前記局所進行性扁平上皮癌は、米国癌合同委員会2010若しくは2018ステージングシステムによるステージIII、ステージIVA若しくはステージIVBである、請求項113~150のいずれか一項に記載の方法。
【請求項152】
局所進行性扁平上皮癌を有するヒト患者を治療する方法であって、それを必要とする前記ヒト患者に、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、約100mg~約500mgの、その遊離塩基としての化合物Aに対応する量で毎日投与することを含み、それを必要とする前記ヒト患者は、能動喫煙歴を有し、及び/又はアルコールの大量摂取者である、方法。
【請求項153】
前記ヒト患者は、化合物Aの遊離塩基に基づいて約200mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を投与される、請求項152に記載の方法。
【請求項154】
前記ヒト患者は、能動喫煙歴を有する、請求項152又は153に記載の方法。
【請求項155】
前記ヒト患者は、アルコールの大量摂取者である、請求項152~154のいずれか一項に記載の方法。
【請求項156】
化合物Aは、遊離塩基形態である、請求項152~155のいずれか一項に記載の方法。
【請求項157】
化合物Aは、薬学的に許容できる塩である、請求項152~155のいずれか一項に記載の方法。
【請求項158】
化合物Aは、酢酸塩、塩酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、メシル酸塩、リンゴ酸塩、臭化水素酸塩、トシル酸塩、硝酸塩、N-アセチルグリシン、アスコルビン酸塩、ブタネート、エタン-1,2-ジスルホン酸塩、ゲンチジン酸塩、グルコロン酸塩、グルタル酸塩、グリコール酸塩、イセチオン酸塩、ケトグルタル酸塩、マロン酸塩、ナパジシル酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、ピログルタミン酸塩、ピルビン酸塩、セバシン酸塩及びコハク酸塩からなる群から選択される薬学的に許容できる塩形態である、請求項157に記載の方法。
【請求項159】
前記薬学的に許容できる形態は、硫酸塩、トシル酸塩、ゲンチジン酸塩、塩酸塩、ナパジシル酸塩、ナプシル酸塩、ラウリル硫酸塩、キシナホ酸塩及びパモ酸塩からなる群から選択される、請求項158に記載の方法。
【請求項160】
化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、経口投与される、請求項152~159のいずれか一項に記載の方法。
【請求項161】
化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、固体剤形として投与される、請求項152~160のいずれか一項に記載の方法。
【請求項162】
前記固体剤形は、カプセル又は錠剤である、請求項161に記載の方法。
【請求項163】
化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、溶液として投与される、請求項152~160のいずれか一項に記載の方法。
【請求項164】
前記溶液は、水溶液である、請求項163に記載の方法。
【請求項165】
化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、経鼻胃管、経皮内視鏡的胃瘻管又は経皮内視鏡的空腸瘻管を介して経口投与される、請求項163又は164に記載の方法。
【請求項166】
前記溶液は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約10mg/mL~約50mg/mLの濃度で含む、請求項163又は164に記載の方法。
【請求項167】
前記溶液は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約20mg/mLの濃度で含む、請求項166に記載の方法。
【請求項168】
化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、1投与量として1日あたり1回投与される、請求項152~167のいずれか一項に記載の方法。
【請求項169】
化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、1日あたり2、3又は4回投与される複数の投与量に分割される、請求項152~167のいずれか一項に記載の方法。
【請求項170】
前記ヒト患者は、白金系化学療法薬も投与される、請求項152~169のいずれか一項に記載の方法。
【請求項171】
前記白金系化学療法薬は、静脈内投与される、請求項170に記載の方法。
【請求項172】
前記白金系化学療法薬は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン及びネダプラチンからなる群から選択される1種以上である、請求項170又は171に記載の方法。
【請求項173】
前記白金系化学療法薬は、シスプラチンである、請求項172に記載の方法。
【請求項174】
前記シスプラチンは、毎週約10mg/m
2~毎週150mg/m
2の投与量で投与される、請求項173に記載の方法。
【請求項175】
前記シスプラチンは、毎週約40mg/m
2~毎週約100mg/m
2の投与量で投与される、請求項174に記載の方法。
【請求項176】
前記シスプラチンは、毎週約40mg/m
2又は約100mg/m
2の投与量で投与される、請求項175に記載の方法。
【請求項177】
前記白金系化学療法薬は、カルボプラチンである、請求項172に記載の方法。
【請求項178】
前記カルボプラチンは、前記ヒト患者が約1.0~約5.5mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される、請求項177に記載の方法。
【請求項179】
前記カルボプラチンは、前記ヒト患者が約1.5~約2.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で毎週投与される、請求項177に記載の方法。
【請求項180】
前記カルボプラチンは、前記ヒト患者が約4.5~約5.0の曲線下面積を示すのに十分な投与量で3週間ごとに投与される、請求項177に記載の方法。
【請求項181】
前記ヒト患者は、放射線も投与される、請求項152~180のいずれか一項に記載の方法。
【請求項182】
前記ヒト患者は、最大で70又は72グレイまでの好適な量の放射線を提供される、請求項181に記載の方法。
【請求項183】
化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、前記ヒト患者が少なくとも1時間又は少なくとも2時間にわたって絶食した後、前記ヒト患者に投与される、請求項152~182のいずれか一項に記載の方法。
【請求項184】
前記ヒト患者は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩が前記ヒト患者に投与された後、少なくとも1時間又は少なくとも2時間にわたって絶食する、請求項152~183のいずれか一項に記載の方法。
【請求項185】
前記ヒト患者は、21日サイクルの最初の連続14日間にわたり、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を受ける、請求項157~184のいずれか一項に記載の方法。
【請求項186】
前記ヒト患者は、前記21日サイクルの第2日に前記白金系化学療法薬を受ける、請求項185に記載の方法。
【請求項187】
前記ヒト患者は、3回までの連続した21日サイクルにわたり、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を受ける、請求項185に記載の方法。
【請求項188】
前記ヒト患者は、第1の21日サイクルの第2日にシスプラチンを、及び第2及び/又は第3の21日サイクルの第2日にカルボプラチンを受ける、請求項185に記載の方法。
【請求項189】
前記ヒト患者は、7~9週間にわたり、各週に5フラクションの放射線を受ける、請求項152~188のいずれか一項に記載の方法。
【請求項190】
前記ヒト患者は、最後の放射線投与後、連続14日間にわたって化合物A又はその薬学的に許容できる塩を受ける、請求項189に記載の方法。
【請求項191】
局所進行性扁平上皮癌を有するヒト患者を治療する方法であって、それを必要とする前記ヒト患者に、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、約100mg~約500mgの、その遊離塩基としての化合物Aに対応する量で毎日投与することを含み、それを必要とする前記ヒト患者は、能動喫煙歴を有し、及び/又はアルコールの大量摂取者であり、前記方法は、
(a)化合物A又はその薬学的に許容できる塩、白金系化学療法薬及び放射線の併用投与を含む第1のレジメン;
(b)化合物A又はその薬学的に許容できる塩の投与を含む第2のレジメン
を含む、方法。
【請求項192】
前記第1のレジメンは、前記化合物A又はその薬学的に許容できる塩及び白金系化学療法薬が連続14日間にわたって投与され、それに続いて、7日間、化合物A若しくはその薬学的に許容できる塩又は白金系化学療法薬が投与されない、少なくとも1回の21日サイクルを含む、請求項191に記載の方法。
【請求項193】
前記第1のレジメンは、3回の連続した21日サイクルを含む、請求項192に記載の方法。
【請求項194】
前記第2のレジメンは、前記化合物A又はその薬学的に許容できる塩が連続14日間にわたって投与され、それに続いて、7日間、化合物A又はその薬学的に許容できる塩が投与されない、少なくとも1回の21日サイクルを含む、請求項191~193のいずれか一項に記載の方法。
【請求項195】
前記第2のレジメンは、2回の連続した21日サイクルを含む、請求項194に記載の方法。
【請求項196】
白金系化学療法薬又は放射線は、前記第2のレジメンにおいて投与されない、請求項191~195のいずれか一項に記載の方法。
【請求項197】
前記ヒト患者は、前記第1及び第2のレジメンの両方において、化合物Aの遊離塩基に基づいて約200mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を投与される、請求項191~196のいずれか一項に記載の方法。
【請求項198】
前記ヒト患者は、能動喫煙歴を有する、請求項191~197のいずれか一項に記載の方法。
【請求項199】
前記ヒト患者は、アルコールの大量摂取者である、請求項191~198のいずれか一項に記載の方法。
【請求項200】
化合物Aは、遊離塩基形態である、請求項191~199のいずれか一項に記載の方法。
【請求項201】
化合物Aは、薬学的に許容できる塩である、請求項191~199のいずれか一項に記載の方法。
【請求項202】
化合物Aは、酢酸塩、塩酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、メシル酸塩、リンゴ酸塩、臭化水素酸塩、トシル酸塩、硝酸塩、N-アセチルグリシン、アスコルビン酸塩、ブタネート、エタン-1,2-ジスルホン酸塩、ゲンチジン酸塩、グルコロン酸塩、グルタル酸塩、グリコール酸塩、イセチオン酸塩、ケトグルタル酸塩、マロン酸塩、ナパジシル酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、ピログルタミン酸塩、ピルビン酸塩、セバシン酸塩及びコハク酸塩からなる群から選択される薬学的に許容できる塩形態である、請求項201に記載の方法。
【請求項203】
前記薬学的に許容できる形態は、硫酸塩、トシル酸塩、ゲンチジン酸塩、塩酸塩、ナパジシル酸塩、ナプシル酸塩、ラウリル硫酸塩、キシナホ酸塩及びパモ酸塩からなる群から選択される、請求項202に記載の方法。
【請求項204】
化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、経口投与される、請求項191~203のいずれか一項に記載の方法。
【請求項205】
化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、固体剤形として投与される、請求項191~204のいずれか一項に記載の方法。
【請求項206】
前記固体剤形は、カプセル又は錠剤である、請求項205に記載の方法。
【請求項207】
化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、溶液として投与される、請求項191~204のいずれか一項に記載の方法。
【請求項208】
前記溶液は、水溶液である、請求項207に記載の方法。
【請求項209】
化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、経鼻胃管、経皮内視鏡的胃瘻管又は経皮内視鏡的空腸瘻管を介して経口投与される、請求項207又は208に記載の方法。
【請求項210】
前記溶液は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約10mg/mL~約50mg/mLの濃度で含む、請求項207又は208に記載の方法。
【請求項211】
前記溶液は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約20mg/mLの濃度で含む、請求項210に記載の方法。
【請求項212】
化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、1投与量として1日あたり1回投与される、請求項191~211のいずれか一項に記載の方法。
【請求項213】
化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、1日あたり2、3又は4回投与される複数の投与量に分割される、請求項191~211のいずれか一項に記載の方法。
【請求項214】
前記第1のレジメンの前記白金系化学療法薬は、静脈内投与される、請求項191~213のいずれか一項に記載の方法。
【請求項215】
前記第1のレジメンの前記白金系化学療法薬は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン及びネダプラチンからなる群から選択される1種以上である、請求項191~214のいずれか一項に記載の方法。
【請求項216】
前記第1のレジメンの前記白金系化学療法薬は、シスプラチンである、請求項215に記載の方法。
【請求項217】
前記シスプラチンは、毎週約10mg/m
2~毎週約150mg/m
2の投与量で投与される、請求項216に記載の方法。
【請求項218】
前記シスプラチンは、毎週約40mg/m
2~毎週約100mg/m
2の投与量で投与される、請求項216に記載の方法。
【請求項219】
前記シスプラチンは、毎週約40mg/m
2又は約100mg/m
2の投与量で投与される、請求項216に記載の方法。
【請求項220】
前記第1のレジメンの前記白金系化学療法薬は、カルボプラチンである、請求項215に記載の方法。
【請求項221】
前記カルボプラチンは、前記ヒト患者が約1.0~約5.5mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される、請求項220に記載の方法。
【請求項222】
前記カルボプラチンは、前記ヒト患者が約1.5~約2.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で毎週投与される、請求項221に記載の方法。
【請求項223】
前記カルボプラチンは、前記ヒト患者が約4.5~約5.0の曲線下面積を示すのに十分な投与量で3週間ごとに投与される、請求項221に記載の方法。
【請求項224】
前記ヒト患者は、前記第1のレジメンにおいて、最大70グレイまでの好適な量の放射線を提供される、請求項191~223のいずれか一項に記載の方法。
【請求項225】
化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、前記第1のレジメンにおいて、前記ヒト患者が少なくとも1時間又は少なくとも2時間にわたって絶食した後、前記ヒト患者に投与される、請求項191~224のいずれか一項に記載の方法。
【請求項226】
前記ヒト患者は、前記第1のレジメンにおいて、化合物A又はその薬学的に許容できる塩が前記ヒト患者に投与された後、少なくとも1時間又は少なくとも2時間にわたって絶食する、請求項191~225のいずれか一項に記載の方法。
【請求項227】
化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、前記第2のレジメンにおいて、前記ヒト患者が少なくとも1時間又は少なくとも2時間にわたって絶食した後、前記ヒト患者に投与される、請求項191~226のいずれか一項に記載の方法。
【請求項228】
前記ヒト患者は、前記第2のレジメンにおいて、化合物A又はその薬学的に許容できる塩が前記ヒト患者に投与された後、少なくとも1時間又は少なくとも2時間にわたって絶食する、請求項191~227のいずれか一項に記載の方法。
【請求項229】
前記局所進行性扁平上皮癌は、頭頸部領域のものである、請求項152~228のいずれか一項に記載の方法。
【請求項230】
前記頭頸部領域の前記局所進行性扁平上皮癌は、口腔、中咽頭、喉頭及び下咽頭からなる群から選択される、請求項229に記載の方法。
【請求項231】
前記頭頸部領域の前記局所進行性扁平上皮癌は、中咽頭癌である、請求項230に記載の方法。
【請求項232】
前記中咽頭癌は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染と無関係である、請求項231に記載の方法。
【請求項233】
前記中咽頭癌は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染と関係している、請求項231に記載の方法。
【請求項234】
前記局所進行性扁平上皮癌は、米国癌合同委員会1998ステージングシステムによるステージIII、ステージIVA若しくはステージIVBであるか、又は前記局所進行性扁平上皮癌は、米国癌合同委員会2010若しくは2018ステージングシステムによるステージIII、ステージIVA若しくはステージIVBである、請求項152~233のいずれか一項に記載の方法。
【請求項235】
局所進行性扁平上皮癌を有するヒト患者を治療する方法であって、前記患者に化合物A又はその薬学的に許容できる塩、シスプラチン又はカルボプラチン及びIMRTを21日の少なくとも1回のサイクルにわたって投与することを含む方法。
【請求項236】
化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、21日の少なくとも1回のサイクルの第1日~第14日において、1日あたり100mg以上~1日あたり200mg以下の、その遊離塩基としての化合物Aに対応する投与量で投与される、請求項235に記載の方法。
【請求項237】
化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、1日あたり200mgの、その遊離塩基としての化合物Aに対応する投与量で投与される、請求項236に記載の方法。
【請求項238】
化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、最初に、1日あたり200mgの、その遊離塩基としての化合物Aに対応する投与量で少なくとも1回投与され、その後、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、1日あたり150mg又は1日あたり100mgの、その遊離塩基としての化合物Aに対応する減らされた投与量で少なくとも1回投与される、請求項236又は237に記載の方法。
【請求項239】
化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、少なくとも1時間の絶食後に投与される、請求項236~238のいずれか一項に記載の方法。
【請求項240】
化合物A又はその薬学的に許容できる塩が投与され、それに少なくとも1時間の絶食が続く、請求項239に記載の方法。
【請求項241】
シスプラチンは、21日の少なくとも1回のサイクルの第2日において、1日あたり50mg/m
2以上~1日あたり100mg/m
2以下の投与量で投与される、請求項240に記載の方法。
【請求項242】
シスプラチンは、1日あたり100mg/m
2の投与量で投与される、請求項241に記載の方法。
【請求項243】
シスプラチンは、最初に、1日あたり100mg/m
2の投与量で少なくとも1回投与され、その後、シスプラチンは、1日あたり50mg/m
2又は1日あたり75mg/m
2の減らされた投与量で少なくとも1回投与される、請求項241又は242に記載の方法。
【請求項244】
シスプラチンは、静脈内注入により、少なくとも90分の期間にわたって投与される、請求項241~243のいずれか一項に記載の方法。
【請求項245】
IMRTは、肉眼的腫瘍体積に7日あたり5日、すなわち21日サイクルの第1~5日、第8~12日及び第15~19日のそれぞれで1フラクションとしてフラクションで投与され、それぞれのフラクションは、2.0グレイの放射線を有する、請求項244に記載の方法。
【請求項246】
選択的照射は、局所領域に7日あたり5日、すなわち21日サイクルの第1~5日、第8~12日及び第15~19日のそれぞれで1フラクションとしてフラクションで投与され、それぞれのフラクションは、1.6グレイの放射線を有する、請求項245に記載の方法。
【請求項247】
化合物A又はその薬学的に許容できる塩、シスプラチン又はカルボプラチン及びIMRTが投与される日において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、最初に投与され、それに続いて、シスプラチン又はカルボプラチンは、投与され、それに続いて、IMRTは、投与される、請求項246に記載の方法。
【請求項248】
前記患者は、以下の基準:
(i)前記ヒト患者は、10パックイヤーの能動喫煙歴を有すること;
(ii)前記ヒト患者は、1週間あたり平均で21個の飲料を摂取するアルコールの大量摂取者であること;
(iii)前記ヒト患者は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による感染の既往歴を有さないこと、
(iv)前記ヒト患者は、全身性治療を要する、ウイルス、及び/又は細菌、及び/又は真菌感染などの他の感染を有さないこと;
(v)前記ヒト患者は、抗腫瘍壊死因子(TNF)医薬品による継続治療を要する、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群又は重症で広範囲の乾癬などの活動性でコントロール不良の炎症性疾患を有さないこと、
(vi)前記ヒト患者は、心血管機能障害又は臨床的に重要な心血管疾患を有さないこと;
(vii)前記ヒト患者は、連続的又は断続的な酸素供給を要する症候性肺疾患を有さないこと;
(viii)前記ヒト患者は、B又はCのチャイルド・ピュースコアを示す非代償性又は症候性の肝硬変を有さないこと
の1つ以上を満たす、請求項247に記載の方法。
【請求項249】
請求項1~151のいずれか一項に記載の方法に使用するためのIAPアンタゴニスト又はその薬学的に許容できる塩。
【請求項250】
請求項1~248のいずれか一項に記載の方法に使用するための化合物A又はその薬学的に許容できる塩。
【請求項251】
請求項1~248のいずれか一項に記載の局所進行性扁平上皮癌の治療のための医薬品の製造における、IAPアンタゴニスト又はその薬学的に許容できる塩及び好ましくは化合物A又はその薬学的に許容できる塩の使用。
【請求項252】
(a)アポトーシス阻害タンパク質(「IAP」)アンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)を含む第1の医薬組成物;及び(b)請求項1~248のいずれか一項に記載の方法のいずれかを介して局所進行性扁平上皮癌を治療するための前記第1の医薬組成物の使用を指示する添付文書を含むキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明の分野は、概して、局所進行性扁平上皮癌を有するヒト患者を治療する方法であって、それを必要とするヒト患者に、以下の構造
【化1】
を有する(5S,8S,10aR)-N-ベンズヒドリル-5-[[(2S)-2-(メチルアミノ)プロパノイル]アミノ]-3-(3-メチルブタノイル)-6-オキソ-1,2,4,5,8,9,10,10a-オクタヒドロピロロ[1,2-a][1,5]ジアゾシン-8-カルボキサミド又は{(5S,8S,10aR)-N-ベンズヒドリル-5-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)-3-(3-メチルブタノイル)-6-オキソデカヒドロピロロ[1,2-a][1,5]ジアゾシン-8-カルボキサミド}(CAS番号1071992-99-8、別名Debio 1143又はゼビナパント、以下で化合物Aと称される)若しくはその薬学的に許容できる塩、LCL-161(CAS番号1005342-46-0)若しくはその薬学的に許容できる塩、CUDC 427/GDC 0917(CAS番号1446182-94-0)若しくはその薬学的に許容できる塩、ビリナパント(CAS番号1260251-31-7、別名TL-32711)若しくはその薬学的に許容できる塩、AZD5582(CAS番号1258392-53-8)若しくはその薬学的に許容できる塩、APG-1387(CAS番号1570231-89-8)若しくはその薬学的に許容できる塩、ASTX660(CAS番号1799328-86-1)若しくはその薬学的に許容できる塩、SBP-0636457(CAS番号1422180-49-1)及び/又はJP1201(Joyant Pharmaceuticals)若しくはその薬学的に許容できる塩などの1種以上のアポトーシス阻害タンパク質(「IAP」)アンタゴニストを投与することを含む方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
扁平上皮癌(「SCCHN」)は、世界的に6番目に最もよく見られる癌であり、局所進行患者の過半数は、治療の5年以内に再発又は失敗を有する。頭頸部癌は、口唇、口腔、下咽頭、中咽頭、鼻咽頭又は喉頭に発生する種々の上皮腫瘍を含む。ほとんどの頭頸部癌(90%~95%)は、SCCHNである。原発腫瘍部位は、口腔、中咽頭、下咽頭又は喉頭を含み得るが、ほとんどの患者は、中咽頭癌(OPC)であると診断される。
【0003】
それらの患者のおよそ3分の2は、局所進行性疾患(LA-SCCHN)であると診断され、それは、5年の平均生存期間を有する低い生存転帰と関連する。臨床症状は、様々であり、呼吸、咀嚼、嚥下、味覚、嗅覚、発話及び聴覚の徐々に進行する障害を含む。頭頸部癌は、破壊性の疾患をもたらし、早期に局所リンパ節転移を起こす傾向があり、有効な局所療法後でも比較的末期に遠隔転移を起こし得る。手術又は化学療法などのLA-SCCHN治療は、多くの場合、咀嚼、嚥下及び呼吸の困難をもたらし、それによりヒトの存在の基本的特徴に影響を及ぼす。新たな手術方法以外には、大きい革新は、LA-SCCHN治療の分野に長年にわたって登場していない。しかし、多くのLA-SCCHN患者は、腫瘍切除に不適格である。さらに、手術は、患者の生活に対する厳しい負の影響と関連する。患者の味覚、嗅覚及び聴覚は、外観及び声などの人間特有の特性と共にひどく損なわれ得、社会的機能の障害及び重度の心理学的な問題につながる。重度の機能的障害は、特に、ヒト乳頭腫(「HPV」)陰性中咽頭(「OPC」)癌及び非OPC SCCHNに影響する。非外科的治療、特に白金系の化学放射線療法(「CRT」)は、広範囲な負の副作用により、患者が耐えることが非常に困難である。LA-SCCHN及びその治療に関する最新の知識の総説は、British Journal of Cancer (2005) 92, 1341-1348のT.Y. Seiwert and E.E.W. Cohen“State-of-the-art management of locally advanced head and neck cancer”及びOral Oncology, Volume 70, July 2017, Pages 58-64のM. Manos et al.“Multidisciplinary management of head and neck cancer:First expert consensus using Delphi methodology from the Spanish Society for Head and Neck Cancer (part 1)”に与えられている。
【0004】
OPC患者は、HPV状態及びアルコール又はタバコ乱用などの予後因子の存在に従い、低リスク、中リスク及び高リスク患者に分類することができる。HPV陰性OPCを有する患者は、より悪い予後を有すると考えられ、HPV状態は、強力で独立した生存の予後因子であると考えられる。これらの患者は、全体的な治療成績を改善するために、より多くのより良好な適合された選択肢を必要とする。
【0005】
ウイルス病因、すなわちヒトパピローマウイルス(HPV)感染は、圧倒的にHPV16型(p16)であり、エプスタイン・バール・ウイルス(EBV)が発癌/変換プロセスに関連している。しかし、HPV陰性OPCを有する患者は、より悪い予後を有すると考えられ;実際に、ステージIII又はIV中咽頭SCCHNを有する患者の陰性HPV腫瘍は、より悪い全生存率(HPV陽性腫瘍の82.4%に対して57.1%)及び遠隔転移のない局所疾患のより悪い3年生存率(13.6%に対して35.1%)と関連することが示された(Ang et al. N Engl J Med. 2010 July 1;363(1):24-35. doi:10.1056/NEJMoa0912217)。
【0006】
HPV陰性アルコール及び/又はタバコ関連SCCHNは、多くの場合、早期のCRT耐性及び治療失敗による予後不良並びに限定された生存期間に関連しているp53遺伝子の変異及びp16タンパク質のダウンレギュレーションを有する。実際に、10パックイヤー超の喫煙歴及びHPV陰性OPCを有する患者は、24か月をわずかに超えるOS中央値並びに喫煙のさらなるパックイヤーごとに1%増える死亡及び癌再発のリスクを有する。用語「パックイヤー」は、例えば、CA Cancer J Clin. 2013 Mar-Apr;63(2):107-117のR. Wender et al.“American Cancer Society Lung Cancer Screening Guidelines”の表1及びCancer. 2016 Apr 15;122(8):1150-1159のL.M. Fucito et al“Pairing Smoking-Cessation Services With Lung Cancer Screening:A Clinical Guideline From the Association for the Treatment of Tobacco Use and Dependence and the Society for Research on Nicotine and Tobacco”の背景セクションに定義される通り、1パックイヤーが1日あたり1パック1年間の喫煙に対応することが当業者に知られており、理解されている。
【0007】
したがって、患者の生活の質を徐々に低下させることなく、切除不能、局所進行性、HPV陰性状態腫瘍を有する患者の治療成績を増大させるSCCHN療法の改善は、優先すべきことである。
【0008】
したがって、局所進行性扁平上皮癌を有する患者、特に大量喫煙者、アルコールの大量摂取者及び/又はHPV陰性OPCを有する患者を含む高リスクの患者の治療が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
開示の簡単な概要
本発明は、局所進行性扁平上皮癌の治療の手段及び方法を提供する。具体的には、本発明の2つの主な実施形態の多数の態様が開示される。これらの2つの主な実施形態は、以下で実施形態A及びBと特定される。
【0010】
実施形態Aは、以下の具体的な態様に関する。
【0011】
局所進行性扁平上皮癌を有するヒト患者を治療する方法であって、それを必要とする患者に、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、約100mg~約500mgの、その遊離塩基としての化合物Aに対応する量で毎日投与することを含み、それを必要とする患者は、能動喫煙歴を有し、及び/又はアルコールの大量摂取者である、方法が本明細書に提供される。いくつかの態様において、ヒト患者は、局所進行性扁平上皮癌の治療(例えば、手術、化学療法、放射線療法、免疫療法)を以前に受けていない。
【0012】
いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物Aの遊離塩基に基づいて約200mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を投与される。
【0013】
いくつかの態様において、ヒト患者は、能動喫煙歴を有する。いくつかの態様において、ヒト患者は、アルコールの大量摂取者である。
【0014】
いくつかの態様において、化合物Aは、遊離塩基形態である。いくつかの態様において、化合物Aは、薬学的に許容できる塩である。いくつかの態様において、化合物Aは、酢酸塩、塩酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、メシル酸塩、リンゴ酸塩、臭化水素酸塩、トシル酸塩、硝酸塩、N-アセチルグリシン、アスコルビン酸塩、ブタネート(butanate)、エタン-1,2-ジスルホン酸塩、ゲンチジン酸塩、グルコロン酸塩(glucoronate)、グルタル酸塩、グリコール酸塩、イセチオン酸塩、ケトグルタル酸塩、マロン酸塩、ナパジシル酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、ピログルタミン酸塩、ピルビン酸塩、セバシン酸塩及びコハク酸塩からなる群から選択される薬学的に許容できる塩形態である。いくつかの態様において、薬学的に許容できる形態は、硫酸塩、トシル酸塩、ゲンチジン酸塩、塩酸塩、ナパジシル酸塩、ナプシル酸塩、ラウリル硫酸塩、キシナホ酸塩及びパモ酸塩からなる群から選択される。
【0015】
いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、経口投与される。いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、固体剤形として投与される。いくつかの態様において、固体剤形は、カプセル又は錠剤である。
【0016】
いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、溶液として投与される。いくつかの態様において、溶液は、水溶液である。いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、経鼻胃管、経皮内視鏡的胃瘻管又は経皮内視鏡的空腸瘻管を介して経口投与される。いくつかの態様において、溶液(例えば水溶液)は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約10mg/mL~約50mg/mLの濃度で含む。いくつかの態様において、溶液(例えば水溶液)は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基として化合物Aに基づいて約20mg/mLの濃度で含む。
【0017】
いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、1投与量として1日あたり1回投与される。いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、1日あたり1、2、3又は4回投与される複数の投与量に分割される。
【0018】
いくつかの態様において、ヒト患者は、白金系化学療法薬も投与される。いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、静脈内投与される。いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン及びネダプラチンからなる群から選択される1種以上である。
【0019】
いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、シスプラチンである。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約10mg/m2~毎週150mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約40mg/m2~毎週約100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約40mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約100mg/m2の投与量で投与される。
【0020】
いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、カルボプラチンである。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約5.5mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.5~約2.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で毎週投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約4.5~約5.0の曲線下面積を示すのに十分な投与量で3週間ごとに投与される。
【0021】
いくつかの態様において、治療は、シスプラチンの投与で始まり、シスプラチンの代わりのカルボプラチンの投与により継続し得る。
【0022】
いくつかの態様において、ヒト患者は、放射線も投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、最大72グレイまでの好適な量の放射線を提供される。
【0023】
いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、患者が少なくとも1時間にわたって絶食した後、ヒト患者に投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩がヒト患者に投与された後、少なくとも2時間にわたって絶食する。
【0024】
いくつかの態様において、ヒト患者は、21日サイクルの最初の連続14日間にわたり、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を受ける。いくつかの態様において、ヒト患者は、21日サイクルの第2日に白金系化学療法薬を受ける。いくつかの態様において、ヒト患者は、3回までの連続21日サイクルにわたり、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を受ける。いくつかの態様において、ヒト患者は、第1の21日サイクルの第2日にシスプラチンを、及び第2及び/又は第3の21日サイクルの第2日にカルボプラチンを受ける。
【0025】
いくつかの態様において、ヒト患者は、約7~約9週間にわたり、各週に5フラクションの放射線を受ける。いくつかの態様において、ヒト患者は、最後の放射線投与後、連続14日間にわたって化合物A又はその薬学的に許容できる塩を受ける。
【0026】
いくつかの態様において、局所進行性扁平上皮癌は、頭頸部領域のものである。いくつかの態様において、頭頸部領域の局所進行性扁平上皮癌は、口腔、中咽頭、喉頭及び下咽頭からなる群から選択される。いくつかの態様において、頭頸部領域の局所進行性扁平上皮癌は、中咽頭癌である。いくつかの態様において、中咽頭癌は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染と無関係である(HPV陰性)。いくつかの態様において、中咽頭癌は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染と関係している。
【0027】
局所進行性扁平上皮癌を有するヒト患者を治療する方法であって、それを必要とする患者に、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、約100mg~約500mgの、その遊離塩基としての化合物Aに対応する量で毎日投与することを含み、それを必要とする患者は、能動喫煙歴を有し、及び/又はアルコールの大量摂取者であり、方法は、
(a)化合物A又はその薬学的に許容できる塩、白金系化学療法薬及び放射線の併用投与を含む第1のレジメン;
(b)化合物A又はその薬学的に許容できる塩の投与を含む第2のレジメン
を含む、方法も提供される。
【0028】
いくつかの態様において、第1のレジメンは、化合物A又はその薬学的に許容できる塩及び白金系化学療法薬が連続14日間にわたって投与され、それに続いて、7日間、化合物A若しくはその薬学的に許容できる塩又は白金系化学療法薬が投与されない、21日サイクルを含む。いくつかの態様において、第1のレジメンは、3回の連続した21日サイクルを含む。
【0029】
いくつかの態様において、第2のレジメンは、化合物A又はその薬学的に許容できる塩が連続14日間にわたって投与され、それに続いて、7日間、化合物A又はその薬学的に許容できる塩が投与されない、21日サイクルを含む。いくつかの態様において、第2のレジメンは、2回の連続した21日サイクルを含む。いくつかの態様において、白金系化学療法薬又は放射線は、第2のレジメンにおいて投与されない。
【0030】
いくつかの態様において、ヒト患者は、局所進行性扁平上皮癌の治療(例えば、手術、化学療法、放射線療法又は免疫療法)を以前に受けていない。
【0031】
いくつかの態様において、ヒト患者は、第1及び第2のレジメンの両方において、化合物Aの遊離塩基に基づいて約200mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を投与される。
【0032】
いくつかの態様において、ヒト患者は、能動喫煙歴を有する。いくつかの態様において、ヒト患者は、アルコールの大量摂取者である。
【0033】
いくつかの態様において、化合物Aは、遊離塩基形態である。いくつかの態様において、化合物Aは、薬学的に許容できる塩である。いくつかの態様において、化合物Aは、酢酸塩、塩酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、メシル酸塩、リンゴ酸塩、臭化水素酸塩、トシル酸塩、硝酸塩、N-アセチルグリシン、アスコルビン酸塩、ブタネート、エタン-1,2-ジスルホン酸塩、ゲンチジン酸塩、グルコロン酸塩、グルタル酸塩、グリコール酸塩、イセチオン酸塩、ケトグルタル酸塩、マロン酸塩、ナパジシル酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、ピログルタミン酸塩、ピルビン酸塩、セバシン酸塩及びコハク酸塩からなる群から選択される薬学的に許容できる塩形態である。いくつかの態様において、薬学的に許容できる形態は、硫酸塩、トシル酸塩、ゲンチジン酸塩、塩酸塩、ナパジシル酸塩、ナプシル酸塩、ラウリル硫酸塩、キシナホ酸塩及びパモ酸塩からなる群から選択される。
【0034】
いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、経口投与される。いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、固体剤形として投与される。いくつかの態様において、固体剤形は、カプセル又は錠剤である。
【0035】
いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、溶液として投与される。いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、水溶液として投与される。いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、経鼻胃管、経皮内視鏡的胃瘻管又は経皮内視鏡的空腸瘻管を介して経口投与される。いくつかの態様において、溶液(例えば水溶液)は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約10mg/mL~約50mg/mLの濃度で含む。いくつかの態様において、溶液(例えば水溶液)は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約20mg/mLの濃度で含む。
【0036】
いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、1投与量として1日あたり1回投与される。いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、1日あたり1、2、3又は4回投与される複数の投与量に分割される。
【0037】
いくつかの態様において、第1のレジメンの白金系化学療法薬は、静脈内投与される。いくつかの態様において、第1のレジメンの白金系化学療法薬は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン及びネダプラチンからなる群から選択される1種以上である。
【0038】
いくつかの態様において、第1のレジメンの白金系化学療法薬は、シスプラチンである。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約10mg/m2~毎週150mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約40mg/m2~毎週約100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約40mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約100mg/m2の投与量で投与される。
【0039】
いくつかの態様において、第1のレジメンの白金系化学療法薬は、カルボプラチンである。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約5.5mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.5~約2.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で毎週投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約4.5~約5.0の曲線下面積を示すのに十分な投与量で3週間ごとに投与される。
【0040】
いくつかの態様において、治療は、シスプラチンの投与で始まり、シスプラチンの代わりのカルボプラチンの投与により継続し得る。
【0041】
いくつかの態様において、ヒト患者は、第1のレジメンにおいて、最大72グレイまでの好適な量の放射線を提供される。
【0042】
いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、第1のレジメンにおいて、患者が少なくとも1時間にわたって絶食した後、ヒト患者に投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、第1のレジメンにおいて、化合物A又はその薬学的に許容できる塩がヒト患者に投与された後、少なくとも2時間にわたって絶食する。
【0043】
いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、第2のレジメンにおいて、患者が少なくとも1時間にわたって絶食した後、ヒト患者に投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、第2のレジメンにおいて、化合物A又はその薬学的に許容できる塩がヒト患者に投与された後、少なくとも2時間にわたって絶食する。
【0044】
いくつかの態様において、局所進行性扁平上皮癌は、手術不可能である。いくつかの態様において、局所進行性扁平上皮癌は、米国癌合同委員会(the American Joint Committee on Cancer)1998ステージングシステムによるステージIII、ステージIVA又はステージIVBである。
【0045】
いくつかの態様において、局所進行性扁平上皮癌は、頭頸部領域のものである。いくつかの態様において、頭頸部領域の局所進行性扁平上皮癌は、手術不可能である。いくつかの態様において、頭頸部領域の局所進行性扁平上皮癌は、口腔、中咽頭、喉頭及び下咽頭からなる群から選択される。いくつかの態様において、頭頸部領域の局所進行性扁平上皮癌は、中咽頭癌である。いくつかの態様において、中咽頭癌は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染(p16免疫組織化学染色(IHC)により決定される)と無関係である。いくつかの態様において、中咽頭癌は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染(p16免疫組織化学染色(IHC)により決定される)と関係している。いくつかの態様において、頭頸部領域の局所進行性扁平上皮癌は、米国癌合同委員会1998ステージングシステムによるステージIII、ステージIVA又はステージIVBである。
【0046】
実施形態Bの態様は、以下にまとめられる。
【0047】
局所進行性扁平上皮癌を有するヒト患者を治療する方法であって、それを必要とするヒト患者に1種以上のアポトーシス阻害タンパク質(「IAP」)アンタゴニストを投与することを含み、
(a)1種以上のIAPアンタゴニスト、白金系化学療法薬及び放射線の併用投与を含む第1のレジメン;及び
(b)1種以上のIAPアンタゴニストの投与を含む第2のレジメン
を含む方法が本明細書に提供される。
【0048】
いくつかの態様において、第1のレジメンは、1種以上のIAPアンタゴニストが連続14日間にわたって投与され、それに続いて、7日間、IAPアンタゴニストが投与されない、少なくとも1回の21日サイクルを含む。いくつかの態様において、第1のレジメンは、3回の連続した21日サイクルを含む。
【0049】
いくつかの態様において、第1のレジメンの白金系化学療法薬は、各21日サイクルの第2日に投与される。
【0050】
いくつかの態様において、放射線は、21日サイクル中の3週間のそれぞれの7日間のうちの5日間にわたって投与される。いくつかの態様において、放射線は、1週の7日間のうちの5日間、合計で連続7~9週間にわたって投与される。いくつかの態様において、放射線は、1週の7日間のうちの5日間、連続7週間にわたって投与される。いくつかの態様において、放射線は、1週の7日間のうちの5日間、連続8週間にわたって投与される。いくつかの態様において、放射線は、1週の7日間のうちの5日間、連続9週間にわたって投与される。
【0051】
いくつかの態様において、放射線は、21日サイクル中の3週間のそれぞれの最初の連続5日間において投与される。いくつかの態様において、放射線は、連続7~9週間、最初の連続5日間において投与される。いくつかの態様において、放射線は、連続7週間、最初の連続5日間において投与される。いくつかの態様において、放射線は、連続8週間、最初の連続5日間において投与される。いくつかの態様において、放射線は、連続9週間、最初の連続5日間において投与される。
【0052】
いくつかの態様において、放射線は、強度変調放射線療法(「IMRT」)である。
【0053】
いくつかの態様において、第2のレジメンは、少なくとも1種のIAPアンタゴニストが連続14日間にわたって投与され、それに続いて、7日間、IAPアンタゴニストが投与されない、少なくとも1回の21日サイクルを含む。いくつかの態様において、第2のレジメンは、2回の連続した21日サイクルを含む。いくつかの態様において、第2のレジメンは、3回の連続した21日サイクルを含む。いくつかの態様において、白金系化学療法薬又は放射線は、第2のレジメン中に投与されない。
【0054】
局所進行性扁平上皮癌を有するヒト患者を治療する方法であって、それを必要とするヒト患者に1種以上のIAPアンタゴニストを投与することを含み、
(a)少なくとも1回の21日サイクルであって、1種以上のIAPアンタゴニストをサイクルの第1~14日に、白金系化学療法薬をサイクルの第2日に、並びに放射線をサイクルの第1~5日、第8~12日及び第15~19日に投与することを含む少なくとも1回の21日サイクルを含む第1のレジメン;及び
(b)少なくとも1回の21日サイクルであって、1種以上のIAPアンタゴニストをサイクルの第1~14日に投与することを含む少なくとも1回の21日サイクルを含む第2のレジメン
を含む方法も本明細書に提供される。いくつかの態様において、第1のレジメンは、3回の連続した21日サイクルを含む。いくつかの態様において、放射線は、第3の21日サイクルの第1週に投与される。いくつかの態様において、放射線は、第3の21日サイクルの第1及び第2週に投与される。いくつかの態様において、放射線は、第3の21日サイクルの全3週に投与される。
【0055】
いくつかの態様において、第2のレジメンは、3回の連続した21日サイクルを含む。いくつかの態様において、第2のレジメンは、2回の連続した21日サイクルを含む。
【0056】
いくつかの態様において、少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、化合物A若しくはその薬学的に許容できる塩、LCL-161若しくはその薬学的に許容できる塩、CUDC 427/GDC 0917若しくはその薬学的に許容できる塩、ビリナパント若しくはその薬学的に許容できる塩、AZD5582若しくはその薬学的に許容できる塩、APG-1387若しくはその薬学的に許容できる塩、ASTX660若しくはその薬学的に許容できる塩、SBP-0636457、JP1201若しくはその薬学的に許容できる塩又はこれらの組合せからなる群から選択される。いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物A若しくはその薬学的に許容できる塩、LCL-161若しくはその薬学的に許容できる塩又はCUDC 427/GDC 0917である第1のIAPアンタゴニストと、ビリナパント又はその薬学的に許容できる塩、AZD5582又はその薬学的に許容できる塩及びAPG-1387又はその薬学的に許容できる塩並びにこれらの組合せからなる群から選択される第2のIAPアンタゴニストとを投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、ASTX660又はその薬学的に許容できる塩、SBP-0636457、JP1201又はその薬学的に許容できる塩及びこれらの組合せからなる群から選択される第3のIAPアンタゴニストを投与される。
【0057】
いくつかの態様において、少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、一価IAPアンタゴニストからなる群から選択される。この群は、特に、化合物A、LCL-161(Novartis、CAS番号1005342-46-0)、CUDC 427/GDC 0917(Curis/Genentec、CAS番号1446182-94-0)、ASTX660(Astex、CAS番号1799328-86-1)、SBP-0636457(Sandford Burnham Prebys Medical Discovery Institute、CAS番号1422180-49-1)及びその薬学的に許容できる塩を含む。
【0058】
いくつかの態様において、少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、二価のIAPアンタゴニストからなる群から選択される。この群は、特に、TL-32711/ビリナパント(Medivir、CAS番号1260251-31-7)、AZD5582(AstraZeneca;CAS番号1258392-53-8)、APG-1387(Ascentage Pharma、SM-1387、CAS番号1570231-89-8)、JP1201(Joyant Pharmaceuticals)及びその薬学的に許容できる塩を含む。
【0059】
上記IAPアンタゴニストのいくつかの構造は、Finlay D, Teriete P, Vamos M et al.“Inducing death in tumor cells:roles of the inhibitor of apoptosis proteins”[version 1;referees:3 approved]. F1000Research 2017, 6(F1000 Faculty Rev):587 (https://doi.org/10.12688/f1000research.10625.1)の
図5及び6に示される。一価であるか又は二価であるかが不明であるIAPアンタゴニストも、他の態様により好適である。この群は、Boehringer Ingelheimにより開発されたIAP阻害剤(国際公開第2013/127729号、国際公開第2015/025018号、国際公開第2015/025019号、国際公開第2016/023858号又は国際公開第2018/178250号を参照されたい)、特にBI 891065と呼ばれるIAP阻害剤を含む。この態様のさらなる好適なIAP阻害剤は、例えば、国際公開第2008/128171A号、国際公開第2014/031487A号、国際公開第2011/050068A号、国際公開第2008/014240A号、国際公開第2007/131366A号、国際公開第2007/130626A号、国際公開第2011/057099号、国際公開第2009/140447号、欧州特許第2698158号、国際公開第2008/014229A号、国際公開第2017/117684A1号、国際公開第2016/079527A1号及び国際公開第2018/178250A1号並びに国際公開第2017/143449A号の表1に記載されており、これらの化合物は、Smac模倣化合物と称されている。T.W. Owens et al.によるJ Carcinog Mutagen. 2013 May 27;Suppl 14:S14-004(Published online 2013 May 27. doi:[10.4172/2157-2518.S14-004])の論文及び特にその表2並びに同論文中に引用されている文献を含む文献から知られているそのようなIAP阻害剤の全ても本態様において使用され得る。当然ながら、この態様において、2種以上の異なるIAP阻害剤の組合せを使用することも可能である。この場合、各IAP阻害剤は、本明細書に記載される利用可能なIAP阻害剤から独立に選択され得る。
【0060】
いくつかの態様において、少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、化合物A又はその薬学的に許容できる塩である。いくつかの態様において、ヒト患者は、約100mg~約500mgの、その遊離塩基としての化合物Aに対応する量の化合物A又はその薬学的に許容できる塩である少なくとも1種のIAPアンタゴニストを毎日投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物Aの遊離塩基に基づいて約100mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を毎日投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物Aの遊離塩基に基づいて約150mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を毎日投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物Aの遊離塩基に基づいて約200mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を毎日投与される。本発明の他の態様により、別のIAPアンタゴニストが使用される場合、適切な用量は、国際公開第2017/143449A号及びD. Finlay et alのF1000Research 2017, 6 (F1000 Faculty Rev): 587(https://doi.org/10.12688/f1000research.10625.1)並びにそれに引用されている参考文献、又はより具体的には、
・LCL-161に関して、米国特許出願公開第2013/005663号及び国際公開第2016/054555A号;
・CUDC 427に関して、米国特許出願公開第2013/0005663A号;
・ビリナパントに関して、国際公開第2014/121178A号及び米国特許出願公開第2014/243276A号;
・AZD5582に関して、国際公開第2010/142994A号;
・APG-1387に関して、Z. Chen et al. の Front Pharmacol. 2018;9:1298;doi:10.3389/fphar.2018.01298及びB. Li et al.の J Exp Clin Cancer Res. 2018 Mar 12;37(1):53. doi:10.1186/s13046-018-0703-9並びにそれらに引用されている文献;
・ASTX660に関して、欧州特許出願公開第3083616A号;
・SBP-0636457に関して、国際公開第2014/085489A号;及び
・JP1201に関して、国際公開第2011/059763A号
などの文献から誘導され得る。代わりに、好適な用量は、用量漸増試験により決定され得る。
【0061】
いくつかの態様において、ヒト患者は、能動喫煙歴を有し、アルコールの大量摂取者であり、及び/又はHPV陰性OPCを有する。いくつかの態様において、ヒト患者は、能動喫煙歴を有する。いくつかの態様において、ヒト患者は、アルコールの大量摂取者である。いくつかの態様において、ヒト患者は、HPV陰性OPCを有する。
【0062】
いくつかの態様において、少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、遊離塩基形態である化合物Aである。いくつかの態様において、少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、薬学的に許容できる塩である化合物Aである。いくつかの態様において、化合物Aは、酢酸塩、塩酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、メシル酸塩、リンゴ酸塩、臭化水素酸塩、トシル酸塩、硝酸塩、N-アセチルグリシン、アスコルビン酸塩、ブタネート、エタン-1,2-ジスルホン酸塩、ゲンチジン酸塩、グルコロン酸塩、グルタル酸塩、グリコール酸塩、イセチオン酸塩、ケトグルタル酸塩、マロン酸塩、ナパジシル酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、ピログルタミン酸塩、ピルビン酸塩、セバシン酸塩及びコハク酸塩からなる群から選択される薬学的に許容できる塩形態である。いくつかの態様において、薬学的に許容できる形態は、硫酸塩、トシル酸塩、ゲンチジン酸塩、塩酸塩、ナパジシル酸塩、ナプシル酸塩、ラウリル硫酸塩、キシナホ酸塩及びパモ酸塩からなる群から選択される。
【0063】
いくつかの態様において、少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、経口投与される化合物A又はその薬学的に許容できる塩である。いくつかの態様において、少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、固体剤形として投与される化合物A又はその薬学的に許容できる塩である。いくつかの態様において、固体剤形は、カプセル又は錠剤である。
【0064】
いくつかの態様において、少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、溶液として投与される化合物A又はその薬学的に許容できる塩である。いくつかの態様において、溶液は、水溶液である。いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩の溶液は、経鼻胃管、経皮内視鏡的胃瘻管又は経皮内視鏡的空腸瘻管を介して経口投与される。いくつかの態様において、溶液は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約10mg/mL~約50mg/mLの濃度で含む。いくつかの態様において、溶液は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約20mg/mLの濃度で含む。
【0065】
いくつかの態様において、少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、1投与量として1日あたり1回投与される化合物A又はその薬学的に許容できる塩である。いくつかの態様において、少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、1日あたり2、3又は4回投与される複数の投与量に分割される化合物A又はその薬学的に許容できる塩である。
【0066】
いくつかの態様において、第1のレジメンの白金系化学療法薬は、静脈内投与される。いくつかの態様において、第1のレジメンの白金系化学療法薬は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン及びネダプラチンからなる群から選択される1種以上である。
【0067】
いくつかの態様において、第1のレジメンの白金系化学療法薬は、シスプラチンである。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約10mg/m2~毎週約150mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約40mg/m2~毎週約100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、約100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、緩徐な静脈内注入により、少なくとも90分にわたって投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、緩徐な静脈内注入により、少なくとも90分にわたって約100mg/m2の投与量で投与される。
【0068】
いくつかの態様において、第1のレジメンの白金系化学療法薬は、カルボプラチンである。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約5.5mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.5~約2.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で毎週投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約4.5~約5.0の曲線下面積を示すのに十分な投与量で3週間ごとに投与される。
【0069】
いくつかの態様において、ヒト患者は、第1のレジメンにおいて、最大70グレイまでの好適な量の放射線を提供される。いくつかの態様において、ヒト患者は、最大56グレイまでの好適な量の放射線を提供される。いくつかの態様において、放射線は、IMRTである。
【0070】
いくつかの態様において、少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、第1のレジメンにおいて、午前中の早くに、ヒト患者が少なくとも2時間にわたって絶食した後、ヒト患者に投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、第1のレジメンにおいて、少なくとも1種のIAPアンタゴニストがヒト患者に投与された後、少なくとも1時間にわたって絶食する。いくつかの態様において、少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、第2のレジメンにおいて、ヒト患者が少なくとも2時間にわたって絶食した後、ヒト患者に投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、第2のレジメンにおいて、少なくとも1種のIAPアンタゴニストがヒト患者に投与された後、少なくとも1時間にわたって絶食する。
【0071】
いくつかの態様において、局所進行性扁平上皮癌は、頭頸部領域のものである。いくつかの態様において、頭頸部領域の局所進行性扁平上皮癌は、中咽頭、喉頭及び下咽頭からなる群から選択される。いくつかの態様において、頭頸部領域の局所進行性扁平上皮癌は、中咽頭癌である。いくつかの態様において、中咽頭癌は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染と無関係である。いくつかの態様において、中咽頭癌は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染と関係している。いくつかの態様において、局所進行性扁平上皮癌は、米国癌合同委員会1998ステージングシステムによるステージIII、ステージIVA又はステージIVBである。
【0072】
局所進行性扁平上皮癌を有するヒト患者を治療する方法であって、それを必要とするヒト患者に、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、約100mg~約500mgの、その遊離塩基としての化合物Aに対応する量で毎日投与することを含み、それを必要とするヒト患者は、能動喫煙歴を有し、及び/又はアルコールの大量摂取者である、方法が本明細書にさらに提供される。いくつかの態様において、ヒト患者は、局所進行性扁平上皮癌の治療(例えば、手術、化学療法、放射線療法、免疫療法)を以前に受けていない。いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物Aの遊離塩基に基づいて約100mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を毎日投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物Aの遊離塩基に基づいて約150mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を毎日投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物Aの遊離塩基に基づいて約200mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を毎日投与される。
【0073】
いくつかの態様において、ヒト患者は、能動喫煙歴を有する。いくつかの態様において、ヒト患者は、アルコールの大量摂取者である。いくつかの態様において、ヒト患者は、HPV陰性OPCを有する。
【0074】
いくつかの態様において、化合物Aは、遊離塩基形態である。いくつかの態様において、化合物Aは、薬学的に許容できる塩である。いくつかの態様において、化合物Aは、酢酸塩、塩酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、メシル酸塩、リンゴ酸塩、臭化水素酸塩、トシル酸塩、硝酸塩、N-アセチルグリシン、アスコルビン酸塩、ブタネート、エタン-1,2-ジスルホン酸塩、ゲンチジン酸塩、グルコロン酸塩、グルタル酸塩、グリコール酸塩、イセチオン酸塩、ケトグルタル酸塩、マロン酸塩、ナパジシル酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、ピログルタミン酸塩、ピルビン酸塩、セバシン酸塩及びコハク酸塩からなる群から選択される薬学的に許容できる塩形態である。いくつかの態様において、薬学的に許容できる形態は、硫酸塩、トシル酸塩、ゲンチジン酸塩、塩酸塩、ナパジシル酸塩、ナプシル酸塩、ラウリル硫酸塩、キシナホ酸塩及びパモ酸塩からなる群から選択される。
【0075】
いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、経口投与される。いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、固体剤形として投与される。いくつかの態様において、固体剤形は、カプセル又は錠剤である。
【0076】
いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、溶液として投与される。いくつかの態様において、溶液は、水溶液である。いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、経鼻胃管、経皮内視鏡的胃瘻管又は経皮内視鏡的空腸瘻管を介して経口投与される。いくつかの態様において、溶液(例えば水溶液)は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約10mg/mL~約50mg/mLの濃度で含む。いくつかの態様において、溶液(例えば水溶液)は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約20mg/mLの濃度で含む。
【0077】
いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、1投与量として1日あたり1回投与される。いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、1日あたり1、2、3又は4回投与される複数の投与量に分割される。
【0078】
いくつかの態様において、ヒト患者は、白金系化学療法薬も投与される。いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、静脈内投与される。いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン及びネダプラチンからなる群から選択される1種以上である。
【0079】
いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、シスプラチンである。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約10mg/m2~毎週約150mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約40mg/m2~毎週約100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、約100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、緩徐な静脈内注入により、少なくとも90分にわたって投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、緩徐な静脈内注入により、少なくとも90分にわたって約100mg/m2の投与量で投与される。
【0080】
いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、カルボプラチンである。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約5.5mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.5~約2.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で毎週投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約4.5~約5.0の曲線下面積を示すのに十分な投与量で3週間ごとに投与される。
【0081】
いくつかの態様において、治療は、シスプラチンの投与で始まり、シスプラチンの代わりのカルボプラチンの投与により継続し得る。
【0082】
いくつかの態様において、ヒト患者は、放射線も投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、最大70グレイまでの好適な量の放射線を提供される。いくつかの態様において、ヒト患者は、最大50グレイまでの好適な量の放射線を提供される。いくつかの態様において、放射線は、IMRTである。
【0083】
いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、ヒト患者が少なくとも2時間にわたって絶食した後、ヒト患者に投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩がヒト患者に投与された後、少なくとも1時間にわたって絶食する。
【0084】
いくつかの態様において、ヒト患者は、21日サイクルの最初の連続14日間にわたって化合物A又はその薬学的に許容できる塩を受ける。いくつかの態様において、ヒト患者は、21日サイクルの第2日に白金系化学療法薬を受ける。いくつかの態様において、ヒト患者は、3回までの連続21日サイクルにわたり、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を受ける。いくつかの態様において、ヒト患者は、第1の21日サイクルの第2日にシスプラチンを、及び第2及び/又は第3の21日サイクルの第2日にカルボプラチンを受ける。
【0085】
いくつかの態様において、ヒト患者は、約7~約9週間にわたり、各週に5フラクションの放射線を受ける。いくつかの態様において、ヒト患者は、最後の放射線投与後、連続14日間にわたって化合物A又はその薬学的に許容できる塩を受ける。
【0086】
いくつかの態様において、局所進行性扁平上皮癌は、頭頸部領域のものである。いくつかの態様において、頭頸部領域の局所進行性扁平上皮癌は、中咽頭、喉頭及び下咽頭からなる群から選択される。いくつかの態様において、頭頸部領域の局所進行性扁平上皮癌は、中咽頭癌である。いくつかの態様において、中咽頭癌は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染と無関係である(HPV陰性)。いくつかの態様において、中咽頭癌は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染と関係している。
【0087】
局所進行性扁平上皮癌を有するヒト患者を治療する方法であって、それを必要とするヒト患者に、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、約100mg~約500mgの、その遊離塩基としての化合物Aに対応する量で毎日投与することを含み、それを必要とするヒト患者は、能動喫煙歴を有し、アルコールの大量摂取者であり、及び/又はHPV陰性OPCを有し、方法は、
(a)化合物A又はその薬学的に許容できる塩、白金系化学療法薬及び放射線の併用投与を含む第1のレジメン;
(b)化合物A又はその薬学的に許容できる塩の投与を含む第2のレジメン
を含む方法も提供される。
【0088】
いくつかの態様において、第1のレジメンは、化合物A又はその薬学的に許容できる塩及び白金系化学療法薬が連続14日間にわたって投与され、それに続いて、7日間、化合物A若しくはその薬学的に許容できる塩又は白金系化学療法薬が投与されない、少なくとも1回の21日サイクルを含む。いくつかの態様において、第1のレジメンは、3回の連続した21日サイクルを含む。
【0089】
いくつかの態様において、第2のレジメンは、化合物A又はその薬学的に許容できる塩が連続14日間にわたって投与され、それに続いて、7日間、化合物A又はその薬学的に許容できる塩が投与されない、少なくとも1回の21日サイクルを含む。いくつかの態様において、第2のレジメンは、2回の連続した21日サイクルを含む。いくつかの態様において、白金系化学療法薬又は放射線は、第2のレジメンにおいて投与されない。
【0090】
いくつかの態様において、ヒト患者は、局所進行性扁平上皮癌の治療(例えば、手術、化学療法、放射線療法又は免疫療法)を以前に受けていない。
【0091】
いくつかの態様において、ヒト患者は、第1及び第2のレジメンの両方において、化合物Aの遊離塩基に基づいて約100mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を毎日投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、第1及び第2のレジメンの両方において、化合物Aの遊離塩基に基づいて約150mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を毎日投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、第1及び第2のレジメンの両方において、化合物Aの遊離塩基に基づいて約200mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を毎日投与される。
【0092】
いくつかの態様において、ヒト患者は、能動喫煙歴を有する。いくつかの態様において、ヒト患者は、アルコールの大量摂取者である。いくつかの態様において、ヒト患者は、HPV陰性OPCを有する。
【0093】
いくつかの態様において、化合物Aは、遊離塩基形態である。いくつかの態様において、化合物Aは、薬学的に許容できる塩である。いくつかの態様において、化合物Aは、酢酸塩、塩酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、メシル酸塩、リンゴ酸塩、臭化水素酸塩、トシル酸塩、硝酸塩、N-アセチルグリシン、アスコルビン酸塩、ブタネート、エタン-1,2-ジスルホン酸塩、ゲンチジン酸塩、グルコロン酸塩、グルタル酸塩、グリコール酸塩、イセチオン酸塩、ケトグルタル酸塩、マロン酸塩、ナパジシル酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、ピログルタミン酸塩、ピルビン酸塩、セバシン酸塩及びコハク酸塩からなる群から選択される薬学的に許容できる塩形態である。いくつかの態様において、薬学的に許容できる形態は、硫酸塩、トシル酸塩、ゲンチジン酸塩、塩酸塩、ナパジシル酸塩、ナプシル酸塩、ラウリル硫酸塩、キシナホ酸塩及びパモ酸塩からなる群から選択される。
【0094】
いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、経口投与される。いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、固体剤形として投与される。いくつかの態様において、固体剤形は、カプセル又は錠剤である。
【0095】
いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、溶液として投与される。いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、水溶液として投与される。いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、経鼻胃管、経皮内視鏡的胃瘻管又は経皮内視鏡的空腸瘻管を介して経口投与される。いくつかの態様において、溶液(例えば水溶液)は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約10mg/mL~約50mg/mLの濃度で含む。いくつかの態様において、溶液(例えば水溶液)は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約20mg/mLの濃度で含む。
【0096】
いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、1投与量として1日あたり1回投与される。いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩、1日あたり2、3又は4回投与される複数の投与量に分割される。
【0097】
いくつかの態様において、第1のレジメンの白金系化学療法薬は、静脈内投与される。いくつかの態様において、第1のレジメンの白金系化学療法薬は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン及びネダプラチンからなる群から選択される1種以上である。
【0098】
いくつかの態様において、第1のレジメンの白金系化学療法薬は、シスプラチンである。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約10mg/m2~毎週150mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約40mg/m2~毎週約100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、約100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、緩徐な静脈内注入により、少なくとも90分にわたって投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、緩徐な静脈内注入により、少なくとも90分にわたって約100mg/m2の投与量で投与される。
【0099】
いくつかの態様において、第1のレジメンの白金系化学療法薬は、カルボプラチンである。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約5.5mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.5~約2.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で毎週投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約4.5~約5.0の曲線下面積を示すのに十分な投与量で3週間ごとに投与される。
【0100】
いくつかの態様において、治療は、シスプラチンの投与で始まり、シスプラチンの代わりのカルボプラチンの投与により継続し得る。
【0101】
いくつかの態様において、ヒト患者は、第1のレジメンにおいて、最大72グレイまでの好適な量の放射線を提供される。いくつかの態様において、ヒト患者は、第1のレジメンにおいて、最大70グレイまでの好適な量の放射線を提供される。いくつかの態様において、ヒト患者は、第1のレジメンにおいて、最大50グレイまでの好適な量の放射線を提供される。いくつかの態様において、放射線は、IMRTである。
【0102】
いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、第1のレジメンにおいて、ヒト患者が少なくとも1時間にわたって絶食した後、ヒト患者に投与される。いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、第1のレジメンにおいて、ヒト患者が少なくとも2時間にわたって絶食した後、ヒト患者に投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、第1のレジメンにおいて、化合物A又はその薬学的に許容できる塩がヒト患者に投与された後、少なくとも1時間にわたって絶食する。いくつかの態様において、ヒト患者は、第1のレジメンにおいて、化合物A又はその薬学的に許容できる塩がヒト患者に投与された後、少なくとも2時間にわたって絶食する。
【0103】
いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、第2のレジメンにおいて、ヒト患者が少なくとも1時間にわたって絶食した後、ヒト患者に投与される。いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、第2のレジメンにおいて、ヒト患者が少なくとも2時間にわたって絶食した後、ヒト患者に投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、第2のレジメンにおいて、化合物A又はその薬学的に許容できる塩がヒト患者に投与された後、少なくとも1時間にわたって絶食する。いくつかの態様において、ヒト患者は、第2のレジメンにおいて、化合物A又はその薬学的に許容できる塩がヒト患者に投与された後、少なくとも2時間にわたって絶食する。
【0104】
いくつかの態様において、局所進行性扁平上皮癌は、手術不可能である。いくつかの態様において、局所進行性扁平上皮癌は、米国癌合同委員会1998ステージングシステムによるステージIII、ステージIVA又はステージIVBである。
【0105】
いくつかの態様において、局所進行性扁平上皮癌は、頭頸部領域のものである。いくつかの態様において、頭頸部領域の局所進行性扁平上皮癌は、手術不可能である。いくつかの態様において、頭頸部領域の局所進行性扁平上皮癌は、口腔、中咽頭、喉頭及び下咽頭からなる群から選択される。いくつかの態様において、頭頸部領域の局所進行性扁平上皮癌は、中咽頭、喉頭及び下咽頭からなる群から選択される。いくつかの態様において、頭頸部領域の局所進行性扁平上皮癌は、中咽頭癌である。いくつかの態様において、中咽頭癌は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染(p16免疫組織化学染色(IHC)により決定される)と無関係である。いくつかの態様において、中咽頭癌は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染(p16免疫組織化学染色(IHC)により決定される)と関係している。いくつかの態様において、頭頸部領域の局所進行性扁平上皮癌は、米国癌合同委員会1998ステージングシステムによるステージIII、ステージIVA又はステージIVBである。
【図面の簡単な説明】
【0106】
図面の簡単な説明
【
図1A】2019年9月25日付の優先出願(本願の実施例1(変形形態2)、2、4(変形形態2)及び5(変形形態2)に対応するが、実施例3及び6に対応しない実施例を含む出願文書)と共に提出され、無増悪生存期間のカプラン・マイヤー推定を与える。
【
図1B】2020年4月28日付の優先出願(本願の実施例1(変形形態1)、2、3、4(変形形態1)、5(変形形態1)及び6に対応する実施例を含む出願文書)と共に提出され、無増悪生存期間のカプラン・マイヤー推定を与える。
【
図1C】遅発性事象(この場合、10人の患者であり、5人は、Debio 1143アーム、5人は、プラセボアームである)の打切りを有する36か月の継続管理での、無増悪生存期間のカプラン・マイヤー推定を与える(遅発性事象は、評価又はスキャンし損ねた後に起こるものである - PD前の長期間の非進行の仮定が特定されることを避けるために、それらは、最後の非進行(PD)評価でPFS分析から削除される(FDAの指針による)。
【
図2A】2019年9月25日付の優先出願と共に提出され、局所制御率のカプラン・マイヤー推定を与える。
【
図2B】2020年4月28日付の優先出願と共に提出され、局所制御率のカプラン・マイヤー推定を与える。
【
図2C】36か月の継続管理での、CRTの終了からの時間にわたる局所制御率(局所制御の継続期間)のカプラン・マイヤー推定を与える。
【
図3A】2019年9月25日付の優先出願と共に提出され、全生存期間のカプラン・マイヤー推定を与える。
【
図3B】2020年4月28日付の優先出願と共に提出され、全生存期間のカプラン・マイヤー推定を与える。
【
図3C】36か月の継続管理での全生存期間のカプラン・マイヤー推定を与える。
【
図4A】2019年9月25日付の優先出願と共に提出され、3か月及び6か月でのDebio 1143+CRTの副次的評価項目を報告する。
【
図4B】2019年9月25日付の優先出願と共に提出され、3か月及び6か月でのプラセボ+CRTの副次的評価項目を報告する。
【
図4C】2020年4月28日付の優先出願と共に提出され、3か月及び6か月でのDebio 1143+CRTの副次的評価項目を報告する。
【
図4D】2020年4月28日付の優先出願と共に提出され、3か月及び6か月でのプラセボ+CRTの副次的評価項目を報告する。
【
図5】白金系化学療法剤及び放射線療法と組み合わせたIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A)の投与の治験実施計画書を与える。
【発明を実施するための形態】
【0107】
本開示の詳細な説明
本開示は、局所進行性扁平上皮癌を有するヒト患者を治療する方法であって、それを必要とするヒト患者にIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)を投与することを含む方法を提供する。
【0108】
I.定義
本開示の理解を促進するために、いくつかの用語及び句が以下に定義される。
【0109】
用語「化合物A」は、(5S,8S,10aR)-N-ベンズヒドリル-5-[[(2S)-2-(メチルアミノ)プロパノイル]アミノ]-3-(3-メチルブタノイル)-6-オキソ-1,2,4,5,8,9,10,10a-オクタヒドロピロロ[1,2-a][1,5]ジアゾシン-8-カルボキサミド又はその薬学的に許容できる塩を指す。この化合物は、Debio 1143又はゼビナパントとしても知られている。
【0110】
用語「薬学的に許容できる塩」は、好適なアニオンと組み合わせたカチオン性形態の化合物A、又は逆ににカチオンと組み合わせたアニオン性形態の化合物Aからなる化合物Aの形態を指す。
【0111】
用語「好反応を示す」は、一般的に、対象における有益な状態を起こすことを指す。癌治療に関して、その用語は、治療効果を対象に与えることを指す。癌における正の治療効果は、いくつかの方法で測定できる(W.A. Weber, J. Nucl. Med. 50:1S-10S(2009)を参照されたい)。例えば、腫瘍成長阻害、分子マーカー発現、血清マーカー発現及び分子イメージング技法は、全て抗癌治療法の治療効能を評価するために使用できる。好反応は、例えば、増加した無増悪生存期間(PFS)、無病生存期間(DFS)、全生存期間(OS)若しくは無転移生存期間(MFS)により、完全奏功(CR)、部分奏功(PR)又は場合により安定(SD)、進行(PD)の減少、無増悪期間(TTP)の減少又はこれらの任意の組合せにより評価できる。
【0112】
PFS、DFS及びOSは、新薬の認可に関してthe National Cancer Institute及びthe U.S. Food and Drug Administrationにより設定された基準により測定できる。Johnson et al, (2003) J. Clin. Oncol. 21(7):1404-1411を参照されたい。
【0113】
「無増悪生存期間」(PFS)は、登録から疾患増悪又は死亡までの時間を指す。PFSは、一般的に、カプラン・マイヤー法及び固形癌の効果判定基準(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)(RECIST)1.1基準を使用して測定される。一般的に、無増悪生存期間は、癌が悪化せずに患者が生存したままである状況を指す。
【0114】
「無増悪期間」(TTP)は、登録から疾患増悪までの時間であると定義される。TTPは、一般的に、RECIST 1.1基準を使用して測定される。
【0115】
「完全奏功」、又は「完全寛解」、又は「CR」は、治療に反応した腫瘍又は癌の全徴候の消失を示す。これは、必ずしも癌が治癒されたことを意味しない。例えば、あらゆる病的リンパ節(標的であれ非標的であれ)は、短軸が10mm未満に減少しなければならない。完全奏功は、一般的に、RECIST 1.1基準を使用して測定される。Eisenhauer, E.A., Eur. J. Cancer, 45:228-47(2009)。
【0116】
「部分奏功」又は「PR」は、治療に反応した、1つ以上の腫瘍若しくは病変の大きさ若しくは体積又は体内の癌の範囲の減少を指す。Eisenhauer, E.A., Eur. J. Cancer, 45: 228-47 (2009)。
【0117】
「安定」は、増悪又は再発がない疾患を指す。安定において、試験中の最小径和を基準として、部分奏功に該当する十分な腫瘍縮小も、進行に該当する十分な腫瘍増大もない。Eisenhauer, E.A., Eur. J. Cancer, 45: 228-47 (2009)。
【0118】
「進行」又は「進行した疾患」は、もう1つの新たな病変若しくは腫瘍の出現及び/又は既存の非標的病変の明らかな増悪及び/又は試験中の最小和(これは、ベースライン和が試験中の最小である場合、ベースライン和を含む)を基準とする標的病変の径和の少なくとも20%増加を指す。20%の相対的増加に加えて、和は、少なくとも5mmの絶対的増加も示さなければならない(注記:1つ以上の新たな病変の出現も進行と考えられる)。Eisenhauer, E.A., Eur. J. Cancer, 45: 228-47 (2009)。
【0119】
「全生存期間」(OS)は、患者登録から、死亡又は最後に生存が確認された日での打切りまでの時間を指す。OSは、未経験又は未治療の個人又は患者と比べた平均余命の延長を含む。全生存期間は、患者が、例えば、ランダム化又は治療の時間から、1年、5年など定められた期間生存したままである状況を指す。
【0120】
「治療する」、若しくは「治療」、若しくは「治療すること」又は「緩和する」若しくは「緩和すること」などの用語は、診断された病態又は障害を治癒し、緩徐化し、その症状を減少させ、及び/又はその進行を停止させる治療的処置を指す。そのため、治療を必要とする者は、障害があると既に診断されている者又は障害を有すると疑われる者を含む。いくつかの態様において、対象は、ヒト患者が下記の1つ以上を示す場合、本明細書に記載される方法に従い、癌、例えば進行性固形悪性腫瘍が問題なく「治療される」:癌細胞の数の減少又はそれが完全にないこと;腫瘍量の減少;例えば軟部組織及び骨への癌の広がりを含む、末梢性の器官への癌細胞浸潤の阻害又はそれがないこと;腫瘍転移の阻害又はそれがないこと;腫瘍成長の阻害又はそれがないこと;特定の癌と関連する1つ以上の症状の緩和;罹患率及び死亡率の減少;生活の質の改善;腫瘍の発癌性、腫瘍形成頻度又は腫瘍形成能力の減少;腫瘍中の癌幹細胞の数又は頻度の減少;腫瘍形成細胞の非腫瘍形成状態への分化;増加した無増悪生存期間(PFS)、無病生存期間(DFS)、若しくは全生存期間(OS)、若しくは無転移生存期間(MFS)、完全奏功(CR)、部分奏功(PR)、安定(SD)、進行(PD)の減少、無増悪期間(TTP)の減少又はこれらの任意の組合せ。
【0121】
予防的(prophylactic)又は予防的(preventative)処置は、標的とされる病的な状態若しくは障害を予防し、及び/又はその発生を緩徐化する処置を指す。そのため、予防的又は予防的処置を必要とする者は、障害を有する傾向がある者及び障害が予防されるべき者を含む。
【0122】
本開示及び請求項に使用される通り、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その」は、文脈により別途明確に示されない限り、複数形を含む。いくつかの態様において、数値の開示は、明示された値±10%の開示であると理解されるものとする。他の態様において、数値の開示は、通常の丸め規則と組み合わされた明示された精度の程度により示される、可能性のある変動を含む明示された値の開示であると理解されるものとする。さらに他の態様において、数値の開示は、可能性のある変動がない明示された値の開示であると理解されるものとする。いくつかの実施形態において、2つ以上の選択し得る数値の表示は、2つの開示された数値の異なる組合せにわたるあらゆる数値範囲の開示であると理解されるものとする。
【0123】
態様が用語「含む」と共に本明細書に記載される場合には常に、「からなる」及び/又は「から基本的になる」という用語で記載される、他の点で類似の態様も提供されることが理解される。例えば、「1種以上のIAPアンタゴニストの投与を含む第2のレジメン」という語句は、いくつかの態様において、1種以上のIAPアンタゴニストの投与からなる第2のレジメンを指し、白金系化学療法薬又は放射線は、この第2のレジメン中において投与されない。
【0124】
II.使用方法
実施形態Aによる使用方法が本明細書に以下で記載される。
【0125】
化合物A及びその薬学的に許容できる塩は、局所進行性扁平上皮癌を有するヒト患者の治療などの治療的処置方法を含むが、これに限定されない種々の用途に有用である。局所進行性扁平上皮癌を有するヒト患者を治療する方法であって、それを必要とする患者に、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、約100mg~約500mgの、その遊離塩基としての化合物Aに対応する量で毎日投与することを含み、それを必要とする患者は、能動喫煙歴を有し、及び/又はアルコールの大量摂取者である、方法が本明細書に提供される。
【0126】
いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物Aの遊離塩基に基づいて約100mg~約450mg、約100mg~約400mg、約100mg~約350mg、約150mg~約300mg又は約200mg~約250mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物Aの遊離塩基に基づいて約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約400mg、約450mg又は約500mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物Aの遊離塩基に基づいて約200mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を投与される。
【0127】
いくつかの態様において、ヒト患者は、白金系化学療法薬も投与される。いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、静脈内投与される。いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン及びネダプラチンからなる群から選択される1種以上である。
【0128】
いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、シスプラチンである。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約10mg/m2~毎週150mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約20mg/m2~毎週125mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約30mg/m2~毎週100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約40mg/m2~毎週約100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約50mg/m2~毎週100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約60mg/m2~毎週100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約70mg/m2~毎週100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約10mg/m2、20mg/m2、30mg/m2、40mg/m2、50mg/m2、60mg/m2、70mg/m2、80mg/m2、90mg/m2又は100mg/m2の投与量で投与される。
【0129】
いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、カルボプラチンである。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約5.5mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、カルボプラチンである。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約5.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、カルボプラチンである。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約4.5mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、カルボプラチンである。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約4.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、カルボプラチンである。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約3.5mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、カルボプラチンである。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約3.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、カルボプラチンである。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約2.5mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、カルボプラチンである。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約2.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.5~約2.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で毎週投与される。
【0130】
いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約3.0~約5.5の曲線下面積を示すのに十分な投与量で3週間ごとに投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約3.5~約5.5の曲線下面積を示すのに十分な投与量で3週間ごとに投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約4.0~約5.5の曲線下面積を示すのに十分な投与量で3週間ごとに投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約4.5~約5.0の曲線下面積を示すのに十分な投与量で3週間ごとに投与される。
【0131】
いくつかの態様において、治療は、シスプラチンの投与で始まり、シスプラチンの代わりのカルボプラチンの投与により継続し得る。
【0132】
いくつかの態様において、ヒト患者は、放射線も投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、最大100グレイまでの好適な量の放射線を提供される。いくつかの態様において、ヒト患者は、最大85グレイまでの好適な量の放射線を提供される。いくつかの態様において、ヒト患者は、最大72グレイまでの好適な量の放射線を提供される。
【0133】
いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、患者が少なくとも1時間にわたって絶食した後、ヒト患者に投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩がヒト患者に投与された後、少なくとも2時間にわたって絶食する。
【0134】
いくつかの態様において、ヒト患者は、21日サイクルの最初の連続14日間にわたり、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を受ける。いくつかの態様において、ヒト患者は、21日サイクルの第2日に白金系化学療法薬を受ける。いくつかの態様において、ヒト患者は、3回までの連続21日サイクルにわたり、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を受ける。いくつかの態様において、ヒト患者は、第1の21日サイクルの第2日にシスプラチンを、及び第2及び/又は第3の21日サイクルの第2日にカルボプラチンを受ける。
【0135】
いくつかの態様において、ヒト患者は、約7~約9週間にわたり、各週に5フラクションの放射線を受ける。いくつかの態様において、ヒト患者は、最後の放射線投与後、連続14日間にわたって化合物A又はその薬学的に許容できる塩を受ける。
【0136】
局所進行性扁平上皮癌を有するヒト患者を治療する方法であって、それを必要とする患者に、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、約100mg~約500mgの、その遊離塩基としての化合物Aに対応する量で毎日投与することを含み、それを必要とする患者は、能動喫煙歴を有し、及び/又はアルコールの大量摂取者であり、方法は、
(c)化合物A又はその薬学的に許容できる塩、白金系化学療法薬及び放射線の併用投与を含む第1のレジメン;
(d)化合物A又はその薬学的に許容できる塩の投与を含む第2のレジメン
を含む、方法も提供される。
【0137】
いくつかの態様において、第1のレジメンは、化合物A又はその薬学的に許容できる塩及び白金系化学療法薬が連続14日間にわたって投与され、それに続いて、7日間、化合物A若しくはその薬学的に許容できる塩又は白金系化学療法薬が投与されない、21日サイクルを含む。いくつかの態様において、第1のレジメンは、3回の連続した21日サイクルを含む。
【0138】
いくつかの態様において、第2のレジメンは、化合物A又はその薬学的に許容できる塩が連続14日間にわたって投与され、それに続いて、7日間、化合物A又はその薬学的に許容できる塩が投与されない、21日サイクルを含む。いくつかの態様において、第2のレジメンは、2回の連続した21日サイクルを含む。いくつかの態様において、白金系化学療法薬又は放射線は、第2のレジメンにおいて投与されない。
【0139】
いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物Aの遊離塩基に基づいて約100mg~約450mg、約100mg~約400mg、約100mg~約350mg、約150mg~約300mg又は約200mg~約250mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物Aの遊離塩基に基づいて約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約400mg、約450mg又は約500mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物Aの遊離塩基に基づいて約200mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を投与される。
【0140】
いくつかの態様において、ヒト患者は、第1及び第2のレジメンにおいて、化合物Aの遊離塩基に基づいて異なる量の化合物A又は薬学的に許容できる塩を投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、第1のレジメンにおいて、第2のレジメンより高い投与量の化合物A又は薬学的に許容できる塩を投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、第2のレジメンにおいて、第1のレジメンより高い投与量の化合物A又は薬学的に許容できる塩を投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、第1及び第2のレジメンの両方において、同じ投与量の化合物A又は薬学的に許容できる塩を投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、第1及び第2のレジメンの両方において、化合物Aの遊離塩基に基づいて約200mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を投与される。
【0141】
いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、静脈内投与される。いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン及びネダプラチンからなる群から選択される1種以上である。
【0142】
いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、シスプラチンである。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約10mg/m2~毎週150mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約20mg/m2~毎週125mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約30mg/m2~毎週100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約40mg/m2~毎週約100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約50mg/m2~毎週100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約60mg/m2~毎週100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約70mg/m2~毎週100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約10mg/m2、20mg/m2、30mg/m2、40mg/m2、50mg/m2、60mg/m2、70mg/m2、80mg/m2、90mg/m2又は100mg/m2の投与量で投与される。
【0143】
いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、カルボプラチンである。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約5.5mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、カルボプラチンである。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約5.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、カルボプラチンである。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約4.5mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、カルボプラチンである。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約4.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、カルボプラチンである。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約3.5mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、カルボプラチンである。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約3.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、カルボプラチンである。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約2.5mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、カルボプラチンである。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約2.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.5~約2.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で毎週投与される。
【0144】
いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約3.0~約5.5の曲線下面積を示すのに十分な投与量で3週間ごとに投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約3.5~約5.5の曲線下面積を示すのに十分な投与量で3週間ごとに投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約4.0~約5.5の曲線下面積を示すのに十分な投与量で3週間ごとに投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約4.5~約5.0の曲線下面積を示すのに十分な投与量で3週間ごとに投与される。
【0145】
いくつかの態様において、治療は、シスプラチンの投与で始まり、シスプラチンの代わりのカルボプラチンの投与により継続し得る。
【0146】
いくつかの態様において、ヒト患者は、放射線も投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、最大100グレイまでの好適な量の放射線を提供される。いくつかの態様において、ヒト患者は、最大85グレイまでの好適な量の放射線を提供される。いくつかの態様において、ヒト患者は、最大72グレイまでの好適な量の放射線を提供される。
【0147】
いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、第1のレジメンにおいて、患者が少なくとも1時間にわたって絶食した後、ヒト患者に投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、第1のレジメンにおいて、化合物A又はその薬学的に許容できる塩がヒト患者に投与された後、少なくとも2時間にわたって絶食する。
【0148】
いくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、第2のレジメンにおいて、患者が少なくとも1時間にわたって絶食した後、ヒト患者に投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、第2のレジメンにおいて、化合物A又はその薬学的に許容できる塩がヒト患者に投与された後、少なくとも2時間にわたって絶食する。
【0149】
実施形態Bによる使用方法が本明細書に以下に記載される。
【0150】
局所進行性扁平上皮癌を有するヒト患者を治療する方法であって、それを必要とするヒト患者に1種以上のアポトーシス阻害タンパク質(「IAP」)アンタゴニストを投与することを含み、
(a)1種以上のIAPアンタゴニスト、白金系化学療法薬及び放射線の併用投与を含む第1のレジメン;及び
(b)1種以上のIAPアンタゴニストの投与を含む第2のレジメン
を含む方法が本明細書に提供される。いくつかの態様において、第1のレジメンは、1種以上のIAPアンタゴニストが連続14日間にわたって投与され、それに続いて、7日間、IAPアンタゴニストが投与されない、少なくとも1回の21日サイクルを含む。いくつかの態様において、第1のレジメンは、3回の連続した21日サイクルを含む。
【0151】
いくつかの態様において、第1のレジメンの白金系化学療法薬は、各21日サイクルの第2日に投与される。
【0152】
いくつかの態様において、第2のレジメンは、少なくとも1種のIAPアンタゴニストが連続14日間にわたって投与され、それに続いて、7日間、IAPアンタゴニストが投与されない、少なくとも1回の21日サイクルを含む。いくつかの態様において、第2のレジメンは、2回の連続した21日サイクルを含む。いくつかの態様において、第2のレジメンは、3回の連続した21日サイクルを含む。いくつかの態様において、白金系化学療法薬又は放射線は、第2のレジメンにおいて投与されない。
【0153】
局所進行性扁平上皮癌を有するヒト患者を治療する方法であって、それを必要とするヒト患者に1種以上のIAPアンタゴニストを投与することを含み、
(a)21日サイクルであって、1種以上のIAPアンタゴニストをサイクルの第1~14日に、白金系化学療法薬をサイクルの第2日に、並びに放射線をサイクルの第1~5日、第8~12日及び第15~19日に投与することを含む21日サイクルを含む第1のレジメン;及び
(b)21日サイクルであって、1種以上のIAPアンタゴニストをサイクルの第1~14日に投与することを含む21日サイクルを含む第2のレジメン
を含む方法も本明細書に提供される。いくつかの態様において、第1のレジメンは、3回の連続した21日サイクルを含む。いくつかの態様において、第2のレジメンは、3回の連続した21日サイクルを含む。
【0154】
いくつかの態様において、白金系化学療法薬又は放射線は、第2のレジメンにおいて投与されない。
【0155】
方法のいくつかの態様において、ヒト患者は、能動喫煙歴を有し、及び/又はアルコールの大量摂取者である。いくつかの態様において、ヒト患者は、能動喫煙歴を有する。いくつかの態様において、ヒト患者は、アルコールの大量摂取者である。患者の一部において、ヒト患者は、HPV陰性OPCを有する。
【0156】
いくつかの態様において、1種以上のIAPアンタゴニストは、ビリナパント若しくはその薬学的に許容できる塩、AZD5582若しくはその薬学的に許容できる塩、APG-1387若しくはその薬学的に許容できる塩、ASTX660若しくはその薬学的に許容できる塩、SBP-0636457、JP1201若しくはその薬学的に許容できる塩又はこれらの組合せからなる群から選択される。いくつかの態様において、少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、化合物A又はその薬学的に許容できる塩である。いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩である第1のIAPアンタゴニストと、ビリナパント又はその薬学的に許容できる塩、AZD5582又はその薬学的に許容できる塩及びAPG-1387又はその薬学的に許容できる塩並びにこれらの組合せからなる群から選択される第2のIAPアンタゴニストとを投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、ASTX660又はその薬学的に許容できる塩、SBP-0636457、JP1201又はその薬学的に許容できる塩及びこれらの組合せからなる群から選択される第3のIAPアンタゴニストを投与される。1種以上のIAPアンタゴニストは、同時に又は1日中若しくは治療レジメン中のいずれかの異なる時間で投与できる。
【0157】
いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩である少なくとも1種のIAPアンタゴニストを投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物Aの遊離塩基に基づいて約100mg~約500mgの化合物A又はその薬学的に許容できる塩を毎日投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物Aの遊離塩基に基づいて約100mg~約450mg、約100mg~約400mg、約100mg~約350mg、約150mg~約300mg又は約200mg~約250mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を毎日投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物Aの遊離塩基に基づいて約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約275mg、約300mg、約325mg、約350mg、約375mg、約400mg、約425mg、約450mg、約475mg又は約500mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を毎日投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物Aの遊離塩基に基づいて約100mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を毎日投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物Aの遊離塩基に基づいて約150mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を毎日投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物Aの遊離塩基に基づいて約200mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を毎日投与される。
【0158】
いくつかの態様において、ヒト患者は、白金系化学療法薬も投与される。いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、静脈内投与される。いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン及びネダプラチンからなる群から選択される1種以上である。
【0159】
いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、シスプラチンである。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約10mg/m2~毎週約150mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約20mg/m2~毎週約125mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約30mg/m2~毎週約100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約40mg/m2~毎週約100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約50mg/m2~毎週約100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約60mg/m2~毎週約100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約70mg/m2~毎週約100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約10mg/m2、約20mg/m2、約30mg/m2、約40mg/m2、約50mg/m2、約60mg/m2、約70mg/m2、約80mg/m2、約90mg/m2又は約100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、約100mg/m2の投与量で投与される。
【0160】
いくつかの態様において、シスプラチンは、緩徐な静脈内注入により投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、緩徐な静脈内注入により、少なくとも45分、少なくとも60分、少なくとも90分又は少なくとも120分にわたって投与される。
【0161】
いくつかの態様において、シスプラチンは、緩徐な静脈内注入により、少なくとも90分にわたって約100mg/m2の投与量で投与される。
【0162】
いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、カルボプラチンである。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約5.5mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約5.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約4.5mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約4.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約3.5mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約3.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約2.5mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約2.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.5~約2.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で毎週投与される。
【0163】
いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約3.0~約5.5の曲線下面積を示すのに十分な投与量で3週間ごとに投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約3.5~約5.5の曲線下面積を示すのに十分な投与量で3週間ごとに投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約4.0~約5.5の曲線下面積を示すのに十分な投与量で3週間ごとに投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約4.5~約5.0の曲線下面積を示すのに十分な投与量で3週間ごとに投与される。
【0164】
いくつかの態様において、治療は、シスプラチンの投与で始まり、シスプラチンの代わりのカルボプラチンの投与により継続し得る。
【0165】
いくつかの態様において、ヒト患者は、放射線も投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、最大70グレイまでの好適な量の放射線を提供される。いくつかの態様において、ヒト患者は、最大50グレイまでの好適な量の放射線を提供される。
【0166】
いくつかの態様において、放射線は、21日サイクル中の3週間のそれぞれの7日間のうちの5日間にわたって投与される。いくつかの態様において、放射線は、1週の7日間のうちの5日間、合計で連続7~9週間にわたって投与される。いくつかの態様において、放射線は、1週の7日間のうちの5日間、連続7週間にわたって投間にわたって投与される。いくつかの態様において、放射線は、1週の7日間のうちの5日間、連続8週間にわたって投与される。いくつかの態様において、放射線は、1週の7日間のうちの5日間、連続9週間にわたって投与される。
【0167】
いくつかの態様において、放射線は、21日サイクル中の3週間のそ
れぞれの最初の連続5日間において投与される。いくつかの態様において、放射線は、連続7~9週間、最初の連続5日間において投与される。いくつかの態様において、放射線は、連続7週間、最初の連続5日間において投与される。いくつかの態様において、放射線は、連続8週間、最初の連続5日間において投与される。いくつかの態様において、放射線は、連続9週間、最初の連続5日間において投与される。
【0168】
いくつかの態様において、放射線は、下記の通り7週間にわたり送達されなければならない:
a.肉眼的腫瘍体積(「GTV」)及び高リスク臨床標的体積に対して:1週間あたり5フラクション(5/7日)、1日あたり1フラクション、2.0グレイ/フラクション、合計で70グレイまで;
b.局所部分への選択的照射(低リスク)として:1週間あたり5フラクション(5/7日)、1日あたり1フラクション、1日あたり1.6グレイ/フラクション、56グレイまで。
【0169】
いくつかの態様において、放射線は、強度変調放射線療法(「IMRT」)である。
【0170】
いくつかの態様において、少なくとも1種のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)は、ヒト患者が少なくとも2時間にわたって絶食した後、ヒト患者に投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、少なくとも1種のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)がヒト患者に投与された後、少なくとも1時間にわたって絶食する。
【0171】
いくつかの態様において、ヒト患者は、21日サイクルの最初の連続14日間にわたり、少なくとも1種のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)を受ける。いくつかの態様において、ヒト患者は、21日サイクルの第2日に白金系化学療法薬を受ける。いくつかの態様において、ヒト患者は、3回までの連続した21日サイクルにわたり、少なくとも1種のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)を受ける。いくつかの態様において、ヒト患者は、第1の21日サイクルの第2日にシスプラチンを、及び第2及び/又は第3の21日サイクルの第2日にカルボプラチンを受ける。
【0172】
いくつかの態様において、ヒト患者は、約7~約9週間にわたり、各週に5フラクションの放射線を受ける。いくつかの態様において、ヒト患者は、最後の放射線投与後、連続14日間にわたって少なくとも1種のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)を受ける。
【0173】
局所進行性扁平上皮癌を有するヒト患者を治療する方法であって、それを必要とするヒト患者に1種以上のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)を投与することを含み、それを必要とするヒト患者は、能動喫煙歴を有し、及び/又はアルコールの大量摂取者であり、方法は、
(e)1種以上のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)、白金系化学療法薬及び放射線の併用投与を含む第1のレジメン;
(f)1種以上のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)の投与を含む第2のレジメン
を含む、方法も提供される。
【0174】
いくつかの態様において、第1のレジメンは、少なくとも1種のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)及び白金系化学療法薬が連続14日間にわたって投与され、それに続いて、7日間、IAPアンタゴニスト又は白金系化学療法薬が投与されない、少なくとも1回の21日サイクルを含む。いくつかの態様において、第1のレジメンは、3回の連続した21日サイクルを含む。
【0175】
いくつかの態様において、第2のレジメンは、少なくとも1種のIAPアンタゴニストが連続14日間にわたって投与され、それに続いて、7日間、IAPアンタゴニストが投与されない、少なくとも1回の21日サイクルを含む。いくつかの態様において、第2のレジメンは、2回の連続した21日サイクルを含む。いくつかの態様において、白金系化学療法薬又は放射線は、第2のレジメンにおいて投与されない。
【0176】
いくつかの態様において、1種以上のIAPアンタゴニストは、ビリナパント若しくはその薬学的に許容できる塩、AZD5582若しくはその薬学的に許容できる塩、APG-1387若しくはその薬学的に許容できる塩、ASTX660若しくはその薬学的に許容できる塩、SBP-0636457、JP1201若しくはその薬学的に許容できる塩又はこれらの組合せからなる群から選択される。いくつかの態様において、少なくとも1種のIAPアンタゴニストは、化合物A又はその薬学的に許容できる塩である。いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩である第1のIAPアンタゴニストと、ビリナパント又はその薬学的に許容できる塩、AZD5582又はその薬学的に許容できる塩及びAPG-1387又はその薬学的に許容できる塩並びにこれらの組合せからなる群から選択される第2のIAPアンタゴニストとを投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、ASTX660又はその薬学的に許容できる塩、SBP-0636457、JP1201又はその薬学的に許容できる塩及びこれらの組合せからなる群から選択される第3のIAPアンタゴニストを投与される。1種以上のIAPアンタゴニストは、同時に又は1日中若しくは治療レジメン中のいずれかの異なる時間で投与できる。
【0177】
いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩である少なくとも1種のIAPアンタゴニストを投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物Aの遊離塩基に基づいて約100mg~約500mgの化合物A又はその薬学的に許容できる塩を毎日投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物Aの遊離塩基に基づいて約100mg~約450mg、約100mg~約400mg、約100mg~約350mg、約150mg~約300mg又は約200mg~約250mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物Aの遊離塩基に基づいて約100mg、約125mg、約150mg、約1750mg、約200mg、約225mg、約250mg、約275mg、約300mg、325mg、約350mg、約375mg、約400mg、約425mg 約450mg、約475mg又は約500mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を毎日投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物Aの遊離塩基に基づいて約100mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を毎日投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物Aの遊離塩基に基づいて約150mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を毎日投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、化合物Aの遊離塩基に基づいて約200mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を毎日投与される。
【0178】
いくつかの態様において、ヒト患者は、第1及び第2のレジメンにおいて、化合物Aの遊離塩基に基づいて異なる量の少なくとも1種のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又は薬学的に許容できる塩)を投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、第1のレジメンにおいて、第2のレジメンより高い投与量の少なくとも1種のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又は薬学的に許容できる塩)を投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、第2のレジメンにおいて、第1のレジメンより高い投与量の少なくとも1種のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又は薬学的に許容できる塩)を投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、第1及び第2のレジメンの両方において、同じ投与量の少なくとも1種のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又は薬学的に許容できる塩)を毎日投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、第1及び第2のレジメンの両方において、化合物Aの遊離塩基に基づいて約100mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を毎日投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、第1及び第2のレジメンの両方において、化合物Aの遊離塩基に基づいて約150mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を毎日投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、第1及び第2のレジメンの両方において、化合物Aの遊離塩基に基づいて約200mgの化合物A又は薬学的に許容できる塩を毎日投与される。
【0179】
いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、静脈内投与される。いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン及びネダプラチンからなる群から選択される1種以上である。
【0180】
いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、シスプラチンである。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約10mg/m2~毎週約150mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約20mg/m2~毎週約125mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約30mg/m2~毎週約100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約40mg/m2~毎週約100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約50mg/m2~毎週約100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約60mg/m2~毎週約100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約70mg/m2~毎週約100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、毎週約10mg/m2、約20mg/m2、約30mg/m2、約40mg/m2、約50mg/m2、約60mg/m2、約70mg/m2、約80mg/m2、約90mg/m2又は約100mg/m2の投与量で投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、約100mg/m2の投与量で投与される。
【0181】
いくつかの態様において、シスプラチンは、緩徐な静脈内注入により投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、緩徐な静脈内注入により、少なくとも45分、少なくとも60分、少なくとも90分又は少なくとも120分にわたって投与される。
【0182】
いくつかの態様において、シスプラチンは、緩徐な静脈内注入により、少なくとも90分にわたって約100mg/m2の投与量で投与される。
【0183】
いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、カルボプラチンである。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約5.5mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約5.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約4.5mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約4.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約3.5mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約3.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約2.5mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.0~約2.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約1.5~約2.0mg*分/mLの曲線下面積を示すのに十分な投与量で毎週投与される。
【0184】
いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約3.0~約5.5の曲線下面積を示すのに十分な投与量で3週間ごとに投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約3.5~約5.5の曲線下面積を示すのに十分な投与量で3週間ごとに投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約4.0~約5.5の曲線下面積を示すのに十分な投与量で3週間ごとに投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、ヒト患者が約4.5~約5.0の曲線下面積を示すのに十分な投与量で3週間ごとに投与される。
【0185】
いくつかの態様において、治療は、シスプラチンの投与で始まり、シスプラチンの代わりのカルボプラチンの投与により継続し得る。
【0186】
いくつかの態様において、第1のレジメンの白金系化学療法薬の各投与前に、ヒト患者のクレアチン(creatine)クリアランスは、59ml/分/1.73m2超でなければならない。いくつかの態様において、第1のレジメンの白金系化学療法薬の各投与前に、ヒト患者は、グレード2以上の神経毒性も聴覚毒性も呈してはならない。
【0187】
いくつかの態様において、ヒト患者は、放射線も投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、最大100グレイまでの好適な量の放射線を提供される。いくつかの態様において、ヒト患者は、最大85グレイまでの好適な量の放射線を提供される。いくつかの態様において、ヒト患者は、最大70グレイまでの好適な量の放射線を提供される。いくつかの態様において、ヒト患者は、最大50グレイまでの好適な量の放射線を提供される。いくつかの態様において、放射線は、IMRTである。
【0188】
いくつかの態様において、ヒト患者は、第1のレジメンにおいて、最大70グレイまでの好適な量の放射線を提供される。いくつかの態様において、ヒト患者は、最大50グレイまでの好適な量の放射線を提供される。いくつかの態様において、放射線は、IMRTである。いくつかの態様において、放射線療法は、下記の通り7週間にわたり送達されるべきである:
a.肉眼的腫瘍体積(「GTV」)に対して:1週間あたり5フラクション(5/7日)、1日あたり1フラクション、2.0グレイ/フラクション、合計で70グレイまで;
b.局所部分への選択的照射として:1週間あたり5フラクション(5/7日)、1日あたり1フラクション、2.0グレイ/フラクション、50グレイまで。
【0189】
いくつかの態様において、放射線療法が管理上の理由で保留される場合、予定された総線量は、第1のレジメンの第9週まで送達できる。
【0190】
いくつかの態様において、ヒト患者が第1のレジメンの第2及び第3のサイクルの第1日に放射線療法(例えば、IMRT)を有するために、ヒト患者は、以下の基準を満たさなければならない:≧1000/mm3(マイクロリットルあたり)ANC(好中球絶対数)、≧75000/mm3(マイクロリットルあたり)血小板、Hb≧8.0g/dL、アルブミン≧1.8g/dL、ALT/AST≦×5ULN、総ビリルビン≦×2ULN。
【0191】
いくつかの態様において、放射線療法と白金系化学療法との両方が投与される予定の場合、少なくとも1種のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)を、白金系化学療法が投与される30分~3時間前に投与できる。いくつかの態様において、放射線療法と白金系化学療法との両方が投与される予定の場合、白金系化学療法は、放射線療法前に投与できる。
【0192】
いくつかの態様において、放射線療法のみが投与される予定の日に、少なくとも1種のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)は、放射線療法前に投与されるべきである。
【0193】
いくつかの態様において、少なくとも1種のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)は、ヒト患者によって午前中に服用されるべきである。いくつかの態様において、少なくとも1種のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)の用量投与が、毒性に関連しない理由で遅れる場合、ヒト患者は、IAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)の投与量を通常の摂取時間の6時間後までに服用し得る。遅延が6時間を超える場合、ヒト患者は、次の計画された摂取を待たなければならない。
【0194】
いくつかの態様において、ヒト患者が少なくとも1種のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)の投与後に嘔吐した場合、追加の投与量のIAPアンタゴニストは、再投与されるべきではない。むしろ、ヒト患者は、次の計画された摂取を待たなければならない。
【0195】
いくつかの態様において、ヒト患者の治療が、少なくとも1種のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)に関連する有害反応により起こったのではない理由で中断される場合、治療は、患者が1サイクルあたり1回以下の治療中断を必要とし、及び中断継続が連続3日以内の場合のみ、同じ投与量で再開できる。
【0196】
いくつかの態様において、ヒト患者が放射線療法(例えば、IMRT)の投与を受け損なうのは、1週で2回以下でなければならない。いくつかの態様において、放射線療法(例えば、IMRT)の2回の投与が1週で受け損なわれた場合、第2のフラクションは、同じ週のある日に加えることができる。いくつかの態様において、2つのフラクションの放射線療法(例えば、IMRT)は、最低で6時間分離しなければならない。
【0197】
いくつかの態様において、少なくとも1種のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)は、第1のレジメンにおいて、ヒト患者が少なくとも2時間にわたって絶食した後、ヒト患者に投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、第1のレジメンにおいて、少なくとも1種のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)がヒト患者に投与された後、少なくとも1時間にわたって絶食する。
【0198】
いくつかの態様において、少なくとも1種のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)は、第2のレジメンにおいて、ヒト患者が少なくとも2時間にわたって絶食した後、ヒト患者に投与される。いくつかの態様において、ヒト患者は、第2のレジメンにおいて、少なくとも1種のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)がヒト患者に投与された後、少なくとも1時間にわたって絶食する。
【0199】
いくつかの態様において、1種以上のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)は、5-HT3受容体アンタゴニスト、デキサメタゾン及び/又はアプレピタントと組み合わせてヒト患者に投与される。いくつかの態様において、5-HT3受容体アンタゴニストは、グラニセトロン又はパラノセトロン(palanosetron)である。いくつかの態様において、5-HT3受容体アンタゴニストは、オンダンセトロンではない。
【0200】
いくつかの態様において、1種以上のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)は、グレープフルーツジュース、グレープフルーツ含有製品、セントジョーンズワート(オトギリソウ)又はセントジョーンズワート含有製品と組み合わせて投与されない。いくつかの態様において、P-gpの阻害剤/誘導剤と1種以上のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)との併用摂取は、禁じられている。いくつかの態様において、CYP3A4低治療指数の薬物(CYP3A4により代謝され、その有効濃度と毒性濃度との間の範囲が低い薬物)又はCYP3A4に感受性がある物質(CYP3A4代謝が、CY3A4代謝能力のわずかな変化に対して高い感受性を有する薬物)と1種以上のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)との併用摂取又は投与は、禁じられている。いくつかの態様において、アミオダロン、アトルバスタチン、カルバマゼピン、クラリスロマイシン、ジルチアゼム、ドロネダロン、ジピリダモール、エリスロマイシン、フィダキソマイシン、ヒドロキニジン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ランソプラゾール、ミラベグロン、プロパフェノン、キニン、キニジン、ラノラジン、レチガビン、テリスロマイシン、チカグレロル、ウリプリスタル、ベラパミル、アルフゾシン、アピキサバン、ダポキセチン、アルテメテル、アタザナビル、アトルバスタチン、アバナフィル、ボセンタン、ブロモクリプチン、エルゴタミン二水和物、ドンペリドン、エバスチン、エレトリプタン、エプレレノン、エルゴタミン、フェソテロジン、ハロファントリン、イバブラジン、ルメファントリン、ミゾラスチン、マニジピン、ピペラキン、クエチアピン、リバーロキサバン、ルパタジン、シルデナフィル、シンバスタチン、ソリフェナシン、タダラフィル、タムスロシン、トルテロジン、バルデナフィル又はボリコナゾールと、1種以上のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)との併用摂取は、禁じられている。
【0201】
実施形態Aと関連するいくつかの態様において、実施形態Bに関して本明細書に上述された化合物A以外のIAPアンタゴニストが使用される。
【0202】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、QTc延長の既知のリスクを有する薬物の併用投与は、避けられる。
【0203】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、抗腫瘍壊死因子(抗TNF)療法(例えば、Claudia Monaco, Jagdeep Nanchahal, Peter Taylor, Marc Feldmannの“Anti-TNF therapy: past, present and future”, International Immunology, Volume 27, Issue 1, January 2015, Pages 55-62, https://doi.org/10.1093/intimm/dxu102に記載の通り)と1種以上のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)の併用投与は、禁じられている。
【0204】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、弱毒生ワクチン接種は、Debio 1143による治療中に禁じられている。いくつかの態様において、弱毒生ワクチン接種は、実施形態A又はBの第1及び第2のレジメン中に禁じられている。いくつかの態様において、弱毒生ワクチン接種は、実施形態A又はBの第1のレジメンに先立つ30日以内には禁じられている。いくつかの態様において、弱毒生ワクチン接種は、実施形態A又はBの第1のレジメンに先立つ30日以内及び実施形態A又はBの第1のレジメン中に禁じられている。いくつかの態様において、弱毒生ワクチン接種は、実施形態A又はBの第1のレジメンに先立つ30日以内及び実施形態A又はBの第1及び第2のレジメン中に禁じられている。いくつかの態様において、弱毒生ワクチン接種は、治療終了後90日まで禁じられている。
【0205】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、特に実施形態A又はBの第1のレジメンにおいて、シスプラチンは、3週間ごとに投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、各21日サイクルの第2日に投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、約50mg/m2以上~約100mg/m2以下の投与量で21日サイクルの第2日に投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、約50mg/m2の投与量で21日サイクルの第2日に投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、約75mg/m2の投与量で21日サイクルの第2日に投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、約100mg/m2の投与量で21日サイクルの第2日に投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、最初に約100mg/m2の投与量で少なくとも第1の21日サイクルの第2日に投与され、治療関連毒性が観察された後、減らされた投与量が少なくとも1つ後の21日サイクルの第2日に投与される。これらの態様の一部において、投与量は、75mg/m2又は50mg/m2に減らされる。
【0206】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、特に実施形態A又はBの第1のレジメンにおいて、カルボプラチンは、3週間ごとに投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、各21日サイクルの第2日に投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、4~5mg分/mLのカルボプラチンAUCに達するように、各21日サイクルの第2日に投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、最初に少なくとも第1の21日サイクルの第2日に投与され、シスプラチン治療関連毒性が観察された後、カルボプラチンは、少なくとも1つ後の21日サイクルの第2日に投与される。
【0207】
本明細書に記載される方法、例えば実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、シスプラチンは、最初に少なくとも第1の21日サイクルの第2日に投与され、シスプラチン関連毒性が観察される場合、減らされた投与量のシスプラチンが少なくとも1つ後の21日サイクルの第2日に投与され、及び/又はカルボプラチンが少なくとも1つ後の21日サイクルの第2日に投与されるかのいずれかである。これらの態様の一部において、シスプラチン投与量は、75mg/m2又は50mg/m2に減らされる。いくつかの態様において、カルボプラチンは、4~5mg分/mLのAUCに達するように投与される。
【0208】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、白金系化学療法薬、例えばシスプラチン又はカルボプラチンは、緩徐な静脈内注入により、少なくとも45分、少なくとも60分、少なくとも90分又は少なくとも120分にわたって投与される。
【0209】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、特に実施形態A又はBの第1のレジメンにおいて、シスプラチンは、静脈内注入により、少なくとも90分にわたって投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、3週間ごとに各21日サイクルの第2日に静脈内注入により少なくとも90分にわたって投与される。いくつかの態様において、シスプラチンは、約100mg/m2の投与量で、3週間ごとに各21日サイクルの第2日に静脈内注入により少なくとも90分にわたって投与される。
【0210】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、特に実施形態A又はBの第1のレジメンにおいて、カルボプラチンは、静脈内注入により、少なくとも90分にわたって投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、3週間ごとに各21日サイクルの第2日に静脈内注入により少なくとも90分にわたって投与される。いくつかの態様において、カルボプラチンは、4~5mg分/mLのカルボプラチンAUCに達するような投与量で、3週間ごとに各21日サイクルの第2日に静脈内注入により少なくとも90分にわたって投与される。
【0211】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、特に実施形態A又はBの第1のレジメンにおいて、ヒト患者は、肉眼的腫瘍体積に対する最大で70グレイまでの総量の放射線を提供される。いくつかの態様において、肉眼的腫瘍体積への放射線は、1フラクションあたり2.0グレイの1日あたり1フラクションとしていくつかのフラクションで提供される。いくつかの態様において、肉眼的腫瘍体積への放射線は、1フラクションあたり2.0グレイの1日あたり1フラクションとしていくつかのフラクションで5日/7日間において合計で35フラクションまで提供される。これらの態様の一部において、放射線は、IMRTである。
【0212】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、特に実施形態A又はBの第1のレジメンにおいて、ヒト患者は、肉眼的腫瘍体積(例えば、原発腫瘍)に対する70グレイまでの総量の放射線を提供され、最大で56グレイまでの総量の減らされた放射線量(選択的放射線)を局所領域(原発腫瘍の周辺にある節などの低リスク亜臨床的部位)に提供される。いくつかの態様において、局所領域への選択的放射線は、1フラクションあたり1.6グレイの1日あたり1フラクションとしていくつかのフラクションで提供される。いくつかの態様において、局所領域への選択的放射線は、1フラクションあたり1.6グレイの1日あたり1フラクションとしていくつかのフラクションで5日/7日間において合計で35フラクションまで提供される。いくつかの態様において、局所領域への選択的放射線は、1フラクションあたり1.6グレイの1日あたり1フラクションとしていくつかのフラクションで提供され、肉眼的腫瘍体積への放射線は、1フラクションあたり2.0グレイの1日あたり1フラクションとしていくつかのフラクションで提供される。いくつかの態様において、局所領域への選択的放射線は、1フラクションあたり1.6グレイの1日あたり1フラクションとしていくつかのフラクションで5日/7日間において合計で35フラクションまで提供され、肉眼的腫瘍体積への放射線は、1フラクションあたり2.0グレイの1日あたり1フラクションとしていくつかのフラクションで5日/7日間において合計で35フラクションまで提供される。これらの態様の一部において、放射線は、IMRTである。
【0213】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、特に実施形態A又はBの第1のレジメンにおいて、放射線療法は、下記の通り7週間にわたり送達される:
a.肉眼的腫瘍体積(「GTV」)に対して:1週間あたり5フラクション(5/7日)、1日あたり1フラクション、2.0グレイ/フラクション、合計で70グレイまで;
b.局所領域への選択的照射として:1週間あたり5フラクション(5/7日)、1日あたり1フラクション、1.6グレイ/フラクション、56グレイまで。
【0214】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、少なくとも1種のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)は、ヒト患者が少なくとも1時間にわたって絶食した後、ヒト患者に投与される。いくつかの態様において、少なくとも1種のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)は、一晩絶食後、すなわち起床後で朝食前にヒト患者に投与される。これは、典型的には、早朝、例えば午前6時~午前9時に実施される。
【0215】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、ヒト患者は、少なくとも1種のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)がヒト患者に投与された後、少なくとも1時間にわたって絶食する。
【0216】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、特に実施形態A又はBの第1のレジメンにおいて、放射線及び白金系化学療法薬が投与される予定の日に、少なくとも1種のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)は、白金系化学療法薬の3時間~30分前に投与される。いくつかの態様において、放射線及び白金系化学療法薬が投与される予定の日に、白金系化学療法薬は、放射線、例えばIMRT前に投与される。いくつかの態様において、放射線及び白金系化学療法薬が投与される予定の日に、少なくとも1種のIAPアンタゴニスト、例えば化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、白金系化学療法薬、例えばシスプラチン又はカルボプラチンの3時間~30分前に投与され、白金系化学療法薬は、放射線、例えばIMRT前に投与される。
【0217】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、特に実施形態A又はBの第1のレジメンにおいて、IMRT及びシスプラチン又はカルボプラチンが投与される予定の日に、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、シスプラチン又はカルボプラチンの3時間~30分前に投与される。いくつかの態様において、IMRT及び白金系化学療法薬が投与される予定の日に、シスプラチン又はカルボプラチンは、IMRT前に投与される。いくつかの態様において、IMRT及びシスプラチン又はカルボプラチンが投与される予定の日に、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、シスプラチン又はカルボプラチンの3時間~30分前に投与され、シスプラチン又はカルボプラチンは、IMRT前に投与される。
【0218】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、特に実施形態A又はBの第1のレジメンにおいて、放射線が白金系化学療法薬なしで投与される予定の日に、少なくとも1種のIAPアンタゴニスト、例えば化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、放射線、例えばIMRT前に投与される。
【0219】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、特に実施形態A又はBの第1のレジメンにおいて、IMRTが白金系化学療法薬なしで投与される予定の日に、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、IMRT前に投与される。
【0220】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、第2のレジメンは、3回の連続した21日サイクルを含む。
【0221】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、少なくとも1種のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)は、第1のレジメンにおいて、ヒト患者が少なくとも1時間にわたって絶食した後、ヒト患者に投与される。実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、ヒト患者は、第1のレジメンにおいて、少なくとも1種のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)がヒト患者に投与された後、少なくとも1時間にわたって絶食する。実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、ヒト患者は、第1のレジメンにおいて、化合物A又はその薬学的に許容できる塩が投与される前の少なくとも1時間及び化合物A又はその薬学的に許容できる塩がヒト患者に投与された後の少なくとも1時間にわたって絶食する。
【0222】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、少なくとも1種のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)は、第2のレジメンにおいて、ヒト患者が少なくとも1時間にわたって絶食した後、ヒト患者に投与される。実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、ヒト患者は、第2のレジメンにおいて、少なくとも1種のIAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)がヒト患者も投与された後、少なくとも1時間にわたって絶食する。実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、ヒト患者は、第2のレジメンにおいて、化合物A又はその薬学的に許容できる塩が投与される前の少なくとも1時間及び化合物A又はその薬学的に許容できる塩がヒト患者に投与された後の少なくとも1時間にわたって絶食する。
【0223】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、添付される請求項の1つ以上の特徴は、本明細書で上記及び/又は下記に開示される1つ以上の特徴と組み合わされ得る。同様に、以下の態様(a)~(q)のいずれか1つは、本明細書で上記及び/又は下記に開示される1つ以上の特徴と組み合わされ得る:
(a)局所進行性扁平上皮癌を有するヒト患者を治療する方法であって、患者に化合物A又は薬学的に許容できる塩、シスプラチン又はカルボプラチン及びIMRTを21日の少なくとも1回のサイクルにわたって投与することを含む方法。
(b)化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、21日の少なくとも1回のサイクルの第1日~第14日において、1日あたり100mg以上~1日あたり200mg以下の、その遊離塩基としての化合物Aに対応する投与量で投与される、態様(a)の方法。
(c)化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、1日あたり200mgの、その遊離塩基としての化合物Aに対応する投与量で投与される、態様(b)の方法。
(d)化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、最初に、1日あたり200mgの、その遊離塩基としての化合物Aに対応する投与量で少なくとも1回投与され、その後、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、1日あたり150mg又は1日あたり100mgの、その遊離塩基としての化合物Aに対応する減らされた投与量で少なくとも1回投与される、態様(b)又は(c)の方法。
(e)化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、少なくとも1時間の絶食後に投与される、態様(b)、(c)又は(d)の方法。
(f)化合物A又はその薬学的に許容できる塩が投与され、それに少なくとも1時間の絶食が続く、態様(e)の方法。
(g)、シスプラチンは、21日の少なくとも1回のサイクルの第2日に1日あたり50mg/m2以上~1日あたり100mg/m2以下の投与量で投与される、態様(f)の方法。
(h)シスプラチンは、1日あたり100mg/m2の投与量で投与される、態様(g)の方法。
(i)シスプラチンは、最初に、1日あたり100mg/m2の投与量で少なくとも1回投与され、その後、シスプラチンは、1日あたり50mg/m2又は1日あたり75mg/m2の減らされた投与量で少なくとも1回投与される、態様(g)又は(h)の方法。
(j)シスプラチンは、静脈内注入により、少なくとも90分の期間にわたって投与される、態様(g)、(h)又は(i)の方法。
(k)IMRTは、肉眼的腫瘍体積に7日あたり5日、すなわち21日サイクルの第1~5日、第8~12日及び第15~19日のそれぞれで1フラクションとしてフラクションで投与され、それぞれのフラクションは、2.0グレイの放射線を有する、態様(j)の方法。
(l)選択的照射は、局所領域に7日あたり5日、すなわち21日サイクルの第1~5日、第8~12日及び第15~19日のそれぞれで1フラクションとしてフラクションで投与され、それぞれフラクションは、1.6グレイの放射線を有する、態様(k)の方法。
(m)化合物A又はその薬学的に許容できる塩、シスプラチン又はカルボプラチン及びIMRTが投与される日において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、最初に投与され、それに続いて、シスプラチン又はカルボプラチンは、投与され、それに続いて、IMRTは、投与される、態様(l)の方法。
(n)シスプラチンは、少なくとも第1のサイクルにわたって投与され、シスプラチン関連毒性又は有害作用に直面した場合、シスプラチンの投与量は、例えば、以前の投与量から25%減少され得るか、又はシスプラチンは、カルボプラチンに切り替えられ得る、態様(a)~(m)のいずれかの方法。シスプラチン関連毒性又は有害事象がシスプラチン投与量の減少後に残っている場合、シスプラチンの投与量は、さらに減少され得るか、又はシスプラチンは、カルボプラチンに切り替えられ得る。
(o)化合物A又はその薬学的に許容できる塩、シスプラチン又はカルボプラチン及びIMRTは、そのような併用療法の21日の3回のサイクルにわたって投与される、態様(m)又は(n)の方法。
(p)併用療法の3サイクルの最後に、化合物Aは、単独療法として、シスプラチン、カルボプラチン及びIMRTのいずれの投与もなしに、21日の少なくとも1回のサイクルにわたって投与され、化合物Aは、21日の少なくとも1回のサイクルの第1日~第14日に投与される、態様(o)の方法。
(q)患者は、以下の基準の1つ以上を満たす、態様(m)、(n)、(o)又は(p)の方法:
(i)ヒト患者は、特に10パックイヤー以上の能動喫煙歴を有すること;
(ii)ヒト患者は、1週間あたり平均で21個以上の飲料を摂取するアルコールの大量摂取者であること;
(iii)ヒト患者は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による感染の既往歴を有さないこと;
(iv)ヒト患者は、全身性治療を要する、ウイルス、及び/又は細菌、及び/又は真菌感染などの他の感染を有さないこと;
(v)ヒト患者は、抗腫瘍壊死因子(TNF)医薬品による継続治療を要する、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群又は重症で広範囲の乾癬などの活動性でコントロール不良の炎症性疾患を有さないこと、
(vi)ヒト患者は、心血管機能障害又は臨床的に重要な心血管疾患を有さないこと;
(vii)ヒト患者は、連続的又は断続的な酸素供給を要する症候性肺疾患を有さないこと;
(viii)ヒト患者は、B又はCのチャイルド・ピュースコアを示す非代償性又は症候性の肝硬変を有さないこと;
(ix)ヒト患者は、米国癌合同委員会(「AJCC」)TNMステージングバージョン7.0(2010)又は8.0(2018)によるステージIII、IVA又はIVBである頭頸部の局所進行性扁平上皮癌を患っていること。TNMステージングシステムは、腫瘍(T)の程度、リンパ節(N)への広がりの程度及び転移(M)の存在に基づいている;
(x)ヒト患者又はLA-SCCHNは、p53遺伝子の1つ以上の変異を有すること。
【0224】
例えば、上記段落の項目(a)~(o)及び(q)に明示された治療は、本明細書で上述される第1及び第2のレジメンを含む治療中、第1の治療レジメンとして組み込まれ得る。
【0225】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、IAPアンタゴニスト及び特に化合物Aによる治療は、アポトーシス(プログラムされた細胞死)を促進し、抗腫瘍免疫を助長することにより、腫瘍細胞がCRTに対して感受性を有するように使用できる。
【0226】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、IAPアンタゴニスト及び特に化合物Aによる治療は、一緒に投与される場合に化学放射線療法(CRT)の有効性を最適化するように使用され得る。
【0227】
局所進行性扁平上皮癌を有するヒト患者を治療する方法であって、それを必要とするヒト患者にアポトーシス阻害タンパク質(「IAP」)アンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)を投与することを含み、実施形態A及びBのいずれかの態様のいずれかの第1のレジメンに関して上述されたレジメンからなる方法も本明細書に提供される。
【0228】
例えば実施形態A又は実施形態Bと関連する、本明細書に記載される方法のいずれの態様においても、特定の毒性又は有害事象に直面する場合、そのような毒性又は有害事象に対応し、表4又は表5若しくは6中の「アクション」として列記されているあらゆる治療修飾は、そのような方法の特徴のいずれとも組み合わされ得る。例えば、実施形態A又は実施形態Bと関連する、本明細書に記載される方法のいずれの態様においても、2つ以上の特定の毒性又は有害事象に直面する場合、そのような毒性又は有害事象に対応し、表4又は表5若しくは6中の「アクション」として列記されているあらゆるそれぞれの治療修飾は、そのような方法の特徴のいずれとも組み合わされ得る。
【0229】
III.患者
実施形態Aに従って治療できる患者は、下記に説明される。
【0230】
上記方法のいくつかの態様において、ヒト患者は、能動喫煙歴を有する。上記方法のいくつかの態様において、ヒト患者は、アルコールの大量摂取者である。
【0231】
上記方法のいくつかの態様において、ヒト患者は、局所進行性扁平上皮癌の治療(例えば、手術、化学療法、放射線療法、免疫療法)を以前に受けていない。上記方法のいくつかの態様において、ヒト患者は、局所進行性扁平上皮癌以外の癌(例えば、乳癌、リンパ腫)の治療(例えば、手術、化学療法、放射線療法、免疫療法)を以前に受けている。上記方法のいくつかの態様において、ヒト患者は、局所進行性扁平上皮癌の外科的治療を以前に受けているが、別の種類の治療(例えば、化学療法、放射線療法、免疫療法)を受けていない。上記方法のいくつかの態様において、ヒト患者は、頭部又は頸部以外に位置する局所進行性扁平上皮癌の治療(例えば、手術、化学療法、放射線療法、免疫療法)を以前に受けている。
【0232】
上記方法のいくつかの態様において、局所進行性扁平上皮癌は、手術不可能である。上記方法のいくつかの態様において、局所進行性扁平上皮癌は、米国癌合同委員会1998ステージングシステムによるステージIII、ステージIVA又はステージIVBである。
【0233】
上記方法のいくつかの態様において、患者は、頭頸部領域の局所進行性扁平上皮癌を有する。上記方法のいくつかの態様において、頭頸部領域の局所進行性扁平上皮癌は、手術不可能である。上記方法のいくつかの態様において、頭頸部領域の局所進行性扁平上皮癌は、口腔、中咽頭、喉頭及び下咽頭からなる群から選択される。上記方法のいくつかの態様において、頭頸部領域の局所進行性扁平上皮癌は、中咽頭癌である。上記方法のいくつかの態様において、中咽頭癌は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染(p16免疫組織化学染色(IHC)により決定される)と無関係である。上記方法のいくつかの態様において、中咽頭癌は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染(p16免疫組織化学染色(IHC)により決定される)と関係している。上記方法のいくつかの態様において、頭部又は頸部の局所進行性扁平上皮癌は、米国癌合同委員会1998ステージングシステムによるステージIII、ステージIVA又はステージIVBである。
【0234】
実施形態Bに従って治療できる患者は、下記に説明される。
【0235】
上記方法のいくつかの態様において、ヒト患者は、能動喫煙歴を有する。上記方法のいくつかの態様において、ヒト患者は、アルコールの大量摂取者である。上記方法のいくつかの態様において、ヒト患者は、HPV陰性OPCを有する。上記方法のいくつかの態様において、ヒト患者は、能動喫煙歴を有し、アルコールの大量摂取者であり、及び/又はHPV陰性OPCを有する。
【0236】
上記方法のいくつかの態様において、ヒト患者は、局所進行性扁平上皮癌の治療(例えば、手術、化学療法、放射線療法、免疫療法)を以前に受けていない。上記方法のいくつかの態様において、ヒト患者は、局所進行性扁平上皮癌以外の癌(例えば、乳癌、リンパ腫)の治療(例えば、手術、化学療法、放射線療法、免疫療法)を以前に受けている。上記方法のいくつかの態様において、ヒト患者は、局所進行性扁平上皮癌の外科的治療を以前に受けているが、別の種類の治療(例えば、化学療法、放射線療法、免疫療法)を受けていない。上記方法のいくつかの態様において、ヒト患者は、頭部又は頸部以外に位置する局所進行性扁平上皮癌の治療(例えば、手術、化学療法、放射線療法、免疫療法)を以前に受けている。
【0237】
上記方法のいくつかの態様において、局所進行性扁平上皮癌は、手術不可能である。上記方法のいくつかの態様において、局所進行性扁平上皮癌は、米国癌合同委員会1998ステージングシステムによるステージIII、ステージIVA又はステージIVBである。
【0238】
上記方法のいくつかの態様において、ヒト患者は、頭頸部領域の局所進行性扁平上皮癌を有する。上記方法のいくつかの態様において、頭頸部領域の局所進行性扁平上皮癌は、手術不可能である。上記方法のいくつかの態様において、頭頸部領域の局所進行性扁平上皮癌は、中咽頭、喉頭及び下咽頭からなる群から選択される。上記方法のいくつかの態様において、頭頸部領域の局所進行性扁平上皮癌は、中咽頭癌である。上記方法のいくつかの態様において、中咽頭癌は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染(p16免疫組織化学染色(IHC)により決定される)と無関係である。上記方法のいくつかの態様において、中咽頭癌は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染(p16免疫組織化学染色(IHC)により決定される)と関係している。上記方法のいくつかの態様において、頭部又は頸部の局所進行性扁平上皮癌は、米国癌合同委員会1998ステージングシステムによるステージIII、ステージIVA又はステージIVBである。
【0239】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、ヒト患者は、10パックイヤーの能動喫煙歴を有する。いくつかの態様において、ヒト患者は、1週間あたり平均で21個の飲料を摂取するアルコールの大量摂取者である。いくつかの態様において、ヒト患者は、10パックイヤーの能動喫煙歴を有し、及び/又は1週間あたり平均で21個の飲料を摂取するアルコールの大量摂取者である。
【0240】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、ヒト患者は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による感染の既往歴を有さない。
【0241】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、ヒト患者は、全身治療を要する、ウイルス、及び/又は細菌、及び/又は真菌感染などの他の感染を有さない。
【0242】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、ヒト患者は、抗腫瘍壊死因子(TNF)医薬品による継続治療を要する、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群又は重症で広範囲の乾癬などの活動性でコントロール不良の炎症性疾患を有さない。
【0243】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、ヒト患者は、下記のいずれかを含む心血管機能障害又は臨床的に重要な心血管疾患を有さない:
a.コントロール不良又は症候性の虚血性心筋症の継続又は既往歴、
b.既知の左室駆出率<50%、左心室肥大、心室性不整脈、徐脈(心拍数<50bpm)、
c.心筋梗塞又は重度/不安定狭心症の既往歴、
d.ニューヨーク心臓協会(New York Heart Association)グレード≧3鬱血性心不全、
e.先天性QT延長症候群、
f.QT延長症候群の家族歴、
g.症候性肺動脈塞栓症、
h.一過性虚血発作又は卒中の継続又は既知の既往歴、
i.フリデリシア式を使用するQTc(QTcF)間隔 男性では>450ms及び女性では>470ms。
【0244】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、ヒト患者は、連続的又は断続的な酸素供給を要する症候性肺疾患を有さない。
【0245】
実施形態A又は実施形態Bと関連するいくつかの態様において、ヒト患者は、チャイルド・ピュースコアB又はCの非代償性又は症候性の肝硬変を有さない。いくつかの態様において、ヒト患者は、チャイルド・ピュースコアBの非代償性又は症候性の肝硬変を有さない。
【0246】
例えば、実施形態A又はBと関連する、本明細書に記載される方法と関連するいくつかの態様において、ヒト患者は、米国癌合同委員会(「AJCC」)TNMステージングバージョン7.0(2010)又は8.0(2018)によるステージIII、IVA又はIVBである頭頸部の局所進行性扁平上皮癌を患っている。TNMステージングシステムは、腫瘍(T)の程度、リンパ節(N)への広がりの程度及び転移(M)の存在に基づいている。
【0247】
実施形態A又はBと関連するいくつかの態様において、ヒト患者又はLA-SCCHNは、p53遺伝子の1つ以上の変異を有する。
【0248】
IV.医薬組成物
実施形態Aの医薬組成物は、下記に説明される。
【0249】
上記方法のいくつかの態様において、化合物Aは、遊離塩基形態である。上記方法のいくつかの態様において、化合物Aは、薬学的に許容できる塩である。上記方法のいくつかの態様において、化合物Aは、酢酸塩、塩酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、メシル酸塩、リンゴ酸塩、臭化水素酸塩、トシル酸塩、硝酸塩、N-アセチルグリシン、アスコルビン酸塩、ブタネート、エタン-1,2-ジスルホン酸塩、ゲンチジン酸塩、グルコロン酸塩、グルタル酸塩、グリコール酸塩、イセチオン酸塩、ケトグルタル酸塩、マロン酸塩、ナパジシル酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、ピログルタミン酸塩、ピルビン酸塩、セバシン酸塩及びコハク酸塩からなる群から選択される薬学的に許容できる塩形態である。上記方法のいくつかの態様において、薬学的に許容できる形態は、硫酸塩、トシル酸塩、ゲンチジン酸塩、塩酸塩、ナパジシル酸塩、ナプシル酸塩、ラウリル硫酸塩、キシナホ酸塩及びパモ酸塩からなる群から選択される。
【0250】
上記方法のいくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、経口投与される。上記方法のいくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、固体剤形として投与される。上記方法のいくつかの態様において、固体剤形は、カプセル又は錠剤である。
【0251】
上記方法のいくつかの態様において、固体剤形は、約20mg、約25mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約75mg、約80mg、約90mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約275mg、約300mg、約325mg、約350mg、約375mg、約400mg、約425mg、約450mg、約475mg又は約500mgの、その遊離塩基としての化合物Aに対応する量の化合物A又はその薬学的に許容できる塩を含む。薬学的に許容できる塩としての化合物Aの量は、固体剤形に含まれる塩形態の重量に基づいて調整されるであろう。
【0252】
上記方法のいくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、溶液として投与される。上記方法のいくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、水溶液として投与される。上記方法のいくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、経鼻胃管、経皮内視鏡的胃瘻管又は経皮内視鏡的空腸瘻管を介して経口投与される。
【0253】
上記方法のいくつかの態様において、溶液(例えば水溶液)は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約10mg/mL~約50mg/mL、約10mg/mL~約40mg/mL又は約10mg/mL~約30mg/mLの濃度で含む。上記方法のいくつかの態様において、溶液(例えば水溶液)は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基として化合物Aに基づいて約10mg/mL、約20mg/mL、約25mg/mL、約30mg/mL、約40mg/mL又は約50mg/mLの濃度で含む。上記方法のいくつかの態様において、溶液(例えば水溶液)は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約20mg/mLの濃度で含む。
【0254】
上記方法のいくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、1投与量として1日あたり1回投与される。上記方法のいくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、1日あたり1、2、3又は4回投与される複数の投与量に分割される。
【0255】
実施形態Bの医薬組成物は、下記に説明される。
【0256】
上記方法のいくつかの態様において、化合物Aは、遊離塩基形態である。上記方法のいくつかの態様において、化合物Aは、薬学的に許容できる塩である。上記方法のいくつかの態様において、化合物Aは、酢酸塩、塩酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、メシル酸塩、リンゴ酸塩、臭化水素酸塩、トシル酸塩、硝酸塩、N-アセチルグリシン、アスコルビン酸塩、ブタネート、エタン-1,2-ジスルホン酸塩、ゲンチジン酸塩、グルコロン酸塩、グルタル酸塩、グリコール酸塩、イセチオン酸塩、ケトグルタル酸塩、マロン酸塩、ナパジシル酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、ピログルタミン酸塩、ピルビン酸塩、セバシン酸塩及びコハク酸塩からなる群から選択される薬学的に許容できる塩形態である。上記方法のいくつかの態様において、薬学的に許容できる形態は、硫酸塩、トシル酸塩、ゲンチジン酸塩、塩酸塩、ナパジシル酸塩、ナプシル酸塩、ラウリル硫酸塩、キシナホ酸塩及びパモ酸塩からなる群から選択される。
【0257】
上記方法のいくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、経口投与される。上記方法のいくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、固体剤形として投与される。上記方法のいくつかの態様において、固体剤形は、カプセル又は錠剤である。
【0258】
上記方法のいくつかの態様において、固体剤形は、約20mg、約25mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約75mg、約80mg、約90mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約275mg、約300mg、約325mg、約350mg、約375mg、約400mg、約425mg、約450mg、約475mg又は約500mgの、その遊離塩基としての化合物Aに対応する量の化合物A又はその薬学的に許容できる塩を含む。薬学的に許容できる塩としての化合物Aの量は、固体剤形に含まれる塩形態の重量に基づいて調整されるであろう。
【0259】
上記方法のいくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、溶液として投与される。上記方法のいくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、水溶液として投与される。上記方法のいくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、経鼻胃管、経皮内視鏡的胃瘻管又は経皮内視鏡的空腸瘻管を介して経口投与される。
【0260】
上記方法のいくつかの態様において、溶液(例えば水溶液)は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約10mg/mL~約50mg/mL、約10mg/mL~約40mg/mL又は約10mg/mL~約30mg/mLの濃度で含む。上記方法のいくつかの態様において、溶液(例えば水溶液)は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基として化合物Aに基づいて約10mg/mL、約20mg/mL、約25mg/mL、約30mg/mL、約40mg/mL又は約50mg/mLの濃度で含む。上記方法のいくつかの態様において、溶液(例えば水溶液)は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約20mg/mLの濃度で含む。
【0261】
上記方法のいくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、1投与量として1日あたり1回投与される。上記方法のいくつかの態様において、化合物A又はその薬学的に許容できる塩は、1日あたり1、2、3又は4回投与される複数の投与量に分割される。
【0262】
V.医薬的用途及びキット
本発明のいくつかの態様において、本発明に記載される方法(例えば、実施形態A及びBに記載されるもの)のいずれかによって局所進行性扁平上皮癌を治療する医薬品の製造における、アポトーシス阻害タンパク質(「IAP」)アンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)の使用が本明細書に提供される。
【0263】
いくつかの態様において、医薬品は、固体剤形である。いくつかの態様において、固体剤形は、カプセル又は錠剤である。いくつかの態様において、固体剤形は、約20mg、約25mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約75mg、約80mg、約90mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約275mg、約300mg、約325mg、約350mg、約375mg、約400mg、約425mg、約450mg、約475mg又は約500mgの、その遊離塩基としての化合物Aに対応する量の化合物A又はその薬学的に許容できる塩を含む。薬学的に許容できる塩としての化合物Aの量は、固体剤形に含まれる塩形態の重量に基づいて調整されるであろう。
【0264】
いくつかの態様において、医薬品は、溶液であるか、又は使用前に溶液に製剤できる。いくつかの態様において、溶液は、水溶液である。いくつかの態様において、溶液は、経鼻胃管、経皮内視鏡的胃瘻管又は経皮内視鏡的空腸瘻管を介して経口投与される。いくつかの態様において、溶液は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約10mg/mL~約50mg/mL、約10mg/mL~約40mg/mL又は約10mg/mL~約30mg/mLの濃度で含む。いくつかの態様において、溶液は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約10mg/mL、約20mg/mL、約25mg/mL、約30mg/mL、約40mg/mL又は約50mg/mLの濃度で含む。いくつかの態様において、溶液は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約20mg/mLの濃度で含む。
【0265】
(a)アポトーシス阻害タンパク質(「IAP」)アンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)を含む第1の医薬組成物;及び
(b)本発明に記載される方法(例えば、実施形態A及びBに記載されるもの)のいずれかによって局所進行性扁平上皮癌を治療するための第1の医薬組成物の使用を指示する添付文書(insert))
を含むキットも本明細書に提供される。
【0266】
いくつかの態様において、第1の医薬組成物は、固体剤形である。いくつかの態様において、固体剤形は、カプセル又は錠剤である。いくつかの態様において、固体剤形は、約20mg、約25mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約75mg、約80mg、約90mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約275mg、約300mg、約325mg、約350mg、約375mg、約400mg、約425mg、約450mg、約475mg又は約500mgの、その遊離塩基としての化合物Aに対応する量の化合物A又はその薬学的に許容できる塩を含む。薬学的に許容できる塩としての化合物Aの量は、固体剤形に含まれる塩形態の重量に基づいて調整されるであろう。
【0267】
いくつかの態様において、第1の医薬組成物は、溶液であるか、又は使用前に溶液に製剤できる。いくつかの態様において、溶液は、水溶液である。いくつかの態様において、溶液は、経鼻胃管、経皮内視鏡的胃瘻管又は経皮内視鏡的空腸瘻管を介して経口投与される。いくつかの態様において、溶液は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約10mg/mL~約50mg/mL、約10mg/mL~約40mg/mL又は約10mg/mL~約30mg/mLの濃度で含む。いくつかの態様において、溶液は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約10mg/mL、約20mg/mL、約25mg/mL、約30mg/mL、約40mg/mL又は約50mg/mLの濃度で含む。いくつかの態様において、溶液は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約20mg/mLの濃度で含む。
【0268】
いくつかの態様において、キットは、(c)本発明に記載される白金系化学療法薬(例えば、実施形態A及びBに記載されるもの)を含む第2の医薬組成物をさらに含む。いくつかの態様において、添付文書は、本発明に記載される方法(例えば、実施形態A及びBに記載されるもの)のいずれかによって局所進行性扁平上皮癌を治療するための第2の医薬組成物の使用をさらに指示する。
【0269】
アポトーシス阻害タンパク質(「IAP」)アンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)が白金系化学療法薬と組み合わせて投与される、局所進行性扁平上皮癌を治療するための医薬品の製造における、IAPアンタゴニストの使用も本明細書に提供される。局所進行性扁平上皮癌を治療するためのキットであって、上述の項目(a)、(b)及び(c)を含むキットの製造における、IAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)の白金系化学療法薬と一緒の使用も本明細書に提供される。局所進行性扁平上皮癌を治療するための、IAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)と白金系化学療法薬の組合せも本明細書に提供される。
【0270】
いくつかの態様において、IAPアンタゴニスト(例えば、化合物A又はその薬学的に許容できる塩)は、実施形態A及びBのいずれかの態様のいずれかの第1のレジメンにおいて、それに関して上述された通り投与される。
【0271】
いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、実施形態A及びBに記載される白金系化学療法薬からなる群から選択される。いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、シスプラチンである。いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、カルボプラチンである。いくつかの態様において、白金系化学療法薬は、実施形態A及びBのいずれかの態様のいずれかの第1のレジメンにおいて、それに関して上述された通り投与される。
【0272】
いくつかの態様において、組合せは、放射線をさらに含む。いくつかの態様において、放射線は、強度変調放射線療法(「IMRT」)である。いくつかの態様において、放射線は、実施形態A及びBのいずれかの態様のいずれかの第1のレジメンにおいて、それに関して上述された通り投与される。
【0273】
いくつかの態様において、化合物Aの医薬品は、固体剤形である。いくつかの態様において、固体剤形は、カプセル又は錠剤である。いくつかの態様において、固体剤形は、約20mg、約25mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約75mg、約80mg、約90mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約275mg、約300mg、約325mg、約350mg、約375mg、約400mg、約425mg、約450mg、約475mg又は約500mgの、その遊離塩基としての化合物Aに対応する量の化合物A又はその薬学的に許容できる塩を含む。薬学的に許容できる塩としての化合物Aの量は、固体剤形に含まれる塩形態の重量に基づいて調整されるであろう。いくつかの態様において、化合物Aの医薬品は、溶液であるか、又は使用前に溶液に製剤できる。いくつかの態様において、溶液は、水溶液である。いくつかの態様において、溶液は、経鼻胃管、経皮内視鏡的胃瘻管又は経皮内視鏡的空腸瘻管を介して経口投与される。いくつかの態様において、溶液は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約10mg/mL~約50mg/mL、約10mg/mL~約40mg/mL又は約10mg/mL~約30mg/mLの濃度で含む。いくつかの態様において、溶液は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約10mg/mL、約20mg/mL、約25mg/mL、約30mg/mL、約40mg/mL又は約50mg/mLの濃度で含む。いくつかの態様において、溶液は、化合物A又はその薬学的に許容できる塩を、その遊離塩基としての化合物Aに基づいて約20mg/mLの濃度で含む。
【実施例】
【0274】
本明細書に記載される実施例及び態様が説明のみを目的としており、それに照らした種々の改変形態又は変更形態が、当業者にとって示唆されるであろうこと及びそれらが本願の趣旨及び範囲内に含まれることが理解される。
【0275】
実施例1
頭頸部の局所進行性扁平上皮癌(LA-SCCHN)を有する対象における同時化学放射線療法(CRT)と組み合わせたDebio 1143の最大耐用量(MTD)を決定した。
【0276】
さらに、各Debio 1143用量段階(DL)及び全体に関して、この実施例の変形形態1によると、
(a)同時CRTと組み合わせたDebio 1143の安全性プロファイルを評価し;
(b)試験集団における、同時CRTと組み合わせたDebio 1143の推奨用量(RD)の抗腫瘍活性を評価した。
この実施例の変形形態2において、以下の項目(c)~(f)を、変形形態1の項目(a)及び(b)に加えて調査し:
(c)放射線療法と組み合わせて投与した場合のDebio 1143及びシスプラチンの薬物動態(PK)並びにシスプラチンと組み合わせたDebio 1143の薬物間相互作用の可能性を調査し;
(d)同時CRTと組み合わせたDebio 1143活性の薬力学(PDy)バイオマーカーを調査し;
(e)PK/PDy、PK/効能、PK/安全性、PDy/効能及びPDy/安全性関係並びにDebio 1143のPKに影響し得る薬理遺伝学的(PGx)因子を調査し;及び
(f)薬理ゲノミクス及び腫瘍PGx因子を調査した。
【0277】
スクリーニング期中、対象を評価し、米国癌合同委員会(「AJCC」)1998ステージングシステムを使用してステージ分けした。対象は、未手術の以前に治療されていないステージIII、ステージIVA又はステージIVB LA-SCCHN(米国癌合同委員会1998ステージングシステム、T≧2、N0-3 M0による)を有した。
【0278】
漸増する投与量のDebio 1143をCRTに加えた。Debio 1143を、14日間3週間ごとに(第1~14日、第22~35日及び第43~56日)毎日経口投与した。この組合せ試験でのDebio 1143の開始投与量は、14日にわたり21日ごとに100mg/日であった。開始用量段階でのDebio 1143の合計の投与された投与量は、1サイクルあたり1400mgであった。Debio 1143による治療は、放射線療法(RT)が早い段階で中止された場合、永続的に中止した。Debio 1143治療は、シスプラチンが中止された場合継続した。
【0279】
静脈内シスプラチンを1時間にわたって100mg/m2の投与量で投与した(3サイクルにわたり - 第2日、第23日及び第44日)。シスプラチンを照射前に与えた。水分補給及び鎮吐剤を、標準治療に従って送達した。原発腫瘍への標準的な分割放射線療法を、1週間あたり5日間70Gyの総線量まで1日あたりのフラクション2Gyで7週間にわたり毎日送達した。臨床的に腫瘍により侵襲されていない節部分は、50Gyの総線量を受けた。
【0280】
放射線療法を最長で10日間完全に中断して、放射線化学療法毒性の消散/改善を可能にした。
【0281】
試験参加のほとんどの対象は、非常に進行した段階であり、大量摂取の喫煙歴を有し、ほぼ90%のOPCは、HPV-p16陰性状態であった。
【0282】
Debio 1143の最大耐用量は、200mgであった。Debio 1143は、CRT+プラセボに対して、高リスクLA-SCCHN対象において効能を有意に改善する。Debio 1143は、標準的なCRTへのかなりの追加の毒性なしに、予測可能で管理可能な安全性プロファイルも示した。Debio 1143による治療への良好な全体的コンプライアンスが観察された。
【0283】
実施例2
二重盲検ランダム化プラセボ対照第II相試験を実施した。試験において、頭頸部の局所進行性扁平上皮癌を有する96人の対象を、プラセボ+CRTアーム又はDebio 1143+CRTアームにランダムに割り付けた。96人の患者をランダム化し、95人を治療した。Debio 1143アームに割り付けられた対象は、200mg/日を、14日間3週間ごとに(第1~14日、第22~35日及び第43~56日(3週間ごとに3サイクルまで))毎日経口服用した。全対象は、100mg/m2シスプラチンを、各3週サイクルの第2日に(3サイクルまで)、放射線療法(RT)と併用して服用した。対象は、肉眼的腫瘍体積(GTV)に送達される2Gy/1日、5日/週で7週間、70Gyまで、及び適格なリンパ節に局所的に50Gyの標準的な分割RTも受けた。
【0284】
試験の主要評価項目は、CRT後18か月での局所制御率(LRC)であった。主な副次的評価項目としては、PFS、LRCの継続期間、全生存期間、オッズ比(OR)並びにCRT完了後3及び6か月でのCRがあった。
【0285】
主な組入れ基準は、下記の通りであった:
・以前に治療されていない、手術不可能な(切除不能)、AJCC TNMステージングバージョン7.0(2010)によるステージIII、ステージIVA又はステージIVB
・口腔、下咽頭、喉頭又は中咽頭のLA-SCCHN(HPV/p16陰性又は陽性の両方)
・大量摂取の喫煙歴(>10パックイヤー)
・陰性HIV/HBV/HCV
・米国東海岸癌臨床試験グループ(Eastern Cooperative Oncology Group)(ECOG)によるパフォーマンスステータス=0又は1。
【0286】
主な除外基準は、下記の通りであった:
・非代償性肝硬変(チャイルド・ピュー分類C)
・>75歳
・シスプラチン不適格。
【0287】
患者人口統計を表1に示す。
【0288】
【0289】
2つのアーム間のベースライン特性は、バランスがとれていた。OPCの80%超がHPV/p16陰性である。対象は、全員大量喫煙者であり、80%超がステージIV LA-SCCHNを有した。対象は、高アルコール摂取者でもあった。
【0290】
表2に示される通り、2つのアーム間の全体的な治療曝露は、同等である。また、両方のアームは、同一のシスプラチン投与強度を受け、同等な放射線療法投与を有する。対象は、Debio 1143に対する良好なコンプライアンスを示した(プラセボ服用の者に類似)。表2に与えられるデータを中央値(範囲)として与える。
【0291】
【0292】
Debio 1143+CRTアームに割り付けられた対象の26人は、2年の経過観察を完了した(22人は、疾患増悪(10)、同意撤回(2)有害事象(3)、死亡(1)又はその他(4)の理由により中止した)。比較すると、プラセボ+CRTアームに割り付けられた14人の対象のみが2年の経過観察を完了した(34人は、疾患増悪(16)、同意撤回(4)、有害事象(4)、死亡(8)又はその他(4)の理由で中止した。)。
【0293】
表3に示される通り、主要評価項目、CRT後18か月での局所制御率が達成された(20%超の改善)。
【0294】
【0295】
図1に示される通り、Debio 1143を投与された対象において非常に有意な無増悪生存期間の改善も観察された。
【0296】
Debio 1143は、プラセボと比べて類似の安全性も示したが、例外は、グレード3嚥下障害、粘膜炎、貧血(その全てが放射線増感(RS)作用と一致していた)であった。グレード4有害作用は、限定されており、類似であった。治療関連死がDebio 1143治療患者に観察されなかったが、2つのグレード5事象がプラセボアームで起こった。遅発性毒性(CRT終了後60日超の発症)は、非常に類似しており、Debio 1143アームで増加しなかった。Debio 1143による安全性は、予測可能で管理可能であり、致命的毒性も遅発性毒性もなかった。
【0297】
試験の結果は、主要評価項目が満たされたために良好であった(CRT後18か月でLRCの21%の統計的に有意な改善(オッズ比(OR)95%;p=0.026)。非常に有意で臨床的に説得力があるPFS改善(HR 0.37;p=0.007)が観察された。OS中央値にはいずれのアームも達しなかったが、OS改善に向かう一貫した好ましい傾向(HR 0.65;p=0.243)も観察された。
【0298】
SCCHNにおけるDebio 1143とCRTとの組合せは、高リスク集団(大量喫煙者、アルコール大量摂取、末期(ステージIII、ステージIVA又はステージIVB)及び/又はHPV/p-16陰性である中咽頭))に望みを与えるような結果を示した。これらの結果に基づいて、第III相試験におけるさらなる調査が是認される。
【0299】
実施例3
試験設計及び参加者
多施設第2相二重盲検ランダム化プラセボ対照試験を実施して、LA-SCCHNを有する患者における併用シスプラチン系化学放射線療法と組みあわせた、21日サイクルの第1~14日の200mg/日の経口Debio 1143の安全性及び効能を評価した。男性及び女性患者は、組織学的に確認されたLA-SCCHNを有する18~75歳であり、以下の基準を満たす場合に適格であった:口腔、中咽頭、下咽頭及び喉頭の部位の1つ以上の、以前に治療されていない、ステージIII、IVa又はIVb(米国癌合同委員会2010ステージングシステム[AJCC TNM v7.0 2010]による)及び固形癌の効果判定基準(RECIST)、バージョン1・1によるT2-4、N0-3、M0測定可能疾患を有する。患者は、10パックイヤー超の喫煙歴を有し、B型肝炎又はC型肝炎の病歴がないことであった。中咽頭癌を有する患者では、腫瘍HPV状態を、免疫組織化学染色を使用するp16の存在により決定した。他の組入れ基準としては、0又は1の米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンスステータス、HD-シスプラチンによる化学療法の使用が禁忌となる臨床的に重要な心臓病も臨床的に重要な聴覚障害もないことがある。
【0300】
除外基準としては、鼻咽頭、副鼻腔、鼻腔腫瘍又は甲状腺癌、頸部リンパ節を侵襲しているが原発部位が未知である扁平上皮癌、未知のリンパ節状態、転移性疾患、あらゆる種類の浸潤性頭頸部癌の以前又は現在の治療(以前のチロシンキナーゼ阻害剤、以前の術前補助療法、以前の外科的切除又はあらゆる治験薬の使用を含むが、これらに限定されない)、前月中の10%超の体重減少、非代償性肝硬変、薬物吸収に影響し得る胃腸疾患、他の全身性抗癌療法との同時治療又は禁止された医薬品リストにあるあらゆる薬物との併用治療、コントロール不良又は症候性の狭心症、不整脈又は鬱血性心不全の既往歴、完全に切除された基底若しくは扁平上皮細胞皮膚癌又は治療成功した非浸潤性癌腫を除いた最近5年以内の別の悪性腫瘍の既往歴、手術により治療成功した頭頸部領域を含む非浸潤性病変又は非浸潤性癌腫の既往歴、末梢神経障害(グレード2以上)、臨床的な難聴、適切な鎮吐剤に対するアレルギー反応の既往歴、ヒト免疫不全ウイルス感染がある。治験実施計画書は、全参加施設の治験審査委員会又は倫理委員会により承認された。試験は、治験実施計画書、ヘルシンキ宣言に表された原則及び該当する規制要求事項に従って実施された。全患者は、試験に特有な手続き前に書面によるインフォームドコンセントを与えた。
【0301】
ランダム化及びマスキング
ランダム化(1:1)は、以下の層別化因子に従って確率論的最小化法により実施した:中咽頭原発腫瘍部位を有する患者内の節侵襲(N0-N1対N2-N3)及び原発腫瘍部位(中咽頭対など)並びにHPV-16状態(陽性対陰性、p16免疫組織化学染色により決定)。ランダム化コードは、外部提供者により発生され、治験責任医師及び試験チームは、最終分析まで盲検化されたままである。
【0302】
手順
患者は、Debio 1143かプラセボのいずれか(20mg/mL、溶液10mLの溶液を含む一回量ガラスバイアル中の医薬品有効成分(1バイアルあたり200mg Debio 1143又はプラセボ)、栄養状態及び/又は嚥下能力に従って経口又は栄養チューブにより)を、21日治療サイクルの第1~14日に、3サイクルまで毎日服用した(食事前に1時間又は食事後2時間にわたって絶食して服用)。シスプラチン100mg/m2を、60分かけて放射線フラクション前に、各サイクルで1回3サイクルまで(第2日、第23日及び第44日に)、Debio 1143/プラセボ後30分以上(しかし、3時間以下)あけて静脈内投与した。従来の分割強度変調放射線療法(IMRT)を、肉眼的腫瘍体積(GTV、[原発腫瘍及び侵襲された節])に、70Gyの総線量まで1日あたり2Gyのフラクションで、1週間あたり5日間7週間にわたり送達した。腫瘍侵襲がない原発及び頸部節領域(選択的/予防的照射部分)は、50Gyの総線量を受けた。欧州臨床腫瘍学会(European Society of Medical Oncology)指針に従い、患者は、シスプラチンの前後に腎障害及び嘔吐を予防するために、グラニセトロン又はパロノセトロン、デキサメタゾン及びアプレピタントによる予防的治療を受けた。
【0303】
腫瘍評価は、患者を評価し(AJCC TNM v7・0(2010)を使用してステージ分けしたスクリーニング時に実施した。頭頸部領域のコンピューター断層撮影法(CT)スキャン及び/又は磁気共鳴画像法(MRI)並びに胸部CT及び任意選択のフルオロデオキシグルコース-陽電子放出断層撮影(18FDG-PET)スキャンも実施した。試験中、治験責任医師腫瘍反応評価をRECIST(v1・1)指針に従って実施した。18FDG-PETスキャン画像化は、義務ではないものの、残存病変が存在するかどうかに関して疑義がある場合又は新たな病変を確認するために許可され、次いでそれをCT又は生検/手術により確認する予定であった。治療終了来院は、最終治療の10日後(±3日)であった。安全性経過観察は、最終治療の30~40日後に予定され、最初の効能経過観察は、治療終了来院後の11週(±1週)であり、それに続いて、ランダム化の2年後まで3か月ごとに再評価があった。その時点で依然として継続している患者には、延長経過観察に入るように求め、それは、全患者にとって、最後の患者がランダム化以来3年に達するまで継続した。延長経過観察中、評価の頻度は、3か月から6か月間隔であった。患者は、疾患増悪又は別の全身性抗癌療法への切替えまで、疾患状態及び遅発性毒性の評価を継続した。
【0304】
有害事象が合理的に化学放射線療法に帰せられ得る場合、Debio 1143/プラセボ投与量を調整する前に化学放射線療法の調整を試みた。投与量減量を要するDebio 1143関連毒性を経験した患者において、Debio 1143/プラセボを、各発生で50mg減らした;最大で2回の投与量減量が許可された。さらなる投与量減量が示される場合、Debio 1143/プラセボを中止した;再増量は、許可されなかった。
【0305】
病歴及び人口統計をスクリーニング時に収集した。身体診察を、スクリーニング時、各サイクルの第1日、治験来院の終わり、安全性経過観察来院時及びそれぞれのその後の効能経過観察来院時に実施した。有害事象及び併用薬を、インフォームドコンセントの署名(最初の投与の28日前)から治験薬の最後の投与の30日後まで試験全体でモニターした。有害事象を、有害事象共通用語基準(Common Terminology Criteria for Adverse Events)(NCI CTCAE)バージョン4・03に従ってグレード分けした。普通でない兆候又は有害事象に関連する全情報は、治験責任医師が各来院で収集した。治験責任医師は、理由を問わず、あらゆる重篤な有害事象を、その発生を知らされた24時間以内に治験依頼者又は代理人に通知するように求められた。コンツーリング及び線量測定の品質管理は、独立した専門の放射線腫瘍医により実施された。遅発性毒性は、治験実施計画書に定義され、治験来院の終わりまで効能経過観察期間を通してモニターされた。
【0306】
転帰
主要評価項目は、化学放射線療法の終わりから18か月で、その時点を含むその時点までの局所領域障害の文書化された非存在と定義される局所制御を達成した患者の比率であった。局所領域障害は、RECIST基準に従って又は治験責任医師の盲検化された臨床評価に基づいて治験責任医師により記録され、生検により確認された。主な副次的評価項目は、ランダム化から(あらゆる原因の)死亡又は疾患増悪までの時間と定義される無増悪生存期間;化学放射線療法の終わりから局所再発の発生までの時間と定義される局所制御の継続期間;化学放射線療法の終わりから遠隔再発の発生までの時間と定義される遠隔再発までの時間及びランダム化からあらゆる原因の死亡までの時間と定義される全生存期間であった。他の副次的評価項目としては、治療の6か月後の完全奏功率、最良総合効果並びに治療後3及び6か月後の奏効率があった。
【0307】
結果
2016年1月25日から2017年4月24日にかけて、96人の患者を登録し、Debio 1143に加えて化学放射線療法(n=48)又はプラセボに加えて化学放射線療法(n=48)を受けるようにランダムに割り付けた;これらの患者は、治療企図集団を構成した。プラセボ/化学放射線療法群の1人の患者のみが試験治療を受けず、そのため安全性解析対象集団には95人の患者がいた。ベースライン特性は、2つの治療群間でバランスがとれていた;Debio 1143群において、プラセボ群の3人(4%)に対して喉頭の原発腫瘍を有する8人(17%)の患者がおり、プラセボ群の5人(10%)に対してHPV陽性中咽頭癌を有する3人(6%)の患者がいたが、疾患ステージは、バランスがとれており、腫瘍サイズ及びリンパ節侵襲も同様であった。全患者は、大量摂取の喫煙歴を有した。患者の過半数は、ベースライン時、アルコールを大量に摂取する(1週間あたりの平均飲料の中央値が21である)の常飲酒者であった。
【0308】
データカットオフは、2019年7月15日であった。Debio 1143/プラセボの治療曝露は、群間で同等であった;シスプラチンの総累積投与量中央値は、両方の群で288mg/m2であり、プラセボ群の47人のうちの39人(83%)に対して、Debio 1143群では48人の患者のうちの42人(88%)が2回以上のサイクルのシスプラチンを服用した。肉眼的腫瘍体積(GTV)に送達された放射線療法(IMRT)の総累積線量中央値は、両方の群で70Gy(四分位範囲IQR;70-70)であり、局所的に選択的リンパ節に送達されたのは、両方の群で51.8Gy(IQR;50-54.4[Debio 1143群]50-51.8[プラセボ群])であった。48人の患者のうちの7人(15%)がDebio 1143を中止した一方、48人の患者のうちの6人(13%)がプラセボを中止した。
【0309】
18か月の時点で、局所制御率の事前に明示した主要評価項目は、Debio 1143群において有意に高かった。プラセボ群の48人の患者のうちの16人(33%)(95%CI:20-48)に対して、Debio 1143群の48人の患者のうちの26人(54%)(95%CI:39-69)で局所制御が達成され、継続していた(オッズ比2.69;95%CI:1.13-6.42、p=0.026)。化学放射線療法の終了後18か月での局所制御のカプラン・マイヤー推定は、プラセボ群の67%に対して、Debio 1143群では78%であった。局所制御の継続期間中央値にはいずれの治療群も到達しなかった(ハザード比[HR]0.53[95%CI 0.22-1.30]、p=0.165)。
【0310】
無増悪生存期間は、主な副次的評価項目であり、Debio 1143群の患者の無増悪生存期間中央値にデータカットオフ時に到達しておらず、プラセボ群では16.9か月であった([HR]0.37;95%CI 0.18-0.76;p=0.007);24か月で増悪していない患者の比率は、プラセボ群の41%(95%CI 0.25-0.55)に対して、Debio 1143群では72%(95%CI 56%-84%)であった(p=0.003)。PFSと一致して、Debio 1143群では全生存期間改善に向けた好ましい傾向があった([HR]0.65;95%CI 0.32-1.33;p=0.243)。全生存期間中央値にはいずれの群も24か月までに到達しなかった。追加の盲検化された経過観察が進行中である。
【0311】
第1の腫瘍評価は、化学放射線療法後およそ11週間で実施した:完全奏功は、両方の群で48人の患者のうちの17人(35%)に観察され、部分奏功は、プラセボ群の48人のうちの15人(31%)に対して、Debio 1143群では48人のうちの13人(27%)であった。化学放射線療法後6か月のその後の腫瘍評価では、プラセボ群の48人のうちの18人(38%)に対して、Debio 1143群では48人の患者のうちの25人(52%)に完全奏功があり、プラセボ群の48人のうちの5人(10%)に対して、Debio 1143群では48人のうちの7人(15%)に部分奏功があった。
【0312】
全体として、化学放射線療法へのDebio 1143の追加は、忍容性が良好であり、化学放射線療法のみの安全性プロファイルと一致した。患者は、全員少なくとも1つの治療関連有害事象を経験した。少なくともグレード3の有害事象は、Debio 1143群の48人の患者のうちの41人(85%)及びプラセボ群の47人の患者のうちの41人(87%)に報告された。最もよく見られた事象は、嚥下障害、粘膜炎症及び貧血であり、グレード3事象はDebio 1143群においてより頻発した。Debio 1143群において、9人(19%)の患者がグレード4事象を経験し、グレード5事象を経験した者はいなかった。プラセボ群において、グレード4事象は、11人(23%)の患者に報告され、グレード5事象は、2人(4%)の患者に起こった(1人は、多臓器不全、1人は、仮死)。治療下で発現した重篤な有害事象は、58人の患者で報告された(プラセボ群の28人[60%]に対してDebio 1143群の30人[63%])。
【0313】
Debio 1143の投与量減量に至る、治療下で発現した有害事象は、48人の患者のうちの9人(19%)に報告された;最もよく見られたのは、5人(10%)の患者のアラニンアミノトランスフェラーゼ増加であった。5人(11%)の患者は、プラセボの投与量減量に至る、治療下で発現した有害事象を有し、最もよく見られたのは、2人(4%)の患者の嘔吐であった。
【0314】
Debio 1143治療は、シスプラチン関連有害事象(腎不全、発熱性好中球減少症、血小板減少症、末梢性感覚神経障害又は重度の嘔吐)の頻度又は重症度を増加させなかったが、例外は、プラセボ群の47人中10人(21%)に対して48人中15人(31%)のグレード1~2耳鳴りであった。グレード3のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ及びアラニンアミノトランスフェラーゼの増加は、Debio 1143群において高かった。しかし、トランスアミナーゼ増加とDebio 1143曝露(曲線下面積の点で)との間の傾向は、明らかには特定されなかった。注目すべきことに、Debio 1143群において、グレード4トランスアミナーゼ増加及びグレード3ビリルビン増加がなかった。Debio 1143群において、グレード3貧血のより高い発生率及びグレード4好中球減少症のより高い発生率があった。しかし、治療下で発現した有害事象として報告されたグレード3~4発熱性好中球減少症の頻度は、治療群間で類似であった。全体として、遅発性毒性は、バランスがとれており、グレード3以上の遅発性毒性は、両方の治療群で比較的まれであった。プラセボ群の17人に対して、Debio 1143群において14人の患者が死亡した。治療関連であると考えられた死亡はなかった。
【0315】
2020年7月21日時点で、経過観察中央値は、33か月であった。CRTと組み合わせたDebio 1143は、死亡のリスクを51%減少させることにより、プラセボに対してOSの統計的に有意な改善を示した(HR=0.49、[95%CI:0.26-0.92]、p=0.0261)。3年OS率は、プラセボアームの51%(95%CI:34-65)に対して、Debio 1143アームでは66%(95%CI:49-78)であった;OS中央値は、プラセボによる36.1か月(95%CI:21.8-46.7)に対して、Debio 1143では到達しなかった(
図3C)。PFSの統計的に有意な改善が示され、疾患増悪又は死亡のリスクを66%減少させ(HR=0.34[95%CI、0.17-0.68]、p=0.0023)、36か月でのPFSの確率を、プラセボアームの36%と比べてDebio 1143アームでは72%に改善した(
図1C)。化学放射線療法の終了後36か月での局所制御のカプラン・マイヤー推定は、プラセボ群の56%に対して、Debio 1143群では78%であった。局所制御の継続期間中央値にはいずれの治療群も到達しなかった(ハザード比[HR]0.47[95%CI 0.19-1.15]、p=0.095)(
図2C)。
【0316】
2年後にDebio 1143+CRTで観察された予測可能で管理可能な安全性プロファイルは、3年後に変化しないままであった。
【0317】
延長経過観察によるこれらの結果は、24か月で観察されたものを確認し、さらに、Debio 1143を標準的なCRTに加えることによる統計的及び臨床的に重要なOSの利益を示す。
【0318】
実施例4
高リスクLA-SSCHN対象において、標準的な白金系併用化学放射線療法に加えられるマッチドプラセボに対するDebio 1143の効能評価を決定する試験が実施される。手術不可能な、以前に治療されていない、高リスクの組織学的に確認されたLA-SCCHN(米国癌合同委員会(AJCC)ステージングにより決定されるステージIII、ステージIVA又はステージIVB)を有するおよそ700人の成人の男性及び女性対象が含まれる。中咽頭原発部位を有する対象は、p16免疫組織化学染色によりHPV陰性でなければならないか、又は10パックイヤー以上の能動喫煙歴を有するか、若しくは腫瘍がAJCCステージングによりT4b、及び/又はN3、及び/又は嚢外結節伸長陽性である場合、HPV陽性であり得る。
【0319】
経口溶液としての200mg/日のDebio 1143、1日1回、3週間ごとに第1~14日。必要に応じて、経口溶液は、経鼻胃管、経皮内視鏡的胃瘻造設術又は経皮内視鏡的空腸瘻管により投与される。1日1回、3週間ごとに第1~14日の経口溶液としてのマッチドプラセボは、必要に応じて、経鼻胃管、経皮内視鏡的胃瘻造設術又は経皮内視鏡的空腸瘻管により投与される。
【0320】
変形形態1において、シスプラチン(市販製剤)は、サイクル1の第2日から、Debio 1143摂取の1時間後、高用量(3週間ごとに100mg/m2)か低用量(毎週40mg/m2)のいずれかで静脈内(IV)注入として施設の指針通りに投与されて、下記の通り注入前及び注入後の水分補給±マンニトール及び/又は利尿剤と共に投与される。
低用量シスプラチンレジメン:シスプラチンを、第1のレジメンのサイクル1、2及び3の第2日、第9又は10日又は第16若しくは17日に投与する。
高用量シスプラチンレジメン:シスプラチンを、第1のレジメンのサイクル1、2及び3の第2日に投与する。
【0321】
変形形態2において、シスプラチン(市販製剤)は、サイクル1の第1日から、Debio 1143摂取の1時間後、高用量(3週間ごとに100mg/m2)か低用量(毎週40mg/m2)のいずれかで静脈内(IV)注入として施設の指針通りに投与され、注入前及び注入後の水分補給±マンニトール及び/又は利尿剤と共に投与される。
【0322】
両方の変形形態において、30~59ml/分/1.73m2体表面積(BSA)の糸球体濾過量(GFR)を有し、同時放射線療法(RT)と共にシスプラチンを服用するのに適格でない対象は、同等なカルボプラチンスケジュールで開始できる。カルボプラチン(市販製剤)を、高用量(AUC=4.5~5、3週間ごと)又は低用量(AUC=1.5~2毎週)で、IV注入として少なくとも30分にわたって施設の指針通りに投与する。
【0323】
従来の分割RT、2.0Gy/フラクション、1週間あたり5フラクションが、原発腫瘍部位及び局所侵襲された部分に7~9週間にわたり(最大で70Gy(上述の変形形態1において)又は最大で72Gyまで(上述の変形形態2において))、強度変調放射線療法(IMRT)か3DコンフォーマルRT計画原発組織的標的体積(planning primary systematic target volume)(STV)のいずれかで送達される。臨床的腫瘍侵襲がない節部分は、50Gyまでの総線量を受ける。
【0324】
両方の変形形態において、Debio 1143/マッチドプラセボ治療は、絶食状態で(投与前の少なくとも1時間及び投与後の少なくとも2時間)、CRTと組み合わせて、白金及び放射線療法開始と同じ日から投与される。
【0325】
対象は、Debio 1143/マッチドプラセボ及び白金治療を、併用RTの継続期間(7~9週間)受ける。RTの最後に、白金は停止され、Debio 1143/プラセボは、2回の追加の3週サイクルにわたって単剤として継続される。
【0326】
Debio 1143/プラセボは、3サイクルのDebio 1143/プラセボを7~9週間のRT中に併用白金と共に、それに続いて2サイクルのDebio 1143/プラセボのみとして、3週サイクルの第1~14日に投与され、治療終了(EOT)来院を、サイクル5の第14日の最後のDebio 1143/プラセボ投与の2週間後とする。そのため、治療期間は、16週間までであると考えられる。治療は、進行(PD)の発生又は許容できない毒性まで投与される。
【0327】
実施例5
高リスクLA-SCCHN対象におけるアップフロント治療としての標準的な白金系併用化学放射線療法と組み合わせて投与するためのDebio 1143の試験が実施され得る。
【0328】
およそ600人の対象が、手術不可能な、以前に治療されていない、高リスクLA-SCCHNを有する対象における、白金系CRTと組み合わせて投与される場合のマッチドプラセボに対してDebio 1143の効能及び安全性を比較する2アームの1つにランダム化される。
【0329】
適格な対象は、領域、民族性、原発腫瘍部位、リンパ節侵襲及びヘモグロビンレベルによる層別化と共に、Debio 1143+CRT(アームA)又はマッチドプラセボ+CRT(アームB)を服用するように1:1の比でランダム化される。
【0330】
主要な目的は、高リスクLA-SCCHN対象においてCRTに加えられる場合マッチドプラセボに対してDebio 1143の優れた効能を、治験責任医師により評価される通り、無事象生存期間(EFS)の主要評価項目が治験責任医師に評価されて実証することである。主な副次的評価項目は、盲検化された独立検討委員会(BIRC)によるEFS及びOSである。
【0331】
対象は、手術不可能な、以前に治療されていない、高リスクの組織学的に確認されたLA-SCCHN(AJCCによるステージIII、ステージIVA又はステージIVB)(例えば、口腔、下咽頭、喉頭、中咽頭)を有する。中咽頭原発部位を有する対象は、p16免疫組織化学染色によるHPV陰性でもなければならない。
【0332】
対象は、CRTと組み合わせて200mg/日のDebio 1143経口溶液を、1日1回、3週サイクルの第1~14日に、3サイクルまで投与される。Debio 1143は、放射線療法(第1日)と同じ日から投与される。必要に応じて、経口溶液は、経鼻胃管、経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)又は経皮内視鏡的空腸瘻管により投与される。プラセボアームにランダム化された対象は、Debio 1143を服用する者と同様に、マッチドプラセボ経口溶液を投与される。
【0333】
Debio 1143及びプラセボ治療は、絶食状態で(投与開始前少なくとも1時間及び投与終了後少なくとも2時間)投与される。
【0334】
高用量シスプラチン(市販製剤)(100mg/m2)は、3週サイクルの第1日(変形形態1)又は第2日(変形形態2)に、3サイクルまで、静脈内(IV)注入として、施設の指針に従い、注入前及び注入後の水分補給±マンニトール及び/又は利尿剤と一緒である。
【0335】
サイクル1後に30~59ml/分/1.73m2体表面積(BSA)の糸球体濾過量(GFR)を有し、その後のサイクルで同時放射線療法と共にシスプラチンを服用するのに適格であると考えられない対象は、施設の指針に従い、サイクル2及び3にわたり、同等なカルボプラチンスケジュール(AUC=4.5~5)により、3週サイクルの第1日(上述の変形形態1による)又は第2日(上述の変形形態2による)に、少なくとも30分かけるIV注入として継続し得る。
【0336】
白金は、Debio 1143/プラセボの30分後で放射線療法前に投与される。
【0337】
原発腫瘍部位及び局所侵襲された部分への従来の分割RT、2.0Gy/フラクション、1週間あたり5フラクション(5/7日)は、7~9週間にわたり(最大で70Gyまで)、強度変調放射線療法又は3Dコンフォーマル放射線療法計画原発組織的標的体積により送達される。臨床的な腫瘍侵襲がない節部分は、50Gyまでの総線量を受ける。
【0338】
実施例6
高リスクLA-SCCHN対象におけるアップフロント治療として標準的な白金系併用化学放射線療法と組み合わせて投与するためのDebio 1143の規制当局への提出書類を支持するデータを生成させることを目的とするピボタル試験が実施される。
【0339】
切除不能な、以前に治療されていない、高リスクで組織学的に確認されたLA-SCCHN(米国癌合同委員会[AJCC]/TNMステージング第8版によるステージIII、IVA又はIVB)を有するおよそ650人の対象が、Debio 1143+CRT(アームA)又はマッチドプラセボ+CRT(アームB)を受けるように、1:1の比でランダム化され、マッチドプラセボに対するDebio 1143の効能及び安全性が比較される。中咽頭(OPC)原発部位を有する対象はp16免疫組織化学染色によりHPV陰性でなければならない。
【0340】
主要な目的は、高リスクLA-SCCHN対象においてCRTに加えられる場合のマッチドプラセボに対するDebio 1143の優れた効能を実証することである。
【0341】
対象は、200mg/日のDebio 1143経口溶液を、1日1回、3週サイクル(3週間ごと)の第1~14日に3サイクルまで、3サイクルまでのCRTと組み合わせて投与される。Debio 1143は、放射線療法(第1日)と同じ日から投与される。CRT終了後、200mg/日の3週間ごとの第1~14日のDebio 1143単独療法は、3回までの追加のサイクルにわたり、盲検化された方法で継続される。必要に応じて、経口溶液は、経鼻胃管、経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)又は経皮内視鏡的空腸瘻管により投与される。プラセボアームにランダム化された対象は、Debio 1143を服用する者と同様にマッチドプラセボ経口溶液を投与される。
【0342】
Debio 1143は、食事後の少なくとも2時間の絶食後、午前中の早くに経口投与されなければならない。患者は、投薬後少なくとも1時間にわたって絶食しなければならない。水は自由に飲むことができる。
【0343】
高用量シスプラチン(市販製剤)(100mg/m2)は、3週間ごとの第2日に、3サイクルまで、少なくとも90分かける静脈内(IV)注入として、施設の指針に従い、注入前及び注入後の水分補給±マンニトール及び/又は利尿剤と一緒である。標準的な鎮吐剤が施設の指針に従って投与される;グラニセトロン又はパラノセトロンなどの5-HT3受容体アンタゴニストは、許可されるが、オンダンセトロンは、避けるべきである。
【0344】
RT及びCTが投与される予定の日に(
図5を参照されたい)、Debio 1143又はマッチドプラセボは、CTの3時間~30分前に投与すべきであり、CTは、RT前に投与すべきである。
【0345】
RTのみが投与される予定の日に(
図5を参照されたい)、Debio 1143又はマッチドプラセボは、RT前に投与されるべきである。
【0346】
Debio 1143の用量投与が遅延され、この遅延の理由が毒性ではない場合、患者は、通常の摂取時間後6時間以内に投与量を服用し得る。遅延が6時間を超える場合、患者は、次の計画された摂取を待たなければならない。特定の日に省かれたDebio 1143投与量/マッチドプラセボは、いかなる状況でも、計画された摂取に加えて他の日に投与すべきでない。
【0347】
嘔吐後に追加の投与量を再投与すべきではない;患者は、次の計画された摂取を待たなければならない。
【0348】
Debio 1143/マッチドプラセボと関連する有害事象により起こされたのではない治療中断後、患者が1サイクルあたり1回以下の治療中断を必要とし、及び中断継続が連続3日以内である場合のみ、治療を同じ投与量で再開できる。悪心、嘔吐及び下痢の場合、最適な支持療法後にのみ投与量調整を適用すべきである。
【0349】
Debio 1143/プラセボ投与の一般規則は、下記の通りである:
5ml/日の最低投与量(アームAにおける100mg/日のDebio 1143に対応)までの、1ステップあたり2.5ml(アームAにおける50mg/日のDebio 1143に対応)の2回の連続的な投与量減量のみが許可される。さらなる投与量減量が少なくともグレード2の毒性のために必要とされる場合、Debio 1143/マッチドプラセボ投与が永続的に中止される。
【0350】
Debio 1143又はマッチドプラセボ投与量が減らされると、患者は、さらなる投与量減量が必要となるまで、又は毒性による永続的な投与中止が起こるまで、又は試験治療の最後まで、同じ投与量を服用し続ける。投与量減量後のDebio 1143/マッチドプラセボ投与量の再増量は、試験中に許可されない。
【0351】
併用療法期間中、IMRTが中断される場合、Debio 1143/マッチドプラセボを中断すべきである。IMRTが再開される場合、Debio 1143は、元々計画されていたDebio 1143の次の摂取日に再開すべきである。IMRTが永続的に中止される場合、患者が合計IMRT予定線量の少なくとも70%を受けた場合のみ、Debio 1143/マッチドプラセボ投与を維持すべきである。そうでない場合、Debio 1143/マッチドプラセボ治療を中止すべきであり、EOT来院を実施すべきであり、患者は、治験実施計画書に従って経過観察のために試験にとどまるべきである。
【0352】
Debio 1143摂取による治療日数は、42日/期間(併用療法期間及び単独療法期間)以下でなければならない。
【0353】
CT中止は、Debio 1143/マッチドプラセボ中止をもたらさない。
【0354】
化学療法
全患者は、少なくとも第1のサイクル中、高用量シスプラチン(100mg/m2)を服用する。各投与前に、クレアチン(creatine)クリアランスは、59ml/分/1.73m2超でなければならない;患者は、グレード2以上の神経毒性も聴覚毒性も呈してはならない。
【0355】
高用量シスプラチン(市販製剤)は、3サイクルにわたり、各サイクルの第2日に投与される(各サイクルは、21日で構成されている)(
図5)。第1の投与は、第1のサイクルの第2日に起こらなければならない。サイクル2及び3において、シスプラチンを第2日又は第3日に投与できる。3サイクルのシスプラチンを服用したことになる患者は、CTを完了したと考えられる。
【0356】
高用量シスプラチンを100mg/m2の投与量で投与すべきであるが、BSAが2.00m2以上である場合、投与量の上限を最大で200mgにすべきである。静脈内(IV)注入は、注入前及び注入後の水分補給±マンニトール及び/又は利尿剤と共に少なくとも90分にわたって投与すべきである。投与は、Debio 1143/マッチドプラセボの少なくとも30分後及びIMRT前に起こらなければならない。
【0357】
シスプラチンは、積極的な水分補給を要する。既存の脱水は、矯正すべきである。
【0358】
患者がサイクル2及び3でシスプラチン治療を継続するのに適格でない場合、カルボプラチンに切り替えるための指針を表4に与える。
【0359】
【0360】
【0361】
【0362】
カルボプラチン投薬指針は、下記の通りである。治療前又は治療後の水分補給又は強制利尿は、カルボプラチン投与に要求されない。
カルバートの式
カルボプラチン投与量(mg)=目標曲線下面積(AUCmg・分/mL)×(GFR*+25)*GFRは、コッククロフト・ゴールトの式を使用するクレアチニンクリアランス計算値により推定される(下記を参照されたい)。
コッククロフト・ゴールトの式
CrCl(男性;mL/分)=(140-年齢)×(kgで表す体重)
/72×血清クレアチニン(mg/dL)
CrCl(女性;mL/分)=0.85×CrCl(男性)
【0363】
最大カルボプラチン投与量計算
FDAは、過剰投与による潜在的な毒性を避けるために、所望の曝露(AUC)のためのカルボプラチンの投与量の上限を設けることを考えるように医師に推奨した。極量は、正常な腎機能を有する患者に関して125mL/分を上限とするGFR推定値に基づいている。
【0364】
カルボプラチンラベルに記載されたカルバートの式に基づき、極量は、下記の通り計算できる:
最大カルボプラチン投与量(mg)=目標AUC(mg・分/mL)×(125mL/分+25)
目標AUC=6では、極量は、6×150=900mgである。
目標AUC=5では、極量は、5×150=750mgである。
目標AUC=4では、極量は、4×150=600mgである。
追加の考察
過体重又は肥満の患者(BMI>25kg/m2):調整済み体重の使用を検討する。
調整済み体重(kg)=理想体重(IBW)+0.4×(全体重[TBW]-IBW)
高齢又は悪液質の患者を含む、異常に低い血清クレアチニン(Cr)を有する患者:CrClの過大評価を避けるために、0.7mg/dLの最低Crの使用を検討する。
CrCl測定値:6より高いAUCでの投薬時又は限度のないCrClを使用する場合、(血清クレアチニンに基づく数式ではなく)CrClを測定するために、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)又は24時間尿の使用を検討する。
【0365】
アンタゴニセトロン(antagonisetron)又はパラノセトロンなどの事前及び事後の5-HT3受容体アンタゴニストは、施設の指針において予測されている場合には許可されるが、オンダンセトロンは、避けるべきである。
【0366】
化学療法の投与量変更、中断及び中止
予測される治療関連毒性作用は、主に、血液(好中球減少症、血小板減少症、貧血)、神経(末梢神経障害)及び腎臓(腎機能不全、腎不全、クレアチニン上昇)である。
【0367】
サイクルの開始時のCT投与量調整は、血液関係計測値又は以前の治療サイクルの最大非血液毒性の最低状態に基づくべきである。治療は、回復のための十分な時間を見込むように遅らせることができる。
【0368】
シスプラチンの反復コースは、下記まで与えるべきではない:
・クレアチニンクリアランス≧50mL/分
・BUN<25mg/100mL
・血小板>100×109/L
・好中球>1.0×109/L。
【0369】
放射線療法
サイクル1~3から、標準的な分割IMRT(IMRTのみ許可される)が、各サイクルの第1日から、Debio 1143及びCTの投与後に始まることになる。放射線療法は、7週間にわたり送達すべきである:
肉眼的腫瘍体積(GTV)に対して:1週間あたり5フラクション(5/7日)、1日あたり1フラクション、2.0Gy/フラクション、最大で70Gyまでが送達される予定である
局所領域への選択的照射として:1週間あたり5フラクション(5/7日)、1日あたり1フラクション、2.0Gy/フラクション、50Gyまで。
【0370】
IMRTが管理上の理由で保留される場合、予定された総線量は、第9週まで送達できる。
【0371】
患者は、サイクル2の第1日及びサイクル3の第1日にIMRTを開始するために以下の基準を満たす必要がある:≧1000/mm3(マイクロリットルあたり)ANC(好中球絶対数)、≧75000/mm3(マイクロリットルあたり)血小板、Hb≧8.0g/dL、アルブミン≧1.8g/dL、ALT/AST≦×5ULN、総ビリルビン≦×2ULN。
【0372】
予定された放射線療法中断は、許可されない。
【0373】
放射線化学療法毒性の消散/改善を可能にするIMRTの中断は、全体で21治療日を超えてはならない。
【0374】
2回以下の投与漏れは、1週のうちに許容されなければならない。治療中断が避けられない場合、理由を文書化すべきである。
【0375】
中断されたフラクションは、下記の通り置き換えるべきである:
2回の投与が1週のうちに逃された場合、2つのフラクション間において最低で6時間あけることを条件として、第2のフラクションを同じ週の1日に加える。
又は
中断されたフラクションを治療終了時に投与する。
【0376】
いずれの場合にも、6以下のフラクションがいずれの特定の週にも与えられる。
【0377】
RTが21治療日より長く中断される場合、EOT来院を実施すべきである。患者は、Debio 1143を永続的に中止するが、治験実施計画書に従って継続管理のために試験にとどまる。
【0378】
試験は、3期間からなる:
1.スクリーニング:第-42日から第-1日(6週間+第-42日前に1週のウィンドウ)。
2.治療:第1日から第140日(9週間+9週間+1週)
a)併用療法:3×3週サイクルのDebio 1143/プラセボ+併用CRT。
b)単独療法:3×3週サイクルのDebio 1143/プラセボ単独療法。
3.経過観察:対象は、死亡まで、試験中の最後の対象がそのランダム化後60か月来院に達するか又は試験を中止するまでのいずれか早いものまで経過観察される。
【0379】
投与のスケジュールを
図5として与える。
図5に描かれる治験実施計画書において、ヒト患者は、化合物Aを21日サイクルの第1~14日に投与され、化合物Aを第15~21日には投与されない。ヒト患者は、白金系化学療法薬(例えば、シスプラチン又はカルボプラチン)も第2日にのみ並びに放射線療法も21日サイクルの第1~5日、第8~12日及び第15~19日に同時に投与される。21日サイクルは、さらに2回繰り返される(放射線療法を9週間にわたって投与するため)。放射線療法が7又は8週間のみ与えられる予定の場合、それぞれ最後の2又は1週は、第3のサイクル中、省略される。次いで、3回の21日サイクルが続き、ヒト患者は、化合物Aを各21日サイクルの第1~14日に投与され、化合物Aは、第15~21日に投与されない。
【0380】
この実施例6の変形形態2において、試験を上述の通り実施し、さらに、試験治療に関連した有害事象(AE)後のDebio 1143/マッチドプラセボ及び/又は白金系化学療法の投与量変更を、併用療法期間(サイクル1~3)中には以下の表5に従い、単独療法(サイクル4~6)中には以下の表6に従って扱う。この変形形態2において、表4は、シスプラチン投与量変更に関して当てはまらない。この変形形態2において、上述のDebio 1143/プラセボ投与の一般規則は、それらが表5及び6に沿っている場合のみ適用される。
【0381】
【0382】
【0383】
【0384】
【0385】
【0386】
【0387】
【0388】
【0389】
【0390】
【0391】
【0392】
【0393】
概要及び要約のセクションではなく、詳細な説明のセクションが、特許請求の範囲の理解のために使用されるように意図されることが認識されるべきである。概要及び要約セクションは、本発明者らにより企図される、全てではないが1つ以上の本発明の例示的な態様を述べるものであり、そのため、本発明及び添付される特許請求の範囲を何ら限定しないものとする。
【0394】
本発明は、明示された機能及びその関係の実施を説明する機能的ビルディングブロックを用いて上記で説明されてきた。これらの機能的ビルディングブロックの限界は、説明の便宜上本明細書で任意に定義されてきた。代わりの限界は、明示された機能及びその関係が適切に実施される限り定義され得る。
【0395】
具体的な態様の上記説明は、本発明の全般的な性質を完全に明らかにするであろうため、他者は、当技術分野の技量内にある知識を適用することにより、過度の実験なしに、本発明の一般的な概要から逸脱することなくそのような具体的な態様を容易に改変し、及び/又は種々の用途に適合させることができる。したがって、そのような適合形態及び改変形態は、本明細書に提示される教示及び指針に基づいて、開示された態様の均等物の意味及び範囲内にあるものとする。本明細書の表現又は専門用語が教示及び指針に照らして当業者により解釈されるべきであるように、本明細書の専門用語又は表現は、説明のためのものであり、限定の目的ではないことが理解されるべきである。
【0396】
本発明の広がり及び範囲は、上述の例示的な態様のいずれによっても限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物に従ってのみ定義されるべきである。
【国際調査報告】