(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-30
(54)【発明の名称】動的椎間スペーサーインプラント
(51)【国際特許分類】
A61F 2/44 20060101AFI20221122BHJP
【FI】
A61F2/44
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022518901
(86)(22)【出願日】2020-09-11
(85)【翻訳文提出日】2022-05-24
(86)【国際出願番号】 US2020050338
(87)【国際公開番号】W WO2021061421
(87)【国際公開日】2021-04-01
(32)【優先日】2019-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521095570
【氏名又は名称】アディティブ インプランツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン アール.エーテシャミ
(72)【発明者】
【氏名】マヤル ゾーギ
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA10
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC03
4C097CC06
4C097CC15
4C097DD06
4C097DD10
4C097EE11
4C097FF05
(57)【要約】
椎間スペーサーインプラントは、外部負荷に対応する動的負荷拡散特徴部を備え、そして、取り付け機構を有している。動的負荷拡散特徴部は、自然状態と、椎体のエンドプレートの形状を補完し、骨端の縁部に負荷を分散させる負荷状態とを有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
椎間スペーサーインプラントであって、
本体を備え、
前記本体は、第1の側部と、前記第1の側部の反対側の第2の側部と、前記第1の側部および前記第2の側部の間で前記本体の周りに延在する周囲壁と、前記第1の側部および前記第2の側部の間で前記本体を通って延在する中央の開口部とを備え、
前記第1の側部は、第1の椎骨に接触するように適合され、
前記第2の側部は、前記第1の椎骨に隣接する第2の椎骨に接触するように適合され、
前記第1の側部は、前記周囲壁の第1の部分に固定された第1のローブベースと前記中央の開口部に向かって延在する第1のローブ終端との間に延在する可撓性の第1のローブを備え、
前記第1の側部は、前記周囲壁の第2の部分に固定された第2のローブベースと前記中央の開口部に向かって延在する第2のローブ終端との間に延在する可撓性の第2のローブを備え、
第1の開口部は、前記第1のローブベース付近の前記周囲壁の第1の部分に延在し、
第2の開口部は、前記第2のローブベース付近の前記周囲壁の第2の部分に延在し、
椎間スペーサーは、前記第1のローブ、前記周囲壁の第1の部分、および前記第1の開口部を通して適用される負荷に対する第1の剛性を備え、
前記椎間スペーサーは、前記第2のローブ、前記周囲壁の第2の部分、および前記第2の開口部を通して適用される負荷に対する第2の剛性を備え、
前記第2の剛性は、前記第1の剛性の50%~150%であることを特徴とする椎間スペーサーインプラント。
【請求項2】
前記第2の剛性は、前記第1の剛性の80%~120%であることを特徴とする請求項1に記載の椎間スペーサーインプラント。
【請求項3】
椎間スペーサーインプラントであって、
本体を備え、
前記本体は、第1の側部と、前記第1の側部の反対側の第2の側部と、前記第1の側部および前記第2の側部の間で前記本体の周りに延在する周囲壁と、前記第1の側部および前記第2の側部の間で前記本体を通って延在する中央の開口部とを備え、
前記第1の側部は第1の椎骨に接触するように適合され、
前記第2の側部は前記第1の椎骨に隣接する第2の椎骨に接触するように適合され、
前記第1の側部は、前記周囲壁の第1の部分に固定された第1のローブベースと前記中央の開口部に向かって延在する第1のローブ終端との間に延在する可撓性の第1のローブを備え、
前記第1の側部は、前記周囲壁の第2の部分に固定された第2のローブベースと前記中央の開口部に向かって延在する第2のローブ終端との間に延在する可撓性の第2のローブを備え、
椎間スペーサーは、前記第1のローブおよび前記周囲壁の第1の部分を通して適用され、400N未満の負荷に対する第1の剛性を備え、
前記椎間スペーサーは、前記第2のローブおよび前記周囲壁の第2の部分を通して適用され、400N未満の負荷に対する第2の剛性を備え、
前記第2の剛性は、前記第1の剛性の50%~150%であることを特徴とする椎間スペーサーインプラント。
【請求項4】
前記第2の剛性は、前記第1の剛性の80%~120%であることを特徴とする請求項3に記載の椎間スペーサーインプラント。
【請求項5】
第1の開口部は、前記第1のローブベース付近の前記周囲壁の第1の部分に延在し、
第2の開口部は、前記第2のローブベース付近の前記周囲壁の第2の部分に延在し、
前記椎間スペーサーは、前記第1のローブと、前記周囲壁の第1の部分と、前記第1の開口部を通して適用され、負荷に対する前記第1の剛性とを備え、
前記椎間スペーサーは、前記第2のローブと、前記周囲壁の第2部分と、前記第2の開口部を通して適用され、負荷に対する前記第2剛性とを備えることを特徴とする請求項3に記載の椎間スペーサーインプラント。
【請求項6】
椎間スペーサーインプラントであって、
本体を備え、
前記本体は、第1の椎骨と接触する第1の側部と、前記第1の椎骨に隣接する第2の椎骨に接触し、前記第1の側部に対向する第2の側部と、前記第1の側部および前記第2の側部の間で前記本体の周りに延在する周囲壁と、前記第1の側部および前記第2の側部の間で前記本体を通って延在する中央の開口部とを備え、
前記本体は、チタンまたはチタン合金を備え、
前記本体は、負荷が400N未満の下で、5,000N/mm以下の第1の剛性を有することを特徴とする椎間スペーサーインプラント。
【請求項7】
前記本体は、400N未満の負荷の下で、1,500N/mm以下の第1の剛性を有することを特徴とする請求項6に記載の椎間スペーサーインプラント。
【請求項8】
前記本体は、400Nを超える負荷の下で、第1の剛性よりも大きい第2の剛性を有することを特徴とする請求項6に記載の椎間スペーサーインプラント。
【請求項9】
前記第1の側部は、前記周囲壁の第1の部分に固定された第1のローブベースと前記中央の開口部に向かって延在する第1のローブ終端との間に延在する可撓性の第1のローブを備え、
前記第1の側部は、前記周囲壁の第2の部分に固定された第2のローブベースと前記中央の開口部に向かって延在する第2のローブ終端との間に延在する可撓性の第2のローブを備え、
前記本体に適用される負荷は、前記第1のローブと前記第2のローブによって共有され、
前記第2のローブによって負担される負荷は、前記第1のローブによって負担される負荷の±50%以内であることを特徴とする請求項6に記載の椎間スペーサーインプラント。
【請求項10】
前記第2のローブによって負担される負荷は、前記第1のローブによって負担される負荷の±20%以内であることを特徴とする請求項9に記載の椎間スペーサーインプラント。
【請求項11】
前記第1の側部は、前記周囲壁の第1の部分に固定された第1のローブベースと前記中央の開口部に向かって延在する第1のローブの終端との間に延在する可撓性の第1のローブを備え、
前記第1の側部は、前記周囲壁の第2の部分に固定された第2のローブベースと前記中央の開口部に向かって延在する第2のローブの終端の間に延在する可撓性の第2のローブを備え、
前記本体に適用される負荷は、前記第1のローブが負荷の下で第1の変位を経験し、且つ前記第2のローブが負荷の下で第2の変位を経験するように、前記第1のローブと前記第2のローブによって共有され、
前記第2の変位は、前記第1変位の±50%以内であることを特徴とする請求項6に記載の椎間スペーサーインプラント。
【請求項12】
前記第2の変位は、前記第1変位の±20%以内であることを特徴とする請求項11に記載の椎間スペーサーインプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椎間のスペーサーインプラントに関する。より具体的には、本発明は、インプラント本体の少なくとも一方の側に動的な要素を有する、脊椎間融合インプラント(スペーサー)に関する。動的または可撓性の要素を備えるインプラントは、椎体のエンドプレート全体に渡る椎間負荷の広がりを可能にする。接触領域を点から大きな面に大きくし、特に、骨密度が一般的に高い外縁に向けて椎体に負荷をかけると、インプラントの沈下が減少する。加えて、エンドプレート全体に渡っていくつかの接触点を維持することで、インプラントの動きを軽減する。最後に、動的な要素を有することは、スペーサーの全体的な剛性を減少させ、その中に詰め込まれた骨移植材料が、隣接する椎体の1つからスペーサーの反対側にある椎体に伝達される負荷の一部を運ぶことを可能にする。この開示は、椎間インプラントの文脈で行われるが、本明細書に開示される原則は、身体全体の場所で適用可能である。
【背景技術】
【0002】
椎間板の病理は、傷害、老化、環境因子、腫瘍、感染、および遺伝学を含む多くの要因の結果である可能性がある。椎間板の病理は、脊椎のエンドプレートの生理学的負荷が欠如し、時間の経過とともに不安定または変性変化をもたらし、脊柱管狭窄および神経学的合併症を引き起こす可能性がある。
【0003】
椎間板の病理および、椎間板が負荷を伝達するエンドプレートに影響を与える関連疾患に対処するために、いくつかの外科技術が開発されている。椎間板の除去および融合の有無にかかわらず、脊椎減圧は、脊椎に生物力学的および解剖学的な完全性を回復させることによって、脊柱の痛みを軽減するための認められた外科的処置となっている。脊椎融合は、様々な臨床適応症に基づいて推奨されている。融合技術は、椎間板材料の切除と融合および椎骨からの負荷の伝達を助け、融合プロセス後の椎骨柱形状を維持するために、インプラントを受け入れる 椎間板空間の準備とを伴い得る。外科的に配置されたインプラント(スペーサー)は、露出された椎体のエンドプレート上に置くことができる。
【0004】
脊椎融合の処置は、一般に、後方または前方のアプローチを使用して行われる。前方頸部間融合(ACDF)処置は、一般に、手術時間の短縮、低感染率、および失血の減少という利点を有している。さらに、前方処置は、脊椎の後方の解剖学的構造と干渉しない。前方処置はまた、脊柱管内の瘢痕化を最小にし、構造および生物力学の観点から有利である。一般的に好ましい前方処置は、椎間板空間へのアクセスを改善し、それにより良好なエンドプレートの準備を提供する上で、特に有利である。
【0005】
体間融合を促進するために、いくつかの椎体間インプラントシステムが導入されている。様々な形状および材料の伝統的なねじ式インプラントまたはケージは、典型的には、骨移植材料でパックされ、外科的に椎間板空間内に配置される。しかしながら、椎体のエンドプレートの比較的小さな部分が、これらのインプラントと接触している。これらのインプラント本体は、しばしば、より強い皮質骨、鉤状突起、または椎体のエンドプレートの骨突起の周縁ではなく、脊椎の中心にあるより柔らかい海綿状の骨に係合する。ねじ式円筒形インプラントの着座はまた、インプラントと椎骨の両者によって経験させられる、明らかな応力を増大させる領域を減少することによって、生物力学的な完全性を損なう可能性がある。さらに、脊椎体の軟らかい海綿状骨へのインプラントの沈下(沈みまたは沈降と定義される)の実質的に制御不能なリスクが、そのような不適切な着座から生じる可能性がある。
【0006】
一般に、椎体の解剖学的輪郭を模倣して形作られた開いたリング状のケージまたはスペーサーインプラントシステムでさえ、患者の骨の特定の剛性を補う能力を欠いている。伝統的なリング状のケージは、一般に、ヒトドナーから採取された同種移植片の骨材料で構成されている。このような同種移植片の骨材料は、結果として得られるインプラントの使用できる大きさおよび形状を制限する。例えば、これらのリング状の骨の多くは、一般的に、腰椎については内側の横幅が25mm未満、頸椎については14mmである。したがって、これらの同種移植片のケージは、強い皮質骨、鉤状突起、または椎体エンドプレートの骨突起の周縁に接触するには十分な大きさではない可能性がある。これらの大きさが制限されたインプラントシステムはまた、ドライバー、リーマー、ディストラクターなどの関連する機器にも対応が不十分である可能性がある。例えば、これらのインプラントシステムは、繰り返しの衝撃に耐えるに十分な構造的完全性を欠き、移植中に骨折する可能性がある。さらに、他の伝統的な非同種移植片のリング型ケージシステムは、様々で複雑な補助インプラント器具による大きさの制限があり、手術領域のより大きな露出を必要としながらも椎間板空間を妨害する可能性がある。これらの補助的なインプラント器具システムはまた、一般に、外科医の器具負荷を高めている。
【0007】
インプラントシステムに対応する外科的処置は、除去される骨の量を最小限に抑えることによって、できるだけ多くの椎骨エンドプレートの骨表面を維持するべきである。この椎骨エンドプレートの骨表面、すなわち軟骨下骨は、一般的に、基礎となる脊椎骨よりもはるかに強い。エンドプレートの骨ストックの保存は、エンドプレートの生物力学的完全性を保証し、且つインプラント沈下のリスクを最小限に抑える。したがって、適切な椎体間インプラント設計は、利用可能な脊椎骨のストックをサポートする最大量を利用しながら、インプラントの最適な着座を提供する必要がある。
【0008】
伝統的な椎体間インプラントは、一般に、好ましい緻密な軟骨下骨で主に構成される椎体の骨突起周縁付近に位置される好ましい構造骨に、適切に、着座していない。したがって、骨突起周縁の構造的に支持的な骨を、より有効に利用する椎体間インプラントに対する技術上の必要性が存する。
【0009】
要約すると、別々の課題は、伝統的な前方脊椎融合装置に固有である、1)エンドプレートの準備;2)インプラントの保持;3)インプラントの沈下;4)骨移植片の体積;5)椎骨を用いたインプラントの組み込み;そして6)放射線造影と特定することができる。
【0010】
1.エンドプレートの準備
【0011】
3つの伝統的なエンドプレートの準備方法がある。1つ目は、エンドプレートのジオメトリとインプラントのジオメトリの一致を創成するために、ボックスチゼル式のツールを使用しての積極的なエンドプレート除去である。しかしながら、積極的なエンドプレート除去の過程では、エンドプレートが典型的には破壊されてしまう。このような破壊は、耐負荷インプラントが、軟らかい海綿状骨に対して押し付けられることを意味し、インプラント沈下のリスクを高める。
【0012】
2番目の伝統的なエンドプレートの準備方法は、キュレットでもって軟骨を単に除去することによって、エンドプレートを保存することである。エンドプレートは凹状であり、したがって、平坦なインプラントが使用される場合、インターフェースはよく一致せず、インプラントはあまり安定しない可能性がある。凸型インプラントを使用しても、エンドプレートのジオメトリは患者と患者の間で、疾患の程度に応じて異なるので、インプラントのジオメトリをエンドプレートのジオメトリと一致させるのは非常に困難である。
【0013】
あまり使用されないが3番目の伝統的なエンドプレート準備法は、ねじ付きの融合ケージを使用する。このケージは、エンドプレートの対応するねじに埋めることによって埋め込まれる。この方法もまた、この構造に背く。
【0014】
2.インプラントの保持
【0015】
伝統的なインプラントは、インプラントが挿入された経路に続く椎間体空間に移動し、および外に出ることができる。典型的なインプラントは、所定の位置にねじ込まれるか、または排除を防ぐために設計された大きな「歯」を有している。どちらの選択肢も、エンドプレートに局所的な応力ライザーを作成し、沈下の可能性を高める。インプラントの排除を防ぐという課題は、PEEKの表面テクスチャは非常に滑らかで滑りやすく、隣接する椎骨での購入が減少しているので、PEEKインプラントにとって特に重大である。
【0016】
3.インプラントの沈下
【0017】
インプラントの沈下は複雑な問題であり、多くの要因に起因している。これらの要因のいくつかは、エンドプレートの積極的な除去、脊椎骨よりも著しく大きいインプラントの剛性、エンドプレートの最も弱い領域に対抗する 椎間板空間の中心に着座する傾向があるより小さいサイズのインプラント、および接触点においてエンドプレートに局部応力骨折を引き起こし得る鋭いエッジを備えたインプラント、を含み得る。沈下の問題に対する最も一般的な解決策は、より硬さの少ないインプラント材料を選択することである。これは、PEEKおよび死体骨が、脊椎融合インプラントの最も一般的な材料となっている理由である。PEEKは皮質骨よりも硬くはないが、海綿状骨よりも硬い。PEEKは、インプラントの中に骨移植片を充填するのに好ましい選択である。 ウルフ(WolFE)の法則に従って、インプラント内の骨移植片は、それが生きている骨組織に変換するために充填されるべきである。1つの椎体からスペーサーを通して生きている骨への第2の椎体の橋渡しと接合は、ACDF処置の主要な目標の1つである「椎体間融合」の定義である。
【0018】
4.骨移植片の体積
【0019】
死体骨インプラントは、それらが機械加工される骨によって、その大きさにおいて制限される。それらの壁の厚さはまた、それらの所望の臨床応用のための十分な構造的完全性を創成するために、重要でなければならない。これらの設計上の制限は、皮質骨のインプラント内に骨移植片の材料を満たすために、多くの余地を残さない。インプラントのサイズにおける露出被駆動の制限は、金属インプラントであることを考慮に入れても骨移植のためにインプラントのジオメトリの中に残される余地を狭める。このような余地は、PEEKインプラントの場合にはさらに削減される。何故なら、それらの壁の厚さは、構造的完全性の要件のために、金属インプラントと比較して大きくする必要があるためである。
【0020】
5.椎骨との組み込み
【0021】
多くの場合、典型的な椎体間融合インプラントは、移植後何年経っても、椎骨と組み込むことができない。このような不全性は、インプラントを構築するのに様々な異なる材料を使用しているにもかかわらず存続する。PEEKは、周囲の骨と組み込むことを妨げる線維性組織により囲まれるようになると報告されている。硬い、典型的には金属のインプラントは、骨の移植片を保護し、生きている骨へのその変換をサポートしていない。商業的に純粋なチタンとチタン合金、またはタンタルおよびタンタル合金で作られたものなどの、金属インプラントのいくつかの設計では、骨の内方成長や成長を可能にし、場合によっては骨形成を刺激する表面を有している。
【0022】
6.放射線造影の限界
【0023】
金属で作られたインプラントについて、金属は、骨移植片の十分な放射線造影を制限する。したがって、それが行われることが意図される場合、融合を評価することは困難である。PEEKは放射線透過性であるので、PEEK製の伝統的なインプラントは、インプラント位置をX線で追跡できるように、インプラントに埋め込まれた放射線マーカーを有する必要がある。死体骨はいくらかの放射線不透過性があり、金属インプラントほど放射線評価を妨げない。金属インプラントは緻密であり、X線技術による骨の融合の評価を阻害する。加えて、それらは、MRIまたはCTスキャンを利用してインプラント/骨のインターフェースを術後可視化する際に、重要なアーティファクトを創成できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
したがって、椎体間インプラントの改善の必要性が存在し、本発明はそのような必要性を直すことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の種々のシステムおよび方法は、現在の技術状態に対応して、および現在利用可能なインプラントによってまだ完全に解決されていない当分野の問題やニーズに対応して開発されている。本発明のシステムと方法は、エンドプレートの準備を容易にし、インプラントの定着を改善するインプラントの排除を軽減し、沈下を減らし、骨移植片のための余地の増大を許容し、骨移植片の組み込み/融合を、ディサポート/刺激し、且つ、放射線造影を改善する解法を提供することができる。
【0026】
上述のことを達成するため、および本明細書で具現化され広く説明される技術および改善された椎体間スペーサーインプランに付与される必要性に従い、この開示は、改善された脊椎融合装置および処置を包含している。開示に従って、椎体間スペーサーインプラントは、概ね中心の軸と中心軸の近くで本体を通って延在する中央の開口部を有している本体を備えている。本体は、周囲を有し且つ第1の平面を画定する第1の側部、および周囲を有し且つ第2の平面を画定する第2の側部を含んでいる。第1の側部の周囲は、周囲壁を有する第1のエッジで接続され、および第2の側部の周囲は、周囲壁を有する第2のエッジで接続されている。周囲壁は、第1の側部と第2の側を分離する。第1の側部はさらに、第1の周囲から概ね中心の軸に向かって延在する少なくとも1つのローブを含んでいる。椎間スペーサーインプラントは、ここで、少なくとも1つのローブが、周囲に隣接するベースおよびベースから終端まで延在している端部領域を有し得る。ベースは第1の幅、および端部領域は第2の幅を有してもよく、第1の幅は第2の幅より大きい。ベースは第1の厚さおよび端部領域は第2の厚さを有してもよく、第1の厚さは第2の厚さより大きい。少なくとも1つのローブは、第1の側部の周囲に配置される複数のローブを含んでいてもよい。複数のローブのそれぞれは、周囲に隣接するベースおよびベースから終端まで延在する終端部領域を有してもよく、ここで、終端は概ね中心の軸の周りに位置されている。少なくとも1つのローブは、第1の平面から外方に延在してもよい。ベースは、実質的に第1の平面内に存し、端部領域は第1の平面から外方に延在している。端部領域は、ベースまたは第1のエッジが第1の椎体表面に接触する前に、第1の椎体表面に接触するように適合されてもよい。端部領域は、インプラントが第1および第2の椎体の間に移植されるとき、第1の平面に向かって曲がるように適合されてもよく、そして第1の椎体表面に係合される際に端部領域は、反回転または抗運動機能を有するように適合されている。少なくとも1つのローブは、第1の周囲に隣接するベース、端部領域および終端、を含む片持ち梁であってもよい。少なくとも1つのローブは、椎体間スペーサーが椎体に隣接して埋め込まれるときに、片持ち梁として機能するように適合されてもよく、端部領域は、ベースまたは周囲より前に椎体に係合し、ここで端部領域が椎体に係合するとき、ローブは第1の平面に向かって曲がるように構成されている。
【0027】
開示に従って、椎間スペーサーインプラントは、概ね中心の軸および概ね中心の軸に沿って本体を通って延在する中央の開口部を含む本体を含んでいる。本体はさらに、周囲を有し第1の平面を画定する第1の側部、および周囲を有し第2の平面を画定する対向する第2の側部を含んでいてもよい。第1の側部の周囲は、周囲壁を備える第1のエッジで接続される。第2の側部の周囲は、周囲壁を備える第2のエッジで接続され、周囲壁は、第1の側部と第2の側部を分離している。第1の側部は、第1の周囲から中央の開口部に概ね中心の軸に向かって延在する少なくとも1つのローブを、さらに含んでいる。椎間スペーサーインプラントはさらに、第1の構成および第2の構成を含み、ここで、インプラントは、移植中または移植後、すなわち、隣接する椎体間に融合が生じるときに、第1の構成から第2の構成に変化するように構成されている。第1の構成では、第1の側部の少なくとも1つのローブは、ローブが第1の周囲から概ね中心の軸に向かって延在するにつれ、第1の平面から外に延在し、および第2の側部の少なくとも1つのローブは、ローブが第2の周囲から概ね中心の軸に向かって延在するにつれ、第2の平面から外に延在し得る。第2の構成では、第1の側部の少なくとも1つのローブは、中心面に向かって屈曲または変位し、第2の側部の少なくとも1つのローブが中央の平面に向かって屈曲または変位し得る。第2の構成では、第1エッジと第2のエッジは、それぞれ第1または第2の椎体の縁部に負荷を分散するように構成されている。第1の側部の少なくとも1つのローブは、ローブに、グリッパーベースを有する第1のグリッパーと、ベースから延在するグリッパー終端を含んでいてもよい。第2の構成に変化するとき、グリッパーの終端は、概ね中心の軸に向かって第1のエッジから離れて回転してもよい。椎間体スペーサーインプラントは、第1のエッジの付近に第1のプラウエッジと、周囲壁付近に第2のプラウエッジを含んでいてもよい。第1のプラウエッジと第2のプラウエッジは、凹部によって分離されていてもよい。
【0028】
開示に従って、椎間スペーサーは、第1の表面と、周囲壁によって接続されおよび分離された第2の表面とを含んでいてもよい。第1の表面は、第1の領域と第2の領域を有する少なくとも1つの延長部を含んでいてもよい。 第1の領域は周囲に隣接していて、第 2 の領域は周囲から離れて延在してもよい。インプラントが、椎体に隣接して移植されるとき、第2の領域は、第1の領域の前に椎体に係合するように構成されている。第1の領域は、第2の表面に向かって移行することができ、そして第2の領域は第2の表面に向かって移行することができる。第1の領域は、第2の領域よりも移行に多くの力を必要とする。
【0029】
開示に従って、各椎体が互いに向かい合うかまたは対向するエンドプレートを有している、第1および第2の隣接する椎体を融合させる方法は、第1および第2の椎体の間の椎間の空間内に脊椎スペーサーを挿入することを含んでいる。インプラントは、第1および第2の椎体の凹状のエンドプレートの隣に挿入される。インプラントは、概ね中心の軸と中央の開口部の近くで本体を通って延在する中央の開口部を有する本体を含んでいる。本体は、周囲部を有して第1の平面を画定する第1の側部と、周囲部を有して第2の平面を画定して対向する第2の側部とを共に含んでいる。第1の側部の周囲は、周囲壁を備える第1のエッジで接続され、第2の側部の周囲は、周囲壁を有する第2のエッジで接続されている。周囲壁は、第1の側部と第2の側部を分離している。第1の側部は、第1の周囲から概ね中心の軸に向かって延在する少なくとも1つのローブをさらに含んでいる。この方法は、第1および第2の椎体が、インプラントへの負荷を創成するよう収束することを可能にするステップを含んでいる。少なくとも1つのローブは、少なくとも1つのローブが増大する負荷に見合った程度に曲がるように、凹状のエンドプレートの1つに係合する。この方法は、インプラントが第1および第2の椎体の間に挿入される前に、第1の自然状態にあることをさらに含んでいる。インプラントは、第1および第2の椎体が収束することを許された後に、第2の負荷下状態に移行する。第2の負荷下状態では、少なくとも1つのローブがインプラントの中央平面に向かって曲げられる。この少なくとも1つのローブは、さらに、周囲に隣接するベース、端部領域、および終端を含んでいる。 インプラントが第2の負荷下状態に移行するとき、ベース、端部領域、終端が互いに相対的に移動する。
【0030】
本発明のこれらの特徴および利点は、以下の記述および添付の請求項からより完全に明らかとなり、または、以下に記載される発明の実践によって学習され得る。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本発明の例示的な実施形態は、添付図面と併せて取り込まれる以下の説明および添付の請求項からより完全に明らかになるであろう。これらの図面は、例示的な実施形態のみを描写し、したがって、発明の範囲の限定とは考えられるべきでないことを理解し、本発明の例示的な実施形態が、添付図面の使用を通じての追加の特異性と詳細さを伴って説明されよう、ここで、
【
図1】
図1は、椎間スペーサーインプラントの斜視図である。
【
図4】
図4は、別の椎間スペーサーインプラントの頂部平面図である。
【
図6】
図6は、さらに、別の椎間スペーサーインプラントの頂部斜視図である。
【
図7A】
図7Aは、さらに、別の椎間スペーサーインプラントの頂面図である。
【
図8A】
図8Aは、さらに、別の椎間スペーサーインプラントの頂面図である。
【
図9A】
図9Aは、さらに、別の椎間スペーサーインプラントの頂面図である。
【
図12】
図12は、
図9Aのインプラントについての有限要素解析による力対変位のグラフである。
【
図13】
図13は、すべて同じサイズである、
図9Aのインプラント、従来のPEEK椎間スペーサー、および従来のチタン椎間スペーサーについての力対変位のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の例示的な実施形態は、図面を参照することにより、最もよく理解され、ここでは、同様な部分が全体に亘り同様な番号で指示されている。本明細書の図面に概ね説明且つ示されているように、本発明の構成要素は、多種多様な異なる構成で、配置および設計できることが容易に理解される。したがって、装置、システム、および方法の実施形態の以下のより詳細な説明は、本発明の範囲を限定することが意図されておらず、請求されるように、単に技術の例示的な実施形態を代表するにすぎない。
【0033】
「接続され」、「結合され」、および「連通中」という語句は、機械的、電気的、磁気的、電磁的、流体、および熱相互作用を含む2つ以上の存在物間の相互作用の任意の形態を指す。2つの構成要素は、互いに直接に接触していない場合でも、機能的に相互に結合される場合がある。「当接」という用語は、互いに物理的に直接接触している事象を指すが、必ずしも一緒に取り付けられている必要はない。「隣接する」という用語は、物理的に近いまたは隣り合わせにあるという事象を指すが、物理的に接触している場合と接触していない場合がある。「流体連通」という語句は、一方の特徴部内の流体が他方の特徴部に移行できるように接続されている2つの特徴部を指している。
【0034】
ここで、「例示的」という語句は、「実施例、例、またはイラストとしての役割」を意味する。「例示的」として、本明細書に記載されている任意の実施形態は、他の実施形態よりも好ましいまたは有利であると必ずしも解釈される必要はない。実施形態の様々な側面が図面に提示されているが、図面は、特に示されない限り、必ずしも寸法通りには描かれていない。
【0035】
標準的な解剖学的基準平面および脊椎の用語は、慣習的な意味でこの明細書では使用されている。
【0036】
図1~3は、ほんの一例として、隣接する椎体間の椎体間融合を行うための椎間スペーサーインプラント10を示している。インプラントは、脊椎体間への配置に適した高さ、幅、および長さの寸法を有する本体100を含んでいる。この実施例では、高さは頭部-尾部方向に沿って延在し、幅は左右方向に沿って延在し、長さは前後方向に沿って延在している。椎間スペーサーインプラント10は、任意の適切な生体適合性材料から作られ得る。考えられる種々の生体適合性材料としては、これらに限定されないが、ポリエーテル-エーテルケトン(PEEK)、生体再吸収可能ポリマー、セラミックス、複合材料、骨または骨代替材料、およびステンレス鋼、チタン、またはタンタルおよびそれらの合金を含む生体適合性金属、を含む他のポリマーである。インプラント10はまた、材料の複数および組み合わせを含んでもよい。インプラント10は、機械加工、鋳造、成形、または3D印刷などの公知の方法によって製造され得る。インプラント10は、特定の外科的処置、必要性、または患者の解剖学に応じて任意の数の形状または大きさで提供され得る。インプラント10は、インプラントの基材に応じて、必要であるインプラント配置の効果的かつ正確な可視化を容易にするのに適した、任意のサイズの形状の別々の放射線マーカーを含み得る。
【0037】
椎間スペーサーインプラント10は、中央の開口部110を有する本体100を含み、これは本体100の中心にほぼ位置される。中央の開口部は、本体100の絶対中心から偏在されてもよい。中央の開口部110は、本体100が効果的に中空であるように十分な大きさであってもよく、あるいは、中央の開口部110が完全には本体100を通過しないように、中央の開口部110は本体100内の小さく、狭い、または効果的には一つのディボットまたは一連のディボットであってもよい。本実施の形態では、本体100は中空または空ではない。想定される実施形態のいずれでも、中央の開口部110は、骨の内方成長、重量減少、およびローブ150の変位のための空間を許容し得る。
【0038】
本体100は、リーディングエッジ101とトレーリングエッジ102とを備えている。本実施形態において、リーディングエッジ101は後方側、およびトレーリングエッジ102は前方側であってもよい。本体100は、互いに反対側の第1の側部120と第2の側部121とを含んでいる。第1の側部120は、スペーサー100の頂面すなわち上面と見なされ、および第2の側部121は、スペーサー100の底面すなわち下面と見なされてもよい。しかしながら、頂および底はまた置き換え可能である。
図3に示されるように、第1の側部120は概して第1の平面105内に入り、そして第2の側部121は概して第2の平面106内に入る。第1の平面105および第2の平面106は、
図3のように、リーディングエンド101に向かって収束してもよいが、それらは、平行、リーディングエンド101に対して発散、または周囲壁142に対する他の点に対して収束するような他の向きを取ることもできる。本体はまた、インプラント10を通過する概して中央の平面107を有し得る。中央の平面107は、第1の平面105と第2の平面106との間に近く、横断解剖学的基準面に概して平行であり得る。概ね中心の軸111は、
図3に示されるように、本体100、概ね中央の開口部110を通り、そして第1の側部120および第2の側部121を通って通過する。概ね中心の軸111は、本体100の絶対中心を通過してもよいし、任意の方向にオフセットまたは角度付けられてもよい。軸111は、頭部-尾部方向に概ね平行であってもよい。
【0039】
第1の側部120は、第1の側部120の周りに周囲部130を有している。第2の側部121は、第2の側部121の概ね周りに延在する第2の周囲部131を有している。本体100は、インプラント10の本体100の概ね周りに延在する周囲壁142を有している。第1の側部120は、第1のエッジ140で周囲壁142に接続するか、または交差する。第2の側部121は、第2のエッジ141で周囲壁142に接続するか、または交差する。第1のエッジ140および第2のエッジ141は、
図1におけるリーディングエンド101に描かれているような薄いエッジ、または
図3に示されているような、本体100の内側側部のより広いエッジ140および141であってもよい。第1のエッジ140は、第1の周囲部130の周りに延在しており、第2のエッジ141は第2の周囲部131の周りに延在している。エッジ140、141は、本体の概略の形状と同様に、インプラントの移植後の安定性を高める。エッジ140、141の形状はまた、移植時の摩擦および抗力も低減させる。
図2Bに示されるように、エッジ140、141は、外側の第1の平面105および第2の平面106の下で僅かに角度付けられている。第1および第2のエッジ140、141は、本体100から離れて面し、そして隣接する椎体の縁部に係合するように構成されている。隣接する椎体によるインプラント10にかかる負荷に応じて、第1および第2のエッジ140、141は、かなりの量の負荷を負担することができ、その後、負荷はエンドプレートの軟らかい中央部ではなく、椎体の縁部に分散される。
【0040】
周囲壁142は中断されず、または任意の数の開口部を有してもよい。
図1は、周囲壁142の側面における側部開口部を示している。側部開口部170は、中央の開口部110と連通していてもよく、本体100へのおよびそれを通しての骨成長を可能にしてもよい。側部開口部はまた、骨の治癒の放射線造影を許容し得る。側部開口部170は、本体100を完全に通過しなくてもよい。また、側部開口部170は、本体100の側面への凹みやディボットとして考えることもできる。周囲壁は、本体100の周り、通常、インプラント10のリーディングエッジに他の開口部173を有してもよい。
図2Aおよび2Bで最もよく見られるように、本体100は、インプラント10の範囲から逸脱することなく挿入器具(図示せず)を係合させるための、凹部、穴、ノッチ等のような任意の数の適切な特徴部を有してもよい。1つの係合用特徴部は、トレーディング端部102の周囲壁142におけるねじ付き受入れ開口部172である。ねじ付き受入れ開口部172は、挿入器具のねじ付き部分をねじ式に受け取るように寸法付けされ、構成されている。このねじ付き受入れ開口部172は、概ね中心の軸111に向かって内側に延在してもよい。概してねじ付き受入れ開口部172に加えて、または代替して、周囲壁142は案内開口部171を有してもよい。
図2Aは、ねじ付き受入れ開口部172の側面に位置する一対の案内開口部171を描いている。開口部172はまた、ねじ化されなくてもよい。案内開口部171は、挿入器具(図示せず)のための支持または案内特徴部として機能するか、または、骨の内部成長のための別の経路として機能し得る。案内開口部171は、ねじ接続が挿入器具をスペーサーに固定することを可能にし、そしてインプラントの位置決めを可能にする。案内開口部171に係合するピン付きのインサータは、ねじ付き開口部172を介して、軸の回りにインプラントを回転させ得る。インプラント10の開口部またはディボットはいずれも、形状、サイズ、および向きが異なっていて、インプラント10の外科的移植に適している可能性がある。さらに、これらの特徴部は、必要に応じてインプラントの再配置および/または除去に使用することができる。
【0041】
図1に示されるように、第1の側部120は、少なくとも1つのローブ150または延長部を有し、これは片持ち梁300にたとえられてもよい。片持ち梁は、支持体の一方の端に固定された構造要素であり、そこから突き出ている。構造的な負荷を受けると、片持ち梁は支持体に負荷を運ぶ。このローブは、ベース151から端部または第1の領域158に延在し、終端152または第2の領域で終わるように構成されている。ベース151は、第1の周囲部130に隣接している。端部領域158は、ベース151と第1の周囲部130から、概ね中心の軸111に向かって延在している。
図2Aに示されるように、ローブ150は、ベース151において第1の幅153、および終端152において第2の幅154を有している。この幅は、終端152に向かい端部領域158に沿って減少し、その結果、第1の幅153が第2の幅154より大きくなる。図中に描かれたローブ150は、一般に湾曲した凸形状を有しているが、ローブ150は、ベース151以上の幅を有する終端152、またはベース151に等しい幅の終端152のような他の適切な形状を有することができると想定される。端部領域158の他の形状は、対称的、非対称的、鋭い、鈍い、または他の適切な手段を含む、ベース151から終端152への異なる遷移を含むことが想定される。少なくとも1つのローブ150は、頭部または尾部の表面に沿って、エンドプレートの凹形状を補う凸形状を有してもよい。
【0042】
図2に示されるように、ローブ150は、ベース151において第1の厚さ155、終端152において第2の厚さ156を有している。第1の厚さ155は、第2の厚さ156よりも大きい。厚さは、端部領域158に沿って終端152まで減少する。図中に描かれたローブ150は、一般的に湾曲した形状を有するが、ローブ150はベース151以上の幅を有する終端152、またはベース151に等しい幅の終端152のような他の適切な形状を有することが想定される。端部領域158の他の形状は、対称的、非対称的、鋭い、鈍い、または他の適切な手段を含む、ベース151から終端152への異なる遷移を含むことが想定される。
【0043】
少なくとも1つのローブ150を有することに加えて、インプラントは、
図1~3に示されるように、概ね中心の軸の周りに複数のローブ200を有し得る。さらに、少なくとも1つのローブ150または複数のローブ200は、第1の側部120と第2の側部121の両方に存在し得る。ローブ150、200の任意の数または配置は、患者のニーズおよび解剖学に対処するために想定される。
図3に示されるように、側平面図では、本体100は第1の平面105および第2の平面106を有している。複数のローブ200は、第1の側部120と第2の側部121の両方に存在する。
図3に示されるように、ローブ150は中央の開口部110から離れ、第1の平面105から外側に向かって湾曲または弧を描いている。同じ方向と並置が第2の側部に存在する可能性がある。少なくとも1つのローブ150と複数のローブ200は、凸状輪郭を有していてもよいし、これは椎体エンドプレートの凹面性に相補的であり得る。第1の側部120に関しては、ローブ150のベース151と第1の周囲部130と隣接する第1のエッジ140が、第1の平面105内に存在し得る。第1のエッジ140はまた、
図2Bに示されるように、第1の平面105の少し下で、中央平面107に向かっていてもよい。ベース151から延びて、端部領域158は第1の平面105から外方に延在している。終端152は、第1の平面105の外側、または、第1の平面の内側に整列され得る。この同じ配置または方位は、第2の側部121および第2の平面106に対しても存在し得る。第2のエッジ141は、第2の平面106内に、または
図2Bに示されるように、中央の平面107に向かって直接に存在し得る。
【0044】
少なくとも1つのローブ150または複数のローブ200の端部領域158は、目標の 椎間板空間に隣接する椎体に係合するように構成されている。
図1~3に示された実施形態では、第1の側部120と第2の側部121の両方にローブ150の複数200が示されている。本実施形態では、各ローブ150の端部領域158は、第1の平面105および第2の平面106から外方に延在している。この実施形態により、インプラント10は、インプラント10が隣接する椎骨の間に位置されるとき、椎体がインプラント10の本体100の他の任意の部分に接触する前に、端部領域158が椎体の表面に接触するように構成されている。インプラント10上の椎骨から端部領域158に対する負荷の増加に伴い、ローブ150はインプラント10への負荷を吸収または緩和するために屈曲または曲がることができる。端部領域158が隣接する椎骨から負荷を受け取ると、ローブはそれぞれ第1の平面105および/または第2の平面106に向かって屈曲し、中央の平面107に向かう。終端152は、ローブ150が曲がるにつれ、中央の開口部110内に屈曲し得る。ローブ150の任意の部分は、第1の平面105および第2の平面106を過ぎて屈曲し、中央の平面107に向かって進み得る。少なくとも1つのローブ150または複数のローブの柔軟性は、インプラントの輪郭が完全な凹面ではない椎骨のエンドプレートを補間することを可能にする。
【0045】
ローブ150の形状および端部領域158は、端部領域158が、軟質中央の海綿状骨ではなく、皮質骨を含んでいる骨突起周縁にさらに近い椎体に、係合するように配向されてもよい。各側部120、121に、4つのローブ150を備えている実施形態では、隣接する椎体からの負荷が、8つの総ローブに関して分布され得る。第2の厚さ156より大きい第1の厚さ155を有するローブ150の寸法は、端部領域158とローブが非線形の方法または相対運動で、曲がることを可能にする。端部領域158の中間部分および終端152に向かって延在する部分は、ベース151に近いローブ部分よりも容易に曲がる。隣接する椎体の負荷をインプラント内の少なくとも1つのローブ150、好ましくは、複数のローブ200に分散させることによって、インプラント10は、骨とインプラントとの接触面積を増大させることによって、椎骨と海綿状骨への沈下のリスクを低減している。椎体のエンドプレート上の局在点に対する全体的な力が広げられ、そして、ローブが曲がるのに伴い、端部領域158と椎骨との間の接触点は、第1のエッジ140と第2のエッジ141によって支持されて、骨突起周縁のより硬い皮質骨に向かってシフトされる。隣接する椎骨からの負荷が増加するにつれて、ローブ150はさらに偏向し、そして、周囲部130とエッジ140、141および周囲壁142において、全負荷が支持されることが可能となる。ローブ150またはローブ150の組み合わせ200のいずれかは、骨の内部成長を促す表面特徴部を含んでもよい。特徴部には、細孔、隆起、ループ、穴、空間、溝、または隣接する骨上に手掛かりまたはグリップを増加させる既知の表面が含まれ得る。スペーサーは、海綿状骨移植片が詰め込まれているので、第1および第2の表面が偏向したとき、この骨移植片が隣接する椎骨から伝達される負荷の一部を支える原因となる。いくつかの実施形態では、第1および第2の側部120、121の剛性は、周囲壁に概ね平行な軸111に沿った圧縮において、海綿状骨の圧縮弾性率以下である。構造力学に従って、この状況は、骨移植片が脊椎負荷のかなりの部分を支えることを可能にし、そして、ウルフの法則に従って融合質量への組み込みを促進する。
【0046】
インプラント10は、インプラントと隣接する椎体の接触面との間の摩擦を増大させるように設計された複数の抗移動機能を含み得る。このような抗移動機能は、隆起、歯、突起、または表面処理を含む他の手掛かりを含んでもよい。抗移動機能はまた、融合を阻害する可能性のあるねじり負荷に抵抗することによって、インプラントを安定させる。
図4および5の実施形態に示されるように、インプラント10は、抗移動機構として機能するグリッパー160を有している。これらのグリッパーは、隣接する椎体に係合するように構成された端部領域158の領域内でローブ150上に配置されてもよい。
図4は、共通に前方-後方の方向であり得る、リーディングおよびトレーリング端部101、102と概ね平行に整列されたグリッパー160を示している。グリッパーは、終端162が同じ方向に向けられるように配向されてもよいし、
図5および6に示されるように、インプラント10がインプラント本体110のリーディング端部101に複数のグリッパーを有してもよく、ここで、グリッパー終端162は反対方向に配向されている。この向きは、前方―後方排除のよりよい防止を可能にするとともに、曲げ運動の際の骨からの離昇を抑制する。各グリッパー160は、ローブ150上、好ましくは端部領域158、およびグリッパー終端162に位置されるグリッパーベース161を有し得る。グリッパー終端は、椎体での効率的な手掛かりを助長するために、尖った、または他の係合用ジオメトリを有してもよい。
図4のグリッパー160は、比較的尖ったまたは鋭利なグリッパー終端162を備える三角形を有している。グリッパー160を備える各ローブ150は、それぞれのローブ150にグリッパー160の下でディボット163を含み得る。ディボット163は、椎体からの負荷がインプラント10に移行されたときに、順応し、グリッパー160がローブ150内に曲がることできるように構成されている。グリッパー160とディボットの間のオープンスペースはまた、骨の内部成長を可能にし、より良いインプラント安定化を促進し得る。グリッパー160はまた、実質的な屈曲なしに剛性があり、椎体のエンドプレートの準備を可能にし得る。エンドプレートの穿通は、血液が椎体の海綿状部分から流れるのを許容し得る。
図5は、インプラント10の第1の側部120と第2の側部121の両方のグリッパー160を示している。グリッパー終端162は、端部領域158の最外側の部分またはローブ150の終端152を更に越えて延在してもよい。
【0047】
インプラント10は、第1および第2の構成を有し得る。第1の構成では、インプラントは、一般的に
図1~
図5に示されるように、ローブが、概ね、第1および第2の平面105、106の外方に延びている緩和状態にある。端部領域158は、任意のグリッパー160と同様に、平面105、106の外にあり、エッジは、中央の開口部に向かって平面内または平面105、106のわずかに内側にある。第2の構成はまた、移行状態であり、インプラント10に負荷が掛けられたときに実現する。第2の構成は、偏向状態と呼ばれてもよい。実際には、第2の構成は、隣接する2つの椎骨間にインプラント10が移植された後に生じ、そして椎骨は、インプラント本体100の第1の側部120と第2の側部121の両方に負荷をかけることが許される。インプラント本体100に対する負荷が増大するにつれて、少なくとも1つのローブ150または複数のローブ200の端部領域158は、負荷を受け入れる。各ローブ150は、負荷に応答し、中央の開口部110と中央の平面107に向かって内側に曲がる。ローブがグリッパー160を包含している場合、グリッパー160は、エンドプレートに係合しかみ合う。グリッパーは、その後、ディボット163に向かって内側に最大に曲がり、その後、ローブ150が中央の開口部110に向かって曲がる。負荷が大きくなるにつれて、各ローブ150は曲がり、および、端部領域158は曲率を有しているので、エンドプレートとの接触点が周囲部130、131に向かう、したがって椎体の周縁により近づく方向にシフトし得る。椎体からの負荷が安定すると、患者の解剖学に基づいて、複数のローブ200内の各ローブ150は、脊柱を適切に安定化させるべく異なる量で曲がる。ローブおよび/またはグリッパーは、弾性的または塑性的に曲がってもよい。弾性的偏位は一時的なものであり、負荷が除去されると、ローブやグリッパーは緩和された状態に戻る。プラスチックの偏位は実質的に永久的であり、負荷が取り除かれたとき、ローブおよび/またはグリッパーは変形したままである。
【0048】
中央の平面に向かって少なくとも1つのローブ150が曲がるような第1の構成から第2の構成への移行では、第1のエッジ140と第2のエッジ141が、隣接する第1および第2の椎体によって加えられる負荷における増加を受け取ることが予見される。上で説明したように、隣接する椎体によって加えられる負荷は、エンドプレートの外縁の第1のエッジ140および第2のエッジ141によって分散され得る。エンドプレートは、エンドプレートの中央部よりも大きな負荷に耐えることができ、ローブ150が第2の構成に曲がるとき回転し得る。エッジの回転は、ローブ150のベースに概ね平行な軸の周りに発生し得る。例えば、第1のエッジ140が第1の平面105の内側または外側にあるなら、ローブ150が第1の平面105に向かって曲げられると、第1のエッジ140は第1の平面105から上で外方に回転するであろう。第1の構成では、第1のエッジ140が、第1の平面105の下または内側にある場合、ローブ150が第2の構成に曲げられたとき、第1のエッジは、ベース151に平行な軸を中心に回転し、第1の平面105に向かって外向きの両方に向かう。中央の開口部から離れるエッジの動きは、インプラント10の追加の抗移動特徴および機能を創成し得る。同じ機能は、第2のエッジ141を備えるインプラントの第2の側部121にも発生し得る。インプラント10は、第1の構成において、エッジのジオメトリの任意の変形を有してもよい。
【0049】
図6は、複数のローブ500を有するインプラント40の実施形態を示している。各ローブ450は、ベース451と終端452を有する概ね三角形の形状を有し、それらの間に端部領域458を有している。各ベース451は、第1の幅453を有し、各終端は第2の幅454を有している。第1の幅453は、一般に、第2の幅454よりも大きい。幅の違いは、ローブ450のそれぞれの片持ち梁600の機能を可能にし、その結果、インプラント40に負荷が掛けられたとき、端部領域が中央の開口部に向かって曲がることできるようになる。このインプラントの本体400は、リーディングエンド401、トレーリングエンド402を有し、中央の開口部410、および概ね中心の軸411備えている。インプラント40は、第1の側部420、第2の側部421を有し、第1の周囲430および第2の周囲431をそれぞれ備えている。インプラントの本体400は、第1の周囲430と周囲壁442との間に少なくとも第1のエッジ440を有し、ならびに第2の周囲431と周囲壁442との間に第2のエッジ441を有している。本体400はまた、案内開口部471、側部開口部470、および取り付け開口部472のような複数の開口部を有し得る。
図6の実施形態はまた、凹部480によって分離された第1および第2のプラウエッジ481、482を有している。第1のプラウエッジ481は、第1の周囲430に隣接しており、第2のプラウエッジ482は周囲壁442に隣接している。第1のプラウエッジ481、第2のプラウエッジ482、および凹部480は、全周囲430の周りに延びても、または
図6に示されるように分割されてもよい。同じプラウ構造が、第2の側部421に存在してもよい。第1のプラウエッジ481および第2のプラウエッジ482は、インプラント40が移植されたときに、隣接する椎体の周縁に追加のグリップおよび手掛かりを創成する。凹部480およびプラウエッジ483の支持体は、骨の内部成長を安定させる追加の場所を可能にする。
図6は、グリッパー460の形状の追加例を示している。グリッパー460は、ローブ450の第1のエッジ440または第のエッジ441またはベース451にさらに近くに位置されるベース461を有し得る。グリッパー460は、第1の側部420または第2の側部421から離れて配向された終端462を有してもよい。
【0050】
インプラント10、40は、隣接する第1および第2の椎体を融合する方法で使用され得る。例示的な方法では、椎間の空間がインプラント10、40の挿入前に取り乱されてもよい。インプラント10、40の挿入に先立ち、椎間の空間が準備される。インストールの方法では、椎間板全体が取り除かれるように、椎間板切除が遂行されてもよい。別の方法では、椎間板の一部のみが除去されてもよい。椎体のエンドプレートは、適切な表面を露出させるために削り取られ、出血する可能性があり、インプラントへの骨の内部成長を促す可能性がある。椎間の空間が十分に準備されたら、インプラント10、40が、第1の緩和状態で空間に導入され、そして適切に着座されてもよい。インプラントは、内視鏡チューブまたは他の既知の移植手段を介して移植され得る。
【0051】
インプラント10、40が位置付けされた後、隣接する椎体が収束するようにして、インプラント10、40に負荷をかける。凹状のエンドプレートは、インプラント10、40の少なくとも1つのローブ150または複数のローブ200に係合することが許容され、次いで中央の平面107に向かって曲がる。ローブ150、200の相補的な形状が、エンドプレートに係合し、そして適切に位置決めして、インプラント10、40を所定の位置に固定することを補助する。インプラント10、40は、意図された位置にインプラントを維持するのを助けるために、エンドプレートにさらに深く係合するグリッパー160、460を有し得る。グリッパー160、460はまた、エンドプレートが出血するのを促し、骨の内部成長を促す。椎体からの負荷が増大するにつれて、インプラントの第1の側部120の少なくとも1つのローブ150または複数のローブ、または第1の側部120および第2の側部121の両方での少なくとも1つのローブ150または複数のローブは、片持ち梁として機能し、中央の平面に向かって曲がる。インプラント10、40は、第1の緩和状態から第2の負荷下状態に移行し、そこで、インプラント10、40は隣接する椎体から全負荷を引き受けている。第2の負荷下状態への移行中および移行後、第1のエッジ140および第2のエッジ141は、エンドプレートの周縁に係合し、そして椎体のこの強い部分に負荷を分散させる。
【0052】
図7A~
図11Fは、インプラント50、60、70、80、90のセットを図示し、全て同じ尺度で示されている。
図7A~Fのインプラント90は、9mmサイズである。
図8A~Fのインプラント80は、8mmサイズである。
図9A~Fのインプラント70は、7mmサイズである。
図10A~Fのインプラント60は、6mmサイズである。
図11A~Fのインプラント50は、5mmサイズである。インプラントは、それぞれ、椎体間の配置に適した寸法の高さ、幅、および長さを有している。高さは、頭部-尾部方向に沿って延在し、幅は左右方向に沿って延在し、長さは前方―後方方向に沿って延在する。インプラントは、任意の適切な生体適合性材料で作られてもよい。考えられる種々の生体適合性材料としては、これらに限定されないが、ポリエーテル-エーテルケトン(PEEK)、生体再吸収可能ポリマーを含む他のポリマー、セラミックス、複合材料、骨または骨代替材料、および、ステンレス鋼、チタン、またはタンタルおよびそれらの合金を含む生体適合性金属である。インプラントはまた、複数の材料および/または材料の組み合わせを含んでいてもよい。インプラントは、機械加工、鋳造、成形、または3D印刷などの公知の方法で製造され得る。インプラントは、特定の外科的処置、必要性、または患者の解剖学に応じて任意の数の形または大きさで提供され得る。インプラントは、インプラントの基材に応じて必要なインプラント配置の効果的かつ正確な可視化を容易にするのに適した形状の任意のサイズの別々の放射線マーカーを含んでいてもよい。
【0053】
インプラント50、60、70、80、90は、金属椎間スペーサーインプラントを設計するための原則を示し、正常な生体内負荷支持条件下でのその機能的剛性は、通常、5,000 N/mmから20,000 N/mmの範囲内にある従来のPEEK椎間スペーサーインプラントの機能的剛性と同等以下である。インプラント50、60、70、80、90は、正常な生体内負荷支持条件が、400N未満、200N未満、または130N未満である軸(上下)方向圧縮負荷を含み、頚椎に移植するためにチタン合金で設計されている。インプラントは、PEEKよりもはるかに大きいヤング率を有するチタン合金であるにもかかわらず、0Nから130N、0Nから200N、または0Nから400Nの軸方向圧縮負荷の下で、高められた柔軟性または軽減された剛性を示している。これらの軸方向圧縮負荷の下でのインプラント剛性は、20,000 N/mm 以下であってもよい。インプラント剛性は、15,000 N/mm以下、10,000 N/mm以下、5,000 N/mm以下、4,000 N/mm以下、3,000 N/mm以下、2,000 N/mm以下、1,000mm以下、または500 N/mm以下であってもよい。インプラントはまた、1,500 N以上の軸方向圧縮負荷を維持するように設計されていた。これらの高い負荷の下で、インプラントは、負荷が主に周囲壁によって負担されるので、より高い剛性を示す。この開示は、頸椎についてのインプラントと負荷との文脈で行われているが、設計原則は、胸椎または腰椎のインプラントおよび負荷にも適応可能である。
【0054】
本明細書に開示されるインプラントの軸方向の圧縮剛性は、インプラントの第1および/または第2の側部のローブによって調整される。ローブは、負荷下で徐々に曲がり、それによって、固体の第1および/または第2の側部を有するか、ローブのような柔軟構造を欠いている従来のインプラント設計に対して、正常な生体内負荷の下でインプラントの機能的剛性を減少させる。インプラント50、60、70、80、90によって示される1つの原則は、すべてのローブが、生体内負荷を均等に共有することである。換言すると、各ローブは、同じ負荷を支え、同じたわみ特性を有し、同じ剛性を有し、および/または、付与の負荷に対して同じ接触領域を有している。生体内負荷が400Nであり、且つインプラントの側部当たり4つのローブを含んでいる場合、ローブ当たりの負荷は100Nであり、代わりに、インプラントが側部当たり2つのローブしか含まない場合には、ローブ当たりの負荷は200になることを理解するであろう。しかしながら、インプラント設計は多因子であり、インプラントの製造は、名目設計に適用される多数の許容範囲を必ず伴う。特定のインプラント設計のための設計制約の完全な配列は、ほぼ同じ負荷を支え、ほぼ同じ偏向特性を有する名目のローブに帰する可能性がある。各名目ローブは、±50%以内の他のすべての名目ローブと同じであってもよい(すなわち、ローブ2はローブ1の50%~150%である)。好ましくは、各名目ローブは、±20%以内、±15%以内、±10%以内、または±5%以内の他のすべての名目ローブと同じであってもよい。
【0055】
インプラント50、60、70、80、90の軸方向の圧縮剛性は、さらに周囲壁の曲げ剛性を変化させることによって調整される。周囲壁の曲げ剛性は、固体で未調整の周囲壁と比較して、ローブベースの近傍で減少されてもよい。インプラント50、60、70、80、90によって示されるもう一つの原則は、周囲壁が、均一に負荷を共有するすべてのローブに寄与する特徴部を含んでいるということである。つまり、各ローブベースの近傍の周囲壁は、そのローブの負荷/たわみ/剛性を調整するように修正される。
【0056】
図7A~Fを参照するに、インプラント90は、インプラント10、40について上述された通りであり得、関連する参照番号を有する以下の構造および/または特徴部を含む。すなわち、本体900、リーディングエッジ/端部901、トレーディングエッジ/端部902、第1の平面905、第2の平面906、中央の平面907、中央の開口部910、中心軸911、第1の側部920、 第2の側部921、第1の周囲930、第2の周囲931、第1のエッジ940、第2のエッジ941、周囲壁942、ローブ950、ローブベース951、ローブ終端952、ローブの第1の幅953、ローブの第2の幅954、ローブの第1の厚さ955、ローブの第2の厚さ956、ローブの端部領域958、側部開口部970、案内開口部971、受入れ/取り付け開口部972、および/または開口部973である。インプラント90は、選択肢として、1つ以上のグリッパーを含んでもよく、それぞれグリッパーベースおよびグリッパー終端を備え、それぞれは、選択肢として、グリッパー160、460、グリッパーベース161、461、グリッパー終端162、462、およびインプラント10、40のディボット163と同様に、ディボットと関連つけられる。インプラント90のローブ950は、細孔、隆起、ループ、穴、空間、図示のようなローブ開口部974、溝、または手掛かりを増大させる任意の既知の表面のような、
図1~6に示されるような骨の内部成長および/または成長の特徴部を含んでいてもよい。ローブ開口部974は、多孔質材料で充填されてもよい。
【0057】
インプラント90は、側部開口部970およびリーディングエッジ901に大きな開口部973を含んでいる。これらの開口部970、973は、ローブの柔軟性を高めるべく、ローブの側部およびリーディングローブ950のローブベース951の近傍の周囲壁942の曲げ剛性を低減する。トレーリングエンド902は、受入れ/取り付け開口部972および隣接案内開口部971と、同様に、トレーリングローブ950のローブベース951付近に位置される4つの開口部975を含んでいる。開口部971、972、975は、ローブの柔軟性を高めるために、トレーリングローブ950のローブベース951の近傍の周囲壁942の曲げ剛性を減少させるためにと一緒に機能し得る。各開口部975は、左右(右左)方向に沿って細長くされている。好ましくは、開口部975は、拡大部がローブベース951の各側部と一致するように、それらの横側(外側)端部に向かって拡大されている。好ましくは、開口部975の横側端部は、図示されるように、それぞれ第1および第2の側部920、921に向けて拡大され、再び、ローブベース951の各側部と一致する。図示された開口部975は、9mmサイズのインプラント90に対する複数の代替開口部構成のうちの1つを表している。
【0058】
図8A~Fを参照するに、インプラント80は、インプラント10、40について上述された通りであり得、関連する参照番号を有する以下の構造および/または特徴部を含む。すなわち、本体800、リーディングエッジ/端部801、トレーディングエッジ/端部802、第1の平面805、第2の平面806、中央の平面807、中央の開口部810、中心軸811、第1の側部820、第2の側部821、第1の周囲830、第2の周囲831、第1のエッジ840、第2のエッジ841、周囲壁842、ローブ850、ローブベース851、ローブの終端852、ローブの第1の幅853、ローブの第2の幅854、ローブの第1の厚さ855、ローブの第2の厚さ856、ローブの端部領域858、側部開口部870、案内開口部871、受入れ/取り付け開口部872、および/または開口部873である。インプラント80は、選択肢として、1つ以上のグリッパーを含んでもよく、それぞれグリッパーベースおよびグリッパー終端を備え、それぞれは、選択肢として、グリッパー160、460、グリッパーベース161、461、グリッパー終端162、462、およびインプラント10、40のディボット163と同様に、ディボットと関連つけられる。インプラント80のローブ850は、細孔、隆起、ループ、穴、空間、図示のようにローブ開口部874、溝、または手掛かりを増大させる任意の既知の表面のような、
図1~6に示されるような骨の内部成長および/または成長の特徴部を含んでいてもよい。ローブ開口部874は、多孔質材料で充填されてもよい。
【0059】
インプラント80は、大きな側部開口部870およびリーディング端部801に大きな開口部873を含んでいる。これらの開口部870、873は、側部のローブベース851およびリーディングローブ850の近傍における周囲壁842の曲げ剛性を低減し、ローブの柔軟性を高める。トレーリングエンド802は、受入れ/取り付け開口部872および横側案内開口部871と同様に、トレーリングローブ850のローブベース851の近傍に位置するさらなる4つの開口部875を含んでいる。開口部871、872、875は、ローブ850のローブベース部851付近における周囲壁842の曲げ剛性を減少させ、ローブの柔軟性を高めるために一緒に機能し得る。各開口部875は、左右(右左)方向に沿って細長くされている。好ましくは、開口部875は、拡大部がローブベース851の各側部と一致するように、それらの横側(外側)端部に向かって拡大されている。好ましくは、開口部875の横側端部は、図示されるように、それぞれ第1および第2の側部820、821に向けて拡大され、再び、ローブベース851の各側部と一致する。図示された開口部875は、8mmサイズのインプラント80に対する複数の代替開口部構成のうちの1つを表している。図示された開口部875は、インプラント90の開口部975に似ている。
【0060】
図9A~Fを参照するに、インプラント70は、インプラント10、40について上述された通りであり得、関連する参照番号を有する以下の構造および/または特徴部を含む。すなわち、本体700、リーディングエッジ/端部701、トレーディングエッジ/端部702、第1の平面705、第2の平面706、中央の平面707、中央の開口部710、中心軸711、第1の側部720、第2の側部721、第1の周囲730、第2の周囲731、第1のエッジ740、第2のエッジ741、周囲壁742、ローブ750、ローブベース751、ローブの終端752、ローブの第1の幅753、ローブの第2の幅754、ローブの第1の厚さ755、ローブの第2の厚さ756、ローブの端部領域758、側部開口部770、案内開口部771、受入れ/取り付け開口部772、および/または開口部773である。インプラント70は、選択肢として、1つ以上のグリッパーを含んでもよく、それぞれグリッパーベースおよびグリッパー終端を備え、それぞれは、選択肢として、グリッパー160、460、グリッパーベース161、461、グリッパー終端162、462、およびインプラント10、40のディボット163と同様に、ディボットと関連つけられる。インプラント70のローブ750は、細孔、隆起、ループ、穴、空間、図示のようにローブ開口部774、溝、または手掛かりを増大させる任意の既知の表面のような、
図1~6に示されるような骨の内部成長および/または成長の特徴部を含んでいてもよい。ローブ開口部774は、多孔質材料で充填されてもよい。
【0061】
インプラント70は、大きな側部開口部770およびリーディング端部701に大きな開口部773を含んでいる。これらの開口部770、773は、側部のローブベース751およびリーディングローブ750の近傍における周囲壁742の曲げ剛性を低減し、ローブの柔軟性を高める。トレーリングエンド702は、受入れ/取り付け開口部772および横側案内開口部771と同様に、トレーリングローブ750のローブベース751の近傍に位置するさらなる4つの開口部775を含んでいる。開口部771、772、775は、ローブ750のローブベース部751付近における周囲壁742の曲げ剛性を減少させ、ローブの柔軟性を高めるために一緒に機能し得る。各開口部775は、左右(右左)方向に沿って細長くされている。この実施例には示されていないが、開口部775は、好ましくは、拡大部がローブベース751の各側部と一致するように、それらの横側(外側)端部に向かって拡大されている。この実施例には示されていないが、開口部775の横側端部は、好ましくは、図示されるように、それぞれ第1および第2の側部720、721に向けて拡大され、再び、ローブベース751の各側部と一致する。図示された開口部775は、7mmサイズのインプラント70に対する複数の代替開口部構成のうちの1つを表している。
【0062】
図10A~Fを参照するに、インプラント60は、インプラント10、40について上述された通りであり得、関連する参照番号を有する以下の構造および/または特徴部を含む。すなわち、本体600、リーディングエッジ/端部601、トレーディングエッジ/端部602、第1の平面605、第2の平面606、中央の平面607、中央の開口部610、中心軸611、第1の側部620、第2の側部621、第1の周囲630、第2の周囲631、第1のエッジ640、第2のエッジ641、周囲壁642、ローブ650、ローブベース651、ローブの終端652、ローブの第1の幅653、ローブの第2の幅654、ローブの第1の厚さ655、ローブの第2の厚さ656、ローブの端部領域658、側部開口部670、案内開口部671、受入れ/取り付け開口部672、および/または開口部673である。インプラント60は、選択肢として、1つ以上のグリッパーを含んでもよく、それぞれグリッパーベースおよびグリッパー終端を備え、それぞれは、選択肢として、グリッパー160、460、グリッパーベース161、461、グリッパー終端162、462、およびインプラント10、40のディボット163と同様に、ディボットと関連つけられる。インプラント60のローブ650は、細孔、隆起、ループ、穴、空間、図示のようにローブ開口部674、溝、または手掛かりを増大させる任意の既知の表面のような、
図1~6に示されるような骨の内部成長および/または成長の特徴部を含んでいてもよい。ローブ開口部674は、多孔質材料で充填されてもよい。
【0063】
インプラント60は、大きな側部開口部670およびリーディング端部601に大きな開口部673を含んでいる。これらの開口部670、673は、側部のローブベース651およびリーディングローブ650の近傍における周囲壁642の曲げ剛性を低減し、ローブの柔軟性を高める。トレーリングエンド602は、受入れ/取り付け開口部672および横側案内開口部671と同様に、トレーリングローブ650のローブベース651の近傍に位置するさらなる4つの開口部675を含んでいる。開口部671、672、675は、ローブ650のローブベース部651付近における周囲壁642の曲げ剛性を減少させ、ローブの柔軟性を高めるために一緒に機能し得る。各開口部675は、左右(右左)方向に沿って細長くされている。この実施例には示されていないが、開口部675は、好ましくは、拡大部がローブベース651の各側部と一致するように、それらの横側(外側)端部に向かって拡大されている。この実施例には示されていないが、開口部675の横側端部は、好ましくは、図示されるように、それぞれ第1および第2の側部620、621に向けて拡大され、再び、ローブベース651の各側部と一致する。図示された開口部675は、6mmサイズのインプラント60に対する複数の代替開口部構成のうちの1つを表している。図示された開口部675は、インプラント70の開口部775に似ている。
【0064】
図11A~Fを参照するに、インプラント50は、インプラント10、40について上述された通りであってもよく、関連する参照番号を有する以下の構造および/または特徴部を含む。すなわち、本体500、リーディングエッジ/端部501、トレーディングエッジ/端部502、第1の平面505、第2の平面506、中央の平面507、中央の開口部510、中心軸511、第1の側部520、第2の側部521、第1の周囲530、第2の周囲531、第1のエッジ540、第2のエッジ541、周囲壁542、ローブ550、ローブベース551、ローブの終端552、ローブの第1の幅553、ローブの第2の幅554、ローブの第1の厚さ555、ローブの第2の厚さ556、ローブの端部領域558、側部開口部570、案内開口部571、受入れ/取り付け開口部572、および/または開口部573である。インプラント50は、選択肢として、1つ以上のグリッパーを含んでもよく、それぞれグリッパーベースおよびグリッパー終端を備え、それぞれは、選択肢として、グリッパー160、460、グリッパーベース161、461、グリッパー終端162、462、およびインプラント10、40のディボット163と同様に、ディボットと関連つけられる。インプラント50のローブ550は、細孔、隆起、ループ、穴、空間、図示のようにローブ開口部574、溝、または手掛かりを増大させる任意の既知の表面のような、
図1~6に示されるような骨の内部成長および/または成長の特徴部を含んでいてもよい。ローブ開口部574は、多孔質材料で充填されてもよい。
【0065】
インプラント50は、側部開口部570を含む。この実施例は、インプラントの小さいサイズのせいで、リーディング端部501に開口部を欠いている。開口部570は、側部ローブ550のローブベース部551の近傍における周囲壁542の曲げ剛性を低減し、ローブの柔軟性を高める。トレーリングエンド502は、受入れ/取り付け開口部572および横側案内開口部571を含んでいる。この実施例では、トレーリングローブ550のローブベース551近傍に位置される開口部575が、インプラントの小さいサイズの故に、受入れ/取り付け開口部572の両側に単独の開口部571、575が存在するように、案内開口部571と併合されている。開口571、575、572は、ローブ550のローブベース部551付近の周囲壁542の曲げ剛性を減少させ、ローブの柔軟性を高めるために一緒に機能し得る。各開口部675は、左右(右左)方向に沿って細長くされている。この実施例には示されていないが、開口571、575は、好ましくは、拡大部がローブベース551の各側部と一致するように、それらの横側(外側)端部に向かって拡大されている。この実施例には示されていないが、開口部571、575の横側端部は、好ましくは、図示されるように、それぞれ第1および第2の側部520、521に向けて拡大され、再び、ローブベース551の各側部と一致する。図示された開口部571、575は、5mmサイズのインプラント50に対する複数の代替開口部構成のうちの1つを表している。
【0066】
図12を参照すると、
図9Aの7mmインプラント70の第1の異型に対する力対変位曲線が示されている。曲線は有限要素解析によって生成された。この曲線は、200N以下の負荷および0.2mm以下の変位に対する第1の部分780と、300 Nを超える負荷および0.21mmを超える変位に対しての第2の部分782を含んでいる。第1の部分780は、主としてローブを介してのインプラント支持負荷を表している。第2の部分782は、主として周囲壁を介してのインプラント支持負荷を表している。第2の傾斜は、第1の傾斜よりも大きい。膝(KNEE)784すなわち傾斜の変化箇所は、第1の部分780および第2の部分782の間に位置されている。これらの特徴は、インプラント50、60、70、80、90の力対変位曲線の特性である。第1の部分780は、1069N/mmの傾斜と0.9363のR
2値を有し得る。第2の部分782は、40,177N/mmの傾斜と0.9661のR
2値を有し得る。
【0067】
図13を参照すると、3つの力対変位曲線が示されている。曲線786は、
図9Aの7mmインプラント70の第2の異型に対するものである。曲線788は、7mmの従来のPEEKインプラントに対するものである。曲線789は、7mmの従来のチタンインプラントに対するものである。
【0068】
曲線786は、300N以下の負荷および0.2mm以下の変位に対する第1の部分790、および400Nを超える負荷および0.23mmを超える変位に対する第2の部分791を含んでいる。第1の部分790は、主としてローブを介してのインプラント支持負荷を表す。第2の部分791は、主として周囲壁を介してのインプラント支持負荷を表す。第2の傾斜は、第1の傾斜よりも大きい。膝792すなわち傾斜の変化は、第1の部分780および第2の部分782の間に位置されている。第1の部分780は、1333N/mmの傾斜と0.9683のR
2値を有し得る。第2の部分791は、10,274 N/mmの傾斜と0.9917のR
2値を有し得る。曲線786の膝792は、
図12の膝784よりも緩やかである。
【0069】
曲線788は、6283N/mmの傾斜と0.9873のR2値を有することができる。
【0070】
曲線789は、20,909N/mmの傾斜と0.995のR2値を有することができる。
【0071】
図14Aおよび14Bを参照するに、
図9Aの7mmインプラント70の上位半分が有限要素解析カラー勾配プロット(
図14A)に示され、そして再び
図14Bには、カラープロットの代わりに等たわみ線で示されている。周囲壁742は0mm変位を有する。リーディングローブ750の終端752は、点796で.10384mmの変位を有している。右ローブの終端は、ポイント797で 0.093051 mm の変位を有しており、左ローブは右ローブの鏡像で、同じ変位を有している。トレーリングローブの終端は、ポイント798で 0.093075mm の変位を有している。
したがって、点797での変位は、点796での変位の89.6%(10%以内)であり、点796での変位は、点797の変位の111.6%(12%以内)である。
【0072】
本明細書に開示される任意の方法は、記載された方法を実行するための1つ以上のステップまたはアクションを備える。この方法ステップおよび/またはアクションは、相互に交換され、本明細書に記載される椎間体インプラントのすべての実施形態に適用可能である。言い換えれば、実施形態の適切な操作のために特定の順序のステップまたはアクションが必要でない限り、特定のステップおよび/またはアクションの順序および/または使用が変更され得る。
【0073】
本明細書全体を通しての「一実施形態」または「該実施形態」への参照は、その実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。したがって、引用された語句、またはその変化形は、本明細書全体を通して唱えられるとき、必ずしも全てが同一の実施形態を指すわけではない。
【0074】
同様に、上記の実施形態の説明では、開示を合理化する目的で、様々な特徴が単一の実施形態、図、またはその説明にグループ化される場合があることが理解されるべきである。しかしながら、この開示方法は、いかなる請求項も、その請求項で明示的に引用されたものよりも多くの機能を必要とする意図を反映していると解釈されるべきではない。むしろ、以下の請求項が反映しているように、発明的な側面は、任意の単一の先に開示された実施形態の全ての特徴よりも少ない組み合わせにある。したがって、この詳細な説明に続く請求項は、各請求項が別の実施形態として自立して、この詳細な説明に明示的に組み込まれている。この開示は、従属請求項を伴う独立請求項のすべての配列を含んでいる。
【0075】
特徴部または要素に関する用語「第1の」の請求項における記述は、必ずしも第2または追加のそのような特徴部または要素の存在を意味するわけではない。ミーンズプラスファンクションの形式で記載される要素は、米国特許法の第112条第6項.に従って解釈されることを意図している。本発明の基本的原則から逸脱することなく、上記実施形態の詳細に変更を加え得ることは、当業者には明らかであろう。
【0076】
本発明の具体的な実施形態および用途が例示され、説明されているが、本発明は、本明細書に開示される精密な構成および構成要素に限定されないことが理解されるべきである。当業者に明らかな様々な修正、変更、および変形は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に開示された本発明の方法およびシステムの配置、操作、および詳細においてなされ得よう。
【国際調査報告】