(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-30
(54)【発明の名称】逆極性保護を有する表面実装型(SMD)熱電対コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 12/51 20110101AFI20221122BHJP
H01R 4/48 20060101ALI20221122BHJP
H01R 13/03 20060101ALI20221122BHJP
H01R 13/64 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
H01R12/51
H01R4/48 B
H01R13/03 A
H01R13/64
H01R13/03 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519126
(86)(22)【出願日】2019-12-05
(85)【翻訳文提出日】2022-05-19
(86)【国際出願番号】 US2019064609
(87)【国際公開番号】W WO2021061174
(87)【国際公開日】2021-04-01
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522116351
【氏名又は名称】オメガ エンジニアリング, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】OMEGA ENGINEERING, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】リービッヒ, ケネス, ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】アンネン, マシュー
【テーマコード(参考)】
5E021
5E223
【Fターム(参考)】
5E021FA03
5E021FB03
5E021FC31
5E021FC38
5E021JA05
5E021KA05
5E223AB33
5E223AC23
5E223BA27
5E223BA30
5E223CB03
5E223CB22
5E223CB27
5E223CB28
5E223CB31
5E223CB38
5E223CB46
5E223CD01
5E223DB01
(57)【要約】
電気部品をプリント回路板に容易にかつ正確に接合するためのコネクタが提供される。コネクタは、コネクタの向きに応じて装置の正端子および負端子に二者択一的に接続することができる略C字形の導電性要素を備える。このようにして、正端子と負端子の両方への接続を二者択一的に満たし、それによって要素の構造を単純化するために使用することができる1つのコネクタが作られる。コネクタの端部の形状のために、装置は一方向にしか差し込むことができない。コネクタは、一般に「C」形状に曲げられた単一の導電性材料シートから作ることができ、その中に特定のタブおよびカットが作られる。コネクタは、プリント回路板への迅速かつ自動化された接続を可能にするタブと、製造中、めっき中、または保管中にコネクタが緩んで接続されていない状態にある間にコネクタが連動するのを妨げる要素と、を含んでいるので、迅速、正確、かつ低コストの構築のための自動化された手順を使用してコネクタを回路板に追加することが可能になる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ要素であって、
略管状要素を形成するように折り畳まれた単一の導電性材料シート
を備え、前記略管状要素は、第1の端部が正の電気コネクタに適合するように形成され、第2の端部が負の電気コネクタに適合するように形成されるようにそれぞれ形成された前記第1の端部および前記第2の端部を有する細長い軸を有し、
前記略管状要素が、前記略管状要素をプリント回路板に迅速に取り付けることを可能にするタブを備える、コネクタ要素。
【請求項2】
前記導電性材料が、ベリリウム銅であり、ニッケルでめっきされる、請求項1に記載のコネクタ要素。
【請求項3】
前記導電性材料シートが、略「C」字の形に折り畳まれる、請求項1に記載のコネクタ要素。
【請求項4】
前記略管状要素が略「C」字形である、請求項1に記載のコネクタ要素。
【請求項5】
2つの電気コネクタが、電気装置用の接合ソケットを形成するように、逆軸構成で略平行関係で配置される、請求項1に記載のコネクタ要素。
【請求項6】
前記コネクタを配置すると、極性保護のためのポカヨケ接続部が形成される、請求項5に記載のコネクタ要素。
【請求項7】
前記略管状要素が、2つ以上の接続要素が互いに絡み合うのを防止するために、前記細長い軸に対して略垂直な、前記コネクタ要素の上部から突出するタブを備える、請求項1に記載のコネクタ要素。
【請求項8】
プリント回路板に電気装置を接続する方法であって、
導電性材料から1対の略管状要素を形成するステップであって、前記略管状要素がそれぞれ長軸を有し、前記略管状要素の両端部は、前記軸のそれぞれの一端において前記略管状要素がプラグの正プロングに適合するように形成され、前記軸のそれぞれの他端において前記略管状要素がプラグの負プロングに適合するように形成されるように形成される、ステップと、
前記管状要素のそれぞれを前記プリント回路板に略平行構成でかつ逆極性で取り付けかつ電気的に連接して、ソケットコネクタを形成するステップと
を含み、
前記電気装置が、前記略管状要素のそれぞれの一端に差し込まれ、前記プリント回路板と電気的に接続した状態にすることができる、方法。
【請求項9】
前記導電性材料が、ベリリウム銅であり、ニッケルでめっきされる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記管状要素がそれぞれ、略「C」字の形に折り畳まれる、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記対の略管状要素が3つの管状要素である、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
各管状要素が、プリント回路板内での接続/配向を助けるためのタブを備える、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
各略管状要素が、2つ以上の接続要素が互いに絡み合うのを防止するために、前記細長い軸に対して略垂直な、前記コネクタ要素から突出するタブを備える、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント回路板(printed circuit boards)上で使用するための熱電対コネクタ(thermocouple connectors)に関する。より詳細には、本発明は、狭い空間に収まるように薄型であり、1つの設計の正コネクタ/負コネクタとして可逆的であり、プリント回路板上に実装可能なピックアンドプレースマシン(pick and place machine)であり、回路板に接続されるべき装置を回路板内に整合状態でしか差し込むことしかできないように一方向にしか使用することができないエラープルーフ(error proof)(ポカヨケ)設計である接続部を介して逆極性保護を提供するコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
外部の制御部または装置に接続する必要があるプリント回路板が知られており、一般的に使用されている。外部の制御部または装置を取り付ける手段は、通常はコネクタを含んでおり、回路板に開口部を形成し、コネクタを定位置に硬質はんだ付けしなければならない。したがって、この種の接続手段は、1回限りの取り付けを行うために追加の時間を必要としており、疑わしい結果、はんだ付けプロセスによる回路板への損傷、ならびにそのような接続における正確な作業の必要性および熟練労働者の使用による生産の大幅な遅延をもたらしている。さらに、従来技術のコネクタは、通常、正しい極性を気にせずに装置を差し込むことができるような方法で装置の接続を可能にする同一要素であり、誤った方法で差し込まれると装置および回路板に損傷を与える可能性がある。
【0003】
この分野で考慮すべき主な技術は、OmegaのPCC-SMPのような製品であり、この製品は、オス熱電対コネクタをプリント回路板に接続するメス熱電対コネクタである。これは、小型(PCC-SMP)サイズと標準(PCC-OST)サイズの両方で利用可能であり、多様なベンダによって提供される。これらのタイプのレガシーコネクタに関連する不適切さは、これらのコネクタがスルーホール技術であり、したがってユーザがコネクタをプリント回路板に手ではんだ付けする必要があることである(すなわち、これらの製品は表面実装技術を使用しない)。大量用途では、これは非常に高価な手作業となり、または高価な自動化装置を必要とする。この種の製品の追加の不適切さは、製品がPCBに十分熱的に結合されないため、適切な低温接合補償を達成するためにリモート温度センサを使用する必要があることである(例えば、Omega Engineering,Inc.のモデルPCC-SMP-*-Rを参照されたい)。このリモート温度センサは、追加コストをもたらし、実装するのが非常に困難(かつ高価)である。多くの用途で、このリモート温度センサは、適切な冷接点補償を提供しない。この設計の最後に挙げられる不適切さは、この設計を3線抵抗温度検出器(RTD)で使用することができないことである。
【0004】
そのようなコネクタおよび接続プロセスの改善は、以前に利用可能なPAX Instruments表面実装熱電対(SMT)コンタクトに示されている。これはGithubのオープンソース発明であり、Mr.Charles PaxおよびいくつかのオンラインフォロワがこのSMT熱電対コネクタを設計した。この技術の改善された特徴は、コネクタがその時、標準的なピックアンドプレースマシン/PCB自動化で実装可能なSMTであることであった。この設計の理由は、PAX InstrumentsのT400熱電対データロガーの開発を支援するためであったと思われるが、PAXはSMT熱電対コネクタを別々に販売することも決定した。PAXは、注文の受け付け、商品の出荷、および顧客の問い合わせへの対応を停止したので、2017年に事業を停止したようである。したがって、PAXのSMT熱電対コネクタは、もはや利用できない。さらに、PAX装置は、設計に逆極性が組み込まれておらず、したがって、ユーザが熱電対を後方に差し込んで、取り付けられる機器とプリント回路板の両方に損傷を与える可能性があったという点で不適切であることが分かっている。PAX設計は、多くの屈曲部を伴って極めて複雑であり、製造が困難かつ高価であることも分かっている。最後に、この設計はいくつかの複雑な屈曲部を含むので、ユーザが相手側の熱電対コネクタを間違った開放「スロット」に差し込むことが可能であり、その結果、極性は正しいが、不確かな接続になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の一目的は、熱電対などの装置に安全で公称の接続を提供するために、コネクタを回路板により簡単に取り付けるための手段を提供することであり、接続がより安全であり、より少ない材料が使用され、コネクタがより適合しやすくなり、同じ設計を使用して正/負接続のために回転させることができるように、かつ、コネクタで接続されるべき装置が、接続を容易にするとともに、装置およびプリント回路板を保護するために、一方向にしか接続することができないように、起伏の少ないかかるコネクタを製作する。さらに、装置は、1つのコネクタ設計で正端子および負端子を異なる端部に差し込むことができるように、各端部に異なる開口部を設けたコネクタを作り出す単一のユニットであることが望ましいであろう、すなわち、2つのコネクタを互いに平行に逆向きに配置することにより、正しい極性で回路板へのアクセスを提供する接続部が作られ、それによって、負端子および正端子のためにそれぞれ1つの装置を作り出す際の労力時間および費用を節減する。そのような設計により、2線式、3線式、および/またはそれより多い線式のシステム用のソケットを作るために、任意の数の装置を必要な向きで並列に配置することができる。
【0006】
本発明の他の目的および利点は、説明が進むにつれて明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、略管状要素を形成するように折り畳まれた単一の導電性材料シートを備えるコネクタ要素が提供される。略管状要素は、第1の端部が正の電気コネクタに適合することができ、第2の端部が負の電気コネクタに適合することができるようにそれぞれ形成された第1の端部および第2の端部を有する細長い軸を有し、コネクタは、略管状要素をプリント回路板に迅速に取り付けかつ容易に位置合わせすることを可能にするタブを有する。好ましい一実施形態では、コネクタ要素は、ベリリウム銅で作られ、ニッケルでめっきされ、略「C」字の形に折り畳まれた単一の導電性材料シートから作られる。
【0008】
電子接続が所望されるとき、これらの電気コネクタのうちの2つが、電気装置用の接合ソケットを形成するように、逆軸構成で略平行関係で配置される。上記のタブを用いて、コネクタを配置すると、極性保護のためのポカヨケ接続部が形成される。好ましい実施形態では、コネクタは、コネクタ要素をプリント回路板に固着するのを助けるために、コネクタ要素の底部から略垂直に垂れ下がる位置合わせタブを含む。さらに、コネクタは、2つ以上の接続要素が互いに絡み合うのを防止するために、細長い軸に対して略垂直な、コネクタ要素の上部から突出するタブを含む。
【0009】
本発明の装置の使用において、プリント回路板に電気装置を接続する方法が、導電性材料から1対の略管状要素を形成するステップを含み、略管状要素はそれぞれ長軸を有し、略管状要素の両端部は、軸のそれぞれの一端において略管状要素がプラグの正プロングに適合するように形成され、軸のそれぞれの他端において略管状要素がプラグの負プロングに適合するように形成されるように形成される。次いで、管状要素のそれぞれをプリント回路板に略並列構成でかつ逆極性で取り付けかつ電気的に連接して、ソケットコネクタを形成するステップ。このようにして、そのように構成されると、電気装置は、略管状要素のそれぞれの一端内に差し込まれ、プリント回路板と電気的に接続することができる。
【0010】
この方法に使用される装置は、好ましくは導電性であり、ニッケルでめっきされたベリリウム銅などの材料のシートで作られる。これらの装置は、材料のシートを略「C」字の形に折り畳むことによって単純に作られる。場合によっては、装置が3つ以上のプロングを有する場合、装置のうちの3つ以上がプラグ要素を収容するために使用され得る。
【0011】
そのような装置をプリント回路板により容易に取り付けるために、装置を使用する方法は、プリント回路板内での接続を助けるためのタブを含めることを含み、2つ以上の接続要素が互いに絡み合うのを防止するために、細長い軸位置に対して略垂直な、コネクタ要素から突出する第2のタブを含むことができる。
【0012】
本発明のより詳細な説明は、以下の記述および特許請求の範囲に提供され、添付の図面に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】回路板上の定位置にある従来技術の第2のコネクタの斜視図である。
【
図3】回路板上に配置される従来技術のコネクタの分解斜視図である。
【
図6】プリント回路板上の定位置にあり、外部装置に接続されている、本発明のコネクタの平面図であり、コネクタ内の装置の配置を示すために部分的に切り取られている。
【
図7】プリント回路板上の定位置にあり、外部装置に接続されている、本発明のコネクタの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は様々な形の実施形態が可能であるが、以下でより詳細に論じられるいくつかの現在好ましい実施形態が図面に示されている。本開示は、本発明の例示と見なされるべきであり、本発明を例示された特定の実施形態に限定することを意図するものではないことが理解されるべきである。本出願のこのセクションの表題(「Detailed Description of the Illustrative Embodiment」)は、米国特許庁の要件に関連しており、本明細書に開示される主題を限定するものと認識されるべきではないことがさらに理解されるべきである。
【0015】
図面を参照すると、従来技術のコネクタが
図1および
図2に斜視図で示されている。
図1の装置10は、電子導電性を有する折り畳まれた材料と、プリント回路板に接続し、プリント回路板と熱電対などの外部装置との接続部を形成する手段と、を備え、装置10は、接続されると、上記装置が回路板を構成することによる識別のために、温度の測定を行い、回路板に情報を提供することにより、第3の製品の温度など、そのようなものを測定するために使用され得る装置を形成することが分かる。
図1の装置10は、互いに隣接して逆構成で示されている同じPaxコネクタであり、したがって、各コネクタの開口部2は同じであり、意図的に、任意のサイズのプロング、異なる幅か同じ幅のどちらかを、両側開口部に組み込むことができ、場合によっては、そこに差し込まれた装置で誤った極性につながることが分かる。Pax装置10は、装置を回路板上に配置することを可能にするタブ4を含む。
図2の装置10は、プリント回路板14に取り付けられる金属要素12を備えているので、回路板14を構成する要素による測定、および任意のタイプの表示装置上での表示のための、オス熱電対コネクタ16から回路板14への電子の流れが可能になる。装置10は、
図3に示すように、開口部20を通って回路板14内に押し込まれる細長いコネクタ要素18を備える、依然として使用されているより複雑なコネクタであり、したがって、装置10は、通常ははんだ付けによって回路板14に取り付けることができる。このような接続は、従来技術では、回路板に開口部を作り、装置を回路板内に押し込み、装置を回路板上に手ではんだ付けし、回路板と電子通信することによって行われることを当業者なら理解するであろう。そのようなプロセスは、回路板上に適切で長持ちする接続部を形成するために、膨大な時間および熟練した作業者の使用を必要とする。コネクタ10は、熱電対などの外部機器を差し込むことができる開口部22をさらに含む複雑な要素である。開口部22は、プラグを一方向にしか差し込むことができないようにサイズによって区別されることが分かる。
【0016】
ここで
図4および
図5を参照すると、本発明の装置30の2つの図が示されている。
図4は、装置30を立面図で示す。好ましい一実施形態では、装置30は、単一の導電性材料シートから作られ、この好ましい実施形態では、材料は、ニッケルめっきされた、ベリリウムと銅のアマルガムであり、このアマルガムは、優れた導電性を可能にし、所望の形状の曲げおよび形成を可能にし、かつ腐食に耐性がある。本発明の新規な範囲から逸脱することなく、他の多くの材料、アマルガメーション、合金、および他の材料タイプを本明細書で代用できることが理解されよう。
図5の、装置30の斜視図では、導電性材料シートを曲げた最終製品が、略C字形を形成する上壁32、底壁34、および側壁36を有する略C字形要素であることがより明確に分かる。底壁34から垂れ下がり、底壁に対して略垂直に延びるのが接続タブ38であり、接続タブは、ピックアンドプレース自動設置のために、当業者に知られている方法でプリント回路板上の装置30の位置を固定するために使用される。上壁32から配置され、上壁に対して略垂直に延びるのが大きいタブ40であり、このタブは、装置30を他の装置30と絡み合わない状態にしておくために設けられる。
【0017】
装置30は、
図5に示すように、図の方向に見ると、装置30の左側42および右側44が異なる上部部材42tおよび44tで作られていることを明確に示している。上部部材42tは、上部32から垂れ下がる中央湾曲部分42cと、やはり上部32から垂れ下がっているがより大きく角度を付けられた(
図4に示すように、底壁34の上部34tに接触するように作られた)2つの端部部材42eと、を含むことが分かる。これに対して、上部部材44tは、中央湾曲部分42cと同様に湾曲した一体要素である。各装置30は、以下でより詳細に説明するように、電子機器の正端子と負端子の両方のためのコネクタをこのようにして1つの要素で提供するように作られる。上部部材42tおよび44tの違いにより、対(または3線式における3つのコネクタの使用を含む他の構成)で正しく組み立てられると、一方の装置30は、従来技術の装置10(
図3)が要素22で行うように、電子要素の異なるプロングに対応することができる。
【0018】
ここで
図6および
図7を参照すると、回路板14上で装置30を組み合わせて使用したものが示されている。
図6は、装置30内の定位置にある電子要素50を示し、装置30に関して、接続プロング52の形状およびサイズをより明確に示すようにするために、装置30は、プロング52の相対サイズを装置に対してより良く示すことができるように、部分的に切り取られて示されている(
図7の同じ構造を比較してください)。
図6において、負プロング52nは、正プロング52pよりも大きい幅を有していることが分かり、これは、かかる要素上の負プロングおよび正プロングの標準的な構成である。このようにして、装置30のユーザは、本発明の装置をその上に有している回路板14内に電子要素50を一方向にしか差し込むことができない(すなわち、要素50を上下逆さまにし、プロング52n、52pを装置30内に差し込もうとすると、プロングのサイズおよび装置30の開口部の付随するサイズのせいで機能しない)、これは、どちらかの極性を誤って反転させることの有害な影響から要素50および回路板14を保護するためである。
図6に示されているように、
図5で見ると、幅の広いプロング52nは、その中に大きな開口部を有している右側要素44内にのみ嵌合することができ、どちらの側にも配置することができる幅の狭いプロング52pは、装置30内にプロング52pのぴったりフィットを作り出すとともに、装置内への幅広のプロング52nの誤った導入に対する障壁を作り出すのを助ける脚要素42eを有する左側要素42内に配置されるのによりよく適している。このようにして、互いに逆向きの2つの装置30からなるコネクタは、要素50のプラグ要素のためのソケット60を形成する。1つの要素である装置30を用いると、正しい数の個々の装置30が装置からのプロングの数に対応するように必要に応じて互いに並んで配向された状態で、任意の構成のプラグを形成できることが理解されよう。本発明の装置は、逆極性保護を確実にするために非対称設計を組み込むすべてのSMT実装可能熱電対コネクタを網羅することを当業者なら理解するであろう。装置は、熱電対専用ではなく、RTDおよびサーミスタを含むすべての電気ベースの温度センサにも使用できることも理解されたい。
【0019】
図7は、電子要素50と本発明のソケット60との接続を示す。プロング52pは、プロング52pが側面内に端部部材42eによってしっかりと保持されかつ電気的に通信する状態で、側面42内に嵌合しているのが明確に示されており、プロング52nは、電子的に通信する状態で、端部44の上部44tおよび底部34内に保持されて示されており、すべてが回路板14への電気回路接続要素50を形成する。各装置30は、他方の装置30から逆向きで定位置に示されており、両装置はソケット60を形成し、したがって、単一スタイルの要素30を用いて、それにより、指定された目的を達成するために1つの設計だけが必要とされることでかかる装置を製造するプロセスを単純化することが、回路板の取付点を作るために使用されることを示す。
【0020】
1種類の装置30しか必要とされないので、製造が単純化され、かかる要素を使用してプリント回路板を作るプロセスが単純化され加速される。より完全に自動化された方法でエラーが減少し、より良い回路板が生産され、それによって生産能力を高めるとともに、よりクリーンでよりバグの少ない動作をもたらす。
【0021】
具体的に要約すると、本発明は、逆極性保護を有する表面実装型熱電対コネクタ(PCC-SMD)である。主な用途は熱電対センサであるが、熱電対専用ではない。本発明の設計は、抵抗温度検出器(RTD)およびサーミスタを含むすべての電気ベースの温度センサに使用することができる。従来のもはや利用できないPAX技術と同様に、この熱電対コネクタは表面実装型装置であり、このコネクタが標準的なピックアンドプレースマシン/PCB自動化の自動化準備ができていることを意味する。このSMDスタイルの熱電対コネクタは、PCB製造業者の労力およびコストを節減するので、このコネクタを大量用途にとって非常に魅力的なものにする。本発明は、既存のコネクタに対する少なくとも3つの主な改良点を有しており、これらの中でも下記が挙げられる。
【0022】
1)本発明は、「エラープルーフ」(ポカヨケ)にする逆極性保護を提供する。PCC-SMDは、ユーザが対合する熱電対コネクタを後方にまたは上下逆さまに差し込むことができないように機械的阻止する特定の特徴を考慮して設計される。本発明のこの装置は非対称であり、PCB製造業者が、PCB設計者が意図した方法でコネクタを取り付けなければならないことを確実にする。
【0023】
2)第2の改良点は、本発明の装置の高さを従来の既存の装置よりもはるかに薄くすることができることである。上記で開示された既存の装置の高さは3.27mmであるのに対して、本発明の装置は、好ましい一実施形態では、装置の最大点で2.36mmである(同じ設置面積で高さを28%減少)。これは、進歩するエレクトロニクス産業において重要である、より薄い電子機器およびケーシング内のより密なPCBパッキングを可能にするので、注目に値する。
【0024】
3)第3の改良点は、本発明が2つの一次屈曲部しか組み込んでおらず、単純な「c」字形の幾何学形状になるのに対して、上記で開示した既存の装置は4つの一次屈曲部を有しており、「e」字形の幾何学形状になることである。したがって、既存の装置は、55%多い原材料を必要とし、はるかに複雑なツーリングがなされる必要もある。これにより、本発明の装置は、はるかに容易に製造可能になり、製作がより経済的にもなる。
【0025】
本発明の例示的な実施形態について示し説明してきたが、本発明の新規な精神および範囲から逸脱することなく、様々な修正および置換が当業者によってなされ得ることを理解されたい。
【国際調査報告】