(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-30
(54)【発明の名称】アンテナの信号品質制御装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H04B 17/309 20150101AFI20221122BHJP
H01Q 3/08 20060101ALI20221122BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20221122BHJP
H04W 72/08 20090101ALI20221122BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20221122BHJP
【FI】
H04B17/309
H01Q3/08
H04W16/28
H04W72/08
H04W24/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519249
(86)(22)【出願日】2020-09-29
(85)【翻訳文提出日】2022-03-25
(86)【国際出願番号】 KR2020013334
(87)【国際公開番号】W WO2021066520
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】10-2019-0122098
(32)【優先日】2019-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0037380
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】508112782
【氏名又は名称】ケーエムダブリュ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドゥク ヨン キム
(72)【発明者】
【氏名】ミン ソン ユン
【テーマコード(参考)】
5J021
5K067
【Fターム(参考)】
5J021AA01
5J021DA04
5J021DA07
5J021GA02
5J021HA05
5J021HA10
5K067AA13
5K067DD11
5K067DD43
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE22
5K067KK02
(57)【要約】
【課題】アンテナの回動角度を簡易に調整することができ、満足度の高いアンテナの信号品質を提供することのできる、アンテナの信号品質測定装置を提供する。
【解決手段】
本発明のアンテナの信号品質測定装置は、ネットワーク内の所定位置に配置された複数の端末装置から信号品質測定データを受信する通信部と、前記複数の端末装置のうち何れか一つから受信された信号品質測定データに基づいてアンテナの信号品質測定値を演算する信号品質演算部と、前記アンテナの信号品質目標値と、前記演算された信号品質測定値とを比較し、その差値に応じて前記アンテナの回動方向及び角度を決定する回動決定部と、前記決定されたアンテナの回動方向及び角度情報を含む調整信号を前記アンテナの回動を調整するクランピング装置に送信する制御部と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク内の所定位置に配置された複数の端末装置から信号品質測定データを受信する通信部と、
前記複数の端末装置のうち何れか一つから受信された信号品質測定データに基づいてアンテナの信号品質測定値を演算する信号品質演算部と、
アンテナの信号品質目標値と、前記演算された信号品質測定値とを比較し、その差値に応じて前記アンテナの回動方向及び角度を決定する回動決定部と、を含み、
クランピング装置を、前記決定されたアンテナの回動方向及び角度情報を含む調整信号に基づいて回動調整する、アンテナの信号品質制御装置。
【請求項2】
前記調整信号を前記アンテナの回動を調整するために前記クランピング装置に送信する、制御部をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のアンテナの信号品質制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記複数の端末装置のうち、予め決められた順番に従って何れか一つに信号品質測定データを要請し、
前記調整信号に応じてアンテナの回動が調整された後に、次の順番の端末装置に信号品質測定データを要請することを特徴とする、請求項2に記載のアンテナの信号品質制御装置。
【請求項4】
前記回動決定部は、
前記アンテナの信号品質目標値と、前記次の順番の端末装置から受信された信号品質測定データに基づいて演算された信号品質測定値との第2差値が、以前に演算された第1差値より小さいと、前記アンテナの回動方向を、以前に決定された回動方向と同一の方向と決定し、そうではないと反対方向と決定することを特徴とする、請求項3に記載のアンテナの信号品質制御装置。
【請求項5】
前記回動決定部は、
前記差値が0ではないか、所定の誤差範囲から外れると、前記アンテナの信号品質が目標値を満たさないと判断し、前記アンテナの左右方向への回動角度を決定することを特徴とする、請求項2に記載のアンテナの信号品質制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記複数の端末装置から順に受信された信号品質測定データに基づいて前記アンテナの左右方向への回動角度が調整された後に、前記アンテナの信号品質が目標値を満たさないと、前記複数の端末装置のうち、予め決められた順番に従って何れか一つに信号品質測定データを再要請することを特徴とする、請求項5に記載のアンテナの信号品質制御装置。
【請求項7】
前記回動決定部は、
前記端末装置から受信された信号品質測定データが再び受信されたデータであると、前記アンテナの上下方向への回動角度を決定することを特徴とする、請求項6に記載のアンテナの信号品質制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記複数の端末装置から順に受信された信号品質測定データに基づいて前記アンテナの左右方向への回動角度が調整された後に、前記アンテナの信号品質が目標値を満たすと、前記アンテナの回動を中断すると決定することを特徴とする、請求項5に記載のアンテナの信号品質制御装置。
【請求項9】
前記クランピング装置は、前記アンテナが上下方向にティルティング回動可能に結合されるティルティングユニットと、前記アンテナが左右方向にロテーティング回動可能に結合されるローテーションユニットと、を含み、
前記制御部は、前記調整信号を前記クランピング装置に送信し、
前記ティルティングユニットを用いて前記アンテナを上下方向にティルティング回動させ、
前記ローテーションユニットを用いて前記アンテナを左右方向にロテーティング回動させるように制御することを特徴とする、請求項2に記載のアンテナの信号品質制御装置。
【請求項10】
前記クランピング装置は、前記調整信号を受信すると、
電気的に駆動されるように前記ティルティングユニットに含まれているティルティング回動モータを駆動させることで、前記ティルティングユニットを上下方向にティルティング回動させ、
電気的に駆動されるように前記ローテーションユニットに含まれているロテーティング回動モータを駆動させることで、前記ローテーションユニットを左右方向にロテーティング回動させることを特徴とする、請求項9に記載のアンテナの信号品質制御装置。
【請求項11】
ネットワーク内の所定位置に配置された複数の端末装置のうち、予め決められた順番に従って何れか一つに信号品質測定データを要請するステップと、
前記何れか一つの端末装置から受信された信号品質測定データに基づいてアンテナの信号品質測定値を演算するステップと、
前記アンテナの信号品質目標値と、前記演算された信号品質測定値とを比較し、その差値に応じて前記アンテナの回動方向及び角度を決定するステップと、
前記決定されたアンテナの回動方向及び角度情報を含む調整信号を、前記アンテナの回動を調整するクランピング装置に送信するステップと、を含むことを特徴とする、アンテナの信号品質制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナの信号品質制御装置及び方法(APPARATUS AND METHOD FOR CONTROLLING SIGNAL QUALITY OF ANTENNA)に関し、より詳細には、アンテナの回動角度を簡易に調整することができ、満足度の高いアンテナの信号品質を提供することができるアンテナの信号品質制御装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、移動通信基地局のネットワークを最適化するために、車両を利用してネットワーク内で信号測定装置を移動させながら信号品質を測定していた。この際、信号測定装置により測定された信号品質に応じて、アンテナの垂直及び/または水平角度調整値を手動で入力してアンテナの角度を調整することで、ネットワークの最適化が行われていた。
【0003】
しかしながら、従来技術によると、計算された垂直及び/または水平角度調整値を一々入力する必要があり、アンテナの角度を手動で調整しなければならないという不便さがあった。また、信号測定のために、毎度車両を移動させながら測定しなければならないため、信号品質を調整するための時間がかなりかかるだけでなく、車両が移動しない際には信号品質の測定が困難であるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、クランピング装置を用いてアンテナのローテーションユニット及び/またはティルティングユニットの角度を調整するに際し、所定位置に配置された端末装置により測定された信号品質に応じて、アンテナのローテーションユニット及び/またはティルティングユニットの回動方向及び角度を決定してクランピング装置に出力することで、アンテナの回動角度を簡易に調整できるようにした、アンテナの信号品質制御装置及び方法を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、ネットワーク内の互いに異なる位置に配置されたそれぞれの端末装置に対して順にアンテナの左右回動を調整し、目標値を満たさないと上下回動を順に調整することで、満足度の高いアンテナの信号品質を提供するようにした、アンテナの信号品質制御装置及び方法を提供することにある。
【0006】
本発明の技術的課題は以上で言及した技術的課題に制限されず、言及していないさらに他の技術的課題は、下記の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明の一実施形態に係るアンテナの信号品質制御装置は、ネットワーク内の所定位置に配置された複数の端末装置から順に信号品質測定データを受信する通信部と、前記複数の端末装置のうち何れか一つから受信された信号品質測定データに基づいてアンテナの信号品質測定値を演算する信号品質演算部と、前記アンテナの信号品質目標値と、前記演算された信号品質測定値とを比較し、その差値に応じて前記アンテナの回動方向及び角度を決定する回動決定部と、を含み、クランピング装置を、前記決定されたアンテナの回動方向及び角度情報を含む調整信号に基づいて回動調整する。
【0008】
ここで、前記調整信号を、前記アンテナの回動を調整するために前記クランピング装置に送信する制御部をさらに含むことができる。
【0009】
前記制御部は、前記複数の端末装置のうち、予め決められた順番に従って何れか一つに信号品質測定データを要請し、前記調整信号に応じてアンテナの回動が調整された後に、次の順番の端末装置に信号品質測定データを要請することを特徴とする。
【0010】
前記回動決定部は、前記アンテナの信号品質目標値と、前記次の順番の端末装置から受信された信号品質測定データに基づいて演算された信号品質測定値との第2差値が、以前に演算された第1差値より小さいと、前記アンテナの回動方向を、以前に決定された回動方向と同一の方向と決定し、そうではないと反対方向と決定することを特徴とする。
【0011】
前記回動決定部は、前記差値が0ではないか、所定の誤差範囲から外れると、前記アンテナの信号品質が目標値を満たさないと判断し、前記アンテナの左右方向への回動角度を決定することを特徴とする。
【0012】
前記制御部は、前記複数の端末装置から順に受信された信号品質測定データに基づいて前記アンテナの左右方向への回動角度が調整された後に、前記アンテナの信号品質が目標値を満たさないと、前記複数の端末装置のうち、予め決められた順番に従って何れか一つに信号品質測定データを再要請することを特徴とする。
【0013】
前記回動決定部は、前記端末装置から受信された信号品質測定データが再び受信されたデータであると、前記アンテナの上下方向への回動角度を決定することを特徴とする。
【0014】
前記制御部は、前記複数の端末装置から順に受信された信号品質測定データに基づいて前記アンテナの左右方向への回動角度が調整された後に、前記アンテナの信号品質が目標値を満たすと、前記アンテナの回動を中断すると決定することを特徴とする。
【0015】
前記クランピング装置は、前記アンテナが上下方向にティルティング回動可能に結合されるティルティングユニットと、前記アンテナが左右方向にロテーティング回動可能に結合されるローテーションユニットと、を含み、前記制御部は、前記調整信号を前記クランピング装置に送信し、前記ティルティングユニットを用いて前記アンテナを上下方向にティルティング回動させ、前記ローテーションユニットを用いて前記アンテナを左右方向にロテーティング回動させるように制御することを特徴とする。
【0016】
前記クランピング装置は、前記調整信号を受信すると、電気的に駆動されるように前記ティルティングユニットに含まれているティルティング回動モータを駆動させることで、前記ティルティングユニットを上下方向にティルティング回動させ、電気的に駆動されるように前記ローテーションユニットに含まれているロテーティング回動モータを駆動させることで、前記ローテーションユニットを左右方向にロテーティング回動させることを特徴とする。
【0017】
また、上記の目的を達成するための本発明の一実施形態に係るアンテナの信号品質制御方法は、ネットワーク内の所定位置に配置された複数の端末装置のうち、予め決められた順番に従って何れか一つに信号品質測定データを要請するステップと、前記何れか一つの端末装置から受信された信号品質測定データに基づいてアンテナの信号品質測定値を演算するステップと、前記アンテナの信号品質目標値と、前記演算された信号品質測定値とを比較し、その差値に応じて前記アンテナの回動方向及び角度を決定するステップと、前記決定されたアンテナの回動方向及び角度情報を含む調整信号を、前記アンテナの回動を調整するクランピング装置に送信するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、クランピング装置を用いてアンテナのローテーションユニット及び/またはティルティングユニットの角度を調整するに際し、所定位置に配置された端末装置により測定された信号品質に応じて、アンテナのローテーションユニット及び/またはティルティングユニットの回動方向及び角度を決定してクランピング装置に出力することで、アンテナの回動角度を簡易に調整することができる効果がある。
【0019】
また、本発明は、ネットワーク内の互いに異なる位置に配置されたそれぞれの端末装置に対して順にアンテナの左右回動を調整し、目標値を満たさないと上下回動を順に調整することで、満足度の高いアンテナの信号品質を提供することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係るアンテナの信号品質制御装置が適用されたシステム構成を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るアンテナの信号品質制御装置が適用されたシステムにおける電子端末の配置の実施形態を示す図である。
【
図3】アンテナの上下方向のティルティング回動及び左右方向のロテーティング回動が可能であるように備えられたクランピング装置を示す斜視図である。
【
図4】
図3のクランピング装置によるアンテナのティルティング回動及びロテーティング回動の様子を示す図である。
【
図5】
図3のクランピング装置によるアンテナのティルティング回動及びロテーティング回動の様子を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るアンテナの信号品質制御装置の構成を示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るアンテナの信号品質制御装置の動作を説明するにおいて参照される実施形態を示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係るアンテナの信号品質制御方法の動作を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の一実施形態に係るアンテナの信号品質制御方法の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一部の実施形態を例示的な図面により詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加するにあたり、同一の構成要素に対しては、たとえ異なる図面上に表示されても、できる限り同一の符号を有するようにしていることに留意すべきである。また、本発明の実施形態を説明するにあたり、関連した公知構成または機能についての具体的な説明が本発明の実施形態の理解を妨害すると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0022】
本発明の実施形態の構成要素を説明するに際し、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用し得る。かかる用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものにすぎず、その用語により、該当構成要素の本質や順番または順序などが限定されない。また、別に定義されない限り、技術的または科学的な用語を始めとするここで用いられる全ての用語は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。一般に用いられる辞書に定義されているような用語は、関連技術が文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈すべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0023】
図1は本発明に係る装置が適用されたシステム構成を示した図であり、
図2は本発明の一実施形態に係るアンテナの信号品質制御装置が適用されたシステムでの電子端末の配置の実施形態を示した図であり、
図3はアンテナの上下方向のティルティング回動及び左右方向のロテーティング回動が可能であるように備えられたクランピング装置を示した斜視図であり、
図4及び
図5は
図3のクランピング装置によるアンテナのティルティング回動及びロテーティング回動の様子を示した図である。
【0024】
図1を参照すると、システムは、アンテナ1と、前記アンテナ1の左右方向及び/または上下方向の回動角度を調整するクランピング装置10と、ネットワーク内の所定位置で前記アンテナ1の信号品質を測定するための複数の端末装置20と、前記端末装置20より測定された信号品質に応じて前記アンテナ1の回動を決定し、前記クランピング装置10に送信する信号品質制御装置100と、を含むことができる。
【0025】
アンテナ1は、所定の信号を外部の通信装置に送信する送信アンテナモジュール(不図示)と、外部の通信装置から伝送された信号を受信する受信アンテナモジュール(不図示)と、を含むことができる。一例として、送信アンテナモジュールは、ネットワーク内の所定位置に配置された端末装置20に品質測定データの要請信号を送信し、受信アンテナモジュールは、該当端末装置20から伝送された品質測定データを受信することができる。この際、受信アンテナモジュールは、ネットワーク内に配置された複数の端末から順に品質測定データを受信することができる。
【0026】
ここで、アンテナ1は、実施形態によって、複数個が備えられることができる。
【0027】
クランピング装置10は、アンテナ1が上下方向にティルティング回動可能に結合されるティルティングユニット11と、アンテナ1が左右方向にロテーティング回動可能に結合されるローテーションユニット12と、を含むことができる。ここで、ティルティングユニット11及び/またはローテーションユニット12は、アンテナ1の設置のための支柱ポール(図面符号不表記)と直接結合されてもよく、他のユニット(例えば、
図3に参照された図面符号13の結合ユニット)により間接的に結合されてもよい。
【0028】
クランピング装置10は、信号品質制御装置100から左右方向への回動角度調整値が受信されると、ローテーションユニット12を駆動させ、アンテナ1が左右方向に所定角度ロテーティング回動するようにする。また、クランピング装置10は、信号品質制御装置100から上下方向への回動角度調整値が受信されると、ティルティングユニット11を駆動させ、アンテナ1が上下方向に所定角度ティルティング回動するようにする。
【0029】
複数の端末装置20は、アンテナ1の信号品質を測定し、測定された品質測定データを提供する装置であり、位置が固定された装置であってもよく、位置移動が可能な装置であってもよい。ここで、複数の端末装置20、例えば、第1端末21、第2端末22、第3端末23、及び第4端末24は、ネットワーク内でそれぞれ互いに異なる位置に配置されることができる。これについての実施形態は、
図2を参照することとする。
【0030】
図2に示されるように、第1端末21、第2端末22、第3端末23、及び第4端末24のそれぞれの位置で、アンテナ1から送受信される信号の品質を測定する。この際、第1端末21、第2端末22、第3端末23、及び第4端末24は、信号品質制御装置100からの要請がある場合にアンテナ1の信号品質を測定し、品質測定データを信号品質制御装置100に送信する。
【0031】
複数の端末装置20は、通信機能が備えられた電子端末が相当する。一例として、電子端末は、移動電話(mobile phone)、タブレットPC(tablet personal computer)、デスクトップPC(desktop PC)、ラップトップPC(laptop PC)、ネットブックコンピュータ(netbook computer)、PDA(personal digital assistant)、及びPMP(portable multimedia player)などのような形態で実現されることができる。一方、端末装置20は、ドローンの形態で実現されてもよく、ドローンに取り付けられてもよい。この場合、端末装置20は単一個が備えられることができる。端末装置20は、ドローンの特性を利用して、位置移動しながら対象位置におけるアンテナ1の信号品質を測定することができる。
【0032】
信号品質制御装置100は、ネットワーク内の所定位置に配置された複数の端末装置20のうち何れか一つに品質測定データを要請し、該当端末装置20から受信された品質測定データに基づいて、アンテナ1の左右方向及び/または上下方向への回動角度調整値を決定し、決定された回動角度調整値を含む調整信号をクランピング装置10に送信する。信号品質制御装置100は、クランピング装置10に調整信号を送信した後、複数の端末装置20のうち次の順番の端末装置20に品質測定データを要請し、同様に、該当端末装置20から受信された品質測定データに基づいて、アンテナ1の左右方向のロテーティング及び/または上下方向のティルティングに対する回動角度調整値を決定し、決定された回動角度調整値を含む調整信号をクランピング装置10に送信することができる。
【0033】
このように、信号品質制御装置100は、複数の端末装置20から順に受信される信号品質データを用いて、アンテナ1の左右方向及び/または上下方向への回動角度調整値を順に決定することができる。これにより、クランピング装置10は、順にアンテナ1の左右方向及び/または上下方向への回動角度を調整する。
【0034】
より詳細には、クランピング装置10は、
図3で参照されるように、送信アンテナモジュールにより端末装置20に品質測定データの要請信号を送信した後、受信アンテナモジュールにより該当端末装置20から伝送された品質測定データを受信する動作により、アンテナ1の現在の信号品質を測定し、信号品質制御装置100より前記決定された回動角度調整値に基づいて、アンテナ1をローテーションユニット12を用いて左右方向にロテーティング回動させるか、上下方向にティルティング回動させることができる。
【0035】
図面に示されていないが、クランピング装置10には、電気的に駆動され、ティルティングユニット11のティルティング回動駆動力を提供するティルティング回動モータと、電気的に駆動され、ローテーションユニット12のロテーティング回動駆動力を提供するロテーティング回動モータと、が備えられることができる。ティルティング回動モータとロテーティング回動モータは、クランピング装置10の外部に備えられた別の電源部により電源の供給を受けることができる。
【0036】
信号品質制御装置100の構成のうち後述の制御部110からクランピング装置10のティルティング回動角度調整値が受信されると、
図3及び
図4で参照されるように、ティルティングユニット11のティルティング回動点T1を中心に、ティルティングユニット11が上下方向にティルティング回動されながらアンテナ1の方向性が調整されることができる。なお、信号品質制御装置100の構成のうち後述の制御部110からクランピング装置10のロテーティング回動角度調整値が受信されると、
図3及び
図5で参照されるように、ローテーションユニット12のロテーティング回動点L1を中心に、ローテーションユニット12が左右方向にロテーティング回動されながらアンテナ1の方向性が調整されることができる。
【0037】
本発明に係る信号品質制御装置100は、クランピング装置10と別の装置で実現され、別の通信連結手段により通信連結されることができる。一方、信号品質制御装置100は、クランピング装置10の内部に実現されてもよい。信号品質制御装置100の具体的な構成及び動作についての詳細説明は、後述の
図6以下の実施形態を参照して詳細に説明する。
【0038】
図6は、本発明の一実施形態に係る信号品質制御装置の構成を示した図である。
図6を参照すると、信号品質制御装置100は、制御部110と、通信部120と、格納部130と、信号品質演算部140と、回動決定部150と、を含むことができる。ここで、本実施形態に係る信号品質制御装置100の制御部110、信号品質演算部140、及び/または回動決定部150は、少なくとも一つ以上のプロセッサ(processor)として実現されることができる。
【0039】
先ず、制御部110は、信号品質制御装置100の各構成要素の間に伝達される信号を処理することができる。
【0040】
通信部120は、ネットワーク内の所定位置にそれぞれ配置された複数の端末装置20との通信インタフェースを支援する第1通信モジュールを含むことができる。一例として、第1通信モジュールは、無線インターネット接続のためのモジュールまたは近距離通信(Short Range Communication)を含むことができる。ここで、無線インターネット技術としては、無線 LAN(Wireless LAN、WLAN)、ワイブロ(Wireless Broadband、Wibro)、ワイファイ(Wi-Fi)、及び/またはワイマックス(World Interoperability for Microwave Access、Wimax)などが挙げられる。また、近距離通信技術としては、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)、ジグビー(ZigBee)、UWB(Ultra-Wideband)、RFID(Radio Frequency Identification)、及び/またはアイアールディーエイ(Infrared Data Association、IrDA)などが含まれることができる。一方、通信部120は、クランピング装置10との通信インタフェースを支援する第2通信モジュールをさらに含んでもよい。ここで、第2通信モジュールは、有線または無線方式の通信技術を支援することができる。
【0041】
格納部130は、信号品質制御装置100の動作に必要なデータ及び/またはアルゴリズムなどを格納することができる。一例として、格納部130には、複数の端末装置20のうちN番目の端末装置20から受信されたデータに基づいて信号品質測定値を演算するための命令及び/またはアルゴリズムが格納されることができる。また、格納部130には、先に演算されたアンテナ1の信号品質に応じてアンテナ1の回動方向及び角度を決定するための命令及び/またはアルゴリズムが格納されてもよい。ここで、格納部130は、ラム(Random Access Memory、RAM)、SRAM(Static Random Access Memory)、ロム(Read-Only Memory、ROM)、PROM(Programmable Read-Only Memory)、及び/またはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などのような格納媒体を含むことができる。
【0042】
制御部110は、通信部120を介して、ネットワーク内に配置された複数の端末装置20のうち何れか一つの端末装置20に信号品質測定データを要請することができる。一例として、ネットワーク内に配置された複数の端末装置20が第1端末21、第2端末22、第3端末23、及び第4端末24を含み、第1端末21~第4端末24は、それぞれネットワーク内の異なる位置に配置されていると仮定したときに、制御部110は、第一の順番の第1端末21に信号品質測定データを要請することができる。
【0043】
この際、制御部110は、第1端末21から受信された信号品質測定データ、すなわち、第1データに基づくアンテナ1の信号品質測定が完了されると、次の順番である第2端末22に信号品質測定データを要請することができる。
【0044】
また、制御部110は、第2端末22から受信された信号品質測定データ、すなわち、第2データに基づくアンテナ1の信号品質測定が完了されると、次の順番である第3端末23に信号品質測定データを要請することができる。
【0045】
同様に、制御部110は、第3端末23から受信された信号品質測定データ、すなわち、第3データに基づくアンテナ1の信号品質測定が完了されると、次の順番である第4端末24に信号品質測定データを要請することができる。
【0046】
制御部110は、第4端末24から受信された信号品質測定データ、すなわち、第4データに基づくアンテナ1の信号品質測定が完了され、測定されたアンテナ1の信号品質が目標値を満たすと、関連動作を終了することができる。一方、制御部110は、第4データに基づいて測定されたアンテナ1の信号品質が目標値を満たさないと、第1端末21~第4端末24に順に信号品質測定データを再要請することもできる。
【0047】
信号品質演算部140は、ネットワーク内に配置された複数の端末装置20から受信された信号品質測定データに基づいて、アンテナ1の信号品質を演算する。この際、信号品質演算部140は、複数の端末装置20のうち何れか一つの端末装置20から信号品質測定データが受信されると、該当端末装置20から受信された信号品質測定データに基づいてアンテナ1の信号品質を演算する。信号品質演算部140は、演算された信号品質測定値を格納部130に格納するか、回動決定部150及び/または制御部110に伝達することができる。その後、信号品質演算部140は、次の順番の端末装置20から信号品質測定データが受信されると、受信された信号品質測定データに基づいてアンテナ1の信号品質を演算することができる。
【0048】
ここで、信号品質演算部140は、端末装置20から受信された信号品質測定データに基づいて信号品質測定値を演算するアルゴリズムを用いて信号品質測定値を獲得してもよい。この際、信号品質測定値を演算するアルゴリズムとしては、LMS(Least Mean Square)アルゴリズム、RLS(Recursive Least Square)アルゴリズムなどが適用されることができ、実施形態によって、誤差の少ないアルゴリズムが適用されることができる。一例として、RLSアルゴリズムは、送信信号のノイズフィルタリング前後のノイズパワーを計算して信号品質目標値を演算することができる。また、RLSアルゴリズムは、信号品質測定データを含む受信信号のノイズフィルタリング前後のノイズパワーを計算することで、該当位置での信号品質測定値を演算することができる。受信信号の信号品質を測定するアルゴリズムは一般的な技術に該当するため、これについての具体的な説明は省略する。
【0049】
回動決定部150は、アンテナ1の送信信号に基づく信号品質目標値(QR)と、信号品質演算部140により演算された信号品質測定値(QN)とを比較し、その差値(QR-QN)に応じて、アンテナ1の回動方向及び角度を決定することができる。ここで、回動決定部150は、信号品質目標値(QR)と信号品質測定値(Q1)との差値(QR-Q1)が0であると、アンテナ1の信号品質が目標値を満たすと判断し、アンテナ1を回動しないと決定することができる。また、回動決定部150は、信号品質目標値(QR)と信号品質測定値(Q1)との差値(QR-Q1)が0ではなくても、誤差範囲内であると、アンテナ1の信号品質が目標値を満たすと判断し、アンテナ1を回動しないと決定することができる。
【0050】
一方、回動決定部150は、信号品質目標値(QR)と信号品質測定値(Q1)との差値(QR-Q1)が0ではないか、誤差範囲から外れると、アンテナ1の信号品質が目標値を満たさないと判断し、アンテナ1を左側または右側方向に回動すると決定することができる。この際、回動決定部150は、前記差値(QR-Q1)が正数(+)値であるかもしくは負数(-)値であるかに応じて、回転方向を異ならせて決定することができる。回動決定部150は、回動角度を一定の角度と決定することができる。一方、回動決定部150は、差値(QR-Q1)の大きさに応じて、回動角度を異ならせて決定することもできる。
【0051】
制御部110は、回動決定部150によりアンテナ1の回動方向及び角度が決定されると、アンテナ1の回動方向及び角度情報を含む第1調整信号を通信部120と連結されたクランピング装置10に送信する。これにより、クランピング装置10は、通信部120を介して受信された第1調整信号に基づいて、アンテナ1を左右方向に所定角度回動させることができる。
【0052】
一方、回動決定部150は、第1測定データに基づいて計算された信号品質測定値(Q1)からアンテナ1の回動方向及び角度を決定した後、信号品質演算部140から第2測定データに基づいて計算された信号品質測定値(Q2)が伝達されると、アンテナ1の送信信号に基づく信号品質目標値(QR)と、信号品質測定値(Q2)とを比較し、その差値(QR-Q2)に応じてアンテナ1の回動方向及び角度を決定することができる。この際、回動決定部150は、差値(QR-Q2)が0であるか、誤差範囲内であると、アンテナ1の信号品質が目標値を満たすと判断し、アンテナ1を回動しないと決定することができる。
【0053】
これに対し、回動決定部150は、差値(QR-Q2)が0ではないか、誤差範囲から外れると、アンテナ1の信号品質が目標値を満たさないと判断し、アンテナ1を左側または右側方向に回動させると決定することができる。この際、回動決定部150は、前記差値(QR-Q2)が以前に演算した差値(QR-Q1)より小さいと、以前の回動方向と同一の方向と決定し、そうではないと反対方向と決定することができる。回動決定部150は、回動角度を一定の角度と決定することができる。一方、回動決定部150は、差値の大きさに応じて、回動角度を異ならせて決定することもできる。
【0054】
制御部110は、回動決定部150によりアンテナ1の回動方向及び角度が決定されると、アンテナ1の回動方向及び角度情報を含む第2調整信号を通信部120と連結されたクランピング装置10に送信する。これにより、クランピング装置10は、通信部120を介して受信された第2調整信号に基づいて、先に角度調整されたアンテナ1をさらに左右方向に所定角度回動させることができる。
【0055】
このような方式により、制御部110は、第3調整信号、第4調整信号をクランピング装置10に順に送信することができる。また、クランピング装置10は、受信された第3調整信号、第4調整信号に応じて、アンテナ1を左右方向に所定角度回動させることができる。
【0056】
一方、回動決定部150は、アンテナ1が左右方向に回動された後、第1測定データに基づいて計算された信号品質測定値(Q1)がさらに伝達されると、アンテナ1の送信信号に基づく信号品質目標値(QR)と、信号品質測定値(Q1)とを比較し、その差値(QR-Q1)に応じてアンテナ1の回動方向及び角度を決定することができる。この場合、回動決定部150は、上述のような方式により回動方向及び角度を決定するが、以前過程を経てアンテナ1を左右方向に回動させた状態であるため、アンテナ1の回動方向を上下方向と決定することができる。これにより、制御部110は、上下方向を基準として第1調整信号、第2調整信号、第3調整信号、第4調整信号をクランピング装置10に順に送信することができる。
【0057】
クランピング装置10は、受信された第1調整信号、第2調整信号、第3調整信号、第4調整信号に応じてアンテナ1を上下方向に所定角度回動させることができる。これにより、制御部110は、アンテナ1の上下回動により測定されたアンテナ1の信号品質が目標値を満たすと、関連動作を終了することができる。一方、制御部110は、アンテナ1の上下回動により測定されたアンテナ1の信号品質が目標値を満たさないと、第1端末21~第4端末24に順に信号品質測定データを再要請することもできる。
【0058】
上記のように動作する本実施形態に係る信号品質制御装置100は、独立したハードウェア装置の形態で実現されることができ、少なくとも一つ以上のプロセッサ(processor)として、マイクロプロセッサや汎用コンピュータシステムのような他のハードウェア装置に含まれている形態で駆動されることができる。プロセッサは、中央処理装置(CPU)またはメモリー及び/またはストレージに格納されている命令語に対する処理を実行する半導体装置であることができる。
【0059】
図7は、本発明の一実施形態に係るアンテナの信号品質制御装置の動作を説明するにおいて参照される実施形態を示す図である。
図7を参照すると、第1端末21は、動作411のように、信号品質制御装置100の要請に応じて第1データを伝送する。信号品質制御装置100は、第1データの信号品質に応じてアンテナ1の回動方向及び角度を決定し、動作412のように、決定された回動方向及び角度を含む第1調整信号をクランピング装置10に送信する。これにより、クランピング装置10は、動作413のように、第1調整信号に基づいてアンテナ1の回動角度を調整できるようになる。
【0060】
アンテナ1の1次角度調整が完了されると、動作421のように、第2端末22は、信号品質制御装置100の要請に応じて第2データを伝送する。信号品質制御装置100は、第2データの信号品質に応じてアンテナ1の回動方向及び角度を決定し、動作422のように、決定された回動方向及び角度を含む第2調整信号をクランピング装置10に送信する。これにより、クランピング装置10は、動作423のように、第2調整信号に基づいてアンテナ1の回動角度を再調整できるようになる。
【0061】
アンテナ1の2次角度調整が完了されると、動作431のように、第3端末23は、信号品質制御装置100の要請に応じて第3データを伝送する。信号品質制御装置100は、第3データの信号品質に応じてアンテナ1の回動方向及び角度を決定し、動作432のように、決定された回動方向及び角度を含む第3調整信号をクランピング装置10に送信する。これにより、クランピング装置10は、動作433のように、第3調整信号に基づいてアンテナ1の回動角度を再調整できるようになる。
【0062】
アンテナ1の3次角度調整が完了されると、動作441のように、第4端末24は、信号品質制御装置100の要請に応じて第4データを伝送する。信号品質制御装置100は、第4データの信号品質に応じてアンテナ1の回動方向及び角度を決定し、動作442のように、決定された回動方向及び角度を含む第4調整信号をクランピング装置10に送信する。これにより、クランピング装置10は、動作443のように、第4調整信号に基づいてアンテナ1の回動角度を再調整できるようになる。
【0063】
前述のように、動作411~動作443により、アンテナ1の左右回動が先に調整されることができ、アンテナ1の信号品質が目標値を満たさないと、動作411~動作443を再び行ってアンテナ1の上下回動が調整されることができる。
【0064】
ここで、信号品質制御装置100は、複数の端末装置20、例えば、第1端末21~第4端末24から第1データ~第4データを順に受信することができるが、同時に受信することも可能であることは言うまでもない。具体的には、
図7に示された動作411、動作421、動作431、動作441に関連して、第1端末21~第4端末24が空間的に互いに異なる位置に配置されている場合には、第1データ~第4データを順次または同時に信号品質制御装置100に送信することができ、端末装置20がドローンの形態で実現された場合や、ドローンに取り付けられた場合には、端末装置20の位置が変更されるにつれて複数の品質測定データ(例えば、第1データ~第4データ)を順に信号品質制御装置100の通信部120に送信することができる。
【0065】
上記のように構成される本発明に係るアンテナの信号品質制御装置の動作の流れをより詳細に説明すると、次のとおりである。
図8及び
図9は、本発明の一実施形態に係るアンテナの信号品質制御方法の動作の流れを示した図である。
【0066】
図8を参照して、信号品質制御装置100は、ネットワーク内に配置されたn個の端末装置20のうち第1端末21に第1データを要請する(S110、S120)。信号品質制御装置100は、第1端末21から第1データが受信されると(S130)、アンテナ1の送信信号に基づく信号品質目標値(QR)と、第1データに基づく信号品質測定値(Q1)との差値が0(または誤差範囲内)であるかを確認する。もし、その差値が0(または誤差範囲内)であると(S140)、信号品質制御装置100は次の順番の第2端末22に第2データを要請する(S170、S180、S120)。
【0067】
一方、「S140」過程でその差値が0(または誤差範囲内)ではないと、信号品質制御装置100は、優先的に回動方向を左右方向と決定し、左右方向への回動角度を決定する(S150)。ここで、信号品質制御装置100は、「S140」過程の差値に応じて回動角度を決定するか、もしくは、決められた値で回動角度を決定することができる。信号品質制御装置100は、「S150」過程で決定された回動方向及び回動角度を含む左右調整信号をクランピング装置10に送信する(S160)。これにより、クランピング装置10は、受信された左右調整信号に応じてアンテナ1の回動を調整することができる。
【0068】
その後、信号品質制御装置100は、第n端末から受信された第nデータに基づいて決定された回動方向及び回動角度を含むn番目の左右調整信号をクランピング装置10に送信するまで、「S120」~「S180」過程を繰り返して行う。これにより、クランピング装置10は、n回にわたってアンテナ1の左右方向への回動を調整するようになる。但し、「S140」過程の差値が0(または誤差範囲内)である場合は除くことができる。
【0069】
信号品質制御装置100は、n番目の左右調整信号をクランピング装置10に送信した後、
図9の「A」以後の過程を行う。
図9を参照して、信号品質制御装置100は、アンテナ1の送信信号に基づく信号品質目標値(QR)と、
図8で最後に測定された第nデータに基づく信号品質測定値(QN)との差値が0(または誤差範囲内)であるかを確認する。もし、その差値が0(または誤差範囲内)であると(S210)、信号品質制御装置100は、アンテナ1の信号品質が目標値を満たすと判断し、信号品質制御動作を終了することができる。
【0070】
一方、「S210」過程でその差値が0(または誤差範囲内)ではないと、信号品質制御装置100は、ネットワーク内に配置されたn個の端末装置20のうち第1端末21に第1データを再要請する(S220、S230)。その後、信号品質制御装置100は、第1端末21から第1データが受信されると(S240)、アンテナ1の送信信号に基づく信号品質目標値(QR)と、第1データに基づく信号品質測定値(Q1)との差値が0(または誤差範囲内)であるかを確認する。もし、その差値が0(または誤差範囲内)であると(S250)、信号品質制御装置100は次の順番の第2端末22に第2データを要請する(S290、S230)。
【0071】
一方、「S250」過程でその差値が0(または誤差範囲内)ではないと、信号品質制御装置100は、回動方向を上下方向と決定し、上下方向への回動角度を決定する(S260)。ここで、信号品質制御装置100は、「S250」過程の差値に応じて回動角度を決定するか、もしくは、決められた値で回動角度を決定することができる。
【0072】
信号品質制御装置100は、「S260」過程で決定された回動方向及び回動角度を含む上下調整信号をクランピング装置10に送信する(S270)。これにより、クランピング装置10は、受信された上下調整信号に応じてアンテナ1の上下回動を調整することができる。その後、信号品質制御装置100は、第n端末から受信された第nデータに基づいて決定された回動方向及び回動角度を含むn番目の上下調整信号をクランピング装置10に送信するまで、「S230」~「S290」過程を繰り返して行う。
【0073】
これにより、クランピング装置10は、n回にわたってアンテナ1の上下方向への回動を調整するようになる。但し、「S250」過程の差値が0(または誤差範囲内)である場合は除くことができる。
【0074】
信号品質制御装置100は、n番目の左右調整信号をクランピング装置10に送信した後にもアンテナ1の信号品質が目標値を満たさないと、
図8の「S110」過程から動作を再度行うことができる。他の例として、信号品質制御装置100は、アンテナ1の左右及び上下回動調整の後にも信号品質が目標値を満たさないと、それを案内して関連動作を終了することもできる。
【0075】
上記のように構成されたアンテナの信号品質制御装置を利用した、本発明に係るアンテナの信号品質制御方法の一実施形態を簡単に説明すると、次のとおりである。
【0076】
本発明に係るアンテナの信号品質制御方法の一実施形態は、
図6~
図9で参照されるように、ネットワーク内の所定位置に配置された複数の端末装置のうち、予め決められた順番に従って何れか一つに信号品質測定データを要請するステップと、何れか一つの端末装置から受信された信号品質測定データに基づいてアンテナの信号品質測定値を演算するステップと、アンテナの信号品質目標値と、演算された信号品質測定値とを比較し、その差値に応じてアンテナの回動方向及び角度を決定するステップと、決定されたアンテナの回動方向及び角度情報を含む調整信号を、アンテナの回動を調整するクランピング装置に送信するステップと、を含む。
【0077】
ここで、信号品質測定データを要請するステップは、ネットワーク内の所定位置に配置された複数の端末装置20から信号品質測定データを受信する通信部120により行われるステップであり、通信機能が備えられた電子端末として、複数の端末装置20のうち予め決められた順番に従った従う端末装置20に、信号品質測定データを要請するステップである。
【0078】
なお、信号品質測定値を演算するステップは、前記信号品質測定データを要請するステップにより要請された該当端末装置20から受信された品質測定データに基づいて、アンテナ1の左右方向及び/または上下方向への回動角度調整値を決定するステップである。これは、信号品質演算部140と回動決定部150により行われるステップと定義されることができる。
【0079】
また、クランピング装置に送信するステップは、アンテナの回動方向及び角度を決定するステップによりアンテナ1の回動角度調整値が決定されると、アンテナの回動方向及び角度情報を含む調整信号を制御部110を用いてクランピング装置に送信するステップである。
【0080】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で多様な修正及び変形が可能であろう。したがって、本発明に開示された実施形態は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、かかる実施形態により本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲により解釈されるべきであり、それらと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれると解釈されるべきであろう。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、アンテナの回動角度を簡易に調整することができ、満足度の高いアンテナの信号品質を提供することができるアンテナの信号品質制御装置及び方法を提供する。
【符号の説明】
【0082】
1 アンテナ、10 クランピング装置、20 端末装置、21 第1端末、22 第2端末、23 第3端末、24 第4端末、100 信号品質制御装置、110 制御部、120 通信部、130 格納部、140 信号品質演算部、150 回動決定部。
【国際調査報告】