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  • 特表-香水吐出装置 図1
  • 特表-香水吐出装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-30
(54)【発明の名称】香水吐出装置
(51)【国際特許分類】
   B05B 12/00 20180101AFI20221122BHJP
   B05B 12/14 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
B05B12/00 Z
B05B12/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519285
(86)(22)【出願日】2020-08-21
(85)【翻訳文提出日】2022-03-24
(86)【国際出願番号】 SI2020050020
(87)【国際公開番号】W WO2021061056
(87)【国際公開日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】P-201900185
(32)【優先日】2019-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522117679
【氏名又は名称】ニヌ デー.オー.オー.
【氏名又は名称原語表記】NINU D.O.O.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】モホロヴィッチ、シモン
(72)【発明者】
【氏名】マティアヴィッチ、マルコ
【テーマコード(参考)】
4F035
【Fターム(参考)】
4F035AA04
4F035BA05
4F035BA22
4F035BC02
4F035BC05
4F035BC06
(57)【要約】
本発明は、香水吐出装置に関する。本装置は電子的に制御され、本装置のハウジング(1)上またはハウジング(1)下部に配置されたアクチュエータ(12)を介して香水噴霧が行われる。本装置の構成要素は、全てハウジング(1)上またはハウジング(1)内部に配置されている。また、ハウジングは、本装置を制御する制御回路(10)を収容している。本装置は、スマートデバイス(14)とワイヤレス通信を行うシステム(13)を備えてもよい。スマートデバイス(14)は、ユーザが所望のパラメータを設定するための、取り込まれた専用アプリケーションを有する。本装置は、ユーザが専用アプリケーションを介して所望の香水を選択するための、または、香水をパーソナライズ化するための、いくつかの貯液器(2)を備えてもよい。アクチュエータは、アクチュエータ(12)を押圧またはアクチュエータ(12)に接触することによって、あるいは、外部機器を介して作動される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(1)を備えることを特徴とする香水吐出装置であって、前記ハウジング(1)は、
少なくとも一つの貯液器(2)と、
少なくとも一つのポンプ(3)であって、それぞれ吸引管(4)を介して各貯液器(2)に接続され、それぞれ押出管(8)を介して噴霧ノズル(9)に接続されているポンプ(3)と、
少なくとも一つの噴霧ノズル(9)と、
前記装置を制御する制御回路(10)であって、前記少なくとも一つのポンプ(3)を制御するように構成されている制御回路(10)と、
前記装置の電子部品の全てに対して電力供給を行う電源ユニット(11)と、
前記ハウジング(1)に配置された、前記装置を作動させるアクチュエータ(12)であって、前記アクチュエータ(12)を押圧または前記アクチュエータ(12)に接触することによって、あるいは、外部機器(14)を介して作動されるアクチュエータ(12)であって、前記制御回路(10)を介して前記少なくとも一つのポンプ(3)が作動され、一定量の液体を前記貯液器(2)から前記吸引管(4)を介して前記押出管(8)に沿って前記噴霧ノズル(9)に押し出し、前記噴霧ノズル(9)を通じて空気中に押し出すアクチュエータ(12)と、
を収容している香水吐出装置。
【請求項2】
前記貯液器(2)をいくつか有する場合、
前記装置は、複数の吐出弁(5)と、前記少なくとも一つの噴霧ノズル(9)を有する噴霧ヘッド(7)と、をさらに備え、
前記噴霧ヘッド(7)は複数の逆止弁(6)をさらに備え、毎回の使用後に前記逆止弁(6)は最小量の各液体が前記噴霧ヘッド(7)に残留することを抑制し、
各貯液器(2)には、ポンプ(3)と、該貯液器(2)から対応する吐出弁(5)を通じて前記噴霧ヘッド(7)に液体を送り出すための対応する管(4,8)のセットとが設けられ、
前記吐出弁(5)の数と前記逆止弁(6)の数は、前記貯液器(2)の数と同一であり、
各逆止弁(6)は、別の管(15)を介して対応する吐出弁(5)に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記制御回路(10)はさらに、前記複数の吐出弁(5)と前記複数の逆止弁(6)とを制御するように構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記噴霧ヘッド(7)は、各貯液器(2)から一定量の各液体を収容するタンク(16)をさらに備え、
各貯液器(2)からの一定量の各液体は、該貯液器(2)から対応する吐出弁(5)および対応する逆止弁(6)を通じて前記タンク(16)に該液体を送り出すための、対応する管(4,8,15)のセットを通じて計測供給されることを特徴とする、請求項2または3に記載の装置。
【請求項5】
各貯液器(2)に含まれている前記液体は、単一の香水または香水成分の一部であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記ポンプ(3)は、電子的に制御され、電気および/または圧縮空気によって前記噴霧ノズル(9)を通じて前記貯液器(2)から前記液体を押し出す十分な力を発生させることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記装置の電子部品の全てに対して電力供給を行う前記電源ユニット(11)は、電池および/または電池パックであることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記制御回路(10)は、取り込まれた専用アプリケーションを有する外部機器(14)との無線通信を行う通信ユニット(13)を付属的に備え、ユーザは前記専用アプリケーションを通じて前記装置を制御することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香水吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本装置は電子的に制御され、本装置のハウジング上またはハウジング下部に配置されたアクチュエータを介して、タッチ式で香水噴霧が行われる。本装置の構成要素は、全てハウジング上またはハウジング内に配置されている。また、ハウジングは、本装置を制御する制御回路を収容している。本装置は、スマートデバイスとワイヤレス通信を行うシステムを備えてもよい。スマートデバイスは、ユーザが所望のパラメータを設定するための、取り込まれた専用アプリケーションを有する。
【0003】
本装置の上記構成と電子制御とによって、あらゆるハウジングの設計が可能になる。さらに、アクチュエータと、噴霧ノズルを有する噴霧ヘッドとを、ハウジング上またはハウジング内のあらゆる場所に配置することが可能になる。電子制御器と専用アプリケーションの使用とによって、ユーザは自身の要望(たとえば、化粧品のパーソナライズ化)に応じた香水を用いることが可能になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
概して、従来技術における周知の芳香器は、香水を含むボトルと、噴霧ノズルを有するアクチュエータとで構成される。噴霧ノズルは、一般的にはボトルの首部に配置されている。噴霧を開始する際、ユーザはアクチュエータを十分な力で押す必要がある。しかし、この場合、非力な人々(たとえば、老人や子供)には次の不都合が生じる。すなわち、噴霧を均一に行いたい場合、ボトルとアクチュエータとを概ね垂直位置に設置する必要がある。さらに、アクチュエータは、ユーザの指に押されることで作動する領域を有するよう設計する必要があり、該領域は指が滑るのを抑制する程度に大きい必要がある。以上のことから、香水ボトルの設計可能性に関して制約が生じている。
【0005】
従来技術における装置では、アクチュエータを一回押す際に吐出される香水の量について、ユーザは厳密に制御することができない(すなわち、毎回の香水の吐出量を、常に同一の特定量にすることができない)。また、ユーザは、アクチュエータを様々な態様で長押しすることによってのみ、噴霧時間や押圧力を制御することが可能であり、したがって、アクチュエータを一回押す際に噴霧される香水の量を制御することが可能である。つまり、あるときは多量の香水が噴霧され、またあるときは少量の香水が噴霧されることがある。各香水はそれぞれ対応するボトルに入っており、ユーザは一度に一つの香水しか使えないため、パーソナライズ化された香水のブレンドを用意することは不可能である。
【0006】
また、周知の従来技術の装置においては、電子制御器のように、装置の即時調整を行うことができない。さらに、個々の貯液器から吐出される香水(たとえば、精油やアルコール)の個々の成分の量をユーザが決定するように、香水の個々の成分を調合することによって香水のパーソナライズ化を行うこともできない(これにより、ユーザは、自身の肌質(たとえば、PH、湿度、油分など)に応じた適切な香水を用意可能となる)。
【0007】
上述の不都合は、本明細書および図面に記載されている香水吐出装置によって、解消される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の香水吐出装置は、ハウジング1を備える。ハウジング1は、
・少なくとも一つの貯液器2と、
・少なくとも一つのポンプ3であって、それぞれ吸引管4を介して各貯液器2に接続され、それぞれ押出管8を介して少なくとも一つの噴霧ノズル9に接続されているポンプ3と、
・少なくとも一つの噴霧ノズル9と、
・本装置を制御する制御回路10であって、少なくとも一つのポンプ3を制御するように構成されている制御回路10と、
・本装置の電子部品の全てに対して電力供給を行う電源ユニット11と、
・ハウジング1に配置された、本装置を作動させるアクチュエータ12であって、アクチュエータ12に接触することによって、または、制御回路10の起動を可能にする他の手段によって作動されるアクチュエータ12であって、制御回路10を介して少なくとも一つのポンプ3が作動され、一定量の液体を貯液器2から吸引管4を介して押出管8に沿って噴霧ノズル9に押し出し、噴霧ノズル9を通じて空気中に押し出すアクチュエータ12と、
を収容している。
【0009】
制御回路10は、取り込まれた専用アプリケーションを有する外部機器14との無線通信を行う通信ユニット13を付属的に備え、ユーザは専用アプリケーションを通じて本装置を制御する。特に、少なくとも以下のパラメータを選択および設定することができる。
・噴霧の強さ、量、および時間
・アクチュエータ12を解除および固定する方式の設定(たとえば、十分なコード(code)を用いて)
・香水の状態(たとえば、各貯液器2における香水の使用期限や量)の観察
・光および/または振動信号での、次回使用時に関する警告の設定
・香水が本物であること(つまり、香水が偽物でないこと)の確認
外部機器14は、スマートフォン、タブレット、またはスクリーンである。外部機器14は、本装置のハウジングに埋め込まれるのに適切なスマートデバイスである。
【0010】
アクチュエータ12は、アクチュエータ12を押圧またはアクチュエータ12に接触することによって、あるいは、外部機器14を介して作動される。
ポンプ3は、電子的に制御され、電気および/または圧縮空気(たとえば、ダイヤフラムポンプ)によって噴霧ノズル9を通じて貯液器2から液体を押し出す十分な力を発生させる。
【0011】
本装置の電子部品の全てに対して電力供給を行う電源ユニット11は、好ましくは電池および/または電池パックである。
貯液器2に含まれている液体は、単一の香水または香水成分の一部である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る、貯液器を一つ有する装置を示す図。
図2】本発明の一実施形態に係る、貯液器を三つ有する装置を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1に示される第1実施形態の装置は、貯液器2を一つ備えている。貯液器2に含まれている液体は香水である。ユーザは、アクチュエータ12を作動させることによって、ポンプ3を作動させる制御回路10を起動する。ポンプ3は、貯液器2から噴霧ノズル9に香水を送り出すための管4,8のセットを通じて、香水を押し出す。これにより、香水は噴霧ノズル9を通じて室内に噴霧される。
【0014】
図2に示される第2実施形態の装置は、貯液器2をいくつか備えている。各貯液器2に含まれている液体は香水または香水成分である。本装置は、複数の吐出弁5と、少なくとも一つの噴霧ノズル9を有する噴霧ヘッド7と、をさらに備える。噴霧ヘッド7は複数の逆止弁6をさらに備える。吐出弁5の数と逆止弁6の数は、貯液器2の数と同一である。各貯液器2には、ポンプ3と、該貯液器2から対応する吐出弁5を通じて噴霧ヘッド7に液体を送り出すための対応する管4,8のセットとが設けられる。各逆止弁6は、別の管15を介して対応する吐出弁5に接続されている。使用後(すなわち、装置作動後または噴霧後)、逆止弁6は最小量の各液体が噴霧ヘッド7に残留することを抑制する。制御回路10はさらに、複数の吐出弁5と複数の逆止弁6とを制御するように構成されている。
【0015】
本実施形態において、ユーザはいくつかの選択を行うこと(すなわち、選択した貯液器2から一つの香水を吐出すること、選択した貯液器2から選択したいくつかの香水の組み合わせを該貯液器2から吐出すること、および、選択した貯液器2から吐出する各香水成分の量を個々に決定すること)ができる。
【0016】
ユーザは、選択された貯液器2から個々の香水を吐出させたい場合、専用アプリケーションを用いて所望の香水または所望の貯液器2を選択する。ユーザは、アクチュエータ12を作動させることによって、選択されたポンプ3を作動させる制御回路10を起動させ、噴霧ヘッド7内の対応する吐出弁5と対応する逆止弁6とを開弁させる。噴霧ヘッド7は、選択された貯液器2から噴霧ヘッド7に香水を送り出すための管4,8,15のセットを通じて、選択された香水を押し出す。選択された香水は、噴霧ノズル9を通じて室内に噴霧される。
【0017】
ユーザが同時にいくつかの貯液器2から様々な香水のパーソナライズ化されたブレンドを用いたい場合、または、個々の香水成分を調合させることで香水をパーソナライズ化したい場合、各液体(すなわち、選択された貯液器2からの各香水または各香水成分)を収容する別のタンク16が噴霧ヘッド7に設置することが想定される(foreseen)。まず、選択された貯液器2からの所定量の各液体を、該貯液器2から対応する吐出弁5と対応する逆止弁6とを介してタンク16内に各液体を送り出すための管4,8,15のセットを通じて、計量供給する。そして、パーソナライズ化された香水のブレンドを、噴霧ノズル9を通じて室内に噴霧する。
【0018】
ユーザは、同時にいくつかの貯液器2から様々な香水のパーソナライズ化されたブレンドを用いたい場合、専用アプリケーションを用いて各貯液器2からの香水の量を決定する。ユーザは、アクチュエータ12を作動させることによって、選択されたポンプ3を作動させる制御回路10を起動させ、噴霧ヘッド7内の対応する吐出弁5と対応する逆止弁6とを開弁させる。噴霧ヘッド7は、選択された貯液器2から噴霧ヘッド7内のタンク16に香水を送り出すための管4,8,15のセットを通じて、該貯液器2から所定量の選択された香水を吐出する。そして、ブレンドされた香水は、噴霧ヘッド7から噴霧ノズル9を通じて室内に噴霧される。
【0019】
ユーザは、個々の香水成分を調合することでパーソナライズ化された香水を用いたい場合、専用アプリケーションを用いて各貯液器2からの香水成分の量を決定する。ユーザは、アクチュエータ12を作動させることによって、選択されたポンプ3を作動させる制御回路10を起動させ、噴霧ヘッド7内の対応する吐出弁5と対応する逆止弁6とを開弁させる。噴霧ヘッド7は、選択された貯液器2から噴霧ヘッド7内のタンク16に各香水成分を送り出すための管4,8,15のセットを通じて、該貯液器2から所定量の選択された香水を吐出する。そして、ブレンドされた香水成分は、噴霧ヘッド7から噴霧ノズル9を通じて室内に噴霧される。
【0020】
ユーザが本装置を制御するための専用アプリケーションによって、少なくとも以下のさらなるパラメータを選択および設定することが可能になる。
・各貯液器2の選択、および、選択された貯液器2から吐出される香水の量の選択
・いくつかの貯液器2の同時選択、および、各貯液器2から吐出される各香水の量の選択
・いくつかの貯液器2の同時選択、および、各貯液器2から吐出される各香水成分の量の選択
上述の吐出装置は香水(すなわち、液状の成分)を吐出することに加えて、他の形態(たとえば、クリームやジェル)の成分を吐出することにも適していることを理解されたい。
図1
図2
【国際調査報告】