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特表2022-550125電池温度推定方法、装置、電子機器、及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-30
(54)【発明の名称】電池温度推定方法、装置、電子機器、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/00 20060101AFI20221122BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20221122BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
G01R31/00
H01M10/48 301
H01M10/48 P
H02J7/00 Q
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519442
(86)(22)【出願日】2020-09-25
(85)【翻訳文提出日】2022-05-16
(86)【国際出願番号】 CN2020117853
(87)【国際公開番号】W WO2021057917
(87)【国際公開日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】201910935416.5
(32)【優先日】2019-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】李▲暁▼▲倩▼
(72)【発明者】
【氏名】▲馮▼天宇
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼思佳
(72)【発明者】
【氏名】尹永▲剛▼
(72)【発明者】
【氏名】舒▲時▼▲偉▼
【テーマコード(参考)】
2G036
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
2G036AA18
2G036BB08
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503CB11
5G503EA09
5G503GD03
5G503GD06
5H030AA01
5H030AS08
5H030FF22
5H030FF41
(57)【要約】
電池温度推定方法、装置、電子機器及び記憶媒体であり、電池の技術分野に関する。該方法は、電池がオフライン状態にある場合、電池の異なる試験温度での対応するアドミタンスに基づいて第1関数関係をフィッティングするステップと、電池の形状及び寸法に基づいて、電池の温度分布モデルを取得し、第1関数関係と組み合わせて、内部温度と表面温度との対応する、電池の表面温度及び電池のアドミタンスと組み合わせて電池の内部温度を推定する第2関数関係を決定するステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池がオフライン状態にある場合、前記電池の異なる試験温度での対応するアドミタンスに基づいて第1関数関係をフィッティングするステップと、
前記電池の形状及び寸法に基づいて前記電池の温度分布モデルを取得し、前記第1関数関係と組み合わせて、内部温度と表面温度とに対応する第2関数関係を決定するステップであって、前記第2関数関係は、電池の表面温度及び電池のアドミタンスとを組み合わせて、電池の内部温度を推定するのに用いられる、第2関数関係を決定するステップとを含む、電池温度推定方法。
【請求項2】
前記電池の異なる試験温度での対応するアドミタンスに基づいて第1関数関係をフィッティングするステップは、
電池がオフライン状態にある場合、特徴的な試験周波数を決定するステップであって、前記特徴的な試験周波数が目標周波数範囲内にあり、前記目標周波数範囲内において、電池のインピーダンスが前記電池の充電状態の変化に伴って変化しない、ステップと、
前記特徴的な試験周波数に基づいて、電池の異なる試験温度での対応するアドミタンスを決定するステップと、
前記異なる試験温度及び前記対応するアドミタンスに基づいて前記第1関数関係をフィッティングするステップとを含む、請求項1に記載の電池温度推定方法。
【請求項3】
特徴的な試験周波数を決定するステップは、
前記電池に対して、所定の周波数範囲内において、異なる充電状態で、電気化学インピーダンススペクトル試験を行うステップと、
試験の結果に基づいて、前記所定の周波数範囲から前記目標周波数範囲を決定するステップと、
異なる温度で、所定の充電状態で前記電池の電気化学インピーダンススペクトルの応答値を試験し、前記応答値を対応するアドミタンスに変換するステップと、
前記目標周波数範囲における、アドミタンスの実部が温度によって最も大きく変化する周波数を前記特徴的な試験周波数として決定するステップとを含む、請求項2に記載の電池温度推定方法。
【請求項4】
異なる試験温度及び対応するアドミタンスに基づいて第1関数関係をフィッティングするステップは、
前記異なる試験温度、前記対応するアドミタンスの実部、及びArrhenius式に基づいて前記第1関数関係をフィッティングするステップを含む、請求項2又は3に記載の電池温度推定方法。
【請求項5】
前記推定対象電池の目標表面温度を検出し、前記推定対象電池の目標アドミタンスを検出するステップと、
前記目標表面温度及び前記目標アドミタンスに基づいて、前記第2関数関係と組み合わせて、前記推定対象電池の内部温度を決定するステップとをさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の電池温度推定方法。
【請求項6】
前記電池の形状及び寸法に基づいて前記電池の温度分布モデルを取得し、前記第1関数関係と組み合わせて、内部温度と表面温度との対応する第2関数関係を決定するステップは、
前記第1関数関係を積分処理するステップと、
前記温度分布モデル、及び、積分処理された第1関数関係に基づいて、電池の第2関数関係を決定するステップとを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の電池温度推定方法。
【請求項7】
前記電池の形状は、正方形である、請求項1~6のいずれか1項に記載の電池温度推定方法。
【請求項8】
電池がオフライン状態にある場合、前記電池の異なる試験温度での対応するアドミタンスに基づいて第1関数関係をフィッティングするフィッティングモジュールと、
前記電池の形状及び寸法に基づいて前記電池の温度分布モデルを取得し、前記第1関数関係と組み合わせて、内部温度と表面温度とに対応する第2関数関係を決定し、前記第2関数関係は、電池の表面温度及び電池のアドミタンスと組み合わせて電池の内部温度を推定するのに用いられる、第1決定モジュールとを含む、電池温度推定装置。
【請求項9】
前記フィッティングモジュールは、
電池がオフライン状態にある場合、特徴的な試験周波数を決定する第1決定サブモジュールであって、前記特徴的な試験周波数が目標周波数範囲内にあり、前記目標周波数範囲において、電池のインピーダンスが前記電池の充電状態の変化に伴って変化しない、第1決定サブモジュールと、
前記特徴的な試験周波数に基づいて、電池の異なる試験温度での対応するアドミタンスを決定する第2決定サブモジュールと、
異なる試験温度及び対応するアドミタンスに基づいて前記第1関数関係をフィッティングするフィッティングサブモジュールとを含む、請求項8に記載の電池温度推定装置。
【請求項10】
前記推定対象電池の目標表面温度を検出し、前記推定対象電池の目標アドミタンスを検出する検出モジュールと、
前記第2関数関係を用いて、前記目標表面温度及び前記目標アドミタンスに基づいて、前記推定対象電池の内部温度を決定する第2決定モジュールとをさらに含む、請求項9に記載の電池温度推定装置。
【請求項11】
前記第1決定サブモジュールは、具体的には、
前記電池に対して、所定の周波数範囲内において、異なる充電状態で、電気化学インピーダンススペクトル試験を行い、
試験の結果に基づいて、前記所定の周波数範囲から前記目標周波数範囲を決定し、
異なる温度で、所定の充電状態で前記電池の電気化学インピーダンススペクトルの応答値を試験し、前記応答値を対応するアドミタンスに変換し、
前記目標周波数範囲における、アドミタンスの実部が温度によって最も大きく変化する周波数を前記特徴的な試験周波数として決定する、請求項9又は10に記載の電池温度推定装置。
【請求項12】
前記フィッティングサブモジュールは、
前記異なる試験温度、前記対応するアドミタンスの実部、及びArrhenius式に基づいて前記第1関数関係をフィッティングする、請求項8~11のいずれか1項に記載の電池温度推定装置。
【請求項13】
前記第1決定モジュールは、
前記第1関数関係を積分処理し、
前記温度分布モデル、及び、積分処理後の第1関数関係に基づいて、電池の第2関数関係を決定する、請求項8~12のいずれか1項に記載の電池温度推定装置。
【請求項14】
前記電池の形状は、正方形である、請求項8~13のいずれか1項に記載の電池温度推定装置。
【請求項15】
メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され、かつプロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムとを含む、電子機器であって、
前記コンピュータプログラムが前記プロセッサにより実行されると、請求項1~7のいずれか1項に記載の電池温度推定方法を実現する、電子機器。
【請求項16】
コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、請求項1~7のいずれか1項に記載の電池温度推定方法を実現する、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2019年9月29日に提出された出願番号201910935416.5、名称「電池温度推定方法、装置、電子機器及び記憶媒体」の中国特許出願の優先権を主張するものであり、その全ての内容は引用により本開示に組み込まれるものとする。
【背景技術】
【0002】
本開示は、電池の技術分野に関し、特に電池温度推定方法、装置、電子機器及び記憶媒体に関する。
【0003】
関連技術において、電流、電圧及び電池の表面温度を収集することにより、新エネルギー自動車の動力電池の内部温度をリアルタイムに推定し、或いは、安定状態での電気化学インピーダンススペクトルの特徴量と環境温度との関係を取得し、さらに測定されたインピーダンス値と組み合わせることにより、新エネルギー自動車の動力電池の内部温度を推定する。しかしながら、これらの方式では、実際に測定されたインピーダンス値に対する電池のリアルタイム充放電状態の影響を考慮せず、かつ、得られた内部温度が実際に電池全体の平均温度であり、電池内部の実際温度ではないため、電池の内部温度の推定精度は高くない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、電池温度推定方法、装置、電子機器及び記憶媒体を提供し、電池のリアルタイムに測定されたアドミタンス及び表面温度と組み合わせて電池の内部温度を推定することを実現し、電池の内部温度の推定精度を効果的に向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様において、本開示の実施例は、電池がオフライン状態にある場合、前記電池の異なる試験温度での対応するアドミタンスに基づいて第1関数関係をフィッティングするステップと、前記電池の形状及び寸法に基づいて前記電池の温度分布モデルを取得し、前記第1関数関係と組み合わせて、内部温度と表面温度との対応する、電池の表面温度及び電池のアドミタンスと組み合わせて電池の内部温度を推定する第2関数関係を決定するステップとを含む、電池温度推定方法を提供する。
【0006】
本開示の実施例に係る電池温度推定方法によれば、電池がオフライン状態にある場合、電池の異なる試験温度での対応するアドミタンスに基づいて第1関数関係をフィッティングし、電池の形状及び寸法に基づいて電池の温度分布モデルを取得し、第1関数関係と組み合わせて、内部温度と表面温度との対応する、電池の表面温度及び電池のアドミタンスと組み合わせて電池の内部温度を推定する第2関数関係を決定することにより、電池のリアルタイムに測定されたアドミタンス及び表面温度と組み合わせて電池の内部温度を推定することを実現し、電池の内部温度の推定精度を効果的に向上させることができる。
【0007】
第2態様において、本開示の実施例は、電池がオフライン状態にある場合、前記電池の異なる試験温度での対応するアドミタンスに基づいて第1関数関係をフィッティングするフィッティングモジュールと、前記電池の形状及び寸法に基づいて前記電池の温度分布モデルを取得し、前記第1関数関係と組み合わせて、内部温度と表面温度との対応する、電池の表面温度及び電池のアドミタンスと組み合わせて電池の内部温度を推定する第2関数関係を決定する第1決定モジュールとを含む、電池温度推定装置を提供する。
【0008】
本開示の実施例に係る電池温度推定装置によれば、電池がオフライン状態にある場合、電池の異なる試験温度での対応するアドミタンスに基づいて第1関数関係をフィッティングし、電池の形状及び寸法に基づいて電池の温度分布モデルを取得し、第1関数関係と組み合わせて、内部温度と表面温度との対応する、電池の表面温度及び電池のアドミタンスと組み合わせて電池の内部温度を推定する第2関数関係を決定することにより、電池のリアルタイムに測定されたアドミタンス及び表面温度と組み合わせて電池の内部温度を推定することを実現し、電池の内部温度の推定精度を効果的に向上させることができる。
【0009】
第3態様において、本開示の実施例は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され、かつプロセッサ上で実行可能で、前記プロセッサにより実行されると、本開示の第1態様の実施例に係る電池温度推定方法を実現するコンピュータプログラムとを含む、電子機器を提供する。
【0010】
本開示の実施例に係る電子機器によれば、電池がオフライン状態にある場合、電池の異なる試験温度での対応するアドミタンスに基づいて第1関数関係をフィッティングし、電池の形状及び寸法に基づいて電池の温度分布モデルを取得し、第1関数関係と組み合わせて、内部温度と表面温度との対応する、電池の表面温度及び電池のアドミタンスと組み合わせて電池の内部温度を推定する第2関数関係を決定することにより、電池のリアルタイムに測定されたアドミタンス及び表面温度と組み合わせて電池の内部温度を推定することを実現し、電池の内部温度の推定精度を効果的に向上させることができる。
【0011】
第4態様において、本開示の実施例は、プロセッサにより実行されると、本開示の第1態様の実施例に係る電池温度推定方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されるコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0012】
本開示の実施例に係るコンピュータ可読記憶媒体によれば、電池がオフライン状態にある場合、電池の異なる試験温度での対応するアドミタンスに基づいて第1関数関係をフィッティングし、電池の形状及び寸法に基づいて電池の温度分布モデルを取得し、第1関数関係と組み合わせて、内部温度と表面温度との対応する、電池の表面温度及び電池のアドミタンスと組み合わせて電池の内部温度を推定する第2関数関係を決定することにより、電池のリアルタイムに測定されたアドミタンス及び表面温度と組み合わせて電池の内部温度を推定することを実現し、電池の内部温度の推定精度を効果的に向上させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本開示の付加的な態様及び利点は、一部が以下の説明に示され、一部が以下の説明に明らかになるか又は本開示の実施により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
以下、本開示の上記及び/又は付加的な様態及び利点は、図面を参照して実施例を説明することにより、明らかになり、理解されやすくなる。
【0015】
図1】本開示の実施例に係る電池温度推定方法のフローチャートである。
図2】本開示の実施例に係る第1関数関係の曲線グラフである。
図3】本開示の実施例に係る四角形電池の離散概略図である。
図4】本開示の他の実施例に係る電池温度推定方法のフローチャートである。
図5】本開示の実施例に係るEIS曲線グラフである。
図6】本開示の実施例に係る50%の充電状態でのアドミタンスの温度に対する応答曲線グラフである。
図7】本開示の実施例に係る電池温度推定方法のフローチャートである。
図8】本開示の実施例に係る電池の充電過程における温度変化曲線グラフである。
図9】本開示の実施例に係る電池温度推定装置の構造概略図である。
図10】本開示の他の実施例に係る電池温度推定装置の構造概略図である。
図11】本開示の他の実施例に係る電子機器の構図概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示の実施例を詳細に説明し、説明される実施例の例は図面において示されるが、一貫して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、或いは、同一又は類似の機能を有する部品を表す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は、例示的なものであり、本開示を解釈するためのものに過ぎず、本開示を限定するものであると理解すべきではない。逆に、本開示の実施例は、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲に含まれる全ての変更、修正及び均等物を含む。
【0017】
関連技術において実際に測定されたインピーダンス値に対する電池のリアルタイム充放電状態の影響を考慮せず、かつ、得られた内部温度が実際に電池全体の平均温度であり、電池内部の実際温度ではないため、電池の内部温度の推定精度が高くないという技術的課題を解決するために、本開示の実施例は、電池温度推定装置を提供し、電池がオフライン状態にある場合、電池の異なる試験温度での対応するアドミタンスに基づいて第1関数関係をフィッティングし、電池の形状及び寸法に基づいて電池の温度分布モデルを取得し、第1関数関係と組み合わせて、内部温度と表面温度との対応する、電池の表面温度及び電池のアドミタンスと組み合わせて電池の内部温度を推定する第2関数関係を決定することにより、電池のリアルタイムに測定されたアドミタンス及び表面温度と組み合わせて電池の内部温度を推定することを実現し、電池の内部温度の推定精度を効果的に向上させることができる。
【0018】
図1は、本開示の実施例に係る電池温度推定方法のフローチャートである。
【0019】
図1に示すように、該方法は、以下のステップS101~S102を含む。
【0020】
S101では、電池がオフライン状態にある場合、電池の異なる試験温度での対応するアドミタンスに基づいて第1関数関係をフィッティングする。
【0021】
オフライン状態は、電池が現在、試験環境にある状態を指し、或いは、電池が充放電されていない状態であってもよく、特に限定されない。
【0022】
具体的な実行過程において、具体的には、電池がオフライン状態にある場合、電池の異なる試験温度での対応するアドミタンスに基づいて第1関数関係をフィッティングする。
【0023】
具体的な実行過程において、電池が異なる試験温度での対応するアドミタンスの実部を決定し、異なる試験温度及び対応するアドミタンスの実部に基づいて第1関数関係をフィッティングすることができ、第1関数関係は、異なる試験温度と、電池の対応するアドミタンスの実部との対応関係を説明し、アドミタンスの概念を導入することにより計算式を簡略化し、計算量を減少させ、チップの計算能力に対する需要を低下させる。
【0024】
具体的な実行過程において、異なる試験温度、対応するアドミタンスの実部、及びArrhenius式に基づいて第1関数関係をフィッティングすることができる。
【0025】
例えば、Arrhenius式に基づいて、
【数1】
であり、
ここで、Aは定数であり、Eaは、活性化エネルギーであり、Rは、汎用気体定数であり、アドミタンスの実部と温度との関係は、G’=AebTとして表すことができ、試験データに基づいてフィッティングを行って、パラメータA=0.8976、b=0.02358を取得することができ、図2に示すように、図2は、本開示の実施例に係る第1関数関係の曲線グラフである。
【0026】
S102では、電池の形状及び寸法に基づいて、電池の温度分布モデルを取得し、第1関数関係と組み合わせて、内部温度と表面温度との対応する、電池の表面温度及び電池のアドミタンスと組み合わせて電池の内部温度を推定する第2関数関係を決定する。
【0027】
該実施例において、電池の形状及び寸法に基づいて電池の温度分布モデルを取得し、第1関数関係と組み合わせて、内部温度と表面温度との対応する第2関数関係を決定する場合、第1関数関係を積分処理し、温度分布モデルに基づいて、積分処理後の第1関数関係と組み合わせて電池の第2関数関係を決定することができる。
【0028】
温度分布モデルは、電池内部の異なる位置の温度、電池内部の最高温度及び電池の表面温度の間の対応関係を説明する。
【0029】
具体的な実行過程において、一次元定常熱伝導方程式に基づいて、異なる位置の温度T(x)と電池内部の最高温度及び電池の表面温度の関数関係を決定して、温度分布モデルとすることができ、例えば、
【数2】
ここで、Tmaxは、電池内部の最高温度を示し、Tは、電池の表面温度を示し、xは、電池内部の異なる位置を示し、hは、電池の厚さであり、Φは、電池の現在の熱流量であり、λは、電池の熱伝導率である。
【0030】
電池の形状は、例えば、規則的又は不規則な形状であってもよく、例えば、六面体形状であってもよく、本開示の実施例において電池の形状が四角形である例を示し、特に限定されない。
【0031】
一例として、四角形の電池は、電池の厚さ方向に沿って離散された複数のシート状電池で構成されるものであると見なされてもよく、複数のシート状電池は、例えば、N個のシート状電池であり、Nは、2以上の正の整数であり、電池を厚さ方向に沿ってN個のシート状電池に予め離散することができ、図3に示すように、図3は、本開示の実施例に係る四角形電池の離散概略図であり、厚さ方向に沿って該四角形電池をN個のシート状電池に離散し、各シート状電池は、x座標軸上の1つの対応する位置に対応することができ、複数の対応する位置は、上記温度分布モデルT(x)におけるxに対応することができる。
【0032】
具体的な実行過程において、上記電池の形状及び寸法に基づいて電池の温度分布モデルを取得し、第1関数関係と組み合わせて、内部温度と表面温度との対応する第2関数関係を決定する場合、さらに第1関数関係を積分処理し、温度分布モデルに基づいて、積分処理後の第1関数関係と組み合わせて電池の第2関数関係を決定することができる。
【0033】
一例として、上記ステップで第1関数関係で測定されたアドミタンスの実部は、電池全体のアドミタンスの実部の累積であるべきであり、
【数3】
であり、
ここで、k∈[0,∞]、Tは、k番目のシート状電池に対応する温度を示し、Tの具体的な数値は、シート状電池の電池内部での位置に関連し、hは、電池の厚さの値であり、次に、温度分布モデル、すなわちT(x)=f(Tmax,T,x)によれば、異なる位置の温度T(x)は、内部の最高温度及び電池の表面温度の関数であり、ここで、Tmaxは、電池内部の最高温度を示し、Tは、電池の表面温度を示し、xは、電池内部の異なる位置を示し、T(x)=f(Tmax,T,x)を積分処理後の第1関数関係
【数4】
に代入し、代入後の関数関係を第2関数関係とし、第2関数関係により電池の表面温度、電池のアドミタンス及び電池の内部温度の間の対応関係をフィッティングする。
【0034】
本実施例において、電池がオフライン状態にある場合、電池の異なる試験温度での対応するアドミタンスに基づいて第1関数関係をフィッティングし、電池の形状及び寸法に基づいて電池の温度分布モデルを取得し、第1関数関係と組み合わせて、内部温度と表面温度との対応する、電池の表面温度及び電池のアドミタンスと組み合わせて電池の内部温度を推定する第2関数関係を決定することにより、電池のリアルタイムに測定されたアドミタンス及び表面温度と組み合わせて電池の内部温度を推定することを実現し、電池の内部温度の推定精度を効果的に向上させることができる。
【0035】
図4は、本開示の他の実施例に係る電池温度推定方法のフローチャートである。
【0036】
図4に示すように、該方法は、以下のステップS401~S404を含む。
【0037】
S401では、電池がオフライン状態にある場合、特徴的な試験周波数を決定し、特徴的な試験周波数が目標周波数範囲内にあり、目標周波数範囲内に、電池のインピーダンスが電池の充電状態の変化に伴って変化しない。
【0038】
特徴的な試験周波数は、予め試験して得られたものであり、目標周波数範囲のうちの1つの周波数であり、該目標周波数範囲内に、電池のインピーダンスは、電池の充電状態の変化に伴って変化せず、該特徴的な試験周波数は、電池に対してインサイチュアドミタンス試験を行う。
【0039】
具体的な実行過程において、特徴的な試験周波数を決定する過程において、異なる充電状態で、所定の周波数範囲内に電池に対して電気化学インピーダンススペクトル試験を行い、かつ試験の結果に基づいて、所定の周波数範囲から目標周波数範囲を決定し、また、異なる温度で、所定の充電状態で電池の電気化学インピーダンススペクトルの応答値を試験し、応答値を対応するアドミタンスに変換し、目標周波数範囲内における、アドミタンスの実部が温度によって最も大きく変化する周波数を特徴的な試験周波数として決定し、特徴的な試験周波数に基づいて電池に対してインサイチュアドミタンス試験を行うことにより、インサイチュアドミタンス試験データと環境温度データとの間の標準的な関係の確立を効果的に補助し、推定誤差を減少させ、推定精度を向上させることができる。
【0040】
当然のことながら、実際の実行過程において、他の任意の可能な方式で特徴的な試験周波数を決定してもよく、例えば、従来のプログラミング技術(例えば、シミュレーション法及び工学法)を用いて特徴的な試験周波数を決定してもよく、また例えば、遺伝学アルゴリズム及び人工ニューラルネットワークの方法で特徴的な試験周波数を決定してもよい。
【0041】
所定の周波数範囲は、実際の試験経験により予め設定されてもよく、0.01Hz~1kHzであってもよい。
【0042】
一例として、異なる充電状態で、所定の周波数範囲内に電池に対して電気化学インピーダンススペクトル試験を行い、試験の結果に基づいて、所定の周波数範囲から目標周波数範囲を決定し、例えば、室温(25℃)下で容量が50Ahの四角形単電池に対して、0.5Cの倍率で充電状態SOCをそれぞれ0%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%に調整した後に、電気化学インピーダンススペクトル(Electrochemical impedance spectroscopy、EIS)試験を行い、所定の周波数範囲が0.01Hz~1kHzであり、試験結果を分析して、インピーダンスが充電状態の変化に伴って変化しない周波数区間を取得して目標周波数範囲とし、該目標周波数範囲は、100Hz~1kHzであり、図5に示すように、図5は、本開示の実施例に係るEIS曲線グラフである。
【0043】
一例として、異なる温度で、所定の充電状態で電池の電気化学インピーダンススペクトルの応答値を試験し、応答値を対応するアドミタンスに変換し、目標周波数範囲内における、アドミタンスの実部が温度によって最も大きく変化する周波数を特徴的な試験周波数として決定し、例えば、SOCが50%の充電状態で、四角形電池を温度がそれぞれ-20℃、-10℃、0℃、10℃、20℃、30℃、40℃の環境で十分に静置した後、異なる温度での電気化学インピーダンススペクトルの応答値を試験し、インピーダンスの応答値を対応するアドミタンスに変換し、上記決定された目標周波数範囲100Hz~1kHzから、アドミタンスの実部が温度によって最も大きく変化する周波数を決定し、該周波数を特徴的な試験周波数f=200Hzとして決定し、図6に示すように、図6は、本開示の実施例に係る50%の充電状態でのアドミタンスの温度に対する応答曲線グラフである。
【0044】
S402では、特徴的な試験周波数に基づいて、電池の異なる試験温度での対応するアドミタンスの実部を決定する。
【0045】
一例として、特徴的な試験周波数はf=200Hzであり、電池の充放電状態でのアドミタンスに対して、温度が-20℃、-10℃、0℃、10℃、20℃、30℃、40℃の環境でインサイチュ試験を行い、アドミタンスの実部G’を抽出し、次に、ステップS403をトリガーする。
【0046】
S403では、異なる試験温度及び対応するアドミタンスの実部に基づいて第1関数関係をフィッティングする。
【0047】
S404では、電池の形状及び寸法に基づいて電池の温度分布モデルを取得し、第1関数関係と組み合わせて、内部温度と表面温度との対応する、電池の表面温度及び電池のアドミタンスと組み合わせて電池の内部温度を推定する第2関数関係を決定する。
【0048】
一例として、上記ステップで第1関数関係で測定されたアドミタンスの実部は、電池全体のアドミタンスの実部の累積であるべきであり、
【数5】
であり、
ここで、k∈[0,∞]、Tは、k番目のシート状電池に対応する温度を示し、Tの具体的な数値は、シート状電池の電池内部での位置に関連し、hは、電池の厚さの値であり、次に、温度分布モデル、すなわちT(x)=f(Tmax,T,x)によれば、異なる位置での温度T(x)は、内部の最高温度及び電池の表面温度の関数であり、ここで、Tmaxは、電池内部の最高温度を示し、Tは、電池の表面温度を示し、xは、電池内部の異なる位置を示し、T(x)=f(Tmax,T,x)を積分処理後の第1関数関係
【数6】
に代入し、代入後の関数関係を第2関数関係とし、第2関数関係により電池の表面温度、電池のアドミタンス及び電池の内部温度の間の対応関係をフィッティングする。
【0049】
本実施例において、特徴的な試験周波数に基づいて電池に対してインサイチュアドミタンス試験を行うことにより、インサイチュアドミタンス試験データと環境温度データとの間の標準的な関係の確立を効果的に補助し、推定誤差を減少させ、推定精度を向上させることができる。電池がオフライン状態にある場合、電池の異なる試験温度での対応するアドミタンスに基づいて第1関数関係をフィッティングし、電池の形状及び寸法に基づいて電池の温度分布モデルを取得し、第1関数関係と組み合わせて、内部温度と表面温度との対応する、電池の表面温度及び電池のアドミタンスと組み合わせて電池の内部温度を推定する第2関数関係を決定することにより、電池のリアルタイムに測定されたアドミタンス及び表面温度と組み合わせて電池の内部温度を推定することを実現し、電池の内部温度の推定精度を効果的に向上させることができる。
【0050】
図7は、本開示の実施例に係る電池温度推定方法のフローチャートである。
【0051】
図7に示すように、該方法は、以下のステップS701~S702を含む。
【0052】
S701では、推定対象電池の目標表面温度を検出し、推定対象電池の目標アドミタンスを検出する。
【0053】
推定対象電池に温度センサを予め配置することにより、推定対象電池の目標表面温度をリアルタイムに検出し、推定対象電池の目標アドミタンスをリアルタイムに検出することができる。
【0054】
S702では、目標表面温度及び目標アドミタンスに基づいて、第2関数関係と組み合わせて、推定対象電池の内部温度を決定する。
【0055】
具体的な実行過程において、T(x)=f(Tmax,T,x)を積分処理後の第1関数関係
【数7】
に代入し、代入後の関数関係を第2関数関係とし、かつ、Tmaxが電池内部の最高温度を示し、Tが電池の表面温度を示すため、目標表面温度及び目標アドミタンスと組み合わせて、第2関数関係に代入してTmaxを決定し、計算して得られたTmaxを電池内部の実際温度とすることにより、電池内部の最高温度を推定することを実現することができる。
【0056】
本開示の実施例の具体的な実行過程において、実験からの温度と本開示の実施例において推定された結果を図8に示し、図8は、本開示の実施例に係る電池の充電過程における温度変化曲線グラフであり、4つの温度時間曲線は、それぞれ本開示の実施例において推定された電池の内部温度Test、電池全体の等価温度Teq、実際に試験された電池の内部温度T及び電池の表面温度Tを示し、電池の表面温度及び電池全体の等価温度に比べて、本開示の実施例において推定された電池の内部温度は、実際に測定された電池の内部温度に近い。
【0057】
本実施例において、推定対象電池の目標表面温度を検出し、推定対象電池の目標アドミタンスを検出し、目標表面温度及び目標アドミタンスに基づいて、第2関数関係と組み合わせて、推定対象電池の内部温度を決定することにより、電池内部の温度分布を考慮し、実車の電池の内部温度を推定するために内部の最高温度を正確に与えることができるため、電池管理システムは、さらに内部温度に応じて電池の動作状態を最適化することができ、電池が安全な温度範囲内で動作することを保証し、燃えやすく爆発しやすいという潜在的な危険を解消し、電池の動作安全性及び信頼性を向上させる。
【0058】
図9は、本開示の実施例に係る電池温度推定装置の構造概略図である。
【0059】
図9に示すように、該装置900は、
電池がオフライン状態にある場合、電池の異なる試験温度での対応するアドミタンスに基づいて第1関数関係をフィッティングするフィッティングモジュール901と、
電池の形状及び寸法に基づいて電池の温度分布モデルを取得し、第1関数関係と組み合わせて、内部温度と表面温度との対応する、電池の表面温度及び電池のアドミタンスと組み合わせて電池の内部温度を推定する第2関数関係を決定する第1決定モジュール902とを含む。
【0060】
いくつかの実施例において、図10に示すように、フィッティングモジュール901は、
電池がオフライン状態にある場合、特徴的な試験周波数を決定する第1決定サブモジュール9011であって、特徴的な試験周波数が目標周波数範囲内にあり、目標周波数範囲内に、電池のインピーダンスが電池の充電状態の変化に伴って変化しない第1決定サブモジュール9011と、
特徴的な試験周波数に基づいて、電池の異なる試験温度での対応するアドミタンスを決定する第2決定サブモジュール9012と、
異なる試験温度及び対応するアドミタンスに基づいて第1関数関係をフィッティングするフィッティングサブモジュール9013と、を含む。
【0061】
好ましくは、いくつかの実施例において、図10に示すように、装置900は、
推定対象電池の目標表面温度を検出し、推定対象電池の目標アドミタンスを検出する検出モジュール903と、
目標表面温度及び目標アドミタンスに基づいて、第2関数関係と組み合わせて、推定対象電池の内部温度を決定する第2決定モジュール904と、をさらに含む。
【0062】
いくつかの実施例において、第1決定サブモジュール9011は、具体的には、
異なる充電状態で、所定の周波数範囲内に電池に対して電気化学インピーダンススペクトル試験を行い、かつ試験の結果に基づいて、所定の周波数範囲から目標周波数範囲を決定し、異なる温度で、所定の充電状態で電池の電気化学インピーダンススペクトルの応答値を試験し、応答値を対応するアドミタンスに変換し、目標周波数範囲における、アドミタンスの実部が温度によって最も大きく変化する周波数を特徴的な試験周波数として決定する。
【0063】
いくつかの実施例において、フィッティングサブモジュール9013は、具体的には、
異なる試験温度、対応するアドミタンスの実部、及びArrhenius式に基づいて第1関数関係をフィッティングする。
【0064】
いくつかの実施例において、第1決定モジュール902は、具体的には、
第1関数関係を積分処理し、温度分布モデルに基づいて、積分処理後の第1関数関係と組み合わせて電池の第2関数関係を決定する。
【0065】
いくつかの実施例において、電池の形状は、四角形である。
【0066】
なお、前述の図1図8の実施例における電池温度推定方法の実施例に対する説明は、該実施例の電池温度推定装置900にも適用され、その実現原理は類似し、ここでは説明を省略する。
【0067】
本実施例において、電池がオフライン状態にある場合、電池の異なる試験温度での対応するアドミタンスに基づいて第1関数関係をフィッティングし、電池の形状及び寸法に基づいて電池の温度分布モデルを取得し、第1関数関係と組み合わせて、内部温度と表面温度との対応する、電池の表面温度及び電池のアドミタンスと組み合わせて電池の内部温度を推定する第2関数関係を決定することにより、電池のリアルタイムに測定されたアドミタンス及び表面温度と組み合わせて電池の内部温度を推定することを実現し、電池の内部温度の推定精度を効果的に向上させることができる。
【0068】
図11は、本開示の実施例に係る電子機器の構造概略図である。
【0069】
該電子機器1000は、メモリ1001と、プロセッサ1002と、メモリ1001に記憶され、かつプロセッサ1002上で実行可能なコンピュータプログラムと、を含む。プロセッサ1002は、プログラムを実行すると、上記実施例に係る電池温度推定方法を実現する。
【0070】
可能な一実現方式において、電子機器は、メモリ1001とプロセッサ1002との間の通信に用いられる通信インタフェース1003をさらに含む。
【0071】
本実施例において、電池がオフライン状態にある場合、電池の異なる試験温度での対応するアドミタンスに基づいて第1関数関係をフィッティングし、電池の形状及び寸法に基づいて電池の温度分布モデルを取得し、第1関数関係と組み合わせて、内部温度と表面温度との対応する、電池の表面温度及び電池のアドミタンスと組み合わせて電池の内部温度を推定する第2関数関係を決定することにより、電池のリアルタイムに測定されたアドミタンス及び表面温度と組み合わせて電池の内部温度を推定することを実現し、電池の内部温度の推定精度を効果的に向上させることができる。
【0072】
本実施例は、プロセッサにより実行されると、以上の電池温度推定方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されるコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。
【0073】
なお、本開示の説明において、用語「第1」、「第2」などは、目的を説明するためのものに過ぎず、相対的な重要性を指示するか又は暗示するものとして理解すべきではない。また、本開示の説明において、別に説明しない限り、「複数」とは、2つ以上を意味する。
【0074】
フローチャート又は本開示で他の方式で説明された任意のプロセス又は方法についての説明は、特定のロジック機能又はプロセスのステップを実現するための1つ以上の実行可能な命令を含むコードのモジュール、セグメント又は部分を示すと理解されてよく、また、本開示の好ましい実施形態の範囲は、別の実現を含み、示されたか又は検討された順序ではなく、係る機能に応じてほぼ同時に又は逆の順序で機能を実行してよく、これは、本開示の実施例が属する当業者に理解されるべきである。
【0075】
なお、本開示の各部分は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はそれらの組み合わせで実現することができる。上記実施形態では、複数のステップ又は方法は、メモリに記憶され、かつ適切な命令実行システムにより実行されるソフトウェア又はファームウェアで実現することができる。例えば、ハードウェアで実現すれば、他の実施形態と同様に、データ信号に対してロジック機能を実現するためのロジックゲート回路を有する離散ロジック回路、適切な組み合わせロジックゲート回路を有する特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などという本分野の公知技術のうちのいずれか又はそれらの組み合わせで実現することができる。
【0076】
当業者が理解できるように、上記実施例の方法に含まれる全部又は一部のステップを、プログラムにより関連ハードウェアに命令を出して完成させることができ、上記プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶することができ、該プログラムが実行される時に、方法の実施例のステップの1つ又はそれらの組み合わせを含む。
【0077】
また、本開示の各実施例における各機能ユニットは、1つの処理モジュールに統合されてもよく、別々に物理的に存在してもよく、2つ又は2つ以上のユニットを1つのモジュールに統合してもよい。上記統合されたモジュールは、ハードウェアの形態で実現されてもよく、ソフトウェア機能モジュールの形態で実現されてもよい。上記統合されたモジュールは、ソフトウェア機能モジュールの形態で実現され、かつ独立した製品として販売又は使用される場合、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。
【0078】
上記言及された記憶媒体は、読み出し専用メモリ、磁気ディスク又は光ディスクなどであってもよい。
【0079】
本明細書の説明において、用語の「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」又は「いくつかの例」などを参照した説明は、該実施例又は例と組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同一の実施例又は例に限定されるものではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ又は複数の実施例又は例において適切に組み合わせることができる。
【0080】
以上、本開示の実施例を示して説明したが、上記実施例は例示的なものであり、本開示を限定するものであると理解すべきではなく、当業者であれば、本開示の範囲で上記実施例に対して変更、修正、交換及び変形を行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2022-05-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正の内容】
図10
【国際調査報告】